説明

携帯端末、通信端末、これらを用いた所在位置通知システム、及び所在位置通知方法

【課題】自分の所在場所を知らせる場合、相手に必要以外の自分の所在位置に関する情報が提供されないようにする。
【解決手段】携帯端末10は、特定の通信相手B側の通信端末50から利用者Aの位置情報の公開要求を受信し、予め設定してある許可条件を満たすことを判別すると、相手端末Bによって指定される公開レベルに自身の位置情報についての公開レベルを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信機能を備え、GPS(Global Positioning System)等を利用して自身の所在位置を知らせることができる携帯端末、この携帯端末と交信可能な通信端末、これらを用いた所在位置通知システム、及び所在位置通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末の普及に伴い、所持する携帯端末を利用して、自分の居る場所を通知、又は相手の居る場所を特定する技術が考案され、実用化されている。
【0003】
特に、緊急通報時に自分の所在位置を正確に警察署、消防署、病院等といった緊急通報先に通知できるように、携帯端末にGPS機能を利用した所在位置特定システムを搭載することが勧告されている。
【0004】
しかし、携帯端末を所持する利用者の立場に立って考えると、相手側の所定手続によって、一方的かつ無条件に自分の居場所を知られることは、利用者自身のプライバシー保護の観点から好ましくなかった。
【0005】
このような利用者の立場を配慮し、特開2002−077975号公報には、携帯端末(移動通信端末としての簡易携帯電話機)の所在位置をモニタするに当たり、予め定められた対象エリアに限って、かつ携帯端末のユーザの事前了解を条件に携帯端末の所在位置のモニタが行われる位置情報通知システムが開示されている。
【0006】
また、特開2002−353976号公報には、GPS(Global Positioning System)受信機を備えた携帯端末(情報通信機器としてのリストバンドセンサー)において、GPS受信機に基づき取得される携帯端末の位置情報も含め、携帯端末に保持され又は携帯端末によって取得される各種情報の中、通信相手に応じて公開する情報の種類を設定する公開範囲手段が開示されている。
【0007】
上述した従来技術は、いずれも自身の所在位置を示す位置情報を相手に知らせるか否かを設定できるだけのものであって、自身の所在位置について相手に知らせる位置情報の詳細レベル(いわゆる相手に知らせる位置情報の粒度やその知らせる頻度)を設定できるものではなかった。
【0008】
上記技術に関連する文献例を以下に挙げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−077975号公報
【特許文献2】特開2002−353976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したような、通信機能を備え、自身の所在位置を特定できる携帯端末においては、自身の所在位置を示す位置情報を相手に知らせる場合であっても、詳細すなわち精緻な位置情報を相手に知らせる必要があるときと、同じく知らせる必要があっても、精緻な位置情報は相手に知らせたくない場合とがある。
【0011】
このように、通信機能を備え、自身の所在位置を特定できる携帯端末においては、自身の所在位置の位置情報を相手に知らせるにしても、知らせる相手の親疎の度合に応じて、相手に知らせる位置情報の詳細レベルを変えられることが強く要望される。
【0012】
しかしながら、上述した従来技術では、自身の所在位置を相手に知らせるか否かを設定できるだけであるため、自身の所在位置を精緻に示す位置情報は相手に知らせる必要がない場合であっても、自身の所在位置に関して、必要以上に精緻な位置情報が相手に送られてしまうことになり、プライバシー保護がはかれない。そこで、自身の所在位置を相手に知らせる場合は全て、自身の所在位置を示す位置情報を精緻な位置情報で知らせずに、プライバシー保護の観点から大まかな位置情報で知らせるようにしておくことも考えられるが、警察署、消防署、病院等といった緊急通報の場合は、反対に警察署、消防署、病院等では精緻な位置情報が得られないため、その対応作業に支障を来たす虞れもある。
【0013】
また、同じ相手であっても、所在地域/時間帯によっては、自身の所在位置を示す位置情報を相手に知らせても構わない場合と、知らせたくない場合とがある。例えば、プライバシー保護の観点から、自宅所在地の所在を示す位置情報や、勤務時間外の所在を示す位置情報は、仕事上の相手には秘匿しておくことが好ましい場合もある。
【0014】
このような場合、上述した従来技術では、所在地域や曜日を含めた時間帯に応じて、自身の所在位置を相手に知らせるか否か、さらに知らせておく必要がある場合は、どの程度の位置情報の詳細レベルで知らせるか設定できないため、プライバシー保護の観点から好ましくないという問題点があった。
【0015】
本発明は、上述した従来技術の問題点を鑑みなされたものであって、自分の所在場所を知らせる場合、自身の所在位置を示す位置情報の詳細度合を公開レベルで表わし、自分の所在位置を示す位置情報を相手に知らせる場合、相手に応じて設定した公開レベルに基づき知らせるようにし、相手に必要以外の自分の所在位置に関する情報が提供されないようにした携帯端末、通信端末、これらを用いた所在位置通知システム、及び所在位置通知方法を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は、同じ相手であっても、相手に知らせる自身の所在位置を示す位置情報を所在地域/時間帯に基づき制御して、相手に必要以外の自分の所在位置に関する情報が提供されないようにした携帯端末、通信端末、これらを用いた所在位置通知システム、及び所在位置通知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の携帯端末は、上述した課題を解決するために、通信機能を備えた携帯端末であって、自端末の位置情報を取得する自端末位置情報取得手段と、自端末位置情報取得手段によって取得された自端末の位置情報の公開レベルを決定する公開レベル決定手段と、公開レベル決定手段によって決定された公開レベルに基づいた自端末の位置情報を相手端末に出力する出力手段とを備えていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の携帯端末は、通信機能を備えた携帯端末であって、自端末の位置情報を取得する自端末位置情報取得手段と、自端末位置情報取得手段によって取得された自端末の位置情報による自端末の所在地域に応じて自端末の位置情報の公開レベルを決定する公開レベル決定手段と、公開レベル決定手段によって決定された公開レベルに基づいた自端末の位置情報を相手端末に出力する出力手段とを備えていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の携帯端末は、通信機能を備えた携帯端末であって、自端末の位置情報を取得する自端末位置情報取得手段と、時間帯に応じて自端末位置情報取得手段によって取得される自端末の位置情報の公開レベルを決定する公開レベル決定手段と、公開レベル決定手段によって決定された公開レベルに基づいた自端末の位置情報を相手端末に出力する出力手段とを備えていることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の携帯端末は、通信機能を備えた携帯端末であって、相手端末から発信される自身の位置情報についての公開要求を受信する公開要求受信手段と、公開要求受信手段による公開要求の受信に基づいて、自身の位置情報を取得する自端末位置情報取得手段と、自端末位置情報取得手段によって取得された自身の位置情報についての公開レベルを決定する公開レベル決定手段と、自端末位置情報取得手段によって取得された自身の位置情報から、公開レベル決定手段によって決定された公開レベルに対応した自身の所在範囲を示す位置情報を生成し、相手端末に伝送する出力手段と、自身の位置情報についての公開レベルを相手側から変更可能な予め設定された許可条件が記憶されている許可条件記憶手段と、公開要求受信手段が受信した相手端末の通信相手が許可条件記憶手段に記憶されている許可条件を満たすか否か判別する特定通信相手判別手段と、を有し、公開レベル決定手段は、特定通信相手判別手段が許可条件を満たすことを判別した場合は、公開要求受信手段が受信した公開要求の相手端末側によって指定される公開レベルに自身の位置情報についての公開レベルを決定することを特徴とする。
【0021】
加えて、この許可条件記憶手段に記憶されている許可条件は、予め設定されたパスワードであることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の携帯端末の所在位置通知方法は、相手端末から発信される自身の位置情報についての公開要求を受信する公開要求受信ステップ、公開要求受信ステップの実行による公開要求の受信に基づいて、自身の位置情報を取得する自端末位置情報取得ステップ、自端末位置情報取得ステップの実行によって取得された自身の位置情報についての公開レベルを決定する公開レベル決定ステップ、自端末位置情報取得ステップの実行によって取得された自身の位置情報から、公開レベル決定ステップの実行によって決定された公開レベルに対応した自身の所在範囲を示す位置情報を生成し、相手端末に伝送する出力ステップ、公開要求受信ステップの実行によって受信した相手端末の通信相手が、自身の位置情報についての公開レベルを相手側から変更可能な予め設定された許可条件を満たすか否か判別する特定通信相手判別ステップ、を含み、公開レベル決定ステップは、特定通信相手判別ステップにおいて許可条件を満たすことを判別した場合は、公開要求受信ステップにおいて受信した公開要求の相手端末側によって指定される公開レベルに自身の位置情報についての公開レベルを決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、携帯端末の利用者が、自分の居場所を知らせる通信相手に応じて、自身の所在位置を示す位置情報の詳細度合を公開レベルにより規定しておくことができるので、自分の居場所を知らせる通信相手に必要以外の自分の所在位置を示す位置情報が提供されないので、プライバシー保護がはかれる一方、緊急連絡の場合等、通信相手に自分の所在位置に関する精緻な情報を提供する必要がある場合には、通信相手が必要とする自分の所在位置を示す精緻な位置情報を漏れなく提供することができ、その対応作業の迅速化に貢献できる。
【0024】
また、本発明によれば、携帯端末の利用者が、自分の居場所を通常は知らせる通信相手であっても、所在地域/時間帯に応じて制御して、相手に必要以外の自分の所在位置に関する情報が提供されないようにすることができ、プライバシー保護をはかるのに役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の携帯端末、及びこの携帯端末と交信可能な通信端末を用いた所在位置通知システムのシステム構成図である。
【図2】図2は、本実施の形態の携帯端末のシステム構成図である。
【図3】図3は、本実施の形態の携帯端末における公開レベルの一実施例の説明図である。
【図4】図4は、本実施の形態の携帯端末における公開レベル登録テーブルの一実施例の説明図である。
【図5】図5は、本実施の形態の携帯端末を用いた端末間における位置情報の送受信の一実施例を説明するためのフローチャートである。
【図6】図6は、本実施の形態の携帯端末における揮発性メモリに形成された履歴蓄積メモリ説明図である。
【図7】図7は、本実施の形態における公開レベルに基づき生成した所在場所情報、所在表示地図情報の実施例の説明図である。
【図8】図8は、本実施の形態における公開レベルに基づき生成した所在場所情報、所在表示地図情報の実施例の説明図である。
【図9】図9は、本実施の形態における公開レベルに基づき生成した所在場所情報、所在表示地図情報の実施例の説明図である。
【図10】図10は、本実施の形態における公開レベルに基づき生成した所在場所情報、所在表示地図情報の実施例の説明図である。
【図11】図11は、予め設定してある公開レベルよりも詳しい精度で、利用者A自身の所在が通信相手Bに把握されてしまう現象についての説明図である。
【図12】図12は、利用者A自身の詳しい移動軌跡が利用者Aの意に反して通信相手Bに把握されてしまう現象についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の携帯端末、及びこの携帯端末と交信可能な通信端末の一実施形態について、図面とともに説明する。
【0027】
図1は、本発明の携帯端末、及びこの携帯端末と交信可能な通信端末を用いた所在位置通知システムの構成図である。
【0028】
本実施の形態の携帯端末10は、本体11に操作部12及び表示部13等を有し、アンテナ部14等を備えた構成になっている。操作部12には、送受信を指示するためのキー、数字並びに文字を入力するためのキー、相手の位置情報の取得や相手への位置情報の供給を指示するためのキー、カメラ撮影やメール作成を指示するためのキー等が備えられている。表示部13は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)又はELD(Electro Luminescence Display)により構成されたモニタ表示器を有し、位置情報を含めた各種情報が表示可能になっている。
【0029】
携帯端末10は、アンテナ部14を介してキャリアの基地局60(60A)と無線接続され、さらにこの基地局60からキャリアの回線網61やインターネット70を介して通信相手Bの通信端末50との間で通信できる通信機能を有している。図示の例では、説明簡便のため、キャリアがISP(Internet Service Provider)を兼ねているものとして、以下、説明する。
【0030】
また、携帯端末10は、自身すなわち携帯端末10を所持している利用者Aの所在位置を取得するために、GPS衛星80(80-1〜80-4)それぞれからの発信信号をアンテナ部14を介して受信し、GPS衛星80それぞれからの発信信号の受信状況に基づいて、自身Aの位置情報を取得するGPS測位機能を備えている。
【0031】
なお、通信相手Bの通信端末50は、図示の例では、説明便宜のため、利用者Aの携帯端末10と同様の移動通信端末を用いて説明しているが、固定通信端末であってもよい。図中、52,53は、この通信端末50の本体51に備えられた操作部、及び表示部である。
【0032】
本実施の形態では、携帯端末10及び通信端末50は、例えば携帯電話装置により構成され、携帯端末10と通信端末50との間では、キャリアの基地局60(60A,60B)や回線網61を介して、通話や情報伝送が可能になっているとともに、携帯端末10及び通信端末50はそれぞれ基地局60を介してインターネット70にも接続可能になっている。
【0033】
また、本実施の形態では、インターネット70には、要求に基づき所望の位置情報の対応する地域の地図及び場所情報を要求元に提供する地図サービス会社90がコンテンツプロバイダとして接続されている。
【0034】
次に、携帯端末10の構成について図2により説明する。
図2は、本実施の形態の携帯端末のシステム構成図である。
本実施の形態の携帯端末10のアンテナ部14は、通話及びデータ送受信のための無線通信アンテナ14-1と、GPS衛星80それぞれからの送信信号を受信するためのGPS受信アンテナ14-2とを有する。
【0035】
無線通信アンテナ14-1は、基地局60との間で無線信号の送受信を行う。無線部15は、受信時は、基地局60から無線通信アンテナ14-1を介して受信した無線受信信号を復調して、この復調した受信信号を通信制御部16に供給する。また、送信時は、通信制御部16から送られてくる送信信号を変調して増幅し、無線通信アンテナ14-1を介して無線送信信号を基地局60に送信する。
【0036】
通信制御部16は、無線部15が復調した受信信号を所定の通信プロトコルに基づいて復号化して着信・受信処理を行う。通信制御部16は、取得した自端末宛の受信データを主制御部20に供給する。また、通信制御部16は、主制御部20や画像処理部17からから供給される送信データを所定の通信プロトコルに基づいて符号化し、これにより生成した送信信号を無線部15に供給する。
【0037】
主制御部20は、不揮発性メモリ(ROM)21に記憶されている制御プログラムに基づいて、上述した無線部15,通信制御部16を始めとするシステム各部を制御して各種制御処理を実行する。
【0038】
例えば、主制御部20は、通信制御部16による着信検出に基づいて、発光部19を点滅させ、揮発性メモリ(RAM)22に蓄積されている着信音データを音声信号に変換してスピーカ26から音声出力する等して、着信報知を制御する。
【0039】
また、主制御部20は、操作部12の着信操作(オフフック)等に基づいて、通信制御部16から供給される取得した受信データを音声データと画像データや文字データを含む音声データ以外のデータとに分離化し、分離化された音声データを音声信号に変換してスピーカ26から音声出力したり、分離化された画像データや文字データ含む音声データ以外のデータを揮発性メモリ(RAM)22に蓄積したり、さらに表示ドライバ23を制御して、この揮発性メモリ(RAM)22に蓄積された受信画像データや受信文字データ等を表示部13に表示出力したりする等といった受信制御処理を行う。
【0040】
また、主制御部20は、マイク25から入力された音声信号を音声データに変換したり、揮発性メモリ22に蓄積された画像データや文字データ含む音声データ以外のデータの中、送信すべき画像データや文字データを含む音声データ以外のデータを取り出したりして、これら送信すべき音声データと音声データ以外のデータとを多重化することによって送信データを加工生成し、通信制御部16に供給するといった送信制御処理を行う。
【0041】
また、主制御部20は、操作部12の撮影操作に基づいて、画像処理部17を制御して撮影制御処理を行う。画像処理部17には、撮像レンズ及び撮像素子等を備えた撮像部18が接続され、画像処理部17は、撮像部18から出力される被写体の撮像信号をデジタル信号に変換し、画素の補間処理等を施し、画像データを生成する。画像処理部17は、主制御部20からの制御指示に基づいて、この生成した画像データを送信データとして通信制御部16に出力したり、揮発性メモリ(RAM)22に蓄積制御したりする。
【0042】
さらに、本実施の形態では、主制御部20は、操作部12からの指示等に基づいて位置情報処理を行う。
【0043】
そこで、主制御部20が行う位置情報処理に含まれる各種処理の中の、自端末の位置取得処理についてまず説明する。
【0044】
この自端末の位置取得処理では、本実施の形態の場合、主制御部20は、相手との通信中を問わず、操作部12からの自端末の位置情報の確認指示操作又は報告指示操作に基づいてGPS受信部24を作動制御して、自端末に関する現在の測位データの取得処理を行わせる。これにより、GPS受信部24は、アンテナ部14のGPS受信アンテナ14-2により受信される複数のGPS衛星80それぞれからの送信信号を利用して自端末の所在位置を示す緯度及び経度データにより表わされる現在位置データを求める。この取得した現在位置データは、GPS受信部24から主制御部20へ、現在の測位データとして供給される。
【0045】
主制御部20は、このGPS受信部24から取得した測位データを基に、自端末の所在場所やその地図情報の取得要求、すなわち携帯端末10自身の位置情報の取得要求を生成する。そして、前述した通信制御部16及び無線部15により、無線通信アンテナ14-1を介して基地局60に向けて送信する。なお、この位置情報の取得要求は、携帯端末10の利用者Aが別の通信端末50の利用者Bとの間で通信している場合であっても、利用者Aの携帯端末10から利用者Bの通信端末50への送信データを基地局60に送信する際に、携帯端末10から基地局60に向けて一緒に送信できるようになっている。
【0046】
図1に示した所在位置通知システムでは、基地局60は、携帯端末10からの位置情報の取得要求を受信した場合に、インターネット70を介してコンテンツプロバイダとしての地図サービス会社90の位置情報検索サーバ(図示省略)と接続し、携帯端末10からの位置情報の取得要求に含まれている測位データに対応する場所情報やその対応場所が表わされた地図情報の送信要求を、地図サービス会社90に送信する。地図サービス会社90の位置情報検索サーバは、基地局60から受信した送信要求に含まれる携帯端末10の測位データを基にして、携帯端末10が現在位置している場所情報やその場所が含まれている地図情報を検索し、これら検索により得られた情報をインターネット70経由で、送信要求を発信した基地局60に向けて返信回答する。基地局60は、携帯端末10からの位置情報の取得要求に対応した場所情報やその場所が含まれている地図情報の返信回答を地図サービス会社90から受信すると、取得要求の発信元である携帯端末10に対して、位置情報の取得要求に対する回答として、地図サービス会社90から取得した場所情報やその場所が含まれている地図情報を送信する。なお、この場所情報やその場所が含まれている地図情報は、携帯端末10の利用者Aが別の通信端末50の利用者Bとの間で通信している場合であっても、利用者Bの通信端末50から利用者Aの携帯端末10への送信データの基地局60からの送信とともに、基地局60から携帯端末10に向けて送信できるようになっている。
【0047】
携帯端末10の主制御部20は、前述した無線部15及び通信制御部16により受信した基地局60からの受信データに含まれる、自端末の位置情報の確認指示又は報告指示操作に対応しての携帯端末10の所在場所情報やその所在場所が含まれている地図情報の受信を判別すると、これら情報を揮発性メモリ(RAM)22に記憶し、自端末の位置取得処理を終了する。
【0048】
次に、主制御部20が行う位置情報処理に含まれる各種処理の中の、通信相手Bに対する自端末の位置情報についての公開レベルの設定処理について説明する。
【0049】
本実施の形態の携帯端末10では、操作部12による所定の設定操作によって、通信相手Bの通信端末50毎に、設定登録した時間帯毎や所在地域毎に、又はこれら通信端末50、時間帯、所在地域を適宜組み合わせて、通信相手Bに自端末の位置情報を報知する場合の詳細さ(いわゆる相手に知らせる位置情報の粒度やその知らせる頻度)を規定するためのパラメータとしての公開レベルLを設定登録できる構成になっている。
【0050】
図3は、本実施の形態の携帯端末における公開レベルの一実施例の説明図である。
本実施の形態の場合、携帯端末10は、通信相手Bに自端末の位置情報を報知する場合の詳細さを規定するためのパラメータとしての公開レベルLを、図3に示すようにレベルL01〜L05の5つの公開レベルLにより設定登録できる構成になっている。
【0051】
公開レベルLは、レベルL01からレベルL05に向かうにしたがって、通信相手Bに自端末の位置情報を報知する詳細さが増すようになっている。
【0052】
例えば、レベルL01は、通信相手Bに報知する自身の位置情報としては1番低いレベルで、通信相手Bに報知する自身の所在場所(住所表示)D01は非公開であり、その所在場所が含まれている地域を区分して表示するための表示地図D02も非公開であり、その地図上で自身の所在場所を例えば真円で示す所在表示D03も非公開である。
【0053】
また、レベルL02は、2番目に低いレベルで、所在場所D01は都道府県レベルの公開で、表示地図D02は都道府県レベルの地図で、所在表示D03は直径20Kmの真円表示であることを示している。また、レベルL03は、所在場所D01は都道府県の市区町村レベルの公開で、表示地図D02は都道府県の市区町村レベルの地図で、所在表示D03は直径1Kmの真円表示であることを示している。また、レベルL04は、所在場所D01は都道府県の市区町村における地域レベルの公開で、表示地図D02は都道府県の市区町村における地域レベルの地図で、所在表示D03は直径100mの真円表示であることを示している。また、レベルL05は、最も詳細な公開レベルLで、所在場所D01は都道府県の市区町村における地域レベルのピンポイントの公開で、表示地図D02は都道府県の市区町村における地域レベルの詳細地図で、所在表示D03はGPS受信部24の測位レベルに基づくピンポイントであることを示している。
【0054】
本実施の形態の携帯端末10の場合、予め利用者Aによる操作部12の所定設定操作に基づき、このように規定された公開レベルLが、通信相手Bの通信端末50毎に、事前に設定登録した時間帯毎や所在地域毎に、又はこれら通信端末50、時間帯、所在地域を適宜組み合わせて、不揮発性メモリ(ROM)21又は揮発性メモリ(RAM)22に記憶バックアップされて公開レベル登録テーブルとして登録可能になっている。
【0055】
図4は、本実施の形態の携帯端末における公開レベル登録テーブルの一実施例の説明図である。
【0056】
図4に示す公開レベル登録テーブル27では、通信相手B01〜B04に対しては、通信相手毎の公開レベルLが設定登録され、通信相手B05,B06に対しては、時間帯毎の公開レベルLが設定登録され、通信相手B07に対しては、所在地域毎の公開レベルLが設定登録され、通信相手B08に対しては、通信相手毎の公開レベルLと所在地域毎の公開レベルLとが組み合わされた公開レベルLが設定登録されている状態を示す。
【0057】
なお、操作部12を用いた公開レベル登録テーブルへの公開レベルLの設定登録の方法は、通信相手B毎に、通信相手Bに関係無しに、通信相手Bが利用者Aに対して報知する自身の位置情報の公開レベルLに対応して自動的に設定登録される等、種々の方法が、本実施の形態の携帯端末10では備えられているが、ここでは、その詳細な説明は省略する。
【0058】
次に、主制御部20が行う位置情報処理に含まれる各種処理の中の、通信相手Bに対する公開レベルLの決定処理、この決定された公開レベルLに基づいた自端末の位置情報の相手通信端末50への出力処理について、利用者Aが通信相手Bとの間で通信を行う場合を例に説明する。なお、その説明に当たっては、通信相手Bの通信端末50も、前述の図2に示した携帯端末10のシステム構成と同様なシステム構成を有しているものとする。
【0059】
図5は、本実施の形態の携帯端末を用いた端末間における位置情報の送受信の一実施例を説明するためのフローチャートである。
【0060】
図5に示す場合は、利用者Aが通信相手Bとの間で通信を行っている場合に、通信相手Bから自身の位置情報の公開要求を受信した場合には、利用者Aが通信相手Bの公開要求に応じて利用者Aの携帯端末10自身の位置情報を通信相手Bの通信端末50に出力制御する場合を示したものである。
【0061】
この場合、利用者Aは、操作部12を操作して通信相手Bの通信端末50の電話番号を入力し、発信開始操作(オフフック)を行う(ステップSA11)。これにより、携帯端末10では、主制御部20が通信端末50の電話番号に対しての発呼を含んだ送信データを生成し、通信制御部16が無線部15を介して無線通信アンテナ14-1からその送信信号をセルサーチされた基地局60A(図1参照)に向けて無線送信する。
【0062】
基地局60Aは、携帯端末10からの発呼を含んだ送信データを無線受信すると、通信相手Bの属する基地局60Bに携帯端末10からの通信端末50宛の電話番号の発呼が転送されて、基地局60Bからは、通信端末50に対する呼び呼を含んだ送信信号を無線送信する。基地局60Bからの自身に対する呼び呼を含んだ送信信号を無線受信した通信端末50は、通信相手Bによる送受信開始操作(オフフック)が行われると(ステップSB11)、基地局60Bに向けて応呼を含んだ送信信号を無線送信する。これにより、基地局60A、60Bを介して、携帯端末10と通信端末50との間は、通話及び相互データ通信が可能な回線接続状態が設定される。
【0063】
携帯端末10と通信端末50との間が回線接続状態になると、本実施の形態の通信端末50からは、通信相手Bの操作部52による事前設定に基づき、携帯端末10に対して位置情報の公開要求が、携帯端末10からの着信に基づき自動的に送信される構成になっている。通信端末50は、この携帯端末10に対して位置情報の公開要求を送信する際には、必要に応じて、その公開レベルL(図4参照)の要求も併せて送信できる構成になっている。
【0064】
この通信相手Bによる位置情報の公開要求が、回線接続された携帯端末10によって受信されると、携帯端末10の主制御部20は、これを不揮発性メモリ(ROM)21又は揮発性メモリ(RAM)22の記憶バックアップされている履歴蓄積メモリ28に蓄積記憶するとともに、通信相手Bの通信端末50から位置情報の公開要求があった旨、またその際に公開レベルLの要求が併せてあった場合にはその要求公開レベルL01〜L05を、表示ドライバ23を制御作動して表示部13に表示する。
【0065】
図6は、本実施の形態の携帯端末における不揮発性メモリ(ROM)21又は揮発性メモリに形成された履歴蓄積メモリ説明図である。
【0066】
本実施の形態の場合、履歴蓄積メモリ28は、通信相手Bの通信端末50からの位置情報の公開要求の受信時刻(受信順)を記憶する受信時刻記録欄28-1、公開要求の発信元の通信相手B、すなわち通信端末50の識別(例えば、通信端末50の電話番号等)を記憶する要求発信元識別記録欄28-2、その公開要求に含まれている公開レベルL01〜L05を記憶する要求公開レベル記録欄28-3、後述するようにして携帯端末10側で決定される公開レベルL01〜L05を記憶する決定公開レベル記録欄28-4を有する構成になっている。
【0067】
なお、公開レベルLのデータは、利用者Aの携帯端末(携帯電話)10の電話帳データの中に、データとして持っておくようにすることもできる。このようにすれば、電話帳データを入力する際に、この種の公開レベルLを設定入力することを促すことができる。また、このようにすることにより、電話帳データの各人について、例えば電話帳データのグループ毎等、レベルを統一した公開レベルLの設定が容易になる。
【0068】
そして、携帯端末10の主制御部20は、通信相手Bから自身の位置情報の公開要求を受信した場合には、自身の位置情報取得処理(ステップSA12)、通信相手Bに対する自身の位置情報の公開レベルの決定処理(ステップSA13)、及びこの決定された公開レベルに基づいた自身の位置情報の相手端末50への出力処理(ステップSA14)を行う。
【0069】
携帯端末10の主制御部20は、自端末の位置情報取得処理(ステップSA12)として、現在の測位データをGPS受信部24から取得し、この測位データを基にした携帯端末10自身の所在場所情報やその地図情報の取得要求、すなわち自身の位置情報の取得要求を生成する。
【0070】
そして、携帯端末10の主制御部20は、通信相手Bに対する自身の位置情報の公開レベルの決定処理(ステップSA13)として、例えば公開要求に含まれる等している公開要求の発信元の通信相手B又はその通信端末50の識別に該当する通信相手Bが、図4に示した公開レベル登録テーブル27に登録されているか否かを判定する。
【0071】
さらに、携帯端末10の主制御部20は、受信した通信相手Bからの公開要求に公開レベルLの要求が含まれているか否かも判定する。
【0072】
この結果、携帯端末10の主制御部20は、公開要求の発信元の通信相手B又はその通信端末50の識別が公開レベル登録テーブル27に登録されていない場合は、後述する基地局60Aに対する、測位データを基にした携帯端末10自身の所在場所やその地図情報の取得要求(携帯端末10自身の位置情報の取得要求)、自端末の位置情報の相手端末50への出力処理を実際に行うことなく終了して、携帯端末10自身の位置情報を通信相手Bに送信しないようにする。
【0073】
これに対し、携帯端末10の主制御部20は、公開要求の発信元の通信相手B又はその通信端末50の識別が公開レベル登録テーブル27に登録されている場合は、公開レベル登録テーブル27に通信相手B又はその通信端末50の識別に対応して登録されている公開レベルにしたがって、通信相手Bに送信する携帯端末10自身の位置情報の公開レベルを仮決定する。
【0074】
その上で、携帯端末10の主制御部20は、受信した通信相手Bからの公開要求に公開レベルLの要求が含まれていない場合、また、受信した通信相手Bからの公開要求に公開レベルLの要求が含まれていても、この仮決定された公開レベルLと公開要求に含まれている公開レベルLとが一致している場合には、この仮決定された公開レベルを、実際に通信相手Bに送信する携帯端末10自身の位置情報の公開レベルLとして最終決定し、この最終決定した公開レベルLを、表示ドライバ23を制御作動して表示部13に表示する。
【0075】
一方、携帯端末10の主制御部20は、受信した通信相手Bからの公開要求に公開レベルLの要求が含まれており、この仮決定された公開レベルLと公開要求に含まれている公開レベルLとが一致していない場合には、本実施の形態では、両公開レベルLと、両レベルが一致しておらず、利用者Aによる操作部12を使用した公開レベルLの設定操作が必要である旨の案内とを、表示ドライバ23を制御作動して表示部13に表示する。
【0076】
したがって、この場合は、表示部13に表示された両公開レベルLの表示と、公開レベルLの設定操作の案内表示とに基づいて、利用者Aは、実際に通信相手Bに送信する携帯端末10自身の位置情報の公開レベルLを確認し、設定入力し直すことになる。そして、携帯端末10の主制御部20は、利用者Aにより操作部12から所望の公開レベルLが設定入力し直されると、実際に通信相手Bに送信する携帯端末10自身の位置情報の公開レベルLとして最終決定し、この最終決定した公開レベルLを、表示ドライバ23を制御作動して表示部13に表示する。
【0077】
なお、上述した実施の形態では、仮決定された公開レベルLと公開要求に含まれている公開レベルLとが一致しない場合は、利用者Aが公開レベルLを操作部12から設定入力し直す構成としたが、実施例はこれに限るものではなく、プライバシー保護の観点からレベルの値が低い方の公開レベルLが自動的に実際に通信相手Bに送信する携帯端末10自身の位置情報の公開レベルLとして選択され、最終決定した公開レベルLとして表示ドライバ23を制御作動して表示部13に表示する等の制御構成であってもよい。
【0078】
そして、上述した実際に通信相手Bに送信する携帯端末10自身の位置情報の公開レベルLの決定より、公開レベルL01以外の公開レベルL、すなわち携帯端末10自身の位置情報が非公開ではないことが決定された場合は、携帯端末10の主制御部20は、自端末の位置取得処理として、生成した携帯端末10自身の位置情報の取得要求を基地局60Aに送信し、地図サービス会社90から現在の所在場所についての場所情報やその場所が含まれている地図情報の提供を、基地局60Aを介して受ける(ステップSA12)。その一方で、公開レベルL01すなわち携帯端末10自身の位置情報が非公開であることが決定された場合は、地図サービス会社90から現在の所在場所についての場所情報やその場所が含まれている地図情報の提供を受けることなく、自端末の位置情報の相手端末50への出力処理を実際に行うことなく位置情報処理を終了して、携帯端末10自身の位置情報を通信相手Bに送信しないようにする。
【0079】
携帯端末10は、最終決定した公開レベルL、及び地図サービス会社90から現在の所在場所についての場所情報やその場所が含まれている地図情報の提供を基に、自端末の位置情報の相手端末50への出力処理(ステップSA14)を行う。
【0080】
図7〜図10は、公開レベルに基づき生成した所在場所情報、所在表示地図情報の実施例の説明図である。
【0081】
本実施例では、携帯端末10を所持する利用者Aが「東京都文京区本郷4丁目○番×号」に現在位置するものとして説明する。
【0082】
図7は、最終決定した公開レベルLが都道府県レベルの公開レベルL02である場合の、通信相手Bの通信端末50に送信する所在場所情報、所在表示地図情報を示したものである。この場合、携帯端末10の主制御部20は、地図サービス会社90から提供を受けて揮発性メモリ(RAM)22に記憶された現在の所在場所についての場所情報やその場所が含まれている地図情報のデータを基にして、「東京都文京区本郷4丁目○番×号」から「文京区本郷4丁目○番×号」を省略して「東京都」といった送信する所在場所情報を生成し、「東京都」を区分けした地図上に「東京都文京区本郷4丁目○番×号」を含む直径が20Kmに相当する円形の所在領域を示した所在表示地図情報を生成し、揮発性メモリ(RAM)22にそれぞれ送信所在場所情報、送信所在表示地図情報として記憶するとともに、表示ドライバ23を制御作動してこれらを表示部13に表示して、利用者Aがその内容に関してプライバシー等の問題で支障があるか否かを確認できる構成になっている。
【0083】
なお、この利用者Aの確認の場合では、利用者Aが、送信所在場所情報、送信所在表示地図情報を確認し易いにように、同時に、利用者Aが現在位置する所在場所をピンポイントで対比確認できるように表示してもよい。
【0084】
そして、支障がない場合は、利用者Aの操作部12の所定操作又はこの表示から所定時間経過によって、携帯端末10の主制御部20は、これら送信所在場所情報、送信所在表示地図情報を音声データ以外のデータとして多重化した送信データを加工生成し、通信制御部16に供給して無線部15を介して無線通信アンテナ14-1から送信出力する。
【0085】
同様にして、図8は、最終決定した公開レベルLが都道府県の市区町村レベルの公開レベルL03である場合に、「本郷4丁目○番×号」を省略して「東京都文京区」といった送信する所在場所情報を生成し、「文京区」を区分けした地図上に「本郷4丁目○番×号」を含む直径が1Kmに相当する円形の所在領域を示した送信する所在表示地図情報を生成したときを示したものである。
【0086】
また、図9は、最終決定した公開レベルLが都道府県の市区町村における地域レベルの公開レベルL04である場合に、「○番×号」を省略して「東京都文京区本郷4丁目」といった送信する所在場所情報を生成し、「本郷4丁目」を区分けした地図上に「○番×号」を含む直径が100mに相当する円形の所在領域を示した送信する所在表示地図情報を生成したときを示したものである。
【0087】
また、図10は、最終決定した公開レベルLが都道府県の市区町村における地域レベルのピンポイントの公開レベルL05である場合に、ピンポイントの「東京都文京区本郷4丁目○番×号」といった送信する所在場所情報を生成し、「本郷4丁目」を区分けした地図上に「○番×号」をピンポイントで示した送信する所在表示地図情報を生成したときを示したものである。
【0088】
このようにして、生成された所在場所情報や所在表示地図情報は、携帯端末10から基地局60Aに無線送信され、キャリアの回線網61を介して基地局60Bから携帯端末10と回線接続されている通信相手Bの通信端末50に無線送信される。
【0089】
通信相手Bの通信端末50は、利用者Aからの所在場所情報や所在表示地図情報の受信を、無線アンテナ54から受信され、無線部15及び通信制御部16から供給される送信データの中からその主制御部20が検出すると、所在場所情報や所在表示地図情報を揮発性メモリ(RAM)22に蓄積し、さらに表示ドライバ23を制御して、この所在場所情報や所在表示地図情報を表示部13に表示出力する利用者Aの位置情報の出力処理を行う構成になっている(ステップSA14)。
【0090】
なお、この利用者Aの位置情報の出力処理において、所在場所情報は、表示部13に表示出力する構成に限らず、主制御部20がスピーカ26から音声報知する構成であってもよい。例えば、公開レベルL01〜L05に対応して「お知らせできません」,「東京都」,「東京都文京区にいます」,「東京都文京区本郷付近にいます」,「東京都文京区本郷4丁目○番×号にいます」等、音声報知するように構成してもよい。
【0091】
このように、本実施の形態によれば、利用者Aの携帯端末10から通信相手Bの通信端末50へは、利用者Aが設定した公開レベルに応じた利用者Aの位置情報しか供給されないので、利用者Aのプライバシーが保護されることになる。
【0092】
同様にして、利用者Aが通信相手に送信する公開レベルLに基づき生成した自身の所在場所情報や位置情報について、図4に示した公開レベル登録テーブル27の通信相手B05〜B08に示すとおり時間帯別公開レベルや所在地域別公開レベルを設定してある場合、又は通信相手別公開レベル,時間帯別公開レベル,及び所在地域別公開レベルを適宜組み合わせて設定してある場合も、利用者Aの携帯端末10及び通信相手Bの通信端末50の作用は、図5を用いて説明した場合と同様であるので、その詳細な説明については省略する。
【0093】
また、本実施の形態の携帯端末10は、時刻の経過により時間帯別公開レベルの適用が変化する場合や、移動によりその所在地域別公開レベルの適用が変化する場合は、公開レベルが変化したことを利用者Aに報知する公開レベル変化報知機能を備えている。
【0094】
そのために、例えば、図4に示した公開レベル登録テーブル27に通信相手B01〜B08に関係なく、時間帯別公開レベルや所在地域別公開レベルが一律で設定適用されている場合には、携帯端末10の主制御部20は、予め定められた所定時間間隔に内部タイマの計時時刻やGPS受信部24による測位データの取得処理を行って、取得した計時時刻や測位データによって時間帯別公開レベルや所在地域別公開レベルの値が変化する場合には、通信相手方に対する自身の位置情報の出力処理をその変化した公開レベルに対応する処理に切り換えるとともに、発光部19,表示部13,又はスピーカ26を用いて、利用者Aに自身の位置情報の公開レベルが変化した旨を報知する構成になっている。
【0095】
これにより、利用者Aは、時刻経過又は移動によって自身の位置情報を通信相手方に知らせる詳細さとしての公開レベルが変化したことを、受動的に意識することができるようになる。
【0096】
また、本実施の形態の携帯端末10の場合は、通信相手Bからの位置公開要求によらず、操作部12の操作や前述した内部タイマによる所定時間毎の計時により、図4に示した公開レベル登録テーブル27に登録された所定の通信相手Bに対しては、その設定してある時間帯別公開レベルや所在地域別公開レベルに応じて、図7〜図10に示した所在場所情報、所在表示地図情報を送信できる構成にもなっている。
【0097】
この場合、図5に示すように、利用者Aが発呼側である場合は、ステップSA11に示した通信相手Bへの発呼後は、通信相手のオフフックにかかわらず、ステップSA12に示した自身の位置情報取得処理が可能になる。
【0098】
また、本実施の形態の携帯端末10の場合は、図5においては、携帯端末10の利用者Aが発呼側、通信端末50の通信相手Bが着信(オフフック)側として説明したが、通信端末50の通信相手Bが発呼側、携帯端末10の利用者Aが着信側であっても、図5におけるステップSA12及びSB13以降の処理はそのまま適用可能である。加えて、図5においては、発呼又は着信(オフフック)に基づく通話状態に限ることなく、通話を伴わないメール等のパケット発信又は受信にも適用可能である。
【0099】
また、本実施の形態の携帯端末10の場合は、図7〜図9に示した所在表示地図情報を生成する場合、予め操作部12を所定操作しておくことによって、利用者A自身の所在領域を地図上で表わす円形の所在領域の中心点を、GPS受信部24によって取得した測位データのポイントからずらせて所在領域を生成できる構成になっている。
【0100】
これにより、通信相手Bに自身の所在を地図上で報知する場合であっても、円形の所在領域の中心点と利用者Aの実際の所在場所とがずれているので、一層のプライバシーの保護がはかれる。
【0101】
さらに、本実施の形態の携帯端末10の場合は、操作部12を所定操作することにより、図6に示した履歴蓄積メモリ28の記録内容が表示部13に表示され、従前の通信相手方からの位置公開要求、又は通信相手に送信した所在場所情報、所在表示地図情報の公開レベルに応じた送信内容を確認することができる。また、一度設定した公開レベルLを、利用者Aがその後変更可能なものであるとする。
【0102】
本実施の形態の携帯端末10及び通信端末50は以上説明したとおりであるが、本発明の実施の形態については、種々の変形例が可能である。
【0103】
例えば、通信端末50は、携帯端末10と同様の可搬のものではなく、固定式のものであってもよい。また、上述した携帯端末10の具体例としては、GPS測位機能を備えた携帯電話機に限ることなく、例えばPDA(Personal Digital Assistant),ノート型パーソナルコンピュータであってもよく、可搬で通信機能及び測位機能を有しているものであるならば、適用可能である。
【0104】
また、その測位機能についても、上記実施の形態では、GPS測位機能で説明したが、
簡易携帯電話機等のように基地局60との無線送受信の状態で測位を行う等の構成であってもよい。
【0105】
さらに、上記実施の形態では、所在表示地図情報の取得についても、情報通信機能を備えたナビゲーション装置のように、携帯端末(移動体端末)10自身が地図情報データを所持する構成であっても、通信相手Bの端末50が所有する構成であってもよい。
【0106】
また、携帯端末10の表示部13や通信端末50の表示部53に表示する所在場所の内容も、上述した円形の所在領域を地図上で表示して所在場所を示す構成に限られるものではなく、例えば、地図上で「東京都」,「東京都文京区」等の地域をその周辺地域に対して区別表示したり、地図を用いないで所在場所の緯度経度の範囲や、所在場所の具体的な住所地名を直接文字表示する等の構成であってもよい。
【0107】
また、上記実施の形態では、携帯端末10が自身の取得した測位データに基づき、地図情報を取得し、所在表示地図情報を生成する構成としたが、携帯端末10が自身の取得した測位データを公開レベルに応じた測位所在範囲データとして通信端末50に送信し、通信端末50側でこの測位所在範囲データに対応した地図情報を取得し、所在表示地図情報を生成する構成としてもよい。
【0108】
さらに、以上説明した実施の形態の携帯端末10の所在位置を当該携帯端末10と通信可能な通信端末50から報知出力させるための所在位置通知システムでは、携帯端末10又は通信端末50の中のいずれか一方からの指示(要求)に基づき、携帯端末10の位置情報を取得する携帯端末位置取得手段(GPS受信部24が対応)と、携帯端末位置取得手段24によって取得された携帯端末10の位置情報に関し、通信端末50から報知出力させる際の公開レベルを決定する報知公開レベル決定手段(主制御部20及び公開レベル登録テーブルが記録された揮発性メモリ22が対応)と、該報知公開レベル決定手段によって決定された公開レベルに基づいて、通信端末50から報知出力させるための当該携帯端末に関しての報知位置情報を生成する報知位置情報生成手段(主制御部20が対応)とを、全て携帯端末10側に備えている構成を例に説明したが、本発明の所在位置通知システムのシステム構成はこれに限るものではなく、例えば、これら携帯端末位置取得手段、報知公開レベル決定手段、報知位置情報生成手段を、基地局(キャリア)やコンテンツプロバイダ側に設けることも可能である。
【0109】
この場合、携帯端末10の所在位置の取得は、基地局(キャリア)が携帯端末10のGPS受信部24から取得するようにしてもよいし、また基地局(キャリア)が携帯端末10のセルサーチ等を利用して取得するようにしてもよい。
【0110】
このように、本発明の所在位置通知システムでは、特に報知位置情報生成手段については、携帯端末10、基地局(キャリア)やコンテンツプロバイダ、通信端末50のいずれに設けてもよい。
【0111】
また、本実施の形態の携帯端末10では、通信相手Bに自端末の位置情報を報知する場合の詳細さを規定するためのパラメータとしての公開レベルLの設定は、予め利用者Aによる携帯端末10の操作部12の所定設定操作に基づき、通信相手Bの通信端末50毎に、事前に設定登録した時間帯毎や所在地域毎に、又はこれら通信端末50、時間帯、所在地域を適宜組み合わせて、位置情報提供側の携帯端末10で設定するように構成したが、例えば警察、救急・消防、自宅等といった特定の通信相手に提供する位置情報の公開レベルは、携帯端末10の操作部12の所定設定操作でなされていなくとも、これら特定の通信相手に対する発信、又は発信先のこれら特定の通信相手からの要求に基づき自動的に外部から設定とすることも可能である。
【0112】
このように構成すれば、警察、救急・消防、自宅等といった特定の通信相手に対する緊急発信については、例えば基地局(キャリア)や特定の通信相手側で特定の通信相手自身に対する公開レベルを設定できるようにしておくことにより、緊急事態に応じた位置情報の把握を適確に行うことができる。
【0113】
また、上述した構成では、予め利用者Aが警察、救急・消防、自宅等といった特定の通信相手に対して発信した場合にのみ、その受信側である特定の通信相手B側の通信端末50から利用者Aの携帯端末10に対してその位置情報の公開レベルLを設定できるよう構成したが、特定の通信相手Bの側からの利用者Aの携帯端末10への特別発信によっても、利用者Aの携帯端末10に対してその位置情報の公開レベルLを設定変更できるようにすることも可能である。
【0114】
この場合、利用者Aは、自身の位置情報の公開レベルLについて特定の通信相手Bのみによる設定変更の許可条件を、操作部12を所定設定操作して携帯端末10の公開レベル決定手段等に予め登録しておく構成を採用する。例えば、利用者Aは、この特定の通信相手Bの通信端末50の識別情報(例えば、発信元電話番号等)を許可端末として登録し、パスワード等を含む設定変更の許可条件をこの許可端末の識別情報に対応させて予め公開レベル決定手段等に登録しておく。この場合、設定変更の許可条件としては、パスワード情報、及びこのパスワード情報についての時間や地域等に対応しての有効・無効条件が該当する。そして、この特定の通信相手Bには、予め設定したパスワード情報を別途教えておく。
【0115】
したがって、利用者Aの携帯端末10は、特定の通信相手B側の通信端末50から利用者Aの位置情報の公開要求を受信すると、その発信元電話番号から特定の通信相手Bの通信端末50からの公開要求であることを確認し、パスワード情報の供給を特定の通信相手Bの通信端末50に対して促す。これに応答して、特定の通信相手Bが通信端末50の操作部を操作して所定のパスワード情報を入力すれば、利用者Aの携帯端末10は、供給されたパスワード情報が予め登録してある所定のパスワード情報であることを確認すると、さらに有効・無効条件を確認した上で、その公開要求によって指定された公開レベルLで、利用者Aの所在位置情報を提供する構成になっている。
【0116】
これにより、利用者Aから特定の通信相手Bに対して発信した場合にのみに限らず、特定の通信相手からの公開要求によっても、緊急の場合等は、利用者Aの所在位置情報を特
定の通信相手Bに送信することができる。なお、上述した例では、発信元の通信端末を特定するために許可端末の識別情報を、また特定の通信相手Bであることを特定するためにパスワード情報を、さらにその上で利用者A側のプライバシーを保護するために有効・無効条件を組み合わせる構成としたが、発信元の通信端末を特定するために許可端末の識別情報、特定の通信相手Bであることを特定するためにパスワード情報いずれかの条件のみで、利用者Aの所在位置情報の公開レベルを、特定の通信相手B側から設定変更できるようにすることも可能である。これにより、緊急の場合以外にも、通信端末側から公開レベルを詳細レベルに変更することもできるので、例えば自端末が紛失した際に自端末を探す場合等にも便利である。
【0117】
また、この公開レベルLの設定の仕方についても、種々の変形例が可能である。
例えば、前述したように、通信相手Bからの位置公開要求の受信に基づいて通信相手Bに利用者A自身の所在を地図上で報知する場合、通信相手Bの通信端末50の位置公開要求に応じて利用者A自身の報知位置情報を一旦公開した後、同じ相手端末Bから続けて再度位置公開要求があった場合には、予め定めた特定の条件の下では、前回と同じ条件で利用者A自身の報知位置情報を通信相手Bに公開するように構成することもできる。
【0118】
具体的には、通信相手Bの通信端末50からの最初の位置公開要求に応じて、前述したように予め操作部12を所定操作しておくことによって、利用者A自身の所在領域を地図上で表わす円形の所在領域の中心点をGPS受信部24によって取得した測位データのポイントPからずらせて所在領域を生成し、通信相手Bに報知位置情報として公開する構成を採用しているものと仮定する。その後、同じ相手端末Bから続けて再度位置公開要求があった場合に、利用者A自身の所在が同じで測位データのポイントが変わらないにもかかわらず、測位データのポイントからずらせて生成した地図上で表わす円形の所在領域が最初の場合と異なった報知位置情報を通信相手Bに公開してしまった場合には、前回公開した報知位置情報の地図上で表わした円形の所在領域と今回公開した報知位置情報の地図上で表わした円形の所在領域との相違に基づいて、予め設定してある公開レベルよりも詳しい精度で、利用者Aの意に反して自身の所在が通信相手Bに把握されてしまう可能生が生じる。
【0119】
図11は、この予め設定してある公開レベルよりも詳しい精度で、利用者A自身の所在が通信相手Bに把握されてしまう現象についての説明図である。
【0120】
図11に示すように、利用者A自身の所在が同じで測位データのポイントPが変わらないにもかかわらず、測位データのポイントPからずらせて生成した地図上で表わす円形の所在領域(通信相手Bによって把握される利用者Aの位置情報)Dが、1度目と2度目の位置公開要求に対して領域D1,D2で示すように異なって作成されてしまった場合は、設定した公開レベルよりも実質的に詳しい公開レベルで、利用者Aが領域D1,D2の重複する領域D12内に所在していることが、通信相手Bに把握されてしまう。
【0121】
一方、利用者A自身が移動している場合は、利用者A自身の所在を地図上で表わす円形の所在領域の中心点を、GPS受信部24によって取得した測位データのポイントからずらす/ずらさないとは関係なしに、通信相手Bの通信端末50からの最初の位置公開要求に応じて通信相手Bに利用者A自身の所在領域を公開した後、同じ通信相手Bの通信端末50からの繰り返しの位置公開要求に対して、その都度、無条件に利用者A自身の報知位置情報を公開した場合には、今度は利用者Aの意に反して、利用者A自身の詳しい移動軌跡が通信相手Bに把握されてしまう可能性が生じる。
【0122】
図12は、利用者A自身の詳しい移動軌跡が利用者Aの意に反して通信相手Bに把握されてしまう現象についての説明図である。
【0123】
図12中において、T1〜T4は、同じ通信相手Bの通信端末50からの繰り返しの位置公開要求に応じて、その都度、利用者Aの携帯端末10によって通信相手Bに報知位置情報を公開したタイミングTを示すとともに、DT1〜DT4は、各タイミングT1〜T4で通信相手Bにそれぞれ公開した報知位置情報による地図上に表わした利用者Aの所在領域の内容例を示したものである。
【0124】
この場合も、通信端末50からの位置公開要求の繰り返しが頻繁に行われた場合には、
利用者Aの携帯端末10による通信相手Bへの報知位置情報の公開間隔が短くなり、通信相手B側で、その都度T1〜T4の報知位置情報による地図上に表わした利用者Aの所在領域DT1〜DT4を重ね合わせることにより、利用者Aの意に反して、利用者A自身の詳しい移動軌跡DDが通信相手Bに把握されてしまう。
【0125】
そこで、これらの問題を解決するために、携帯端末10の主制御部20は、携帯端末10の主制御部20は、前述した図5に示したステップSA12の自身の位置情報取得処理、ステップSA13の通信相手Bに対する自身の公開レベルの決定処理、ステップSA14のこの決定された公開レベルに基づいた自身の位置情報の相手端末50への出力処理において、さらに特定の条件を付加して実行することによって対処可能である。
【0126】
例えば、今回の通信相手Bからの位置公開要求の受信時刻が、図6に示した履歴蓄積メモリ28の記録内容を参照して得られた同じ通信相手Bの前回位置公開要求の受信時刻に対して、利用者Aによって予め設定された所定時間を経過していない場合には、前回位置公開要求の受信に対してと同じ公開条件(公開範囲)で、前回と同じ報知位置情報内容を通信相手Bに公開する構成を採用することにより、容易にその解決をはかることができる。
【0127】
また、例えば、今回の通信相手Bからの位置公開要求の受信に基づき、ステップSA12の自身の位置情報取得処理で取得した位置情報が、今回の通信相手Bに関係なく、その直前の位置公開要求の受信に対して相手方に公開した報知位置情報による地図上に表わした所在領域D内に現在も属しているか否かを確認し、所在領域D内に現在も所在している場合には、当該直前の位置公開要求の受信に対してと同じ公開条件(公開範囲)で同じ報知位置情報内容を通信相手Bに公開する構成を採用することによっても、容易にその解決をはかることができる。
【0128】
そして、上述した同じ通信相手Bから続けて所定時間を経過せず位置公開要求の受信があった場合の対応処理、直前の位置公開要求の受信に対して相手方に公開した報知位置情報による地図上に表わした所在領域D内に現在も所在している場合の対応処理は、それぞれ個別に行うようにしても、又は両者を組み合わせて一緒に行うようにしても構わない。
【0129】
これらの処理をさらに兼ね備えることによって、携帯端末10の利用者A自身の所在位置について相手に知らせる位置情報の詳細レベル(いわゆる相手に知らせる位置情報の粒度やその知らせる頻度)を下げ、プライバシーの保護をさらにはかることができる。
【0130】
また、前述したように、通信相手Bからの位置公開要求によらず、利用者Aによる携帯端末10の内部タイマによる所定時間毎の計時により、図4に示した公開レベル登録テーブル27に登録された所定の通信相手Bに対して、その設定してある時間帯別公開レベルや所在地域別公開レベルに応じた報知位置情報を送信する場合にあっても、例えば、その内部タイマが計時する所定時間を予め操作部12の操作で利用者Aが設定変更できる構成としておくことにより、同様な対応が可能である。この場合、通信相手Bへ知らせる利用者Aの位置情報の公開レベルは、時間帯別公開レベルにしたがって調整でき、さらにその時間帯内において通信相手Bに知らせる頻度も、内部タイマが計時する所定時間によって調整できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信機能を備えた携帯端末であって、
相手端末から発信される自身の位置情報についての公開要求を受信する公開要求受信手段と、
該公開要求受信手段による公開要求の受信に基づいて、自身の位置情報を取得する自端末位置情報取得手段と、
該自端末位置情報取得手段によって取得された自身の位置情報についての公開レベルを決定する公開レベル決定手段と、
前記自端末位置情報取得手段によって取得された自身の位置情報から、該公開レベル決定手段によって決定された公開レベルに対応した自身の所在範囲を示す位置情報を生成し、相手端末に伝送する出力手段と、
自身の位置情報についての公開レベルを相手側から変更可能な予め設定された許可条件が記憶されている許可条件記憶手段と、
前記公開要求受信手段が受信した相手端末の通信相手が該許可条件記憶手段に記憶されている許可条件を満たすか否か判別する特定通信相手判別手段と、
を有し、
前記公開レベル決定手段は、該特定通信相手判別手段が許可条件を満たすことを判別した場合は、前記公開要求受信手段が受信した公開要求の相手端末側によって指定される公開レベルに自身の位置情報についての公開レベルを決定する
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記許可条件記憶手段に記憶されている許可条件は、予め設定されたパスワードである
ことを特徴とする請求項2記載の携帯端末。
【請求項3】
相手端末から発信される自身の位置情報についての公開要求を受信する公開要求受信ステップ、
該公開要求受信ステップの実行による公開要求の受信に基づいて、自身の位置情報を取得する自端末位置情報取得ステップ、
該自端末位置情報取得ステップの実行によって取得された自身の位置情報についての公開レベルを決定する公開レベル決定ステップ、
前記自端末位置情報取得ステップの実行によって取得された自身の位置情報から、該公開レベル決定ステップの実行によって決定された公開レベルに対応した自身の所在範囲を示す位置情報を生成し、相手端末に伝送する出力ステップ、
前記公開要求受信ステップの実行によって受信した相手端末の通信相手が、自身の位置情報についての公開レベルを相手側から変更可能な予め設定された許可条件を満たすか否か判別する特定通信相手判別ステップ、
を含み、
前記公開レベル決定ステップは、該特定通信相手判別ステップにおいて許可条件を満たすことを判別した場合は、前記公開要求受信ステップにおいて受信した公開要求の相手端末側によって指定される公開レベルに自身の位置情報についての公開レベルを決定する
ことを特徴とする携帯端末の所在位置通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−296673(P2009−296673A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219647(P2009−219647)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【分割の表示】特願2006−550851(P2006−550851)の分割
【原出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】