説明

携帯型温度制御容器

内部チャンバを含み、該内部チャンバへの開口を具備する本体と、本体に結合され、内部チャンバの第1の部分と熱的に結合されるように移動されるとともに、熱的に制御された材料を内部チャンバ内へと解放することにより内部チャンバ内の温度を選択的に変えるように構成される温度制御ユニットと、を有する携帯型温度制御容器。

【発明の詳細な説明】
【優先権主張】
【0001】
[0001]本特許出願は、2006年12月2日に出願され且つ参照することにより明確に本明細書に組み込まれる“PORTABLE COOLING SYSTEM”と題される仮出願60/868,302号の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
[0002]本発明は、一般に温度制御容器に関し、特に携帯型温度制御容器に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]多くの携帯型食品販売用途では、分配されるべき製品を特定の温度に維持するために携帯型温度制御容器の使用が必要である。例えば、「ソフトに提供する」様々なソフトアイスクリームのなどの冷凍デザートの分配を含む販売用途では、アイスクリームが特定の温度範囲内の温度に維持されれば好ましい。アイスクリームが十分に冷たく維持されなければ、アイスクリームが溶けてしまう。逆に、アイスクリームが非常に低い温度に維持される場合には、アイスクリームが硬くなりすぎて分配できない。他の例では、ビールなどの液体が冷却されて特定の温度付近に維持されることが望ましい。分配されるべき食品または液体が大気温度よりも高い温度に維持されるようになっていることも好ましい場合がある。例えば、ベースボールスタジアムでの移動販売者は、大気温度よりも高い温度のホットドッグを売りたいと望む場合がある。他の例では、分配されるべき食品がホットチョコレートやスープなどの液体の場合がある。
【0004】
[0004]食品を特定の温度に維持するという課題に加えて、多くの場合、分配されるべきタイプの食品は、しばしば、大気温度とは反対の温度スペクトル端にある温度に維持される必要がある。したがって、寒い日には、熱い或いは温かい食品および液体が望ましい。一方、暖かい日には、冷たい或いは冷凍の食品および液体が望ましい。
【0005】
[0005]一般に、分配されるべき食品または液体は、販売者によって断熱容器内で運ばれる。この場合、容器の内部の温度は、冷却源または加熱源の使用によって特定の温度付近に維持される。例えば、冷却は、冷却されるべき物品よりもかなり冷たい氷やドライアイス(すなわち、冷凍二酸化炭素)のパックなどの冷却剤によって成される場合がある。したがって、物品が冷却される必要があるが冷凍される必要はない食品である場合には、冷却されるべき物品の温度を所望の範囲付近に維持することが難しい。これは、冷却剤が、食品が必要とすべき温度よりもかなり冷たいからである。そのため、冷却源が所望の温度よりもかなり低い温度である場合であっても、容器が容器内に収容される物品の温度を特定の範囲内に維持できれば好ましい。また、容器の内容物を冷却するために使用される手法は、用途の携帯性態様と適合される必要がある。これにより、生み出される冷たさの度合いを制御するために冷蔵ユニットをOFFおよびONできる場合であっても、冷蔵ユニットが動作のために必要とするエネルギ量およびこれらのユニットの重量に起因して、冷蔵ユニットのような解決策が必要でなくなる。
【0006】
[0006]容器内に保存される食品が大気温度よりも高い温度に維持されることが好ましい場合もある。熱源は、化学反応または給電ヒータを使用して熱を生成するヒートパックであってもよい。しかしながら、冷却用途と同様、熱源は、一般に、食品が必要とすべき温度よりも高い温度にある。したがって、加熱源が所望の温度よりもかなり高い温度である場合でも、システムが該システム内に収容される物品の温度を特定の範囲内に維持できれば好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007]したがって、技術的解決においては、携帯することができ且つ食品を容易に分配できる温度制御容器を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0008]本明細書中に開示された態様は、内部チャンバを含み、該内部チャンバへの開口を具備する本体と、本体に結合され、内部チャンバの第1の部分と熱的に結合されるように移動されるとともに、熱的に制御された材料を内部チャンバ内へと解放することにより内部チャンバ内の温度を選択的に変えるように構成される温度制御ユニットと、を有する携帯型温度制御容器を提供することによって、携帯できる温度制御容器を提供する必要性を扱う。
【0009】
[0009]本発明は、添付図面を参照することによって更に容易に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】冷凍食品分配器の正面斜視図である。
【図2】図1の冷凍食品分配器の背面斜視図である。
【図3】開放したフロントドアが内部チャンバを露出させた状態における図1の冷凍食品分配器の正面斜視図である。
【図4】図1の冷凍食品分配器内に収容される温度制御・圧縮アセンブリの正面斜視図である。
【図5】図4の温度制御・圧縮アセンブリの第2の正面斜視図である。
【図6】露出された温度制御アセンブリを伴う図4の温度制御・圧縮アセンブリの第3の正面斜視図である。
【図7】図1の冷凍食品分配器の遮断弁の斜視図である。
【図8】図4の温度制御・圧縮アセンブリのエレベータアセンブリの斜視図である。
【図9】冷凍食品容器の斜視図である。
【図10】図9の冷凍食品容器の図4の温度制御・圧縮アセンブリの内部チャンバ内へ挿入されるプロセスにおける斜視図である。
【図11】図4の温度制御・圧縮アセンブリの内部チャンバ内へ挿入された図9の冷凍食品容器の斜視図である。
【図12】図4の温度制御・圧縮アセンブリの内部チャンバ内へ挿入された図9の冷凍食品容器の正面図である。
【図13】図4の温度制御・圧縮アセンブリの内部チャンバ内へ挿入された図9の冷凍食品容器の正面図であり、冷凍食品容器の内容物の一部が本発明の1つの好ましい実施形態にしたがって分配された正面図である。
【図14】図6の温度制御アセンブリの正面分解斜視図である。
【図15】図6の温度制御アセンブリの平面図である。
【図16】図15に示されるXVI−XVI線に沿う図6の温度制御アセンブリの断面図である。
【図17】図6の温度制御アセンブリの分解断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0027]図面の幾つかの図の全体にわたって、同様の数字は同様の部品を示している。
【0012】
[0028]以下、開示の様々な態様について説明する。本明細書中の教示内容が多種多様な形態で具現化されてもよく、また、本明細書中に開示される任意の特定の構造、機能、または、これらの両方が単なる典型例であることは明らかである。本明細書中の教示内容に基づき、当業者は、本明細書中に開示された態様が任意の他の態様とは無関係に実施されてもよく、また、これらの態様のうちの2つ以上が様々な方法で組み合わされてもよいことを認識すべきである。例えば、本明細書中で説明される任意の数の態様を使用して、装置が実施されてもよく、あるいは、方法が実行されてもよい。また、他の構造、機能性、すなわち、本明細書中で説明される1つ以上の態様に加えた或いは該1つ以上の態様以外の構造および機能性を使用して、そのような装置が実施されてもよく、または、そのような方法が実行されてもよい。更に、1つの態様が請求項の少なくとも1つの要素を備えていてもよい。
【0013】
[0029]「典型的」という用語は、本明細書中では、「実施例、事例、または、例示の役目を果たす」ことを意味するために使用される。「典型的」として本明細書中に記載される任意の態様は、必ずしも他の態様よりも好ましい或いは有利であるとして解釈されるべきではない。
【0014】
[0030]最初に、冷凍デザートが分配されるべき用途において、開示の様々な態様を説明する。図1は、携帯型温度制御容器の開示された態様にしたがって構成される冷凍食品分配器100を示している。冷凍食品分配器100は、一対のカップ分配器102と、一対のカップホルダ104とを含む。開示された冷凍食品分配器の一態様における一対のカップ分配器102のそれぞれのカップ分配器は、冷凍食品が分配されるようになっている2組のカップ114を保持する。他の態様では、食用容器を含む他の容器が使用されてもよい。例えば、一対のカップ分配器102が食用アイスクリームコーンを分配してもよい。冷凍食品分配器100はトップドア106を含んでおり、本明細書中で更に説明するように、トップドア106を通じて一対の冷却チャンバが操作される。トップドア106は、冷凍食品分配器100の本体に対してトップドア106を固定するための一対のトップドアラッチ156を含んでいる。また、冷凍食品分配器100は、ユーザが冷凍食品分配器100とインタフェースをとるためのインストルメントパネル108、および、冷凍食品分配器100の一対の内部チャンバを操作するためのフロントドア110も含んでいる。
【0015】
[0031]図2は、バックパネル176とハーネス(図示せず)用の取り付けポイント172,174とを示す冷凍食品分配器100の背面斜視図である。1つの態様では、ユーザがハーネスを身に着ける。この場合、冷凍食品分配器100がユーザの前方に位置付けられる。冷凍食品分配器100は、冷凍食品分配器100の内容物からユーザを熱的に分離するために断熱技術を使用してもよい。断熱材の使用は、冷凍食品分配器100の内容物に対して適用された冷却を最大にするために望ましい。
【0016】
[0032]図3は、温度制御・圧縮アセンブリ310を収容する内側チャンバを露出させるためにフロントドア110が開放されている状態の冷凍食品分配器100を示している。温度制御・圧縮アセンブリ310は、温度制御・圧縮アセンブリ310のそれぞれの内部チャンバ304の対にアクセスするために使用される内側ドア306の対を含む。内部チャンバ304の対の各内部チャンバは、容器または他の物体が挿入されてもよい特定の容積を有する。これらの内部チャンバを熱的に分離するために各内部チャンバで断熱材が使用されてもよい。本明細書中で更に説明されるように、温度制御・圧縮アセンブリ310は、内部チャンバ304の対の各内部チャンバの容積を変えるように構成される容積制御システムと、内部チャンバ304の温度を制御するように構成される温度制御システムとを含む。
【0017】
[0033]開示された温度制御・圧縮アセンブリの態様において、温度制御・圧縮アセンブリ310の容積制御システムは、エレベータアセンブリ302と、内部チャンバ304の対の各内部チャンバのための圧力プレート308とを含む。図3には、エレベータアセンブリ302および圧力プレート308が互いに離れるように示されている。しかしながら、温度制御・圧縮アセンブリ310の動作において、エレベータアセンブリ302は、圧力プレート308と係合するように移動される。また、エレベータアセンブリ302は、エレベータアセンブリ302および圧力プレート308が一緒に移動するように圧力プレート308に対して機械的に取り付けられてもよい。
【0018】
[0034]図8は、開示された温度制御・圧縮アセンブリの一態様にしたがって構成された図3の温度制御・圧縮アセンブリ310のエレベータアセンブリ302の斜視図である。エレベータアセンブリ302は、エレベータフレーム804内に装着されてウォームギア810を駆動させるモータ802を含む。ウォームギア810は、複数の傘歯車812を介して第2のシャフト814を駆動させるためにシャフト808に取り付けられる。第2のシャフト814は、冷凍食品容器900を圧縮させるために複数のトラック440と係合される複数の駆動歯車816を含む。具体的には、モータ802が作動されると、複数の駆動歯車816が駆動されて、エレベータアセンブリ302が上方または下方へ移動してもよい。前述したように、開示された圧縮アセンブリの一態様において、エレベータアセンブリ302は、エレベータアセンブリ302が上方または下方へ駆動されるときに圧力プレート308も上方または下方へそれぞれ移動されるように圧力プレート308に対して結合される。
【0019】
[0035]図4は、冷凍食品分配器の動作のために使用されるバッテリおよび他の電気部品(図示せず)が装着されるベース420を含む、冷凍食品分配器100からの温度制御・圧縮アセンブリ310の詳細図を示している。また、温度制御・圧縮アセンブリ310は、一対の冷却剤チャンバ402よりも下側に装着された温度制御システム404も含む。図5も参照すると、温度制御・圧縮アセンブリの動作の一態様では、冷却材料が一対の冷却剤チャンバ402内に配置される。この場合、動作時に、温度制御システム404は、一対の冷却剤チャンバ402のそれぞれから複数の冷却スロット508を通じて一対の内部チャンバ304のその対応する内部チャンバ内へと解放される冷却剤の量を制御する。冷却剤の解放は、一対の内部チャンバ304のそれぞれの内部チャンバ内の温度に影響を与える(例えば、温度を下げる)。一対の内部チャンバ304のそれぞれの内部チャンバは、逃げる必要がある任意の冷却剤が逃げることができるように複数の排出スロット502も含む。一対の内部チャンバ304のそれぞれの内部チャンバは、開示された温度制御・圧縮アセンブリの一態様で冷凍食品容器900を圧縮させるためにエレベータアセンブリ302の動作で必要とされる複数のトラック440も含む。
【0020】
[0036]図6は、開示された温度制御システムの1つの態様にしたがって構成される露出された温度制御システム404を伴う温度制御・圧縮アセンブリ310の他の斜視図である。温度制御システム404は一対の温度制御ディスク602を含み、各温度制御ディスクは複数の冷却スロット604がカットされて構成されている。複数のスロット604は、冷却剤チャンバ402内へ分配される冷却剤の量を制御するため、冷却剤チャンバ402からの複数の冷却スロット508と関連して使用され、また、図14も参照して、温度制御システム404のトレイ内に位置される複数の冷却スロット1404と関連して使用される。具体的には、複数の冷却スロット1404のそれぞれが複数の冷却スロット508の対応する1つに位置合わせされ、また、各温度制御ディスク602が回転されると、複数の冷却スロット604が複数の冷却スロット508に位置合わせされる。このように、複数の冷却スロット1404が複数の冷却スロット508に位置合わせされるため、複数の冷却スロット604が複数の冷却スロット508に位置合わせされると、複数の冷却スロット604は複数の冷却スロット1404とも位置合わせされる。複数の冷却スロット508(したがって、複数の冷却スロット1404)に対する複数の冷却スロット604の位置合わせの度合いに応じて、冷却剤チャンバ402内へ解放される冷却剤の量を制御できる。複数の温度制御ディスク602の対のそれぞれ1つは、別々に制御されてもよい。したがって、一対の温度制御ディスク602の各ディスクは、下側にある内部チャンバの温度に独立に影響を与えるように制御されてもよい。
【0021】
[0037]図9は、一対の内部チャンバ304の各内部チャンバ内へ挿入されてもよい開示された冷凍食品容器の一態様にしたがって構成される冷凍食品容器900を示している。冷凍食品容器900は、冷凍食品容器内に収容される冷凍食品を分配できるように制御された予測可能な方法で冷凍食品容器900を圧縮できるようにする複数の折り目902を含む。また、冷凍食品容器900は分配チューブ904も含み、冷凍食品容器900が圧縮されるときに分配チューブ904を通じて冷凍食品が抜け出ることができる。冷凍食品容器900は冷凍食品の迅速で且つ衛生的な交換を可能にする。
【0022】
[0038]図4に戻り参照し、また、図5〜7を更に参照すると、開示された遮断弁の1つの態様にしたがって構成された冷凍食品分配器100の遮断弁412の斜視図が示されている。遮断弁412は、クランプ706を閉じて冷凍食品容器900の内容物の分配を制御するためにねじ付きシャフト704を駆動させるモータ702を含む。開示された弁の一態様において、クランプ706は、本明細書中で更に説明するように、分配チューブ904を閉じて冷凍食品容器900から分配されるべきものを制限するように構成されるとともに、冷凍食品容器900内に収容される冷凍食品の分配を制御するためにエレベータアセンブリ302および圧力プレート308と関連して使用される。
【0023】
[0039]図10は、温度制御・圧縮アセンブリ310の内部チャンバ304のうちの一方へまさに挿入されようとしている冷凍食品容器900の斜視図である。説明を簡単にするため、温度制御・圧縮アセンブリ310の半分側だけについて説明する。冷凍食品分配器の開示された動作の一態様において、冷凍食品容器900は、冷凍食品分配器100内の一対の内部チャンバ304のうちの一方へ挿入される。この場合、冷凍食品容器900の分配チューブ904は、内部チャンバに関連付けられた遮断弁412の開口に挿通される。
【0024】
[0040]図11および図12は、冷凍食品容器が温度制御・圧縮アセンブリ310の一対の内部チャンバ304のうちの一方へ挿入された後における冷凍食品容器900の斜視図および側面図をそれぞれ示している。冷凍食品分配器の開示された動作の一態様では、冷凍食品容器900が装填された後、遮断弁412が分配チューブ904をクランプすることができる。その後、エレベータアセンブリ302が冷凍食品分配器900とぴったり合うように下降される。冷凍食品分配器の他の開示された動作において、エレベータアセンブリ302は、冷凍食品が分配されるように準備するべく使用されており、それにより、冷凍食品容器900は、冷凍食品容器900内に収容された所定量の冷凍食品が分配チューブ904から分配された後に遮断弁412が閉じられるまで圧搾される。
【0025】
[0041]既に説明したように、エレベータアセンブリ302が上方または下方へ駆動されると、圧力プレート308も上方または下方へ移動される。圧力プレート308が下方へ移動されると、冷凍食品容器900の内容物を分配するために冷凍食品容器900が圧力プレート308によって圧縮される。前述したように、分配チューブ904を通じた冷凍食品容器900の内容物の分配は遮断弁412によっても調整される。遮断弁412は、冷凍食品容器900から分配される冷凍食品の最大量を調整するために使用されてもよく、一方、エレベータアセンブリ302および圧力プレート308は、冷凍食品容器900に加えられる所望の正圧を生み出すために使用されてもよい。また、エレベータアセンブリ302および圧力プレート308は、遮断弁412が冷凍食品の分配を停止するように作動する前に冷凍食品容器900に対して加えられる所望の負圧を生み出すために使用されてもよい。具体的には、エレベータアセンブリ302(したがって、圧力プレート308)が上方へ移動されると、冷凍食品容器900の拡張が許容される(あるいは、冷凍食品容器900が圧力プレート308に取り付けられる場合には、アコーディンのように拡張させられる)。この場合、冷凍食品容器900の内容物は分配チューブ904を通じて引き戻される。したがって、エレベータアセンブリ302は、冷凍食品容器900の内容物の分配を調整できるように遮断弁412と関連して動作される。
【0026】
[0042]図13は、温度制御・圧縮アセンブリ310内へ既に挿入された冷凍食品容器900の正面図である。この場合、冷凍食品容器900の内容物の一部は冷凍食品容器の動作の一態様にしたがって分配されてしまっている。
【0027】
[0043]図14は、図10〜13および図15〜18を参照して説明される温度制御アセンブリ404の正面分解斜視図である。開示された温度制御アセンブリの一態様において、温度制御アセンブリ404は、冷却剤チャンバ402内に格納される冷却パック1002を含む。開示された冷却パックの一態様では、図18に示されるように、冷却パック1002が水で満たされる。冷却パック1002はドライアイス部1602も含む。冷却パック1002は冷却剤チャンバ402の内部へ挿入される。冷却パック1002の周囲の空気が冷却されると、冷却された空気は、複数の冷却スロット508を下降して、複数の冷却スロット508と温度制御システム404のトレイの複数の冷却スロット1404とに位置合わせされる温度制御ディスク602の複数の冷却スロット604の一部を通過して、冷却剤チャンバ402の内部へと至る。
【0028】
[0044]図16は、図15に示される平面図のXVI−XVI線に沿う温度制御アセンブリ404の断面図である。また、図17は制御アセンブリ404からの選択された構成部品の断面図であり、図18は、温度制御アセンブリ404の分解断面図である。これらの図に示されるように、温度制御ディスク602は、一組の歯車1604に結合されたモータ1602によって回転される。温度制御ディスク602の位置合わせは、冷却剤が冷却した空気による冷凍食品分配器100の内部チャンバ304への冷却を制御する。具体的には、内部チャンバ304内の物品に対して行なわれる冷却を制御するために、温度制御ディスク602の複数の冷却スロット604が冷却剤チャンバ402からの複数の冷却スロット508と温度制御システム404のトレイに位置される複数の冷却スロット1404とに位置合わせされる。なお、冷凍食品分配器の開示された構造の一態様において、冷却剤(例えば、冷却パック1002)の位置は、より濃密となる冷却されている空気が被冷却製品上にわたって重力により引き寄せられるように冷凍食品分配器100に対して位置付けられるものとする。
【0029】
[0045]前述したように、冷凍食品分配器100から分配され得る1つの冷凍食品はアイスクリームである。開示された冷凍食品分配器の他の態様において、冷却されている物品は、液体のような物品(例えば、アルコール飲料およびノンアルコール飲料)、半冷凍液体(例えば、「スラッシー」)、あるいは、冷却され或いは特定の温度付近に維持される必要がある任意の物品であってもよい。例えば、本明細書中で説明される携帯型温度制御容器は、所定の温度に維持される必要がある生物学的材料(例えば、人間の臓器)または化学物質などの非食用物品を冷却するために使用されてもよい。また、携帯型温度制御容器の構造は、飲料クーラーに類似する形状に似た形態を含めて、持ち運びされる内容物に適するように変更されてもよい。更に、携帯型冷却システムには、混合された或いは混合さない冷凍液体飲料または半冷凍液体飲料を分配するための他の分配機構が組み込まれてもよい。例えば、標準的な内部サイズは、様々な機能(混合、冷却、加熱)を果たすカスタムモジュールを交換可能にできるように作られてもよい。したがって、適切なモジュールの選択だけで、各携帯型温度制御容器を特定の用途のためにカスタマイズすることができる。
【0030】
[0046]更にまた、開示された携帯型温度制御容器の他の態様では、大気温度よりも高い温度に維持される必要がある物品を保管するために加熱容器が使用されてもよい。この場合、熱が上昇するという物理的特性をうまく利用するために、温度制御(すなわち、加熱)ユニットが温度制御・圧縮アセンブリの内部チャンバの底部に位置されてもよい。実際には、開示された温度制御・圧縮アセンブリの向きが逆さまに変えられてもよい。したがって、内部チャンバに対して与えられる熱の量は、温度制御ユニットからの熱が内部チャンバ内へと上昇できるようにする温度制御ユニットの開口のサイズに基づいている。化学または電気に基づく解決策を含む任意の適した熱源が使用されてもよい。
【0031】
[0047]開示された態様の以上の説明は、任意の当業者が本開示内容を製造し或いは使用できるように与えられている。これらの態様に対する様々な変形例は当業者に容易に明らかであり、また、本明細書中に規定される一般原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の態様に対して適用されてもよい。このように、本開示は、本明細書中に示される態様に限定されることを意図しておらず、本明細書中に開示された原理および新規な特徴と一致する最も幅広い範囲が与えられることを意図している。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ規定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部チャンバを有し、該内部チャンバへの開口を具備する本体と、
前記本体に結合され、前記内部チャンバの第1の部分と熱的に結合されるように移動されるとともに、熱的に制御された材料を前記内部チャンバ内へと解放することにより前記内部チャンバ内の温度を選択的に変えるように構成される温度制御ユニットと、
を備える携帯型温度制御容器。
【請求項2】
前記本体が、携帯型温度制御容器の空間内で取り外し可能に移動される、請求項1に記載の携帯型温度制御容器。
【請求項3】
前記温度制御ユニットが、前記本体の内部チャンバの前記第1の部分に対して熱的に結合される第1の表面を有する筐体を備え、前記第1の表面がその中に含められる、請求項1に記載の携帯型温度制御容器。
【請求項4】
前記温度制御ユニットの第1の表面が複数の開口を備え、前記温度制御ユニットが、該温度制御ユニットの第1の表面の前記複数の開口に一致される複数の開口を有する可動プレートを更に備え、前記第1の表面の複数の開口と前記可動プレートの複数の開口との位置合わせによって複数の調整可能な開口が形成される、請求項3に記載の携帯型温度制御容器。
【請求項5】
前記本体が上端部分を有し、前記本体の内部チャンバの前記第1の部分が前記上端部分で移動される、請求項3に記載の携帯型温度制御容器。
【請求項6】
前記温度制御ユニットの前記筐体内に収容される冷却剤パックを更に備える、請求項3に記載の携帯型温度制御容器。
【請求項7】
前記冷却剤パックが、
第1の所定の冷凍温度を有する第1の材料と、
第2の所定の冷凍温度を有し、前記第1の材料に対して熱的に結合される第2の材料と、
を備える請求項6に記載の携帯型温度制御容器。
【請求項8】
前記本体が下端部分を有し、前記本体の内部チャンバの前記第1の部分が前記下端部分で移動される、請求項3に記載の携帯型温度制御容器。
【請求項9】
前記温度制御ユニットの前記筐体内に収容される加熱パックを更に備える、請求項3に記載の携帯型温度制御容器。
【請求項10】
前記内部チャンバが容積を有し、携帯型温度制御容器が、前記内部チャンバの容積を変えるように構成される圧縮器を前記内部チャンバ内に更に備える、請求項1に記載の携帯型温度制御容器。
【請求項11】
前記圧縮器が、
圧力プレートと、
前記内部チャンバ内で前記圧力プレートを移動させるように結合されるエレベータアセンブリと、
を備える請求項10に記載の携帯型温度制御容器。
【請求項12】
前記本体が、該本体に形成された分配開口を更に備え、
当該携帯型温度制御容器が、前記本体の内部チャンバ内に嵌合するように構成された食品容器であり、前記分配開口を通じて挿入できる分配部分を有する前記食品容器を更に備える、請求項1に記載の携帯型温度制御容器。
【請求項13】
前記食品容器の前記分配部分から分配される内容物の量を制御するために、前記分配開口に結合される弁を更に備える、請求項12に記載の携帯型温度制御容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2010−513841(P2010−513841A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542275(P2009−542275)
【出願日】平成19年12月3日(2007.12.3)
【国際出願番号】PCT/IB2007/004655
【国際公開番号】WO2009/019532
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(509172549)
【Fターム(参考)】