説明

携帯型設定端末、及び監視システム

【課題】熟練度にそれほど依存することなく、且つ複雑なデータ入力作業を伴うことなく、監視エリアを所望の位置に正確に設定することが可能な構成を提供する。
【解決手段】携帯型設定端末1では、実空間の撮像画像内に監視エリアの境界画像を組み込んで表示することが可能となっており、境界画像の一部が指定され、その後に、境界画像の変更位置を指示する所定の指示操作がなされたときに、その指定位置を変更後の指示位置に変更するように境界位置データを再生成している。そして、この再生成された境界位置データを出力手段によって出力している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視システムで用いる携帯型設定端末及び監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、レーザレーダ装置等の監視装置を用いた監視システムが提供されている。例えば、特許文献1の監視システムでは、監視対象となる空間においてレーザ光による走査を行い、このレーザ光が物体に照射されたときの当該物体からの反射光を受光手段によって検出することで物体検出を行っている。さらに、この監視システムでは、物体に照射されるときのレーザ光の向き、及びレーザ光の投射から反射光の受光までに要した時間に基づいて、空間内における検出物体の位置を把握しており、この位置が、予め設定された監視範囲内にある場合に、侵入物として検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−160956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記監視システムでは、監視装置によって物体を監視する前に、空間内のどのエリアを監視対象とするかを予め登録しておく必要があり、所望の領域に正確且つ簡易に監視エリアを設定可能であることが求められている。
【0005】
例えば、レーザレーダ装置を用いた監視システムでは、レーザ光を投射する性質上、何ら条件を設定せずに物体検出を行おうとすると、レーザ光が届く範囲に存在する物体を全て検出してしまうことになため、一般的には、装置から一定距離に至るまでの範囲(例えば、単純な円状或いは扇状の範囲)を監視エリアとして定め、装置からの距離が一定距離を超えている物体については、エリア外の物体として無視するといった手法が採られている。
【0006】
しかしながら、住宅や施設の敷地内で不審者を監視するシステム、或いは、工場内で稼働する装置付近で作業者の装置への近接を監視するシステムなどでは、監視エリアをより複雑な範囲形状に設定することが求められる場合がある。例えば、住宅の庭などに監視エリアを設定する場合、庭内の固定物(木、柵、その他の外構物、建物の出っ張り等)が検出されてしまわないようにこれら固定物を避けてエリアを設定する必要があり、且つ、敷地外(庭外)を通る人などがその都度検出されてしまわないように、敷地外が監視エリアとならないように設定する必要がある。その上で、敷地内における検出不能領域が極力少なくなるように、敷地の形状や固体物の位置に合わせて監視エリアを複雑に設定することが要望される。
【0007】
このような要望に対し、特許文献1では、作業者に予め距離や角度を具体的に入力させ、その入力データを反映して境界位置を設定するように監視エリアを規定するといった方法を用いている。このような方法を用いると、監視エリアを単純な形状(例えば円状、扇状等)に設定する場合と比較して、作業者が、ある程度は範囲を調整することが可能となり、監視エリアを実環境に適合させやすくなる。
【0008】
しかしながら、特許文献1の方法では、検出エリアを設定するためのデータの準備や設定装置の準備、或いはデータ入力作業等、相当の労力を要することが懸念される。特に、検出エリアを複雑に設定する場合には、より細かな条件設定が必要となり、膨大なデータを用意しなければならなくなる。このような方法では、データの準備やデータ入力の負荷が極めて大きくなってしまい、どの程度の設定値を用いるかといった判断には相当の熟練度が要求される。
【0009】
また、特許文献1の方法は、コンピュータなどの情報処理装置を用い、単純に距離や角度を入力することによって所望のエリアを設定しようとするものであり、どの程度の入力値が実環境に照らして妥当であるかを判断する基準を得ることが難しい。従って、このような方法では、実環境に細かく適合させるように監視エリアを設定することは容易ではなく、例えば、入力値が妥当でないために、設定された監視エリアが実環境で要望される境界位置から大幅にずれてしまうといった事態が生じやすく、このような場合には、入力値の設定変更作業や実機での確認作業を何回も繰り返す必要が生じる。
【0010】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、熟練度にそれほど依存することなく、且つ複雑なデータ入力作業を伴うことなく、監視エリアを所望の位置により正確に設定することが可能な携帯型設定端末及び監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、
実空間に設定された監視エリア内を監視する監視システムに用いられ、前記監視エリアを設定変更可能に構成された携帯型設定端末であって、
前記実空間に設定される前記監視エリアの境界位置データを登録する登録手段と、
当該携帯型設定端末における所定方向を撮像方向とするように、前記実空間の画像を撮像する撮像手段、
前記撮像手段による前記撮像方向又は当該撮像方向と一定関係で定められた所定方向の前記実空間内での向きを検出可能な方向検出手段と、
当該携帯型設定端末の実空間内での座標を検出する座標検出手段と、
前記登録手段に登録された前記境界位置データと、前記方向検出手段によって検出された前記撮像方向又は前記所定方向の前記実空間内での向きと、前記座標検出手段によって検出された当該携帯型設定端末の前記実空間内での前記座標と、に基づき、前記撮像手段によって撮像された前記実空間の画像に対し当該画像内の前記境界位置データで特定される位置に境界画像を組み込んで合成画像を生成する合成画像生成手段と、
前記合成画像生成手段によって生成された前記合成画像を表示する表示手段と、
外部からの入力操作を受け付ける入力手段と、
前記入力手段において前記境界画像の一部を指定する所定の指定操作がなされたときに、前記表示手段に表示される前記境界画像においてその指定位置を検出する指定位置検出手段と、
前記入力手段において前記境界画像の変更位置を指示する所定の指示操作がなされたことを検出する指示操作検出手段と、
前記指示操作検出手段によって前記指示操作が検出されたときに、前記指定位置検出手段によって検出された前記指定位置を、前記指示操作検出手段によって検出された前記指示操作での指示位置に変更するように前記境界位置データを再生成する再生成手段と、
前記再生成手段によって再生成された前記境界位置データを出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明に係る携帯型設定端末には、合成画像生成手段が設けられており、この合成画像生成手段は、登録手段に登録された境界位置データと、方向検出手段によって検出された撮像方向又は所定方向の実空間内での向きと、座標検出手段によって検出された当該携帯型設定端末の実空間内での座標と、に基づき、撮像手段によって撮像された実空間の画像に対し当該画像内の境界位置データで特定される位置に境界画像を組み込んで合成画像を生成している。そして、表示手段がこの生成された合成画像を表示するように構成されている。
この構成では、端末内において当該端末の座標と撮像手段の撮像方向とを特定することができるため、得られた撮像画像(実空間の画像)内の各位置の座標(実空間内での座標)を特定できるようになる。従って、境界位置データによって特定される位置に境界画像をより正確に組み込んで合成画像を生成し、これを表示できるようになる。これにより、実空間内のどの位置に境界が設定されるかを、実空間内に存在する物と合わせて視覚的に把握できるようになり、特別なデータ解析等を行わずとも実空間内において境界が適切な位置に設定されているか否かを判断できるようになる。
更に、入力手段において境界画像の一部を指定する所定の指定操作がなされたときに、表示手段に表示される境界画像においてその指定位置を検出する指定位置検出手段と、入力手段において境界画像の変更位置を指示する所定の指示操作がなされたことを検出する指示操作検出手段とが設けられており、再生成手段は、指示操作検出手段によって指示操作が検出されたときに、指定位置検出手段によって検出された指定位置を、指示操作検出手段によって検出された指示操作での指示位置に変更するように境界位置データを再生成している。そして、この再生成された境界位置データが出力手段によって出力されるようになっている。
この構成では、実空間の画像と共に境界位置を具体的に把握しながら、境界位置を部分的に変更したい場合には、境界画像においてその位置を指定すると共に変更位置を指示することで、所望の位置に簡単に設定変更することができる。従って、熟練度にそれほど依存することなく、且つ複雑なデータ入力作業を伴うことなく、監視エリアを所望の位置により正確に設定することが可能となる。
【0013】
請求項2の発明において、再生成手段は、指示操作検出手段によって指示操作が検出されたときの座標検出手段による検出結果に基づき、指示操作時の当該携帯型設定端末の実空間での座標を特定し、指定位置検出手段によって検出された境界画像の指定位置を、その特定された座標位置に変更するように境界位置データを再生成している。
この構成では、境界画像において変更すべき位置を指定した後に、所望の位置に端末を移動させて指示操作を行えば、その指示位置を新たな境界として再設定することができる。従って、設定作業に慣れていない者であっても、実空間内の実際の位置を把握しながら、実空間内の所望の位置に正確に且つ容易に境界を設定することができる。
【0014】
請求項3の発明において、表示手段は、合成画像を表示可能な表示部と、表示部を覆う操作パネルとを備えたタッチパネルからなり、操作パネルが入力手段として構成されている。
そして、指定位置検出手段は、表示部に合成画像が表示された状態で操作パネルにおいて境界画像の位置が押圧されたときに、境界画像におけるその押圧位置を指定位置として検出し、再生成手段は、指定位置検出手段により指定位置が検出された後に操作パネルに対して所定の解除操作が行われたときに、座標検出手段による検出結果に基づき、解除操作時の当該携帯型設定端末の実空間での座標を特定し、指定位置検出手段によって検出された指定位置を、その特定された座標位置に変更するように境界位置データを再生成している。
この構成では、実空間の画像と共に表示された境界画像において、変更すべき部分をタッチパネルで視認しながら当該タッチパネル上での押圧操作によって簡単に指定することができる。また、このような指定の後には、所望の位置に端末を移動させてタッチパネル上で解除操作を行えば良く、これにより、その解除操作時の位置(座標)を新たな境界位置として簡単に再設定することができる。
【0015】
請求項4の発明において、表示手段は、合成画像を表示可能な表示部と、表示部を覆う操作パネルとを備えたタッチパネルからなり、操作パネルが入力手段として構成されている。また、指定位置検出手段は、表示部に合成画像が表示された状態で操作パネルにおいて境界画像の位置が押圧されたときに、境界画像におけるその押圧位置を指定位置として検出する構成をなしている。更に、撮像手段は、指定位置検出手段によって指定位置が検出された後に、当該携帯型設定端末の位置又は向きが変化した場合に、その変化後の所定方向を撮像方向とするように実空間の画像の撮像を繰り返すように構成され、表示部は、撮像手段によって繰り返し取得される撮像画像を逐次更新表示するように構成されている。
そして、再生成手段は、指定位置検出手段により指定位置が検出された後に、表示部にて更新表示される実空間の撮像画像内の位置を指定するように操作パネルによって解除操作が行われたときに、その指定された位置の実空間での座標を特定し、指定位置検出手段によって検出された指定位置を、その特定された座標位置に変更するように境界位置データを再生成するように構成されている。
この構成では、実空間の画像と共に表示された境界画像において、変更すべき部分をタッチパネルで視認しながら当該タッチパネル上での押圧操作によって簡単に指定することができる。また、このような指定の後には、端末を所望の位置或いは向きに変更し、更新表示される画面上の希望する位置を指示するように解除操作を行えば、その指示された画面上の位置を新たな境界位置として簡単に再設定することができる。
【0016】
請求項5の発明には、レーザレーダ装置を通信対象として通信を行う通信手段が設けられており、この通信手段が出力手段として構成されている。
そして、登録手段は、通信手段がレーザレーダ装置からデータを受信した場合に、その受信したデータに基づいて境界位置データを登録し、通信手段は、再生成手段によって境界位置データが再生成された場合に、その再生成された境界位置データをレーザレーダ装置に出力するように構成されている。
この構成によれば、レーザレーダ装置で設定されている監視エリアのデータを携帯型設定端末に展開して実画像と共に表示することができ、更に、上記手法を用いて当該監視エリアのデータを所望の内容に再生成することができる。また、端末にて監視エリアを再生成した後には、この再生後のデータをレーザレーダ装置に展開することができるため、レーザレーダ装置内で複雑な設定作業を行わずとも、監視エリアを所望のエリア構成とするように容易に調整することができる。
【0017】
請求項6の発明は、合成画像に組み合わせる候補画像を記憶する候補画像記憶手段と、候補画像記憶手段から候補画像を選択する選択手段とを備えている。そして、合成画像生成手段は、撮像手段によって撮像された実空間の画像に対し、当該画像内の境界位置データで特定される位置に境界画像を組み込み、且つ選択手段で選択された候補画像を組み込んで合成画像を生成している。そして、表示手段により、候補画像が組み込まれた合成画像が表示された状態で、入力手段における指定操作及び指示操作が可能とされている。
この構成では、実際に存在しない物体等を実空間の画像に組み込んだ状態で境界位置を調整すること可能となる。従って、実空間に物体が存在している状態では端末の設定作業(物体付近への移動等)が難しいような環境(例えば、工場内で稼働するロボットの近傍に監視エリアを設定する場合)において、当該物体を想定した境界設定を行う場合に特に有利となる。
【0018】
請求項7の発明によれば、請求項1と同様の効果を奏する監視システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、第1実施形態に係る監視システムの電気的構成を例示するブロック図である。
【図2】図2は、図1の監視システムで用いられるレーザレーダ装置を概略的に例示する断面図である。
【図3】図3は、携帯型設定端末で行われる境界位置データ更新処理の流れを例示するフローチャートである。
【図4】図4は、実空間内に位置する携帯型設定端末を、監視エリアの実空間内での領域構成と共に概念的に説明する説明図である。
【図5】図5は、携帯型設定端末が実空間内において所望の位置(更新対象位置)に移動した様子を示す説明図である。
【図6】図6(A)は、監視エリア内で実空間を撮像しているときに表示部に表示される画像を例示する説明図である。図6(B)は、図5のように移動して更新した後の撮像画像を例示する説明図である。
【図7】図7は、更新された境界位置データに基づいて設定される監視エリアを概念的に説明する説明図である。
【図8】図8(A)は、図4のように設定される監視エリアの各頂点の座標を概念的に説明する説明図であり、図8(B)は、図5のように更新された後に設定される監視エリアの各頂点の座標を概念的に説明する説明図である。
【図9】図9(A)は、図4のように設定される監視エリア内を撮像した場合に、撮像画像内に物体画像を組み込んで表示する例を示す説明図である。図9(B)は、撮像画像内に物体画像を組み込んで表示しながら、図5のように更新する場合の表示例を示す説明図である。
【図10】図10(A)は、図4のように設定される監視エリア内を撮像した場合に、撮像画像内に物体画像を組み込んで表示する例を示す説明図である。図10(B)は、図10(A)から更に新たな監視エリアを追加する場合を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
以下、本発明を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(監視システムの概要)
まず、図1を参照し、第1実施形態に係る監視システムについて概説する。なお、図1は、第1実施形態に係る監視システムの電気的構成を例示するブロック図である。
監視システム1は、実空間に設定された監視エリア内をレーザレーダ装置2によって監視するシステムとして構成されており、主として、レーザレーダ装置2と携帯型設定端末100によって構成されている。レーザレーダ装置2は、後述する走査手段によってレーザ光を横方向に走査し得るものであり、記憶部72(記憶手段)に記憶されたデータ(監視エリアの境界位置を定めるデータ)に基づいて設定される監視エリア内で物体検出を行うように構成されている。また、携帯型設定端末100は、レーザレーダ装置2と通信を行う通信部102(通信手段)を有し、レーザレーダ装置2に記憶されたデータ(監視エリアの境界位置を定めるデータ)を更新する更新データを生成可能に構成されている。
【0021】
(レーザレーダ装置)
図2は、図1の監視システムで用いられるレーザレーダ装置を概略的に例示する断面図である。図2に示すように、レーザレーダ装置2は、レーザダイオード10と、検出物体からの反射光L2を受光するフォトダイオード20とを備え、検出物体までの距離や方位を検出する装置として構成されている。
【0022】
レーザダイオード10は、例えば公知のレーザダイオードによって構成されている。このレーザダイオード10は、図示しない駆動回路からパルス電流の供給を受け、このパルス電流に応じてパルスレーザ光(レーザ光L1)を所定間隔おきに間欠的に投光するものである。
【0023】
フォトダイオード20は、例えば、アバランシェフォトダイオード等の公知のフォトダイオードで構成されており、レーザダイオード10からレーザ光L1が発生したときに、このレーザ光L1が外部空間に存在する物体で反射した反射光L2を受光し、電気信号に変換する構成をなしている。なお、検出物体からの反射光L2については、光学系で設定された視野範囲のものが取り込まれる構成となっており、図2の例では、レーザ光L1が実線で示す経路を通過する場合には、例えば符号L2で示す2つのライン間の領域を通る反射光が取り込まれるようになっている。
なお、フォトダイオード20は、「受光手段」の一例に相当するものであり、レーザ光が実空間に存在する物体に照射されたときの反射光を受光するように機能する。
【0024】
レーザダイオード10から照射されるレーザ光L1の光軸上にはレンズ60が設けられている。このレンズ60は、コリメートレンズとして構成されるものであり、レーザダイオード10からのレーザ光L1を略平行光に変換する機能を有する。
【0025】
レンズ60を通過したレーザ光L1の光路上には、揺動ミラー31が配置されている。この揺動ミラー31は、レーザダイオード10からのレーザ光L1を回転偏向装置40に向けて反射する構成をなし、且つ揺動可能に構成されている。この揺動ミラー31は、偏向部41に対するレーザ光の入射方向を相対的に変化させることで、偏向部41からの反射の向きを変化させ、空間に照射されるレーザ光L1と水平面(鉛直方向と直交する仮想平面)とのなす角度を変更するように機能している。
【0026】
また、この揺動ミラー31を、多自由度をもって駆動するミラー駆動部が設けられている。このようにミラーを多自由度をもって駆動する技術はガルバノミラー等の分野において公知であるので詳細は省略するが、ミラー駆動部については、例えば、揺動ミラー31をジンバル、ピボット軸受等で支持することにより、二方向へ回転運動させる構成とすることができる。
【0027】
なお、本明細書では、回転偏向装置40の中心軸42aの方向をY軸方向とし、このY軸方向と直交する所定方向をX軸方向とし、X軸方向及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向として説明する。このような定義において、反射面31aとXY平面とのなす角をα、反射面31aとYZ平面とのなす角をβ、反射面31aとXZ平面とのなす角をγとした場合、アクチュエータ36は、これらα、β、γを変更し得るように構成されており、後述する制御回路70がアクチュエータ36を制御して、α、β、γの値を調整することにより、揺動ミラー31からのレーザ光L1の向き、及びレーザ光L1が偏向部41に入射するときの入射方向が定まり、これにより空間に照射されるレーザ光L1と水平面(鉛直方向と直交する仮想平面)とのなす角度が決定されるようになっている。
【0028】
揺動ミラー31で反射したレーザ光L1の光軸上には、回転偏向装置40が設けられている。この回転偏向装置40は、中心軸42aを中心として回転可能に構成された偏向部41と、偏向部41を回転駆動するモータ50とを備え、偏向部41を回転させつつレーザダイオード10にて発生したレーザ光L1を偏向部41により外部空間に向けて偏向させるように機能している。
【0029】
回転偏向装置40は、主として、偏向部41、支持台43、軸部42、モータ50、回転角度センサ52によって構成されている。偏向部41は、平坦な反射面41aを備えたミラーとして構成されており、反射面41aが斜め上方を向き且つこの反射面41aが入射するレーザ光L1に対して傾斜するように配されている。支持台43は、偏向部41を支持する台座として構成されるものであり、モータ50によって回転される軸部42に一体的に取り付けられている。軸部42は、図示しない軸受によって回転可能に支持されつつ、モータ50の駆動力を受けて回転するように構成されている。
【0030】
モータ50は、例えば公知の直流モータ或いは公知の交流モータによって構成されている。そして、制御回路70からの駆動指示があったときに、図示しないモータドライバによって駆動状態(例えば、回転タイミングや回転速度)が制御されるようになっており、このときに、予め定められた一定の回転速度で定常回転するようになっている。
【0031】
このモータは、回転駆動軸が軸部42と一体的に構成されており、軸部42と偏向部41とを、中心軸42aを回転中心として定常回転させるように構成されている。偏向部41は、偏向面(反射面41a)と中心軸42aとのなす角度θが一定角度(例えば45°)となるように配置されており、モータ50の駆動力を受けたときにこの角度θを一定角度で維持しつつ回転するようになっている。
【0032】
また、本実施形態では、図2に示すように、モータ50の軸部42の回転角度位置(即ち偏向部41の回転角度位置)を検出する回転角度センサ52が設けられている。回転角度センサ52は、ロータリーエンコーダなど、軸部42の回転角度位置を検出しうるものであれば様々な種類のものを使用できる。
【0033】
また、回転偏向装置40からフォトダイオード20に至るまでの反射光の光路上には、フォトダイオード20に向けて反射光を集光する集光レンズ62が設けられ、その集光レンズ62とフォトダイオード20の間にはフィルタ64が設けられている。集光レンズ62は、偏向部41からの反射光を集光してフォトダイオード20に導くように機能している。また、フィルタ64は、回転偏向装置40からフォトダイオード20に至るまでの反射光の光路上において反射光を透過させ且つ反射光以外の光を除去するように機能している。例えば、反射光L2に対応した特定波長の光(例えば一定領域の波長の光)のみを透過させそれ以外の光を遮断する波長選択フィルタによって構成することができる。
【0034】
制御回路70は、CPUを備えたマイクロコンピュータなどの1又は複数の制御回路によって構成されており、上述したレーザダイオード10の投光動作やモータ50の回転動作などを制御するように構成されている。また、フォトダイオード20や回転角度センサ52に接続されており、これらからの信号を取得可能に構成されている。なお、制御回路70は、「監視エリア作成部」「距離作成部」として機能する部分を有しており、これらについては後述する。
【0035】
また、制御回路70には、ROM、RAM,不揮発性メモリ等によって構成される記憶部72が接続されており、制御回路70は、この記憶部72に記憶された情報の読み出しや記憶部72に対する書き込みを行うことが可能となっている。なお、記憶部72は、「記憶手段」の一例に相当し、監視エリアデータ(監視エリアの境界位置を定めるデータ)を記憶するデータベースを備えており、これについては後述する。
【0036】
また、本実施形態では、レーザダイオード10、フォトダイオード20、レーザ光偏向部30、レンズ60、回転偏向装置40、モータ50等がケース3内に収容され、防塵や衝撃保護が図られている。ケース3における偏向部41の周囲には、当該偏向部41を取り囲むようにレーザ光L1及び反射光L2の通過を可能とする導光部4が形成されている。導光部4は、偏向部41に入光するレーザ光L1の光軸を中心とした環状形態で、ほぼ360°に亘って構成されており、この導光部4を閉塞する形態でガラス板等からなるレーザ光透過板5が配され、防塵が図られている。
【0037】
また、レーザレーダ装置2には、通信部74が設けられている。この通信部74は、外部装置と無線通信又は有線通信を行うためのインターフェースとして構成されており、例えば、無線LANインタフェース等の公知の無線通信インタフェースとして構成され、後述する携帯型設定端末100と無線通信を行うことができるようになっている。
【0038】
(物体検出動作)
次に、レーザレーダ装置2で行われる物体の検出処理(監視処理)について基本的な動作を説明する。
図2に示すレーザレーダ装置2では、モータ50からの駆動力により偏向部41が一定速度で回転するようになっており、このような回転時に、レーザダイオード10に対してパルス電流が供給されると、このパルス電流のタイミング及びパルス幅に応じた時間間隔のパルスレーザ光(レーザ光L1)がレーザダイオード10から出力される。このレーザ光L1は、ある程度の広がり角をもった拡散光として投光され、レンズ60を通過することで平行光に変換される。レンズ60を通過したレーザ光L1は、揺動ミラー31で反射した後、偏向部41で更に反射し、空間に向けて照射される。なお、本実施形態では、レーザダイオード10及び回転偏向装置40が「走査手段」の一例に相当し、実空間においてレーザ光を走査するように機能する。
【0039】
このように偏向部41から照射されたレーザ光L1が、外部空間に存在する物体(検出物体)に当たったときには、この検出物体で反射して装置側に戻ってくる反射光の一部(反射光L2参照)がレーザ光透過板5を介してケース内に入り込み、偏向部41に入射することになる。偏向部41は、この反射光L2をフォトダイオード20側へ誘導(反射)し、その誘導された反射光L2は、集光レンズ62で集光され、フィルタ64を通過してフォトダイオード20に入射する。そして、フォトダイオード20は、このような反射光L2を受光したとき、その受光した反射光L2の強度に応じた電気信号(例えば受光した反射光L2に応じた電圧値)を出力する。
【0040】
制御回路70は、レーザダイオード10に対するパルス信号の送信タイミングとフォトダイオード20からの受光信号が出力されるタイミングとに基づいて、レーザ光L1の投光から受光までの時間T(即ち、レーザダイオード10がパルスレーザ光L1を出力してからフォトダイオード20が当該パルスレーザ光に応じた反射光L2を受光するまでの時間)を測定しており、更に、制御回路70は、この時間Tと、既知の光速Cとに基づいて、装置内の基準位置(例えば位置P1)から検出物体までの距離Lを算出している。
【0041】
更に、制御回路70は、アクチュエータ36の変位量を制御しているため、上記パルスレーザ光L1が照射されるときの揺動ミラー31の変位(揺動ミラー31の反射面31aとXY平面とのなす角α、反射面31aとYZ平面とのなす角β、反射面31aとXZ平面とのなす角γ)を把握でき、且つ、パルスレーザ光L1が照射されるときの回転角度センサ52からの出力値(即ち、パルスレーザ光L1が照射されるタイミングにおける偏向部41の基準角度からの回転変位θ)をも把握できるようになっている。このように、揺動ミラー31の反射面31aとXY平面とのなす角α、反射面31aとYZ平面とのなす角β、反射面31aとXZ平面とのなす角γが定まり、偏向部41の回転変位θが定まると、偏向部41からレーザ光L1が向かう方向が一の方位に定まるため、制御回路70は、パルスレーザ光L1の出力時におけるこれら値(α、β、γ、θ)と上記の算出距離Lとに基づいて、検出物体の方位を正確に検出できる。
【0042】
また、このレーザレーダ装置の周囲には図4のように監視エリアが設定されている。図4の例では、位置P1、P2、P7を頂点とする三角形状の境界面、位置P1、P2、P3を頂点とする三角形状の境界面、位置P1、P3、P4を頂点とする三角形状の境界面、位置P1、P4、P5を頂点とする三角形状の境界面、位置P1、P5、P6を頂点とする三角形状の境界面、位置P1、P6、P7を頂点とする三角形状の境界面によって囲まれる領域が監視エリアとなっている。なお、各位置P1〜P7の座標は例えば図4(A)のように設定データとして登録されている。制御回路70は、上述のようにレーザ走査で検出された物体の位置がこのような設定データに基づいて構成される監視エリアの内部に存在するか否かを判断し、監視エリアの内部にある場合には物体検出と判定して所定の出力を行う。一方、検出された物体の位置が監視エリアの外部の場合には、物体検出と判定せずに無視する。
【0043】
(携帯型設定端末)
次に、携帯型設定端末100について説明する。
図1に示す携帯型設定端末100は、カメラ機能を有する情報処理端末として構成されており、主として、制御部106、通信部102、メモリ104、タッチパネル110、カメラ130、センサ(ジャイロセンサ121、GPSセンサ122、距離計測器123)によって構成されている。
【0044】
制御部106は、CPUを備えたマイコン等によって構成されており、情報処理機能を有し、携帯型設定端末100内の各種制御を行うように構成されている。
【0045】
通信部102は、外部装置と無線通信又は有線通信を行うためのインターフェースとして構成されており、例えば、無線LANインタフェース等の公知の無線通信インタフェースとして機能し、上述のレーザレーダ装置2と無線通信を行うことができるようになっている。なお、通信部102は、「出力手段」「通信手段」の一例に相当する。
【0046】
タッチパネル110は、「表示手段」の一例に相当するものであり、ハードウェア的には公知のタッチパネル型の表示装置として構成されている。このタッチパネル110は、液晶表示器等の公知の表示デバイスとして構成される表示部114と、この表示部114の表示画面を覆う透明性の操作パネル112とを備えている。操作パネル112は、「入力手段」の一例に相当するものであり、表示部114上のどの位置に押圧操作があったかを検出可能に構成されている。
【0047】
メモリ104は、ROM、RAM、不揮発性メモリ、HDD等の記憶媒体によって構成されており、携帯型設定端末100で扱われる各種データを記憶可能とされている。
【0048】
カメラ130は、公知のCMOSカメラ、CCDカメラ等として構成されており、実空間内で設定された方向(撮像方向)の画像を撮像するように構成されている。このカメラ130はズーム機能を有していてもよい。
なお、カメラ130は、「撮像手段」の一例に相当し、携帯型設定端末100における所定方向を撮像方向とするように、実空間の画像を撮像するように機能する。
【0049】
ジャイロセンサ121は、公知のジャイロセンサによって構成されており、携帯型設定端末100の姿勢を検出し得るように構成されている。具体的には、カメラ130の撮像方向(例えば、カメラ130のレンズの光軸が向く方位)を特定し得るように構成されている。また、GPSセンサ122は、公知のGPSセンサとして構成されており、携帯型設定端末100の水平方向の座標(X座標及びY座標)を検出するように構成されている。また、距離計測器123は、携帯型設定端末100の高さ(Z座標)を検出するように構成されている。
【0050】
なお、本実施形態では、ジャイロセンサ121が「方向検出手段」の一例に相当し、カメラ130(撮像手段)による撮像方向の実空間内での向きを検出可能とされている。また、GPSセンサ122及び距離計測器123は、「座標検出手段」の一例に相当し、携帯型設定端末100の実空間内での座標を検出するように構成されている。
【0051】
次に、携帯型設定端末100で行われる境界位置データ更新処理について説明する。
図3は、携帯型設定端末で行われる境界位置データ更新処理の流れを例示するフローチャートである。図3の処理は、例えば電源投入、或いは携帯型設定端末100で所定操作がなされたことをトリガとして実行されるものである。この処理では、まず、レーザレーダ装置2から境界位置データを取り込む(S1)。具体的には、レーザレーダ装置2の記憶部72に記憶されている境界位置データ(図8(A)のようなデータ)をダウンロードし、メモリ104に記憶しておく。
なお、本実施形態では、制御部106及びメモリ104が「登録手段」の一例に相当し、実空間に設定される監視エリアの境界位置データを登録するように機能する。
【0052】
S1の後には、カメラ130で撮像されている実空間(実際の空間)の画像を表示部114に表示する処理を行う。この処理では、撮像された実空間の画像において、メモリ104に登録されている境界位置データによって特定される境界位置に境界画像を組み込み、両画像を合わせて表示する。例えば、境界位置データによって実空間内に図4のような監視エリアの境界が設定される場合、監視エリアの所定位置(位置P3,P6の方向)を撮像したときには図6(A)のような表示がなされる。
【0053】
本実施形態では、制御部106が「合成画像生成手段」の一例に相当し、メモリ104(登録手段)に登録された境界位置データと、方向検出手段によって検出された撮像方向の実空間内での向きと、座標検出手段によって検出された当該携帯型設定端末の実空間内での座標と、に基づき、カメラ130(撮像手段)によって撮像された実空間の画像に対し当該画像内の境界位置データで特定される位置に境界画像を組み込んで合成画像を生成するように機能する。
【0054】
S2の後には、S2で表示される境界画像において位置指定がなされたか否かを判断する。本実施形態では、例えば、図4のように構成される監視エリアの各頂点位置P1〜P7がカメラ130の撮像範囲に入ったときに図6(A)のように頂点位置にそれぞれ対応するマーク(図6(A)では、頂点位置P3、P6に対応するマークP3’、P6’)が表示されるようになっている。そして、このように頂点位置に対応するマークが表示部114に表示されているときに、操作パネル112を利用して頂点位置を指定できるようになっており、S3ではこのような位置指定がなされたか否かを判断する。なお、位置指定がなされていない場合にはS3にてNoに進み、カメラ130の撮像範囲の画像を境界位置データと共に表示し続ける。なお、S3の処理は例えば所定の短時間毎に行われるようになっており、S2では、カメラ130の向きが変わる毎に向きに応じた画像(撮像範囲の実空間の画像と、これに対応する境界画像)をリアルタイムで表示する。
【0055】
S3で位置指定がなされたと判断された場合には、S3にてYesに進む。図6(A)のような表示画像に対してマークがされた場合には、その指定された頂点位置のマークを他のマークと区別可能な状態で表示する(例えば、他のマークと別の色で表示したり、点滅表示としたりする)。その後、所定の解除操作がなされるまではカメラ130の移動に応じて変化する撮像画像をリアルタイムで表示する(S4)。このS4の表示では、例えば、上記のように指定された頂点位置のマークを携帯型設定端末100の座標位置にリアルタイムで表示し続ける。図6(B)では、図6(A)で位置指定されたマークP6’が携帯型設定端末100の座標位置のマークP8’に置き換わった例を示している。
【0056】
そして、S4の後には、所定の解除操作がなされたか否かを判断する(S5)。本実施形態では、例えば、タッチパネル110に表示される境界画像において頂点位置のマーク部分を押すように操作パネル112が操作されたときにその押圧位置のマークが指定されるようになっており、このときS3にてYesに進むようになっている。そして、この指定は、例えば当該マーク部分から押圧が解除されるまで継続する。従って、ユーザがタッチパネル110において頂点位置P1〜P7のいずれかに対応するマーク部分を指で押したときには、押し続けながら移動する間はS4の表示処理が繰り返される。そして、S4の表示処理では、その押圧位置のマークが、撮像された実空間の画像において携帯型設定端末100の座標位置となるように撮像画像がリアルタイムで表示されることになる。そして、ユーザがこのようなマークの押圧操作を終了し、タッチパネル110から指を離すような解除操作を行ったときには、S5でYesに進むことになる。
【0057】
本実施形態では、制御部106が「指定位置検出手段」の一例に相当し、操作パネル112(入力手段)において境界画像の一部を指定する所定の指定操作がなされたときに、表示部114(表示手段)に表示される境界画像においてその指定位置を検出するように機能する。また、制御部106は、「指示操作検出手段」の一例に相当し、操作パネル112(入力手段)において境界画像の変更位置を指示する所定の指示操作がなされたことを検出するように機能する。
【0058】
S5で解除操作がなされたと判断された場合には、その解除操作がなされたときの携帯型設定端末100の位置を新たな頂点位置とする。例えば、図6(A)のような表示画像において頂点位置のマークP6’(位置P6に対応するマーク)が指定され、その後、図5のような位置で解除操作(マークの押圧の解除)がなされたときには、その解除操作時の携帯型設定端末100の座標が新たな頂点位置(位置P6から変更される新たな頂点位置)となる。例えば、図5のような位置において解除操作(マークの押圧の解除)がなされた場合には、図5の頂点位置P6が図7の位置P8に変更されるように、監視エリアの境界位置データが変更される。境界位置データでは、図8(B)のように、変更対象となった位置P6の座標が位置P8の座標に置き換わることになる。
【0059】
S6において更新処理がなされた後には、所定の終了操作(例えば、終了ボタンの押圧等)がなされたか否かを判断し、終了操作がなされた場合には図3の処理を終了する。一方、終了操作がなされていない場合には、S7にてNoに進み、S2以降の処理を行う。なお、S6の更新処理の際には、データが更新される都度、その更新後のデータをレーザレーダ装置2に送信するようにしてもよい。或いは、S7でYesと進む場合に、更新されたデータをレーザレーダ装置2に送信してから終了するようにしてもよい。
この場合、通信部102とこれを制御部する制御部106が「出力手段」に相当し、再生成手段によって再生成された境界位置データを出力するように機能する。なお、再生成された境界位置データの出力は、このような通信部102によるデータ送信だけを指すものではなく、図6(B)のように、更新された境界位置データに基づく境界画像を表示部114に表示することも含む。この場合、表示部114とこれを制御する制御部106が「出力手段」に相当する。
【0060】
また、本実施形態では、制御部106が「再生成手段」の一例に相当し、指示操作検出手段によって指示操作が検出されたときに、指定位置検出手段によって検出された指定位置を、指示操作検出手段によって検出された指示操作での指示位置に変更するように境界位置データを再生成するように機能する。具体的には、指示操作検出手段によって指示操作が検出されたとき(図3ではS5でYesと判断されるとき)の座標検出手段による検出結果に基づき、指示操作時の当該携帯型設定端末100の実空間での座標を特定し、指定位置検出手段によって検出された境界画像の指定位置(図3ではS3で判断される指定位置)を、その特定された座標位置に変更するように境界位置データを再生成している。
【0061】
(第1実施形態の主な効果)
請求項1の発明に係る携帯型設定端末1には、合成画像生成手段が設けられており、この合成画像生成手段は、メモリ104(登録手段)に登録された境界位置データと、ジャイロセンサ121(方向検出手段)によって検出された撮像方向の実空間内での向きと、GPSセンサ122及び距離計測器123(座標検出手段)によって検出された当該携帯型設定端末1の実空間内での座標と、に基づき、カメラ130(撮像手段)によって撮像された実空間の画像に対し当該画像内の境界位置データで特定される位置に境界画像を組み込んで合成画像を生成している。そして、タッチパネル110(表示手段)において、この生成された合成画像を表示している。
【0062】
この構成では、端末内において当該端末の座標と撮像手段の撮像方向とを特定することができるため、得られた撮像画像(実空間の画像)内の各位置の座標(実空間内での座標)を特定できるようになる。従って、境界位置データによって特定される位置に境界画像をより正確に組み込んで合成画像を生成し、これを表示できるようになる。これにより、実空間内のどの位置に境界が設定されるかを、実空間内に存在する物と合わせて視覚的に把握できるようになり、特別なデータ解析等を行わずとも実空間内において境界が適切な位置に設定されているか否かを判断できるようになる。
【0063】
更に、操作パネル112(入力手段)において境界画像の一部を指定する所定の指定操作がなされたときに、タッチパネル110(表示手段)に表示される境界画像においてその指定位置を検出する指定位置検出手段と、操作パネル112(入力手段)において境界画像の変更位置を指示する所定の指示操作がなされたことを検出する指示操作検出手段とが設けられている。そして、再生成手段は、このように指示操作検出手段によって指示操作が検出されたときに、指定位置検出手段によって検出された指定位置を、指示操作検出手段によって検出された指示操作での指示位置に変更するように境界位置データを再生成している。そして、この再生成された境界位置データが通信部102(出力手段)によってレーザレーダ装置2に出力されるようになっている。
【0064】
この構成では、実空間の画像と共に境界位置を具体的に把握しながら、境界位置を部分的に変更したい場合には、境界画像においてその位置を指定すると共に変更位置を指示することで、所望の位置に簡単に設定変更することができる。従って、熟練度にそれほど依存することなく、且つ複雑なデータ入力作業を伴うことなく、監視エリアを所望の位置により正確に設定することが可能となる。
【0065】
特に、本実施形態の構成では、カメラ(撮像手段)の動きに連動するように境界画像を変化させることができるため、ユーザによるアナログ的な感覚(例えば、カメラの向きや位置を連続的に微調整する感覚等)を境界位置の設定・修正により直接的に反映することができる。例えば、従来から行われていた境界位置の設定・修正方法(例えば、数値を入力して設定、修正を行う方法)では、ユーザ(作業者)の感覚をその都度数値に置き換えて修正する必要があったため微調整等が難しく、しかも、実空間内では修正の目安となる数値を取得し難いという問題があったが、本実施形態の方法によれば、このような問題をいずれも解消することができる。特に、セキュリティシステムなど、実空間内で高度な微調整を要求される分野では、本手法は極めて有益である。
【0066】
また、本実施形態では、再生成手段は、指示操作検出手段によって指示操作が検出されたときの座標検出手段による検出結果に基づき、指示操作時の当該携帯型設定端末の実空間での座標を特定している。そして、指定位置検出手段によって検出された境界画像の指定位置を、その特定された座標位置に変更するように境界位置データを再生成している。
この構成では、境界画像において変更すべき位置を指定した後に、所望の位置に端末を移動させて指示操作を行えば、その指示位置を新たな境界として再設定することができる。従って、設定作業に慣れていない者であっても、実空間内の実際の位置を把握しながら、実空間内の所望の位置に正確に且つ容易に境界を設定することができる。
【0067】
また、本実施形態において、表示手段は、合成画像を表示可能な表示部114と、表示部114を覆う操作パネル112とを備えたタッチパネル110からなり、操作パネル112が入力手段として構成されている。
そして、指定位置検出手段は、表示部114に合成画像が表示された状態で操作パネル112において境界画像の位置が押圧されたときに、境界画像におけるその押圧位置を指定位置として検出している。更に、再生成手段は、指定位置検出手段により指定位置が検出された後に操作パネル112に対して所定の解除操作が行われたときに、座標検出手段による検出結果に基づき、解除操作時の当該携帯型設定端末の実空間での座標を特定し、指定位置検出手段によって検出された指定位置を、その特定された座標位置に変更するように境界位置データを再生成している。
この構成では、実空間の画像と共に表示された境界画像において、変更すべき部分をタッチパネル110で視認しながら当該タッチパネル110上での押圧操作によって簡単に指定することができる。また、このような指定の後には、所望の位置に端末を移動させてタッチパネル110上で解除操作を行えば良く、これにより、その解除操作時の位置(座標)を新たな境界位置として簡単に再設定することができる。
【0068】
また、本実施形態では、レーザレーダ装置2を通信対象として通信を行う通信部102(通信手段)が設けられており、この通信手段が出力手段として構成されている。そして、メモリ104(登録手段)は、通信手段がレーザレーダ装置2からデータを受信した場合に、その受信したデータに基づいて境界位置データを登録している。更に、通信部102(通信手段)は、再生成手段によって境界位置データが再生成された場合に、その再生成された境界位置データをレーザレーダ装置2に出力するように構成されている。
この構成によれば、レーザレーダ装置2で設定されている監視エリアのデータを携帯型設定端末100に展開して実画像と共に表示することができ、更に、上記手法を用いて当該監視エリアのデータを所望の内容に再生成することができる。また、端末にて監視エリアを再生成した後には、この再生後のデータをレーザレーダ装置2に展開することができるため、レーザレーダ装置2内で複雑な設定作業を行わずとも、監視エリアを所望のエリア構成とするように容易に調整することができる。
【0069】
[第1実施形態の変更例]
第1実施形態では、カメラ130で撮像された実空間の画像と監視エリアの境界画像とを合わせて表示していたが、更に、別の画像(予め用意された仮想的な候補画像)を組み込むようにしてもよい。例えば、図9(A)のような物体画像Rbを表示するためのデータを予め記憶しておき、ユーザがこのような物体画像Rbの表示を選択できるようにしておく。そして、ユーザにより、このような物体画像Rbの表示が選択されたときに、この物体画像Rbをカメラ130で撮像された実空間の画像に組み込むように表示してもよい。
【0070】
このような候補画像は、実空間内のどの位置に配置すべきかを特定可能な形で画像を構成しておくと良い。例えば、図9(A)のような物体画像Rbの場合、画像の形状データだけでなく、当該物体画像Rbの実空間内での位置(例えば、物体画像Rbを構成する各頂点の実空間内での座標や各線分の実空間内での位置等)を指定データとして記憶しておけば、カメラ130で撮像された実空間の撮像画像内においてその指定データに対応する位置に物体画像Rb(候補画像)を組み込むことができる。この場合、図3のような処理を行うときに、S2やS4の表示処理においてこのような物体画像Rbを指定位置(上記指定データで指定される実空間内の位置)に組み込んで表示を行うようにすれば、実際には存在しない物体を想定した上で監視エリアを調整することができる(図9(B)参照)。
【0071】
この場合、メモリ104が「候補画像記憶手段」の一例に相当し、合成画像に組み合わせる候補画像(例えば物体画像Rb等)を記憶するように機能する。また、操作パネル112及び制御部106は「選択手段」の一例に相当し、候補画像記憶手段から候補画像を選択するように機能する。また、この場合、「合成画像生成手段」に相当する制御部106は、カメラ130(撮像手段)によって撮像された実空間の画像に対し、当該画像内の境界位置データで特定される位置に境界画像を組み込み、且つ選択手段で選択された候補画像(例えば図9のような物体画像Rb)を組み込んで合成画像を生成するように機能している。
【0072】
この構成では、実空間に物体が存在している状態では端末の設定作業(物体付近への移動等)が難しいような環境(例えば、工場内で稼働するロボットの近傍に監視エリアを設定する場合)において、当該物体を想定した境界設定を行う場合に特に有利となる。
【0073】
また、図10(A)のように、仮想的な候補画像(物体画像Rb)を表示する場合、このような画像を継続的に表示しつつ、図4のような監視エリアに代えて、或いは図4のような監視エリアとは別に、新たな監視エリアを設定できるようにしてもよい。図10(B)の例では、このような新たな監視エリアの設定方法を示しており、例えば、ユーザが、図10(A)のような画像(図9(A)と同様の画像であり、カメラ130で撮像した実空間の画像に境界画像と物体画像Rbを組み込んだ画像)を見ながら、図10(B)のようにこの表示画像内の複数位置(図10(B)では位置P21〜P26)を指Fなどによる押圧操作で指定したときに、これら位置によって囲まれるエリアを新たな監視エリアとするように設定してもよい。このように指定された新たな監視エリアは、既に設定されている監視エリアと置き換えて使用する場合には、更新された境界位置データとしてレーザレーダ装置2に送信するように用いればよい。また、新たな監視エリアを別の監視エリアとして用いる場合には、既に設定されている境界位置データとは別で第2の境界位置データとしてレーザレーダ装置2に送信するようにすればよい。この場合、レーザレーダ装置2では、新たな監視エリアを既に設定されている監視エリアとは別の用途に用いることができる(例えば、当該新たな監視エリア内で物体が検出された場合には警報を発する等)。
【0074】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0075】
上記実施形態では、三次元的に走査を行うレーザレーダ装置を例に挙げたが、二次元的な走査(水平走査)を行うレーザレーダ装置を用い、同様の方法で監視エリアを設定するようにしてもよい。
【0076】
上記実施形態では、携帯型設定端末100で生成された更新データ(境界位置データ)をレーザレーダ装置2に対し無線通信によって送信する例を示したが、有線通信で送信してもよく、外部メモリなどを媒介としてユーザの手によって渡すようにしてもよい。
【0077】
また、上記実施形態と同様の構成(図1、図2等)を用い、図3に示す制御方法の一部を以下のように変更してもよい。
例えば、図3のS1〜S4と同様に制御、処理を行い、S5での解除操作の判断のみ異ならせるようにしてもよい。この構成でも、指定位置検出手段によって指定位置が検出された後(即ち、S3でYesとなった後)、S5でYesとなるまでは、当該携帯型設定端末1の位置又は向きが変化した場合に、その変化後のカメラ130の撮像方向(所定方向)における実空間の画像の撮像を繰り返し、表示部114は、カメラ130によって繰り返し取得される撮像画像を逐次更新表示する。
そして、このような更新表示がなされている最中に、その更新表示される実空間の撮像画像内の位置を指示するように操作パネル112によって解除操作(例えば、撮像画像内の所定位置を押圧する押圧操作等)が行われたときに、S5にてYesに進み、その指定された位置の実空間での座標を特定し、指定位置検出手段によって検出された指定位置(S3で判断された指定位置)を、その特定された座標位置に変更するように境界位置データを再生成する。なお、本実施形態では、表示された撮像画像(実空間の画像)内の指示位置(解除操作時の押圧位置)の座標は、ジャイロセンサ121、GPSセンサ122、距離計測器123による各検出値に基づき特定することができる。
この構成でも、操作パネル112が「入力手段」として機能する。また、この場合も、制御部106が「指定位置検出手段」の一例に相当し、操作パネル112(入力手段)において境界画像の一部を指定する所定の指定操作がなされたときに、表示部114(表示手段)に表示される境界画像においてその指定位置を検出するように機能する。また、制御部106は、「指示操作検出手段」の一例に相当し、操作パネル112(入力手段)において境界画像の変更位置を指示する所定の指示操作がなされたことを検出するように機能する。
また、制御部106が「再生成手段」の一例に相当し、指示操作検出手段によって指示操作が検出されたときに、指定位置検出手段によって検出された指定位置を、指示操作検出手段によって検出された指示操作での指示位置に変更するように境界位置データを再生成するように機能する。具体的には、指定位置検出手段により指定位置が検出された後に、表示部114にて更新表示される実空間の撮像画像内の位置を指定するように操作パネル112によって解除操作が行われたときに、その指定された位置の実空間での座標を特定し、指定位置検出手段によって検出された指定位置を、その特定された座標位置に変更するように境界位置データを再生成するように機能する。
この構成では、実空間の画像と共に表示された境界画像において、変更すべき部分をタッチパネルで視認しながら当該タッチパネル上での押圧操作によって簡単に指定することができる。また、このような指定の後には、端末を所望の位置或いは向きに変更し、更新表示される画面上の希望する位置を指示するように解除操作を行えば、その指示された画面上の位置を新たな境界位置として簡単に再設定することができる。
【符号の説明】
【0078】
1…監視システム
10…レーザダイオード(走査手段)
20…フォトダイオード(受光手段)
40…回転偏向装置(走査手段)
72…記憶部(記憶手段)
100…携帯型設定端末
106…制御部(方向検出手段、合成画像生成手段、指定位置検出手段、指示操作検出手段、再生成手段、出力手段、選択手段、登録手段)
102…通信部(出力手段、通信手段)
104…メモリ(登録手段、候補画像記憶手段)
110…タッチパネル(表示手段)
112…操作パネル(入力手段)
114…表示部
122…GPSセンサ(座標検出手段)
123…距離計測器(座標検出手段)
130…カメラ(撮像手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実空間に設定された監視エリア内を監視する監視システムに用いられ、前記監視エリアを設定変更可能に構成された携帯型設定端末であって、
前記実空間に設定される前記監視エリアの境界位置データを登録する登録手段と、
当該携帯型設定端末における所定方向を撮像方向とするように、前記実空間の画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段による前記撮像方向又は当該撮像方向と一定関係で定められた所定方向の前記実空間内での向きを検出可能な方向検出手段と、
当該携帯型設定端末の実空間内での座標を検出する座標検出手段と、
前記登録手段に登録された前記境界位置データと、前記方向検出手段によって検出された前記撮像方向又は前記所定方向の前記実空間内での向きと、前記座標検出手段によって検出された当該携帯型設定端末の前記実空間内での前記座標と、に基づき、前記撮像手段によって撮像された前記実空間の画像に対し当該画像内の前記境界位置データで特定される位置に境界画像を組み込んで合成画像を生成する合成画像生成手段と、
前記合成画像生成手段によって生成された前記合成画像を表示する表示手段と、
外部からの入力操作を受け付ける入力手段と、
前記入力手段において前記境界画像の一部を指定する所定の指定操作がなされたときに、前記表示手段に表示される前記境界画像においてその指定位置を検出する指定位置検出手段と、
前記入力手段において前記境界画像の変更位置を指示する所定の指示操作がなされたことを検出する指示操作検出手段と、
前記指示操作検出手段によって前記指示操作が検出されたときに、前記指定位置検出手段によって検出された前記指定位置を、前記指示操作検出手段によって検出された前記指示操作での指示位置に変更するように前記境界位置データを再生成する再生成手段と、
前記再生成手段によって再生成された前記境界位置データを出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする携帯型設定端末。
【請求項2】
前記再生成手段は、前記指示操作検出手段によって前記指示操作が検出されたときの前記座標検出手段による検出結果に基づき、前記指示操作時の当該携帯型設定端末の実空間での座標を特定し、前記指定位置検出手段によって検出された前記境界画像の前記指定位置を、その特定された座標位置に変更するように前記境界位置データを再生成することを特徴とする請求項1に記載の携帯型設定端末。
【請求項3】
前記表示手段は、前記合成画像を表示可能な表示部と、前記表示部を覆う操作パネルとを備えたタッチパネルからなり、
前記操作パネルが前記入力手段として構成されており、
前記指定位置検出手段は、前記表示部に前記合成画像が表示された状態で前記操作パネルにおいて前記境界画像の位置が押圧されたときに、前記境界画像におけるその押圧位置を前記指定位置として検出し、
前記再生成手段は、前記指定位置検出手段により前記指定位置が検出された後に前記操作パネルに対して所定の解除操作が行われたときに、前記座標検出手段による検出結果に基づき、前記解除操作時の当該携帯型設定端末の前記実空間での座標を特定し、前記指定位置検出手段によって検出された前記指定位置を、その特定された座標位置に変更するように前記境界位置データを再生成することを特徴とする請求項2に記載の携帯型設定端末。
【請求項4】
前記表示手段は、前記合成画像を表示可能な表示部と、前記表示部を覆う操作パネルとを備えたタッチパネルからなり、
前記操作パネルが前記入力手段として構成されており、
前記指定位置検出手段は、前記表示部に前記合成画像が表示された状態で前記操作パネルにおいて前記境界画像の位置が押圧されたときに、前記境界画像におけるその押圧位置を前記指定位置として検出する構成をなしており、
前記撮像手段は、前記指定位置検出手段によって前記指定位置が検出された後に、当該携帯型設定端末の位置又は向きが変化した場合に、その変化後の前記所定方向を撮像方向とするように前記実空間の画像の撮像を繰り返し、
前記表示部は、前記撮像手段によって繰り返し取得される撮像画像を逐次更新表示するように構成されており、
前記再生成手段は、前記指定位置検出手段により前記指定位置が検出された後に、前記表示部にて更新表示される前記実空間の撮像画像内の位置を指定するように前記操作パネルによって解除操作が行われたときに、その指定された位置の前記実空間での座標を特定し、前記指定位置検出手段によって検出された前記指定位置を、その特定された座標位置に変更するように前記境界位置データを再生成することを特徴とする請求項1に記載の携帯型設定端末。
【請求項5】
前記実空間においてレーザ光を走査する走査手段と、前記走査手段によって走査される前記レーザ光が前記実空間に存在する物体に照射されたときの反射光を受光する受光手段と、前記監視エリアの境界位置を定めるデータを記憶する記憶手段と、を備え、前記記憶手段に記憶されるデータに基づいて設定された前記監視エリア内で物体検出を行うように構成されたレーザレーダ装置を通信対象として通信を行う通信手段を有し、
前記通信手段が前記出力手段として構成されており、
前記登録手段は、前記通信手段が前記レーザレーダ装置からデータを受信した場合に、その受信したデータに基づいて前記境界位置データを登録し、
前記通信手段は、前記再生成手段によって前記境界位置データが再生成された場合に、その再生成された前記境界位置データを前記レーザレーダ装置に出力することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の携帯型設定端末。
【請求項6】
前記合成画像に組み合わせる候補画像を記憶する候補画像記憶手段と、
前記候補画像記憶手段から候補画像を選択する選択手段と、
を備え、
前記合成画像生成手段は、前記撮像手段によって撮像された前記実空間の画像に対し、当該画像内の前記境界位置データで特定される位置に前記境界画像を組み込み、且つ前記選択手段で選択された前記候補画像を組み込んで合成画像を生成しており、
前記表示手段により、前記候補画像が組み込まれた前記合成画像が表示された状態で、前記入力手段における前記指定操作及び前記指示操作が可能とされていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の携帯型設定端末。
【請求項7】
実空間においてレーザ光を走査する走査手段と、前記走査手段によって走査される前記レーザ光が前記実空間に存在する物体に照射されたときの反射光を受光する受光手段と、監視エリアの境界位置を定めるデータを記憶する記憶手段とを備え、前記記憶手段に記憶されたデータに基づいて設定される前記監視エリア内で物体検出を行うレーザレーダ装置と、
前記レーザレーダ装置と通信を行う通信手段を有し、前記境界位置を定めるデータの更新データを生成可能に構成された携帯型設定端末と、
を備えた監視システムであって、
前記携帯型設定端末は、
前記レーザレーダ装置からのデータ受信又は前記レーダレーダ装置以外からの外部入力に基づいて前記監視エリアの境界位置データを登録する登録手段と、
当該携帯型設定端末における所定方向を撮像方向とするように、前記実空間の画像を撮像する撮像手段、
前記撮像手段による前記撮像方向又は当該撮像方向と一定関係で定められた所定方向の前記実空間内での向きを検出可能な方向検出手段と、
当該携帯型設定端末の実空間内での座標を検出する座標検出手段と、
前記登録手段に登録された前記境界位置データと、前記方向検出手段によって検出された前記撮像方向又は前記所定方向の前記実空間内での向きと、前記座標検出手段によって検出された当該携帯型設定端末の前記実空間内での前記座標と、に基づき、前記撮像手段によって撮像された前記実空間の画像に対し当該画像内の前記境界位置データで特定される位置に境界画像を組み込んで合成画像を生成する合成画像生成手段と、
前記合成画像生成手段によって生成された前記合成画像を表示する表示手段と、
外部からの入力操作を受け付ける入力手段と、
前記入力手段において前記境界画像の一部を指定する所定の指定操作がなされたときに、前記表示手段に表示される前記境界画像においてその指定位置を検出する指定位置検出手段と、
前記入力手段において前記境界画像の変更位置を指示する所定の指示操作がなされたことを検出する指示操作検出手段と、
前記指示操作検出手段によって前記指示操作が検出されたときに、前記指定位置検出手段によって検出された前記指定位置を、前記指示操作検出手段によって検出された前記指示操作での指示位置に変更するように前記境界位置データを再生成する再生成手段と、
を備え、
前記通信手段は、前記再生成手段によって再生成された前記境界位置データを前記レーザレーダ装置に出力するように構成されており、
前記レーザレーダ装置は、前記携帯型設定端末の前記通信手段から出力された再生成後の前記境界位置データに基づいて前記記憶手段に記憶される前記境界位置を定めるデータを更新することを特徴とする監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−213042(P2012−213042A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77730(P2011−77730)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】