説明

携帯端末へのICカード用アプリケーションのインストール装置、インストール方法、及びプログラム

【課題】モバイル端末が備えているICカードを利用するサービスのユーザへの提供を簡単な操作で開始させる。
【解決手段】インストール装置30は、モバイル端末20が備えているICカード21を利用するサービスをユーザに提供するためのモバイルアプリケーション38を、モバイル端末20にインストールさせる。そのために、会員ID取得部34は、モバイル端末20のユーザのサービスの会員IDを取得する。ICカードアクセス部33を介して、サービス領域設定部35は、モバイル端末20が備えているICカード21内に、サービス領域を設定し、そのサービス領域に、会員ID書き込み部36は、会員IDを書き込む。アプリケーション送信部37は、サービス領域に会員IDが書き込まれるICカード21を備えるモバイル端末20に、モバイルアプリケーション38を、通信ネットワーク40を介して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末へのICカード用アプリケーションのインストール装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IC(Integrated Circuit)カードを利用して提供されるサービスを、ICカードを搭載している携帯端末を用いて受けることができるようにしたシステムがある。
【0003】
そのようなサービスの利用者は、一般的には、まず、利用者の携帯端末に搭載されているICカードでサービスを受けられるようにするための専用のアプリケーションを、携帯端末にダウンロードする。そして、ダウンロードしたアプリケーションを起動して携帯端末を操作し、サービスを受けることができる会員となるために必要な会員情報等の入力、ICカード内へのサービス領域の作成等を行い、ICカードを搭載している携帯端末を用いてサービスを受けることができるようにする。
【0004】
会員情報の入力は、例えば、携帯端末に付属のキーボードを利用して行われる。
また、会員情報の入力の際に、サービスの利用者が既に会員登録済みであり、会員に発行されるICカードを別途所有しているような場合には、そのICカードを利用して、会員情報を引き継ぐことも考えられる。
【0005】
例えば、特許文献1には、会員情報データベースにおいて会員の個人情報と関係付けて登録されているカードID(IDentification)情報に対して、更に携帯電話機に記憶されている端末ID情報も関係付けて登録させることにより、携帯電話機に会員の情報を引き継ぐことが記載されている。
【0006】
また、例えば、特許文献2には、QRコード(登録商標)にコード化されたメールアドレスを携帯電話機の撮像機能を利用して取得し、そのメールアドレスに複数のカードIDを紐付けてデータベースに登録することにより、携帯電話機を用いて会員の情報を引き継ぐことが記載されている。
【0007】
ICカード内へのサービス領域の作成は、例えば、会員情報の入力後に、無線通信を利用して行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−80006号公報
【特許文献2】特開2009−48297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、会員情報の入力に、携帯端末に付属のキーボードが利用される場合には、そのようなキーボードは概してキーが小さいため、利用者が打ち間違いをする恐れがある。また、入力項目が多い場合には、利用者が入力の操作を面倒に感じることも多い。
【0010】
また、特許文献1及び特許文献2に記載されている技術を用いて会員情報を引き継いだとしても、それらの技術では、何れも、引き継がれる情報はデータベース等の外部の記録媒体に登録される。その結果、携帯端末に搭載されているICカードに会員情報を引き継がせる際には、外部に保存されている会員情報を携帯端末に読み込ませる等の利用者による作業が必要となり、その作業は利用者にとって煩わしいものとなっている。
【0011】
無線通信を利用してICカード内にサービス領域を作成する際には、作成処理の途中で通信が途切れる場合を想定する必要がある。そのため、無線通信における様々なリカバリー処理を想定して、サービス領域の作成処理を設計しなければならず、アプリケーション側の製造規模が増大する要因となっている。
【0012】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、携帯端末が備えているICカードを利用するサービスのユーザへの提供をより簡単な操作で開始させることができる携帯端末へのICカード用アプリケーションのインストール装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る携帯端末へのICカード用アプリケーションのインストール装置は、
ICカードを備える携帯端末と通信ネットワークを介して接続され、前記携帯端末が備えているICカードを利用するICカードサービスをユーザに提供するためのICカード用アプリケーションを前記携帯端末にインストールさせるインストール装置であって、
前記ICカード用アプリケーションを記憶するアプリケーション記憶手段と、
ICカードにアクセスしてICカードからの情報の読み取り及びICカードへの情報の書き込みを行うICカードアクセス手段と、
前記携帯端末のユーザの前記ICカードサービスの提供を受ける会員としての識別情報である会員IDを取得する会員ID取得手段と、
前記ICカードアクセス手段を介して、前記携帯端末が備えているICカード内に、前記ICカードサービスの提供に必要なサービス領域を設定するサービス領域設定手段と、
前記ICカードアクセス手段を介して、前記サービス領域設定手段によって設定された前記ICカード内のサービス領域に、前記会員ID取得手段によって取得された会員IDを書き込む会員ID書き込み手段と、
前記会員ID書き込み手段によってサービス領域に会員IDが書き込まれるICカードを備える携帯端末に、前記アプリケーション記憶手段に記憶されているICカード用アプリケーションを、前記通信ネットワークを介して送信するアプリケーション送信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
前記インストール装置において、
前記会員ID取得手段は、
前記携帯端末のユーザの会員IDが記録されている会員用ICカードから、前記ICカードアクセス手段を介して、会員IDを読み取ることにより、該ユーザの会員IDを取得する会員ID読み取り手段を含む、
ようにしても良い。
【0015】
前記インストール装置において、
前記会員ID取得手段は、
前記携帯端末のユーザの本人確認用情報が記録されている本人確認用ICカードから、前記ICカードアクセス手段を介して、本人確認用情報を読み取る本人確認用情報読み取り手段と、
前記本人確認用情報読み取り手段によって読み取られた本人確認用情報に関連付けて、前記携帯端末のユーザに前記ICカードサービスの会員IDを付与することにより、該ユーザの会員IDを取得する会員ID付与手段と、を含む、
ようにしても良い。
【0016】
前記インストール装置は、
前記ICカードアクセス手段を介して、前記サービス領域設定手段によってサービス領域が設定されたICカード内に、前記インストール装置の前記通信ネットワーク上の位置情報を書き込む位置情報書き込み手段を、更に備え、
前記アプリケーション送信手段は、
前記位置情報書き込み手段によってICカードに書き込まれた位置情報を参照して前記インストール装置にアクセスしてきた携帯端末に、前記アプリケーション記憶手段に記憶されているICカード用アプリケーションを送信する、
ようにしても良い。
【0017】
また、本発明の第2の観点に係る携帯端末へのICカード用アプリケーションのインストール方法は、
ICカードを備える携帯端末と通信ネットワークを介して接続され、前記携帯端末にインストールされるアプリケーションであって前記携帯端末が備えているICカードを利用するICカードサービスをユーザに提供するためのICカード用アプリケーションを記憶するアプリケーション記憶部と、ICカードにアクセスしてICカードからの情報の読み取り及びICカードへの情報の書き込みを行うICカードアクセス部と、を備える装置により実行される携帯端末へのICカード用アプリケーションのインストール方法であって、
前記携帯端末のユーザの前記ICカードサービスの提供を受ける会員としての識別情報である会員IDを取得する会員ID取得ステップと、
前記ICカードアクセス部を介して、前記携帯端末が備えているICカード内に、前記ICカードサービスの提供に必要なサービス領域を設定するサービス領域設定ステップと、
前記ICカードアクセス部を介して、前記サービス領域設定ステップによって設定された前記ICカード内のサービス領域に、前記会員ID取得ステップによって取得された会員IDを書き込む会員ID書き込みステップと、
前記会員ID書き込みステップによってサービス領域に会員IDが書き込まれるICカードを備える携帯端末に、前記アプリケーション記憶部に記憶されているICカード用アプリケーションを、前記通信ネットワークを介して送信するアプリケーション送信ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
ICカードを備える携帯端末と通信ネットワークを介して接続され、前記携帯端末にインストールされるアプリケーションであって前記携帯端末が備えているICカードを利用するICカードサービスをユーザに提供するためのICカード用アプリケーションを記憶するアプリケーション記憶部と、ICカードにアクセスしてICカードからの情報の読み取り及びICカードへの情報の書き込みを行うICカードアクセス部と、を備えるコンピュータを、
前記携帯端末のユーザの前記ICカードサービスの提供を受ける会員としての識別情報である会員IDを取得する会員ID取得手段、
前記ICカードアクセス部を介して、前記携帯端末が備えているICカード内に、前記ICカードサービスの提供に必要なサービス領域を設定するサービス領域設定手段、
前記ICカードアクセス部を介して、前記サービス領域設定手段によって設定された前記ICカード内のサービス領域に、前記会員ID取得手段によって取得された会員IDを書き込む会員ID書き込み手段、
前記会員ID書き込み手段によってサービス領域に会員IDが書き込まれるICカードを備える携帯端末に、前記アプリケーション記憶部に記憶されているICカード用アプリケーションを、前記通信ネットワークを介して送信するアプリケーション送信手段、
として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、携帯端末が備えているICカードを利用するサービスのユーザへの提供をより簡単な操作で開始させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るインストールシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】モバイル端末のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】インストール装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態におけるインストール方法の手順例を示す手順説明図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の変形例1に係るインストールシステムの構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の変形例2に係るインストールシステムの構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るインストールシステムの構成例を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態におけるインストール方法の手順例を示す手順説明図である。
【図9】本発明の第2の実施形態におけるインストール時に記録されるデータの一例を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施形態におけるインストール方法の手順例を示す手順説明図である。
【図11】本発明の第3の実施形態におけるインストール時に記録されるデータの一例を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施形態におけるバージョンアップ方法の手順例を示す手順説明図である。
【図13】本発明の第3の実施形態におけるバージョンアップ時に記録されるデータの一例を示す図である。
【図14】本発明の第4の実施形態における会員情報の変更方法の手順例を示す手順説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1の実施形態]
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
まず、本発明の第1の実施形態として、IC(Integrated Circuit)カードを備えるモバイル端末と、そのモバイル端末にアプリケーションをインストールさせるインストール装置と、を備えるインストールシステムについて説明する。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るインストールシステム10の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係るインストールシステム10は、モバイル端末20と、インストール装置30と、を備えており、モバイル端末20とインストール装置30とは、通信ネットワーク40を介して接続される。
【0023】
モバイル端末20は、ICカード21を搭載していると共に、データ通信機能を有している携帯電話機等の携帯端末である。ICカード21は、ICチップを内蔵している例えば非接触型のカードである。
モバイル端末20は、更に、通信ネットワーク40に接続されているサーバ等の装置からデータ通信機能によってアプリケーションをダウンロードするためのアプリケーションダウンロード部22を備えている。
【0024】
インストール装置30は、モバイル端末20にアプリケーションをインストールさせるための装置である。インストール装置30には、モバイル端末20に搭載されているICカード21を利用するサービス(ICカードサービス)をユーザに提供するためのソフトウェアプログラムであるモバイルアプリケーション(ICカード用アプリケーション)が、保存されている。
インストール装置30は、ICカードリーダライタ31を備えると共に、データ通信機能を有する例えばコンピュータである。
【0025】
ICカードリーダライタ31は、例えば非接触型のICカードが通信可能な距離の範囲内に存在する場合に、そのICカードに記録されている情報の読み取り及びそのICカードへの情報の書き込みを行う。
インストール装置30は、このICカードリーダライタ31を介して、モバイル端末20に搭載されているICカード21に対し、例えば、サービスの提供に必要なメモリ領域であるサービス領域の設定(確保)を行うICカード発行処理、情報の書き込みを行うICカード書き込み処理等を行う。
【0026】
通信ネットワーク40は、インターネット、LAN(Local Area Network)等の通信網である。
モバイル端末20とインストール装置30とは、互いのデータ通信機能を用いて、通信ネットワーク40を介して接続し、インストール装置30に保存されているモバイルアプリケーションを、インストール装置30からモバイル端末20に転送させる。
【0027】
インストール装置30は、より具体的には、図1に示すように、ハードウェア及びソフトウェアによって実現される機能的な構成として、アプリケーション記憶部32、ICカードアクセス部33、会員ID取得部34、サービス領域設定部35、会員ID書き込み部36、及びアプリケーション送信部37を備える。
【0028】
アプリケーション記憶部32は、モバイル端末20に搭載されているICカード21を利用するサービスをユーザに提供するためのモバイルアプリケーション38を記憶する。
【0029】
ICカードアクセス部33は、ICカードリーダライタ31を含み構成され、ICカードにアクセスしてICカードからの情報の読み取り及びICカードへの情報の書き込みを行う。
【0030】
会員ID取得部34は、モバイル端末20のユーザの会員ID(IDentification)を取得する。ここで、会員IDは、ICカード21を利用するサービスの提供を受けることができる者である会員を識別するための識別情報である。
【0031】
例えば、会員ID取得部34は、キーボード等の入力装置を備えており、モバイル端末20のユーザが入力装置を用いて自分の会員IDを入力した場合に、その入力された会員IDを取得する。
なお、モバイル端末20へのモバイルアプリケーション38のインストール時に、ユーザがサービスを受けるための会員IDを有していない場合には、会員ID取得部34は、ユーザに付与する会員IDを生成することにより取得しても良い。
【0032】
サービス領域設定部35は、ICカードアクセス部33を介して、ICカード21内に、ICカード21を利用するサービスの提供に必要なサービス領域を設定する。
【0033】
会員ID書き込み部36は、ICカードアクセス部33を介して、サービス領域設定部35によって設定されたICカード21内のサービス領域に、会員ID取得部34によって取得された会員IDを書き込む。
【0034】
例えば、モバイル端末20がインストール装置30の近傍に置かれ、ICカード21とICカードリーダライタ31とが通信可能な位置にある状態で、会員ID取得部34がモバイル端末20のユーザの会員IDを取得すると、サービス領域設定部35がICカード21内にサービス領域を設定し、会員ID書き込み部36がそのサービス領域に会員IDを書き込む。
【0035】
アプリケーション送信部37は、会員ID書き込み部36によってサービス領域に会員IDが書き込まれたICカード21を搭載しているモバイル端末20に、アプリケーション記憶部32に記憶されているモバイルアプリケーション38を、通信ネットワーク40を介して送信する。
【0036】
例えば、会員ID書き込み部36が、ICカード21内のサービス領域に会員IDを書き込むと、アプリケーション送信部37は、会員IDが書き込まれたICカード21を搭載しているモバイル端末20に、通信ネットワーク40を介してアクセスして、モバイルアプリケーション38を送信する。
【0037】
モバイル端末20側では、アプリケーションダウンロード部22が、インストール装置30から送信されるモバイルアプリケーション38を受信する。
そして、アプリケーションダウンロード部22によって受信されたモバイルアプリケーション38は、モバイル端末20にインストールされる。
【0038】
これにより、モバイル端末20のユーザは、モバイル端末20に搭載されているICカード21を利用するサービスを、モバイル端末20を用いて受けることができる。
【0039】
以上説明したように、本実施形態に係るインストールシステム10においては、まず、ICカードリーダライタ31を介してICカード21に、サービス領域が設定され、そのサービス領域にサービスの提供に必要な会員IDの情報が書き込まれる。その上で、モバイル端末20に、そのサービス領域を操作可能なモバイルアプリケーション38がダウンロードされる。
【0040】
即ち、まずアプリケーションをモバイル端末にダウンロードし、モバイル端末上でのアプリケーションの動作に従ってユーザがICカード21のサービス領域の確保、会員IDの入力等の操作を行うようなシステムと比較して、本実施形態に係るインストールシステム10においては、インストール装置30がICカードリーダライタ31を介してICカード21へのサービス領域の確保、会員IDの書き込み等を行う。
【0041】
従って、本実施形態によれば、ユーザはアプリケーションの動作に従ってサービス領域の確保、会員IDの入力等の操作を行う必要がないため、モバイル端末20が備えているICカード21を利用するサービスのユーザへの提供を簡単な操作で開始させることができる。
【0042】
更に、まずアプリケーションをモバイル端末にダウンロードし、モバイル端末上でのアプリケーションの動作に従ってユーザがICカード21のサービス領域を確保、会員IDの入力等の操作を行うようなシステムと比較して、本実施形態に係るインストールシステム10によれば、モバイル端末20のユーザは、モバイル端末20内のICカード21を利用するサービスを受ける際に、会員独自のサービスを、モバイルアプリケーション38のダウンロード後すぐに受けることができる。
【0043】
具体的には、サービスの提供を行うサービス事業者は、サービスの提供に際し、サービスの提供を受ける者の会員登録を行うのが一般的であり、その場合、例えばサービス事業者が保持するサーバには、会員毎に会員情報と会員IDとが関連付けて登録されている。その上で、本実施形態においては、モバイルアプリケーション38がモバイル端末20にダウンロードされる前に、既に、会員IDはモバイル端末20に付属のICカード21に記録されている。そのため、本実施形態によれば、モバイルアプリケーション38のダウンロード前に会員IDと会員情報とが紐付けられており、モバイル端末20のユーザは、モバイルアプリケーション38のダウンロード後すぐにサービスを受けることができる。
【0044】
ここで、モバイル端末20のハードウェア構成を説明する。
図2は、モバイル端末20のハードウェア構成例を示すブロック図である。
なお、既に説明した構成と同一の構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0045】
図2に示すように、モバイル端末20は、ハードウェア構成として、ICカード21と、通信部121と、入力部122と、出力部123と、記憶部124と、制御部125と、を備える。
【0046】
通信部121は、アンテナ、通信インタフェース等を備えており、モバイル端末20に接続される他の装置との音声通信及びデータ通信に用いられる。具体的には、モバイル端末20は、通信部121を用いて、インストール装置30とデータの送受信を行う。
【0047】
入力部122は、ボタン、マイクロフォン等の入力装置を備える。入力部122には、ユーザによる入力操作に応じて様々な情報が入力される。
出力部123は、ディスプレイ(モニタ)、スピーカ等の出力装置を備え、様々な情報を出力する。
【0048】
記憶部124は、ハードディスク等の補助記憶装置を備え、様々な情報やプログラム等を記憶する。例えば、記憶部124には、インストール装置30からダウンロードされるモバイルアプリケーション38が格納される。また、記憶部124には、モバイル端末20がインストール装置30からモバイルアプリケーション38をダウンロードする機能を実現するためのプログラム等が格納されている。
【0049】
制御部125は、CPU(Central Processing Unit)126、ROM(Read Only Memory)127、RAM(Random Access Memory)128等から構成され、データの演算処理を行うと共に、モバイル端末20の全体を制御する。制御部125における演算処理及び制御処理は、具体的には、CPU126が、RAM128を作業領域として使用して各種データを一時的に記憶させながら、ROM127に記憶されている制御プログラムを実行することにより行われる。
【0050】
制御部125が、ROM127や記憶部124に記憶されているプログラムに従って、ICカード21、通信部121、入力部122、出力部123、及び記憶部124を制御することにより、モバイル端末20において、インストール装置30からモバイルアプリケーション38をダウンロードする動作等の様々な動作が実行される。
【0051】
なお、モバイル端末20の図1に示したアプリケーションダウンロード部22は、具体的には、制御部125の処理により実現される機能的な構成である。
【0052】
次に、インストール装置30のハードウェア構成を説明する。
図3は、インストール装置30のハードウェア構成例を示すブロック図である。
なお、既に説明した構成と同一の構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0053】
図3に示すように、インストール装置30は、ハードウェア構成として、ICカードリーダライタ31、通信部131と、入力部132と、出力部133と、記憶部134と、制御部135と、を備える。
【0054】
通信部131は、通信インタフェース等を備えており、インストール装置30に接続される他の装置との通信に用いられる。具体的には、インストール装置30は、通信部131を用いて、モバイル端末20とデータの送受信を行う。
【0055】
入力部132は、キーボード、マウス等の入力装置を備える。入力部132には、操作をする者による入力操作に応じて様々な情報が入力される。
出力部133は、ディスプレイ(モニタ)等の出力装置を備え、様々な情報を出力する。
【0056】
記憶部134は、ハードディスク等の補助記憶装置を備え、様々な情報やプログラム等を記憶する。例えば、記憶部134には、前述のモバイルアプリケーション38が記憶されている。即ち、図1に示したインストール装置30のアプリケーション記憶部32は、記憶部134により実現される構成である。また、記憶部134には、インストール装置30がモバイルアプリケーション38をモバイル端末20にインストールさせる機能を実現するためのプログラム等が格納されている。
【0057】
制御部135は、CPU136、ROM137、RAM138等から構成され、データの演算処理を行うと共に、インストール装置30の全体を制御する。制御部135における演算処理及び制御処理は、具体的には、CPU136が、RAM138を作業領域として使用して各種データを一時的に記憶させながら、ROM137に記憶されている制御プログラムを実行することにより行われる。
【0058】
制御部135が、ROM137や記憶部134に記憶されているプログラムに従って、ICカードリーダライタ31、通信部131、入力部132、出力部133、及び記憶部134を制御することにより、インストール装置30において、モバイルアプリケーション38をモバイル端末20にインストールさせる動作等の様々な動作が実行される。
【0059】
なお、インストール装置30の図1に示したアプリケーション記憶部32、ICカードアクセス部33、会員ID取得部34、サービス領域設定部35、会員ID書き込み部36、及びアプリケーション送信部37は、具体的には、制御部135の処理により実現される機能的な構成である。
【0060】
次に、インストールシステム10を用いてモバイル端末20へモバイルアプリケーション38をインストールする方法の手順を説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態におけるインストール方法の手順例を示す手順説明図である。
【0061】
なお、この手順は、インストールシステム10が備えるモバイル端末20及びインストール装置30の各装置において、それぞれの制御部がそれぞれに記憶されているプログラムに従って各装置の全体を制御することにより実行される。
また、ここでは、モバイル端末20のユーザが既に会員IDを有している場合を例に説明する。
【0062】
モバイル端末20を所持しているユーザは、会員登録しているサービスの提供を、モバイル端末20に搭載されているICカード21を利用して受けたい場合、例えば、インストール装置30が設置されている場所に行く。そして、ユーザは、インストール装置30に備え付けられているICカードリーダライタ31と、ICカード21と、が通信可能となる位置に、モバイル端末20を配置する。
【0063】
更に、ユーザは、モバイル端末20とインストール装置30とをデータ通信可能な状態にする。例えば、モバイル端末20とインストール装置30とを、モバイル通信回線、無線LAN等を用いて、通信ネットワーク40を介して接続する。また、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信等を用いた無線通信、又はデータ通信ケーブルを用いた有線通信によって、モバイル端末20とインストール装置30とを直接接続しても良い。
【0064】
このようなインストールシステム10において、まず、インストール装置30は、モバイル端末20を所持しているユーザの会員IDを取得する(ステップS11)。インストール装置30は、例えば、入力部132を介して入力されるユーザの会員IDを取得する。
【0065】
次に、インストール装置30は、ICカードリーダライタ31を介して、モバイル端末20に搭載されているICカード21に対して、ICカード発行処理を行う(ステップS12)。具体的には、インストール装置30は、ステップS11で取得した会員IDを必要とするサービス用のサービス領域をICカード21内に設定する。これにより、ICカード21内のメモリ領域の中に、ユーザが提供を受けたいサービスのためのサービス領域が確保される。
【0066】
更に、インストール装置30は、ICカードリーダライタ31を介して、ICカード21に対して、ICカード書き込み処理を行う(ステップS13)。具体的には、インストール装置30は、例えば、ステップS12でICカード21内に設定されたサービス領域に、ステップS11で取得された会員IDを書き込む。これにより、ユーザが提供を受けたいサービスのためにICカード21内に確保されたサービス領域内に、そのサービスにおけるユーザの会員IDが書き込まれる。
【0067】
ステップS13での会員ID書き込み処理が終了すると、インストール装置30は、モバイルアプリケーション38をモバイル端末20に送信する(ステップS14)。具体的には、インストール装置30は、ICカード書き込み処理の完了を確認すると、記憶部134(アプリケーション記憶部32)からモバイルアプリケーション38を読み出し、読み出したモバイルアプリケーション38を、インストール装置30とデータ通信可能に接続されているモバイル端末20に送信する。
【0068】
モバイル端末20は、ステップS14でのインストール装置30によるモバイルアプリケーション38の送信に応じて、アプリケーションダウンロード処理を行う(ステップS15)。具体的には、モバイル端末20は、インストール装置30からモバイルアプリケーション38を受信して、受信したモバイルアプリケーション38を記憶部124に保存する。そして、保存されたモバイルアプリケーション38のインストール処理を行う。
【0069】
このようなインストール方法が実行されることにより、モバイル端末20のユーザは、会員登録しているサービスの提供をモバイル端末20に搭載されているICカード21を利用して受けることを、簡単な操作で開始することができる。
【0070】
[第1の実施形態の変形例1]
次に、本発明の第1の実施形態の変形例を説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態の変形例1に係るインストールシステム11の構成例を示すブロック図である。
なお、図5において、第1の実施形態の図1に示した構成と同一の構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0071】
図5に示すように、変形例1に係るインストールシステム11は、第1の実施形態に係るインストールシステム10の構成に、引き継ぎ用ICカード50が追加されている。
また、インストール装置30は、会員ID読み取り部61、位置情報記憶部62、及び位置情報書き込み部63を更に備えている。なお、インストール装置30が備えるこれらの構成も、第1の実施形態と同様に、図3に示した各部を制御部135が制御することより実現される機能的な構成である。
【0072】
引き継ぎ用ICカード50は、モバイル端末20へのモバイルアプリケーション38のインストール時に、モバイル端末20に搭載されているICカード21に引き継がれるべき引き継ぎ情報を記憶している例えば非接触型のICカードである。
【0073】
変形例1においては、引き継ぎ用ICカード50は、具体的には、サービスへの会員登録を行っている会員に発行される会員用ICカードである。
会員用ICカードには、例えば、会員の氏名、住所、生年月日等の会員情報や、会員IDが記録されている。また、例えば、会員用ICカードの所持者は、この会員用ICカードを用いてサービスを受けることができる。
【0074】
モバイル端末20に搭載されているICカード21を用いてサービスを受けることができるようにしたいユーザが、既に別途そのサービスの会員用ICカードを所持しているような場合には、変形例1のインストールシステム11を用いることにより、会員用ICカードを利用して、より簡単な操作で、モバイル端末20にモバイルアプリケーション38をインストールさせることができる。
【0075】
変形例1において、インストール装置30の会員ID取得部34は、会員ID読み取り部61を含んでいる。
会員ID読み取り部61は、例えば、モバイル端末20のユーザによって引き継ぎ用ICカード50がICカードリーダライタ31と通信可能な位置に置かれると、会員用ICカードである引き継ぎ用ICカード50から、ICカードアクセス部33を介して、会員IDを読み取る。
【0076】
これにより、会員ID取得部34において会員IDが取得され、取得された会員IDは会員ID書き込み部36によってICカード21内のサービス領域に書き込まれる。
【0077】
位置情報記憶部62は、インストール装置30の通信ネットワーク40上の位置情報を記憶している。具体的には、インストール装置30がインターネット上に存在する場合には、位置情報として、例えばインターネット内におけるインストール装置30の場所を特定するURL(Uniform Resource Locator)が、位置情報記憶部62に記憶されている。
【0078】
位置情報書き込み部63は、位置情報記憶部62からインストール装置30のURLを読み出し、読み出したURLを、ICカードアクセス部33を介して、サービス領域設定部35によってサービス領域が設定されたICカード21内に書き込む。
なお、この場合、URLは、ICカード21内のサービス領域以外のメモリ領域、例えばURL記憶専用のメモリ領域に書き込まれても良い。
【0079】
モバイル端末20に搭載されているICカード21内に、サービス領域が設定されて、会員ID及びインストール装置のURLが書き込まれると、モバイル端末20のアプリケーションダウンロード部22は、書き込まれたURLをICカード21から読み出して参照し、そのURLに基づき、通信ネットワーク40を介してインストール装置30にアクセスする。そして、アプリケーションダウンロード部22は、インストール装置30からモバイルアプリケーション38をダウンロードする処理を実行する。
【0080】
なお、アプリケーションダウンロード部22により実行されるこれらの処理は、図2に示したROM127や記憶部124に記憶されているプログラムに従った制御部125の処理により実行される。
【0081】
インストール装置30のアプリケーション送信部37は、位置情報書き込み部63によってICカード21に書き込まれたURLを参照してアクセスしてきたモバイル端末20に、アプリケーション記憶部32に記憶されているモバイルアプリケーション38を送信する。
【0082】
以上説明した変形例1においては、引き継ぎ用ICカード50として会員用ICカードを利用し、サービスの提供を受ける会員の会員情報に紐付いている会員IDを取得する。
従って、変形例1によれば、会員IDの入力を簡素化することができると共に、会員IDに紐付けられている会員情報を引き継ぐことができる。
【0083】
また、変形例1においては、ICカードリーダライタ31を介して、引き継ぎ用ICカード50から会員IDを読み取ると共に、モバイル端末20に搭載されているICカード21に会員IDを書き込む。
従って、変形例1によれば、通信ネットワーク40を介した無線通信等を使わずに、引き継ぎ用ICカード50から、モバイル端末20に搭載されているICカード21に、ダイレクトに会員IDを引き継ぐことができる。
【0084】
また、変形例1においては、モバイル端末20は、モバイル端末20にインストールされるモバイルアプリケーション38の格納場所であるインストール装置30のURLを、ICカードリーダライタ31を介して取得し、そのURLに基づいてインストール装置30からモバイルアプリケーション38をダウンロードする。
【0085】
従って、変形例1によれば、モバイル端末20がURLに基づきモバイルアプリケーション38の格納場所を特定することができ、モバイルアプリケーション38のダウンロードを自動的に行うことができる。また、そのため、ユーザがモバイルアプリケーション38の格納場所を探す手間が不要となり、パケット通信費等のデータ通信にかかる費用を最小限に抑えることができる。
【0086】
[第1の実施形態の変形例2]
図6は、本発明の第1の実施形態の変形例2に係るインストールシステム12の構成例を示すブロック図である。
なお、図6において、変形例1の図5に示した構成と同一の構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0087】
図6に示すように、変形例2に係るインストールシステム12においては、インストール装置30は、変形例1の会員ID読み取り部61に代えて本人確認用情報読み取り部71及び会員ID付与部72を備えており、更に、会員情報記憶部73を備えている。なお、インストール装置30が備えるこれらの構成も、第1の実施形態と同様に、図3に示した各部を制御部135が制御することにより実現される機能的な構成である。
【0088】
変形例2においては、引き継ぎ用ICカード50は、具体的には、モバイル端末20のユーザの本人確認用情報が記録されている本人確認用ICカードである。本人確認用ICカードは、例えば、ICチップ内蔵の免許証、住民基本台帳カード、パスポート等の身分証明書である。
本人確認用ICカードには、本人確認用情報として、例えば、そのカードの所持者の氏名、住所、生年月日等の個人特定情報が記録されている。
【0089】
モバイル端末20に搭載されているICカード21を用いてサービスを受けることができるようにしたいユーザが、未だそのサービスへの会員登録を行っていないような場合には、変形例2のインストールシステム12を用いることにより、本人確認用ICカードを利用して、より簡単な操作で、モバイル端末20にモバイルアプリケーション38をインストールさせることができる。
【0090】
変形例2において、インストール装置30の会員ID取得部34は、本人確認用情報読み取り部71及び会員ID付与部72を含んでいる。
本人確認用情報読み取り部71は、例えば、モバイル端末20のユーザによって引き継ぎ用ICカード50がICカードリーダライタ31と通信可能な位置に置かれると、本人確認用ICカードである引き継ぎ用ICカード50から、ICカードアクセス部33を介して、そのユーザの個人特定情報である本人確認用情報を読み取る。
【0091】
会員ID付与部72は、本人確認用情報読み取り部71によって読み取られた本人確認用情報に関連付けて、モバイル端末20のユーザにサービスの会員IDを付与する。
具体的には、会員ID付与部72は、会員登録されていないモバイル端末20のユーザの本人確認用情報が本人確認用情報読み取り部71によって読み取られると、そのユーザに付与するための会員IDを生成する。
【0092】
これにより、会員ID取得部34において会員IDが取得され、取得された会員IDは会員ID書き込み部36によってICカード21内のサービス領域に書き込まれる。
【0093】
また、本人確認用情報読み取り部71によって本人確認用情報として読み取られたモバイル端末20のユーザの個人特定情報と、会員ID付与部72によってそのユーザに割り当てられた会員IDと、は互いに関連付けられて会員情報記憶部73に記録される。
【0094】
なお、会員情報記憶部73に記憶されている情報は、例えば、実際にICカード21を用いたサービスが提供された際に、ICカード21に記憶されている会員IDから、そのサービスを受けた個人を特定するために使用される。
【0095】
以上説明した変形例2によれば、モバイル端末20のユーザがサービスへの会員登録を行っていない者であっても、引き継ぎ用ICカード50として本人確認用ICカードを利用して、簡単な操作で、モバイル端末20に搭載されているICカード21を用いるサービスの利用を開始することができる。
【0096】
ところで、ユーザが、モバイル端末20に搭載されているICカード21を用いるサービスの利用を開始したい場合には、ICカード21のメモリ領域を操作するためのモバイルアプリケーション38のモバイル端末20への導入、ICカード21内でのサービス領域の確保、初期情報の入力等の初期化処理を行う必要がある。
【0097】
本発明の第1の実施形態及びその変形例においては、この初期化の操作を簡素化するために、まず、ICカードリーダライタ31から直接、モバイル端末20のICカード21内に、サービスに使用されるサービス領域を確保する。そして、ICカード21内に確保されたサービス領域に、情報入力用の引き継ぎ用ICカード50から取得した引き継ぎ情報が書き込まれた状態で、そのサービスに対応したメモリ領域操作用のモバイルアプリケーション38が、モバイル端末20にダウンロードされる。
【0098】
一方、本実施形態とは異なる初期化の方法としては、例えば、モバイル端末にモバイルアプリケーションをダウンロードしてから、そのモバイルアプリケーションに従った操作により引き継ぎ情報を入力する方法がある。この場合、引き継ぎ情報の入力を簡素化するために、ユーザ毎のモバイルアプリケーションを予め用意しておき、モバイル端末にダウンロードすることが考えられる。また、モバイルアプリケーションとは別のユーザ毎の設定ファイルを予め用意しておくことも考えられる。
【0099】
しかし、このような方法では、ユーザ毎のモバイルアプリケーションを作成する必要があるため、モバイルアプリケーションの作成者側にとって負担が大きい。
これに対し、本実施形態によれば、全ユーザに共通のモバイルアプリケーションを用いて、モバイル端末内のICカードを用いて提供されるサービスを簡単に開始させることができる。
【0100】
[第2の実施形態]
次に、本発明のより具体的な実施形態を、本発明の第2の実施形態として説明する。
本発明の第2の実施形態では、第1の実施形態におけるインストール装置30を、機能毎に複数の装置に分けている。
【0101】
図7は、本発明の第2の実施形態に係るインストールシステム200の構成例を示すブロック図である。
図7に示すように、本発明の第2の実施形態に係るインストールシステム200は、サービス事業者サーバ210と、ICチップサーバ220と、モバイルアプリケーションダウンロード端末230と、引き継ぎ用ICカード240と、モバイル端末250と、を備えている。
【0102】
なお、第2の実施形態におけるこれらの構成を、第1の実施形態及びその変形例における各構成に対応させた場合、サービス事業者サーバ210、ICチップサーバ220、及びモバイルアプリケーションダウンロード端末230の組み合わせが、第1の実施形態におけるインストール装置30に対応する。また、引き継ぎ用ICカード240は、第1の実施形態の変形例1、2における引き継ぎ用ICカード50に対応し、モバイル端末250は、第1の実施形態におけるモバイル端末20に対応する。
【0103】
更に、モバイルアプリケーションダウンロード端末230のハードウェア構成は、図3に示したインストール装置30のハードウェア構成と実質的に同様とすることができる。また、サービス事業者サーバ210及びICチップサーバ220のハードウェア構成は、図3に示したインストール装置30のハードウェア構成からICカードリーダライタ31を除いた構成と実質的に同様とすることができる。
【0104】
図7に戻り、サービス事業者サーバ210と、ICチップサーバ220と、モバイルアプリケーションダウンロード端末230と、は互いに有線NW(NW:ネットワーク)で接続される。
モバイル端末250は、サービス事業者サーバ210と無線NWで接続されており、モバイルアプリケーションダウンロード端末230と非接触/接触I/F(I/F:インタフェース)で接続される。
引き継ぎ用ICカード240は、モバイルアプリケーションダウンロード端末230と非接触/接触I/Fで接続される。
【0105】
サービス事業者サーバ210は、例えば、電子マネーサービス等のICカードを利用したサービスを提供するサービス事業者が保持するサーバである。サービス事業者サーバ210は、会員情報を記憶する会員情報TBL(TBL:テーブル)211と、モバイル端末250で動作するアプリケーションであるモバイルアプリケーション212と、を保持する。
【0106】
ICチップサーバ220は、モバイルアプリケーションダウンロード端末230と有線NWでつながっており、ネットワーク経由で、ICカードに内蔵されているICチップ上へのサービス領域の発行、ICチップへの書き込みを実施できるサーバである。
ICチップサーバ220は、ICチップ上へのサービス領域の発行処理を行うモジュールであるICチップ発行モジュール221と、ICチップへの書き込み処理を行うモジュールであるICチップ書き込みモジュール222と、を有している。
【0107】
ICチップサーバ220とモバイルアプリケーションダウンロード端末230との間で暗号化処理が施されることにより、書き込み処理のセキュリティを担保することができる。なお、セキュリティを担保する必要が無い場合や、モバイルアプリケーションダウンロード端末230からPIN(Personal Identification Number)の入力を利用者に求める場合には、ICチップサーバ220をインストールシステム200の構成から除き、モバイルアプリケーションダウンロード端末230から直接ICチップに対する発行処理及び書き込み処理を行うようにしても良い。
【0108】
モバイルアプリケーションダウンロード端末230は、ICカードリーダライタ(以下、R/W(リーダライタ)と記載する)231を備えており、また、モジュールとしてのR/Wモジュール232を有している。
【0109】
モバイルアプリケーションダウンロード端末230は、R/Wモジュール232によって読み取ったデータを、サービス事業者サーバ210及びICチップサーバ220に対して送信し、また、R/Wモジュール232によって書き込むデータを、サービス事業者サーバ210及びICチップサーバ220から受信する端末である。
【0110】
モバイルアプリケーションダウンロード端末230は、R/W231を介して、引き継ぎ用ICカード240及びモバイル端末250と非接触/接触I/Fで接続される。
【0111】
本実施形態におけるモバイルアプリケーションダウンロード端末230は、R/W231を2つ保持しており、その内の少なくとも1つは非接触型ICカードに記録されている情報を読み取ることができるR/Wである。そのため、モバイルアプリケーションダウンロード端末230は、モバイル端末に搭載されているICカードから情報を読み取ることができる。
【0112】
なお、これは、本発明の範囲を狭くするものではなく、あくまで一例であり、モバイルアプリケーションダウンロード端末230に搭載されるR/W231の数、種類等はこれに限定されるものではない。例えば、モバイルアプリケーションダウンロード端末230に搭載されるR/W231は1台のみであっても良い。また、ICカードの発行機能を有するようなR/W付きモバイル端末を、モバイルアプリケーションダウンロード端末230に接続し、これをR/Wとして使用するようにしても良い。
【0113】
利用者がICカードをR/Wへかざす際、R/Wが2台ある場合は、一方に引き継ぎ用ICカード240、もう一方にICカード252を搭載しているモバイル端末250をかざす。なお、R/Wが1台のみの場合は、引き継ぎ用ICカード240をかざした後に、モバイル端末250をかざしても良いし、また、引き継ぎ用ICカード240とモバイル端末250とを重ねてかざしても良い。
【0114】
引き継ぎ用ICカード240は、免許証等の本人確認用ICカード、引き継ぎデータが登録されたICカード等である。
【0115】
なお、これは、本発明の範囲を狭くするものではなく、あくまで一例であり、これに限定されるものではない。例えば、引き継ぎ用ICカード240は、モバイル端末に搭載されているICカードであっても良い。そのような場合、発行対象のICカードと本人確認用のICカードとが物理的に分離している複数のICカードを、モバイル端末が保持しているような形態であっても良い。また、モバイル端末に搭載されている1枚のICカードの中に、発行対象のICカードと本人確認用のICカードとに対応する領域が論理的に分かれて存在しているような形態であっても良い。
【0116】
モバイル端末250は、無線NW経由でアプリケーションをダウンロードするためのダウンロードモジュール251と、非接触R/Wから書き込みが可能なICカード252と、を保有する。
【0117】
なお、以上の構成において、有線NWとした箇所を無線NWとしても良いし、無線NWとした箇所を有線NWとしても良い。
例えば、モバイルアプリケーションダウンロード端末230を設置する場所に、有線NWの敷設が難しい場合、モバイルアプリケーションダウンロード端末230にモバイル通信用カードを差し込むことにより、無線NWとしても良い。また、無線LAN環境を構築し、その配下にモバイルアプリケーションダウンロード端末230を設置しても良い。
【0118】
更に、モバイル端末250に、有線NWに接続するためのI/Fを用意することにより、有線NWを経由して、サービス事業者サーバ210からモバイルアプリケーション212をモバイル端末250にダウンロードするようにしても良い。
【0119】
また、本実施形態に係るインストールシステム200では、モバイル端末250にモバイルアプリケーション212をインストールさせるための装置を、機能毎に分けて、サービス事業者サーバ210、ICチップサーバ220、及びモバイルアプリケーションダウンロード端末230の3つの装置に明示的に分けている。しかしながら、複数の機能を併せ持つサーバ、端末としても良い。例えば、すべての機能をモバイルアプリケーションダウンロード端末230に持たせても良く、また、サービス事業者サーバ210とICチップサーバ220とを統合しても良い。
【0120】
更には、各装置間の接続形態を変えても良い。例えば、データ通信経路に関して、サービス事業者サーバ210のバックにICチップサーバ220が存在するように接続し、モバイルアプリケーション端末230とICチップサーバ220とがサービス事業者サーバ210を経由して接続されるようにしても良い。
【0121】
また、モバイル端末250が保持しているICカード252と、モバイルアプリケーションダウンロード端末230と、の間において、セキュリティを担保したデータのやり取りを行っても良い。そのようなやり取りは、例えば、予めモバイル端末250又はICカード252に暗号化情報を保有しておき、その暗号化情報を復号するための鍵をICチップサーバ220が保有しておくことにより、実現される。具体的には、これにより、モバイル端末250とICチップサーバ220との間にあるモバイルアプリケーションダウンロード端末230では暗号化情報は復号できず、モバイルアプリケーションダウンロード端末230で暗号化情報が読み取られることはない。なお、鍵の保有場所は、サービス提供者の運用に応じて変更しても良い。
【0122】
次に、図8及び図9を用いて、インストールシステム200を用いたモバイルアプリケーション212のダウンロード方法について説明する。
このダウンロード方法においては、引き継ぎデータをダイレクトにモバイル端末250に保存するために、引き継ぎデータに紐付く会員IDをモバイル端末250に付属されたICカード252に保存するようにしている。
【0123】
また、モバイルアプリケーション212のダウンロード後に利用者が即座にサービスを受けることができるよう、サービスを受ける上で必要な会員IDをICカード252に保存した後に、モバイルアプリケーション212をダウンロードするようにしている。
【0124】
図8は、本発明の第2の実施形態におけるインストール方法の手順例を示す手順説明図であり、図9は、そのインストール時に記録されるデータの一例を示す図である。
なお、ここでは、利用者の会員情報を会員情報TBL211に新たに登録する際のインストール方法について説明する。
【0125】
事前準備作業として、引き継ぎ用ICカード240と、ICカード252付きモバイル端末250と、をそれぞれR/W231によるデータの読み書きが可能な位置に配置しておく。
【0126】
まず、モバイルアプリケーションダウンロード端末230は、R/Wモジュール232によってR/W231を介し、引き継ぎ用ICカード240と、モバイル端末250に付属のICカード252と、から各カードに記録されているカード情報を読み取る(ステップS201)。
【0127】
具体的には、モバイルアプリケーションダウンロード端末230は、引き継ぎ用ICカード240から会員情報を読み取り、モバイル端末250に付属のICカード252からICカードを識別するための識別情報であるICカードIDを読み取る。
【0128】
なお、この読み取り処理において、モバイルアプリケーションダウンロード端末230は、引き継ぎ用ICカード240から読み取った会員情報を、モバイルアプリケーションダウンロード端末230に備え付けられているモニタに表示させて、次の処理に移る前に、利用者に確認を促すようにしても良い。
【0129】
モバイルアプリケーションダウンロード端末230は、ステップ201でカード情報を読み取ると、読み取った2つのカード情報である会員情報とICカードIDとをサービス事業者サーバ210へ送信する(ステップS202)。送信された情報は、サービス事業者サーバ210内の会員情報TBL211に書き込まれる。
【0130】
なお、このとき、サービスの利用に必要な他の情報を併せて送信しても良い。例えば、利用者がモバイルアプリケーションダウンロード端末230を操作して、利用したいサービスの種類を選択した場合には、そのサービス情報を、会員情報及びICカードIDと共にサービス事業者サーバ210へ送信する。
このような場合、例えば、図9(a)に示すように、ICカードIDと会員情報とサービス情報とが、互いに関連付けられてサービス事業者サーバ210へ送信され、会員情報TBL211に記録される。
【0131】
また、このとき、サービス事業者サーバ210を認証サーバとして機能させ、サービス事業者サーバ210が、受信したカード情報に基づきユーザ認証を行うようにしても良い。その場合、例えば、引き継ぎ用ICカード240を認証用カードとして使用して、正当な会員情報が記録されている引き継ぎ用ICカード240を利用者がR/W231にかざした場合にのみ、後述するステップS205のICチップ発行処理を実行させるようにすれば良い。
【0132】
サービス事業者サーバ210は、ステップS202でモバイルアプリケーションダウンロード端末230から送信された情報を受信し、受信した情報に対してキーとなる会員IDを生成する(ステップS203)。
【0133】
生成された会員IDは、会員情報TBL211に書き込まれる。例えば、図9(b)に示すように、生成された会員IDは、既に書き込まれているICカードIDと会員情報とサービス情報とに関連付けられて、会員情報TBL211に記録される。
【0134】
なお、会員IDの生成をモバイルアプリケーションダウンロード端末230が行って、ステップS202の処理においてカード情報と共にサービス事業者サーバ210に送信するようにしても良い。
【0135】
また、仮に、利用者の会員情報が会員情報TBL211に既に登録されており、引き継ぎ用ICカード240に記録されている会員情報の中に会員IDが含まれているような場合には、ステップS203の処理を省略して、会員情報に含まれている会員IDを使用すれば良い。
【0136】
サービス事業者サーバ210は、ステップS203で会員IDを生成すると、会員IDと、モバイルアプリケーション212の格納場所を示すモバイルアプリケーションダウンロード用のURLの情報と、をICチップサーバ220へ送信し、モバイル端末250に付属されているICカード252への書き込み要求を行う(ステップS204)。
なお、サービス事業者サーバ210は、サービス情報を取得している場合には、会員IDとURLとに加えてサービス情報も送信する。
【0137】
また、前述したように、セキュリティを担保する必要が無い場合や、モバイルアプリケーションダウンロード端末230からPINの入力を利用者に求めるような場合には、ICチップサーバ220をインストールシステム200の構成から除いても良い。そして、そのような場合には、サービス事業者サーバ210は、ステップS204の処理を実施せずに、ステップS203で会員IDを生成した後、レスポンスをモバイルアプリケーションダウンロード端末230に返却し、モバイルアプリケーションダウンロード端末230からモバイル端末250へ直接ICチップに対する発行処理及び書き込み処理を行うようにすれば良い。
【0138】
ICチップサーバ220は、モバイルアプリケーションダウンロード端末230のR/W231を経由して、モバイル端末250に付属されているICカード252内のICチップ上にサービス領域を発行するICチップ発行処理を実行する(ステップS205)。
なお、この処理は、ICチップ発行モジュール221により実行される。また、換言すると、この処理により、ICカード252内にサービス領域が設定される。
【0139】
続いて、ICチップサーバ220は、モバイルアプリケーションダウンロード端末230のR/W231を経由して、モバイル端末250に付属されているICカード252に、具体的にはICカード252内のICチップに、会員IDとURLとを書き込むICチップ書き込み処理を実行する(ステップS206)。
なお、この処理は、ICチップ書き込みモジュール222により実行される。
【0140】
ところで、例えば複数のサービスが同時に展開されるような場合には、サービス情報をICカード252に書き込んでおいた方が便利である。そのため、ICチップサーバ220は、ステップS204でサービス事業者サーバ210から会員IDとURLとに加えてサービス情報も送信されてきた場合には、例えば、図9(c)に示すように、会員ID及びURLの情報に加えてサービス情報も、ICカード252内のICチップに書き込む。
【0141】
モバイル端末250は、ICカード252に情報が書き込まれたことを検知すると、モバイルアプリケーション212のダウンロードを利用者に促すためのイベント通知処理を行う(ステップS207)。具体的には、モバイル端末250は、ICカード252に書き込まれたURLをICカード252から読み出し、読み出したURLへの接続を利用者に促す画面を、モバイル端末250に備え付けられているモニタに表示させる。
【0142】
なお、ステップS206の処理において、URL情報のICチップへの書き込みを省略することもできる。その場合には、URL以外の情報をICチップへ書き込んだ後に、例えば、URL情報をR/W231からモバイル端末250へダイレクトに送信させて、ステップS207のイベント通知処理を行うようにすれば良い。
【0143】
ステップS207のイベント通知処理でモバイルアプリケーション212のダウンロードを促された利用者は、例えば、表示された画面に従ってモバイル端末250を操作する。モバイル端末250は、利用者の操作に応じて、ステップS206でICカード252に書き込まれたURLへ接続するURL接続処理を行う(ステップS208)。
【0144】
具体的には、モバイル端末250は、URLに基づきWebサーバとしての機能も有するサービス事業者サーバ210に接続する。このとき、モバイル端末250は、ステップS206でICカード252に書き込まれた会員IDを、URLパラメータに含め、更に、ICカード252からICカードIDを読み出し、読み出したICカードIDを通信電文に自動的に付加して、サービス事業者サーバ210に自動送出する。
【0145】
サービス事業者サーバ210は、通信電文に付加されているICカードIDが会員情報TBL211に登録されているかを確認する(ステップS209)。更に、サービス事業者サーバ210は、URLパラメータに含まれている会員IDも同様に、会員情報TBL211に登録されているかを確認する。
【0146】
例えば、サービス事業者サーバ210は、図9(b)に例示した会員情報TBL211内の情報を参照して確認を行い、確認の結果、ICカードIDと会員IDとの組み合わせが登録されていれば、会員情報登録済みであると判断し、登録されていなければ、例えば不正処理が行われたと判断する。
【0147】
サービス事業者サーバ210は、ステップS209での確認の結果、例えば会員情報登録済みであると判断すると、モバイル端末250にモバイルアプリケーション212のダウンロードを許可する。
モバイル端末250は、その許可を受けて、モバイルアプリケーション212のダウンロード処理を実施する(ステップS210)。
【0148】
なお、ステップS206のICチップ書き込み処理が実行された後は、モバイルアプリケーション212のダウンロード処理はいつ行っても良いため、利用者の都合に合わせて、ステップS207〜S210の処理を後で行うようにしても良い。
また、ステップS207〜S210の処理を省略して、ステップS206のICチップ書き込み処理において、同時に、モバイルアプリケーション212を書き込むようにしても良い。
【0149】
以上のインストール方法では、ステップS202でサービス事業者サーバ210へ送信した会員情報を、適切にモバイル端末250に引き継ぐために、ステップS209においてICカードIDを確認する認証処理を実施している。
この処理が導入されていることにより、ステップS202で送信された会員情報が、別のモバイル端末に引き継がれてしまうといったオペレーションミス、不正処理を防ぐことができる。
【0150】
以上説明した第2の実施形態によれば、モバイル端末250にモバイルアプリケーション212をインストールさせるための装置を、機能毎に複数の装置に分けて構成した場合であっても、モバイル端末250内のICカード252を利用するサービスのユーザへの提供を簡単な操作で開始させることができる。
【0151】
[第3の実施形態]
次に、モバイル端末250にダウンロードされたモバイルアプリケーション212をバージョンアップする方法を、本発明の第3の実施形態として説明する。
なお、第3の実施形態に係るインストールシステムは、図7に示した第2の実施形態に係るインストールシステム200と同一の構成とすることができるため、その説明を省略し、以下では、図7に示した符号を用いて第3の実施形態を説明する。
【0152】
初めに、バージョンアップを行うための前提となるモバイルアプリケーション212のインストール方法について説明する。
図10は、本発明の第3の実施形態におけるインストール方法の手順例を示す手順説明図であり、図11は、そのインストール時に記録されるデータの一例を示す図である。
【0153】
なお、図10に示すステップS301〜S310の処理は、それぞれ、第2の実施形態で説明した図8のステップS201〜S210の処理に部分的に対応しているため、重複する部分の説明は省略し、異なる部分を中心に説明する。
【0154】
まず、モバイルアプリケーションダウンロード端末230が、R/W231を介して、引き継ぎ用ICカード240から会員情報を、モバイル端末250に付属のICカード252からICカードIDを、カード情報として読み取る(ステップS301)。
【0155】
次に、モバイルアプリケーションダウンロード端末230は、読み取ったカード情報をサービス事業者サーバ210へ送信する(ステップS302)。例えば、モバイルアプリケーションダウンロード端末230は、読み取った会員情報及びICカードIDと、更にサービス情報と、をサービス事業者サーバ210へ送信する。サービス事業者サーバ210は、モバイルアプリケーションダウンロード端末230から受信した情報を互いに関連付けて、サービス事業者サーバ210内の会員情報TBL211に書き込む。
【0156】
サービス事業者サーバ210は、モバイルアプリケーションダウンロード端末230から受信した情報に対してキーとなる会員IDを生成する(ステップS303)。サービス事業者サーバ210は、生成した会員IDを、既に会員情報TBL211に書き込まれているモバイルアプリケーションダウンロード端末230から受信した情報に関連付けて、会員情報TBL211に書き込む。
【0157】
第3の実施形態における会員情報TBL211は、具体的には、図11(a)に示すように、会員IDと、ICカードIDと、会員情報と、サービス情報と、アプリVerと、を関連付けて記憶する。
【0158】
ここで、アプリVerは、モバイル端末250にインストールされているモバイルアプリケーション212のバージョンを示す情報である。第3の実施形態は、このアプリVerを会員ID等と関連付けて会員情報TBL211に記録する点で第2の実施形態と異なる。
【0159】
ステップS303の時点では、図11(a)に示すように、会員情報TBL211には、例えば、ステップS303で生成された会員IDと、ステップS302でサービス事業者サーバ210に送信されたICカードID、会員情報、及びサービス情報と、が互いに関連付けて記録されている。
そして、この時点では、モバイルアプリケーション212は未だモバイル端末250にインストールされていないため、会員情報TBL211においてアプリVerの情報は関連付けられていない。
【0160】
続いて、サービス事業者サーバ210は、例えば、会員ID、モバイルアプリケーションダウンロード用のURL、及びサービス情報と、更に最新アプリVerと、をICチップサーバ220へ送信し、送信した情報のモバイル端末250に付属されているICカード252への書き込み要求を行う(ステップS304)。
【0161】
ここで、最新アプリVerは、モバイルアプリケーション212の最新のバージョンを示す情報である。サービス事業者サーバ210は、例えば記憶部に、図11(b)に示すように、最新アプリVerの情報を記憶しており、更に、最新のバージョンのモバイルアプリケーション212のダウンロード用のURLの情報も記憶している。
【0162】
サービス事業者サーバ210は、ステップS304で書き込み要求を行う際に、会員情報TBL211から会員ID及びサービス情報を読み出し、例えば記憶部からURL及び最新アプリVerの情報を読み出し、それらを互いに関連付けてICチップサーバ220へ送信する。
【0163】
ICチップサーバ220は、サービス事業者サーバ210からの書き込み要求に応じて、ICチップ発行処理を実行し、モバイル端末250に付属されているICカード252内にサービス領域を設定する(ステップS305)。
【0164】
更に、ICチップサーバ220は、サービス事業者サーバ210から受信した情報に基づき、ICチップ書き込み処理を実行する(ステップS306)。具体的には、ICチップサーバ220は、図11(c)に示すように、モバイル端末250に付属されているICカード252に、より具体的にはICカード252内に設定されたサービス領域に、受信した会員ID、URL、及びサービス情報を書き込むと共に、アプリVerとして、受信した最新アプリVerを書き込む。
【0165】
モバイル端末250は、ICカード252に情報が書き込まれると、それを検知し、イベント通知処理を行う(ステップS307)。具体的には、モバイル端末250は、ICカード252に書き込まれたURLに基づき、そのURLへの接続を利用者に促す画面を、モバイル端末250に備え付けられているモニタに表示させる。
【0166】
利用者がモニタに表示された画面に従った操作を行うと、その操作に応じて、モバイル端末250は、URL接続処理を行う(ステップS308)。具体的には、モバイル端末250は、URLに従い、モバイルアプリケーション212の例えばダウンロード用のWebサイトを有するサービス事業者サーバ210にアクセスする。このとき、モバイル端末250は、モバイル端末250に付属されているICカード252のICカードIDを通信電文に自動的に付加し、ICカード252に書き込まれている会員IDをURLパラメータに含める。
【0167】
サービス事業者サーバ210は、通信電文に付加されているICカードIDが会員情報TBL211に登録されているかを確認する(ステップS309)。この確認は、例えば、通信電文に付加されているICカードIDが、図11(a)に示した会員情報TBL211内のICカードIDと一致するか否かにより判断する。サービス事業者サーバ210は、この確認の結果、登録されていれば、会員情報登録済みであると判断し、登録されていなければ、例えば何かしらの不正処理が行われたと判断する。
【0168】
会員情報登録済みである場合、モバイル端末250は、モバイルアプリケーション212のダウンロード処理を実施する(ステップS310)。
【0169】
次に、モバイル端末250は、ダウンロードされたモバイルアプリケーション212の初回起動を行う(ステップS311)。
具体的には、モバイル端末250は、利用者の操作に応じて、ダウンロードされたモバイルアプリケーション212をモバイル端末250にインストールし、インストールされたモバイルアプリケーション212を起動する。
【0170】
なお、このインストールは、ステップS310でモバイルアプリケーション212がダウンロードされた後、モバイル端末250によって自動的に行われるようにしても良い。
【0171】
初回起動において、モバイルアプリケーション212は、モバイル端末250を制御し、サービス事業者サーバ210との間で自動通信を開始し、ICカード252に書き込まれている会員IDとアプリVerとをサービス事業者サーバ210に送信する。なお、この送信において、ICカードIDを併せて送信しても良い。
【0172】
サービス事業者サーバ210は、モバイル端末250から受信した会員IDとアプリVerとを紐付けて、会員情報TBL211に記録する。
具体的には、サービス事業者サーバ210は、モバイル端末250から、例えば会員ID「123」とアプリVer「1.0」とを受信すると、図11(a)に例示した会員ID「123」の関連情報のアプリVerの空欄に「1.0」を書き込むことにより、図11(d)に示すように、会員ID「123」とアプリVer「1.0」とを関連付けて会員情報TBL211に記録する。
【0173】
以上のインストール方法の手順を実行することにより、以下に説明するモバイルアプリケーションのバージョンアップを簡素化することができる。
【0174】
次に、上記インストール方法でモバイル端末230にインストールされたモバイルアプリケーション212をバージョンアップする方法について説明する。
図12は、バージョンアップ方法の手順例を示す手順説明図であり、図13は、そのバージョンアップ時に記録されるデータの一例を示す図である。
【0175】
なお、図12に示すステップS321〜S329の処理は、それぞれ、図10のステップS301、S302、S304、S306〜S311の処理に部分的に対応しているため、重複する部分の説明は省略し、異なる部分を中心に説明する。
【0176】
また、以下では、具体例として、モバイルアプリケーション212のバージョンを、上記インストール方法の実行後のアプリVer「1.0」から、アプリVer「2.0」にバージョンアップする場合を例にとり、説明する。
【0177】
そのため、バージョンアップの前においては、上記インストール方法からの説明に引き続き、モバイル端末250に付属のICカード252に、図11(c)に示すデータが記録されているものとし、サービス事業所サーバ210内の会員情報TBL211に、図11(d)に示すデータが記録されているものとする。
【0178】
バージョンアップにおいては、まず、モバイルアプリケーションダウンロード端末230が、R/W231を介して、モバイル端末250に付属のICカード252からカード情報として、ICカードIDを読み取る(ステップS321)。
【0179】
なお、このとき、モバイルアプリケーションダウンロード端末230は、ICカードIDに代えて会員IDのみをICカード252から読み取っても良い。また、モバイルアプリケーションダウンロード端末230は、ICカードIDと会員IDとを同時にICカード252から読み取っても良い。
【0180】
次に、モバイルアプリケーションダウンロード端末230は、ステップS321で読み取ったカード情報であるICカードIDをサービス事業者サーバ210に送信する(ステップS322)。サービス事業者サーバ210は、モバイルアプリケーションダウンロード端末230から受信したICカードIDが、会員情報TBL211に存在するか否かを判断する。そして、ICカードIDが存在する場合には、会員情報登録済みと判断して、次の処理に進む。
【0181】
一方、ICカードIDが会員情報TBL211に存在しない場合には、ICカードIDが登録されていないため、サービス事業者サーバ210は、会員情報未登録と判断する。このとき、サービス事業者サーバ210は、利用者に引き継ぎ用ICカード240の挿入を求めるようにしても良い。
【0182】
会員情報登録済みと判断すると、サービス事業者サーバ210は、例えば、会員IDと、モバイルアプリケーションダウンロード用のURLと、サービス情報と、最新アプリVerと、をICチップサーバ220へ送信し、送信した情報のモバイル端末250に付属されているICカード252への書き込み要求を行う(ステップS323)。
【0183】
ここで、会員ID及びサービス情報に関しては、サービス事業者サーバ210は、例えば、図11(d)に示したバージョンアップ前の会員情報TBL211から、ステップS322で送信されたICカードIDに関連付けられている会員ID及びサービス情報を読み出し、ICチップサーバ220へ送信する。
【0184】
また、ここでは、具体例として、サービス事業者サーバ210が、図13(a)に示すように、モバイルアプリケーション212の最新のバージョンとして、最新アプリVer「2.0」を記憶部に記憶しており、この最新アプリVer「2.0」をICチップサーバ220へ送信するものとする。
【0185】
サービス事業者サーバ210は、書き込み要求を行うに際し、具体的には、最新アプリVerの情報と共に、ダウンロード用のURLとして、その最新アプリVerが示すバージョンのモバイルアプリケーション212をダウンロードさせるためのURLを、ICチップサーバ220へ送信する。
【0186】
なお、モバイルアプリケーション212をサービス事業者サーバ210以外のサーバからモバイル端末250へダウンロードさせるようにしても良いため、ここでのダウンロード用のURLは、会員登録時に登録されていたURLとは異なるURLであっても良い。
【0187】
ICチップサーバ220は、書き込み要求に応じて、モバイル端末250に付属されているICカード252上に、URL、最新アプリVerの情報、及びサービス情報を書き込むICチップ書き込み処理を実行する(ステップS324)。
【0188】
具体的には、ICチップサーバ220は、サービス事業者サーバ210から受信した会員IDが書き込まれているICカード252を備えるモバイル端末250に対して、同様に受信したURL、アプリVer、サービス情報を送信し、これらの情報にICカード252に既に書き込まれている情報を書き換える。このICチップ書き込み処理により、例えば、図11(c)に示したバージョンアップ前のICカード252内のアプリVer「1.0」が、図13(b)に示すように、最新アプリVerが示す「2.0」に書き換えられる。
【0189】
なお、バージョンアップ時にサービス情報を変更しない場合には、ステップS323及びS324において、サービス情報を送信しないようにしても良い。また、URLについても、変更する必要がない場合には送信しないようにしても良い。
【0190】
モバイル端末250は、ICカード252内のアプリVerの情報が書き換えられると、それを検知し、イベント通知処理を行う(ステップS325)。具体的には、モバイル端末250は、ICカード252に書き込まれているURLに基づき、そのURLへの接続を利用者に促す画面を、モバイル端末250に備え付けられているモニタに表示させる。
【0191】
利用者がモニタに表示された画面に従った操作を行うと、その操作に応じて、図10に示したインストール時のステップS308〜S310の処理と同様に、モバイル端末250がURL接続処理を行い(ステップS326)、サービス事業者サーバ210がICカードIDを確認し(ステップS327)、モバイル端末250がモバイルアプリケーション212のダウンロード処理を実施する(ステップS328)。
【0192】
但し、バージョンアップ時には、インストール時と異なり、ステップS324の処理により、ICカード252に記録されているアプリVerの情報が、図13(b)に示すように「2.0」に書き換えられているため、最新バージョンであるバージョン「2.0」のモバイルアプリケーション212がモバイル端末250にダウンロードされる。
【0193】
モバイル端末250は、最新バージョンのモバイルアプリケーション212をダウンロードすると、利用者の操作に応じて、最新バージョンのモバイルアプリケーション212の初回起動を行う(ステップS329)。
【0194】
このとき、モバイルアプリケーション212は、モバイル端末250を制御し、サービス事業者サーバ210との間で自動通信を開始し、ICカード252に書き込まれている会員IDとアプリVerとをサービス事業者サーバ210に送信する。
【0195】
サービス事業者サーバ210は、モバイル端末250から、例えば会員ID「123」とアプリVer「2.0」とを受信すると、図11(d)に例示したバージョンアップ前の会員情報TBL211内の会員ID「123」に関連付けられているアプリVer「1.0」を、「2.0」に書き換えることにより、図13(c)に示すように、会員ID「123」とアプリVer「2.0」とを紐付けて会員情報TBL211に記録する。
【0196】
以上のバージョンアップ方法を実行することで、もしステップS328でモバイルアプリケーション212をダウンロードしている最中に通信が途切れた場合には、ステップS329が実行されず、モバイル端末250内のICカード252にはアプリVer「2.0」と書き込まれており、サービス事業者サーバ210内の会員情報TBL211にはアプリVer「1.0」と書き込まれている状態となる。そのため、再度ステップS321の処理から実施すれば、モバイルアプリケーション212のダウンロードに失敗したと判断することができる。
【0197】
[第4の実施形態]
次に、サービス事業者サーバ210内の会員情報TBL211に記憶されている会員情報を変更する方法を、本発明の第4の実施形態として説明する。
なお、第4の実施形態に係るインストールシステムにおいても、図7に示した第2の実施形態に係るインストールシステム200と同一の構成とすることができるため、その説明を省略し、以下では、図7に示した符号を用いて第4の実施形態を説明する。
【0198】
図14は、本発明の第4の実施形態における会員情報の変更方法の手順例を示す手順説明図である。
【0199】
第4の実施形態において、引き継ぎ用ICカード240は、そのカードの所持者の氏名、住所、生年月日等の個人特定情報が記録されているカードである。
【0200】
まず、モバイルアプリケーションダウンロード端末230が、R/W231を介して、引き継ぎ用ICカード240とモバイル端末250に付属のICカード252とから、カード情報を読み取る(ステップS401)。
【0201】
具体的には、モバイルアプリケーションダウンロード端末230は、引き継ぎ用ICカード240から、個人特定情報を、カード情報として読み取る。また、モバイル端末250に付属のICカード252から、そのICカード252のICカードIDと、ICカード252内のサービス領域に記録されている情報であるサービス領域内情報と、をカード情報として読み取る。
【0202】
次に、モバイルアプリケーションダウンロード端末230は、読み取ったカード情報をサービス事業者サーバ210へ送信する(ステップS402)。
具体的には、モバイルアプリケーションダウンロード端末230は、引き継ぎ用ICカード240及びICカード252から読み取った個人特定情報、ICカードID、及びサービス領域内情報を、サービス事業者サーバ210へ送信する。
【0203】
サービス事業者サーバ210は、モバイルアプリケーションダウンロード端末230からカード情報を受信すると(ステップS403)、サービス事業者サーバ210内の会員情報TBL211に記録されている会員情報を更新するための更新処理を開始する。
【0204】
まず、サービス事業者サーバ210は、ステップS403で受信したカード情報の中に、会員IDが含まれているか否かを判断する(ステップS404)。具体的には、サービス事業者サーバ210は、カード情報としてのサービス領域内情報の中に会員IDが含まれているか否かを判断する。また、ICカード252にサービス領域が設定されていなかった場合には、サービス事業者サーバ210は、サービス領域内情報を受信しないため、会員IDが含まれていないと判断する。
【0205】
サービス事業者サーバ210は、カード情報の中に会員IDが含まれていると判断すると(ステップS404;Yes)、更に、その会員IDが登録済みであるか否かを判断する(ステップS405)。具体的には、サービス事業者サーバ210は、サービス事業者サーバ210内の会員情報TBL211に、その会員IDが記録されているか否かを判断する。
【0206】
ここで、ステップS404においてカード情報の中に会員IDが含まれていないと判断された場合(ステップS404;No)、又はステップS405において会員IDが登録済みでないと判断された場合には(ステップS405;No)、モバイル端末250の所有者は会員として登録されておらずサービスを受けられる状態にないため、サービスを受けられるように、サービス事業者サーバ210は、処理を例えば図8のステップS203に移し、モバイル端末250にモバイルアプリケーション212をインストールさせる。
【0207】
サービス事業者サーバ210は、会員IDが登録済みであると判断すると(ステップS405;Yes)、会員情報TBL211から、その会員IDに関連付けられている会員情報を読み出す(ステップS406)。
【0208】
続いて、サービス事業者サーバ210は、会員情報TBL211から読み出した会員情報が、ステップS403で受信したカード情報の中に含まれている会員情報と一致するか否かを判断する(ステップS407)。
【0209】
ここで、会員情報が一致する場合には(ステップS407;Yes)、会員情報の更新は必要はないため、サービス事業者サーバ210は、この更新処理を終了する。
【0210】
サービス事業者サーバ210は、会員情報TBL211から読み出した会員情報と受信した会員情報とが一致しないと判断した場合(ステップS407;No)、会員情報の更新の可否を会員に問い合わせるための更新可否問い合わせ情報をモバイル端末250に送信する(ステップS408)。
【0211】
モバイル端末250は、サービス事業者サーバ210から更新可否問い合わせ情報を受信すると、受信した情報に基づき、会員情報の更新の可否を会員に問い合わせる画面をモニタに表示する(ステップS409)。
【0212】
会員は、その画面を確認し、会員情報の更新の許可又は不許可の何れかを指示する更新可否指示情報をモバイル端末250に入力する。
【0213】
モバイル端末250は、更新可否指示情報が入力されたか否かを判断し(ステップS410)、入力されない場合には(ステップS410;No)、入力されるまで待つ。
更新可否指示情報が入力されると(ステップS410;Yes)、モバイル端末250は、入力された更新可否指示情報をサービス事業者サーバ210に送信する(ステップS411)。
【0214】
サービス事業者サーバ210は、モバイル端末250から更新可否指示情報を受信すると(ステップS412)、受信した更新可否指示情報が、更新の許可を指示しているか、不許可を指示しているかを判断する(ステップS413)。
【0215】
サービス事業者サーバ210は、更新の許可が指示されていると判断した場合(ステップS413;Yes)、ステップS406で読み出した会員情報TBL211内の会員情報を、ステップS403で受信したカード情報の中に含まれている会員情報で書き換えることにより、会員情報TBL211の会員情報を更新して(ステップS414)、この更新処理を終了する。
【0216】
一方、更新の不許可が指示されていると判断した場合(ステップS413;No)、サービス事業者サーバ210は、会員情報の更新を行わず、この更新処理を終了する。
【0217】
以上の会員情報の変更方法を実行することにより、モバイルアプリケーション212をモバイル端末210にインストールした後の会員情報の変更を簡単に行うことができる。
なお、ステップS408〜S413の処理を省略して、会員情報が一致した際、会員による画面確認を実施せずに会員情報を更新するようにしても良い。その場合には、処理をより簡単にすることができる。
【0218】
以上、本発明の実施形態及び変形例を説明したが、本発明を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能であり、上記実施形態及び変形例に限られるものではない。
例えば、インストールシステムの構成は、上記実施形態及び変形例に示した構成に限られるものではなく、発明の趣旨の範囲内で構成を適宜追加、変更、削除等しても良い。また、インストール方法の手順も、上記実施形態及び変形例に示した手順に限られるものではなく、発明の趣旨の範囲内でステップを適宜追加、変更、削除、入れ替え等しても良い。
【0219】
具体的には、上記実施形態及び変形例では、モバイル端末に搭載されているICカード内にICカードリーダライタを介してサービス領域を設定して会員IDを書き込んだ後に、そのモバイル端末にモバイルアプリケーションをダウンロードしている。しかしながら、モバイル端末にモバイルアプリケーションをダウンロードした後に、そのモバイル端末に搭載されているICカード内にICカードリーダライタを介してサービス領域を設定して会員IDを書き込んでも良い。そのようにした場合であっても、ユーザはアプリケーションの動作に従ってサービス領域の確保、会員IDの入力等の操作を行う必要がないため、モバイル端末が備えているICカードを利用するサービスのユーザへの提供を簡単な操作で開始させることができる。
【0220】
また、上述した第1の実施形態及びその変形例におけるインストール装置30の機能は、専用のハードウェアによっても、また、通常のコンピュータシステムによっても実現することができる。
【0221】
例えば、上記第1の実施形態及びその変形例において、インストール装置30の記憶部134に記憶されているプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical disk)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の機能を実現する装置を構成することができる。
【0222】
また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するようにしても良い。
【0223】
また、通信ネットワークを介してプログラムを転送しながら起動実行することによっても、上述の機能を達成することができる。
更に、プログラムの全部又は一部をサーバ装置上で実行させ、その機能に関する情報をコンピュータが通信ネットワークを介して送受信しながらプログラムを実行することによっても、上述の機能を達成することができる。
【0224】
なお、上述の機能を、OS(Operating System)が分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、コンピュータにダウンロード等しても良い。
【0225】
また、これと同様に、上述した第2の実施形態におけるサービス事業者サーバ210、ICチップサーバ220、及びモバイルアプリケーションダウンロード端末230の機能も、専用のハードウェアによっても、また、通常のコンピュータシステムによっても実現することができる。
【0226】
なお、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0227】
10、11、12、200 インストールシステム
20、250 モバイル端末
21、252 ICカード
22 アプリケーションダウンロード部
30 インストール装置
31、231 ICカードリーダライタ
32 アプリケーション記憶部
33 ICカードアクセス部
34 会員ID取得部
35 サービス領域設定部
36 会員ID書き込み部
37 アプリケーション送信部
38、212 モバイルアプリケーション
40 通信ネットワーク
50、240 引き継ぎ用ICカード
61 会員ID読み取り部
62 位置情報記憶部
63 位置情報書き込み部
71 本人確認用情報読み取り部
72 会員ID付与部
73 会員情報記憶部
121、131 通信部
122、132 入力部
123、133 出力部
124、134 記憶部
125、135 制御部
126、136 CPU
127、137 ROM
128、138 RAM
210 サービス事業者サーバ
211 会員情報TBL
220 ICチップサーバ
221 ICチップ発行モジュール
222 ICチップ書き込みモジュール
230 モバイルアプリケーションダウンロード端末
232 R/Wモジュール
251 ダウンロードモジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICカードを備える携帯端末と通信ネットワークを介して接続され、前記携帯端末が備えているICカードを利用するICカードサービスをユーザに提供するためのICカード用アプリケーションを前記携帯端末にインストールさせるインストール装置であって、
前記ICカード用アプリケーションを記憶するアプリケーション記憶手段と、
ICカードにアクセスしてICカードからの情報の読み取り及びICカードへの情報の書き込みを行うICカードアクセス手段と、
前記携帯端末のユーザの前記ICカードサービスの提供を受ける会員としての識別情報である会員IDを取得する会員ID取得手段と、
前記ICカードアクセス手段を介して、前記携帯端末が備えているICカード内に、前記ICカードサービスの提供に必要なサービス領域を設定するサービス領域設定手段と、
前記ICカードアクセス手段を介して、前記サービス領域設定手段によって設定された前記ICカード内のサービス領域に、前記会員ID取得手段によって取得された会員IDを書き込む会員ID書き込み手段と、
前記会員ID書き込み手段によってサービス領域に会員IDが書き込まれるICカードを備える携帯端末に、前記アプリケーション記憶手段に記憶されているICカード用アプリケーションを、前記通信ネットワークを介して送信するアプリケーション送信手段と、
を備えることを特徴とする携帯端末へのICカード用アプリケーションのインストール装置。
【請求項2】
前記会員ID取得手段は、
前記携帯端末のユーザの会員IDが記録されている会員用ICカードから、前記ICカードアクセス手段を介して、会員IDを読み取ることにより、該ユーザの会員IDを取得する会員ID読み取り手段を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末へのICカード用アプリケーションのインストール装置。
【請求項3】
前記会員ID取得手段は、
前記携帯端末のユーザの本人確認用情報が記録されている本人確認用ICカードから、前記ICカードアクセス手段を介して、本人確認用情報を読み取る本人確認用情報読み取り手段と、
前記本人確認用情報読み取り手段によって読み取られた本人確認用情報に関連付けて、前記携帯端末のユーザに前記ICカードサービスの会員IDを付与することにより、該ユーザの会員IDを取得する会員ID付与手段と、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末へのICカード用アプリケーションのインストール装置。
【請求項4】
前記ICカードアクセス手段を介して、前記サービス領域設定手段によってサービス領域が設定されたICカード内に、前記インストール装置の前記通信ネットワーク上の位置情報を書き込む位置情報書き込み手段を、更に備え、
前記アプリケーション送信手段は、
前記位置情報書き込み手段によってICカードに書き込まれた位置情報を参照して前記インストール装置にアクセスしてきた携帯端末に、前記アプリケーション記憶手段に記憶されているICカード用アプリケーションを送信する、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の携帯端末へのICカード用アプリケーションのインストール装置。
【請求項5】
ICカードを備える携帯端末と通信ネットワークを介して接続され、前記携帯端末にインストールされるアプリケーションであって前記携帯端末が備えているICカードを利用するICカードサービスをユーザに提供するためのICカード用アプリケーションを記憶するアプリケーション記憶部と、ICカードにアクセスしてICカードからの情報の読み取り及びICカードへの情報の書き込みを行うICカードアクセス部と、を備える装置により実行される携帯端末へのICカード用アプリケーションのインストール方法であって、
前記携帯端末のユーザの前記ICカードサービスの提供を受ける会員としての識別情報である会員IDを取得する会員ID取得ステップと、
前記ICカードアクセス部を介して、前記携帯端末が備えているICカード内に、前記ICカードサービスの提供に必要なサービス領域を設定するサービス領域設定ステップと、
前記ICカードアクセス部を介して、前記サービス領域設定ステップによって設定された前記ICカード内のサービス領域に、前記会員ID取得ステップによって取得された会員IDを書き込む会員ID書き込みステップと、
前記会員ID書き込みステップによってサービス領域に会員IDが書き込まれるICカードを備える携帯端末に、前記アプリケーション記憶部に記憶されているICカード用アプリケーションを、前記通信ネットワークを介して送信するアプリケーション送信ステップと、
を備えることを特徴とする携帯端末へのICカード用アプリケーションのインストール方法。
【請求項6】
ICカードを備える携帯端末と通信ネットワークを介して接続され、前記携帯端末にインストールされるアプリケーションであって前記携帯端末が備えているICカードを利用するICカードサービスをユーザに提供するためのICカード用アプリケーションを記憶するアプリケーション記憶部と、ICカードにアクセスしてICカードからの情報の読み取り及びICカードへの情報の書き込みを行うICカードアクセス部と、を備えるコンピュータを、
前記携帯端末のユーザの前記ICカードサービスの提供を受ける会員としての識別情報である会員IDを取得する会員ID取得手段、
前記ICカードアクセス部を介して、前記携帯端末が備えているICカード内に、前記ICカードサービスの提供に必要なサービス領域を設定するサービス領域設定手段、
前記ICカードアクセス部を介して、前記サービス領域設定手段によって設定された前記ICカード内のサービス領域に、前記会員ID取得手段によって取得された会員IDを書き込む会員ID書き込み手段、
前記会員ID書き込み手段によってサービス領域に会員IDが書き込まれるICカードを備える携帯端末に、前記アプリケーション記憶部に記憶されているICカード用アプリケーションを、前記通信ネットワークを介して送信するアプリケーション送信手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−100423(P2011−100423A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256564(P2009−256564)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)
【Fターム(参考)】