説明

携帯機器

【課題】携帯機器では、蓄電池の残量が低下すると、充電を行わないと使用することができない。
【解決手段】蓄電池2に一次電池3を接続可能な端子6を設けたことにより、本体1を蓄電池2で使用中に電池残量が無くなったとしても、補助的に一次電池3を接続可能としたので、本体1の使用持続時間を長くすることができる。また、比較的入手しやすい一次電池3を使用可能としたので、使い勝手も優れる。また、一次電池3を接続する端子6を蓋部9に設け、蓋部9を蓄電池2に対して収納可能としたことにより、蓄電池2の美観や品格を損なわないですむ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリで動作する携帯機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、磁気記録再生を行うビデオカメラなどの、携帯機器において小型軽量化が進んでいる。又、携帯機器の本体の小型軽量化に伴い、携帯機器を動作させる蓄電池も同様に小型化が進んでいる。
【0003】
蓄電池を小型化した場合の問題点は 電池容量が低下する事であり、結果として、携帯機器の使用時間が短くなり、必要な時に使用できないことがあった。これを防止するためには、複数の蓄電池を用意するか、大型の蓄電池を使用すれば良いが、携帯性を損なったり、複数の蓄電池を購入するため、経済的な負担が大きくなる問題点を有していた。
【0004】
上記問題点を回避する手段として、従来の携帯機器では(特許文献1参照)交換用の蓄電池を購入して使用する代わりに、1次電池を収納した1次電池保持アダプタを用意し、携帯機器に接続することにより、電力を供給していた。
【特許文献1】登録実用新案第3087823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら従来の技術では、蓄電池の残量が低下して、携帯機器が使用できない状態になった時、臨時の電源として、入手が容易な1次電池を使用するためには、前記1次電池保持アダプタを、常に持ち運ぶ必要があり、携帯性が課題であった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑み、記録媒体に映像信号や音声信号を記録および再生する携帯機器であって、前記携帯機器の本体部と、脱着自在な蓄電池と、蓄電池と脱着自在である第2の電池と、前記蓄電池と前記第2の電池の切替を行う電池切替手段とを備えることを特徴とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、電池により動作する携帯機器であって、本携帯機器に着脱自在でかつ本携帯機器に電力供給可能な第1の電池と、前記第1の電池の外郭に収納自在に設けられかつ第2の電池を着脱自在な装着手段とを備え、これにより、記録媒体に映像信号や音声信号を記録および再生する携帯機器であって、前記携帯機器の本体部と、脱着自在な蓄電池と、蓄電池と脱着自在である第2の電池と、前記蓄電池と前記第2の電池の切替を行う電池切替手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の携帯機器は、旅行先で蓄電池の残量が低下して使用できなくなった場合、蓄電池に充電を行わなくても、容易に入手可能な1次電池を第2の電池として、蓄電池に接続することにより、直ちに携帯機器を使用できるという効果がある。このとき、本発明では1次電池を格納するための、1次電池保持アダプタを携帯する必要は無く、1次電池を入手し、接続するだけで良いという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の請求項1に記載の発明は、電池により動作する携帯機器であって、本携帯機器に着脱自在でかつ本携帯機器に電力供給可能な第1の電池と、前記第1の電池の外郭に収納自在に設けられかつ第2の電池を着脱自在な装着手段とを備えたものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、記録媒体に映像信号や音声信号を記録および再生する携帯機器であって、前記携帯機器の本体部と、脱着自在な第1の蓄電池と、第1の蓄電池と脱着自在である第2の電池と、前記第1の蓄電池から前記携帯機器への電力の供給を前記第2の電池から前記携帯機器への電力の供給へ切替える電池切替手段とを有することを特徴とする携帯機器。
【0011】
請求項3に記載の発明は、装着手段が第2の電池を着脱可能な状態の時は、前記第2の電池からの電源電圧を装置本体へ供給し、前記装着手段が前記第2の電池を着脱不可能な状態の時は、第1の電池からの電源電圧を装置本体へ供給するよう切り換えるものである。
【0012】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1は 本発明装置の蓄電池を使用した場合の実施形態の斜視図である。図2は 本発明装置の蓄電池に一次電池を接続し、電力を携帯機器へ供給する手段の説明図である。図3は本実施の形態における蓄電池の詳細構成を示す断面図で、図2におけるM−M部の断面である。
【0014】
図1において、1は本実施の形態の携帯機器である本体部で、後述する蓄電池2を装着し、その蓄電池2から供給される電源電圧により動作する機器により構成されている。本体部1の例としては、蓄電池により駆動するものであればよく、例えばビデオカメラやデジタルスチルカメラや携帯電話機などがあるが、特に限定はしない。
【0015】
2は本体部1の所定箇所へ着脱自在でかつ端子部12を介して本体部1へ電力を供給する蓄電池である。本体部1には、蓄電池2を本体部1に対して取付け、取外しが可能になるように蓄電池2の保持部が設けられており、携帯機器の本体部1と蓄電池2は脱着自在である。蓄電池2の詳細構成を図3に示す。
【0016】
3は蓄電池2の所定箇所に着脱自在でかつ蓄電池2を経由して本体部1へ電力を供給する1次電池である。蓄電池2には1次電池3を蓄電池2に対して取付け、取外しが可能になるように、1次電池3の保持部が設けられており、蓄電池2に対して1次電池3は脱着自在である。
【0017】
9は蓄電池2に支軸11を軸に回動自在に保持された蓋部で、図3における→YあるいはZ方向に回動自在となっている。本実施の形態では、蓄電池2における端子部12が設けられた面の反対面に蓋部9を設けた構成としたが、設ける位置はこれに限定されるものではなく、機器の形状に応じて適宜配置する場所を変えてもよい。なお、蓋部9は、図3(b)に示す一次電池使用状態で、この状態を保持するような機構を内部に設けてもよい。その機構としては、例えばコイルバネにより蓋部9を矢印Y方向に付勢するようなものが考えられる。また、図3(a)に示す収納状態においては、この状態を保持するようにコイルバネで付勢するように構成してもよいし、凹部10の内部で係合するような構成としてもよい。あるいは、特に収納状態を保持する機構を必ずしも設ける必要もない。
【0018】
10は蓄電池2に設けられた凹部で、蓋部9を収納した状態(図3(a)の状態)において、蓋部9が蓄電池2に対して面一に収納できるように設けられたものである。
【0019】
13は蓋部9を収納状態から容易に引き出すために、蓄電池2の凹部10近傍に設けられた窪みで、収納状態から蓋部9を引き出す際に、使用者の指を窪み13に入れることで、使用者の指が容易に蓋部9の下端部に当接することとなり、矢印Y方向へ回動しやすくなる。
【0020】
6は蓋部9の主面に設けられた端子部で、一次電池3の端子を電気的に接続可能になっており、この端子部6を介して一次電池3から蓄電池2へ電源が供給されることとなる。本実施の形態では、一次電池3の一例として9V電池を用いた。9V電池の場合、端子形状が機器側の端子に保持可能なような形状およびバネ性を持っているため、図2に示すように、一次電池3の端子7を容易かつ確実に端子部6に接続できる。なお、本実施の形態では一次電池としたが、二次電池(蓄電池)としても構わない。
【0021】
以上のように構成された本実施の形態の携帯機器について、以下その動作について説明する。
【0022】
先ず、蓄電池2のみによって電力供給をする通常の場合について説明する。通常の使用時には、本体部1の電池装着箇所に蓄電池2のみを接続する(図2(a)の状態)。その際、蓄電池2に設けられた係合部(図示せず)と、本体部1の電池装着箇所に設けられた被係合部(図示せず)とを機構的に係合させることで、本体部1の電池装着箇所に設けられた端子と、蓄電池2に設けられた端子部12とが電気的に接続される。これにより本体部1は、蓄電池2から供給される電力により動作し、蓄電池2の電力を消費していく。
【0023】
蓄電池2の電力が消費され、蓄電池2の残量が所定の値まで低下した時、本体1はその状況を検出し、残量が無くなったことを表示手段に表示した後、動作を停止し、使用できなくなる。この状態で蓄電池を交換するか、他の電力供給源を用意する必要が発生する。
【0024】
次に、蓄電池2に一次電池3を接続し、携帯機器へ電力を供給する場合について、本件の臨時の場合の電力供給方法を説明する。
【0025】
蓄電池2の残量が無くなった時、臨時の電池として入手が容易である1次電池を(例えば006P 9V電池を使用する場合を示す)使用する。1次電池3の取付方法は、先ず図2(a)に示す状態から、窪み13に使用者の指を入れて図3の矢印Y方向へ引き起こし、図2(b)の状態にする。この時、蓋部9は支軸11を軸に回動する。そして、図2(d)及び図3(b)に示す状態まで回動させる。すると接続端子6が露出する。この接続端子6に1次電池3を、図2(d)の矢印A方向へ移動させ、図2(e)に示すように接続する。
【0026】
この接続端子6は本件の例では、1次電池として006P電池(9V電池)を使用しているため、接続端子6自身で電池を保持する機能を有しており、本件の場合他の特別な保持機構を必要としない。
【0027】
これにより、1次電池3が蓄電池2に接続され、1次電池3の電力が本体1へ供給されることになり、再度、本体1は使用することが可能となる。
【0028】
次に、本実施の形態における電源供給について説明する。
【0029】
図4は本実施の形態における電源供給を説明するためのブロック図で、本体部1と蓄電池2と一次電池3の電気的な接続状態を示している。まず、図2(a)及び図3(a)に示すように蓋部9が閉じられた状態では、開閉検出部21は蓋部9の閉状態を検出しているため、スイッチ22をa側へ接続し、蓄電池2の電気(第1の電源部23)だけが本体部1へ供給される。
【0030】
一方、蓋部9を所定角度開くと、開閉検出部21は蓋部9が開いた状態を検出し、スイッチ22をb側へ接続する。これにより、1次電池3(第2の電源部24)からの電気だけが、本体部1へ供給される構成となっている。なお、電池切替手段としてスイッチ22を設けたが、これは機械的手段および電気的手段のいずれの手段を用いても良い。
【0031】
これにより、同時に2つの電池の電力が本体1に供給されることが防止でき、かつ蓄電池2に1次電池3の電力が蓄電池に流れ込み、電力が無駄に消費することを防止することができる。但しこの機能は電池の種類や構成により、必ずしも必要な機能ではない。
【0032】
以上のように本実施の形態によれば、蓄電池2に一次電池3を接続可能な端子6を設けたことにより、本体1を蓄電池2で使用中に電池残量が無くなったとしても、補助的に一次電池3を接続可能としたので、本体1の使用持続時間を長くすることができる。また、比較的入手しやすい一次電池3を使用可能としたので、使い勝手も優れる。また、一次電池3を接続する端子6を蓋部9に設け、蓋部9を蓄電池2に対して収納可能としたことにより、蓄電池2の美観や品格を損なわないですむ。
【0033】
なお、本例では電池として、自己保持機構を有する1次電池の例として説明したが必ずしもこの電池である必要はなく、他の1次電池の使用にて構成することも可能である。
【0034】
又、臨時に使用する電池は必ず1次電池である必要もない。
【0035】
さらに 蓋部9は蓄電池2の形状によっては不要であり、電池切換手段は 手動によるスイッチか、1次電池の外形を認識するようなスイッチによることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明にかかる携帯機器では、突然の蓄電池の残量低下に対して1次電池のみを用意すれば、臨時に継続使用可能であり、蓄電池を用いた携帯機器全般に対する用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態に於ける携帯機器を示した斜視図
【図2】本発明の実施の形態に於ける携帯機器の蓄電池に一次電池を接続する手段の斜視図
【図3】同実施の形態における蓄電池の構成を示す断面図
【図4】同実施の形態における電源切換の構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0038】
1 本体部
2 蓄電池
3 1次電池
6 接続端子
9 蓋部
21 開閉検出部
22 スイッチ
23 第1の電源部
24 第2の電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池により動作する携帯機器であって、本携帯機器に着脱自在でかつ本携帯機器に電力供給可能な第1の電池と、前記第1の電池の外郭に収納自在に設けられかつ第2の電池を着脱自在な装着手段とを備えたことを特徴とする携帯機器。
【請求項2】
記録媒体に映像信号や音声信号を記録および再生する携帯機器であって、前記携帯機器の本体部と、脱着自在な第1の蓄電池と、第1の蓄電池と脱着自在である第2の電池と、前記第1の蓄電池から前記携帯機器への電力の供給を前記第2の電池から前記携帯機器への電力の供給へ切替える電池切替手段とを有することを特徴とする携帯機器。
【請求項3】
装着手段が第2の電池を着脱可能な状態の時は、前記第2の電池からの電源電圧を装置本体へ供給し、前記装着手段が前記第2の電池を着脱不可能な状態の時は、第1の電池からの電源電圧を装置本体へ供給するよう切り換えることを特徴とする請求項1記載の携帯機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−33983(P2006−33983A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−208140(P2004−208140)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】