携帯端末、データ送信システムおよびデータ送信方法
【課題】、本発明においては、データを直感的に移動させることができる携帯端末、データ送信システムおよびデータ送信方法を提供することを目的とする。
【解決手段】選択部103aは、移動元タッチパネルであるタッチパネル101aにおいて表示されているデータをユーザの指示に基づいて選択し、近距離無線通信部107aは、選択されたデータを通信相手である携帯端末100bに送信する。その後、検出部104aは、選択されたデータのタッチパネル101aにおける表示範囲のうち、任意の位置から当該タッチパネルの外端部に向けた移動元スライド操作をタッチパネル101aにおいて検出すると、表示制御部105aは、当該移動元スライド操作に従った外端部方向に向けてデータをスライド表示させるように、タッチパネル101aを制御する。
【解決手段】選択部103aは、移動元タッチパネルであるタッチパネル101aにおいて表示されているデータをユーザの指示に基づいて選択し、近距離無線通信部107aは、選択されたデータを通信相手である携帯端末100bに送信する。その後、検出部104aは、選択されたデータのタッチパネル101aにおける表示範囲のうち、任意の位置から当該タッチパネルの外端部に向けた移動元スライド操作をタッチパネル101aにおいて検出すると、表示制御部105aは、当該移動元スライド操作に従った外端部方向に向けてデータをスライド表示させるように、タッチパネル101aを制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを備える携帯端末、およびこれを備えたデータ送信システム並びにデータ送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネルを備える携帯端末が普及しており、直感的な操作を可能にしている。例えば、タッチパネルに表示されているアイコンをタッチすることにより、所定のアプリケーションを起動することができる。また、特許文献1においては、アイコンなどのオブジェクトをドラッグなどすることによりオブジェクトの移動をさせることの記載があり、直感的な操作を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−250463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザの要望として、オブジェクトや写真データなどのデータを他の端末に移動(またはコピー)したい場合があり、その場合、移動したいオブジェクトを選択し、その後、宛先を入力し、若しくは宛先リストから一の宛先を選択することにより、データの移動を可能にしている。
【0005】
しかしながら、このような操作は手間のかかるものであり、直感的な操作とは言い難く、決して操作性がよいものとはいえない。特許文献1に記載されているように、同一端末ないにおいてドラッグすることによりデータの移動をすることは考えられているが、異なる端末間においてデータの移動をさせることを想定したものではなく、データの直感的な移動を実現できない。
【0006】
そこで、上述の課題を解決するために、本発明においては、データを直感的に移動させることができる携帯端末、データ送信システムおよびデータ送信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の携帯端末は、データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動元タッチパネルと、前記移動元タッチパネルにおいて表示されているデータを選択する選択手段と、前記選択手段により選択されたデータを通信相手に送信する送信手段と、前記選択手段により選択されたデータの前記移動元タッチパネルにおける表示範囲のうち、任意の位置から当該タッチパネルの外端部に向けた移動元スライド操作を前記移動元タッチパネルにおいて検出する検出手段と、前記検出手段により当該移動元スライド操作を検出すると、当該移動元スライド操作に従った外端部方向に向けて前記データをスライド表示させるように、前記移動元タッチパネルを制御する表示制御手段と、を備え、前記送信手段は、前記表示制御手段による前記データのスライド表示を行う前に、前記データの送信を完了していることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、移動元タッチパネルにおいて表示されているデータを選択し、選択されたデータを通信相手に送信する。その後、選択されたデータの移動元タッチパネルにおける表示範囲のうち、任意の位置から当該タッチパネルの外端部に向けた移動元スライド操作を移動元タッチパネルにおいて検出すると、当該移動元スライド操作に従った外端部方向に向けてデータをスライド表示させるように、移動元タッチパネルを制御する。これにより、直感的な操作で、データを移動元から移動先に送信することができ、事前に移動先にデータを送信しているため、移動先においてもデータのスライド表示を行うことができ、ユーザは直感的な操作を実感することができる。
【0009】
また、本発明の携帯端末は、前記検出手段により移動元スライド操作が検出されると、前記送信手段は、通信相手に移動元においてスライド操作したこと、または移動元においてスライド操作した時刻を通知することが好ましい。
【0010】
この発明によれば、移動元スライド操作が検出されると、通信相手に移動元においてスライド操作したこと、または移動元においてスライド操作した時刻を通知することができる。すなわち、移動先においてデータ削除のための基準時となる時刻を通知することができる。
【0011】
また、本発明の携帯端末は、前記データのファイルサイズが所定値以上である場合には、前記表示制御手段は、前記タッチパネルにおいて、予め用意されたダミーデータをスライド表示させることが好ましい。
【0012】
この発明によれば、データのファイルサイズが所定値以上である場合には、タッチパネルにおいて、予め用意されたダミーデータをスライド表示させることで、データの送信が完了できない場合にも、直感的な操作を実現することができる。
【0013】
また、本発明の携帯端末は、位置情報を測位する移動元測位手段をさらに備え、前記送信手段は、ネットワーク上に配置されている中継サーバを介して、通信相手にデータを送信し、当該送信に先立って、前記中継サーバに対して、スライド表示をさせるための機能を起動したことを示す起動情報および前記移動元測位手段により測位された位置情報を通知することが好ましい。
【0014】
この発明によれば、ネットワーク上に配置されている中継サーバを介して、通信相手にデータを送信し、当該送信に先立って、中継サーバに対して、スライド表示をさせるための機能を起動したことを示す起動情報および測位された位置情報を通知することにより、中継サーバにおいて、データの送信処理を実行しようとする移動先および移動元の携帯端末の組み合わせを特定することができる。
【0015】
また、本発明の携帯端末は、上記携帯端末からデータを受信する受信手段と、前記受信手段により受信されたデータを記憶する記憶手段と、データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動先タッチパネルと、前記移動先タッチパネルにおいて、当該移動先タッチパネルの外端部から内側に向けた移動先スライド操作を検出する移動先検出手段と、前記移動先検出手段により当該移動先スライド操作を検出すると、前記記憶手段に記憶されているデータを、前記移動先スライド操作に従った外端部から内側に向けた方向にスライド表示させるように、前記タッチパネルを制御する移動先表示制御手段と、を備えている。
【0016】
この発明によれば、上記移動元携帯端末からデータを受信し、受信されたデータを記憶する。そして、移動先タッチパネルにおいて、当該移動先タッチパネルの外端部から内側に向けた移動先スライド操作を検出すると、記憶されているデータを、移動先スライド操作に従った外端部から内側に向けた方向にスライド表示させるように、タッチパネルを制御する。これにより、直感的な操作で、データを移動元から受信することができ、事前に移動元からデータを受信しているため、移動先においてもデータのスライド表示を行うことができ、ユーザは直感的な操作を実感することができる。
【0017】
また、本発明の携帯端末は、前記記憶手段に記憶されているデータを削除する削除手段をさらに備え、前記受信手段は、上記移動元の携帯端末において移動元スライド操作が行われた旨の通知、当該通知が送信された時刻、若しくは移動元スライド操作が行われた時刻を受信し、前記通知が送信された時刻、前記通知が受信された時刻、または移動元スライド操作が行われた時刻のいずれかを基準時として所定時間内に、前記移動先スライド操作が行われると、前記移動先表示制御手段は、前記タッチパネルにおいてデータのスライド表示を行い、所定時間内に、前記移動先スライド操作が行われないと、前記移動先表示制御手段による前記タッチパネルにおいてデータのスライド表示を行うことなく、前記削除手段は、前記データを前記記憶手段から削除することが好ましい。
【0018】
この発明によれば、移動元携帯端末において移動元スライド操作が行われた旨の通知、当該通知が送信された時刻、若しくは移動元スライド操作が行われた時刻を受信し、通知が送信された時刻、通知が受信された時刻、または移動元スライド操作が行われた時刻のいずれかを基準時として所定時間内に、移動先スライド操作が行われると、タッチパネルにおいてデータのスライド表示を行い、所定時間内に、移動先スライド操作が行われないと、タッチパネルにおいてデータのスライド表示を行うことなく、データは削除される。これにより、直感的な操作を実現するために、データの先送り処理をした場合において、データの送信操作が実行されなかった場合の、問題を解消することができる。すなわち、ユーザは、選択操作はしたが、結局スライド操作をせずに、データを送る操作をしなかった場合でも、データは移動先携帯端末に送信されてしまうという問題があったが、基準時から所定時間内でデータは削除されることになり、結果的に移動先携帯端末にはデータは送信されないことになる。
【0019】
また、本発明の携帯端末は、所定の条件の下において、前記タッチパネルにおいて、予め用意されたダミーデータがスライド表示されることが好ましい。
【0020】
この発明によれば、所定の条件の下において、例えばダミーデータがスライド表示されたことの通知があった場合や、スライド表示の対象となるデータの受信が完了していない場合には、タッチパネルにおいて、予め用意されたダミーデータがスライド表示される。よって、データの送信が完了できないようなデータについても、直感的な操作を可能にする。
【0021】
また、本発明の携帯端末は、位置情報を測位する移動先測位手段をさらに備え、前記受信手段は、ネットワーク上に配置されている中継サーバを介して、通信相手からデータを受信し、当該受信に先立って、前記中継サーバに対して、スライド表示をさせるための機能を起動したことを示す起動情報および前記移動先測位手段により測位された位置情報を通知することが好ましい。
【0022】
この発明によれば、ネットワーク上に配置されている中継サーバを介して、通信相手にデータを受信し、当該受信に先立って、中継サーバに対して、スライド表示をさせるための機能を起動したことを示す起動情報および測位された位置情報を通知することで、中継サーバにおいて、データの送信処理を実行しようとする移動先および移動元の携帯端末の組み合わせを特定することができる。
【0023】
また、本発明のデータ送信システムは、移動元携帯端末と、移動先携帯端末と、中継サーバとからなるデータ送信システムにおいて、前記移動元携帯端末は、位置情報を測位する移動元測位手段と、予め定められたデータ送信機能を起動する移動元起動手段と、前記移動元測位手段により測位された位置情報、前記移動元起動手段によりデータ送信機能が起動された旨を示す起動情報を、前記中継サーバに通知する移動元通知手段と、データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動元タッチパネルと、前記移動元タッチパネルにおいて表示されているデータを選択する選択手段と、前記選択手段により選択されたデータを前記中継サーバに送信する送信手段と、前記選択手段により選択されたデータの前記移動元タッチパネルにおける表示範囲のうち、任意の位置から当該タッチパネルの外端部に向けた移動元スライド操作を前記移動元タッチパネルにおいて検出する検出手段と、前記検出手段により当該移動元スライド操作を検出すると、当該移動元スライド操作に従った外端部方向に向けて前記データをスライド表示させるように、前記移動元タッチパネルを制御する表示制御手段と、を備え、前記移動先携帯端末は、位置情報を測位する移動先測位手段と、予め定められたデータ送信機能を起動する移動先起動手段と、前記移動先測位手段により測位された位置情報および前記移動先起動手段によりデータ送信機能が起動された旨を示す起動情報を、前記中継サーバに通知する移動先通知手段と、前記移動元携帯端末からデータを受信する受信手段と、前記受信手段により受信されたデータを記憶する記憶手段と、データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動先タッチパネルと、前記移動先タッチパネルにおいて、当該移動先タッチパネルの外端部から内側に向けた移動先スライド操作を検出する移動先検出手段と、前記移動先検出手段により当該移動先スライド操作を検出すると、前記記憶手段に記憶されているデータを、前記移動先スライド操作に従った外端部から内側に向けた方向にスライド表示させるように、前記タッチパネルを制御する移動先表示制御手段と、を備え、前記中継サーバは、前記移動元携帯端末の識別情報、位置情報および起動情報、前記移動先携帯端末の識別情報、位置情報、および起動情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された各位置情報、起動情報および起動情報に基づいて、前記移動元携帯端末および前記移動先携帯端末の組み合わせを特定する特定手段と、前記移動元携帯端末からデータを受信すると、前記特定手段により組み合わせが特定された移動先携帯端末に対してデータを転送する中継手段と、を備えている。
【0024】
この発明によれば、移動元携帯端末および移動先携帯端末のそれぞれが、位置情報およびデータ送信機能が起動された旨を示す起動情報を中継サーバに通知し、中継サーバにおいては、これら情報に基づいて、携帯端末の組み合わせを特定することができる。よって、簡単な操作で移動元携帯端末および移動先携帯端末の組み合わせを決定することができるとともに、直感的な操作をもってデータの送信処理を行うことができる。
【0025】
また、本発明は、方法の発明として捉えることもできる。その作用効果は、携帯端末およびデータ送信システムと同じである。すなわち、本発明のデータ送信方法は、データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動元タッチパネルを有する移動元携帯端末、およびデータの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動先タッチパネルを有する移動先携帯端末を利用したデータ送信方法において、前記移動元タッチパネルにおいて表示されているデータを選択する選択ステップと、前記選択ステップにより選択されたデータを通信相手に送信する送信ステップと、前記選択ステップにより選択されたデータの前記移動元タッチパネルにおける表示範囲のうち、任意の位置から当該タッチパネルの外端部に向けた移動元スライド操作を前記移動元タッチパネルにおいて検出する検出ステップと、前記検出ステップにより当該移動元スライド操作を検出すると、当該移動元スライド操作に従った外端部方向に向けて前記データをスライド表示させるように、前記移動元タッチパネルを制御する移動元表示制御ステップと、を備え、移動元携帯端末からデータを受信する受信ステップと、前記受信ステップにより受信されたデータを記憶手段に記憶する記憶ステップと、データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動先タッチパネルと、前記移動先タッチパネルにおいて、当該移動先タッチパネルの外端部から内側に向けた移動先スライド操作を検出する移動先検出ステップと、前記移動先検出ステップにより当該移動先スライド操作を検出すると、前記記憶手段に記憶されているデータを、前記移動先スライド操作に従った外端部から内側に向けた方向にスライド表示させるように、前記タッチパネルを制御する移動先表示制御ステップと、を備え、前記送信ステップは、前記移動元表示制御ステップによる前記データのスライド表示を行う前に、前記データの送信を完了していることを特徴とする。
【0026】
また、本発明のデータ送信方法は、データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動元タッチパネルを有する移動元携帯端末と、データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動元タッチパネルを有する移動先携帯端末と、中継サーバとからなるデータ送信システムのデータ送信方法において、前記移動元携帯端末は、位置情報を測位する移動元測位ステップと、予め定められたデータ送信機能を起動する移動元起動ステップと、前記移動元測位ステップにより測位された位置情報および前記移動元起動ステップによりデータ送信機能が起動された旨を、前記中継サーバに通知する移動元通知ステップと、前記移動元タッチパネルにおいて表示されているデータを選択する選択ステップと、前記選択ステップにより選択されたデータを前記中継サーバに送信する送信ステップと、前記選択ステップにより選択されたデータの前記移動元タッチパネルにおける表示範囲のうち、任意の位置から当該タッチパネルの外端部に向けた移動元スライド操作を前記移動元タッチパネルにおいて検出する移動元検出ステップと、前記検出ステップにより当該移動元スライド操作を検出すると、当該移動元スライド操作に従った外端部方向に向けて前記データをスライド表示させるように、前記移動元タッチパネルを制御する移動元表示制御ステップと、を備え、前記移動先携帯端末は、位置情報を測位する移動先測位ステップと、予め定められたデータ送信機能を起動する移動先起動ステップと、前記移動先測位ステップにより測位された位置情報および前記移動先起動ステップによりデータ送信機能が起動された旨を示す起動情報、前記中継サーバに通知する移動先通知ステップと、前記移動元携帯端末からデータを受信する受信ステップと、前記受信ステップにより受信されたデータを記憶手段に記憶する記憶ステップと、前記移動先タッチパネルにおいて、当該移動先タッチパネルの外端部から内側に向けた移動先スライド操作を検出する移動先検出ステップと、前記移動先検出ステップにより当該移動先スライド操作を検出すると、前記記憶手段に記憶されているデータを、前記移動先スライド操作に従った外端部から内側に向けた方向にスライド表示させるように、前記タッチパネルを制御する移動先表示制御ステップと、を備え、前記中継サーバは、前記移動元携帯端末の識別情報、位置情報および起動情報、前記移動先携帯端末の識別情報、位置情報および起動情報を受信する受信ステップと、前記受信ステップにより受信された各位置情報および起動情報に基づいて、前記移動元携帯端末および前記移動先携帯端末の組み合わせを特定する特定ステップと、前記移動元携帯端末からデータを受信すると、前記特定ステップにより組み合わせが特定された移動先携帯端末に対してデータを転送する中継ステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、直感的な操作で、データを移動元から移動先に送信することができ、事前に移動先にデータを送信しているため、移動先においてもデータのスライド表示を行うことができ、ユーザは直感的な操作を実感することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本実施形態の携帯端末100aおよび携帯端末100bを用いたシステム構成を示すシステム構成図である。
【図2】、携帯端末100aの機能構成を示すブロック図である。
【図3】携帯端末100aのハードウェア構成図である。
【図4】この携帯端末100bの機能構成を示すブロック図である。
【図5】本実施形態において構成されたデータ送信システム(携帯端末100aおよび携帯端末100b)の処理を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態の変形例における携帯端末100aおよび携帯端末100bのデータ送信のフローチャートを示す。
【図7】携帯端末100aと携帯端末100bとを横に並べたときの操作の具体例を示す説明図である。
【図8】携帯端末100aと携帯端末100bとを縦に並べたときの操作の具体例を示す説明図である。
【図9】移動先となる携帯端末が2台あった場合における具体例を示す説明図である。
【図10】第二の実施形態のデータ送信システムのシステム構成図である。
【図11】携帯端末100dの機能構成を示すブロック図である。
【図12】携帯端末100eの機能構成を示すブロック図である。
【図13】中継サーバ200の機能構成を示すブロック図である。
【図14】管理テーブル203の具体例を示す説明図である。
【図15】本実施形態のデータ送信システムの処理を示すフローチャートである。
【図16】本実施形態の変形例における処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0030】
<第一の実施形態>
図1は、本実施形態の携帯端末100aおよび携帯端末100bを用いたシステム構成を示すシステム構成図である。図1に示されるとおり、携帯端末100aがデータの移動元の携帯端末となり、携帯端末100bがデータの移動先の携帯端末となる。そして、携帯端末100aから携帯端末100bに対して、選択されたデータが送信される。なお、以降、データの移動とは、移動元からデータを削除して送信するもののほか、データのコピー等、単に移動元からデータを削除することなく、移動先に送信することを含むものとする。
【0031】
この携帯端末100aおよび携帯端末100bについて説明する。図2は、携帯端末100aの機能構成を示すブロック図である。この携帯端末100aは、タッチパネル101a、アプリケーション102a、近距離無線通信部107a(送信手段)、および記憶部108aを含んで構成されている。さらにこのアプリケーション102aは、選択部103a(選択手段)、検出部104a(検出手段)、および表示制御部105a(表示制御手段)を含んで構成されている。このアプリケーション102aは、データ送信機能を実行するためのものである。
【0032】
このように構成された携帯端末100aは、図3に示されるハードウェアにより構成される。図3は、携帯端末100aのハードウェア構成図である。図2に示される携帯端末100aは、物理的には、図3に示すように、CPU11、主記憶装置であるRAM12及びROM13、入力デバイスでありディスプレイであるタッチパネル101a、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール16、半導体メモリ等の補助記憶装置17などを含むコンピュータシステムとして構成されている。図2において説明した各機能は、図3に示すCPU11、RAM12等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU11の制御のもとでタッチパネル101a、通信モジュール16を動作させるとともに、RAM12や補助記憶装置17におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。以下、図2に示す機能ブロックに基づいて、各機能ブロックを説明する。
【0033】
タッチパネル101aは、ユーザからのパネルに対するタッチ操作を受け付け、その座標情報を入力する入力手段として機能するとともに、アイコンや写真などのデータを表示する表示手段として機能する部分である。本実施形態においては、タッチパネル101aは、表示されているアイコンや写真などのデータに対して、ユーザから指等によるタッチを受け付け、タッチされた状態でスライド操作を受け付けると、当該データを移動し、そのスライド操作に従った方向にスライド表示する。
【0034】
アプリケーション102aは、データを転送するためのデータ送信アプリケーションであり、ユーザにより選択されたデータを、通信相手に対して送信するとともに、タッチパネル101aにおいてスライド操作(またはドラッグ操作とも言う)された方向に従って、タッチパネル101aにおいてデータをスライド表示させるものである。このアプリケーション102aが起動されると、外部装置を探索するために、近距離無線通信部107aによる探索処理が行われ、外部装置である携帯端末100bが探索される。以下、アプリケーション102aを構成する各構成要素について説明する。
【0035】
選択部103aは、タッチパネル101aにおいて表示されているデータを、当該タッチパネル101aにおいてユーザによりタッチ操作されたことが検出されたことにより選択する部分である。選択部103aにおいて選択されたデータは、近距離無線通信部107aにより外部装置(本実施形態では携帯端末100b)に送信される。なお、移動先においてデータを特定しやすいようにデータの識別情報を付与して送信してもよい。
【0036】
検出部104aは、タッチパネル101aにおいて、ユーザにより操作された操作内容を検出する部分であり、例えば、ユーザが、選択部103aにより選択されたデータをスライド操作したか否か、かつそのスライド操作した方向は、タッチパネル101aの内側から外縁方向に向けた方向であるか否かを判断する部分である。具体的には、検出部104aは、タッチパネル101aにおけるタッチされた座標に基づいてその方向を判断することができる。
【0037】
表示制御部105aは、検出部104aにおいて検出されたスライド操作に従った方向に、データをスライド表示するようタッチパネル101aにおける表示を制御する部分である。
【0038】
近距離無線通信部107aは、アプリケーション102aが起動したときに、周囲にいる外部装置である携帯端末100bを探索し、通信接続するとともに、検出部104aにおける検出処理に先立って、選択部103aにおいて選択されたデータを送信する部分である。例えば、ブルートゥースなどの近距離無線通信を実行するものである。また、検出部104aにおいて、タッチパネル101aに対してスライド操作をしたことを検出した場合には、その検出したスライド操作時刻を、近距離無線通信部107aは、携帯端末100bに送信するようにしてもよい。
【0039】
なお、データを送信する際に、携帯端末100bにおいて、データのスライド操作を検出するための基準時となる、携帯端末100aにおいてデータを選択した選択時刻や、データを送信した送信時刻などを含めるようにしてもよい。
【0040】
記憶部108aは、写真データなどの各種データを記憶する部分である。この記憶部108aに記憶されているデータは、タッチパネル101aに表示され、ユーザにより選択可能な状態に表示される。なお、この記憶部108aは、送信対象となるデータが所定サイズ以上である場合に用いられる、スライド表示のためのダミーデータを記憶するように構成されてもよい。
【0041】
このように構成された携帯端末100aにおいて、タッチパネル101aに写真データなどのデータが表示され、ユーザのタッチ操作に従って、選択部103aにより一のデータが選択される。そして、選択部103aにおいて選択されたデータは、ユーザによるスライド操作が検出部104aにより検出されることに先だって、近距離無線通信部107aにより携帯端末100bに送信される。そして、送信後若しくは送信処理に並行してユーザによりスライド操作が行われると、そのスライド操作の方向に表示制御部105aはデータのスライド表示を行うことができる。
【0042】
つぎに、データの移動先となる携帯端末100bについて説明する。図4は、この携帯端末100bの機能構成を示すブロック図である。図4に示されるように携帯端末100bは、タッチパネル101b(移動先タッチパネル)、アプリケーション102b、近距離無線通信部107b(受信手段)、および記憶部108b(記憶手段)を含んで構成されている。さらにこのアプリケーション102bは、検出部104a(移動先検出手段)、表示制御部105a(移動先表示制御手段)、および削除部106b(削除手段)を含んで構成されている。このアプリケーション102bは、データ送信機能を実行するためのものである。なお、データの移動元となる携帯端末100aとそのハードウェア構成は同じであり、例えば、図3に示されたハードウェア構成をとるものである。
【0043】
タッチパネル101bはユーザからのパネルに対するタッチ操作を受け付け、その座標情報を入力する入力手段として機能するとともに、データを表示する表示手段として機能する部分である。
【0044】
アプリケーション102bは、写真データなどのデータを転送するためのデータ送信アプリケーションであり、携帯端末100aのユーザにより選択され、送信されたデータを、受信するとともに、スライド表示させる制御を行うものである。以下、アプリケーション102bを構成する各構成要素について説明する。
【0045】
検出部104bは、タッチパネル101bにおいて、ユーザにより操作された操作内容を検出する部分であり、例えば、ユーザが、近距離無線通信部107bにおいてデータを受信し、その後、スライド操作をしたスライド操作時刻を受信した後、タッチパネル101bに対してスライド操作したか否か、かつそのスライド操作した方向は、タッチパネル101aの外縁部分から内側へ向けた方向であるか否かを判断する部分である。さらに、検出部104bは、当該スライド操作が、携帯端末100aにおいてスライド操作したスライド操作時刻を基準時として、所定時間以内に行われたか否かを判断する。なお、スライド操作時刻に基づいた判断に限るものではなく、データの受信後所定時間内、若しくは、携帯端末100aにおいてデータ選択若しくはデータ送信した時点を基準時として所定時間内に行われたか、否かを判断するようにしてもよい。
【0046】
なお、この所定時間は、ユーザが携帯端末100aと携帯端末100bとを、タッチパネル101aおよび101bを上面にして並べて、携帯端末100aから携帯端末100bに対してスライド操作(ドラッグ操作)するのに必要な時間であればよく、0.5秒から1秒程度の時間である。また、この時間は設定値であり、端末の大きさなどに応じて、適切な時間を設定することが好ましい。
【0047】
表示制御部105bは、近距離無線通信部107bにおいて受信され、すでに記憶部108bに記憶されているデータを、検出部104bにおいて検出されたスライド操作の方向に従って、タッチパネル101bにおいてスライド表示させる部分である。表示制御部105bは、記憶部108bからデータを取得し、表示処理を行う。なお、この記憶部108bには、移動元の携帯端末100aにおいて選択されたデータが一つだけ記憶されているように構成されている。
【0048】
削除部106bは、検出部104bにおいて、基準時から所定時間内にスライド操作を検出できなかった場合に、対応するデータを記憶部108bから削除する部分である。すなわち、記憶部108bにおいては、データとともに、上述した基準時を示す時刻が記憶されており、削除部106bが、その時刻が所定時間を超えていると判断した場合に、データを記憶部108bから削除する。
【0049】
記憶部108bは、写真データなどの各種データを記憶する部分であり、近距離無線通信部107bにより受信されたデータを、そのスライド操作時刻等の基準時を示す時刻情報と対応付けて一時記憶する部分である。この記憶部108aに記憶されているデータは、ユーザによるスライド操作時に、タッチパネル101bにスライド表示される。なお、この記憶部108aは、一のデータのみを記憶することで、表示制御部105bは、タッチパネル101bにおいてスライド表示されるときに用いられるデータを必然的に一つの決定することができる。
【0050】
なお、送信対象となるデータが所定サイズ以上である場合に用いられる、スライド表示のためのダミーデータを記憶するように構成されてもよいが、スライド表示対象となるデータと区別して記憶する必要がある。
【0051】
近距離無線通信部107bは、近距離無線通信部107aと同等の機能を有するものであって、携帯端末100aから送信されたデータ、スライド操作をした旨などの各種情報を、ブルートゥースを利用して受信し、記憶部108bに記憶する。
【0052】
このようにして、携帯端末100bは、まず携帯端末100aにおいて選択されたデータを受信し、一旦記憶部108bに記憶しておき、その後、検出部104bにおいてタッチパネル101bにおいて、基準時から所定時間内にスライド操作がされたことを検出すると、対応するデータをタッチパネル101bにスライド表示させることができる。これにより、直感的な操作によってデータを移動させることができるとともに、データの移動を直感的に把握することができる。
【0053】
なお、上述携帯端末100aは、識別情報の通知を行い、携帯端末100bにおいては、その識別情報を受信して、記憶し、移動対象となるデータの識別情報を共有するようにしてもよい。そうすることにより、複数のデータを扱うことを可能にする。
【0054】
つぎに、このように構成された携帯端末100aおよび携帯端末100bの処理について説明する。図5は、本実施形態において構成されたデータ送信システム(携帯端末100aおよび携帯端末100b)の処理を示すフローチャートである。
【0055】
まず、携帯端末100aおよび携帯端末100bにおいて、それぞれアプリケーション102aおよびアプリケーション102bがユーザ操作により起動される(S101)。そして、これらアプリケーション102aおよびアプリケーション102bが起動されると、近距離無線通信部107aおよび近距離無線通信部107bによるブルートゥースによる接続処理が行われる(S102)。この接続処理では、データの移動元である携帯端末100aが、周囲にいる携帯端末100bを探索し、通信相手として選択をする(S103)。この選択処理はユーザによる操作により行われてもよいし、探索した全てのユーザを選択してもよし、所定の条件(例えば、電話帳に登録されている端末など)に基づいて自動的に行われてもよい。
【0056】
そして、ブルートゥースの通信接続が完了すると(S104)、タッチパネル101aにおいて記憶部108aに記憶されているデータの一覧(または、サムネイル形式若しくは、選択可能に切り替えられるもの)が表示される(S105)。そして、ユーザはその一覧をみながら、タッチパネル101aを介して選択操作を行い、選択部103aにより選択が行われる(S106)。選択部103aによる選択後、近距離無線通信部107aにより、S103において選択された通信相手(ここでは携帯端末100b)にデータが送信される(S107)。なお、送信されるデータには、後述するスライド時刻に代えて、携帯端末100bにおいてスライド操作を検出するための基準時となる、データを選択した時刻や、データを送信した時刻などを含めるようにしてもよい。
【0057】
携帯端末100bにおいて、近距離無線通信部107bによりデータが受信され(S108)、記憶部108bに一旦データは記憶される(S109)。
【0058】
一方、携帯端末100aにおいて、選択されたデータの送信後、タッチパネル101aにおいて、選択対象となるデータが表示されている範囲からタッチパネル101aの外縁部に向けたスライド操作の有無が判断され、そのスライド操作の方向に応じたスライド表示が表示制御部105aにより行われるとともに、スライド操作をしたスライド操作時刻が携帯端末100bに送信される(S110)。
【0059】
携帯端末100bにおいて、タッチパネル101bにおいて、その外縁部から内側に向けたスライド操作の有無が判断される(S111)。そして、当該スライド操作が、携帯端末100aにおけるスライド操作を行ったスライド操作時刻(基準時)から所定時間以内であるか否かが、検出部104bにおいて判断される(S112)。そして、所定時間以内であると判断される場合には、記憶部108bからデータが読み出され、表示制御部105bによりタッチパネル101bにおいてデータはスライド表示されるとともに、記憶部108bにおいてデータは記憶された状態が維持される(S113)。なお、記憶部108bには、データが一つしかないため、データを特定する必要はない。すなわち、スライド操作を検出した時点で、上述の基準時の判断処理を行った後に、唯一記憶されている一のデータを読み出せばよいのである。
【0060】
また、基準時から所定時間以内にスライド操作はないと、検出部104bにおいて判断されると(S112:NO、S111:NO)、削除部106bにより、該当するデータは記憶部108bから削除される(S114)。
【0061】
このようにして、ユーザは、移動したデータをスライド操作することにより、データの移動を実行するとともに、その移動の状態を直感的に理解できる状態で表示させることができる。
【0062】
つぎに、本実施形態の変形例について説明する。この変形例においては、移動しようとするデータが大容量であって、スライド操作をしている間に、データの送信が完了しない場合には、実際に送信対象となるデータを表示するのではなく、ダミーデータを表示しようとするものである。このダミーデータの表示形態には特に規定はないが、送信対象となるデータを模したものがよい。例えば写真データであれば、写真データであることが分かるようなデータがよい。図6は、本実施形態の変形例における携帯端末100aおよび携帯端末100bのデータ送信のフローチャートを示す。
【0063】
S101からS108までは、図5に示される処理と同じである。そして、近距離無線通信部107aにより選択されたデータが送信されると、その送信されたデータのサイズが所定サイズ以下であるか否かが、表示制御部105aにより判断される(S107a)。そして、所定サイズ以下ではない場合には、表示制御部105aにより記憶部108aに記憶されているダミーデータが取得される。ユーザによりスライド操作が行われると、表示制御部105aにより、ダミーデータは、そのスライド方向に従ってスライド表示されるとともに、スライド操作をしたスライド操作時刻が携帯端末100eに送信される(S110)。また、所定サイズ以下である場合には、検出部104aによりスライド操作が検出されると、表示制御部105aにより、選択されたデータのスライド表示が行われる。
【0064】
携帯端末100bにおいて、タッチパネル101bに対して、その外縁部から内側に向けたスライド操作の有無が検出部104bにより、判断される(S111)。そして、当該スライド操作が、携帯端末100aにおけるスライド操作の基準時から所定時間以内であるか否かが、検出部104bにおいて判断される(S112)。そして、所定時間以内であると判断される場合には、表示制御部105bによりタッチパネル101bにおいてダミーデータが記憶部108bから取得され、表示制御部105bにより、ダミーデータはスライド表示されるとともに、記憶部108bにおいてデータは記憶された状態が維持される(S113)。なお、ダミーデータを利用するか否かは、記憶部108bにおいて記憶されているデータが所定サイズ以上である場合、若しくはデータの受信(若しくは記憶)が完了していない場合には、ダミーデータを利用するものと判断する。
【0065】
また、基準時から所定時間以内にスライド操作がなかった場合には(S112:NO、S111:NO)、検出部104bにおいて判断されると、削除部106bにより、該当するデータは記憶部108bから削除される(S114)。
【0066】
このようにして、データサイズが所定サイズ以上である場合には、近距離無線通信によるデータ送信が完了しない場合が想定される。そのため、移動先となる携帯端末100bにおいて、スライド表示させるデータがない場合があるため、ダミーデータを用いることで、直感的なデータの移動を可能にするものである。なお、移動先と、移動元において、データの視覚的形態が異なると直感的な操作を担保できないため、移動元においてもダミーデータを用いることが好ましい。
【0067】
なお、通常、ブルートゥースの最大速度は3Mbpsであり、3MBのファイルを8秒で送信することができる。よって、ここでの所定サイズは、2秒程度で送信が完了できる時間のサイズを設定しておくことが好ましいが、当然これに限定されるものではない。
【0068】
本実施形態の携帯端末100aおよび携帯端末100bによる操作の具体例について説明する。図7および図8は、操作を示す具体例を示す説明図であり、図7は、携帯端末100aと携帯端末100bとを横に並べたときの操作の具体例を示し、図8は、携帯端末100aと携帯端末100bとを縦に並べたときの操作の具体例を示す。
【0069】
図7(a)に示されるとおり、携帯端末100aには、データD1が表示されている。このデータD1は、記憶部108aに記憶されているデータである。これをユーザはタッチ(選択)し、右方向にスライド操作することにより、データD1は、スライド表示される(図7(b))。タッチパネル101aからはみ出したデータD1については表示されない。
【0070】
一方、図7(b)に示されるとおり、携帯端末100bにおいては、ユーザの指がタッチパネル101bに接触して、スライド操作されたことが検出されると、記憶部108bからデータD2が読み出され、そのユーザのスライド操作に応じてスライド表示される。上述したとおり、記憶部108bには、データD2のみが記憶されているためそのデータのみを取り出せばよい。
【0071】
そして、図7(c)に示されるとおり、携帯端末100bにおいて、スライド操作が完了して、タッチパネル101bのほぼ中央にデータD2が表示される。
【0072】
このようにして、ユーザは指をタッチパネル101aおよびタッチパネル101bに対して、表示されているデータをタッチして、データを特定し、そしてスライド操作することにより、直感的なデータの移動を行うことができる。
【0073】
なお、携帯端末100aおよび携帯端末100bの向きをそろえてスライド操作およびスライド表示させる場合には、データの表示向きを加工する必要はないが、互いに逆方向を向いている場合には、そのスライド表示されるデータの向きを加工することが好ましい。例えば、データが携帯端末100aの右側に向けてスライド表示される場合には、右側にスライドしている旨を、事前に(例えばスライド操作した時点)携帯端末100bに通知しておき、携帯端末100bにおいては、左右いずれの方向からスライド操作がなされたかを判断することにより、データの表示向きを加工する。
【0074】
例えば、携帯端末100aにおいて右側に向けたスライド操作をされたことの通知を受け、その後、携帯端末100bにおいて左側からスライド操作を検出すると、表示制御部105bは、そのままデータの表示向きを変えることなく、表示する。逆に、所定時間内に右側からスライド操作を受けたと判断した場合には、表示制御部105bは、携帯端末同士は互いに逆方向を向いていると判断して、携帯端末100bにおいて表示されるデータを、上下を反対に(すなわち180度回転)して、表示させる。これにより、より直感的な操作を実感することができる。後述する図8等においても、同様に、携帯端末100aにおけるスライド方向と、携帯端末100bにおけるスライド方向に基づいて、携帯端末100bにおけるデータの表示向きを変えるようにする。
【0075】
図8(a)から(c)についても、同様であり、ユーザがデータD1についてスライド操作させることにより、携帯端末100aにおいては縦方向にデータD1がスライド表示され、携帯端末100bにおいては、ユーザのスライド操作(タッチ位置)にしたがってデータD2が下からスライド表示される。
【0076】
なお、データが携帯端末100aおよび携帯端末100bを跨いでいるとき、すなわち、両端末にその一部(データD1およびデータD2のそれぞれの一部)が表示されているとき、データD1とデータD2とが結合されて、一枚のデータとして視認できることが望ましい。
【0077】
そのために、携帯端末100aは、スライド操作の対象となるデータD1に対して、スライド操作をするためにタッチした位置(座標:スライド操作の始点)を、操作位置として携帯端末100bに、事前に通知しておく。例えば、スライド操作をした時点(図5におけるS110の時点)が好ましい。そして、携帯端末100bにおいては、その操作位置に基づいて、データD2をどの部分からスライド表示させるかを判断して、その操作位置に応じたデータD2を加工し、若しくは表示制御を行い、スライド表示を行うる。これにより、データが携帯端末100aおよび携帯端末100bを跨いでいるときにも、データD1およびD2が結合されて、一つのデータとして視認することができる。
【0078】
また、移動先となる携帯端末が2台あった場合も同様の処理が可能となる。図9はその具体例を示す説明図である。図9(a)に示されるとおり、移動元となる携帯端末100aの縦方向に携帯端末100cが配置され、右隣に携帯端末100bが配置されている。そして、データD1が送信対象として選択された場合、携帯端末100aは、携帯端末100bおよび携帯端末100cに送信する。それぞれ携帯端末100bおよび携帯端末100cは、データを一旦記憶する。なお、携帯端末100cは、携帯端末100bと同機能を有するデータの移動先となる端末である。
【0079】
その後、図9(b)に示されるとおり、携帯端末100aは、データD1を右方向にスライド操作を行い、スライド表示されつつ、携帯端末100bでは、スライド操作のタッチを検出し、携帯端末100aにおけるスライド操作に引き続いて、携帯端末100bにおいてもスライド表示を行う。
【0080】
また、図9(c)に示されるとおり、図9(b)に示された携帯端末100bに送信した後、携帯端末100aにおいて携帯端末100cに向けてスライド操作を行うと、スライド表示され、携帯端末100cにおいて、携帯端末100bに対してスライド操作をした時点から所定時間内に、スライド操作が検出されると、データは携帯端末100cから削除されることなく、スライド表示処理が行われる。
【0081】
また、一方で、図9(d)に示されるとおり、携帯端末100cにおいて、携帯端末100bに対してスライド操作をした時点から所定時間内に、スライド操作が検出されない場合には、データは携帯端末100cから削除される。
【0082】
このようにして、複数台移動先となる携帯端末があったとしても、適正にデータの移動を行うことができる。なお、本実施形態では、移動と称しているが、携帯端末100aにおいて、データを削除する必要はない。直感的にデータを指定して、移動させることができれば、移動に限らず、コピーや、送信という処理としてもよい。
【0083】
つぎに、本実施形態の携帯端末100aおよび携帯端末100bの作用効果について説明する。
【0084】
本実施形態の携帯端末100aにおいて、選択部103aは、移動元タッチパネルであるタッチパネル101aにおいて表示されているデータをユーザの指示に基づいて選択し、近距離無線通信部107aは、選択されたデータを通信相手である携帯端末100bに送信する。その後、検出部104aは、選択されたデータのタッチパネル101aにおける表示範囲のうち、任意の位置から当該タッチパネルの外端部に向けた移動元スライド操作をタッチパネル101aにおいて検出すると、表示制御部105aは、当該移動元スライド操作に従った外端部方向に向けてデータをスライド表示させるように、タッチパネル101aを制御する。これにより、直感的な操作で、データを移動元の携帯端末100aから移動先の携帯端末100bに送信することができ、事前に移動先の携帯端末100bにデータを送信しているため、移動先の携帯端末100bにおいてもデータのスライド表示を行うことができ、ユーザは直感的な操作を実感することができる。
【0085】
また、検出部104aにおいて移動元スライド操作が検出されると、近距離無線通信部107aは、携帯端末100bに携帯端末100aにおいてスライド操作したこと、または移動元においてスライド操作した時刻を通知することができる。すなわち、移動先の携帯端末100bにおいてデータ削除のための基準時となる時刻を通知することができる。
【0086】
また、本実施形態の変形例における携帯端末100aにおいて、表示制御部105aが、送信しようとするデータのファイルサイズが所定値以上であると判断する場合には、タッチパネル101aにおいて、予め用意されたダミーデータをスライド表示させることで、データの送信が完了できない場合にも、直感的な操作を実現することができる。
【0087】
また、本実施形態の携帯端末100bにおいて、近距離無線通信部107bは、携帯端末100aからデータを受信し、記憶部108bは、受信されたデータを記憶する。そして、タッチパネル101bにおいて、検出部104bは、当該タッチパネル101bの外端部から内側に向けた移動先スライド操作を検出すると、表示制御部105bは、記憶部108bに記憶されているデータを、移動先スライド操作に従った外端部から内側に向けた方向にスライド表示させるように、タッチパネルを制御する。これにより、直感的な操作で、データを移動元から受信することができ、事前に移動元からデータを受信しているため、移動先においてもデータのスライド表示を行うことができ、ユーザは直感的な操作を実感することができる。
【0088】
また、本実施形態の携帯端末100bによれば、近距離無線通信部107bは、携帯端末100bにおいて移動元スライド操作が行われた旨の通知、当該通知が送信された時刻、若しくは移動元スライド操作が行われた時刻を受信し、表示制御部105bが、通知が送信された時刻、通知が受信された時刻、または移動元スライド操作が行われた時刻のいずれかを基準時として所定時間内に、移動先スライド操作が行われたことを判断すると、タッチパネル101bにおいてデータのスライド表示を行い、所定時間内に、移動先スライド操作が行われないと、削除部106bは、タッチパネル101bにおいてデータのスライド表示を行うことなく、記憶部108bからデータを削除する。これにより、直感的な操作を実現するために、データの先送り処理をした場合において、データの送信操作が実行されなかった場合の、問題を解消することができる。すなわち、ユーザは、選択操作はしたが、結局スライド操作をせずに、データを送る操作をしなかった場合でも、データは移動先携帯端末に送信されてしまうという問題があったが、基準時から所定時間内でデータは削除されることになり、結果的に移動先携帯端末にはデータは送信されないことになる。
【0089】
また、本実施形態の携帯端末100bによれば、携帯端末100aにおいて、ダミーデータがスライド表示されたことの通知があった場合や、スライド表示の対象となるデータの受信が完了していない場合などの、所定の条件下においては、タッチパネル101bにおいて、記憶部108bにおいて予め記憶されたダミーデータがスライド表示される。よって、データの送信が完了できないようなデータについても、直感的な操作を可能にする。
【0090】
<第二の実施形態>
つぎに、第二の実施形態の携帯端末100cおよび携帯端末100dから構成されるデータ送信システムについて説明する。図10は、第二の実施形態のデータ送信システムのシステム構成図である。図10に示されるとおり、データの移動元となる携帯端末100d、データの移動先となる携帯端末100e、およびネットワークNを介してデータを中継する中継サーバ200から構成されている。移動元の携帯端末100dおよび移動先の携帯端末100eは、所定の操作を行うことで、中継サーバ200においては、携帯端末100dおよび携帯端末100eを対応付けて管理しておき、携帯端末100dから受信したデータを携帯端末100eに中継転送することができる。
【0091】
このようなデータ送信システムにおける携帯端末100dおよび携帯端末100dの機能構成について説明する。図11は、携帯端末100dの機能構成を示すブロック図である。図11に示されるとおり、携帯端末100dは、タッチパネル101a、アプリケーション102a(移動元起動手段)、通信部107d(送信手段、移動元通知手段)、記憶部108a、および位置測位部109a(移動元測位手段)を含んで構成されている。さらにこのアプリケーション102aは、選択部103a、検出部104a、および表示制御部105aを含んでおり、データ送信機能を実行するためのものである。この携帯端末100dは、図3に示されるハードウェア構成により実現されている。
【0092】
この携帯端末100dは、近距離無線通信部107aに代えて、通信部107dを備えており、さらに位置測位部109aを備える点で、第一の実施形態における携帯端末100aと相違する。以下、この相違点について説明する。
【0093】
位置測位部109aは、GPS(Global Positioning System)や、基地局などを利用して、端末の現在位置を測位する部分である。この位置測位部109aは、アプリケーション102aが起動したときに、位置測位処理を行う。
【0094】
通信部107dは、中継サーバ200と通信する部分であり、選択部103aにおいて選択されたデータを中継サーバ200に送信して、記憶させる。また、このデータ送信処理に先立って、通信部107dは、アプリケーション102aが起動すると、位置測位部109aにおいて位置測位されて得られた位置情報を中継サーバ200に送信する。
【0095】
このようにして構成された携帯端末100dは、アプリケーション102aが起動したタイミングに合わせて、位置測位部109aは位置測位して端末の現在の位置情報を取得する。そして、通信部107dは、アプリケーション102aが起動した旨を示す情報、その時刻情報とともに、位置情報を中継サーバ200に送信する。
【0096】
そして、ユーザ操作により写真データなどのデータが選択部103aにおいて選択されると、通信部107dは、中継サーバ200に送信する。その後、ユーザ操作によりスライド操作が検出部104aにおいて検出されると、タッチパネル101aは、表示制御部105aの制御に従って、そのスライド操作に応じた方向にデータをスライド表示させる。
【0097】
つぎに、携帯端末100eについて説明する。図12は、携帯端末100eの機能構成を示すブロック図である。図12に示されるように、携帯端末100eは、タッチパネル101b、アプリケーション102b(移動先起動手段)、通信部107e、記憶部108b、および位置測位部109b(移動先位置測位手段)を含んで構成されている。さらにこのアプリケーション102bは、検出部104b、表示制御部105b、および削除部106bを含んでおり、データ送信機能を実行するためのものである。この携帯端末100eは、図3に示されるハードウェア構成により実現されている。
【0098】
この携帯端末100eは、近距離無線通信部107bに代えて、通信部107e(受信手段、移動先通知手段)を備えており、さらに位置測位部109b(移動先測位手段)を備える点で、第一の実施形態における携帯端末100bと相違する。以下、この相違点について説明する。
【0099】
位置測位部109bは、GPS(Global Positioning System)や、基地局などを利用して、端末の現在位置を測位する部分である。この位置測位部109bは、アプリケーション102bが起動したときに、位置測位処理を行う。
【0100】
通信部107eは、中継サーバ200と通信する部分であり、中継サーバ200から通信部107eにおいて受信されたデータを受信して、記憶部108bに記憶させる。また、このデータ受信処理に先立って、通信部107eは、アプリケーション102bが起動すると、位置測位部109bにおいて位置測位されて得られた位置情報を中継サーバ200に送信する。
【0101】
このようにして構成された携帯端末100eは、アプリケーション102bが起動したタイミングに合わせて、位置測位部109bは位置測位して端末の現在の位置情報を取得する。そして、通信部107eは、アプリケーション102bが起動した旨を示す情報、その時刻情報とともに、位置情報を中継サーバ200に送信する。
【0102】
そして、携帯端末100aからデータが受信されると、記憶部108bが記憶し、その後、タッチパネル101bにおいて、ユーザ操作によりスライド操作が検出部104bにおいて検出されると、タッチパネル101bは、表示制御部105bの制御に従って、そのスライド操作に応じた方向にデータをスライド表示させる。また、データ受信後に、基準時点から所定時間以内にスライド操作が検出部104bにおいて検出されない場合には、記憶部108bからデータの削除が行われる。
【0103】
つぎに、これら携帯端末100aおよび携帯端末100bと通信して、その組み合わせを管理するとともに、データの受け渡しを行う中継サーバ200について説明する。図13は、中継サーバ200の機能構成を示すブロック図である。図13に示されるように、中継サーバ200は、通信部201(受信手段、中継手段)、制御部202(特定手段)、および管理テーブル203を含んで構成される。この中継サーバは、CPU、RAM、ROM等から構成されるコンピュータシステムから構成されているものであり、ROM等に記憶されているプログラムに従って制御部202および通信部201が動作するものである。
【0104】
通信部201は、携帯端末100dおよび携帯端末100eと通信接続する部分であり、携帯端末100dからは、選択されたデータ、アプリケーション102bが起動した時刻情報、そのときの位置情報、アプリケーション102bが起動した旨を示す情報を受信し、携帯端末100eからは、アプリケーション102bが起動した時刻情報、そのときの位置情報、アプリケーション102bが起動した旨を示す情報を受信するとともに、携帯端末100eに対してデータの送信を行う部分である。
【0105】
制御部202は、通信部201において受信された位置情報、アプリケーション102aおよびアプリケーション102bが、それぞれ起動した時刻、そのときの時刻情報、並びに起動した旨を示す情報を、管理テーブル203に記憶するとともに、携帯端末同士の組み合わせを決定する部分である。
【0106】
管理テーブル203は、アプリケーションが起動したことを示す情報、時刻情報、および位置情報を対応付けて記憶する部分であり、携帯端末100dおよび携帯端末100eの組み合わせを決定するための情報を記憶する部分である。なお、本実施形態においては、時刻情報をそれぞれの携帯端末100dおよび携帯端末100eから受信して記憶しているが、それに限るものではなく、アプリケーションの起動情報を受信したときの時刻情報を記憶するようにしてもよい。
【0107】
図14は、その具体例を示す説明図である。図14に示されるとおり、アプリケーションが起動していることを示す情報、その時刻情報、および位置情報が対応付けて記憶されている。制御部202は、アプリケーションが起動していることを示す情報として、チェック“○”が記述されており、時刻差が所定時間以内にあり、さらに位置情報がおおむね一致若しくは、所定値以内である場合に、その携帯端末同士は、データ移動の処理を行う組み合わせであると判断できる。
【0108】
このような中継サーバ200は、携帯端末100dおよび携帯端末100eの組み合わせを適切に判断し、データの先送り処理を行うことができる。
【0109】
つぎに、このように構成された携帯端末100d、携帯端末100eおよび中継サーバ200からなるデータ送信システムの各処理について説明する。図15は、データ送信システムの処理を示すフローチャートである。
【0110】
まず、携帯端末100dおよび携帯端末100eにおいて、それぞれ、位置情報がオン設定される(S201、S201a)。すなわち、GPS機能がオン状態となる。そして、アプリケーション102aおよびアプリケーション102bが起動され、位置測位部109aおよび位置測位部109bにより、位置情報の取得処理が行われる。アプリケーションが起動した旨、その時刻情報、および測位した位置情報(以下、これら情報を登録情報と称する)が通信部107dおよび通信部107eにより、中継サーバ200に送信される(S202、S202a)。
【0111】
中継サーバ200においては、携帯端末100dおよび携帯端末100eにおいてそれぞれ送信された登録情報が、通信部201により受信され、管理テーブル203に記憶される。そして制御部202による判断に基づいて、携帯端末の組み合わせが決定される(S203)。
【0112】
そして、携帯端末100aにおいて、データ一覧がタッチパネル101aに表示され(S204)、ユーザ操作により一のデータが選択され、そのまま自動的にデータは中継サーバ200に送信される(S207)。中継サーバ200の宛先は、アプリケーション102aに記憶されているものであり、アプリケーション102aが起動した時点で、データの選択処理が行われると、自動的に中継サーバ200に送信されるように設定されている。
【0113】
中継サーバ200においては、携帯端末100aからデータがその発信元情報とともに受信され、管理テーブル203に基づいて対応する宛先となる携帯端末100eが決定され、通信部201によりそのまま中継転送される(S209)。
【0114】
携帯端末100eにおいては、通信部107eによりデータが受信され、記憶部108bに記憶される(S211)。
【0115】
その後、携帯端末100dにおいて、データの送信後、タッチパネル101aにおいて、選択対象となるデータが表示されている範囲からタッチパネル101aの外縁部に向けたスライド操作の有無が判断され、そのスライド操作の方向に応じたスライド表示が表示制御部105aにより行われるとともに、スライド操作をしたスライド操作時刻を、中継サーバ200を介して携帯端末100eに送信する(S212)。
【0116】
携帯端末100eにおいて、タッチパネル101bにおいて、その外縁部から内側に向けたスライド操作の有無が判断される(S213)。そして、当該スライド操作が、携帯端末100eにおけるスライド操作の基準時から所定時間以内であるか否かが、検出部104bにおいて判断される(S214)。そして、所定時間以内であると判断される場合には、表示制御部105bによりタッチパネル101bにおいてデータはスライド表示されるとともに、記憶部108bにおいてデータは記憶された状態が維持される(S215)。
【0117】
また、基準時から所定時間以内にスライド操作はないと、検出部104bにおいて判断されると(S213:NO、S214:NO)、削除部106bにより、該当するデータは記憶部108bから削除される(S216)。
【0118】
その後、携帯端末100dおよび携帯端末100eのそれぞれにおいて、アプリケーション102aおよびアプリケーション102bが終了処理されると(S217、S217a)、その旨が、中継サーバ200に通知され、中継サーバ200における管理テーブル203から、制御部202により、対応する組み合わせのユーザ情報が消去される。またS208において受信されたデータが記憶されている場合には、制御部202により、そのデータも削除される(S218)。
【0119】
このようにして、中継サーバ200を使ったデータの移動処理を行うことができる。
【0120】
つぎに、この第二の実施形態のデータ送信システムの変形例について説明する。この変形例は、移動しようとするデータのデータサイズが所定値以上である場合には、ダミーデータをスライド表示させることにより直感的な移動処理を行わせようとするものである。図16は、その変形例における処理を示すフローチャートである。
【0121】
ここでは、図15との相違点に着目して説明する。S201からS211までは、図15に示される処理と同じであり、中継サーバ200において、携帯端末100dおよび携帯端末100eの組み合わせが決定され、携帯端末100dにおいて選択されたデータは、携帯端末100eに送信される。
【0122】
そして、携帯端末100dにおいて、画像選択がされると、選択されたデータのデータサイズが所定値以下であるか否かが判断される(S211a)。所定値以下である場合には、選択されたデータを記憶部108aから読み出し、スライド表示のための処理に使われる。所定値以下ではない場合には、記憶部108aからダミーデータを読み出し(S212a)、ユーザによるスライド操作が行われると、ダミーデータをスライド表示させる(S212)。
【0123】
携帯端末100eにおいては、スライド操作を検出して(S213)、そのスライド操作が基準時点から所定時間以内である場合には(S214)、データの移動があったとして、データのスライド表示を行う(S215a)。なお、携帯端末100eにおいては、記憶部108bを参照して、記憶されているデータのデータサイズが所定値以下のものではない場合には、ダミーデータを利用し、またデータの受信が完了していない場合にも、同様にダミーデータを用いたスライド表示処理を行わせる。
【0124】
また、基準時から所定時間以内にスライド操作はないと、検出部104bにおいて判断されると(S213:NO、S214:NO)、削除部106bにより、該当するデータは記憶部108bから削除される(S216)。
【0125】
そして、アプリケーション102aおよびアプリケーション102bが終了されると(S217、S217a)、中継サーバ200から対応する携帯端末100aおよび携帯端末100bの組み合わせや、データが削除される(S218)。
【0126】
このようにして、中継サーバ200を利用して、ダミーデータを利用したスライド操作およびそのスライド表示処理を行わせることができ、データサイズによらず、直感的な操作を可能にさせる。
【0127】
つぎに、本実施形態の携帯端末100dおよび携帯端末100eの作用効果について説明する。
【0128】
本実施形態の携帯端末100dは、おおむね第一の実施形態と同様の作用効果を奏するが、中継サーバ200に対してデータ送信処理を行う点や、中継サーバ200が携帯端末100dおよび携帯端末100eの組み合わせを決定する点で相違する。すなわち、携帯端末100dにおいて、通信部107dは、ネットワーク上に配置されている中継サーバ200を介して、通信相手にデータを送信する。そして、通信部107dは、当該送信に先立って、中継サーバ200に対して、スライド表示をさせるための機能であるアプリケーション102aを起動したことを示す起動情報および測位された位置情報を通知することにより、中継サーバ200において、データの送信処理を実行しようとする移動先の携帯端末100dおよび移動元の携帯端末100eの組み合わせを特定することができる。
【0129】
また、本実施形態の携帯端末100eは、位置測位部109bをさらに備え、通信部107eは、ネットワーク上に配置されている中継サーバ200を介して、携帯端末100dからデータを受信し、当該受信に先立って、中継サーバ200に対して、スライド表示をさせるための機能を起動したことを示す起動情報および測位された位置情報を通知することで、中継サーバ200において、データの送信処理を実行しようとする移動先の携帯端末100dおよび移動元の携帯端末100eの組み合わせを特定することができる。
【0130】
そして、中継サーバ200において、通信部201は、携帯端末100dの識別情報、位置情報およびアプリケーション102a起動情報、携帯端末100eの識別情報、位置情報およびアプリケーション102bの起動情報を受信し、これら情報を管理テーブル203は一時記憶する。そして、制御部202は、受信された各位置情報および起動情報に基づいて、携帯端末100dおよび携帯端末100eの組み合わせを特定する。そして、通信部201は、携帯端末100dからデータを受信すると、制御部202により組み合わせが特定された携帯端末100eに対してデータを転送する。
【0131】
よって、携帯端末100dおよび携帯端末100eにおいて、中継サーバ200を利用したデータの送受信を行うことができ、ネットワークを利用したデータ送信の直感的な操作を実現することができる。
【0132】
また、携帯端末100dおよび携帯端末100eは、アプリケーション102aおよび102bの起動情報をはじめ、その時刻情報および位置情報を中継サーバ200に送信し、中継サーバ200では、これら情報に基づいて同時期に、同位置において、データ送信のための同じアプリケーションを起動させた場合には、それら携帯端末100dおよび100eは、互いにデータの送信を希望している端末であると判断することができ、それらを一組の端末として管理することができる。
【0133】
なお、移動元の携帯端末100dおよび移動先の携帯端末100eにおいて、それぞれアプリケーション102aおよびアプリケーション102bが起動した時刻情報を、起動情報等とともに中継サーバ200に通知して、それを管理テーブル203に記憶させてもよいし、中継サーバ200において、起動情報を受信した時刻を管理テーブル203に記憶させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0134】
100a、100b、100c 、100d、100e…携帯端末、101a、101b…タッチパネル、102a、102b…アプリケーション、103a …選択部、104a、104b…検出部、105a、105b…表示制御部、106b…削除部、107a、107b…近距離無線通信部、107d 、107e…通信部、108a、108b…記憶部、109a、109b…位置測位部、200…中継サーバ、201…通信部、202…制御部、203…管理テーブル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを備える携帯端末、およびこれを備えたデータ送信システム並びにデータ送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネルを備える携帯端末が普及しており、直感的な操作を可能にしている。例えば、タッチパネルに表示されているアイコンをタッチすることにより、所定のアプリケーションを起動することができる。また、特許文献1においては、アイコンなどのオブジェクトをドラッグなどすることによりオブジェクトの移動をさせることの記載があり、直感的な操作を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−250463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザの要望として、オブジェクトや写真データなどのデータを他の端末に移動(またはコピー)したい場合があり、その場合、移動したいオブジェクトを選択し、その後、宛先を入力し、若しくは宛先リストから一の宛先を選択することにより、データの移動を可能にしている。
【0005】
しかしながら、このような操作は手間のかかるものであり、直感的な操作とは言い難く、決して操作性がよいものとはいえない。特許文献1に記載されているように、同一端末ないにおいてドラッグすることによりデータの移動をすることは考えられているが、異なる端末間においてデータの移動をさせることを想定したものではなく、データの直感的な移動を実現できない。
【0006】
そこで、上述の課題を解決するために、本発明においては、データを直感的に移動させることができる携帯端末、データ送信システムおよびデータ送信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の携帯端末は、データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動元タッチパネルと、前記移動元タッチパネルにおいて表示されているデータを選択する選択手段と、前記選択手段により選択されたデータを通信相手に送信する送信手段と、前記選択手段により選択されたデータの前記移動元タッチパネルにおける表示範囲のうち、任意の位置から当該タッチパネルの外端部に向けた移動元スライド操作を前記移動元タッチパネルにおいて検出する検出手段と、前記検出手段により当該移動元スライド操作を検出すると、当該移動元スライド操作に従った外端部方向に向けて前記データをスライド表示させるように、前記移動元タッチパネルを制御する表示制御手段と、を備え、前記送信手段は、前記表示制御手段による前記データのスライド表示を行う前に、前記データの送信を完了していることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、移動元タッチパネルにおいて表示されているデータを選択し、選択されたデータを通信相手に送信する。その後、選択されたデータの移動元タッチパネルにおける表示範囲のうち、任意の位置から当該タッチパネルの外端部に向けた移動元スライド操作を移動元タッチパネルにおいて検出すると、当該移動元スライド操作に従った外端部方向に向けてデータをスライド表示させるように、移動元タッチパネルを制御する。これにより、直感的な操作で、データを移動元から移動先に送信することができ、事前に移動先にデータを送信しているため、移動先においてもデータのスライド表示を行うことができ、ユーザは直感的な操作を実感することができる。
【0009】
また、本発明の携帯端末は、前記検出手段により移動元スライド操作が検出されると、前記送信手段は、通信相手に移動元においてスライド操作したこと、または移動元においてスライド操作した時刻を通知することが好ましい。
【0010】
この発明によれば、移動元スライド操作が検出されると、通信相手に移動元においてスライド操作したこと、または移動元においてスライド操作した時刻を通知することができる。すなわち、移動先においてデータ削除のための基準時となる時刻を通知することができる。
【0011】
また、本発明の携帯端末は、前記データのファイルサイズが所定値以上である場合には、前記表示制御手段は、前記タッチパネルにおいて、予め用意されたダミーデータをスライド表示させることが好ましい。
【0012】
この発明によれば、データのファイルサイズが所定値以上である場合には、タッチパネルにおいて、予め用意されたダミーデータをスライド表示させることで、データの送信が完了できない場合にも、直感的な操作を実現することができる。
【0013】
また、本発明の携帯端末は、位置情報を測位する移動元測位手段をさらに備え、前記送信手段は、ネットワーク上に配置されている中継サーバを介して、通信相手にデータを送信し、当該送信に先立って、前記中継サーバに対して、スライド表示をさせるための機能を起動したことを示す起動情報および前記移動元測位手段により測位された位置情報を通知することが好ましい。
【0014】
この発明によれば、ネットワーク上に配置されている中継サーバを介して、通信相手にデータを送信し、当該送信に先立って、中継サーバに対して、スライド表示をさせるための機能を起動したことを示す起動情報および測位された位置情報を通知することにより、中継サーバにおいて、データの送信処理を実行しようとする移動先および移動元の携帯端末の組み合わせを特定することができる。
【0015】
また、本発明の携帯端末は、上記携帯端末からデータを受信する受信手段と、前記受信手段により受信されたデータを記憶する記憶手段と、データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動先タッチパネルと、前記移動先タッチパネルにおいて、当該移動先タッチパネルの外端部から内側に向けた移動先スライド操作を検出する移動先検出手段と、前記移動先検出手段により当該移動先スライド操作を検出すると、前記記憶手段に記憶されているデータを、前記移動先スライド操作に従った外端部から内側に向けた方向にスライド表示させるように、前記タッチパネルを制御する移動先表示制御手段と、を備えている。
【0016】
この発明によれば、上記移動元携帯端末からデータを受信し、受信されたデータを記憶する。そして、移動先タッチパネルにおいて、当該移動先タッチパネルの外端部から内側に向けた移動先スライド操作を検出すると、記憶されているデータを、移動先スライド操作に従った外端部から内側に向けた方向にスライド表示させるように、タッチパネルを制御する。これにより、直感的な操作で、データを移動元から受信することができ、事前に移動元からデータを受信しているため、移動先においてもデータのスライド表示を行うことができ、ユーザは直感的な操作を実感することができる。
【0017】
また、本発明の携帯端末は、前記記憶手段に記憶されているデータを削除する削除手段をさらに備え、前記受信手段は、上記移動元の携帯端末において移動元スライド操作が行われた旨の通知、当該通知が送信された時刻、若しくは移動元スライド操作が行われた時刻を受信し、前記通知が送信された時刻、前記通知が受信された時刻、または移動元スライド操作が行われた時刻のいずれかを基準時として所定時間内に、前記移動先スライド操作が行われると、前記移動先表示制御手段は、前記タッチパネルにおいてデータのスライド表示を行い、所定時間内に、前記移動先スライド操作が行われないと、前記移動先表示制御手段による前記タッチパネルにおいてデータのスライド表示を行うことなく、前記削除手段は、前記データを前記記憶手段から削除することが好ましい。
【0018】
この発明によれば、移動元携帯端末において移動元スライド操作が行われた旨の通知、当該通知が送信された時刻、若しくは移動元スライド操作が行われた時刻を受信し、通知が送信された時刻、通知が受信された時刻、または移動元スライド操作が行われた時刻のいずれかを基準時として所定時間内に、移動先スライド操作が行われると、タッチパネルにおいてデータのスライド表示を行い、所定時間内に、移動先スライド操作が行われないと、タッチパネルにおいてデータのスライド表示を行うことなく、データは削除される。これにより、直感的な操作を実現するために、データの先送り処理をした場合において、データの送信操作が実行されなかった場合の、問題を解消することができる。すなわち、ユーザは、選択操作はしたが、結局スライド操作をせずに、データを送る操作をしなかった場合でも、データは移動先携帯端末に送信されてしまうという問題があったが、基準時から所定時間内でデータは削除されることになり、結果的に移動先携帯端末にはデータは送信されないことになる。
【0019】
また、本発明の携帯端末は、所定の条件の下において、前記タッチパネルにおいて、予め用意されたダミーデータがスライド表示されることが好ましい。
【0020】
この発明によれば、所定の条件の下において、例えばダミーデータがスライド表示されたことの通知があった場合や、スライド表示の対象となるデータの受信が完了していない場合には、タッチパネルにおいて、予め用意されたダミーデータがスライド表示される。よって、データの送信が完了できないようなデータについても、直感的な操作を可能にする。
【0021】
また、本発明の携帯端末は、位置情報を測位する移動先測位手段をさらに備え、前記受信手段は、ネットワーク上に配置されている中継サーバを介して、通信相手からデータを受信し、当該受信に先立って、前記中継サーバに対して、スライド表示をさせるための機能を起動したことを示す起動情報および前記移動先測位手段により測位された位置情報を通知することが好ましい。
【0022】
この発明によれば、ネットワーク上に配置されている中継サーバを介して、通信相手にデータを受信し、当該受信に先立って、中継サーバに対して、スライド表示をさせるための機能を起動したことを示す起動情報および測位された位置情報を通知することで、中継サーバにおいて、データの送信処理を実行しようとする移動先および移動元の携帯端末の組み合わせを特定することができる。
【0023】
また、本発明のデータ送信システムは、移動元携帯端末と、移動先携帯端末と、中継サーバとからなるデータ送信システムにおいて、前記移動元携帯端末は、位置情報を測位する移動元測位手段と、予め定められたデータ送信機能を起動する移動元起動手段と、前記移動元測位手段により測位された位置情報、前記移動元起動手段によりデータ送信機能が起動された旨を示す起動情報を、前記中継サーバに通知する移動元通知手段と、データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動元タッチパネルと、前記移動元タッチパネルにおいて表示されているデータを選択する選択手段と、前記選択手段により選択されたデータを前記中継サーバに送信する送信手段と、前記選択手段により選択されたデータの前記移動元タッチパネルにおける表示範囲のうち、任意の位置から当該タッチパネルの外端部に向けた移動元スライド操作を前記移動元タッチパネルにおいて検出する検出手段と、前記検出手段により当該移動元スライド操作を検出すると、当該移動元スライド操作に従った外端部方向に向けて前記データをスライド表示させるように、前記移動元タッチパネルを制御する表示制御手段と、を備え、前記移動先携帯端末は、位置情報を測位する移動先測位手段と、予め定められたデータ送信機能を起動する移動先起動手段と、前記移動先測位手段により測位された位置情報および前記移動先起動手段によりデータ送信機能が起動された旨を示す起動情報を、前記中継サーバに通知する移動先通知手段と、前記移動元携帯端末からデータを受信する受信手段と、前記受信手段により受信されたデータを記憶する記憶手段と、データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動先タッチパネルと、前記移動先タッチパネルにおいて、当該移動先タッチパネルの外端部から内側に向けた移動先スライド操作を検出する移動先検出手段と、前記移動先検出手段により当該移動先スライド操作を検出すると、前記記憶手段に記憶されているデータを、前記移動先スライド操作に従った外端部から内側に向けた方向にスライド表示させるように、前記タッチパネルを制御する移動先表示制御手段と、を備え、前記中継サーバは、前記移動元携帯端末の識別情報、位置情報および起動情報、前記移動先携帯端末の識別情報、位置情報、および起動情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された各位置情報、起動情報および起動情報に基づいて、前記移動元携帯端末および前記移動先携帯端末の組み合わせを特定する特定手段と、前記移動元携帯端末からデータを受信すると、前記特定手段により組み合わせが特定された移動先携帯端末に対してデータを転送する中継手段と、を備えている。
【0024】
この発明によれば、移動元携帯端末および移動先携帯端末のそれぞれが、位置情報およびデータ送信機能が起動された旨を示す起動情報を中継サーバに通知し、中継サーバにおいては、これら情報に基づいて、携帯端末の組み合わせを特定することができる。よって、簡単な操作で移動元携帯端末および移動先携帯端末の組み合わせを決定することができるとともに、直感的な操作をもってデータの送信処理を行うことができる。
【0025】
また、本発明は、方法の発明として捉えることもできる。その作用効果は、携帯端末およびデータ送信システムと同じである。すなわち、本発明のデータ送信方法は、データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動元タッチパネルを有する移動元携帯端末、およびデータの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動先タッチパネルを有する移動先携帯端末を利用したデータ送信方法において、前記移動元タッチパネルにおいて表示されているデータを選択する選択ステップと、前記選択ステップにより選択されたデータを通信相手に送信する送信ステップと、前記選択ステップにより選択されたデータの前記移動元タッチパネルにおける表示範囲のうち、任意の位置から当該タッチパネルの外端部に向けた移動元スライド操作を前記移動元タッチパネルにおいて検出する検出ステップと、前記検出ステップにより当該移動元スライド操作を検出すると、当該移動元スライド操作に従った外端部方向に向けて前記データをスライド表示させるように、前記移動元タッチパネルを制御する移動元表示制御ステップと、を備え、移動元携帯端末からデータを受信する受信ステップと、前記受信ステップにより受信されたデータを記憶手段に記憶する記憶ステップと、データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動先タッチパネルと、前記移動先タッチパネルにおいて、当該移動先タッチパネルの外端部から内側に向けた移動先スライド操作を検出する移動先検出ステップと、前記移動先検出ステップにより当該移動先スライド操作を検出すると、前記記憶手段に記憶されているデータを、前記移動先スライド操作に従った外端部から内側に向けた方向にスライド表示させるように、前記タッチパネルを制御する移動先表示制御ステップと、を備え、前記送信ステップは、前記移動元表示制御ステップによる前記データのスライド表示を行う前に、前記データの送信を完了していることを特徴とする。
【0026】
また、本発明のデータ送信方法は、データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動元タッチパネルを有する移動元携帯端末と、データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動元タッチパネルを有する移動先携帯端末と、中継サーバとからなるデータ送信システムのデータ送信方法において、前記移動元携帯端末は、位置情報を測位する移動元測位ステップと、予め定められたデータ送信機能を起動する移動元起動ステップと、前記移動元測位ステップにより測位された位置情報および前記移動元起動ステップによりデータ送信機能が起動された旨を、前記中継サーバに通知する移動元通知ステップと、前記移動元タッチパネルにおいて表示されているデータを選択する選択ステップと、前記選択ステップにより選択されたデータを前記中継サーバに送信する送信ステップと、前記選択ステップにより選択されたデータの前記移動元タッチパネルにおける表示範囲のうち、任意の位置から当該タッチパネルの外端部に向けた移動元スライド操作を前記移動元タッチパネルにおいて検出する移動元検出ステップと、前記検出ステップにより当該移動元スライド操作を検出すると、当該移動元スライド操作に従った外端部方向に向けて前記データをスライド表示させるように、前記移動元タッチパネルを制御する移動元表示制御ステップと、を備え、前記移動先携帯端末は、位置情報を測位する移動先測位ステップと、予め定められたデータ送信機能を起動する移動先起動ステップと、前記移動先測位ステップにより測位された位置情報および前記移動先起動ステップによりデータ送信機能が起動された旨を示す起動情報、前記中継サーバに通知する移動先通知ステップと、前記移動元携帯端末からデータを受信する受信ステップと、前記受信ステップにより受信されたデータを記憶手段に記憶する記憶ステップと、前記移動先タッチパネルにおいて、当該移動先タッチパネルの外端部から内側に向けた移動先スライド操作を検出する移動先検出ステップと、前記移動先検出ステップにより当該移動先スライド操作を検出すると、前記記憶手段に記憶されているデータを、前記移動先スライド操作に従った外端部から内側に向けた方向にスライド表示させるように、前記タッチパネルを制御する移動先表示制御ステップと、を備え、前記中継サーバは、前記移動元携帯端末の識別情報、位置情報および起動情報、前記移動先携帯端末の識別情報、位置情報および起動情報を受信する受信ステップと、前記受信ステップにより受信された各位置情報および起動情報に基づいて、前記移動元携帯端末および前記移動先携帯端末の組み合わせを特定する特定ステップと、前記移動元携帯端末からデータを受信すると、前記特定ステップにより組み合わせが特定された移動先携帯端末に対してデータを転送する中継ステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、直感的な操作で、データを移動元から移動先に送信することができ、事前に移動先にデータを送信しているため、移動先においてもデータのスライド表示を行うことができ、ユーザは直感的な操作を実感することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本実施形態の携帯端末100aおよび携帯端末100bを用いたシステム構成を示すシステム構成図である。
【図2】、携帯端末100aの機能構成を示すブロック図である。
【図3】携帯端末100aのハードウェア構成図である。
【図4】この携帯端末100bの機能構成を示すブロック図である。
【図5】本実施形態において構成されたデータ送信システム(携帯端末100aおよび携帯端末100b)の処理を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態の変形例における携帯端末100aおよび携帯端末100bのデータ送信のフローチャートを示す。
【図7】携帯端末100aと携帯端末100bとを横に並べたときの操作の具体例を示す説明図である。
【図8】携帯端末100aと携帯端末100bとを縦に並べたときの操作の具体例を示す説明図である。
【図9】移動先となる携帯端末が2台あった場合における具体例を示す説明図である。
【図10】第二の実施形態のデータ送信システムのシステム構成図である。
【図11】携帯端末100dの機能構成を示すブロック図である。
【図12】携帯端末100eの機能構成を示すブロック図である。
【図13】中継サーバ200の機能構成を示すブロック図である。
【図14】管理テーブル203の具体例を示す説明図である。
【図15】本実施形態のデータ送信システムの処理を示すフローチャートである。
【図16】本実施形態の変形例における処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0030】
<第一の実施形態>
図1は、本実施形態の携帯端末100aおよび携帯端末100bを用いたシステム構成を示すシステム構成図である。図1に示されるとおり、携帯端末100aがデータの移動元の携帯端末となり、携帯端末100bがデータの移動先の携帯端末となる。そして、携帯端末100aから携帯端末100bに対して、選択されたデータが送信される。なお、以降、データの移動とは、移動元からデータを削除して送信するもののほか、データのコピー等、単に移動元からデータを削除することなく、移動先に送信することを含むものとする。
【0031】
この携帯端末100aおよび携帯端末100bについて説明する。図2は、携帯端末100aの機能構成を示すブロック図である。この携帯端末100aは、タッチパネル101a、アプリケーション102a、近距離無線通信部107a(送信手段)、および記憶部108aを含んで構成されている。さらにこのアプリケーション102aは、選択部103a(選択手段)、検出部104a(検出手段)、および表示制御部105a(表示制御手段)を含んで構成されている。このアプリケーション102aは、データ送信機能を実行するためのものである。
【0032】
このように構成された携帯端末100aは、図3に示されるハードウェアにより構成される。図3は、携帯端末100aのハードウェア構成図である。図2に示される携帯端末100aは、物理的には、図3に示すように、CPU11、主記憶装置であるRAM12及びROM13、入力デバイスでありディスプレイであるタッチパネル101a、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール16、半導体メモリ等の補助記憶装置17などを含むコンピュータシステムとして構成されている。図2において説明した各機能は、図3に示すCPU11、RAM12等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU11の制御のもとでタッチパネル101a、通信モジュール16を動作させるとともに、RAM12や補助記憶装置17におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。以下、図2に示す機能ブロックに基づいて、各機能ブロックを説明する。
【0033】
タッチパネル101aは、ユーザからのパネルに対するタッチ操作を受け付け、その座標情報を入力する入力手段として機能するとともに、アイコンや写真などのデータを表示する表示手段として機能する部分である。本実施形態においては、タッチパネル101aは、表示されているアイコンや写真などのデータに対して、ユーザから指等によるタッチを受け付け、タッチされた状態でスライド操作を受け付けると、当該データを移動し、そのスライド操作に従った方向にスライド表示する。
【0034】
アプリケーション102aは、データを転送するためのデータ送信アプリケーションであり、ユーザにより選択されたデータを、通信相手に対して送信するとともに、タッチパネル101aにおいてスライド操作(またはドラッグ操作とも言う)された方向に従って、タッチパネル101aにおいてデータをスライド表示させるものである。このアプリケーション102aが起動されると、外部装置を探索するために、近距離無線通信部107aによる探索処理が行われ、外部装置である携帯端末100bが探索される。以下、アプリケーション102aを構成する各構成要素について説明する。
【0035】
選択部103aは、タッチパネル101aにおいて表示されているデータを、当該タッチパネル101aにおいてユーザによりタッチ操作されたことが検出されたことにより選択する部分である。選択部103aにおいて選択されたデータは、近距離無線通信部107aにより外部装置(本実施形態では携帯端末100b)に送信される。なお、移動先においてデータを特定しやすいようにデータの識別情報を付与して送信してもよい。
【0036】
検出部104aは、タッチパネル101aにおいて、ユーザにより操作された操作内容を検出する部分であり、例えば、ユーザが、選択部103aにより選択されたデータをスライド操作したか否か、かつそのスライド操作した方向は、タッチパネル101aの内側から外縁方向に向けた方向であるか否かを判断する部分である。具体的には、検出部104aは、タッチパネル101aにおけるタッチされた座標に基づいてその方向を判断することができる。
【0037】
表示制御部105aは、検出部104aにおいて検出されたスライド操作に従った方向に、データをスライド表示するようタッチパネル101aにおける表示を制御する部分である。
【0038】
近距離無線通信部107aは、アプリケーション102aが起動したときに、周囲にいる外部装置である携帯端末100bを探索し、通信接続するとともに、検出部104aにおける検出処理に先立って、選択部103aにおいて選択されたデータを送信する部分である。例えば、ブルートゥースなどの近距離無線通信を実行するものである。また、検出部104aにおいて、タッチパネル101aに対してスライド操作をしたことを検出した場合には、その検出したスライド操作時刻を、近距離無線通信部107aは、携帯端末100bに送信するようにしてもよい。
【0039】
なお、データを送信する際に、携帯端末100bにおいて、データのスライド操作を検出するための基準時となる、携帯端末100aにおいてデータを選択した選択時刻や、データを送信した送信時刻などを含めるようにしてもよい。
【0040】
記憶部108aは、写真データなどの各種データを記憶する部分である。この記憶部108aに記憶されているデータは、タッチパネル101aに表示され、ユーザにより選択可能な状態に表示される。なお、この記憶部108aは、送信対象となるデータが所定サイズ以上である場合に用いられる、スライド表示のためのダミーデータを記憶するように構成されてもよい。
【0041】
このように構成された携帯端末100aにおいて、タッチパネル101aに写真データなどのデータが表示され、ユーザのタッチ操作に従って、選択部103aにより一のデータが選択される。そして、選択部103aにおいて選択されたデータは、ユーザによるスライド操作が検出部104aにより検出されることに先だって、近距離無線通信部107aにより携帯端末100bに送信される。そして、送信後若しくは送信処理に並行してユーザによりスライド操作が行われると、そのスライド操作の方向に表示制御部105aはデータのスライド表示を行うことができる。
【0042】
つぎに、データの移動先となる携帯端末100bについて説明する。図4は、この携帯端末100bの機能構成を示すブロック図である。図4に示されるように携帯端末100bは、タッチパネル101b(移動先タッチパネル)、アプリケーション102b、近距離無線通信部107b(受信手段)、および記憶部108b(記憶手段)を含んで構成されている。さらにこのアプリケーション102bは、検出部104a(移動先検出手段)、表示制御部105a(移動先表示制御手段)、および削除部106b(削除手段)を含んで構成されている。このアプリケーション102bは、データ送信機能を実行するためのものである。なお、データの移動元となる携帯端末100aとそのハードウェア構成は同じであり、例えば、図3に示されたハードウェア構成をとるものである。
【0043】
タッチパネル101bはユーザからのパネルに対するタッチ操作を受け付け、その座標情報を入力する入力手段として機能するとともに、データを表示する表示手段として機能する部分である。
【0044】
アプリケーション102bは、写真データなどのデータを転送するためのデータ送信アプリケーションであり、携帯端末100aのユーザにより選択され、送信されたデータを、受信するとともに、スライド表示させる制御を行うものである。以下、アプリケーション102bを構成する各構成要素について説明する。
【0045】
検出部104bは、タッチパネル101bにおいて、ユーザにより操作された操作内容を検出する部分であり、例えば、ユーザが、近距離無線通信部107bにおいてデータを受信し、その後、スライド操作をしたスライド操作時刻を受信した後、タッチパネル101bに対してスライド操作したか否か、かつそのスライド操作した方向は、タッチパネル101aの外縁部分から内側へ向けた方向であるか否かを判断する部分である。さらに、検出部104bは、当該スライド操作が、携帯端末100aにおいてスライド操作したスライド操作時刻を基準時として、所定時間以内に行われたか否かを判断する。なお、スライド操作時刻に基づいた判断に限るものではなく、データの受信後所定時間内、若しくは、携帯端末100aにおいてデータ選択若しくはデータ送信した時点を基準時として所定時間内に行われたか、否かを判断するようにしてもよい。
【0046】
なお、この所定時間は、ユーザが携帯端末100aと携帯端末100bとを、タッチパネル101aおよび101bを上面にして並べて、携帯端末100aから携帯端末100bに対してスライド操作(ドラッグ操作)するのに必要な時間であればよく、0.5秒から1秒程度の時間である。また、この時間は設定値であり、端末の大きさなどに応じて、適切な時間を設定することが好ましい。
【0047】
表示制御部105bは、近距離無線通信部107bにおいて受信され、すでに記憶部108bに記憶されているデータを、検出部104bにおいて検出されたスライド操作の方向に従って、タッチパネル101bにおいてスライド表示させる部分である。表示制御部105bは、記憶部108bからデータを取得し、表示処理を行う。なお、この記憶部108bには、移動元の携帯端末100aにおいて選択されたデータが一つだけ記憶されているように構成されている。
【0048】
削除部106bは、検出部104bにおいて、基準時から所定時間内にスライド操作を検出できなかった場合に、対応するデータを記憶部108bから削除する部分である。すなわち、記憶部108bにおいては、データとともに、上述した基準時を示す時刻が記憶されており、削除部106bが、その時刻が所定時間を超えていると判断した場合に、データを記憶部108bから削除する。
【0049】
記憶部108bは、写真データなどの各種データを記憶する部分であり、近距離無線通信部107bにより受信されたデータを、そのスライド操作時刻等の基準時を示す時刻情報と対応付けて一時記憶する部分である。この記憶部108aに記憶されているデータは、ユーザによるスライド操作時に、タッチパネル101bにスライド表示される。なお、この記憶部108aは、一のデータのみを記憶することで、表示制御部105bは、タッチパネル101bにおいてスライド表示されるときに用いられるデータを必然的に一つの決定することができる。
【0050】
なお、送信対象となるデータが所定サイズ以上である場合に用いられる、スライド表示のためのダミーデータを記憶するように構成されてもよいが、スライド表示対象となるデータと区別して記憶する必要がある。
【0051】
近距離無線通信部107bは、近距離無線通信部107aと同等の機能を有するものであって、携帯端末100aから送信されたデータ、スライド操作をした旨などの各種情報を、ブルートゥースを利用して受信し、記憶部108bに記憶する。
【0052】
このようにして、携帯端末100bは、まず携帯端末100aにおいて選択されたデータを受信し、一旦記憶部108bに記憶しておき、その後、検出部104bにおいてタッチパネル101bにおいて、基準時から所定時間内にスライド操作がされたことを検出すると、対応するデータをタッチパネル101bにスライド表示させることができる。これにより、直感的な操作によってデータを移動させることができるとともに、データの移動を直感的に把握することができる。
【0053】
なお、上述携帯端末100aは、識別情報の通知を行い、携帯端末100bにおいては、その識別情報を受信して、記憶し、移動対象となるデータの識別情報を共有するようにしてもよい。そうすることにより、複数のデータを扱うことを可能にする。
【0054】
つぎに、このように構成された携帯端末100aおよび携帯端末100bの処理について説明する。図5は、本実施形態において構成されたデータ送信システム(携帯端末100aおよび携帯端末100b)の処理を示すフローチャートである。
【0055】
まず、携帯端末100aおよび携帯端末100bにおいて、それぞれアプリケーション102aおよびアプリケーション102bがユーザ操作により起動される(S101)。そして、これらアプリケーション102aおよびアプリケーション102bが起動されると、近距離無線通信部107aおよび近距離無線通信部107bによるブルートゥースによる接続処理が行われる(S102)。この接続処理では、データの移動元である携帯端末100aが、周囲にいる携帯端末100bを探索し、通信相手として選択をする(S103)。この選択処理はユーザによる操作により行われてもよいし、探索した全てのユーザを選択してもよし、所定の条件(例えば、電話帳に登録されている端末など)に基づいて自動的に行われてもよい。
【0056】
そして、ブルートゥースの通信接続が完了すると(S104)、タッチパネル101aにおいて記憶部108aに記憶されているデータの一覧(または、サムネイル形式若しくは、選択可能に切り替えられるもの)が表示される(S105)。そして、ユーザはその一覧をみながら、タッチパネル101aを介して選択操作を行い、選択部103aにより選択が行われる(S106)。選択部103aによる選択後、近距離無線通信部107aにより、S103において選択された通信相手(ここでは携帯端末100b)にデータが送信される(S107)。なお、送信されるデータには、後述するスライド時刻に代えて、携帯端末100bにおいてスライド操作を検出するための基準時となる、データを選択した時刻や、データを送信した時刻などを含めるようにしてもよい。
【0057】
携帯端末100bにおいて、近距離無線通信部107bによりデータが受信され(S108)、記憶部108bに一旦データは記憶される(S109)。
【0058】
一方、携帯端末100aにおいて、選択されたデータの送信後、タッチパネル101aにおいて、選択対象となるデータが表示されている範囲からタッチパネル101aの外縁部に向けたスライド操作の有無が判断され、そのスライド操作の方向に応じたスライド表示が表示制御部105aにより行われるとともに、スライド操作をしたスライド操作時刻が携帯端末100bに送信される(S110)。
【0059】
携帯端末100bにおいて、タッチパネル101bにおいて、その外縁部から内側に向けたスライド操作の有無が判断される(S111)。そして、当該スライド操作が、携帯端末100aにおけるスライド操作を行ったスライド操作時刻(基準時)から所定時間以内であるか否かが、検出部104bにおいて判断される(S112)。そして、所定時間以内であると判断される場合には、記憶部108bからデータが読み出され、表示制御部105bによりタッチパネル101bにおいてデータはスライド表示されるとともに、記憶部108bにおいてデータは記憶された状態が維持される(S113)。なお、記憶部108bには、データが一つしかないため、データを特定する必要はない。すなわち、スライド操作を検出した時点で、上述の基準時の判断処理を行った後に、唯一記憶されている一のデータを読み出せばよいのである。
【0060】
また、基準時から所定時間以内にスライド操作はないと、検出部104bにおいて判断されると(S112:NO、S111:NO)、削除部106bにより、該当するデータは記憶部108bから削除される(S114)。
【0061】
このようにして、ユーザは、移動したデータをスライド操作することにより、データの移動を実行するとともに、その移動の状態を直感的に理解できる状態で表示させることができる。
【0062】
つぎに、本実施形態の変形例について説明する。この変形例においては、移動しようとするデータが大容量であって、スライド操作をしている間に、データの送信が完了しない場合には、実際に送信対象となるデータを表示するのではなく、ダミーデータを表示しようとするものである。このダミーデータの表示形態には特に規定はないが、送信対象となるデータを模したものがよい。例えば写真データであれば、写真データであることが分かるようなデータがよい。図6は、本実施形態の変形例における携帯端末100aおよび携帯端末100bのデータ送信のフローチャートを示す。
【0063】
S101からS108までは、図5に示される処理と同じである。そして、近距離無線通信部107aにより選択されたデータが送信されると、その送信されたデータのサイズが所定サイズ以下であるか否かが、表示制御部105aにより判断される(S107a)。そして、所定サイズ以下ではない場合には、表示制御部105aにより記憶部108aに記憶されているダミーデータが取得される。ユーザによりスライド操作が行われると、表示制御部105aにより、ダミーデータは、そのスライド方向に従ってスライド表示されるとともに、スライド操作をしたスライド操作時刻が携帯端末100eに送信される(S110)。また、所定サイズ以下である場合には、検出部104aによりスライド操作が検出されると、表示制御部105aにより、選択されたデータのスライド表示が行われる。
【0064】
携帯端末100bにおいて、タッチパネル101bに対して、その外縁部から内側に向けたスライド操作の有無が検出部104bにより、判断される(S111)。そして、当該スライド操作が、携帯端末100aにおけるスライド操作の基準時から所定時間以内であるか否かが、検出部104bにおいて判断される(S112)。そして、所定時間以内であると判断される場合には、表示制御部105bによりタッチパネル101bにおいてダミーデータが記憶部108bから取得され、表示制御部105bにより、ダミーデータはスライド表示されるとともに、記憶部108bにおいてデータは記憶された状態が維持される(S113)。なお、ダミーデータを利用するか否かは、記憶部108bにおいて記憶されているデータが所定サイズ以上である場合、若しくはデータの受信(若しくは記憶)が完了していない場合には、ダミーデータを利用するものと判断する。
【0065】
また、基準時から所定時間以内にスライド操作がなかった場合には(S112:NO、S111:NO)、検出部104bにおいて判断されると、削除部106bにより、該当するデータは記憶部108bから削除される(S114)。
【0066】
このようにして、データサイズが所定サイズ以上である場合には、近距離無線通信によるデータ送信が完了しない場合が想定される。そのため、移動先となる携帯端末100bにおいて、スライド表示させるデータがない場合があるため、ダミーデータを用いることで、直感的なデータの移動を可能にするものである。なお、移動先と、移動元において、データの視覚的形態が異なると直感的な操作を担保できないため、移動元においてもダミーデータを用いることが好ましい。
【0067】
なお、通常、ブルートゥースの最大速度は3Mbpsであり、3MBのファイルを8秒で送信することができる。よって、ここでの所定サイズは、2秒程度で送信が完了できる時間のサイズを設定しておくことが好ましいが、当然これに限定されるものではない。
【0068】
本実施形態の携帯端末100aおよび携帯端末100bによる操作の具体例について説明する。図7および図8は、操作を示す具体例を示す説明図であり、図7は、携帯端末100aと携帯端末100bとを横に並べたときの操作の具体例を示し、図8は、携帯端末100aと携帯端末100bとを縦に並べたときの操作の具体例を示す。
【0069】
図7(a)に示されるとおり、携帯端末100aには、データD1が表示されている。このデータD1は、記憶部108aに記憶されているデータである。これをユーザはタッチ(選択)し、右方向にスライド操作することにより、データD1は、スライド表示される(図7(b))。タッチパネル101aからはみ出したデータD1については表示されない。
【0070】
一方、図7(b)に示されるとおり、携帯端末100bにおいては、ユーザの指がタッチパネル101bに接触して、スライド操作されたことが検出されると、記憶部108bからデータD2が読み出され、そのユーザのスライド操作に応じてスライド表示される。上述したとおり、記憶部108bには、データD2のみが記憶されているためそのデータのみを取り出せばよい。
【0071】
そして、図7(c)に示されるとおり、携帯端末100bにおいて、スライド操作が完了して、タッチパネル101bのほぼ中央にデータD2が表示される。
【0072】
このようにして、ユーザは指をタッチパネル101aおよびタッチパネル101bに対して、表示されているデータをタッチして、データを特定し、そしてスライド操作することにより、直感的なデータの移動を行うことができる。
【0073】
なお、携帯端末100aおよび携帯端末100bの向きをそろえてスライド操作およびスライド表示させる場合には、データの表示向きを加工する必要はないが、互いに逆方向を向いている場合には、そのスライド表示されるデータの向きを加工することが好ましい。例えば、データが携帯端末100aの右側に向けてスライド表示される場合には、右側にスライドしている旨を、事前に(例えばスライド操作した時点)携帯端末100bに通知しておき、携帯端末100bにおいては、左右いずれの方向からスライド操作がなされたかを判断することにより、データの表示向きを加工する。
【0074】
例えば、携帯端末100aにおいて右側に向けたスライド操作をされたことの通知を受け、その後、携帯端末100bにおいて左側からスライド操作を検出すると、表示制御部105bは、そのままデータの表示向きを変えることなく、表示する。逆に、所定時間内に右側からスライド操作を受けたと判断した場合には、表示制御部105bは、携帯端末同士は互いに逆方向を向いていると判断して、携帯端末100bにおいて表示されるデータを、上下を反対に(すなわち180度回転)して、表示させる。これにより、より直感的な操作を実感することができる。後述する図8等においても、同様に、携帯端末100aにおけるスライド方向と、携帯端末100bにおけるスライド方向に基づいて、携帯端末100bにおけるデータの表示向きを変えるようにする。
【0075】
図8(a)から(c)についても、同様であり、ユーザがデータD1についてスライド操作させることにより、携帯端末100aにおいては縦方向にデータD1がスライド表示され、携帯端末100bにおいては、ユーザのスライド操作(タッチ位置)にしたがってデータD2が下からスライド表示される。
【0076】
なお、データが携帯端末100aおよび携帯端末100bを跨いでいるとき、すなわち、両端末にその一部(データD1およびデータD2のそれぞれの一部)が表示されているとき、データD1とデータD2とが結合されて、一枚のデータとして視認できることが望ましい。
【0077】
そのために、携帯端末100aは、スライド操作の対象となるデータD1に対して、スライド操作をするためにタッチした位置(座標:スライド操作の始点)を、操作位置として携帯端末100bに、事前に通知しておく。例えば、スライド操作をした時点(図5におけるS110の時点)が好ましい。そして、携帯端末100bにおいては、その操作位置に基づいて、データD2をどの部分からスライド表示させるかを判断して、その操作位置に応じたデータD2を加工し、若しくは表示制御を行い、スライド表示を行うる。これにより、データが携帯端末100aおよび携帯端末100bを跨いでいるときにも、データD1およびD2が結合されて、一つのデータとして視認することができる。
【0078】
また、移動先となる携帯端末が2台あった場合も同様の処理が可能となる。図9はその具体例を示す説明図である。図9(a)に示されるとおり、移動元となる携帯端末100aの縦方向に携帯端末100cが配置され、右隣に携帯端末100bが配置されている。そして、データD1が送信対象として選択された場合、携帯端末100aは、携帯端末100bおよび携帯端末100cに送信する。それぞれ携帯端末100bおよび携帯端末100cは、データを一旦記憶する。なお、携帯端末100cは、携帯端末100bと同機能を有するデータの移動先となる端末である。
【0079】
その後、図9(b)に示されるとおり、携帯端末100aは、データD1を右方向にスライド操作を行い、スライド表示されつつ、携帯端末100bでは、スライド操作のタッチを検出し、携帯端末100aにおけるスライド操作に引き続いて、携帯端末100bにおいてもスライド表示を行う。
【0080】
また、図9(c)に示されるとおり、図9(b)に示された携帯端末100bに送信した後、携帯端末100aにおいて携帯端末100cに向けてスライド操作を行うと、スライド表示され、携帯端末100cにおいて、携帯端末100bに対してスライド操作をした時点から所定時間内に、スライド操作が検出されると、データは携帯端末100cから削除されることなく、スライド表示処理が行われる。
【0081】
また、一方で、図9(d)に示されるとおり、携帯端末100cにおいて、携帯端末100bに対してスライド操作をした時点から所定時間内に、スライド操作が検出されない場合には、データは携帯端末100cから削除される。
【0082】
このようにして、複数台移動先となる携帯端末があったとしても、適正にデータの移動を行うことができる。なお、本実施形態では、移動と称しているが、携帯端末100aにおいて、データを削除する必要はない。直感的にデータを指定して、移動させることができれば、移動に限らず、コピーや、送信という処理としてもよい。
【0083】
つぎに、本実施形態の携帯端末100aおよび携帯端末100bの作用効果について説明する。
【0084】
本実施形態の携帯端末100aにおいて、選択部103aは、移動元タッチパネルであるタッチパネル101aにおいて表示されているデータをユーザの指示に基づいて選択し、近距離無線通信部107aは、選択されたデータを通信相手である携帯端末100bに送信する。その後、検出部104aは、選択されたデータのタッチパネル101aにおける表示範囲のうち、任意の位置から当該タッチパネルの外端部に向けた移動元スライド操作をタッチパネル101aにおいて検出すると、表示制御部105aは、当該移動元スライド操作に従った外端部方向に向けてデータをスライド表示させるように、タッチパネル101aを制御する。これにより、直感的な操作で、データを移動元の携帯端末100aから移動先の携帯端末100bに送信することができ、事前に移動先の携帯端末100bにデータを送信しているため、移動先の携帯端末100bにおいてもデータのスライド表示を行うことができ、ユーザは直感的な操作を実感することができる。
【0085】
また、検出部104aにおいて移動元スライド操作が検出されると、近距離無線通信部107aは、携帯端末100bに携帯端末100aにおいてスライド操作したこと、または移動元においてスライド操作した時刻を通知することができる。すなわち、移動先の携帯端末100bにおいてデータ削除のための基準時となる時刻を通知することができる。
【0086】
また、本実施形態の変形例における携帯端末100aにおいて、表示制御部105aが、送信しようとするデータのファイルサイズが所定値以上であると判断する場合には、タッチパネル101aにおいて、予め用意されたダミーデータをスライド表示させることで、データの送信が完了できない場合にも、直感的な操作を実現することができる。
【0087】
また、本実施形態の携帯端末100bにおいて、近距離無線通信部107bは、携帯端末100aからデータを受信し、記憶部108bは、受信されたデータを記憶する。そして、タッチパネル101bにおいて、検出部104bは、当該タッチパネル101bの外端部から内側に向けた移動先スライド操作を検出すると、表示制御部105bは、記憶部108bに記憶されているデータを、移動先スライド操作に従った外端部から内側に向けた方向にスライド表示させるように、タッチパネルを制御する。これにより、直感的な操作で、データを移動元から受信することができ、事前に移動元からデータを受信しているため、移動先においてもデータのスライド表示を行うことができ、ユーザは直感的な操作を実感することができる。
【0088】
また、本実施形態の携帯端末100bによれば、近距離無線通信部107bは、携帯端末100bにおいて移動元スライド操作が行われた旨の通知、当該通知が送信された時刻、若しくは移動元スライド操作が行われた時刻を受信し、表示制御部105bが、通知が送信された時刻、通知が受信された時刻、または移動元スライド操作が行われた時刻のいずれかを基準時として所定時間内に、移動先スライド操作が行われたことを判断すると、タッチパネル101bにおいてデータのスライド表示を行い、所定時間内に、移動先スライド操作が行われないと、削除部106bは、タッチパネル101bにおいてデータのスライド表示を行うことなく、記憶部108bからデータを削除する。これにより、直感的な操作を実現するために、データの先送り処理をした場合において、データの送信操作が実行されなかった場合の、問題を解消することができる。すなわち、ユーザは、選択操作はしたが、結局スライド操作をせずに、データを送る操作をしなかった場合でも、データは移動先携帯端末に送信されてしまうという問題があったが、基準時から所定時間内でデータは削除されることになり、結果的に移動先携帯端末にはデータは送信されないことになる。
【0089】
また、本実施形態の携帯端末100bによれば、携帯端末100aにおいて、ダミーデータがスライド表示されたことの通知があった場合や、スライド表示の対象となるデータの受信が完了していない場合などの、所定の条件下においては、タッチパネル101bにおいて、記憶部108bにおいて予め記憶されたダミーデータがスライド表示される。よって、データの送信が完了できないようなデータについても、直感的な操作を可能にする。
【0090】
<第二の実施形態>
つぎに、第二の実施形態の携帯端末100cおよび携帯端末100dから構成されるデータ送信システムについて説明する。図10は、第二の実施形態のデータ送信システムのシステム構成図である。図10に示されるとおり、データの移動元となる携帯端末100d、データの移動先となる携帯端末100e、およびネットワークNを介してデータを中継する中継サーバ200から構成されている。移動元の携帯端末100dおよび移動先の携帯端末100eは、所定の操作を行うことで、中継サーバ200においては、携帯端末100dおよび携帯端末100eを対応付けて管理しておき、携帯端末100dから受信したデータを携帯端末100eに中継転送することができる。
【0091】
このようなデータ送信システムにおける携帯端末100dおよび携帯端末100dの機能構成について説明する。図11は、携帯端末100dの機能構成を示すブロック図である。図11に示されるとおり、携帯端末100dは、タッチパネル101a、アプリケーション102a(移動元起動手段)、通信部107d(送信手段、移動元通知手段)、記憶部108a、および位置測位部109a(移動元測位手段)を含んで構成されている。さらにこのアプリケーション102aは、選択部103a、検出部104a、および表示制御部105aを含んでおり、データ送信機能を実行するためのものである。この携帯端末100dは、図3に示されるハードウェア構成により実現されている。
【0092】
この携帯端末100dは、近距離無線通信部107aに代えて、通信部107dを備えており、さらに位置測位部109aを備える点で、第一の実施形態における携帯端末100aと相違する。以下、この相違点について説明する。
【0093】
位置測位部109aは、GPS(Global Positioning System)や、基地局などを利用して、端末の現在位置を測位する部分である。この位置測位部109aは、アプリケーション102aが起動したときに、位置測位処理を行う。
【0094】
通信部107dは、中継サーバ200と通信する部分であり、選択部103aにおいて選択されたデータを中継サーバ200に送信して、記憶させる。また、このデータ送信処理に先立って、通信部107dは、アプリケーション102aが起動すると、位置測位部109aにおいて位置測位されて得られた位置情報を中継サーバ200に送信する。
【0095】
このようにして構成された携帯端末100dは、アプリケーション102aが起動したタイミングに合わせて、位置測位部109aは位置測位して端末の現在の位置情報を取得する。そして、通信部107dは、アプリケーション102aが起動した旨を示す情報、その時刻情報とともに、位置情報を中継サーバ200に送信する。
【0096】
そして、ユーザ操作により写真データなどのデータが選択部103aにおいて選択されると、通信部107dは、中継サーバ200に送信する。その後、ユーザ操作によりスライド操作が検出部104aにおいて検出されると、タッチパネル101aは、表示制御部105aの制御に従って、そのスライド操作に応じた方向にデータをスライド表示させる。
【0097】
つぎに、携帯端末100eについて説明する。図12は、携帯端末100eの機能構成を示すブロック図である。図12に示されるように、携帯端末100eは、タッチパネル101b、アプリケーション102b(移動先起動手段)、通信部107e、記憶部108b、および位置測位部109b(移動先位置測位手段)を含んで構成されている。さらにこのアプリケーション102bは、検出部104b、表示制御部105b、および削除部106bを含んでおり、データ送信機能を実行するためのものである。この携帯端末100eは、図3に示されるハードウェア構成により実現されている。
【0098】
この携帯端末100eは、近距離無線通信部107bに代えて、通信部107e(受信手段、移動先通知手段)を備えており、さらに位置測位部109b(移動先測位手段)を備える点で、第一の実施形態における携帯端末100bと相違する。以下、この相違点について説明する。
【0099】
位置測位部109bは、GPS(Global Positioning System)や、基地局などを利用して、端末の現在位置を測位する部分である。この位置測位部109bは、アプリケーション102bが起動したときに、位置測位処理を行う。
【0100】
通信部107eは、中継サーバ200と通信する部分であり、中継サーバ200から通信部107eにおいて受信されたデータを受信して、記憶部108bに記憶させる。また、このデータ受信処理に先立って、通信部107eは、アプリケーション102bが起動すると、位置測位部109bにおいて位置測位されて得られた位置情報を中継サーバ200に送信する。
【0101】
このようにして構成された携帯端末100eは、アプリケーション102bが起動したタイミングに合わせて、位置測位部109bは位置測位して端末の現在の位置情報を取得する。そして、通信部107eは、アプリケーション102bが起動した旨を示す情報、その時刻情報とともに、位置情報を中継サーバ200に送信する。
【0102】
そして、携帯端末100aからデータが受信されると、記憶部108bが記憶し、その後、タッチパネル101bにおいて、ユーザ操作によりスライド操作が検出部104bにおいて検出されると、タッチパネル101bは、表示制御部105bの制御に従って、そのスライド操作に応じた方向にデータをスライド表示させる。また、データ受信後に、基準時点から所定時間以内にスライド操作が検出部104bにおいて検出されない場合には、記憶部108bからデータの削除が行われる。
【0103】
つぎに、これら携帯端末100aおよび携帯端末100bと通信して、その組み合わせを管理するとともに、データの受け渡しを行う中継サーバ200について説明する。図13は、中継サーバ200の機能構成を示すブロック図である。図13に示されるように、中継サーバ200は、通信部201(受信手段、中継手段)、制御部202(特定手段)、および管理テーブル203を含んで構成される。この中継サーバは、CPU、RAM、ROM等から構成されるコンピュータシステムから構成されているものであり、ROM等に記憶されているプログラムに従って制御部202および通信部201が動作するものである。
【0104】
通信部201は、携帯端末100dおよび携帯端末100eと通信接続する部分であり、携帯端末100dからは、選択されたデータ、アプリケーション102bが起動した時刻情報、そのときの位置情報、アプリケーション102bが起動した旨を示す情報を受信し、携帯端末100eからは、アプリケーション102bが起動した時刻情報、そのときの位置情報、アプリケーション102bが起動した旨を示す情報を受信するとともに、携帯端末100eに対してデータの送信を行う部分である。
【0105】
制御部202は、通信部201において受信された位置情報、アプリケーション102aおよびアプリケーション102bが、それぞれ起動した時刻、そのときの時刻情報、並びに起動した旨を示す情報を、管理テーブル203に記憶するとともに、携帯端末同士の組み合わせを決定する部分である。
【0106】
管理テーブル203は、アプリケーションが起動したことを示す情報、時刻情報、および位置情報を対応付けて記憶する部分であり、携帯端末100dおよび携帯端末100eの組み合わせを決定するための情報を記憶する部分である。なお、本実施形態においては、時刻情報をそれぞれの携帯端末100dおよび携帯端末100eから受信して記憶しているが、それに限るものではなく、アプリケーションの起動情報を受信したときの時刻情報を記憶するようにしてもよい。
【0107】
図14は、その具体例を示す説明図である。図14に示されるとおり、アプリケーションが起動していることを示す情報、その時刻情報、および位置情報が対応付けて記憶されている。制御部202は、アプリケーションが起動していることを示す情報として、チェック“○”が記述されており、時刻差が所定時間以内にあり、さらに位置情報がおおむね一致若しくは、所定値以内である場合に、その携帯端末同士は、データ移動の処理を行う組み合わせであると判断できる。
【0108】
このような中継サーバ200は、携帯端末100dおよび携帯端末100eの組み合わせを適切に判断し、データの先送り処理を行うことができる。
【0109】
つぎに、このように構成された携帯端末100d、携帯端末100eおよび中継サーバ200からなるデータ送信システムの各処理について説明する。図15は、データ送信システムの処理を示すフローチャートである。
【0110】
まず、携帯端末100dおよび携帯端末100eにおいて、それぞれ、位置情報がオン設定される(S201、S201a)。すなわち、GPS機能がオン状態となる。そして、アプリケーション102aおよびアプリケーション102bが起動され、位置測位部109aおよび位置測位部109bにより、位置情報の取得処理が行われる。アプリケーションが起動した旨、その時刻情報、および測位した位置情報(以下、これら情報を登録情報と称する)が通信部107dおよび通信部107eにより、中継サーバ200に送信される(S202、S202a)。
【0111】
中継サーバ200においては、携帯端末100dおよび携帯端末100eにおいてそれぞれ送信された登録情報が、通信部201により受信され、管理テーブル203に記憶される。そして制御部202による判断に基づいて、携帯端末の組み合わせが決定される(S203)。
【0112】
そして、携帯端末100aにおいて、データ一覧がタッチパネル101aに表示され(S204)、ユーザ操作により一のデータが選択され、そのまま自動的にデータは中継サーバ200に送信される(S207)。中継サーバ200の宛先は、アプリケーション102aに記憶されているものであり、アプリケーション102aが起動した時点で、データの選択処理が行われると、自動的に中継サーバ200に送信されるように設定されている。
【0113】
中継サーバ200においては、携帯端末100aからデータがその発信元情報とともに受信され、管理テーブル203に基づいて対応する宛先となる携帯端末100eが決定され、通信部201によりそのまま中継転送される(S209)。
【0114】
携帯端末100eにおいては、通信部107eによりデータが受信され、記憶部108bに記憶される(S211)。
【0115】
その後、携帯端末100dにおいて、データの送信後、タッチパネル101aにおいて、選択対象となるデータが表示されている範囲からタッチパネル101aの外縁部に向けたスライド操作の有無が判断され、そのスライド操作の方向に応じたスライド表示が表示制御部105aにより行われるとともに、スライド操作をしたスライド操作時刻を、中継サーバ200を介して携帯端末100eに送信する(S212)。
【0116】
携帯端末100eにおいて、タッチパネル101bにおいて、その外縁部から内側に向けたスライド操作の有無が判断される(S213)。そして、当該スライド操作が、携帯端末100eにおけるスライド操作の基準時から所定時間以内であるか否かが、検出部104bにおいて判断される(S214)。そして、所定時間以内であると判断される場合には、表示制御部105bによりタッチパネル101bにおいてデータはスライド表示されるとともに、記憶部108bにおいてデータは記憶された状態が維持される(S215)。
【0117】
また、基準時から所定時間以内にスライド操作はないと、検出部104bにおいて判断されると(S213:NO、S214:NO)、削除部106bにより、該当するデータは記憶部108bから削除される(S216)。
【0118】
その後、携帯端末100dおよび携帯端末100eのそれぞれにおいて、アプリケーション102aおよびアプリケーション102bが終了処理されると(S217、S217a)、その旨が、中継サーバ200に通知され、中継サーバ200における管理テーブル203から、制御部202により、対応する組み合わせのユーザ情報が消去される。またS208において受信されたデータが記憶されている場合には、制御部202により、そのデータも削除される(S218)。
【0119】
このようにして、中継サーバ200を使ったデータの移動処理を行うことができる。
【0120】
つぎに、この第二の実施形態のデータ送信システムの変形例について説明する。この変形例は、移動しようとするデータのデータサイズが所定値以上である場合には、ダミーデータをスライド表示させることにより直感的な移動処理を行わせようとするものである。図16は、その変形例における処理を示すフローチャートである。
【0121】
ここでは、図15との相違点に着目して説明する。S201からS211までは、図15に示される処理と同じであり、中継サーバ200において、携帯端末100dおよび携帯端末100eの組み合わせが決定され、携帯端末100dにおいて選択されたデータは、携帯端末100eに送信される。
【0122】
そして、携帯端末100dにおいて、画像選択がされると、選択されたデータのデータサイズが所定値以下であるか否かが判断される(S211a)。所定値以下である場合には、選択されたデータを記憶部108aから読み出し、スライド表示のための処理に使われる。所定値以下ではない場合には、記憶部108aからダミーデータを読み出し(S212a)、ユーザによるスライド操作が行われると、ダミーデータをスライド表示させる(S212)。
【0123】
携帯端末100eにおいては、スライド操作を検出して(S213)、そのスライド操作が基準時点から所定時間以内である場合には(S214)、データの移動があったとして、データのスライド表示を行う(S215a)。なお、携帯端末100eにおいては、記憶部108bを参照して、記憶されているデータのデータサイズが所定値以下のものではない場合には、ダミーデータを利用し、またデータの受信が完了していない場合にも、同様にダミーデータを用いたスライド表示処理を行わせる。
【0124】
また、基準時から所定時間以内にスライド操作はないと、検出部104bにおいて判断されると(S213:NO、S214:NO)、削除部106bにより、該当するデータは記憶部108bから削除される(S216)。
【0125】
そして、アプリケーション102aおよびアプリケーション102bが終了されると(S217、S217a)、中継サーバ200から対応する携帯端末100aおよび携帯端末100bの組み合わせや、データが削除される(S218)。
【0126】
このようにして、中継サーバ200を利用して、ダミーデータを利用したスライド操作およびそのスライド表示処理を行わせることができ、データサイズによらず、直感的な操作を可能にさせる。
【0127】
つぎに、本実施形態の携帯端末100dおよび携帯端末100eの作用効果について説明する。
【0128】
本実施形態の携帯端末100dは、おおむね第一の実施形態と同様の作用効果を奏するが、中継サーバ200に対してデータ送信処理を行う点や、中継サーバ200が携帯端末100dおよび携帯端末100eの組み合わせを決定する点で相違する。すなわち、携帯端末100dにおいて、通信部107dは、ネットワーク上に配置されている中継サーバ200を介して、通信相手にデータを送信する。そして、通信部107dは、当該送信に先立って、中継サーバ200に対して、スライド表示をさせるための機能であるアプリケーション102aを起動したことを示す起動情報および測位された位置情報を通知することにより、中継サーバ200において、データの送信処理を実行しようとする移動先の携帯端末100dおよび移動元の携帯端末100eの組み合わせを特定することができる。
【0129】
また、本実施形態の携帯端末100eは、位置測位部109bをさらに備え、通信部107eは、ネットワーク上に配置されている中継サーバ200を介して、携帯端末100dからデータを受信し、当該受信に先立って、中継サーバ200に対して、スライド表示をさせるための機能を起動したことを示す起動情報および測位された位置情報を通知することで、中継サーバ200において、データの送信処理を実行しようとする移動先の携帯端末100dおよび移動元の携帯端末100eの組み合わせを特定することができる。
【0130】
そして、中継サーバ200において、通信部201は、携帯端末100dの識別情報、位置情報およびアプリケーション102a起動情報、携帯端末100eの識別情報、位置情報およびアプリケーション102bの起動情報を受信し、これら情報を管理テーブル203は一時記憶する。そして、制御部202は、受信された各位置情報および起動情報に基づいて、携帯端末100dおよび携帯端末100eの組み合わせを特定する。そして、通信部201は、携帯端末100dからデータを受信すると、制御部202により組み合わせが特定された携帯端末100eに対してデータを転送する。
【0131】
よって、携帯端末100dおよび携帯端末100eにおいて、中継サーバ200を利用したデータの送受信を行うことができ、ネットワークを利用したデータ送信の直感的な操作を実現することができる。
【0132】
また、携帯端末100dおよび携帯端末100eは、アプリケーション102aおよび102bの起動情報をはじめ、その時刻情報および位置情報を中継サーバ200に送信し、中継サーバ200では、これら情報に基づいて同時期に、同位置において、データ送信のための同じアプリケーションを起動させた場合には、それら携帯端末100dおよび100eは、互いにデータの送信を希望している端末であると判断することができ、それらを一組の端末として管理することができる。
【0133】
なお、移動元の携帯端末100dおよび移動先の携帯端末100eにおいて、それぞれアプリケーション102aおよびアプリケーション102bが起動した時刻情報を、起動情報等とともに中継サーバ200に通知して、それを管理テーブル203に記憶させてもよいし、中継サーバ200において、起動情報を受信した時刻を管理テーブル203に記憶させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0134】
100a、100b、100c 、100d、100e…携帯端末、101a、101b…タッチパネル、102a、102b…アプリケーション、103a …選択部、104a、104b…検出部、105a、105b…表示制御部、106b…削除部、107a、107b…近距離無線通信部、107d 、107e…通信部、108a、108b…記憶部、109a、109b…位置測位部、200…中継サーバ、201…通信部、202…制御部、203…管理テーブル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動元タッチパネルと、
前記移動元タッチパネルにおいて表示されているデータを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたデータを通信相手に送信する送信手段と、
前記選択手段により選択されたデータの前記移動元タッチパネルにおける表示範囲のうち、任意の位置から当該タッチパネルの外端部に向けた移動元スライド操作を前記移動元タッチパネルにおいて検出する検出手段と、
前記検出手段により当該移動元スライド操作を検出すると、当該移動元スライド操作に従った外端部方向に向けて前記データをスライド表示させるように、前記移動元タッチパネルを制御する表示制御手段と、
を備え、
前記送信手段は、前記表示制御手段による前記データのスライド表示を行う前に、前記データの送信を完了していることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記検出手段により移動元スライド操作が検出されると、前記送信手段は、通信相手に移動元においてスライド操作したこと、または移動元においてスライド操作した時刻を通知することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記データのファイルサイズが所定値以上である場合には、前記表示制御手段は、前記タッチパネルにおいて、予め用意されたダミーデータをスライド表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末。
【請求項4】
位置情報を測位する移動元測位手段をさらに備え、
前記送信手段は、ネットワーク上に配置されている中継サーバを介して、通信相手にデータを送信し、当該送信に先立って、前記中継サーバに対して、スライド表示をさせるための機能を起動したことを示す起動情報および前記移動元測位手段により測位された位置情報を通知することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯端末からデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信されたデータを記憶する記憶手段と、
データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動先タッチパネルと、
前記移動先タッチパネルにおいて、当該移動先タッチパネルの外端部から内側に向けた移動先スライド操作を検出する移動先検出手段と、
前記移動先検出手段により当該移動先スライド操作を検出すると、前記記憶手段に記憶されているデータを、前記移動先スライド操作に従った外端部から内側に向けた方向にスライド表示させるように、前記タッチパネルを制御する移動先表示制御手段と、
を備える携帯端末。
【請求項6】
前記記憶手段に記憶されているデータを削除する削除手段をさらに備え、
前記受信手段は、請求項2または3に記載の携帯端末において移動元スライド操作が行われた旨の通知、当該通知が送信された時刻、若しくは移動元スライド操作が行われた時刻を受信し、前記通知が送信された時刻、前記通知が受信された時刻、または移動元スライド操作が行われた時刻のいずれかを基準時として所定時間内に、前記移動先スライド操作が行われると、前記移動先表示制御手段は、前記タッチパネルにおいてデータのスライド表示を行い、所定時間内に、前記移動先スライド操作が行われないと、前記移動先表示制御手段による前記タッチパネルにおいてデータのスライド表示を行うことなく、前記削除手段は、前記データを前記記憶手段から削除することを特徴とする請求項5に記載の携帯端末。
【請求項7】
所定の条件の下において、前記タッチパネルにおいて、予め用意されたダミーデータがスライド表示されることを特徴とする請求項5または6に記載の携帯端末。
【請求項8】
位置情報を測位する移動先測位手段をさらに備え、
前記受信手段は、ネットワーク上に配置されている中継サーバを介して、通信相手からデータを受信し、当該受信に先立って、前記中継サーバに対して、スライド表示をさせるための機能を起動したことを示す起動情報および前記移動先測位手段により測位された位置情報を通知することを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項9】
移動元携帯端末と、移動先携帯端末と、中継サーバとからなるデータ送信システムにおいて、
前記移動元携帯端末は、
位置情報を測位する移動元測位手段と、
予め定められたデータ送信機能を起動する移動元起動手段と、
前記移動元測位手段により測位された位置情報、前記移動元起動手段によりデータ送信機能が起動された旨を示す起動情報を、前記中継サーバに通知する移動元通知手段と、
データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動元タッチパネルと、
前記移動元タッチパネルにおいて表示されているデータを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたデータを前記中継サーバに送信する送信手段と、
前記選択手段により選択されたデータの前記移動元タッチパネルにおける表示範囲のうち、任意の位置から当該タッチパネルの外端部に向けた移動元スライド操作を前記移動元タッチパネルにおいて検出する検出手段と、
前記検出手段により当該移動元スライド操作を検出すると、当該移動元スライド操作に従った外端部方向に向けて前記データをスライド表示させるように、前記移動元タッチパネルを制御する表示制御手段と、
を備え、
前記移動先携帯端末は、
位置情報を測位する移動先測位手段と、
予め定められたデータ送信機能を起動する移動先起動手段と、
前記移動先測位手段により測位された位置情報および前記移動先起動手段によりデータ送信機能が起動された旨を示す起動情報を、前記中継サーバに通知する移動先通知手段と、
前記移動元携帯端末からデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信されたデータを記憶する記憶手段と、
データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動先タッチパネルと、
前記移動先タッチパネルにおいて、当該移動先タッチパネルの外端部から内側に向けた移動先スライド操作を検出する移動先検出手段と、
前記移動先検出手段により当該移動先スライド操作を検出すると、前記記憶手段に記憶されているデータを、前記移動先スライド操作に従った外端部から内側に向けた方向にスライド表示させるように、前記タッチパネルを制御する移動先表示制御手段と、
を備え、
前記中継サーバは、
前記移動元携帯端末の識別情報、位置情報および起動情報、前記移動先携帯端末の識別情報、位置情報、および起動情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された各位置情報、起動情報および起動情報に基づいて、前記移動元携帯端末および前記移動先携帯端末の組み合わせを特定する特定手段と、
前記移動元携帯端末からデータを受信すると、前記特定手段により組み合わせが特定された移動先携帯端末に対してデータを転送する中継手段と、
を備えることを特徴とするデータ送信システム。
【請求項10】
データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動元タッチパネルを有する移動元携帯端末、およびデータの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動先タッチパネルを有する移動先携帯端末を利用したデータ送信方法において、
前記移動元タッチパネルにおいて表示されているデータを選択する選択ステップと、
前記選択ステップにより選択されたデータを通信相手に送信する送信ステップと、
前記選択ステップにより選択されたデータの前記移動元タッチパネルにおける表示範囲のうち、任意の位置から当該タッチパネルの外端部に向けた移動元スライド操作を前記移動元タッチパネルにおいて検出する検出ステップと、
前記検出ステップにより当該移動元スライド操作を検出すると、当該移動元スライド操作に従った外端部方向に向けて前記データをスライド表示させるように、前記移動元タッチパネルを制御する移動元表示制御ステップと、
を備え、
移動元携帯端末からデータを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信されたデータを記憶手段に記憶する記憶ステップと、
データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動先タッチパネルと、
前記移動先タッチパネルにおいて、当該移動先タッチパネルの外端部から内側に向けた移動先スライド操作を検出する移動先検出ステップと、
前記移動先検出ステップにより当該移動先スライド操作を検出すると、前記記憶手段に記憶されているデータを、前記移動先スライド操作に従った外端部から内側に向けた方向にスライド表示させるように、前記タッチパネルを制御する移動先表示制御ステップと、
を備え、
前記送信ステップは、前記移動元表示制御ステップによる前記データのスライド表示を行う前に、前記データの送信を完了していることを特徴とするデータ送信方法。
【請求項11】
データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動元タッチパネルを有する移動元携帯端末と、データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動元タッチパネルを有する移動先携帯端末と、中継サーバとからなるデータ送信システムのデータ送信方法において、
前記移動元携帯端末は、
位置情報を測位する移動元測位ステップと、
予め定められたデータ送信機能を起動する移動元起動ステップと、
前記移動元測位ステップにより測位された位置情報および前記移動元起動ステップによりデータ送信機能が起動された旨を、前記中継サーバに通知する移動元通知ステップと、
前記移動元タッチパネルにおいて表示されているデータを選択する選択ステップと、
前記選択ステップにより選択されたデータを前記中継サーバに送信する送信ステップと、
前記選択ステップにより選択されたデータの前記移動元タッチパネルにおける表示範囲のうち、任意の位置から当該タッチパネルの外端部に向けた移動元スライド操作を前記移動元タッチパネルにおいて検出する移動元検出ステップと、
前記検出ステップにより当該移動元スライド操作を検出すると、当該移動元スライド操作に従った外端部方向に向けて前記データをスライド表示させるように、前記移動元タッチパネルを制御する移動元表示制御ステップと、
を備え、
前記移動先携帯端末は、
位置情報を測位する移動先測位ステップと、
予め定められたデータ送信機能を起動する移動先起動ステップと、
前記移動先測位ステップにより測位された位置情報および前記移動先起動ステップによりデータ送信機能が起動された旨を示す起動情報、前記中継サーバに通知する移動先通知ステップと、
前記移動元携帯端末からデータを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信されたデータを記憶手段に記憶する記憶ステップと、
前記移動先タッチパネルにおいて、当該移動先タッチパネルの外端部から内側に向けた移動先スライド操作を検出する移動先検出ステップと、
前記移動先検出ステップにより当該移動先スライド操作を検出すると、前記記憶手段に記憶されているデータを、前記移動先スライド操作に従った外端部から内側に向けた方向にスライド表示させるように、前記タッチパネルを制御する移動先表示制御ステップと、
を備え、
前記中継サーバは、
前記移動元携帯端末の識別情報、位置情報および起動情報、前記移動先携帯端末の識別情報、位置情報および起動情報を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信された各位置情報および起動情報に基づいて、前記移動元携帯端末および前記移動先携帯端末の組み合わせを特定する特定ステップと、
前記移動元携帯端末からデータを受信すると、前記特定ステップにより組み合わせが特定された移動先携帯端末に対してデータを転送する中継ステップと、
を備えることを特徴とするデータ送信方法。
【請求項1】
データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動元タッチパネルと、
前記移動元タッチパネルにおいて表示されているデータを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたデータを通信相手に送信する送信手段と、
前記選択手段により選択されたデータの前記移動元タッチパネルにおける表示範囲のうち、任意の位置から当該タッチパネルの外端部に向けた移動元スライド操作を前記移動元タッチパネルにおいて検出する検出手段と、
前記検出手段により当該移動元スライド操作を検出すると、当該移動元スライド操作に従った外端部方向に向けて前記データをスライド表示させるように、前記移動元タッチパネルを制御する表示制御手段と、
を備え、
前記送信手段は、前記表示制御手段による前記データのスライド表示を行う前に、前記データの送信を完了していることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記検出手段により移動元スライド操作が検出されると、前記送信手段は、通信相手に移動元においてスライド操作したこと、または移動元においてスライド操作した時刻を通知することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記データのファイルサイズが所定値以上である場合には、前記表示制御手段は、前記タッチパネルにおいて、予め用意されたダミーデータをスライド表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末。
【請求項4】
位置情報を測位する移動元測位手段をさらに備え、
前記送信手段は、ネットワーク上に配置されている中継サーバを介して、通信相手にデータを送信し、当該送信に先立って、前記中継サーバに対して、スライド表示をさせるための機能を起動したことを示す起動情報および前記移動元測位手段により測位された位置情報を通知することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯端末からデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信されたデータを記憶する記憶手段と、
データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動先タッチパネルと、
前記移動先タッチパネルにおいて、当該移動先タッチパネルの外端部から内側に向けた移動先スライド操作を検出する移動先検出手段と、
前記移動先検出手段により当該移動先スライド操作を検出すると、前記記憶手段に記憶されているデータを、前記移動先スライド操作に従った外端部から内側に向けた方向にスライド表示させるように、前記タッチパネルを制御する移動先表示制御手段と、
を備える携帯端末。
【請求項6】
前記記憶手段に記憶されているデータを削除する削除手段をさらに備え、
前記受信手段は、請求項2または3に記載の携帯端末において移動元スライド操作が行われた旨の通知、当該通知が送信された時刻、若しくは移動元スライド操作が行われた時刻を受信し、前記通知が送信された時刻、前記通知が受信された時刻、または移動元スライド操作が行われた時刻のいずれかを基準時として所定時間内に、前記移動先スライド操作が行われると、前記移動先表示制御手段は、前記タッチパネルにおいてデータのスライド表示を行い、所定時間内に、前記移動先スライド操作が行われないと、前記移動先表示制御手段による前記タッチパネルにおいてデータのスライド表示を行うことなく、前記削除手段は、前記データを前記記憶手段から削除することを特徴とする請求項5に記載の携帯端末。
【請求項7】
所定の条件の下において、前記タッチパネルにおいて、予め用意されたダミーデータがスライド表示されることを特徴とする請求項5または6に記載の携帯端末。
【請求項8】
位置情報を測位する移動先測位手段をさらに備え、
前記受信手段は、ネットワーク上に配置されている中継サーバを介して、通信相手からデータを受信し、当該受信に先立って、前記中継サーバに対して、スライド表示をさせるための機能を起動したことを示す起動情報および前記移動先測位手段により測位された位置情報を通知することを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項9】
移動元携帯端末と、移動先携帯端末と、中継サーバとからなるデータ送信システムにおいて、
前記移動元携帯端末は、
位置情報を測位する移動元測位手段と、
予め定められたデータ送信機能を起動する移動元起動手段と、
前記移動元測位手段により測位された位置情報、前記移動元起動手段によりデータ送信機能が起動された旨を示す起動情報を、前記中継サーバに通知する移動元通知手段と、
データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動元タッチパネルと、
前記移動元タッチパネルにおいて表示されているデータを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたデータを前記中継サーバに送信する送信手段と、
前記選択手段により選択されたデータの前記移動元タッチパネルにおける表示範囲のうち、任意の位置から当該タッチパネルの外端部に向けた移動元スライド操作を前記移動元タッチパネルにおいて検出する検出手段と、
前記検出手段により当該移動元スライド操作を検出すると、当該移動元スライド操作に従った外端部方向に向けて前記データをスライド表示させるように、前記移動元タッチパネルを制御する表示制御手段と、
を備え、
前記移動先携帯端末は、
位置情報を測位する移動先測位手段と、
予め定められたデータ送信機能を起動する移動先起動手段と、
前記移動先測位手段により測位された位置情報および前記移動先起動手段によりデータ送信機能が起動された旨を示す起動情報を、前記中継サーバに通知する移動先通知手段と、
前記移動元携帯端末からデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信されたデータを記憶する記憶手段と、
データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動先タッチパネルと、
前記移動先タッチパネルにおいて、当該移動先タッチパネルの外端部から内側に向けた移動先スライド操作を検出する移動先検出手段と、
前記移動先検出手段により当該移動先スライド操作を検出すると、前記記憶手段に記憶されているデータを、前記移動先スライド操作に従った外端部から内側に向けた方向にスライド表示させるように、前記タッチパネルを制御する移動先表示制御手段と、
を備え、
前記中継サーバは、
前記移動元携帯端末の識別情報、位置情報および起動情報、前記移動先携帯端末の識別情報、位置情報、および起動情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された各位置情報、起動情報および起動情報に基づいて、前記移動元携帯端末および前記移動先携帯端末の組み合わせを特定する特定手段と、
前記移動元携帯端末からデータを受信すると、前記特定手段により組み合わせが特定された移動先携帯端末に対してデータを転送する中継手段と、
を備えることを特徴とするデータ送信システム。
【請求項10】
データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動元タッチパネルを有する移動元携帯端末、およびデータの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動先タッチパネルを有する移動先携帯端末を利用したデータ送信方法において、
前記移動元タッチパネルにおいて表示されているデータを選択する選択ステップと、
前記選択ステップにより選択されたデータを通信相手に送信する送信ステップと、
前記選択ステップにより選択されたデータの前記移動元タッチパネルにおける表示範囲のうち、任意の位置から当該タッチパネルの外端部に向けた移動元スライド操作を前記移動元タッチパネルにおいて検出する検出ステップと、
前記検出ステップにより当該移動元スライド操作を検出すると、当該移動元スライド操作に従った外端部方向に向けて前記データをスライド表示させるように、前記移動元タッチパネルを制御する移動元表示制御ステップと、
を備え、
移動元携帯端末からデータを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信されたデータを記憶手段に記憶する記憶ステップと、
データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動先タッチパネルと、
前記移動先タッチパネルにおいて、当該移動先タッチパネルの外端部から内側に向けた移動先スライド操作を検出する移動先検出ステップと、
前記移動先検出ステップにより当該移動先スライド操作を検出すると、前記記憶手段に記憶されているデータを、前記移動先スライド操作に従った外端部から内側に向けた方向にスライド表示させるように、前記タッチパネルを制御する移動先表示制御ステップと、
を備え、
前記送信ステップは、前記移動元表示制御ステップによる前記データのスライド表示を行う前に、前記データの送信を完了していることを特徴とするデータ送信方法。
【請求項11】
データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動元タッチパネルを有する移動元携帯端末と、データの表示を行うとともに、ユーザからの操作を受け付ける移動元タッチパネルを有する移動先携帯端末と、中継サーバとからなるデータ送信システムのデータ送信方法において、
前記移動元携帯端末は、
位置情報を測位する移動元測位ステップと、
予め定められたデータ送信機能を起動する移動元起動ステップと、
前記移動元測位ステップにより測位された位置情報および前記移動元起動ステップによりデータ送信機能が起動された旨を、前記中継サーバに通知する移動元通知ステップと、
前記移動元タッチパネルにおいて表示されているデータを選択する選択ステップと、
前記選択ステップにより選択されたデータを前記中継サーバに送信する送信ステップと、
前記選択ステップにより選択されたデータの前記移動元タッチパネルにおける表示範囲のうち、任意の位置から当該タッチパネルの外端部に向けた移動元スライド操作を前記移動元タッチパネルにおいて検出する移動元検出ステップと、
前記検出ステップにより当該移動元スライド操作を検出すると、当該移動元スライド操作に従った外端部方向に向けて前記データをスライド表示させるように、前記移動元タッチパネルを制御する移動元表示制御ステップと、
を備え、
前記移動先携帯端末は、
位置情報を測位する移動先測位ステップと、
予め定められたデータ送信機能を起動する移動先起動ステップと、
前記移動先測位ステップにより測位された位置情報および前記移動先起動ステップによりデータ送信機能が起動された旨を示す起動情報、前記中継サーバに通知する移動先通知ステップと、
前記移動元携帯端末からデータを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信されたデータを記憶手段に記憶する記憶ステップと、
前記移動先タッチパネルにおいて、当該移動先タッチパネルの外端部から内側に向けた移動先スライド操作を検出する移動先検出ステップと、
前記移動先検出ステップにより当該移動先スライド操作を検出すると、前記記憶手段に記憶されているデータを、前記移動先スライド操作に従った外端部から内側に向けた方向にスライド表示させるように、前記タッチパネルを制御する移動先表示制御ステップと、
を備え、
前記中継サーバは、
前記移動元携帯端末の識別情報、位置情報および起動情報、前記移動先携帯端末の識別情報、位置情報および起動情報を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信された各位置情報および起動情報に基づいて、前記移動元携帯端末および前記移動先携帯端末の組み合わせを特定する特定ステップと、
前記移動元携帯端末からデータを受信すると、前記特定ステップにより組み合わせが特定された移動先携帯端末に対してデータを転送する中継ステップと、
を備えることを特徴とするデータ送信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−212402(P2012−212402A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78691(P2011−78691)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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