説明

携帯型装置、その制御方法及びプログラム

【課題】手ぶれ等による誤操作を回避し、正確な背面入力操作を実現することができる携帯型装置を提供する。
【解決手段】表示部2の設置面とは反対側の面に設けられた背面タッチパネル5を備えた携帯型装置は、背面タッチパネル5に指が所定時間以上継続して接触した状態を検出したとき位置指定状態になったと判定する状態判定手段32と、位置指定状態中に背面タッチパネル5に接触して移動する指の位置を反映させたカーソルを表示部2に表示させるカーソル表示手段33と、位置指定状態中に指が背面タッチパネル5から離れたときのカーソルの位置を仮決定位置として記憶する仮決定位置記憶手段34と、背面タッチパネル5に対するクリック操作に基づいて仮決定位置記憶手段34が記憶する仮決定位置での入力を本決定する入力決定手段36とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置背面に入力部を有する携帯型装置、その制御方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯型ゲーム装置や携帯端末などの携帯型装置においては、装置の背面側に操作用のタッチパネルを設け、使用者が背面に回した指で入力操作できる背面入力方式のものも提案されている(特許文献1〜3参照)。このような背面入力方式を採用すれば、表示画面の一部が操作中の指で隠れることはなく、表示画面の視認性の向上が図れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−278391号公報
【特許文献2】特許第4569411号
【特許文献3】特許第4387616号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の背面入力方式の携帯型装置では、指を装置の背面に回して操作することから操作性に問題がある。すなわち、使用者が装置背面の所望の位置(座標)に的確に指を接触させ、正確な入力操作をすることに困難性がある。
【0005】
そこで、背面入力の操作性を高めるために、例えば、装置の背面入力部分を透明な材料で構成し、装置背面に回した使用者の指が装置を透過して使用者に見えるようにしたり、カメラなどのタッチパネル以外のセンサを併用し、使用者の指を撮像して画面に表示したり、装置背面に突起物を付加し、当該突起物に対する指の触覚で入力位置を探して操作できるようにしたりする構成も考えられる。しかしながら、このような構成は、通常のタッチパネル以外の技術を必要とするので装置が複雑化するとともに、装置の透明化やセンサの設置等のような装置設計上の制約があり、ハード毎に異なった技術で実現されるため技術の流用性もなく、製造コストの上昇をも招来する。
【0006】
また、携帯型装置では、装置を手で把持した状態での背面操作となるため、手ぶれ等によって誤って別のボタンを押してしまうという誤操作が生じ易い。特に、携帯型装置は車中や歩行中でも使用されることがあり、このような手ぶれ等が生じ易い環境下で携帯型装置が使用された場合、たとえ上記のように装置の透明化等を図ったとしても、正確な背面入力の操作は困難となる。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、手ぶれ等による誤操作を回避し、正確な背面入力操作を実現することができる携帯型装置、その制御方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の一局面に係る携帯型装置は、表示部と、前記表示部の設置面とは反対側の面に設けられた接触入力式の背面入力部とを備えた携帯型装置であって、前記背面入力部に接触物が所定時間以上継続して接触した状態を検出または前記背面入力部に前記接触物が接触した状態のまま移動したことを検出したとき、位置指定状態になったと判定する状態判定手段と、前記位置指定状態中に、前記背面入力部へ接触する、または接触して移動する前記接触物の位置に対応する指標を、前記表示部に表示させる指標表示手段と、前記位置指定状態中に、前記接触物が前記背面入力部から離れたときの前記指標の位置を、仮決定位置として記憶装置に記憶する仮決定位置記憶手段と、前記背面入力部の全面を対象とした、前記接触物の接触による所定の本決定操作に基づいて、前記仮決定位置記憶手段に記憶された仮決定位置での入力を本決定する入力決定手段と、を備えている。
【0009】
この構成によれば、携帯型装置(例えば、携帯型ゲーム装置や携帯端末など)は、表示部の設置面とは反対側の面に設けられた接触入力式の背面入力部(例えば、タッチパネル)に、使用者の指などの接触物を接触させて、背面入力操作を行うことができる。この背面入力操作に関し、本構成では、(A)仮決定位置を指定するための位置指定操作と、(B)仮決定位置での入力を本決定するための本決定操作という二段階の操作による入力が可能となっている。
【0010】
上記(A)の位置指定操作とは、従来のタッチパネルに対する1タッチの入力操作のように、背面入力部に接触させた指などの接触物を、直ぐに背面入力部から離すのではなく、まずは接触物を背面入力部のどこかに接触させ、その接触させた状態のままで目的位置(ボタン等が表示されている位置)まで移動させ、目的位置で当該接触物を背面入力部から離す操作である。この位置指定操作が使用者によって開始された場合、状態判定手段が位置指定状態になったと判定する。この位置指定状態になったことの判定は、(a)背面入力部に接触物が所定時間以上継続して接触した状態を検出するか、又は(b)背面入力部に前記接触物が接触した状態のまま移動したことを検出することによって行われる。すなわち、位置指定操作は、背面入力部への接触を保持した状態で、ある程度の時間をかけて慎重に接触物を目的位置まで移動させる操作であることから、上記(a)又は(b)の何れかの状態を検出することによって、位置指定操作が開始されたこと(すなわち、位置指定状態になったこと)を判定できるのである。
【0011】
そして、位置指定状態中は、指標表示手段が、背面入力部へ接触する、または接触して移動する接触物の位置に対応する指標(例えば、カーソル)を、表示部に表示させるようになっている。このように、位置指定状態中においては、背面入力部に接触している指などの接触物の位置が反映された指標が表示部の画面に表示されるので、使用者は、接触物の動きと連動する指標を視認しながら背面操作を行うことができる。これにより、カメラなどのタッチパネル以外のセンサを併用したり装置を透明化したり背面に突起物を付けたりすることなく、正確な背面操作による位置指定が可能となり、装置の複雑化等による製造コストの上昇を招くこともない。
【0012】
そして、この位置指定状態中に、使用者が背面入力部から指などの接触物を離せば、当該接触物が背面入力部から離れたときの指標の位置が仮決定位置として仮決定位置記憶手段により記憶され、これによって仮決定がなされる。つまり、従来のタッチパネルにおける1タッチの入力操作のように、画面へ接触したタイミングを処理のトリガーとするのではなく、接触状態が解除されたタイミングをトリガーとするのである。但し、この段階では上記の通り、あくまで仮決定である。このように、仮決定を、接触物を離すタイミングに設定しているので、誤入力を極めて低く抑えることができる。この理由は以下の通りである。即ち、従来のタッチパネルの入力操作の場合には、当然ながら、画面から離れた位置から所望のボタン等を狙って接触物(指やペン)を近づけていくことになるが、ボタンと接触物との間に距離があるので、最終的に接触物が画面に接するまでに、接触位置が所望のボタンからずれ、別のボタンに接触してしまう可能性がある。特に携帯型装置は、車中や歩行中に操作されることもあり、このような場合、振動や手ぶれ等によって位置ずれの可能性が高まる。加えて、背面入力であり操作性の難易度が高いことから、所望のボタンに接触させにいく操作はより一層、困難なものとなる。これに対して、本構成では、まず所望のボタンに例えば指を接触させておき、その指を離したタイミングで、そのボタンを確定(仮決定)とするので、振動や手ぶれの影響は生じ得ず、異なるボタンを押してしまうリスクは回避される。
【0013】
次に、仮決定後に行われる上記(B)の本決定操作とは、背面入力部の全面を対象とした、接触物の接触による所定の操作であり、一例としては、背面入力部の任意の位置に接触物を接触させて素早く接触状態を解除する、いわゆるクリックまたはタップと称される操作を本決定操作とすることができる。使用者によってこの本決定操作が行われた場合、入力決定手段が、仮決定位置記憶手段に記憶された仮決定位置での入力を本決定する。
【0014】
以上のように、本構成によれば、背面入力部の任意の位置に指などの接触物を接触させてから接触状態を保持したままその接触物を移動させ、表示部の指標を視認しながら慎重に目的位置(ボタン等が表示されている位置)に接触物を到達させ、その位置で接触物を背面入力部から離すだけで当該位置が仮決定されるので、誤って別のボタン等を押してしまうといった誤操作を回避し、正確な背面入力を実現することができる。
【0015】
(2)上記の構成において、前記携帯型装置は、前記背面入力部に接触物が接触したときの接触位置を記憶装置に記憶する接触位置記憶手段をさらに備える。そして、前記入力決定手段は、前記位置指定状態に遷移することなく前記接触物が背面入力部から離れたことを検出したとき、前記接触位置記憶手段に記憶されている接触位置を入力位置として決定することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、上述した仮決定のための位置指定操作と本決定操作という二段階の操作だけではなく、背面入力部に対する1タッチ(1クリック)操作での背面入力も可能となる。この1タッチ(1クリック)操作による入力とは、要するに、従来のタッチパネルにおける1タッチの操作入力と同様のものであるが、この操作入力も可能としているのは、プレイヤまたは携帯型装置の使用状況(環境)に応じた任意の操作入力を可能とし、操作性の自由度を確保するためである。上記(1)の構成は、携帯型装置を例えば車中や歩行中に操作する際には非常に有用な構成であるが、プレイヤによっては背面入力であっても、入力操作に自信がある、あるいは慣れているといった理由で、2段階の入力操作は煩わしいと感じる場合が考えられる。あるいは、机上で遊技するような場合、誤入力の可能性が少なくなることも考えられる。このように、本構成によれば、同一装置でありながら、プレイヤや状況に応じて、任意に選択可能な入力操作方法を準備しているので、優れた操作性を実現できる。
【0017】
以下、具体的構成を含め、説明する。この1タッチ操作での背面入力は、接触位置記憶手段が、背面入力部に接触物が接触したときの接触位置を記憶しておくとともに、位置指定状態に遷移することなく接触物が背面入力部から離れたことが検出されたとき、接触位置記憶手段に記憶されている接触位置を入力決定手段が入力位置として決定することにより実現される。
【0018】
すなわち、位置指定状態に遷移することなく接触物が背面入力部から離れたということは、接触物が、「所定時間以上、背面入力部に接触」又は「背面入力部に接触した状態のまま移動」することなく背面入力部から離れたこと、すなわち、使用者によって背面入力部への1タッチ操作が行われたことを意味する。よって、位置指定状態に遷移することなく接触物が背面入力部から離れたことが検出された場合に、前記の二段階の操作とは異なる操作として1タッチ操作がなされたと判断し、接触位置記憶手段に記憶されている接触位置を入力位置として決定するのである。
【0019】
本構成により、仮決定と本決定の二段階の操作だけではなく、通常の1タッチ入力操作も可能となるので、例えば手ぶれ等が生じ易い環境下や表示部に比較的小さいボタンが表示されているときは前記の二段階の操作を行い、表示部に比較的大きなボタンが表示されているときは通常の1タッチ入力操作を行うといったように、これら2つの背面入力操作を、使用者が装置の使用状況や使用環境に応じて、適宜使い分けることができるようになる。
【0020】
(3)上記の構成において、前記携帯型装置は、前記仮決定位置記憶手段により前記仮決定位置が記憶されてから、当該仮決定位置が本決定されるまでの有効期間を設定する有効期間設定手段をさらに含む。そして、前記入力決定手段は、前記有効期間設定手段により設定された有効期間内に前記本決定操作が行われたときに限り、前記仮決定位置での入力を本決定し、前記指標表示手段は、前記有効期間内に前記本決定操作が行われなかったとき、前記表示部の前記指標を消去させることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、仮決定位置記憶手段により仮決定位置が記憶されて仮決定がなされた場合、当該仮決定に対して有効期間が設定される。そして、有効期間内に本決定操作が行われたときに限り仮決定位置が本決定となる。一方、有効期間内に本決定操作が行われなかった場合は、表示部から指標が消去される。これにより、有効期間の経過とともに自動的に表示部から指標が消去されて仮決定が取り消されることになるので、仮決定の操作をした後にその仮決定位置を取り消したい場合には、有効期間の経過を待つだけで特別な取り消し操作をする必要はない。あるいは、仮決定を間違ったと気づき、入力し直したいときにも、指標が消去されたタイミングで新たに入力操作を行えばよいので、再入力のタイミングの判断が容易であり、操作性の向上が図れる。
【0022】
(4)上記の構成において、前記指標表示手段は、前記有効期間の残り時間が短くなるほど、前記指標の表示状態の視認性が低下するよう変化させる指標表示状態変更手段を備えていることが好ましい。
【0023】
このように、仮決定に対して設定された有効期間の残り時間が短くなるほど、指標の表示状態の視認性が低下するように変化させる(例えば、指標の表示面積を削減したり、その透過度を高めたりする)ことにより、使用者に有効期間の残り時間が減少していることを分り易く報知できるとともに、有効期間を経過した場合の指標の消去を自然に行うことができる。特に、使用者は、仮決定の操作およびその後の本決定の操作を、表示部の指標を視認しながら行っているので、当該指標の表示状態を上述のように変化させることにより、効果的に有効期間の残り時間を使用者に認識させることができる。
【0024】
(5)上記の構成において、前記指標表示手段は、前記位置指定状態中に、前記接触物が前記背面入力部から離れたときの当該接触物の位置を含む所定の有効領域を、前記背面入力部に設定する有効領域設定手段をさらに含む。そして、前記入力決定手段は、前記有効領域設定手段により設定された有効領域内において前記本決定操作が行われたときに限り、前記仮決定位置での入力を本決定することが好ましい。
【0025】
この構成によれば、位置指定状態中に使用者が指などの接触物を背面入力部から離して仮決定の操作を行った場合、接触物を離した位置を含む所定の有効領域が背面入力部に設定されることになる。そして、この有効領域内で背面入力部に対する本決定操作が行われたときに限り、仮決定位が本決定となる。よって、有効領域外で行われる背面入力部に対する操作は本決定操作とはならないため、仮決定がなされた後であっても、有効領域外では、本決定操作以外の任意の操作を受け付けることが可能となる。
【0026】
仮決定後の有効領域外での操作の例としては、仮決定がなされた後に当該仮決定を取り消す操作が挙げられる。例えば、1タッチでの背面入力がし易いような大きさの取り消しボタンを表示部に表示しておけば、仮決定後に有効領域外にある当該取り消しボタンを1タッチで背面入力することにより、一旦設定された仮決定を、有効期間の経過を待つことなく何時でも直ちに取り消すことができるようになる。従って、迅速な処理操作を行える構成を提供できる。
【0027】
(6)上記の構成において、前記指標表示手段は、前記表示部に選択可能なオブジェクトを表示させるオブジェクト表示手段と、前記指標が前記表示部に表示されている前記オブジェクトと重なった場合における当該オブジェクトの表示状態を、選択が決定されたときの表示状態とは異なる仮選択状態で表示させる仮選択状態表示手段と、前記オブジェクトが仮選択状態で表示されている場合に前記入力決定手段によって入力が本決定されたときに当該オブジェクトの選択を決定するオブジェクト選択決定手段と、をさらに備えていることが好ましい。
【0028】
この構成によれば、仮決定のための位置指定時に、表示部に表示されている選択可能なオブジェクト(例えば、ボタン、アイコン、キャラクタなどの選択対象)と指標とが重なった場合、当該オブジェクトが、選択決定されたときの表示状態とは異なる(例えば、色、輝度、模様などが異なる)仮選択状態で表示される。そして、仮選択状態で表示されているオブジェクトは、本決定操作によって選択決定できる。
【0029】
このように、位置指定状態中においては、表示部の画面上に背面入力部の接触位置を反映させた指標を表示するだけでなく、当該指標と重なったオブジェクトが仮選択状態となっていることを使用者に視覚的に分りやすく表示することによって、さらなる操作性の向上が図れる。
【0030】
(7)上記の構成において、前記指標表示手段は、前記表示部に選択可能なオブジェクトを表示させるオブジェクト表示手段と、前記位置指定状態中に、前記背面入力部に接触している前記接触物の移動に伴って移動する前記指標の軌跡によって囲まれた領域に存在する1又は複数の前記オブジェクトの表示状態を、選択が決定されたときの表示状態とは異なる仮選択状態で表示させる仮選択状態表示手段と、前記1又は複数のオブジェクトが仮選択状態で表示されている場合に前記入力決定手段によって入力が本決定されたとき、当該1又は複数のオブジェクトの選択を決定するオブジェクト選択決定手段と、をさらに備えていることが好ましい。
【0031】
この構成によれば、位置指定状態中において、背面入力部に接触させている指などの移動に伴って移動する指標の軌跡によって囲まれた領域に存在する1又は複数のオブジェクトを、一括して仮選択状態とすることが可能となる(図15(b)参照)。このようにして一括して仮選択されたオブジェクトは、本決定操作によって一括して選択決定できる。このような指標の軌跡を利用した一括仮選択および一括本決定の操作を可能とすることによって、複数オブジェクトの選択時の操作性が大幅に向上する。
【0032】
例えば、野球ゲームの画面において、守備についている3人の外野手キャラクタをまとめて選択して守備位置を移動させる(通常の守備位置から前進守備の守備位置に変更する)場合などの操作時に、本構成の一括仮選択および一括本決定の操作を好適に用いることができる。
【0033】
(8)上記の構成において、前記指標表示手段は、同一の仮決定位置に対して連続して本決定の入力を許可する連続入力可能オブジェクトを前記表示部に表示させる連続入力可能オブジェクト表示手段と、前記仮決定位置が前記連続入力可能オブジェクトの表示領域内に存在する状態で、前記有効期間中に前記本決定操作が行われたとき、前記入力決定手段による本決定後に、当該仮決定位置に対する前記有効期間を再設定し、当該有効期間を最初から開始させる有効期間再設定手段とをさらに備えている。そして、前記入力決定手段は、前記有効期間再設定手段によって再設定された前記有効期間中に前記本決定操作が行われたとき、前記仮決定位置での入力を、再度、本決定することが好ましい。
【0034】
ここで、連続入力可能オブジェクトの一例としては、変更可能な数値(パラメータ)を1ずつ上下に変更するためのカウントアップ/ダウンボタン等が挙げられる(図20の△▽ボタン参照)。カウントアップ/ダウンボタン等を使用して任意の数値を設定する場合、同じボタンが連続して何度も入力されることになる。そこで、本構成では、連続入力可能オブジェクトの表示領域内で仮決定が行われた場合は、一度設定した同一の仮決定位置に対して連続して本決定の入力ができるようにしている。
【0035】
これを実現するために、本構成では、仮決定位置に対する本決定操作が行われた後に、当該仮決定位置に対する有効期間を有効期間再設定手段が再設定し、当該有効期間を最初から開始させるようになっている。そして、再設定された有効期間中に、再度、本決定操作が行われたとき、入力決定手段が再度、当該仮決定位置での入力を、本決定する。この本決定後にも、再度、有効期間が再設定されるので、本決定の度に再設定される有効期間を徒過しない限りは、一度設定した同一の仮決定位置に対して、連続して本決定の入力が可能となるのである。
【0036】
このように、連続入力可能オブジェクトに対しては、仮決定と本決定とを何度も繰り返すことなく、一度仮決定しただけで連続して本決定の入力ができるので、操作性の向上が図れる。
【0037】
(9)上記の構成において、前記指標表示手段は、前記位置指定状態中に、前記背面入力部に接触したまま移動する前記接触物の移動方向および移動量に応じて、前記接触物と前記指標との相対的な位置関係を保持したまま前記指標が移動するように、前記表示部に前記指標を表示させることが好ましい。
【0038】
この構成によれば、背面入力部に接触する指などの接触物と、表示部に表示される指標とが離れている状態(接触物の接触座標と指標の表示座標とが異なる状態)であっても、背面入力部の任意の位置で接触物を移動させれば、接触物と指標との相対的な位置関係が保持された状態で、接触物の移動方向および移動量に応じて指標を移動させることができる(図26参照)。これにより、表示部および背面入力部が大きいために指などの接触物が背面入力部の全体に届かない場合であっても、表示部に表示される指標を画面全体に移動させることが可能となる。
【0039】
(10)本発明の他の局面に係る携帯型装置の制御方法は、表示部と、前記表示部の設置面とは反対側の面に設けられた接触入力式の背面入力部とを備えた携帯型装置をコンピュータが制御する携帯型装置の制御方法であって、コンピュータが、前記背面入力部に接触物が所定時間以上継続して接触した状態を検出または前記背面入力部に前記接触物が接触した状態のまま移動したことを検出したとき、位置指定状態になったと判定する状態判定ステップと、コンピュータが、前記位置指定状態中に、前記背面入力部へ接触する、または接触して移動する前記接触物の位置に対応する指標を、前記表示部に表示させる指標表示ステップと、コンピュータが、前記位置指定状態中に、前記接触物が前記背面入力部から離れたときの前記指標の位置を、仮決定位置として記憶装置に記憶する仮決定位置記憶ステップと、コンピュータが、前記背面入力部の全面を対象とした、前記接触物の接触による所定の本決定操作に基づいて、前記仮決定位置記憶ステップで記憶された仮決定位置での入力を本決定する入力決定ステップと、を備えている。
【0040】
(11)本発明のさらに別の一局面によるプログラムは、コンピュータを前記携帯型装置として動作させるためのプログラムであって、当該コンピュータを、前記携帯型装置が備えている前記各手段として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、手ぶれ等による誤操作を回避し、正確な背面入力操作を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施の形態に係るゲーム装置の外観を示す平面図である。
【図2】前記ゲーム装置の外観を示す背面図である。
【図3】前記ゲーム装置のハード構成の一例を示すブロック図である。
【図4】前記ゲーム装置の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図5】1タッチでの背面入力時の画面遷移の一例を説明するための説明図である。
【図6】仮決定および本決定の二段階操作による背面入力時の画面遷移の一例を説明するための説明図である。
【図7】有効期間の残り時間によってカーソルの表示状態が変化する例を示す説明図である。
【図8】前記ゲーム装置の基本的な動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】位置指定状態中の処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】前記ゲーム装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】前記ゲーム装置の動作のその他の例を示すフローチャートである。
【図12】仮決定後のカーソル表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】前記ゲーム装置の動作のその他の例を示すフローチャートである。
【図14】複数の仮決定位置を設定する操作の一例を示す説明図である。
【図15】複数の仮決定位置を設定する操作のその他の例を示す説明図である。
【図16】位置指定状態中の処理のその他の例を示すフローチャートである。
【図17】前記ゲーム装置の機能的構成のその他の例を示す機能ブロック図である。
【図18】有効領域が設定されたときの操作の一例を示す説明図である。
【図19】前記ゲーム装置の動作のその他の例を示すフローチャートである。
【図20】連続入力可能オブジェクトに対する操作の一例を示す説明図である。
【図21】前記ゲーム装置の動作のその他の例を示すフローチャートである。
【図22】前記ゲーム装置の機能的構成のその他の例を示す機能ブロック図である。
【図23】両手の指を使用した背面入力操作の一例を示す説明図である。
【図24】前記ゲーム装置の動作のその他の例を示すフローチャートである。
【図25】前記ゲーム装置の動作のその他の例を示すフローチャートである。
【図26】指から離れた位置のカーソルを相対移動させる操作の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の一実施の形態に係る携帯型装置、その制御方法及びプログラムについて、図面を参照しながら説明する。
〔携帯型装置の概要〕
【0044】
本発明の実施の形態に係る携帯型装置は、装置表面側に表示部を有するとともに、表示部の設置面とは反対側の面に接触入力式の背面入力部を具備している。本携帯型装置の一例としては、図1及び図2に示すような携帯型のゲーム装置1を挙げることができる。図1は、ゲーム装置1における表面側の外観の一例を示す平面図であり、図2は、当該ゲーム装置1における背面側の外観の一例を示す背面図である。
【0045】
図1に示すように、ゲーム装置1は、その表面側に有機EL(Electro-Luminescence)や液晶ディスプレイ等の表示部2を備えている。また、図2に示すように、ゲーム装置1は、その背面側に表示部2と略同じ表面積を有する背面タッチパネル(接触入力式の背面入力部)5を備えている。基本的に、表示部2の表示座標と背面タッチパネル5の入力座標とは、1対1で対応しており、プレイヤ(使用者)の指8などの接触物が背面タッチパネル5に接触した場合、当該接触座標に対応する表示部2の位置に、カーソル30等の指標が表示されるようになっている。すなわち、背面タッチパネル5に接触している指8の位置は、表面側の表示部2に表示されるカーソル30の位置に反映されており、プレイヤは、当該カーソル30によって背面タッチパネル5への接触位置を認識できるようになっている。
【0046】
前述のように、携帯型装置では、装置を手で把持した状態での背面操作となるため、手ぶれ等によって誤操作が生じ易く、正確な背面入力の操作は困難となるが、本実施の形態に係るゲーム装置1は、以下に説明するように、図5に示す1タッチでの背面入力の他に、図6に示す仮決定のための位置指定操作と本決定操作という二段階の操作による背面入力をも可能とし、手ぶれ等が生じ易い環境下でも正確な背面入力の操作を実現する。
【0047】
すなわち、例えば図5(a)に示すように、表示部2に「A」〜「F」の選択可能なボタン(オブジェクト)が表示されている場合に、プレイヤが誤ったボタン操作をすることはないと考える(自信がある)場合には、図5(b)に示すように、選択したいボタンに対応する背面タッチパネル5の領域に指8を接触させてすぐに離せば、図5(c)に示すように、当該ボタン(この例では「C」ボタン)を1タッチで入力することができる。
【0048】
また、手ぶれ等が生じ易い環境下であって背面入力の操作が困難な場合には、次の(1)及び(2)の二段階の操作を行う。
【0049】
(1)背面タッチパネル5に接触させた指を直ぐに離すのではなく、指を背面タッチパネル5に接触させたままで目的のボタン位置まで移動させ、当該位置で、一旦、指を離す位置指定操作を行う。この操作によって、当該ボタンの選択が仮決定される。この操作においては、図6(a)に示すように、背面タッチパネル5に接触させた指の位置が反映されたカーソル30が表示部2に表示される。そして、図6(b)に示すように、プレイヤは、指の移動に伴って動くカーソル30を確認しながら、目的のボタン(この例では「E」ボタン)の位置まで慎重に指を移動させた後、その位置で指を離すことで仮決定することができる。このように、本操作においては、従来のタッチパネルにおける1タッチの入力操作のように、画面へ接触したタイミングを処理のトリガーとするのではなく、接触状態が解除されたタイミングをトリガーとする。このように、仮決定を、指を離すタイミングとしているので、誤入力を極めて低く抑えることができる。この理由は以下の通りである。即ち、従来のタッチパネルの入力操作の場合には、当然ながら、画面から離れた位置から所望のボタン等を狙って指を近づけていくことになるが、ボタンと指との間に距離があるので、最終的に指が画面に接するまでに、接触位置が所望のボタンからずれ、別のボタンに接触してしまう可能性がある。特に携帯型装置は、車中や歩行中に操作されることもあり、このような場合、振動や手ぶれ等によって位置ずれの可能性が高まる。加えて、背面入力であり操作性の難易度が高いことから、所望のボタンに接触させにいく操作はより一層、困難なものとなる。これに対して、本操作では、まず所望のボタンに指を接触させておき、その指を離したタイミングで、そのボタンを確定(仮決定)とするので、振動や手ぶれの影響は生じ得ず、異なるボタンを押してしまうリスクは回避される。
【0050】
(2)上記の仮決定の後に、プレイヤは、背面タッチパネル5の中の任意の位置に指を接触させて本決定操作を行う。これにより、図6(c)に示すように、仮決定したボタンが本決定となり、当該ボタンを正確に入力することができる。
【0051】
以下に、上記のように背面入力の操作性を改善した、本実施の形態に係るゲーム装置1の構成の詳細を説明する。
〔ゲーム装置の構成〕
【0052】
図1及び図2に示すように、ゲーム装置1は、その左端1a及び右端1bが円弧状に形成されており、当該左右端1a、1bをプレイヤ(使用者)が左右の手で把持した状態で、表示部2の画面を見ながら操作することができるように構成されている。すなわち、表示部2を中央に挟んでその左右には、プレイヤが左右の親指で操作可能な物理的な操作ボタンである方向キー3及び決定ボタン4が設けられている。また、ゲーム装置1を左右の手で把持した場合、プレイヤの手の中指等は装置背面に存在するので、プレイヤは、表示部2の画面を見ながら背面タッチパネル5に指を接触させて背面入力操作ができるようになっている。
【0053】
なお、表示部2の画面にもタッチインタフェースを搭載することによって表示部2をいわゆるタッチスクリーンとして構成し、装置の表面側と背面側の両方で接触入力方式を採用することもできる。また、ゲーム装置1には、左右の人差し指で操作することができる操作ボタン、アナログパッド、ボリューム調整ボタン等の図示しない物理的なボタン等を設けてもよい。
【0054】
本実施の形態の背面タッチパネル5は、投影型の静電容量方式のマルチタッチパネルとして構成されており、多点同時検出が可能となっている。なお、背面タッチパネル5としては、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式または表面型の静電容量方式などのその他の方式のタッチパネルを採用することもできる。
【0055】
本実施の形態では、表示部2の表示領域(画面)の面積と背面タッチパネル5の面積とを略等しくし、表示領域全体に対して背面タッチパネル5による背面入力を可能としている(図5等では、便宜上、破線で示した背面タッチパネル5を、実線で示した表示部2よりも若干小さく記載しているが、背面タッチパネル5と表示部2とは略等しい大きさである)。但し、これに限定されるものではなく、表示部2の表示領域の面積と比較して背面タッチパネル5の面積を小さく形成し、表示領域全体の中の一部について、背面タッチパネル5による背面入力を可能としてもよい。
【0056】
図3は、ゲーム装置1の主なハード構成を示すブロック図である。同図に示すように、ゲーム装置1は、制御部10、補助記憶装置17、通信制御部18、デコーダ19、記録媒体ドライブ21などを備えている。
【0057】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)11と、主記憶装置としてのROM(Read Only Memory)12及びRAM(Random Access Memory)13と、画像処理部14と、タッチ入力検出部15と、サウンド処理部16とを備えており、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスライン20を介して相互に接続されている。なお、バスライン20と各構成要素との間には必要に応じてインターフェイス回路が介在しているが、ここではインターフェイス回路の図示を省略している。
【0058】
CPU11は、ゲームプログラムの命令を解釈して実行し、ゲーム装置1全体の制御を行う。ROM12は、ゲーム装置1の基本的な動作制御に必要なプログラム等を記憶している。RAM13は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU11に対する作業領域を確保する。
【0059】
画像処理部14は、CPU11からの画像表示命令に基づいて表示部2を駆動し、当該表示部2の画面に画像を表示させる。また、タッチ入力検出部15は、指などが背面タッチパネル5の入力面に接触したとき、当該入力面上の接触位置座標を検出して座標信号をCPU11へと供給する。これによって、背面タッチパネル5の入力面上の接触位置がCPU11に認識されるようになっている。
【0060】
サウンド処理部16は、CPU11からの発音指示に基づいて、アナログ音声信号を生成してスピーカ6に出力する。
【0061】
補助記憶装置17は、例えばゲームが中断された場合において、中断時点でのゲーム状態を保持するために各種ゲームパラメータ等を記憶する不揮発性の記憶領域を有する。また、補助記憶装置17は、ゲームプログラムや各種データを記憶することができる。補助記憶装置17としては、例えばハードディスクドライブ、フラッシュメモリドライブ、メモリカード等のリムーバブルメディアのドライブ等を用いることができる。
【0062】
通信制御部18は、通信インターフェイス18aを備え、ゲーム実行時にデータ通信するための通信制御機能を有している。ここで、データ通信用の通信制御機能には、例えば、無線LAN(Local Area Network)接続機能、無線LANや携帯電話回線網を介したインターネット接続機能、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能などが含まれる。通信制御部18は、CPU11からの命令に基づいてゲーム装置1を無線LANやインターネット等に接続するための接続信号を発信するとともに、通信相手側から送信されてきた情報を受信してCPU11へ供給する。
【0063】
デコーダ19は、記録媒体ドライブ21に接続されている。記録媒体ドライブ21としては、例えば、DVD−ROMドライブ、CD−ROMドライブ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等が用いられる。この場合、記録媒体22としては、DVD−ROM、CD−ROM、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、半導体メモリ、カートリッジ型メモリ等が用いられる。記録媒体ドライブ21は、記録媒体22から画像データ、音声データ及びプログラムデータを読み出し、読み出したデータをデコーダ19に供給する。デコーダ19は、記録媒体ドライブ21で読み出されたデータに対してECC(Error Correction Code)によるエラー訂正処理を施し、当該処理後のデータをRAM13に供給する。
【0064】
なお、ゲーム装置1には、その他にもCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の撮像装置(カメラ)、GPS(Global Positioning System)信号受信回路、モーションセンサ(3軸加速度センサや3軸ジャイロスコープ)などが備えられていてもよい。
【0065】
上記構成のゲーム装置1において、記憶媒体22又は補助記憶装置20に記憶されているゲームプログラムがRAM13へロードされ、ロードされたゲームプログラムがCPU11で実行されることにより、様々なゲームが実行可能である。ゲーム装置1に対するプレイヤの操作は、背面タッチパネル5による背面入力などにより行うことができる。
〔ゲーム装置の機能的構成〕
【0066】
次に、上記のように構成されたゲーム装置1の主要な機能について説明する。図4は、図1ないし図3に示すゲーム装置1の主要機能ブロック図である。
【0067】
図4に示すように、ゲーム装置1は、機能的には、接触位置記憶手段31、状態判定手段32、カーソル表示手段33(指標表示手段)、仮決定位置記憶手段34、有効期間設定手段35、入力決定手段36、オブジェクト表示手段37、仮選択状態表示手段38、オブジェクト選択決定手段39を備えており、これらの各手段は制御部10がプログラムを実行することにより実現されるものである。
【0068】
接触位置記憶手段31は、背面タッチパネル5に指(接触物)が接触したときの接触位置(接触座標)を記憶装置(RAM13等)に記憶する。すなわち、接触位置記憶手段31は、背面タッチパネル5に何も接触していない状態から指が最初に接触したときの接触開始位置の座標を記憶する。
【0069】
さらに、接触位置記憶手段31は、背面タッチパネル5に指が継続的に接触している状態(すなわち、仮決定のための位置指定操作中)においては、所定の時間(サンプリング時間)間隔で、背面タッチパネル5に接触している指の接触位置の座標を記憶する。接触位置記憶手段31が記憶する接触位置の座標としては、最新の接触位置の座標のみを順次上書きしながら記憶してもよいし、サンプリング時間毎に取得した接触位置の座標を、時系列的に全て記憶してもよい。
【0070】
状態判定手段32は、背面タッチパネル5に指などの接触物が所定時間以上継続して接触した状態を検出したとき、仮決定のための位置指定状態になったと判定する機能を有する。本ゲーム装置1における仮決定のための位置指定の操作とは、プレイヤが背面タッチパネル5に接触させた指を直ぐに離すのではなく、指を背面タッチパネル5に接触させたままで目的位置まである程度の時間をかけて移動させる操作である。よって、背面タッチパネル5に指が所定時間以上継続して接触した状態を検知することにより、状態判定手段32は、プレイヤが仮決定のための位置指定の操作を開始したこと(すなわち、仮決定のための位置指定状態になったこと)を判定できるのである。
【0071】
仮決定のための位置指定状態になったと判定する他の方法としては、背面タッチパネル5に指が接触した状態のままで接触位置座標が変化することを検知する方法がある。よって、状態判定手段32は、背面タッチパネル5に指などの接触物が接触した状態のまま移動したことを検出したとき、位置指定状態になったと判定してもよい。
【0072】
カーソル表示手段33は、仮決定のための位置指定状態中に、背面タッチパネル5へ接触する、または背面タッチパネル5へ接触して移動する指の位置に対応するカーソル30を、表示部2に表示させる機能を有する。このように、仮決定のための位置指定状態中においては、背面タッチパネル5に接触している指の位置が反映されたカーソル30が表示部2の画面に表示されるので、プレイヤは指の動きと連動するカーソル30を視認しながら背面操作ができる。これにより、カメラなどのタッチパネル以外のセンサの併用、装置を透明化、背面に突起物を設ける等の装置の複雑化を伴うことなく、正確な背面操作による位置指定が可能となる。
【0073】
仮決定位置記憶手段34は、仮決定のための位置指定状態中に、指が背面タッチパネル5から離れたときのカーソル30の位置を、仮決定位置として記憶装置に記憶する機能を有する。すなわち、位置指定状態中において、プレイヤがカーソル30を視認しながら背面タッチパネル5に接触させた指を目的位置で離したとき、このときのカーソル30の位置が仮決定位置として仮決定位置記憶手段34に記憶される。
【0074】
有効期間設定手段35は、仮決定位置記憶手段34により仮決定位置が記憶されてから、当該仮決定位置が本決定されるまでの有効期間を設定する。この有効期間内に、背面タッチパネル5に対する所定の本決定操作が行われた場合に限り、仮決定位置での入力が本決定となる。一方、有効期間内に本決定操作が行われなかったとき、カーソル表示手段33は、表示部2に表示されているカーソル30を消去させるようになっている。すなわち、有効期間が経過すると、自動的に表示部2からカーソル30が消えて仮決定が取り消された状態になる。これにより、仮決定の操作をした後にその仮決定位置では本決定をしない場合には、有効期間の経過を待つだけで特別な取り消し操作を要することなく仮決定を取り消すことがでるため、操作性の向上を図ることができる。
【0075】
また、カーソル表示手段33は、仮決定位置に対する有効期間の残り時間が短くなるほど、カーソル30の表示状態の視認性が低下するよう変化させる表示状態変更手段33a(指標表示状態変更手段)を備えている。図7(a)〜(c)は、有効期間の残り時間が短くなるにつれてカーソル30の面積が減少し、有効期間の経過によりカーソル30が消去される様子を示している。このように、表示状態変更手段33aは、有効期間の残り時間が少なくなるほど、カーソル30の面積を削減する。あるいは、表示状態変更手段33aは、有効期間の残り時間が少なくなるほど、カーソル30の透過度を高めてもよい。その他、カーソル30の視認性が徐々に低下する形態であれば、上記例に限らない。
【0076】
このように、表示状態変更手段33aは、有効期間の残り時間が少なくなるほど、カーソル30の面積を削減したり、透過度を高めたりすることにより、プレイヤに有効期間の残り時間が減少していることをわかり易く報知する。プレイヤは、仮決定の操作およびその後の本決定の操作を、表示部2のカーソル30を視認しながら行うので、当該カーソル30の表示状態を変化させることにより、効果的に有効期間の残り時間をプレイヤに認識させることができる。
【0077】
有効期間の残り時間のその他の報知方法としては、例えば、有効期間の残り時間が少なくなるほどカーソル30の点滅速度を速める方法も考えられる。または、有効期間の残り時間に応じてカーソル30の色を変化させる(例えば、残り時間が少なくなるに従ってカーソル30の色を青色→黄色→赤色に変化させる)方法も考えられる。あるいは、カーソル30に重畳させて又はカーソル30の付近に有効期間の残り時間を示す数字をカウントダウン表示する方法も考えられる。但し、本実施の形態のように、有効期間の残り時間が短くなるほど、カーソル30の表示状態の視認性を低下させ、有効期間の経過により当該カーソル30が表示部2から消去される構成が好ましい。これにより、プレイヤに有効期間の残り時間が減少していることをより分り易く報知できるとともに、カーソル30の消去を自然に行うことができる。
【0078】
仮決定位置に対する有効期間としては、数秒程度(例えば1秒〜2秒程度)に設定することができる。また、この有効期間は、図示しないオプション設定画面において、プレイヤが任意に設定変更(例えば、1秒〜5秒の中で任意の秒数を指定)できるようにしてもよい。
【0079】
なお、本実施の形態では、仮決定位置に対して有効期間を設ける例について説明するが、当該有効期間を設けることなく、仮決定後はいつまでも本決定操作を受け付ける構成にすることもできる。この場合、仮決定後にそれを取り消す場合には、所定の取り消し操作を行うことになる。取り消し操作としては、例えば、背面タッチパネル5の任意の位置に指を接触させたまま上下や左右に連続して複数回移動させる操作(消しゴムを擦るような動きの操作)など、取り消しをしていることが直感的に分り易い操作にすることが望ましい。
【0080】
入力決定手段36は、仮決定後に行われる本決定操作に基づいて、仮決定位置記憶手段34に記憶された仮決定位置での入力を本決定する。ここで、本決定操作とは、背面タッチパネル5の全面を対象とした、指などの接触物の接触による所定の操作である。本実施の形態では、指を背面タッチパネル5に接触させた後、所定時間に達する前に指を離して接触状態を解除する1タッチの操作(いわゆる「クリック」又は「タップ」と称される操作であって、以下、この操作を「クリック操作」と称する。)を本決定操作とする例について説明する。
【0081】
本実施の形態では、図5に示す1タッチでの背面入力も、本決定操作と同じクリック操作である。同じクリック操作であっても、仮決定のための位置指定状態に遷移する前に行われたクリック操作については、クリック位置の座標がそのまま入力座標となる1タッチ入力操作となる一方、位置指定状態に遷移して仮決定がなされた後に行われるクリック操作については、本決定操作となる。
【0082】
また、前述の仮決定のための位置指定の操作とは、指を背面タッチパネル5に接触させたままで目的位置まで移動させる操作であるが、この操作はいわゆる「ドラッグ」と称される操作であって、以下、この操作を「ドラッグ操作」と称する。
【0083】
入力決定手段36は、仮決定のための位置指定状態に遷移することなく指などの接触物が背面タッチパネル5から離れたことを検出したとき、接触位置記憶手段31に記憶されている、背面タッチパネル5に指(接触物)が接触したときの接触位置の座標を、入力位置として決定する。ここで、位置指定状態に遷移することなく指が背面タッチパネル5から離れたということは、「指が所定時間以上背面タッチパネル5に接触」又は「指が背面タッチパネル5に接触した状態のまま移動」することなく、指が背面タッチパネル5から離れたこと、すなわち、プレイヤによって1タッチ入力のクリック操作が行われたことを意味する。よって、位置指定状態に遷移することなく指などの接触物が背面タッチパネル5から離れたことを検出することによって、1タッチでの背面入力がなされたことを検出することができる。よって、これを検出したとき、入力決定手段36は、背面タッチパネル5に指が接触したときの接触位置の座標を、入力位置として決定するのである。
【0084】
また、入力決定手段36は、有効期間設定手段35により設定された有効期間内に本決定操作としてのクリック操作が行われたときに限り、仮決定位置での入力を本決定する機能を有する。仮決定後に有効期間が経過した場合は、表示部2からカーソル30が消去されて仮決定が取り消されるので、位置指定状態に遷移する前の通常状態に戻ることになる。よって、有効期間が経過した後に背面タッチパネル5へのクリック操作がなされた場合、入力決定手段36は、位置指定状態に遷移することなく指が背面タッチパネル5から離れたことを検出することになり、背面タッチパネル5に指が接触したときの接触位置の座標を入力位置として決定することになる。
【0085】
オブジェクト表示手段37は、表示部2に、背面入力操作によって選択可能なオブジェクトを表示させる。ここで、選択可能なオブジェクトとは、図5(a)に示すような表示部2の画面に表示されるボタンなどの選択対象を意味する。例えば、ゲーム装置1が起動されたときに表示部2に表示される初期画面中のメニューボタンが当該オブジェクトに該当する。その他、表示部2に表示されている各種アイコンやキャラクタなどであって、背面入力操作によって選択可能なものについても、当該オブジェクトに該当する。
【0086】
仮選択状態表示手段38は、カーソル30が表示部2に表示されている選択可能なオブジェクトと重なった場合における当該オブジェクトの表示状態を、選択が決定されたときの表示状態とは異なる仮選択状態で表示させる機能を有する。例えば、図6(a)及び(b)に示すように、仮決定のための位置指定状態中において、背面タッチパネル5に接触している指の位置が反映されたカーソル30が、CボタンやEボタンと重なった場合、当該C・Eボタンの色、輝度または模様などが、図6(c)に示すEボタンの選択が決定されたときの色、輝度または模様などとは異なる仮選択状態で表示されるようになっている。仮選択状態表示手段38は、仮決定のための位置指定状態中において、カーソル30の現在位置座標を取得し、取得したカーソル座標が選択可能なオブジェクトの表示領域内に存在する場合に、当該オブジェクトを仮選択状態とする。このように、位置指定状態中においては、表示部2の画面上に指の位置を反映したカーソル30を表示するだけでなく、オブジェクトの仮選択状態をプレイヤに視覚的に分りやすく表示することによって、さらなる操作性の向上が図れる。
【0087】
オブジェクト選択決定手段39は、オブジェクトが仮選択状態で表示されている場合にプレイヤによって本決定操作がなされ、これによって仮決定位置での入力が入力決定手段36により本決定されたときに、当該オブジェクトの選択を本決定する。例えば、図6(b)に示すように、Eボタンの表示領域内にカーソル30が存在するとき(Eボタンが仮選択状態で表示されているとき)にプレイヤが背面タッチパネル5から指を離して仮決定を行い、その後、有効期間内にプレイヤが背面タッチパネル5をクリックすれば、当該カーソル位置での入力が本決定となり、仮選択状態のEボタンの選択がオブジェクト選択決定手段39により本決定される。
〔ゲーム装置の動作〕
【0088】
上記の構成において、本発明の実施の形態に係るゲーム装置1の基本的な動作例を、図8及び図9のフローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0089】
ゲーム装置1が起動されると、先ず、有効期間Tvalidが初期化される(S1)。次に有効期間Tvalidが0よりも大きいか否かが判断され(S2)、当該S2でYESの場合には有効期間Tvalidがデクリメントされた上で(S3)、S4に移行する。なお、S2でYESとなるのは、後述する仮決定がなされてから本決定がなされるまでの間のみであり、よって、装置起動後に仮決定の操作がなされる以前、仮決定後であっても本決定がなされた以降、または一度設定された有効期間を経過した以降には、有効期間Tvalidが0となっており(S2でNO)、S3を経ずにS4に移行する。S4では、背面タッチパネル5に指などの接触物が接触したか否かが判断され、接触が検知されるまでS2〜S4を繰り返すループ処理がなされる。
【0090】
背面タッチパネル5への接触が検知された場合(S4でYES)、接触位置記憶手段31が接触座標の記録を開始する(S5)。すなわち、接触位置記憶手段31は、背面タッチパネル5に指(接触物)が接触したときの最初の接触位置(接触開始位置)の座標を記憶装置(RAM13等)に記憶し、その後も所定のサンプリング時間毎に現在の接触座標を取得して記憶することになる。
【0091】
その後、接触時間Ttouchとして所定値(図8の例では5)が設定され(S6)、当該接触時間Ttouchが0になるまでデクリメントされる(S7及びS8)。このS6〜S8は、クリック操作なのかドラッグ操作なのかを判断するための基準となる所定時間の経過処理(ウェイト処理)である。この所定時間は、接触時間Ttouchの設定値とCPU11の動作クロックの周波数によって定まるものであり、例えば、100ms程度の時間を設定することができる。
【0092】
そして、接触時間Ttouchが0になったとき(S8でYES)、背面タッチパネル5に対する接触物の接触が継続しているか否かが判断される(S9)。ここで、背面タッチパネル5に指などの接触物が所定時間以上継続して接触した状態が検出されたとき、すなわち、ドラッグ操作が検出されたとき(S9でYES)、状態判定手段32は、仮決定のための位置指定状態になったと判定し、位置指定状態中の処理(S10)に移行する。一方、所定時間に達するまでに背面タッチパネル5から接触物が離れた状態が検出されたとき、すなわち、クリック操作が検出されたとき(S9でNO)、S14に移行して、クリック操作時のルーチンに入ることになる。なお、クリック操作時のルーチンについては後述する。
【0093】
ここで、位置指定状態中の処理(S10)を、図9のフローチャートを参照しながら以下に説明する。
上記のように位置指定状態になったと判定された場合、カーソル表示手段33は、背面タッチパネル5へ接触する指の位置に対応するカーソル30を、表示部2に表示させる(S21)。そして、表示部2の画面に表示されている選択可能なオブジェクトに、カーソル30が重なっているか否かが判断される(S22)。例えは、図6(a)に示すように、カーソル30が選択可能なオブジェクトであるCボタンの表示領域に重なっている場合、仮選択状態表示手段38は、当該Cボタンを仮選択状態で表示する(S23)。
【0094】
S23の後、又はS22でNOの場合、背面タッチパネル5に対する指の接触位置が移動したか否か(すなわち、ドラッグ操作によって指が動いたか否か)が判断され(S24)、指の接触位置が移動した場合(S24でYES)、カーソル表示手段33は、当該指の動きに連動させて表示部2のカーソル30も移動させる(S25)。そして、S25の後、又はS24でNOの場合、図8のS11に移行する。
【0095】
S11では、背面タッチパネル5に対する接触物の接触が継続しているか否か(すなわち、ドラッグ操作が継続しているか否か)が判断される。そして、位置指定状態中のドラッグ操作が継続している間は(S11でYES)、図9のフローチャートに示した位置指定状態中の処理(S10)が繰り返されることになる。
【0096】
ドラッグ中の指をプレイヤが背面タッチパネル5から離した場合、背面タッチパネル5に対する接触が解除され(S11でNO)、ドラッグ操作の最後の座標(すなわち、指が背面タッチパネル5から離れたときのカーソル30の位置座標)が、仮決定位置として仮決定位置記憶手段34によって記憶さる(S12)。例えば、図6(b)に示すように、Eボタンの表示領域内にカーソル30が存在するときにドラッグ中の指をプレイヤが背面タッチパネル5から離した場合、このときのカーソル30位置が仮決定位置となり、Eボタンが仮選択状態で表示されて入力候補として仮決定される。
【0097】
上記の仮決定後、有効期間設定手段35が、仮決定位置に対する有効期間Tvalidとして所定値(図8の例では100)を設定する(S13)。ここで設定された有効期間Tvalidの値とCPU11の動作クロックの周波数とによって、実際の有効期間の秒数が定まる。有効期間Tvalidの設定後は、前記S2に移行し、S2〜S4のループ処理によって背面タッチパネル5に指が接触するまで有効期間Tvalidがデクリメントされる(S2でYES、S3、及びS4でNOのループ処理)。
【0098】
ここで、有効期間Tvalidが0になるまでに、プレイヤが背面タッチパネル5の任意の位置で本決定のクリック操作を行った場合について考える。この場合、背面タッチパネル5に指を接触させた後(S4でYES)、S5〜S7を経て、接触時間Ttouchが0になったときには(S8でYES)、背面タッチパネル5から指が離れているので(S9でNO)、S14に移行することになる。S14では、有効期間Tvalidが0以上であるかが判断されるが、有効期間Tvalidが0になるまでに本決定のクリック操作が行われているので(S14でYES)、S15に移行し、S12において記憶されたドラッグの最後の座標(すなわち、仮決定位置の座標)が入力座標として本決定される。
【0099】
上記の本決定により発展的に仮決定が解除されることになるので、有効期間Tvalidが初期化される(S16)。その後、入力座標での入力処理が実行される(S17)。例えば、図6(c)に示すように、Eボタンの入力が決定された場合、当該Eボタンに応じたコマンドが実行される(例えばEボタンがゲーム開始ボタンであった場合、ゲームが開始されることになる)。なお、上記の本決定のクリック操作が行われても、カーソル30はクリック位置に移動することはない。また、図6(c)においてEボタンに重ねて表示されているカーソルは、S16で有効期間Tvalidが初期化されたときに消去されるようになっている。
【0100】
次に、仮決定を経ることなく、1タッチで背面入力を行うクリック操作が行われた場合について考える。この場合、有効期間Tvalidが0の状態で行われるクリック操作となるので、S14においてはNOと判断されてS18に移行する。このS18では、前記S5において記憶された最初の接触座標(すなわち、背面タッチパネル5に接触したときのクリック位置の座標)が入力座標として決定される(S18)。その後、入力座標での入力処理が実行される(S17)。
【0101】
S17の後は、再度S2に移行し、ゲーム装置1が背面入力を受け付けている間は、上述のS2〜S18の処理が繰り返される。
【0102】
ところで、図8のフローチャートでは、クリック操作かドラッグ操作かを判断するためのS6〜S9のルーチンに関し、常に接触時間Ttouchが0になるまで待機してから(S6〜S8)、背面タッチパネル5への接触が継続しているか否かを判断する(S9)という処理例について説明した。これに代えて、図10のフローチャートに示すように、接触が継続しているか否かを判断するS9の処理を、接触時間Ttouchが0になったか否かを判断するS8よりも以前に実行し、接触時間Ttouchが0になる前であっても背面タッチパネル5への接触が解除された場合(S9でNO)、クリック操作がなされたと判定してS14に移行するようにしてもよい。また、この図10のフローチャートでは、背面タッチパネル5への接触が継続している状態で(S9でYES)、接触時間Ttouchが0になった場合(S8でYES)、ドラッグ操作がなされたと判定してS10に移行する。
【0103】
また、図8及び図10のフローチャートのS6〜S9は、背面タッチパネル5に指などの接触物が所定時間以上継続して接触した状態を検出したとき、ドラッグ操作による仮決定のための位置指定状態になったと判定する処理である。これに代えて、図11のフローチャートに示すように、背面タッチパネル5への接触が継続している状態で(S31でYES)、背面タッチパネル5への接触位置が移動したことを検知した場合に(S32でYES)、ドラッグ操作による仮決定のための位置指定状態になったと判定してS10に移行するようにしてもよい。また、この図11のフローチャートでは、背面タッチパネル5への接触位置が移動することなく(S32でNO)、背面タッチパネル5への接触が解除された場合(S31でNO)、クリック操作がなされたと判定してS14に移行する。
【0104】
上述のように、S6〜S9の処理は、図10又は図11のフローチャートに記載の処理に置換することができ、このことはS6〜S9の処理を含む全てのフローチャートにおいて共通であるため、これ以降のフローチャートを用いた説明では、その旨の説明を省略するものとする。
【0105】
次に、仮決定後のカーソル表示処理として、有効期間Tvalidの残り時間が少なくなるほどカーソル30の面積を削減する例について、図12のフローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0106】
前述のように、仮決定後には有効期間Tvalidに所定値(例えば100)が設定され(S13)、有効期間Tvalidが0でなければ(S2でYES)、有効期間Tvalidが1ずつデクリメントされる(S3)。そして、カーソル表示手段33は、有効期間Tvalidの値が減少するに従って、当該有効期間Tvalidに応じてカーソル30の面積を削減する(S41)。この面積削減処理は、有効期間Tvalidが0に達するか(S2でNO)、または背面タッチパネル5に指が接触する(S4でYES)まで繰り返される。これにより、仮決定の直後に図7(a)に示す大きさで表示されていたカーソル30は、有効期間Tvalidが減少したことによって、図7(b)に示すように小さく表示される。
【0107】
また、有効期間Tvalidが0に達した場合(S2でNO)、カーソル30が表示されているならば(S42でYES)カーソル30が消去され(S43)、また、オブジェクトが仮選択状態であるならば(S44でYES)、当該仮選択状態も解除される(S45)。このように、一旦設定された仮決定の状態が、有効期間Tvalidの経過に伴って自動的に解除され、図7(c)に示すように、表示部2の画面は背面タッチパネル5に何も接触していない元の表示状態に戻る。
【0108】
このように有効期間Tvalidの経過に伴って自動的に仮決定が解除されるが、有効期間Tvalidの経過を待たずに現在の仮決定を取り消して新たな位置座標を仮決定位置として指定する場合、プレイヤは、本決定のクリック操作をすることなく、再度、仮決定のためのドラッグ操作を行えばよい。すなわち、図8のフローチャートにおいて、現在の仮決定に対する有効期間Tvalidが残っている場合に新たなドラッグ操作がなされた場合、S12において、その前のドラッグ操作時に記憶されていた仮決定の座標情報が、新たなドラッグ操作の最後の座標に書き換えられて記憶され、仮決定のやり直しができるのである。そして、仮決定のやり直し後は、有効期間Tvalidも所定値(100)に設定され(S13)、当該期間が最初から始まる。
【0109】
上記のように、図8のフローチャートのS12において記憶するドラッグ操作の最後の座標(仮決定位置)を最新の座標1つだけとした場合、仮決定位置を1つだけ設定することができる。これに対して、図13のフローチャートのS12’に示すように、仮決定位置記憶手段34が記憶するドラッグ操作の最後の座標を複数記憶できるようにした場合、仮決定位置を同時に2つ以上設定することも可能である。
【0110】
例えば、図14(a)に示すように、プレイヤがドラッグ操作によってEボタン上にカーソル30Aが存在する位置で指を離して1番目の仮決定を行った後、当該仮決定の有効期間内において、さらなるドラッグ操作を開始すれば、表示部2にはカーソル30Aとは別のカーソル30Bが表示される。そして、図14(b)に示すように、プレイヤがドラッグ操作によってBボタン上にカーソル30Bが存在する位置で指を離して2番目の仮決定を行う。これにより、同時に2つの仮決定が成立し、BボタンおよびCボタンが同時に仮選択状態で表示される。その後、最後の仮決定(ここでは2番目の仮決定)で設定された有効期間内に、プレイヤが本決定のクリック操作を行えば、図14(c)に示すように、2つの仮決定が同時に本決定の入力となり、B及びCボタンの同時選択入力が実現できる。
【0111】
同様にして、最後の仮決定で設定された有効期間内に、プレイヤが仮決定のためのドラッグ操作を追加的に行うことによって、同時に設定する仮決定位置をさらに追加することができる。そして、これら複数の仮決定位置は、1回の本決定のクリック操作によって、一括して本決定にできるのである。これは、仮決定位置記憶手段34が、1または複数の仮決定位置を記憶装置に記憶するとともに、入力決定手段36が、仮決定位置記憶手段34に記憶された1または複数の仮決定位置での入力を一括して本決定するという構成により実現できる。
【0112】
ところで、仮決定のドラッグ操作中にプレイヤが激しい振動を受けて(例えば、バス等の車内が激しく揺れて)、一瞬、背面タッチパネル5から指が離れた場合であっても、所定時間(例えば数十ms程度)内に背面タッチパネル5に指が再度接触してドラッグが継続したら、ドラッグ継続中と判断する構成としてもよい。これは、上記のように仮決定位置記憶手段34が複数の仮決定位置を記憶することによって仮決定位置を複数設定できる構成とした場合、ドラッグ操作中に一瞬でも指が背面タッチパネル5から離れると、離れた位置が仮決定位置として記憶されてしまうので、これを回避するためである。
【0113】
また、仮決定位置を同時に2つ以上設定可能とする場合の基本動作は、図13のフローチャートに示すとおりである。S12’において仮決定位置記憶手段34が記憶した1または複数の仮決定位置(ドラッグの最後の座標)の記憶情報は、最後の仮決定で設定された有効期間Tvalidが0になった場合に(S51でYES)初期化されるとともに(S52)、本決定(S15)が行われた後にも初期化されることになる(S53)。複数の仮決定位置を記憶できる構成において、既に有効期間が徒過した仮決定位置の情報や、既に本決定がなされてしまった仮決定位置の情報を何時までも記憶し続けていた場合には、本決定操作によってこれらの仮決定位置までもが本決定されてしまうことになるので、この不都合を回避するために、上記のS51〜S53の処理が必要となる。
【0114】
すなわち、図8の基本フローチャートのS12を図13のS12’に変更するとともに、図8の基本フローチャートに図13のS51〜S53を追加するだけで、仮決定位置を同時に2つ以上設定可能となる。
【0115】
次に、図14(a)〜(c)に示した操作とは別の操作によって、複数のボタン等のオブジェクトを同時選択入力できる操作方法について、図15(a)〜(c)を参照しながら以下に説明する。
【0116】
図15(a)に示すように、プレイヤが背面タッチパネル5に指を接触させてドラッグ操作を開始すれば、表示部2には指の位置が反映されたカーソル30が表示される。そして、図15(b)に示すように、プレイヤは、背面タッチパネル5に接触させている指の移動に伴って移動するカーソル30の軌跡50によって、選択したい1又は複数のボタン(この例では、A及びBボタン)を囲む。これによって、カーソル30の軌跡50によって囲まれた領域内に存在するA及びBボタンが、一括して仮選択状態で表示される。この状態で、プレイヤがドラッグしている指を背面タッチパネル5から離せば、A及びBボタンを一括して仮選択することが可能である。その後、有効期間内にプレイヤが本決定のクリック操作を行えば、図15(c)に示すように、A及びBボタンの同時選択入力が実現できる。
【0117】
このようなカーソル30の軌跡50を利用した一括仮選択および一括本決定を実現するには、仮選択状態表示手段38が、仮決定のための位置指定状態中に、カーソル30の軌跡によって囲まれた領域内に存在する1又は複数のオブジェクト(ボタン、アイコン、キャラクタ等の選択対象)を仮選択状態で表示させる構成とする。さらに、1又は複数のオブジェクトが仮選択状態で表示されている場合に入力決定手段36によって入力が本決定されたとき、オブジェクト選択決定手段39が、当該1又は複数のオブジェクトの選択を一括決定する構成とする。
【0118】
次に、上記の一括仮選択および一括本決定を実現するゲーム装置1の動作について説明する。上記の一括仮選択および一括本決定は、図8の基本フローチャートにおける位置指定状態中の処理(S10)を、図16のフローチャートに示すルーチンとすることによって実現できる。なお、図16中のS21〜S25については図9のフローチャートと同様の処理のため、その説明を省略する。
【0119】
ドラッグ操作に伴ってカーソル30が移動したとき(S25)、カーソル表示手段33は、カーソル30だけではなく、その軌跡50も表示部2に表示する(S61)。なお、軌跡50を表示するのは必須の構成ではないが、このように軌跡50を表示することによって、軌跡50で囲まれる領域が画面上で明確になるので、操作性が向上する。
【0120】
そして、カーソル30の軌跡50により閉領域が形成されているか否かが判断される(S62)。ここで、閉領域の形成とは、図15(b)に示すように、軌跡50の一部が交差することによって、当該軌跡50により閉じられた領域が形成されることである。閉領域が形成された場合(S62でYES)、仮選択状態表示手段38は、閉領域内に存在するボタン等のオブジェクトを仮選択状態で表示する(S63)。S63の後、またはS62でNOの場合、図8のフローチャートのS11に移行する。
【0121】
上述の図14または図15に示した複数のオブジェクトの仮選択および一括本決定の操作を可能とすることによって、複数オブジェクトの選択時の操作性が大幅に向上する。複数のオブジェクトを選択する例としては、上記のように複数のボタンを選択する場合の他に、ゲーム中の画面内で複数のキャラクタやアイテムを選択する場合などがある。例えば、野球ゲームの画面において、守備についている複数の野手キャラクタをまとめて選択して、選択した複数の野手キャラクタを移動させて守備位置を調整する(例えば、3人の外野手キャラクタをまとめて選択して前進守備につかせる)場合に、複数仮選択および一括本決定の操作が有効である。また、サッカーゲームの画面において、複数の選手キャラクタをまとめて選択してフォーメーションを変更する場合や、買い物ゲームの画面において、複数のアイテムをまとめて選択する場合などにも、複数仮選択および一括本決定の操作が効果的である。
【0122】
以上のように、本実施の形態のゲーム装置1では、入力座標の位置指定(仮決定)はドラッグ操作で行い、その後のクリック操作(本決定操作)は仮決定位置での入力決定の意思確認のための操作としており、このように2つの操作の役割を分離することにより、通常の1タッチ入力操作としてのクリック操作時の正確な座標指定を不要にしている(クリック時の接触座標で入力を決定するという概念を外したものである)。
【0123】
本ゲーム装置1は、車中や歩行中のような装置の振動や手ぶれ等が生じ易い環境下で使用される場合であっても、背面タッチパネル5の任意の位置に指を接触させてから接触状態を保持したままその指を移動させ、表示部2のカーソル30を視認しながら慎重に目的の位置(ボタン等のオブジェクトの位置)に指を到達させ、その位置で指を離すだけで当該位置が仮決定されるので、誤って別のボタン等を押してしまうといった誤操作を回避し、正確な背面入力を実現する。
【0124】
また、本実施の形態のゲーム装置1は、カメラなどのタッチパネル以外のセンサを併用したり装置を透明化したり背面に突起物を付けたりすることもなく、通常の背面タッチパネル5を利用して正確な背面入力を実現することができるので、装置の複雑化に伴う製造コストの上昇を招くこともない。
【0125】
また、仮決定および本決定の操作だけではなく、通常の1タッチ入力操作も可能であり、これら2つの背面入力操作を、プレイヤがゲーム装置1の使用状況や使用環境に応じて、適宜使い分けることができるようになっている。例えば、表示部2の画面上に比較的大きなボタンが表示されており、当該ボタンをプレイヤが屋内で座って操作する場合には、仮決定の操作をすることなく通常の1タッチ入力操作としてのクリック操作を行えばよい。一方、表示部2の画面上に小さなボタンが複数表示されている場合や、上述のような装置の振動や手ぶれ等が生じ易い環境下で操作する必要がある場合には、慎重に正確な入力操作ができる仮決定および本決定の操作を行えばよい。
〔ゲーム装置の他の構成例〕
【0126】
次に、ゲーム装置1の他の構成例を、図17の機能ブロック図等を参照しながら説明する。なお、既出の図面(図1〜図16)において示した構成と同様の構成については同一の部材番号またはステップ番号を付し、適宜その説明を省略する。
【0127】
ゲーム装置1の制御部10は、図4に示した各手段31〜39の他に、有効領域設定手段41、連続入力可能オブジェクト表示手段42および有効期間再設定手段43をさらに備えている。これらの各手段41〜43は、制御部10がプログラムを実行することにより実現されるものである。
【0128】
有効領域設定手段41は、仮決定のための位置指定状態中に、指などの接触物が背面タッチパネル5から離れたときの当該接触物の位置を含む所定の有効領域を、背面タッチパネル5に設定する機能を有する。例えば、図18(a)に示すように、プレイヤがAボタン上にカーソル30が存在する位置で背面タッチパネル5からドラッグ中の指を離して仮決定を行った場合、有効領域設定手段41は、指が離れたときの位置を中心とした円形の有効領域40を、背面タッチパネル5に設定する。なお、この有効領域40は、指が離れたときの位置を含む領域であればよく、必ずしも指が離れたときの位置を中心とした領域でなくてもよく、また、その領域形状も円形に限定されるものではなく、方形等であってもよい。
【0129】
このようにして有効領域設定手段41により有効領域40が設定された場合、入力決定手段36は、当該有効領域内において本決定操作(背面タッチパネル5をクリックする操作)が行われた場合に限り、仮決定位置での入力を本決定する。仮決定後に本決定操作としてのクリック操作を行う場合、指を背面タッチパネル5から離した位置の付近でクリックがなされるのが通常であり、指を背面タッチパネル5から離した位置を基準として有効領域40を設ければ、実質的に本決定操作に支障がでることはない。
【0130】
また、有効領域40外で行われる背面タッチパネル5に対する操作は本決定操作とはならないため、仮決定がなされた後であっても、有効領域40外では、任意の操作を受け付けることが可能となる。例えば、図18(b)に示すように、背面タッチパネル5における有効領域40外の位置(この例では、Fボタンに対応する位置)でクリック操作がなされた場合、当該クリック操作は、仮決定後のクリック操作であっても本決定操作とはならず、1タッチでの背面入力のクリック操作とみなされる。よって、この場合、図18(c)に示すように、Fボタンの選択入力がなされることになる。
【0131】
例えば、上記のFボタンを、1タッチでの背面入力がし易いように他のボタンよりも大きな面積を有する取り消しボタンとした場合、当該Fボタンをクリックすることにより、一旦設定された仮決定を、有効期間の経過を待つことなく何時でも取り消すことができるようになる。
【0132】
上記のように有効領域内でのみ本決定操作を受け付けるゲーム装置1の動作は、図19のフローチャートに示すように、図8の基本フローチャートに有効領域を設定するステップS71と、有効領域か否かで処理を分岐するための判断ステップS72とを付加することによって実現できる。
【0133】
すなわち、図19に示すように、ドラッグの最後の座標を仮決定位置として記憶して仮決定がなされたとき(S12)、ドラッグしていた指が背面タッチパネル5から離れた位置を中心として、有効領域が設定される(S71)。また、仮決定位置に対する有効期間Tvalidとして所定値(100)が設定される(S13)。その後、有効期間Tvalidが0になる前に、背面タッチパネル5に対するクリック操作がなされた場合(S14でYES)、当該クリックの接触座標が有効領域内に存在するか否かが判断される(S72)。ここで、クリックの接触座標が有効領域内に存在するならば(S72でYES)、当該クリック操作は本決定操作とみなされ、ドラッグの最後の座標(すなわち、仮決定位置の座標)が入力座標として本決定される(S15)。一方、クリックの接触座標が有効領域内に存在しないならば(S72でNO)、当該クリック操作は本決定操作ではなく1タッチ入力のクリック操作とみなされ、S5において記憶された最初の接触座標(すなわち、背面タッチパネル5に接触したときのクリック位置の座標)が入力座標として決定される(S18)。
【0134】
また、図17に示す連続入力可能オブジェクト表示手段42は、同一の仮決定位置に対して連続して本決定の入力を許可する連続入力可能オブジェクトを表示部2に表示させる。ここで、連続入力可能オブジェクトの例としては、図20(a)〜(c)に示すように、変更可能な数値(パラメータ)を上下に変更するための△ボタン61(カウントアップボタン)及び▽ボタン62(カウントダウンボタン)等が挙げられる。この△ボタン61は、1回押す毎に数値表示部63内の数値が1ずつ大きくなるボタンであり、▽ボタン62は、1回押す毎に数値表示部63内の数値が1ずつ小さくなるボタンである。このような△▽ボタン61、62を使用して任意の数値を設定する場合、同じボタンが連続して何度も押されることが多い。そこで、同じボタンに対する仮決定と本決定とを何度も繰り返すのではなく、一度仮決定したボタンに対しては、連続して本決定の入力を許可することによって、操作性の向上が図れる。
【0135】
例えば、図20(a)に示すように、プレイヤがドラッグ操作によって中央の△ボタン61上にカーソル30が存在する位置で指を離して仮決定を行った場合、当該△ボタン61が仮選択状態となる。その後、仮決定に対する有効期間内に背面タッチパネル5の任意の位置を指8でクリックして本決定を行えば、図20(b)に示すように、△ボタン61の入力が本決定され、当該△ボタン61を押したときのコマンドが実行されることによって数値表示部63内の数値は、「1」から「2」へと変更される。このとき、同一の仮決定位置に対して連続して本決定を許可するため、仮決定に対する有効期間が再設定され、△ボタン61の仮選択状態は保持される。この状態で、再設定された有効期間内に、再度、背面タッチパネル5の任意の位置を指8でクリックして本決定を行えば、図20(c)に示すように、△ボタン61の入力が再度本決定され、数値表示部63内の数値は、「2」から「3」へと変更される。この本決定後にも、仮決定に対する有効期間が再設定され、△ボタン61の仮選択状態はやはり保持される。以降も同様に、再設定された有効期間内に背面タッチパネル5をクリックして本決定を行えば、最初に1度だけ仮決定した△ボタン61に対する正確な連続入力が可能となる。なお、仮決定に対する有効期間が経過すれば、カーソル30が消去されるとともに、△ボタン61の仮選択状態も解除されることになる。
【0136】
上記の連続入力操作を実現するために、有効期間再設定手段43は、仮決定位置が前記連続入力可能オブジェクトの表示領域内に存在する状態で、有効期間中に本決定のクリック操作が行われたとき、本決定後に仮決定位置に対する有効期間を再設定し、当該有効期間を最初から開始させる。そして、入力決定手段36は、有効期間再設定手段43によって再設定された有効期間中に本決定のクリック操作が行われたとき、仮決定位置での入力を、再度、本決定する。
【0137】
上記のように同一の仮決定位置に対して連続して本決定の入力を可能とするゲーム装置1の動作は、図21のフローチャートに示すように、図8の基本フローチャートに連続入力可能オブジェクトか否かで処理を分岐するための判断ステップS81と、有効期間を再設定するステップS82とを付加することによって実現できる。
【0138】
すなわち、図21に示すように、有効期間Tvalidが0になる前に、背面タッチパネル5に対する本決定のクリック操作がなされ(S14でYES)、ドラッグの最後の座標(すなわち、仮決定位置の座標)が入力座標として本決定された後(S15)、仮決定位置の座標が連続入力可能オブジェクトの表示領域内に存在するか否かが判断される(S81)。ここで、仮決定位置の座標が連続入力可能オブジェクトの表示領域内に存在するならば(S81でYES)、有効期間Tvalidが所定値(100)に再設定される(S82)。一方、仮決定位置の座標が連続入力可能オブジェクトの表示領域内に存在しない場合は(S81でNO)、有効期間Tvalidが初期化される(S16)。
【0139】
これにより、連続入力可能オブジェクトではない通常の選択可能オブジェクトに対する背面入力については、仮決定後の本決定によって仮決定が解除され、その後に行われるクリック操作は1クリック入力の操作として処理される。一方、連続入力可能オブジェクトに対する背面入力については、1回の仮決定によってその後の本決定を連続で行うことが可能となり、操作性の向上が図れる。
〔ゲーム装置のさらに他の構成例〕
【0140】
次に、ゲーム装置1のさらに他の構成例を、図22の機能ブロック図、図23の画面遷移を示す図、図24のフローチャート等を参照しながら説明する。なお、既出の図面(図1〜図21)において示した構成と同様の構成については同一の部材番号またはステップ番号を付し、適宜その説明を省略する。
【0141】
本実施の形態のゲーム装置1の背面タッチパネル5は、例えば、静電容量方式のマルチタッチスクリーンとして構成されており、複数点の同時検出が可能となっている。背面入力部が複数点同時認識可能な場合、一方の指を背面タッチパネル5から離さなくとも、他方の指で背面タッチパネル5に対する所定の操作(クリック等)を行うことも可能である。本ゲーム装置1は、この複数点同時検出機能を有効に利用して、正確な背面入力操作を実現するものである。先ず、図23(a)〜(c)を参照して、本実施の形態の背面入力操作の概要について説明する。
【0142】
図23(a)に示すように、プレイヤが背面タッチパネル5に一方の手(この例では右手)の指8を接触させてドラッグ操作を開始すれば、表示部2には指の位置が反映されたカーソル30が表示され、位置指定状態となる。その後、図23(b)に示すように、右手の指8を背面タッチパネル5に接触させてドラッグしながら目的位置(この例では、Eボタンに対応する位置)まで指8を移動させる。そして、目的位置までドラッグしたら右手の指8を背面タッチパネル5から離すことなく、他方の手(左手)の指8’で背面タッチパネル5に対するクリック操作を行う。これにより、図23(c)に示すように、左手の指8’でのクリック操作時におけるドラッグ中のカーソル30の位置が、入力位置として決定され、Eボタンが選択入力される。このように、背面タッチパネル5を一方の手の指でドラッグしている最中に、他方の手の指で背面タッチパネル5をクリックすることによって、正確な位置指定を行いながらの背面入力を実現する。
【0143】
上記の背面入力操作を実現するゲーム装置1は、図22に示すように、接触位置記憶手段31、状態判定手段32、カーソル表示手段33(指標表示手段)、入力決定手段136、オブジェクト表示手段37、仮選択状態表示手段38およびオブジェクト選択決定手段39を備えており、これらの各手段は、制御部10がプログラムを実行することにより実現されるものである。
【0144】
本ゲーム装置1の入力決定手段136は、ドラッグ操作による位置指定状態中において指が背面タッチパネル5に接触した状態で、当該背面タッチパネル5の全面を対象とした接触物の接触による所定の操作(本実施の形態ではクリック操作)が行われたとき、当該操作時のカーソル30の位置を入力位置として決定する機能を有する。
【0145】
また、入力決定手段136は、位置指定状態に遷移することなく指などの接触物が背面タッチパネル5から離れたことを検出したとき、前述の接触位置記憶手段31に記憶されている、背面タッチパネル5に指(接触物)が接触したときの接触位置の座標を、入力位置として決定する。すなわち、1タッチでの背面入力操作としてのクリック操作がなされたとき、入力決定手段136は、背面タッチパネル5に指が接触したときの接触位置の座標を、入力位置として決定するのである。
【0146】
本ゲーム装置1では、ドラッグしている指を背面タッチパネル5から離すことなく入力決定が可能であるため、図4に示すゲーム装置で必要であった仮決定位置記憶手段34および有効期間設定手段35を省略できる。また、本ゲーム装置1の入力決定手段136以外の構成(手段31〜33及び37〜39)については、基本的に図4に示すゲーム装置の構成と同様である。
【0147】
次に、本発明の実施の形態に係るゲーム装置1の動作例を、図24のフローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0148】
本ゲーム装置1では、位置指定(ドラッグ操作)と入力決定(クリック操作)とが同時に行われるので、前述した仮決定に対する有効期限を設定する必要がない。よって、図8のフローチャートにおけるS1〜S3等の処理を省略できる。また、S4〜S11については、基本的には図8のフローチャートで説明した処理と同様の処理である。
【0149】
ここで、プレイヤが位置指定のためのドラッグ操作を行った場合について考えると、背面タッチパネル5に指を接触させた後(S4でYES)、S5〜S7を経て、接触時間Ttouchが0になったとき(S8でYES)、ドラッグ中の指は背面タッチパネル5に接触しているので(S9でYES)、位置指定状態になったと判定されて位置指定状態中の処理(S10)へと移行することになる。そして、背面タッチパネル5への指の接触を継続しているドラッグ中に(S11でYES)、背面タッチパネル5の任意の位置でクリック操作がなされた場合(S91でYES)、当該クリック操作時におけるドラッグ中のカーソル30の位置座標が、入力座標として決定される(S92)。その後、入力座標での入力処理が実行される(S17)。
【0150】
また、位置指定のためのドラッグ操作中に、クリック操作をすることなくプレイヤが背面タッチパネル5から指を離して位置指定を中止した場合について考える。この場合、背面タッチパネル5から指を離して接触が解除されたとき(S11でNO)、カーソル表示手段33が表示部2からカーソル30を消去し(S93)、これによって位置指定状態が解除される。
【0151】
また、ドラッグ操作が行われることなく、1タッチで背面入力を行うクリック操作が行われた場合について考える。この場合、背面タッチパネル5に指を接触させた後(S4でYES)、S5〜S7を経て、接触時間Ttouchが0になったとき(S8でYES)、指は背面タッチパネル5から離れているので(S9でYES)、S18に移行する。このS18では、前記S5において記憶された最初の接触座標(すなわち、背面タッチパネル5に接触したときのクリック位置の座標)が入力座標として決定される(S18)。その後、入力座標での入力処理が実行される(S17)。
【0152】
S17またはS93の後は、再度S4に移行し、ゲーム装置1が背面入力を受け付けている間は、上述の処理が繰り返される。
【0153】
本ゲーム装置1でも、入力座標の位置指定はドラッグ操作で行い、クリック操作は入力決定の意思確認のための操作としており、このように2つの操作の役割を分離することにより、通常の1タッチ入力操作としてのクリック操作時の正確な座標指定を不要にしている。
【0154】
以上のように、本実施の形態に係るゲーム装置1は、表示部2と、前記表示部2の設置面とは反対側の面に設けられた背面タッチパネル5(接触入力式の背面入力部)とを備えたゲーム装置1(携帯型装置)であって、(1)前記背面タッチパネル5に指などの接触物が所定時間以上継続して接触した状態を検出または前記背面タッチパネル5に前記接触物が接触した状態のまま移動したことを検出したとき、位置指定状態になったと判定する状態判定手段32と、(2)前記位置指定状態中に、前記背面タッチパネル5へ接触する、または接触して移動する前記接触物の位置に対応するカーソル30(指標)を、前記表示部2に表示させるカーソル表示手段33(指標表示手段)と、(3)前記位置指定状態中に、前記接触物が前記背面タッチパネル5に接触した状態で、前記背面タッチパネル5の全面を対象とした、前記接触物の接触による所定の操作(クリック操作など)が行われたとき、当該操作時のカーソル30の位置を入力位置として決定する入力決定手段136とを備えている。
【0155】
この構成により、本ゲーム装置1は、車中や歩行中のような装置の振動や手ぶれ等が生じ易い環境下で使用される場合であっても、背面タッチパネル5の任意の位置に指を接触させてから接触状態を保持したままその指をドラッグ移動させ、表示部2のカーソル30を視認しながら慎重に目的の位置(ボタン等のオブジェクトの位置)に指を到達させ、その位置で背面タッチパネル5に対する所定の操作(クリック操作等)を行うだけで当該位置での入力が決定されるので、誤って別のボタン等を押してしまうといった誤操作を回避し、正確な背面入力を実現する。
【0156】
また、本ゲーム装置1は、前記背面タッチパネル5に接触物が接触したときの接触位置を記憶装置(RAM13等)に記憶する接触位置記憶手段31を備えており、前記入力決定手段136は、前記位置指定状態に遷移することなく前記接触物が背面タッチパネル5から離れたことを検出したとき、前記接触位置記憶手段31に記憶されている接触位置を入力位置として決定する構成である。
【0157】
この構成により、ドラッグ操作によって慎重に位置指定を行った上でドラッグ中のクリックによって入力決定する操作だけではなく、通常の1タッチ入力操作も可能であり、これら2つの背面入力操作を、プレイヤがゲーム装置1の使用状況や使用環境に応じて、適宜使い分けることができる。
【0158】
ところで、(1)ドラッグ中のクリックによって入力決定する操作、および(2)通常の1タッチ入力操作だけではなく、(3)ドラッグした指を背面タッチパネル5から一旦離して仮決定した上でクリックにより本決定する前述の操作をも併せて実現し、これら3つの背面入力操作を、プレイヤが適宜使い分けることができる構成とすることも可能である。この構成は、基本的には図4又は図17に示した制御部10の機能構成を適用し、当該制御部10の入力決定手段36に、図22の入力決定手段136の機能を併せて持たせることによって実現できる。この構成における動作例を、図25のフローチャートに示している。
【0159】
図25のフローチャートは、図8の基本フローチャートにおけるS6以降の処理を一部変更したものであり、図8のステップS1〜S5の記載を便宜上省略しているが、これらのステップS1〜S5も含んでいる。
【0160】
図25において、プレイヤが背面タッチパネル5に対するドラッグ操作を行った場合(S9でYES)、位置指定状態になったと判定されて位置指定状態中の処理(S10)へと移行する。ここで、ドラッグ操作を継続中(S11でYES)に、プレイヤが背面タッチパネル5に対するクリック操作を行った場合(S91でYES)、当該クリック操作時におけるドラッグ中のカーソル30の位置座標が、入力座標として決定される(S92)。一方、プレイヤがドラッグ中の指を背面タッチパネル5から離して仮決定の操作を行った場合(S11でNO)、ドラッグの最後の座標が仮決定位置として記憶され(S12)、仮決定位置に対する有効期間Tvalidとして所定値(100)が設定される(S13)。
【0161】
また、プレイヤが背面タッチパネル5に対するクリック操作を行った場合(S9でNO)、その操作が、有効期間Tvalidが0になるまでのクリック操作であれば(S14でYES)、仮決定位置として記憶されているドラッグの最後の座標が入力座標として本決定され(S15)、有効期間Tvalidが初期化される(S16)。一方、有効期間Tvalidが0のときのクリック操作であれば(S14でNO)、クリックの最初の接触座標が入力座標として決定される(S18)。
【0162】
このように、プレイヤが行う操作の違いに応じてS92、S15またはS18の何れかの処理がなされて入力座標が決定され、決定された入力座標での入力処理が実行されることになる(S17)。また、S17またはS13の後は、再度、S2(図8参照)に移行し、ゲーム装置1が背面入力を受け付けている間は、上述の処理が繰り返される。
〔他の実施の形態〕
【0163】
上述の各実施の形態では、背面タッチパネル5に接触している指の接触位置(絶対位置)と、表示部2におけるカーソル30の表示位置(絶対位置)とが1対1で対応している(すなわち、背面の指の位置と表面のカーソル30の位置が合致している)例について説明した。これに対し、図26(a)〜(c)に例示するように、指8とカーソル30とが離れている状態(指8の座標とカーソル30の座標とが異なる状態)であっても、背面タッチパネル5の任意の位置で指8を移動(ドラッグ)すれば、当該指8とカーソル30との相対的な位置関係が保持された状態で、指8の移動方向および移動量に応じてカーソル30が移動する構成とすることもできる。図26(a)〜(c)の操作の詳細を以下に説明する。
【0164】
図26(a)は、仮決定のためのドラッグ操作をしていた指8が背面タッチパネル5から離されたときのカーソル30を示している。指8が背面タッチパネル5から離されたことによって、このカーソル位置で、一旦、仮決定がなされるが、この仮決定の有効期間内であれば、位置指定状態は継続されている。そこで、仮決定の有効期間内に、図26(b)に示すように背面タッチパネル5の任意の位置に指8を接触させて、再度、ドラッグ操作を開始すれば、指8とカーソル30との相対的な位置関係が保持された状態で、指8の移動方向および移動量に応じてカーソル30を移動させることができる。
【0165】
例えば、図26(b)におけるドラッグの開始座標(ドラッグ開始点における指8の接触座標)を(XF0,YF0)=(50,100)とし、ドラッグ開始時のカーソル30の座標を(XC0,YC0)=(200,100)とする。そして、ドラッグの終了座標(ドラッグしている指を背面タッチパネル5から離したときの座標)を(XF1,YF1)=(200,200)とすると、ドラッグ終了時のカーソル30の座標は、(XC1,YC1)=(XC0+XF1−XF0,YC0+YF1−YF0)=(350,200)となり、ドラッグ操作の開始時と終了時とで、指8とカーソル30との相対的な位置関係が保持される。この指8とカーソル30との相対的な位置関係は、ドラッグ操作の途中でも同様である。
【0166】
図26(b)のカーソル30の位置でドラッグ中の指8が背面タッチパネル5から離された場合、このカーソル位置で、再度、仮決定がなされる。さらに、この仮決定の有効期間内に、図26(c)に示すように背面タッチパネル5の任意の位置に指8を接触させて、再度、ドラッグ操作を開始すれば、指8とカーソル30との相対的な位置関係が保持された状態で、指8の移動方向および移動量に応じてカーソル30をさらに移動させることができる。その後も同様にして、指8とカーソル30とが離れている状態であっても、カーソル30を相対移動させることによって、仮決定位置を調整することができる。なお、上述のように仮決定の有効期間が経過すれば、カーソル30は消去される。
【0167】
上記の操作を実現するために、ゲーム装置1のカーソル表示手段33は、仮決定のための位置指定状態中に、背面タッチパネル5に接触したまま移動する指などの接触物の移動方向および移動量に応じて、接触物とカーソル30との相対的な位置関係を保持したままカーソル30が移動するように、表示部2に対してカーソル30を表示させる。
【0168】
これにより、表示部2および背面タッチパネル5が大きいために指が背面タッチパネル5の全体に届かない場合であっても、表示部2に表示されるカーソル30を画面全体に移動させることが可能である。
【0169】
なお、上記のように指8とカーソル30とが離れていても両者間の相対的な位置関係に基づいてカーソル30を相対移動させることができる構成とする場合、仮決定の位置指定用のカーソル30を常に表示部2に表記しておき、有効期間が経過してもカーソル30が消去されないようにすることも可能である。但し、位置指定用のカーソル30が常に表示部2に表示されていると、現在の装置の状態が位置指定状態中であるのか否かが分かり難くなる。よって、位置指定状態中及び仮決定の有効期間中にのみカーソル30が表示されるようにすることが望ましい。
【0170】
また、上述の実施の形態では、仮決定後の本決定操作をクリック操作とした例について説明したが、本決定操作はこれに限定されるものではなく、背面タッチパネル5の全面を対象とした接触物の接触による操作であればよい。例えば、背面タッチパネル5に対するクリック操作を素早く2回行うダブルクリックや、背面タッチパネル5を指で掃くようにするスワイプや、背面タッチパネル5に対して2本指(以上)でクリックする操作などを本決定操作とすることもできる。
【0171】
但し、最も単純な操作であるクリック操作を、本決定操作とすることが操作性の面からはより好ましい。本決定操作をクリック操作とした場合は、1タッチ背面入力のクリック操作と同じ操作になるが、上述のように、仮決定に対する有効期間が残っているか否かの判断(図8のS14参照)によって、両者のクリック操作を容易に区別することが可能である。なお、本決定操作と1タッチ背面入力の操作とを異なる操作とした場合には、仮決定に対する有効期間を基準とした判断をすることなく、両者の操作を区別することが可能である。
【0172】
上述の実施の形態では、位置指定状態中に背面タッチパネル5から指を離した位置で仮決定がなされるが、指を離した位置で入力を確定させてしまう構成も可能である。この場合、背面タッチパネル5の任意の位置に指を接触させてから接触状態を保持したままその指を移動させ、表示部2のカーソル30を視認しながら慎重に目的の位置(ボタン等のオブジェクトの位置)に指を到達させ、その位置で指を離すだけで当該位置での入力が確定するので、本決定の操作を省略できる。但し、位置指定状態中に目的位置とは異なる位置で指を背面タッチパネル5から離してしまった場合に、その位置での入力を確定させることなく取り消すことができるように、指を離した位置で一旦仮決定し、その後本決定の操作を行う上述の実施の形態で説明した構成の方がより好ましい。
【0173】
また、上述の実施の形態では、主に、表示部2に表示されたボタン等を選択入力するときの背面入力操作について説明したが、画面上の位置(座標)そのものを指定して入力する操作にも、本発明を好適に用いることができる。例えば、野球ゲームの画面において、投手キャラクタが打者キャラクタに対してボールオブジェクトを投げるときの投球コース(ボールオブジェクトの軌道)を指定するために、プレイヤが画面上の位置(座標)を背面操作で指定して入力する場合に、本発明を適用すれば、手ぶれ等の影響を受けない正確な投球コースの指定が可能となる。
【0174】
また、上述の実施の形態では、携帯型装置として背面入力方式を採用したゲーム装置を例示して説明したが、本発明はこの例に限定されるものではない。すなわち、本発明は、背面入力方式を採用したスマートフォン・携帯電話・PHS等の携帯端末やタブレット型コンピュータのような携帯型装置全般に適用できる。携帯型装置は、電車の中や歩行中にも使用されることがあり、このような手ぶれ等が生じ易い環境下で携帯型装置を使用しても、本発明の適用により、正確な背面入力の操作が可能となる。
【0175】
さらに、本発明は、パーソナルコンピュータや据え置き型のゲーム装置などに有線または無線で接続して使用される、背面入力方式を採用した入力装置やゲームコントローラにも適用できる。
【0176】
また、本実施の形態に係るコンピュータ読み取り可能なプログラムは、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM、DVD−ROMなど)、フレキシブルディスク、半導体メモリ、ROMカセット、あるいはビデオゲーム装置用のカートリッジ等のコンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されてゲーム装置1の制御部10により実行される。または、プログラムが予めROM12に記憶されており、当該ROM12から読み出されて制御部10により実行される。また、プログラムをゲーム装置1に提供する手段は、前述した記録媒体に限定されるものではなく、インターネット等の通信ネットワークを介して行うこともできる。例えば、ネットワークゲームを管理している会社が提供するホームページ等からインターネットを介してダウンロード可能な場合は、プログラムを当該ホームページから、直接、ゲーム装置1にダウンロードして実行できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0177】
1 ゲーム装置(携帯型装置)
2 表示部
5 背面タッチパネル(背面入力部)
10 制御部
13 RAM(記憶装置)
15 タッチ入力検出部
30 カーソル(指標)
31 接触位置記憶手段
32 状態判定手段
33 カーソル表示手段(指標表示手段)
33a 表示状態変更手段(指標表示状態変更手段)
34 仮決定位置記憶手段
35 有効期間設定手段
36 入力決定手段
37 オブジェクト表示手段
38 仮選択状態表示手段
39 オブジェクト選択決定手段
40 有効領域
41 有効領域設定手段
42 連続入力可能オブジェクト表示手段
43 有効期間再設定手段
50 カーソルの軌跡(指標の軌跡)
136 入力決定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、前記表示部の設置面とは反対側の面に設けられた接触入力式の背面入力部とを備えた携帯型装置であって、
前記背面入力部に接触物が所定時間以上継続して接触した状態を検出または前記背面入力部に前記接触物が接触した状態のまま移動したことを検出したとき、位置指定状態になったと判定する状態判定手段と、
前記位置指定状態中に、前記背面入力部へ接触する、または接触して移動する前記接触物の位置に対応する指標を、前記表示部に表示させる指標表示手段と、
前記位置指定状態中に、前記接触物が前記背面入力部から離れたときの前記指標の位置を、仮決定位置として記憶装置に記憶する仮決定位置記憶手段と、
前記背面入力部の全面を対象とした、前記接触物の接触による所定の本決定操作に基づいて、前記仮決定位置記憶手段に記憶された仮決定位置での入力を本決定する入力決定手段と、を備えている携帯型装置。
【請求項2】
前記背面入力部に接触物が接触したときの接触位置を記憶装置に記憶する接触位置記憶手段をさらに備え、
前記入力決定手段は、前記位置指定状態に遷移することなく前記接触物が背面入力部から離れたことを検出したとき、前記接触位置記憶手段に記憶されている接触位置を入力位置として決定する請求項1に記載の携帯型装置。
【請求項3】
前記仮決定位置記憶手段により前記仮決定位置が記憶されてから、当該仮決定位置が本決定されるまでの有効期間を設定する有効期間設定手段をさらに含み、
前記入力決定手段は、前記有効期間設定手段により設定された有効期間内に前記本決定操作が行われたときに限り、前記仮決定位置での入力を本決定し、
前記指標表示手段は、前記有効期間内に前記本決定操作が行われなかったとき、前記表示部の前記指標を消去させる請求項1または2に記載の携帯型装置。
【請求項4】
前記指標表示手段は、前記有効期間の残り時間が短くなるほど、前記指標の表示状態の視認性が低下するよう変化させる指標表示状態変更手段を備えている請求項3に記載の携帯型装置。
【請求項5】
前記位置指定状態中に、前記接触物が前記背面入力部から離れたときの当該接触物の位置を含む所定の有効領域を、前記背面入力部に設定する有効領域設定手段をさらに含み、
前記入力決定手段は、前記有効領域設定手段により設定された有効領域内において前記本決定操作が行われたときに限り、前記仮決定位置での入力を本決定する請求項1ないし4の何れか1項に記載の携帯型装置。
【請求項6】
前記表示部に選択可能なオブジェクトを表示させるオブジェクト表示手段と、
前記指標が前記表示部に表示されている前記オブジェクトと重なった場合における当該オブジェクトの表示状態を、選択が決定されたときの表示状態とは異なる仮選択状態で表示させる仮選択状態表示手段と、
前記オブジェクトが仮選択状態で表示されている場合に前記入力決定手段によって入力が本決定されたときに当該オブジェクトの選択を決定するオブジェクト選択決定手段と、をさらに備えている請求項1ないし5の何れか1項に記載の携帯型装置。
【請求項7】
前記表示部に選択可能なオブジェクトを表示させるオブジェクト表示手段と、
前記位置指定状態中に、前記背面入力部に接触している前記接触物の移動に伴って移動する前記指標の軌跡によって囲まれた領域に存在する1又は複数の前記オブジェクトの表示状態を、選択が決定されたときの表示状態とは異なる仮選択状態で表示させる仮選択状態表示手段と、
前記1又は複数のオブジェクトが仮選択状態で表示されている場合に前記入力決定手段によって入力が本決定されたとき、当該1又は複数のオブジェクトの選択を決定するオブジェクト選択決定手段と、をさらに備えている請求項1ないし5の何れか1項に記載の携帯型装置。
【請求項8】
同一の仮決定位置に対して連続して本決定の入力を許可する連続入力可能オブジェクトを前記表示部に表示させる連続入力可能オブジェクト表示手段と、
前記仮決定位置が前記連続入力可能オブジェクトの表示領域内に存在する状態で、前記有効期間中に前記本決定操作が行われたとき、前記入力決定手段による本決定後に、当該仮決定位置に対する前記有効期間を再設定し、当該有効期間を最初から開始させる有効期間再設定手段とをさらに備え、
前記入力決定手段は、前記有効期間再設定手段によって再設定された前記有効期間中に前記本決定操作が行われたとき、前記仮決定位置での入力を、再度、本決定する請求項3に記載の携帯型装置。
【請求項9】
前記指標表示手段は、前記位置指定状態中に、前記背面入力部に接触したまま移動する前記接触物の移動方向および移動量に応じて、前記接触物と前記指標との相対的な位置関係を保持したまま前記指標が移動するように、前記表示部に前記指標を表示させる請求項1ないし8の何れか1項に記載の携帯型装置。
【請求項10】
表示部と、前記表示部の設置面とは反対側の面に設けられた接触入力式の背面入力部とを備えた携帯型装置をコンピュータが制御する携帯型装置の制御方法であって、
コンピュータが、前記背面入力部に接触物が所定時間以上継続して接触した状態を検出または前記背面入力部に前記接触物が接触した状態のまま移動したことを検出したとき、位置指定状態になったと判定する状態判定ステップと、
コンピュータが、前記位置指定状態中に、前記背面入力部へ接触する、または接触して移動する前記接触物の位置に対応する指標を、前記表示部に表示させる指標表示ステップと、
コンピュータが、前記位置指定状態中に、前記接触物が前記背面入力部から離れたときの前記指標の位置を、仮決定位置として記憶装置に記憶する仮決定位置記憶ステップと、
コンピュータが、前記背面入力部の全面を対象とした、前記接触物の接触による所定の本決定操作に基づいて、前記仮決定位置記憶ステップで記憶された仮決定位置での入力を本決定する入力決定ステップと、を備えている携帯型装置の制御方法。
【請求項11】
コンピュータを請求項1ないし9の何れか1項に記載の携帯型装置として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記携帯型装置が備えている各手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−221478(P2012−221478A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90359(P2011−90359)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】