説明

携帯端末及びプログラム

【課題】RFIDタグが付された読み取り対象物を探す作業負担及び作業時間を低減することである。
【解決手段】携帯端末10は、方位磁針部21により、RFIDタグ30が読み取られた際のRFIDリーダライタ部18の読み取り方向情報を取得し、モーションセンサ19により検出されたRFIDタグ30が読み取られた際の位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とを、前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報としてRFIDタグ30の識別情報に対応付けてフラッシュメモリ17に記憶する。また、携帯端末10は、方位磁針部21により検出された方位情報から、RFIDリーダライタ部18の読み取り方向情報を取得し、モーションセンサ19により検出された位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とに対するフラッシュメモリ17に記憶された前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示す案内情報を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、RFID(Radio Frequency IDentification)リーダライタが、近距離での電波又は電磁界を介した無線通信によりRFIDタグから情報を読み取るRFIDの技術が知られている。RFIDの技術は、電車やバス等の乗車券、電子マネー、社員証等に広く利用されている。
【0003】
また、RFIDの技術を位置の測定に用いる技術も知られている。例えば、被写体に装着された無線タグと通信する3つ以上の無線通信部を備えるビデオカメラを用いて、当該被写体を撮影するとともに、無線タグから各無線通信部への無線信号の到達時間差を利用した三辺測量の原理により被写体の位置を測位する構成が知られている(特許文献1参照)。測位した被写体の位置に関する情報は、ビデオカメラの表示部に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−227877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
RFIDの技術は、倉庫の備品等の物品管理に利用する要請がある。具体的には、ユーザが、倉庫の読み取り対象物としての備品に付されたRFIDタグをRFIDリーダライタで読み取ることにより、その備品の在庫を管理する。RFIDタグを読み取り可能な範囲は近距離であるため、ユーザが移動して、読み取り対象のRFIDタグが付された備品を特定する必要がある。しかし、備品管理の作業の経験の少ないユーザは、備品のおおよその位置が分からず、その備品を探す必要があるため、作業負担が大きく、作業時間も長くなるおそれがあった。
【0006】
また、従来の無線タグが装着された被写体の三辺測量の位置測位を行う構成は、被写体(無線タグ)のおおよその位置が分かっている場合に、その被写体に近付いて位置を測位できる。しかし、被写体がどこにいるか分からない状態では、撮影者が被写体を探して近付かねばらない。このため、従来の無線タグを用いた三辺測量の位置測位の技術を備品管理に適用しても、ユーザの作業負担が大きく、作業時間も長くなるおそれがあった。
【0007】
本発明の課題は、RFIDタグが付された読み取り対象物を探す作業負担及び作業時間を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の携帯端末は、
電波又は電磁界を介してRFIDタグの識別情報を当該RFIDタグから読み取る読取部と、
自機の携帯端末の位置情報を検出する位置情報検出部と、
前記携帯端末の方位情報を検出する方位情報検出部と、
情報を記憶する記憶部と、
情報を報知する報知部と、
前記読取部によりRFIDタグの識別情報が読み取られた場合に、前記方位情報検出部により検出された前記RFIDタグの識別情報が読み取られた際の方位情報から、前記読取部の読み取り方向情報を取得し、前記位置情報検出部により検出された前記RFIDタグの識別情報が読み取られた際の位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とを、前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報として前記RFIDタグの識別情報に対応付けて前記記憶部に記憶する記憶制御部と、
前記方位情報検出部により検出された方位情報から、前記読取部の読み取り方向情報を取得し、前記位置情報検出部により検出された位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とに対する前記記憶部に記憶された前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示す案内情報を前記報知部に報知させる報知制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、RFIDタグが付された読み取り対象物を探す作業負担及び作業時間を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態の携帯端末の機能構成を示すブロック図である。
【図2】読み取り情報テーブルの構成を示す図である。
【図3】第1の情報読み取り処理を示すフローチャートである。
【図4】(a)は、RFIDタグ読み取り前の撮像の様子を示す図である。(b)は、前回読み取り位置及び前回読み取り方向のマークを含むプレビュー画像を示す図である。
【図5】案内されたRFIDタグの読み取りの様子を示す図である。
【図6】撮像方向を左に回す指示のマークを含むプレビュー画像を示す図である。
【図7】前回読み取り位置及び近付く指示のマークを含むプレビュー画像を示す図である。
【図8】第2の情報読み取り処理を示すフローチャートである。
【図9】第3の情報読み取り処理を示すフローチャートである。
【図10】第3の変形例の携帯端末の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態及び第1〜第3の変形例を順に詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0012】
(実施の形態)
図1〜図7を参照して、本発明に係る実施の形態を説明する。先ず、図1を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図1に、本実施の形態の携帯端末10の機能構成を示す。
【0013】
本実施の形態の携帯端末10は、読み取り対象物としての物品に付されたRFIDタグ30に記憶されている情報の読み取りと、当該読み取りを行うための位置及び読み取り方向の案内表示を行うハンディターミナルである。
【0014】
本実施の形態では、携帯端末10が、所定期間(例えば、6ヶ月)毎の倉庫内の備品の管理に用いられる例を説明する。ユーザが、携帯端末10を用いて、倉庫内の備品に付されたRFIDタグ30に記憶されている情報を読み取り、備品の棚卸しを行う例である。しかし、この例に限定されるものではない。
【0015】
RFIDタグ30は、電波方式又は電磁誘導方式のRFIDタグである。RFIDタグ31は、アンテナ又はコイルアンテナを含む通信部と、制御部と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)と、を備える。RFIDタグ30において、制御部は、通信部により電波又は電磁界を介して携帯端末10と無線通信を行い、携帯端末10から受信した読み取り要求に応じてEEPROMに記憶されているデータを読み出して携帯端末10に送信する。また、RFIDタグ30の制御部は、携帯端末10から受信したデータをEEPROMに書き込み又は書き換える。
【0016】
RFIDタグ30のEEPROMには、RFIDタグ30の個体識別情報が記憶されているものとする。また、RFIDタグ30は、携帯端末10からの電波又は電磁界により電力を得るパッシブ型のRFIDタグ(パッシブタグ)とする。しかし、RFIDタグ30が、電源部を有し、電源部の電力により電波又は電磁界を出力するアクティブ型のRFIDタグ(アクティブタグ)としてもよい。
【0017】
携帯端末10は、記憶制御部、報知制御部としてのCPU(Central Processing Unit)11と、操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、報知部としての表示部14と、ROM15と、無線通信部16と、記憶部としてのフラッシュメモリ17と、読取部としてのRFIDリーダライタ部18と、位置情報検出部としてのモーションセンサ19と、撮像部20と、方位情報検出部としての方位磁針部21と、電源部22と、を備える。電源部22を除く携帯端末10の各部は、バス23を介して互いに接続されている。
【0018】
CPU11は、携帯端末10の各部を制御する。CPU11は、各種プログラムのうち指定されたプログラムをROM15から読み出してRAM13に展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。
【0019】
CPU11は、第1の情報読み取りプログラム151に従い、方位磁針部21によりRFIDタグ30が読み取られた際の携帯端末10の方位情報からRFIDリーダライタ部18の読み取り方向情報を取得し、モーションセンサ19により検出されたRFIDタグ30が読み取られた際の位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とを、前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報としてRFIDタグ30の個体識別情報に対応付けてフラッシュメモリ17に記憶する。また、CPU11は、撮像部20により撮像されたプレビュー画像(スルー画像)を表示部14に表示し、方位磁針部21により検出された方位情報から、RFIDリーダライタ部18の読み取り方向情報を取得し、モーションセンサ19により検出された位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とに対するフラッシュメモリ17に記憶された前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示すマークをプレビュー画像内に表示してユーザに報知する。
【0020】
操作部12は、文字入力キー等の各種キーからなるキー群を備え、ユーザからの各キーの押下入力に応じた操作情報をCPU11に出力する。
【0021】
RAM13は、揮発性の半導体メモリであり、各種データ及び各種プログラムを格納するワークエリアを有する。
【0022】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(ElectroLuminescent)ディスプレイ等の表示パネルを備える表示部であり、CPU11から入力される表示情報に応じて表示パネルに各種表示を行う。
【0023】
ROM15は、各種データ及び各種プログラムを記憶する読み出し専用の半導体メモリである。ROM15には、第1の情報読み取りプログラム151が記憶されている。
【0024】
無線通信部16は、無線LAN通信方式の無線通信部である。無線通信部16は、アンテナ、変調部、復調部、信号処理部等を備え、アクセスポイントと無線通信を行う。無線通信部16は、送信する情報の信号を、信号処理部で信号処理し、変調部により変調してアンテナから無線電波としてアクセスポイントに送信する。このアクセスポイントは、通信先の機器と有線LANを介して接続されている。また、無線通信部16は、アンテナによりアクセスポイントから受信した無線電波の受信信号を復調部により復調し、信号処理部で信号処理して受信情報を得る。このようにして、無線通信部16は、アクセスポイントを介して、通信先の機器と通信を行う。無線通信部16は、他の通信方式の無線通信を行う構成としてもよい。
【0025】
フラッシュメモリ17は、情報を読み出し及び書き込み可能に記憶する不揮発性の半導体メモリである。フラッシュメモリ17には、後述する読み取り情報テーブル40が記憶される。
【0026】
RFIDリーダライタ部18は、RFIDタグ31に記憶されている情報を読み取り及び書き込みする電波方式又は電磁誘導方式のリーダライタ部である。RFIDリーダライタ部18は、CPU11から入力された送信データの電気信号を変調等してアンテナ又はコイルアンテナから電波又は電磁界として送信する。RFIDタグ30は、RFIDリーダライタ部18から出力された電波又は電磁界を受信し、またRFIDリーダライタ部18に送信するデータを電波又は電磁界として送信する。RFIDリーダライタ部18は、RFIDタグ31から送信された電波又は電磁界をアンテナ又はコイルアンテナで受信し、得られた電気信号を復調等してデータを受信する。
【0027】
また、RFIDリーダライタ部18の通信は、指向性がある。携帯端末10のRFIDリーダライタ部18の向きが通信が良好な方向でRFIDタグ30の情報の読み取りが行われる。RFIDリーダライタ部18がRFIDタグ30の情報を読み取る方向を読み取り方向とする。
【0028】
モーションセンサ19は、携帯端末10の位置情報を検出するセンサである。モーションセンサ19は、加速度センサと、地軸センサと、制御部(CPU)と、を備える。加速度センサは、携帯端末10の加速度情報を検出するセンサである。地軸センサは、電子コンパスであり、携帯端末10の方位情報を検出するセンサである。制御部は、加速度センサにより検出された加速度情報と、地軸センサにより検出された方位情報とを用いて、携帯端末10の水平面上の位置情報を算出し、CPU11に出力する。このため、モーションセンサ19は、屋外だけでなく、倉庫等の屋内の施設内で位置情報を検出することができる。
【0029】
撮像部20は、被写体の画像を撮像する撮像部である。撮像部20は、光学系、撮像素子等を備える。撮像部20は、CPU11の制御により、光学系を介して入射された被写体の像の光を撮像素子で光電変換し、被写体の画像信号として出力する。また、撮像部20が被写体を撮像する方向を撮像方向とする。
【0030】
方位磁針部21は、地軸センサであり、携帯端末10の方位情報を検出してCPU11に出力する。方位磁針部21は、モーションセンサ19内の地軸センサを用いてもよい。
【0031】
電源部22は、リチウム電池等の二次電池であり、携帯端末10の各部に電源供給を行う。なお、電源部22は、アルカリ電池等の一次電池でもよい。
【0032】
次に、図2を参照して、携帯端末10に記憶される情報を説明する。図2に、読み取り情報テーブル40の構成を示す。
【0033】
後述する第1の情報読み取り処理の実行により、フラッシュメモリ17に、図2に示す読み取り情報テーブル40のレコードが追加又は書き換えられていく。読み取り情報テーブル40は、個体識別情報41と、読み取り位置情報42と、読み取り方向情報43と、のフィールドを有する。
【0034】
個体識別情報41は、RFIDタグ30を識別する個体識別情報である。読み取り位置情報42は、個体識別情報41に対応するRFIDタグ30を読み取った際のユーザ(携帯端末10)の位置情報である。読み取り方向情報43は、個体識別情報41に対応するRFIDタグ30を読み取った際の携帯端末10のRFIDリーダライタ部18の読み取り方向の方位情報である。
【0035】
次いで、図3〜図7を参照して、携帯端末10の動作を説明する。図3に、第1の情報読み取り処理を示すフローチャートを示す。図4(a)に、RFIDタグ読み取り前の撮像の様子を示す。図4(b)に、前回読み取り位置及び前回読み取り方向のマーク81,82を含むプレビュー画像141を示す。図5に、案内されたRFIDタグ31の読み取りの様子を示す。図6に、撮像方向を左に回す指示のマーク83を含むプレビュー画像142を示す。図7に、前回読み取り位置及び近付く指示のマーク84,85を含むプレビュー画像143を示す。
【0036】
携帯端末10により実行される第1の情報読み取り処理は、読み取り対象物のRFIDタグ30を選択してその前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示すマークを表示してユーザにRFIDタグ30の情報の読み取りを案内し、案内したRFIDタグ30の情報の読み取りを行う処理である。携帯端末10において、例えば、ユーザから操作部12を介して第1の情報読み取り処理の実行指示入力が行われたことをトリガとして、CPU11は、ROM15から読み出されて適宜RAM13に展開された第1の情報読み取りプログラム151との協働で第1の情報読み取り処理を実行する。
【0037】
先ず、CPU11は、RFIDリーダライタ部18、撮像部20、モーションセンサ19、方位磁針部21を起動する(ステップS11)。そして、CPU11は、フラッシュメモリ17に記憶されている読み取り情報テーブル40を参照し、個体識別情報41の全レコード、又は個体識別情報41に対応する備品名の一覧を表示部14に表示し、ユーザからの一覧のうちの個体識別情報、又は備品名に対応する個体識別情報の選択入力を、操作部12を介して受け付ける(ステップS12)。
【0038】
そして、CPU11は、撮像部20により撮像されたプレビュー画像を表示部14に表示開始する(ステップS13)。そして、モーションセンサ19により検出されたユーザ(携帯端末10)の位置情報を取得し、方位磁針部21により検出された方位情報に応じた撮像部20の撮像方向及びRFIDリーダライタ部18の読み取り方向の方位情報としての撮像方向情報及び読み取り方向情報を算出して取得する(ステップS14)。
【0039】
そして、CPU11は、フラッシュメモリ17に記憶されている読み取り情報テーブル40を参照し、ステップS12で選択された個体識別情報41に対応する読み取り位置情報42を取得する。さらに、CPU11は、ステップS14で取得したユーザ(携帯端末10)の位置情報を用いて、ステップS14で取得した撮像方向情報に対応するプレビュー画像の画角内に、取得した読み取り位置情報42としての前回読み取り位置があるか否かを判別する(ステップS15)。
【0040】
前回読み取り位置が撮像方向情報の画角内にある場合(ステップS15;YES)、CPU11は、フラッシュメモリ17に記憶されている読み取り情報テーブル40を参照し、ステップS12で選択された個体識別情報41に対応する読み取り方向情報43を取得する。さらに、CPU11は、ステップS15で取得した読み取り位置情報42と、ステップS14で取得したユーザ(携帯端末10)の位置情報との間の距離を算出する。さらに、CPU11は、算出した距離と、取得した読み取り方向情報43とに対応するマークを表示部14に表示中のプレビュー画像上の、ステップS15で取得した読み取り位置情報42に対応する位置に表示する(ステップS16)。
【0041】
ステップS16では、取得した読み取り位置情報42とユーザ(携帯端末10)の位置情報との間の距離に応じた遠近法での大きさで読み取り位置を示す旗等のマークと、取得した読み取り方向情報43に対応し読み取り方向を示す矢印等のマークとが、プレビュー画像内の読み取り位置情報42に対応する位置に合成表示される。
【0042】
そして、CPU11は、ステップS14で取得した読み取り方向情報と、ステップS16で算出した読み取り位置情報42及びユーザ(携帯端末10)の位置情報の間の距離と、ステップS16で取得した読み取り方向情報43と、に基づいて、RFIDリーダライタ部18(携帯端末10)がRFIDタグ30を読み取り可能な範囲(距離及び方位)にあるか否かを判別する(ステップS17)。
【0043】
前回読み取り位置が撮像方向の画角内にない場合(ステップS15;NO)、CPU11は、ステップS14で取得した撮像方向情報に対応するプレビュー画像の画面外の、ステップS14で取得した読み取り位置情報42としての前回読み取り位置を示すマークを表示部14に表示中のプレビュー画像内に表示し(ステップS18)、ステップS14に移行される。
【0044】
ステップS18では、前回読み取り位置がプレビュー画像の左右どちらの画面外にあるかを示す矢印等のマークが、プレビュー画像内に合成表示される。
【0045】
RFIDリーダライタ部18(携帯端末10)がRFIDタグ30を読み取り可能な範囲にない場合(ステップS17;NO)、CPU11は、ステップS16で算出した読み取り位置情報42とユーザ(携帯端末10)の位置情報との間の距離と、ステップS15で取得した読み取り位置情報42と、に基づいて、ユーザにさらに前回読み取り位置に近付くよう指示するマークを、表示部14に表示中のプレビュー画像内に表示し(ステップS19)、ステップS14に移行される。
【0046】
ステップS19では、前回読み取り位置の方向に近付くよう指示する矢印等のマークがプレビュー画像内に合成表示される。
【0047】
RFIDリーダライタ部18(携帯端末10)がRFIDタグ30を読み取り可能な範囲にある場合(ステップS17;YES)、CPU11は、RFIDリーダライタ部18から電波又は電磁界を出力させてRFIDタグ30に記憶されている情報(個体識別情報)を読み取る(ステップS20)。そして、CPU11は、ステップS20でのRFIDリーダライタ部18による情報の読み取りが成功したか否かを判別する(ステップS21)。
【0048】
RFIDリーダライタ部18による情報の読み取りが失敗した場合(ステップS21;NO)、ステップS14に移行される。RFIDリーダライタ部18からの情報の読み取りが成功した場合(ステップS21;YES)、CPU11は、ステップS12で選択された個体識別情報のRFIDリーダライタ部18による情報の読み取りが完了した旨を、表示部14に表示するとともにフラッシュメモリ17に記憶する(ステップS22)。
【0049】
そして、CPU11は、フラッシュメモリ17に記憶されている読み取り情報テーブル40を参照し、ステップS14で取得した位置情報及び読み取り方向情報で、ステップS12で選択された個体識別情報41に対応する読み取り位置情報42及び読み取り方向情報43を書き換える(ステップS22)。そして、CPU11は、RFIDリーダライタ部18の電波又は電磁界出力を含む読み取り機能を終了し、表示部14のプレビュー画像表示を終了し(ステップS24)、第1の情報読み取り処理を終了する。
【0050】
ここで、第1の情報読み取り処理における表示画面の具体例を説明する。図4(a)に示すように、ユーザ50が、携帯端末10を用いて、倉庫内に格納された読み取り対象物の備品としての机60に付されたRFIDタグ31を読み取り管理する例を説明する。
【0051】
机60のRFIDタグ31は、前回読み取られているものとする。RFIDタグ31の前回の読み取り位置を前回読み取り位置71とし、RFIDタグ31の前回の読み取り方向を前回読み取り方向72とする。ユーザ50は、前回読み取り位置71及び前回読み取り方向72を直接見ることはできない。また、読み取り情報テーブル40に、RFIDタグ31の個体識別情報41と、前回読み取り位置71の読み取り位置情報42と、前回読み取り方向72の読み取り方向情報43とが記憶されているものとする。
【0052】
携帯端末10で第1の情報読み取り処理が実行され、ステップS12で、ユーザ50により、机60に付されたRFIDタグ31に対応する個体識別情報が選択入力される。そして、ユーザ50は、机60の前回読み取り位置がありそうな方向に、携帯端末10の撮像方向201を向ける。図4(a)に示すように、撮像方向201に対応する画角内に前回読み取り位置71が含まれている場合に、ステップS16で図4(b)に示すプレビュー画像141が表示部14に表示される。
【0053】
プレビュー画像141には、前回読み取り位置71に対応する位置及び大きさの旗のマーク81と、前回読み取り方向72を指す矢印のマーク82とが含まれている。
【0054】
ユーザ50は、表示部14に表示されたプレビュー画像141を目視により確認しながら、マーク81の位置に進み、マーク82に対応する方向に、携帯端末10のRFIDリーダライタ部18の読み取り方向を向ける。すると、ステップS20で、図5に示すように、携帯端末10のRFIDリーダライタ部18により机60に付されたRFIDタグ31に記憶された個体識別情報が読み取られる。
【0055】
また、ステップS12で、机60よりもさらに左側にある備品の個体識別情報が選択入力され、携帯端末10の撮像方向が撮像方向201を向いており、前回読み取り位置がプレビュー画像内にない場合に、図6に示すように、ステップS18で、表示部14にプレビュー画像142が表示される。プレビュー画像142には、前回読み取り位置がプレビュー画像の左側画面外にある旨の矢印のマーク84が含まれている。
【0056】
また、ステップS12で、机60の個体識別情報が選択入力され、携帯端末10の撮像方向が撮像方向201を向いているが、前回読み取り位置が前回読み取り位置71よりもさらに奥側にありそこまでの距離が遠い場合に、図7に示すように、ステップS19で、表示部14にプレビュー画像143が表示される。プレビュー画像143には、前回読み取り位置を示すマーク81よりも小さな旗のマーク84と、マーク84へ近付く指示を行うための立体的な幅広の矢印のマーク85と、が含まれている。
【0057】
以上、本実施の形態によれば、携帯端末10は、方位磁針部21によりRFIDタグ30が読み取られた際の携帯端末10の方位情報からRFIDリーダライタ部18の読み取り方向情報を取得し、モーションセンサ19により検出されたRFIDタグ30が読み取られた際の位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とを、前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報としてRFIDタグ30の識別情報に対応付けてフラッシュメモリ17に記憶する。また、携帯端末10は、撮像部20により撮像されたプレビュー画像を表示部14に表示し、方位磁針部21により検出された方位情報から、RFIDリーダライタ部18の読み取り方向情報を取得し、モーションセンサ19により検出された位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とに対するフラッシュメモリ17に記憶された前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示す第1の案内情報としてのマークをプレビュー画像内に表示してユーザに報知する。
【0058】
このため、ユーザが読み取り対象物のRFIDタグ30の前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を目視により容易に確認でき、このRFIDタグ30が付された読み取り対象物を探す作業負担及び作業時間を低減できる。
【0059】
また、携帯端末10は、操作部12を介して読み取り対象のRFIDタグ30の選択入力を受け付け、前記選択された読み取り対象のRFIDタグ30の前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示すマークをプレビュー画像内に表示する。このため、読み取り対象以外のRFIDタグ30に対応するマークがプレビュー画像内に表示されないので、ユーザが選択した必要な前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示すマークを目視によりさらに容易に確認でき、読み取り対象のRFIDタグ30が付された読み取り対象物を探す作業負担及び作業時間をさらに低減できる。
【0060】
また、携帯端末10は、前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報に対応するマーク(図4(b)のマーク81,82)を、前回読み取り位置の奥行きに対応する大きさで表示する。このため、ユーザが前回読み取り位置の奥行きを目視により容易に確認できる。
【0061】
また、携帯端末10は、取得した携帯端末10の方位情報から撮像部20の撮像方向情報を取得し、前回読み取り位置情報及び取得した撮像方向を用いて前回読み取り位置がプレビュー画像外にあるか否かを判別し、前回読み取り位置がプレビュー画像外にある場合に、前回読み取り位置がある方向を示す第2の案内情報としてのマーク(図6のマーク83)をプレビュー画像内に表示する。このため、ユーザが、前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示すマークがプレビュー画像内になくても、前回読み取り位置のある方向を目視により容易に確認できる。
【0062】
また、携帯端末10は、モーションセンサ19により検出された携帯端末10の位置情報と、フラッシュメモリ17に記憶された前回読み取り位置情報との距離を算出し、当該算出した距離が所定の距離以上である場合に、前回読み取り位置に近付く指示の第3の案内情報としてのマーク(図7のマーク84)をプレビュー画像内に表示する。このため、ユーザが、前回読み取り位置の奥行きを目視によりさらに容易に確認できる。
【0063】
また、携帯端末10は、モーションセンサ19により検出された位置情報及び取得した読み取り方向情報が、フラッシュメモリ17に記憶された前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報にあるか(読み取り可能範囲にあるか)否かを判別し、位置情報及び読み取り方向情報が前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報にある場合に、RFIDリーダライタ部18にRFIDタグ30を読み取らせる。このため、RFIDリーダライタ部18から無駄な電波又は電磁界の出力を低減でき、消費電力を低減できる。
【0064】
また、携帯端末10は、モーションセンサ19により携帯端末10の位置情報を検出する。このため、屋内(又は屋外)での読み取り対象物に付されたRFIDタグ30の前回読み取り位置情報及び前回読み取り方位情報のマークを表示できる。
【0065】
(第1の変形例)
図8を参照して、上記実施の形態の第1の変形例を説明する。図8に、第2の情報読み取り処理を示す。
【0066】
上記実施の形態では、第1の情報読み取り処理の実行により、複数又は単数の読み取り対象物のRFIDタグ30の中から1つをユーザが選択し、選択された1つのRFIDタグ30の前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示すマークを表示してRFIDタグの情報の読み取りを案内する構成であった。本変形例では、複数又は単数の読み取り対象物のRFIDタグ30の前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示すマークを同時に表示してRFIDタグ30の情報の読み取りを案内する。
【0067】
本変形例の装置構成は、上記実施の形態と同様に、携帯端末10を用いる。但し、ROM15には、第1の情報読み取りプログラム151に代えて、第2の情報読み取りプログラムが記憶されているものとする。
【0068】
図8を参照して、本変形例の携帯端末10の動作を説明する。携帯端末10により実行される第2の情報読み取り処理は、複数又は単数のRFIDタグ30の前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示すマークをユーザに表示して案内し、案内したRFIDタグ30の情報の読み取りを行う処理である。携帯端末10において、例えば、ユーザから操作部12を介して第2の情報読み取り処理の実行指示入力が行われたことをトリガとして、CPU11は、ROM15から読み出されて適宜RAM13に展開された第2の情報読み取りプログラムとの協働で第2の情報読み取り処理を実行する。
【0069】
ステップS31〜S33は、図3の第1の情報読み取り処理のステップS11,S13,S14と同様である。ステップS33の実行後、CPU11は、フラッシュメモリ17に記憶されている読み取り情報テーブル40を参照し、全レコードの読み取り位置情報42を取得し、ステップS14で取得したユーザ(携帯端末10)の位置情報を用いて、ステップS14で取得した撮像方向の方位情報に対応するプレビュー画像の画角内に、取得した読み取り位置情報42としての前回読み取り位置があるか否かを判別する(ステップS34)。
【0070】
前回読み取り位置が撮像方向の画角内にある場合(ステップS34;YES)、CPU11は、フラッシュメモリ17に記憶されている読み取り情報テーブル40を参照し、ステップS34で画角内にあると判別された読み取り位置情報42に対応する読み取り方向情報43を取得する。さらに、CPU11は、ステップS34で取得した読み取り位置情報42と、ステップS33で取得したユーザ(携帯端末10)の位置情報との間の距離を算出する。さらに、CPU11は、算出した距離と、取得した読み取り方向情報43とに対応する読み取り位置及びマークを表示部14に表示中のプレビュー画像上の、ステップS34で取得した読み取り位置情報42に対応する位置に表示する(ステップS35)。
【0071】
そして、CPU11は、ステップS35で算出した読み取り位置情報42とユーザ(携帯端末10)の位置情報との間の距離と、ステップS35で取得した読み取り方向情報43と、に基づいて、RFIDリーダライタ部18(携帯端末10)がRFIDタグ30を読み取り可能な範囲(距離及び方位)にあるか否かを判別する(ステップS36)。
【0072】
前回読み取り位置が撮像方向の画角内にない場合(ステップS34;NO)、CPU11は、撮像方向に前回読み取り位置が無い旨を表示部14に表示中のプレビュー画像上に表示し(ステップS37)、ステップS33に移行される。なお、ステップS37を実行せずに、ステップS33に移行される構成としてもよい。ステップS38〜S42は、図3の第1の情報読み取り処理のステップS20〜S24と同様である。
【0073】
以上、本変形例によれば、携帯端末10は、撮像部20により撮像されたプレビュー画像を表示部14に表示し、方位磁針部21により検出された方位情報から、RFIDリーダライタ部18の読み取り方向情報を取得し、モーションセンサ19により検出された位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とに対するフラッシュメモリ17に記憶された全ての前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示す第1の案内情報としてのマークをプレビュー画像内に表示してユーザに報知する。
【0074】
このため、ユーザが全ての読み取り対象物のRFIDタグ30の前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を目視により容易に確認でき、このRFIDタグ30が付された読み取り対象物を探す作業負担及び作業時間を低減できる。
【0075】
(第2の変形例)
図9を参照して、上記実施の形態の第2の変形例を説明する。図9に、第3の情報読み取り処理を示す。
【0076】
上記実施の形態では、携帯端末10の位置情報とRFIDリーダライタ部18の読み取り方向情報とが読み取り可能範囲にある場合に、RFIDリーダライタ部18から電波又は電磁界を出力してRFIDタグ30の情報の読み取りを行う構成であった。本変形例では、RFIDリーダライタ部18から常時電波又は電磁界を出力してポーリングを行いRFIDタグ30の情報の読み取りを行う。
【0077】
本変形例の装置構成は、上記実施の形態と同様に、携帯端末10を用いる。但し、ROM15には、第1の情報読み取りプログラム151に代えて、第3の情報読み取りプログラムが記憶されているものとする。
【0078】
図9を参照して、本変形例の携帯端末10の動作を説明する。携帯端末10により実行される第3の情報読み取り処理は、複数又は単数のRFIDタグ30の読み取り位置及び読み取り方向をユーザに表示して案内し、案内したRFIDタグ30の情報の読み取りを行う処理である。携帯端末10において、例えば、ユーザから操作部12を介して第3の情報読み取り処理の実行指示入力が行われたことをトリガとして、CPU11は、ROM15から読み出されて適宜RAM13に展開された第3の情報読み取りプログラムとの協働で第3の情報読み取り処理を実行する。
【0079】
ステップS51,S52は、図8の第2の情報読み取り処理のステップS31,S32と同様である。ステップS52の実行後、CPU11は、RFIDリーダライタ部18から電波又は電磁界を出力させてRFIDタグ30に記憶されている情報(個体識別情報)を読み取るポーリング処理を開始する。さらに、CPU11は、フラッシュメモリ17に記憶されている読み取り情報テーブル40を参照し、全レコードの個体識別情報41のリストを作成する(ステップS53)。ステップS54は、図3の第2の情報読み取り処理のステップS33と同様である。
【0080】
ステップS54の実行後、CPU11は、ステップS53で作成されたリストと、フラッシュメモリ17に記憶されている読み取り情報テーブル40とを参照し、リスト内の個体識別情報に対応する読み取り位置情報42及び読み取り方向情報43を取得する。さらに、CPU11は、ステップS54で取得したユーザ(携帯端末10)の位置情報を用いて、ステップS54で取得した撮像方向の方位情報に対応するプレビュー画像の画角内に、取得した読み取り位置情報42としての前回読み取り位置がある場合に、その読み取り位置情報42とステップS54で取得したユーザ(携帯端末10)の位置情報との間の距離を算出する。さらに、CPU11は、算出した距離と、取得した読み取り方向情報43とに対応するマークを表示部14に表示中のプレビュー画像上の、取得した読み取り位置情報42に対応する位置に表示する(ステップS55)。
【0081】
ステップS56,S57は、図3の第2の情報読み取り処理のステップS39,S40と同様である。ステップS57の実行後、CPU11は、ステップS57で記憶された個体識別情報をステップS53で作成されたリストから削除し、当該個体識別情報に対応するマークをプレビュー画像から消去する(ステップS58)。以後、ステップS55が実行されても、リストから削除された個体識別情報に関するマークもプレビュー画像から消去される。
【0082】
ステップS59は、図3の第2の情報読み取り処理のステップS41と同様である。そして、CPU11は、ステップS53で作成されたリストにレコードの残りがあるか否かを判別する(ステップS60)。リストにレコードの残りがある場合(ステップS60;YES)、ステップS54に移行される。リストにレコードの残りがない場合(ステップS60;NO)、ステップS61が実行され、第3の情報読み取り処理が終了する。ステップS61は、図3の第2の情報読み取り処理のステップS42と同様である。
【0083】
以上、本変形例によれば、携帯端末10は、RFIDタグを読み取る第3の情報読み取り処理の開始後、RFIDリーダライタ部18にRFIDタグ30を読み取らせるポーリングを常時行わせる。このため、予期せず読み取れたRFIDタグ30の読み取り位置情報及び読み取り方向情報も前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報としてフラッシュメモリ17に記憶でき、RFIDタグ30が付された読み取り対象物を探す作業負担及び作業時間をさらに低減できる。
【0084】
また、携帯端末10は、マークの表示中に、RFIDリーダライタ部18により当該マークに対応するRFIDタグ30の個体識別情報が読み取られた場合に、当該読み取られたRFIDタグ30に対応するマークの表示を消去する。このため、読み取り済のRFIDタグ30に対応するマークがプレビュー画像内に表示されないので、読み取りが必要な前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示すマークを目視によりさらに容易に確認でき、読み取り対象のRFIDタグ30が付された読み取り対象物を探す作業負担及び作業時間をさらに低減できる。
【0085】
(第3の変形例)
図10を参照して、上記実施の形態の第3の変形例を説明する。図10に、本変形例の携帯端末の機能構成を示す。
【0086】
本変形例では、上記実施の形態の携帯端末10に代えて、図10に示す携帯端末10Aを用いる。携帯端末10Aの各部のうち、携帯端末10と同様の部分には、同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0087】
図10に示すように、携帯端末10Aは、CPU11と、操作部12と、RAM13と、表示部14と、ROM15と、無線通信部16と、フラッシュメモリ17と、RFIDリーダライタ部18と、GPS(Global Positioning System)部19Aと、撮像部20と、方位磁針部21と、電源部22と、を備える。電源部22を除く携帯端末10Aの各部は、バス23を介して互いに接続されている。
【0088】
GPS部19Aは、GPS衛星からGPS信号を受信し、このGPS信号の情報を用いて携帯端末10Aの水平面の位置情報(緯度経度情報)を算出することにより、この位置情報を検出してCPU11に出力する。
【0089】
GPS衛星からのGPS信号は、屋外で利用可能である。また、携帯端末10AのCPU11は、第1の情報読み取り処理を行う。このため、携帯端末10Aは、屋外の読み取り対象物に付されたRFIDタグ30を読み取り管理する目的で使用される。
【0090】
例えば、読み取り対象物として、屋外の水道メータ、電気メータ等にRFIDタグ30をつけ、携帯端末10Aを所持する作業員(ユーザ)が、水道メータ等のRFIDタグ30の情報を読み取り、水道メータ等の位置及び存在を管理する。他にも、港等で、読み取り対象物としてのコンテナにRFIDタグ30をつけて、携帯端末10Aを所持する作業員が、コンテナの位置及び存在を管理することができる。
【0091】
以上、本変形例によれば、携帯端末10は、GPS部19Aにより携帯端末10Aの位置情報を検出する。このため、屋外の施設内での読み取り対象物に付されたRFIDタグ30の前回読み取り位置情報及び前回読み取り方位情報のマークを表示できる。
【0092】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてROM15を使用した例を開示したが、この例に限定されない。
その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。
また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0093】
なお、上記実施の形態及び各変形例における記述は、本発明に係る携帯端末及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。例えば、上記実施の形態及び各変形例のうちの少なくとも2つを適宜組み合わせる構成としてもよい。例えば、第3の変形例の携帯端末10Aにおいて、第1又は第2の変形例の第2又は第3の情報読み取り処理が実行される構成としてもよい。
【0094】
上記実施の形態及び各変形例では、携帯端末10,10Aが、RFIDリーダライタ部18を備えるハンディターミナルである構成としたが、これに限定されるものではない。携帯端末としては、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機、携帯パーソナルコンピュータ等、他の携帯端末を用いる構成としてもよい。
【0095】
また、上記実施の形態及び各変形例では、RFIDタグ30に、RFIDカード(非接触ICカード)を含める。
【0096】
また、上記実施の形態及び各変形例では、携帯端末10,10Aが、表示部14に撮像部20で撮像したプレビュー画像を表示し、このプレビュー画像内に前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報等を示す案内情報としてのマークを表示する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、プレビュー画像表示がない状態で、前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報等を示す案内情報としてのマークを表示部14に表示する構成としてもよい。さらに、プレビュー画像表示がある状態又はない状態で、前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報等を示す案内情報を、音声出力、文字表示等、他の報知方法で報知する構成としてもよい。
【0097】
また、上記実施の形態及び各変形例では、位置情報検出部としてのモーションセンサ19又はGPS部19Aを用いて携帯端末10,10Aの位置情報を検出したが、これに限定されるものではない。位置情報検出部としては、携帯端末の無線通信部16を使用し、アクセスポイントからの電波受信を利用した三辺測量により、携帯端末の位置情報を検出する構成としてもよい。
【0098】
また、上記実施の形態及び各変形例では、携帯端末10,10Aの位置情報を、水平面の2次元の位置情報として検出する構成としたが、これに限定されるものではない。位置情報検出部が、モーションセンサ又はGPS部の2次元の位置情報検出部に加えて、高度計を含み、携帯端末10,10Aの3次元空間の位置情報を検出する構成としてもよい。
【0099】
また、上記実施の形態及び各変形例では、RFIDリーダライタ部18の読み取り時の電波又は電磁界の出力レベルを変更しない構成であったが、これに限定されるものではない。例えば、携帯端末10,10Aの読み取り位置情報及び読み取り方向情報が、前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報近傍にあっても読み取れない場合に、RFIDリーダライタ部18の電波又は電磁界の出力レベルを高くする構成としてもよい。さらに、携帯端末10,10Aの読み取り位置情報及び読み取り方向情報が、前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報近傍にあっても読み取れない場合に、「携帯端末の向き(RFIDタグの読み取り方向)を変えてみて下さい」等の案内情報を報知する構成としてもよい。
【0100】
また、上記実施の形態及び各変形例では、読み取り情報テーブル40が、個体識別情報41の1レコード毎に、読み取り位置情報42及び読み取り方向情報43を1データづつ格納する構成としたが、これに限定されるものではない。読み取り情報テーブル40が、個体識別情報41の1レコード毎に、読み取り位置情報42及び読み取り方向情報43を複数データづつ格納する構成としてもよい。1つの個体識別情報41に対して複数の読み取り位置情報42及び読み取り方向情報43を示す複数のマークを全て表示してもよく、その際マークを色分け表示(例えば、最新の読み取りのマークを赤、他のマークを灰色)してもよい。さらに、同じく複数のマークについて、読み取りのマークを1つづつ表示(例えば、最新の読み取りのマークを最初に表示)し、読み取れなければ、次の読み取りのマークを表示する構成としてもよい。
【0101】
また、上記実施の形態及び各変形例における携帯端末10,10Aの各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0102】
本発明の実施の形態及び変形例を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態及び変形例に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
電波又は電磁界を介してRFIDタグの識別情報を当該RFIDタグから読み取る読取部と、
自機の携帯端末の位置情報を検出する位置情報検出部と、
前記携帯端末の方位情報を検出する方位情報検出部と、
情報を記憶する記憶部と、
情報を報知する報知部と、
前記読取部によりRFIDタグの識別情報が読み取られた場合に、前記方位情報検出部により検出された前記RFIDタグの識別情報が読み取られた際の方位情報から、前記読取部の読み取り方向情報を取得し、前記位置情報検出部により検出された前記RFIDタグの識別情報が読み取られた際の位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とを、前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報として前記RFIDタグの識別情報に対応付けて前記記憶部に記憶する記憶制御部と、
前記方位情報検出部により検出された方位情報から、前記読取部の読み取り方向情報を取得し、前記位置情報検出部により検出された位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とに対する前記記憶部に記憶された前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示す案内情報を前記報知部に報知させる報知制御部と、を備える携帯端末。
<請求項2>
読み取り対象のRFIDタグの選択入力を受け付ける操作部を備え、
前記報知制御部は、前記方位情報検出部により検出された方位情報から、前記読取部の読み取り方向情報を取得し、前記位置情報検出部により検出された位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とに対する前記記憶部に記憶された前記選択された読み取り対象のRFIDタグの前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示す案内情報を前記報知部に報知させる請求項1に記載の携帯端末。
<請求項3>
前記報知制御部は、前記方位情報検出部により検出された方位情報から、前記読取部の読み取り方向情報を取得し、前記位置情報検出部により検出された位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とに対する前記記憶部に記憶された全ての読み取り対象のRFIDタグの前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示す案内情報を前記報知部に報知させる請求項1に記載の携帯端末。
<請求項4>
被写体を撮像する撮像部を備え、
前記報知部は、表示部であり、
前記報知制御部は、前記撮像部に撮像されたプレビュー画像を前記表示部に表示し、前記方位情報検出部により検出された方位情報から、前記読取部の読み取り方向情報を取得し、前記位置情報検出部により検出された位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とに対する前記記憶部に記憶された前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示す第1の案内情報を前記プレビュー画像内の前回読み取り位置に表示する請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯端末。
<請求項5>
前記報知制御部は、前記第1の案内情報を前記プレビュー画像内の前回読み取り位置に、当該前回読み取り位置の奥行きに対応する大きさで表示する請求項4に記載の携帯端末。
<請求項6>
前記報知制御部は、前記方位情報検出部により検出された方位情報から、前記撮像部の撮像方向を取得し、前回読み取り位置情報及び前記取得した撮像方向を用いて前回読み取り位置が前記プレビュー画像外にあるか否かを判別し、当該前回読み取り位置が前記プレビュー画像外にある場合に、当該前回読み取り位置がある方向を示す第2の案内情報を前記プレビュー画像内に表示する請求項4又は5に記載の携帯端末。
<請求項7>
前記報知制御部は、前記位置情報検出部により検出された位置情報と、前記記憶部に記憶された前回読み取り位置情報との距離を算出し、当該算出した距離が所定の距離以上である場合に、前回読み取り位置に近付く指示の第3の案内情報を前記プレビュー画像内に表示する請求項4から6のいずれか一項に記載の携帯端末。
<請求項8>
前記報知制御部は、前記位置情報検出部により検出された位置情報及び前記取得した読み取り方向情報が、前記記憶部に記憶された前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報にあるか否かを判別し、前記位置情報及び前記読み取り方向情報が前記前回読み取り位置情報及び前記前回読み取り方向情報にある場合に、前記読取部に電波又は電磁界を出力して前記RFIDタグを読み取らせる請求項1から7のいずれか一項に記載の携帯端末。
<請求項9>
前記報知制御部は、前記読取部に前記RFIDタグを読み取らせるポーリングを常時行わせる請求項1から7のいずれか一項に記載の携帯端末。
<請求項10>
前記報知制御部は、前記読取部によりRFIDタグの識別情報が読み取られた場合に、当該読み取られたRFIDタグに対応する案内情報の報知を停止する請求項1から9のいずれか一項に記載の携帯端末。
<請求項11>
携帯端末に搭載されたコンピュータを、
電波又は電磁界を介してRFIDタグの識別情報を当該RFIDタグから読み取る読取部、
前記携帯端末の位置情報を検出する位置情報検出部、
前記携帯端末の方位情報を検出する方位情報検出部、
情報を記憶する記憶部、
情報を報知する報知部、
前記読取部によりRFIDタグの識別情報が読み取られた場合に、前記方位情報検出部により検出された前記RFIDタグの識別情報が読み取られた際の方位情報から、前記読取部の読み取り方向情報を取得し、前記位置情報検出部により検出された前記RFIDタグの識別情報が読み取られた際の位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とを、前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報として前記RFIDタグの識別情報に対応付けて前記記憶部に記憶する記憶制御部、
前記方位情報検出部により検出された方位情報から、前記読取部の読み取り方向情報を取得し、前記位置情報検出部により検出された位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とに対する前記記憶部に記憶された前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示す案内情報を前記報知部に報知させる報知制御部、
として実現させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0103】
10,10A 携帯端末
11 CPU
12 操作部
13 RAM
14 表示部
15 ROM
16 無線通信部
17 フラッシュメモリ
18 RFIDリーダライタ部
19 モーションセンサ
19A GPS部
20 撮像部
21 方位磁針部
22 電源部
23 バス
30,31 RFIDタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波又は電磁界を介してRFIDタグの識別情報を当該RFIDタグから読み取る読取部と、
自機の携帯端末の位置情報を検出する位置情報検出部と、
前記携帯端末の方位情報を検出する方位情報検出部と、
情報を記憶する記憶部と、
情報を報知する報知部と、
前記読取部によりRFIDタグの識別情報が読み取られた場合に、前記方位情報検出部により検出された前記RFIDタグの識別情報が読み取られた際の方位情報から、前記読取部の読み取り方向情報を取得し、前記位置情報検出部により検出された前記RFIDタグの識別情報が読み取られた際の位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とを、前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報として前記RFIDタグの識別情報に対応付けて前記記憶部に記憶する記憶制御部と、
前記方位情報検出部により検出された方位情報から、前記読取部の読み取り方向情報を取得し、前記位置情報検出部により検出された位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とに対する前記記憶部に記憶された前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示す案内情報を前記報知部に報知させる報知制御部と、を備える携帯端末。
【請求項2】
読み取り対象のRFIDタグの選択入力を受け付ける操作部を備え、
前記報知制御部は、前記方位情報検出部により検出された方位情報から、前記読取部の読み取り方向情報を取得し、前記位置情報検出部により検出された位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とに対する前記記憶部に記憶された前記選択された読み取り対象のRFIDタグの前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示す案内情報を前記報知部に報知させる請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記報知制御部は、前記方位情報検出部により検出された方位情報から、前記読取部の読み取り方向情報を取得し、前記位置情報検出部により検出された位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とに対する前記記憶部に記憶された全ての読み取り対象のRFIDタグの前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示す案内情報を前記報知部に報知させる請求項1に記載の携帯端末。
【請求項4】
被写体を撮像する撮像部を備え、
前記報知部は、表示部であり、
前記報知制御部は、前記撮像部に撮像されたプレビュー画像を前記表示部に表示し、前記方位情報検出部により検出された方位情報から、前記読取部の読み取り方向情報を取得し、前記位置情報検出部により検出された位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とに対する前記記憶部に記憶された前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示す第1の案内情報を前記プレビュー画像内の前回読み取り位置に表示する請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記報知制御部は、前記第1の案内情報を前記プレビュー画像内の前回読み取り位置に、当該前回読み取り位置の奥行きに対応する大きさで表示する請求項4に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記報知制御部は、前記方位情報検出部により検出された方位情報から、前記撮像部の撮像方向を取得し、前回読み取り位置情報及び前記取得した撮像方向を用いて前回読み取り位置が前記プレビュー画像外にあるか否かを判別し、当該前回読み取り位置が前記プレビュー画像外にある場合に、当該前回読み取り位置がある方向を示す第2の案内情報を前記プレビュー画像内に表示する請求項4又は5に記載の携帯端末。
【請求項7】
前記報知制御部は、前記位置情報検出部により検出された位置情報と、前記記憶部に記憶された前回読み取り位置情報との距離を算出し、当該算出した距離が所定の距離以上である場合に、前回読み取り位置に近付く指示の第3の案内情報を前記プレビュー画像内に表示する請求項4から6のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項8】
前記報知制御部は、前記位置情報検出部により検出された位置情報及び前記取得した読み取り方向情報が、前記記憶部に記憶された前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報にあるか否かを判別し、前記位置情報及び前記読み取り方向情報が前記前回読み取り位置情報及び前記前回読み取り方向情報にある場合に、前記読取部に電波又は電磁界を出力して前記RFIDタグを読み取らせる請求項1から7のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項9】
前記報知制御部は、前記読取部に前記RFIDタグを読み取らせるポーリングを常時行わせる請求項1から7のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項10】
前記報知制御部は、前記読取部によりRFIDタグの識別情報が読み取られた場合に、当該読み取られたRFIDタグに対応する案内情報の報知を停止する請求項1から9のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項11】
携帯端末に搭載されたコンピュータを、
電波又は電磁界を介してRFIDタグの識別情報を当該RFIDタグから読み取る読取部、
前記携帯端末の位置情報を検出する位置情報検出部、
前記携帯端末の方位情報を検出する方位情報検出部、
情報を記憶する記憶部、
情報を報知する報知部、
前記読取部によりRFIDタグの識別情報が読み取られた場合に、前記方位情報検出部により検出された前記RFIDタグの識別情報が読み取られた際の方位情報から、前記読取部の読み取り方向情報を取得し、前記位置情報検出部により検出された前記RFIDタグの識別情報が読み取られた際の位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とを、前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報として前記RFIDタグの識別情報に対応付けて前記記憶部に記憶する記憶制御部、
前記方位情報検出部により検出された方位情報から、前記読取部の読み取り方向情報を取得し、前記位置情報検出部により検出された位置情報と、前記取得した読み取り方向情報とに対する前記記憶部に記憶された前回読み取り位置情報及び前回読み取り方向情報を示す案内情報を前記報知部に報知させる報知制御部、
として実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−198833(P2012−198833A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63479(P2011−63479)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】