説明

搬送装置、ディスク装置、および、搬送方法

【課題】 小型化を容易に図れるディスク装置を提供する。
【解決手段】 ディスク装置100は、ケース体110の下方に配設されたターンテーブル221と、このターンテーブル221の上方に設けられた仮固定部と、ターンテーブル221および仮固定部の間で昇降可能なディスク保持機構320と、を備えている。ディスク装置100は、再生ディスクがターンテーブル221に装着されている状態で交換ディスクがディスク挿通口を介して挿入されると、ディスク保持機構320で交換ディスクを保持して仮固定部で仮固定させる。ディスク装置100は、ディスク保持機構320で再生ディスクを保持させ、この再生ディスクがディスク挿通口を介して排出されたことを認識すると、仮固定部で仮固定された交換ディスクを保持させターンテーブル221に装着させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被搬送物を搬送する搬送装置、ディスク装置、および、搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディスク装置に第1のディスク状記録媒体が処理可能な状態に装着されている状態で第2のディスク状記録媒体が挿入されると、第1のディスク状記録媒体に変えて第2のディスク状記録媒体を処理可能な状態に装着する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載のものは、ディスク装置のフロントパネルに、ディスクが出し入れされる出し入れ口が形成されている。また、ディスク装置の内部筐体には、記録再生部などを有する駆動ユニットと、ディスクを駆動ユニットのターンテーブルに固定するためのクランパ部材と、ディスクをディスク装置奥部にまたは出し入れ口に向けて搬送する搬送手段と、などが配設されている。さらに、内部筐体の後方部には、ディスクの外周縁部を外側から狭持する下側ガイド手段と、この下側ガイド手段の上方に設けられた上側ガイド手段と、などが配設されている。また、ディスク装置のフロントパネル近傍には、ディスクをディスク装置奥方にまたは出し入れ口へ向けて搬送する送り手段が配設されている。
【0004】
そして、ディスクD2−1が上側ガイド手段における第1の駆動位置に位置している状態において、出し入れ口に新たなディスクD2−2が挿入されると、クランプ部材を上昇させるとともに駆動ユニットを下降させディスクD2−1をアンクランプ状態にする。さらに、ディスクD2−2を送り手段でディスク装置奥方に搬送し、搬送手段の搬送ローラおよび振り分け部により下側ガイド手段に装着する。また、振り分け部を所定の角度だけ回動させ、ディスクD2−1を上側ガイド手段における第1の駆動位置から出し入れ口へ向けて搬送する。そして、ディスクD2−1の排出完了を検知すると、クランプ部材を加工させるとともに駆動ユニットを上昇させディスクD2−2をクランプ状態にする。この後、駆動ユニットの記録再生手段にて、ディスクD2−2の再生動作を行う構成が採られている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−256701号公報(第4頁右欄−第11頁右欄)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1のような構成では、ディスクを内部に送る送り手段およびディスクを振り分ける振り分け部がディスクの平面方向に略沿った状態で並設されるため、ディスクの平面方向の小型化が図りにくいおそれがあるという問題点が一例として挙げられる。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みて、小型化が容易に図れる搬送装置、ディスク装置、および、搬送方法を提供することを1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、ケース体内に設けられ被搬送物に対する処理を実行する被搬送物処理部と、前記ケース体に設けられ前記被搬送物を挿通可能な開口部と、の間で前記被搬送物を搬送する搬送装置であって、搬送される前記被搬送物を一時的に固定する仮固定部と、前記被搬送物処理部および前記仮固定部の間で往復移動可能に設けられた往復移動部と、この往復移動部に配設され前記被搬送物を前記開口部を介して搬入出するとともに着脱可能に保持する搬入出保持部と、を具備したことを特徴とする搬送装置である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、ケース体内に設けられ被搬送物に対する処理を実行する被搬送物処理部と、前記ケース体に設けられ前記被搬送物を挿通可能な開口部と、の間で前記被搬送物を搬送する搬送装置であって、前記被搬送物処理部に第1の前記被搬送物が配置されている状態において前記開口部を介して前記ケース体内に搬入された第2の前記被搬送物を保持し、前記被搬送物処理部と異なる位置へ搬送して一時的に固定させ、前記被搬送物処理部に配置された前記第1の被搬送物を保持して前記開口部の近傍に搬送し、前記開口部を介して前記ケース体外へ搬出し、前記一時的に固定させた第2の被搬送物を保持し、前記被搬送物処理部へ搬送して配置させる交換部を具備したことを特徴とする搬送装置である。
【0010】
請求項10に記載の発明は、被搬送物を挿通可能な開口部を有するケース体と、このケース体内に設けられ前記被搬送物を処理する被搬送物処理部と、前記ケース体内に設けられた請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の搬送装置と、を具備したことを特徴とするディスク装置である。
【0011】
請求項13に記載の発明は、ケース体内に設けられ被搬送物に対する処理を実行する被搬送物処理部と、前記ケース体に設けられ前記被搬送物を挿通可能な開口部と、の間で前記被搬送物を搬送する搬送方法であって、前記被搬送物処理部に第1の前記被搬送物が配置されている状態において前記開口部を介して前記ケース体内に搬入された第2の前記被搬送物を保持し、前記被搬送物処理部と異なる位置へ搬送して一時的に固定させ、前記被搬送物処理部に配置された前記第1の被搬送物を保持して前記開口部の近傍に搬送し、前記開口部を介して前記ケース体外へ搬出し、前記一時的に固定させた第2の被搬送物を保持し、前記被搬送物処理部へ搬送して配置させることを特徴とする搬送方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明のディスク装置の一実施の形態の構成について図面を参照して説明する。本実施の形態では、着脱可能な被搬送物としてのディスク状記録媒体である光ディスクに情報を記録および読み出すディスク装置を例示して説明するが、情報の読み出しあるいは記録のみでもよい。さらには、記録媒体に限らず、MD(Mini Disc)などのようにケース内にディスク状記録媒体が収容されたもの、鋼板など、いずれの搬送物も対象とすることができる。そして、本発明の搬送装置として、ディスク装置に一体に組み込まれた構成に限らず、被搬送物を処理する処理装置に被搬送物を搬送させる別体の装置構成としてもよい。なお、ディスク状記録媒体としては、光ディスクに限らず、磁気ディスク、光磁気ディスクなどの、いずれのディスク状記録媒体を対象とすることができる。また、ドライブ装置として、回転する光ディスクの記録面に沿って略径方向で光ピックアップを移動させる構成に限らず、例えば光ディスクを回転させずに記録面に沿って光ピックアップを移動させて、記録処理や読取処理を実施する構成などとしてもよい。
【0013】
〔ディスク装置の構成〕
図1は、ディスク装置の概略構成を示す斜視図である。図2は、ディスク装置内部の概略構成を示す平面図である。図3は、ディスク保持機構および待避制御機構の概略構成を示す平面図である。図4は、搬送手段の概略構成を示す部分断面図である。図5は、搬送基部の概略構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。図6は、押圧手段の概略構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。図7は、下側筐体の左側板部近傍の概略構成を示す断面図である。図8は、下側筐体の底面図である。
【0014】
図1において、100はディスク装置で、このディスク装置100は、例えば車両などの移動体に搭載されるものである。このディスク装置100は、着脱可能に装着される略平板状である円板状の光ディスク1N(Nは1または2、例えば図4参照)に記録された情報を再生する再生処理、および、光ディスク1Nに情報を記録する記録処理を実施する。また、ディスク装置100は、例えば第1の被搬送物としてのディスク状記録媒体である光ディスク11の再生中(以下、光ディスク11を再生ディスク11と適宜称す)に第2の被搬送物としてのディスク状記録媒体である光ディスク12が挿入されると(以下、光ディスク12を交換ディスク12と適宜称す)、再生ディスク11を交換ディスク12に自動的に交換する。そして、ディスク装置100は、例えば金属製で内部空間を有する略四角箱状のケース体110を有している。
【0015】
ケース体110は、上面を開口する金属製の下側筐体120と、この下側筐体120の上面を閉塞する金属製の上側筐体130と、下側筐体120および上側筐体130の正面側に設けられる合成樹脂にて細長板状に形成された化粧板111と、を備えている。そして、化粧板111には、光ディスク1Nが挿通可能な長手方向に沿った細長スリット状の開口部としてのディスク挿通口111Aが開口形成されている。また、ケース体110の化粧板111には、ケース体110内に挿入された再生ディスク11を排出する際に操作されるイジェクトボタン111Bなど、ディスク装置100全体の動作を設定するための図示しない各種操作ボタンや処理状態を表示により報知する表示パネルなどが適宜設けられている。
【0016】
下側筐体120は、図2に示すように、長方形平板状の底板部121を有している。この底板部121の短手方向の一側縁には、前面板部122が略垂直に折曲形成されている。この前面板部122には、ディスク挿通口111Aに対応する図示しないスリット状の挿通孔が設けられ、化粧板111が取り付けられる。また、底板部121の短手方向の他側縁には、前面板部122と同方向に略垂直に折曲されて前面板部122と対向する後面板部123が形成されている。さらに、底板部121の長手方向の一側縁には、前面板部122と同方向に略垂直に折曲された右側板部124が形成されている。また、底板部121の長手方向の他側縁には、前面板部122と同方向に略垂直に折曲された左側板部125が形成されている。そして、下側筐体120は、上面を開口した略箱状に折曲形成されている。
【0017】
また、右側板部124の上端側における後面板部123側および長手方向略中央には、長手方向が幅方向と略一致する状態に開口形成された2つの図示しない爪挿通スリットが設けられている。さらに、右側板部124の上下方向略中央における前面板部122側および後面板部123側には、長手方向が幅方向と略一致する状態に開口形成された2つの図示しないねじ挿通スリットが開口形成されている。そして、左側板部125の上端側における前面板部122側および長手方向略中央には、右側板部124の爪挿通スリットと同様の爪挿通スリット125A(図7参照)が設けられている。さらに、左側板部125の上下方向略中央における前面板部122側および後面板部123側には、右側板部124のねじ挿通スリットと同様のねじ挿通スリット125B(図7参照)が開口形成されている。
【0018】
そして、底板部121には、ディスク処理部200が配設されている。このディスク処理部200は、軟質部材を介して底板部121に配設された略矩形板状の台座部210を備えている。台座部210には、長手方向の一端近傍に位置して、ディスク回転駆動手段220が配設されている。このディスク回転駆動手段220は、スピンドルモータである図示しない回転用電動モータと、この回転用電動モータの図示しない出力軸に一体的に設けられたターンテーブル221と、を備えている。このターンテーブル221は、先端部が次第に径小となる軸支部221Aと、この軸支部221Aの周面にフランジ状に設けられた鍔部221Bと、軸支部221Aの周面から進退可能に設けられた図示しない係止爪部と、を備えている。そして、ディスク回転駆動手段220は、ターンテーブル221が底板部121の略中央に位置する状態で配設されている。
【0019】
また、台座部210には、処理移動手段230が配設されている。この処理移動手段230は、台座部210に配設されたガイドレール231と、例えばステッピングモータである移動用電動モータ232と、を備えている。移動用電動モータ232に設けられたスクリュ232Aには、例えば一端側および他端側にスクリュ232Aと係合する係合溝および後述するリードスクリュ233の係合溝と係合する係合溝がそれぞれ設けられた図示しないシャフトが略直交に配設されている。そして、このシャフトの他端側には、係合溝と係合する螺旋状の係合溝233Aが外周面に設けられたリードスクリュ233が、ガイドレール231と略平行に配設されている。
【0020】
さらに、台座部210には、処理移動手段230に支持された被搬送物処理部としての情報処理部240が配設されている。この情報処理部240は、ガイドレール231およびリードスクリュ233間に架橋する状態で保持される移動保持部241を備えている。この移動保持部241には、ガイドレール231に移動可能に係合される図示しない係合部と、移動用電動モータ232の出力軸に連結されたリードスクリュ233の係合溝233Aに係合する図示しない爪部と、が備えられている。また、情報処理部240の移動保持部241には、図示しない制御回路部の制御により、光ディスク1Nの記録面に記録された各種情報を読み取って出力回路部へ出力する読取処理や、制御回路部からの各種情報を記録面に記録する記録処理を実施するための光ピックアップ250が配設されている。
【0021】
また、台座部210には、情報処理部240の移動に連動して、ターンテーブル221の係止爪部を軸支部221Aの外周面から進退させる図示しないディスク着脱機構部が設けられている。すなわち、ディスク着脱機構部は、情報処理部240の移動用電動モータ232に近接する方向への移動に連動し、軸支部221Aの外周面から進出する係止爪部が次第に軸支部221Aの外周面から後退する状態に移動させる。
【0022】
そして、ケース体110の内部空間には、光ディスク1Nを昇降させるディスク昇降部300が設けられている。このディスク昇降部300は、略矩形枠状に形成され、ケース体110の内部空間で上下方向に昇降可能に配設された往復移動部としてのステージ310を有している。
【0023】
ステージ310は、図2および図3に示すように、略長方形平板状の前面部311と、前面部311の長手方向の一側縁に略垂直に設けられた右面部312と、前面部311の長手方向の他側縁に右面部312と同方向に略垂直に設けられた左面部313と、前面部311と略対向しかつ右面部312および左面部313の一側縁を連結する状態に設けられた後面部314と、にて略矩形枠状に形成されている。また、右面部312、左面部313、後面部314のそれぞれの下端には、左面部313、右面部312、前面部311に向けて例えば略板状に突出する図示しない、右下面部、左下面部、後下面部がそれぞれ設けられている。さらに、ステージ310には、後面部314近傍の上面の一部を閉塞する後上面部材315が設けられている。この後上面部材315は、右面部312近傍から前面部311に向けて略三角形板状に突出する右上隅面部316と、この右上隅面部316と一体的に設けられ左面部313近傍から前面部311に向けて右上隅面部316と同様に突出する左上隅面部317と、を備えている。
【0024】
右面部312には、外面から突出する状態に設けられた2つの図示しない突出部材としての右昇降制御ピンが長手方向に並設されている。また、左面部313には、右昇降制御ピンと同様に設けられた2つの突出部材としての左昇降制御ピン313A(図7参照)が並設されている。そして、右上隅面部316の前面部311側には、略円形状のガイド軸孔316Aが開口形成されている。また、ガイド軸孔316Aの後面部314側には、中心がガイド軸孔316Aと略一致する略円弧状の円弧スリット316Bが開口形成されている。さらに、右上隅面部316の右面部312および後面部314の連結部近傍には、切欠部316Cが設けられている。また、この切欠部316Cの左面部313側には、図示しない右上ストッパ軸孔が開口形成されている。左上隅面部317におけるガイド軸孔316A、円弧スリット316B、切欠部316C、右上ストッパ軸孔に略対応する位置には、ガイド軸孔317A、円弧スリット317B、切欠部317C、図示しない左上ストッパ軸孔がそれぞれ設けられている。右下面部および左下面部におけるガイド軸孔316A,317A、右上ストッパ軸孔、左上ストッパ軸孔にそれぞれ略対応する位置には、図示しない、右下ガイド軸孔、左下ガイド軸孔、右下ストッパ軸孔、左下ストッパ軸孔が設けられている。そして、ステージ310には、搬入出保持部としてのディスク保持機構320と、挿排検出部410と、待避制御機構420と、などが配設されている。
【0025】
ディスク保持機構320は、光ディスク1Nを保持する。そして、ディスク保持機構320は、光ディスク1Nの周縁に接離可能にそれぞれ設けられた右ガイド330と、左ガイド380と、右ストッパ390と、左ストッパ400と、を備えている。なお、右ガイド330および左ガイド380は、略同一の構成を有しているため、略同一の部材については同一名称を付し説明を簡略化する。また、右ストッパ390および左ストッパ400についても、略同一の部材については同一名称を付し説明を簡略化する。
【0026】
右ガイド330は、図2および図3に示すように、例えば金属などにより平面略細長矩形状に形成され長手方向の一側縁側がステージ310の略中央側に位置する状態で配設されたアーム部材331を有している。このアーム部材331の長手方向の一端側には、図示しない下回動軸孔が開口形成されている。また、アーム部材331における下回動軸孔近傍の長手方向の他側縁には、上方に略直角に屈曲された後に一側縁側に略直角に屈曲された回動中心部331Aが一体的に形成されている。この回動中心部331Aおよびアーム部材331が形成する空間には、後述する図示しない装置制御部の制御により適宜回転されるシャフト332の一端側が配設される。また、回動中心部331Aの上面における下回動軸孔に略対向する位置には、下回動軸孔と略同一の上回動軸孔331A1が開口形成されている。そして、アーム部材331は、下回動軸孔、右下ガイド軸孔、ガイド軸孔316A、上回動軸孔331A1に挿通された右ガイド回動軸333を中心に回動可能に設けられている。さらに、アーム部材331は、例えば板ばねなどの図示しないガイド付勢部材によりステージ310の面方向略中央方向に回動する状態に付勢されている。また、回動中心部331Aの上面における一端には、上方に向けて舌片状に突出し円弧スリット316Bに挿通されるスイッチ動作爪331A2が設けられている。さらに、アーム部材331における回動中心部331Aよりも一端側には、下方に向けて突出する右ガイド係合ピン334が設けられている。
【0027】
また、アーム部材331における長手方向略中央から他端側にかけての他側縁には、上方に略直角に屈曲された後に一側縁側に略直角に屈曲されたシャフト配設部331Bが一体的に形成されている。そして、シャフト配設部331Bおよびアーム部材331が形成する空間には、シャフト332が配設される。さらに、シャフト配設部331Bの上面には、長手方向の長さがシャフト配設部331Bと略同一の略細長矩形板状を有する例えば樹脂製のガイド部材335が積層される状態で配設されている。このガイド部材335における一端側には、側面が光ディスク1Nの外周面に対応する形状に膨出するガイド部335Aが設けられている。
【0028】
さらに、アーム部材331の長手方向の他端側には、シャフト332の他端側に設けられたスクリュ332Aに噛合される状態でローラ駆動ギア336が設けられている。また、アーム部材331の他端側には、光ディスク1Nの周縁近傍部分に摺接しつつ光ディスク1Nをステージ310内部または外部に搬送する搬入出狭持部としての搬送手段340が設けられている。そして、搬送手段340は、図4、図5(A),(B)、および図6(A),(B)に示すように、搬送基部350と、案内手段360と、押圧手段370と、などを備えている。
【0029】
搬送基部350は、図2、図4および図5(A),(B)に示すように、例えば金属などにより略円板状に形成された搬送台座351を有している。搬送台座351の平面方向の略中央には、中心軸が平面に対して傾斜する状態で突出する略円柱状の軸部352が一体的に設けられている。また、軸部352の面方向略中央には、軸が搬送台座351の面と略直交する形状を有しアーム部材331の他端側に突出される図示しない軸が嵌挿される挿通部352Aが穿設されている。そして、搬送台座351は、この挿通部352Aに挿通された軸を中心にアーム部材331に対して回動可能に配設される。また、搬送台座351における軸部352の傾斜方向側の端部には、上方に向けて略矩形板状に立ち上がる立上部353が設けられている。立上部353の下部には、搬送台座351の面外方向に突出する2つの下爪部354が所定間隔離れた状態で並設されている。また、立上部353の上部における下爪部354の間に対応する位置には、下爪部354と略同一形状を有する2つの上爪部355が所定間隔離れた状態で並設されている。さらに、立上部353の上部には、搬送台座351の面内方向に突出する略リング状の本体リング部356が設けられている。そして、本体リング部356の上面における立上部353と略対向する端部には、上方へ向け突出する挿通部材357が設けられている。この挿通部材357は、本体リング部356の上面から突出し外周面が搬送台座351の面内方向に位置する略円弧板状の円弧板部357Aを有している。この円弧板部357Aの上端には、円弧板部357Aの上面を閉塞する略半円板状の閉塞部357Bが設けられている。
【0030】
案内手段360は、図4に示すように、搬送台座351の軸部352に挿通される孔部361Aを略中央に備えた歯車361を有している。この歯車361は、ローラ駆動ギア336が噛合される状態で軸部352に回転自在に軸支されている。また、歯車361の軸方向の一面には、歯車361の外径より小さい外径を有し略円筒状に突出するゴムリング嵌合部362が設けられている。ゴムリング嵌合部362の外周面には、例えばシリコンゴムなどにより略環状に形成されたゴムリング363が嵌合されている。このゴムリング363は、本体リング部356の内径よりも小さい外径を有するとともに、軸方向の一端面である上面が本体リング部356の上面から突出する厚さ寸法に形成されている。ここで、上述したように、搬送台座351の軸部352の軸が傾斜しているため、ゴムリング363は、上面が本体リング部356の上面に対して傾斜する状態に設けられる。
【0031】
押圧手段370は、図4および図6(A),(B)に示すように、例えば樹脂材などにより内径が本体リング部356の外径よりも大きい略リング状に形成された押圧リング部371を有している。この押圧リング部371の一端側の円弧には、下方へ向けて膨出する膨出部371Aが設けられている。そして、この膨出部371Aの円弧方向の略中央には、搬送台座351の下爪部354および上爪部355の間隔と略同一の直径を有する略丸棒状の2つの回動軸部371Bが、所定間隔離れた状態で設けられている。また、押圧リング部371には、膨出部371Aに対して反対側となる略直径方向の位置に、円弧板部357Aの略円弧と略一致する円弧を有する略半円板状の半円膨出部371Cが面内方向へ向けて膨出する状態で設けられている。さらに、押圧リング部371には、膨出部371Aに対して反対側となる略直径方向の位置に、押圧リング部371の一面側となる上方に向けて略台形柱状に突出する台形柱部372が形成されている。この台形柱部372の略中央には、円弧が押圧リング部371の他端側に位置する平面略半円状の半円溝部372Aが設けられている。ここで、押圧リング部371における半円溝部372Aの底面に対応する部分は、押圧ばね374が載置されるばね載置部371Dとされている。また、半円溝部372Aに略対向する位置には、円弧板部357Aの断面よりも大きい略円弧状の円弧板挿通孔372Bが開口形成されている。さらに、台形柱部372における略台形状の底辺の両端に対応する部分には、押圧リング部371の一端側へ向けて突出する突出部372C,372Dがそれぞれ設けられている。また、台形柱部372の上部には、押圧リング部371の面方向略中央にかけて略台形板状に突出する押圧片373が設けられている。この押圧片373は、先端にしたがって薄くなる形状に形成されている。すなわち、押圧片373には、押圧リング部371の他面側となる下面には、膨出部371A側に向く平面となる傾斜した傾斜面373Aを有している。
【0032】
そして、押圧リング部371は、図4に示すように、回動軸部371Bが下爪部354および上爪部355の間に配設されかつ円弧板挿通孔372Bに挿通部材357が挿通され、回動軸部371Bを中心に所定距離だけ回動可能に配設される。このとき、押圧片373およびゴムリング363の間には、押圧片373の傾斜面373Aと傾斜するゴムリング363の上面とにより、押圧片373の基端側にしたがって幅が狭くなる隙間部Pが形成される。そして、この隙間部Pに光ディスク1Nの周縁部が挿入される状態に保持されて案内される。さらに、閉塞部357Bと、半円膨出部371Cおよびばね載置部371Dと、の間には、押圧ばね374が載置される。この押圧ばね374の付勢力により、半円膨出部371Cおよびばね載置部371Dが下方に付勢されて、押圧リング部371が下方に回動される。そして、押圧リング部371が下方に回動されると、押圧手段370は、押圧片373にて、隙間部Pに挿入された光ディスク1Nをゴムリング363の方向へ押圧する。
【0033】
左ガイド380は、図2および図3に示すように、アーム部材331と略同一形状に形成され長手方向の一側縁がステージ略中央側に位置する状態に配設されたアーム部材381を有している。このアーム部材381には、図示しない下回動軸孔と、上回動軸孔381A1を有する回動中心部381Aと、が設けられている。そして、アーム部材381は、下回動軸孔、左下ガイド軸孔、ガイド軸孔317A、上回動軸孔381A1に挿通された左ガイド回動軸382を中心に回動可能に設けられている。さらに、アーム部材381は、図示しないガイド付勢部材によりステージ310の面方向略中央方向に回動する状態に付勢されている。また、回動中心部381Aには、円弧スリット317Bに挿通されるスイッチ動作爪381A2が設けられている。さらに、アーム部材381の一端側には、下方に向けて突出する左ガイド係合ピン383が設けられている。また、アーム部材381には、シャフト配設部331Bと略同一に屈曲形成された屈曲部381Bが設けられている。そして、この屈曲部381Bの上面には、一端側にガイド部384Aを有するガイド部材384が積層される状態で配設されている。また、ガイド部材384の先端側には、ステージ310の面方向中央側が開口する断面略コ字状に一体形成され、光ディスク1Nの周縁近傍部分が係合される搬入出狭持部としてのディスク係合部384Bが設けられている。このディスク係合部384Bは、右ガイド330の搬送手段340における隙間部Pと同様の凹溝384Cが右ガイド330との対向方向側に開口する状態に設けられ、断面略コ字状に形成されている。なお、凹溝384Cは、中央部が円弧状に膨出する状態に形成されている。
【0034】
右ストッパ390は、例えば金属などにより平面略細長矩形状に形成され長手方向の一側縁がステージ310の略中央側に位置する状態に配設されたアーム部材391を有している。このアーム部材391は、右ガイド330のアーム部材331よりも下方に位置する状態で配設されている。また、アーム部材391の長手方向の一端側には、図示しない下回動軸孔が開口形成されている。さらに、アーム部材391における一端側の長手方向の他側縁には、回動中心部331Aと同様に屈曲形成された回動中心部391Aが設けられている。この回動中心部391Aの上面における下回動軸孔に略対向する位置には、上回動軸孔391A1が開口形成されている。そして、アーム部材391は、右下ストッパ軸孔、下回動軸孔、上回動軸孔391A1、右上ストッパ軸孔に挿通された右ストッパ回動軸392を中心に回動可能に設けられている。さらに、アーム部材391は、図示しないストッパ付勢部材によりステージ310の面方向略中央方向に回動する状態に付勢されている。また、回動中心部391Aの上面における一端には、上方に向けて舌片状に突出し切欠部316Cに挿通されるスイッチ動作爪391A2が設けられている。
【0035】
また、アーム部材391の一端側の一側縁には、面方向に沿って略三角形板状に突出された三角突出部391Bが設けられている。この三角突出部391Bの先端には、下方に向けて突出する右ストッパ係合ピン393が設けられている。また、三角突出部391Bの略中央には、略四角形状に開口形成され右ガイド係合ピン334が移動可能に挿通されるピン挿通孔391B1が開口形成されている。このピン挿通孔391B1は、挿入された光ディスク1Nによる付勢により右ガイド330が回動された際に、右ガイド係合ピン334が一体的に移動することを妨げない形状に形成されている。さらに、アーム部材391の長手方向の他端側には、例えば略細長矩形板状を有する樹脂製のストッパ部材394が積層される状態で配設されている。そして、ストッパ部材394の他端側には、ステージ310の面方向中央側が開口する断面略コ字状に一体形成され光ディスク1Nの周縁近傍が係合されるディスク係合部394Aが設けられている。
【0036】
左ストッパ400は、図2および図3に示すように、アーム部材391と略同一形状に形成され長手方向の一端縁がステージ310の略中央側に位置する状態に配設されたアーム部材401を有している。このアーム部材401は、左ガイド380のアーム部材381よりも下方に位置する状態で配設され、図示しない下回動軸孔と、上回動軸孔401A1を有する回動中心部401Aと、を備えている。そして、アーム部材401は、左下ストッパ軸孔、下回動軸孔、上回動軸孔401A1、左上ストッパ軸孔に挿通された左ストッパ回動軸402を中心に回動可能に設けられている。さらに、アーム部材401は、図示しないストッパ付勢部材によりステージ310の面方向略中央方向に回動する状態に付勢されている。また、回動中心部401Aには、切欠部317Cに挿通されるスイッチ動作爪401A2が設けられている。さらに、アーム部材401には、左ストッパ係合ピン403およびピン挿通孔401B1を有する三角突出部401Bが設けられている。ピン挿通孔401B1は、光ディスク1Nにより左ガイド380が回動された際に、左ガイド係合ピン383が一体的に移動することを妨げない形状に形成されている。また、アーム部材401には、ディスク係合部404Aを有するストッパ部材404が積層される状態で配設されている。
【0037】
挿排検出部410は、光ディスク1Nの挿入や排出(以下、挿入および排出をまとめて説明する際には、挿排と適宜称す)を検出する。そして、挿排検出部410は、図2に示すように、右上隅面部316および左上隅面部317のそれぞれの上面に配設された回路部411,414を有している。回路部411は、装置制御部に接続されている。この回路部411には、右ガイド330の回動に伴う光ディスク1Nの挿排状態を検出する右ガイド検出部412と、右ストッパ390の回動に伴う光ディスク1Nの挿排状態を検出する右ストッパ検出部413と、が配設されている。右ガイド検出部412、右ストッパ検出部413は、一面にスイッチ動作爪331A2,391A2の接触により進退する進退部412A,413Aを有し、この進退部412A,413Aの進退状態で光ディスク1Nの挿排状態を検出して、その旨の信号を回路部411を介して装置制御部へ適宜出力する。回路部414には、光ディスク1Nの挿排状態をそれぞれ検出する左ガイド検出部415と、左ストッパ検出部416と、が配設されている。そして、左ガイド検出部415、左ストッパ検出部416は、スイッチ動作爪381A2,401A2の接触に対応する進退部415A,416Aの進退状態で光ディスク1Nの挿排状態を検出して、その旨の信号を回路部414を介して装置制御部へ適宜出力する。
【0038】
待避制御機構420は、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400をステージ310の面外方向へ適宜待避させる。具体的には、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400は、待避位置と待機位置とに移動される。待避位置は、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400の先端側をステージ310の内周面側に向けて回動させ、ディスク処理部200のターンテーブル221に軸支された光ディスク1Nに対して、平面視で右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400が重ならない位置である。また、待機位置は、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400の先端側をステージ310の中央側へ移動させた位置である。この待避制御機構420は、図2および図3に示すように、右待避制御板421と、左待避制御板422と、待避制御歯車423と、などを備えている。なお、右待避制御板421および左待避制御板422は、略同一の構成を有しているため、略同一の部材については同一名称を付し説明を簡略化する。
【0039】
右待避制御板421は、図3に示すように、例えば金属などにより略矩形板状に形成され、後面部314側に長手方向がステージ310の左右方向と略一致する状態に配設された制御板中央部421Aを有している。この制御板中央部421Aにおける右面部312側および左面部313側には、後下面部から突出するピン318Aが摺動可能に係合されるピン係合スリット421A1が開口形成されている。また、制御板中央部421Aの左面部313側の側縁には、略矩形板状に突出し前面部311側の側縁に待避制御歯車423が噛合される噛合溝421B1が形成された噛合部421Bが設けられている。
【0040】
さらに、制御板中央部421Aの右面部312側には、前面部311側へ向けて略台形板状に突出する台形突出部421Cが設けられている。この台形突出部421Cの略中央には、右ガイド係合ピン334が摺動可能に係合される略三角形状のピン係合孔421C1が開口形成されている。このピン係合孔421C1は、右待避制御板421が左面部313側に移動された際に、右ガイド330をガイド付勢部材の付勢力に反して右面部312側へ回動させる状態に右ガイド係合ピン334を摺動させ、右面部312側に移動された際に、ガイド付勢部材により左面部313側に回動させる状態に右ガイド係合ピン334を摺動させる形状に形成されている。さらに、ピン係合孔421C1は、右待避制御板421が右面部312に最も近接している状態で光ディスク1Nにより右ガイド330が回動された際に、右ガイド係合ピン334が一体的に移動することを妨げない形状に形成されている。
【0041】
また、台形突出部421Cにおける右面部312側の隅部には、前面部311側に突出した後に左面部313側に略直角に突出する形状に形成され右ストッパ係合ピン393が摺動可能に係合されるピン係合部421Dが設けられている。このピン係合部421Dは、右待避制御板421が左面部313側に移動された際に右ストッパ390をストッパ付勢部材の付勢力に反して後面部314側へ回動させる状態に右ストッパ係合ピン393を摺動させ、右面部312側に移動された際にストッパ付勢部材により前面部311側に回動させる状態に右ストッパ係合ピン393を摺動させる形状に形成されている。さらに、ピン係合部421Dは、右待避制御板421が右面部312に最も近接している状態で光ディスク1Nにより右ストッパ390が回動された際に、右ストッパ係合ピン393が一体的に移動することを妨げない形状に形成されている。そして、右待避制御板421は、装置制御部の制御により右面部312側または左面部313側に適宜移動される。
【0042】
左待避制御板422は、図3に示すように、略矩形板状に形成され、右待避制御板421から所定間隔離れた前面部311側に長手方向がステージ310の左右方向と略一致する状態に配設された制御板中央部422Aを有している。この制御板中央部422Aにおける左面部313側には、左ガイド係合ピン383が摺動可能に係合される略三角形状のピン係合孔422A1が開口形成されている。このピン係合孔422A1は、左待避制御板422が右面部312側に移動された際に左ガイド380をガイド付勢部材の付勢力に反して左面部313側へ回動させ、左面部313側に移動された際にガイド付勢部材の付勢力により右面部312側に回動させる形状に形成されている。さらに、ピン係合孔422A1は、左待避制御板422が左面部313に最も近接している状態で光ディスク1Nにより左ガイド380が回動された際に、左ガイド係合ピン383が一体的に移動することを妨げない形状に形成されている。また、制御板中央部422Aの右面部312側の側縁には、略矩形板状に突出し後面部314側の側縁に待避制御歯車423が噛合される噛合溝422B1が形成された噛合部422Bが設けられている。この噛合部422Bには、後下面部から突出するピン318Bが摺動可能に係合されるピン係合スリット422B2が開口形成されている。
【0043】
さらに、制御板中央部422Aにおける左面部313側には、後面部314側の側縁から略矩形板状に突出する矩形突出部422Cが設けられている。この矩形突出部422Cには、ピン318Bが摺動可能に係合されるピン係合スリット422C1が開口形成されている。また、制御板中央部422Aにおける左面部313側には、前面部311側の側縁から前面部311側に突出した後に右面部312側に略直角に突出する形状に形成され左ストッパ係合ピン403が摺動可能に係合されるピン係合部422Dが設けられている。このピン係合部422Dは、左待避制御板422が右面部312側に移動された際に左ストッパ400をストッパ付勢部材の付勢力に反して後面部314側へ回動させ、左面部313側に移動された際にストッパ付勢部材の付勢力により前面部311側に回動させる形状に形成されている。また、ピン係合部422Dは、左待避制御板422が左面部313に最も近接している状態で光ディスク1Nにより左ストッパ400が回動された際に、左ストッパ係合ピン403が一体的に移動することを妨げない形状に形成されている。
【0044】
待避制御歯車423は、上述したように右待避制御板421の噛合溝421B1および左待避制御板422の噛合溝422B1に噛合された状態で配設されている。この待避制御歯車423は、右待避制御板421が例えば左面部313側に移動されると左回りに回転され左待避制御板422を右面部312側へ移動させる。すなわち、右待避制御板421および左待避制御板422は、相対的に近接あるいは離間する方向で同等に移動する状態となる。具体的には、右待避制御板421および左待避制御板422の相対的な近接方向への移動により、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400が待避位置となり、右待避制御板421および左待避制御板422の相対的な離間方向への移動により、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400が待機位置となる。
【0045】
また、下側筐体120には、図2に示すように、ディスク昇降部300の昇降状態を制御する昇降制御機構500が設けられている。この昇降制御機構500は、右側板部124および右面部312の間でケース体110の前後方向に移動可能に配設された移動部材としての右昇降制御板520と、左側板部125および左面部313の間でケース体110の前後方向に移動可能に配設された移動部材としての左昇降制御板530と、右昇降制御板520および左昇降制御板530の移動状態を制御する移動制御部540と、などを備えている。なお、右昇降制御板520および左昇降制御板530は、略同一の構成を有しているため、略同一の部材については同一名称を付し説明を簡略化する。
【0046】
左昇降制御板530の下端縁における後面板部123側には、図7および図8に示すように、下側筐体120の内部側へ向けて略直角に折曲形成された舌片状の左制御板連結部531が一体的に設けられている。この左制御板連結部531における先端から略中央にかけての部分には、後述するバーリング孔部563Aが移動可能に係合される切欠部531Aが形成されている。また、左昇降制御板530の前面板部122側および後面板部123側の側縁には、それぞれ面外方向へ向けて舌片状に突出形成され略中央にねじ孔532Aを有する移動規制部532が設けられている。これら移動規制部532のねじ孔532Aには、図2に示すように、ねじ挿通スリット125Bを介してねじ532Bが挿通される。
【0047】
さらに、左昇降制御板530の上端縁における長手方向略中央および前面板部122側には、図2および図7に示すように、それぞれ上方へ向けて舌片状に突出形成された爪部533が設けられている。この爪部533は、左昇降制御板530の上端縁から上方へ向けて突出する爪基端部533Aを有している。そして、この爪基端部533Aの先端には、左昇降制御板530の外面方向へ向けて略直角に折曲形成された爪中間部533Bが一体的に形成されている。さらに、爪中間部533Bの先端には、上方へ向けて略直角に折曲形成された爪先端部533Cが一体的に形成されている。そして、爪部533は、爪挿通スリット125Aに爪中間部533Bが支持される状態で摺動可能に挿通される。また、それぞれの爪部533の爪中間部533Bから左昇降制御板530の下端縁近傍にかけての部分には、左昇降制御ピン313Aが摺動可能に挿通される突出部材挿通部としての左カム溝534が開口形成されている。この左カム溝534は、左昇降制御板530が下側筐体120の前面板部122側に位置する際にステージ310を下側筐体120における下方位置に位置させ、前後方向略中央に位置する際にステージ310を上下方向略中央位置に位置させ、後面板部123側に位置する際にステージ310を上方位置に位置させる形状に形成されている。ここで、下側筐体120における下方位置は、光ディスク1Nをターンテーブル221に装着する装着位置に対応している。また、略中央位置は、光ディスク1Nがディスク挿通口111Aを介して挿排される挿排位置に対応している。なお、この挿排位置は、光ディスク1Nの読取処理や記録処理を実施する再生位置でもある。さらに、上方位置は、光ディスク1Nを後述する仮固定部600に仮固定する仮固定位置に対応している。
【0048】
右昇降制御板520の下端縁における後面板部123側には、図8に示すように、下側筐体120の内部側へ向けて略直角に折曲形成され切欠部521Aを有する右制御板連結部521が一体的に設けられている。また、右昇降制御板520の前面板部122側および後面板部123側の側縁には、図2および図8に示すように、それぞれねじ522Bが挿通される図示しないねじ孔を有する移動規制部522が設けられている。さらに、右昇降制御板520の上端縁における長手方向略中央および後面板部123側には、爪部523が設けられている。また、爪中間部533Bから右昇降制御板520の下端縁近傍にかけての部分には、右昇降制御ピンが摺動可能に挿通される突出部材挿通部としての図示しない右カム溝が開口形成されている。この右カム溝は、右昇降制御板520が下側筐体120の後面板部123側に位置する際にステージ310を下方位置に位置させ、前後方向略中央に位置する際にステージ310を上下方向略中央位置に位置させ、前面板部122側に位置する際にステージ310を上方位置に位置させる形状に形成されている。なお、右昇降制御ピン、左昇降制御ピン313A、右カム溝、左カム溝534にて、本発明のカム部が構成されている。
【0049】
移動制御部540は、図2に示すように、回動部材制御機構550と、回動部材560と、などを備えている。回動部材制御機構550は、回動部材560の回動状態を制御する。そして、回動部材制御機構550は、第1の動力伝達部551と、第2の動力伝達部552と、第3の動力伝達部553と、などを備えている。
【0050】
第1の動力伝達部551は、軸方向が底板部121の左右方向に略一致する状態で軸を中心に回転可能に配設されたシャフト551Aを有している。このシャフト551Aの右側板部124側および左側板部125側のそれぞれ端部には、歯車551Bおよびスクリュ551Cが一体的に設けられている。そして、シャフト551Aは、装置制御部の制御により適宜回転される。
【0051】
第2の動力伝達部552は、スクリュ551Cに噛合される状態で上下方向と略一致する軸552Aを中心に回転可能に配設された歯車552Bを有している。
【0052】
第3の動力伝達部553は、図2および図8に示すように、歯車552Bが噛合される状態で上下方向と略一致する軸553Aを中心に回転可能に配設された歯車553Bを有している。この歯車553Bは、下面が底板部121から臨む状態に保持されている。そして、歯車553Bの下面には、底板部121から突出する略U字板状を有する回動制御部材553Cが設けられている。この回動制御部材553Cは、歯車553Bと同軸を有する図示しない第1の仮想円の円弧と外形が略一致する略U字板状に形成されている。また、歯車553Bの下面における回動制御部材553Cの略U字状の開口側の外縁近傍には、底板部121から突出する回動制御ピン553Dが設けられている。この回動制御ピン553Dは、歯車553Bが回転した際に歯車553Bと同軸を有し第1の仮想円よりも大きい第2の仮想円を描く位置に設けられている。
【0053】
回動部材560は、例えば金属などにより略細長矩形板状に形成されている。この回動部材560は、長手方向の略中央から一端側へ向けて幅が狭くなり、他端側へ向けて幅が広くなった後に狭くなる形状に形成されている。また、回動部材560は、底板部121における後面板部123側の下面にかつ長手方向の略中央の回動軸561を中心に回動可能に配設されている。さらに、回動部材560における長手方向の一端および他端には、面外方向に舌片状に突出形成された回動連結部562,563がそれぞれ設けられている。回動連結部562,563の略中央には、周縁が下方に向けて突出する状態に形成されたバーリング孔部562A,563Aが設けられている。そして、これらバーリング孔部562A,563Aは、右制御板連結部521の切欠部521Aおよび左制御板連結部531の切欠部531Aにそれぞれ係合される。
【0054】
さらに、回動部材560における長手方向略中央および回動連結部563の間には、回動制御部材553Cが適宜当接されたり回動制御ピン553Dが適宜係合されたりする回動制御孔564が開口形成されている。この回動制御孔564の回動連結部563側には、第2の仮想円の円弧と略一致する円弧部564Aが形成されている。この円弧部564Aと略対向する位置には、第1の仮想円の円弧と略一致する形状を有しステージ310が挿排位置に位置する際に回動制御部材553Cが当接される挿排当接部564Bが形成されている。また、挿排当接部564Bの後面板部123側端部には、回動軸561方向に延びる形状を有しステージ310が装着位置に位置する際に回動制御ピン553Dが係合される装着係合部564Cが形成されている。さらに、円弧部564Aの後面部314側端部には、第1の仮想円と略同一の図示しない仮想円の円弧と略一致する形状を有しステージ310が装着位置に位置する際に回動制御部材553Cが当接される装着当接部564Dが形成されている。そして、装着当接部564Dの端部は、円弧部564A方向へ向けて略直線状に延びる連結部564Eを介して、装着係合部564Cの基端に連結されている。また、円弧部564Aおよび挿排当接部564Bの前面部311側端部には、円弧部564Aおよび挿排当接部564Bの略中央を結ぶ仮想線を中心に、装着係合部564C、装着当接部564D、連結部564Eと略線対称に設けられた仮固定係合部564F、仮固定当接部564G、連結部564Hがそれぞれ形成されている。
【0055】
また、昇降制御機構500は、ステージ310の昇降移動に連動し、ディスク処理部200を固定および解除、すなわち台座部210の移動規制および規制解除をする図示しないロック機構部が連結されている。すなわち、ロック機構部は、ステージ310がディスク挿通口111Aに対応する挿排位置から下方の装着位置へ移動させる際に連動し、台座部210が軟質部材にて底板部121に支持される規制解除状態から固定して移動規制する状態に動作する。
【0056】
一方、ケース体110の上側筐体130の略中央には、光ディスク1Nを着脱可能に一時的に固定する、すなわち仮固定する仮固定部600(例えば、図14(A)参照)が設けられている。この仮固定部600は、例えば、昇降制御機構500に連結された図示しないディスク係脱機構部により、ステージ310の昇降移動に連動して仮固定あるいは仮固定状態の解除動作をする。すなわち、仮固定部600は、ステージ310が上方の仮固定位置に移動した際に、搬送される光ディスク1Nを軸支したり、軸支していた光ディスク1Nをディスク保持機構320に受け渡し可能に動作する。
【0057】
また、ケース体110における例えば下側筐体120の下方には、ディスク装置100全体の動作を制御する図示しない装置制御部が配設されている。この装置制御部により制御される動作としては、光ディスク1Nの再生や記録の処理動作、光ディスク1Nの挿排動作、光ディスク1Nの装着動作や仮固定動作、右ガイド330などの待避動作、ステージ310の昇降動作などが例示できるがこれらに限られない。
【0058】
なお、挿排検出部410、待避制御機構420、昇降制御機構500、および、装置制御部にて、本発明の搬送制御部が構成されている。また、この搬送制御部、ステージ310、ディスク保持機構320、および、仮固定部600にて、本発明の交換部および搬送装置が構成されている。なお、本発明の搬送装置としては、上述した搬送制御部を設けない構成としてもよい。
【0059】
〔ディスク装置の動作〕
次に、ディスク装置100の動作を図面を参照して説明する。
【0060】
(昇降制御機構の動作)
まず、ディスク装置100の動作として、昇降制御機構500の動作について図9ないし図13に基づいて説明する。図9は、ディスク保持機構320が装着位置に到達している際の昇降制御機構500の状態を示す平面図である。図10ないし図12は、ディスク保持機構320が挿排位置に到達している際の昇降制御機構500の状態を示す平面図である。図13は、ディスク保持機構320が仮固定位置に到達している際の昇降制御機構500の状態を示す平面図である。
【0061】
ディスク昇降部300は、昇降制御機構500が例えば図9に示すような状態になると装着位置に到達する。具体的には、昇降制御機構500の回動制御ピン553Dが装着係合部564Cに係合されるとともに、回動制御部材553Cが装着当接部564Dに当接されると、回動部材560の回動連結部562が後面板部123に最も近接し、回動連結部563が後面板部123から最も離隔する。そして、右昇降制御板520が後面板部123に最も近接するとともに、左昇降制御板530が後面板部123から最も離隔する。さらに、ステージ310の右昇降制御ピンが右昇降制御板520の図示しない右カム溝の下端近傍に位置するとともに、左昇降制御ピンが左昇降制御板530の左カム溝534の下端近傍に位置する。そして、ステージ310に配設されたディスク保持機構320は、下側筐体120における下方である装着位置、すなわち右ガイド330の隙間部Pおよび左ガイド380の凹溝384Cがディスク回転駆動手段220のターンテーブル221に軸支された光ディスク1Nの周縁に向けて開口して係合可能な位置関係となる位置に到達する。
【0062】
このディスク保持機構320が挿排位置に位置する状態では、昇降制御機構500に連結するロック機構部により、ディスク処理部200が固定された移動規制状態となる。
【0063】
また、図9に示す状態から装置制御部の制御により歯車553Bが左回りに回転されると、回動制御ピン553Dが左回りに移動される。そして、回動制御ピン553Dの移動に伴い回動部材560が付勢されて右回りに回動されるとともに、回動制御ピン553Dが装着係合部564Cの基端側に相対的に移動される。さらに、図10に示すように、回動制御ピン553Dが装着係合部564Cの基端近傍に到達すると、回動制御部材553Cが挿排当接部564Bに当接する。また、回動部材560が右回りに回動されると、右昇降制御板520が後面板部123から離隔する方向に移動するとともに、左昇降制御板530が後面板部123に近接する方向に移動する。さらに、ステージ310の右昇降制御ピンが右カム溝の長さ方向略中央に位置するとともに、左昇降制御ピンが左カム溝534の長さ方向略中央に位置する。そして、ディスク保持機構320は、下側筐体120における上下方向の略中央である挿排位置、すなわち、右ガイド330の隙間部Pおよび左ガイド380の凹溝384Cがディスク挿通口111Aに臨み、ディスク挿通口111Aを介して挿通する光ディスク1Nの周縁が係合可能な位置関係となる位置に到達する。
【0064】
このディスク保持機構320が装着位置に位置する状態では、昇降制御機構500に連結するロック機構部により、ディスク処理部200の台座部210が軟質部材にて底板部121に支持される規制解除状態となり、ディスク処理部200にて光ディスク1Nの読出処理や記録処理が実施可能な状態となる。
【0065】
さらに、図10に示す状態から歯車553Bが左回りに回転されると、回動制御部材553Cが挿排当接部564Bに当接された状態のまま左回りに回動されるとともに、回動制御ピン553Dが回動部材560に接触しない状態で左回りに移動されて、例えば図11に示すような状態となる。このとき、回動部材560が回動しないため、ディスク保持機構320が挿排位置に位置する状態で維持される。
【0066】
そして、図12に示すような回動制御ピン553Dが仮固定係合部564Fの基端近傍に到達した状態から歯車553Bが左回りに回転されると、回動制御ピン553Dの移動に伴い回動部材560が付勢されて右回りに回動されるとともに、回動制御ピン553Dが仮固定係合部564Fの先端側に相対的に移動される。さらに、図13に示すように、回動制御ピン553Dが仮固定係合部564Fの先端に到達すると、回動制御部材553Cが仮固定当接部564Gに当接する。また、回動部材560が右回りに回動されると、右昇降制御板520が後面板部123から離隔する方向に移動するとともに、左昇降制御板530が後面板部123に近接する方向に移動する。さらに、ステージ310の右昇降制御ピンが右カム溝の上端近傍に位置するとともに、左昇降制御ピンが左カム溝534の上端近傍に位置する。そして、ディスク保持機構320は、下側筐体120における上方である仮固定位置、すなわちディスク保持機構320で保持する光ディスク1Nを仮固定部600に係脱可能に仮固定させたり、仮固定された光ディスク1Nを仮固定部600から受け取ったりが可能な位置関係となる位置に到達する。
【0067】
このディスク保持機構320が仮固定位置に移動される状態では、昇降制御機構500に連結された図示しないディスク係脱機構部により、光ディスク1Nを仮固定部600に仮固定、あるいは仮固定状態の解除をしてディスク保持機構320へ光ディスク1Nを仮固定部600から受け渡させる。
【0068】
(光ディスクの交換動作および搬送動作)
次に、ディスク装置100の動作として、光ディスク1Nの交換動作および搬送動作を図面を参照して説明する。図14は、光ディスク1Nの交換動作を示す模式図であり、(A)は再生ディスク11の挿入待機状態、(B)は再生ディスク11を保持した状態、(C)は交換ディスク12の挿入待機状態、(D)は交換ディスク12を保持した状態、(E)は交換ディスク12を仮固定位置に移動させた状態、(F)は交換ディスク12を仮固定した状態を示す。図15は、光ディスク1Nの搬送動作を示す模式図であり、(A)は光ディスク1Nの挿入待機状態、(B)は光ディスク1Nの挿入が開始された状態を示す。図16は、光ディスク1Nの搬送動作を示す模式図であり、(A)は右ガイド330および左ガイド380が光ディスク1Nにより回動された状態、(B)は右ストッパ390および左ストッパ400が光ディスク1Nにより回動された状態を示す。図17は、光ディスク1Nの搬送動作を示す模式図であり、(A)は光ディスク1Nの搬送完了状態、(B)は右ガイド330および左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400の待避状態を示す。図18は、光ディスク1Nの交換動作を示す模式図であり、(A)はディスク保持機構320を装着位置に移動させた状態、(B)は再生ディスク11を保持した状態、(C)は再生ディスク11を挿排位置に移動させた状態、(D)は再生ディスク11が排出された状態、(E)は交換ディスク12を保持した状態、(F)は交換ディスク12を装着した状態を示す。
【0069】
まず、ディスク装置100に再生ディスク11が装着されていない状態において、ディスク保持機構320の右ガイド330および左ガイド380は、図14(A)に示すように、ディスク挿通口111Aに対応する挿排位置に位置している。このとき、ここでは図示しないが、右待避制御板421は、右面部312側に位置する。また、左待避制御板422は、左面部313側に位置する。すなわち、図15(A)に示すように、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400は、待機位置に位置する。
【0070】
この後、図15(A)に示すように、利用者によりディスク挿通口111Aから再生ディスク11が挿入されると、この再生ディスク11は、右ガイド330の突出部372Cおよび左ガイド380のディスク係合部384Bに当接される。そして、さらに再生ディスク11が挿入されると、図15(B)に示すように、搬送手段340の搬送基部350が左回りに回動、すなわち隙間部Pがディスク挿通口111Aに向けて開口する状態に回動され、再生ディスク11は、突出部372C,372Dに当接されるとともに、右ガイド330のゴムリング363および押圧片373の間に狭持され、隙間部Pに係合される。さらに、再生ディスク11は、左ガイド380のディスク係合部384Bの凹溝384Cにも係合される。この後、さらに再生ディスク11が挿入されると、右ガイド330および左ガイド380は、対向方向と反対側へ光ディスク1Nにより押し出されるように回動される。この回動により、スイッチ動作爪331A2,381A2が移動し、挿排検出部410が右ガイド検出部412、左ガイド検出部415にて、再生ディスク11の挿入が開始されたことを検出する。そして、装置制御部は、再生ディスク11の挿入開始が検出されると、シャフト332などを駆動させてゴムリング363を左回りに回転させる。そして、図16(A)に示すように、再生ディスク11は、利用者により付勢されなくても、ゴムリング363の回転により左回り回転されながらディスク装置100内部に搬送される。
【0071】
さらに、再生ディスク11がディスク装置100内部に搬送されていくと、右ガイド330および左ガイド380は、再生ディスク11により押し出されるような外側への付勢が解除され、ガイド付勢部材の付勢により互いに対向する方向である内方向へ回動する。そして、さらに再生ディスク11が搬送されると、図16(B)に示すように、右ストッパ390および左ストッパ400が、搬送される再生ディスク11により外方向へ付勢されて回動する。この後、右ストッパ390および左ストッパ400は、図17(A)に示すように、再生ディスク11全体がディスク装置100内部に搬送され、再生ディスク11がターンテーブル221に軸支される対応する位置となると、挿排検出部410が右ストッパ検出部413、左ストッパ検出部416にて、再生ディスク11全体が挿入されたことを検出する。そして、装置制御部は、再生ディスク11全体の挿入が検出されると、ゴムリング363の回転を停止させて搬送を終了させる。すなわち、光ディスク1Nは、ディスク保持機構320の右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400にて保持され、図14(B)に示すような状態となる。
【0072】
この後、装置制御部は、回動部材制御機構550の駆動により回動部材560を、図11に示す状態から図10さらに図9に示す状態まで回動させて、ディスク保持機構320を装着位置へ移動させる。この下方への移動過程で、ターンテーブル221の係止爪部は軸支部221Aの外周面から次第に後退する状態に移動されつつ、再生ディスク11の略中央に開口する孔部1NAに、ターンテーブル221の軸支部221Aが次第に挿入する状態となる。そして、ディスク保持機構320が装着位置に到達すると、装置制御部は、待避制御機構420を駆動させ、図17(B)に示すように、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400を待避させる。これにより、再生ディスク11は、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400による保持が解除され、ターンテーブル221に装着される。この後、装置制御部は、回動部材560を図9に示す状態から図10、さらに図11に示す状態まで回動させて、図14(C)に示すように、ディスク保持機構320を挿排位置まで移動させるとともに、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400を再び回動させて待機位置へ移動させる。
【0073】
この図14(C)に示すディスク保持機構320が挿排位置に位置したことを装置制御部が認識すると、装置制御部は、ディスク処理部200を動作させ、再生ディスク11に記録された情報を読み取ったり、再生ディスク11に情報を記録させたりする。
【0074】
また、装置制御部は、利用者により交換ディスク12が挿入されると、上述した図15(A)、図15(B)、図16(A)、図16(B)、図17(A)に至る状態と同様にして、図14(D)に示すように、交換ディスク12を内部に搬送する。この交換ディスク12の搬送の際、上述したように、右ガイド330、左ガイド380が回動するので、装置制御部は、新たに光ディスク1Nが挿入されたと認識する。この認識により、装置制御部は、ディスク処理部200を制御して再生ディスク11を読取処理あるいは記録処理している場合には、処理を停止させる制御をする。この後、回動部材560を図11に示す状態から図12、さらに図13に示す状態まで回動させて、図14(E)に示すように、ディスク保持機構320を仮固定位置へ移動させる。そして、装置制御部は、図14(F)に示すように、交換ディスク12を仮固定させるとともに、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400を再び図17(B)に示すような後退位置に待避させた後、図18(A)に示すように、ディスク保持機構320を装着位置へ移動させる。さらに、図18(B)に示すように、装置制御部は、待避制御機構420の制御により右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400の待避状態を解除させて待機位置方向へ回動させて再生ディスク11を保持させる。そして、図18(C)に示すように、再生ディスク11を保持しているディスク保持機構320を挿排位置へ移動させる。この後、上述したような処理と逆の処理を実施して、再生ディスク11を図17(B)に示す状態から図15(B)に示す状態まで移動させる。すなわち、装置制御部は、シャフト332などを駆動させてゴムリング363を右回りに回転させ、再生ディスク11を送り出すようにしてディスク挿通口111Aから排出させる。
【0075】
また、装置制御部は、図18(D)に示すように、利用者により再生ディスク11が引き抜かれて排出されたことを検出すると、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400を上述したように待避位置に待避させ、ディスク保持機構320を一旦装着位置まで移動させ、再び右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400を待機位置となる内方に移動させる処理をする。この場合、既に再生ディスク11は排出されていることから、再生ディスク11を保持できず、待機位置まで回動させることとなり、装置制御部は再生ディスク11が無いことを、特別な検出手段を用いることなく認識できる。この後、装置制御部は、再び右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400を待避位置に移動させ、ディスク保持機構320を仮固定位置まで移動させる。そして、図18(E)に示すように、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400などの待避状態を解除させ、仮固定部600で仮固定された交換ディスク12を保持させる。この後、装置制御部は、図18(F)に示すように、ディスク保持機構320を装着位置へ移動させてターンテーブル221へ装着し、ディスク保持機構320を挿排位置へ移動させて交換処理を終了、すなわち図14(C)に示す待機状態となる。この状態を装置制御部が認識し、ディスク処理部200を動作させ、交換ディスク12を再生ディスク11として、記録された情報を読み取ったり、再生ディスク11に情報を記録させたりする。なお、図18(D)に示す状態から図18(E)に示す状態に移動する際に、一旦装着位置まで移動させた後に仮固定位置へ移動させる場合に限らず、ターンテーブル221に再生ディスク11がないことを認識して、挿排位置から仮固定位置へ直接移動させてもよい。
【0076】
また、図14(C)に示す待機状態でイジェクトボタン111Bが操作されると、上述したように、装置制御部は、待避制御機構420を駆動させ、図17(B)に示すように、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400を待避させる。そして、装置制御部は、ディスク保持機構320を装着位置に移動させ、再び右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400を待機位置となる状態に移動させる。このことにより、再生ディスク11が図17(A)に示すようにディスク保持機構320に保持される。そして、装置制御部は、再生ディスク11を保持しつつディスク保持機構320を挿排位置に移動させる。そして、装置制御部は、シャフト332などを駆動させてゴムリング363を右回りに回転させ、再生ディスク11を送り出すようにしてディスク挿通口111Aから排出させる。
【0077】
〔ディスク装置の作用効果〕
上述したように、上記実施の形態では、ディスク装置100に、ケース体110の下方に配設されたターンテーブル221と、このターンテーブル221の上方に設けられた仮固定部600と、ターンテーブル221および仮固定部600の間で往復可能に設けられたステージ310と、このステージ310に設けられディスク挿通口111Aを介して光ディスク1Nをケース体110内外に搬送するとともに保持するディスク保持機構320と、を設けている。このため、ディスク装置100は、挿排検出部410、待避制御機構420、昇降制御機構500、および、装置制御部の制御により、例えば以下のような処理を実施できる。すなわち、ディスク装置100は、再生ディスク11がターンテーブル221に装着されている状態で交換ディスク12がディスク挿通口111Aから挿入されたことを認識して、挿排位置すなわちディスク挿通口111A近傍に位置するディスク保持機構320で交換ディスク12をケース体110内部に搬送して保持する。そして、ディスク保持機構320を仮固定位置すなわち仮固定部600近傍へ移動させて、交換ディスク12を仮固定させる。さらに、ディスク装置100は、ディスク保持機構320を装着位置すなわちターンテーブル221近傍まで移動させて再生ディスク11を保持させた後に、挿排位置まで移動させる。そして、再生ディスク11がディスク挿通口111Aを介して排出されたことを認識して、ディスク保持機構320に仮固定部600で仮固定された交換ディスク12を保持させターンテーブル221に装着させることができる。したがって、光ディスク1Nを交換する際に光ディスク1Nを軸方向に移動させて仮固定部600への仮固定処理やターンテーブル221への装着処理を実施するので、光ディスク1Nを軸方向に移動させる昇降制御機構500と、光ディスク1Nをケース体110内部へ搬送する搬送手段340と、を光ディスク1Nの平面方向に並設させなくても光ディスク1Nの交換処理を実施できる。よって、搬送手段340をターンテーブル221に装着された光ディスク1Nのディスク挿通口111A側の端部よりも後面部314側に配置でき、ディスク装置100における光ディスク1Nの平面方向の小型化を容易に図ることができる。また、利用者は、交換ディスク12をディスク挿通口111Aへ挿入した後にディスク挿通口111Aから再生ディスク11を引き抜くだけで光ディスク1Nを交換でき、交換処理を実施させるための入力操作などを実施する必要がない。したがって、光ディスク1Nを容易に交換できるディスク装置100を提供できる。
【0078】
そして、ディスク保持機構320を、ターンテーブル221および仮固定部600の間で昇降可能に設けている。このため、例えばディスク保持機構320を昇降させるだけで光ディスク1Nを交換でき、ディスク保持機構320を昇降不可能に設け、ターンテーブル221や仮固定部600を昇降させて光ディスク1Nを交換する構成と比べて昇降させる部材の数を減らすことができる。したがって、部材を昇降させる構成を簡略にできる。また、ターンテーブル221を昇降させないので、このターンテーブル221と同様に台座部210に配設され精密機器を有する情報処理部240を昇降させることがない。したがって、情報処理部240の精密機器の故障を最小限に抑えることができる。
【0079】
また、ディスク装置100は、再生ディスク11が排出されたことを認識すると、ディスク保持機構320を一旦装着位置まで移動させて光ディスク1Nを保持する動作を実施させた後に、仮固定位置へ移動させて交換ディスク12を保持させる。すなわち、ディスク保持機構320を、挿入された交換ディスク12を仮固定させてからターンテーブル221に装着されていた再生ディスク11を挿排位置で排出させるまでの移動順序と反対の順序で移動させる。このため、昇降制御機構500を制御する移動制御部540は、ディスク保持機構320を仮固定位置、装着位置、挿排位置の順序またはその反対の順序で移動させる制御を実施するだけの簡単な構成で光ディスク1Nを交換できる。したがって、ディスク保持機構320を挿排位置、装着位置、仮固定位置の順序で移動させない構成、すなわち例えば再生ディスク11が排出された後にディスク保持機構320を直接仮固定位置へ移動させる構成と比べて、移動制御部540の構成を簡略にできる。
【0080】
さらに、ステージ310近傍に配設されケース体110の前後方向へ移動可能な右昇降制御板520および左昇降制御板530と、右昇降制御板520および左昇降制御板530を移動させた際にステージ310を昇降させるカム部と、を設けている。そして、ディスク装置100は、移動制御部540にて、右昇降制御板520および左昇降制御板530の移動状態を制御して、カム部を介してステージ310に配設されたディスク保持機構320を昇降させる。このため、右昇降制御板520などの前後方向への往復運動をステージ310の昇降運動に変換するカム部を設けるだけの簡単な構成で、ディスク保持機構320を昇降させることができる。したがって、ディスク保持機構320を昇降させる構成をより簡略にできる。
【0081】
そして、カム部を、ステージ310の外面から突出された右昇降制御ピンおよび左昇降制御ピン313Aと、右昇降制御板520および左昇降制御板530に設けられ右昇降制御ピンおよび左昇降制御ピン313Aが摺動可能にそれぞれ挿通される右カム溝および左カム溝534と、にて構成している。そして、右昇降制御板520および左昇降制御板530を移動させ、右カム溝および左カム溝534に挿通された右昇降制御ピンおよび左昇降制御ピン313Aを上下方向へ案内することにより、ステージ310を昇降させる。このため、例えば左昇降制御ピン313Aを左カム溝534内で摺動させるだけの簡単な構成でステージ310を昇降させることができ、ディスク保持機構320を昇降させる構成をさらに簡略にできる。
【0082】
また、ディスク保持機構320の右ガイド330に、右上隅面部316に設けられた右ガイド回動軸333を中心に回動可能なアーム部材331と、このアーム部材331に配設され光ディスク1Nをケース体110内外に搬送する搬送手段340と、を設けている。また、左ガイド380に、左上隅面部317に設けられた左ガイド回動軸382を中心に回動可能なアーム部材381と、このアーム部材381に配設され光ディスク1Nの周縁近傍部分が係合されるディスク係合部384Bと、を設けている。そして、アーム部材331,381を回動させて搬送手段340およびディスク係合部384Bを光ディスク1Nに摺接させ、搬送手段340およびディスク係合部384Bにより光ディスク1Nをケース体110内外に搬送するとともに狭持する。このため、アーム部材331,381を回動させるだけの簡単な方法で、光ディスク1Nを搬送するとともに狭持する搬送手段340およびディスク係合部384Bを光ディスク1Nに摺接させることができる。したがって、ディスク保持機構320の構成をより簡略にできる。
【0083】
さらに、搬送手段340を右ガイド330のみに設け、左ガイド380に設けない構成としている。このため、搬送手段340を右ガイド330および左ガイド380の両方に設ける構成と比べて、ディスク保持機構320の構成を簡略にできる。
【0084】
また、本発明の小型化を容易に図れる構成を移動体に搭載されるディスク装置100に適用している。このため、移動体の限られた室内空間であっても、従来ある配設位置にディスク装置100を配設でき、ディスク装置100を他の配設部材と干渉することなく配設できる。また、交換ディスク12を挿入して再生ディスク11を取り出すだけの簡単な方法で光ディスク1Nを交換でき、例えば信号待ちなどの時間を利用して光ディスク1Nの交換をできる利便性が高いディスク装置100を提供できる。
【0085】
〔実施の形態の変形〕
なお、本発明は、上述した一実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
【0086】
すなわち、ステージ310を昇降可能に設けた構成について例示したが、例えばステージ310、ターンテーブル221、仮固定部600のうち2つまたは3つを昇降可能に設けた構成としてもよい。具体的には、ステージ310を昇降不可能な状態に設け、ターンテーブル221および仮固定部600を昇降させてもよい。また、ステージ310をターンテーブル221との間で昇降可能に設けるとともに、仮固定部600をステージ310との間で昇降可能に設ける構成としてもよい。これらのような構成にしても、光ディスク1Nを軸方向に移動させる昇降制御機構500と、光ディスク1Nをケース体110内部へ搬送する搬送手段340と、を光ディスク1Nの平面方向に並設させる必要がなく、ディスク装置100の小型化を容易に図ることができる。
【0087】
また、例えば再生ディスク11が排出された後に、ディスク保持機構320を直接仮固定位置へ移動させて仮固定された交換ディスク12を保持する構成としてもよい。このような構成にすれば、ディスク保持機構320を光ディスク1Nが装着されていないターンテーブル221へ移動させる動作を省略でき、光ディスク1Nの交換処理をより迅速にできる。
【0088】
そして、ディスク保持機構320を昇降させる構成として、カム機構を利用せずにてこ機構やクランク機構などを利用する構成としてもよい。このような構成にしても、簡単な構成でディスク保持機構320を昇降させることができる。なお、ディスク保持機構320を昇降させる構成としては、カム機構、てこ機構、クランク機構の他いかなる構成を適用してもよい。
【0089】
また、カム部として、左カム溝534に挿通された左昇降制御ピン313Aを昇降させる構成を適用したが例えば以下のような構成などとしてもよい。すなわち、偏心された円板状のいわゆる板カムを回転させて、この円板状部材の外周面に当接された当接部材を昇降させてステージ310を昇降させる構成としてもよい。このような構成にしても、簡単な構成でディスク保持機構320を昇降させることができる。なお、板状部材の表面に偏心された略円形の溝を設けたいわゆる正面カムなど他のいかなるカム機構を適用してもよい。
【0090】
さらに、光ディスク1Nを保持する構成として、アーム部材331,381を設けずに例えば以下のような構成などとしてもよい。すなわち、例えばステージ310の右面部312における前面部311側に、左面部313方向に延びるレール部材を設ける。また、左面部313における前面部311側に、右面部312方向に延びるレール部材を設ける。そして、各レール部材に沿って、搬送手段340やディスク係合部384Bを移動させて光ディスク1Nの周縁近傍部分を狭持する構成としてもよい。このような構成にしても、搬送手段340などをレール部材に沿って移動させるだけの簡単な構成で光ディスク1Nを保持できる。
【0091】
また、左ガイド380に、ディスク係合部384Bの代わりに搬送手段340と同様の搬送手段を設ける構成としてもよい。このような構成にすれば、光ディスク1Nの挿入方向と略直交する両方向側に光ディスク1Nを挿入または排出するための力を加えることができ、上記実施の形態のように挿入方向と略直交する一方側のみに力を加える構成と比べて、光ディスク1Nをより良好にケース体110内に案内できる。
【0092】
さらに、本発明の搬送装置を、MDなどのようにケース内にディスク状記録媒体が収容されたもの、メモリカード、鋼板などいずれの被搬送物を搬送する構成に適用してもよい。また、本発明の搬送装置を、家庭などへの設置用、携帯用のディスク装置、パーソナルコンピュータなどに搭載されるディスク装置などに適用してもよい。そして、本発明の搬送装置としては、ステージ310、ディスク保持機構320、および、仮固定部600のみを備えた構成としてもよい。
【0093】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
【0094】
〔実施形態の作用効果〕
上述したように、上記実施の形態では、ディスク装置100に、ケース体110の下方に配設されたターンテーブル221と、このターンテーブル221の上方に設けられた仮固定部600と、ターンテーブル221および仮固定部600の間で往復可能に設けられたステージ310と、このステージ310に設けられ光ディスク1Nをケース体110内外に搬送するとともに保持するディスク保持機構320と、を設けている。このため、ディスク装置100は、例えば以下のような処理を実施できる。すなわち、ディスク装置100は、再生ディスク11がターンテーブル221に装着されている状態で交換ディスク12が挿入されたことを認識して、挿排位置に位置するディスク保持機構320で交換ディスク12をケース体110内部に搬送して保持する。そして、ディスク保持機構320を仮固定位置へ移動させて交換ディスク12を仮固定させ、装着位置まで移動させる。さらに、再生ディスク11を保持させた後に挿排位置まで移動させ、再生ディスク11が排出されたことを認識して、ディスク保持機構320に仮固定部600で仮固定された交換ディスク12を保持させターンテーブル221に装着させることができる。したがって、光ディスク1Nを交換する際に光ディスク1Nを軸方向に移動させて仮固定部600への仮固定処理やターンテーブル221への装着処理を実施するので、光ディスク1Nを軸方向に移動させる昇降制御機構500と、光ディスク1Nをケース体110内部へ搬送する搬送手段340と、を光ディスク1Nの平面方向に並設させなくても光ディスク1Nの交換処理を実施できる。よって、搬送手段340をターンテーブル221に装着された光ディスク1Nのディスク挿通口111A側の端部よりも後面部314側に配置でき、ディスク装置100における光ディスク1Nの平面方向の小型化を容易に図ることができる。
【0095】
また、ディスク装置100は、再生ディスク11がターンテーブル221に装着されている状態において、このターンテーブル221よりも上方に位置するディスク挿通口111Aから交換ディスク12が挿入されたことを認識すると、この交換ディスク12を保持してケース体110内におけるディスク挿通口111Aよりも上方へ移動させて仮固定させる。そして、ターンテーブル221に装着された再生ディスク11を上方へ移動させてディスク挿通口111Aから搬出させると、上方で仮固定された交換ディスク12をターンテーブル221へ移動させて装着させる。このため、光ディスク1Nを交換する際に光ディスク1Nを軸方向に移動させて仮固定処理やターンテーブル221への装着処理を実施するので、光ディスク1Nを軸方向に移動させる構成と、光ディスク1Nをケース体110内部へ搬送する構成と、を光ディスク1Nの平面方向に並設させなくても光ディスク1Nの交換処理を実施できる。したがって、光ディスク1Nを軸方向に移動させる構成をターンテーブル221に装着された光ディスク1Nのディスク挿通口111A側の端部よりも後面部314側に配置でき、ディスク装置100における光ディスク1Nの平面方向の小型化を容易に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の一実施の形態に係るディスク装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】前記一実施の形態におけるディスク装置内部の概略構成を示す平面図である。
【図3】前記一実施の形態におけるディスク保持機構および待避制御機構の概略構成を示す平面図である。
【図4】前記一実施の形態における搬送手段の概略構成を示す部分断面図である。
【図5】前記一実施の形態における搬送基部の概略構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図6】前記一実施の形態における押圧手段の概略構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図7】前記一実施の形態における下側筐体の左側板部近傍の概略構成を示す断面図である。
【図8】前記一実施の形態における下側筐体の底面図である。
【図9】前記一実施の形態におけるディスク保持機構が装着位置に到達している際の昇降制御機構の状態を示す平面図である。
【図10】前記一実施の形態におけるディスク保持機構が挿排位置に到達している際の昇降制御機構の状態を示す平面図である。
【図11】前記一実施の形態におけるディスク保持機構が挿排位置に到達している際の昇降制御機構の状態を示す平面図である。
【図12】前記一実施の形態におけるディスク保持機構が挿排位置に到達している際の昇降制御機構の状態を示す平面図である。
【図13】前記一実施の形態におけるディスク保持機構が仮固定位置に到達している際の昇降制御機構の状態を示す平面図である。
【図14】前記一実施の形態における光ディスクの交換動作を示す模式図であり、(A)は再生ディスクの挿入待機状態、(B)は再生ディスクを保持した状態、(C)は交換ディスクの挿入待機状態、(D)は交換ディスクを保持した状態、(E)は交換ディスクを仮固定位置に移動させた状態、(F)は交換ディスクを仮固定した状態を示す。
【図15】前記一実施の形態における光ディスクの搬送動作を示す模式図であり、(A)は光ディスクの挿入待機状態、(B)は光ディスクの挿入が開始された状態を示す。
【図16】前記一実施の形態における光ディスクの搬送動作を示す模式図であり、(A)は右ガイドおよび左ガイドが光ディスクにより回動された状態、(B)は右ストッパおよび左ストッパが光ディスクにより回動された状態を示す。
【図17】前記一実施の形態における光ディスクの搬送動作を示す模式図であり、(A)は光ディスクの搬送完了状態、(B)は右ガイド、左ガイド、右ストッパ、左ストッパの待避状態を示す。
【図18】前記一実施の形態における光ディスクの交換動作を示す模式図であり、(A)は光ディスク保持機構を装着位置に移動させた状態、(B)は再生ディスクを保持した状態、(C)は再生ディスクを挿排位置に移動させた状態、(D)は再生ディスクが排出された状態、(E)は交換ディスクを保持した状態、(F)は交換ディスクを装着した状態を示す。
【符号の説明】
【0097】
11 第1の被搬送物としてのディスク状記録媒体である光ディスク(再生ディスク)
12 第2の被搬送物としてのディスク状記録媒体である光ディスク(交換ディスク)
100 ディスク装置
110 ケース体
111A 開口部としてのディスク挿通口
240 被搬送物処理部としての情報処理部
310 交換部および搬送装置を構成する往復移動部としてのステージ
313A カム部を構成する突出部材としての左昇降制御ピン
320 交換部および搬送装置を構成する搬入出保持部としてのディスク保持機構
331,381 アーム部材
340 搬入出狭持部としての搬送手段
384B 搬入出狭持部としてのディスク係合部
410 搬送制御部、交換部、および、搬送装置を構成する挿排検出部
420 搬送制御部、交換部、および、搬送装置を構成する待避制御機構
500 搬送制御部、交換部、および、搬送装置を構成する昇降制御機構
520 移動部材としての右昇降制御板
530 移動部材としての左昇降制御板
534 カム部を構成する突出部材挿通部としての左カム溝
600 交換部および搬送装置を構成する仮固定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース体内に設けられ被搬送物に対する処理を実行する被搬送物処理部と、前記ケース体に設けられ前記被搬送物を挿通可能な開口部と、の間で前記被搬送物を搬送する搬送装置であって、
搬送される前記被搬送物を一時的に固定する仮固定部と、
前記被搬送物処理部および前記仮固定部の間で往復移動可能に設けられた往復移動部と、
この往復移動部に配設され前記被搬送物を前記開口部を介して搬入出するとともに着脱可能に保持する搬入出保持部と、
を具備したことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送装置であって、
前記被搬送物処理部に第1の前記被搬送物が配置されている状態において前記搬入出保持部に第2の前記被搬送物を前記ケース体内に搬入させて保持させ、前記往復移動部を前記仮固定部の近傍に移動させて前記搬入出保持部に前記第2の被搬送物を前記仮固定部に一時的に固定させ、前記往復移動部を前記被搬送物処理部の近傍に移動させて前記搬入出保持部に前記第1の被搬送物を保持させ、前記往復移動部を前記開口部の近傍に移動させて前記搬入出保持部に前記第1の被搬送物を前記ケース体外へ搬出させ、前記往復移動部を前記仮固定部の近傍に移動させて前記搬入出保持部に前記第2の被搬送物を保持させ、前記往復移動部を前記被搬送物処理部の近傍に移動させて前記搬入出保持部に前記第2の被搬送物を前記被搬送物処理部に配置させる搬送制御部を具備した
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項3】
ケース体内に設けられ被搬送物に対する処理を実行する被搬送物処理部と、前記ケース体に設けられ前記被搬送物を挿通可能な開口部と、の間で前記被搬送物を搬送する搬送装置であって、
前記被搬送物処理部に第1の前記被搬送物が配置されている状態において前記開口部を介して前記ケース体内に搬入された第2の前記被搬送物を保持し、前記被搬送物処理部と異なる位置へ搬送して一時的に固定させ、前記被搬送物処理部に配置された前記第1の被搬送物を保持して前記開口部の近傍に搬送し、前記開口部を介して前記ケース体外へ搬出し、前記一時的に固定させた第2の被搬送物を保持し、前記被搬送物処理部へ搬送して配置させる交換部を具備した
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項4】
請求項3に記載の搬送装置であって、
前記交換部は、
前記被搬送物処理部と異なる位置に配設され前記被搬送物を一時的に固定する仮固定部と、
前記被搬送物処理部および前記仮固定部の間に設けられた往復移動部と、
この往復移動部に配設され前記被搬送物を搬入出するとともに着脱可能に保持する搬入出保持部と、
この搬入出保持部に前記第2の被搬送物を前記ケース体内に搬入させて保持させ、前記往復移動部および前記仮固定部のうち少なくともいずれか一方を相対的に移動させて前記搬入出保持部に前記第2の被搬送物を前記仮固定部に一時的に固定させ、前記往復移動部および前記被搬送物処理部のうち少なくともいずれか一方を相対的に移動させて前記搬入出保持部に前記第1の被搬送物を保持させ、前記搬入出保持部に前記第1の被搬送物を前記ケース体外へ搬出させ、前記往復移動部および前記仮固定部のうち少なくともいずれか一方を相対的に移動させて前記搬入出保持部に前記第2の被搬送物を保持させ、前記往復移動部および前記被搬送物処理部のうち少なくともいずれか一方を相対的に移動させて前記搬入出保持部に前記第2の被搬送物を前記被搬送物処理部に配置させる搬送制御部と、
を備えた
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項5】
請求項4に記載の搬送装置であって、
前記往復移動部は、前記被搬送物処理部および前記仮固定部の間で往復移動可能に設けられ、
前記搬送制御部は、前記往復移動部を前記仮固定部の近傍に移動させる処理を前記往復移動部および前記仮固定部のうち少なくともいずれか一方を相対的に移動させる処理として実施し、前記往復移動部を前記被搬送物処理部の近傍に移動させる処理を前記往復移動部および前記被搬送物処理部のうち少なくともいずれか一方を相対的に移動させる処理として実施する
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項6】
請求項2または請求項5に記載の搬送装置であって、
前記搬送制御部は、前記搬入出保持部に前記第1の被搬送物を搬出させると、前記往復移動部を前記被搬送物処理部の近傍に移動させて前記搬入出保持部に前記被搬送物を保持する動作を実施させ、前記往復移動部を前記仮固定部の近傍に移動させて前記搬入出保持部に前記第2の被搬送物を保持させる
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項7】
請求項2、請求項5、請求項6のいずれかに記載の搬送装置であって、
前記搬送制御部は、
前記往復移動部の近傍に前記往復移動部の移動方向と交差する方向に移動可能に配設された移動部材と、
前記往復移動部および前記移動部材を架橋する状態に設けられ前記移動部材が前記往復移動部の移動方向と交差する方向に移動された際に前記往復移動部を前記被搬送物処理部および前記仮固定部の間で移動させるカム部と、
を備えた
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項8】
請求項7に記載の搬送装置であって、
前記カム部は、
前記往復移動部から前記移動部材へ向けて突出する状態に設けられた突出部材と、
前記移動部材にスリット状に設けられ前記突出部材が摺動可能に挿通される突出部材挿通部と、
を備えた
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項9】
請求項1、請求項2、請求項5ないし請求項8のいずれかに記載の搬送装置であって、
前記仮固定部は、前記被搬送物が前記開口部を介して前記ケース体内に搬送される搬送経路に対して前記被搬送物処理部と反対側に配設され、
前記往復移動部は、前記ケース体内における前記被搬送物処理部に配置された前記被搬送物の周縁を囲む領域のうち前記被搬送物の中心に対して前記開口部と反対側の領域において、前記搬送経路に対して交差する方向に往復移動可能に設けられ、
前記搬入出保持部は、
長手状に形成され前記往復移動部における前記搬送経路の両側縁近傍に対応する部分に配設された前記長手状の一端側を中心に互いに接離する方向に回動可能に設けられた一対のアーム部材と、
前記一対のアーム部材の前記長手状の他端側に設けられ前記被搬送物の周縁近傍部分に摺接しつつ前記被搬送物を搬入出するとともに狭持する搬入出狭持部と、
を備えた
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項10】
被搬送物を挿通可能な開口部を有するケース体と、
このケース体内に設けられ前記被搬送物を処理する被搬送物処理部と、
前記ケース体内に設けられた請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の搬送装置と、
を具備したことを特徴とするディスク装置。
【請求項11】
請求項10に記載のディスク装置であって、
前記被搬送物は、一面に情報が記録される記録面を有したディスク状記録媒体であり、
前記被搬送物処理部は、前記一面に記録された前記情報を読み取る処理および前記記録面に情報を記録する処理のうち少なくともいずれか一方の処理を実施する情報処理部である
ことを特徴とするディスク装置。
【請求項12】
請求項10または請求項11に記載のディスク装置であって、
前記ケース体は、移動体に配設された
ことを特徴とするディスク装置。
【請求項13】
ケース体内に設けられ被搬送物に対する処理を実行する被搬送物処理部と、前記ケース体に設けられ前記被搬送物を挿通可能な開口部と、の間で前記被搬送物を搬送する搬送方法であって、
前記被搬送物処理部に第1の前記被搬送物が配置されている状態において前記開口部を介して前記ケース体内に搬入された第2の前記被搬送物を保持し、前記被搬送物処理部と異なる位置へ搬送して一時的に固定させ、前記被搬送物処理部に配置された前記第1の被搬送物を保持して前記開口部の近傍に搬送し、前記開口部を介して前記ケース体外へ搬出し、前記一時的に固定させた第2の被搬送物を保持し、前記被搬送物処理部へ搬送して配置させる
ことを特徴とする搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−344316(P2006−344316A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−170018(P2005−170018)
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(591224825)株式会社ゼロエンジニアリング (22)
【Fターム(参考)】