説明

接近照明を備える風力タービン

本発明は、接近照明を備える風力タービンに関する。本発明によれば、前記接近照明は車両、好ましくは航空機が所定の距離のところで風力タービンに近づく場合にのみ活動化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行警告灯装置を備える風力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
その点における一般的技術水準として、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、ならびに特許文献6、および高層建築物、特に風力装置に関する飛行警告灯装置の運転を包含する、該当する規制に注意が向けられるべきである。
【0003】
これらの飛行警告灯装置に関しては様々な代替の構成があり、通常、飛行警告灯装置は「閃光(flashing lights)」と呼ばれるものの形をとっており、したがって提供されるその結末は点灯される所与の持続時間(「明相」)と、閃光がスイッチオフされる対応する「暗相」とによって識別される「点滅光(winking lights)」となる。
【0004】
また、これらの飛行警告灯装置は、特に、風力装置と航空機の衝突を避けるように航空交通のための方位確定の目的にも役立つ。それにもかかわらず、飛行警告灯装置は洋上風力装置と船もしくは他の海上船舶との間の衝突を確実に防止するために洋上風力装置に関して使用されることも指摘されるべきである。
【0005】
次に、このような飛行警告灯装置を絶え間なく活動化すると、特に風力装置または多数の風力装置(風力発電タービン設置区域と呼ばれる)が陸地に配置され、多数の居住者が閃光によって困らされていると感じるタウンシップまたは居住家屋の付近にそれらの風力装置がある場合、まさに夜間に常に問題があり、このことは風力技術それ自体がやはりその点において負のイメージを得るという結果をついに繰り返し有することになる。
【特許文献1】国際公開公報第01/86606号パンフレット
【特許文献2】国際公開公報第97/29320号パンフレット
【特許文献3】米国特許第6013985号号明細書
【特許文献4】英国特許第2315123号号明細書
【特許文献5】英国特許第1383653号号明細書
【特許文献6】米国特許第4620190号号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、飛行警告灯装置による以前の悪影響を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、請求項1に記述される特徴、およびさらなる請求項の一項に記述される特徴を有する風力装置が提案される。有利な展開が添付の請求項において説明される。
【0008】
本発明によれば、風力装置の飛行警告灯装置は常にスイッチオフされ、したがってまた居住者が有害な視覚障害を表すことはない。風力装置の飛行警告灯装置(あるいは風力発電タービン設置区域に設けられた風力装置の各飛行警告灯装置)は航空機、船舶、車両、または船が近づいている場合にのみスイッチオンされる。
【0009】
風力装置(または風力発電タービン設置区域の少なくとも1つの風力装置)は所定の周波数から成る所定の信号を受信することができる受信機を有することが好ましい。いかなる信号も受信されない限り飛行警告灯装置はスイッチオフされ、受信機の下流に接続される箇所には飛行警告灯装置の対応するスイッチオン信号およびスイッチオフ信号を発生するスイッチング手段がある。信号が受信機によって受信されると、飛行警告灯装置はスイッチオンされ、したがって例えば閃光光の形でスイッチオンされまたはスイッチオフされることについて所与のリズムをとるように通常の方式で点灯し始める。
【0010】
この提案された解決策に加えてかつ/またはその代替として、飛行警告灯装置をスイッチオンすることは受信電界強度に依存させることもでき、ここで合図を送っている船舶または車両が風力装置に対して所定の距離をとっている場合にのみ飛行警告灯装置はスイッチオンされるように信号が受信される。その点において、送信機の距離および/または送信機の動きは受信電界強度、または送信機信号の評価の際に評価することができる他のパラメータから推論できることが想定できる。時間に関して連続して生じる差の測定によって、また、送信機が風力装置に近づいているかどうか確かめることが可能であることがあり、その場合には風力装置は飛行警告灯装置がスイッチオンされるかどうかについてそこから決定を導き出すことができ、このことは時間に関して連続して発生する測定値が受信電界強度の増加を示す場合に適切であり、あるいは送信機が風力装置から遠ざかっていることを連続的な受信電界強度の測定値が示す場合には風力装置はスイッチオフされる。
【0011】
送信機が受信機に近づいている場合、閃光リズムは受信電界強度の増加によって変更する(例えば増加する)ことができ、このことは、送信機が航空機に配置される場合に航空機のパイロットが風力装置または風力発電タービン設置区域に設けられたそれらの風力装置におそらく過度にぴったりと近づいていることをパイロットに明らかにし、次にパイロットはまた適切な回避措置をとることができる。
【0012】
またさらなる変形では、風力装置が受信機ばかりでなく送信機も有し、この送信機は常に、または受信機が第1の送信機(これは例えば航空機に配置される)から信号を受信する場合に風力装置の位置座標を含む送信信号を(例えばGPSデータ形式で)送信することが可能である。この信号は航空機によって受信することができ、その結果航空機(船、船舶、車両等)と風力装置との間の双方向通信により、飛行警告灯装置なしで航空機のパイロット(または自動操縦装置システム)(船の船長)は、彼が船舶または車両(航空機)の適切な制御を行うために風力装置(または風力発電タービン設置区域)の付近にいることを彼自身認識することも可能である。
【0013】
また、送信機および受信機が互いに通信する周波数は軍事技術において敵味方識別のために確保しておくものであり得る。
【0014】
送信信号がデジタル信号である場合、送信機の受信機までの距離は、受信機の下流に配置される誤り認識手段によって誤り率からやはり推論することができ、そしてこの誤り率が所与の誤り率閾値より小さく減少する場合、次いで飛行警告灯装置の活動化が開始される。
【0015】
したがって、風力装置の受信機の下流に配置される誤り率認識手段はまた、飛行警告灯装置を活動化しまたは非活動化するための適切なスイッチング基準を作り出すために電界強度測定値、またはその補足のための代用パラメータとして事実上使用することもできる。
【0016】
また飛行警告灯装置には、活動化時間および非活動化時間をそれぞれ記録し、メモリにそれらを記憶するマイクロプロセッサを備え、加えてこれらの格納されたデータをまた、飛行監視のためのこれらのデータを使用することができる中央飛行管理施設まで通すことが好ましい。
【0017】
風力装置からこのような飛行管理施設までのデータの通信は、VHF、MW、FM、AM、インターネットプロトコル、モデム接続、またはGSM等のような従来の技術装置によって行われる。
【0018】
本発明により、飛行警告灯装置は従来よりもかなり少なく運転に関与することになり、このことは飛行警告灯装置の耐用年数を長くするのに最終的に役立ち、特に、飛行警告灯装置の居住者は飛行警告灯装置によって従来よりも著しく少なくストレスが加えられることが可能になる。
【0019】
またこれは、送信機がまた所与の送信機特有の識別を伝え、その結果この識別がまたいくつかの環境下で復号化され記録される場合には、特に有利である。望まれる場合には、識別についてのその結合伝送を航空機の接近にもかかわらず活動化を行わないように使用することもできる。したがって、いくつかの環境下では送信機からの信号の受信にもかかわらず、その状況が軍事上の使用を必要とする場合には飛行警告灯装置の活動化は望まれないことがあり、また特定の識別が送られる場合、その識別が「指標(index)」(対応する各識別のリスト)にあることがこの識別から明らかであるならば活動化を防ぐことができ、これらのことにより飛行警告灯装置が通常の方法でスイッチオンされまたは活動化されることは意図されない。
【0020】
飛行警告灯装置が時間スイッチを有する場合、閃光リズムは飛行警告灯装置への適切な信号によって変更することもでき、また飛行警告灯装置をスイッチオフすることは送信信号の中止直後に行われないが、飛行警告灯装置は、送信機からの最後の信号の受信後、および/または受信信号が所与の閾値より小さく減少した後、所与の時間に達した場合にのみスイッチオフする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は通常の障害物または危険灯を示す。本明細書の開始部分で参照した一般的技術水準からの文書の内容は、本出願の内容に明白に組み込まれている。その一般的技術水準はとりわけ飛行警告灯装置の構造を示す。本発明は軍用飛行場または空港等の付近の風力装置に関して使用されることが好ましい。
【0022】
飛行警告灯装置は風力装置のポッドに配置される閃光を有することができる。しかし照明手段はポッドではなく代替として、かつ/またはロータブレード、好ましくはロータブレードの先端に配置されることもできる。
【0023】
上述の説明のさらなる代替または補足の形となるべき本発明の変形では、車両または船舶がRF-IDタグを有し、かつ/または風力装置がRF-IDタグを備えることが可能である。その場合、車両もしくは船舶、および/または風力装置はまた、応答コード信号を発生するようにRF-IDタグを励起することができる質問機を備える(すなわち航空機の場合、質問機は風力装置のRF-IDタグに無線で通信し、風力装置が質問機を有する場合には、航空機のRF-IDタグに無線で通信する)。質問機がRF-IDタグから利用できる応答信号を受信すると同時に、この応答信号は、本出願によりすでに説明された方法で飛行警告灯装置をスイッチオンするために、あるいは航空機が風力発電タービン設置区域の付近にいること、および実際の車両または船舶の風力発電タービン設置区域への接近について航空機コックピットが常に報告されることを航空機コックピット内に表示するために、スイッチング信号として評価される。特に、コックピット内での風力装置にインストールされるRF-IDタグ応答信号の受信は、飛行警告灯装置の状況を実際に模擬するという効果を有することができる。なぜなら、風力装置の飛行警告灯装置がスイッチオンされることが極めて重要なのではなく、風力発電タービン設置区域または風力装置に近づいておりそれとの衝突進路にある車両または船舶が風力装置または風力発電タービン設置区域に近づいていることを気づかされることが知られているからである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】通常の障害物または危険灯を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行警告灯装置を備えた風力装置であって、車両または船舶、好ましくは航空機が所定の間隔まで前記風力装置に近づいた場合にのみ前記飛行警告灯装置がスイッチオンされることを特徴とする風力装置。
【請求項2】
飛行警告灯装置を備えた風力装置であって、前記風力装置が移動送信機からの信号を受信することができる受信機を有し、所定の信号が該受信機によって受信された場合に前記飛行警告灯装置がスイッチオンされる風力装置。
【請求項3】
前記受信信号がもはや受信されず、かつ/または前記受信信号が所定の値より小さい受信強度で受信された場合に前記飛行警告灯装置が再びスイッチオフすることを特徴とする、請求項2に記載の風力装置。
【請求項4】
前記信号がもはや受信されず、かつ/または前記受信強度、例えば電界強度が所定の値より小さく減少した後、所定の時間後に前記飛行警告灯装置が自動的にスイッチオフされることを特徴とする、請求項3に記載の風力装置。
【請求項5】
前記送信機が送信する送信周波数が飛行機旅行および/または輸送において通常使用されている周波数であることを特徴とする、請求項1から4の一項に記載の風力装置。
【請求項6】
前記車両または船舶、特に航空機および/または船によって送信された信号が前記風力装置に配置されるデコーダによって復号化されうる所定の識別を有し、所定の識別信号が復号化された場合に前記飛行警告灯装置がスイッチオンされることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の風力装置。
【請求項7】
前記飛行警告灯装置が前記風力装置のポッドに配置されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の風力装置。
【請求項8】
前記飛行警告灯装置がロータブレード、好ましくは該ロータブレードの先端に配置されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の風力装置。
【請求項9】
前記飛行警告灯装置は航空機および/または船、あるいは他の車両または船舶が接近すると所定のリズムで点灯することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の風力装置。
【請求項10】
前記飛行警告灯装置が点灯する前記リズムは前記車両または船舶がさらに接近すると変化し、好ましくはスイッチオフ時間が減少することを特徴とする、請求項9に記載の風力装置。
【請求項11】
前記風力装置が前記飛行警告灯装置をスイッチオンするための信号用の時間スイッチおよび受信機を有し、前記信号の前記受信強度が前記受信機の下流に配置された評価手段で評価され、前記評価信号が前記時間スイッチまで通され、それにより前記受信信号の前記強度に従って前記飛行警告灯装置のスイッチオン持続時間および/またはスイッチオフ持続時間を決定することを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の風力装置。

【図1】
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【公表番号】特表2009−526942(P2009−526942A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554752(P2008−554752)
【出願日】平成19年2月12日(2007.2.12)
【国際出願番号】PCT/EP2007/051312
【国際公開番号】WO2007/093570
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(500017944)アロイス・ヴォベン (107)
【Fターム(参考)】