説明

携帯型ルーター

【課題】内部ネットワークと外部ネットワークIPアドレスのフラッシュ問題と使用上の問題を回避して、使用上の便利性を向上させること。
【解決手段】本発明に係る携帯型ルーターは、メモリユニット、ネットワーク共有ポート、及び上述の素子と連接する演算処理ユニットからなる。メモリユニットは原設定ネットワークアドレスと原ダイナミックホスト設定プロトコルサーバアドレス範囲を内建している原パラメータ設定領域と更新パラメータ設定領域を有する。ネットワーク共有ポートは、外、内部ネットワーク連接ポートを有し、外部ネットワーク連接ポートは、外部ネットワークアドレスを有する外部ネットワークに連接され、内部ネットワーク連接ポートが内部ネットワークを形成する。使用時、演算処理ユニットは、原と外部ネットワークアドレスを比較し、両者が相同である時、外部ネットワークアドレスと異なる新ネットワークアドレスと新DHCPサーバアドレス範囲を生成し、両者が異なる時、原設定ネットワークアドレスを使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型ルーターに関するものであって、特に、ネットワークアドレス範囲を自動調節できる携帯型ルーターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動オフィスの状況の増加が頻繁になり、多くの出張者は、ホテル内でホテルのネットワークシステムにより仕事を処理している。このとき、自身が携帯するノート型パソコン(NB)、電子ブック(E−book)、PDAと携帯電話(Mobile phone)等のインターネットアクセスが必要な装置は、どれも、コンピュータIPアドレスを用いてネットワークに接続しているが、現在、ホテル内の部屋には、一個のネットワークジョイント、及び、一個のコンピュータIPアドレスしか提供されていない。そのため、宿泊しているビジネスマンにとって、これは十分ではなく、よって、携帯型ルーターにより、数個のバーチャルコンピュータIPアドレスを提供して、異なる装置に使用している。
【0003】
各メーカー、或いは、同一メーカーが販売する携帯型ルーターは、出荷時に与えられるコンピュータIPアドレスで、IPアドレス相同の問題が生じやすく、例えば、携帯型ルーターが与えられるコンピュータIPアドレス(ローカルネットワークアドレス)とホテルの携帯型ルーターネットワークアドレスが同じで、この時、コンピュータIPアドレスをホテルの部屋内の使用者にきちんと分配することができるが、フラッシュするアドレスは、インターネットにアクセスできない。公知の携帯型ルーター中、コンピュータIPアドレスがフラッシュする時、いかなるエラーも提示されず、これは、一般のユーザーにとって、使用上、大変不便である。
よって、ネットワークアドレスを自動切り換えできる携帯型ルーターを提供して上述の問題を克服する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、携帯型ルーターを提供し、IPアドレスの分配可能範囲を自動化調整して、外部ネットワークサーバが使用するIPアドレス範囲を排除し、内部ネットワークと外部ネットワークIPアドレスのフラッシュ問題と使用上の問題を回避して、使用上の便利性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明は、携帯型ルーターを提供し、主に、メモリユニット、ネットワーク共有ポート、及び、メモリユニットとネットワーク共有ポートと連接する演算処理ユニットからなる。
【0006】
上述のメモリユニットは、原パラメータ設定領域と更新パラメータ設定領域を有し、原パラメータ設定領域は、原設定ネットワークアドレスと原ダイナミックホスト設定プロトコル(DHCP)サーバアドレス範囲を設定する。
【0007】
上述のネットワーク共有ポートは、外部ネットワーク連接ポートと内部ネットワーク連接ポートを有し、外部ネットワーク連接ポートが、外部ネットワークアドレスを有する外部ネットワークに連接され、内部ネットワーク連接ポートは、少なくとも一つのインターネットアクセス装置と連接して、内部ネットワークを形成する。
【0008】
使用時、上述の演算処理ユニットは、原設定ネットワークアドレスをロードし、原設定ネットワークアドレスと外部ネットワークアドレスを比較し、両者が相同である時、演算処理ユニットは、外部ネットワークと異なる新ネットワークアドレスと新DHCPサーバアドレス範囲を生成し、更新パラメータ設定領域に保存して、内部ネットワークに使用し、反対に、両者が異なる時、直接、原設定ネットワークアドレスを使用して、内部ネットワークアドレス設定を実行する。
【発明の効果】
【0009】
本発明ではIPアドレスを、携帯型ルーターに連接されるインターネットアクセス装置に自動的に分配することができるだけでなく、分配可能範囲を自動化調整して、外部ネットワークサーバが使用するIPアドレス範囲を排除して、IPアドレスフラッシュ問題と使用上の不便を解決し、使用上の便利性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の携帯型ルーターを示す図である。
【図2】本発明の携帯型ルーターのもう一つの実施例を示す図である。
【図3】本発明の図1の携帯型ルーターの操作プロセスを示す図である。
【図4】本発明の図2の携帯型ルーターの操作プロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の携帯型ルーターを示す図である。図のように、本発明の携帯型ルーター10は、主に、メモリユニット12、一ネットワーク共有ポート14、及び、メモリユニット12とネットワーク共有ポート14に連接される演算処理ユニット16からなる。
【0012】
上述のメモリユニット12は、原パラメータ設定領域18と更新パラメータ設定領域20を有し、原パラメータ設定領域18は、原設定ネットワークアドレスと原ダイナミックホスト設定プロトコル(DHCP)サーバアドレス範囲を内建している。
【0013】
上述のネットワーク共有ポート14は、外部ネットワーク連接ポート22と内部ネットワーク連接ポート24を有し、外部ネットワーク連接ポート22は、外部ネットワークアドレスを有する外部ネットワーク26に連接され、内部ネットワーク連接ポート24が、少なくとも一つのインターネットアクセス装置28に連接されて、内部ネットワーク30を形成する。
【0014】
本発明の携帯型ルーター10を使用して、内部ネットワークアドレスを設定する時、上述の演算処理ユニット16は、原設定ネットワークアドレスをロードし、原設定ネットワークアドレスと外部ネットワークアドレスを比較し、両者が相同である時、演算処理ユニット16は、外部ネットワークと異なる新ネットワークアドレスと新DHCPサーバアドレス範囲を生成して、更新パラメータ設定領域20に保存して、内部ネットワーク30に使用し、反対に、両者が異なる時、直接、原設定ネットワークアドレスを使用して、内部ネットワークアドレス設定を実行する。
【0015】
この他、上述のメモリユニット12は、フラッシュメモリから選択できる。
本発明の携帯型ルーター10は、更に、ワイヤレスネットワーク通信モジュール32を含み、インターネットアクセス装置28が伝送してきた無線信号を受信して、演算処理ユニット16に送るか、或いは、演算処理ユニット16が伝送してきたパケットデータを無線信号に転換し、内部ネットワーク30に使用する。
【0016】
図2は、本発明の携帯型ルーターのもう一つの実施例を示す図である。この実施例中、メモリユニット12は、フラッシュメモリ32と同期型DRAM(SDRAM)34を有し、原パラメータ設定領域36は、フラッシュメモリ32内に設置され、更新パラメータ設定領域38は、同期型DRAM34のバッファ領域内に設置される。
【0017】
図1と図3を参照すると、図3は、本発明の携帯型ルーターの操作プロセスを示す図である。
図のように、まず、ステップS1で、本発明の携帯型ルーター10を起動する。その後、ステップS2で示されるように、演算処理ユニット16が、外部ネットワークアドレスを自動的に捕捉する。ステップS3で示されるように、演算処理ユニット16は、捕捉した外部ネットワークアドレスと原設定ネットワークアドレスを比較し、両者が相同のサブネット(subnet)である場合、ステップS4で示されるように、演算処理ユニット16は、一個の新ネットワークアドレスと新DHCPサーバアドレス範囲を生成する。どちらも、原設定ネットワークアドレスと原DHCPサーバアドレス範囲は異なるる。続いて、ステップS5で示されるように、新ネットワークアドレスと新DHCPサーバアドレス範囲を、更新パラメータ設定領域20に保存する。続いて、ステップS6で示されるように、不断電状態下で、携帯型ルーター10を再起動し、新ネットワークアドレスを捕捉して、本発明の携帯型ルーター10の内部ネットワークIPとして設定すると共に、新DHCPサーバアドレス範囲を捕捉して、IPアドレスを内部ネットワーク30に提供する。つまり、携帯型ルーター10と連接するインターネットアクセス装置28に、IPアドレスを分配する。
【0018】
ステップS3で、両者が相同のサブネットにないと判断される時、ステップS7で示されるように、原設定ネットワークアドレスと原DHCPサーバアドレス範囲を、内部ネットワーク30に提供する。
【0019】
図2と図4を参照して説明する。図4は、本発明の携帯型ルーターのもう一つの操作プロセス図である。図のように、まず、ステップS11で、本発明の携帯型ルーター10を起動する。その後、ステップS12で示されるように、演算処理ユニット16が、外部ネットワークアドレスを自動的に捕捉する。ステップS13で示されるように、演算処理ユニット16は、捕捉した外部ネットワークアドレスと原設定ネットワークアドレスを比較、及び、判断し、両者が相同のサブネットである場合、ステップS14で示されるように、演算処理ユニット16は、一個の新ネットワークアドレスと新DHCPサーバアドレス範囲を生成する。どちらも、原設定ネットワークアドレスと原DHCPサーバアドレス範囲と異なる。続いて、ステップS15で示されるように、更新パラメータ設定領域38に、この新ネットワークアドレスと新DHCPサーバアドレス範囲を保存する。ステップS16で示されるように、この新ネットワークアドレスと新DHCPサーバアドレス範囲を捕捉して、携帯型ルーター10の新パラメータとし、内部ネットワーク30に使用する。
【0020】
ステップS13で、両者が相同のサブネットにないと判断された時は、ステップS17で示されるように、原設定ネットワークアドレスと原DHCPを、内部ネットワーク30に使用する。
【0021】
上述のように、本発明は、新規の携帯型ルーターを提供し、IPアドレスを、携帯型ルーターに連接されるインターネットアクセス装置に自動的に分配することができるだけでなく、分配可能範囲を自動化調整して、外部ネットワークサーバが使用するIPアドレス範囲を排除して、IPアドレスフラッシュ問題と使用上の不便を解決し、使用上の便利性を向上する。
【0022】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変更や置換することができる。
【符号の説明】
【0023】
10・・・・・携帯型ルーター
12・・・・・メモリユニット
14・・・・・ネットワーク共有ポート
16・・・・・演算処理ユニット
18・・・・・原パラメータ設定領域
20・・・・・更新パラメータ設定領域
22・・・・・外部ネットワーク連接ポート
24・・・・・内部ネットワーク連接ポート
26・・・・・外部ネットワーク
28・・・・・インターネットアクセス装置
30・・・・・内部ネットワーク
32・・・・・フラッシュメモリ
34・・・・・同期型DRAM(SDRAM)
36・・・・・原パラメータ設定領域
38・・・・・更新パラメータ設定領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型ルーターであって、
原パラメータ設定領域と更新パラメータ設定領域を有し、前記原パラメータ設定領域は、原設定ネットワークアドレスと原ダイナミックホスト設定プロトコル(DHCP)サーバアドレス範囲を設定したメモリユニットと、
外部ネットワーク連接ポートと内部ネットワーク連接ポートを有し、前記外部ネットワーク連接ポートが、外部ネットワークアドレスを有する外部ネットワークに連接され、前記内部ネットワーク連接ポートは、少なくとも一つのインターネットアクセス装置と連接して、内部ネットワークを形成するネットワーク共有ポートと、
前記メモリユニットと前記ローカルネットワーク共有ポートと電気的に接続して、前記原設定ネットワークアドレスをロードし、前記原設定ネットワークアドレスと前記外部ネットワークアドレスを比較し、両者が相同である時、前記外部ネットワークと異なる新ネットワークアドレスと新DHCPサーバアドレス範囲を生成し、前記更新パラメータ設定領域に保存して、内部ネットワークに使用し、両者が異なる時、直接、前記原設定ネットワークアドレスを使用する演算処理ユニットと、
からなることを特徴とする携帯型ルーター。
【請求項2】
前記メモリユニットはフラッシュメモリであることを特徴とする請求項1に記載の携帯型ルーター。
【請求項3】
前記メモリユニットは、フラッシュメモリと同期型DRAM(SDRAM)を有し、前記原パラメータ設定領域は、前記フラッシュメモリ内に設置され、前記更新パラメータ設定領域は、前記同期型DRAM34のバッファ領域内に設置されることを特徴とする請求項1に記載の携帯型ルーター。
【請求項4】
更に、ワイヤレスネットワーク通信モジュールを含み、前記演算処理ユニットが伝送してくるパケットデータを無線信号に転換することを特徴とする請求項1に記載の携帯型ルーター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−70349(P2012−70349A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−235621(P2010−235621)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願変更の表示】意願2010−6288(D2010−6288)の変更
【原出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(501123743)振曜科技股▲ふん▼有限公司 (3)
【Fターム(参考)】