説明

搬送装置

【課題】長尺状シートの異常な送り出しを防止し、長尺状シートを良好に搬出することのできる搬送装置を提供する。
【解決手段】長尺状シートGを該長尺状シートGの長手方向に搬送する第一搬送手段21と、該第一搬送手段21から送り出された長尺状シートGを第一搬送手段21の搬送方向に沿って斜めに交差する方向へ搬送する第二搬送手段22と、これら第一搬送手段21及び第二搬送手段22の運転停止を制御する制御部4とを有し、該制御部4は、第一搬送手段21から送り出された長尺状シートGの先端が第二搬送手段22に接触する以前のタイミングで第二搬送手段22の運転を第一搬送手段21の送り速度のうち第二搬送手段22の搬送方向成分以上の速度で開始するように制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、タイヤのカーカスコードやブレーカコード等に使用されるゴム引きスチールコードに用いて好適な搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、タイヤのカーカスコードやブレーカコードの生産設備では、長尺状に形成されたゴム引きスチールコードを長手方向に搬送する第一搬送手段と、ゴム引きスチールコードの長手方向と所定の角度となる切断角度で前記第一搬送手段から送り出されたゴム引きスチールコードを切断して平行四辺形状のコード片とする切断手段と、第一搬送手段の搬送方向に対して前記切断角度と同一の角度をもって斜めに交差する方向にコード片を搬送する第二搬送手段とを有する搬送装置が用いられている。すなわち、第一搬送手段が第二搬送手段上にゴム引きスチールコードを送り出し、この送り出したゴム引きスチールコードが切断手段によりコード片とされ、第二搬送手段上に載置されたコード片が搬出されるようになっている。そして、第二搬送手段から搬出されたコード片における非切断の端部が突合わせ接合されてカーカスコードやブレーカコードが形成される。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、このような搬送装置よりコード片を連続的に送り出し、先行するコード片の後端と後続のコード片の先端とを接合する接合装置を有し、前記接合装置をコード片の搬入及び搬出をそれぞれ行う搬入コンベア及び搬出コンベアと、コード片を接合する接合ユニットとにより構成したゴム引きスチールコードの切断・接合装置が開示されている。
【特許文献1】特許第2923066号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1のような搬送装置は、図4(a)に示すように、第一搬送手段から静止状態の第二搬送手段へゴム引きスチールシートを送り出すので、送り出す量が増大するほどゴム引きスチールシートと第二搬送手段との間に生じる摩擦抵抗等によってゴム引きスチールコードの先端が第二搬送手段に引っかかり易くなり、図4(b)に示すように、送り出されたゴム引きスチールシートが座屈したり、図4(c)に示すように、先端が巻き込まれたりするという問題があった。特に、切断角度が小さいものとなるにつれて先端がより鋭くなるので、さらに、先端が第二搬送手段により引っかかり易くなるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、長尺状シートの異常な送り出しを防止し、長尺状シートを良好に搬出することのできる搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
搬送装置に係る第一の解決手段として、長尺状シートを該長尺状シートの長手方向に搬送する第一搬送手段と、該第一搬送手段から送り出された前記長尺状シートを前記第一搬送手段の搬送方向に沿って斜めに交差する方向へ搬送する第二搬送手段と、これら第一搬送手段及び第二搬送手段の運転停止を制御する制御部とを有し、該制御部は、前記第一搬送手段から送り出された前記長尺状シートの先端が前記第二搬送手段に接触する以前のタイミングで前記第二搬送手段の運転を開始するように制御する、という手段を採用する。
これにより、長尺状シートの先端と第二搬送手段との接触時において、長尺状シートの送り出し速度のうち第二搬送手段の搬送方向成分の速度に対する第二搬送手段の相対的速度が、第二搬送手段を静止させた場合に比べて小さなものとなる。
【0007】
また、搬送装置に係る第二の解決手段として、上記搬送装置に係る第一の解決手段において、前記制御部は、前記第一搬送手段の送り出し速度のうち前記第二搬送手段の搬送方向成分の速度以上で運転するように前記第二搬送手段を制御する、という手段を採用する。
これにより、長尺状シートの先端と第二搬送手段との接触時において、長尺状シートの先端に対して第二搬送手段が搬送方向に滑る。
【0008】
また、搬送装置に係る第三の解決手段として、上記搬送装置に係る第一又は第二の解決手段において、第一搬送手段から送り出される前記長尺状シートを切断する切断手段を有し、前記制御部は、前記長尺状シートの切断後、切断されたシート片を受け取る際と同方向又は逆方向に前記シート片を前記第二搬送手段の搬送経路下流に位置する搬出手段へ搬出するように、前記第二搬送手段を制御する、という手段を採用する。
これにより、シート片を受け取る際の搬送方向と同方向又は逆方向に向けて、シート片が下流の搬出手段に搬出される。
【0009】
また、搬送装置に係る第四の解決手段として、上記搬送装置に係る第三の解決手段において、前記制御部は、前記シート片全部が前記第二搬送手段から前記搬出手段へ搬出されたことを条件として、前記第二搬送手段から前記第一搬送手段の順に運転を開始するように制御する、という手段を採用する。
これにより、第二搬送手段にシート片が載置されている状態では、第二搬送手段の運転開始がなされない。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る搬送装置によれば、長尺状シートの先端と第二搬送手段との接触時において、長尺状シートの送り出し速度のうち第二搬送手段の搬送方向成分の速度に対する第二搬送手段の相対的速度が第二搬送手段を静止させた場合に比べて小さなものとなるので、長尺状シートの先端が第二搬送手段に引っかかり難くなる。より具体的には、長尺状シートが座屈したり、先端が巻き込まれたりする長尺状シートの異常な送り出しが発生し難くなり、長尺状シートをスムーズに搬出することができる。
【0011】
また、第一搬送手段の送り出し速度のうち前記第二搬送手段の搬送方向成分の速度以上で第二搬送手段を運転させるものでは、長尺状シートの先端に対して第二搬送手段が搬送方向に滑るので、長尺状シートの先端が第二搬送手段に引っかからない。従って、長尺状シートの異常な送り出しが、より発生し難くなり、さらに長尺状シートをスムーズに搬出することができる。
【0012】
また、シート片を受け取る際と同方向又は逆方向に搬出手段へ搬出するものでは、シート片を受け取る際の搬送方向と同方向又は逆方向に向けて、シート片が搬出手段に搬出されるので、搬送装置が用いられる生産設備に応じて必要な方向にシート片を送り出すことができる。
【0013】
また、シート片全部が前記搬送手段へ搬出された条件で前記第二搬送手段から前記第一搬送手段の順番で運転を開始するものでは、第二搬送手段にシート片が載置されている状態では、第二搬送手段の運転開始がなされないので、確実に次のシート片を受け入れることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るタイヤのカーカスコードの生産設備1の概略構成平面図であり、図2は、生産設備1の制御概念図である。この生産設備1は、搬送装置2と、接合装置3と、これらを制御する制御装置(制御部)4とから概略構成されている。この生産設備1を概略的に説明すると、図1に示すように、搬送装置2がその搬送過程において長尺状のゴム引きスチールコード(長尺状シート)Gを切断してコード片(シート片)gとし、このコード片gを連続的に接合装置3に搬出し、接合装置3が先行するコード片gの後端と後続のコード片gの先端とを接合してタイヤのカーカスコードを作成するものである。
【0015】
図1及び図2に示すように、搬送装置2は、第一搬送装置(第一搬送手段)21と、第二搬送装置(第二搬送手段)22と、切断装置(切断手段)23とを備えている。
第一搬送装置21は、長尺状のゴム引きスチールコードGをその長手方向に搬送し第二搬送装置22上に送り出すものである(この第一搬送装置21の搬送方向を「第一搬送方向」と定義する。)。この第一搬送装置21は、第一駆動モータ21aに駆動される第一ベルトローラ21bに巻掛けられた第一搬送ベルト21cによって、第一搬送方向へゴム引きスチールコードGを搬送するようになっている。なお、第一搬送装置21は、制御装置4によって制御されている。
【0016】
第二搬送装置22は、切断装置23によって切断されたゴム引きスチールコードG(コード片g)を接合装置3に搬出するものである。この第二搬送装置22は、第二搬送ベルト22cと、この第二搬送ベルト22cが巻架された第二ベルトローラ22bと、この第二ベルトローラ22bを駆動する第二駆動モータ22aとを備えている。
第二搬送ベルト22c及び第二ベルトローラ22bは、第二搬送ベルト22cの長手方向が第一搬送装置21の搬送方向に斜めに交差するように配置されている。
【0017】
第二駆動モータ22aは、第一駆動モータ21aと同様に、制御装置4によって制御されており、第二駆動モータ22aに電源が供給されると、第二ベルトローラ22bが駆動されて、これに巻架された第二搬送ベルト22cが回転するようになっている。
すなわち、図1に示すように、ゴム引きスチールコードGの搬送経路のうち、第一搬送装置21が構成する搬送経路C1と第二搬送装置22が構成する搬送経路C2とが鈍角を形成している。ここで、この第二搬送装置22の搬送方向を第二搬送方向と定義すると共に、第一搬送方向と第二搬送方向とが形成する鋭角を送り角θと定義する。
【0018】
図1に示すように、切断装置23は、第一搬送装置21から第二搬送装置22上に送り出されたゴム引きスチールコードGを、所定の送り幅(第二搬送方向と直交する方向の長さ)Wで第二搬送方向に沿って切断するものである。つまり、ゴム引きスチールコードGは、第二搬送方向に対して送り角θで第二搬送装置22上に送られるので、第二搬送方向に沿ってゴム引きスチールコードGを切断すると、送り角θと同一の切断角度を有する平行四辺形のコード片gとなる。このコード片gは、第二搬送ベルト22c上に載置され、第二搬送方向に搬送される。
【0019】
接合装置3は、接合ユニット31と、搬入コンベア(搬出手段)32と、搬出コンベア33とを備えている。
接合ユニット31は、複数の接合ロール等からなり、接合線Lに位置する先行するコード片gの後端と後続のコード片gの先端とを接合することができるように構成されている。なお、この接合線Lは、第二搬送方向に対して角度θの傾きを有するように設定されている。
【0020】
搬入コンベア32は、第二搬送方向上で第二搬送装置22に隣接配置され、第二搬送装置22から搬出されたコード片gの先端が接合ユニット31の接合線Lと一致する位置まで該コード片gを第二搬送方向に搬送するものである。
搬出コンベア33は、第二搬送方向上で搬入コンベア32に隣接配置され、先行するコード片gの端が接合ユニット31で接合されたコード片gを第二搬送方向に搬出するものである。
【0021】
制御装置4は、生産設備1の全体動作を制御するものである。
この制御装置4は、第一搬送装置21、第二搬送装置22及び切断装置23を制御して、所定の間隔でコード片gを連続的に接合装置3に搬出させると共に、接合ユニット31、搬入コンベア32及び搬出コンベア33を制御してコード片gを接合させる。
【0022】
また、この制御装置4は、第一搬送装置21から送り出されたゴム引きスチールコードGの先端が第二搬送装置22の第二搬送ベルト22cに接触する以前のタイミングで第二搬送装置22の運転を開始するように制御する。具体的には、先行するコード片gが搬入コンベア32に搬出が完了されたことを条件として、第二搬送装置22から第一搬送装置21の順に駆動させている。
【0023】
さらに、制御装置4は、この第二搬送ベルト22cの駆動の際に、第一搬送装置21からゴム引きスチールコードGが送り出される速度(送り出し速度)のうち第二搬送方向成分の速度と等しいか僅かに上回る速度で運転するように第二搬送装置22を制御している。具体的には、第二搬送ベルト22cの送り速度がゴム引きスチールコードGの送り出し速度のうち第二搬送方向成分の速度を上回るように第二駆動モータ22aを出力させている。
なお、第二搬送ベルト22cの速度は、ゴム引きスチールコードGの送り出し速度のうち第二搬送方向成分の速度との差によってゴム引きスチールコードGが弛まない程度の張力を与えるように設定することが望ましい。
【0024】
続いて、上述した構成を備える生産設備1において、タイヤのカーカスコードの生産工程について、説明する。なお、以下の説明では、ゴム引きスチールコードGが所定の送り幅Wだけ第二搬送装置22上に送り出されて、図1に示すように、第一搬送装置21が停止している状態から説明する。
【0025】
まず、制御装置4は、ゴム引きスチールコードGが所定の送り幅Wだけ送り出されたことを条件として、切断装置23により第二搬送装置22の搬送方向に沿ってゴム引きスチールコードGを切断する。この切断されたゴム引きスチールコードGは、コード片gとなって第二搬送装置22の第二搬送ベルト22c上に載置される。
このコード片gは、第二搬送ベルト22cにより第二搬送方向に順次送り出されて搬入コンベア32に搬出される。この際、制御装置4は、コード片gが搬入コンベア32に搬出されたことを条件として、第二搬送装置22の運転を一旦停止する。
その後、コード片gは、搬入コンベア32によりコード片gの先端が接合線Lと一致する位置まで搬送される。
【0026】
制御装置4は、コード片gが搬入コンベア32に搬出が完了されたことを条件として、第二駆動モータ22aに電源を供給して、第二搬送ベルト22cを第二搬送方向に駆動する。この際の第二搬送ベルト22cの搬送速度は、ゴム引きスチールコードGの送り出し速度のうち第二搬送方向成分の速度を上回る速度となっている。
【0027】
制御装置4は、第二搬送ベルト22cを駆動させた後に、第一駆動モータ21aに電源を供給して、第一搬送ベルト21cを駆動し、ゴム引きスチールコードGを第二搬送ベルト22c上に一定の速度で送り出す。この際、ゴム引きスチールコードGの送り幅が増えるほどゴム引きスチールコードGの先端が第二搬送ベルト22cに接触し、ゴム引きスチールコードGの先端に対して第二搬送ベルト22cが第二搬送方向に滑る。そして、制御装置4は、第二搬送ベルト22c上に送り出されたゴム引きスチールコードGが、所定の送り幅Wとなると切断装置23を駆動してコード片gに切断する。この際、制御装置4は、第一搬送装置21の運転を一旦停止すると共に第二搬送装置22も一旦停止する。
【0028】
次に、制御装置4は、第二搬送ベルト22cを再度駆動し、第二搬送ベルト22c上のコード片gを第二搬送方向へ搬送し、搬入コンベア32に搬出する。そして、制御装置4は、搬入コンベア32を駆動して、コード片gの先端縁部が接合線Lと一致する位置まで該コード片gを搬送する。
最後に、接合ユニット31により、搬入コンベア32によって搬送されたコード片gの先端縁部と先行するコード片gの後端縁部とが接合される。これらの動作を所定回数繰り返すことにより、所定の数のコード片gが接合され、タイヤのカーカスコードが生産される。
【0029】
以上説明した通り、本搬送装置2によれば、ゴム引きスチールコードGの先端に対して、第二搬送装置22の第二搬送ベルト22cが搬送方向に滑るので、ゴム引きスチールコードGの先端が第二搬送ベルト22cに引っかからない。従って、ゴム引きスチールコードGの異常な送り出しが発生し難くなり、さらにゴム引きスチールコードGをスムーズに搬出することが可能となる。
【0030】
続いて、上述した生産設備1の変形例について説明する。図3は、生産設備1の変形例を示す生産設備51の概略構成平面図である。なお、図1〜図2と同様の構成要素については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0031】
図3に示すように、生産設備51は、搬送装置22と接合装置3と制御装置4との構成が生産設備1とほぼ同様の構成のものであるが、第一搬送装置21の配置を変更している。
具体的には、第二搬送装置22の搬送方向に直交する仮想線に対して線対称となる位置に第一搬送装置21の配置を変更している。換言すれば、ゴム引きスチールコードGの搬送経路のうち、第一搬送装置21が構成する搬送経路C1と第二搬送装置22が構成する搬送経路C2とが鋭角を形成している。
【0032】
また、制御装置4は、第二搬送装置22上に送り出されたゴム引きスチールコードGが切断されるまで、第二駆動モータ22aを逆回転させて、第二搬送ベルト22cを第二搬送方向とは逆方向に駆動する。そして、コード片gが第二搬送ベルト22c上に載置された後に第二駆動モータ22aを正回転させて、コード片gを第二搬送方向に搬送する。
【0033】
続いて、このような構成の生産設備51におけるタイヤのカーカスコードの生産工程について説明する。なお、以下の説明では、上述した生産設備1と同様に、先行して搬送されたコード片gの先端が接合線Lと一致する位置に搬送された後から説明する。
【0034】
制御装置4は、コード片gが搬入コンベア32に搬出が完了されたことを条件として、第二駆動モータ22aに電源を供給して、第二搬送ベルト22cを第二搬送方向の逆方向に駆動する。この際の第二搬送ベルト22cの搬送速度は、ゴム引きスチールコードGの送り出し速度のうち第二搬送ベルト22cの第二搬送方向成分の速度を上回る速度となっている。
【0035】
制御装置4は、第二搬送ベルト22cを駆動した後に、第一搬送装置21を運転してゴム引きスチールコードGを第二搬送ベルト22c上に一定の速度で送り出す。この際にも、上述した生産設備1と同様に、ゴム引きスチールコードGの先端が第二搬送ベルト22cに接触すると、ゴム引きスチールコードGの先端に対して第二搬送ベルト22cが第二搬送方向に滑る。そして、所定の送り幅Wとなると切断装置23により切断する。この際、制御装置4は、第一搬送装置21及び第二搬送装置22の運転を一旦停止する。
【0036】
次に、制御装置4は、駆動モータ22aを正回転させて、第二搬送ベルト22cを第二搬送方向に駆動し、第二搬送ベルト22c上のコード片gを第二搬送方向に搬送し、搬入コンベア32に搬出する。次いで、搬入コンベア32により、コード片gの先端縁が接合線Lと一致する位置まで該コード片gを搬送した後に、接合ユニット31を駆動して、コード片gの先端縁部と先行するコード片gの後端縁部とが接合される。これらの動作を所定回数繰り返し、タイヤのカーカスコードが生産される。
【0037】
以上説明した通り、本搬送装置2によれば、第一搬送装置21と第二搬送装置22とが形成する搬送経路を鋭角に構成した場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0038】
なお、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上述した実施の形態では、第一搬送装置21が第二搬送装置22にゴム引きスチールコードGを送り出す前に第二搬送ベルト22cを第二搬送方向と同方向又は逆方向に駆動させたが、第一搬送装置21から送り出されたゴム引きスチールコードGの先端が第二搬送装置22に接触する以前のタイミングであれば、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0039】
また、上述した実施の形態では、第一搬送装置21からゴム引きスチールコードGが送り出される速度(送り出し速度)のうち第二搬送装置22の搬送方向成分の速度と等しいか僅かに上回る速度で第二搬送ベルト22cを駆動したが、この速度未満であっても、第二搬送ベルト22cの搬送速度とゴム引きスチールコードGの第二搬送方向の速度成分の差が縮小されるので、ゴム引きスチールコードGの先端が第二搬送ベルト22cに引っ掛かり難くなって、ゴム引きスチールコードGの異常な送り出しが発生し難くなる。
【0040】
また、上述した実施の形態では、ゴム引きスチールコードGの搬送装置2に本発明を適用したが、長尺状のシートであれば、本発明を適用することができる。
【0041】
また、上述した実施の形態では、第一搬送装置21、第二搬送装置22にベルトを用いた場合について説明したが、ベルトは幅方向に分割された複数の細幅ベルトであってもよい。また、搬送方向に沿って多数のローラを並べたローラコンベアであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態において、タイヤのカーカスコードの生産設備1の概略構成平面図である。
【図2】本発明の実施形態において、生産設備1の生産設備1の制御概念図である。
【図3】本発明の実施形態において、生産設備1の変形例を示す生産設備51の概略構成平面図である。
【図4】従来の搬送装置を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
2…搬送装置
4…制御装置(制御部)
21…第一搬送装置(第一搬送手段)
22…第二搬送装置(第二搬送手段)
23…切断装置(切断手段)
32…搬入コンベア(搬出手段)
G…ゴム引きスチールコード(長尺状シート)
g…コード片(シート片)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状シートを該長尺状シートの長手方向に搬送する第一搬送手段と、
該第一搬送手段から送り出された前記長尺状シートを前記第一搬送手段の搬送方向に沿って斜めに交差する方向へ搬送する第二搬送手段と、
これら第一搬送手段及び第二搬送手段の運転停止を制御する制御部とを有し、
該制御部は、前記第一搬送手段から送り出された前記長尺状シートの先端が前記第二搬送手段に接触する以前のタイミングで前記第二搬送手段の運転を開始するように制御することを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第一搬送手段の送り出し速度のうち前記第二搬送手段の搬送方向成分の速度以上で運転するように前記第二搬送手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
第一搬送手段から送り出される前記長尺状シートを切断する切断手段を有し、
前記制御部は、前記長尺状シートの切断後、切断されたシート片を受け取る際と同方向又は逆方向に前記シート片を前記第二搬送手段の搬送経路下流に位置する搬出手段へ搬出するように、前記第二搬送手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記シート片全部が前記第二搬送手段から前記搬出手段へ搬出されたことを条件として、前記第二搬送手段から前記第一搬送手段の順に運転を開始するように制御することを特徴とする請求項3に記載の搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−242033(P2009−242033A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88968(P2008−88968)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】