換気機能付き屋根
【課題】小屋裏の換気を可能とした屋根を、簡易な構造で、かつ低コストで提供すること。
【解決手段】野地板の下端近傍に、建物内部に通じる開口部を設ける。開口部の下方の野地板上に通気部材を取り付ける。通気部材の上に、屋根部材を支持する瓦支持部材を取り付ける。開口部を覆う防水部材を、野地板と通気部材の上面との間に設ける。これにより、通気部材と開口部を通して小屋裏への換気が可能になるとともに、防水部材により、開口部からの建物内への浸水を防止できる。
【解決手段】野地板の下端近傍に、建物内部に通じる開口部を設ける。開口部の下方の野地板上に通気部材を取り付ける。通気部材の上に、屋根部材を支持する瓦支持部材を取り付ける。開口部を覆う防水部材を、野地板と通気部材の上面との間に設ける。これにより、通気部材と開口部を通して小屋裏への換気が可能になるとともに、防水部材により、開口部からの建物内への浸水を防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根の流れ方向の下端に通気性を施し、軒先、あるいは屋根の端部を通して建物内の換気を可能とした換気機能付き屋根に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、野地板の先端部分を通気性のある部材で構成し、更に野地板の下端近傍に開口部を設け、軒先部に設けられた通気性を有する部材と開口部を通して、小屋裏や室内など建物内における外気換気を可能とした小屋裏換気構造などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2008−150904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記建築物の小屋裏換気構造では、野地板と通気部材とを対応させて取り付ける必要があり、使用部材の選定や組み付け工程に手間がかかり、施工コストが増加するなどの問題があった。
【0005】
また軒先部は、美観の観点や、火災発生時など、周囲からの延焼を防止する観点から、防火基準を満たした従来から使用されている通常の材質から形成されるのが好ましい。
【0006】
本発明は上記課題を解決し、コストが低く、簡易な構成で、屋根の流れ方向下端に設けられた通気部材を用いて、小屋裏など建物内における外気換気を可能とし、また美観を保持し、かつ延焼などを防止できる換気機能付き屋根を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明では換気機能付き屋根を次のように構成した。
野地板の下端部近傍に、表裏を貫通させた開口部を設ける。開口部は、小屋裏など建物内部に連通する位置に形成する。
【0008】
開口部より下方の野地板上に、通気部材を設ける。通気部材は、少なくとも屋根の傾斜方向に通気性を具え、かつ瓦等の屋根部材と瓦支持部材を支持するに十分な強度を有する。通気部材としては、例えば波板、厚み方向に複数の支柱部材を具えた板状部材、通気方向に開口を具えた箱状部材、複数の通気孔を具えた板状部材などから形成する。
【0009】
瓦支持部材は、例えば鼻桟、かわら桟であり、通気部材との間に通水性が形成されるように、下面に溝部などを設ける。瓦支持部材に、瓦などの屋根部材を載せ、屋根部材を葺く。
【0010】
更に防水部材を開口部の上方に設け、開口部を防水部材で覆う。防水部材は、開口部を跨いで通気部材の上部と野地板との間を渡すように設ける。つまり屋根の傾斜に沿って野地板上を流下してきた水は、防水部材により開口部を越えて、通気部材の上面を通り野地板の端縁から排出されることとなる。防水部材は、野地板の防水処理のために設けられた防水布の一部を利用しても、開口部を覆うために専用に設けたものでもよい。また、通気部材と防水部材を一体に形成してもよい。
【0011】
また、野地板の下方に通気部材を設けた。通気部材は、内部に通気路を有し、通気部材を屋根に取り付けると、通気路の一方は外気に連通し、他方側は建物内部に連通する。また通気部材は、野地板の上面と連続するように形成した。
【0012】
通気部材の下面側に広こまいを設けた。更に、広こまいと通気部材とを組合わせた厚みを、野地板の厚みとほぼ等しい厚みとした。
【発明の効果】
【0013】
本発明にかかる換気機能付き屋根は、次の効果を有している。
小屋裏の空気(内部空気)は、野地板に設けられた開口部を通り、野地板と防水部材の間に排出される。野地板と防水部材との間に排出された内部空気は、通気部材を通り、建物の外部に放出される。また外気が通気部材を通り、野地板と防水部材との間に流入すると、その外気は野地板に設けられた開口部から小屋裏や室内など建物内部に導入される。このようにして、屋根の流れ方向下端に設けられた通気部材を用いて建物内の外気との換気が行える。
【0014】
一方雨水は、通気部材の内部を上昇することがなく、また屋根部材の隙間などから浸入した水は、屋根の傾斜に沿って野地板上を流れ落ち、そして防水部材に達すると、開口部を越えて通気部材の上面を至り、通気部材を通って野地板の端縁から排出される。したがって、雨水等が開口部を通って小屋裏内等に流入することがなく、かつ屋根部材の隙間を通って屋根部材の内側に雨水が浸入しても、野地板上に雨水が溜まることなく、確実に屋根から排出される。
【0015】
換気機能付き屋根は、開口部を野地板に設け、その下端に通気部材と瓦支持部材を野地板上に取り付けることで形成でき、部材を選択する自由度が大きく、かつ取付作業が容易となり、施工コストを低減できる。また波板や防水布等を市販部材で構成すると、材料費を低く抑えることができ、安価で、かつ施工をより容易にできる。
【0016】
また通気部材は、野地板に連続して取り付けられるので、施工が容易で、コストを低減することができる。野地板と通気部材との間に段差をなくすことができ、金属製屋根材など平板状の屋根部材を簡易に葺くことが可能となる。
【0017】
また、通気部材の下面に広こまいを設けたので、通気部材で通気が可能となり、そして従来から用いられている材質で広こまいが形成されることから、美観や防炎上好ましく施工できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明にかかる換気機能付き屋根の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の換気機能付き屋根を示す斜視図である。
【図3】図1の換気機能付き屋根を示す分解斜視図である。
【図4】換気機能付き屋根の他の例を示す断面図である。
【図5】換気機能付き屋根の他の例を示す断面図である。
【図6】換気機能付き屋根の他の例を示す断面図である。
【図7】通気部材を示す斜視図である。
【図8】換気機能付き屋根の他の例を示す断面図である。
【図9】換気機能付き屋根の他の例を示す断面図である。
【図10】換気機能付き屋根の他の例を示す断面図である。
【図11】換気機能付き屋根の他の例を示す断面図である。
【図12】換気機能付き屋根の他の例を示す断面図である。
【図13】換気機能付き屋根の他の例を示す断面図である。
【図14】換気機能付き屋根の他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明にかかる換気機能付き屋根の一実施形態について説明する。
図2、図3に、建物の屋根10を示す。屋根10は、棟(図示せず。)を中心とした屋根の片側であり、図の右方を下にして所定角度で傾斜している。以下、屋根10を、重力の方向を下方、その逆を上方とし、建物の内部から外に向かう方向を外方、その逆を内方として説明する。
【0020】
屋根10は、野地板12と、垂木14と、屋根部材としての瓦16などから構成されている。垂木14は、一端が棟木(図示せず。)に取り付けてあり、棟木から先端下がりに傾斜して設けられている。垂木14上には野地板12が取り付けられている。野地板12は、主板部17と、下部板18から形成され、下部板18が、主板部17の下方に、主板部17と所定の間隔をあけて取り付けられている。主板部17と下部板18の間には間隙が形成され、その間隙が開口部20となっている。
【0021】
垂木14の下端には、鼻かくし22が取り付けてある。鼻かくし22と外壁26の間には軒天井24が設けられている。野地板12、鼻かくし22、軒天井24で形成される空間は、小屋裏15に連通している。また開口部20は、小屋裏15に連通して形成されている。
【0022】
野地板12の上面には、下地材としての防水布30が敷かれている。防水布30は、野地板12のほぼ全面に敷かれており、防水布30を挟んで、野地板12上に瓦16が葺かれている。瓦16は、かわら桟(図示せず。)等を介して、従来と同様の工法で野地板12に取り付けられている。
【0023】
次に、屋根10の下端部分について説明する。
【0024】
下部板18には、水切部材としての水切板36が取り付けられている。水切板36は、金属製の薄板からなり、プレス成形等により形成されている。水切板36は、下部(外方)に延出部38を具え、上部に立上り部40を具えている。延出部38は、図1にも示すように、下部板18の端部に一致した位置で斜め下方に屈曲されており、下端に返し39が形成されている。延出部38は、基本的には鉛直、すなわち水平面と垂直になるように角度を設定することが好ましいが、強風地域では、延出部38を鉛直より建物の側に傾斜させて取り付けると、雨水の浸入を効果的に防止できる。また、雨樋までの範囲内で、延出部38を下方に長くすると風の巻き込みを抑制し、雨水の浸入を防止できる。(水切板に関して、以下同じである。)
立上り部40は、上方に屈曲し、下部板18の上部端縁にほぼ一致した位置に設けられている。尚水切板36は、金属製薄板に限らず、他の素材で形成してもよい。
【0025】
水切板36の上面には、通気部材としての波板42が取り付けられている。波板42は、樹脂などからなる、断面波状の薄板部材である。波板42は、断面波状の頂部や底部を結んだ直線が、屋根10の傾斜方向とほぼ平行になるように取り付けられている。
【0026】
波板42の上面には、覆い板44が取り付けられている。覆い板44は、水切板36と同様金属製薄板等で形成されている。覆い板44は、波板42の上面を覆うとともに、水切板36の立上り部40を跨ってその上方に、下向きに屈曲した屈曲片48を具えている。
【0027】
覆い板44の上面には、防水布30が設けられている。防水布30は、野地板12の主板部17から連続して、開口部20を越え、覆い板44の上面に載置されている。尚防水布30は、接着剤等を用いて覆い板44の上面に接着してもよい。
【0028】
覆い板44の上面には、瓦支持部材としての鼻桟50が設けられている。鼻桟50は、所定の高さ幅を有する角材であり、覆い板44を挟んで、波板42に固定されている。鼻桟50の下面には、幅方向、つまり屋根10の傾斜方向に沿って切り欠いた溝52が形成してあり、溝52を介して水が通過可能となっている。すなわち、屋根10の傾斜に沿って防水布30や覆い板44の上を流れてきた水が、鼻桟50が覆い板44上に取り付けられた状態で溝52を通って更に下方に流下可能となっている。鼻桟50の上面には、屋根10の最下端のかわら16が載せてある。かかる瓦16は、鼻桟50の上面に載せられた状態で野地板12に固定されている。
【0029】
尚、延出部38と波板42と覆い板44とを、予め一体に形成していてもよい。また防水布30は、鼻桟50と覆い板44の間に挟んでもよい。
【0030】
次に、屋根10の作用、効果について説明する。
【0031】
屋根10において小屋裏15内の空気(「内部空気」とする。)は、図1の点線Aの矢印で示すように野地板12に設けられた開口部20を通って野地板12と防水布30の間に流出する。野地板12と防水布30の間に流出した内部空気は、更に波板42を通り、屋根10の軒先から建物の外方に排出される。同様に外気は点線Aと逆に、軒先から、覆い板44と水切板36の間に波板42で形成された空隙を通って、防水布30と野地板12との間に導入される。防水布30と野地板12との間に導入された外気は、開口部20を通って小屋裏15内に流入する。これにより、建物内部(小屋裏15内)が外気と換気される。
【0032】
また雨水が瓦16の間を通過して野地板12に達すると、雨水は、野地板12上に張られた防水布30上を、屋根10の傾斜に沿って流下する。そして雨水が、開口部20の近傍に至ると、開口部20の上部を覆って設けられた防水布30上を流れ、覆い板44の上面から溝52を通り、軒先から建物の外に流下する。これにより、雨水が開口部20から小屋裏等に浸入することがなく、また、雨水が屋根10に溜まることもない。
【0033】
このように屋根10によれば、波板42より通気通路が十分に確保され、確実な換気作用が得られるとともに、防水布30により、開口部20からの雨水の浸入を防ぎ、雨漏りなどを防止できる。しかも、波板42や防水布30は、市販の部材を利用できることから、安価で、かつ容易に施工することができる。
【0034】
図4に、屋根の他の例を示す。図4に示す屋根11は、波板42に代えて通気板43を設けた以外は、屋根10の構成と同様の構成を有している。以下同一の部材には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0035】
通気部材としての通気板43は、上板67と下板68を上下に平行に具え、その間に支柱部材69を複数設けて板状部材として形成してあり、上板67と下板68の間が四方に通気可能となっている。このように通気板43を用いて屋根11を構成しても、上記屋根10の例と同様建物内の十分な換気性能と、防水性能を具え、かつ瓦16等の屋根部材を必要な強度で支持することができる。
【0036】
更に図5に、屋根の他の例を示す。図5に示す屋根13は、波板42および覆い板44に代えて通気板45を設けた以外は、屋根10の構成と同様の構成を有している。以下同一の部材には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0037】
通気部材としての通気板45は、箱型の部材からなり、前後方向(取付け位置においては、屋根13の傾斜方向)に沿った面が開放され通気可能となっており、かつ内面にいくつかの邪魔板47が通気方向と直角に設けられている。通気板45の上板は、上方に延び、開口部20の上面に被っている。
【0038】
このように通気板45を用いて屋根13を構成しても、上記屋根10の例と同様建物内の十分な換気性能と、防水性能を具え、かつ瓦16等の屋根部材を必要な強度で支持することができる。
【0039】
更に通気板としては、上記例に限らず貫通孔を複数幅方向に貫通させて形成したりして通気性能を形成したものでもよい。
【0040】
図6に、屋根の他の例を示す。この屋根21は、通気部材が野地板12と連続して設けられている点を除き、他の構成はほぼ上記屋根の構成と同一である。以下、同一の部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0041】
野地板12は、垂木14の下端まで延びておらず、垂木14の下端から所定長さ上方まで設けられている。野地板12の下端に連続して、通気部材23が設けられている。通気部材23は、図7にも示すように所定の幅を有する長尺の部材で、垂木14の下端部に取り付けられている。
【0042】
通気部材23は、上板25と、下板27と、仕切り板28(図7参照。)などから構成されている。上板25は、下板27より幅(屋根の傾斜方向に沿った長さである。)が広く、下板27とほぼ平行に設けられている。仕切り板28は、上板25と下板27の間に所定の間隔で取り付けられている。仕切り板28は互いに平行で、通気部材23を垂木14に取り付けた際、屋根の傾斜方向に沿った方向になるよう取り付けられている。
【0043】
これにより通気部材23の内部に、点線Aで示すように通気可能な通気路29が、屋根の傾斜方向に沿った方向に形成されている。更に、上板25は、上縁が野地板12の下端に隙間なく当接するように取り付けられている。通気部材23の上部には鼻桟50が取り付けられている。鼻桟50の上部に瓦16が載せられている。防水布30は、野地板12と通気部材23を跨いで連続して設けられている。尚、上板25と野地板12の接合箇所に防水シールなどを貼付してもよい。その他の構成は、上記屋根10等と同様の構成である。
【0044】
屋根21は、上述したように構成されているので、図6に示すように小屋裏15の内部空気は、点線Aで示すように、上板25と下板27の段違いにより形成された開口部32を通り、通気路29を通過し、通気部材23の下端から排出される。また外気が通気路29を通って小屋裏15内に流入し、建物内部が外気と換気される。
【0045】
屋根21は、通気部材23を野地板12の端部に直接接触させて取り付けられるので、容易に施工することができる。また屋根21は、通気部材23と野地板12の上面を同一平面に形成できるので、瓦16に限らず、金属製屋根部材やセメント製屋根部材などの平板状の屋根部材を容易に葺くことができる。
【0046】
図8に、屋根の他の例を示す。この屋根31は、屋根21の通気部材23に変更を加えたもので、他の構成は屋根21の構成と同一である。以下、同一の部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0047】
屋根31の通気部材33は、上板25と、下板27と、邪魔板34などから構成されている。上板25は、下板27より幅(屋根の傾斜方向に沿った長さである。)が広く、下板27とほぼ平行に設けられている。邪魔板34は、上板25と下板27のそれぞれ内側面に、所定の間隔で取り付けられている。邪魔板34は互いに平行で、通気部材33を垂木14に取り付けた際、屋根の桁方向に沿い、かつ邪魔板34が上下にそれぞれ互い違いに配置されるように取り付けられている。
【0048】
これにより通気部材33の内部に、点線Aで示すような上下に屈曲した通気路35が、屋根の傾斜方向に沿った方向に形成されている。上板25は、上縁が野地板12の下端に隙間なく当接するように取り付けられている。通気部材33の上面には鼻桟50が取り付けられている。鼻桟50の上部に瓦16が載せられている。防水布30は、野地板12と通気部材33を跨いで連続して設けられている。尚、上板25と野地板12の接合箇所に防水シールなどを貼付してもよい。その他の構成は、上記屋根21等と同様の構成である。
【0049】
屋根31は、上述したように構成されているので、図8に示すように小屋裏15の内部空気は、点線Aで示すように、上板25と下板27の段違いにより形成された開口部32を通り、通気路35を通過し、通気部材33の下端から排出される。また外気が通気路35を通って小屋裏15内に流入し、建物内部が外気と換気される。更に通気路35内には邪魔板34が設けられているので、邪魔板34によって通気流が屈曲され、雨滴の浸入が遮断される。したがって雨天時、小屋裏15に外気が流入しても、雨滴が流入することはない。
【0050】
屋根31は、通気部材33を野地板12の端部に直接接触させて取り付けられるので、容易に施工することができる。また屋根31は、通気部材33と野地板12の上面を同一平面に形成できるので、瓦16に限らず、金属製屋根部材やセメント製屋根部材などの平板状の屋根部材を容易に葺くことができる。
【0051】
図9に、図4に示した屋根11の他の例を示す。この屋根11は、水切板36が通気板43の上板67に取り付けてある。水切板36は、上述したように、金属製の薄板からなり、下部(外方)に延出部38を鉛直、あるいは建物の側に傾斜させて取り付けられている。
【0052】
また、水切板57が、下部板18の上面に取り付けられている。水切板57は、例えば金属板からなり、下部板18の上面から下部板18の下端で屈曲して下方に延び、下部板18の下端面を覆っている。その他の構成は、図4に示した屋根11と同様の構成である。
【0053】
このように水切板36を通気板43の上板67に取り付けると、通気板43の下端開口の前方を水切板36で覆うことができ、横風が強い時でも風を遮り、通気板43を通過して雨水などが小屋裏15に浸入してくることを有効に防止できる。また、建物の側に延出部38を傾斜させれば、横風を遮り、より効果的に雨水の浸入を防止できる。
【0054】
更に、水切板57を下部板18の上面に取り付けることにより、水切板57と水切板36により外部から通気板43へ通じる開口面積を狭めることができ、小屋裏15への雨水等の浸入を効率よく防止できる。水切板57の下端縁が、下部板18の下端面の下方に延びていることにより、例えば横風が破風板22に当たり上方に巻き上げられた風を、下部板18の下端面から延びている水切板57の下端縁で遮ることができ、横風の巻き込みによる小屋裏15への雨水の浸入をより効果的に防止できる。
【0055】
更に防水布30の上面を流れ落ちてきた水は、鼻桟50を通過して、水切板36を伝って落下するので、野地板12から離れた箇所から落水し、野地板12や、鼻かくし22など外壁部の水濡れを防止できる。(かかる水切板36、あるいは水切板57による効果は、後述する実施形態で同様に有する。)
図10に、屋根の他の例を示す。図10に示す屋根41は、野地板12の下端に、軒先通気部材53が設けられている。軒先通気部材53は、軒先通気部材53の厚み方向の上部分に設けられた通気部材54と、下部分に設けられた広こまい56の上下二段から形成され、野地板12との間に実質的な間隙を形成することなく設けられている。また軒先通気部材53は、通気部材54と広こまい56とを合わせた全体の厚みが、野地板12の厚みと同等の厚みを有し、屋根41に取り付けたとき、軒先通気部材53の上下面と野地板12の上下面とがほぼ連続するようになっている。尚、通気部材54と広こまい56の厚みの割合は、1対1の均等でなく、必要に応じて適宜厚みの比率を変更してよい。
【0056】
通気部材54は、内部が通気可能で、上述した通気部材23や通気部材33等に対して厚み幅をほぼ半減させたのみ、同様の構成を有する部材から形成されている。また通気部材54は、所定の横幅(屋根に取り付けた場合の屋根の傾斜に沿った方向の長さである。)を有し、軒先通気部材53として屋根に取り付けた際、野地板12との間に間隙が形成されないように形成されている。
【0057】
広こまい56は、従来から広こまいとして用いられている材質からなり、所定の厚み、すなわち広こまい56と通気部材54とを重ね合せると、軒先通気部材53の全体の厚みが、野地板12と同等の厚みを形成する厚みとなっている。また広こまい56は、所定の横幅(屋根に取り付けた場合の屋根の傾斜に沿った方向の長さである。)を有し、軒先通気部材53として屋根に取り付けた際、野地板12との間で所定の間隙が形成される。
【0058】
更に通気部材54には、通気部材54と広こまい56とを接合させた際、広こまい56から突出した通気部材54の延出部分の下面が斜めに切断してあり、かかる切断面により通気部材54の下面に、通気部材54の内部に連通する開口部20が形成されている。尚、切断方向は斜めでなく、通気部材54の下板68のみを切除して開口部20を形成したり、あるいは上板67を残して下板68と支柱部材69を切除して開口部20を形成しても、通気部材54の下面に開口がいずれかの方法で形成されればよい。野地板12と軒先通気部材53には、屋根部材としての平板瓦19が、釘などにより固定して葺かれている。
【0059】
通気部材54と広こまい56との間には、水切板57が取り付けられている。水切板57は、例えば金属板からなり、通気部材54と広こまい56との合わせ面全体を覆うとともに、下端が通気部材54と広こまい56との間から延出し、広こまい56の下端面を覆っている。
【0060】
通気部材54の上面には、水切板36が設けられている。水切板36は、上述した構成と同様で、通気部材54の先方で延出部38が垂れ下がるように設けられている。また、軒先通気部材53と野地板12との接合部分には、上部に防水布30が取り付けてあり、接合部分から小屋裏15に漏水しないようにしてある。
【0061】
このように形成したことにより、軒先通気部材53を用いた屋根41では、通気部材54を介して小屋裏15の換気が実施されるとともに、野地板12上を流れ落ちてきた雨水などは、防水布30の上面を通過して水切板36を伝って落水し、小屋裏15内に流下することがない。更に、軒先通気部材53の下面には、従来から用いられている材質からなる広こまい56が設けられていることから、防炎や美観などの観点からも、従来と同様支障なく用いられる。また、広こまい56が下部に設けられていることにより軒先通気部材53に十分な強度をもたらすことができる。更に、広こまい56の端面には、水切板57が設けられているので、耐水性、防火性、美観を良好にできる。また、水切板36、及び水切板57による効果は上述したと同様である。
【0062】
図11に屋根の他の例を示す。図11に示す屋根51は、通気性を有する軒先通気部材63を野地板12に連続させて設けている。軒先通気部材63は、通気部材64と板材66から構成されている。
【0063】
通気部材64は、上述した通気部材23や通気部材54と同等の製品であり、適宜の厚みを有している。板材66は、従来広こまいとして用いられていた通常の部材からなり、厚みも野地板12とほぼ同等の厚みとなっている。
【0064】
軒先通気部材63は、野地板12との厚みの差だけ垂木14の一部を切り欠いたり、鼻かくし22等の上端位置を下げるなどして、軒先通気部材63の上面が、野地板12の上面と連続した平面になるように取り付けられている。その他の構成は、図10に示した屋根41の構成と同様である。このように構成しても、屋根51は、軒先において、小屋裏15の換気が可能となり、しかも、防火性能、美観等を従来どおり満足させることができる。また、水切板36、及び水切板57による効果は上述したと同様である。
【0065】
図12に、他の例の屋根を示す。図12に示した屋根61は、軒先通気部材63を用いた図11に示した屋根51の構造に、瓦16を用いた例である。瓦16を用いた場合には、鼻桟50を通気部材64、あるいは通気部材64とともに広こまい66に固定し、取り付けた鼻桟50を用いて瓦16を取り付ける。このように屋根61を構成しても、軒先において、通気性が確保でき、かつ防火性能や美観等を従来どおり満足させることができる。またこの場合、図10に示した屋根41の軒先通気部材53のように、軒先通気部材63の板厚を野地板12の板厚と同等の厚みにしてもよい。このように構成しても、屋根61は、軒先において小屋裏15の換気が可能となり、しかも、防火性能、美観等を従来どおり満足させることができる。また、水切板36、及び水切板57による効果は上述したと同様である。
【0066】
尚、上記例では軒天井24を備えた屋根を用いて説明したが、本発明にかかる換気機能付き屋根はこれに限るものではない。例えば軒天井24を備えず、屋根と外壁が交差するような建物においても、野地板12に、建物の内部に通じる開口部を開口させ、屋根の端部に設けた通気部材を用いて建物内部を外気と換気可能に構成してもよい。
【0067】
図13に、屋根の他の例を示す。図13は、屋根のけらばを示す。図の左方が、けらばの端部であり、破風板75が設けてあり、紙面の奥に向かって屋根71が上昇している。屋根71は、通気性を有するけらば通気部材73を、野地板12に連続させて備えている。けらば通気部材73は、けらば通気部材73の厚み方向の上部分に設けられた通気部材74と、下部分に設けられた登こまい76の上下二段から形成され、野地板12との間に実質的な間隙を形成することなく設けられている。
【0068】
けらば通気部材73は、通気部材74と登こまい76とを合わせた全体の厚みが、野地板12の厚みと同等の厚みを有し、屋根71に取り付けたとき、けらば通気部材73の上下面と野地板12の上下面とがほぼ連続するようになっている。尚、通気部材74と登こまい76の厚みの割合は、1対1の均等でなく、必要に応じて適宜厚みの比率を変更してよい。
【0069】
けらば通気部材73と平板瓦19の間には、けらば水切板77が取り付けられている。けらば水切板77は、例えば金属板からなり、少なくとも開口部20の上面を覆うとともに、のぼり木78を超えて下降し、通気部材74と登こまい76の前方を覆っている。
【0070】
通気部材74は、内部が通気可能で、図10に示した通気部材74と同様の構成を有する部材から形成されている。また通気部材74は、所定の横幅(屋根に取り付けた場合の水平方向に沿った長さである。)を有し、けらば通気部材73として屋根71に取り付けた際、野地板12との間に間隙が形成されないように形成されている。
【0071】
野地板12の上面には、防水布30(下葺材)が取り付けてあり、けらば通気部材73と野地板12上との接合部分から小屋裏15に漏水しないようにしてある。また他の防水布30(増張り下葺材)は、のぼり木78の上面に至り、のぼり木78を防水している。
【0072】
登こまい76は、従来から広こまいとして用いられている材質からなり、登こまい76と通気部材74とを重ね合せると、けらば通気部材73の全体の厚みが、野地板12と同等の厚みを形成する所定の厚みを有している。また登こまい76は、所定の横幅(屋根に取り付けた場合の屋根の傾斜に沿った方向の長さである。)を有し、けらば通気部材73として屋根に取り付けた際、野地板12との間で所定の間隙が形成される。
【0073】
更に通気部材74には、通気部材74と登こまい76とを接合させた際、登こまい76から突出した通気部材74の延出部分の下面が斜めに切断してあり、かかる切断面により通気部材74の下面に、通気部材74の内部に連通する開口部20が形成されている。尚、切断方向は斜めでなく、通気部材74の下板68(以下、図9参照。)のみを切除して開口部20を形成したり、あるいは上板67を残して下板68と支柱部材69を切除して開口部20を形成しても、通気部材74の下面に開口が形成されればよい。野地板12とけらば通気部材73には、屋根部材としての平板瓦19が、釘などにより固定して葺かれている。
【0074】
このように形成したことにより、けらば通気部材73を用いた屋根71では、通気部材74を介して小屋裏15の換気が実施されるとともに、野地板12上を流れ落ちてきた雨水などは、防水布30の上面を通過して小屋裏15内に流下することがない。更に、けらば通気部材73の下面には、従来から用いられている材質からなる登こまい76が設けられていることから、防炎や美観などの観点からも、従来と同様支障なく用いられる。また、登こまい76が下部に設けられていることによりけらば通気部材73に十分な強度をもたらすことができる。更に、登こまい76の端面には、けらば水切板77が設けられているので、耐水性、防火性、美観を良好にできる。
【0075】
図14に屋根の他の例を示す。図14に示す屋根81は、片流れ屋根で、図の右に向かって屋根が下がっている。屋根81は、図の左方に、破風板85が設けてあり、破風板85の上端から野地板12が設けられている。野地板12は、垂木14に取り付けられている。野地板12の上端には、棟通気部材83が設けられている。棟通気部材83は、棟通気部材83の厚み方向の上部分に設けられた通気部材84と、下部分に設けられた下地板材86の上下二段から形成され、野地板12との間に実質的な間隙を形成することなく垂木14上に設けられている。また棟通気部材83は、通気部材84と下地板材86とを合わせた全体の厚みが、野地板12の厚みと同等の厚みを有し、屋根81に棟通気部材83を取り付けたとき、棟通気部材83の上下面と野地板12の上下面とがほぼ連続するようになっている。尚、通気部材84と下地板材86の厚みの割合は、1対1の均等でなく、必要に応じて適宜厚みの比率を変更してよい。
【0076】
通気部材84は、内部が通気可能で、図10に示した通気部材84と同様の構成を有する部材から形成されている。また通気部材84は、所定の横幅(屋根に取り付けた場合の屋根の傾斜に沿った方向の長さである。)を有し、棟通気部材83として屋根に取り付けた際、野地板12との間に間隙が形成されないように形成されている。
【0077】
下地板材86は、従来から野地板、あるいは広こまいとして用いられている材質からなり、所定の厚み、すなわち下地板材86と通気部材84とを重ね合せると、棟通気部材83の全体の厚みが、野地板12と同等の厚みを形成する厚みとなっている。また下地板材86は、所定の横幅(屋根に取り付けた場合の屋根の傾斜に沿った方向の長さである。)を有し、棟通気部材83として屋根に取り付けた際、野地板12との間で所定の間隙を形成する。
【0078】
更に通気部材84には、通気部材84と下地板材86とを接合させた際、下地板材86から突出した通気部材84の延出部分の下面が斜めに切断してあり、かかる切断面により通気部材84の下面に、通気部材84の内部に連通する開口部20が形成されている。尚、切断方向は斜めでなく、通気部材84の下板68(以下、図9参照。)のみを切除して開口部20を形成したり、あるいは上板67を残して下板68と支柱部材69を切除して開口部20を形成しても、通気部材84の下面に開口が形成されればよい。野地板12と棟通気部材83には、防水布30を間に挟んで屋根部材としての平板瓦19が、釘などにより固定して葺かれている。
【0079】
平板瓦19の上面には笠木88が取り付けてある。笠木88には、片流れ水切板87が取り付けられている。片流れ水切板87は、例えば金属板からなり、笠木88の全体を覆うとともに、左端が破風板85と平行に、下方に延びている。
【0080】
このように形成したことにより、棟通気部材83を用いた屋根81では、通気部材84を介して小屋裏15の換気が実施されるとともに、屋根81上に落ちた雨水などは、片流れ水切板87から平板瓦19上に流れ、仮に平板瓦19の下側に入っても、防水布30の上面を通過するので、小屋裏15内に流下することがない。更に、棟通気部材83の下面には、従来から用いられている材質からなる下地板材86が設けられていることから、防炎や美観などの観点からも、従来と同様支障なく用いられる。また、下地板材86が下部に設けられていることにより棟通気部材83に十分な強度をもたらすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、屋根の下端に通気性の部材を設け、かかる通気部材を用いて、小屋裏など建物内部を換気させることとした屋根に用いることができる。
【符号の説明】
【0082】
10、11、13、21、31、41、51、61、71、81…屋根
12…野地板
14…垂木
15…小屋裏
16…瓦
17…主板部
18…下部板
20…開口部
23、33、56、66…広こまい
24…軒天井
30…防水布
36…水切板
42…波板
43、45…通気板
44…覆い板
50…鼻桟
52…溝
53、63…軒先通気部材
73…けらば通気部材
83…棟通気部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根の流れ方向の下端に通気性を施し、軒先、あるいは屋根の端部を通して建物内の換気を可能とした換気機能付き屋根に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、野地板の先端部分を通気性のある部材で構成し、更に野地板の下端近傍に開口部を設け、軒先部に設けられた通気性を有する部材と開口部を通して、小屋裏や室内など建物内における外気換気を可能とした小屋裏換気構造などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2008−150904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記建築物の小屋裏換気構造では、野地板と通気部材とを対応させて取り付ける必要があり、使用部材の選定や組み付け工程に手間がかかり、施工コストが増加するなどの問題があった。
【0005】
また軒先部は、美観の観点や、火災発生時など、周囲からの延焼を防止する観点から、防火基準を満たした従来から使用されている通常の材質から形成されるのが好ましい。
【0006】
本発明は上記課題を解決し、コストが低く、簡易な構成で、屋根の流れ方向下端に設けられた通気部材を用いて、小屋裏など建物内における外気換気を可能とし、また美観を保持し、かつ延焼などを防止できる換気機能付き屋根を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明では換気機能付き屋根を次のように構成した。
野地板の下端部近傍に、表裏を貫通させた開口部を設ける。開口部は、小屋裏など建物内部に連通する位置に形成する。
【0008】
開口部より下方の野地板上に、通気部材を設ける。通気部材は、少なくとも屋根の傾斜方向に通気性を具え、かつ瓦等の屋根部材と瓦支持部材を支持するに十分な強度を有する。通気部材としては、例えば波板、厚み方向に複数の支柱部材を具えた板状部材、通気方向に開口を具えた箱状部材、複数の通気孔を具えた板状部材などから形成する。
【0009】
瓦支持部材は、例えば鼻桟、かわら桟であり、通気部材との間に通水性が形成されるように、下面に溝部などを設ける。瓦支持部材に、瓦などの屋根部材を載せ、屋根部材を葺く。
【0010】
更に防水部材を開口部の上方に設け、開口部を防水部材で覆う。防水部材は、開口部を跨いで通気部材の上部と野地板との間を渡すように設ける。つまり屋根の傾斜に沿って野地板上を流下してきた水は、防水部材により開口部を越えて、通気部材の上面を通り野地板の端縁から排出されることとなる。防水部材は、野地板の防水処理のために設けられた防水布の一部を利用しても、開口部を覆うために専用に設けたものでもよい。また、通気部材と防水部材を一体に形成してもよい。
【0011】
また、野地板の下方に通気部材を設けた。通気部材は、内部に通気路を有し、通気部材を屋根に取り付けると、通気路の一方は外気に連通し、他方側は建物内部に連通する。また通気部材は、野地板の上面と連続するように形成した。
【0012】
通気部材の下面側に広こまいを設けた。更に、広こまいと通気部材とを組合わせた厚みを、野地板の厚みとほぼ等しい厚みとした。
【発明の効果】
【0013】
本発明にかかる換気機能付き屋根は、次の効果を有している。
小屋裏の空気(内部空気)は、野地板に設けられた開口部を通り、野地板と防水部材の間に排出される。野地板と防水部材との間に排出された内部空気は、通気部材を通り、建物の外部に放出される。また外気が通気部材を通り、野地板と防水部材との間に流入すると、その外気は野地板に設けられた開口部から小屋裏や室内など建物内部に導入される。このようにして、屋根の流れ方向下端に設けられた通気部材を用いて建物内の外気との換気が行える。
【0014】
一方雨水は、通気部材の内部を上昇することがなく、また屋根部材の隙間などから浸入した水は、屋根の傾斜に沿って野地板上を流れ落ち、そして防水部材に達すると、開口部を越えて通気部材の上面を至り、通気部材を通って野地板の端縁から排出される。したがって、雨水等が開口部を通って小屋裏内等に流入することがなく、かつ屋根部材の隙間を通って屋根部材の内側に雨水が浸入しても、野地板上に雨水が溜まることなく、確実に屋根から排出される。
【0015】
換気機能付き屋根は、開口部を野地板に設け、その下端に通気部材と瓦支持部材を野地板上に取り付けることで形成でき、部材を選択する自由度が大きく、かつ取付作業が容易となり、施工コストを低減できる。また波板や防水布等を市販部材で構成すると、材料費を低く抑えることができ、安価で、かつ施工をより容易にできる。
【0016】
また通気部材は、野地板に連続して取り付けられるので、施工が容易で、コストを低減することができる。野地板と通気部材との間に段差をなくすことができ、金属製屋根材など平板状の屋根部材を簡易に葺くことが可能となる。
【0017】
また、通気部材の下面に広こまいを設けたので、通気部材で通気が可能となり、そして従来から用いられている材質で広こまいが形成されることから、美観や防炎上好ましく施工できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明にかかる換気機能付き屋根の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の換気機能付き屋根を示す斜視図である。
【図3】図1の換気機能付き屋根を示す分解斜視図である。
【図4】換気機能付き屋根の他の例を示す断面図である。
【図5】換気機能付き屋根の他の例を示す断面図である。
【図6】換気機能付き屋根の他の例を示す断面図である。
【図7】通気部材を示す斜視図である。
【図8】換気機能付き屋根の他の例を示す断面図である。
【図9】換気機能付き屋根の他の例を示す断面図である。
【図10】換気機能付き屋根の他の例を示す断面図である。
【図11】換気機能付き屋根の他の例を示す断面図である。
【図12】換気機能付き屋根の他の例を示す断面図である。
【図13】換気機能付き屋根の他の例を示す断面図である。
【図14】換気機能付き屋根の他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明にかかる換気機能付き屋根の一実施形態について説明する。
図2、図3に、建物の屋根10を示す。屋根10は、棟(図示せず。)を中心とした屋根の片側であり、図の右方を下にして所定角度で傾斜している。以下、屋根10を、重力の方向を下方、その逆を上方とし、建物の内部から外に向かう方向を外方、その逆を内方として説明する。
【0020】
屋根10は、野地板12と、垂木14と、屋根部材としての瓦16などから構成されている。垂木14は、一端が棟木(図示せず。)に取り付けてあり、棟木から先端下がりに傾斜して設けられている。垂木14上には野地板12が取り付けられている。野地板12は、主板部17と、下部板18から形成され、下部板18が、主板部17の下方に、主板部17と所定の間隔をあけて取り付けられている。主板部17と下部板18の間には間隙が形成され、その間隙が開口部20となっている。
【0021】
垂木14の下端には、鼻かくし22が取り付けてある。鼻かくし22と外壁26の間には軒天井24が設けられている。野地板12、鼻かくし22、軒天井24で形成される空間は、小屋裏15に連通している。また開口部20は、小屋裏15に連通して形成されている。
【0022】
野地板12の上面には、下地材としての防水布30が敷かれている。防水布30は、野地板12のほぼ全面に敷かれており、防水布30を挟んで、野地板12上に瓦16が葺かれている。瓦16は、かわら桟(図示せず。)等を介して、従来と同様の工法で野地板12に取り付けられている。
【0023】
次に、屋根10の下端部分について説明する。
【0024】
下部板18には、水切部材としての水切板36が取り付けられている。水切板36は、金属製の薄板からなり、プレス成形等により形成されている。水切板36は、下部(外方)に延出部38を具え、上部に立上り部40を具えている。延出部38は、図1にも示すように、下部板18の端部に一致した位置で斜め下方に屈曲されており、下端に返し39が形成されている。延出部38は、基本的には鉛直、すなわち水平面と垂直になるように角度を設定することが好ましいが、強風地域では、延出部38を鉛直より建物の側に傾斜させて取り付けると、雨水の浸入を効果的に防止できる。また、雨樋までの範囲内で、延出部38を下方に長くすると風の巻き込みを抑制し、雨水の浸入を防止できる。(水切板に関して、以下同じである。)
立上り部40は、上方に屈曲し、下部板18の上部端縁にほぼ一致した位置に設けられている。尚水切板36は、金属製薄板に限らず、他の素材で形成してもよい。
【0025】
水切板36の上面には、通気部材としての波板42が取り付けられている。波板42は、樹脂などからなる、断面波状の薄板部材である。波板42は、断面波状の頂部や底部を結んだ直線が、屋根10の傾斜方向とほぼ平行になるように取り付けられている。
【0026】
波板42の上面には、覆い板44が取り付けられている。覆い板44は、水切板36と同様金属製薄板等で形成されている。覆い板44は、波板42の上面を覆うとともに、水切板36の立上り部40を跨ってその上方に、下向きに屈曲した屈曲片48を具えている。
【0027】
覆い板44の上面には、防水布30が設けられている。防水布30は、野地板12の主板部17から連続して、開口部20を越え、覆い板44の上面に載置されている。尚防水布30は、接着剤等を用いて覆い板44の上面に接着してもよい。
【0028】
覆い板44の上面には、瓦支持部材としての鼻桟50が設けられている。鼻桟50は、所定の高さ幅を有する角材であり、覆い板44を挟んで、波板42に固定されている。鼻桟50の下面には、幅方向、つまり屋根10の傾斜方向に沿って切り欠いた溝52が形成してあり、溝52を介して水が通過可能となっている。すなわち、屋根10の傾斜に沿って防水布30や覆い板44の上を流れてきた水が、鼻桟50が覆い板44上に取り付けられた状態で溝52を通って更に下方に流下可能となっている。鼻桟50の上面には、屋根10の最下端のかわら16が載せてある。かかる瓦16は、鼻桟50の上面に載せられた状態で野地板12に固定されている。
【0029】
尚、延出部38と波板42と覆い板44とを、予め一体に形成していてもよい。また防水布30は、鼻桟50と覆い板44の間に挟んでもよい。
【0030】
次に、屋根10の作用、効果について説明する。
【0031】
屋根10において小屋裏15内の空気(「内部空気」とする。)は、図1の点線Aの矢印で示すように野地板12に設けられた開口部20を通って野地板12と防水布30の間に流出する。野地板12と防水布30の間に流出した内部空気は、更に波板42を通り、屋根10の軒先から建物の外方に排出される。同様に外気は点線Aと逆に、軒先から、覆い板44と水切板36の間に波板42で形成された空隙を通って、防水布30と野地板12との間に導入される。防水布30と野地板12との間に導入された外気は、開口部20を通って小屋裏15内に流入する。これにより、建物内部(小屋裏15内)が外気と換気される。
【0032】
また雨水が瓦16の間を通過して野地板12に達すると、雨水は、野地板12上に張られた防水布30上を、屋根10の傾斜に沿って流下する。そして雨水が、開口部20の近傍に至ると、開口部20の上部を覆って設けられた防水布30上を流れ、覆い板44の上面から溝52を通り、軒先から建物の外に流下する。これにより、雨水が開口部20から小屋裏等に浸入することがなく、また、雨水が屋根10に溜まることもない。
【0033】
このように屋根10によれば、波板42より通気通路が十分に確保され、確実な換気作用が得られるとともに、防水布30により、開口部20からの雨水の浸入を防ぎ、雨漏りなどを防止できる。しかも、波板42や防水布30は、市販の部材を利用できることから、安価で、かつ容易に施工することができる。
【0034】
図4に、屋根の他の例を示す。図4に示す屋根11は、波板42に代えて通気板43を設けた以外は、屋根10の構成と同様の構成を有している。以下同一の部材には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0035】
通気部材としての通気板43は、上板67と下板68を上下に平行に具え、その間に支柱部材69を複数設けて板状部材として形成してあり、上板67と下板68の間が四方に通気可能となっている。このように通気板43を用いて屋根11を構成しても、上記屋根10の例と同様建物内の十分な換気性能と、防水性能を具え、かつ瓦16等の屋根部材を必要な強度で支持することができる。
【0036】
更に図5に、屋根の他の例を示す。図5に示す屋根13は、波板42および覆い板44に代えて通気板45を設けた以外は、屋根10の構成と同様の構成を有している。以下同一の部材には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0037】
通気部材としての通気板45は、箱型の部材からなり、前後方向(取付け位置においては、屋根13の傾斜方向)に沿った面が開放され通気可能となっており、かつ内面にいくつかの邪魔板47が通気方向と直角に設けられている。通気板45の上板は、上方に延び、開口部20の上面に被っている。
【0038】
このように通気板45を用いて屋根13を構成しても、上記屋根10の例と同様建物内の十分な換気性能と、防水性能を具え、かつ瓦16等の屋根部材を必要な強度で支持することができる。
【0039】
更に通気板としては、上記例に限らず貫通孔を複数幅方向に貫通させて形成したりして通気性能を形成したものでもよい。
【0040】
図6に、屋根の他の例を示す。この屋根21は、通気部材が野地板12と連続して設けられている点を除き、他の構成はほぼ上記屋根の構成と同一である。以下、同一の部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0041】
野地板12は、垂木14の下端まで延びておらず、垂木14の下端から所定長さ上方まで設けられている。野地板12の下端に連続して、通気部材23が設けられている。通気部材23は、図7にも示すように所定の幅を有する長尺の部材で、垂木14の下端部に取り付けられている。
【0042】
通気部材23は、上板25と、下板27と、仕切り板28(図7参照。)などから構成されている。上板25は、下板27より幅(屋根の傾斜方向に沿った長さである。)が広く、下板27とほぼ平行に設けられている。仕切り板28は、上板25と下板27の間に所定の間隔で取り付けられている。仕切り板28は互いに平行で、通気部材23を垂木14に取り付けた際、屋根の傾斜方向に沿った方向になるよう取り付けられている。
【0043】
これにより通気部材23の内部に、点線Aで示すように通気可能な通気路29が、屋根の傾斜方向に沿った方向に形成されている。更に、上板25は、上縁が野地板12の下端に隙間なく当接するように取り付けられている。通気部材23の上部には鼻桟50が取り付けられている。鼻桟50の上部に瓦16が載せられている。防水布30は、野地板12と通気部材23を跨いで連続して設けられている。尚、上板25と野地板12の接合箇所に防水シールなどを貼付してもよい。その他の構成は、上記屋根10等と同様の構成である。
【0044】
屋根21は、上述したように構成されているので、図6に示すように小屋裏15の内部空気は、点線Aで示すように、上板25と下板27の段違いにより形成された開口部32を通り、通気路29を通過し、通気部材23の下端から排出される。また外気が通気路29を通って小屋裏15内に流入し、建物内部が外気と換気される。
【0045】
屋根21は、通気部材23を野地板12の端部に直接接触させて取り付けられるので、容易に施工することができる。また屋根21は、通気部材23と野地板12の上面を同一平面に形成できるので、瓦16に限らず、金属製屋根部材やセメント製屋根部材などの平板状の屋根部材を容易に葺くことができる。
【0046】
図8に、屋根の他の例を示す。この屋根31は、屋根21の通気部材23に変更を加えたもので、他の構成は屋根21の構成と同一である。以下、同一の部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0047】
屋根31の通気部材33は、上板25と、下板27と、邪魔板34などから構成されている。上板25は、下板27より幅(屋根の傾斜方向に沿った長さである。)が広く、下板27とほぼ平行に設けられている。邪魔板34は、上板25と下板27のそれぞれ内側面に、所定の間隔で取り付けられている。邪魔板34は互いに平行で、通気部材33を垂木14に取り付けた際、屋根の桁方向に沿い、かつ邪魔板34が上下にそれぞれ互い違いに配置されるように取り付けられている。
【0048】
これにより通気部材33の内部に、点線Aで示すような上下に屈曲した通気路35が、屋根の傾斜方向に沿った方向に形成されている。上板25は、上縁が野地板12の下端に隙間なく当接するように取り付けられている。通気部材33の上面には鼻桟50が取り付けられている。鼻桟50の上部に瓦16が載せられている。防水布30は、野地板12と通気部材33を跨いで連続して設けられている。尚、上板25と野地板12の接合箇所に防水シールなどを貼付してもよい。その他の構成は、上記屋根21等と同様の構成である。
【0049】
屋根31は、上述したように構成されているので、図8に示すように小屋裏15の内部空気は、点線Aで示すように、上板25と下板27の段違いにより形成された開口部32を通り、通気路35を通過し、通気部材33の下端から排出される。また外気が通気路35を通って小屋裏15内に流入し、建物内部が外気と換気される。更に通気路35内には邪魔板34が設けられているので、邪魔板34によって通気流が屈曲され、雨滴の浸入が遮断される。したがって雨天時、小屋裏15に外気が流入しても、雨滴が流入することはない。
【0050】
屋根31は、通気部材33を野地板12の端部に直接接触させて取り付けられるので、容易に施工することができる。また屋根31は、通気部材33と野地板12の上面を同一平面に形成できるので、瓦16に限らず、金属製屋根部材やセメント製屋根部材などの平板状の屋根部材を容易に葺くことができる。
【0051】
図9に、図4に示した屋根11の他の例を示す。この屋根11は、水切板36が通気板43の上板67に取り付けてある。水切板36は、上述したように、金属製の薄板からなり、下部(外方)に延出部38を鉛直、あるいは建物の側に傾斜させて取り付けられている。
【0052】
また、水切板57が、下部板18の上面に取り付けられている。水切板57は、例えば金属板からなり、下部板18の上面から下部板18の下端で屈曲して下方に延び、下部板18の下端面を覆っている。その他の構成は、図4に示した屋根11と同様の構成である。
【0053】
このように水切板36を通気板43の上板67に取り付けると、通気板43の下端開口の前方を水切板36で覆うことができ、横風が強い時でも風を遮り、通気板43を通過して雨水などが小屋裏15に浸入してくることを有効に防止できる。また、建物の側に延出部38を傾斜させれば、横風を遮り、より効果的に雨水の浸入を防止できる。
【0054】
更に、水切板57を下部板18の上面に取り付けることにより、水切板57と水切板36により外部から通気板43へ通じる開口面積を狭めることができ、小屋裏15への雨水等の浸入を効率よく防止できる。水切板57の下端縁が、下部板18の下端面の下方に延びていることにより、例えば横風が破風板22に当たり上方に巻き上げられた風を、下部板18の下端面から延びている水切板57の下端縁で遮ることができ、横風の巻き込みによる小屋裏15への雨水の浸入をより効果的に防止できる。
【0055】
更に防水布30の上面を流れ落ちてきた水は、鼻桟50を通過して、水切板36を伝って落下するので、野地板12から離れた箇所から落水し、野地板12や、鼻かくし22など外壁部の水濡れを防止できる。(かかる水切板36、あるいは水切板57による効果は、後述する実施形態で同様に有する。)
図10に、屋根の他の例を示す。図10に示す屋根41は、野地板12の下端に、軒先通気部材53が設けられている。軒先通気部材53は、軒先通気部材53の厚み方向の上部分に設けられた通気部材54と、下部分に設けられた広こまい56の上下二段から形成され、野地板12との間に実質的な間隙を形成することなく設けられている。また軒先通気部材53は、通気部材54と広こまい56とを合わせた全体の厚みが、野地板12の厚みと同等の厚みを有し、屋根41に取り付けたとき、軒先通気部材53の上下面と野地板12の上下面とがほぼ連続するようになっている。尚、通気部材54と広こまい56の厚みの割合は、1対1の均等でなく、必要に応じて適宜厚みの比率を変更してよい。
【0056】
通気部材54は、内部が通気可能で、上述した通気部材23や通気部材33等に対して厚み幅をほぼ半減させたのみ、同様の構成を有する部材から形成されている。また通気部材54は、所定の横幅(屋根に取り付けた場合の屋根の傾斜に沿った方向の長さである。)を有し、軒先通気部材53として屋根に取り付けた際、野地板12との間に間隙が形成されないように形成されている。
【0057】
広こまい56は、従来から広こまいとして用いられている材質からなり、所定の厚み、すなわち広こまい56と通気部材54とを重ね合せると、軒先通気部材53の全体の厚みが、野地板12と同等の厚みを形成する厚みとなっている。また広こまい56は、所定の横幅(屋根に取り付けた場合の屋根の傾斜に沿った方向の長さである。)を有し、軒先通気部材53として屋根に取り付けた際、野地板12との間で所定の間隙が形成される。
【0058】
更に通気部材54には、通気部材54と広こまい56とを接合させた際、広こまい56から突出した通気部材54の延出部分の下面が斜めに切断してあり、かかる切断面により通気部材54の下面に、通気部材54の内部に連通する開口部20が形成されている。尚、切断方向は斜めでなく、通気部材54の下板68のみを切除して開口部20を形成したり、あるいは上板67を残して下板68と支柱部材69を切除して開口部20を形成しても、通気部材54の下面に開口がいずれかの方法で形成されればよい。野地板12と軒先通気部材53には、屋根部材としての平板瓦19が、釘などにより固定して葺かれている。
【0059】
通気部材54と広こまい56との間には、水切板57が取り付けられている。水切板57は、例えば金属板からなり、通気部材54と広こまい56との合わせ面全体を覆うとともに、下端が通気部材54と広こまい56との間から延出し、広こまい56の下端面を覆っている。
【0060】
通気部材54の上面には、水切板36が設けられている。水切板36は、上述した構成と同様で、通気部材54の先方で延出部38が垂れ下がるように設けられている。また、軒先通気部材53と野地板12との接合部分には、上部に防水布30が取り付けてあり、接合部分から小屋裏15に漏水しないようにしてある。
【0061】
このように形成したことにより、軒先通気部材53を用いた屋根41では、通気部材54を介して小屋裏15の換気が実施されるとともに、野地板12上を流れ落ちてきた雨水などは、防水布30の上面を通過して水切板36を伝って落水し、小屋裏15内に流下することがない。更に、軒先通気部材53の下面には、従来から用いられている材質からなる広こまい56が設けられていることから、防炎や美観などの観点からも、従来と同様支障なく用いられる。また、広こまい56が下部に設けられていることにより軒先通気部材53に十分な強度をもたらすことができる。更に、広こまい56の端面には、水切板57が設けられているので、耐水性、防火性、美観を良好にできる。また、水切板36、及び水切板57による効果は上述したと同様である。
【0062】
図11に屋根の他の例を示す。図11に示す屋根51は、通気性を有する軒先通気部材63を野地板12に連続させて設けている。軒先通気部材63は、通気部材64と板材66から構成されている。
【0063】
通気部材64は、上述した通気部材23や通気部材54と同等の製品であり、適宜の厚みを有している。板材66は、従来広こまいとして用いられていた通常の部材からなり、厚みも野地板12とほぼ同等の厚みとなっている。
【0064】
軒先通気部材63は、野地板12との厚みの差だけ垂木14の一部を切り欠いたり、鼻かくし22等の上端位置を下げるなどして、軒先通気部材63の上面が、野地板12の上面と連続した平面になるように取り付けられている。その他の構成は、図10に示した屋根41の構成と同様である。このように構成しても、屋根51は、軒先において、小屋裏15の換気が可能となり、しかも、防火性能、美観等を従来どおり満足させることができる。また、水切板36、及び水切板57による効果は上述したと同様である。
【0065】
図12に、他の例の屋根を示す。図12に示した屋根61は、軒先通気部材63を用いた図11に示した屋根51の構造に、瓦16を用いた例である。瓦16を用いた場合には、鼻桟50を通気部材64、あるいは通気部材64とともに広こまい66に固定し、取り付けた鼻桟50を用いて瓦16を取り付ける。このように屋根61を構成しても、軒先において、通気性が確保でき、かつ防火性能や美観等を従来どおり満足させることができる。またこの場合、図10に示した屋根41の軒先通気部材53のように、軒先通気部材63の板厚を野地板12の板厚と同等の厚みにしてもよい。このように構成しても、屋根61は、軒先において小屋裏15の換気が可能となり、しかも、防火性能、美観等を従来どおり満足させることができる。また、水切板36、及び水切板57による効果は上述したと同様である。
【0066】
尚、上記例では軒天井24を備えた屋根を用いて説明したが、本発明にかかる換気機能付き屋根はこれに限るものではない。例えば軒天井24を備えず、屋根と外壁が交差するような建物においても、野地板12に、建物の内部に通じる開口部を開口させ、屋根の端部に設けた通気部材を用いて建物内部を外気と換気可能に構成してもよい。
【0067】
図13に、屋根の他の例を示す。図13は、屋根のけらばを示す。図の左方が、けらばの端部であり、破風板75が設けてあり、紙面の奥に向かって屋根71が上昇している。屋根71は、通気性を有するけらば通気部材73を、野地板12に連続させて備えている。けらば通気部材73は、けらば通気部材73の厚み方向の上部分に設けられた通気部材74と、下部分に設けられた登こまい76の上下二段から形成され、野地板12との間に実質的な間隙を形成することなく設けられている。
【0068】
けらば通気部材73は、通気部材74と登こまい76とを合わせた全体の厚みが、野地板12の厚みと同等の厚みを有し、屋根71に取り付けたとき、けらば通気部材73の上下面と野地板12の上下面とがほぼ連続するようになっている。尚、通気部材74と登こまい76の厚みの割合は、1対1の均等でなく、必要に応じて適宜厚みの比率を変更してよい。
【0069】
けらば通気部材73と平板瓦19の間には、けらば水切板77が取り付けられている。けらば水切板77は、例えば金属板からなり、少なくとも開口部20の上面を覆うとともに、のぼり木78を超えて下降し、通気部材74と登こまい76の前方を覆っている。
【0070】
通気部材74は、内部が通気可能で、図10に示した通気部材74と同様の構成を有する部材から形成されている。また通気部材74は、所定の横幅(屋根に取り付けた場合の水平方向に沿った長さである。)を有し、けらば通気部材73として屋根71に取り付けた際、野地板12との間に間隙が形成されないように形成されている。
【0071】
野地板12の上面には、防水布30(下葺材)が取り付けてあり、けらば通気部材73と野地板12上との接合部分から小屋裏15に漏水しないようにしてある。また他の防水布30(増張り下葺材)は、のぼり木78の上面に至り、のぼり木78を防水している。
【0072】
登こまい76は、従来から広こまいとして用いられている材質からなり、登こまい76と通気部材74とを重ね合せると、けらば通気部材73の全体の厚みが、野地板12と同等の厚みを形成する所定の厚みを有している。また登こまい76は、所定の横幅(屋根に取り付けた場合の屋根の傾斜に沿った方向の長さである。)を有し、けらば通気部材73として屋根に取り付けた際、野地板12との間で所定の間隙が形成される。
【0073】
更に通気部材74には、通気部材74と登こまい76とを接合させた際、登こまい76から突出した通気部材74の延出部分の下面が斜めに切断してあり、かかる切断面により通気部材74の下面に、通気部材74の内部に連通する開口部20が形成されている。尚、切断方向は斜めでなく、通気部材74の下板68(以下、図9参照。)のみを切除して開口部20を形成したり、あるいは上板67を残して下板68と支柱部材69を切除して開口部20を形成しても、通気部材74の下面に開口が形成されればよい。野地板12とけらば通気部材73には、屋根部材としての平板瓦19が、釘などにより固定して葺かれている。
【0074】
このように形成したことにより、けらば通気部材73を用いた屋根71では、通気部材74を介して小屋裏15の換気が実施されるとともに、野地板12上を流れ落ちてきた雨水などは、防水布30の上面を通過して小屋裏15内に流下することがない。更に、けらば通気部材73の下面には、従来から用いられている材質からなる登こまい76が設けられていることから、防炎や美観などの観点からも、従来と同様支障なく用いられる。また、登こまい76が下部に設けられていることによりけらば通気部材73に十分な強度をもたらすことができる。更に、登こまい76の端面には、けらば水切板77が設けられているので、耐水性、防火性、美観を良好にできる。
【0075】
図14に屋根の他の例を示す。図14に示す屋根81は、片流れ屋根で、図の右に向かって屋根が下がっている。屋根81は、図の左方に、破風板85が設けてあり、破風板85の上端から野地板12が設けられている。野地板12は、垂木14に取り付けられている。野地板12の上端には、棟通気部材83が設けられている。棟通気部材83は、棟通気部材83の厚み方向の上部分に設けられた通気部材84と、下部分に設けられた下地板材86の上下二段から形成され、野地板12との間に実質的な間隙を形成することなく垂木14上に設けられている。また棟通気部材83は、通気部材84と下地板材86とを合わせた全体の厚みが、野地板12の厚みと同等の厚みを有し、屋根81に棟通気部材83を取り付けたとき、棟通気部材83の上下面と野地板12の上下面とがほぼ連続するようになっている。尚、通気部材84と下地板材86の厚みの割合は、1対1の均等でなく、必要に応じて適宜厚みの比率を変更してよい。
【0076】
通気部材84は、内部が通気可能で、図10に示した通気部材84と同様の構成を有する部材から形成されている。また通気部材84は、所定の横幅(屋根に取り付けた場合の屋根の傾斜に沿った方向の長さである。)を有し、棟通気部材83として屋根に取り付けた際、野地板12との間に間隙が形成されないように形成されている。
【0077】
下地板材86は、従来から野地板、あるいは広こまいとして用いられている材質からなり、所定の厚み、すなわち下地板材86と通気部材84とを重ね合せると、棟通気部材83の全体の厚みが、野地板12と同等の厚みを形成する厚みとなっている。また下地板材86は、所定の横幅(屋根に取り付けた場合の屋根の傾斜に沿った方向の長さである。)を有し、棟通気部材83として屋根に取り付けた際、野地板12との間で所定の間隙を形成する。
【0078】
更に通気部材84には、通気部材84と下地板材86とを接合させた際、下地板材86から突出した通気部材84の延出部分の下面が斜めに切断してあり、かかる切断面により通気部材84の下面に、通気部材84の内部に連通する開口部20が形成されている。尚、切断方向は斜めでなく、通気部材84の下板68(以下、図9参照。)のみを切除して開口部20を形成したり、あるいは上板67を残して下板68と支柱部材69を切除して開口部20を形成しても、通気部材84の下面に開口が形成されればよい。野地板12と棟通気部材83には、防水布30を間に挟んで屋根部材としての平板瓦19が、釘などにより固定して葺かれている。
【0079】
平板瓦19の上面には笠木88が取り付けてある。笠木88には、片流れ水切板87が取り付けられている。片流れ水切板87は、例えば金属板からなり、笠木88の全体を覆うとともに、左端が破風板85と平行に、下方に延びている。
【0080】
このように形成したことにより、棟通気部材83を用いた屋根81では、通気部材84を介して小屋裏15の換気が実施されるとともに、屋根81上に落ちた雨水などは、片流れ水切板87から平板瓦19上に流れ、仮に平板瓦19の下側に入っても、防水布30の上面を通過するので、小屋裏15内に流下することがない。更に、棟通気部材83の下面には、従来から用いられている材質からなる下地板材86が設けられていることから、防炎や美観などの観点からも、従来と同様支障なく用いられる。また、下地板材86が下部に設けられていることにより棟通気部材83に十分な強度をもたらすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、屋根の下端に通気性の部材を設け、かかる通気部材を用いて、小屋裏など建物内部を換気させることとした屋根に用いることができる。
【符号の説明】
【0082】
10、11、13、21、31、41、51、61、71、81…屋根
12…野地板
14…垂木
15…小屋裏
16…瓦
17…主板部
18…下部板
20…開口部
23、33、56、66…広こまい
24…軒天井
30…防水布
36…水切板
42…波板
43、45…通気板
44…覆い板
50…鼻桟
52…溝
53、63…軒先通気部材
73…けらば通気部材
83…棟通気部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
野地板と、
前記野地板を貫通し、建物内部に通じる開口部と、
前記野地板上で、前記開口部より屋根の傾斜方向下方に設けられ、通気性を少なくとも該屋根の傾斜方向に有する通気部材と、
前記開口部の上方を覆い、一端が前記野地板上で、他端が前記通気部材の上面に載置された防水部材と、
前記通気部材上に設けられ、屋根部材を支持するとともに前記通気部材との間で前記屋根の傾斜方向に通水可能な瓦支持部材と、を備えたことを特徴とする換気機能付き屋根。
【請求項2】
前記通気部材と前記防水部材を一体に形成したことを特徴とする請求項1に記載の換気機能付き屋根。
【請求項3】
前記通気部材は、断面波形に形成された波板であることを特徴とした請求項1または2に記載の換気機能付き屋根。
【請求項4】
前記通気部材は、上下板材の間に支柱部材を介在させ、該支柱部材間を通気可能に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の換気機能付き屋根。
【請求項5】
前記通気部材は、上下板材を所定の間隔で配置させ、該上下板材間に通気方向に交差する向きに邪魔板を設けて構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の換気機能付き屋根。
【請求項6】
前記瓦支持部材は、前記通気部材との取り付け面において、少なくとも、前記屋根の傾斜方向に溝を備えて形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の換気機能付き屋根。
【請求項7】
前記通気部材が、軒先部に設置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の換気機能付き屋根。
【請求項8】
野地板と、
前記野地板の傾斜方向下端に、該野地板に連続して設けられた通気部材と、
前記通気部材上に設けられ、屋根部材を支持するとともに前記通気部材との間で前記屋根の傾斜方向に通水可能な瓦支持部材と、を備え、
前記通気部材は、内部に通気路を少なくとも前記野地板の傾斜方向に具え、かつ該通気路の一端は、該通気部材の下端に開口し、該通気路の他端は、前記通気部材の下面であって、建物内部に通じる位置に開口させたことを特徴とする換気機能付き屋根。
【請求項9】
前記通気部材は、該通気部材の下面に、広こまいを備えていることを特徴とする請求項8に記載の換気機能付き屋根。
【請求項10】
前記広こまいを備えた前記通気部材は、前記広こまいと該通気部材の厚みを加えた全体の厚みが、前記野地板と等しい厚みに形成されていることを特徴とする請求項9に記載の換気機能付き屋根。
【請求項11】
野地板と、
前記野地板の傾斜方向下端に、該野地板に連続して設けられた通気部材と、
前記野地板および前記通気部材上に設けられた屋根部材と、を備え、
前記通気部材は、内部に通気路を少なくとも前記野地板の傾斜方向に具え、かつ該通気路の一端は、該通気部材の下端に開口し、該通気路の他端は、前記通気部材の下面であって、建物内部に通じる位置に開口させたことを特徴とする換気機能付き屋根。
【請求項12】
前記通気部材は、該通気部材の下面に、広こまいを備えていることを特徴とする請求項11に記載の換気機能付き屋根。
【請求項13】
前記広こまいを備えた前記通気部材は、前記広こまいと該通気部材の厚みを加えた全体の厚みが、前記野地板と等しい厚みに形成されていることを特徴とする請求項12に記載の換気機能付き屋根。
【請求項14】
野地板と、
屋根のけらばに、前記野地板に連続して設けられた通気部材と、
前記野地板および前記通気部材上に設けられた屋根部材と、を備え、
前記通気部材は、内部に通気路を具え、該通気路の一端は、前記けらばに開口し、該通気路の他端は、前記通気部材の下面であって、建物内部に通じる位置に開口させたことを特徴とする換気機能付き屋根。
【請求項15】
前記通気部材は、該通気部材の下面に、登こまいを備えていることを特徴とする請求項11に記載の換気機能付き屋根。
【請求項16】
前記登こまいを備えた前記通気部材は、前記登こまいと該通気部材の厚みを加えた全体の厚みが、前記野地板と等しい厚みに形成されていることを特徴とする請求項12に記載の換気機能付き屋根。
【請求項17】
野地板と、
片流れ屋根の棟に、前記野地板に連続して設けられた通気部材と、
前記野地板および前記通気部材上に設けられた屋根部材と、を備え、
前記通気部材は、内部に通気路を具え、該通気路の一端は、前記棟の上端に開口し、該通気路の他端は、前記通気部材の下面であって、建物内部に通じる位置に開口させたことを特徴とする換気機能付き屋根。
【請求項18】
前記通気部材は、該通気部材の下面に、下地板材を備えていることを特徴とする請求項11に記載の換気機能付き屋根。
【請求項19】
前記下地板材を備えた前記通気部材は、前記下地板材と該通気部材の厚みを加えた全体の厚みが、前記野地板と等しい厚みに形成されていることを特徴とする請求項12に記載の換気機能付き屋根。
【請求項20】
前記通気部材の上部片側縁に、水切部材を一体に設けたことを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の換気機能付き屋根。
【請求項1】
野地板と、
前記野地板を貫通し、建物内部に通じる開口部と、
前記野地板上で、前記開口部より屋根の傾斜方向下方に設けられ、通気性を少なくとも該屋根の傾斜方向に有する通気部材と、
前記開口部の上方を覆い、一端が前記野地板上で、他端が前記通気部材の上面に載置された防水部材と、
前記通気部材上に設けられ、屋根部材を支持するとともに前記通気部材との間で前記屋根の傾斜方向に通水可能な瓦支持部材と、を備えたことを特徴とする換気機能付き屋根。
【請求項2】
前記通気部材と前記防水部材を一体に形成したことを特徴とする請求項1に記載の換気機能付き屋根。
【請求項3】
前記通気部材は、断面波形に形成された波板であることを特徴とした請求項1または2に記載の換気機能付き屋根。
【請求項4】
前記通気部材は、上下板材の間に支柱部材を介在させ、該支柱部材間を通気可能に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の換気機能付き屋根。
【請求項5】
前記通気部材は、上下板材を所定の間隔で配置させ、該上下板材間に通気方向に交差する向きに邪魔板を設けて構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の換気機能付き屋根。
【請求項6】
前記瓦支持部材は、前記通気部材との取り付け面において、少なくとも、前記屋根の傾斜方向に溝を備えて形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の換気機能付き屋根。
【請求項7】
前記通気部材が、軒先部に設置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の換気機能付き屋根。
【請求項8】
野地板と、
前記野地板の傾斜方向下端に、該野地板に連続して設けられた通気部材と、
前記通気部材上に設けられ、屋根部材を支持するとともに前記通気部材との間で前記屋根の傾斜方向に通水可能な瓦支持部材と、を備え、
前記通気部材は、内部に通気路を少なくとも前記野地板の傾斜方向に具え、かつ該通気路の一端は、該通気部材の下端に開口し、該通気路の他端は、前記通気部材の下面であって、建物内部に通じる位置に開口させたことを特徴とする換気機能付き屋根。
【請求項9】
前記通気部材は、該通気部材の下面に、広こまいを備えていることを特徴とする請求項8に記載の換気機能付き屋根。
【請求項10】
前記広こまいを備えた前記通気部材は、前記広こまいと該通気部材の厚みを加えた全体の厚みが、前記野地板と等しい厚みに形成されていることを特徴とする請求項9に記載の換気機能付き屋根。
【請求項11】
野地板と、
前記野地板の傾斜方向下端に、該野地板に連続して設けられた通気部材と、
前記野地板および前記通気部材上に設けられた屋根部材と、を備え、
前記通気部材は、内部に通気路を少なくとも前記野地板の傾斜方向に具え、かつ該通気路の一端は、該通気部材の下端に開口し、該通気路の他端は、前記通気部材の下面であって、建物内部に通じる位置に開口させたことを特徴とする換気機能付き屋根。
【請求項12】
前記通気部材は、該通気部材の下面に、広こまいを備えていることを特徴とする請求項11に記載の換気機能付き屋根。
【請求項13】
前記広こまいを備えた前記通気部材は、前記広こまいと該通気部材の厚みを加えた全体の厚みが、前記野地板と等しい厚みに形成されていることを特徴とする請求項12に記載の換気機能付き屋根。
【請求項14】
野地板と、
屋根のけらばに、前記野地板に連続して設けられた通気部材と、
前記野地板および前記通気部材上に設けられた屋根部材と、を備え、
前記通気部材は、内部に通気路を具え、該通気路の一端は、前記けらばに開口し、該通気路の他端は、前記通気部材の下面であって、建物内部に通じる位置に開口させたことを特徴とする換気機能付き屋根。
【請求項15】
前記通気部材は、該通気部材の下面に、登こまいを備えていることを特徴とする請求項11に記載の換気機能付き屋根。
【請求項16】
前記登こまいを備えた前記通気部材は、前記登こまいと該通気部材の厚みを加えた全体の厚みが、前記野地板と等しい厚みに形成されていることを特徴とする請求項12に記載の換気機能付き屋根。
【請求項17】
野地板と、
片流れ屋根の棟に、前記野地板に連続して設けられた通気部材と、
前記野地板および前記通気部材上に設けられた屋根部材と、を備え、
前記通気部材は、内部に通気路を具え、該通気路の一端は、前記棟の上端に開口し、該通気路の他端は、前記通気部材の下面であって、建物内部に通じる位置に開口させたことを特徴とする換気機能付き屋根。
【請求項18】
前記通気部材は、該通気部材の下面に、下地板材を備えていることを特徴とする請求項11に記載の換気機能付き屋根。
【請求項19】
前記下地板材を備えた前記通気部材は、前記下地板材と該通気部材の厚みを加えた全体の厚みが、前記野地板と等しい厚みに形成されていることを特徴とする請求項12に記載の換気機能付き屋根。
【請求項20】
前記通気部材の上部片側縁に、水切部材を一体に設けたことを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の換気機能付き屋根。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−32856(P2011−32856A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153211(P2010−153211)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(503341996)エバー株式会社 (36)
【出願人】(595031731)株式会社神清 (37)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(503341996)エバー株式会社 (36)
【出願人】(595031731)株式会社神清 (37)
【Fターム(参考)】
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