説明

搬送システム、及び該搬送システムにおける教示方法

【課題】搬送システムにおいて、より確実に被搬送物の移載を行えるような教示を可能とする。
【解決手段】搬送システムは、軌道部(100)と、位置が少なくとも一方向について相異なるように設けられた複数の荷台(500)と、軌道部に沿って走行する走行部(210)、及び被搬送物(400)を積載可能な積載部(250)を有する複数の搬送車(200)と、基準搬送車が被搬送物を積載する際の積載部の位置である、第1基準位置を検出する第1検出手段(300a)と、基準搬送車を除く他の搬送車の夫々が基準荷台に設置された被搬送物を積載する際の積載部の位置である、第2基準位置を検出する第2検出手段(300b)と、検出された第1及び第2基準位置に基づいて、他の搬送車が被搬送物を積載する際の荷台の各々に対する積載部の位置に係る教示を行う教示手段(300c)とを備える

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体装置製造用の各種基板等を軌道部上で搬送する搬送装置等を備える搬送システム、及び該搬送システムの教示方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の搬送システムとして、天井に敷設された軌道部上を走行する懸垂式の搬送装置(OHT:Overhead Hoist Transfer)を備えるものがあり、搬送装置が被搬送物を把持することによって移載を行う。このような搬送システムにおいては、搬送装置が被搬送物を確実に把持することができるように、移載を行う際における搬送装置の停止位置等について教示が行われることがある。
【0003】
例えば特許文献1では、搬送装置の停止位置のズレ量を検出することで教示を行うという技術が開示されている。また特許文献2では、認識マークを用いて停止位置のズレ量を検出し、教示を行うという技術が開示されている。更に特許文献3では、空間座標位置の補正値を用いて教示を行うという技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−349280号公報
【特許文献2】特開2005−170544号公報
【特許文献3】特開2006−69687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、教示の際に利用する停止位置のズレ量等は、搬送装置と被搬送物との位置関係によって誤差を生じる場合がある。特に、例えば昇降ベルトの巻き取り巻き出しなどにより、搬送装置本体から被搬送物を把持する把持部等を伸長或いは昇降させて移載を行う場合や、例えば横移載のように走行部から軌道の側方へ積載部がスライドされる場合などには、上述した誤差が大きくなる。このため、上述した技術のように、ズレ量を1つの条件下で検出して教示を行う場合等には、正確な教示が行えないおそれがあるという技術的問題点がある。
【0006】
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、より確実に被搬送物の移載を行えるような教示を可能とする搬送システム、及び該搬送システムにおける教示方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の搬送システムは上記課題を解決するために、軌道部と、該軌道部に沿って且つ該軌道部に対する位置が少なくとも一方向について相異なるように設けられており、被搬送物を設置可能な複数の荷台と、前記軌道部に沿って走行する走行部、及び該走行部に取り付けられており前記少なくとも一方向に移動可能であると共に前記複数の荷台に設置された被搬送物を積載可能である積載部を、夫々有する複数の搬送車と、該複数の搬送車のうち少なくとも一つを基準搬送車として、前記基準搬送車が前記被搬送物を積載する際における、前記複数の荷台の各々に対する前記積載部の位置である、第1基準位置を検出する第1検出手段と、前記複数の荷台のうち前記少なくとも一方向についての位置が相異なる少なくとも二つの荷台を基準荷台として、前記複数の搬送車のうち前記基準搬送車を除く他の搬送車の夫々が前記被搬送物を積載する際における、前記基準荷台に対する前記積載部の位置である、第2基準位置を検出する第2検出手段と、前記検出された第1及び第2基準位置に基づいて、前記他の搬送車が前記被搬送物を積載する際における、前記複数の荷台のうち前記基準荷台を除く他の荷台の各々に対する前記積載部の位置に係る教示を行う教示手段とを備える。
【0008】
本発明に係る搬送システムによれば、その動作時に、先ず複数の搬送車のうち少なくとも一つが基準搬送車とされて、第1検出手段によって、基準搬送車が被搬送物を積載する際における複数の荷台各々に対する積載部の位置である、第1基準位置が検出される。第1基準位置は、典型的には複数の荷台全てについて検出される。即ち、複数の荷台に対する複数の第1基準位置が検出される。尚、ここでの「位置」とは、積載部の空間的な座標(即ち、X、Y、Zの座標)等を含むほか、積載部の位置を特定できるパラメータであればよい。例えば、積載部が移動を行わない場合には、走行部の軌道部における位置を表す1つのパラメータがあれば足りる。これは、後述する第2基準位置についても同様である。
【0009】
ここで複数の荷台は、軌道部に沿って且つ軌道部に対する位置が少なくとも一方向について相異なるように設けられている。尚、「軌道部に沿って」とは、搬送車によって設置された被搬送物を積載可能な範囲に設けられていればよいとの意味である。また「荷台の位置」が「相異なる」とは、全ての荷台の位置が相互に異なる意味に限定されるのではなく、少なくとも一つの荷台の位置と、他の一又は複数の荷台の位置とが相異なればよいという意味である。例えば、鉛直方向に高い荷台と低い荷台とが混在するような場合や、荷台の位置が軌道部から遠い荷台と近い荷台とが混在するような場合が、ここに言う「荷台の位置が相異なる」場合に他ならない。また、複数の荷台の位置が相異なる少なくとも一方向は、搬送車に設けられた積載部の移動可能な方向である。
【0010】
第1基準位置は、例えば基準搬送車が複数の荷台に設置された被搬送物を積載する際等に検出可能である。搬送車は、走行部によって軌道上を走行して荷台に近付き、荷台に設置された被搬送物が積載可能な位置に積載部を移動させて被搬送物を積載する。よって、被搬送物を荷台に設置しておき、この被搬送物を積載するように積載部を移動させ、実際に積載が行われた際の積載部の位置を検出すればよい。尚、このように被搬送物を実際に積載しなくとも、第1基準位置を検出することは可能である。
【0011】
第1基準位置が検出されると、少なくとも一方向についての位置が相異なる少なくとも二つの荷台が基準荷台とされる。そして、第2検出手段によって、他の搬送車の夫々が被搬送物を積載する際における基準荷台に対する積載部の位置である、第2基準位置が検出される。第2基準位置は、上述した第1基準位置と同様に、他の搬送車が基準荷台に設置された被搬送物を積載する際等に検出可能である。尚、ここでは少なくとも二つの荷台が基準荷台とされているので、少なくとも二つの第2基準位置が他の搬送車の夫々について検出される。
【0012】
第2基準位置が検出されると、第1及び第2基準位置に基づいて、他の搬送車が被搬送物を積載する際における、複数の荷台のうち基準荷台を除く他の荷台の各々に対する積載部の位置に係る教示が行われる。尚、「教示」とは、基準搬送車を除く他の搬送車が、基準搬送車が被搬送物を積載する際の積載部の位置(即ち、第1基準位置)を基準として、位置検出を行っていない基準荷台以外の荷台に設置された被搬送物を積載できるように位置補正を行うことをいう。典型的には、第1基準位置と第2基準位置との互いの差を求め、その差を補正することによって行われる。
【0013】
ここで本発明では特に、上述したように、第2基準位置が位置の相異なる少なくとも二つの基準荷台に対して検出されているため、基準荷台毎に教示を行うことが可能となる。言い換えれば、積載部が被搬送物を積載する際の移動量の違いによって、別々に教示を行うことができる。より具体的には、例えば軌道部から遠い荷台に設置された被搬送物を積載する場合と、近い荷台に設置された被搬送物を積載する場合とで、互いに異なる位置補正を行うことができる。このため、積載部の移動により発生する誤差(即ち、積載部の移動量が相異なる場合の、第一基準位置とのズレの誤差)を考慮した上で教示を行うことが可能となる。尚、基準荷台の数を少なくすれば、より短い時間で簡単に教示を行うことができ、多くすれば、より精度の高い教示を行うことができる。
【0014】
以上説明したように、本発明に係る搬送システムによれば、より精度の高い教示を行うことができる。従って、より確実に搬送車が被搬送物を積載することが可能となる。
【0015】
本発明の搬送システムの一態様では、前記複数の荷台は、前記少なくとも一方向として水平方向に交わる方向の位置について相異なるように設けられており、前記積載部は、前記交わる方向に昇降可能であり、前記複数の荷台のうち前記交わる方向についての位置が相異なる荷台が、前記基準荷台として設定される。
【0016】
この態様によれば、複数の荷台が、少なくとも水平方向に交わる方向の位置について相異なるように設けられている。そして、搬送車に設けられた積載部は、水平方向に交わる方向に昇降可能である。尚、「水平方向に交わる方向」とは、典型的には鉛直方向であるが、厳密な鉛直方向を意味するものではない。即ち、「昇降」は、斜め下方や斜め上方への移動であってもよい。積載部が昇降可能であるため、積載部は水平方向に交わる方向の位置が相異なる荷台に設置された被搬送物を積載することが可能である。
【0017】
ここで本態様では特に、複数の荷台のうち水平方向に交わる方向についての位置が相異なる荷台が、基準荷台として設定される。典型的には、高さが相異なる荷台(例えば、高い荷台及び低い荷台)が、基準荷台とされる。このため第2基準位置は、水平方向に交わる方向についての位置が相異なる荷台の夫々について検出される。よって、積載部の昇降により生じる積載部の位置に係る誤差を考慮した上で教示を行うことができる。従って、より精度の高い教示を行うことが可能となる。
【0018】
本発明の搬送システムの他の態様では、前記複数の荷台は、前記少なくとも一方向として水平方向に沿った方向の位置について相異なるように設けられており、前記積載部は、前記沿った方向に伸長可能であり、前記複数の荷台のうち前記沿った方向についての位置が相異なる荷台が、前記基準荷台として設定される。
【0019】
この態様によれば、複数の荷台が、少なくとも水平方向に沿った方向の位置について相異なるように設けられている。そして、搬送車に設けられた積載部は、水平方向に沿った方向に伸長可能である。尚、「水平方向に沿った方向」とは、典型的には水平方向であるが、厳密な水平方向を意味するものではない。即ち、「伸長」は、斜め下方や斜め上方への移動であってもよい。積載部が伸長可能であるため、積載部は水平方向に沿った方向の位置が相異なる荷台に設置された被搬送物を積載すること(所謂、横移載)が可能である。
【0020】
ここで本態様では特に、複数の荷台のうち水平方向に沿った方向についての位置が相異なる荷台が、基準荷台として設定される。典型的には、軌道部からの水平距離が相異なる荷台(例えば、軌道部に近い荷台及び軌道部から遠い荷台)が、基準荷台とされる。このため第2基準位置は、水平方向に沿った方向についての位置が相異なる荷台の夫々について検出される。よって、積載部の伸長により生じる積載部の位置に係る誤差を考慮した上で教示を行うことができる。従って、より精度の高い教示を行うことが可能となる。
【0021】
本発明の搬送システムの他の態様では、前記複数の荷台は、前記少なくとも一方向として水平方向に交わる方向の位置及び該水平方向に沿った位置について相異なるように設けられており、前記積載部は、前記交わる方向に昇降可能であると共に前記沿った方向に伸長可能であり、前記複数の荷台のうち前記交わる方向及び前記沿った方向のうち少なくとも一方の方向についての位置が相異なる荷台が、前記基準荷台として設定される。
【0022】
この態様によれば、複数の荷台が、少なくとも水平方向に交わる方向の位置及び水平方向に沿った方向の位置について相異なるように設けられている。そして、搬送車に設けられた積載部は、水平方向に交わる方向に昇降可能であると共に、水平方向に沿った方向に伸長可能である。積載部が昇降及び伸長可能であるため、積載部は水平方向に交わる方向の位置及び水平方向に沿った方向の位置が相異なる荷台に設置された被搬送物を積載することが可能である。
【0023】
ここで本態様では特に、複数の荷台のうち水平方向に交わる方向及び水平方向に沿った方向についての位置が相異なる荷台が、基準荷台として設定される。このため第2基準位置は、水平方向に交わる方向及び水平方向に沿った方向についての位置が相異なる荷台の夫々について検出される。よって、積載部の昇降及び伸長により生じる誤差を考慮した上で教示を行うことができる。本態様では、積載部が二方向に移動(即ち、昇降及び伸長)可能であるため、移動によって生じる積載部の位置に係る誤差がより大きくなるおそれがある。従って、上述したような教示を行うことで、精度をより効果的に高めることが可能である。
【0024】
本発明の搬送システムの他の態様では、前記複数の荷台のうち前記少なくとも一方の方向についての位置が相対的に大きく相異なる一対の荷台が、前記基準荷台として設定される。
【0025】
この態様によれば、複数の荷台のうち少なくとも一方の方向についての位置が相対的に大きく相異なる一対の荷台が基準荷台と設定され、第2基準位置が、基準荷台の夫々について検出される。尚、「位置が相対的に大きく相異なる一対の荷台」とは、複数の荷台から抽出される他の一又は複数の対の荷台の各々と比較して、位置がより大きく相異なる一対の荷台を意味する。理想的には、位置が最も大きく相異なる一対の荷台が基準荷台とされるが、実践上は、位置が予め設定された閾値を超えて相異する一対の荷台が基準荷台とされればよい。
【0026】
位置が相対的に大きく相異なる一対の荷台が基準荷台とされることで、第2基準位置は、積載部の移動量が相対的に大きく相異なる場合について夫々検出される。積載部の移動量が大きく相異なる程、積載部の位置に係る誤差は大きくなると考えられるので、第2基準位置が移動量の相対的に大きく相異なる場合について検出されていれば、より効果的に位置補正を行うことが可能となる。
【0027】
以上説明したように、本態様に係る搬送システムによれば、より効果的に教示の精度を高めることが可能となる。
【0028】
本発明の搬送システムの他の態様では、前記被搬送物に設けられており、該被搬送物を認識するための情報が記憶されたタグと、前記走行部に設けられており、前記情報を読取ることが可能なアンテナとを更に備え、前記積載部は、積載した前記被搬送物を、前記アンテナによって前記情報を読取ることが可能な位置に移動可能である。
【0029】
この態様によれば、被搬送物には、該被搬送物を認識するための情報が記憶されたタグが設けられている。また走行部には、被搬送物に設けられたタグに記憶された情報を読取ることが可能なアンテナが設けられている。タグには、例えば被搬送物を認識するための認識番号等が情報として記録されている。タグは、例えばRFIDタグ等であり、アンテナをタグに近付けることによって読取りが行われる。
【0030】
ここで本態様では特に、積載部が移動することで、被搬送物をアンテナによってタグに記憶された情報が読取れる位置に移動させることが可能である。よって、積載した被搬送物に設けられたタグの情報を読取り、確実に被搬送物を認識することができる。
【0031】
例えば、タグの種類によっては、タグとアンテナとの通信距離が短く、タグをアンテナの極めて近く(例えば、数cm程度)まで近付けないと、読取りが行えないものがある。逆に言えば、遠くでも読み取りが可能なように構成すると、多数のタグからの信号が混ざり合って、読み取り困難になってしまうので、実際には、タグ及びアンテナ間で通信可能な距離は極短く短い距離に抑えられている。このような場合に、積載部によって被搬送物を移動し、タグとアンテナとの距離が互いに近くなるように移動させることで、確実に読取りを行うことが可能となる。尚、このような動作は、上述した第1及び第2基準位置の検出や教示を行っている際でも可能である。
【0032】
また、上述したようにタグの設けられた被搬送物を読取り可能な位置まで移動可能であれば、設計におけるアンテナの配置位置の自由度が高めることができ、例えばアンテナを、積載部が被搬送物を積載する際の移動の妨げにならないような場所に配置することも可能となる。
【0033】
以上説明したように、本態様に係る搬送システムによれば、積載した被搬送物を確実に認識することが可能であり、またアンテナの配置位置の自由度も高いため、設計上極めて有利である。
【0034】
上述したタグ及びアンテナを備える態様では、前記積載部を、前記被搬送物を積載した状態のまま、前記アンテナによって前記情報を読取ることが不可能な位置と前記情報を読取ることが可能な位置との間を連続的に又は断続的に移動させつつ前記アンテナにより読取られる前記情報をモニタリングすることによって、前記情報を読取ることが可能な位置である、読取可能位置を検出する検出手段を更に備え、前記教示手段は、少なくとも前記検出された読取可能位置に基づいて、前記情報を読取ることが可能な位置に係る教示を更に行うように構成してもよい。
【0035】
このように構成すれば、被搬送物を積載した積載部は、被搬送物を積載した状態のまま、アンテナによってタグに記憶された情報を読取ることが不可能な位置と、可能な位置との間を連続的に又は断続的に移動させる。例えば、アンテナとタグとが近付くような位置において小刻みに往復動作等を行う。そして、アンテナにより読取られる情報をモニタリングすることで、情報を読取ることが可能な位置である、読取り可能位置を検出する。
【0036】
続いて、検出された読取り可能位置に基づいて、情報を読取ることが可能な位置に係る教示が行われる。このため他の搬送車では、被搬送物を教示によって示された位置に移動させれば、確実に情報の読取りを行うことができる。尚、このような教示は、読取り可能位置に加えて、第1及び第2基準位置に基づいて行われてもよい。
【0037】
以上説明したように、本態様に係る搬送システムによれば、他の搬送車における情報の読取りが、より短時間で簡単に行えるようになる。従って、被搬送物を確実に認識しつつ、効率的に搬送を行うことが可能となる。
【0038】
本発明の搬送システムにおける教示方法は上記課題を解決するために、軌道部と、該軌道部に沿って且つ該軌道部に対する位置が少なくとも一方向について相異なるように設けられており、被搬送物を設置可能な複数の荷台と、前記軌道部に沿って走行する走行部、及び該走行部に取り付けられており前記少なくとも一方向に移動可能であると共に前記複数の荷台に設置された被搬送物を積載可能である積載部を、夫々有する複数の搬送車とを備えた搬送システムにおける前記積載部の位置を教示する教示方法であって、該複数の搬送車のうち少なくとも一つを基準搬送車として、前記基準搬送車が前記被搬送物を積載する際における、前記複数の荷台の各々に対する前記積載部の位置である、第1基準位置を検出する第1検出工程と、前記複数の荷台のうち前記少なくとも一方向についての位置が相異なる少なくとも二つの荷台を基準荷台として、前記複数の搬送車のうち前記基準搬送車を除く他の搬送車の夫々が前記被搬送物を積載する際における、前記基準荷台に対する前記積載部の位置である、第2基準位置を検出する第2検出工程と、前記検出された第1及び第2基準位置に基づいて、前記他の搬送車が前記被搬送物を積載する際における、前記複数の荷台のうち前記基準荷台を除く他の荷台の各々に対する前記積載部の位置に係る教示を行う教示工程とを備える。
【0039】
本発明に係る搬送システムにおける教示方法によれば、上述した本発明の搬送システムの場合と同様に、より精度の高い教示を行うことができる。従って、より確実に搬送車が被搬送物を積載することが可能となる。
【0040】
尚、本発明の搬送システムにおける教示方法においても、上述した本発明の搬送システムにおける各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
【0041】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
【0043】
<第1実施形態>
先ず、第1実施形態に係る搬送システムの構成について、図1を参照して説明する。ここに図1は、第1実施形態に係る搬送システムの構成を示す側面図である。
【0044】
図1において、本実施形態に係る搬送システムは、軌道部100と、搬送車200と、コントローラ300と、荷台500とを備えて構成されている。
【0045】
軌道部100は、例えば天井に敷設されており、アルミニウムやステンレス等の金属から構成される。
【0046】
搬送車200は、本発明の「走行部」の一例である走行部210及び本体部220と、本発明の「積載部」の一例である移動部230、昇降ベルト240及び把持部250とを備えて構成されている。搬送車200は、走行部210が例えばリニアモータ等によって推進力を与えることで、走行ローラ215が転動されつつ、軌道部100に沿って走行する。走行部210の下面には、本体部220が吊り下がる形で取り付けられている。そして、本体部220には移動部230が取り付けられている。移動部230は、軌道部100の側方(即ち、図における左右方向)に移動することが可能である。即ち、移動部230は、横移載方式である。移動部230の下面には、被搬送物400を把持する把持部250が昇降ベルト240によって取り付けられている。把持部250は、昇降ベルト240を巻き出す或いは巻き取ることで、本体部220に対し昇降可能である。
【0047】
上述した搬送車200は、軌道部100上に複数配置されており、夫々の搬送車200が独立して或いは連携して走行することにより、被搬送物の搬送が行われる。
【0048】
コントローラ300は、例えば演算回路やメモリ等を含んで構成されており、入力されたデータを記憶して演算処理等を行う。また、搬送車200と有線或いは無線によって通信を行うことで、データをやり取りしたり、走行を制御したりすることが可能である。コントローラ300は、後に詳述するように、教示を行うために、第1基準位置を検出する第1検出部300a、第2基準位置を検出する第2検出部300bと、これらの検出された第1及び第2基準位置に基づいて、基準搬送車以外の搬送車が、被搬送物を積載する際における、基準荷台以外の荷台の各々に対する積載部の位置に係る教示を行う教示部300cとを備える。
【0049】
荷台500は、被搬送物400を設置することが可能であり、軌道部100に沿った位置に複数配置されている。複数配置された荷台500は、その高さや軌道部100からの水平距離が相異なるものが混在している(図2における510、511及び512参照)。尚、荷台500は地面に設置されるものの他、天井から吊下げられる形で敷設された棚(図2における513参照)等であってもよい。
【0050】
次に、第1実施形態に係る搬送システムの移載動作について、図2及び図3を参照して説明する。ここに図2は、被搬送物の移載を行う搬送車の動作を示す斜視図であり、図3は、被搬送物の横移載を行う搬送車の動作を示す斜視図である。
【0051】
図2において、本実施形態に係る搬送システムによる被搬送物400の搬送時には、先ず搬送車200が軌道部100上を走行して、荷台510上に設置された被搬送物400の上方に停止する。続いて、図に示すように、昇降ベルト240が巻き出されることで把持部250が被搬送物400の位置まで降下する。そして、把持部250を図におけるθ方向(即ち、図におけるZ軸を回転軸とする回転方向)に回転させて、被搬送物400との位置の微調整を行い、被搬送物400を把持する。被搬送物400が把持されると、昇降ベルト240が巻き取られ、把持部250及び把持された被搬送物400が本体部220の位置まで上昇する。そして、再び搬送車200が軌道部100上を走行して被搬送物400が搬送される。
【0052】
図3において、被搬送物400が軌道部100の側方(即ち、図におけるY方向)にそれた位置にある荷台520に設置されている場合には、移動部230が軌道部100の側方に移動した後に、昇降ベルト240が巻き出され、把持部250が被搬送物400の位置まで降下する。このように動作することで、軌道部100から被搬送物400の横移載を行うことが可能となる。
【0053】
上述したような工程によって、被搬送物400は搬送車200に移載されて搬送されるが、本実施形態では特に、移載時に把持部250が確実に被搬送物400を把持できるように、予め把持部250と被搬送物400との位置合わせのための教示動作を行う。
【0054】
以下に第1実施形態に係る搬送システムの教示動作について、図2及び図3に加えて、図4から図6を参照して詳細に説明する。ここに図4は、第1実施形態に係る搬送システムの教示動作を示すフローチャートである。また図5は、リモコンによる位置検出動作を示す斜視図であり、図6は、教示におけるデータの処理方法を示すテーブルである。
【0055】
図4において、本実施形態に係る搬送システムの動作時には、先ず複数の搬送車200のうち1つの搬送車が基準搬送車とされて、基準搬送車が荷台500に設置された被搬送物400の移載動作を行う(ステップS1)。移載動作は、把持部250が確実に被搬送物400を把持できるような位置となるまで行われる。
【0056】
把持部250が被搬送物を把持できる位置となったら、コントローラ300に備えられた第1検出部300aによって(図1参照)、その際の把持部250の位置を、第1基準位置として検出する(ステップS2)。尚、ここでは位置を表すパラメータとして、図2及び図3におけるX方向についての位置(即ち、走行部210の軌道部100に対する位置)、Y方向についての位置(即ち、移動部230の移動に係る位置)、Z方向についての位置(即ち、把持部250の昇降に係る位置)及びθ方向についての位置(即ち、把持部250の回転に係る位置)を検出する。このような検出は、例えば図示しない位置センサや、移動部230の移動量及び昇降ベルト240の巻き出し量等を検出するセンサによって行われる。検出された第1基準位置は、コントローラ300に送られて一時保存される(図1参照)。
【0057】
図5において、上述したステップS1及びステップS2の動作は、例えば操作者がリモコン610を操作することによって行うことが可能である。このような場合、搬送車200にはリモコンから発信する信号を受信する受信部610が備えられる。具体的には、操作者がリモコン610によって、把持部250のX、Y、Z、θ方向についての位置を微調整し、被搬送物400を把持できる位置へと移動させる。そして、把持部250が被搬送物400を把持する位置となった際に、リモコン610によって、把持部250の位置を検出するように指示する。また、このようなリモコン610による操作は、後述する第2基準位置の検出(即ち、ステップS6及びステップS7)を行う際にも可能である。
【0058】
図4に戻り、第1基準位置が検出されると、複数の荷台500全てについて第1基準位置が検出されたか否かを判定する(ステップS3)。全ての荷台について第1基準位置が検出されていない場合(ステップS3:NO)、基準搬送車が第1基準位置の検出されていない別の荷台へと移動し(ステップS4)、その荷台について、上述したステップS1及びステップS2の工程を行う。全ての荷台について第1基準位置が検出されている場合(ステップS3:YES)、ステップS5の工程へと進む。
【0059】
次に、検出された第1基準位置に基づいて、複数の荷台500から基準荷台を選択する(ステップS5)。基準荷台は、X方向、Y方向、Z方向、及びθ方向のうち少なくとも一方向についての位置が相異なる少なくとも二つの荷台が選択される。例えば、図2における荷台510と図3における荷台520とのように、Y方向及びZ方向についての位置が相異なる荷台が選択される。
【0060】
続いて、複数の搬送車200のうち基準搬送車を除く他の搬送車によって、基準荷台に設置された被搬送物400の移載動作を行う(ステップS6)。この工程は、上述したステップS1の工程と同様に行われる。即ち、把持部250が確実に被搬送物400を把持できるような位置となるまで行われる。
【0061】
把持部250が被搬送物を把持できる位置となったら、コントローラ300に備えられた第2検出部300bによって(図1参照)、その際の把持部250の位置を、第2基準位置として検出する(ステップS7)。この工程は、上述したステップS2の工程と同様に行われる。即ち、第2基準位置として、把持部250のX、Y、Z及びθ方向についての位置が検出され、検出された第2基準位置はコントローラ300に送られて一時保存される。
【0062】
第2基準位置が検出されると、全ての基準荷台について第2基準位置が検出されているか否かを判定する(ステップS8)。全ての基準荷台について第2基準位置が検出されていない場合(ステップS8:NO)、搬送車が第2基準位置の検出されていない別の基準荷台へと移動し(ステップS9)、その荷台について、上述したステップS6及びステップS7の工程を行う。全ての基準荷台について第2基準位置が検出されている場合(ステップS8:YES)、ステップS10の工程へと進む。
【0063】
他の搬送車のうち一つの搬送車が、全ての基準荷台について第2基準位置を検出すると、他の搬送車の全てについて第2基準位置が検出されているか否かを判定する(ステップS10)。他の搬送車の全てについて第2基準位置が検出されていない場合(ステップS10:NO)、他の搬送車のうち、第2基準位置が検出されていない別の搬送車について、上述したステップS6からステップS8までの工程を行う(ステップS11)。他の搬送車の全てについて第2基準位置が検出されている場合(ステップS10:YES)、ステップS12の工程へと進む。尚、ここでは、第2基準位置の検出を一つの搬送車毎に行うようにしているが、場合により、複数の搬送車で同時に行ってもよい。即ち、一の基準荷台で一の搬送車について第2基準位置を検出している際に、他の基準荷台で他の搬送車について第2基準位置を検出するようにしてもよい。このようにすれば、より効率的に第2基準位置を検出することができる。
【0064】
第1基準位置及び第2基準位置を検出した後は、実際に搬送システムによる被搬送物400の搬送が開始される。そして、他の搬送車が被搬送物400の移載を行う際に、コントローラ300に備えられた教示部300cによって、第1基準位置及び第2基準位置に基づいて、把持部250の位置に係る教示を行う(ステップS12)。教示は、例えば第一基準位置と第2基準位置との差を求め、その差を補正することで行われる。以下に、ステップS5において基準荷台が6つ選択された場合を例にとり、教示動作について詳細に説明する。
【0065】
図6において、6つの基準荷台は、夫々の荷台に設置された被搬送物400を移載する際に、Y方向についての把持部250の移動距離が30mmを超えるもの、30mmから−30mmの範囲内にあるもの、−30mmを下回るもの、及びZ方向についての移動距離が800mmを超えるもの、800mm以下のものという条件で選択されている。尚、‘−’は反対方向への移動を意味している。また、ここではY方向及びZ方向を条件として基準荷台が選択されているが、把持部250が移動可能な方向(即ち、X方向やθ方向等)であれば選択の条件とすることができる。
【0066】
教示に用いられるデータは、一つの搬送車毎にテーブルを用いて管理される。即ち、搬送車の数だけ図に示すようなテーブルが用意される。テーブルには、基準荷台毎に第1基準位置と第2基準位置との差を示す値が、X、Y、Z、θ方向について夫々記録されている。そして、他の搬送車によって被搬送物400の移載が行われる際に、移載される被搬送物400が設置された荷台において検出された第1基準位置に基づいて、第1から第6基準荷台のいずれの値を用いるかが決定され、決定された値を用いて把持部250の位置が補正される。
【0067】
具体的には、例えば第1基準位置がY方向に20mm、Z方向に500mmである荷台において移載を行う場合には、「−30mm≦Y≦30mm」且つ「Z≦800mm」であるので、第2基準荷台における値が用いられる。即ち、第2基準荷台における第1基準位置と第2基準位置との差が、第1基準位置に加算或いは減算されて、算出された値が示す位置に把持部250が移動される。
【0068】
上述したような教示動作を行うことにより、把持部250の移動距離の違いにより発生する誤差を考慮した上で教示を行うことが可能となる。このため、より高い精度で教示を行うことができる。従って、搬送車200は確実に被搬送物400を移載することが可能となる。
【0069】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る搬送システムについて、図7を参照して説明する。ここに図7は、第2実施形態に係る搬送システムの構成を示す側面図である。尚、第2実施形態は、上述の第1実施形態と比べて、被搬送物にRFIDタグが備えられている点で異なり、その他の構成及び動作については概ね同様である。このため第2実施形態では、上述した第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の構成及び動作については適宜説明を省略する。
【0070】
図7において、第2実施形態に係る搬送システムは、上述した第1実施形態に係る搬送システムの構成に加えて、タグ710と、アンテナ720とを備えて構成されている。
【0071】
タグ710は、例えばRFIDタグ等であり、被搬送物400に設けられている。タグ710には、被搬送物を認識するための情報(例えば、識別番号等)が記憶されている。
【0072】
アンテナ720は、本体部220において、把持部250の移動の妨げとならないような場所に設けられている。アンテナ720は、タグ710と無線で通信することによって、タグ710に記憶された情報を読取ることが可能である。そして、読取った情報をコントローラ300に送信する。
【0073】
タグ710の情報は、例えば被搬送物400が移載されて、図に示すような位置に収まった場合に、アンテナ720によって読取られる。しかしながら、例えば非接触電力伝送技術を用いてアンテナ720から電力を得るような、アンテナ720との通信距離が短いタグ710においては、タグ710がアンテナ720による読取り可能な位置とならずに、情報の読取りが行えないという状況が発生するおそれがある。また、上述したようにアンテナ720は、把持部250の移動の妨げとならないような場所に設けられているため、必ずしもタグ710の読取りに最適な場所に配置されている訳ではない。よって、把持部250が移動するような搬送車220においては、タグ710の読取りが行えないという状況が発生するおそれがより高い。
【0074】
このような場合において、第2実施形態に係る搬送システムは、把持部250を移動させて被搬送物400の位置を変化させることで、タグ710をアンテナ720によって読取り可能な位置に移動させる。例えば、タグ710とアンテナ720とが互いに近付くように把持部250を移動させる。よって、アンテナ720が確実にタグ710の情報を読取ることが可能となる。また、上述した移動動作は、被搬送物400の移載の際に用いられる機構を利用しており、新たに移動機構を設けなくともよい。よって、コストが増加してしまうことを防止することもできる。
【0075】
第2実施形態に係る搬送システムでは更に、上述したタグ210の読取り可能な位置についての教示を行う。即ち、先ず基準搬送車において、アンテナ720によってタグ710を読取ることが可能な際の把持部250の位置を検出する。より具体的には、タグ710の読取り可能な位置と読取りができない位置とを連続的に又は断続的に移動させつつモニタリングを行うことで、読取り可能な位置を検出する。検出された位置はコントローラ300に送信されて一時記憶される。そして、基準搬送車を除く他の搬送車がタグ710を読取る際に、コントローラ300に記憶された位置に基づいて、把持部250の位置を補正する。これによって、タグ710をより短時間で簡単に読取ることが可能となる。
【0076】
尚、ここでの基準搬送車は、第1実施形態において説明した被搬送物400の移載に係る教示の際の基準搬送車とは異なる搬送車であってもよい。
【0077】
以上説明したように、第2実施形態に係る搬送システムによれば、タグ710によって被搬送物400を認識しつつ搬送を行う際に、確実にタグ710の情報を読取ることが可能となる。
【0078】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う搬送システム、及び該搬送システムにおける教示方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】第1実施形態に係る搬送システムの構成を示す側面図である。
【図2】被搬送物の移載を行う搬送車の動作を示す斜視図である。
【図3】被搬送物の横移載を行う搬送車の動作を示す斜視図である。
【図4】第1実施形態に係る搬送システムの教示動作を示すフローチャートである。
【図5】リモコンによる位置検出動作を示す斜視図である。
【図6】教示におけるデータの処理方法を示すテーブルである。
【図7】第2実施形態に係る搬送システムの構成を示す側面図である。
【符号の説明】
【0080】
100…軌道部、200…搬送車、210…走行部、215…走行ローラ、220…本体部、230…移動部、240…昇降ベルト、250…把持部、300…コントローラ、400…被搬送物、500…荷台、610…リモコン、620…受信部、710…タグ、720…アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道部と、
該軌道部に沿って且つ該軌道部に対する位置が少なくとも一方向について相異なるように設けられており、被搬送物を設置可能な複数の荷台と、
前記軌道部に沿って走行する走行部、及び該走行部に取り付けられており前記少なくとも一方向に移動可能であると共に前記複数の荷台に設置された被搬送物を積載可能である積載部を、夫々有する複数の搬送車と、
該複数の搬送車のうち少なくとも一つを基準搬送車として、前記基準搬送車が前記被搬送物を積載する際における、前記複数の荷台の各々に対する前記積載部の位置である、第1基準位置を検出する第1検出手段と、
前記複数の荷台のうち前記少なくとも一方向についての位置が相異なる少なくとも二つの荷台を基準荷台として、前記複数の搬送車のうち前記基準搬送車を除く他の搬送車の夫々が前記被搬送物を積載する際における、前記基準荷台に対する前記積載部の位置である、第2基準位置を検出する第2検出手段と、
前記検出された第1及び第2基準位置に基づいて、前記他の搬送車が前記被搬送物を積載する際における、前記複数の荷台のうち前記基準荷台を除く他の荷台の各々に対する前記積載部の位置に係る教示を行う教示手段と
を備えることを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
前記複数の荷台は、前記少なくとも一方向として水平方向に交わる方向の位置について相異なるように設けられており、
前記積載部は、前記交わる方向に昇降可能であり、
前記複数の荷台のうち前記交わる方向についての位置が相異なる荷台が、前記基準荷台として設定される
ことを特徴とする請求項1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記複数の荷台は、前記少なくとも一方向として水平方向に沿った方向の位置について相異なるように設けられており、
前記積載部は、前記沿った方向に伸長可能であり、
前記複数の荷台のうち前記沿った方向についての位置が相異なる荷台が、前記基準荷台として設定される
ことを特徴とする請求項1に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記複数の荷台は、前記少なくとも一方向として水平方向に交わる方向の位置及び該水平方向に沿った位置について相異なるように設けられており、
前記積載部は、前記交わる方向に昇降可能であると共に前記沿った方向に伸長可能であり、
前記複数の荷台のうち前記交わる方向及び前記沿った方向のうち少なくとも一方の方向についての位置が相異なる荷台が、前記基準荷台として設定される
ことを特徴とする請求項1に記載の搬送システム。
【請求項5】
前記複数の荷台のうち前記少なくとも一方の方向についての位置が相対的に大きく相異なる一対の荷台が、前記基準荷台として設定されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項6】
前記被搬送物に設けられており、該被搬送物を認識するための情報が記憶されたタグと、
前記走行部に設けられており、前記情報を読取ることが可能なアンテナと
を更に備え、
前記積載部は、積載した前記被搬送物を、前記アンテナによって前記情報を読取ることが可能な位置に移動可能である
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項7】
前記積載部を、前記被搬送物を積載した状態のまま、前記アンテナによって前記情報を読取ることが不可能な位置と前記情報を読取ることが可能な位置との間を連続的に又は断続的に移動させつつ前記アンテナにより読取られる前記情報をモニタリングすることによって、前記情報を読取ることが可能な位置である、読取可能位置を検出する検出手段を更に備え、
前記教示手段は、少なくとも前記検出された読取可能位置に基づいて、前記情報を読取ることが可能な位置に係る教示を更に行う
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の搬送システム。
【請求項8】
軌道部と、該軌道部に沿って且つ該軌道部に対する位置が少なくとも一方向について相異なるように設けられており、被搬送物を設置可能な複数の荷台と、前記軌道部に沿って走行する走行部、及び該走行部に取り付けられており前記少なくとも一方向に移動可能であると共に前記複数の荷台に設置された被搬送物を積載可能である積載部を、夫々有する複数の搬送車とを備えた搬送システムにおける前記積載部の位置を教示する教示方法であって、
該複数の搬送車のうち少なくとも一つを基準搬送車として、前記基準搬送車が前記被搬送物を積載する際における、前記複数の荷台の各々に対する前記積載部の位置である、第1基準位置を検出する第1検出工程と、
前記複数の荷台のうち前記少なくとも一方向についての位置が相異なる少なくとも二つの荷台を基準荷台として、前記複数の搬送車のうち前記基準搬送車を除く他の搬送車の夫々が前記被搬送物を積載する際における、前記基準荷台に対する前記積載部の位置である、第2基準位置を検出する第2検出工程と、
前記検出された第1及び第2基準位置に基づいて、前記他の搬送車が前記被搬送物を積載する際における、前記複数の荷台のうち前記基準荷台を除く他の荷台の各々に対する前記積載部の位置に係る教示を行う教示工程と
を備えることを特徴とする搬送システムにおける教示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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