説明

搬送容器

【課題】 気送管内を気送させて、内部に収容した液体を搬送する搬送容器であって、内部に収容された液体が外部に漏出することを充分に防止することができる搬送容器を提供する。
【解決手段】 内部に液体を収容するジャグ本体12と、ジャグ本体12の開口部12aに装着されるジャグ蓋体11とを含み、ジャグ蓋体11は、頂部11aがジャグ本体12の開口部12aの端面に当接し、側部11bの外周面がジャグ本体12の開口部12aの内周面に当接して、ジャグ本体12の開口部12aに装着される。ジャグ蓋体11の側部11bには、その外周面から内周面側に凹んだ凹部11cが、周方向全周にわたって形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気送管内を気送させて、内部に収容した液体を搬送する搬送容器に関する。
【背景技術】
【0002】
放射性物質または汚染物質などを含有した液体を内部に収容し、気送管内を気送させて搬送するための搬送容器が、数多く提案されている。たとえば、特許文献1〜3には、筒状のカートリッジ本体と、カートリッジ本体の開口部に装着されるカートリッジ蓋体と、筒状に形成されて内部に液体を貯留可能でありカートリッジ本体に収容されるジャグ本体と、ジャグ本体の開口部の内周面および外周面を覆うように位置して開口部に装着されるジャグ蓋体とを含んで構成される搬送容器が開示されている。このような構成の搬送容器は、真空化装置を用いて所定の手段によって内部が真空化されるものであり、更にジャグ蓋体の外部からシリンジの針を突き刺して真空化されたジャグ本体内に液体が注入される。特許文献1〜3に開示される搬送容器が気送管内を気送されるとき、ジャグ本体内に収容された液体が、ジャグ本体の開口部の内周面および外周面を伝って漏れる場合がある。このように、搬送容器が気送管内を気送される途中で、ジャグ本体内に収容された液体が外部に漏出すると、気送管内が汚染されるという問題が生じる。
【0003】
上記のような問題点を解決するために、特許文献4には、ジャグ本体の開口部の外周面に液体の漏出を防止する漏止構造を備えた搬送容器が開示されている。また、特許文献5には、ジャグ本体の開口部の内周面に当接する内側蓋体と、開口部の外周面に当接して内側蓋体を覆うように配置される外側蓋体とが協働して、二重の密閉構造によってジャグ本体の開口部を施蓋するように構成された搬送容器が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平7−167754号公報
【特許文献2】特開2001−289743号公報
【特許文献3】特開2003−14592号公報
【特許文献4】特開2003−26248号公報
【特許文献5】特開2004−269038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献4,5に開示される搬送容器は、ジャグ本体内に収容された液体が外部に漏出するのを抑制することができるが、より高い漏出防止効果を有する搬送容器が望まれている。
【0006】
したがって本発明の目的は、気送管内を気送させて、内部に収容した液体を搬送する搬送容器であって、内部に収容された液体が外部に漏出するのを充分に防止することができる搬送容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、気送管内を気送させて、内部に収容した液体を搬送する搬送容器であって、
有底筒状のカートリッジ本体と、
カートリッジ本体の開口部に着脱自在に装着されるカートリッジ蓋体と、
有底筒状に形成されて内部に液体を収容し、カートリッジ本体に収容されるジャグ本体と、
ジャグ本体の開口部に着脱自在に装着されるジャグ蓋体とを含み、
ジャグ蓋体は、有底筒状に形成されて頂部がジャグ本体の開口部の端面に当接し、側部がジャグ本体の開口部の内側から当接して、ジャグ本体の開口部に装着され、
ジャグ蓋体の側部には、その外周面から内周面側に凹んだ凹部が周方向全周にわたって形成されることを特徴とする搬送容器である。
【0008】
また本発明は、ジャグ蓋体は、ジャグ蓋体の頂部から中心軸線方向に延びてジャグ蓋体の側部と対向し、ジャグ本体の開口部の上縁および外周面に当接する被覆部を有し、
ジャグ蓋体の側部と被覆部とが協働して、ジャグ本体の開口部を、半径方向外方および内方の両側から周方向全周にわたって挟持するように構成されることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、ジャグ蓋体は、タイプAデュロメータ硬さが40以上70以下に調整されるシリコンゴムによって形成されることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、ジャグ本体の開口部の内周面には、ジャグ蓋体の側部に形成される凹部と嵌合する突出部が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ジャグ蓋体は、有底筒状に形成されて頂部がジャグ本体の開口部の端面に当接し、側部がジャグ本体の開口部の内側から当接して、ジャグ本体の開口部に装着される。ジャグ蓋体の側部には、その外周面から内周面側に凹んだ凹部が周方向全周にわたって形成される。このような、ジャグ蓋体の側部に形成される凹部は、ジャグ本体の開口部の内周面に当接しない凹所となる。そのため、ジャグ蓋体の側部に形成される凹部は、ジャグ本体内に収容された液体が毛細管現象によって、ジャグ蓋体の外周面とジャグ本体の開口部の内周面との間を上昇する液体の流れを断ち切る。したがって、ジャグ本体内に収容された液体が、ジャグ本体の開口部の内周面を伝って外部に漏出することを防止することができる。
【0012】
また本発明によれば、ジャグ蓋体は、ジャグ蓋体の頂部から中心軸線方向に延びてジャグ蓋体の側部と対向し、ジャグ本体の開口部の上縁および外周面に当接する被覆部を有する。ジャグ蓋体の側部と被覆部とが協働して、ジャグ本体の開口部を、半径方向外方および内方の両側から周方向全周にわたって挟持するように構成される。ジャグ蓋体の側部と被覆部とが協働してジャグ本体の開口部を挟持する力が働くので、ジャグ蓋体の側部の外周面とジャグ本体の開口部の内周面との密着力を上げることができる。したがって、ジャグ本体内に収容された液体が、ジャグ本体の開口部の内周面を伝って外部に漏出することをさらに防止することができる。
【0013】
また本発明によれば、ジャグ蓋体は、タイプAデュロメータ硬さが40以上70以下に調整されるシリコンゴムによって形成される。タイプAデュロメータ硬さが40以上のシリコンゴムによって形成されたジャグ蓋体は、充分な弾性反発力を有するので、ジャグ蓋体の側部の外周面とジャグ本体の開口部の内周面との密着力を上げることができる。また、タイプAデュロメータ硬さが70以下のシリコンゴムによって形成されたジャグ蓋体は、ジャグ本体の開口部の内周面の形状に追従して変形するので、ジャグ蓋体の側部の外周面とジャグ本体の開口部の内周面との密着力を上げることができる。
【0014】
また本発明によれば、ジャグ本体の開口部の内周面には、ジャグ蓋体の側部に形成される凹部と嵌合する突出部が形成される。そのため、ジャグ蓋体がジャグ本体に位置決めして装着され、ジャグ蓋体の側部の外周面とジャグ本体の開口部の内周面との当接状態を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明の第1実施形態における搬送容器100の構成を示す断面図である。また、図2は、搬送容器100内に液体を注入するときの様子を示す断面図である。搬送容器100は、カートリッジ20と、カートリッジ20に収容されるジャグ10とを含んで構成され、気送管内を気送させて、ジャグ10内部に収容した液体を搬送する。搬送容器100は、図示しない真空化装置によってジャグ10内が真空化され、ジャグ10が有する後述のジャグ蓋体11の外部からシリンジの針30を突き刺して、真空化されたジャグ10内に液体を注入できる構造になっている。ここで、ジャグ10内に注入される液体は、たとえば、放射性物質を含む濃硝酸、n−ドデカン、TBP(Tri-Butyl Phosphate)などである。
【0016】
図3は、ジャグ10の構成を示す断面図である。ジャグ10は、ジャグ本体12とジャグ蓋体11とを有する。ジャグ本体12は、内部に液体を収容する部材であり、有底円筒状に形成される筒部12bと、筒部12bの上方で縮径されるテーパー部を介して円筒状に形成される開口部12aとを有する。ジャグ本体12は、後述するカートリッジ本体21に収納できる大きさに設定される。ジャグ本体12は合成樹脂材によって形成されるが、その中でも、前述の液体に対する耐性、放射線に対する耐性および大きな引張強度、曲げ弾性率、ねじり弾性率を有するという観点から、高密度ポリエチレンによって形成されるのが好ましい。
【0017】
ジャグ蓋体11は、ジャグ本体12の開口部12aに着脱自在に装着される弾性を有する部材であり、ジャグ本体12内に液体を注入するときに、シリンジの針30を突き刺す部位となる。ジャグ蓋体11は、有底円筒状に形成されて頂部11aと側部11bとを有する。ジャグ蓋体11は、頂部11aがジャグ本体12の開口部12aの端面に当接し、側部11bの外周面がジャグ本体12の開口部12aの内周面に当接して、ジャグ本体12の開口部12aを施蓋するように構成されている。このとき、ジャグ蓋体11は、その頂部11aおよび側部11bがジャグ本体12の開口部12aの内周面を押圧することで生じる弾性反発力によって、ジャグ本体12の開口部12aを密閉する。前記弾性反発力は、ジャグ蓋体11の頂部11aの厚みによって調整することができ、頂部11aの厚みを大きくすることで弾性反発力を大きくすることができる。また、詳細は後述するが、ジャグ蓋体11を構成する材質によっても、弾性反発力を調整することができる。
【0018】
また、ジャグ本体12の開口部12aの端面に当接するジャグ蓋体11の頂部11aは、ジャグ本体12内に液体を注入するときにシリンジの針30を突き刺す部位となる。ジャグ蓋体11の頂部11aの厚み方向外側の面には、シリンジの針30を突き刺す部位である凹所となる刺入部11fが形成される。
【0019】
さらに、ジャグ蓋体11の側部11bには、その外周面から内周面側に凹んだ凹部11cが、周方向全周にわたって形成される。このような、ジャグ蓋体11の側部11bに形成される凹部11cは、ジャグ本体12の開口部12aの内周面に当接しない凹所となる。そのため、ジャグ蓋体11の側部11bに形成される凹部11cは、ジャグ本体12内に収容された液体が毛細管現象によって、側部11bの外周面とジャグ本体12の開口部12aの内周面との間を上昇する液体の流れを断ち切る。したがって、ジャグ本体12内に収容された液体が、ジャグ本体12の開口部12aの内周面を伝って外部に漏出することを防止することができる。
【0020】
次に、ジャグ蓋体11とジャグ本体12の開口部12aとが相互に接触する全面積に対する、開口部12aの内周面がジャグ蓋体11の凹部11cに臨む非接触領域の面積比である凹部面積割合において、好適な範囲を見出すために、硝酸漏洩試験を行い、その硝酸漏洩量が特定の凹部面積割合において減少することを確認した。ここで、硝酸漏洩試験とは、ジャグ10内に硝酸を収容した状態で遠心力を加えて、ジャグ10内から漏洩する硝酸の量を測定する試験である。
【0021】
また、ジャグ蓋体11の側部11bの開口側端部において、その外径L2がジャグ本体12の開口部12aの内径L1よりも小さく設定され、曲率を有した形状に形成されることが好ましい。このように側部11bの開口側端部を形成することによって、ジャグ蓋体11をジャグ本体12の開口部12aに案内して装着することができる。
【0022】
また、ジャグ蓋体11は、ジャグ蓋体11の頂部11aから中心軸線方向に延びてジャグ蓋体11の側部11bと対向し、ジャグ本体12の開口部12aの上縁および外周面に当接する被覆部11dを有することが好ましい。このとき、ジャグ蓋体11は、ジャグ蓋体11の側部11bと被覆部11dとが協働して、ジャグ本体12の開口部12aを、半径方向外方および内方の両側から周方向全周にわたって挟持するように構成される。この被覆部11dが形成されることによる効果は、硝酸漏洩試験によって確認することができる。
【0023】
被覆部11dを有するジャグ蓋体11を使用する方が、被覆部11dを有しないものを使用するよりも、硝酸漏洩量が少ない。これは、ジャグ蓋体11が被覆部11dを有することによって、ジャグ蓋体11の側部11bと被覆部11dとが協働してジャグ本体12の開口部12aを挟持する力が働くので、ジャグ蓋体11の側部11bの外周面とジャグ本体12の開口部12aの内周面との密着力が上がるためである。したがって、ジャグ本体12内に収容された液体が、ジャグ本体12の開口部12aの内周面を伝って外部に漏出することを防止することができる。
【0024】
また、ジャグ蓋体11は、ジャグ蓋体11の頂部11a寄りの被覆部11dから半径外方に突出する突部11eを有することが好ましい。このように、ジャグ蓋体11が突部11eを有することによって、カートリッジ20内に収容されたジャグ10が、半径方向に必要以上に動くのを抑制することができる。そのため、ジャグ本体12内に液体を注入するとき、中心軸線に対して大きくずれるのを防止して、シリンジの針30をジャグ蓋体11の頂部11aに形成される刺入部11fに突き刺して液体を注入することができる。
【0025】
また、ジャグ蓋体11を構成する材質としては、弾性を有するシリコンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴムなどが挙げられる。これらの中でも、シリコンゴムが好ましく、構成単位としてポリアルキルアルケニルシロキサン、ポリアルキルシロキサンおよびポリアルキルフェニルアルコキシシロキサンを有するミラブル型シリコンゴムが特に好ましい。このようなシリコンゴムによって形成されたジャグ蓋体11は、その表面が適度な粘性を有しているので、ジャグ本体12の開口部12aの内周面に適度に粘着する。そのため、ジャグ本体12内に収容された液体が外部に漏出することを抑制することができる。
【0026】
また、シリコンゴムの硬さは、タイプAデュロメータ硬さが好ましくは40以上70以下であり、特に好ましくは45以上55以下である。タイプAデュロメータ硬さが40以上のシリコンゴムによって形成されたジャグ蓋体11は、充分な弾性反発力を有するので、ジャグ蓋体11の側部11bの外周面とジャグ本体12の開口部12aの内周面との密着力を上げることができる。さらに、ジャグ蓋体11の頂部11aにシリンジの針30を突き刺して引き抜いたあとに生じる亀裂を、充分に塞ぐことができる。また、タイプAデュロメータ硬さが70以下のシリコンゴムによって形成されたジャグ蓋体11は、ジャグ本体12の開口部12aの内周面の形状に追従して変形するので、ジャグ蓋体11の側部11bの外周面とジャグ本体12の開口部12aの内周面との密着力を上げることができる。ゴムの硬さは、ゴムの組成比やゴムを補強するシリカなどの添加剤の配合量によって調整することができる。なお、タイプAデュロメータ硬さとは、JISK6253に規定される硬さのことである。
【0027】
また、ジャグ蓋体11は、鉄分の含有量が少ない状態であることが好ましい。このような鉄分の含有量が少ないジャグ蓋体11は、鉄分含有量の少ない原材料を選定するとともに、純水などによる洗浄処理を施すことによって得ることができる。また、ジャグ蓋体11を製造するときに使用する機器や室内環境から鉄分が混入することを防止して、鉄分含有量の少ないジャグ蓋体11を得ることもできる。
【0028】
図1に示すように、カートリッジ20は、カートリッジ本体21とカートリッジ蓋体22とを有する。カートリッジ本体21およびカートリッジ蓋体22は、前述したジャグ本体12と同様に、合成樹脂によって形成され、好ましくは高密度ポリエチレンによって形成される。
【0029】
カートリッジ本体21は、有底円筒状に形成され、カートリッジ本体21の開口側にジャグ本体12の底部が配置され、かつカートリッジ本体21の底部側にジャグ本体の開口部12aが配置された状態で、ジャグ10を収容する。カートリッジ本体21の中心軸線方向の長さは、一例として70mm程度であり、外径は一例として20〜30mm程度である。カートリッジ本体21の底部には、ジャグ本体12の開口部12aと連通する円形状の孔部21cが形成されている。この孔部21cは、ジャグ蓋体11の頂部11aにシリンジの針30を突き刺して液体を注入するときに、針が通過する案内孔となる。また、カートリッジ本体21の開口の外周縁に沿った位置には、係止部21dが形成されている。また、カートリッジ本体21の開口側および底部側の所要位置には、半径方向外方に膨出する搬送案内部21a,21bが形成されている。搬送容器100が気送管内を気送されるとき、搬送案内部21a,21bが気送管の内壁面に沿ってスライドする構造になっている。
【0030】
カートリッジ蓋体22は、カートリッジ本体21の開口部に着脱自在に装着される部材である。カートリッジ蓋体22は、略皿状に形成され、この皿状の外周縁には立上部が設けられると共に、立上部の内周には、カートリッジ本体21が有する係止部21dと係合する係止段部22aが形成されている。
【0031】
図4は、搬送容器100が気送管40内を気送されて搬送される様子を示す断面図である。搬送容器100は、カートリッジ本体21に設けられる搬送案内部21a,21bが気送管40の内壁面に沿うように気送される。気送管40は金属製であり、内径は30mm程度である。また、搬送容器100が気送管40内を気送される搬送速度は、約10〜20m/秒である。搬送容器100は、気送管40における曲率半径が最小値(約660mmR)となるコーナーを通過するとき、搬送案内部21a,21b以外の部位が気送管40の内壁面と接触しないように構成されている。
【0032】
また、搬送容器100は、ジャグ蓋体11の突部11eの外径D1とカートリッジ本体21の底部の内径D2との差Δd1が、ジャグ本体12の底部の外径D3とカートリッジ本体21の開口部の内径D4との差Δd2よりも大きくなるように設定されることが好ましい。このように搬送容器100を構成することによって、ジャグ10内に収容された液体の移動による重心位置の変動が緩和される。そのため、気送管40内における搬送容器100の搬送安定性の低下を抑制することができる。
【0033】
図5は、カートリッジ20内に収容されるジャグ10を取出すときの様子を示す断面図である。気送管40内での搬送が完了した搬送容器100においては、ジャグ10がカートリッジ20から取出される。ジャグ10をカートリッジ20から取出すとき、トングと呼ばれる専用治具で、カートリッジ本体21と係合するカートリッジ蓋体22を取り外して開蓋する。トング50は、2つの部材が開閉するように構成されて、物体を挟持することができる挟み具である。搬送容器100においては、トング50によってカートリッジ蓋体22を容易に取り外すことができるように、カートリッジ本体21の開口側に設けられる搬送案内部21bの配置位置を設定している。
【0034】
また、カートリッジ20から取出されたジャグ10は、トング50によってジャグ本体12の開口部12aを挟持して、所望の位置に移動される。ジャグ蓋体11においては、ジャグ本体12の開口部12aの外周面に当接して被覆する被覆部11dを有するので、トング50によって開口部12aを挟持するとき、トング50が被覆部11dと接触することになる。そのため、トング50がジャグ本体12の開口部12aに直接接触するのが防止され、開口部12aがトング50によって汚染されるのを防止することができる。
【0035】
図6は、本発明の第2実施形態における搬送容器200の構成を示す断面図である。搬送容器200は、ジャグ本体62の開口部62aの内周面に突出部62cが形成されること以外は、前述した搬送容器100と同様の構成であり、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。突出部62cは、ジャグ本体62の開口部62aの内周面から半径外方に突出し、ジャグ蓋体11の側部11bに設けられる凹部11cと嵌合するように形成される。このような突出部62cを有する搬送容器200においては、ジャグ蓋体11がジャグ本体62に位置決めして装着され、ジャグ蓋体11の側部11bの外周面とジャグ本体62の開口部62aの内周面との当接状態を維持することができる。また、突出部62cと凹部11cとが嵌合するので、搬送容器200が気送管40内を気送されるとき、ジャグ蓋体11がジャグ本体62から容易に外れることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1実施形態における搬送容器100の構成を示す断面図である。
【図2】搬送容器100内に液体を注入するときの様子を示す断面図である。
【図3】ジャグ10の構成を示す断面図である。
【図4】搬送容器100が気送管40内を気送されて搬送される様子を示す断面図である。
【図5】カートリッジ20内に収容されるジャグ10を取出すときの様子を示す断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態における搬送容器200の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0037】
10 ジャグ
11 ジャグ蓋体
12 ジャグ本体
20 カートリッジ
21 カートリッジ本体
22 カートリッジ蓋体
100,200 搬送容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気送管内を気送させて、内部に収容した液体を搬送する搬送容器であって、
有底筒状のカートリッジ本体と、
カートリッジ本体の開口部に着脱自在に装着されるカートリッジ蓋体と、
有底筒状に形成されて内部に液体を収容し、カートリッジ本体に収容されるジャグ本体と、
ジャグ本体の開口部に着脱自在に装着されるジャグ蓋体とを含み、
ジャグ蓋体は、有底筒状に形成されて頂部がジャグ本体の開口部の端面に当接し、側部がジャグ本体の開口部の内側から当接して、ジャグ本体の開口部に装着され、
ジャグ蓋体の側部には、その外周面から内周面側に凹んだ凹部が周方向全周にわたって形成されることを特徴とする搬送容器。
【請求項2】
ジャグ蓋体は、ジャグ蓋体の頂部から中心軸線方向に延びてジャグ蓋体の側部と対向し、ジャグ本体の開口部の上縁および外周面に当接する被覆部を有し、
ジャグ蓋体の側部と被覆部とが協働して、ジャグ本体の開口部を、半径方向外方および内方の両側から周方向全周にわたって挟持するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の搬送容器。
【請求項3】
ジャグ蓋体は、タイプAデュロメータ硬さが40以上70以下に調整されるシリコンゴムによって形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の搬送容器。
【請求項4】
ジャグ本体の開口部の内周面には、ジャグ蓋体の側部に形成される凹部と嵌合する突出部が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の搬送容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−85886(P2009−85886A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−259151(P2007−259151)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(594079464)金森化学工業株式会社 (4)
【出願人】(591031430)株式会社千代田テクノル (22)
【出願人】(597006470)日本原燃株式会社 (21)
【Fターム(参考)】