説明

換気装置

【課題】簡単な構成で、室内の空気を換気することができるとともに、美的効果が得られる換気装置を提供すること。
【解決手段】換気装置1は、建築物に設置され、当該建築物の室300内の空気を換気するものである。この換気装置1は、建築物の壁200に開口し、室300内に連通するダクト6と、ダクト6を開閉する開閉手段2とを有している。開閉手段2は、LED光源91と、LED光源91の近傍に設置され、熱伝導性を有し温度変化に応じて形状が変化してダクト6の開度を変える可動部3とを備え、可動部3がLED光源91の熱を吸収または放出することにより可動部3に温度変化が生じて形状が変化し、これにより、ダクト6の開度を変えるよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物に設置され、該建築物の室内の空気を換気する換気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の室内の空気を換気するには、それを行なうための換気装置が用いられる。この換気装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
【0003】
この換気装置は、室内と床下とを連通するダクトと、ダクトを開閉するダンパと、ダンパの開閉動作を制御する第1の制御部(制御器)と、室内の温度を検出する温度検出部(温度検出器)と、室内を希望する温度に設定する温度設定部(設定器)と、温度検出部および温度設定部にそれぞれ電気的に接続された第2の制御部(ダイレクトデジタルコントローラ)と、第1の制御部と第2の制御部とを電気的に接続する信号変換器とを有している。このような構成の換気装置では、まず、第2の制御部が、温度設定部で予め設定された室内温度と、温度検出部で検出された室内温度との差を小さくするような、ダクトの開度を求める。この求められたダクトの開度(信号)は、信号変換器に入力されて、当該信号変換器でプロトコル信号に変換される。第1の制御部は、信号変換器を介して送信されたプロトコル信号に応じて(基づいて)、ダンパを作動させて、ダクトの開度を調整する。これにより、室内が換気される。
【0004】
しかしながら、この従来(特許文献1)の換気装置では、当該装置を構成する構成要素が比較的多数存在する。このため、換気装置の構成が複雑なものとなっていた。また、前述したように、ダクトの開度を行なうときの制御も複雑なものとなっていた。また、この換気装置は、換気を行なう機能しか有していない。
【0005】
【特許文献1】特開2005−282917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、簡単な構成で、室内の空気を換気することができるとともに、美的効果が得られる換気装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記(1)〜(25)の本発明により達成される。
(1) 建築物に設置され、該建築物の室内の空気を換気する換気装置であって、
前記建築物の外壁に開口し、前記室内に連通するダクトと、
前記ダクトを開閉する開閉手段とを有し、
前記開閉手段は、LED光源と、該LED光源の近傍に設置され、少なくとも一部が熱伝導性を有し温度変化に応じて形状が変化して前記ダクトの開度を変える可動部とを備え、該可動部が前記LED光源の熱を吸収または放出することにより前記可動部に温度変化が生じて形状が変化し、これにより、前記ダクトの開度を変えるよう構成されていることを特徴とする換気装置。
【0008】
(2) 前記LED光源は、点灯時に、前記室内側からその発光が確認されるような位置に設置されている上記(1)に記載の換気装置。
【0009】
(3) 前記LED光源は、前記室内側から確認される照度の大小に応じて、前記ダクトの開度の程度が確認されるよう構成されている上記(1)または(2)に記載の換気装置。
【0010】
(4) 前記LED光源は、前記換気装置が作動中か否かを示すパイロットランプとしての機能を有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の換気装置。
【0011】
(5) 前記LED光源は、点灯時に、前記建築物の外部からその発光が確認されるような位置に設置されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の換気装置。
【0012】
(6) 前記開閉手段は、前記ダクト内に設置されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の換気装置。
【0013】
(7) 前記ダクトは、前記外壁に開口する外側開口部と、前記室内に開口する内側開口部とを有しており、
前記開閉手段は、前記外側開口部付近および/または前記内側開口部付近に設置されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の換気装置。
【0014】
(8) 前記外側開口部および前記内側開口部は、互いに鉛直方向のほぼ同じ位置に設けられている上記(7)に記載の換気装置。
【0015】
(9) 前記外側開口部および前記内側開口部は、互いに鉛直方向の異なる位置に設けられている上記(7)に記載の換気装置。
【0016】
(10) 前記外側開口部を覆うフードをさらに有する上記(7)ないし(9)のいずれかに記載の換気装置。
【0017】
(11) 前記可動部は、その温度変化に応じて形状が変化する部分が形状記憶材料で構成されている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の換気装置。
【0018】
(12) 前記可動部は、前記ダクトの開度が最大となる第1の状態と、該第1の状態のときよりも前記ダクトの開度が小さくなる第2の状態とを取り得る上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の換気装置。
【0019】
(13) 前記可動部は、前記LED光源の熱を吸収することにより、前記第1の状態となる上記(12)に記載の換気装置。
【0020】
(14) 前記可動部は、それが冷却されることにより、前記第2の状態となる上記(12)または(13)に記載の換気装置。
【0021】
(15) 前記可動部は、前記建築物の外部から前記ダクト内に流入する外気によって冷却される上記(14)に記載の換気装置。
【0022】
(16) 前記第2の状態で、前記LED光源は、前記室内側に向く上記(12)ないし(15)のいずれかに記載の換気装置。
【0023】
(17) 前記可動部は、前記ダクトの内面に片持支持された板状体である上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の換気装置。
【0024】
(18) 前記LED光源は、前記可動部の固定端付近または自由端付近に設置されている上記(17)に記載の換気装置。
【0025】
(19) 前記可動部は、板状体と、前記ダクトに支持された軸と、前記板状体と前記軸とを連結する連結部とを有し、該連結部が温度変化に応じてその形状が変化することにより、前記板状体が前記軸回りに回動するよう構成されている上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の換気装置。
【0026】
(20) 前記LED光源は、前記軸に対して、前記板状体側またはそれと反対側に設置されている上記(19)に記載の換気装置。
【0027】
(21) 前記ダクトは、前記外壁に開口する外側開口部と、前記室内に開口する内側開口部とを有しており、
前記可動部は、前記外側開口部または前記内側開口部を覆い得る蓋体と、温度変化に応じて形状が変化することにより、前記蓋体をそれが覆い得る前記開口部に対して接近/離間する方向に移動させる形状変化部とを有する上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の換気装置。
【0028】
(22) 前記LED光源は、前記形状変化部付近に設置されている上記(21)に記載の換気装置。
【0029】
(23) 前記可動部の変形を補助する変形補助手段をさらに有する上記(1)ないし(22)のいずれかに記載の換気装置。
【0030】
(24) 前記変形補助手段は、前記可動部を付勢するバネで構成されている上記(23)に記載の換気装置。
【0031】
(25)
前記ダクトの内面は、その少なくとも一部が、前記LED光源が発する光が反射する反射面を構成している上記(1)ないし(24)のいずれかに記載の換気装置。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、LED光源と可動部とにより、すなわち、簡単な簡単な構成で、ダクトを確実に開閉することができる。これにより、室内の空気を換気することができる。また、LED光源が発する光により、美的効果が得られる。
【0033】
また、LED光源がその点灯時に室内側からその発光が確認されるような位置に設置されている場合には、LED光源により室内が確実に照明され、よって、美的効果が顕著に表れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の換気装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1〜図3は、それぞれ、本発明の換気装置の第1実施形態を示す部分断面図、図4は、本発明におけるLED光源の構成例を示す図(図4(A)は平面図、図4(B)は正面図、図4(C)は断面図)である。なお、説明の都合上、図1〜図3において、上側を「上」、下側を「下」として説明する。また、図1〜図3中の上下方向が鉛直方向、紙面に対して垂直な方向および左右方向が水平方向である。
【0035】
図1〜図3に示す換気装置(換気システム)1は、建築物としての例えば住宅(家屋)に設置され、当該住宅の室(部屋)300内(内側)の空気を換気するものである。この室300は、壁(外壁(躯体))200によって、室300外(住宅の外部(外側))と隔離されている。
【0036】
換気装置1は、壁200に設置されたダクト6と、ダクト6を開閉する開閉手段2と、壁200に設置されたフード8とを有している。以下、各部の構成について説明する。
【0037】
ダクト6は、例えば横断面形状が円形や四角形をなす筒体で構成されたものである。このダクト6は、壁200に当該壁200を貫通するように設置されている。これにより、ダクト6が壁200および室300内に開口し、よって、室300内(住宅の内側)がダクト6を介して外部(住宅の外側)と連通する。以下、ダクト6の、壁200に開口する部分を「外側開口部61」といい、室300内に開口する部分を「内側開口部62」という。
【0038】
また、ダクト6は、その中心軸(長手方向)が水平方向とほぼ平行となるように、設置されている。このため、外側開口部61と内側開口部62とは、互いに鉛直方向のほぼ同じ位置となる。これにより、ダクト6の長さ、すなわち、空気が通過する流路の長さを比較的短く設定することができ、よって、ダクト6の開度の大きさにもよるが、室300内の換気を容易かつ確実に行なうことができる。
【0039】
内側開口部62は、その一部が室300側(内側)に突出しており、ダクト6の中心軸に対して傾斜している、すなわち、下方(床(図示せず)側)を向いている。これにより、ダクト6の内面(内周面)63の上部631が下部632よりも突出する。
【0040】
例えばダクトが室300の天井(図示せず)近傍に設置されている場合、後述するLED(発光ダイオード)光源91から発せられる光Lが内面63の上部631に反射して、内側開口部62から下方に向かって照射される。これにより、室300が天井側(上方)から照らされることとなり、LED光源91が照明(間接照明)としての機能を発揮する。また、LED光源91による照明により、美的効果や癒し効果(リラクゼーション効果)が得られる。
【0041】
ダクト6の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムやアルミニウム系合金等が挙げられる。
【0042】
ダクト6がこのような材料で構成されている場合、ダクト6の内面63にLED光源91が発する光Lが反射する、すなわち、ダクト6の内面63は、光Lが反射する反射面となっている。これにより、光Lを室300内に容易かつ確実に導入することができる。
【0043】
壁200には、フード8が設置されている。このフード8は、外側開口部61を覆うものであり、その開口部81が下方に向かって形成されている。
【0044】
このようなフード8により、例えば、雨が外側開口部61を介してダクト6内に浸入するのを防止することができ、よって、雨水による悪影響(例えばダクト6の劣化)を防止することができる。
【0045】
なお、フード8は、ダクト6と別体で構成されたものであるが、これに限定されず、例えば、ダクト6と一体的に形成されたものであってもよい。
【0046】
また、フード8の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムやアルミニウム系合金等が挙げられる。
【0047】
ダクト6内には、当該ダクト6を開閉する開閉手段2が設置されている。開閉手段2は、ダクト6の開度を変える可動部3と、可動部3に接する(近接する)LED光源91とを有している。また、換気装置1では、当該換気装置1が作動しているときは、通常、LED光源91は、常時点灯している。
【0048】
なお、本実施形態では、前述したように開閉手段2がダクト6内に設置されている、すなわち、可動部3とLED光源91とがダクト6内に位置している(収納されている)。
【0049】
例えば可動部3がダクト6の内側開口部62から露出(突出)する場合、室300内の観が損なわれるおそれがある。しかしながら、本実施形態では、可動部3がダクト6の内側開口部62から露出するのが防止されているため、室300内の美観が損なわれるのを抑制または防止することができる。
【0050】
また、例えばLED光源91がダクト6の内側開口部62から露出(突出)する場合、LED光源91は、それから発せられた光Lが室300内に直接照射される直接照明となる。しかしながら、本実施形態では、LED光源91がダクト6の内側開口部62から露出するのが防止されているため、LED光源91から発せられた光Lは、ダクト6を介して(ダクト6内を反射して)室300内に照射される、すなわち、内側開口部62から光Lが漏れる。これにより、LED光源91が間接照明となり、よって、美的効果や癒し効果(リラクゼーション効果)が得られる。一般的に、間接照明は、美的効果や癒し効果があると言われている。
【0051】
可動部3は、形状が板状をなす板状体で構成されたものである。この可動部3(板状体)は、その内側開口部62側の部分がダクト6の内面63の上部631に支持されている、すなわち、片持支持されている。これにより、可動部3では、その外側開口部61側が自由端31となり、内側開口部62側が固定端32となる。
【0052】
可動部3は、熱伝導性を有しており、温度変化に応じて形状が変化して、第1の状態(図1参照)と、第2の状態(図2および図3参照)とを取り得る。すなわち、本実施形態では、可動部3は、第1の状態に形状記憶されている。第1の状態(第1の形状)では、ダクト6の開度が最大となり、換気の効率(換気率)が最高となる。また、第2の状態(第2の形状)では、第1の状態のときよりもダクト6の開度が小さくなり、換気が抑制される。
【0053】
また、このような可動部3に用いられる構成材料としては、例えば、形状記憶材料が挙げられる。
【0054】
形状記憶材料とは、ある相(母相)で形成された材料が他の相にあるときに変形をうけても、母相にもどすと形状も再び元にもどる性質、すなわち形状記憶効果をもつ材料であり、例えば、高温成形された形状が常温で変形しても加熱によって元の形状にもどる(逆変態)ような材料である。ここで、この逆変態を開始する温度(元の形状に戻り始める温度)を逆変態開始温度、逆変態が終了する温度を逆変態終了温度という。
【0055】
このような形状記憶効果を有する形状記憶材料としては、例えば、形状記憶合金や形状記憶高分子等が挙げられる。
【0056】
このうち形状記憶合金としては、Ti−Ni系合金、Ti−Ni−Cu系合金、Ti−Ni−Fe系合金、Cu−Zn系合金、Cu−Zn−Al系合金、Cu−Al−Ni系合金、Cu−Au−Zn系合金、Cu−Sn系合金、Ni−Al系合金、Ag−Cd系合金、Au−Cd系合金、In−Tl系合金、In−Cd系合金等が挙げられる。これらの形状記憶合金は、例えば、構成元素の含有量を変えることにより、逆変態開始温度、逆変態終了温度等を調整することができる。
【0057】
また、形状記憶高分子としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリウレタン、高密度ポリエチレン等が挙げられる。
【0058】
前述したように、可動部3は、第1の状態と第2の状態とに変形する。
この可動部3は、LED光源91が発する熱を吸収して逆変態開始温度に達したとき、第1の状態となる。
【0059】
また、第1の状態の可動部3は、それが冷却されて逆変態開始温度未満となったとき、LED光源91および可動部3の自由端31付近の部位の重さによって、第2の状態となる。第2の状態では、可動部3自体の温度が逆変態開始温度より低ければ低いほど、可動部3の撓み(変形)が大きくなる。図3に示す状態では、可動部3自体の温度が図2に示す状態よりも低くなっている。これにより、図3に示すダクト6の開度は、図2に示すダクト6の開度より小さくなっている。
【0060】
また、第2の状態の可動部3は、前述したようにLED光源91の熱を吸収して逆変態開始温度に達したとき、再度第1の状態となる。
【0061】
このように、開閉手段2では、可動部3自体の温度の大小によって、当該可動部3の撓みが変化するよう構成されている。これにより、簡単な構成でダクト6の開度を変えることができ、よって、室300内の空気を確実に換気することができる。
【0062】
また、可動部3の冷却は、外側(住宅の外部)からダクト6内に流入する外気によって行なわれる。
【0063】
これにより、外気の温度(気温)が比較的高い場合(例えば夏季)、可動部3の冷却が抑制され、当該可動部3が第1の状態を維持することとなる。これにより、換気率が最高となり、よって、室300内が快適なものとなる。
【0064】
また、外気の温度(気温)が比較的低い場合(例えば冬季)、可動部3の冷却が促進され、LED光源91および可動部3の自由端31付近の部位の重さによって、可動部3が容易に第2の状態となる、すなわち、第1の状態よりもダクト6の開度が小さくなる。これにより、例えば室300内が保温されている場合、室300内の空気(暖気)がダクト6を介して外側に流出し、外気(冷気)がダクト6を介して室300内に流入するのが防止される。よって、室300内が快適なものとなる。
【0065】
なお、本発明では、第2の状態において、可動部3により、空気の流路(ダクト6)が遮断(閉じられる)されるようになっていてもよい。
【0066】
また、可動部3は、冷却されたときLED光源91および可動部3の自由端31付近の部位の重さによって変形するものであるが、これに限定されず、可動部3自身が温度変化によって第1の状態と第2の状態(第2の状態のうちの所定の状態)となる、2方向性の形状記憶効果を有するものであってもよい。
【0067】
また、可動部3は、形状記憶材料で構成されたものが好ましいが、これに限定されず、例えば、線膨張係数の異なる2枚の金属板を接合した(はり合わせた)もの、すなわち、バイメタルで構成されてもよい。
【0068】
可動部3の下面33の自由端31付近には、LED光源91が設置されている。
図4に示すように、LED光源91は、矩形板状の基盤92と、基盤92の一方の面(図4(C)において上側の面)上に設けられた反射板93と、LED素子94と、蛍光体95と、レンズ96とを備えている。
【0069】
基盤92は、矩形の金属板が多層に積層されて形成されている。また、基盤92には、プラス電極97とマイナス電極98とが、その多層の金属板の間に挟まれて取り付けられている。この場合、プラス電極97とマイナス電極98とが短絡(ショート)しないようになっている。また、基盤92の主材料には、LED素子94の熱を逃がし易い材料、すなわち、熱伝導率の比較的高い、例えば、アルミニウムやアルミニウム系合金等の金属材料が用いられる。
【0070】
また、反射板93は、枠状をなし、基盤92の外周部に設置されており、その内面において光Lを反射する。
【0071】
また、LED素子94は、反射板93の内側、すなわち、基盤92の中央部に設置されている。また、LED素子94は、その下面にプラス電極94aおよびマイナス電極94bを有している。このプラス電極94aおよびマイナス電極94bは、それぞれ、基盤92のプラス電極97およびマイナス電極98に接続されている。LED素子94は、プラス電極94aおよびマイナス電極94bを介して低電圧直流電流が供給されることにより点灯(発光)する。
【0072】
また、蛍光体95は、LED素子94を覆うように形成されており、レンズ96は、反射板93の内面および蛍光体95を覆うように形成されている。
【0073】
なお、LED光源91の構造は、前述したものには限定されず、種々のものを用いることができる。
【0074】
この場合、例えば、LED光源91の外形形状は、直方体に限らず、例えば、円盤状、球状等であってもよい。
【0075】
また、レンズ96として、他の形状、特性ものを用いてもよく、また、レンズ96が省略されていてもよい。
【0076】
このような構成のLED光源91は、導線により図示しない電源部に接続されており、その電源部から電流(例えば、低電圧直流電流)が供給されると、点灯(発光)する。
【0077】
なお、前記LED光源91が発する光L(照明光)の色、すなわち、LED素子94における発光色は、白色であってもよく、また、例えば、赤色、緑色、青色等の種々のカラー色であってもよい。
【0078】
また、LED光源91の消費電力は、比較的小さいので、換気装置1を連続的に長時間、作動させても安全である。
【0079】
可動部3の自由端31付近に設置されたLED光源91は、その点灯時に、室300内側からその発光が確認される(視認される)。換言すれば、ダクト6がLED光源91の光Lの光路となって、当該光Lが室300内に導入される。
【0080】
これにより、光Lが内側開口部62から漏れることとなり(図1〜図3参照)、すなわち、LED光源91が間接照明として機能し、よって、美的効果や癒し効果が得られる。
【0081】
また、外側開口部61側に自由端31が位置しているため、当該自由端31付近に設置されたLED光源91は、点灯時に、外側からもその発光を確認することができる。これにより、住宅内に人がいるような感覚を与えることができ、よって、防犯効果が得られる。
【0082】
図1(図2も同様)に示すように、この外側から確認される光Lは、フード8の内面82を反射して開口部81から下方に向かって照射されるものである。これにより、外側においても、LED光源91が間接照明として機能し、よって、美的効果や癒し効果が得られる。
【0083】
また、換気装置1が作動しているときは、LED光源91は点灯し、逆に、換気装置1が作動していないときは、LED光源91は消灯しているので、LED光源91は、当該換気装置1が作動中か否かを示すパイロットランプとして機能する。これにより、換気装置1が作動中か否かを容易かつ確実に把握することができる。
このように、LED光源91は、光Lと熱とを発するものである。
【0084】
前述したように可動部3の自由端31付近にLED光源91が設置されている。このため、当該LED光源91が発する熱が、可動部3の変形する自由端31側の部位に迅速に伝わる。これにより、可動部3が第1の状態に容易に変形する。図1に示すように、第1の状態では、LED光源91の光軸は、鉛直下方を向く。
【0085】
また、外側開口部61側に自由端31が位置するため、当該自由端31付近が外気によって容易に冷却される。これにより、可動部3が第2の状態に容易に変形する。図2および図3に示すように、第2の状態では、LED光源91の光軸は、室300内側に向く(傾斜する)。
【0086】
このように、可動部3の変形の程度によって、LED光源91の光軸の向きが変化する。これにより、室300内側から確認されるLED光源91の照度に変化(大小)が生じる。この照度の変化を視認することにより、ダクト6の開度の程度を容易に把握する(確認する)ことができる。
【0087】
また、換気装置1では、LED光源91と、LED光源91の熱を吸収または放出することにより温度変化が生じて形状が変化する可動部3とで、すなわち、簡単な構成で、ダクト6を自動的に開閉することができる。これにより、前述したように、季節に応じてダクト6の開度の大きさが好適に変化し、よって、室300内の空気を好適に換気することができる。
【0088】
<第2実施形態>
図5〜図7は、それぞれ、本発明の換気装置の第2実施形態を示す部分断面図である。なお、説明の都合上、図5〜図7において、上側を「上」、下側を「下」として説明する。また、図5〜図7中の上下方向が鉛直方向、紙面に対して垂直な方向および左右方向が水平方向である。
【0089】
以下、これらの図を参照して本発明の換気装置の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0090】
本実施形態は、LED光源の設置位置が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0091】
図5〜図7に示す換気装置1Aでは、LED光源91が、可動部3の下面33の固定端32付近に設置されている。このように設置されたLED光源91は、その点灯時に、室300内側からその発光を確認される。これにより、光Lが内側開口部62から漏れることとなり(図5〜図7参照)、すなわち、LED光源91が間接照明として機能し、よって、美的効果や癒し効果が得られる。
【0092】
図6および図7に示すように、第2の状態では、LED光源91の光Lは、可動部3の自由端31側の部位に反射し、LED光源91の照度が第1の状態(図5に示す状態)より大きくなる。
【0093】
また、図7に示す状態では、可動部3の自由端31側の部位が、図6に示す状態より撓みが大きくなるため、当該部位が内側に面することとなる。これにより、図7に示す状態は、図6に示す状態よりLED光源91の照度が大きくなる。
【0094】
このような構成により、照度の変化を視認することができ、よって、ダクト6の開度の程度を容易に把握する(確認する)ことができる。
【0095】
<第3実施形態>
図8〜図10は、それぞれ、本発明の換気装置の第3実施形態を示す部分断面図である。なお、説明の都合上、図8〜図10において、上側を「上」、下側を「下」として説明する。また、図8〜図10中の上下方向が鉛直方向、紙面に対して垂直な方向および左右方向が水平方向である。
【0096】
以下、これらの図を参照して本発明の換気装置の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0097】
本実施形態は、換気装置が、可動部の変形を補助する変形補助手段をさらに有すること以外は前記第2実施形態と同様である。
【0098】
図8〜図10に示す換気装置1Bは、可動部3の変形を補助する変形補助手段としての引張コイルバネ5をさらに有している。この引張コイルバネ5は、可動部3を第2の状態に変形させる方向に付勢するものである。
【0099】
引張コイルバネ5は、その一端部(上端部)51が可動部3の下面33の自由端31付近に支持されており、他端部(下端部)52がダクト6の内面63の内側開口部62側に支持されている。
【0100】
このような引張コイルバネ5が設置されていることにより、可動部3は、第1の状態(図8に示す状態)から第2の状態(図9および図10に示す状態)へ変形するとき、その変形が補助されて確実に行なわれる。
【0101】
なお、引張コイルバネ5は、可動部3を第2の状態に変形させる方向に付勢するものであるが、これに限定されず、例えば、可動部3を第1の状態に変形させる方向に付勢するものであってもよい。
【0102】
また、変形補助手段は、引張コイルバネ5で構成されたものであるが、これに限定されず、例えば、圧縮コイルバネで構成されたものであってもよい。
【0103】
<第4実施形態>
図11〜図13は、それぞれ、本発明の換気装置の第4実施形態を示す部分断面図である。なお、説明の都合上、図11〜図13において、上側を「上」、下側を「下」として説明する。また、図11〜図13中の上下方向が鉛直方向、紙面に対して垂直な方向および左右方向が水平方向である。
【0104】
以下、これらの図を参照して本発明の換気装置の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、可動部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0105】
図11〜図13に示す換気装置1Cでは、可動部3Aが、板状体34と、ダクト6に支持された軸35と、板状体34と軸35とを連結する連結部36と、LED光源91が設置される光源設置部37とで構成されている。
【0106】
軸35は、棒状体で構成されている。この軸35は、ダクト6の内面63の上部631近傍に、ダクト6の中心軸に対してほぼ垂直方向に設置されている。
【0107】
板状体34は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムやアルミニウム系合金等で構成された金属板である。この板状体34は、軸35に対して回動可能に設置されている。これにより、板状体34がダクト6の内面63の下部632に対して接近/離間する。すなわち、可動部3Aが、ダクト6の開度が最大となる第1の状態(図11に示す状態)と、第1の状態のときよりもダクト6の開度が小さくなる第2の状態(図12および図13に示す状態)とに変化する。
【0108】
連結部36は、ねじりコイルバネである。この連結部36は、前記第1実施形態の可動部3の説明で挙げたような形状記憶材料で構成されている。また、連結部36は、軸35の外周側に設置されている。このような連結部36を介して、その外側開口部61側に、板状体34が軸35と連結している。
【0109】
光源設置部37は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムやアルミニウム系合金等で構成された金属板である。この光源設置部37は、軸35に対して板状体34と反対側(内側開口部62側)に、連結部36を介して軸35と連結している。
【0110】
このような光源設置部37に設置されたLED光源91は、内側開口部62側近傍に位置することとなる。これにより、LED光源91の光Lが内側開口部62を介して室300に供給され、当該室300内が照明される。これにより、美的効果や癒し効果が得られる。
【0111】
このように構成された可動部3Aでは、光源設置部37を介して、LED光源91の熱が連結部36に伝わる。この熱を連結部36が吸収し、当該連結部36に温度変化が生じる。これにより、連結部36が変形して板状体34が軸35に対して時計回りに回動する、すなわち、可動部3Aが第1の状態となる(図11参照)。
【0112】
また、第1の状態で連結部36が冷却されて逆変態開始温度未満となったとき、板状体34の重さによって連結部36が変形して、板状体34が軸35に対して反時計回りに回動する、すなわち、可動部3Aが第2の状態となる(図12および図13参照)。
【0113】
このような簡単な構成の可動部3Aにより、ダクト6が確実に開閉することとなり、よって、室300内を容易かつ確実に換気することができる。
【0114】
また、図13に示す状態では、板状体34が、図12に示す状態よりダクト6の中心軸に対する傾きが大きくなる。このため、板状体34が内側に面することとなる。これにより、図13に示す状態は、図12に示す状態よりも、LED光源91の光Lが板状体34に反射する、すなわち、LED光源91の照度が大きくなる。
【0115】
このような構成により、照度の変化を視認することができ、よって、ダクト6の開度の程度を容易に把握する(確認する)ことができる。
【0116】
なお、LED光源91は、軸35に対して、板状体34と反対側に設置されているが、これに限定されず、板状体34側に設置されていてもよい。
【0117】
<第5実施形態>
図14〜図16は、それぞれ、本発明の換気装置の第5実施形態を示す部分断面図である。なお、説明の都合上、図14〜図16において、上側を「上」、下側を「下」として説明する。また、図14〜図16中の上下方向が鉛直方向、紙面に対して垂直な方向および左右方向が水平方向である。
【0118】
以下、これらの図を参照して本発明の換気装置の第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、可動部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0119】
図14〜図16に示す換気装置1Dは、可動部3Bが、内側開口部62を覆い得る蓋体38と、蓋体38を内側開口部62に対して接近/離間する方向に移動させる形状変化部39と、蓋体38と形状変形部39とをダクト6内に支持する支持部材40とで構成されている。
【0120】
換気装置1Dでは、可動部3Bは、蓋体38が内側開口部62から最大に離間してダクト6の開度が最大となる第1の状態(図14に示す状態)と、蓋体38が内側開口部62に接近してダクト6の開度が第1の状態より小さくなる第2の状態(図15および図16に示す状態)とに変化する。
【0121】
図14および図15に示す状態では、蓋体38と内側開口部62との間に形成された間隙を介して、LED光源91の光Lが漏れる。これにより、室300内が照明され、よって、美的効果や癒し効果が得られる。
【0122】
また、図16に示す状態では、蓋体38が内側開口部62に当接して空気の流路(ダクト6)が遮断されている。
【0123】
蓋体38は、内側開口部62より外径が大きい円板状をなす蓋体本体381と、蓋体本体381の外側の面から突出した軸382とで構成されている。
【0124】
蓋体本体381は、光透過性を有するものであってもよいし、光不透過性のものであってもよい。蓋体本体381が光透過性を有するものである場合、当該蓋体本体381を介してLED光源91の光Lが視認される。また、蓋体本体381が光不透過性のものである場合、当該蓋体本体381に多数の小孔を形成してもよい。これにより、各小孔を介してLED光源91の光Lが視認される。
【0125】
形状変形部39は、コイル状をなすものである。この形状変形部39は、前記第1実施形態の可動部3の説明で挙げたような形状記憶材料で構成されている。また、形状変形部39は、その一部が軸35の外周側に接合されて設置されている。
【0126】
支持部材40は、その縦断面形状がコ字状をなすものである。支持部材40の長手方向に、当該支持部材40を蓋体38の軸382が挿通している。また、支持部材40(コ字状)の内部の外側開口部61側に形状変形部39が位置している。
【0127】
また、LED光源91は、蓋体38の軸382の形状変化部39付近に設置されている。これにより、LED光源91が発する熱が形状変化部39に容易に伝わる。これにより、形状変化部39がLED光源91の熱を容易に吸収することができ、よって、形状変化部39に温度変化が生じて変形する。このとき、可動部3Bは、第1の状態となる。
【0128】
また、第1の状態で形状変化部39が冷却されて逆変態開始温度未満となったとき、圧縮コイルバネ7の付勢力によって形状変化部39が変形する。このとき、可動部3Bは、第2の状態となる。
【0129】
また、可動部3Bには、形状変形部39の変形を補助する変形補助手段としての圧縮コイルバネ7が設置されている。この圧縮コイルバネ7は、形状変形部39を第2の状態に変形させる方向に付勢するものである。
【0130】
圧縮コイルバネ7は、板部材41を介して、形状変化部39と反対側に設置されている。すなわち、圧縮コイルバネ7は、板部材41と支持部材40の内側の部位とにより挟持されて(圧縮されて)いる。
【0131】
このような圧縮コイルバネ7が設置されていることにより、可動部3Bは、第1の状態(図14に示す状態)から第2の状態(図15および図16に示す状態)へ変化するとき、その変化が確実に行なわれる。
【0132】
なお、圧縮コイルバネ7は、可動部3Bを第2の状態に変化させる方向に付勢するものであるが、これに限定されず、例えば、可動部3Bを第1の状態に変化させる方向に付勢するものであってもよい。
【0133】
また、変形補助手段は、圧縮コイルバネ7で構成されたものであるが、これに限定されず、例えば、引張コイルバネで構成されたものであってもよい。
【0134】
このような簡単な構成の可動部3Bにより、ダクト6が確実に開閉することとなり、よって、室300内を容易かつ確実に換気することができる。
【0135】
<第6実施形態>
図17〜図19は、それぞれ、本発明の換気装置の第6実施形態を示す部分断面図である。なお、説明の都合上、図17〜図19において、上側を「上」、下側を「下」として説明する。また、図17〜図19中の上下方向が鉛直方向、紙面に対して垂直な方向および左右方向が水平方向である。
【0136】
以下、これらの図を参照して本発明の換気装置の第6実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0137】
本実施形態は、可動部の設置方向(設置形態)が異なること以外は前記第5実施形態と同様である。
【0138】
図17〜図19に示す換気装置1Eでは、可動部3Bは、蓋体38が外側開口部61を覆い得るものである。
【0139】
図14および図15に示す状態では、蓋体38と外側開口部61との間に形成された間隙を介して、空気がダクト6内を流通することができる。
【0140】
また、図19に示す状態では、蓋体38が内側開口部62に当接して空気の流路(ダクト6)が遮断されている。また、図19に示す状態では、外側に光Lが漏れるのが抑制されている。
【0141】
このような簡単な構成の可動部3Bにより、前記第5実施形態とほぼ同様に、ダクト6が確実に開閉することとなり、よって、室300内を容易かつ確実に換気することができる。
【0142】
また、換気装置1Eでは、ダクト6の開閉によらず、すなわち、内側開口部62が蓋体38で覆われることがないため、LED光源91の光Lにより室300内が確実に照明される。
【0143】
<第7実施形態>
図20は、本発明の換気装置の第7実施形態を示す部分断面図である。なお、説明の都合上、図20において、上側を「上」、下側を「下」として説明する。また、図20中の上下方向が鉛直方向、紙面に対して垂直な方向および左右方向が水平方向である。
【0144】
以下、この図を参照して本発明の換気装置の第7実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、ダクトの形状が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0145】
図20に示す換気装置1Fでは、外側開口部61および内側開口部62は、互いに鉛直方向の異なる位置に設けられており、各開口部付近にそれぞれ開閉手段2が設置されている。これにより、例えば一方の開閉手段2が故障した場合であっても、ダクト6Aの開閉を行なうことができ、よって、室300を換気することができる。
【0146】
また、前述したように外側開口部61および内側開口部62が互いに鉛直方向の異なる位置に設けられている、すなわち、外側開口部61が内側開口部62よりも上方に位置している。
【0147】
また、換気装置1Fでは、ダクト6Aの外側の壁部64と内側の壁部65とが光透過性を有している。
【0148】
この壁部64を介して、LED光源91の光Lを住宅の外部から見ることができる。また、これにより、住宅内に人がいるような感覚を与えることができ、また、住宅の外部において、換気装置1Fに人が接近すると、その外部への照明により、その人が明るく照らされ、これにより、防犯効果が得られる。
【0149】
また、壁部65を介して、LED光源91の光Lを室300から見ることができる。これにより、美的効果や癒し効果(リラクゼーション効果)が得られる。
【0150】
また、LED光源91で発生した熱やその熱により加熱された空気により、外側の壁部64および内側の壁部65が加熱され、これらの結露を防止することができる。
【0151】
また、壁部64および65は、それぞれ、開閉自在に設置されていてもよいし、固定的に設置されていてもよい。
【0152】
<第8実施形態>
図21は、本発明の換気装置の第8実施形態を示す部分断面図である。なお、説明の都合上、図21において、上側を「上」、下側を「下」として説明する。また、図21中の上下方向が鉛直方向、紙面に対して垂直な方向および左右方向が水平方向である。
【0153】
以下、この図を参照して本発明の換気装置の第8実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、開閉手段の設置数が異なること以外は前記第7実施形態と同様である。
【0154】
図21に示す換気装置1Gでは、開閉手段2が内側開口部62付近(側)のみに設置されている。これにより、構造を簡素化することができる。
【0155】
<第9実施形態>
図22は、本発明の換気装置の第9実施形態を示す部分断面図である。なお、説明の都合上、図22において、上側を「上」、下側を「下」として説明する。また、図22中の上下方向が鉛直方向、紙面に対して垂直な方向および左右方向が水平方向である。
【0156】
以下、この図を参照して本発明の換気装置の第9実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、開閉手段の設置数が異なること以外は前記第7実施形態と同様である。
【0157】
図22に示す換気装置1Hでは、開閉手段2が外側開口部61付近(側)のみに設置されている。これにより、構造を簡素化することができる。
【0158】
<第10実施形態>
図23は、本発明の換気装置の第10実施形態を示す部分断面図、図24は、本発明におけるLED光源の構成例を示す斜視図である。なお、説明の都合上、図23(b)において、上側を「上」、下側を「下」として説明する。また、図23(a)中の紙面に対して垂直な方向が鉛直方向、上下方向および左右方向が水平方向である。また、図23(b)中の上下方向が鉛直方向、紙面に対して垂直な方向および左右方向が水平方向である。
【0159】
以下、これらの図を参照して本発明の換気装置の第10実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、LED光源の構成が異なること以外は前記第7実施形態と同様である。
【0160】
図23に示す換気装置1iでは、複数のLED光源91が、それらを連設してなるLEDユニット90を構成している。このLEDユニット90としては、図24(A)に示すように、パッケージ化されたもの、図24(B)に示すように、その表面が絶縁された通電用の導線(ケーブル)等で繋がっているもの等、種々の形態のものを用いることができる。本実施形態では、図24(A)に示す、複数のLED光源91が略直線状に連設され、パッケージ化されて、長尺状をなすLEDユニット90が用いられている。
【0161】
このような構成のLEDユニット90は、壁部64側および壁部65側にそれぞれ、鉛直方向に沿って配置されている。
【0162】
これにより、壁部64を介して、LEDユニット90の光Lを住宅の外部から見ることができる。また、これにより、住宅内に人がいるような感覚を与えることができ、また、住宅の外部において、換気装置1iに人が接近すると、その外部への照明により、その人が明るく照らされ、これにより、防犯効果が得られる。
【0163】
また、壁部65を介して、LEDユニット90の光Lを室300から見ることができる。これにより、美的効果や癒し効果(リラクゼーション効果)が得られる。
【0164】
<第11実施形態>
図25は、本発明の換気装置の第11実施形態を示す部分断面図である。なお、説明の都合上、図25(b)において、上側を「上」、下側を「下」として説明する。また、図25(a)中の紙面に対して垂直な方向が鉛直方向、上下方向および左右方向が水平方向である。また、図25(b)中の上下方向が鉛直方向、紙面に対して垂直な方向および左右方向が水平方向である。
【0165】
以下、この図を参照して本発明の換気装置の第11実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0166】
本実施形態は、LEDユニットの設置数が異なること以外は前記第10実施形態と同様である。
【0167】
図25に示す換気装置1Jでは、LEDユニット90が壁部65側に鉛直方向に沿って配置されている。これにより、壁部65を介して、LEDユニット90の光Lを室300から見ることができる。これにより、美的効果や癒し効果(リラクゼーション効果)が得られる。また、LEDユニット90の光Lは、壁部64を介して間接的に外側を照明する。すなわち、外側では、LEDユニット90が間接照明となり、美的効果や癒し効果が得られる。
【0168】
なお、開閉手段2(可動部3およびLEDユニット90)を壁部65側ではなく、例えば、壁64側に設けてもよい。
【0169】
以上、本発明の換気装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、換気装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0170】
また、本発明の換気装置は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0171】
例えば、第2実施形態〜第4実施形態および第7実施形態〜第11実施形態の換気装置では、それぞれ、第1実施形態の換気装置とほぼ同様のフードが設置されていてもよい。
【0172】
また、第1実施形態、第4実施形態および第7実施形態〜第11実施形態の可動部に、それぞれ、変形補助手段が設けられていてもよい。
【0173】
また、第7実施形態〜第11実施形態において、外壁に対して外側と内側とが逆になって(反転して)いてもよい。すなわち、第7実施形態〜第11実施形態では、外側開口部が内側開口部より上方に位置しているが、これに限定されず、内側開口部が外側開口部より上方に位置していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0174】
【図1】本発明の換気装置の第1実施形態を示す部分断面図である。
【図2】本発明の換気装置の第1実施形態を示す部分断面図である。
【図3】本発明の換気装置の第1実施形態を示す部分断面図である。
【図4】本発明におけるLED光源の構成例を示す図(図4(A)は平面図、図4(B)は正面図、図4(C)は断面図)である。
【図5】本発明の換気装置の第2実施形態を示す部分断面図である。
【図6】本発明の換気装置の第2実施形態を示す部分断面図である。
【図7】本発明の換気装置の第2実施形態を示す部分断面図である。
【図8】本発明の換気装置の第3実施形態を示す部分断面図である。
【図9】本発明の換気装置の第3実施形態を示す部分断面図である。
【図10】本発明の換気装置の第3実施形態を示す部分断面図である。
【図11】本発明の換気装置の第4実施形態を示す部分断面図である。
【図12】本発明の換気装置の第4実施形態を示す部分断面図である。
【図13】本発明の換気装置の第4実施形態を示す部分断面図である。
【図14】本発明の換気装置の第5実施形態を示す部分断面図である。
【図15】本発明の換気装置の第5実施形態を示す部分断面図である。
【図16】本発明の換気装置の第5実施形態を示す部分断面図である。
【図17】本発明の換気装置の第6実施形態を示す部分断面図である。
【図18】本発明の換気装置の第6実施形態を示す部分断面図である。
【図19】本発明の換気装置の第6実施形態を示す部分断面図である。
【図20】本発明の換気装置の第7実施形態を示す部分断面図である。
【図21】本発明の換気装置の第8実施形態を示す部分断面図である。
【図22】本発明の換気装置の第9実施形態を示す部分断面図である。
【図23】本発明の換気装置の第10実施形態を示す部分断面図である。
【図24】本発明におけるLED光源の構成例を示す斜視図である。
【図25】本発明の換気装置の第11実施形態を示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0175】
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1i、1J 換気装置(換気システム)
2 開閉手段
3、3A、3B 可動部
31 自由端
32 固定端
33 下面
34 板状体
35 軸
36 連結部
37 光源設置部
38 蓋体
381 蓋体本体
382 軸
39 形状変化部
40 支持部材
41 板部材
5 引張コイルバネ
51 一端部(上端部)
52 他端部(下端部)
6、6A ダクト
61 外側開口部
62 内側開口部
63 内面(内周面)
631 上部
632 下部
64、65 壁部
7 圧縮コイルバネ
8 フード
81 開口部
82 内面
90 LEDユニット
91 LED(発光ダイオード)光源
92 基盤
93 反射板
94 LED素子
94a プラス電極
94b マイナス電極
95 蛍光体
96 レンズ
97 プラス電極
98 マイナス電極
200 壁(外壁(躯体))
300 室(部屋)
L 光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物に設置され、該建築物の室内の空気を換気する換気装置であって、
前記建築物の外壁に開口し、前記室内に連通するダクトと、
前記ダクトを開閉する開閉手段とを有し、
前記開閉手段は、LED光源と、該LED光源の近傍に設置され、少なくとも一部が熱伝導性を有し温度変化に応じて形状が変化して前記ダクトの開度を変える可動部とを備え、該可動部が前記LED光源の熱を吸収または放出することにより前記可動部に温度変化が生じて形状が変化し、これにより、前記ダクトの開度を変えるよう構成されていることを特徴とする換気装置。
【請求項2】
前記LED光源は、点灯時に、前記室内側からその発光が確認されるような位置に設置されている請求項1に記載の換気装置。
【請求項3】
前記LED光源は、前記室内側から確認される照度の大小に応じて、前記ダクトの開度の程度が確認されるよう構成されている請求項1または2に記載の換気装置。
【請求項4】
前記LED光源は、前記換気装置が作動中か否かを示すパイロットランプとしての機能を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の換気装置。
【請求項5】
前記LED光源は、点灯時に、前記建築物の外部からその発光が確認されるような位置に設置されている請求項1ないし4のいずれかに記載の換気装置。
【請求項6】
前記開閉手段は、前記ダクト内に設置されている請求項1ないし5のいずれかに記載の換気装置。
【請求項7】
前記ダクトは、前記外壁に開口する外側開口部と、前記室内に開口する内側開口部とを有しており、
前記開閉手段は、前記外側開口部付近および/または前記内側開口部付近に設置されている請求項1ないし6のいずれかに記載の換気装置。
【請求項8】
前記外側開口部および前記内側開口部は、互いに鉛直方向のほぼ同じ位置に設けられている請求項7に記載の換気装置。
【請求項9】
前記外側開口部および前記内側開口部は、互いに鉛直方向の異なる位置に設けられている請求項7に記載の換気装置。
【請求項10】
前記外側開口部を覆うフードをさらに有する請求項7ないし9のいずれかに記載の換気装置。
【請求項11】
前記可動部は、その温度変化に応じて形状が変化する部分が形状記憶材料で構成されている請求項1ないし10のいずれかに記載の換気装置。
【請求項12】
前記可動部は、前記ダクトの開度が最大となる第1の状態と、該第1の状態のときよりも前記ダクトの開度が小さくなる第2の状態とを取り得る請求項1ないし11のいずれかに記載の換気装置。
【請求項13】
前記可動部は、前記LED光源の熱を吸収することにより、前記第1の状態となる請求項12に記載の換気装置。
【請求項14】
前記可動部は、それが冷却されることにより、前記第2の状態となる請求項12または13に記載の換気装置。
【請求項15】
前記可動部は、前記建築物の外部から前記ダクト内に流入する外気によって冷却される請求項14に記載の換気装置。
【請求項16】
前記第2の状態で、前記LED光源は、前記室内側に向く請求項12ないし15のいずれかに記載の換気装置。
【請求項17】
前記可動部は、前記ダクトの内面に片持支持された板状体である請求項1ないし16のいずれかに記載の換気装置。
【請求項18】
前記LED光源は、前記可動部の固定端付近または自由端付近に設置されている請求項17に記載の換気装置。
【請求項19】
前記可動部は、板状体と、前記ダクトに支持された軸と、前記板状体と前記軸とを連結する連結部とを有し、該連結部が温度変化に応じてその形状が変化することにより、前記板状体が前記軸回りに回動するよう構成されている請求項1ないし16のいずれかに記載の換気装置。
【請求項20】
前記LED光源は、前記軸に対して、前記板状体側またはそれと反対側に設置されている請求項19に記載の換気装置。
【請求項21】
前記ダクトは、前記外壁に開口する外側開口部と、前記室内に開口する内側開口部とを有しており、
前記可動部は、前記外側開口部または前記内側開口部を覆い得る蓋体と、温度変化に応じて形状が変化することにより、前記蓋体をそれが覆い得る前記開口部に対して接近/離間する方向に移動させる形状変化部とを有する請求項1ないし16のいずれかに記載の換気装置。
【請求項22】
前記LED光源は、前記形状変化部付近に設置されている請求項21に記載の換気装置。
【請求項23】
前記可動部の変形を補助する変形補助手段をさらに有する請求項1ないし22のいずれかに記載の換気装置。
【請求項24】
前記変形補助手段は、前記可動部を付勢するバネで構成されている請求項23に記載の換気装置。
【請求項25】
前記ダクトの内面は、その少なくとも一部が、前記LED光源が発する光が反射する反射面を構成している請求項1ないし24のいずれかに記載の換気装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2007−315679(P2007−315679A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−145761(P2006−145761)
【出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【出願人】(000102326)エアサイクル産業株式会社 (18)
【Fターム(参考)】