説明

携帯端末による商品売却申し込み受付システム

【課題】商品、例えば古物の買い取りの申し込みを受け付ける際、従来、事業者では店舗、電話、ファックス、電子メールを利用していたため人件費、店舗維持費、通信費などの経費が掛かっていた。また、利用者も買取価格を確認しなければ売却の申し込みを出来ないため従来の方法では事業者の繁忙時に担当者の対応を待たなければならない、営業時間外は申し込みが出来ないなど利便性に欠けていた。
【解決手段】バーコードリーダー機能とインターネット接続機能とが付された携帯端末が、商品情報と利用者情報とが登録されたデータベースを記憶したサーバーと、データを送受信することにより利用者が携帯端末への一定の簡易な操作により瞬時に買取価格を確認し、ダイレクトに売却の申し込みを確定出来るシステムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の売却を希望する利用者の携帯端末と、売却先の事業者が管理するサーバーとがネットワークを介してデータを送受信することにより売却の申し込みを受け付けるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品、例えば古物の買い取りをする事業者に於いては古物の売却を希望する利用者より売却の申し込みを受け付ける際、店舗、電話、ファックス、電子メールなどの方法をとっていた。
【0003】
また、従来より商品の画像或いは商品識別コードおよびそのシンボルのデータを携帯端末によって取得し、利用者に商品の詳細情報を提供する技術(特許文献1参照)、バーコードと携帯電話を用いて商品を受注するシステム(特許文献2参照)、サービスIDと携帯電話を用いてサービスを受注するシステム(特許文献3参照)など、優れた方法が提案されていた。
【0004】
【特許文献1】特開2004-30546
【特許文献2】特開2002-259760
【特許文献3】特開2006-146318
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
商品の買取価格は毎日或いは毎時間変動するものであり、利用者は売却を申し込むにあたり当日或いは直前に買取価格を確認しなければならないため、従来の方法では以下のような制約があった。
【0006】
店舗
利用者が事業者の店舗まで出向かなくてはならない。
営業時間外は申し込みができない。
店舗の運営に経費がかかる。
電話
利用者は売却を希望する古物の商品名を正確に伝える事が困難。
営業時間外は申し込みができない。
電話に対応する人員を確保しなければならない。
ファックス
通信費がかかる。利用者は事前に上記1〜4の方法で買取価格を確認しなければならない。
電子メール
キータッチなど、パソコンや携帯端末などの操作に熟達してなければならない。
利用者は事前に上記1〜4の方法で買取価格を確認しなければならない。
【0007】
また、特許文献1では、商品情報を提示することは出来るが、売却の申し込みを受け付けることが出来ない。
また、特許文献2は、商品を受注するシステムであり、売却の申し込みを受け付けるものではなく、利用する度に、利用者が名前や住所などの情報を携帯端末に入力しなければならない。
また、特許文献3は、簡易な操作によりダイレクトにサービスを受注できるが、サービスの提供者がそれぞれのサービスに適合するバーコードを作成、管理しなければならず、汎用性に欠けていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため、本発明は、商品の売却を希望する利用者の携帯端末と、売却先の事業者が管理するサーバーとがネットワークを介してデータを送受信することにより売却の申し込みを受け付けるシステムを第1の特徴とする。
【0009】
また、ネットワークがインターネットであり、携帯端末がインターネット接続機能が付加された携帯端末であり、サーバーがインターネットに接続可能で利用者情報と商品情報とが登録されたデータベースを記憶する装置である、売却の申し込みを受け付けるシステムを第2の特徴とする。
【0010】
そして、携帯端末が、バーコードリーダー機能が付加された携帯端末であり、商品が商品識別コードのシンボルが記載された商品である売却の申し込みを受け付けるシステムを第3の特徴とする。
【0011】
さらに、携帯端末に付加するバーコードリーダー機能によって商品の商品識別コードのシンボルより取得した商品識別コードのデータと利用者の携帯端末を特定する固体識別番号のデータとを利用者の携帯端末より、商品情報と利用者情報とを登録したデータベースを記憶するサーバーへ送信する方法と、サーバーが、受信したデータを元に適正な利用者情報と商品情報とを利用者の携帯端末の画面に表示する方法と、サーバーが、利用者の携帯端末より売却申し込み確定のデータを受信した場合、サーバーより事業者に利用者情報と商品情報とを知らせるシステムである、売却の申し込みを受け付けるシステムを第4の特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、携帯端末へ、どの利用者にも共通した一定の簡易な操作をする事により24時間いつでも、何処からでも、買取価格の確認から売却の申し込みまでをダイレクトに行う事が出来、また、事業者が個々の利用者に対応する必要のないシステムを提供する事で、利用の機会を拡大し、店舗の運営費用や通信費などの経費を削減する事が出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を、実施例を示す図面を参照しながら説明するが、本発明が本実施例に限定されないことは言うまでもない。
なお、以下は古物の売却の申し込みを例とした説明とする。
【実施例1】
【0014】
図1に本発明を実施するにあたり構成されるべき要素、図2に図1で示した各要素によるシステムをフローチャートで示してある。
【0015】
以下は図1に関する。
【0016】
101は利用者が売却を希望する古物であり、いずれかの部分に商品識別コードのシンボルが記載されたものである。
商品識別コードは世界で広く普及しているものであり、書籍や日用品や家電など様々な商品に記載されているものである。
【0017】
102は利用者が所有する携帯電話やPDAなどの携帯端末であり、商品識別コードのデータを読み取ることが出来るバーコードリーダー機能と、データをサーバーと送受信することが出来るインターネット接続機能を備えたものである。
【0018】
103は事業者が管理するインターネットに接続可能なサーバーであり、商品識別コード、商品名、買取価格などが関連付けられている商品情報と、携帯端末の固体識別番号、氏名、年齢、住所、身分証明書の番号などが関連付けられている利用者情報が登録されているデータベースを記憶する装置である。
【0019】
104はインターネットであり、世界中で広く利用されている通信手段であり、現在普及している殆どの携帯端末はインターネットへ接続する機能が付加されている。
【0020】
以下は図2に関する。
【0021】
201は処理の開始である。
【0022】
202は利用者が携帯端末のバーコードリーダー機能によって、売却を希望する古物に記載された商品識別コードのシンボルから商品識別コードを読み取る処理である。
【0023】
203は携帯端末より202で読み取った商品識別コードのデータと携帯端末の固体識別番号のデータをサーバーへ送信する処理である。
【0024】
204は203により送信された固体識別番号がデータベースに登録されているか否かを判定する処理である。
【0025】
205は204で利用者情報がデータベースに登録されていない(YES)と判定した場合、利用者情報の入力画面と共に利用者が送信を確定するかキャンセルか判定するボタンを携帯端末に表示する処理である。
【0026】
206は205で携帯端末の画面に表示された利用者情報の送信を確定するボタンが押された場合、利用者が入力した利用者情報を携帯端末よりサーバーへ送信する処理である。
【0027】
207は203により送信された商品識別コードのデータを元にデータベースに登録されている商品情報と、206により送信された利用者情報と、利用者が申し込み手続きを続行するかキャンセルするか判定するボタンとを携帯端末の画面に表示する処理である。
また、204で利用者情報がデータベースに登録されている(NO)と判定した場合、直接この処理に移行する。
【0028】
208は207で利用者が売却申し込み手続き続行のボタンを押した場合、売却を希望する個数を判定するボタンと、申し込みを確定するかキャンセルするかを判定するボタンとを携帯端末の画面に表示する処理である。
【0029】
209は208で利用者が売却希望個数のボタンに続けて売却申し込み確定のボタンを押した場合、売却希望個数のデータと申し込み確定のデータをサーバーへ送信する処理である。
【0030】
210は207で携帯端末の画面に表示した商品情報、利用者情報と、209で送信された売却希望個数とを記載した電子メールを、携帯端末と事業者に送信する処理である。
【0031】
211は処理の終了であり、205,207,208で利用者がキャンセルのボタンを押した場合それぞれの処理から直接この処理に移行する。
【0032】
以上の説明のようなシステムを利用することによって、例えば古物商の通常営業の時間外である深夜、利用者が売却目的で商品を購入する場合、大手量販店やディスカウントショップなどで販売されている商品の、古物商での買取価格をその場で確認し、大手量販店やディスカウントショップなどでの販売価格より買取価格の方が高い場合、ダイレクトに売却の申し込みをし、その場で差益を確定することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明を実施するための構成要素
【図2】図1で示した各要素によるシステムのフローチャート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の売却を希望する利用者の携帯端末と、売却先の事業者が管理するサーバーとがネットワークを介してデータを送受信することにより売却の申し込みを受け付けるシステム。
【請求項2】
ネットワークがインターネットであり、携帯端末がインターネット接続機能が付加された携帯端末であり、サーバーがインターネットに接続可能で利用者情報と商品情報とが登録されたデータベースを記憶する装置である請求項1の売却の申し込みを受け付けるシステム。
【請求項3】
携帯端末がバーコードリーダー機能が付加された携帯端末であり、商品が商品識別コードのシンボルが記載された商品である請求項1の売却の申し込みを受け付けるシステム。
【請求項4】
利用者が、携帯端末に付加するバーコードリーダー機能によって商品の商品識別コードのシンボルより取得した商品識別コードのデータと利用者の携帯端末を特定する固体識別番号のデータとを利用者の携帯端末より、商品情報と利用者情報とを登録したデータベースを記憶するサーバーへ送信する方法と、サーバーが受信したデータを元に、適正な利用者情報と商品情報とを利用者の携帯端末の画面に表示する方法と、サーバーが売却申し込み確定のデータを受信した場合、サーバーより事業者に利用者情報と商品情報とを知らせる請求項1売却の申し込みを受け付けるシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−134414(P2009−134414A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−308755(P2007−308755)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(307046729)
【Fターム(参考)】