説明

携帯端末装置、および、プログラム

【課題】携帯端末装置における確実な機能切替を実現する。
【解決手段】移動体通信端末100の条件設定格納領域162は、機能切替の条件となる複数の設定情報を格納し、機能データ格納領域161は、条件に応じて機能毎のデータを格納する複数の条件別記憶領域を含む。制御部110は、非接触IC部131による近接無線通信による動作が、設定情報に登録されている条件に対応する動作であるか否か判別する。非接触IC部131による動作が条件に対応する動作である場合、制御部110は、設定情報に基づいて機能データ格納領域161の条件別記憶領域のうち、利用可能な条件別記憶領域を制限することで、移動体通信端末100で有効となる機能を切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置、および、プログラムに関し、特に、端末における機能切替に好適な携帯端末装置、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの移動体通信端末においては、その基本機能である音声通話を利用するために、移動体通信キャリアとの契約が必要となる。そして、このような契約に基づいて電話番号が割り当てられ、音声通話などの通信機能が利用可能となることが一般的である。
【0003】
近時では、このような契約に基づいた加入者情報などをUIM(User Identity Module)カードなどの記録担体に格納して移動体通信端末に装着することが一般的になっている。さらに、UIMカードの差し替えや追加により、1台の移動体通信端末で複数の自局番号を選択的に使用できる、いわゆるデュアルモード端末が実現されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
このようなデュアルモード端末の実現により、例えば、仕事(ビジネス)で使う電話番号と私用(プライベート)で使う電話番号とを1台の移動体通信端末で使い分けることができる。この場合、使用する電話番号の切替に応じて、機能やアプリケーション、データなども切り替えて使用することもできる。例えば、ビジネス用の電話番号を有効にしている間は、プライベート用の電話番号を使った通信、業務で使用しない機能、プライベート用のアドレス帳、などが無効になることで、仕事中に私用で移動体通信端末を利用できないよう制限することができる。
【特許文献1】特開2005−184537号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
デュアルモード端末では、1台で複数の電話番号を利用することができるが、使用する電話番号の切替は使用者の操作によっておこなわれていた。このため、使用者が切替操作を忘れてしまうと、上述したような機能制限が適切におこなわれないことがある。
【0006】
また、移動体通信端末の性能向上により、例えば、業務で用いるデータなどを移動体通信端末に格納して外出先などで利用することも可能となっているが、切替操作を忘れてしまうと、業務外の時間や場所で業務上のデータが利用可能となってしまい、情報漏洩などの危険性が高まってしまう問題もある。
【0007】
使用者による切替忘れを防止するため、例えば、時間帯や曜日に応じて自動的に切り替えるよう動作させることも可能であるが、就業時間や勤務場所が不規則な業務に従事している場合などでは、頻繁に設定を変更しなければならず、必ずしも効果的な方法とはならない。
【0008】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、移動体通信端末などの携帯端末装置の機能切替を適切かつ効率的におこなうことのできる携帯端末装置、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる携帯端末装置は、
複数の機能を切り替えて利用可能な携帯端末装置において、
機能切替の条件となる複数の設定情報を格納する条件設定格納手段と、
前記条件に応じて機能毎のデータを格納する複数の条件別記憶領域を含む機能データ格納手段と、
前記携帯端末装置による動作が、前記設定情報に登録されている条件に対応する動作であるか否か判別する動作判別手段と、
前記携帯端末装置による動作が前記条件に対応する動作である場合、前記設定情報に基づいて、利用可能な機能を切り替える機能切替手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
上記携帯端末装置は、
外部装置と通信をおこなう通信手段と、
特定の外部装置についての識別情報を格納する外部装置情報格納手段と、をさらに備えていることが望ましく、この場合、
前記動作判別手段は、前記通信手段による前記特定の外部装置との通信動作が前記条件に対応する動作であるか否かを判別することが望ましい。
【0011】
上記携帯端末装置において、
前記機能切替手段は、利用可能な条件別記憶領域を制限することで、前記携帯端末装置で利用可能な機能を切り替えることが望ましい。
【0012】
上記携帯端末装置において、
前記外部装置は、前記携帯端末装置で利用可能なデータを格納したデータサーバとすることができ、この場合、
前記機能切替手段によって切り替えられた機能が使用するデータを、前記通信手段の通信によって前記データサーバからダウンロードして取得するデータ取得手段をさらに備えていることが望ましい。
【0013】
この場合、
前記データ取得手段は、前記機能切替手段が、前記データサーバからダウンロードしたデータに対応する機能から他の機能に切り替える場合、前記ダウンロードしたデータを前記データサーバにアップロードすることが望ましい。
【0014】
上記携帯端末装置において、
前記データ取得手段は、前記データサーバからダウンロードしたデータを前記機能データ格納手段に格納することが望ましい。
【0015】
上記携帯端末装置において、
前記データ取得手段は、前記データサーバからダウンロードしたデータを前記データ取得手段に格納し、
前記機能データ格納手段は、前記データ取得手段によって格納されたデータのうち、前記データ取得手段が前記データサーバにアップロードしたデータを削除することが望ましい。
【0016】
上記携帯端末装置は、移動体通信端末とすることができ、この場合、
前記機能データ格納手段は、移動体通信にかかる1または複数の加入者情報を格納することが望ましい。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかるプログラムは、
複数の機能を切り替えて利用可能な携帯端末装置を制御するコンピュータに、
前記携帯端末装置による動作が、記憶装置に格納されている機能切替の条件となる複数の設定情報が示す条件に対応する動作であるか否か判別する機能と、
前記携帯端末装置による動作が前記条件に対応する動作である場合、前記設定情報に基づいて、利用可能な機能を切り替える機能と、
を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、携帯端末装置の機能切替を適切かつ効率的におこなうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明にかかる実施形態を説明する。
【0020】
(実施形態1)
本発明にかかる携帯端末装置を移動体通信端末によって実現した場合の実施形態を以下に説明する。本実施形態にかかる移動体通信端末100は、例えば、携帯電話などの移動体通信に用いる電話端末であり、いわゆるセルラ通信による音声通話やデータ通信を基本機能として有する他、セルラ通信以外の通信(非セルラ通信)によって外部装置との通信をおこなうための構成を備えた移動体通信端末である。本実施形態では、例えば、Felica(商標)などの非接触IC技術による近接無線通信機能によって外部装置との非セルラ通信が実現されているものとする。また、本実施形態にかかる移動体通信端末100は、複数の電話番号を自局番号として選択的に使用可能な、いわゆるデュアルモード端末であるものとする。
【0021】
このような本実施形態にかかる移動体通信端末100の構成を、図1を参照して説明する。図1は、移動体通信端末100の構成を示すブロック図である。図示するように、移動体通信端末100は、制御部110、セルラ通信部120、非セルラ通信部130、インタフェース部140、音声処理部150、記憶部160、などから構成される。
【0022】
制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)やワークエリアとなるRAM(Random Access Memory)などから構成され、所定の動作プログラムを実行することで移動体通信端末100の各部を制御する。すなわち、移動体通信端末100の各構成は制御部110によって制御されるとともに、各構成間の情報伝達などは制御部110を介しておこなわれる。
【0023】
セルラ通信部120は、移動体通信端末100による通信動作をおこなう装置であり、例えば、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多重接続)方式などの通信方式を用いた通信装置などで構成され、当該通信方式に対応したアンテナ122による無線送受信をおこなうことで、近傍の基地局と無線通信をおこなう。セルラ通信部120の動作により、移動体通信端末100の基本機能である、セルラ通信による音声通話やデータ通信が実現される。
【0024】
非セルラ通信部130は、セルラ通信部120によるセルラ通信とは異なる通信方式によって無線通信をおこなうための構成である。本実施形態では、上述したように、非接触IC技術による近接無線通信機能を移動体通信端末100が備えているので、非セルラ通信部130の構成によって、この近接無線通信機能が実現されることになる。この場合、非セルラ通信部130は、図1に示すように、非接触IC部131を含むことになる。
【0025】
非接触IC部131は、例えば、ISO/IEC 14443やNFC(Near Field Communication)などといった近接無線通信規格に準拠した非接触ICチップなどから構成され、対応する非接触ICのリーダライタ装置にアンテナ132が近接されることで励起され、当該リーダライタ装置との無線通信をおこなう。
【0026】
インタフェース部140は、移動体通信端末100とその使用者とのインタフェースにかかる構成であり、例えば、操作部141や表示部142などから構成される。
【0027】
操作部141は、移動体通信端末100の外面上に構成されたボタンやキーなどから構成され、移動体通信端末100のユーザによって操作される。操作部141は、各ボタンやキーなどと接続された入力回路などを備え、ユーザの操作に応じた入力信号を生成して制御部110に入力する。
【0028】
表示部142は、例えば、液晶表示装置などから構成された表示出力装置であり、制御部110の制御によって画像などを表示出力する。
【0029】
音声処理部150は、例えば、音声データ用のコーデック回路などから構成され、移動体通信端末100の音声入力、音声出力にかかる処理をおこなう。すなわち、セルラ通信部120で受信したデジタル音声データをアナログ音声信号に変換してスピーカ151から出力する受話動作や、マイクロフォン152から入力されたユーザの発話音声をデジタル音声データに変換してセルラ通信部120に送出する送話動作などをおこなう。
【0030】
記憶部160は、例えば、フラシュメモリなどの記憶装置から構成され、制御部110が実行する動作プログラムを格納する他、本発明を実現するために必要な種々のデータを格納する。本実施形態では、図1に示すように、機能データ格納領域161、条件設定格納領域162、外部装置情報格納領域163、プログラム格納領域164、などの記憶領域で構成される。
【0031】
機能データ格納領域161は、移動体通信端末100で利用可能な機能にかかるデータ等を、利用可能な加入者情報(電話番号など)毎に格納する領域である。機能データ格納領域161の構成例を図2(a)に示す。図示するように、機能データ格納領域161内には、利用にかかる条件(条件1〜条件n)毎に記憶領域(以下、「条件別記憶領域161〜条件別記憶領域161」とする)が確保されている。各条件別記憶領域には、例えば、当該条件に該当する際に利用可能とするセルラ通信情報(電話番号やメールアドレスなど)を格納するセルラ情報領域、当該条件に該当する際に実行可能とするアプリケーションを格納するアプリケーション領域、当該条件に該当する際に利用可能なデータ(例えば、アドレス帳データなど)を格納するデータ領域、などが確保される。
【0032】
このように、利用条件毎にセルラ通信情報、すなわち移動体通信キャリアとの契約に基づいた加入者情報が格納されているので、機能データ格納領域161を構成する条件別記憶領域は、加入者情報毎に用意されていると換言できる。よって、機能データ格納領域161を構成する各条件別記憶領域は、いわゆる、UIM(User Identity Module)カードなどの加入者情報を記録した記録担体によって構成されていてもよい。したがって、条件別記憶領域は、移動体通信端末100内部の記憶部160に用意することができる他、移動体通信端末100に付加的に装着されるUIMカードなどの記憶素子上に構成されているものであってもよい。
【0033】
本実施形態においては、少なくとも2以上の条件別記憶領域が機能データ格納領域161内に確保されているものとする。つまり、2以上の加入者情報が移動体通信端末100内で利用可能となっている状態である。このような構成により、移動体通信端末100は、2以上の電話番号を自局番号として選択的に利用可能な、いわゆる、デュアルモード端末として機能する。
【0034】
条件設定格納領域162は、機能データ格納領域161内の条件別記憶領域に格納されている情報を有効にするための条件設定を格納する領域である。理解を容易にするため、本実施形態では、2つの条件別記憶領域が確保されていることとし、一方には、ビジネスでの利用を目的とした加入者情報(電話番号)が記録され、他方には、プライベートでの利用を目的とした加入者情報(電話番号)が記録されているものとする。すなわち、ビジネス用途とプライベート用途とに使い分けることができるデュアルモード端末として移動体通信端末100を利用する場合を想定する。
【0035】
ここで、ビジネス用の加入者情報が条件別記憶領域161に記録され、プライベート用の加入者情報が条件別記憶領域161に記録されているものとし、条件別記憶領域161に記録されている情報を有効にする条件を「条件1」、条件別記憶領域161に記録されている情報を有効にする条件を「条件2」とする。
【0036】
条件設定格納領域162には、このような条件名に対応する条件設定の内容が記録される。条件設定格納領域162に記録される情報の例を図2(b)に示す。図示するように、条件設定格納領域162には、各条件に対応する条件別記憶領域を有効および無効にするための条件が記録されている。この場合、条件名毎に、その条件を適用する用途とともに、条件となる動作などが記述されている。
【0037】
本例では、ビジネス用の加入者情報が条件別記憶領域161に記録されているので、対応する「条件1」の用途として「ビジネス」が記録されている。また、プライベート用の加入者情報が条件別記憶領域161に記録されているので、対応する「条件2」の用途として「プライベート」が記録されている。
【0038】
このように、「ビジネス」と「プライベート」で移動体通信端末100を使い分ける場合、移動体通信端末100の使用者が業務に従事しているときにビジネス用の機能を有効化し、業務に従事していないときはプライベート用の機能を有効化することになる。本実施形態では、移動体通信端末100の動作に基づいて、使用者が業務に従事しているか否かの判別をおこなうものとする。つまり、移動体通信端末100がその使用者の属する勤務先にあれば、当該使用者が業務に従事しているものと判別する。ここで、移動体通信端末100が勤務先にあるか否かの識別は、移動体通信端末100の近接無線通信機能を利用した勤怠管理システムとの通信動作に基づいておこなうものとする。
【0039】
この場合、移動体通信端末100の使用者の勤務場所において、例えば、建物の出入口、所属するフロアの出入口、あるいは、使用するパーソナルコンピュータ、などに、移動体通信端末100の近接無線通信機能に対応したリーダライタ装置(以下、「リーダライタRW」とする)が設置されており、従業員が出退勤する際に、移動体通信端末100とリーダライタRWとを近接させることで、出退勤時刻の記録などをおこなって勤怠管理をおこなう勤怠管理システムが導入されているものとする。つまり、このような勤怠管理システムにおいて、移動体通信端末100がタイムカードの役割を果たすことになる。
【0040】
よって、ビジネス用途の条件別記憶領域を有効/無効にする条件である「条件1」は、例えば、「勤務場所のリーダライタとの通信による勤怠管理動作」が条件となる(条件動作)。この場合、ビジネス用途の条件別記憶領域を有効とする条件(詳細条件)として、例えば、「勤怠管理動作に基づく出勤」である旨が記述され、無効とする条件(詳細条件)として、例えば、「勤怠管理動作に基づく退勤」である旨が記述される。
【0041】
なお、このような勤務場所に導入されている勤怠管理システムとの連携を条件とする場合、ビジネス用に設定されている加入者情報(電話番号など)は、例えば、法人契約によって割り当てられているものとする。すなわち、本実施形態にかかる移動体通信端末100は、例えば、法人などの事業体から従業員への貸与によるビジネス利用を主目的とした利用形態をとっているものとする。そして、当該事業体の規則等に基づいて、移動体通信端末100をプライベートで利用することが許可されているものとし、移動体通信端末100の使用者個人の契約に基づく加入者情報(電話番号など)をUIMカードなどで追加することで、ビジネス利用とプライベート利用の使い分けがなされているものとする。
【0042】
外部装置情報格納領域163は、条件設定格納領域162に条件として記述されているリーダライタRWなどの外部装置を特定する情報を格納する領域である。外部装置情報格納領域163に格納される情報の例を図2(c)に示す。図示するように、外部装置情報格納領域163には、条件設定に記述されている外部装置の名称(例えば、「勤務先のリーダライタ」など)について、当該外部装置を特定する識別情報が記録されている。
【0043】
この識別情報は、当該装置に割り当てられている一意の識別情報(例えば、シリアル番号やMACアドレスなどのような装置の製造者によって付される識別情報や、導入されている勤怠管理システムによって割り当てられているシステム独自の識別情報、など)である。なお、例えば、勤務先に複数のリーダライタRWが設置されている場合には、条件設定に記述されている外部装置の名称について複数の識別情報が記録されていてもよい。
【0044】
プログラム格納領域164は、制御部110が実行するプログラムを格納するための領域である。プログラム格納領域には、移動体通信端末100全体の動作を制御するための基本ソフトウェア(いわゆる、OS)や、移動体通信端末100の種々の機能を実現するためのアプリケーションソフトなどが格納される。本実施形態では、制御部110がプログラム格納領域164に格納されているプログラムを実行することで、本実施形態にかかる処理を実行するために必要な構成が実現される。
【0045】
本実施形態では、プログラム格納領域164に格納されているプログラムを制御部110が実行することで、図3に示すような機能が実現されるものとする。図3は、本実施形態にかかる移動体通信端末100を用途に応じて使い分ける場合に実現される機能を示す機能ブロック図である。図示するように、制御部110は、条件動作判別部111、機能選択部112、機能切替部113、などとして機能する。
【0046】
条件動作判別部111は、非接触IC部131(非セルラ通信部130)との協働により、条件設定格納領域162に設定された条件に該当する動作がなされたか判別する。本実施形態では、外部装置情報格納領域163に格納されている外部装置情報を参照することで、移動体通信端末100の使用者の勤務先に設置されているリーダライタRWと非接触IC部131とが近接無線通信をおこなったか判別する。つまり、条件動作判別部111は、移動体通信端末100の動作が、設定されている条件に対応する動作であるか判別する。
【0047】
機能選択部112は、条件動作判別部111によって判別された動作が条件となっている条件別記憶領域を特定することで、当該条件のときに有効/無効とする機能を選択する。
【0048】
機能切替部113は、機能選択部112によって選択された有効とする機能についての条件別記憶領域を利用可能とするとともに、無効とする機能についての条件別記憶領域を利用不可とすることで、移動体通信端末100で利用できる機能の切替をおこなう。
【0049】
本実施形態では、プログラムの実行により、図3に示す各機能が制御部110によって論理的に実現されるものとするが、これらの各機能を、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)などのハードウェアによって構成してもよい。
【0050】
また、上述した各構成は、移動体通信端末100を本発明にかかる移動体通信端末として機能させるために必要な構成であり、移動体通信端末としての基本機能や付加機能にかかるその他の構成については、必要に応じて備えられているものとする。
【0051】
以上のような構成を有する移動体通信端末100の動作を以下説明する。ここでは、移動体通信端末100の機能を非セルラ通信によって切り替える際に実行される「機能切替処理」を、図4に示すフローチャートを参照して説明する。この機能切替処理は、移動体通信端末100とリーダライタ装置の近接によって非接触IC部131が励起され、非接触IC部131とリーダライタ装置との近接無線通信(非セルラ通信)が確立したことを契機に開始されるものとする。
【0052】
近接無線通信が確立される際、非接触IC部131とリーダライタ装置との間では、例えば、それぞれの識別情報を相互に通知し合う動作などがおこなわれる。非接触IC部131は、リーダライタ装置から通知された識別情報などを制御部110に入力する。
【0053】
条件動作判別部111は、非接触IC部131からの入力によってリーダライタ装置と移動体通信端末100とが近接されたことを認識すると、条件設定格納領域162にアクセスし、リーダライタ装置との近接無線通信の確立が、機能切替の条件となる動作であるか否かを判別する(ステップS101)。
【0054】
本実施形態では、移動体通信端末100の使用者が属する勤務先に設置されているリーダライタRWを用いた勤怠管理動作が「条件1」についての条件動作として設定されているので(図2(b)参照)、条件動作判別部111は、機能切替の条件となる動作がおこなわれたと判別する(ステップS101:Yes)。
【0055】
一方、リーダライタ装置との近接無線通信が条件動作として設定されていない場合(ステップS101:No)は、機能切替をおこなう必要はないので、そのまま処理を終了する。
【0056】
リーダライタ装置との無線通信の確立が条件動作である場合、条件動作判別部111は、条件設定格納領域162および外部装置情報格納領域163を参照することで、近接無線通信が確立したリーダライタ装置(外部装置)が、機能切替の条件として設定されている特定のリーダライタ装置(すなわち、移動体通信端末100の使用者が属する勤務先に設置されているリーダライタRW)であるか否かを判別する(ステップS102)。ここでは、リーダライタ装置との近接無線通信を確立する際にやりとりされる装置の識別情報と、外部装置情報格納領域163に設定されている識別情報とを照合することで、移動体通信端末100が近接したリーダライタ装置が、動作条件に合致するリーダライタ装置であるか否かが判別される。
【0057】
ここで、移動体通信端末100が近接したリーダライタ装置が、条件として設定されているリーダライタRWではない場合(ステップS102:No)、当該リーダライタ装置との通信を契機に機能切替をおこなう必要はないので、処理を終了し、当該リーダライタ装置との通信でおこなうべき処理が別途実行される。
【0058】
一方、移動体通信端末100が近接したリーダライタ装置が、条件設定格納領域162に設定されている特定のリーダライタRWである場合(ステップS102:Yes)、条件動作判別部111は、機能切替の条件となる動作がおこなわれた旨を機能選択部112に通知する。この場合、条件動作判別部111は、判別の根拠となった条件(この場合、「条件1」)を機能選択部112に通知する。
【0059】
ここで、本実施形態では、リーダライタRWが、移動体通信端末100とリーダライタRWとの通信を利用した勤怠管理システムにおけるリーダライタ装置であるので、移動体通信端末100とリーダライタRWとの通信によって、勤怠管理に関する情報の交換などがおこなわれる。このとき、勤怠管理システムの動作によって、出退勤の別や日時情報などが移動体通信端末100とリーダライタRWとの間でやりとりされるものとする。このように送受信される情報は、非接触IC部131の動作によって制御部110に入力される。
【0060】
機能選択部112は、非接触IC部131から勤怠管理動作にかかる情報が入力されると、条件設定格納領域162を参照し、詳細条件として設定されている動作がなされたか否かを判別する。この場合、機能選択部112は、非接触IC部131による非セルラ通信の動作に基づいて、機能データ格納領域161の条件別記憶領域に格納されている機能のいずれを有効化/無効化するか判別する。すなわち、機能選択部112は、非セルラ通信の動作によって有効化/無効化する機能を選択する(ステップS103)。
【0061】
例えば、移動体通信端末100の使用者が勤務先に出勤した際に移動体通信端末100をリーダライタRWに近接させると、勤怠管理システムの動作によって、出勤に関する記録をおこなうための通信がなされる。本実施形態では、例えば、図2(b)に示すように、「条件1」についての機能を有効化する条件として、出勤にかかる勤怠管理動作が設定されているので、機能選択部112は、有効化する機能として、「条件1」に対応する機能を選択する。このようにして機能を選択すると、機能選択部112は、選択した機能に対応する条件別記憶領域を機能切替部113に通知するとともに、当該機能を有効とするか無効とするかを指示する。
【0062】
機能切替部113は、機能選択部112からの通知に基づき、機能データ格納領域161内の条件別記憶領域のそれぞれにアクセス制限をかけることで、ステップS103での選択に応じた有効化と無効化による機能切替をおこなって(ステップS104)、処理を終了する。
【0063】
ここで、本実施形態では、機能データ格納領域161内の条件別記憶領域は、例えば、いずれか1つのみが排他的に実行可能となるようアクセス制限がかけられるものとする。よって、機能選択部112が有効化する機能として選択した条件別記憶領域のみが制御部110によってアクセス可能とすることで当該機能が有効化され、他の機能が無効化されるものとする。このようなアクセス制限は、例えば、退勤時に移動体通信端末100をリーダライタRWに近接させることで上記「機能切替処理」が実行されるまで維持される。
【0064】
以上説明したように、本実施形態によれば、移動体通信端末の動作に基づいて、移動体通信端末で利用可能な機能の切替が自動的におこなわれる。
【0065】
この場合において、デュアルモードの移動体通信端末を、例えば、ビジネスとプライベートで使い分けている場合、例えば、移動体通信端末の近接無線通信機能などの非セルラ通信機能を用いた勤怠管理システムとの通信動作に基づいて、ビジネス用とプライベート用の機能を自動的に切り替えることができる。これにより、移動体通信端末の使用者が手動で切り替える場合に起こりうる切替忘れを防止できるだけでなく、例えば、勤務場所や就業時間が不規則な業務形態であっても適切な機能切替を確実におこなうことができる。
【0066】
(実施形態2)
上記実施形態1では、移動体通信端末の動作に応じた機能切替を、移動体通信端末内部に構成されている記憶領域へのアクセス制限によっておこなう例を示したが、外部装置へのアクセス制限の制御をおこなうことで、移動体通信端末で利用可能な機能の切替をおこなうようにしてもよい。
【0067】
この場合の実施例を説明する。本実施形態では、上記実施形態1と同様、デュアルモード端末の移動体通信端末をビジネス用とプライベート用に使い分けて利用する場合を想定する。この場合において、本実施形態にかかる移動体通信端末100は、上記実施形態1で例示した移動体通信端末100と非セルラ通信部130の構成が一部異なるものとする。本実施形態にかかる移動体通信端末100の構成を図5に示す。
【0068】
図示するように、本実施形態にかかる移動体通信端末100の非セルラ通信部130は、非接触IC部131に加え、無線LAN通信部133を備えている。この無線LAN通信部133は、例えば、IEEE802.11系の無線LAN規格などに準拠した無線LAN通信モジュールなどから構成され、アンテナ134による電波送受信を制御することで、所定の無線LANにアクセスする。本実施形態では、移動体通信端末100の使用者が属する勤務先(以下、「事業体BB」とする)に構築されているLAN(Local Area Network:構内通信網)に無線LANによってアクセスするために用いられるものとする。すなわち、本実施形態では、ビジネス用途で移動体通信端末100を用いる際に、無線LAN通信部133による無線LAN機能が利用される。
【0069】
本実施形態にかかる移動体通信端末100のハードウェア構成は、上述した非セルラ通信部130以外は、上記実施形態1で示した移動体通信端末100の構成と同様である。また、記憶部160に構成される記憶領域や、各記憶領域に格納される情報なども実施形態1と同様であるものとする。ただし、無線LAN通信部133による無線LAN通信にかかる設定情報(例えば、アクセスポイントの識別情報や暗号化キー、など)は、機能データ格納領域161の対応する条件別記憶領域に予め格納されているものとする。
【0070】
このような移動体通信端末100をビジネス用途で用いる事業体BB内に構成された端末制御システムを以下に説明する。本実施形態にかかる端末制御システム1の構成例を図6に示す。図示するように、本実施形態にかかる端末制御システム1は、例えば、端末制御装置200、通信装置AP、などから構成されている。
【0071】
端末制御装置200は、事業体BBにおいて、移動体通信端末100の近接無線通信機能を利用した勤怠管理をおこなう勤怠管理サーバとしての機能と、事業体BB内で使用可能な端末にデータやアプリケーションを提供するデータサーバとしての機能を備えた装置である。
【0072】
ここで、端末管理装置200が勤怠管理サーバとして動作することにより、上記実施形態1で例示した勤怠管理システムが実現されており、図6に示すように、移動体通信端末100との近接無線通信をおこなうためのリーダライタRWが端末制御システム1に含まれている。すなわち、実施形態1で例示したような勤怠管理システムが事業体BBに導入されているものとし、実施形態1と同様のリーダライタRWが用いられるものとする。なお、本実施形態におけるリーダライタRWは、例えば、IEEE802.3などのLAN規格に準拠しているものとし、事業体BB内のLANを介して端末管理装置200に接続されているものとする。また、複数のリーダライタRWがLANを介して端末管理装置200に接続されていてもよい。
【0073】
また、データサーバとして動作するため、端末制御装置200は、事業体BBに構築されているLANに接続されており、当該LANに接続された端末から端末管理装置200にアクセスすることにより、端末制御装置200に格納されている業務データなどが従業員によって利用可能となっているものとする。
【0074】
ここで、本実施形態では、図6に示すように、通信装置APが事業体BBのLANに接続されており、無線LAN(WLAN:Wireless LAN)によっても端末制御装置200にアクセスできるものとする。本実施形態では、移動体通信端末100の無線LAN機能を用いることで、移動体通信端末100から端末制御装置200にアクセスして業務データが利用可能であるものとする。
【0075】
したがって、本実施形態にかかる通信装置APは、事業体BB内のLANに接続された、例えば、IEEE802.11系の無線LAN規格に準拠したアクセスポイント装置であり、無線LANを利用可能な端末と無線通信をおこなうことで、当該端末をLANに接続させる。
【0076】
この場合において、事業体BB内のLANを利用できる端末は特定のものに制限されているものとする。ここでは、例えば、MACアドレス認証などといった、アクセスする端末固有の識別情報を用いた認証によりアクセス制限がなされているものとする。本実施形態では、LANを利用できる端末の認証動作を端末制御装置200がおこなうものとする。
【0077】
このような端末制御装置200のハードウェア構成は、一般的なサーバ装置のハードウェア構成と同様である。すなわち、CPUやRAMなどから構成される制御部(以下、「制御部210」とする)やハードディスク装置などから構成される記憶部(以下、「記憶部230」とする)を主要な構成とし、接続された入出力装置による入出力がおこなわれる。また、事業体BBのLANと接続するための構成(例えば、NIC(Network Interface Card)など。以下、「通信部220」とする。)を備え、LANを介して通信装置APとの通信をおこなう。
【0078】
端末制御装置200の記憶部230に構成される記憶領域の例を、図7(a)を参照して説明する。図示するように、記憶部230には、例えば、勤怠情報格納領域231、業務データ格納領域232、制限情報格納領域233、プログラム格納領域234、などの記憶領域が構成される。
【0079】
勤怠情報格納領域231は、端末管理装置200の勤怠管理サーバとしての機能にかかる情報を格納する領域であり、例えば、図7(b)に示すような、事業体BBの従業員を示す識別情報(例えば、一意の社員番号など)と各従業員が使用する移動体通信端末100の識別情報(例えば、電話番号やMACアドレスなどの一意の識別情報)とを対応づけた「従業員−端末対応表」が格納されている。また、入出力装置であるリーダライタRWと移動体通信端末100との通信によって得られる移動体通信端末100の識別情報や通信日時などに基づいて記録される、図7(c)に示すような出退勤記録情報が随時格納される。
【0080】
業務データ格納領域232は、事業体BBのLANに接続可能な端末装置において利用可能なデータを格納する領域であり、例えば、事業体BBの従業員毎に用意された記憶領域から構成されているものとする。各従業員用の記憶領域には、当該従業員が業務で使用するデータの他、当該従業員が使用する端末装置で業務上必要となるアプリケーションなどのプログラムが格納されているものとする。本実施形態では、移動体通信端末100で実行可能なアプリケーションプログラムが業務データ格納領域232に格納されているものとする。また、各従業員用の記憶領域は、当該従業員を示す識別情報(例えば、一意の社員番号など)で識別されているものとする。
【0081】
制限情報格納領域233は、事業体BBのLANに無線LANでアクセス可能な端末を制限するための情報(以下、「端末制限情報」とする)を格納する領域である。制限情報格納領域233に格納される情報の例を図7(d)に示す。図示するように、制限情報格納領域233には、事業体BBでの使用が許可されている端末(移動体通信端末100を含む)の識別情報(例えば、MACアドレスなどの端末固有の識別情報)をキーとしたレコードが作成されており、各レコードには、当該端末によるLANへのアクセス許否を示す情報が記録されている。本実施形態では、このような端末制限情報が通信装置APによって参照され、「アクセス拒否」が設定されている端末との無線LAN通信をおこなわないことでアクセス制限がおこなわれる。
【0082】
プログラム格納領域234は、端末制御装置200の制御部210が実行するプログラムを格納する領域であり、プログラム格納領域234に格納されたプログラムを制御部210が実行することで、端末制御装置200の各部が制御されるとともに後述する処理が実現される。
【0083】
プログラム格納領域234に格納されたプログラムを制御部210が実行することで実現される機能構成を、図8を参照して説明する。図8は、移動体通信端末100に対するアクセス制限を制御する際に実現される機能構成を示した機能ブロック図である。図示するように、制御部210は、勤怠管理制御部211、アクセス許否決定部212、データ管理部213、などとして機能する。
【0084】
勤怠管理制御部211は、リーダライタRWがおこなった近接無線通信に基づいて、移動体通信端末100の使用者についての出退勤記録情報を生成して勤怠情報格納領域231に格納する。
【0085】
アクセス許否決定部212は、勤怠管理制御部211による出退勤記録動作に基づき、当該従業員が使用する移動体通信端末100についてのアクセス許否を決定し、制限情報格納領域233に記録する。
【0086】
データ管理部213は、通信部220との協働により、業務データ格納領域232に格納されているデータやアプリケーションの端末での利用を管理する動作をおこなう。本実施形態では、LANへのアクセスが許可された端末に対してデータやアプリケーションを提供する動作や、提供したデータやアプリケーションを端末から取得する動作などをおこなう。
【0087】
本実施形態では、制御部210がプログラムを実行することによって上記機能構成が実現されるものとするが、これらの機能構成を、例えば、ASICなどのハードウェアによって構成してもよい。
【0088】
ここで、本実施形態では、移動体通信端末100で利用できる業務データやアプリケーションは、端末使用者が出勤した場合に端末管理装置200から移動体通信端末100にダウンロードされ、退勤した場合に移動体通信端末100から端末管理装置200へアップロードされることで、業務データや業務用アプリケーションが業務時間外には利用できないよう制限する。
【0089】
したがって、本実施形態にかかる端末制御システム1を用いる場合、移動体通信端末100の無線LAN機能(非セルラ通信機能)を用いて、端末制御装置200にアクセスする動作が含まれる。
【0090】
ここで、移動体通信端末100の制御部110がプログラムを実行することにより、上記実施形態1で示した条件動作判別部111、機能選択部112、および、機能切替部113(図3参照)が実現されることで、本実施形態にかかる移動体通信端末100も、上記実施形態1の移動体通信端末100と同様、リーダライタRWとの通信を契機とする条件判別により内部での機能切替をおこなうが、本実施形態では、このような動作に加え、端末制御装置200との通信にかかる動作をおこなうための機能構成も実現される。
【0091】
本実施形態にかかる移動体通信端末100の制御部110が実現する機能構成を図9に示す。図9は、本実施形態にかかる移動体通信端末100が事業体BBにおいてビジネス用途で利用される際に実現される機能構成を示す機能ブロック図である。図示するように、制御部110は、条件動作判別部111、機能選択部112、機能切替部113、データ取得部114、などとして機能する。
【0092】
条件動作判別部111、機能選択部112、および、機能切替部113は、上述したように、実施形態1で示した各機能構成と同じものである。よって、本実施形態では、詳細説明は省略する。
【0093】
データ取得部114は、無線LAN通信部133との協働により、移動体通信端末100をビジネス用途で使用する際に利用できるデータやアプリケーションを制限する動作をおこなう。本実施形態では、使用者の出退勤状況に基づき、出勤時にデータやアプリケーションを端末制御装置200からダウンロードによって取得し、退勤時にこれらを端末制御装置200にアップロードする動作をおこなうものとする。ここで、端末制御装置200にアップロードしたデータやアプリケーションは、機能データ格納領域161から削除する。
【0094】
以上のような構成の移動体通信端末100が用いられた場合の端末制御システム1の動作を以下説明する。ここでは、移動体通信端末100を事業体BBのリーダライタRWに近接させたときに移動体通信端末100および端末管理装置200で実行される「端末制御処理」を、図10に示すフローチャートを参照して説明する。この端末制御処理は、移動体通信端末100とリーダライタRWとの近接無線通信による勤怠管理動作がおこなわれたことを契機に開始されるものとする。
【0095】
すなわち、移動体通信端末100の使用者が出退勤の際に移動体通信端末100をリーダライタRWに近接させ、移動体通信端末100とリーダライタRWとの間で近接無線通信がおこなわれたことを契機に、図8に示す機能構成が端末管理装置200の制御部210によって実現されるとともに、移動体通信端末100の制御部110によって図9に示す機能構成が実現される。
【0096】
まず、出勤時の移動体通信端末100と端末管理装置200の動作を説明する。出勤時の勤怠管理動作をおこなうと、移動体通信端末100の条件動作判別部111は、リーダライタRWとの通信に基づいて「出勤」にかかる通信であるか否かを判別する(ステップS211)。
【0097】
ここでは、「出勤」にかかる通信がおこなわれたと判別されるので(ステップS211:Yes)、条件動作判別部111は、その旨を機能選択部112に通知する。この場合、機能選択部112と機能切替部113が、上記実施形態1で例示した動作と同様の動作をおこなうことで、移動体通信端末100内での機能切替がおこなわれる。ここでは、勤務先に出勤したことを契機に、ビジネス用途にかかる条件別記憶領域を有効化することで、ビジネス用途の機能に切り替える(ステップS212)。
【0098】
一方、端末管理装置200では、リーダライタRWがおこなった移動体通信端末100との通信に基づいて、勤怠管理制御部211が勤怠情報格納領域231に出退勤記録をおこなうと(ステップS221)、勤怠管理制御部211は、当該移動体通信端末100の識別情報と、「出勤」にかかる勤怠管理動作がおこなわれた旨をアクセス許否決定部212に通知する。
【0099】
アクセス許否決定部212は、勤怠管理制御部211からの通知に基づき、移動体通信端末100が「出勤」にかかる勤怠管理動作をおこなったと判別すると(ステップS222:Yes)、制限情報格納領域233にアクセスし、通知された端末識別情報に対応するアクセス許否を「許可」とすることで、移動体通信端末100による無線LANアクセスを許可する(ステップS223)。
【0100】
ステップS212においてビジネス用途に機能切替された移動体通信端末100では、機能切替部113がその旨をデータ取得部114に通知する。データ取得部114は、機能切替部113からの通知に応じて無線LAN通信部133を制御し、通信装置APへの無線アクセスをおこなう。ここでは、機能データ格納領域161の条件別記憶領域に予め格納されているアクセスポイントの識別情報(例えば、ESSID(Extended Service Set Identifier)など)と同じ識別情報を発信しているアクセスポイントに対し、自己の端末識別情報(例えば、MACアドレス)を通知して無線アクセスをおこなう。本実施形態では、通信装置APについての識別情報が予め移動体通信端末100に登録されているものとする。
【0101】
このような無線アクセスを受けた通信装置APは、端末管理装置200の制限情報格納領域233にアクセスし、無線アクセスしてきた端末のアクセス許否情報を参照する。ここでは、ステップS223において、移動体通信端末100のアクセスが「許可」となっているので、通信装置APは、所定の暗号化動作などをおこなって、移動体通信端末100からの無線LANアクセスを事業体BBのLANにつなげる。
【0102】
このようにして無線LANアクセスが確立すると、移動体通信端末100のデータ取得部114は、端末管理装置200にアクセスし、自己の端末識別情報を通知して、データやアプリケーションのダウンロードを要求する。
【0103】
端末管理装置200では、移動体通信端末100からの要求に応じてデータ管理部213が勤怠情報格納領域231にアクセスし、通知された端末識別情報に対応する従業員識別情報を特定し、当該従業員識別情報に対応する業務データ格納領域232内の記録領域に格納されているデータやアプリケーションを取得する。データ管理部213は、通信部220を制御することで、LANおよび無線LANを介して、取得したデータやアプリケーションを移動体通信端末100に送信する。
【0104】
移動体通信端末100では、端末管理装置200が送信したデータやアプリケーションを無線LAN通信部133が受信して制御部110に入力する。この場合、データ取得部114が、機能データ格納領域161で有効となっている条件別記憶領域に、受信したデータやアプリケーションを格納する。これにより、移動体通信端末100の使用者に割り当てられているデータやアプリケーションが端末管理装置200から移動体通信端末100にダウンロードされる(ステップS213)。
【0105】
すなわち、移動体通信端末100を使って「出勤」にかかる勤怠管理動作をおこなうと、当該移動体通信端末100の無線LANによるアクセスが自動的に許可されるとともに、当該使用者に割り当てられている業務上のデータやアプリケーションが自動的にダウンロードされる。
【0106】
このような動作をおこなうと、移動体通信端末100および端末管理装置200は、処理を終了する。
【0107】
上記処理の終了後は、移動体通信端末100で業務用のデータやアプリケーションを使った作業がおこなわれる。そして、移動体通信端末100の使用者が退勤する際に、再度移動体通信端末100をリーダライタRWに近接させることで、勤怠管理動作がおこなわれ、図10に示す「端末制御処理」が再度実行される。
【0108】
この場合、端末管理装置200の勤怠管理制御部211により、「退勤」にかかる出退勤記録がなされる(ステップS221)。同時に、移動体通信端末100では、条件動作判別部111により、「退勤」にかかる通信がなされたと判別する(ステップS211:No)。
【0109】
条件動作判別部111は、「退勤」である旨をデータ取得部114に通知する。データ取得部114は、条件動作判別部111からの通知に応じて機能データ格納領域161にアクセスし、現在有効となっている条件別記憶領域に格納されているデータやアプリケーションを取得する。そして、無線LAN通信部133を制御することで、端末管理装置200にアクセスし、自己の端末識別情報を通知するとともに、取得したデータやアプリケーションのアップロードを要求する(ステップS214)。
【0110】
端末管理装置200では、移動体通信端末100からのアップロード要求を通信部220が受信して制御部210に入力する。この場合、データ管理部213は、端末識別情報に基づいて従業員識別情報を特定し、当該従業員についての業務データ格納領域232内の記憶領域に、受信したデータやアプリケーションを格納する。このようにして、移動体通信端末100からのアップロードが完了すると、データ管理部213はその旨をアクセス許否決定部212に通知する。
【0111】
アクセス許否決定部212は、データ管理部213からの通知に基づいて、移動体通信端末100からアップロードされたと判別すると(ステップS224:Yes)、制限情報格納領域233にアクセスし、当該移動体通信端末100についてのアクセス許否を「拒否」とし、その旨を通信装置APに通知することで、以後の移動体通信端末100からLANへのアクセスを禁止して(ステップS225)、処理を終了する。
【0112】
一方、移動体通信端末100では、ステップS211での「退勤」である判別が条件動作判別部111から機能選択部112に通知されており、この通知に基づいて、機能選択部112によって切り替える機能が選択されているものとする。通常であれば、この選択に基づいて機能切替部113が機能切替をおこなうが、契機となる動作が「退勤」にかかる勤怠管理動作の場合、機能切替部113は、データ取得部114からアップロード完了の通知があるまで機能切替動作を待機する。
【0113】
そして、データ取得部114は、端末管理装置200へのアップロードが完了すると、その旨を機能切替部113に通知する。この場合、機能切替部113は、アップロードしたデータやアプリケーションが格納されていた機能データ格納領域161の条件別記憶領域から、当該データやアプリケーションを削除した上で、その条件別記憶領域を無効化し、プライベート用途に対応する他の条件別記憶領域を有効化することで、移動体通信端末100内での機能をビジネス用途からプライベート用途に切り替えて(ステップS215)、処理を終了する。
【0114】
このような動作により、移動体通信端末100の使用者が勤務先から退勤すると、移動体通信端末100内にあったビジネス用のデータやアプリケーションが端末管理装置200へ自動的に戻されるとともに、移動体通信端末100内の機能が自動的にプライベート用途へ切り替わる。
【0115】
以上のように、本実施形態によれば、移動体通信端末の位置に基づいて、当該移動体通信端末内で利用可能な機能を切り替えるとともに、その状況において利用するデータやアプリケーションなどを外部装置から取得する。また、位置に基づいた機能切替が再度おこなわれる場合には、取得したデータやアプリケーションを外部装置に戻すとともに移動体通信端末から削除する。これにより、例えば、勤務先での出退勤を移動体通信端末の近接無線通信機能でおこなう場合、使用者が出勤している間のみ、業務用のデータやアプリケーションを移動体通信端末で利用可能とするよう制御することができるので、重要なデータやアプリケーションなどが業務外に使用されることを確実に防止することができる。この場合において、該当するデータやアプリケーションを移動体通信端末から削除するので、情報漏洩を防止することができる。
【0116】
なお、本実施形態では、退勤にかかる勤怠管理動作を契機に、移動体通信端末100にダウンロードした業務データやアプリケーションを、移動体通信端末100から削除することとしたが、削除はせずに端末管理装置200へバックアップするよう動作してもよい。これにより、例えば、機密性の低いデータについては、移動体通信端末100内に残すことで利便性を高めることができるとともに、端末管理装置200などの外部装置に自動的にバックアップすることで、可用性をもたすことができる。
【0117】
また、本実施形態では、データやアプリケーションを端末管理装置200からダウンロードするものとしたが、加入者情報を端末管理装置200からダウンロードするようにしてもよい。この場合、例えば、移動体通信端末100の使用者の勤務先で法人契約によって取得している加入者情報を、勤務中のみ移動体通信端末100で使用可能とさせることができる。これにより、例えば、法人契約によってビジネス用途でのみ利用すべき電話番号がプライベート時に利用されることを確実に防止することができる。さらに、例えば、従業員が個人的に契約することで取得した移動体通信端末であっても、勤務中はビジネス用の電話番号のみが利用可能となるよう制御することができる。つまり、移動体通信端末自体に対する加入者契約上の電話番号は1つであっても、擬似的に複数の電話番号を自局番号として利用することができる。
【0118】
以上説明したように、本発明を上記実施形態の如く適用することで、移動体通信端末などの携帯端末装置における確実な機能切替を容易におこなうことができる。
【0119】
この場合において、移動体通信端末が備える近接無線通信機能を用いることで、設定された条件に相当する位置や状況であるかを識別し、その条件に応じた機能が利用可能となるよう自動的に切り替えるので、例えば、使用者が勤務先にいる場合にはビジネス用の機能への切替を自動的におこない、使用者が勤務先以外にいる場合にはプライベート用への切替を自動的におこなうので、適切な機能切替を確実におこなうことができる。
【0120】
特に、勤務先への出退勤に基づいて機能切替をおこなう場合は、勤務先に導入されている勤怠管理システムに対する近接無線通信に基づいて動作することができるので、移動体通信端末の近接無線通信機能を使った勤怠管理システムを導入している場合には、移動体通信端末の機能切替を容易に実施することができる。
【0121】
また、移動体通信端末に無線LAN機能を備えている場合であれば、機能切替とともに、無線LAN接続の制限を制御することができる。これにより、近接無線通信機能で識別された位置に応じたネットワーク接続を制御することができ、例えば、勤務先での就業時間中のみ社内ネットワークへの接続ができるよう自動的に制御することができる。
【0122】
この場合において、移動体通信端末で利用するデータやアプリケーションを、接続可能なネットワークを介して取得するようにすることで、例えば、出退勤の記録に応じて必要なデータやアプリケーションのみを利用できるよう制御することができる。この場合、例えば、移動体通信端末の使用者が出勤している間のみ、業務に使用するデータやアプリケーションを外部装置から移動体通信端末にダウンロードさせ、退勤時に外部装置にアップロードすることで、機能に応じて必要となるデータやアプリケーションを、その機能が有効となっている間のみ利用可能となるよう制御することができ、例えば、業務用のデータやアプリケーションがプライベート時に使用されることを確実に防止することができるとともに、移動体通信端末内にデータやアプリケーションを残さないようにすることで、情報漏洩を確実に防止することができる。
【0123】
さらに、セルラ通信にかかる加入者情報などを外部装置から取得するようにすることで、着信拒否などの煩雑な設定を使用者がおこなうことなく、複数の電話番号を擬似的に自局番号として利用することができる。
【0124】
このような場合の外部装置(端末管理装置)は、例えば、勤怠管理システムを構成するサーバ装置などによって実現することができるので、勤怠管理システムを導入している場合には、上記のような端末制御を容易に実現することができる。なお、移動体通信端末にデータやアプリケーションを提供する外部装置は、必ずしも、勤怠管理用のサーバによって構成される必要はなく、単体のサーバ装置などによって構成することもできる。この場合、LANなどの通信ネットワークを介して勤怠管理用のサーバと連携するよう動作すればよいので、例えば、汎用のサーバ装置などを利用して容易に実現することができる。
【0125】
また、このような外部装置の制御によって移動体通信端末で利用できるデータやアプリケーションを制限することで、移動体通信端末の使用者が故意に移動体通信端末の設定を変更することなどによる不正な機能切替を防止することができる。
【0126】
上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
【0127】
例えば、上記実施形態では、移動体通信端末の位置を識別するために、近接無線通信機能によるリーダライタとの通信を利用したが、機能切替の条件となる位置の識別に用いる方法はこれに限らず任意である。例えば、移動体通信端末のセルラ通信時におこなわれる位置登録動作に基づくものであってもよい。この場合、例えば、使用者の勤務場所において通信可能な基地局の位置情報などを予め登録しておけば、セルラ通信にかかる位置登録動作時の位置に基づいて、移動体通信端末が所定の勤務先にいるかを識別することができる。また、移動体通信端末がGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)機能を備えているのであれば、GPSによる位置検出に基づいて機能切替をおこなうようにしてもよい。
【0128】
あるいは、上述した近接無線通信機能によっておこなわれた通信を、無線LANによる通信でおこなうものであってもよい。この場合、例えば、所定の無線LANアクセスポイントとの通信圏内となったことで、特定の位置に移動体通信端末があるか識別することができる。この場合、移動体通信端末では、無線LANの通信圏内であるか通信圏外であるかによって機能切替をおこなうことができる他、勤怠管理システムにおいては、通信圏内にいる移動体通信端末をアクセスポイントがシステムに通知することで出退勤の記録をおこなうことができる。このような構成の場合、無線LANが導入されている環境であれば、本発明をより容易に実現することができる。
【0129】
また、上記実施形態では、移動体通信端末の近接無線通信機能を用いて勤怠管理動作をする場合を示したが、この場合において、例えば、パスワード認証やバイオメトリック認証(指紋認証など)などといった移動体通信端末の使用者を認証する動作を組み合わせてもよい。これにより、例えば、紛失や盗難などで、正当な使用者以外の者によって移動体通信端末が使用された場合でも、使用者認証が成功しなければ出退勤記録がなされないようにすることで、業務用のデータやアプリケーションが第三者に不正に使用されることを防止することができる。この場合、例えば、勤怠管理システム側にパスワードの入力装置やバイオメトリック認証装置を備えることで実現可能となる他、移動体通信端末からの無線LANアクセス時に移動体通信端末で認証入力をおこなわせることでも実現することができる。
【0130】
また、上記実施形態では、ビジネス用途の機能に切り替えた場合、プライベート用途の機能は利用できないものとしたが、例えば、タイマ設定を併用することで、一時的に制限を解除するようにしてもよい。この場合、例えば、昼休みなどに相当する時間帯はプライベート用途にかかる機能が有効となるよう条件設定しておくことで、勤務先にいる場合であっても、設定された時間帯に限り、プライベート用の電話番号やアドレス帳を利用可能とさせることができる。
【0131】
また、上記実施形態においては、勤務先に設置されているリーダライタ装置との通信に基づいて機能切替をおこなう例を示したが、通信するリーダライタなどの設置場所などは任意である。例えば、移動体通信端末と非セルラ通信をおこなうことのできる通信装置を一般家庭などに設置してもよく、この場合、家庭に設置されている通信装置との通信によって帰宅や外出などを判別し、これらの状況に応じた機能に切り替えるよう動作してもよい。
【0132】
また、移動体通信端末に登録する条件設定は任意であり、上記実施形態で例示したものに限られない。すなわち、条件設定に応じて種々の機能切替をおこなうことができるので、上述したビジネス用途とプライベート用途との切替に限られず種々の切替動作をおこなうことができる。この場合において、例えば、移動体通信端末の近接無線通信機能を使った電子マネー決済などが利用可能であれば、電子マネー決済動作に基づいて機能切替をおこなうよう動作してもよい。
【0133】
また、上記実施形態2では、移動体通信端末内部の機能切替は移動体通信端末の動作によっておこなうものとしたが、移動体通信端末内部の機能切替を外部装置による制御によっておこなうようにしてもよい。この場合、例えば、移動体通信端末の使用者が故意に設定変更したり、不正な勤怠管理動作をおこなったりして、機能切替が不正に実施されてしまうことを防止することができる。
【0134】
なお、上記実施形態では、本発明にかかる携帯端末装置を移動体通信端末で実現した場合を例示したが、機能切替の条件となる動作ができるものであれば、移動体通信端末に限らず任意の装置に本発明を適用することができる。すなわち、上述した移動体通信端末100が備える非セルラ通信部130に相当する構成を備えたPDA(Personal Digital Assistants:携帯情報端末)やパーソナルコンピュータなどを本発明にかかる携帯端末装置としてもよい。
【0135】
また、上述した移動体通信端末100のように、本発明を実現するための機能を予め備えている携帯端末装置として提供できることはもとより、プログラムの適用によって、これらの機能を備えていない既存の移動体通信端末やその他の携帯端末装置を、本発明にかかる携帯端末装置として機能させることもできる。
【0136】
この場合、既存の移動体通信端末やその他の携帯端末装置に、上述した移動体通信端末100の各機能を実現させたプログラムと同様のプログラムを適用し、当該装置を制御するコンピュータ(CPUなど)がそのプログラムを実行することで、本発明にかかる携帯端末装置として機能させることができる。
【0137】
また、端末管理装置についても、専用装置として提供可能である他、プログラムの適用により、例えば、汎用のコンピュータ装置によって実現することができる。この場合、上述した端末管理装置200の各機能を実現させたプログラムと同様のプログラムを汎用装置に適用し、当該汎用装置を制御するコンピュータ(CPUなど)がそのプログラムを実行することで、上記実施形態で示した端末管理装置として機能させることができる。
【0138】
このようなプログラムの適用方法は任意であり、例えば、インターネットなどの通信媒体を介して提供することで任意の装置に適用できる他、所定の記録媒体(例えば、メモリカード、CD−ROM、DVD、など)にプログラムを格納して配布することでも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の実施形態1にかかる移動体通信端末の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す記憶部を説明するための図であり、(a)は機能データ格納領域を構成する条件別記憶領域の例を示し、(b)は条件設定格納領域に格納される情報の例を示し、(c)は外部装置情報格納領域に格納される情報の例を示す。
【図3】図1に示す制御部によって実現される機能構成を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施形態1にかかる「機能切替処理」を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態2にかかる移動体通信端末の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態2にかかる端末制御システムの構成を示す図である。
【図7】図6に示す端末管理装置の記憶部を説明するための図であり、(a)は、記憶部を構成する記憶領域の例を示し、(b)および(c)は、図7(a)に示す勤怠情報格納領域に格納される情報の例を示し、(d)は、図7(a)に示す制限情報格納領域に格納される情報の例を示す。
【図8】図6に示す端末管理装置の制御部によって実現される機能構成を示す機能ブロック図である。
【図9】図5に示す移動体通信端末の制御部によって実現される機能構成を示す機能ブロック図である。
【図10】本発明の実施形態2にかかる「端末制御処理」を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0140】
1…端末制御システム、100…移動体通信端末、110…制御部、111…条件動作判別部、112…機能選択部、113…機能切替部、114…データ取得部、120…セルラ通信部、122…アンテナ、130…非セルラ通信部、131…非接触IC部、132…アンテナ、133…無線LAN通信部、134…アンテナ、140…インタフェース部、141…操作部、142…表示部、150…音声処理部、151…スピーカ、152…マイクロフォン、160…記憶部、161…機能データ格納領域、162…条件設定格納領域、163…外部装置情報格納領域、164…プログラム格納領域、200…端末管理装置、210…制御部、211…勤怠管理制御部、212…アクセス許否決定部、213…データ管理部、220…通信部、230…記憶部、231…勤怠情報格納領域、232…業務データ格納領域、233…制限情報格納領域、234…プログラム格納領域、RW…リーダライタ、AP…通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能を切り替えて利用可能な携帯端末装置において、
機能切替の条件となる複数の設定情報を格納する条件設定格納手段と、
前記条件に応じて機能毎のデータを格納する複数の条件別記憶領域を含む機能データ格納手段と、
前記携帯端末装置による動作が、前記設定情報に登録されている条件に対応する動作であるか否か判別する動作判別手段と、
前記携帯端末装置による動作が前記条件に対応する動作である場合、前記設定情報に基づいて、利用可能な機能を切り替える機能切替手段と、
を備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
外部装置と通信をおこなう通信手段と、
特定の外部装置についての識別情報を格納する外部装置情報格納手段と、をさらに備え、
前記動作判別手段は、前記通信手段による前記特定の外部装置との通信動作が前記条件に対応する動作であるか否かを判別する、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記機能切替手段は、利用可能な条件別記憶領域を制限することで、前記携帯端末装置で利用可能な機能を切り替える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記外部装置は、前記携帯端末装置で利用可能なデータを格納したデータサーバであり、
前記機能切替手段によって切り替えられた機能が使用するデータを、前記通信手段の通信によって前記データサーバからダウンロードして取得するデータ取得手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記データ取得手段は、前記機能切替手段が、前記データサーバからダウンロードしたデータに対応する機能から他の機能に切り替える場合、前記ダウンロードしたデータを前記データサーバにアップロードする、
ことを特徴とする請求項4に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記データ取得手段は、前記データサーバからダウンロードしたデータを前記機能データ格納手段に格納する、
ことを特徴とする請求項4に記載の携帯端末装置。
【請求項7】
前記データ取得手段は、前記データサーバからダウンロードしたデータを前記データ取得手段に格納し、
前記機能データ格納手段は、前記データ取得手段によって格納されたデータのうち、前記データ取得手段が前記データサーバにアップロードしたデータを削除する、
ことを特徴とする請求項5に記載の携帯端末装置。
【請求項8】
前記携帯端末装置は、移動体通信端末であり、
前記機能データ格納手段は、移動体通信にかかる1または複数の加入者情報を格納する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項9】
複数の機能を切り替えて利用可能な携帯端末装置を制御するコンピュータに、
前記携帯端末装置による動作が、記憶装置に格納されている機能切替の条件となる複数の設定情報が示す条件に対応する動作であるか否か判別する機能と、
前記携帯端末装置による動作が前記条件に対応する動作である場合、前記設定情報に基づいて、利用可能な機能を切り替える機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−88917(P2009−88917A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−255172(P2007−255172)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】