説明

携帯型無線装置、判別方法、制御方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】携帯型無線装置において、特別に温度センサ等を設置することなく、ユーザによる自装置の持ち方を判別するための技術を提供すること。
【解決手段】携帯電話端末1は、アンテナ11〜15、アンテナ11〜15の受信強度を測定する第1〜第5の送受信部31〜35、ユーザによる特定の操作を検出する操作判定部51、および、操作判定部51が該特定の操作を検出する前に第1〜第5の送受信部31〜35が測定した第1の受信強度と、操作判定部51が該特定の操作を検出した後に第1〜第5の送受信部31〜35が測定した第2の受信強度とを比較して、ユーザによる自装置の持ち方を判別する持ち方判別部60を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型無線装置に関するものであり、特に、ユーザによる携帯型無線装置の持ち方を判別する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線通信に使用するアンテナは、人体や金属などが近づくとの輻射特性が変化(劣化)してしまう。そのため、例えば、携帯電話端末のように、ユーザが手で持って使用する携帯型無線装置では、アンテナは人体が接触し難い場所に配置することが好ましい。しかしながら、このような携帯型無線装置は、多機能小型化の流れを受け、小さいスペースに多くのアンテナを配置することが求められることが多く、全てのアンテナを人体が接触し難い場所に配置するのは困難である。
【0003】
この問題を解決するため、人体接触時のアンテナ特性の劣化を抑制するようにアンテナと整合を可変する技術が開発されている(例えば、特許文献1)。ここで、アンテナ特性の劣化量は、ユーザによる携帯型無線装置の持ち方によって変化する。そのため、アンテナ特性の劣化を効果的に抑制するためには、携帯型無線装置が、どのような持ち方をされているかを把握することが好ましい。例えば、特許文献1に記載の技術では、携帯型無線装置内に複数の温度センサを搭載し、人体の接触(持ち方)を判別している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−131516号公報(平成20年6月5日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の携帯型無線装置は、ユーザによる自装置の持ち方を判別するために、温度センサを備えている必要がある。そのため、特許文献1に記載の携帯型無線装置は、部品点数が多くなり、コストも増加するという問題がある。それゆえ、携帯型無線装置において、低コストで上記持ち方を判別するための技術が強く求められている。また、そのような技術があれば、携帯型無線装置において、人体接触時のアンテナ特性の劣化の抑制以外の様々な用途に応用することができる。
【0006】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、携帯型無線装置において、特別に温度センサ等を設置することなく、ユーザによる自装置の持ち方を判別するための技術を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る携帯型無線装置は、上記課題を解決するために、アンテナ、該アンテナの受信強度を測定する受信強度測定手段、ユーザによる特定の操作を検出する操作検出手段、および、該操作検出手段が該特定の操作を検出する前に該受信強度測定手段が測定した第1の受信強度と、該操作判定手段が該特定の操作を検出した後に該受信強度測定手段が測定した第2の受信強度とを比較して、ユーザによる自装置の持ち方を判別する持ち方判別手段を備えていることを特徴としている。
【0008】
上記携帯型無線装置におけるアンテナの受信電力は、人体接触状況、すなわち、ユーザによる自装置の持ち方によって変化するとともに、周囲環境やフェージングなどの影響を受けて変化する。このとき、上記アンテナの受信電力の変化のうち、人体接触に起因する変化のみを検出することができれば、検出した変化に基づいて上記持ち方を判別することができる。例えば、人体接触に起因するアンテナの受信電力の変化と、ユーザによる自装置の持ち方との対応関係を予め調べておき、検出した変化に対応する持ち方を求めればよい。
【0009】
上記の構成によれば、本発明に係る携帯型無線装置は、ユーザによる特定の操作を検出し、当該特定の操作を検出する前と後とにおける上記受信電力を比較する。これにより、本発明に係る携帯型無線装置は、当該特定の操作の前後における上記受信電力の変化を検出する。ここで、ユーザによる特定の操作は、必ず、ユーザが携帯型無線装置を持っている状態で行われる。そして、当該特定の操作の前後で、周囲環境やフェージングなどは通常環境下では大きく変化せず、物体の通過等に伴う瞬間変動がまれに生じるものの、そのような変動は想定される人体接触の時間に比べれば非常に瞬間的であり、容易に無視することができる。
【0010】
それゆえ、上記特定の操作の前後における上記受信電力の変化を検出することにより、上記アンテナの受信電力の変化のうち、周囲環境やフェージングなどの影響による変化を排し、人体接触に起因する変化のみを検出することができる。そして、検出した人体接触に起因する変化に対応する持ち方を判別することにより、特別に温度センサ等を設置することなく、ユーザによる自装置の持ち方を判別することができる。
【0011】
本発明に係る携帯型無線装置は、上記持ち方判別手段が判別した上記持ち方に応じて、上記アンテナと当該アンテナに接続された送受信回路との整合の調整、上記携帯型無線装置の送信電力の調整、上記携帯型無線装置の受信ゲインの調整、および、上記携帯型無線装置のユーザインタフェースの調整からなる群より選択される少なくとも一つを制御する制御手段を備えていることが好ましい。
【0012】
上記の構成によれば、携帯型無線装置は、判別した持ち方に応じて、上記アンテナとの整合を改善する為の送受信回路整合の調整、送信電力の調整、受信ゲインの調整、ユーザインタフェースの調整などの制御を行う。これにより、判別した持ち方を利用して適切な制御を行うことができる。例えば、判別した持ち方に応じてアンテナとの整合を調整することにより、上記携帯型無線装置は、自装置がユーザに持たれることによって生じるアンテナの劣化を抑制することができる。
【0013】
本発明に係る携帯型無線装置は、上記アンテナを複数備えていることが好ましい。
【0014】
上記の構成によれば、上記携帯型無線装置には、複数のアンテナが配置されている。これにより、複数のアンテナにおける人体接触(ユーザによる携帯型無線装置の把持)に起因する受信電力の変化を検出することができるため、上記持ち方についてより多くの情報を取得することができる。これにより、より精度高く、上記持ち方を判別することができる。
【0015】
本発明に係る携帯型無線装置は、所定の持ち方と、該所定の持ち方に対応する上記受信強度の劣化量とを関連付けて予め記録している劣化量記録手段を備え、上記持ち方判別手段は、第1の受信強度と第2の受信強度との間の変化量と、該劣化量記録手段に記録されている該劣化量とを比較して、ユーザによる自装置の持ち方を判別することが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、劣化量記録手段は、所定の持ち方(例えば、左手で持ったとき、および、右手で持ったときなど)に対応するアンテナの受信電力の劣化量を、当該所定の持ち方に関連付けて記録している。これにより、劣化量記録手段に記録されている情報を参照すれば、上記携帯型無線装置は、アンテナの受信電力の変化に対応する持ち方を容易に判別することができる。
【0017】
上記携帯型無線装置では、上記劣化量記録手段は、少なくとも、ユーザが左手で自装置を持っているときの上記受信強度の劣化量と、ユーザが右手で自装置を持っているときの上記受信強度の劣化量とを予め記録していることが好ましい。
【0018】
上記の構成によれば、上記劣化量記録手段は、少なくとも、ユーザが左手で自装置を持っているときの上記受信強度の劣化量と、ユーザが右手で自装置を持っているときの上記受信強度の劣化量とを予め記録しているため、ユーザが左手で自装置を持つ持ち方、ユーザが右手で自装置を持つ持ち方といった代表的な持ち方を首尾よく判別することができる。
【0019】
本発明に係る携帯型無線装置では、上記特定の操作は、上記携帯型無線装置を待機状態から復帰させるための操作であることが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、上記携帯型無線装置を使用するためには、ユーザは、まず、上記特定の操作を行う必要がある。すなわち、上記携帯型無線装置を使用するとき、ユーザは、携帯型無線装置を持つとともに、上記特定の操作を行うことになる。それゆえ、上記の構成によれば、上記特定の操作を検出する前のアンテナの受信電力と、上記特定の操作を検出した後のアンテナの受信電力とを比較することにより、上記携帯型無線装置は、携帯型無線装置をユーザが持っていない状態から任意の持ち方で持っている状態に遷移したことに伴うアンテナの受信電力の変化を検出することができる。そして、検出した当該変化に基づいて、ユーザによる携帯型無線装置の持ち方を好適に判別することができる。
【0021】
本発明に係る判別方法は、アンテナを備えた携帯型無線装置が、ユーザによる自装置の持ち方を判別する判別方法であって、該アンテナの受信強度を測定しつつ、ユーザによる特定の操作を検出する受信強度測定工程、および、該受信強度測定工程において該特定の操作を検出する前に測定した受信強度と、該受信強度測定工程において該特定の操作を検出した後に測定した受信強度とを比較して、ユーザによる自装置の持ち方を判別する持ち方判別工程を包含することを特徴としている。
【0022】
また、本発明に係る制御方法は、アンテナを備えた携帯型無線装置の制御方法であって、該アンテナの受信強度を測定しつつ、ユーザによる特定の操作を検出する受信強度測定工程、該受信強度測定工程において該特定の操作を検出する前に測定した受信強度と、該受信強度測定工程において該特定の操作を検出した後に測定した受信強度とを比較して、ユーザによる自装置の持ち方を判別する持ち方判別工程、および、該持ち方判別工程において判別した持ち方に応じて自装置を制御する制御工程を包含することを特徴としている。
【0023】
上記の方法によれば、本発明に係る携帯型無線装置と同等の効果を奏する。
【0024】
また、本発明に係る装置を動作させるためのプログラムであって、コンピュータに上記の各装置の機能を実現させるプログラムおよび該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、携帯型無線装置におけるアンテナの受信電力の変化のうち、周囲環境やフェージングなどの影響による変化を排し、人体接触に起因する変化のみを検出することができる。そして、検出した当該変化に対応する持ち方を判別することにより、特別に温度センサ等を設置することなく、ユーザによる自装置の持ち方を判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯型無線装置におけるアンテナの配置を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る携帯型無線装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る携帯型無線装置の制御の一例を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態に係る携帯型無線装置の持ち方の例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る携帯型無線装置における、各持ち方に対応する受信電力の劣化量の一例を示すグラフである。
【図6】本発明の一実施形態に係る携帯型無線装置が利用する各種データの例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る携帯型無線装置の概略構成の変形例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明に係る携帯型無線装置の一実施形態について図面を参照して説明すれば以下のとおりである。なお、本実施形態に係る携帯型無線装置は、通話のための無線通信を基地局との間で行なう携帯電話端末として実現されている。以下では、本実施形態に係る携帯型無線装置を端的に携帯電話端末と称する。
【0028】
ただし、本発明は、通話のための無線通信を基地局との間で行なう携帯電話端末に限らず、何らかの信号が重畳された搬送波を、アンテナを用いて受信および/または送信する携帯型無線装置一般に適用することができる。
【0029】
(携帯電話端末1の構成)
図1は、本実施形態に係る携帯電話端末におけるアンテナの配置を示す図である。図1に示すように、携帯電話端末(携帯型無線装置)1には、それぞれ異なる通信に用いられる複数のアンテナが互いに異なる位置に配置されている。本実施例では、携帯電話端末1は、地上デジタルテレビ放送用アンテナ11、GSM用アンテナ12、WCDMA用アンテナ13、GPS用アンテナ14、およびBluetooth(登録商標)用アンテナ15の5個のアンテナを備えている。但し、本発明に係る携帯型無線装置が備える通信システム、アンテナの本数、アンテナの配置は特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜設定することができる。
【0030】
図2は、携帯電話端末1の概略構成を示す機能ブロック図である。図2に示すように、携帯電話端末1は、第1〜第5の整合21〜25および第1〜第5の送受信部(受信強度測定手段、送受信回路)31〜35を備えている。第1の送受信部31は、地上デジタルテレビ放送の受信のための受信回路であり、第1の整合21を介して地上デジタルテレビ放送用アンテナ11に接続している。第2の送受信部32は、GSM方式による通信のための受信回路であり、第2の整合22を介してGSM用アンテナ12に接続している。第3の送受信部33は、WCDMA方式による通信のための受信回路であり、第3の整合23を介してWCDMA用アンテナ13に接続している。第4の送受信部34は、GPS測位のための受信回路であり、第4の整合24を介してGPS用アンテナ14に接続している。第5の送受信部35は、Bluetooth(登録商標)方式による通信のための受信回路であり、第5の整合25を介してBluetooth(登録商標)用アンテナ15に接続している。第1〜第5の整合21〜25は、整合定数が可変な整合回路であり、例えば、可変インダクタ、可変キャパシタ、可変抵抗などから構成してもよいし、複数の異なる整合回路を用意し、アンテナに接続される整合回路を、スイッチ等により切り替える構成をとってもよい。
【0031】
携帯電話端末1は、また、ユーザの操作を受け付けるための操作入力部40を備えている。操作入力部40は、例えば、一般的な入力手段である、ボタン、ジョグダイヤル、タッチパネル、筐体の開閉またはスライド機構などから構成され得る。
【0032】
携帯電話端末1は、また、携帯電話端末1の各部を制御するための主制御部50を備えている。主制御部50は、操作判定部(操作判定手段)51、持ち方判別部(持ち方判別手段)60、整合調整部(制御手段)52および調整パラメータ記録部53を備えている。持ち方判別部60は、受信電力取得部61、比較部62、操作前受信電力記録部63、操作後受信電力記録部64および受信電力変化量記録部(劣化量記録手段)65を備えている。各部の詳細については後述する。
【0033】
携帯電話端末1は、その他、通話機能を含む種々の機能のための公知の構成を備えているが、これらについては説明を省略する。
【0034】
(携帯電話端末1の概要)
携帯電話端末1は、ユーザによる特定の操作を検出し、当該特定の操作を検出する前と後とにおけるアンテナ11〜15の受信電力を比較して、当該特定の操作の前後における当該受信電力の変化を検出する。ユーザによる特定の操作は、必ず、ユーザが携帯型無線装置を持った状態で行われ、また、当該特定の操作の前後で、周囲環境やフェージングなどは大きく変化しないと考えられる。それゆえ、上記特定の操作の前後における上記受信電力の変化を検出することにより、アンテナ11〜15の受信電力の変化のうち、周囲環境やフェージングなどの影響による変化を排し、人体接触に起因する変化のみを検出することができる。そして、検出した人体接触に起因する変化に対応する持ち方を判別することにより、特別に温度センサ等を設置することなく、ユーザによる自装置の持ち方を判別することができる。
【0035】
(携帯電話端末1の制御の一例)
図3は、携帯電話端末1の制御の一例を説明するためのフローチャートである。携帯電話端末1が待機状態(例えば、充電状態)にある状態から、本フローチャートは開始する(ステップS0)。
【0036】
なお、携帯電話端末1の待機状態とは、ユーザによる積極的な使用を意図していない状態であり、これに限定するものではないが、一実施形態において、携帯電話端末1が表示画面に何も表示させない状態を指す。また、他の実施形態において、操作入力部40が、待機状態から復帰させるための特定の操作以外の操作を受け付けない状態を指す。なお、待機状態から復帰させるための特定の操作としては、これに限定するものではないが、例えば、クラムシェル型の携帯電話端末1を開く操作、スライド型の携帯電話端末1をスライドさせる操作、スマートフォン型の携帯電話端末1のタッチパネルに触れる操作などが挙げられる。
【0037】
上記特定の操作がなされる前の状態において、第1〜第5の送受信部31〜35は、それぞれのアンテナの受信電力(第1の受信電力)を測定する。そして、受信電力取得部61は、第1〜第5の送受信部31〜35からそれぞれが測定した受信電力を示すデータa11〜15を定期的に取得し、操作前受信電力記録部63に記録する(ステップS1)。なお、受信電力取得部61は、上記受信電力を非定期的に取得してもよい。アンテナの受信電力は、例えば、RSSIであり得る。
【0038】
なお、受信電力取得部61は、上述した各アンテナの受信電力について、所定時間における受信電力を平均化することが好ましい。なぜなら、アンテナの受信電力では、物体の通過等に伴う瞬間変動がまれに生じるが、例えば、人体接触時間程度の期間を平均化することにより、このような瞬時変動を無視することができるためである。これにより、後述する比較部62による持ち方の判別をより好適に実施することができる。
【0039】
図6(a)は、操作前受信電力記録部63に記録されるデータの構造を示す図である。図6(a)に示すように、操作前受信電力記録部63には、アンテナ11〜15のそれぞれの受信電力を示すデータa11〜15が記録される。
【0040】
操作判定部51は、操作入力部40からの信号に基づいて、上記特定の操作がなされた(YES)か否(NO)かを判定する(ステップS2)。なお、操作入力部40は、操作入力部40に入力された操作を示す信号を操作判定部51に提供するようになっている。判定の結果がNOであれば、ステップS1に戻って待機状態を継続する。一方、判定の結果がYESであれば、主制御部50が携帯電話端末1が待機状態から復帰するように制御する。なお、このとき、逆に、携帯電話端末1を待機状態とするような操作(例えば、クラムシェル型の携帯電話端末1を閉じる、スライド型の携帯電話端末1を逆方向にスライドさせる、一定時間無操作状態を継続するなど)がなされていた場合には、操作判定部51はNOと判定し、携帯電話端末1を待機状態へと遷移させる。
【0041】
上記特定の操作がなされた後の状態でも、上記特定の操作がなされる前の状態と同様に、第1〜第5の送受信部31〜35は、それぞれのアンテナの受信電力(第2の受信電力)を測定する。そして、受信電力取得部61は、第1〜第5の送受信部31〜35からそれぞれが測定した受信電力を示すデータa21〜25を定期的に取得し、操作後受信電力記録部64に記録する(ステップS3)。なお、受信電力取得部61は、上記受信電力を非定期的に取得してもよい。
【0042】
操作後受信電力記録部64に記録されるデータの構造は、図6(a)に示すように、操作前受信電力記録部63に記録されるデータと同様である。すなわち、操作後受信電力記録部64には、アンテナ11〜15のそれぞれの受信電力を示すデータa21〜25が記録される。データa21〜25は、好ましくは、データa11〜15と同じ形式で表現され得る。
【0043】
続いて、比較部62は、操作前受信電力記録部63に記録されたデータと、操作後受信電力記録部64に記録されたデータとを比較して、上記特定の操作の前後における上記受信電力の変化を検出する。一実施形態において、比較部62は、操作前受信電力記録部63に記録されたデータと、操作後受信電力記録部64に記録されたデータとから、受信電力の変化量を算出する。詳細に述べれば、比較部62は、データa11が示す受信電力とデータa21が示す受信電力との間の変化量、データa12が示す受信電力とデータa22が示す受信電力との間の変化量、データa13が示す受信電力とデータa23が示す受信電力との間の変化量、データa14が示す受信電力とデータa24が示す受信電力との間の変化量、および、データa15が示す受信電力とデータa25が示す受信電力との間の変化量を算出する。そして、比較部62は、算出した変化量に基づき、受信電力変化量記録部65に記録されているデータを参照して、ユーザによる携帯電話端末1の持ち方を判別する(ステップS3)。変化量は、これに限定されないが、例えば、dbを単位とする変化率として表現され得る。
【0044】
図6(b)は、受信電力変化量記録部65に記録されているデータを示す図である。図6(b)に示すように、受信電力変化量記録部65には、幾つかの持ち方(例えば、ユーザが左手で携帯電話端末1を持つ「持ち方1」、ユーザが右手で携帯電話端末1を持つ「持ち方2」など)に関連付けて、各アンテナの受信電力の変化量(劣化量)を示すデータb11〜25がそれぞれ記録されている。一実施形態において、受信電力変化量記録部65に記録されているデータb11〜25は、事前に、所定の幾つかの持ち方で携帯電話端末1を持ったときに測定されたアンテナ11〜15の受信電力の変化量を示すものであり得る。
【0045】
ここで、携帯電話端末1の持ち方によるアンテナの受信電力の変化について図面を参照して詳細に説明する。まず、図4(a)は、ユーザが左手で携帯電話端末1を持つ持ち方(持ち方1)の一例を示す図であり、図4(b)は、ユーザが右手で携帯電話端末1を持つ持ち方(持ち方2)の一例を示す図である。そして、図5は、ユーザが携帯電話端末1を持つ前と、図4に示す持ち方で持ったときの、地上デジタルテレビ放送用アンテナ11、GSM用アンテナ12、WCDMA用アンテナ13、GPS用アンテナ14、およびBluetooth(登録商標)用アンテナ15のそれぞれの受信電力の測定結果を示す図である。図5(a)は、ユーザが左手(持ち方1)で携帯電話端末1を持ったときのアンテナの受信電力の変化を示すグラフであり、図5(b)は、ユーザが右手(持ち方2)で携帯電話端末1を持ったときのアンテナの受信電力の変化を示すグラフである。
【0046】
図4(a)に示すように、左手で携帯電話端末1を持った場合(持ち方1)、地上デジタルテレビ放送用アンテナ11がユーザの手により大きく覆われるため、図5(a)に示すように、地上デジタルテレビ放送用アンテナ11の受信電力が大幅に変動する。一方、GPS用アンテナ14の受信電力の劣化量は小さい。これに対し、図4(b)に示すように、右手で携帯電話端末1を持った場合(持ち方2)、GPS用アンテナ14がユーザの手により大きく覆われるため、図5(b)に示すように、GPS用アンテナ14の受信電力が大幅に変動する。一方、地上デジタルテレビ放送用アンテナ11の受信電力の劣化量は小さい。このように、ユーザによる携帯電話端末1の持ち方によって、異なる態様で受信電力が変化することがわかる。それゆえ、受信電力の変化を検出することにより、当該変化に基づいて、上記持ち方を判別することができる。
【0047】
比較部62は、操作前受信電力記録部63に記録されたデータと、操作後受信電力記録部64に記録されたデータとから算出した受信電力の変化量と、受信電力変化量記録部65に記録されている受信電力の変化量とを比較して、算出した受信電力の変化量に対応する持ち方を判別する。すなわち、比較部62は、算出した変化量と、記録されている変化量との間で類比判断することにより、記録されている変化量のうち最も算出した変化量に近いものを検出し、検出した変化量に関連付けられている持ち方を受信電力変化量記録部65から取得することにより、ユーザによる携帯電話端末1の持ち方を判別する。
【0048】
なお、類比判断は、一般的な類比判断のアルゴリズムを用いればよく特に限定されないが、算出されたデータa31〜35と、記録されているデータb11〜15(またはデータb21〜25もしくはそのほかのデータ)とを、各アンテナに対応するデータ毎(例えば、a31とb11、a32とb12など)に対比する手法を用いることが好ましい。
【0049】
なお、他の実施形態において、操作前受信電力記録部63に記録されているデータは、アンテナの受信電力の変化量に限定されず、当該変化量に基づいて計算された統計量、当該変化量の傾向を表現する特徴量(例えば、各アンテナの受信電力の変化量を、大きさに従って並べた順序など)であってもよい。この場合、比較部62は、操作前受信電力記録部63に記録されたデータと、操作後受信電力記録部64に記録されたデータとから算出した受信電力の変化量を、操作前受信電力記録部63に記録されている統計量または特徴量と比較して、最もよく合致する統計量または特徴量に関連付けられた持ち方を求めればよい。
【0050】
続いて、主制御部50は、比較部62が判別した持ち方に応じて各種の制御を行う(ステップS5)。例えば、アンテナと送受信回路との整合の調整、送信電力の調整、受信ゲインの調整といった制御を行う。以下では、持ち方に応じたアンテナとの整合の調整について説明するが、本発明はこれに限定されず、アンテナとの整合の調整に代わりに他の制御を行うようになっていてもよいし、アンテナとの整合の調整に加えて他の制御を行うようになっていてもよい。
【0051】
持ち方に応じたアンテナとの整合を調整する整合調整部52は、比較部62が判別した持ち方に対応する調整パラメータc11〜15(または調整パラメータc21〜25もしくはその他の調整パラメータ)を調整パラメータ記録部53から取得し、当該調整パラメータを用いて第1〜第5の整合21〜25を制御する。調整パラメータは、例えば、第1〜第5の整合21〜25に含まれる可変インダクタ、可変キャパシタ、可変抵抗などの調整量、あるいは、アンテナと送受信回路との間に接続される整合回路を選択するスイッチの状態を指定するパラメータであり得る。
【0052】
図6(c)は、調整パラメータ記録部53に記録されている調整パラメータのデータ構造を示す図である。図6(c)に示すように、調整パラメータ記録部53には、各持ち方に関連付けて、各持ち方において最適となる調整パラメータが記録されている。持ち方において最適となる調整パラメータは、事前に実験などによって求めたものを用いることができる。
【0053】
ステップS5が完了すると、携帯電話端末1は、ステップS2に戻って動作を繰り返す。なお、ステップS5においてアンテナとの整合を調整している場合には、特定の操作前に測定したアンテナの受信電力が調整前の整合条件の下測定されたものであるので、ステップS3〜S5を適切に実施することができない場合がある。そのため、ステップS1を経由せずに、再度、ステップS2で「YES」と判定された場合には、主制御部50は、ステップS3〜S5を繰り返さないなどの制御を行ってもよい。
【0054】
(本実施形態の利点)
携帯電話端末1によれは、上述したように、特別に温度センサ等を設置することなく、ユーザによる自装置の持ち方を判別することができる。
【0055】
携帯電話端末1は、また、判別した持ち方に応じて、アンテナ11〜15との整合を調整する。これにより、携帯電話端末1は、自装置がユーザに把持されることによって生じるアンテナの劣化を好適に抑制することができる。すなわち、人体接触(ユーザによる携帯電話端末1の把持)によるアンテナ特性の劣化量は、ユーザによる携帯電話端末1の持ち方によって変化する。携帯電話端末1は、自装置がどのような持ち方をされているかを検出することができるため、アンテナ特性の劣化を効果的に抑制することができる。
【0056】
携帯電話端末1は、また、アンテナを複数備えていることにより、複数のアンテナにおける人体接触(ユーザによる携帯型無線装置の把持)に起因する受信電力の変化を検出することができ、上記持ち方についてより多くの情報を取得することができる(例えば、図5参照)。これにより、より精度高く、上記持ち方を判別することができる。
【0057】
また、受信電力変化量記録部65は、幾つかの持ち方(例えば、ユーザが左手で携帯電話端末1を持つ持ち方、および、ユーザが右手で携帯電話端末1を持つ持ち方など)で携帯電話端末1を持ったときのアンテナ11〜15の受信強度の変化量を、各持ち方と関連付けて予め記録している。これにより、携帯電話端末1は、受信電力変化量記録部65に記録されている情報を参照することにより、検出したアンテナの受信電力の変化に対応する持ち方を容易に判別することができる。
【0058】
また、上記特定の操作は、携帯電話端末1を待機状態から復帰させるための操作である。そのため、携帯電話端末1を使用するためには、ユーザは、まず、上記特定の操作を行う必要がある。すなわち、携帯電話端末1を使用するとき、ユーザは、携帯電話端末1を持つとともに、上記特定の操作を行うことになる。携帯電話端末1は、上記特定の操作を検出する前のアンテナ11〜15の受信電力と、上記特定の操作を検出した後のアンテナ11〜15の受信電力との間の変化量を検出する。これにより、携帯電話端末1は、携帯電話端末1をユーザによって持たれていない状態から任意の持ち方で持たれている状態に遷移したことに起因するアンテナ11〜15の受信電力の変化を検出することができる。これにより、検出した当該変化量に基づいて、ユーザによる携帯電話端末1の持ち方を好適に判別することができる。
【0059】
(変形例)
上述したように、主制御部50は、アンテナと送受信回路との整合の他、送信電力の調整、受信ゲインの調整などを、判別した持ち方に応じて実施してもよい。すなわち、図7に示すように、主制御部50は、調整部(制御手段)54を備えていてもよい。調整部54は、比較部62が判別した持ち方に応じて、第1〜第5の送受信部31〜35における送信電力、受信ゲイン等を調整する。送信電力、受信ゲイン等を調整するために用いる調整パラメータは、調整部54が、調整パラメータ記録部53から取得すればよい。
【0060】
また、主制御部50は、判別した持ち方に応じて、操作入力部40におけるユーザインタフェースを調整してもよい。すなわち、ユーザによる携帯電話端末1の持ち方が判別されれば、携帯電話端末1が縦向きであるか、横向きであるかを判別することができるため、操作入力部40におけるユーザインタフェースを縦向き用または横向き用に調整することができる。また、持ち方によって押しにくい場所にレイアウトされるキーがある場合に、そのようなキーを、より押しやすい場所へと移動させるようなユーザインタフェースの調整を行ってもよい。特に、操作入力部40がタッチパネルによって構成されている場合、上記のようなユーザインタフェースの調整は容易に行うことができる。
【0061】
(プログラムおよび記録媒体)
最後に、携帯電話端末1の主制御部50の各ブロックは、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0062】
後者の場合、携帯電話端末1は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記録装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯電話端末1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、携帯電話端末1の主制御部50に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0063】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0064】
また、携帯電話端末1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【0065】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、携帯型無線装置の製造分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 携帯電話端末(携帯型無線装置)
11 地上デジタルテレビ放送用アンテナ
12 GSM用アンテナ
13 WCDMA用アンテナ
14 GPS用アンテナ
15 Bluetooth(登録商標)用アンテナ
21〜25 第1〜第5の整合
31〜35 第1〜第5の送受信部(受信強度測定手段、送受信回路)
40 操作入力部
50 主制御部
51 操作判定部(操作検出手段)
52 整合調整部(制御手段)
53 調整パラメータ記録部
60 持ち方判別部(持ち方判別手段)
61 受信電力取得部
62 比較部
63 操作前受信電力記録部
64 操作後受信電力記録部
65 受信電力変化量記録部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ、
該アンテナの受信強度を測定する受信強度測定手段、
ユーザによる特定の操作を検出する操作検出手段、および、
該操作検出手段が該特定の操作を検出する前に該受信強度測定手段が測定した第1の受信強度と、該操作判定手段が該特定の操作を検出した後に該受信強度測定手段が測定した第2の受信強度とを比較して、ユーザによる自装置の持ち方を判別する持ち方判別手段
を備えていることを特徴とする携帯型無線装置。
【請求項2】
上記持ち方判別手段が判別した上記持ち方に応じて、上記アンテナと当該アンテナに接続された送受信回路との整合の調整、上記携帯型無線装置の送信電力の調整、上記携帯型無線装置の受信ゲインの調整、および、上記携帯型無線装置のユーザインタフェースの調整からなる群より選択される少なくとも一つを制御する制御手段を備えていることを特徴とする請求項1項に記載の携帯型無線装置。
【請求項3】
上記アンテナを複数備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯型無線装置。
【請求項4】
所定の持ち方と、該所定の持ち方に対応する上記受信強度の劣化量とを関連付けて予め記録している劣化量記録手段を備え、
上記持ち方判別手段は、第1の受信強度と第2の受信強度との間の変化量と、該劣化量記録手段に記録されている該劣化量とを比較して、ユーザによる自装置の持ち方を判別することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の携帯型無線装置。
【請求項5】
上記劣化量記録手段は、少なくとも、ユーザが左手で自装置を持っているときの上記受信強度の劣化量と、ユーザが右手で自装置を持っているときの上記受信強度の劣化量とを予め記録していることを特徴とする請求項4に記載の携帯型無線装置。
【請求項6】
上記特定の操作は、上記携帯型無線装置を待機状態から復帰させるための操作であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の携帯型無線装置。
【請求項7】
アンテナを備えた携帯型無線装置が、ユーザによる自装置の持ち方を判別する判別方法であって、
該アンテナの受信強度を測定しつつ、ユーザによる特定の操作を検出する受信強度測定工程、および、
該受信強度測定工程において該特定の操作を検出する前に測定した受信強度と、該受信強度測定工程において該特定の操作を検出した後に測定した受信強度とを比較して、ユーザによる自装置の持ち方を判別する持ち方判別工程
を包含することを特徴とする判別方法。
【請求項8】
アンテナを備えた携帯型無線装置の制御方法であって、
該アンテナの受信強度を測定しつつ、ユーザによる特定の操作を検出する受信強度測定工程、
該受信強度測定工程において該特定の操作を検出する前に測定した受信強度と、該受信強度測定工程において該特定の操作を検出した後に測定した受信強度とを比較して、ユーザによる自装置の持ち方を判別する持ち方判別工程、および、
該持ち方判別工程において判別した持ち方に応じて自装置を制御する制御工程
を包含することを特徴とする制御方法。
【請求項9】
コンピュータを請求項1〜6の何れか1項に記載の携帯型無線装置として動作させるためのプログラムであって、上記コンピュータを上記携帯型無線装置が備えている各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−182592(P2012−182592A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43130(P2011−43130)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】