説明

携帯型電子機器

【課題】アンテナ同士が受信電波を弱めあうことなく合成でき、簡単な位相シフト回路のみで広い帯域に渡って高い受信感度を得ることができる携帯型電子機器を提供すること。
【解決手段】第1のアンテナに基づく第1情報および第2のアンテナに基づく第2情報を記憶する記憶部と、受信チャンネルを設定するチャンネル設定部と、チャンネル設定部で設定されたチャンネルの基本周波数と第1情報および/または第2情報から、第1のアンテナと第2のアンテナが受信する当該チャンネルの受信信号の位相差を算出する位相差算出部と、算出した位相差が、120度以上かつ240度未満の範囲内か否かを判定する位相差判定部と、位相差が上記の範囲内の場合には、第1のアンテナと第2のアンテナのうちいずれかのアンテナで受信した受信信号の位相を120度以上かつ240度未満の範囲でシフトさせる位相シフト部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ワンセグ(携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービスの略称)放送に代表されるように、デジタル放送を受信し、映像・音声を表示可能な小型の携帯型電子機器が増えてきている。
【0003】
このような電子機器において、放送波の受信性能を高める事は、商品価値を決定する非常に重要な要素である。しかし、実際に電子機器が使用される環境では、放送信号を載せた電波が、電子機器に到着する波と地面や建物に反射する波に分かれて互いに干渉する事により受信性能が低下するという問題がある。
【0004】
そのような課題を解決する為、ダイバーシティ方式と呼ばれる、複数のアンテナを用いる方式が知られている。ダイバーシティ方式では、受信した同一の無線信号について、電波状況の優れたアンテナの信号を優先的に用いることができる。あるいは、受信した信号を合成することで、ノイズを低減することが出来る。ダイバーシティ方式は、複数の受信アンテナと、受信アンテナで受信した信号を処理する回路により、構成される。このとき、受信信号間の位相のズレをできるだけ低減することが望まれる。
【0005】
例えば、特許文献1には、複数アンテナで受信した合成波をFFT処理し、それにより位相変化量のフィードバックを行う方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−252844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この方式ではFFT部分があるため回路が複雑になる。このため、信号処理回路部分の消費電力が増大する。それだけではなく、信号処理回路を構成するため、多数の部品を使う必要がある。結果として基板サイズが増大してしたり、コストが増大したりするという課題がある。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、アンテナ同士が受信電波を弱めあうことなく合成でき、簡単な位相シフト回路のみで広い帯域に渡って高い受信感度を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様にかかる電子機器は、
第1および第2のアンテナと、
少なくとも前記第1のアンテナの物理長、周辺の誘電率および透磁率に基づく第1情報と、少なくとも前記第2のアンテナの物理長、周辺の誘電率および透磁率に基づく第2情報と、を記憶する記憶部と、
外部入力に基づいて受信チャンネルを設定するチャンネル設定部と、
前記チャンネル設定部で設定されたチャンネルの基本周波数と前記第1情報および/または前記第2情報から、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナが受信する当該チャンネルの受信信号の位相差を算出する位相差算出部と、
前記位相差算出部で算出した位相差が、120度以上かつ240度未満の範囲内か否かを判定する位相差判定部と、
前記位相差判定部の判定の結果、位相差が上記の範囲内の場合には、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナのうちいずれかのアンテナで受信した受信信号の位相を120度以上かつ240度未満の範囲でシフトさせる位相シフト部と、を備えた構成を採る。
【0010】
また、本発明の第2の態様にかかる電子機器は、
第1および第2のアンテナと、
少なくとも前記第1のアンテナの物理長、周辺の誘電率および透磁率に基づく第1情報と、少なくとも前記第2のアンテナの物理長、周辺の誘電率および透磁率に基づく第2情報と、を記憶する記憶部と、
外部入力に基づいて受信チャンネルを設定するチャンネル設定部と、
前記チャンネル設定部で設定されたチャンネルの基本周波数をf、前記第1情報および第2情報を、それぞれ下記の式(2)で算出される周波数f1およびf2としたとき、基本周波数fがf1≦f≦f2の範囲内か否かを判定する周波数判定部と、
前記周波数判定部の判定の結果、基本周波数fが上記の範囲内の場合には、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナのうちいずれかのアンテナで受信した受信信号の位相を120度以上かつ240度未満の範囲でシフトさせる位相シフト部と、を備えた、
携帯型電子機器。
【0011】
【数3】

【0012】
ただし、
1:第1のアンテナの物理長
2:第2のアンテナの物理長
ε1:第1のアンテナの周辺の媒質の誘電率
ε2:第2のアンテナの周辺の媒質の誘電率
μ1:第1のアンテナを覆う媒質の透磁率
μ2:第2のアンテナの周辺の媒質の透磁率
【発明の効果】
【0013】
本発明の電子機器によれば、アンテナ同士が受信電波を弱めあうことなく合成でき、簡単な位相シフト回路のみで広い帯域に渡って高い受信感度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)本発明の実施の形態1に係る携帯型液晶表示装置の概略構成を示す分解斜視図、(b)携帯型液晶表示装置の正面図
【図2】実施の形態1に係る携帯型電子機器における放送波受信部と信号処理部のシステムの概略を示すブロック図
【図3】位相シフトと位相差判定部の判断アルゴリズムのフローチャート
【図4】2つのアンテナを用いた場合の位相差と合成信号の最大値の関係を示す図
【図5】チャンネル周波数と位相差の関係を示す図
【図6】実施の形態2に係る携帯型電子機器における放送波受信部と信号処理部のシステムの概略を示すブロック図
【図7】実施の形態2に係る携帯型電子機器における位相シフトと周波数判定部の判断アルゴリズムのフローチャート
【図8】内部アンテナを変形した場合の構成を示す分解斜視図
【図9】第2のアンテナを外部に付加した場合の構成を示す分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付し、再度の説明を省略する場合がある。
【0016】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る携帯型液晶表示装置について、図1乃至図5を参照して説明する。
【0017】
図1(a)は、本発明の携帯型電子機器の実施の形態1に係る携帯型液晶表示装置1の概略構成を示す分解斜視図である。図1(b)は、携帯型液晶表示装置1の正面図である。なお、本実施形態においては、図1(a)に示すz軸の正の方向を上方向、z軸の負の方向を下方向、x軸の方向を左右方向、y軸の正の方向を正面方向または前面方向または表示面方向、y軸の負の方向を後面方向または背面方向と呼ぶ場合がある。
【0018】
携帯型液晶表示装置1は、大別して、第1のアンテナ10と、第2のアンテナ10aと、表示面側筐体11と、背面側筐体12と、液晶パネル13と、電気回路基板14と、背面側筐体フレーム15を備えている。
【0019】
第1のアンテナ10および第2のアンテナ10aは、ダイポールアンテナであり、地上波デジタル放送の電波を受信可能である。第1のアンテナ10は、筐体外部に回動可能に取り付けられており、電波の受信状況に応じて適宜第1のアンテナ10の向きを変えることができる。第2のアンテナ10aは筐体内部に構成されている。第1のアンテナ10および第2のアンテナ10aの周辺は真空中より高い誘電率、透磁率の高い物質に囲まれている。これは、アンテナの物理長が小さい場合でも周波数が低い電磁波を受信する効率を高める為である。また、第1のアンテナ10および第2のアンテナ10aは、電気回路部14に電気的に接続されている。
【0020】
液晶パネル13は、表示面側筐体11の開口部にその表示面が露出するように配置されている。液晶パネル13は、電気回路基板14からの電気信号を受けて、映像や文字などの各種情報を表示面に表示する。液晶パネル13の背面側、つまり表示面と反対側は、金属のフレーム枠で覆われている。
【0021】
電気回路基板14は、各種電子部品が搭載されており、第1のアンテナ10および第2のアンテナ10aで受信した電気信号を処理して、液晶パネル13が表示可能な電気信号として液晶パネル13へ送る。第1のアンテナ10および第2のアンテナ10aで受信した信号以外に、携帯型液晶表示装置1の使用者から入力される外部情報に基づいて、液晶パネル13に対する各種の信号処理を実施する。
【0022】
背面側筐体フレーム15は、電気回路基板14のGNDと電気的に接続されている。これにより、電気回路基板14のGND電位を安定化させ、かつ携帯型電子機器1の堅牢性を高めている。
【0023】
図2は、本発明の実施の形態1に係る携帯型電子機器1における放送波受信部と信号処理部のシステムの概略を示すブロック図である。本発明のシステムは第1のアンテナ10、第2のアンテナ10a、記憶部16、チャンネル設定部17、位相差算出部18、位相差判定部19、位相シフト部20、信号処理部21、表示回路22を有している。
【0024】
第1のアンテナ10、第2のアンテナ10aは本発明の携帯型電子機器の内部もしくは外部に構成される。
【0025】
記憶部16には、第1のアンテナ10と第2のアンテナの長さ10aの物理長、アンテナを覆う媒質の誘電率、透磁率等の物性値を記憶している。また、チャンネル設定部17は、携帯型液晶表示装置の操作者により設定された放送のチャンネルに対応する周波数の値を、位相差算出部に送る。
【0026】
位相差算出部18は、記憶部16であらかじめ記憶されている物性値を用いて、下記の式(1)で示される位相差を計算する。
【0027】
【数4】

【0028】
ただし、
f:受信チャンネルの基本周波数、
1:第1のアンテナ10の物理長
2:第2のアンテナ10aの物理長
ε1:第1のアンテナ10の周辺の媒質の誘電率
ε2:第2のアンテナ10aの周辺の媒質の誘電率
μ1:第1のアンテナ10を覆う媒質の透磁率
μ2:第2のアンテナ10aの周辺の媒質の透磁率
c:真空中の光の速度
である。
【0029】
位相差判定部19は、式(1)で算出した位相差が、120度以上かつ240度未満の範囲内(合成波の振幅が元の信号より小さくなる範囲)か否かを判定する。
【0030】
位相シフト部20は、位相差判定部19で位相を変化させるか否かを判断した後、第2のアンテナ10aで受信した信号を120度以上かつ240度未満の範囲でシフトさせる。
【0031】
信号処理部21は、第1のアンテナ10で受信した信号と、第2のアンテナ10aで受信し位相シフト部20でシフトされた信号とを合成する。この信号は、表示回路22に流れ、映像として表示される。
【0032】
図3は、位相差算出部18と位相差判定部19と位相シフト部20の判断アルゴリズムのフローチャートを示す。まず位相差算出部18において式(1)で示される式で位相差を計算する。次に、この位相差が120〜240度になった場合は、第2のアンテナ10aで受信した信号を位相シフト部20で180度ずらず。そして、信号処理部21にて第1のアンテナ10で受信した信号と合成する。また、それ以外の値の場合は位相をずらさずに、信号処理部21にて、第1のアンテナ10で受信した信号と合成する。このような方式を取ることで互いの信号を打ち消す事による受信性能の低下を防ぐ事が可能となる。
【0033】
図4は、2つのアンテナを用いた場合の位相差と合成信号の最大値の関係を示す図である。なお、この計算において、2つのアンテナで受信する信号は同一周波数で、かつ振幅が両者とも1であるとしている。図4より、2つのアンテナに入射する信号の位相差が120度以上かつ240度未満の範囲内にある時、合成信号の振幅が1を下回る事がわかる。すなわち、アンテナが2本ある時に互いの信号を打ち消し合い、放送波の受信性能が下がる。このため、アンテナを付加しても放送波の受信性能が下がる。このため、2つのアンテナに入射する信号の位相差が120度以上かつ240度未満の範囲内にある時、受信信号の位相シフトすることが好ましい。
【0034】
図5は式(1)で示すチャンネル周波数と位相差の関係を示すグラフである。なお、パラメータの値はそれぞれ、l1=100mm、l2=20mm、ε1=1、ε2=4、μ1=20、μ2=50としている。このグラフでは、チャンネル周波数が610MHzの時、位相差が120度となる。つまり、周波数が610MHz以上のチャンネルでは第2のアンテナより受信する信号の位相を変化させる必要がある。具体例として地上デジタル放送の周波数で考えると、37ch以降を受信する場合は、受信した信号の位相をシフトさせる必要がある。
【0035】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る携帯型液晶表示装置について、図6乃至図7を参照して説明する。なお、装置の基本的構成は実施の形態1、及び実施の形態2で同等のため、一部共通する説明を省略する。
【0036】
図6は、本発明の実施の形態2に係る携帯型液晶表示装置における放送波受信部と信号処理部のシステムの概略を示す図である。本発明のシステムは第1のアンテナ10e、第2のアンテナ10f、記憶部16a、チャンネル設定部17a、周波数判定部19a、位相シフト部20a、信号処理部21a、表示回路22aから成り立っている。以下、実施の形態1で説明した機能と異なる部分のみを説明し、同じ機能を有するものは、説明を省略する。
【0037】
記憶部16aは、あらかじめ下記式(2)で計算される2つの周波数f1、f2の値を記憶している。
【0038】
【数5】

【0039】
ただし、
1:第1のアンテナ10eの物理長
2:第2のアンテナ10fの物理長
ε1:第1のアンテナ10eの周辺の媒質の誘電率
ε2:第2のアンテナ10fの周辺の媒質の誘電率
μ1:第1のアンテナ10eを覆う媒質の透磁率
μ2:第2のアンテナ10fの周辺の媒質の透磁率
c:真空中の光の速度
である。
【0040】
なお、上記式(2)は、式(1)にΔθ=2π/3を代入してfについて解いて導かれるものがf1である。また、f1を2倍したものがf2である。
【0041】
このような構成をとることで、実施の形態1で必要であった位相差算出部を無くす事ができる。また、実施の形態1に比べて、記憶部16aに記憶される変数を減らすことが可能である。これらのことにより、実施の形態1よりも回路規模を小さくし、更なる消費電力の低減、商品の小型化に貢献する事ができる。
【0042】
図7は、実施の形態2における周波数判定部19aと位相シフト部20aとの判断アルゴリズムのフローチャートを示す。入力した周波数fがf1≦f≦f2になる場合は、第2のアンテナ10fで受信した信号を180度ずらして第1のアンテナ10eで受信した信号と信号処理部21aで合成する。また、それ以外の値の場合は、第2のアンテナ10fで受信した信号を、位相をずらさずに第1のアンテナ10eで受信した信号と合成する。このような方式を取ることで互いの信号を打ち消して、受信した信号が弱まる事による受信性能の低下を防ぐ事が可能となる。
【0043】
また、本実施の形態1及び実施の形態2においては、内蔵する第2のアンテナはホイップアンテナとしたが、これに限られない。例えば、図8のように背面側フレーム15aをアンテナとして構成としても良い。このようにすれば、更なる商品の小型化、低コスト化を実現する事ができる。
【0044】
また、本実施の形態1及び実施の形態2においては、携帯型電子機器として携帯型電子機器に内蔵されたアンテナと外部に露出されたアンテナで構成された物の例を示したがこれに限られない。例えば、図9に示すように第1のアンテナ10hおよび第2のアンテナ10iを外部に露出する構成でも可能である。これにより、さらなる受信性能の向上が可能になる。
【0045】
また、本実施の形態1及び実施の形態2においては、表示パネルとして液晶パネルを用いた例を示したが、これに限られない。例えば、有機ELパネルや無機ELパネルなどを用いた携帯型電子機器に適用することも可能である。
【0046】
また、本実施の形態1及び実施の形態2においては、アンテナが2つ構成されている携帯型電子機器を例に示したが、これに限られない。例えば、アンテナが3本以上ある場合も適用可能である。このような構成をとる事で、更なる受信性能向上が可能となる。
【0047】
また、本実施の形態1及び実施の形態2においては、携帯型電子機器として携帯型液晶表示装置を例に示したが、これに限られない。例えば、携帯電話、携帯型音楽プレーヤー、PDAなどにも適用可能である。要するに、デジタル放送を受信する電子機器であればどのようなものでも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の携帯型電子機器は、例えば、デジタル放送を受信する機能を有する携帯型液晶表示装置、携帯電話、携帯型音楽プレーヤー、PDAなどに適用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1、1a、1b 携帯型液晶表示装置
10、10e、10g、10h 第1のアンテナ
10a、10f、10i 第2のアンテナ
11 表示面側筐体
12 背面側筐体
13 液晶パネル
14 電気回路基板
15、15a、15b 背面側フレーム
16、16a 記憶部
17、17a チャンネル設定部
18 位相差算出部
19 位相差判定部
19a 周波数判定部
20、20a 位相シフト部
21、21a 信号処理部
22、22a 表示回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2のアンテナと、
少なくとも前記第1のアンテナの物理長、周辺の誘電率および透磁率に基づく第1情報と、少なくとも前記第2のアンテナの物理長、周辺の誘電率および透磁率に基づく第2情報と、を記憶する記憶部と、
外部入力に基づいて受信チャンネルを設定するチャンネル設定部と、
前記チャンネル設定部で設定されたチャンネルの基本周波数と前記第1情報および/または前記第2情報から、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナが受信する当該チャンネルの受信信号の位相差を算出する位相差算出部と、
前記位相差算出部で算出した位相差が、120度以上かつ240度未満の範囲内か否かを判定する位相差判定部と、
前記位相差判定部の判定の結果、位相差が上記の範囲内の場合には、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナのうちいずれかのアンテナで受信した受信信号の位相を120度以上かつ240度未満の範囲でシフトさせる位相シフト部と、を備えた、
携帯型電子機器。
【請求項2】
前記位相差算出部は、下記の式(1)で位相差Δθを算出する、
請求項1記載の携帯型電子機器。
【数1】

ただし、
f:受信チャンネルの基本周波数、
1:第1のアンテナの物理長
2:第2のアンテナの物理長
ε1:第1のアンテナの周辺の媒質の誘電率
ε2:第2のアンテナの周辺の媒質の誘電率
μ1:第1のアンテナを覆う媒質の透磁率
μ2:第2のアンテナの周辺の媒質の透磁率
c:真空中の光の速度
【請求項3】
第1および第2のアンテナと、
少なくとも前記第1のアンテナの物理長、周辺の誘電率および透磁率に基づく第1情報と、少なくとも前記第2のアンテナの物理長、周辺の誘電率および透磁率に基づく第2情報と、を記憶する記憶部と、
外部入力に基づいて受信チャンネルを設定するチャンネル設定部と、
前記チャンネル設定部で設定されたチャンネルの基本周波数をf、前記第1情報および第2情報を、それぞれ下記の式(2)で算出される周波数f1およびf2としたとき、基本周波数fがf1≦f≦f2の範囲内か否かを判定する周波数判定部と、
前記周波数判定部の判定の結果、基本周波数fが上記の範囲内の場合には、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナのうちいずれかのアンテナで受信した受信信号の位相を120度以上かつ240度未満の範囲でシフトさせる位相シフト部と、を備えた、
携帯型電子機器。
【数2】

ただし、
1:第1のアンテナの物理長
2:第2のアンテナの物理長
ε1:第1のアンテナの周辺の媒質の誘電率
ε2:第2のアンテナの周辺の媒質の誘電率
μ1:第1のアンテナを覆う媒質の透磁率
μ2:第2のアンテナの周辺の媒質の透磁率
【請求項4】
前記第1のアンテナと第2のアンテナのうち、
少なくとも1つのアンテナが自機器の内部に構成されている、
請求項1または3に記載の携帯型電子機器。
【請求項5】
前記第1のアンテナと第2のアンテナのうち、
少なくとも1つのアンテナは周囲を真空中の誘電率あるいは透磁率より高い物質で覆われている、
請求項1または3に記載の携帯型電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−55067(P2011−55067A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199701(P2009−199701)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】