搬送ライン装置
【課題】 遊技機などの被搬送物を効率的にかつ正確に仕分けして搬出することができる搬送ライン装置を提供すること。
【解決手段】 搬送ライン装置31は、主搬送ライン32、回転搬送部21、搬出搬送ライン37、退避搬送部39a,39b及びCPU51を備える。回転搬送部21は、搬出搬送ライン37及び退避搬送部39a,39bからパチンコ機10を選択的に搬送する。搬出搬送ライン37は、パチンコ機10を回転搬送部21を介して受け入れて搬出する。退避搬送部39a,39bは、パチンコ機10を回転搬送部21を介して退避させるとともに、退避させたパチンコ機10を再び回転搬送部21側に搬送し戻す。CPU51は、主搬送ライン32、回転搬送部21、搬出搬送ライン37及び退避搬送部39a,39bを制御する。
【解決手段】 搬送ライン装置31は、主搬送ライン32、回転搬送部21、搬出搬送ライン37、退避搬送部39a,39b及びCPU51を備える。回転搬送部21は、搬出搬送ライン37及び退避搬送部39a,39bからパチンコ機10を選択的に搬送する。搬出搬送ライン37は、パチンコ機10を回転搬送部21を介して受け入れて搬出する。退避搬送部39a,39bは、パチンコ機10を回転搬送部21を介して退避させるとともに、退避させたパチンコ機10を再び回転搬送部21側に搬送し戻す。CPU51は、主搬送ライン32、回転搬送部21、搬出搬送ライン37及び退避搬送部39a,39bを制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機などに代表される遊技機や遊技盤を搬送する際などに用いられる搬送ライン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ホールから回収した遊技機をリユースすることが行われている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、回収した遊技機の部品を再利用して新たにの遊技機を製造し、その遊技機を再びホールに納入することが行われている。そして、検査ラインで合格した新品の遊技機は、仕分作業によって回収したホールごとにまとめられる。
【特許文献1】特開2002−172219号公報(図1など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、この仕分作業は通常手作業であるため、効率が良いとは言い難く、長時間の作業によって仕分けミスが生じるおそれがある。また、作業者の熟練度によって作業効率に著しい差が生じるという問題もある。
【0004】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技機などの被搬送物を効率的にかつ正確に仕分けして搬出することができる搬送ライン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、遊技機または遊技盤を被搬送物として搬送する主搬送ラインと、前記主搬送ラインの終端部近傍に配置され、複数の搬送先の中から前記被搬送物を選択的に搬送する選択搬送手段と、前記選択搬送手段の下流側に配置され、前記主搬送ラインにより搬送されてきた被搬送物を前記選択搬送手段を介して受け入れて搬出する搬出搬送ラインと、前記選択搬送手段近傍において前記搬出搬送ラインとは異なる箇所に配置され、前記主搬送ラインにより搬送されてきた被搬送物を前記選択搬送手段を介して一時的に退避させるとともに、退避させた被搬送物を再び前記選択搬送手段側に搬送し戻す退避搬送部と、前記主搬送ライン、前記搬出搬送ライン、前記退避搬送部の搬送動作を制御するとともに、前記搬出搬送ライン及び前記退避搬送部の中から選択した搬送先に前記被搬送物を搬送する前記選択搬送手段の選択搬送動作を制御する搬送制御手段とを備えたことを特徴とする搬送ライン装置をその要旨とする。
【0006】
従って、請求項1に記載の発明によると、主搬送ラインにより搬送されてきた被搬送物群に異種の被搬送物が混入していたとしても、異種の被搬送物を選択搬送手段を介して一時的に退避搬送部に退避させることができる。そして、退避させた被搬送物と同種の被搬送物を主搬送ラインで搬送する際に、退避させた被搬送物を再び選択搬送手段側に搬送し戻すことにより、搬送し戻した被搬送物を主搬送ラインからの被搬送物とともに搬出搬送ラインから搬出させることができる。これにより、被搬送物を種類ごとに仕分けして搬出することができる。なお、被搬送物の仕分作業は、搬送制御手段で選択搬送手段の選択搬送動作を制御することにより行われるため、手作業による従来の仕分作業よりも効率的に仕分作業を行うことができ、仕分作業に伴う仕分けミスの発生も抑制できる。
【0007】
ここで、選択搬送手段は、複数の搬送先の中から前記被搬送物を選択的に搬送可能な構成を有するものであれば適宜利用可能である。選択搬送手段としては、例えば、被搬送物を把持して搬送するロボットハンドなどが挙げられる。
【0008】
なお、前記選択搬送手段は、前記主搬送ラインの搬送面、前記搬出搬送ラインの搬送面及び前記退避搬送部の搬送面と同じ高さに位置する搬送面を有し、鉛直方向に延びる回転軸を中心として回転可能な構造の回転搬送部であることが好ましい。
【0009】
このようにすれば、選択搬送手段の搬送面が、主搬送ライン、搬出搬送ライン及び退避搬送部の搬送面と同じ高さに位置しており、選択搬送手段が鉛直方向に延びる回転軸を中心として回転するため、選択搬送手段の選択搬送動作を行う際に、選択搬送手段を上下方向に動かさなくても済む。しかも、選択搬送手段と主搬送ラインとのつなぎ目、選択搬送手段と搬出搬送ラインとのつなぎ目、及び、選択搬送手段と退避搬送部とのつなぎ目に段差が生じなくなる。よって、選択搬送手段の選択搬送動作をスムーズに行うことができる。
【0010】
また、選択搬送手段の搬送面が、主搬送ライン、搬出搬送ライン及び退避搬送部の搬送面と同じ高さに位置するため、選択搬送手段と主搬送ラインとの間、選択搬送手段と搬出搬送ラインとの間、及び、選択搬送手段と退避搬送部との間で被搬送物を移動させる際に、被搬送物の姿勢を変えなくても済む。さらには、被搬送物を直立状態で搬送することもできる。また、選択搬送手段は回転搬送部であるため、被搬送物が直立状態で搬送される場合に、回転搬送部上において被搬送物を回転させることにより、被搬送物の表面側及び裏面側に対する作業を行うことができる。
【0011】
回転搬送部は、例えば、回転搬送部を回転させる回転駆動手段と、被搬送物を支持する複数の転動体とを含んでいる。転動体を含む回転搬送部としては、回転搬送部に所定間隔を隔てて回転可能に設けられ、被搬送物が載置される複数のローラと、ローラを駆動させるモータなどのアクチュエータとからなるものなどが挙げられる。また、回転搬送部に所定間隔を隔てて回転可能に設けられる複数のローラと、複数のローラに巻回され、被搬送物を支持するベルト部材と、ローラを駆動させるモータなどのアクチュエータとからなるもの(いわゆる「ベルトコンベア」)などが挙げられる。
【0012】
なお、退避搬送部を単数または複数備え、選択搬送手段が回転搬送部である場合、前記主搬送ライン、前記搬出搬送ライン及び前記退避搬送部は、前記回転搬送部の回転軸を中心として互いに等角度間隔に配置されることが好ましい。このようにすれば、回転搬送部を等角度ずつ回転させることで、回転搬送部を主搬送ライン側、搬出搬送ライン側及び退避搬送部側のいずれかに回転させることができるため、搬送制御手段による回転搬送部の回転制御が容易になる。
【0013】
なお、前記主搬送ラインと前記搬出搬送ラインとの配置態様は特に限定されないが、一直線上に配置されることが好ましい。このようにすれば、主搬送ラインにより搬送されてきた被搬送物が、向きを変えずに選択搬送手段を介して搬出搬送ラインに搬送されるため、被搬送物をスムーズに搬送できる。
【0014】
また、退避搬送部は、被搬送物を選択搬送手段を介して一時的に退避させるとともに、退避させた被搬送物を再び選択搬送手段側に搬送し戻す機構を含んでいる。この機構としては、例えば、被搬送物を支持する複数の転動体などが挙げられる。転動体を含む退避搬送部としては、退避搬送部に所定間隔を隔てて回転可能に設けられ、被搬送物が載置される複数のローラと、ローラを駆動させるモータなどのアクチュエータとからなるものなどが挙げられる。また、退避搬送部に所定間隔を隔てて回転可能に設けられる複数のローラと、複数のローラに巻回され、被搬送物を支持するベルト部材と、ローラを駆動させるモータなどのアクチュエータとからなるもの(いわゆる「ベルトコンベア」)などが挙げられる。
【0015】
なお、退避搬送部は、搬送ライン装置に1つだけ設けられていてもよいし、複数設けられていてもよい。また、退避搬送部は、被搬送物を1台だけ退避させるものであってもよいが、被搬送物を複数台退避させるものであってもよい。このようにすれば、退避搬送部の数を増やさなくても、多数の被搬送物を退避させることができる。
【0016】
また、前記退避搬送部を複数備えることが好ましい。このようにすれば、退避搬送部を複数備えることにより、例えば、主搬送ラインにより搬送されてきた被搬送物群に異種の被搬送物が複数混入していたとしても、異種の被搬送物の全てを退避搬送部に退避させやすくなる。また、退避搬送部ごとに同種の被搬送物を退避させることができる。即ち、被搬送物の種類に応じて被搬送物を退避させる退避搬送部を決定できるため、被搬送物をより細かく仕分けすることができる。
【0017】
なお、選択搬送手段が前記回転搬送部であり、前記被搬送物が存在しない前記退避搬送部が複数ある場合、被搬送物を退避搬送部に退避させる態様としては、前記被搬送物が存在しない複数の前記退避搬送部のうち、前記主搬送ライン側から前記退避搬送部側までの前記回転搬送部の回転角度が最小となる退避搬送部に、前記主搬送ライン上にある被搬送物を退避させることなどが挙げられる。このようにすれば、主搬送ライン上にある被搬送物を退避搬送部に退避させる時間と、退避搬送部上にある被搬送物を搬出搬送ラインに搬送させる時間とが短くて済むため、仕分作業をより効率的に行うことができる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記被搬送物に、同被搬送物の種類を識別するための識別情報が付与されており、前記主搬送ライン上にある被搬送物の識別情報の内容を識別する第1識別手段と、前記搬出搬送ラインの始端部または選択搬送手段にある被搬送物の識別情報の内容を識別する第2識別手段と、前記第2識別手段にて識別された識別情報を記憶する記憶手段と、前記退避搬送部上にある被搬送物の識別情報の内容を識別する第3識別手段とを備え、前記搬送制御手段は、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容、及び、前記記憶手段に記憶されている識別情報の内容の少なくとも一部が一致するか否かを判定するとともに、前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容、及び、前記記憶手段に記憶されている識別情報の内容の少なくとも一部が一致するか否かを判定する識別情報判定手段と、前記識別情報判定手段による判定結果に基づいて、前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬送させるか前記退避搬送部上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬送させるかを決定する搬送態様決定手段とを備えることをその要旨とする。
【0019】
従って、請求項2に記載の発明によると、主搬送ライン、搬出搬送ライン、退避搬送部及び選択搬送手段の搬送制御手段による制御が、第1識別手段、第2識別手段及び第3識別手段にて識別した被搬送物の識別情報の内容に基づいて行われる。これにより、被搬送物の種類や被搬送物の位置(即ち、どういった種類の被搬送物がどこにあるか)などを正確に知ることができるため、被搬送物の仕分作業がより正確に行われる。よって、仕分けミスの発生をより確実に抑制することができる。
【0020】
さらに、例えば、第1識別手段にて識別された識別情報の内容、及び、記憶手段に記憶されている識別情報の内容の少なくとも一部が一致する場合に、主搬送ライン上にある被搬送物の搬出搬送ラインへの搬送を決定することができる。また、第3識別手段にて識別された識別情報の内容、及び、記憶手段に記憶されている識別情報の内容の少なくとも一部が一致する場合に、退避搬送部上にある被搬送物の搬出搬送ラインへの搬送を決定することができる。よって、搬出搬送ラインへの被搬送物の搬送により、搬出搬送ライン上にある被搬送物に異種の被搬送物が混入することを防止できる。
【0021】
また、被搬送物に識別情報が付与されているため、かかる識別情報が付与されていない場合に比べて、識別情報に基づいて容易かつ正確に判別できる。
【0022】
しかも、搬出搬送ラインを最後に通過した被搬送物の識別情報を、第2識別手段にて識別して記憶手段に記憶することができるため、既に通過して搬出搬送ライン上に被搬送物が存在していなくても、記憶手段に記憶されている識別情報に基づいて、識別情報判定手段による判定を行うことができる。
【0023】
ここで、識別情報としては、出荷先(ホール)を示す出荷先情報、スペック(大当り確率、賞球数など)を示すスペック情報などが挙げられる。また、前記被搬送物に付与される識別情報は、重要度に応じてランク付けされた複数種類の情報を含んでいることが好ましい。具体的には、識別情報が、仕分作業において最も重要度が高い前記出荷先情報と、出荷先情報よりも重要度が低い前記スペック情報とを含むことが考えられる。このようにすれば、被搬送物を大分類にまとめた上で、さらに中分類や小分類にまとめることができる。例えば、まず出荷先情報により被搬送物を大分類(例えば、甲ホールグループ、乙ホールグループ、丙ホールグループ)にまとめた上で、次にスペック情報により、大分類(例えば、甲ホールグループ)の被搬送物を中分類(例えば、甲ホールAタイプグループ、甲ホールBタイプグループ、甲ホールCタイプグループ)にまとめることができる。従って、出荷時における被搬送物の数、種類の確認が容易になる。
【0024】
なお、被搬送物に識別情報を付与する態様としては、識別情報の内容を記載したシールを被搬送物に貼付することや、識別情報の内容をバーコード化または二次元コード化して表示したシールを被搬送物に貼付することなどが挙げられる。また、識別情報の内容を記憶した磁気テープを被搬送物に貼付することや、識別情報の内容を記憶したマイクロチップを被搬送物に埋設することなどが挙げられる。
【0025】
また、第1識別手段、第2識別手段及び第3識別手段としては、識別情報の内容がバーコード化または二次元コード化されている場合、識別情報の内容を撮像するCCDカメラなどが挙げられる。さらに、識別情報の内容が磁気テープに記憶されている場合、識別情報の内容を読み取る磁気読取ヘッドなどが挙げられる。また、識別情報の内容がマイクロチップに記憶されている場合、マイクロチップから送信された信号(識別情報の内容を含む信号)を受信する受信装置などが挙げられる。
【0026】
なお、第1識別手段は、主搬送ラインに複数設けられていることが好ましい。このようにすれば、主搬送ライン上にある被搬送物の識別情報の内容を特定の第1識別手段にて識別できなかったとしても、他の第1識別手段にて識別することができる。従って、主搬送ライン上にある被搬送物の識別情報の内容を、複数の第1識別手段によって確実に識別することができる。さらに、第1識別手段は、主搬送ラインにおいて所定間隔を隔てて複数設けられていることが好ましい。このようにすれば、主搬送ラインにより搬送されてきた被搬送物群に異種の被搬送物が混入している場合に、異種の被搬送物がどのタイミングで選択搬送手段に搬送されてくるかを予想することができる。
【0027】
なお、識別情報が既に記憶手段に記憶されている場合に、記憶手段が前記第2識別手段にて識別された識別情報を新たに記憶する態様としては、例えば既に記憶されている識別情報を記憶手段から消去しておいて、新たに第2識別手段にて識別された識別情報を記憶手段に記憶させることや、記憶手段に既に記憶されている識別情報に新たな識別情報を上書きすることなどが挙げられる。このようにすれば、識別情報が新たに記憶される度に不要となった過去の識別情報が消去されていくため、記憶手段が容量不足となることを防止できる。
【0028】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容、及び、前記記憶手段に記憶されている識別情報の内容の少なくとも一部が一致するとともに、前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容、及び、前記記憶手段に記憶されている識別情報の内容の少なくとも一部が一致することが前記識別情報判定手段によって判定された場合、前記搬送態様決定手段は、前記主搬送ラインから前記搬出搬送ラインへの前記被搬送物の搬送よりも、前記退避搬送部から前記搬出搬送ラインへの前記被搬送物の搬送を優先させる制御を行うことをその要旨とする。
【0029】
本来であれば、上記の判定結果のときには退避搬送部から搬出搬送ラインへの被搬送物の搬送よりも、主搬送ラインから搬出搬送ラインへの被搬送物の搬送を優先させてもよいが、請求項3に記載の発明では、退避搬送部から搬出搬送ラインへの被搬送物の搬送が優先される。これにより、退避搬送部上にある被搬送物は、短期間で搬出搬送ラインに搬送されるようになるため、退避搬送部が満杯になりにくくなる。ゆえに、退避搬送部が満杯のために新たに被搬送物を退避できない可能性が低くなる。
【0030】
また、前記退避搬送部上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬送させることが前記搬送態様決定手段によって決定された場合、前記搬送制御手段は、前記退避搬送部を駆動させて前記退避搬送部上にある被搬送物を前記選択搬送手段側に搬送し戻すとともに、前記選択搬送手段を駆動させて前記選択搬送手段側に搬送し戻した被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬出させ、前記搬出搬送ラインに搬出された被搬送物の識別情報の内容を前記第2識別手段にて識別させ、その識別情報を前記記憶手段に記憶させることが好ましい。
【0031】
このようにすれば、被搬送物が退避搬送部から搬出搬送ラインに搬出された際に、搬出された被搬送物の識別情報が新たに記憶手段に記憶される。そして、新たに記憶された識別情報に基づいて、退避搬送部から搬出搬送ラインに搬出された被搬送物と同種の被搬送物を、主搬送ラインから搬出搬送ラインに搬出させることができる。また、退避搬送部を複数備える場合に、被搬送物が1つの退避搬送部から搬出搬送ラインに搬出されたときも、搬出された被搬送物の識別情報が新たに記憶手段に記憶される。そして、新たに記憶された識別情報に基づいて、退避搬送部から搬出搬送ラインに搬出された被搬送物と同種の被搬送物を、別の退避搬送部から搬出搬送ラインに搬出させることができる。ゆえに、搬出搬送ライン上にある被搬送物の種類が変更された際に仕分けミスが発生する可能性を低くすることができる。
【0032】
また、前記識別情報判定手段は、前記記憶手段に記憶されている識別情報の内容、及び、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容の少なくとも一部が一致するか否かを判定し、前記搬送態様決定手段は、前記識別情報判定手段による判定結果に基づいて、前記主搬送ライン上にある被搬送物を、前記搬出搬送ラインに搬出させるか前記退避搬送部に退避させるかを決定することが好ましい。
【0033】
このようにすれば、例えば、記憶手段に記憶されている識別情報の内容、及び、第1識別手段にて識別された識別情報の内容の少なくとも一部が一致する場合に、主搬送ライン上にある被搬送物の搬出搬送ラインへの搬出を決定することができる。また、記憶手段に記憶されている識別情報の内容、及び、第1識別手段にて識別された識別情報の内容の少なくとも一部が一致しない場合に、主搬送ライン上にある被搬送物の退避搬送部への退避を決定することができる。よって、異種の被搬送物が混入した被搬送物群がそのまま搬出搬送ラインから搬出される可能性を小さくすることができる。
【0034】
また、前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬出させることが前記搬送態様決定手段によって決定された場合、前記搬送制御手段は、前記選択搬送手段を駆動させて前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬出させるとともに、前記搬出搬送ラインに搬出された被搬送物の識別情報の内容を前記第2識別手段にて識別させ、その識別情報を前記記憶手段に記憶させることが好ましい。
【0035】
このようにすれば、主搬送ライン上にある被搬送物の識別情報の内容、及び、搬出搬送ライン上にある被搬送物の識別情報の内容の少なくとも一部が一致するか否かにかかわらず、主搬送ライン上にある被搬送物が搬出搬送ラインに搬出されると、搬送制御手段は、被搬送物の識別情報の内容を第2識別手段にて識別させ、その識別情報を記憶手段に記憶させる。これにより、搬出搬送ライン上にある被搬送物の識別情報の内容と記憶手段に記憶されている識別情報の内容とが異なる可能性が小さくなるため、仕分けミスが発生する可能性がよりいっそう小さくなる。
【0036】
また、前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記退避搬送部に退避させることが前記搬送態様決定手段によって決定された場合、前記搬送制御手段は、前記選択搬送手段を駆動させて前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記退避搬送部に退避させるとともに、前記退避搬送部に退避させた被搬送物の識別情報の内容を前記第3識別手段にて識別させることが好ましい。
【0037】
このようにすれば、退避搬送部に退避させた被搬送物の識別情報の内容を第3識別手段にて識別させることにより、退避搬送部上の被搬送物の有無も認識することができる。このため、新たに別の被搬送物を退避搬送部に退避させる際に、退避させる被搬送物と既に退避搬送部上にある被搬送物との衝突を回避することができる。
【発明の効果】
【0038】
以上詳述したように、請求項1〜3に記載の発明によれば、被搬送物を効率的にかつ正確に仕分けして搬出することができる搬送ライン装置を提供することができる。
【0039】
特に、請求項2に記載の発明によれば、仕分ミスの発生がより少なくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明を、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)を搬送する際に用いられる搬送ライン装置として具体化した一実施形態を図1〜図21に基づき説明する。
(1)搬送ライン装置31全体の概略構成
【0041】
図1,図2に示されるように、搬送ライン装置31では、矢印F1方向にパチンコ機10(被搬送物及び遊技機)を直立状態で搬送する作業が行われるようになっている。搬送ライン装置31は、パチンコ機10を複数台同時に並べて支持可能な長さを有しており、数m〜十数mの全長を有している。そして、パチンコ機10を搬送する過程では、パチンコ機10に対する機能検査などが行われる。
【0042】
一方、パチンコ機10の底面10aには、遊技機識別用シールが貼付されている。遊技機識別用シールには、パチンコ機10の種類を識別するための識別情報が二次元コード化されて表示されている。なお、二次元コードの具体例としては、QRコード(株式会社デンソーウェーブの登録商標)が挙げられる。識別情報は、重要度に応じてランク付けされた複数種類の情報を含んでいる。本実施形態において、識別情報は、パチンコ機10の出荷先を示す出荷先情報(第1順位情報)と、パチンコ機10のスペックを示すスペック情報(第2順位情報)とを含んでいる。なお、出荷先情報は、パチンコ機10の仕分けにおいて重要度が最も高い情報であり、スペック情報は、出荷先情報よりも重要度が低い情報である。
【0043】
図2に示されるように、搬送ライン装置31は、パチンコ機10を搭載可能なライン本体33と、そのライン本体33を支持するベースフレーム34とを備えている。このベースフレーム34の高さは、ライン本体33に搭載されたパチンコ機10が作業者の腰から胸の間に位置するような高さに設定されている。
【0044】
図1,図2に示されるように、搬送ライン装置31は、主搬送ライン32、搬出搬送ライン37、回転搬送部21(選択搬送手段)及び一対の退避搬送部39a,39bによって構成されている。主搬送ライン32及び搬出搬送ライン37は、搬送方向(矢印F1方向)に沿って一直線上に配置されており、搬送機能を有している。回転搬送部21は、主搬送ライン32と搬出搬送ライン37との間に配置されており、搬送機能に加え回転機能を有している。両退避搬送部39a,39bは、回転搬送部21近傍において主搬送ライン32及び搬出搬送ライン37とは異なる箇所に配置されており、搬送機能を有している(図1参照)。具体的に言うと、退避搬送部39aは、図2において回転搬送部21の手前側に配置され、退避搬送部39bは、図2において回転搬送部21の奥側に配置されている。そして、両退避搬送部39a,39bは、搬送方向と直交する方向に沿って一直線上に配置されている。
(2)主搬送ライン32
【0045】
図2に示されるように、主搬送ライン32は、複数のコンベア支持部44bによって支持された遊技機搬送用ローラコンベア44を備えている。遊技機搬送用ローラコンベア44には、複数の下側ローラ61が、所定間隔を隔てて回転可能に配設されている。各下側ローラ61は、いずれも同一の高さに配置されており、パチンコ機10の搬送方向に沿って一直線上に配置されている。そして、各下側ローラ61の周面は、遊技機搬送用ローラコンベア44にパチンコ機10が搭載された際に、パチンコ機10の底面10aに接触するようになっている。そして、各下側ローラ61は、パチンコ機10の搬送時に転動して同パチンコ機10のスムーズな移動を促すようになっている。
【0046】
図1,図2に示されるように、各下側ローラ61は、回転駆動モータ48などのアクチュエータによって回転駆動されるようになっている。具体的には、各下側ローラ61は、下側ローラ61に巻回された図示しないタイミングベルトなどの動力伝達機構により、一体的に回転駆動される。
【0047】
一方、図2に示されるように、遊技機搬送用ローラコンベア44の上方にある上側フレーム45には、搬送方向に延びる断面コ字状のレール46が設けられている。レール46は、パチンコ機10の上部の厚さよりも若干幅広(例えば1〜2cm)に形成されており、パチンコ機10の上部を挿入した状態でパチンコ機10が倒れないように支持している。
【0048】
従って、こうした遊技機搬送用ローラコンベア44に搭載されたパチンコ機10は、底面10aが前記下側ローラ61によって支持されるとともに、上部がレール46によって支持される。このため、下側ローラ61が回転すると、パチンコ機10は、上部及び下部が支持された状態で図1,図2の矢印F1方向(即ち搬送方向)に搬送される。これにより、搬送時におけるパチンコ機10の転倒が防止される。
【0049】
図1,図2に示されるように、主搬送ライン32には、複数(本実施形態では6個)の第1識別装置52a〜52f(第1識別手段)が設けられている。各第1識別装置52a〜52fは、主搬送ライン32の延びる方向に沿って所定間隔を隔てて設けられており、各下側ローラ61間に配置されている。本実施形態において、各第1識別装置52a〜52fは、主搬送ライン32上にあるパチンコ機10を撮像するCCDカメラである。第1識別装置52a〜52fは、パチンコ機10に貼付された前記遊技機識別用シールを撮像して、遊技機識別用シールに付与されたパチンコ機10の識別情報の内容(前記出荷先情報及び前記スペック情報)を画像データとして出力するようになっている。
(3)搬出搬送ライン37
【0050】
前記搬出搬送ライン37は、回転搬送部21の下流側に配置されており、主搬送ライン32により搬送されてきたパチンコ機10を前記回転搬送部21を介して受け入れて搬出するようになっている。この搬出搬送ライン37は、主搬送ライン32と略同一の構成を有している。
【0051】
図1,図2に示されるように、搬出搬送ライン37には、第2識別装置56(第2識別手段)が設けられている。第2識別装置56は、搬出搬送ライン37の始端部において、搬出搬送ライン37の遊技機搬送用ローラコンベア44を構成する下側ローラ61間に配置されている。本実施形態において、第2識別装置56は、搬出搬送ライン37上にあるパチンコ機10を撮像するCCDカメラであり、前記第1識別装置52a〜52fと同様のものが用いられている。第2識別装置56は、パチンコ機10に貼付された前記遊技機識別用シールを撮像して、遊技機識別用シールに付与されたパチンコ機10の識別情報の内容(前記出荷先情報及び前記スペック情報)を画像データとして出力するようになっている。
(4)退避搬送部39a,39b
【0052】
前記退避搬送部39a,39bは、主搬送ライン32により搬送されてきたパチンコ機10を回転搬送部21を介して一時的に退避させるとともに、退避させたパチンコ機10を再び回転搬送部21側に搬送し戻すようになっている。これら退避搬送部39a,39bは、主搬送ライン32及び搬出搬送ライン37と略同一の構成を有している(図2参照)。即ち、退避搬送部39a,39bは、遊技機搬送用ローラコンベア44及び前記レール46などを備えている。
【0053】
図1に示されるように、退避搬送部39aには第3識別装置59a(第3識別手段)が設けられ、退避搬送部39bには第3識別装置59b(第3識別手段)が設けられている。第3識別装置59aは、退避搬送部39aの遊技機搬送用ローラコンベア44を構成する下側ローラ61間に配置されており、第3識別装置59bは、退避搬送部39bの遊技機搬送用ローラコンベア44を構成する下側ローラ61間に配置されている。本実施形態において、第3識別装置59a,59bは、退避搬送部39a,39b上にあるパチンコ機10を撮像するCCDカメラであり、前記第1識別装置52a〜52f及び前記第2識別装置56と同様のものが用いられている。第3識別装置59a,59bは、パチンコ機10に貼付された前記遊技機識別用シールを検知して、遊技機識別用シールに付与されたパチンコ機10の識別情報の内容(前記出荷先情報及び前記スペック情報)を画像データとして出力するようになっている。なお、第3識別装置59a,59bによって識別される識別情報の内容は、出荷先情報及びスペック情報だけではなく、退避搬送部39a,39b上にパチンコ機10が存在するか否かを示す情報も含んでいる。
(5)回転搬送部21
【0054】
図1,図2に示されるように、前記回転搬送部21は、前記主搬送ライン32、前記搬出搬送ライン37及び退避搬送部39a,39bと同様の搬送機能を有している。さらに、回転搬送部21は、主搬送ライン32の搬送方向に対して角度をなすように回転することにより搬出搬送ライン37及び退避搬送部39a,39bの中からパチンコ機10の搬送先を選択する機能を有している。回転搬送部21は、主搬送ライン32の終端部近傍であって、搬出搬送ライン37及び退避搬送部39a,39bの始端部近傍に配置されている。回転搬送部21は、主搬送ライン32の搬送面、搬出搬送ライン37の搬送面及び退避搬送部39a,39bの搬送面と同じ高さに位置する搬送面を有している。図2に示されるように、回転搬送部21は、上部支持レール36、遊技機移動用ローラコンベア43及びフレーム部材35などを備えている。上部支持レール36は、フレーム部材35に取り付けられるとともに、中央部が支持軸47の基端に接続されている。なお、支持軸47は、先端部が前記上側フレーム45を挿通しており、上側フレーム45に対して回転可能になっている。また、上部支持レール36は、断面コ字状をなし、遊技機移動用ローラコンベア43の上方に設けられている。上部支持レール36は、パチンコ機10の上部の厚さよりも若干幅広(例えば1〜2cm)に形成されており、パチンコ機10の上部を挿入した状態でパチンコ機10が倒れないように支持している。即ち、上部支持レール36は、前記レール46と略同様の構成をなしている。
【0055】
また、フレーム部材35には、パチンコ機10を搬送させる遊技機移動用ローラコンベア43(搬送手段)が回転搬送部21の径方向に沿って直線状に形成されている。これにより、遊技機移動用ローラコンベア43は、フレーム部材35の回転に伴い、同フレーム部材35に取り付けられた上部支持レール36と同じ角度だけ回転する。また、遊技機移動用ローラコンベア43は、パチンコ機10が搬送可能な状態でパチンコ機10の下部を支持するようになっている。詳述すると、遊技機移動用ローラコンベア43には、複数の下側ローラ22が、所定間隔を隔てて回転可能に配設されている。なお、本実施形態において、各下側ローラ22は、前記遊技機搬送用ローラコンベア44に設けられた前記下側ローラ61と同一のものである。
【0056】
図1,図2に示されるように、各下側ローラ22は、回転駆動モータ49などのアクチュエータによって回転駆動されるようになっている。回転駆動モータ49は、遊技機移動用ローラコンベア43においてコンベア支持部43aの側方に配置されている。具体的には、各下側ローラ22は、下側ローラ22に巻回され、回転駆動モータ49によって駆動される図示しないタイミングベルトなどの動力伝達機構により、一体的に回転駆動される。
【0057】
また、図2に示されるように、遊技機移動用ローラコンベア43は、コンベア支持部43aに支持されており、鉛直方向に延びるコンベア支持部43aの回転軸を中心として回転可能な構造となっている。コンベア支持部43aは、遊技機移動用ローラコンベア43の中央部分に設けられている。コンベア支持部43aは、前記ベースフレーム34によって支持されており、回転駆動モータ54によって回転駆動されるようになっている。回転駆動モータ54は、コンベア支持部43aの側部に設けられており、図示しないギヤなどを介してコンベア支持部43aを駆動するようになっている。また、遊技機移動用ローラコンベア43は、回転前の状態において、一端が前記主搬送ライン32の遊技機搬送用ローラコンベア44の終端に近接するとともに、他端が前記搬出搬送ライン37の遊技機搬送用ローラコンベア44の始端に近接している。遊技機移動用ローラコンベア43の端部と遊技機搬送用ローラコンベア44の端部との間隔は、回転時に遊技機移動用ローラコンベア43が遊技機搬送用ローラコンベア44に接触しない程度であって、パチンコ機10が落下しない程度に設定されている。
【0058】
なお、図1に示されるように、前記回転搬送部21は、コンベア支持部43aを中心として平面視時計回り方向及び平面視反時計回り方向に何回転でも回転可能になっている。そして、回転搬送部21を搬出搬送ライン37側に回転(遊技機移動用ローラコンベア43を搬送方向に対して180°回転)させると、遊技機移動用ローラコンベア43の一端と搬出搬送ライン37の始端とが近接するとともに、遊技機移動用ローラコンベア43の他端と主搬送ライン32の終端とが近接する。さらに、回転搬送部21を退避搬送部39a,39b側に回転(遊技機移動用ローラコンベア43を搬送方向に対して90°回転)させると、遊技機移動用ローラコンベア43の一端と退避搬送部39aの先端とが近接するとともに、遊技機移動用ローラコンベア43の他端と退避搬送部39bの先端とが近接する。
(6)搬送ライン装置31の電気的構成
【0059】
図1に示されるように、搬送ライン装置31はCPU51(搬送制御手段)を備えている。CPU51は、主搬送ライン32、搬出搬送ライン37及び退避搬送部39a,39bの搬送動作を制御するようになっている。具体的には、CPU51は、主搬送ライン32の前記回転駆動モータ48、搬出搬送ライン37の回転駆動モータ48、及び退避搬送部39bの回転駆動モータ48に対して各々モータドライバ回路(図示略)を介して接続され、それらの駆動を制御するようになっている。また、CPU51は、回転搬送部21の選択搬送動作(搬出搬送ライン37及び退避搬送部39a,39bの中から選択した搬送先にパチンコ機10を搬送する動作)を制御するようになっている。具体的には、CPU51は、モータドライバ回路を介して前記回転駆動モータ49及び前記回転駆動モータ54の駆動を制御するようになっている。
【0060】
また、CPU51は、パチンコ機10の移動先を振り分けるプログラムをメモリに記憶させるようになっている。例えば、CPU51は、主搬送ライン32上にあるパチンコ機10の出荷先が搬出搬送ライン37上にあるパチンコ機10の出荷先とは異なる場合に主搬送ライン32上にあるパチンコ機10を退避搬送部39aに移動させるプログラムを、メモリに記憶させるようになっている。また、CPU51には、キーボード55及びディスプレイ57が接続されている。キーボード55は、パチンコ機10の出荷計画などの情報をCPU51に入力するためのものである。また、キーボード55は、前記プログラムに基づいて主搬送ライン32上にあるパチンコ機10を退避搬送部39aに移動させるときの条件となるデータをCPU51に入力するためのものである。ディスプレイ57は、主搬送ライン32の遊技機搬送用ローラコンベア44上に存在するパチンコ機10の数、搬出搬送ライン37の遊技機搬送用ローラコンベア44上に存在するパチンコ機10の数、退避搬送部39a,39b上にパチンコ機10が存在するか否かなどを表示するようになっている。なお、ディスプレイ57は、搬送ライン装置31の動作状態を簡略化した平面図(図3参照)を表示してもよいし、搬送ライン装置31での異常の発生を示すマークを表示してもよい。
【0061】
また、CPU51には、記憶手段としてのRAM58(図1参照)が接続されている。RAM58には、前記第2識別装置56から出力された前記画像データが含む識別情報の内容が記憶されるようになっている。
【0062】
さらに、CPU51は、モータドライバ回路を介して前記各回転駆動モータ48の回転駆動を制御するようになっている。具体的に言うと、CPU51は、回転搬送部21の遊技機移動用ローラコンベア43が搬送方向に対して角度をなす回転位置にある場合(0°,180°ではない場合、即ち、搬送方向に対して平行ではない場合)に、主搬送ライン32の前記遊技機搬送用ローラコンベア44にある回転駆動モータ48を停止させるようになっている。これにより、前記各下側ローラ61が停止して、主搬送ライン32上のパチンコ機10が停止する。また、CPU51は、遊技機移動用ローラコンベア43が搬送方向に対して平行となる回転位置にある場合(0°,180°である場合)に、退避搬送部39a,39bの遊技機搬送用ローラコンベア44にある回転駆動モータ48を停止させるようになっている。これにより、各下側ローラ61が停止して、退避搬送部39a,39b上のパチンコ機10が停止する。
【0063】
次に、搬送ライン装置31によるパチンコ機10の仕分方法を図3〜図21を参照して説明する。なお、説明の便宜上、第1識別装置52a〜52fにて識別された識別情報を識別情報I1、第2識別装置56にて識別された識別情報を識別情報I2、第3識別装置59a,59bにて識別された識別情報を識別情報I3とする。また、図7〜図21において、パチンコ機10に付与された符号「甲A」は、パチンコ機10の出荷先が甲ホールであることを示し、パチンコ機10のスペックがAタイプであることを示している。符号「甲B」は、出荷先が甲ホール、スペックがBタイプであることを示し、符号「甲C」は、出荷先が甲ホール、スペックがCタイプであることを示している。さらに、符号「乙B」は、出荷先が乙ホール、スペックがBタイプであることを示し、符号「乙C」は、出荷先が乙ホール、スペックがCタイプであることを示している。なお、各出荷先は、識別情報に含まれる前記出荷先情報の内容と一致し、各スペックは、識別情報に含まれる前記スペック情報の内容と一致している。
【0064】
以下、搬送ライン装置31のCPU51によって行われる処理(搬出処理)について説明する。例えば、図7に示されるように、主搬送ライン32上を複数のパチンコ機10が搬送されてくると、図3に示されるステップS100の処理において、CPU51は、第1識別装置52aを介して、主搬送ライン32の終端部にあるパチンコ機10(甲A)の識別情報I1を取得する。具体的に言うと、CPU51は、第1識別装置52aから出力された画像データが含む識別情報I1を取得する。なお、主搬送ライン32上にある他のパチンコ機10の識別情報I1は、第1識別装置52b〜52fによって取得されるものとする。そして、CPU51は、ステップS110の処理へ移行する。
【0065】
ステップS110において、CPU51は、RAM58に前記識別情報I2が記憶されているか否かを判定する。即ち、CPU51は、『識別情報記憶判定手段』としての機能を有している。なお、図7では、パチンコ機10が搬出搬送ライン37上を通過する前の状態であるため、RAM58に識別情報I2は記憶されていない。このため、CPU51は、ステップS110の判定を「NO」として、ステップS130の処理へ移行する。
【0066】
ステップS130において、CPU51は、第3識別装置59a,59bの少なくとも一方を介して前記識別情報I3を取得しているか否か、即ち、退避搬送部39a,39bの少なくとも一方にパチンコ機10があるか否かを判定する。図7の状態では、退避搬送部39a,39bのどちらにもパチンコ機10がないため、CPU51は、識別情報I3を取得していないと判定して(ステップS130:N)、ステップS150の処理へ移行する。ステップS150において、CPU51は、主搬送ライン32を指定搬送ラインとしてRAM58に記憶する。これにより、主搬送ライン32上にあるパチンコ機10(甲A)を搬出搬送ライン37に搬出させることが決定される。その後、CPU51は、ステップS270の処理(搬出実行処理)へ移行する。
【0067】
次に、ステップS270において、CPU51は、図4に示すサブルーチンを実行する。図4のサブルーチンは、ステップS500〜S570の処理からなる。ステップS500において、CPU51は、モータドライバ回路を介して回転搬送部21が有する回転駆動モータ54を回転駆動して、回転搬送部21を指定搬送ライン(主搬送ライン32)側に回転させる。具体的には、回転搬送部21の遊技機移動用ローラコンベア43の一端を主搬送ライン32の終端に近接させる。しかし、図7の状態では、既に回転搬送部21が主搬送ライン32側に位置しているため、CPU51は、特に回転搬送部21を回転させずに、ステップS510の処理へ移行する。
【0068】
ステップS510において、CPU51は、指定搬送ライン(主搬送ライン32)上のパチンコ機10(甲A)を回転搬送部21上に移動させる。具体的には、CPU51は、モータドライバ回路を介して主搬送ライン32が有する回転駆動モータ48を駆動させて各下側ローラ61を回転させる。それとともに、CPU51は、モータドライバ回路を介して回転搬送部21が有する回転駆動モータ49を駆動させて、各下側ローラ22を各下側ローラ61と同方向に回転させ、主搬送ライン32の遊技機搬送用ローラコンベア44から回転搬送部21にパチンコ機10(甲A)を搬入する(図8参照)。それに伴い、パチンコ機10(甲A)の直後にあるパチンコ機10(甲B)が、主搬送ライン32の終端部に搬送される。そして、ステップS520において、CPU51は、RAM58に記憶されている指定搬送ラインを消去して、ステップS525の処理へ移行する。ステップS525において、CPU51は、RAM58に記憶されている特定情報を消去する。しかし、この時点では、RAM58に何ら特定情報が記憶されていないため、特定情報の消去を行わずに、ステップS530の処理へ移行する。そして、ステップS530において、CPU51は、モータドライバ回路を介して回転搬送部21の回転駆動モータ54を回転駆動して、回転搬送部21を搬出搬送ライン37側に回転させる。具体的には、回転搬送部21の遊技機移動用ローラコンベア43の一端を搬出搬送ライン37の始端に近接させる。しかし、図8の状態では、既に回転搬送部21が搬出搬送ライン37側に位置しているため、CPU51は、特に回転搬送部21を回転させずに、ステップS540の処理へ移行する。ステップS540において、CPU51は、モータドライバ回路を介して回転搬送部21が有する回転駆動モータ49を駆動させて、各下側ローラ22を回転させる。これにより、パチンコ機10が回転搬送部21の遊技機移動用ローラコンベア43から搬出搬送ライン37上に搬出される(図9参照)。
【0069】
そして、ステップS560において、CPU51は、第2識別装置56を介して、搬出搬送ライン37上に搬出されたパチンコ機10(甲A)の識別情報I2を取得する。具体的に言うと、CPU51は、第2識別装置56から出力された画像データが含む識別情報I2を取得する。そして、CPU51は、識別情報I2をRAM58に記憶させ、ステップS570の処理へ移行する。ステップS570において、CPU51は、搬出搬送ライン37の搬送を開始させてパチンコ機10(甲A)を搬出し、本サブルーチンを終了する。
【0070】
ここで、図4に示されるサブルーチンが終了すると、CPU51は、図3に示される前記ステップS270の処理を終了し、ここでの処理(搬出処理)を終了する。
【0071】
次に、主搬送ライン32の終端部にあるパチンコ機10(甲B)の搬送先を決定する。即ち、前記ステップS100の処理において、CPU51は、パチンコ機10(甲B,乙B,甲A,乙C)の識別情報I1を取得して、ステップS110の処理へ移行する。ここで、識別情報I2は、前記ステップS560においてRAM58に記憶されているため、CPU51は、ステップS110の判定を「YES」として、ステップS120の処理へ移行する。
【0072】
ステップS120において、CPU51は、RAM58から識別情報I2を取得する。即ち、CPU51は、『識別情報取得手段』としての機能を有している。そして、ステップS160において、CPU51は、第3識別装置59a,59bの少なくとも一方が前記識別情報I3を取得しているか、即ち、退避搬送部39a上及び退避搬送部39b上の少なくとも一方にパチンコ機10があるか否かを判定する。即ち、CPU51は、『識別判定手段』としての機能を有している。なお、図9では、退避搬送部39a上にも退避搬送部39b上にもパチンコ機10がないため、第3識別装置59aも第3識別装置59bも識別情報I3を取得できない。このため、CPU51は、ステップS160の判定を「NO」として、ステップS180の処理へ移行する。
【0073】
ステップS180において、CPU51は、識別情報I2の内容と前記識別情報I1の内容とで、出荷先情報(識別情報の内容の少なくとも一部)が一致するものがあるか否かを判定する。即ち、CPU51は、『第3の順位情報判定手段』としての機能を有している。なお、図9の状態では、識別情報I2はパチンコ機10(甲A)のものであり、識別情報I1はパチンコ機10(甲B,乙B,甲A,乙C)のものである。よって、出荷先が同じ甲ホールとなるものが存在するため、出荷先情報が一致するものがあると判定される(ステップS180:Y)。このため、CPU51は、ステップS210の処理へ移行する。なお、仮に出荷先情報が一致するものがないと判定されれば(ステップS180:N)、CPU51は、ステップS150の処理へ移行する。
【0074】
ステップS210において、CPU51は、識別情報I2の内容と識別情報I1の内容とで、出荷先情報に加えて前記スペック情報も一致するものがあるか否かを判定する。即ち、CPU51は、『第5の順位情報判定手段』としての機能を有している。なお、図9の状態では、識別情報I2はパチンコ機10(甲A)のものであり、識別情報I1はパチンコ機10(甲B,乙B,甲A,乙C)のものである。よって、スペックが同じAタイプとなるものが存在するため、スペック情報が一致するものがあると判定される(ステップS210:Y)。この場合、CPU51は、ステップS250の処理へ移行する。そして、ステップS250において、CPU51は、識別情報I2の出荷先情報及びスペック情報の両方を特定情報としてRAM58に記憶し、ステップS260の処理(退避決定処理)へ移行する。
【0075】
ステップS260において、CPU51は、図5に示すサブルーチンを実行する。図5のサブルーチンは、ステップS300〜S420の処理からなる。ステップS300において、CPU51は、RAM58から特定情報(出荷先情報及びスペック情報)を取得する。即ち、CPU51は、『特定情報取得手段』としての機能を有している。
【0076】
そして、ステップS320において、CPU51は、第1識別装置52aにて取得した識別情報I1が、特定情報と一致しないか否かを判定する。即ち、CPU51は、『識別情報内容判定手段』としての機能を有している。なお、図9の状態では、識別情報I1はパチンコ機10(甲B)のものであり、特定情報に含まれる出荷先情報は、出荷先が甲ホールとなることを示す情報であるため、出荷先は同じ甲ホールとなる。しかし、特定情報に含まれるスペック情報は、Aスペックであることを示す情報であるため、スペック情報は一致しない。従って、識別情報I1は特定情報と一致しないと判定される(ステップS320:Y)。このため、CPU51は、ステップS325の処理へ移行する。
【0077】
ステップS325において、CPU51は、第1識別装置52b〜52fを介して取得したパチンコ機10の識別情報I1の内容のうち、特定情報と一致するものがあるか否かを判定する。換言すると、CPU51は、主搬送ライン32の終端部以外の箇所にあるパチンコ機10のうち、識別情報I1の内容が特定情報に一致するものがあるか否かを判定する。即ち、CPU51は、『識別可否判定手段』としての機能を有している。図9の状態では、第1識別装置52cによって識別されたパチンコ機10(甲A)の識別情報I1が特定情報に一致する。よって、取得した識別情報I1の内容のうち、特定情報と一致するものがあると判定されるため(ステップS325:Y)、CPU51は、ステップS350の処理へ移行する。
【0078】
ステップS350において、CPU51は、前記第3識別装置59aを介して取得した識別情報I3に基づいて、退避搬送部39aに空きがあるか否かを判定する。換言すると、CPU51は、識別情報I3の有無に基づいて、パチンコ機10が存在しない退避搬送部39aの有無を確認する。即ち、CPU51は、『退避搬送部確認手段』としての機能を有している。なお、図9の状態では、退避搬送部39aに空きがあるため(ステップS350:Y)、CPU51は、ステップS390の処理へ移行する。
【0079】
ステップS390において、CPU51は、退避搬送部39aを指定搬送ラインとしてRAM58に記憶する。これにより、主搬送ライン32上にあるパチンコ機10を退避搬送部39aに退避させることが決定される。その後、CPU51は、本サブルーチンを終了する。
【0080】
ここで、図5に示されるサブルーチンが終了すると、CPU51は、図3に示されるステップS280の処理(退避実行処理)へ移行する。ステップS280において、CPU51は、図6に示すサブルーチンを実行する。図6のサブルーチンは、ステップS600〜S650の処理からなる。ステップS600において、CPU51は、モータドライバ回路を介して回転搬送部21の回転駆動モータ54を回転駆動して、回転搬送部21を主搬送ライン32側に回転させる。具体的には、回転搬送部21の遊技機移動用ローラコンベア43の一端を主搬送ライン32の終端に近接させる。しかし、図9の状態では、既に回転搬送部21が主搬送ライン32側に位置しているため、CPU51は、特に回転搬送部21を回転させずに、ステップS610の処理へ移行する。
【0081】
ステップS610において、CPU51は、主搬送ライン32上のパチンコ機10を回転搬送部21上に移動させる。具体的には、主搬送ライン32が有する回転駆動モータ48を駆動させて各下側ローラ61を回転させるとともに、回転搬送部21が有する回転駆動モータ49を駆動させて各下側ローラ22を各下側ローラ61と同方向に回転させ、主搬送ライン32の遊技機搬送用ローラコンベア44から回転搬送部21にパチンコ機10を移動させる(図10参照)。それに伴い、パチンコ機10(甲B)の直後にあるパチンコ機10(乙B)が、主搬送ライン32の終端部に搬送される。次に、ステップS620において、CPU51は、モータドライバ回路を介して回転駆動モータ54を回転駆動して、回転搬送部21を指定搬送ライン(退避搬送部39a)側に回転(平面視時計回り方向に90°回転)させる(図11参照)。そして、ステップS630において、CPU51は、モータドライバ回路を介して回転搬送部21が有する回転駆動モータ49を駆動させて各下側ローラ22を回転させ、回転搬送部21の遊技機移動用ローラコンベア43から退避搬送部39a上にパチンコ機10を退避させて、ステップS640の処理へ移行する。ステップS640において、CPU51は、RAM58に記憶されている指定搬送ライン(退避搬送部39a)を消去して、ステップS650の処理へ移行する。さらに、ステップS650において、CPU51は、RAM58に記憶されている特定情報(出荷先情報及びスペック情報)を消去して、本サブルーチンを終了する。
【0082】
ここで、図6に示されるサブルーチンが終了すると、CPU51は、図3に示される前記ステップS280の処理を終了し、ここでの処理(搬出処理)を終了する。
【0083】
次に、主搬送ライン32の終端部にあるパチンコ機10(乙B)の搬送先を決定する。即ち、前記ステップS100の処理において、CPU51は、パチンコ機10(乙B,甲A,乙C)の識別情報I1を取得して、ステップS110の処理へ移行する。ここで、識別情報I2は、前記ステップS560においてRAM58に記憶されているため、CPU51は、ステップS110の判定を「YES」として、前記ステップS120の処理へ移行する。
【0084】
そして、CPU51は、ステップS120においてRAM58から識別情報I2を取得して、前記ステップS160の処理へ移行する。ここで、図11の状態では、退避搬送部39aにパチンコ機10があるため、第3識別装置59aが識別情報I3を取得することができる。このため、CPU51は、ステップS160の判定を「YES」として、ステップS170の処理へ移行する。
【0085】
ステップS170において、CPU51は、取得した識別情報I3の内容と識別情報I2の内容とで、出荷先情報(識別情報の内容の少なくとも一部)が一致するものがあるか否かを判定する。即ち、CPU51は、『識別情報判定手段』及び『第1の順位情報判定手段』としての機能を有している。なお、図11の状態では、識別情報I3はパチンコ機10(甲B)のものであり、識別情報I2はパチンコ機10(甲A)のものである。よって、出荷先は同じ甲ホールとなり、取得した識別情報I3の内容と識別情報I2の内容とで、出荷先情報が一致するものがあると判定される(ステップS170:Y)。このため、CPU51はステップS200の処理へ移行する。
【0086】
ステップS200において、CPU51は、識別情報I2の内容と識別情報I3の内容とで、出荷先情報に加えてスペック情報が一致するものがあるか否かを判定する。即ち、CPU51は、『第2の順位情報判定手段』としての機能を有している。なお、図11の状態では、識別情報I2はパチンコ機10(甲A)のものであり、識別情報I3はパチンコ機10(甲B)のものである。よって、パチンコ機10(甲A)のスペックはAタイプとなり、パチンコ機10(甲B)のスペックはBタイプとなるため、スペック情報が一致するものがないと判定される(ステップS200:N)。この場合、CPU51は前記ステップS210の処理へ移行する。
【0087】
なお、仮にスペック情報が一致するものがあれば(ステップS200:Y)、CPU51は、ステップS220の処理へ移行する。ステップS220において、CPU51は、識別情報I2の出荷先情報及びスペック情報を、特定情報としてRAM58に記憶し、ステップS240の処理へ移行する。ステップS240において、CPU51は、特定情報と一致する識別情報を付されたパチンコ機10のある退避搬送部を指定搬送ラインとして記憶する。これにより、退避搬送部39a上または退避搬送部39b上にあるパチンコ機10を搬出搬送ライン37に搬送させることが決定される。即ち、CPU51は、『搬送態様決定手段』としての機能を有している。その後、CPU51は、前記ステップS270の処理へ移行する。
【0088】
また、本実施形態では、退避搬送部39a上及び退避搬送部39b上の少なくとも一方にパチンコ機10があると判定されると(ステップS160:Y)、識別情報I2の内容と識別情報I1の内容とが一致するか否かを判定するのではなく、識別情報I2の内容と識別情報I3の内容とが一致するか否かを判定している(ステップS170,S200)。そして、識別情報I2の内容と識別情報I3の内容とが一致していれば、退避搬送部39a(または退避搬送部39b)上にあるパチンコ機10を搬出搬送ライン37に搬送させることが決定されるようになっている(ステップS240)。このことから、CPU51は、主搬送ライン32から搬出搬送ライン37へのパチンコ機10の搬送よりも退避搬送部39a(または退避搬送部39b)から搬出搬送ライン37へのパチンコ機10の搬送を優先させる制御を行っている。
【0089】
前記ステップS210において、CPU51は、識別情報I2の内容と識別情報I1の内容とで、前記出荷先情報に加えて前記スペック情報が一致するものがあるか否かを判定する。なお、図11の状態では、識別情報I2はパチンコ機10(甲A)のものであり、識別情報I1はパチンコ機10(乙B,甲A,乙C)のものである。よって、出荷先が同じ甲ホールのものが存在するため、出荷先情報が一致するものがあると判定される。また、スペックが同じAタイプのものが存在するため、スペック情報も一致するものがあると判定される(ステップS210:Y)。このため、CPU51は、前記ステップS250にて識別情報I2の出荷先情報及びスペック情報の両方を特定情報としてRAM58に記憶した後、前記ステップS260の処理へ移行し、図5に示すサブルーチンの前記ステップS300の処理へ移行する。
【0090】
そして、CPU51は、ステップS300にてRAM58から特定情報(出荷先情報及びスペック情報)を取得してステップS320の処理へ移行する。ここで、図11の状態では、第1識別装置52aにて取得される識別情報I1はパチンコ機10(乙B)のものであり、識別情報I1に含まれる出荷先情報は、出荷先が乙ホールとなることを示す情報である。一方、特定情報に含まれる出荷先情報は、出荷先が甲ホールとなることを示す情報である。このため、出荷先情報は一致しない。また、識別情報I1に含まれるスペック情報は、スペックがBスペックであることを示す情報である。一方、特定情報に含まれるスペック情報は、スペックがAスペックであることを示す情報である。このため、スペック情報も一致しない。従って、識別情報I1は特定情報と一致しないと判定される(ステップS320:Y)。このため、CPU51は、前記ステップS325の処理へ移行する。
【0091】
ステップS325において、CPU51は、第1識別装置52b〜52fを介して取得したパチンコ機10の識別情報I1の内容のうち、特定情報と一致するものがあるか否かを判定する。図11の状態では、第1識別装置52bによって識別されたパチンコ機10(甲A)の識別情報I1が特定情報に一致する。よって、取得した識別情報I1の内容のうち、特定情報と一致するものがあると判定されるため(ステップS325:Y)、CPU51は、前記ステップS350の処理へ移行する。
【0092】
そして、図11の状態では、退避搬送部39aに空きがないため、CPU51は、ステップS350の判定を「NO」として、ステップS360の処理へ移行する。ステップS360において、CPU51は、前記第3識別装置59bを介して取得した識別情報I3に基づいて、退避搬送部39bに空きがあるか否かを判定する。換言すると、CPU51は、識別情報I3の有無に基づいて、パチンコ機10が存在しない退避搬送部39bの有無を確認する。なお、図11の状態では、退避搬送部39bに空きがあるため(ステップS360:Y)、CPU51は、ステップS400の処理へ移行する。そして、ステップS400において、CPU51は、退避搬送部39bを指定搬送ラインとしてRAM58に記憶する。これにより、主搬送ライン32上にあるパチンコ機10(乙B)を退避搬送部39bに退避させることが決定される。その後、CPU51は、前記ステップS280の処理へ移行し、図6に示すサブルーチンの前記ステップS600の処理へ移行する。
【0093】
なお、仮に退避搬送部39bに空きがない、即ち、退避搬送部39a,39bが満杯である場合(ステップS360:N)、CPU51は、ステップS410の処理へ移行する。ステップS410において、CPU51は、搬送ライン装置31を停止(前記回転駆動モータ48及び前記回転駆動モータ49の駆動を停止)して、ステップS420の処理へ移行する。そして、ステップS420においてブザーなどの報知手段を作動させて、作業者に搬送ライン装置31の停止を報知する。
【0094】
そして、CPU51は、前記ステップS600にて回転搬送部21を主搬送ライン32側に回転させ、前記ステップS610にて主搬送ライン32上のパチンコ機10を回転搬送部21上に移動させる(図12参照)。それに伴い、パチンコ機10(乙B)の直後のパチンコ機10(甲A)が、主搬送ライン32の終端部に搬送される。次に、前記ステップS620において、CPU51は、回転搬送部21を指定搬送ライン(退避搬送部39b)側に回転(平面視反時計回り方向に90°回転)させて(図13参照)、前記ステップS630の処理へ移行する。ステップS630において、CPU51は、回転搬送部21の遊技機移動用ローラコンベア43から退避搬送部39b上にパチンコ機10を退避させて、前記ステップS640の処理へ移行する。次に、CPU51は、ステップS640にてRAM58に記憶されている指定搬送ラインを消去し、前記ステップS650にてRAM58に記憶されている特定情報(出荷先情報)を消去する。そして、CPU51は、図3に示される前記ステップS280の処理を終了し、ここでの処理(搬出処理)を終了する。
【0095】
次に、主搬送ライン32の終端部にあるパチンコ機10(甲A)の搬送先を決定する。即ち、前記ステップS100の処理において、CPU51は、パチンコ機10(甲A,乙C)の識別情報I1を取得して、前記ステップS110の処理へ移行する。ここで、識別情報I2は、前記ステップS560においてRAM58に記憶されているため、CPU51は、ステップS110の判定を「YES」として、前記ステップS120の処理へ移行する。
【0096】
そして、CPU51は、ステップS120においてRAM58から識別情報I2を取得して、前記ステップS160の処理へ移行する。ここで、図13の状態では、退避搬送部39a,39bの両方にパチンコ機10があるため、第3識別装置59a,59bの両方が識別情報I3を取得することができる。このため、CPU51は、前記ステップS160の判定を「YES」として、前記ステップS170の処理へ移行する。
【0097】
ステップS170において、CPU51は、取得した識別情報I3の内容と識別情報I2の内容とで、出荷先情報が一致するものがあるか否かを判定する。なお、図13の状態では、識別情報I3は、パチンコ機10(甲B)またはパチンコ機10(乙B)のものであり、識別情報I2はパチンコ機10(甲A)のものである。よって、パチンコ機10(甲B)の出荷先とパチンコ機10(甲A)の出荷先とが同じ甲ホールとなり、識別情報I3の内容と識別情報I2の内容とで、出荷先情報が一致するものがあると判定される。このため、CPU51は、ステップS170の判定を「YES」として、前記ステップS200の処理へ移行する。
【0098】
さらに、ステップS200において、CPU51は、識別情報I2の内容と識別情報I3の内容とで、スペック情報が一致するものがあるか否かを判定する。なお、図13の状態では、識別情報I2はパチンコ機10(甲A)のものであり、識別情報I3はパチンコ機10(甲B,乙B)のものである。よって、パチンコ機10(甲A)のスペックはAタイプとなり、パチンコ機10(甲B,乙B)のスペックはBタイプとなるため、識別情報I2と識別情報I3とで、スペック情報が一致するものがないと判定される(ステップS200:N)。このため、CPU51は、前記ステップS210の処理へ移行する。
【0099】
ステップS210において、CPU51は、識別情報I2の内容と識別情報I1の内容とで、前記出荷先情報に加えてスペック情報が一致するものがあるか否かを判定する。なお、図13の状態では、識別情報I2及び識別情報I1は、どちらもパチンコ機10(甲A)のものである。よって、出荷先は同じ甲ホールとなり、出荷先情報が一致するものがあると判定される。また、スペックは同じAタイプとなり、スペック情報も一致するものがあると判定される(ステップS210:Y)。このため、CPU51は、ステップS250において識別情報I2の出荷先情報及びスペック情報の両方を特定情報としてRAM58に記憶する。その後、CPU51は、前記ステップS260の処理へ移行し、図5に示すサブルーチンの前記ステップS300の処理へ移行する。
【0100】
そして、CPU51は、ステップS300にてRAM58から特定情報(出荷先情報及びスペック情報)を取得して、ステップS320の処理へ移行する。ここで、図13の状態では、第1識別装置52aにて取得した識別情報I1、及び、特定情報は、同じパチンコ機10(甲A)のものである。よって、出荷先情報及びスペック情報の両方が一致するため、識別情報I1は特定情報と一致すると判定される(ステップS320:N)。このため、CPU51は、ステップS330の処理へ移行する。そして、CPU51は、ステップS330にてRAM58から識別情報I2を取得し、ステップS335にて主搬送ライン32を指定搬送ラインとしてRAM58に記憶する。これにより、主搬送ライン32上にあるパチンコ機10(甲A)を搬出搬送ライン37に搬送させることが決定される。その後、CPU51は、前記ステップS270の処理へ移行し、図4に示すサブルーチンの前記ステップS500の処理へ移行する。
【0101】
次に、CPU51は、ステップS500にて回転搬送部21を指定搬送ライン(主搬送ライン32)側に回転させ、前記ステップS510にて主搬送ライン32上のパチンコ機10を回転搬送部21上に移動させる(図14参照)。それに伴い、パチンコ機10(甲A)の直後にあるパチンコ機10(乙C)が、主搬送ライン32の終端部に搬送される。そして、CPU51は、前記ステップS520にてRAM58に記憶されている指定搬送ラインを消去し、前記ステップS525にてRAM58に記憶されている特定情報(出荷先情報及びスペック情報)を消去する。さらに、前記ステップS530において、CPU51は、モータドライバ回路を介して回転駆動モータ54を回転駆動して、回転搬送部21を搬出搬送ライン37側に回転させる。しかし、図14では、既に回転搬送部21が搬出搬送ライン37側に位置しているため、CPU51は、特に回転搬送部21を回転させずに、前記ステップS540の処理へ移行する。ステップS540において、CPU51は、モータドライバ回路を介して回転搬送部21が有する回転駆動モータ49を駆動させて、各下側ローラ22を回転させる。これにより、パチンコ機10が回転搬送部21の遊技機移動用ローラコンベア43から搬出搬送ライン37上に搬出される(図15参照)。その結果、2台のパチンコ機10(甲A)が連続して搬出搬送ライン37から搬出されるようになる。
【0102】
そして、CPU51は、前記ステップS560において、第2識別装置56を介して識別情報I2を取得して、その識別情報I2をRAM58に記憶させる。さらに、CPU51は、前記ステップS570にて搬出搬送ライン37の搬送を開始させてパチンコ機10(甲A)を搬出した後、図3に示される前記ステップS270の処理を終了し、ここでの処理(搬出処理)を終了する。
【0103】
次に、主搬送ライン32の終端部にあるパチンコ機10(乙C)の搬送先を決定する。即ち、前記ステップS100の処理において、CPU51は、パチンコ機10(乙C)の識別情報I1を取得して、前記ステップS110の処理へ移行する。ここで、識別情報I2は、前記ステップS560においてRAM58に記憶されているため、CPU51は、ステップS110の判定を「YES」として、前記ステップS120の処理へ移行する。
【0104】
そして、CPU51は、ステップS120においてRAM58から識別情報I2を取得して、前記ステップS160の処理へ移行する。ここで、図15の状態では、退避搬送部39a,39bの両方にパチンコ機10があるため、第3識別装置59a,59bの両方が識別情報I3を取得することができる。このため、CPU51は、前記ステップS160の判定を「YES」として、前記ステップS170の処理へ移行する。
【0105】
ステップS170において、CPU51は、取得した識別情報I3の内容と識別情報I2の内容とで、出荷先情報が一致するものがあるか否かを判定する。なお、図15の状態では、識別情報I3は、パチンコ機10(甲B)またはパチンコ機10(乙B)のものであり、識別情報I2はパチンコ機10(甲A)のものである。よって、パチンコ機10(甲B)の出荷先とパチンコ機10(甲A)の出荷先とが同じ甲ホールとなり、識別情報I3の内容と識別情報I2の内容とで、出荷先情報が一致するものがあると判定される。このため、CPU51は、ステップS170の判定を「YES」として、前記ステップS200の処理へ移行する。
【0106】
さらに、ステップS200において、CPU51は、識別情報I2の内容と識別情報I3の内容とで、スペック情報が一致するものがあるか否かを判定する。なお、図15の状態では、識別情報I2はパチンコ機10(甲A)のものであり、識別情報I3はパチンコ機10(甲B,乙B)のものである。よって、パチンコ機10(甲A)のスペックはAタイプとなり、パチンコ機10(甲B,乙B)のスペックはBタイプとなるため、識別情報I2と識別情報I3とで、スペック情報が一致するものがないと判定される(ステップS200:N)。このため、CPU51は、前記ステップS210の処理へ移行する。
【0107】
ステップS210において、CPU51は、識別情報I2の内容と識別情報I1の内容とで、スペック情報が一致するものがあるか否かを判定する。なお、図15の状態では、識別情報I2はパチンコ機10(甲A)のものであり、識別情報I1はパチンコ機10(乙C)のものである。よって、パチンコ機10(甲A)のスペックはAタイプ、パチンコ機10(乙C)のスペックはCタイプとなり、スペック情報が一致するものがないと判定される(ステップS210:N)。このため、CPU51は、ステップS230において識別情報I2の出荷先情報のみを特定情報としてRAM58に記憶する。その後、CPU51は、前記ステップS260の処理へ移行し、図5に示すサブルーチンの前記ステップS300の処理へ移行する。
【0108】
そして、CPU51は、ステップS300にてRAM58から特定情報(出荷先情報)を取得して、ステップS320の処理へ移行する。ここで、図15の状態では、第1識別装置52aにて取得した識別情報I1はパチンコ機10(乙C)のものであり、特定情報はパチンコ機10(甲A)のものである。よって、パチンコ機10(乙C)の出荷先はCホールとなり、パチンコ機10(甲A)の出荷先はAホールとなるため、識別情報I1は特定情報と一致しないと判定される(ステップS320:Y)。このため、CPU51は、ステップS325の処理へ移行する。
【0109】
ステップS325において、CPU51は、第1識別装置52b〜52fを介して取得したパチンコ機10の識別情報I1の内容のうち、特定情報と一致するものがあるか否かを判定する。図15の状態では、第1識別装置52b〜52fを介してパチンコ機10の識別情報I1のうち、特定情報に一致するものはないため(ステップS325:N)、CPU51は、ステップS326の処理へ移行する。そして、CPU51は、ステップS326にてRAM58から識別情報I2を取得して、ステップS327の処理へ移行する。
【0110】
ステップS327において、CPU51は、前記第3識別装置59a,59bを介して取得した識別情報I3に基づいて、退避搬送部39a,39bの少なくとも一方に空きがあるか否かを判定する。図15の状態では、退避搬送部39a,39bのどちらにも空きがないため(ステップS327:N)、CPU51は、図3に示すステップS140の処理へ移行する。なお、仮に退避搬送部39a,39bの少なくとも一方に空きがあれば(ステップS327:Y)、CPU51は、図3に示すステップS150の処理へ移行する。
【0111】
ステップS140において、CPU51は、パチンコ機10がある退避搬送部39a(または退避搬送部39b)を指定搬送ラインとしてRAM58に記憶する。なお、本実施形態では、退避搬送部39a,39bの両方にパチンコ機10がある場合(図15参照)、CPU51は、退避搬送部39aを指定搬送ラインとしてRAM58に記憶する。これにより、退避搬送部39a上にあるパチンコ機10を搬出搬送ライン37に搬送させることが決定される。その後、CPU51は、前記ステップS270の処理へ移行し、図4に示すサブルーチンの前記ステップS500の処理へ移行する。
【0112】
ステップS500において、CPU51は、回転搬送部21を指定搬送ライン(退避搬送部39a)側に回転させる(図16参照)。そして、CPU51は、ステップS510にて退避搬送部39aのパチンコ機10を回転搬送部21上に搬送し戻す。さらに、CPU51は、ステップS520にてRAM58に記憶されている指定搬送ライン(退避搬送部39a)を消去し、ステップS525にてRAM58に記憶されている特定情報を消去する。しかし、特定情報は、前回のステップS525の処理にて既に消去されているため、CPU51は、特定情報の消去を行わずに、ステップS530の処理へ移行する。そして、CPU51は、ステップS530にて回転搬送部21を搬出搬送ライン37側に回転させ、ステップS540にて回転搬送部21上のパチンコ機10(甲B)を搬出搬送ライン37上に搬出させる(図17参照)。
【0113】
そして、CPU51は、ステップS560にて第2識別装置56を介して識別情報I2を取得し、その識別情報をRAM58に記憶させる。さらに、CPU51は、ステップS570において搬出搬送ライン37の搬送を開始させてパチンコ機10(甲B)を搬出し、本サブルーチンを終了する。その後、CPU51は、図3に示される前記ステップS270の処理を終了し、ここでの処理(搬出処理)を終了する。
【0114】
さらに、CPU51は、搬出処理を再び実行する。即ち、CPU51は、前記ステップS100〜前記ステップS120の処理を実行し、前記ステップS160の処理へ移行する。ここで、図17の状態では、退避搬送部39bのみにパチンコ機10があるため、第3識別装置59bのみが識別情報I3を取得していると判定して(ステップS160:Y)、前記ステップS170の処理へ移行する。
【0115】
ステップS170において、CPU51は、取得した識別情報I3の内容と識別情報I2の内容とで、出荷先情報が一致するか否かを判定する。なお、図17の状態では、識別情報I3はパチンコ機10(乙B)のものであり、識別情報I2はパチンコ機10(甲B)のものである。よって、パチンコ機10(乙B)の出荷先(乙ホール)とパチンコ機10(甲B)の出荷先(甲ホール)とが異なり、識別情報I3と識別情報I2とで、出荷先情報が一致しないと判定される。このため、CPU51は、ステップS170の判定を「NO」として、ステップS190の処理へ移行する。
【0116】
さらに、ステップS190において、CPU51は、識別情報I2の内容と識別情報I1の内容とで、出荷先情報が一致するか否かを判定する。即ち、CPU51は、『第4の順位情報判定手段』としての機能を有している。なお、図17の状態では、識別情報I2はパチンコ機10(甲B)のものであり、識別情報I1はパチンコ機10(乙C)のものである。よって、パチンコ機10(甲B)の出荷先(甲ホール)とパチンコ機10(乙C)の出荷先(乙ホール)とが異なるため、識別情報I2と識別情報I1とで、出荷先情報は一致しないと判定される(ステップS190:N)。このため、CPU51は、ステップS140の処理へ移行する。なお、仮に出荷先情報が一致すると判定されれば、CPU51は、ステップS140の処理へ移行する。
【0117】
ステップS140において、CPU51は、パチンコ機10がある退避搬送部39bを指定搬送ラインとしてRAM58に記憶する。これにより、退避搬送部39b上にあるパチンコ機10を搬出搬送ライン37に搬送させることが決定される。その後、CPU51は、前記ステップS270の処理へ移行し、図4に示すサブルーチンの前記ステップS500の処理へ移行する。
【0118】
ステップS500において、CPU51は、回転搬送部21を指定搬送ライン(退避搬送部39b)側に回転させる(図18参照)。そして、CPU51は、前記ステップS510にて退避搬送部39bのパチンコ機10を回転搬送部21上に搬送し戻す。さらに、CPU51は、前記ステップS520〜前記ステップS540の処理を行い、回転搬送部21上のパチンコ機10(乙B)を搬出搬送ライン37上に搬出させる(図19参照)。
【0119】
そして、CPU51は、ステップS560にて第2識別装置56を介して識別情報I2を取得し、その識別情報I2をRAM58に記憶させる。さらに、CPU51は、ステップS570において搬出搬送ライン37の搬送を開始させてパチンコ機10(乙B)を搬出し、本サブルーチンを終了する。その後、CPU51は、図3に示される前記ステップS270の処理を終了し、ここでの処理(搬出処理)を終了する。
【0120】
さらに、CPU51は、搬出処理をもう1度実行する。即ち、CPU51は、前記ステップS100〜前記ステップS120の処理を実行し、前記ステップS160の処理へ移行する。ここで、図19の状態では、退避搬送部39a,39bのどちらにもパチンコ機10がないため、第3識別装置59a,59bのどちらも識別情報I3を取得していないと判定して(ステップS160:N)、前記ステップS180の処理へ移行する。
【0121】
ステップS180において、CPU51は、識別情報I2の内容と前記識別情報I1の内容とで、出荷先情報が一致するものがあるか否かを判定する。なお、図19の状態では、識別情報I2はパチンコ機10(乙B)のものであり、識別情報I1はパチンコ機10(乙C)のものである。よって、出荷先は同じ乙ホールとなり、出荷先情報が一致するものがあると判定される(ステップS180:Y)。このため、CPU51は、ステップS210の処理へ移行する。
【0122】
ステップS210において、CPU51は、識別情報I2の内容と識別情報I1の内容とで、出荷先情報に加えて前記スペック情報が一致するものがあるか否かを判定する。なお、図19の状態では、識別情報I2はパチンコ機10(乙B)のものであり、識別情報I1はパチンコ機10(乙C)のものである。よって、パチンコ機10(乙B)のスペックはBタイプ、パチンコ機10(乙C)のスペックはCタイプとなり、スペック情報が一致するものがないと判定される(ステップS210:N)。このため、CPU51は、ステップS230の処理へ移行する。そして、ステップS230において、CPU51は、識別情報の出荷先情報のみを特定情報としてRAM58に記憶する。その後、CPU51は、前記ステップS260の処理へ移行し、図5に示すサブルーチンの前記ステップS300の処理へ移行する。
【0123】
ステップS300において、CPU51は、RAM58から特定情報(出荷先情報)を取得する。そして、前記ステップS320において、CPU51は、第1識別装置52aにて取得した識別情報I1が特定情報と一致しないか否かを判定する。なお、図19の状態では、識別情報I1はパチンコ機10(乙C)のものであり、特定情報に含まれる出荷先情報は、出荷先が乙ホールとなることを示す情報であるため、出荷先は同じ乙ホールとなる。従って、識別情報I1は特定情報と一致すると判定される(ステップS320:N)。このため、CPU51は、ステップS330の処理へ移行する。
【0124】
そして、CPU51は、ステップS330にてRAM58から識別情報I2を取得し、ステップS335にて主搬送ライン32を指定搬送ラインとしてRAM58に記憶する。これにより、主搬送ライン32上にあるパチンコ機10(乙C)を搬出搬送ライン37に搬送させることが決定される。その後、CPU51は、前記ステップS270の処理へ移行し、図4に示すサブルーチンの前記ステップS500の処理へ移行する。
【0125】
ステップS500において、CPU51は、回転搬送部21を指定搬送ライン(主搬送ライン32)側に回転させる。しかし、図19では、既に回転搬送部21が主搬送ライン32側に位置しているため、CPU51は、特に回転搬送部21を回転させずに、前記ステップS510の処理へ移行する。そして、CPU51は、ステップS510にて主搬送ライン32上のパチンコ機10を回転搬送部21上に移動させる(図20参照)。さらに、CPU51は、前記ステップS520〜前記ステップS540の処理を行い、回転搬送部21上のパチンコ機10(乙C)を搬出搬送ライン37上に搬出させる(図21参照)。
【0126】
そして、CPU51は、前記ステップS560にて第2識別装置56を介して識別情報I2を取得し、その識別情報I2をRAM58に記憶させる。さらに、CPU51は、前記ステップS570において搬出搬送ライン37の搬送を開始させてパチンコ機(乙C)を搬出し、本サブルーチンを終了する。その後、CPU51は、図3に示される前記ステップS270の処理を終了し、ここでの処理(搬出処理)を終了する。これにより、搬送ライン装置31によるパチンコ機10の仕分けが終了する。
【0127】
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
【0128】
(1)本実施形態の搬送ライン装置31によれば、主搬送ライン32により搬送されてきたパチンコ機10群に異種のパチンコ機10が混入していたとしても、異種のパチンコ機10を回転搬送部21を介して一時的に退避搬送部39a,39bに退避させることができる。そして、退避させたパチンコ機10と同種のパチンコ機10を主搬送ライン32で搬送する際に、退避させたパチンコ機10を再び回転搬送部21側に搬送し戻すことにより、搬送し戻したパチンコ機10を主搬送ライン32からのパチンコ機10とともに搬出搬送ライン37から搬出させることができる。これにより、パチンコ機10を種類ごとに仕分けして搬出することができる。なお、パチンコ機10の仕分作業は、CPU51で回転搬送部21の選択搬送動作を制御することにより行われるため、手作業による従来の仕分作業よりも効率的に仕分作業を行うことができ、仕分作業に伴う仕分けミスの発生も抑制できる。
【0129】
(2)本実施形態では、RAM58に記憶されている識別情報(識別情報I2)の内容、及び、第1識別装置52a〜52fにて識別された識別情報(識別情報I1)の内容に基づいて、主搬送ライン32上にあるパチンコ機10の搬出搬送ライン37への搬出を決定することができる(ステップS150,S335)。また、RAM58に記憶されている識別情報I2の内容、及び、識別情報I1に基づいて、主搬送ライン32上にあるパチンコ機10の退避搬送部39a,39bへの退避も決定することができる(ステップS390,S400)。よって、他のパチンコ機10が搬出搬送ライン37上になくても、RAM58に識別情報I2が記憶されていれば、主搬送ライン32上にあるパチンコ機10を、搬出搬送ライン37へ搬出したり、退避搬送部39a,39bへ退避させたりすることができる。
【0130】
(3)本実施形態では、搬送ライン32に複数の第1識別装置52a〜52fが設けられており、各第1識別装置52a〜52fを介して取得した識別情報I1に基づいて、パチンコ機10の搬送先を決定している。よって、例えば主搬送ライン32上に複数のパチンコ機10があって、主搬送ライン32の終端部にあるパチンコ機10の識別情報I1の内容が識別情報I2(特定情報)の内容と一致しない場合、主搬送ライン32の終端部以外の箇所にあるパチンコ機10の識別情報I1の内容が特定情報の内容と一致すれば(図5のステップS325参照)、主搬送ライン32の終端部にあるパチンコ機10をあらかじめ退避させることができる(図9〜図13参照)。これにより、識別情報I1の内容が特定情報の内容と一致するパチンコ機10を優先的に搬出搬送ライン37に移動させることができるため、パチンコ機10を種類ごとにまとめる作業を効率的に行うことができる。
【0131】
(4)本実施形態では、主搬送ライン32と搬出搬送ライン37とが一直線上に配置されている。このため、既に回転搬送部21の遊技機移動用ローラコンベア43の一端が主搬送ライン32の終端に近接し、遊技機移動用ローラコンベア43の他端が搬出搬送ライン37の始端に近接した状態であれば(図7など参照)、主搬送ライン32上にあるパチンコ機10を搬出搬送ライン37へ搬出する際に、特に回転搬送部21を回転させなくても済む。よって、回転搬送部21の回転頻度を減らすことができるため、CPU51による回転搬送部21の回転制御が容易になる。
【0132】
(5)本実施形態において、パチンコ機10に付与される識別情報は、重要度に応じてランク付けされた出荷先情報及びスペック情報を含んでいる。このため、例えば甲ホールに、Aスペックのパチンコ機10とBスペックのパチンコ機10とを出荷する場合(図7など参照)、Aスペックのパチンコ機10を2台、Bスペックのパチンコ機10を1台というように整列させることができる。よって、甲ホールにてパチンコ機10を設置する際に、異なるスペックのパチンコ機10が混同する(例えば、Aスペックのパチンコ機10を設置すべき場所にBスペックのパチンコ機10を設置してしまう)ことを防止できる。
【0133】
(6)本実施形態では、主搬送ライン32上に存在するパチンコ機10が遊技島への設置状態と略同じ直立状態で搬送されるため、パチンコ機10を搬送する過程で、そのままパチンコ機10に対する機能検査などを行うことができる。さらに、回転搬送部21上に存在するパチンコ機10も、上部支持レール36及び遊技機移動用ローラコンベア43により上下2箇所において支持されて直立状態となる。このことから、パチンコ機10を回転させて、パチンコ機10の表面側(遊技盤面側)及び裏面側(制御基板などが露出する側)に対する機能検査などを行うことができる。しかも、機能検査が行われる場合、パチンコ機10の姿勢が遊技島への設置状態と略同じ姿勢となるため、機能検査が行いやすくなる。
【0134】
また、搬送ライン装置31は、パチンコ機10の直立状態を保ったまま遊技機搬送用ローラコンベア44と遊技機移動用ローラコンベア43との間の受け渡しができるため、受け渡しの際にパチンコ機10の姿勢を変える姿勢変更機構が不要になる。しかも、回転搬送部21が回転するときであっても、パチンコ機10が上部支持レール36及び遊技機移動用ローラコンベア43によって支持されるため、パチンコ機10が倒れやすい直立状態であるにもかかわらず、パチンコ機10の移動及び回転をより安定的に行うことができる。さらに、パチンコ機10が安定的に支持されるため、パチンコ機10の移動及び回転を素早く行うこともできる。
【0135】
また、回転搬送部21上に存在するパチンコ機10は、上部支持レール36及び遊技機移動用ローラコンベア43によって直立状態で支持される。よって、パチンコ機10が例えば寝た状態で支持される場合に比べて、パチンコ機10の遊技機移動用ローラコンベア43に対する接地面積が小さくなるとともに、前記姿勢変更機構の設置スペースが不要になるため、省スペース化を図ることができる。
【0136】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
【0137】
・上記実施形態では、搬送ライン装置31は、一対の退避搬送部39a,39bを備えていたが、退避搬送部を1つだけ備えていてもよいし、3つ以上備えていてもよい。退避搬送部の数を少なくすれば、搬送ライン装置31を低コストで構成することができる。一方、退避搬送部の数を多くすれば、多数のパチンコ機10を退避させることができるため、退避搬送部が満杯になりにくくなる。ゆえに、退避搬送部が満杯のために新たにパチンコ機10を退避できない可能性がより低くなる。
【0138】
・上記実施形態では、主搬送ライン32に6個の第1識別装置52a〜52fが設けられていた。しかし、第1識別装置が最低2個あるならば(ステップS325の処理を実行するために最低限必要な数)、第1識別装置の数を増減させてもよい。なお、上記実施形態においてステップS325を実行させない場合には、第1識別装置は、主搬送ライン32の終端部に最低限1個あればよい。
【0139】
・上記実施形態では、第2識別装置56は搬出搬送ライン37の始端部に設けられていた。しかし、第2識別装置56を回転搬送部21に設け、回転搬送部21から搬出搬送ライン37に搬出されるパチンコ機10の識別情報を第2識別装置56によって識別するようにしてもよい。
【0140】
・上記実施形態の図8,図14の状態では、既に回転搬送部21が搬出搬送ライン37側に位置しているため、CPU51は、ステップS530にて特に回転搬送部21を回転させずに、ステップS540にて回転搬送部21上のパチンコ機10を搬出搬送ライン37上に搬出していた。しかし、CPU51は、回転搬送部21を搬出搬送ライン37側に回転(180°回転)させてから、回転搬送部21上のパチンコ機10を搬出搬送ライン37上に搬出させるようにしてもよい。なお、パチンコ機10を搬出搬送ライン37上に搬出させる際に、CPU51は、回転搬送部21へのパチンコ機10の搬入時とは逆方向に各下側ローラ22を回転させる。
【0141】
このようにすれば、回転搬送部21上のパチンコ機10の向きが他のパチンコ機10とは逆向き(例えば、図2において、他のパチンコ機10が正面(操作ハンドルなどがある側)を手前側に向けた状態で搬送されるにもかかわらず、パチンコ機10が背面(制御基板などが露出する側)を手前側に向けた状態で搬送される場合)である場合、回転搬送部21を180°回転させることで、パチンコ機10の向きを修正することができる。
【0142】
・上記実施形態では、回転搬送部21の遊技機移動用ローラコンベア43は、コンベア支持部43aを中心として平面視時計回り方向及び平面視反時計回り方向に何回転でも回転可能になっていた。しかし、回転搬送部21の遊技機移動用ローラコンベア43は、コンベア支持部43aを中心として平面視時計回り方向及び平面視反時計回り方向に90°だけ回転可能なものであってもよい。
【0143】
・上記実施形態の搬送ライン装置31は、パチンコ機10を被搬送物として搬送するようになっていた。しかし、搬送ライン装置31は、遊技盤を被搬送物として搬送するものであってもよい。
【0144】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0145】
(1)請求項2または3において、前記退避搬送部上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬送させることが前記搬送態様決定手段によって決定された場合、前記搬送制御手段は、前記退避搬送部を駆動させて前記退避搬送部上にある被搬送物を前記選択搬送手段側に搬送し戻すとともに、前記選択搬送手段を駆動させて前記選択搬送手段側に搬送し戻した被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬出させ、前記搬出搬送ラインに搬出された被搬送物の識別情報の内容を前記第2識別手段にて識別させ、その識別情報を前記記憶手段に記憶させること。
【0146】
(2)請求項2または3において、前記識別情報判定手段は、前記記憶手段に記憶されている識別情報の内容、及び、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容の少なくとも一部が一致するか否かを判定し、前記搬送態様決定手段は、前記識別情報判定手段による判定結果に基づいて、前記主搬送ライン上にある被搬送物を、前記搬出搬送ラインに搬出させるか前記退避搬送部に退避させるかを決定すること。
【0147】
(3)技術的思想(2)において、前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬出させることが前記搬送態様決定手段によって決定された場合、前記搬送制御手段は、前記選択搬送手段を駆動させて前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬出させるとともに、前記搬出搬送ラインに搬出された被搬送物の識別情報の内容を前記第2識別手段にて識別させ、その識別情報を前記記憶手段に記憶させること。
【0148】
(4)技術的思想(2)または(3)において、前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記退避搬送部に退避させることが前記搬送態様決定手段によって決定された場合、前記搬送制御手段は、前記選択搬送手段を駆動させて前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記退避搬送部に退避させるとともに、前記退避搬送部に退避させた被搬送物の識別情報の内容を前記第3識別手段にて識別させること。
【0149】
(5)請求項1乃至3のいずれか1項において、前記退避搬送部を複数備えること。
【0150】
(6)請求項1乃至3のいずれか1項において、前記選択搬送手段は、前記主搬送ラインの搬送面、前記搬出搬送ラインの搬送面及び前記退避搬送部の搬送面と同じ高さに位置する搬送面を有し、鉛直方向に延びる回転軸を中心として回転可能な構造の回転搬送部であること。
【0151】
(7)請求項1乃至3のいずれか1項において、前記主搬送ラインと前記搬出搬送ラインとが一直線上に配置されること。
【0152】
(8)請求項2または3において、前記被搬送物に付与される識別情報は、重要度に応じてランク付けされた複数種類の情報を含んでいること。
【0153】
(9)請求項2または3において、前記第1識別手段は、前記主搬送ラインにおいて所定間隔を隔てて複数設けられていること。
【0154】
(10)技術的思想(2)乃至(4)のいずれか1項において、前記選択搬送手段が、鉛直方向に延びる回転軸を中心として回転可能な回転搬送部であり、前記被搬送物が存在しない前記退避搬送部が複数ある場合、前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記退避搬送部に退避させることが前記搬送態様決定手段によって決定されたときに、前記搬送制御手段は、前記回転搬送部を駆動させて、前記被搬送物が存在しない複数の前記退避搬送部のうち、前記主搬送ライン側から前記退避搬送部側までの前記回転搬送部の回転角度が最小となる退避搬送部に、前記主搬送ライン上にある被搬送物を退避させること。
【0155】
(11)技術的思想(6)において、前記退避搬送部を単数または複数備える場合、前記主搬送ライン、前記搬出搬送ライン及び前記退避搬送部は、前記回転搬送部の回転軸を中心として互いに等角度間隔に配置されること。
【0156】
(12)技術的思想(6)において、前記回転搬送部に、前記被搬送物を搬送させる搬送手段が前記回転搬送部の径方向に沿って直線状に形成され、前記回転搬送部を前記主搬送ライン側に回転させた際に、前記搬送手段の先端と前記主搬送ラインの先端とが近接し、前記回転搬送部を前記搬出搬送ライン側に回転させた際に、前記搬送手段の先端と前記搬出搬送ラインの先端とが近接し、前記回転搬送部を前記退避搬送部側に回転させた際に、前記搬送手段の先端と前記退避搬送部の先端とが近接すること。
【0157】
(13)請求項2または3において、前記被搬送物の識別情報は、重要度が最も高い第1順位情報と、前記第1順位情報よりも重要度が低い第2順位情報とを含んでおり、前記第2識別手段にて識別された前記被搬送物の識別情報が前記記憶手段に記憶されているか否かを判定する識別情報記憶判定手段と、前記識別情報が前記記憶手段に記憶されていることが前記識別情報記憶判定手段により判定された場合、前記記憶手段から前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記第3識別手段にて前記被搬送物の識別情報の内容が識別されたか否かを判定する識別判定手段と、前記第3識別手段にて前記被搬送物の識別情報の内容が識別されたことが前記識別判定手段により判定された場合に、前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがあるか否かを判定する第1の順位情報判定手段と、前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがあると前記第1の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがあるか否かを判定する第2の順位情報判定手段と、前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがあると前記第2の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1順位情報及び前記第2順位情報を特定情報として記憶するとともに、前記特定情報と一致する識別情報が付与された被搬送物がある退避搬送部を前記指定搬送ラインとして記憶する前記記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記指定搬送ラインに基づいて、前記退避搬送部上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬出することを決定する前記搬送態様決定手段とを備えること。
【0158】
(14)技術的思想(13)において、前記第3識別手段にて前記被搬送物の識別情報の内容が識別されたことが前記識別判定手段により判定されなかった場合に、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがあるか否かを判定する第3の順位情報判定手段と、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがないと前記第3の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記主搬送ラインを前記指定搬送ラインとして記憶する前記記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記指定搬送ラインに基づいて、前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬出することを決定する前記搬送態様決定手段とを備えること。
【0159】
(15)技術的思想(13)において、前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがないと前記第1の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがあるか否かを判定する第4の順位情報判定手段と、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがないと前記第4の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記退避搬送部を前記指定搬送ラインとして記憶する前記記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記指定搬送ラインに基づいて、前記退避搬送部上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬出することを決定する前記搬送態様決定手段とを備えること。
【0160】
(16)技術的思想(13)において、前記第3識別手段にて前記被搬送物の識別情報の内容が識別されたことが前記識別判定手段により判定されなかった場合に、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがあるか否かを判定する第3の順位情報判定手段と、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがあると前記第3の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがあるか否かを判定する第5の順位情報判定手段と、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがあると前記第5の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1順位情報及び前記第2順位情報を前記特定情報として記憶するとともに、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがないと前記第5の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1順位情報を前記特定情報として記憶する前記記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記特定情報に基づいて、前記主搬送ライン上にある被搬送物の前記退避搬送部への退避を決定する前記搬送態様決定手段とを備えること。
【0161】
(17)技術的思想(13)において、前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがないと前記第1の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがあるか否かを判定する第4の順位情報判定手段と、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがあると前記第4の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがあるか否かを判定する第5の順位情報判定手段と、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがあると前記第5の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1順位情報及び前記第2順位情報を前記特定情報として記憶するとともに、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがないと前記第5の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1順位情報を前記特定情報として記憶する前記記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記特定情報に基づいて、前記主搬送ライン上にある被搬送物の前記退避搬送部への退避を決定する前記搬送態様決定手段とを備えること。
【0162】
(18)技術的思想(13)において、前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがないと前記第2の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがあるか否かを判定する第5の順位情報判定手段と、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがあると前記第5の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1順位情報及び前記第2順位情報を前記特定情報として記憶するとともに、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがないと前記第5の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1順位情報を前記特定情報として記憶する前記記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記特定情報に基づいて、前記主搬送ライン上にある被搬送物の前記退避搬送部への退避を決定する前記搬送態様決定手段とを備えること。
【0163】
(19)技術的思想(16)乃至(18)のいずれか1つにおいて、前記退避搬送部が複数設けられるとともに、前記第1識別手段が複数設けられており、前記記憶手段から前記特定情報を取得する特定情報取得手段と、前記第1識別手段にて識別された前記主搬送ラインの終端部にある被搬送物の識別情報の内容が前記特定情報に一致しないか否かを判定する識別情報内容判定手段と、前記第1識別手段にて識別された前記主搬送ラインの終端部にある被搬送物の識別情報の内容と前記特定情報とが一致しない場合に、前記第1識別手段にて識別された前記主搬送ラインの終端部以外の箇所にある被搬送物のうち、識別情報の内容が前記特定情報に一致するものがあるか否かを判定する識別可否判定手段と、前記第1識別手段にて識別された前記主搬送ラインの終端部以外の箇所にある被搬送物のうち、識別情報の内容が前記特定情報に一致するものがある場合に、前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容の有無に基づいて、前記被搬送物が存在しない前記退避搬送部の有無を確認する退避搬送部確認手段と、前記被搬送物が存在しない前記退避搬送部がある場合に、その退避搬送部を指定搬送ラインとして記憶する前記記憶手段とを備えること。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】本実施形態の搬送ライン装置を示す平面図。
【図2】図1のA−A線から見たときの搬送ライン装置を示す側面図。
【図3】搬送ライン装置のCPUにて行われる搬出処理を示すフローチャート。
【図4】搬送ライン装置のCPUにて行われる搬出実行処理を示すフローチャート。
【図5】搬送ライン装置のCPUにて行われる退避決定処理を示すフローチャート。
【図6】搬送ライン装置のCPUにて行われる退避実行処理を示すフローチャート。
【図7】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図8】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図9】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図10】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図11】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図12】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図13】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図14】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図15】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図16】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図17】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図18】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図19】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図20】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図21】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【符号の説明】
【0165】
10…被搬送物及び遊技機としてのパチンコ機
21…選択搬送手段としての回転搬送部
31…搬送ライン装置
32…主搬送ライン
37…搬出搬送ライン
39a,39b…退避搬送部
51…搬送制御手段、識別情報判定手段及び搬送態様決定手段としてのCPU
52a〜52f…第1識別手段としての第1識別装置
56…第2識別手段としての第2識別装置
58…記憶手段としてのRAM
59a,59b…第3識別手段としての第3識別装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機などに代表される遊技機や遊技盤を搬送する際などに用いられる搬送ライン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ホールから回収した遊技機をリユースすることが行われている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、回収した遊技機の部品を再利用して新たにの遊技機を製造し、その遊技機を再びホールに納入することが行われている。そして、検査ラインで合格した新品の遊技機は、仕分作業によって回収したホールごとにまとめられる。
【特許文献1】特開2002−172219号公報(図1など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、この仕分作業は通常手作業であるため、効率が良いとは言い難く、長時間の作業によって仕分けミスが生じるおそれがある。また、作業者の熟練度によって作業効率に著しい差が生じるという問題もある。
【0004】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技機などの被搬送物を効率的にかつ正確に仕分けして搬出することができる搬送ライン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、遊技機または遊技盤を被搬送物として搬送する主搬送ラインと、前記主搬送ラインの終端部近傍に配置され、複数の搬送先の中から前記被搬送物を選択的に搬送する選択搬送手段と、前記選択搬送手段の下流側に配置され、前記主搬送ラインにより搬送されてきた被搬送物を前記選択搬送手段を介して受け入れて搬出する搬出搬送ラインと、前記選択搬送手段近傍において前記搬出搬送ラインとは異なる箇所に配置され、前記主搬送ラインにより搬送されてきた被搬送物を前記選択搬送手段を介して一時的に退避させるとともに、退避させた被搬送物を再び前記選択搬送手段側に搬送し戻す退避搬送部と、前記主搬送ライン、前記搬出搬送ライン、前記退避搬送部の搬送動作を制御するとともに、前記搬出搬送ライン及び前記退避搬送部の中から選択した搬送先に前記被搬送物を搬送する前記選択搬送手段の選択搬送動作を制御する搬送制御手段とを備えたことを特徴とする搬送ライン装置をその要旨とする。
【0006】
従って、請求項1に記載の発明によると、主搬送ラインにより搬送されてきた被搬送物群に異種の被搬送物が混入していたとしても、異種の被搬送物を選択搬送手段を介して一時的に退避搬送部に退避させることができる。そして、退避させた被搬送物と同種の被搬送物を主搬送ラインで搬送する際に、退避させた被搬送物を再び選択搬送手段側に搬送し戻すことにより、搬送し戻した被搬送物を主搬送ラインからの被搬送物とともに搬出搬送ラインから搬出させることができる。これにより、被搬送物を種類ごとに仕分けして搬出することができる。なお、被搬送物の仕分作業は、搬送制御手段で選択搬送手段の選択搬送動作を制御することにより行われるため、手作業による従来の仕分作業よりも効率的に仕分作業を行うことができ、仕分作業に伴う仕分けミスの発生も抑制できる。
【0007】
ここで、選択搬送手段は、複数の搬送先の中から前記被搬送物を選択的に搬送可能な構成を有するものであれば適宜利用可能である。選択搬送手段としては、例えば、被搬送物を把持して搬送するロボットハンドなどが挙げられる。
【0008】
なお、前記選択搬送手段は、前記主搬送ラインの搬送面、前記搬出搬送ラインの搬送面及び前記退避搬送部の搬送面と同じ高さに位置する搬送面を有し、鉛直方向に延びる回転軸を中心として回転可能な構造の回転搬送部であることが好ましい。
【0009】
このようにすれば、選択搬送手段の搬送面が、主搬送ライン、搬出搬送ライン及び退避搬送部の搬送面と同じ高さに位置しており、選択搬送手段が鉛直方向に延びる回転軸を中心として回転するため、選択搬送手段の選択搬送動作を行う際に、選択搬送手段を上下方向に動かさなくても済む。しかも、選択搬送手段と主搬送ラインとのつなぎ目、選択搬送手段と搬出搬送ラインとのつなぎ目、及び、選択搬送手段と退避搬送部とのつなぎ目に段差が生じなくなる。よって、選択搬送手段の選択搬送動作をスムーズに行うことができる。
【0010】
また、選択搬送手段の搬送面が、主搬送ライン、搬出搬送ライン及び退避搬送部の搬送面と同じ高さに位置するため、選択搬送手段と主搬送ラインとの間、選択搬送手段と搬出搬送ラインとの間、及び、選択搬送手段と退避搬送部との間で被搬送物を移動させる際に、被搬送物の姿勢を変えなくても済む。さらには、被搬送物を直立状態で搬送することもできる。また、選択搬送手段は回転搬送部であるため、被搬送物が直立状態で搬送される場合に、回転搬送部上において被搬送物を回転させることにより、被搬送物の表面側及び裏面側に対する作業を行うことができる。
【0011】
回転搬送部は、例えば、回転搬送部を回転させる回転駆動手段と、被搬送物を支持する複数の転動体とを含んでいる。転動体を含む回転搬送部としては、回転搬送部に所定間隔を隔てて回転可能に設けられ、被搬送物が載置される複数のローラと、ローラを駆動させるモータなどのアクチュエータとからなるものなどが挙げられる。また、回転搬送部に所定間隔を隔てて回転可能に設けられる複数のローラと、複数のローラに巻回され、被搬送物を支持するベルト部材と、ローラを駆動させるモータなどのアクチュエータとからなるもの(いわゆる「ベルトコンベア」)などが挙げられる。
【0012】
なお、退避搬送部を単数または複数備え、選択搬送手段が回転搬送部である場合、前記主搬送ライン、前記搬出搬送ライン及び前記退避搬送部は、前記回転搬送部の回転軸を中心として互いに等角度間隔に配置されることが好ましい。このようにすれば、回転搬送部を等角度ずつ回転させることで、回転搬送部を主搬送ライン側、搬出搬送ライン側及び退避搬送部側のいずれかに回転させることができるため、搬送制御手段による回転搬送部の回転制御が容易になる。
【0013】
なお、前記主搬送ラインと前記搬出搬送ラインとの配置態様は特に限定されないが、一直線上に配置されることが好ましい。このようにすれば、主搬送ラインにより搬送されてきた被搬送物が、向きを変えずに選択搬送手段を介して搬出搬送ラインに搬送されるため、被搬送物をスムーズに搬送できる。
【0014】
また、退避搬送部は、被搬送物を選択搬送手段を介して一時的に退避させるとともに、退避させた被搬送物を再び選択搬送手段側に搬送し戻す機構を含んでいる。この機構としては、例えば、被搬送物を支持する複数の転動体などが挙げられる。転動体を含む退避搬送部としては、退避搬送部に所定間隔を隔てて回転可能に設けられ、被搬送物が載置される複数のローラと、ローラを駆動させるモータなどのアクチュエータとからなるものなどが挙げられる。また、退避搬送部に所定間隔を隔てて回転可能に設けられる複数のローラと、複数のローラに巻回され、被搬送物を支持するベルト部材と、ローラを駆動させるモータなどのアクチュエータとからなるもの(いわゆる「ベルトコンベア」)などが挙げられる。
【0015】
なお、退避搬送部は、搬送ライン装置に1つだけ設けられていてもよいし、複数設けられていてもよい。また、退避搬送部は、被搬送物を1台だけ退避させるものであってもよいが、被搬送物を複数台退避させるものであってもよい。このようにすれば、退避搬送部の数を増やさなくても、多数の被搬送物を退避させることができる。
【0016】
また、前記退避搬送部を複数備えることが好ましい。このようにすれば、退避搬送部を複数備えることにより、例えば、主搬送ラインにより搬送されてきた被搬送物群に異種の被搬送物が複数混入していたとしても、異種の被搬送物の全てを退避搬送部に退避させやすくなる。また、退避搬送部ごとに同種の被搬送物を退避させることができる。即ち、被搬送物の種類に応じて被搬送物を退避させる退避搬送部を決定できるため、被搬送物をより細かく仕分けすることができる。
【0017】
なお、選択搬送手段が前記回転搬送部であり、前記被搬送物が存在しない前記退避搬送部が複数ある場合、被搬送物を退避搬送部に退避させる態様としては、前記被搬送物が存在しない複数の前記退避搬送部のうち、前記主搬送ライン側から前記退避搬送部側までの前記回転搬送部の回転角度が最小となる退避搬送部に、前記主搬送ライン上にある被搬送物を退避させることなどが挙げられる。このようにすれば、主搬送ライン上にある被搬送物を退避搬送部に退避させる時間と、退避搬送部上にある被搬送物を搬出搬送ラインに搬送させる時間とが短くて済むため、仕分作業をより効率的に行うことができる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記被搬送物に、同被搬送物の種類を識別するための識別情報が付与されており、前記主搬送ライン上にある被搬送物の識別情報の内容を識別する第1識別手段と、前記搬出搬送ラインの始端部または選択搬送手段にある被搬送物の識別情報の内容を識別する第2識別手段と、前記第2識別手段にて識別された識別情報を記憶する記憶手段と、前記退避搬送部上にある被搬送物の識別情報の内容を識別する第3識別手段とを備え、前記搬送制御手段は、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容、及び、前記記憶手段に記憶されている識別情報の内容の少なくとも一部が一致するか否かを判定するとともに、前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容、及び、前記記憶手段に記憶されている識別情報の内容の少なくとも一部が一致するか否かを判定する識別情報判定手段と、前記識別情報判定手段による判定結果に基づいて、前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬送させるか前記退避搬送部上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬送させるかを決定する搬送態様決定手段とを備えることをその要旨とする。
【0019】
従って、請求項2に記載の発明によると、主搬送ライン、搬出搬送ライン、退避搬送部及び選択搬送手段の搬送制御手段による制御が、第1識別手段、第2識別手段及び第3識別手段にて識別した被搬送物の識別情報の内容に基づいて行われる。これにより、被搬送物の種類や被搬送物の位置(即ち、どういった種類の被搬送物がどこにあるか)などを正確に知ることができるため、被搬送物の仕分作業がより正確に行われる。よって、仕分けミスの発生をより確実に抑制することができる。
【0020】
さらに、例えば、第1識別手段にて識別された識別情報の内容、及び、記憶手段に記憶されている識別情報の内容の少なくとも一部が一致する場合に、主搬送ライン上にある被搬送物の搬出搬送ラインへの搬送を決定することができる。また、第3識別手段にて識別された識別情報の内容、及び、記憶手段に記憶されている識別情報の内容の少なくとも一部が一致する場合に、退避搬送部上にある被搬送物の搬出搬送ラインへの搬送を決定することができる。よって、搬出搬送ラインへの被搬送物の搬送により、搬出搬送ライン上にある被搬送物に異種の被搬送物が混入することを防止できる。
【0021】
また、被搬送物に識別情報が付与されているため、かかる識別情報が付与されていない場合に比べて、識別情報に基づいて容易かつ正確に判別できる。
【0022】
しかも、搬出搬送ラインを最後に通過した被搬送物の識別情報を、第2識別手段にて識別して記憶手段に記憶することができるため、既に通過して搬出搬送ライン上に被搬送物が存在していなくても、記憶手段に記憶されている識別情報に基づいて、識別情報判定手段による判定を行うことができる。
【0023】
ここで、識別情報としては、出荷先(ホール)を示す出荷先情報、スペック(大当り確率、賞球数など)を示すスペック情報などが挙げられる。また、前記被搬送物に付与される識別情報は、重要度に応じてランク付けされた複数種類の情報を含んでいることが好ましい。具体的には、識別情報が、仕分作業において最も重要度が高い前記出荷先情報と、出荷先情報よりも重要度が低い前記スペック情報とを含むことが考えられる。このようにすれば、被搬送物を大分類にまとめた上で、さらに中分類や小分類にまとめることができる。例えば、まず出荷先情報により被搬送物を大分類(例えば、甲ホールグループ、乙ホールグループ、丙ホールグループ)にまとめた上で、次にスペック情報により、大分類(例えば、甲ホールグループ)の被搬送物を中分類(例えば、甲ホールAタイプグループ、甲ホールBタイプグループ、甲ホールCタイプグループ)にまとめることができる。従って、出荷時における被搬送物の数、種類の確認が容易になる。
【0024】
なお、被搬送物に識別情報を付与する態様としては、識別情報の内容を記載したシールを被搬送物に貼付することや、識別情報の内容をバーコード化または二次元コード化して表示したシールを被搬送物に貼付することなどが挙げられる。また、識別情報の内容を記憶した磁気テープを被搬送物に貼付することや、識別情報の内容を記憶したマイクロチップを被搬送物に埋設することなどが挙げられる。
【0025】
また、第1識別手段、第2識別手段及び第3識別手段としては、識別情報の内容がバーコード化または二次元コード化されている場合、識別情報の内容を撮像するCCDカメラなどが挙げられる。さらに、識別情報の内容が磁気テープに記憶されている場合、識別情報の内容を読み取る磁気読取ヘッドなどが挙げられる。また、識別情報の内容がマイクロチップに記憶されている場合、マイクロチップから送信された信号(識別情報の内容を含む信号)を受信する受信装置などが挙げられる。
【0026】
なお、第1識別手段は、主搬送ラインに複数設けられていることが好ましい。このようにすれば、主搬送ライン上にある被搬送物の識別情報の内容を特定の第1識別手段にて識別できなかったとしても、他の第1識別手段にて識別することができる。従って、主搬送ライン上にある被搬送物の識別情報の内容を、複数の第1識別手段によって確実に識別することができる。さらに、第1識別手段は、主搬送ラインにおいて所定間隔を隔てて複数設けられていることが好ましい。このようにすれば、主搬送ラインにより搬送されてきた被搬送物群に異種の被搬送物が混入している場合に、異種の被搬送物がどのタイミングで選択搬送手段に搬送されてくるかを予想することができる。
【0027】
なお、識別情報が既に記憶手段に記憶されている場合に、記憶手段が前記第2識別手段にて識別された識別情報を新たに記憶する態様としては、例えば既に記憶されている識別情報を記憶手段から消去しておいて、新たに第2識別手段にて識別された識別情報を記憶手段に記憶させることや、記憶手段に既に記憶されている識別情報に新たな識別情報を上書きすることなどが挙げられる。このようにすれば、識別情報が新たに記憶される度に不要となった過去の識別情報が消去されていくため、記憶手段が容量不足となることを防止できる。
【0028】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容、及び、前記記憶手段に記憶されている識別情報の内容の少なくとも一部が一致するとともに、前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容、及び、前記記憶手段に記憶されている識別情報の内容の少なくとも一部が一致することが前記識別情報判定手段によって判定された場合、前記搬送態様決定手段は、前記主搬送ラインから前記搬出搬送ラインへの前記被搬送物の搬送よりも、前記退避搬送部から前記搬出搬送ラインへの前記被搬送物の搬送を優先させる制御を行うことをその要旨とする。
【0029】
本来であれば、上記の判定結果のときには退避搬送部から搬出搬送ラインへの被搬送物の搬送よりも、主搬送ラインから搬出搬送ラインへの被搬送物の搬送を優先させてもよいが、請求項3に記載の発明では、退避搬送部から搬出搬送ラインへの被搬送物の搬送が優先される。これにより、退避搬送部上にある被搬送物は、短期間で搬出搬送ラインに搬送されるようになるため、退避搬送部が満杯になりにくくなる。ゆえに、退避搬送部が満杯のために新たに被搬送物を退避できない可能性が低くなる。
【0030】
また、前記退避搬送部上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬送させることが前記搬送態様決定手段によって決定された場合、前記搬送制御手段は、前記退避搬送部を駆動させて前記退避搬送部上にある被搬送物を前記選択搬送手段側に搬送し戻すとともに、前記選択搬送手段を駆動させて前記選択搬送手段側に搬送し戻した被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬出させ、前記搬出搬送ラインに搬出された被搬送物の識別情報の内容を前記第2識別手段にて識別させ、その識別情報を前記記憶手段に記憶させることが好ましい。
【0031】
このようにすれば、被搬送物が退避搬送部から搬出搬送ラインに搬出された際に、搬出された被搬送物の識別情報が新たに記憶手段に記憶される。そして、新たに記憶された識別情報に基づいて、退避搬送部から搬出搬送ラインに搬出された被搬送物と同種の被搬送物を、主搬送ラインから搬出搬送ラインに搬出させることができる。また、退避搬送部を複数備える場合に、被搬送物が1つの退避搬送部から搬出搬送ラインに搬出されたときも、搬出された被搬送物の識別情報が新たに記憶手段に記憶される。そして、新たに記憶された識別情報に基づいて、退避搬送部から搬出搬送ラインに搬出された被搬送物と同種の被搬送物を、別の退避搬送部から搬出搬送ラインに搬出させることができる。ゆえに、搬出搬送ライン上にある被搬送物の種類が変更された際に仕分けミスが発生する可能性を低くすることができる。
【0032】
また、前記識別情報判定手段は、前記記憶手段に記憶されている識別情報の内容、及び、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容の少なくとも一部が一致するか否かを判定し、前記搬送態様決定手段は、前記識別情報判定手段による判定結果に基づいて、前記主搬送ライン上にある被搬送物を、前記搬出搬送ラインに搬出させるか前記退避搬送部に退避させるかを決定することが好ましい。
【0033】
このようにすれば、例えば、記憶手段に記憶されている識別情報の内容、及び、第1識別手段にて識別された識別情報の内容の少なくとも一部が一致する場合に、主搬送ライン上にある被搬送物の搬出搬送ラインへの搬出を決定することができる。また、記憶手段に記憶されている識別情報の内容、及び、第1識別手段にて識別された識別情報の内容の少なくとも一部が一致しない場合に、主搬送ライン上にある被搬送物の退避搬送部への退避を決定することができる。よって、異種の被搬送物が混入した被搬送物群がそのまま搬出搬送ラインから搬出される可能性を小さくすることができる。
【0034】
また、前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬出させることが前記搬送態様決定手段によって決定された場合、前記搬送制御手段は、前記選択搬送手段を駆動させて前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬出させるとともに、前記搬出搬送ラインに搬出された被搬送物の識別情報の内容を前記第2識別手段にて識別させ、その識別情報を前記記憶手段に記憶させることが好ましい。
【0035】
このようにすれば、主搬送ライン上にある被搬送物の識別情報の内容、及び、搬出搬送ライン上にある被搬送物の識別情報の内容の少なくとも一部が一致するか否かにかかわらず、主搬送ライン上にある被搬送物が搬出搬送ラインに搬出されると、搬送制御手段は、被搬送物の識別情報の内容を第2識別手段にて識別させ、その識別情報を記憶手段に記憶させる。これにより、搬出搬送ライン上にある被搬送物の識別情報の内容と記憶手段に記憶されている識別情報の内容とが異なる可能性が小さくなるため、仕分けミスが発生する可能性がよりいっそう小さくなる。
【0036】
また、前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記退避搬送部に退避させることが前記搬送態様決定手段によって決定された場合、前記搬送制御手段は、前記選択搬送手段を駆動させて前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記退避搬送部に退避させるとともに、前記退避搬送部に退避させた被搬送物の識別情報の内容を前記第3識別手段にて識別させることが好ましい。
【0037】
このようにすれば、退避搬送部に退避させた被搬送物の識別情報の内容を第3識別手段にて識別させることにより、退避搬送部上の被搬送物の有無も認識することができる。このため、新たに別の被搬送物を退避搬送部に退避させる際に、退避させる被搬送物と既に退避搬送部上にある被搬送物との衝突を回避することができる。
【発明の効果】
【0038】
以上詳述したように、請求項1〜3に記載の発明によれば、被搬送物を効率的にかつ正確に仕分けして搬出することができる搬送ライン装置を提供することができる。
【0039】
特に、請求項2に記載の発明によれば、仕分ミスの発生がより少なくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明を、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)を搬送する際に用いられる搬送ライン装置として具体化した一実施形態を図1〜図21に基づき説明する。
(1)搬送ライン装置31全体の概略構成
【0041】
図1,図2に示されるように、搬送ライン装置31では、矢印F1方向にパチンコ機10(被搬送物及び遊技機)を直立状態で搬送する作業が行われるようになっている。搬送ライン装置31は、パチンコ機10を複数台同時に並べて支持可能な長さを有しており、数m〜十数mの全長を有している。そして、パチンコ機10を搬送する過程では、パチンコ機10に対する機能検査などが行われる。
【0042】
一方、パチンコ機10の底面10aには、遊技機識別用シールが貼付されている。遊技機識別用シールには、パチンコ機10の種類を識別するための識別情報が二次元コード化されて表示されている。なお、二次元コードの具体例としては、QRコード(株式会社デンソーウェーブの登録商標)が挙げられる。識別情報は、重要度に応じてランク付けされた複数種類の情報を含んでいる。本実施形態において、識別情報は、パチンコ機10の出荷先を示す出荷先情報(第1順位情報)と、パチンコ機10のスペックを示すスペック情報(第2順位情報)とを含んでいる。なお、出荷先情報は、パチンコ機10の仕分けにおいて重要度が最も高い情報であり、スペック情報は、出荷先情報よりも重要度が低い情報である。
【0043】
図2に示されるように、搬送ライン装置31は、パチンコ機10を搭載可能なライン本体33と、そのライン本体33を支持するベースフレーム34とを備えている。このベースフレーム34の高さは、ライン本体33に搭載されたパチンコ機10が作業者の腰から胸の間に位置するような高さに設定されている。
【0044】
図1,図2に示されるように、搬送ライン装置31は、主搬送ライン32、搬出搬送ライン37、回転搬送部21(選択搬送手段)及び一対の退避搬送部39a,39bによって構成されている。主搬送ライン32及び搬出搬送ライン37は、搬送方向(矢印F1方向)に沿って一直線上に配置されており、搬送機能を有している。回転搬送部21は、主搬送ライン32と搬出搬送ライン37との間に配置されており、搬送機能に加え回転機能を有している。両退避搬送部39a,39bは、回転搬送部21近傍において主搬送ライン32及び搬出搬送ライン37とは異なる箇所に配置されており、搬送機能を有している(図1参照)。具体的に言うと、退避搬送部39aは、図2において回転搬送部21の手前側に配置され、退避搬送部39bは、図2において回転搬送部21の奥側に配置されている。そして、両退避搬送部39a,39bは、搬送方向と直交する方向に沿って一直線上に配置されている。
(2)主搬送ライン32
【0045】
図2に示されるように、主搬送ライン32は、複数のコンベア支持部44bによって支持された遊技機搬送用ローラコンベア44を備えている。遊技機搬送用ローラコンベア44には、複数の下側ローラ61が、所定間隔を隔てて回転可能に配設されている。各下側ローラ61は、いずれも同一の高さに配置されており、パチンコ機10の搬送方向に沿って一直線上に配置されている。そして、各下側ローラ61の周面は、遊技機搬送用ローラコンベア44にパチンコ機10が搭載された際に、パチンコ機10の底面10aに接触するようになっている。そして、各下側ローラ61は、パチンコ機10の搬送時に転動して同パチンコ機10のスムーズな移動を促すようになっている。
【0046】
図1,図2に示されるように、各下側ローラ61は、回転駆動モータ48などのアクチュエータによって回転駆動されるようになっている。具体的には、各下側ローラ61は、下側ローラ61に巻回された図示しないタイミングベルトなどの動力伝達機構により、一体的に回転駆動される。
【0047】
一方、図2に示されるように、遊技機搬送用ローラコンベア44の上方にある上側フレーム45には、搬送方向に延びる断面コ字状のレール46が設けられている。レール46は、パチンコ機10の上部の厚さよりも若干幅広(例えば1〜2cm)に形成されており、パチンコ機10の上部を挿入した状態でパチンコ機10が倒れないように支持している。
【0048】
従って、こうした遊技機搬送用ローラコンベア44に搭載されたパチンコ機10は、底面10aが前記下側ローラ61によって支持されるとともに、上部がレール46によって支持される。このため、下側ローラ61が回転すると、パチンコ機10は、上部及び下部が支持された状態で図1,図2の矢印F1方向(即ち搬送方向)に搬送される。これにより、搬送時におけるパチンコ機10の転倒が防止される。
【0049】
図1,図2に示されるように、主搬送ライン32には、複数(本実施形態では6個)の第1識別装置52a〜52f(第1識別手段)が設けられている。各第1識別装置52a〜52fは、主搬送ライン32の延びる方向に沿って所定間隔を隔てて設けられており、各下側ローラ61間に配置されている。本実施形態において、各第1識別装置52a〜52fは、主搬送ライン32上にあるパチンコ機10を撮像するCCDカメラである。第1識別装置52a〜52fは、パチンコ機10に貼付された前記遊技機識別用シールを撮像して、遊技機識別用シールに付与されたパチンコ機10の識別情報の内容(前記出荷先情報及び前記スペック情報)を画像データとして出力するようになっている。
(3)搬出搬送ライン37
【0050】
前記搬出搬送ライン37は、回転搬送部21の下流側に配置されており、主搬送ライン32により搬送されてきたパチンコ機10を前記回転搬送部21を介して受け入れて搬出するようになっている。この搬出搬送ライン37は、主搬送ライン32と略同一の構成を有している。
【0051】
図1,図2に示されるように、搬出搬送ライン37には、第2識別装置56(第2識別手段)が設けられている。第2識別装置56は、搬出搬送ライン37の始端部において、搬出搬送ライン37の遊技機搬送用ローラコンベア44を構成する下側ローラ61間に配置されている。本実施形態において、第2識別装置56は、搬出搬送ライン37上にあるパチンコ機10を撮像するCCDカメラであり、前記第1識別装置52a〜52fと同様のものが用いられている。第2識別装置56は、パチンコ機10に貼付された前記遊技機識別用シールを撮像して、遊技機識別用シールに付与されたパチンコ機10の識別情報の内容(前記出荷先情報及び前記スペック情報)を画像データとして出力するようになっている。
(4)退避搬送部39a,39b
【0052】
前記退避搬送部39a,39bは、主搬送ライン32により搬送されてきたパチンコ機10を回転搬送部21を介して一時的に退避させるとともに、退避させたパチンコ機10を再び回転搬送部21側に搬送し戻すようになっている。これら退避搬送部39a,39bは、主搬送ライン32及び搬出搬送ライン37と略同一の構成を有している(図2参照)。即ち、退避搬送部39a,39bは、遊技機搬送用ローラコンベア44及び前記レール46などを備えている。
【0053】
図1に示されるように、退避搬送部39aには第3識別装置59a(第3識別手段)が設けられ、退避搬送部39bには第3識別装置59b(第3識別手段)が設けられている。第3識別装置59aは、退避搬送部39aの遊技機搬送用ローラコンベア44を構成する下側ローラ61間に配置されており、第3識別装置59bは、退避搬送部39bの遊技機搬送用ローラコンベア44を構成する下側ローラ61間に配置されている。本実施形態において、第3識別装置59a,59bは、退避搬送部39a,39b上にあるパチンコ機10を撮像するCCDカメラであり、前記第1識別装置52a〜52f及び前記第2識別装置56と同様のものが用いられている。第3識別装置59a,59bは、パチンコ機10に貼付された前記遊技機識別用シールを検知して、遊技機識別用シールに付与されたパチンコ機10の識別情報の内容(前記出荷先情報及び前記スペック情報)を画像データとして出力するようになっている。なお、第3識別装置59a,59bによって識別される識別情報の内容は、出荷先情報及びスペック情報だけではなく、退避搬送部39a,39b上にパチンコ機10が存在するか否かを示す情報も含んでいる。
(5)回転搬送部21
【0054】
図1,図2に示されるように、前記回転搬送部21は、前記主搬送ライン32、前記搬出搬送ライン37及び退避搬送部39a,39bと同様の搬送機能を有している。さらに、回転搬送部21は、主搬送ライン32の搬送方向に対して角度をなすように回転することにより搬出搬送ライン37及び退避搬送部39a,39bの中からパチンコ機10の搬送先を選択する機能を有している。回転搬送部21は、主搬送ライン32の終端部近傍であって、搬出搬送ライン37及び退避搬送部39a,39bの始端部近傍に配置されている。回転搬送部21は、主搬送ライン32の搬送面、搬出搬送ライン37の搬送面及び退避搬送部39a,39bの搬送面と同じ高さに位置する搬送面を有している。図2に示されるように、回転搬送部21は、上部支持レール36、遊技機移動用ローラコンベア43及びフレーム部材35などを備えている。上部支持レール36は、フレーム部材35に取り付けられるとともに、中央部が支持軸47の基端に接続されている。なお、支持軸47は、先端部が前記上側フレーム45を挿通しており、上側フレーム45に対して回転可能になっている。また、上部支持レール36は、断面コ字状をなし、遊技機移動用ローラコンベア43の上方に設けられている。上部支持レール36は、パチンコ機10の上部の厚さよりも若干幅広(例えば1〜2cm)に形成されており、パチンコ機10の上部を挿入した状態でパチンコ機10が倒れないように支持している。即ち、上部支持レール36は、前記レール46と略同様の構成をなしている。
【0055】
また、フレーム部材35には、パチンコ機10を搬送させる遊技機移動用ローラコンベア43(搬送手段)が回転搬送部21の径方向に沿って直線状に形成されている。これにより、遊技機移動用ローラコンベア43は、フレーム部材35の回転に伴い、同フレーム部材35に取り付けられた上部支持レール36と同じ角度だけ回転する。また、遊技機移動用ローラコンベア43は、パチンコ機10が搬送可能な状態でパチンコ機10の下部を支持するようになっている。詳述すると、遊技機移動用ローラコンベア43には、複数の下側ローラ22が、所定間隔を隔てて回転可能に配設されている。なお、本実施形態において、各下側ローラ22は、前記遊技機搬送用ローラコンベア44に設けられた前記下側ローラ61と同一のものである。
【0056】
図1,図2に示されるように、各下側ローラ22は、回転駆動モータ49などのアクチュエータによって回転駆動されるようになっている。回転駆動モータ49は、遊技機移動用ローラコンベア43においてコンベア支持部43aの側方に配置されている。具体的には、各下側ローラ22は、下側ローラ22に巻回され、回転駆動モータ49によって駆動される図示しないタイミングベルトなどの動力伝達機構により、一体的に回転駆動される。
【0057】
また、図2に示されるように、遊技機移動用ローラコンベア43は、コンベア支持部43aに支持されており、鉛直方向に延びるコンベア支持部43aの回転軸を中心として回転可能な構造となっている。コンベア支持部43aは、遊技機移動用ローラコンベア43の中央部分に設けられている。コンベア支持部43aは、前記ベースフレーム34によって支持されており、回転駆動モータ54によって回転駆動されるようになっている。回転駆動モータ54は、コンベア支持部43aの側部に設けられており、図示しないギヤなどを介してコンベア支持部43aを駆動するようになっている。また、遊技機移動用ローラコンベア43は、回転前の状態において、一端が前記主搬送ライン32の遊技機搬送用ローラコンベア44の終端に近接するとともに、他端が前記搬出搬送ライン37の遊技機搬送用ローラコンベア44の始端に近接している。遊技機移動用ローラコンベア43の端部と遊技機搬送用ローラコンベア44の端部との間隔は、回転時に遊技機移動用ローラコンベア43が遊技機搬送用ローラコンベア44に接触しない程度であって、パチンコ機10が落下しない程度に設定されている。
【0058】
なお、図1に示されるように、前記回転搬送部21は、コンベア支持部43aを中心として平面視時計回り方向及び平面視反時計回り方向に何回転でも回転可能になっている。そして、回転搬送部21を搬出搬送ライン37側に回転(遊技機移動用ローラコンベア43を搬送方向に対して180°回転)させると、遊技機移動用ローラコンベア43の一端と搬出搬送ライン37の始端とが近接するとともに、遊技機移動用ローラコンベア43の他端と主搬送ライン32の終端とが近接する。さらに、回転搬送部21を退避搬送部39a,39b側に回転(遊技機移動用ローラコンベア43を搬送方向に対して90°回転)させると、遊技機移動用ローラコンベア43の一端と退避搬送部39aの先端とが近接するとともに、遊技機移動用ローラコンベア43の他端と退避搬送部39bの先端とが近接する。
(6)搬送ライン装置31の電気的構成
【0059】
図1に示されるように、搬送ライン装置31はCPU51(搬送制御手段)を備えている。CPU51は、主搬送ライン32、搬出搬送ライン37及び退避搬送部39a,39bの搬送動作を制御するようになっている。具体的には、CPU51は、主搬送ライン32の前記回転駆動モータ48、搬出搬送ライン37の回転駆動モータ48、及び退避搬送部39bの回転駆動モータ48に対して各々モータドライバ回路(図示略)を介して接続され、それらの駆動を制御するようになっている。また、CPU51は、回転搬送部21の選択搬送動作(搬出搬送ライン37及び退避搬送部39a,39bの中から選択した搬送先にパチンコ機10を搬送する動作)を制御するようになっている。具体的には、CPU51は、モータドライバ回路を介して前記回転駆動モータ49及び前記回転駆動モータ54の駆動を制御するようになっている。
【0060】
また、CPU51は、パチンコ機10の移動先を振り分けるプログラムをメモリに記憶させるようになっている。例えば、CPU51は、主搬送ライン32上にあるパチンコ機10の出荷先が搬出搬送ライン37上にあるパチンコ機10の出荷先とは異なる場合に主搬送ライン32上にあるパチンコ機10を退避搬送部39aに移動させるプログラムを、メモリに記憶させるようになっている。また、CPU51には、キーボード55及びディスプレイ57が接続されている。キーボード55は、パチンコ機10の出荷計画などの情報をCPU51に入力するためのものである。また、キーボード55は、前記プログラムに基づいて主搬送ライン32上にあるパチンコ機10を退避搬送部39aに移動させるときの条件となるデータをCPU51に入力するためのものである。ディスプレイ57は、主搬送ライン32の遊技機搬送用ローラコンベア44上に存在するパチンコ機10の数、搬出搬送ライン37の遊技機搬送用ローラコンベア44上に存在するパチンコ機10の数、退避搬送部39a,39b上にパチンコ機10が存在するか否かなどを表示するようになっている。なお、ディスプレイ57は、搬送ライン装置31の動作状態を簡略化した平面図(図3参照)を表示してもよいし、搬送ライン装置31での異常の発生を示すマークを表示してもよい。
【0061】
また、CPU51には、記憶手段としてのRAM58(図1参照)が接続されている。RAM58には、前記第2識別装置56から出力された前記画像データが含む識別情報の内容が記憶されるようになっている。
【0062】
さらに、CPU51は、モータドライバ回路を介して前記各回転駆動モータ48の回転駆動を制御するようになっている。具体的に言うと、CPU51は、回転搬送部21の遊技機移動用ローラコンベア43が搬送方向に対して角度をなす回転位置にある場合(0°,180°ではない場合、即ち、搬送方向に対して平行ではない場合)に、主搬送ライン32の前記遊技機搬送用ローラコンベア44にある回転駆動モータ48を停止させるようになっている。これにより、前記各下側ローラ61が停止して、主搬送ライン32上のパチンコ機10が停止する。また、CPU51は、遊技機移動用ローラコンベア43が搬送方向に対して平行となる回転位置にある場合(0°,180°である場合)に、退避搬送部39a,39bの遊技機搬送用ローラコンベア44にある回転駆動モータ48を停止させるようになっている。これにより、各下側ローラ61が停止して、退避搬送部39a,39b上のパチンコ機10が停止する。
【0063】
次に、搬送ライン装置31によるパチンコ機10の仕分方法を図3〜図21を参照して説明する。なお、説明の便宜上、第1識別装置52a〜52fにて識別された識別情報を識別情報I1、第2識別装置56にて識別された識別情報を識別情報I2、第3識別装置59a,59bにて識別された識別情報を識別情報I3とする。また、図7〜図21において、パチンコ機10に付与された符号「甲A」は、パチンコ機10の出荷先が甲ホールであることを示し、パチンコ機10のスペックがAタイプであることを示している。符号「甲B」は、出荷先が甲ホール、スペックがBタイプであることを示し、符号「甲C」は、出荷先が甲ホール、スペックがCタイプであることを示している。さらに、符号「乙B」は、出荷先が乙ホール、スペックがBタイプであることを示し、符号「乙C」は、出荷先が乙ホール、スペックがCタイプであることを示している。なお、各出荷先は、識別情報に含まれる前記出荷先情報の内容と一致し、各スペックは、識別情報に含まれる前記スペック情報の内容と一致している。
【0064】
以下、搬送ライン装置31のCPU51によって行われる処理(搬出処理)について説明する。例えば、図7に示されるように、主搬送ライン32上を複数のパチンコ機10が搬送されてくると、図3に示されるステップS100の処理において、CPU51は、第1識別装置52aを介して、主搬送ライン32の終端部にあるパチンコ機10(甲A)の識別情報I1を取得する。具体的に言うと、CPU51は、第1識別装置52aから出力された画像データが含む識別情報I1を取得する。なお、主搬送ライン32上にある他のパチンコ機10の識別情報I1は、第1識別装置52b〜52fによって取得されるものとする。そして、CPU51は、ステップS110の処理へ移行する。
【0065】
ステップS110において、CPU51は、RAM58に前記識別情報I2が記憶されているか否かを判定する。即ち、CPU51は、『識別情報記憶判定手段』としての機能を有している。なお、図7では、パチンコ機10が搬出搬送ライン37上を通過する前の状態であるため、RAM58に識別情報I2は記憶されていない。このため、CPU51は、ステップS110の判定を「NO」として、ステップS130の処理へ移行する。
【0066】
ステップS130において、CPU51は、第3識別装置59a,59bの少なくとも一方を介して前記識別情報I3を取得しているか否か、即ち、退避搬送部39a,39bの少なくとも一方にパチンコ機10があるか否かを判定する。図7の状態では、退避搬送部39a,39bのどちらにもパチンコ機10がないため、CPU51は、識別情報I3を取得していないと判定して(ステップS130:N)、ステップS150の処理へ移行する。ステップS150において、CPU51は、主搬送ライン32を指定搬送ラインとしてRAM58に記憶する。これにより、主搬送ライン32上にあるパチンコ機10(甲A)を搬出搬送ライン37に搬出させることが決定される。その後、CPU51は、ステップS270の処理(搬出実行処理)へ移行する。
【0067】
次に、ステップS270において、CPU51は、図4に示すサブルーチンを実行する。図4のサブルーチンは、ステップS500〜S570の処理からなる。ステップS500において、CPU51は、モータドライバ回路を介して回転搬送部21が有する回転駆動モータ54を回転駆動して、回転搬送部21を指定搬送ライン(主搬送ライン32)側に回転させる。具体的には、回転搬送部21の遊技機移動用ローラコンベア43の一端を主搬送ライン32の終端に近接させる。しかし、図7の状態では、既に回転搬送部21が主搬送ライン32側に位置しているため、CPU51は、特に回転搬送部21を回転させずに、ステップS510の処理へ移行する。
【0068】
ステップS510において、CPU51は、指定搬送ライン(主搬送ライン32)上のパチンコ機10(甲A)を回転搬送部21上に移動させる。具体的には、CPU51は、モータドライバ回路を介して主搬送ライン32が有する回転駆動モータ48を駆動させて各下側ローラ61を回転させる。それとともに、CPU51は、モータドライバ回路を介して回転搬送部21が有する回転駆動モータ49を駆動させて、各下側ローラ22を各下側ローラ61と同方向に回転させ、主搬送ライン32の遊技機搬送用ローラコンベア44から回転搬送部21にパチンコ機10(甲A)を搬入する(図8参照)。それに伴い、パチンコ機10(甲A)の直後にあるパチンコ機10(甲B)が、主搬送ライン32の終端部に搬送される。そして、ステップS520において、CPU51は、RAM58に記憶されている指定搬送ラインを消去して、ステップS525の処理へ移行する。ステップS525において、CPU51は、RAM58に記憶されている特定情報を消去する。しかし、この時点では、RAM58に何ら特定情報が記憶されていないため、特定情報の消去を行わずに、ステップS530の処理へ移行する。そして、ステップS530において、CPU51は、モータドライバ回路を介して回転搬送部21の回転駆動モータ54を回転駆動して、回転搬送部21を搬出搬送ライン37側に回転させる。具体的には、回転搬送部21の遊技機移動用ローラコンベア43の一端を搬出搬送ライン37の始端に近接させる。しかし、図8の状態では、既に回転搬送部21が搬出搬送ライン37側に位置しているため、CPU51は、特に回転搬送部21を回転させずに、ステップS540の処理へ移行する。ステップS540において、CPU51は、モータドライバ回路を介して回転搬送部21が有する回転駆動モータ49を駆動させて、各下側ローラ22を回転させる。これにより、パチンコ機10が回転搬送部21の遊技機移動用ローラコンベア43から搬出搬送ライン37上に搬出される(図9参照)。
【0069】
そして、ステップS560において、CPU51は、第2識別装置56を介して、搬出搬送ライン37上に搬出されたパチンコ機10(甲A)の識別情報I2を取得する。具体的に言うと、CPU51は、第2識別装置56から出力された画像データが含む識別情報I2を取得する。そして、CPU51は、識別情報I2をRAM58に記憶させ、ステップS570の処理へ移行する。ステップS570において、CPU51は、搬出搬送ライン37の搬送を開始させてパチンコ機10(甲A)を搬出し、本サブルーチンを終了する。
【0070】
ここで、図4に示されるサブルーチンが終了すると、CPU51は、図3に示される前記ステップS270の処理を終了し、ここでの処理(搬出処理)を終了する。
【0071】
次に、主搬送ライン32の終端部にあるパチンコ機10(甲B)の搬送先を決定する。即ち、前記ステップS100の処理において、CPU51は、パチンコ機10(甲B,乙B,甲A,乙C)の識別情報I1を取得して、ステップS110の処理へ移行する。ここで、識別情報I2は、前記ステップS560においてRAM58に記憶されているため、CPU51は、ステップS110の判定を「YES」として、ステップS120の処理へ移行する。
【0072】
ステップS120において、CPU51は、RAM58から識別情報I2を取得する。即ち、CPU51は、『識別情報取得手段』としての機能を有している。そして、ステップS160において、CPU51は、第3識別装置59a,59bの少なくとも一方が前記識別情報I3を取得しているか、即ち、退避搬送部39a上及び退避搬送部39b上の少なくとも一方にパチンコ機10があるか否かを判定する。即ち、CPU51は、『識別判定手段』としての機能を有している。なお、図9では、退避搬送部39a上にも退避搬送部39b上にもパチンコ機10がないため、第3識別装置59aも第3識別装置59bも識別情報I3を取得できない。このため、CPU51は、ステップS160の判定を「NO」として、ステップS180の処理へ移行する。
【0073】
ステップS180において、CPU51は、識別情報I2の内容と前記識別情報I1の内容とで、出荷先情報(識別情報の内容の少なくとも一部)が一致するものがあるか否かを判定する。即ち、CPU51は、『第3の順位情報判定手段』としての機能を有している。なお、図9の状態では、識別情報I2はパチンコ機10(甲A)のものであり、識別情報I1はパチンコ機10(甲B,乙B,甲A,乙C)のものである。よって、出荷先が同じ甲ホールとなるものが存在するため、出荷先情報が一致するものがあると判定される(ステップS180:Y)。このため、CPU51は、ステップS210の処理へ移行する。なお、仮に出荷先情報が一致するものがないと判定されれば(ステップS180:N)、CPU51は、ステップS150の処理へ移行する。
【0074】
ステップS210において、CPU51は、識別情報I2の内容と識別情報I1の内容とで、出荷先情報に加えて前記スペック情報も一致するものがあるか否かを判定する。即ち、CPU51は、『第5の順位情報判定手段』としての機能を有している。なお、図9の状態では、識別情報I2はパチンコ機10(甲A)のものであり、識別情報I1はパチンコ機10(甲B,乙B,甲A,乙C)のものである。よって、スペックが同じAタイプとなるものが存在するため、スペック情報が一致するものがあると判定される(ステップS210:Y)。この場合、CPU51は、ステップS250の処理へ移行する。そして、ステップS250において、CPU51は、識別情報I2の出荷先情報及びスペック情報の両方を特定情報としてRAM58に記憶し、ステップS260の処理(退避決定処理)へ移行する。
【0075】
ステップS260において、CPU51は、図5に示すサブルーチンを実行する。図5のサブルーチンは、ステップS300〜S420の処理からなる。ステップS300において、CPU51は、RAM58から特定情報(出荷先情報及びスペック情報)を取得する。即ち、CPU51は、『特定情報取得手段』としての機能を有している。
【0076】
そして、ステップS320において、CPU51は、第1識別装置52aにて取得した識別情報I1が、特定情報と一致しないか否かを判定する。即ち、CPU51は、『識別情報内容判定手段』としての機能を有している。なお、図9の状態では、識別情報I1はパチンコ機10(甲B)のものであり、特定情報に含まれる出荷先情報は、出荷先が甲ホールとなることを示す情報であるため、出荷先は同じ甲ホールとなる。しかし、特定情報に含まれるスペック情報は、Aスペックであることを示す情報であるため、スペック情報は一致しない。従って、識別情報I1は特定情報と一致しないと判定される(ステップS320:Y)。このため、CPU51は、ステップS325の処理へ移行する。
【0077】
ステップS325において、CPU51は、第1識別装置52b〜52fを介して取得したパチンコ機10の識別情報I1の内容のうち、特定情報と一致するものがあるか否かを判定する。換言すると、CPU51は、主搬送ライン32の終端部以外の箇所にあるパチンコ機10のうち、識別情報I1の内容が特定情報に一致するものがあるか否かを判定する。即ち、CPU51は、『識別可否判定手段』としての機能を有している。図9の状態では、第1識別装置52cによって識別されたパチンコ機10(甲A)の識別情報I1が特定情報に一致する。よって、取得した識別情報I1の内容のうち、特定情報と一致するものがあると判定されるため(ステップS325:Y)、CPU51は、ステップS350の処理へ移行する。
【0078】
ステップS350において、CPU51は、前記第3識別装置59aを介して取得した識別情報I3に基づいて、退避搬送部39aに空きがあるか否かを判定する。換言すると、CPU51は、識別情報I3の有無に基づいて、パチンコ機10が存在しない退避搬送部39aの有無を確認する。即ち、CPU51は、『退避搬送部確認手段』としての機能を有している。なお、図9の状態では、退避搬送部39aに空きがあるため(ステップS350:Y)、CPU51は、ステップS390の処理へ移行する。
【0079】
ステップS390において、CPU51は、退避搬送部39aを指定搬送ラインとしてRAM58に記憶する。これにより、主搬送ライン32上にあるパチンコ機10を退避搬送部39aに退避させることが決定される。その後、CPU51は、本サブルーチンを終了する。
【0080】
ここで、図5に示されるサブルーチンが終了すると、CPU51は、図3に示されるステップS280の処理(退避実行処理)へ移行する。ステップS280において、CPU51は、図6に示すサブルーチンを実行する。図6のサブルーチンは、ステップS600〜S650の処理からなる。ステップS600において、CPU51は、モータドライバ回路を介して回転搬送部21の回転駆動モータ54を回転駆動して、回転搬送部21を主搬送ライン32側に回転させる。具体的には、回転搬送部21の遊技機移動用ローラコンベア43の一端を主搬送ライン32の終端に近接させる。しかし、図9の状態では、既に回転搬送部21が主搬送ライン32側に位置しているため、CPU51は、特に回転搬送部21を回転させずに、ステップS610の処理へ移行する。
【0081】
ステップS610において、CPU51は、主搬送ライン32上のパチンコ機10を回転搬送部21上に移動させる。具体的には、主搬送ライン32が有する回転駆動モータ48を駆動させて各下側ローラ61を回転させるとともに、回転搬送部21が有する回転駆動モータ49を駆動させて各下側ローラ22を各下側ローラ61と同方向に回転させ、主搬送ライン32の遊技機搬送用ローラコンベア44から回転搬送部21にパチンコ機10を移動させる(図10参照)。それに伴い、パチンコ機10(甲B)の直後にあるパチンコ機10(乙B)が、主搬送ライン32の終端部に搬送される。次に、ステップS620において、CPU51は、モータドライバ回路を介して回転駆動モータ54を回転駆動して、回転搬送部21を指定搬送ライン(退避搬送部39a)側に回転(平面視時計回り方向に90°回転)させる(図11参照)。そして、ステップS630において、CPU51は、モータドライバ回路を介して回転搬送部21が有する回転駆動モータ49を駆動させて各下側ローラ22を回転させ、回転搬送部21の遊技機移動用ローラコンベア43から退避搬送部39a上にパチンコ機10を退避させて、ステップS640の処理へ移行する。ステップS640において、CPU51は、RAM58に記憶されている指定搬送ライン(退避搬送部39a)を消去して、ステップS650の処理へ移行する。さらに、ステップS650において、CPU51は、RAM58に記憶されている特定情報(出荷先情報及びスペック情報)を消去して、本サブルーチンを終了する。
【0082】
ここで、図6に示されるサブルーチンが終了すると、CPU51は、図3に示される前記ステップS280の処理を終了し、ここでの処理(搬出処理)を終了する。
【0083】
次に、主搬送ライン32の終端部にあるパチンコ機10(乙B)の搬送先を決定する。即ち、前記ステップS100の処理において、CPU51は、パチンコ機10(乙B,甲A,乙C)の識別情報I1を取得して、ステップS110の処理へ移行する。ここで、識別情報I2は、前記ステップS560においてRAM58に記憶されているため、CPU51は、ステップS110の判定を「YES」として、前記ステップS120の処理へ移行する。
【0084】
そして、CPU51は、ステップS120においてRAM58から識別情報I2を取得して、前記ステップS160の処理へ移行する。ここで、図11の状態では、退避搬送部39aにパチンコ機10があるため、第3識別装置59aが識別情報I3を取得することができる。このため、CPU51は、ステップS160の判定を「YES」として、ステップS170の処理へ移行する。
【0085】
ステップS170において、CPU51は、取得した識別情報I3の内容と識別情報I2の内容とで、出荷先情報(識別情報の内容の少なくとも一部)が一致するものがあるか否かを判定する。即ち、CPU51は、『識別情報判定手段』及び『第1の順位情報判定手段』としての機能を有している。なお、図11の状態では、識別情報I3はパチンコ機10(甲B)のものであり、識別情報I2はパチンコ機10(甲A)のものである。よって、出荷先は同じ甲ホールとなり、取得した識別情報I3の内容と識別情報I2の内容とで、出荷先情報が一致するものがあると判定される(ステップS170:Y)。このため、CPU51はステップS200の処理へ移行する。
【0086】
ステップS200において、CPU51は、識別情報I2の内容と識別情報I3の内容とで、出荷先情報に加えてスペック情報が一致するものがあるか否かを判定する。即ち、CPU51は、『第2の順位情報判定手段』としての機能を有している。なお、図11の状態では、識別情報I2はパチンコ機10(甲A)のものであり、識別情報I3はパチンコ機10(甲B)のものである。よって、パチンコ機10(甲A)のスペックはAタイプとなり、パチンコ機10(甲B)のスペックはBタイプとなるため、スペック情報が一致するものがないと判定される(ステップS200:N)。この場合、CPU51は前記ステップS210の処理へ移行する。
【0087】
なお、仮にスペック情報が一致するものがあれば(ステップS200:Y)、CPU51は、ステップS220の処理へ移行する。ステップS220において、CPU51は、識別情報I2の出荷先情報及びスペック情報を、特定情報としてRAM58に記憶し、ステップS240の処理へ移行する。ステップS240において、CPU51は、特定情報と一致する識別情報を付されたパチンコ機10のある退避搬送部を指定搬送ラインとして記憶する。これにより、退避搬送部39a上または退避搬送部39b上にあるパチンコ機10を搬出搬送ライン37に搬送させることが決定される。即ち、CPU51は、『搬送態様決定手段』としての機能を有している。その後、CPU51は、前記ステップS270の処理へ移行する。
【0088】
また、本実施形態では、退避搬送部39a上及び退避搬送部39b上の少なくとも一方にパチンコ機10があると判定されると(ステップS160:Y)、識別情報I2の内容と識別情報I1の内容とが一致するか否かを判定するのではなく、識別情報I2の内容と識別情報I3の内容とが一致するか否かを判定している(ステップS170,S200)。そして、識別情報I2の内容と識別情報I3の内容とが一致していれば、退避搬送部39a(または退避搬送部39b)上にあるパチンコ機10を搬出搬送ライン37に搬送させることが決定されるようになっている(ステップS240)。このことから、CPU51は、主搬送ライン32から搬出搬送ライン37へのパチンコ機10の搬送よりも退避搬送部39a(または退避搬送部39b)から搬出搬送ライン37へのパチンコ機10の搬送を優先させる制御を行っている。
【0089】
前記ステップS210において、CPU51は、識別情報I2の内容と識別情報I1の内容とで、前記出荷先情報に加えて前記スペック情報が一致するものがあるか否かを判定する。なお、図11の状態では、識別情報I2はパチンコ機10(甲A)のものであり、識別情報I1はパチンコ機10(乙B,甲A,乙C)のものである。よって、出荷先が同じ甲ホールのものが存在するため、出荷先情報が一致するものがあると判定される。また、スペックが同じAタイプのものが存在するため、スペック情報も一致するものがあると判定される(ステップS210:Y)。このため、CPU51は、前記ステップS250にて識別情報I2の出荷先情報及びスペック情報の両方を特定情報としてRAM58に記憶した後、前記ステップS260の処理へ移行し、図5に示すサブルーチンの前記ステップS300の処理へ移行する。
【0090】
そして、CPU51は、ステップS300にてRAM58から特定情報(出荷先情報及びスペック情報)を取得してステップS320の処理へ移行する。ここで、図11の状態では、第1識別装置52aにて取得される識別情報I1はパチンコ機10(乙B)のものであり、識別情報I1に含まれる出荷先情報は、出荷先が乙ホールとなることを示す情報である。一方、特定情報に含まれる出荷先情報は、出荷先が甲ホールとなることを示す情報である。このため、出荷先情報は一致しない。また、識別情報I1に含まれるスペック情報は、スペックがBスペックであることを示す情報である。一方、特定情報に含まれるスペック情報は、スペックがAスペックであることを示す情報である。このため、スペック情報も一致しない。従って、識別情報I1は特定情報と一致しないと判定される(ステップS320:Y)。このため、CPU51は、前記ステップS325の処理へ移行する。
【0091】
ステップS325において、CPU51は、第1識別装置52b〜52fを介して取得したパチンコ機10の識別情報I1の内容のうち、特定情報と一致するものがあるか否かを判定する。図11の状態では、第1識別装置52bによって識別されたパチンコ機10(甲A)の識別情報I1が特定情報に一致する。よって、取得した識別情報I1の内容のうち、特定情報と一致するものがあると判定されるため(ステップS325:Y)、CPU51は、前記ステップS350の処理へ移行する。
【0092】
そして、図11の状態では、退避搬送部39aに空きがないため、CPU51は、ステップS350の判定を「NO」として、ステップS360の処理へ移行する。ステップS360において、CPU51は、前記第3識別装置59bを介して取得した識別情報I3に基づいて、退避搬送部39bに空きがあるか否かを判定する。換言すると、CPU51は、識別情報I3の有無に基づいて、パチンコ機10が存在しない退避搬送部39bの有無を確認する。なお、図11の状態では、退避搬送部39bに空きがあるため(ステップS360:Y)、CPU51は、ステップS400の処理へ移行する。そして、ステップS400において、CPU51は、退避搬送部39bを指定搬送ラインとしてRAM58に記憶する。これにより、主搬送ライン32上にあるパチンコ機10(乙B)を退避搬送部39bに退避させることが決定される。その後、CPU51は、前記ステップS280の処理へ移行し、図6に示すサブルーチンの前記ステップS600の処理へ移行する。
【0093】
なお、仮に退避搬送部39bに空きがない、即ち、退避搬送部39a,39bが満杯である場合(ステップS360:N)、CPU51は、ステップS410の処理へ移行する。ステップS410において、CPU51は、搬送ライン装置31を停止(前記回転駆動モータ48及び前記回転駆動モータ49の駆動を停止)して、ステップS420の処理へ移行する。そして、ステップS420においてブザーなどの報知手段を作動させて、作業者に搬送ライン装置31の停止を報知する。
【0094】
そして、CPU51は、前記ステップS600にて回転搬送部21を主搬送ライン32側に回転させ、前記ステップS610にて主搬送ライン32上のパチンコ機10を回転搬送部21上に移動させる(図12参照)。それに伴い、パチンコ機10(乙B)の直後のパチンコ機10(甲A)が、主搬送ライン32の終端部に搬送される。次に、前記ステップS620において、CPU51は、回転搬送部21を指定搬送ライン(退避搬送部39b)側に回転(平面視反時計回り方向に90°回転)させて(図13参照)、前記ステップS630の処理へ移行する。ステップS630において、CPU51は、回転搬送部21の遊技機移動用ローラコンベア43から退避搬送部39b上にパチンコ機10を退避させて、前記ステップS640の処理へ移行する。次に、CPU51は、ステップS640にてRAM58に記憶されている指定搬送ラインを消去し、前記ステップS650にてRAM58に記憶されている特定情報(出荷先情報)を消去する。そして、CPU51は、図3に示される前記ステップS280の処理を終了し、ここでの処理(搬出処理)を終了する。
【0095】
次に、主搬送ライン32の終端部にあるパチンコ機10(甲A)の搬送先を決定する。即ち、前記ステップS100の処理において、CPU51は、パチンコ機10(甲A,乙C)の識別情報I1を取得して、前記ステップS110の処理へ移行する。ここで、識別情報I2は、前記ステップS560においてRAM58に記憶されているため、CPU51は、ステップS110の判定を「YES」として、前記ステップS120の処理へ移行する。
【0096】
そして、CPU51は、ステップS120においてRAM58から識別情報I2を取得して、前記ステップS160の処理へ移行する。ここで、図13の状態では、退避搬送部39a,39bの両方にパチンコ機10があるため、第3識別装置59a,59bの両方が識別情報I3を取得することができる。このため、CPU51は、前記ステップS160の判定を「YES」として、前記ステップS170の処理へ移行する。
【0097】
ステップS170において、CPU51は、取得した識別情報I3の内容と識別情報I2の内容とで、出荷先情報が一致するものがあるか否かを判定する。なお、図13の状態では、識別情報I3は、パチンコ機10(甲B)またはパチンコ機10(乙B)のものであり、識別情報I2はパチンコ機10(甲A)のものである。よって、パチンコ機10(甲B)の出荷先とパチンコ機10(甲A)の出荷先とが同じ甲ホールとなり、識別情報I3の内容と識別情報I2の内容とで、出荷先情報が一致するものがあると判定される。このため、CPU51は、ステップS170の判定を「YES」として、前記ステップS200の処理へ移行する。
【0098】
さらに、ステップS200において、CPU51は、識別情報I2の内容と識別情報I3の内容とで、スペック情報が一致するものがあるか否かを判定する。なお、図13の状態では、識別情報I2はパチンコ機10(甲A)のものであり、識別情報I3はパチンコ機10(甲B,乙B)のものである。よって、パチンコ機10(甲A)のスペックはAタイプとなり、パチンコ機10(甲B,乙B)のスペックはBタイプとなるため、識別情報I2と識別情報I3とで、スペック情報が一致するものがないと判定される(ステップS200:N)。このため、CPU51は、前記ステップS210の処理へ移行する。
【0099】
ステップS210において、CPU51は、識別情報I2の内容と識別情報I1の内容とで、前記出荷先情報に加えてスペック情報が一致するものがあるか否かを判定する。なお、図13の状態では、識別情報I2及び識別情報I1は、どちらもパチンコ機10(甲A)のものである。よって、出荷先は同じ甲ホールとなり、出荷先情報が一致するものがあると判定される。また、スペックは同じAタイプとなり、スペック情報も一致するものがあると判定される(ステップS210:Y)。このため、CPU51は、ステップS250において識別情報I2の出荷先情報及びスペック情報の両方を特定情報としてRAM58に記憶する。その後、CPU51は、前記ステップS260の処理へ移行し、図5に示すサブルーチンの前記ステップS300の処理へ移行する。
【0100】
そして、CPU51は、ステップS300にてRAM58から特定情報(出荷先情報及びスペック情報)を取得して、ステップS320の処理へ移行する。ここで、図13の状態では、第1識別装置52aにて取得した識別情報I1、及び、特定情報は、同じパチンコ機10(甲A)のものである。よって、出荷先情報及びスペック情報の両方が一致するため、識別情報I1は特定情報と一致すると判定される(ステップS320:N)。このため、CPU51は、ステップS330の処理へ移行する。そして、CPU51は、ステップS330にてRAM58から識別情報I2を取得し、ステップS335にて主搬送ライン32を指定搬送ラインとしてRAM58に記憶する。これにより、主搬送ライン32上にあるパチンコ機10(甲A)を搬出搬送ライン37に搬送させることが決定される。その後、CPU51は、前記ステップS270の処理へ移行し、図4に示すサブルーチンの前記ステップS500の処理へ移行する。
【0101】
次に、CPU51は、ステップS500にて回転搬送部21を指定搬送ライン(主搬送ライン32)側に回転させ、前記ステップS510にて主搬送ライン32上のパチンコ機10を回転搬送部21上に移動させる(図14参照)。それに伴い、パチンコ機10(甲A)の直後にあるパチンコ機10(乙C)が、主搬送ライン32の終端部に搬送される。そして、CPU51は、前記ステップS520にてRAM58に記憶されている指定搬送ラインを消去し、前記ステップS525にてRAM58に記憶されている特定情報(出荷先情報及びスペック情報)を消去する。さらに、前記ステップS530において、CPU51は、モータドライバ回路を介して回転駆動モータ54を回転駆動して、回転搬送部21を搬出搬送ライン37側に回転させる。しかし、図14では、既に回転搬送部21が搬出搬送ライン37側に位置しているため、CPU51は、特に回転搬送部21を回転させずに、前記ステップS540の処理へ移行する。ステップS540において、CPU51は、モータドライバ回路を介して回転搬送部21が有する回転駆動モータ49を駆動させて、各下側ローラ22を回転させる。これにより、パチンコ機10が回転搬送部21の遊技機移動用ローラコンベア43から搬出搬送ライン37上に搬出される(図15参照)。その結果、2台のパチンコ機10(甲A)が連続して搬出搬送ライン37から搬出されるようになる。
【0102】
そして、CPU51は、前記ステップS560において、第2識別装置56を介して識別情報I2を取得して、その識別情報I2をRAM58に記憶させる。さらに、CPU51は、前記ステップS570にて搬出搬送ライン37の搬送を開始させてパチンコ機10(甲A)を搬出した後、図3に示される前記ステップS270の処理を終了し、ここでの処理(搬出処理)を終了する。
【0103】
次に、主搬送ライン32の終端部にあるパチンコ機10(乙C)の搬送先を決定する。即ち、前記ステップS100の処理において、CPU51は、パチンコ機10(乙C)の識別情報I1を取得して、前記ステップS110の処理へ移行する。ここで、識別情報I2は、前記ステップS560においてRAM58に記憶されているため、CPU51は、ステップS110の判定を「YES」として、前記ステップS120の処理へ移行する。
【0104】
そして、CPU51は、ステップS120においてRAM58から識別情報I2を取得して、前記ステップS160の処理へ移行する。ここで、図15の状態では、退避搬送部39a,39bの両方にパチンコ機10があるため、第3識別装置59a,59bの両方が識別情報I3を取得することができる。このため、CPU51は、前記ステップS160の判定を「YES」として、前記ステップS170の処理へ移行する。
【0105】
ステップS170において、CPU51は、取得した識別情報I3の内容と識別情報I2の内容とで、出荷先情報が一致するものがあるか否かを判定する。なお、図15の状態では、識別情報I3は、パチンコ機10(甲B)またはパチンコ機10(乙B)のものであり、識別情報I2はパチンコ機10(甲A)のものである。よって、パチンコ機10(甲B)の出荷先とパチンコ機10(甲A)の出荷先とが同じ甲ホールとなり、識別情報I3の内容と識別情報I2の内容とで、出荷先情報が一致するものがあると判定される。このため、CPU51は、ステップS170の判定を「YES」として、前記ステップS200の処理へ移行する。
【0106】
さらに、ステップS200において、CPU51は、識別情報I2の内容と識別情報I3の内容とで、スペック情報が一致するものがあるか否かを判定する。なお、図15の状態では、識別情報I2はパチンコ機10(甲A)のものであり、識別情報I3はパチンコ機10(甲B,乙B)のものである。よって、パチンコ機10(甲A)のスペックはAタイプとなり、パチンコ機10(甲B,乙B)のスペックはBタイプとなるため、識別情報I2と識別情報I3とで、スペック情報が一致するものがないと判定される(ステップS200:N)。このため、CPU51は、前記ステップS210の処理へ移行する。
【0107】
ステップS210において、CPU51は、識別情報I2の内容と識別情報I1の内容とで、スペック情報が一致するものがあるか否かを判定する。なお、図15の状態では、識別情報I2はパチンコ機10(甲A)のものであり、識別情報I1はパチンコ機10(乙C)のものである。よって、パチンコ機10(甲A)のスペックはAタイプ、パチンコ機10(乙C)のスペックはCタイプとなり、スペック情報が一致するものがないと判定される(ステップS210:N)。このため、CPU51は、ステップS230において識別情報I2の出荷先情報のみを特定情報としてRAM58に記憶する。その後、CPU51は、前記ステップS260の処理へ移行し、図5に示すサブルーチンの前記ステップS300の処理へ移行する。
【0108】
そして、CPU51は、ステップS300にてRAM58から特定情報(出荷先情報)を取得して、ステップS320の処理へ移行する。ここで、図15の状態では、第1識別装置52aにて取得した識別情報I1はパチンコ機10(乙C)のものであり、特定情報はパチンコ機10(甲A)のものである。よって、パチンコ機10(乙C)の出荷先はCホールとなり、パチンコ機10(甲A)の出荷先はAホールとなるため、識別情報I1は特定情報と一致しないと判定される(ステップS320:Y)。このため、CPU51は、ステップS325の処理へ移行する。
【0109】
ステップS325において、CPU51は、第1識別装置52b〜52fを介して取得したパチンコ機10の識別情報I1の内容のうち、特定情報と一致するものがあるか否かを判定する。図15の状態では、第1識別装置52b〜52fを介してパチンコ機10の識別情報I1のうち、特定情報に一致するものはないため(ステップS325:N)、CPU51は、ステップS326の処理へ移行する。そして、CPU51は、ステップS326にてRAM58から識別情報I2を取得して、ステップS327の処理へ移行する。
【0110】
ステップS327において、CPU51は、前記第3識別装置59a,59bを介して取得した識別情報I3に基づいて、退避搬送部39a,39bの少なくとも一方に空きがあるか否かを判定する。図15の状態では、退避搬送部39a,39bのどちらにも空きがないため(ステップS327:N)、CPU51は、図3に示すステップS140の処理へ移行する。なお、仮に退避搬送部39a,39bの少なくとも一方に空きがあれば(ステップS327:Y)、CPU51は、図3に示すステップS150の処理へ移行する。
【0111】
ステップS140において、CPU51は、パチンコ機10がある退避搬送部39a(または退避搬送部39b)を指定搬送ラインとしてRAM58に記憶する。なお、本実施形態では、退避搬送部39a,39bの両方にパチンコ機10がある場合(図15参照)、CPU51は、退避搬送部39aを指定搬送ラインとしてRAM58に記憶する。これにより、退避搬送部39a上にあるパチンコ機10を搬出搬送ライン37に搬送させることが決定される。その後、CPU51は、前記ステップS270の処理へ移行し、図4に示すサブルーチンの前記ステップS500の処理へ移行する。
【0112】
ステップS500において、CPU51は、回転搬送部21を指定搬送ライン(退避搬送部39a)側に回転させる(図16参照)。そして、CPU51は、ステップS510にて退避搬送部39aのパチンコ機10を回転搬送部21上に搬送し戻す。さらに、CPU51は、ステップS520にてRAM58に記憶されている指定搬送ライン(退避搬送部39a)を消去し、ステップS525にてRAM58に記憶されている特定情報を消去する。しかし、特定情報は、前回のステップS525の処理にて既に消去されているため、CPU51は、特定情報の消去を行わずに、ステップS530の処理へ移行する。そして、CPU51は、ステップS530にて回転搬送部21を搬出搬送ライン37側に回転させ、ステップS540にて回転搬送部21上のパチンコ機10(甲B)を搬出搬送ライン37上に搬出させる(図17参照)。
【0113】
そして、CPU51は、ステップS560にて第2識別装置56を介して識別情報I2を取得し、その識別情報をRAM58に記憶させる。さらに、CPU51は、ステップS570において搬出搬送ライン37の搬送を開始させてパチンコ機10(甲B)を搬出し、本サブルーチンを終了する。その後、CPU51は、図3に示される前記ステップS270の処理を終了し、ここでの処理(搬出処理)を終了する。
【0114】
さらに、CPU51は、搬出処理を再び実行する。即ち、CPU51は、前記ステップS100〜前記ステップS120の処理を実行し、前記ステップS160の処理へ移行する。ここで、図17の状態では、退避搬送部39bのみにパチンコ機10があるため、第3識別装置59bのみが識別情報I3を取得していると判定して(ステップS160:Y)、前記ステップS170の処理へ移行する。
【0115】
ステップS170において、CPU51は、取得した識別情報I3の内容と識別情報I2の内容とで、出荷先情報が一致するか否かを判定する。なお、図17の状態では、識別情報I3はパチンコ機10(乙B)のものであり、識別情報I2はパチンコ機10(甲B)のものである。よって、パチンコ機10(乙B)の出荷先(乙ホール)とパチンコ機10(甲B)の出荷先(甲ホール)とが異なり、識別情報I3と識別情報I2とで、出荷先情報が一致しないと判定される。このため、CPU51は、ステップS170の判定を「NO」として、ステップS190の処理へ移行する。
【0116】
さらに、ステップS190において、CPU51は、識別情報I2の内容と識別情報I1の内容とで、出荷先情報が一致するか否かを判定する。即ち、CPU51は、『第4の順位情報判定手段』としての機能を有している。なお、図17の状態では、識別情報I2はパチンコ機10(甲B)のものであり、識別情報I1はパチンコ機10(乙C)のものである。よって、パチンコ機10(甲B)の出荷先(甲ホール)とパチンコ機10(乙C)の出荷先(乙ホール)とが異なるため、識別情報I2と識別情報I1とで、出荷先情報は一致しないと判定される(ステップS190:N)。このため、CPU51は、ステップS140の処理へ移行する。なお、仮に出荷先情報が一致すると判定されれば、CPU51は、ステップS140の処理へ移行する。
【0117】
ステップS140において、CPU51は、パチンコ機10がある退避搬送部39bを指定搬送ラインとしてRAM58に記憶する。これにより、退避搬送部39b上にあるパチンコ機10を搬出搬送ライン37に搬送させることが決定される。その後、CPU51は、前記ステップS270の処理へ移行し、図4に示すサブルーチンの前記ステップS500の処理へ移行する。
【0118】
ステップS500において、CPU51は、回転搬送部21を指定搬送ライン(退避搬送部39b)側に回転させる(図18参照)。そして、CPU51は、前記ステップS510にて退避搬送部39bのパチンコ機10を回転搬送部21上に搬送し戻す。さらに、CPU51は、前記ステップS520〜前記ステップS540の処理を行い、回転搬送部21上のパチンコ機10(乙B)を搬出搬送ライン37上に搬出させる(図19参照)。
【0119】
そして、CPU51は、ステップS560にて第2識別装置56を介して識別情報I2を取得し、その識別情報I2をRAM58に記憶させる。さらに、CPU51は、ステップS570において搬出搬送ライン37の搬送を開始させてパチンコ機10(乙B)を搬出し、本サブルーチンを終了する。その後、CPU51は、図3に示される前記ステップS270の処理を終了し、ここでの処理(搬出処理)を終了する。
【0120】
さらに、CPU51は、搬出処理をもう1度実行する。即ち、CPU51は、前記ステップS100〜前記ステップS120の処理を実行し、前記ステップS160の処理へ移行する。ここで、図19の状態では、退避搬送部39a,39bのどちらにもパチンコ機10がないため、第3識別装置59a,59bのどちらも識別情報I3を取得していないと判定して(ステップS160:N)、前記ステップS180の処理へ移行する。
【0121】
ステップS180において、CPU51は、識別情報I2の内容と前記識別情報I1の内容とで、出荷先情報が一致するものがあるか否かを判定する。なお、図19の状態では、識別情報I2はパチンコ機10(乙B)のものであり、識別情報I1はパチンコ機10(乙C)のものである。よって、出荷先は同じ乙ホールとなり、出荷先情報が一致するものがあると判定される(ステップS180:Y)。このため、CPU51は、ステップS210の処理へ移行する。
【0122】
ステップS210において、CPU51は、識別情報I2の内容と識別情報I1の内容とで、出荷先情報に加えて前記スペック情報が一致するものがあるか否かを判定する。なお、図19の状態では、識別情報I2はパチンコ機10(乙B)のものであり、識別情報I1はパチンコ機10(乙C)のものである。よって、パチンコ機10(乙B)のスペックはBタイプ、パチンコ機10(乙C)のスペックはCタイプとなり、スペック情報が一致するものがないと判定される(ステップS210:N)。このため、CPU51は、ステップS230の処理へ移行する。そして、ステップS230において、CPU51は、識別情報の出荷先情報のみを特定情報としてRAM58に記憶する。その後、CPU51は、前記ステップS260の処理へ移行し、図5に示すサブルーチンの前記ステップS300の処理へ移行する。
【0123】
ステップS300において、CPU51は、RAM58から特定情報(出荷先情報)を取得する。そして、前記ステップS320において、CPU51は、第1識別装置52aにて取得した識別情報I1が特定情報と一致しないか否かを判定する。なお、図19の状態では、識別情報I1はパチンコ機10(乙C)のものであり、特定情報に含まれる出荷先情報は、出荷先が乙ホールとなることを示す情報であるため、出荷先は同じ乙ホールとなる。従って、識別情報I1は特定情報と一致すると判定される(ステップS320:N)。このため、CPU51は、ステップS330の処理へ移行する。
【0124】
そして、CPU51は、ステップS330にてRAM58から識別情報I2を取得し、ステップS335にて主搬送ライン32を指定搬送ラインとしてRAM58に記憶する。これにより、主搬送ライン32上にあるパチンコ機10(乙C)を搬出搬送ライン37に搬送させることが決定される。その後、CPU51は、前記ステップS270の処理へ移行し、図4に示すサブルーチンの前記ステップS500の処理へ移行する。
【0125】
ステップS500において、CPU51は、回転搬送部21を指定搬送ライン(主搬送ライン32)側に回転させる。しかし、図19では、既に回転搬送部21が主搬送ライン32側に位置しているため、CPU51は、特に回転搬送部21を回転させずに、前記ステップS510の処理へ移行する。そして、CPU51は、ステップS510にて主搬送ライン32上のパチンコ機10を回転搬送部21上に移動させる(図20参照)。さらに、CPU51は、前記ステップS520〜前記ステップS540の処理を行い、回転搬送部21上のパチンコ機10(乙C)を搬出搬送ライン37上に搬出させる(図21参照)。
【0126】
そして、CPU51は、前記ステップS560にて第2識別装置56を介して識別情報I2を取得し、その識別情報I2をRAM58に記憶させる。さらに、CPU51は、前記ステップS570において搬出搬送ライン37の搬送を開始させてパチンコ機(乙C)を搬出し、本サブルーチンを終了する。その後、CPU51は、図3に示される前記ステップS270の処理を終了し、ここでの処理(搬出処理)を終了する。これにより、搬送ライン装置31によるパチンコ機10の仕分けが終了する。
【0127】
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
【0128】
(1)本実施形態の搬送ライン装置31によれば、主搬送ライン32により搬送されてきたパチンコ機10群に異種のパチンコ機10が混入していたとしても、異種のパチンコ機10を回転搬送部21を介して一時的に退避搬送部39a,39bに退避させることができる。そして、退避させたパチンコ機10と同種のパチンコ機10を主搬送ライン32で搬送する際に、退避させたパチンコ機10を再び回転搬送部21側に搬送し戻すことにより、搬送し戻したパチンコ機10を主搬送ライン32からのパチンコ機10とともに搬出搬送ライン37から搬出させることができる。これにより、パチンコ機10を種類ごとに仕分けして搬出することができる。なお、パチンコ機10の仕分作業は、CPU51で回転搬送部21の選択搬送動作を制御することにより行われるため、手作業による従来の仕分作業よりも効率的に仕分作業を行うことができ、仕分作業に伴う仕分けミスの発生も抑制できる。
【0129】
(2)本実施形態では、RAM58に記憶されている識別情報(識別情報I2)の内容、及び、第1識別装置52a〜52fにて識別された識別情報(識別情報I1)の内容に基づいて、主搬送ライン32上にあるパチンコ機10の搬出搬送ライン37への搬出を決定することができる(ステップS150,S335)。また、RAM58に記憶されている識別情報I2の内容、及び、識別情報I1に基づいて、主搬送ライン32上にあるパチンコ機10の退避搬送部39a,39bへの退避も決定することができる(ステップS390,S400)。よって、他のパチンコ機10が搬出搬送ライン37上になくても、RAM58に識別情報I2が記憶されていれば、主搬送ライン32上にあるパチンコ機10を、搬出搬送ライン37へ搬出したり、退避搬送部39a,39bへ退避させたりすることができる。
【0130】
(3)本実施形態では、搬送ライン32に複数の第1識別装置52a〜52fが設けられており、各第1識別装置52a〜52fを介して取得した識別情報I1に基づいて、パチンコ機10の搬送先を決定している。よって、例えば主搬送ライン32上に複数のパチンコ機10があって、主搬送ライン32の終端部にあるパチンコ機10の識別情報I1の内容が識別情報I2(特定情報)の内容と一致しない場合、主搬送ライン32の終端部以外の箇所にあるパチンコ機10の識別情報I1の内容が特定情報の内容と一致すれば(図5のステップS325参照)、主搬送ライン32の終端部にあるパチンコ機10をあらかじめ退避させることができる(図9〜図13参照)。これにより、識別情報I1の内容が特定情報の内容と一致するパチンコ機10を優先的に搬出搬送ライン37に移動させることができるため、パチンコ機10を種類ごとにまとめる作業を効率的に行うことができる。
【0131】
(4)本実施形態では、主搬送ライン32と搬出搬送ライン37とが一直線上に配置されている。このため、既に回転搬送部21の遊技機移動用ローラコンベア43の一端が主搬送ライン32の終端に近接し、遊技機移動用ローラコンベア43の他端が搬出搬送ライン37の始端に近接した状態であれば(図7など参照)、主搬送ライン32上にあるパチンコ機10を搬出搬送ライン37へ搬出する際に、特に回転搬送部21を回転させなくても済む。よって、回転搬送部21の回転頻度を減らすことができるため、CPU51による回転搬送部21の回転制御が容易になる。
【0132】
(5)本実施形態において、パチンコ機10に付与される識別情報は、重要度に応じてランク付けされた出荷先情報及びスペック情報を含んでいる。このため、例えば甲ホールに、Aスペックのパチンコ機10とBスペックのパチンコ機10とを出荷する場合(図7など参照)、Aスペックのパチンコ機10を2台、Bスペックのパチンコ機10を1台というように整列させることができる。よって、甲ホールにてパチンコ機10を設置する際に、異なるスペックのパチンコ機10が混同する(例えば、Aスペックのパチンコ機10を設置すべき場所にBスペックのパチンコ機10を設置してしまう)ことを防止できる。
【0133】
(6)本実施形態では、主搬送ライン32上に存在するパチンコ機10が遊技島への設置状態と略同じ直立状態で搬送されるため、パチンコ機10を搬送する過程で、そのままパチンコ機10に対する機能検査などを行うことができる。さらに、回転搬送部21上に存在するパチンコ機10も、上部支持レール36及び遊技機移動用ローラコンベア43により上下2箇所において支持されて直立状態となる。このことから、パチンコ機10を回転させて、パチンコ機10の表面側(遊技盤面側)及び裏面側(制御基板などが露出する側)に対する機能検査などを行うことができる。しかも、機能検査が行われる場合、パチンコ機10の姿勢が遊技島への設置状態と略同じ姿勢となるため、機能検査が行いやすくなる。
【0134】
また、搬送ライン装置31は、パチンコ機10の直立状態を保ったまま遊技機搬送用ローラコンベア44と遊技機移動用ローラコンベア43との間の受け渡しができるため、受け渡しの際にパチンコ機10の姿勢を変える姿勢変更機構が不要になる。しかも、回転搬送部21が回転するときであっても、パチンコ機10が上部支持レール36及び遊技機移動用ローラコンベア43によって支持されるため、パチンコ機10が倒れやすい直立状態であるにもかかわらず、パチンコ機10の移動及び回転をより安定的に行うことができる。さらに、パチンコ機10が安定的に支持されるため、パチンコ機10の移動及び回転を素早く行うこともできる。
【0135】
また、回転搬送部21上に存在するパチンコ機10は、上部支持レール36及び遊技機移動用ローラコンベア43によって直立状態で支持される。よって、パチンコ機10が例えば寝た状態で支持される場合に比べて、パチンコ機10の遊技機移動用ローラコンベア43に対する接地面積が小さくなるとともに、前記姿勢変更機構の設置スペースが不要になるため、省スペース化を図ることができる。
【0136】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
【0137】
・上記実施形態では、搬送ライン装置31は、一対の退避搬送部39a,39bを備えていたが、退避搬送部を1つだけ備えていてもよいし、3つ以上備えていてもよい。退避搬送部の数を少なくすれば、搬送ライン装置31を低コストで構成することができる。一方、退避搬送部の数を多くすれば、多数のパチンコ機10を退避させることができるため、退避搬送部が満杯になりにくくなる。ゆえに、退避搬送部が満杯のために新たにパチンコ機10を退避できない可能性がより低くなる。
【0138】
・上記実施形態では、主搬送ライン32に6個の第1識別装置52a〜52fが設けられていた。しかし、第1識別装置が最低2個あるならば(ステップS325の処理を実行するために最低限必要な数)、第1識別装置の数を増減させてもよい。なお、上記実施形態においてステップS325を実行させない場合には、第1識別装置は、主搬送ライン32の終端部に最低限1個あればよい。
【0139】
・上記実施形態では、第2識別装置56は搬出搬送ライン37の始端部に設けられていた。しかし、第2識別装置56を回転搬送部21に設け、回転搬送部21から搬出搬送ライン37に搬出されるパチンコ機10の識別情報を第2識別装置56によって識別するようにしてもよい。
【0140】
・上記実施形態の図8,図14の状態では、既に回転搬送部21が搬出搬送ライン37側に位置しているため、CPU51は、ステップS530にて特に回転搬送部21を回転させずに、ステップS540にて回転搬送部21上のパチンコ機10を搬出搬送ライン37上に搬出していた。しかし、CPU51は、回転搬送部21を搬出搬送ライン37側に回転(180°回転)させてから、回転搬送部21上のパチンコ機10を搬出搬送ライン37上に搬出させるようにしてもよい。なお、パチンコ機10を搬出搬送ライン37上に搬出させる際に、CPU51は、回転搬送部21へのパチンコ機10の搬入時とは逆方向に各下側ローラ22を回転させる。
【0141】
このようにすれば、回転搬送部21上のパチンコ機10の向きが他のパチンコ機10とは逆向き(例えば、図2において、他のパチンコ機10が正面(操作ハンドルなどがある側)を手前側に向けた状態で搬送されるにもかかわらず、パチンコ機10が背面(制御基板などが露出する側)を手前側に向けた状態で搬送される場合)である場合、回転搬送部21を180°回転させることで、パチンコ機10の向きを修正することができる。
【0142】
・上記実施形態では、回転搬送部21の遊技機移動用ローラコンベア43は、コンベア支持部43aを中心として平面視時計回り方向及び平面視反時計回り方向に何回転でも回転可能になっていた。しかし、回転搬送部21の遊技機移動用ローラコンベア43は、コンベア支持部43aを中心として平面視時計回り方向及び平面視反時計回り方向に90°だけ回転可能なものであってもよい。
【0143】
・上記実施形態の搬送ライン装置31は、パチンコ機10を被搬送物として搬送するようになっていた。しかし、搬送ライン装置31は、遊技盤を被搬送物として搬送するものであってもよい。
【0144】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0145】
(1)請求項2または3において、前記退避搬送部上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬送させることが前記搬送態様決定手段によって決定された場合、前記搬送制御手段は、前記退避搬送部を駆動させて前記退避搬送部上にある被搬送物を前記選択搬送手段側に搬送し戻すとともに、前記選択搬送手段を駆動させて前記選択搬送手段側に搬送し戻した被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬出させ、前記搬出搬送ラインに搬出された被搬送物の識別情報の内容を前記第2識別手段にて識別させ、その識別情報を前記記憶手段に記憶させること。
【0146】
(2)請求項2または3において、前記識別情報判定手段は、前記記憶手段に記憶されている識別情報の内容、及び、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容の少なくとも一部が一致するか否かを判定し、前記搬送態様決定手段は、前記識別情報判定手段による判定結果に基づいて、前記主搬送ライン上にある被搬送物を、前記搬出搬送ラインに搬出させるか前記退避搬送部に退避させるかを決定すること。
【0147】
(3)技術的思想(2)において、前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬出させることが前記搬送態様決定手段によって決定された場合、前記搬送制御手段は、前記選択搬送手段を駆動させて前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬出させるとともに、前記搬出搬送ラインに搬出された被搬送物の識別情報の内容を前記第2識別手段にて識別させ、その識別情報を前記記憶手段に記憶させること。
【0148】
(4)技術的思想(2)または(3)において、前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記退避搬送部に退避させることが前記搬送態様決定手段によって決定された場合、前記搬送制御手段は、前記選択搬送手段を駆動させて前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記退避搬送部に退避させるとともに、前記退避搬送部に退避させた被搬送物の識別情報の内容を前記第3識別手段にて識別させること。
【0149】
(5)請求項1乃至3のいずれか1項において、前記退避搬送部を複数備えること。
【0150】
(6)請求項1乃至3のいずれか1項において、前記選択搬送手段は、前記主搬送ラインの搬送面、前記搬出搬送ラインの搬送面及び前記退避搬送部の搬送面と同じ高さに位置する搬送面を有し、鉛直方向に延びる回転軸を中心として回転可能な構造の回転搬送部であること。
【0151】
(7)請求項1乃至3のいずれか1項において、前記主搬送ラインと前記搬出搬送ラインとが一直線上に配置されること。
【0152】
(8)請求項2または3において、前記被搬送物に付与される識別情報は、重要度に応じてランク付けされた複数種類の情報を含んでいること。
【0153】
(9)請求項2または3において、前記第1識別手段は、前記主搬送ラインにおいて所定間隔を隔てて複数設けられていること。
【0154】
(10)技術的思想(2)乃至(4)のいずれか1項において、前記選択搬送手段が、鉛直方向に延びる回転軸を中心として回転可能な回転搬送部であり、前記被搬送物が存在しない前記退避搬送部が複数ある場合、前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記退避搬送部に退避させることが前記搬送態様決定手段によって決定されたときに、前記搬送制御手段は、前記回転搬送部を駆動させて、前記被搬送物が存在しない複数の前記退避搬送部のうち、前記主搬送ライン側から前記退避搬送部側までの前記回転搬送部の回転角度が最小となる退避搬送部に、前記主搬送ライン上にある被搬送物を退避させること。
【0155】
(11)技術的思想(6)において、前記退避搬送部を単数または複数備える場合、前記主搬送ライン、前記搬出搬送ライン及び前記退避搬送部は、前記回転搬送部の回転軸を中心として互いに等角度間隔に配置されること。
【0156】
(12)技術的思想(6)において、前記回転搬送部に、前記被搬送物を搬送させる搬送手段が前記回転搬送部の径方向に沿って直線状に形成され、前記回転搬送部を前記主搬送ライン側に回転させた際に、前記搬送手段の先端と前記主搬送ラインの先端とが近接し、前記回転搬送部を前記搬出搬送ライン側に回転させた際に、前記搬送手段の先端と前記搬出搬送ラインの先端とが近接し、前記回転搬送部を前記退避搬送部側に回転させた際に、前記搬送手段の先端と前記退避搬送部の先端とが近接すること。
【0157】
(13)請求項2または3において、前記被搬送物の識別情報は、重要度が最も高い第1順位情報と、前記第1順位情報よりも重要度が低い第2順位情報とを含んでおり、前記第2識別手段にて識別された前記被搬送物の識別情報が前記記憶手段に記憶されているか否かを判定する識別情報記憶判定手段と、前記識別情報が前記記憶手段に記憶されていることが前記識別情報記憶判定手段により判定された場合、前記記憶手段から前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記第3識別手段にて前記被搬送物の識別情報の内容が識別されたか否かを判定する識別判定手段と、前記第3識別手段にて前記被搬送物の識別情報の内容が識別されたことが前記識別判定手段により判定された場合に、前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがあるか否かを判定する第1の順位情報判定手段と、前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがあると前記第1の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがあるか否かを判定する第2の順位情報判定手段と、前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがあると前記第2の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1順位情報及び前記第2順位情報を特定情報として記憶するとともに、前記特定情報と一致する識別情報が付与された被搬送物がある退避搬送部を前記指定搬送ラインとして記憶する前記記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記指定搬送ラインに基づいて、前記退避搬送部上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬出することを決定する前記搬送態様決定手段とを備えること。
【0158】
(14)技術的思想(13)において、前記第3識別手段にて前記被搬送物の識別情報の内容が識別されたことが前記識別判定手段により判定されなかった場合に、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがあるか否かを判定する第3の順位情報判定手段と、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがないと前記第3の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記主搬送ラインを前記指定搬送ラインとして記憶する前記記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記指定搬送ラインに基づいて、前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬出することを決定する前記搬送態様決定手段とを備えること。
【0159】
(15)技術的思想(13)において、前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがないと前記第1の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがあるか否かを判定する第4の順位情報判定手段と、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがないと前記第4の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記退避搬送部を前記指定搬送ラインとして記憶する前記記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記指定搬送ラインに基づいて、前記退避搬送部上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬出することを決定する前記搬送態様決定手段とを備えること。
【0160】
(16)技術的思想(13)において、前記第3識別手段にて前記被搬送物の識別情報の内容が識別されたことが前記識別判定手段により判定されなかった場合に、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがあるか否かを判定する第3の順位情報判定手段と、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがあると前記第3の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがあるか否かを判定する第5の順位情報判定手段と、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがあると前記第5の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1順位情報及び前記第2順位情報を前記特定情報として記憶するとともに、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがないと前記第5の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1順位情報を前記特定情報として記憶する前記記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記特定情報に基づいて、前記主搬送ライン上にある被搬送物の前記退避搬送部への退避を決定する前記搬送態様決定手段とを備えること。
【0161】
(17)技術的思想(13)において、前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがないと前記第1の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがあるか否かを判定する第4の順位情報判定手段と、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第1順位情報が一致するものがあると前記第4の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがあるか否かを判定する第5の順位情報判定手段と、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがあると前記第5の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1順位情報及び前記第2順位情報を前記特定情報として記憶するとともに、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがないと前記第5の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1順位情報を前記特定情報として記憶する前記記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記特定情報に基づいて、前記主搬送ライン上にある被搬送物の前記退避搬送部への退避を決定する前記搬送態様決定手段とを備えること。
【0162】
(18)技術的思想(13)において、前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがないと前記第2の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがあるか否かを判定する第5の順位情報判定手段と、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがあると前記第5の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1順位情報及び前記第2順位情報を前記特定情報として記憶するとともに、前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容と前記第2識別手段にて識別された識別情報の内容とで、前記第2順位情報が一致するものがないと前記第5の順位情報判定手段によって判定された場合に、前記第1順位情報を前記特定情報として記憶する前記記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記特定情報に基づいて、前記主搬送ライン上にある被搬送物の前記退避搬送部への退避を決定する前記搬送態様決定手段とを備えること。
【0163】
(19)技術的思想(16)乃至(18)のいずれか1つにおいて、前記退避搬送部が複数設けられるとともに、前記第1識別手段が複数設けられており、前記記憶手段から前記特定情報を取得する特定情報取得手段と、前記第1識別手段にて識別された前記主搬送ラインの終端部にある被搬送物の識別情報の内容が前記特定情報に一致しないか否かを判定する識別情報内容判定手段と、前記第1識別手段にて識別された前記主搬送ラインの終端部にある被搬送物の識別情報の内容と前記特定情報とが一致しない場合に、前記第1識別手段にて識別された前記主搬送ラインの終端部以外の箇所にある被搬送物のうち、識別情報の内容が前記特定情報に一致するものがあるか否かを判定する識別可否判定手段と、前記第1識別手段にて識別された前記主搬送ラインの終端部以外の箇所にある被搬送物のうち、識別情報の内容が前記特定情報に一致するものがある場合に、前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容の有無に基づいて、前記被搬送物が存在しない前記退避搬送部の有無を確認する退避搬送部確認手段と、前記被搬送物が存在しない前記退避搬送部がある場合に、その退避搬送部を指定搬送ラインとして記憶する前記記憶手段とを備えること。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】本実施形態の搬送ライン装置を示す平面図。
【図2】図1のA−A線から見たときの搬送ライン装置を示す側面図。
【図3】搬送ライン装置のCPUにて行われる搬出処理を示すフローチャート。
【図4】搬送ライン装置のCPUにて行われる搬出実行処理を示すフローチャート。
【図5】搬送ライン装置のCPUにて行われる退避決定処理を示すフローチャート。
【図6】搬送ライン装置のCPUにて行われる退避実行処理を示すフローチャート。
【図7】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図8】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図9】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図10】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図11】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図12】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図13】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図14】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図15】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図16】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図17】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図18】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図19】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図20】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【図21】搬送ライン装置によるパチンコ機の仕分方法を示す概略図。
【符号の説明】
【0165】
10…被搬送物及び遊技機としてのパチンコ機
21…選択搬送手段としての回転搬送部
31…搬送ライン装置
32…主搬送ライン
37…搬出搬送ライン
39a,39b…退避搬送部
51…搬送制御手段、識別情報判定手段及び搬送態様決定手段としてのCPU
52a〜52f…第1識別手段としての第1識別装置
56…第2識別手段としての第2識別装置
58…記憶手段としてのRAM
59a,59b…第3識別手段としての第3識別装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機または遊技盤を被搬送物として搬送する主搬送ラインと、
前記主搬送ラインの終端部近傍に配置され、複数の搬送先の中から前記被搬送物を選択的に搬送する選択搬送手段と、
前記選択搬送手段の下流側に配置され、前記主搬送ラインにより搬送されてきた被搬送物を前記選択搬送手段を介して受け入れて搬出する搬出搬送ラインと、
前記選択搬送手段近傍において前記搬出搬送ラインとは異なる箇所に配置され、前記主搬送ラインにより搬送されてきた被搬送物を前記選択搬送手段を介して一時的に退避させるとともに、退避させた被搬送物を再び前記選択搬送手段側に搬送し戻す退避搬送部と、
前記主搬送ライン、前記搬出搬送ライン、前記退避搬送部の搬送動作を制御するとともに、前記搬出搬送ライン及び前記退避搬送部の中から選択した搬送先に前記被搬送物を搬送する前記選択搬送手段の選択搬送動作を制御する搬送制御手段と
を備えたことを特徴とする搬送ライン装置。
【請求項2】
前記被搬送物に、同被搬送物の種類を識別するための識別情報が付与されており、
前記主搬送ライン上にある被搬送物の識別情報の内容を識別する第1識別手段と、
前記搬出搬送ラインの始端部または選択搬送手段にある被搬送物の識別情報の内容を識別する第2識別手段と、
前記第2識別手段にて識別された識別情報を記憶する記憶手段と、
前記退避搬送部上にある被搬送物の識別情報の内容を識別する第3識別手段と
を備え、
前記搬送制御手段は、
前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容、及び、前記記憶手段に記憶されている識別情報の内容の少なくとも一部が一致するか否かを判定するとともに、前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容、及び、前記記憶手段に記憶されている識別情報の内容の少なくとも一部が一致するか否かを判定する識別情報判定手段と、
前記識別情報判定手段による判定結果に基づいて、前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬送させるか前記退避搬送部上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬送させるかを決定する搬送態様決定手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の搬送ライン装置。
【請求項3】
前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容、及び、前記記憶手段に記憶されている識別情報の内容の少なくとも一部が一致するとともに、前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容、及び、前記記憶手段に記憶されている識別情報の内容の少なくとも一部が一致することが前記識別情報判定手段によって判定された場合、
前記搬送態様決定手段は、前記主搬送ラインから前記搬出搬送ラインへの前記被搬送物の搬送よりも、前記退避搬送部から前記搬出搬送ラインへの前記被搬送物の搬送を優先させる制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の搬送ライン装置。
【請求項1】
遊技機または遊技盤を被搬送物として搬送する主搬送ラインと、
前記主搬送ラインの終端部近傍に配置され、複数の搬送先の中から前記被搬送物を選択的に搬送する選択搬送手段と、
前記選択搬送手段の下流側に配置され、前記主搬送ラインにより搬送されてきた被搬送物を前記選択搬送手段を介して受け入れて搬出する搬出搬送ラインと、
前記選択搬送手段近傍において前記搬出搬送ラインとは異なる箇所に配置され、前記主搬送ラインにより搬送されてきた被搬送物を前記選択搬送手段を介して一時的に退避させるとともに、退避させた被搬送物を再び前記選択搬送手段側に搬送し戻す退避搬送部と、
前記主搬送ライン、前記搬出搬送ライン、前記退避搬送部の搬送動作を制御するとともに、前記搬出搬送ライン及び前記退避搬送部の中から選択した搬送先に前記被搬送物を搬送する前記選択搬送手段の選択搬送動作を制御する搬送制御手段と
を備えたことを特徴とする搬送ライン装置。
【請求項2】
前記被搬送物に、同被搬送物の種類を識別するための識別情報が付与されており、
前記主搬送ライン上にある被搬送物の識別情報の内容を識別する第1識別手段と、
前記搬出搬送ラインの始端部または選択搬送手段にある被搬送物の識別情報の内容を識別する第2識別手段と、
前記第2識別手段にて識別された識別情報を記憶する記憶手段と、
前記退避搬送部上にある被搬送物の識別情報の内容を識別する第3識別手段と
を備え、
前記搬送制御手段は、
前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容、及び、前記記憶手段に記憶されている識別情報の内容の少なくとも一部が一致するか否かを判定するとともに、前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容、及び、前記記憶手段に記憶されている識別情報の内容の少なくとも一部が一致するか否かを判定する識別情報判定手段と、
前記識別情報判定手段による判定結果に基づいて、前記主搬送ライン上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬送させるか前記退避搬送部上にある被搬送物を前記搬出搬送ラインに搬送させるかを決定する搬送態様決定手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の搬送ライン装置。
【請求項3】
前記第1識別手段にて識別された識別情報の内容、及び、前記記憶手段に記憶されている識別情報の内容の少なくとも一部が一致するとともに、前記第3識別手段にて識別された識別情報の内容、及び、前記記憶手段に記憶されている識別情報の内容の少なくとも一部が一致することが前記識別情報判定手段によって判定された場合、
前記搬送態様決定手段は、前記主搬送ラインから前記搬出搬送ラインへの前記被搬送物の搬送よりも、前記退避搬送部から前記搬出搬送ラインへの前記被搬送物の搬送を優先させる制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の搬送ライン装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2006−232503(P2006−232503A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−52122(P2005−52122)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]