説明

携帯用デバイスのグラフィカルユーザインタフェースにおけるナビゲーション

本発明は、ミュージック/MP3プレーヤ、携帯電話機、PDA、デジタルカメラのような携帯用ディスプレイデバイス上でメタデータを提示及び閲覧することに関する。グラフィカルユーザインタフェース(GUI)は、異なるカテゴリに設けられたメタデータにアクセスし、この階層的順序を決定する。メタデータカテゴリは、GUI上の別個の窓枠においてカテゴリ項目のメニューにおいて示される。デバイスの回転は、回転センサにより検出され、回転により、回転前に閲覧されたメニューを伴う窓枠がGUI内に保持され、回転前に閲覧されたカテゴリの階層的な上位又は下位カテゴリを表す少なくとも1つの窓枠及びメニューが、追加又は除去される。これは、ユーザが、デバイスを回転させることによりGUIに示されたメタデータカテゴリを展開又は折り畳むことを可能にする。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転センサ入力を受信するグラフィカルユーザインタフェース(GUI)でメタデータを提示して閲覧するためのディスプレイ及び方法をもつ電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機及びMP3プレーヤのような携帯用電子デバイスの小型化は、小さくコンパクトな多機能デバイスで効率的なユーザインタラクションを実現するのが容易ではないので、ユーザインタフェース(UI)及びGUIの設計者の意欲をかき立てる。
【0003】
キー配列及び複雑なメニューシステムを導入することによるプッシュボタンの追加又はこれらの使用による過負荷が予め調査されるが、電子デバイスとのユーザの双方向性の深刻な制限をもたらす。
【0004】
米国特許出願公開第2003/0085870号明細書は、デバイスがどのように扱われるかについての感知手段を導入し、ユーザジェスチャを、実行されるべきコマンドに変換することにより、電子デバイスの応答可能性を向上するための方法について述べている。特に、特定の向きにおいて開口する窓は、向きが変化したときに隠される。
【0005】
また、連続的に増大する、斯様な携帯用デバイスで実行される機能の数及び複雑性は、UI及びGUIで要求される性能を増大させる。それ故、これは、依然として、スクリーンサイズやUIにおける固有の制限に起因した、大量のデータを閲覧及びナビゲートするための問題として理解される。
【0006】
従って、ユーザインタフェースの効率を向上させるために、大量のデータの容易な提示及び閲覧を提供可能なユーザインタフェースを備えた携帯用電子デバイスの必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ユーザがデバイスの回転により携帯用ディスプレイデバイスの追加メニューを開又は閉にすることを可能とすることにより、好ましくは前述した欠点の1又はそれ以上を軽減、緩和又は除去しようとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、第1の態様において、メタデータを提示及び閲覧するためのディスプレイをもつ改良された携帯用電子デバイスを提供することにより達成される。斯様な電子ディスプレイデバイスは、電子ディスプレイデバイスの回転により、回転前に閲覧されたメニューをもつ表示されたグラフィカルユーザインタフェース内の窓枠を保持し、回転前に閲覧されたカテゴリの階層的な上位又は下位カテゴリを提示するメニューをもつ表示されたグラフィカルユーザインタフェース内の少なくとも1つの窓枠を追加又は除去するように構成されたグラフィカルユーザインタフェースコントローラを用いることにより、従来技術の前述した問題を解決する。これにより、関連するカテゴリ項目の追加のメニューは、ユーザによるデバイスの回転により開又は閉にされ、これにより、ポインティングデバイスやキーボードのようなユーザインタフェースの削減された使用でデータを閲覧するという利点を提供する。
【0009】
GUIコントローラは、例えば、GUIソフトウェアにアクセスしこれを実行するための電子プロセッサに接続されたデバイスのメモリ内に保持されるGUIソフトウェアにより具現され得る。ここで、窓枠は、例えば同一のデータ又はオブジェクトに関連付けられた関連データを提示するGUI内の分離した部分として理解され得る。ここで、メタデータは、関連付けられたデータの内容の記述であるデータであって、音楽ファイルの歌のタイトル及びアーティストのカテゴリ又はe−mailの発信者及び受信日のカテゴリのような異なるカテゴリにおいて順序付けられ得るデータとして理解される。グラフィカルユーザインタフェースコントローラメタデータは、メタデータの階層順序を決定することができ、これは、メタデータのカテゴリが、例えばGUIコントローラにより、連続するレベル若しくは層、又は、メタデータのカテゴリのタイプにより論理的に決定され得る重複階層構造に分類又は割り当てられるか又は割り当てられ得ることを意味するが、これは、シーケンシャルな(例えばアルファベット順の)順序に従って簡単に適用されてもよい。各カテゴリは、表示されたグラフィカルユーザインタフェースにおけるカテゴリ項目のメニューにより表され、各メニューは、分離した窓枠に示される。閲覧されるカテゴリは、スクロール、マークアップ若しくはハイライト又は他のアクティビティのようなユーザ選択又はナビゲーションの対象となるか、又は、ユーザが選択又はナビゲーションを行った最新のメニューである、カテゴリ項目のメニューを意味する。
【0010】
第2の態様において、本発明は、携帯用電子デバイス上でメタデータを提示及び閲覧するための方法であって、異なるカテゴリに設けられた、複数のファイルに典型的に関連するメタデータを与えるステップと、前記メタデータの階層順序を決定するステップと、前記デバイス上で示されるべきGUI内のカテゴリ項目のメニュー毎に各カテゴリを表すステップであって、各メニューが別個の窓枠において示されるステップと、閲覧されるカテゴリ項目のメニューを含む少なくとも1つの窓枠をもつGUIを表示するステップと、典型的に横方向と縦方向との間において、前記デバイスの表示を回転させるステップと、表示されたGUIにおいて、回転前に閲覧される前記メニューをもつ窓枠を保持するステップと、GUI中の1又はそれ以上の表示を展開するか又は折り畳むように、回転前に閲覧されたカテゴリの階層的な上位又は下位カテゴリを表すメニューをもつ表示されたグラフィカルユーザインタフェース内の少なくとも1つの窓枠を追加又は除去するステップとを有する、方法を提供する。
【0011】
第3の態様において、本発明は、ディスプレイをもつ携帯用電子デバイス内の電子処理ユニット上でソフトウェア製品が実行されるときに、本発明の前述した態様の方法を実行するように処理ユニットに命令するためのソフトウェア製品に関する。
【0012】
前記及び以下において述べられた異なる定義、実施形態、例及び実装は、一の態様にのみに関連して述べられたとしても、本発明の全ての態様に適用可能である。
【0013】
オーディオ又はビデオデータのメタデータの例は、アーティスト、アルバム、プレイリスト、レーティング、日付、ジャンル及びタイトルを有する。携帯電話機上の住所録のメタデータの例は、名/姓、会社、グループ、関係であり得る。
【0014】
ディスプレイデバイスの関連する回転は、第1の向きから第2の向きであり、第1の回転は、好ましくは第2の向きから約90°回転される。好ましくは、45°のような、GUIコントローラが、ユーザが向きを変えることを意図していることを推測する、第1の向きと第2の向きとの間の限界回転角度が設定される。好ましくは、ディスプレイは矩形であり、第1及び第2の向きは、横方向及び縦方向又はその逆である。
【0015】
一実施形態において、好ましくはデバイスが縦方向から横方向に回転されたときにメニューが追加され、追加された窓枠は、回転前に閲覧されたメニューをもつ窓枠の隣に示されるだろう。縦方向に戻る第2の回転により、第2の回転時に閲覧されないメニューが除去され得る。他の関連実施形態において、好ましくはデバイスが横方向から縦方向に回転されたときにメニューが追加され、追加された窓枠は、回転前に閲覧されたメニューをもつ窓枠の上又は下に示されるだろう。横方向に戻る第2の回転により、第2の回転時に閲覧されないメニューが除去され得る。これらの実施形態は、表示エリアの最適利用を可能にするという利点を提供し、どの実施形態を適用するかはメタデータ、グラフィカル表示及びアプリケーションのタイプに依存し得る。
【0016】
更に他の実施形態において、好ましくはデバイスが予め決められた時間期間内の第1の時間の間に回転されたときにメニューが追加され、好ましくはデバイスが予め決められた時間期間内の第2の時間の間に回転されたときにメニューが除去される。これは、ユーザが、デバイスの最初の位置に関わらず、デバイスの回転及び反対回転により追加のメニューを素早く開及び閉にすることができるという利点を提供する。予め決められた時間期間は、メタデータを展開する回転とメタデータを折り畳む反対回転との間を区別するために付与される。
【0017】
好ましい実施形態において、ポインティングデバイスはマルチポイントタッチパッドであり、選択及び閲覧はマルチポイントタッチジェスチャを使用する。この実施形態において、グラフィカルユーザインタフェースコントローラは、好ましくは、マルチポイントタッチパッドからの入力により、ユーザの展開又はピンチのジェスチャを決定し、ユーザの展開又はピンチのジェスチャが決定されたときに、閲覧されるカテゴリの階層的な上位又は下位カテゴリを表すメニューを伴う、表示されたグラフィカルユーザインタフェース内の少なくとも1つの窓枠を追加又は除去するように更に構成される。この実施形態は、様々なカテゴリメニューの展開/折り畳みの更なる制御を提供するので有利である。例えば前記の例に適用されるときには、ユーザは、マルチポイントタッチパッド上の展開ジェスチャを介して、プレイリストのような第3の窓枠のための空間を生成し得るか、又は、ピンチジェスチャにより窓枠のうち一つを除去し得る。表示された窓枠は、空間が不足する場合においては歪められ、ユーザに見える順序で設けられる。
【0018】
本発明の一実施形態において、第1の向き及び第2の向きは、1又はそれ以上の加速度計からのデータ解析に基づいて検出され、電子ディスプレイデバイスの回転を検出するセンサは、好ましくは、3次元加速度センサである。斯様なセンサは、ディスプレイデバイスの回転及び傾斜の双方を決定することを可能にする。これらの動作は、ディスプレイ面に対して垂直である、ディスプレイを通る軸をピンチすることにより規定され得る。回転は、この心棒の周りをデバイスに回転させる一方で、軸が固定位置におけるポイントに保持され、傾斜は、軸の方向を変化させる一方で、デバイスを回転させない。ほとんどの場合、移動は、傾斜と回転の動作の組み合わせである。デバイスが例えばフラットに保持される場合、例えば軸が鉛直になるようにテーブル上にある場合には、回転の検出は、斯様な場合において横方向及び縦方向が明確に区別されないので行えない。
【0019】
好ましくは、回転センサは、向きの変化を決定することについてヒステリシスの適用を可能にする。例えば、これは、誤って生じ得る不明確なジェスチャの回転に対する応答を遅延させる。
【0020】
本発明の実施形態の基本的な考えは、回転センサを用いてGUI中に示されたカテゴリメタデータのカテゴリの展開又は折り畳みを可能にし、これにより、この動作のための従来のUIポインティングデバイスの使用を必要としない。
【0021】
本発明は、添付図面を参照して、単なる例により、説明されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】縦方向モード(第1の方向)における本発明のディスプレイデバイスの一実施形態を示す。
【図2】カテゴリ項目のメニューをもつ追加の窓枠の追加を伴う、横方向モード(第2の方向)における図1のディスプレイデバイスを示す。
【図3】カテゴリ項目のメニューをもつ追加の窓枠の追加を伴う、図2のディスプレイデバイスを示す。
【図4】本デバイスを示す。
【図5】本発明の実施形態の方法及びソフトウェア製品を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下において、本発明のメタデータを閲覧するためのディスプレイをもつ携帯用電子デバイス及びその方法の実施形態が図1〜3に関して説明される。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態によるメタデータを提示及び閲覧するためのディスプレイ2をもつ携帯用電子デバイス1の一例を概略的に示している。ディスプレイ2は、メタデータを閲覧するためのGUIを表示する。グラフィカルユーザインタフェースにおいて閲覧及び選択するための入力は、マルチポイントタッチパッド、マウス、ポインティングスティック、ローラー、タッチパッド又はナビゲーション/矢印ボタンのようなポインティングデバイス3を介してユーザにより入力される。この実施形態におけるポインティングデバイス3は、マルチポイントタッチパッドである。マルチポイントタッチパッド3は、グラフィカルユーザインタフェースにおいて閲覧及び選択するためのユーザ入力を受信するために用いられる。電子デバイスは、第1の向き(ここでは縦方向)に保持され、GUIコントローラ(図示省略)は、メタデータに従ってカテゴリ項目6のメニュー5を含む第1の窓枠4を表示する。この実施形態において、関連付けられたデータ、ここでは音楽ファイルの内容を記述するメタデータカテゴリ項目6は、画像7に関連付けられた曲名6である。ユーザは、メニュー中の曲名をスクロール及び/又は選択することによりメタデータを閲覧することができる。
【0025】
図2は、第1の向きから第2の向き(ここでは横方向)への回転後の図1のディスプレイデバイス1を示している。電子ディスプレイデバイス(図示省略)の回転を検出するためのセンサは、回転を感知し、異なる向きの間の回転を検出する入力をGUIコントローラに送信する。回転後に、GUIコントローラは、回転前に閲覧されたメニュー5をもつ表示されたGUIにおける窓枠4を維持する。また、GUIコントローラは、回転前に閲覧されたカテゴリの階層的な上位又は下位カテゴリを表すメニュー9を伴う、表示されたGUIにおける窓枠8を追加する。新たなメニュー9のメタデータカテゴリは、メタデータの階層的な順序に基づいて決定される。この順序は、メタデータカテゴリ入力がファイルにおいてリスト化されるシーケンスにおいて固有のものであり(例えばコンマで区切られるか又は同様のもの)、それ故、GUIコントローラにより簡単に読み取られるだろう。代わりに、GUIコントローラは、ディスプレイデバイスにプログラムされた命令に基づいて階層的な順序をメタデータに割り当ててもよい。当業者が理解するように、デバイスのタイプ及び特定のアプリケーションに依存した、階層的な順序のメタデータの多くのオプションが存在する。図2で示された実施形態において、曲名6のメニュー5が窓枠4内に保持され、曲名6のメニュー5の上位カテゴリであるアルバム名10のメニュー9が、表示されたGUIにおける第2の窓枠8に追加される。この第2の窓枠8は、窓枠セパレータ11により窓枠4から分離される。それ故、縦方向から横方向への回転は、ここでは回転前に閲覧されたメタデータの上位カテゴリを伴う、GUIに示されたメタデータカテゴリの展開をもたらす。
【0026】
カテゴリ入力のメニューをもつ窓枠が表示されたGUIから除去される同様の実施形態は、前記のプロセスを逆転させ、第2の向き(図2)から第1の向き(図1)にデバイスを回転させることにより想定され得る。回転前に、窓枠4のメニュー5が閲覧される。この場合において、縦方向から横方向への回転は、回転前に閲覧されたメタデータの上位カテゴリを表すメニュー9をもつ窓枠8の除去により、GUIに示されたメタデータカテゴリの折り畳みをもたらすだろう。
【0027】
回転により窓枠及びメニューを追加及び除去する場合の幾つかのオプション、並びに、ユーザがメニューの追加又は除去を制御するための異なるスキームは先に述べられている。これらは、全て、前記の図1及び2に関して述べられた実施形態と同様に実装され得る。
【0028】
図3は、図1及び2のマルチポイントタッチパッドを備えたデバイスに基づく本発明の他の実施形態を示す。ここで、グラフィカルユーザインタフェースコントローラは、図2の表示されたGUIに対するユーザの展開ジェスチャにより、メタデータカテゴリ項目14の更なるメニュー13を含む第3の窓枠12の追加をもたらすように構成される。既存の窓枠4及び8は、第3の窓枠12を表示するために歪められ、より多くのメタデータを収容する。従って、第2の窓枠セパレータ15は、3つの異なる窓枠を区切るために存在する。更に、ユーザは、マルチポイントタッチパッドに対する展開ジェスチャにより、より多くのメタデータを収容するために新たな窓枠を生成することができる。この場合において、新たな窓枠のための空間を作り依然としてユーザに見えるようにするために、窓枠はこれらの寸法を削減し、メニューは好ましくはこれらの歪み角度を変更するだろう。ユーザは、表示された窓枠のうち一つについて関心をもたないと感じた場合には、ピンチジェスチャを用いて不所望なものを隠すことにより所望の窓枠だけを見るように選択することができる。
【0029】
本発明の一実施形態のGUIコントローラは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの任意の組み合わせを含む任意の適切な形式で実装され得る。GUIコントローラ又はその幾つかの特徴は、1若しくはそれ以上のデータプロセッサ及び/又はデジタル信号プロセッサを実行するコンピュータソフトウェアとして実装され得る。GUIコントローラの一実施形態の要素及び部品は、任意の適切な手法で物理的、機能的及び論理的に実装され得る。実際には、本機能性は、単一のユニットにおいて、複数のユニットにおいて、又は、他の機能ユニットの部分として、実装されてもよい。
【0030】
図4は、本発明の一態様のディスプレイデバイス1の一実施形態のハードウェアの図である。ここで、GUIコントローラは、メモリに格納され、電子処理ユニットにより実行されるソフトウェア製品として具現される。このメモリは、例えば、フラッシュメモリ又はハードドライブであり、電子処理ユニットは、例えばCPUである。この場合において、GUIコントローラは、GUIソフトウェア製品、メモリ及びプロセッサの組み合わせにより提供される。回転センサは、デバイスの向きを検出し、その向きをGUIコントローラに通信する。GUIコントローラは、ポインティングデバイス及び回転センサからのユーザ入力により、表示されたGUIの内容を決定する。
【0031】
図5は、図4に関して述べられたGUIソフトウェア製品のような本発明の一態様によるソフトウェア製品の一実施形態のアーキテクチャを示すためのフローチャート18を示す。加えて、フローチャート18は、本発明の他の態様によるメタデータを提示及び閲覧するための方法の一実施形態を示す。
【0032】
ボックス20において、GUIソフトウェアは、メタデータにアクセスし、これらをカテゴリ別に配列する。メタデータは、GUIソフトウェアと同一のディスプレイデバイスのメモリに、ディスプレイデバイスの他のメモリに、又は、ネットワーク接続を介してアクセス可能なようなディスプレイデバイスの外部に、格納され得る。ボックス21において、GUIは、メタデータの階層的順序を適用する。メタデータの階層的順序は、簡素な実施形態において、順序を検出するか又は割り当てることを意味する。順序において、メタデータカテゴリは、以下で述べられるメニューを追加又は除去するときに互いに下位/上位カテゴリになる。ボックス22において、GUIソフトウェアは、例えば図1における曲7のリストを示すメニュー5により示されるような、カテゴリ項目のメニュー毎に各カテゴリを表す。ボックス23において、GUIソフトウェアは、ディスプレイ内のメニューを含む少なくとも1つの窓枠を表示するための出力を供給する。ボックス24において、GUIソフトウェアは、回転センサから入力を受信し、回転前に閲覧されたメニューをもつ前の窓枠(ボックス25)をディスプレイにおいて保持し、回転前に閲覧されたカテゴリの階層的な上位又は下位カテゴリを表すメニューをもつ少なくとも一つの窓枠を追加するか(ボックス26)又は少なくとも一つの窓枠を除去するか(ボックス27)のいずれかを行う。
【0033】
本発明は、特に、排他的ではないが、ミュージックプレーヤ、携帯電話機、PDA、デジタルカメラ、電子カレンダー、電子メールボックス、オフィスアプリケーション、例えばExcelのような、複数のメタデータをもつコンテンツを表示する携帯用デバイスに対して有利である。一例として、本発明は、ユーザにより回転され得る任意のポータブルディスプレイデバイスに適用され得る。"携帯用(handheld)"という用語は、単に、ディスプレイデバイスが、ユーザが適切な管理可能な態様で操作又は回転可能なデバイスであること、及び、ユーザによる斯様な操作又は回転が手によって実行されることが好ましいことを示すために、この文書で用いられた。他の例として、本発明は、i-Pod Touch又はi-Phoneのようなミュージックプレーヤに適用され得る。これらにおいて、曲名のようなメタデータカテゴリの閲覧後の縦方向から横方向への回転は、カテゴリアルバムタイトルを表す単一の窓枠をもたらすが、ここでは曲名は可視ではない。本発明を適用することにより、縦方向から横方向へのデバイスの回転は、2つの窓枠GUI、例えば一方の窓枠においてカテゴリアルバムタイトルを表すメニュー及び他方においてカテゴリ曲名を表すメニューへの展開をもたらし得る。
【0034】
本発明は、特定の実施形態と組み合わせて説明されたが、これは、ここに記載された特定の形式に限定されることを意図するものではない。むしろ、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定される。請求項において、"有する"という用語は、他の要素又はステップの存在を除外するものではない。加えて、個々の特徴が異なる請求項に含まれ得るが、これらは場合によっては有利に組み合わせられ、異なる請求項における包含はこれらの特徴の組み合わせが実現可能ではないこと及び又は有利ではないことを意味するものではない。加えて、単数表記は複数を除外するものではない。それ故、"第1","第2"等の参照は、複数を妨げるものではない。更に、請求項における参照符号は、その範囲を限定するものとして考慮されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタデータを提示及び閲覧するための携帯用電子デバイスであって、
メタデータを閲覧するためのグラフィカルユーザインタフェースを表示するためのディスプレイと、
前記グラフィカルユーザインタフェースにおいて閲覧及び選択を行うためのユーザ入力を受信するためのポインティングデバイスと、
当該デバイスの回転を検出するためのセンサと、
グラフィカルユーザインタフェースコントローラとを有し、
前記グラフィカルユーザインタフェースコントローラは、
異なるカテゴリに設けられたメタデータの階層的順序を決定し、
表示されたグラフィカルユーザインタフェース内のカテゴリ項目のメニューに毎に各カテゴリを表して、別個の窓枠において各メニューを示し、
前記センサからの入力により当該デバイスの異なる向きの間の回転を決定し、
当該デバイスの回転により、
回転前に閲覧されたメニューを伴う、表示されたグラフィカルユーザインタフェース内の窓枠を保持し、
回転前に閲覧されたカテゴリの階層的な上位又は下位カテゴリを表すメニューを伴う、表示されたグラフィカルユーザインタフェース内の少なくとも1つの窓枠を追加又は除去する、デバイス。
【請求項2】
前記ポインティングデバイスはマルチポイントタッチパッドであり、選択及び閲覧はマルチポイントタッチジェスチャを使用する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記グラフィカルユーザインタフェースコントローラは、前記マルチポイントタッチパッドからの入力により、ユーザの展開又はピンチのジェスチャを決定し、前記ユーザの展開又はピンチのジェスチャが決定されたときに、閲覧されるカテゴリの階層的な上位又は下位カテゴリを表すメニューを伴う、表示されたグラフィカルユーザインタフェース内の少なくとも1つの窓枠を追加又は除去するように更に構成される、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記メタデータは、オーディオ又はビデオデータに関するアーティスト、アルバム、プレイリスト、レーティング、日付、ジャンル、タイトルを有する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
当該デバイスの回転を検出するためのセンサは、3次元加速度センサである、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
携帯用電子デバイス上でメタデータを提示及び閲覧するための方法であって、
異なるカテゴリに設けられたメタデータを与えるステップと、
前記メタデータの階層順序を決定するステップと、
前記デバイスのディスプレイ上で示されるべきグラフィカルユーザインタフェース内のカテゴリ項目のメニュー毎に各カテゴリを表すステップであって、各メニューが別個の窓枠において示されるステップと、
閲覧されるカテゴリ項目のメニューを含む少なくとも1つの窓枠をもつGUIを表示するステップと、
前記デバイスを回転させるステップと、
表示されたグラフィカルユーザインターフェースにおいて、回転前に閲覧された前記メニューを伴う窓枠を保持するステップと、
回転前に閲覧されたカテゴリの階層的な上位又は下位カテゴリを表すメニューを伴う、前記表示されたグラフィカルユーザインタフェース内の少なくとも1つの窓枠を追加又は除去するステップとを有する、方法。
【請求項7】
電子処理ユニット上でソフトウェア製品が実行されるときに、請求項6に記載の方法を実行するように処理ユニットに命令するためのソフトウェア製品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2012−502386(P2012−502386A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526609(P2011−526609)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際出願番号】PCT/IB2009/053955
【国際公開番号】WO2010/029506
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】