説明

携帯端末装置及びプログラム

【課題】紛失の可能性が高いときに紛失によるリスクを回避するための処理を実行できるようにする。
【解決手段】中央制御部11は、電波強度検出部18、操作部20、振動センサ21を参照し、所定の受信状況が所定時間以上継続していること、かつ、非操作状態が所定時間以上継続していること、更に静止状態が所定時間以上継続していることを条件にセキュリティ処理を実行する。この場合、セキュリティ処理としては、警報を発生する警報処理、すなわち、LED22、サウンドスピーカ23、バイブレータ24のいずれか又はその全てを駆動してアラーム報知を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信網との間で無線通信を行う携帯端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯電話機としての携帯端末装置は、例えば、クレジットカード機能やプリペイドカード機能、公共交通機関の定期券機能、自宅の鍵機能など様々な機能や個人情報である電話帳や写真データなどが集約しており、大変便利である反面、紛失した場合の被害が非常に大きくなる。そのため、携帯電話機を紛失した場合、ユーザは、自己の携帯電話機に対して発信を行い、その鳴動から携帯電話機を探し出すようにしているが、それでも発見できないときには、キャリア(電気通信事業者)のサービスを利用して、紛失した携帯電話機に対して接続制限をかけてもらったり、キー操作を不可能となるようにキーロックをかけてもらったりするようにしている。
【0003】
このようなキャリアサービスを利用することで、他人による不正使用を防ぐことが可能となるが、ユーザが携帯電話機を紛失したことに気付くまでの間は、他人による不正使用を防ぐことはできず、また、キャリヤサービスに制限がある圏外にあっては紛失した携帯電話機を発見することは困難なものとなる。そして、従来では、携帯電話機に発生する振動状態を検出し、振動しない状態が所定時間以上継続した場合に携帯電話機が放置状態にあると判定して、アラーム音を発生したり発光報知を行ったりするようにした技術が知られている(特許文献1参照)。また、同様の技術として、ユーザが携帯端末装置を置き忘れたか否かを判断する際に、端末装置が移動状態であるか静止状態であるかの判定を利用するようにした技術も知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−374572号公報
【特許文献2】特開平5−134904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した各先行技術にあっては、携帯電話機が放置されている状態にあっても紛失している状態であるとは限らず、携帯電話機が放置される毎に警報が頻繁に行われることになる。
【0006】
本発明の課題は、紛失の可能性が高いときに紛失によるリスクを回避するための処理を実行できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために第1の発明の一つの態様は、
移動体通信網との間で無線通信を行う携帯端末装置であって、
前記移動体通信網から電波強度を取得する電波強度取得手段と、
前記電波強度取得手段から取得した電波強度に基づいて所定の受信状況が所定時間以上継続しているか否かを判別する受信状況判別手段と、
操作が行われない非操作状態が所定時間以上継続しているか否かを判別する非操作時間判別手段と、
前記受信状況判別手段により所定の受信状況が所定時間以上継続していることが判別され、かつ、前記非操作時間判別手段により非操作状態が所定時間以上継続していることが判別された場合にセキュリティ処理を実行するセキュリティ処理手段と、
を備えたことを特徴とする携帯端末装置、である。
【0008】
また、この第1の発明の他の態様は、
コンピュータに対して、
移動体通信網から電波強度を取得する機能と、
前記取得した電波強度に基づいて所定の受信状況が所定時間以上継続しているか否かを判別する機能と、
操作が行われない非操作状態が所定時間以上継続しているか否かを判別する機能と、
前記所定の受信状況が所定時間以上継続していることが判別され、かつ、前記非操作状態が所定時間以上継続していることが判別された場合にセキュリティ処理を実行する機能と、
を実現させるためのプログラム、である。
【0009】
上述した課題を解決するために第2の発明の一つの態様は、
移動体通信網との間で無線通信を行う携帯端末装置であって、
前記移動体通信網から電波強度の変動状況を取得する電波強度取得手段と、
前記電波強度取得手段により取得した電波強度の変動状況を統計処理して電波強度の変動傾向を求める第1の統計処理手段と、
当該携帯端末装置の使用状況を取得する使用状況取得手段と、
前記使用状況取得手段により取得した使用状況を統計処理して使用傾向を求める第2の統計処理手段と、
前記第1の統計処理手段により求められた電波強度の変動傾向と前記電波強度取得手段により取得した現在の電波強度の変動状況とを比較すると共に前記第2の統計処理手段により求められた使用傾向と前記使用状況取得手段により取得した現在の使用状況とを比較し、両方の比較結果が特異であることを条件にセキュリティ処理を実行するセキュリティ処理手段と、
を備えたことを特徴とする携帯端末装置、である。
【0010】
また、この第2の発明の他の態様は、
コンピュータに対して、
移動体通信網から電波強度の変動状況を取得する機能と、
前記取得した電波強度を統計処理して電波強度の変動傾向を求める機能と、
当該携帯端末装置の使用状況を取得する機能と、
前記取得した使用状況を統計処理して使用傾向を求める機能と、
前記電波強度の変動傾向と前記取得した電波強度の変動状況とを比較すると共に前記使用傾向と前記取得した使用状況とを比較し、両方の比較結果が特異であることを条件にセキュリティ処理を実行する機能と、
を実現させるためのプログラム、である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、紛失の可能性の判断精度を大幅に向上させることができ、紛失の可能性が高いときに紛失によるリスクを回避するための処理を実行することができ、実用性に富んだものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】携帯端末装置として適用した携帯電話機の通信システム図。
【図2】携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図3】受信状況カウンタCT1、使用状況(非操作時間)カウンタCT2、使用状況(静止時間)カウンタCT3を説明するための図。
【図4】電源投入に応じて実行開始される携帯電話機の特徴的な動作概念を示したフローチャート。
【図5】(1)〜(3)は、第2実施形態を説明するための図。
【図6】第2実施形態において記憶部13内の現在の状況メモリ13a、過去の傾向メモリ13bを説明するための図。
【図7】第2実施形態におけるセキュリティ処理を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
先ず、図1〜図4を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、携帯端末装置として適用した携帯電話機の通信システム図である。
携帯電話機1は、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)などを備え、最寄りの基地局2A、交換機2Bから無線通信網(移動体通信網)2に接続されると、この無線通信網2を介して他の携帯電話機(図示省略)との間で通話可能な状態となったり、電子メールの送受信が可能となったりする。また、携帯電話機1は、無線通信網2を介してインターネット3に接続されると、各種の情報をアクセスして閲覧可能となったり、電子メールの送受信が可能となったりする。なお、携帯電話機1の紛失や盗難時に、その申請を電気通信事業者側(図示省略)に届けると、電気通信事業者側では、申請内容を照合して保護対象の携帯電話機1に接続制限やキーロックをかけるようにしている。
【0014】
図2は、携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図である。
中央制御部11は、二次電池を備えた電池部12からの電力供給によって動作し、記憶部13内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機の全体動作を制御する中央演算処理装置やメモリ(図示省略)などを有している。この記憶部13には、図4に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているほか、それに必要とする情報などが記憶されている。なお、記憶部13は、例えば、SDカード、ICカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよく、図示しない所定の外部サーバ上にあってもよい。
【0015】
無線通信部14は、無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能などの動作時に、最寄りの基地局との間でデータの送受信を行う。すなわち、電話の着呼や発呼、音声通話、インターネット上からコンテンツのダウンロード、電子メールの送受信などを実行可能となっている。この音声通話中において中央制御部11は、音声信号処理部15を介して通話用スピーカ16から音声出力させ、また、通話用マイク17からの入力音声データを音声信号処理部15から取り込む。
【0016】
電波強度検出部18は、無線通信部14で受信した電波の強度を検出するもので、中央制御部11は、所定の受信状況が所定時間(例えば、60分間)以上継続しているか否かを定期的に判別するようにしている。この場合、中央制御部11は、所定の受信状況として、電波強度検出部18により検出された電波強度を取得して、通信不可能な圏外が所定時間以上継続しているか否かを定期的に判別したり、電波強度の変動無しの状態が所定時間以上継続しているか否かを定期的に判別したりするようにしている。ここで、所定時間は、60分間に限らず、ユーザ操作により任意に変更可能となっている。また、通信不可能な圏外とは、通信不可能な状態のほか、通信が不安定な状態も含む。また、電波強度の変動無し状態とは、ユーザ移動に伴って変動する電波強度がほとんど変化しない状態をいう。
【0017】
表示部19は、高精細液晶や有機ELを使用し、例えば、文字情報、待受画像などを表示する。操作部20は、押しボタンやタッチキーなどを有し、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを入力するもので、中央制御部11は、この操作部20からの入力操作信号に応じた処理を実行するほか、操作が行われない非操作状態が所定時間(例えば、60分)以上継続しているか否かを定期的に判別するようにしている。ここで、所定時間は、60分間に限らず、ユーザ操作により任意に変更可能となっている。振動センサ21は、例えば、加速度センサにより構成され、携帯電話機1に加わる加速度(振動)の大きさを検出するもので、中央制御部11は、振動センサ21の検出結果に基づいて携帯電話機1の静止状態が所定時間以上継続しているか否かを定期的に判別するようにしている。ここで、所定時間は、60分間に限らず、ユーザ操作により任意に変更可能となっている。
【0018】
中央制御部11は、上述のように所定の受信状況が所定時間以上継続していること、かつ、非操作状態が所定時間以上継続していること、更に静止状態が所定時間以上継続していることを条件にセキュリティ処理を実行するようにしている。すなわち、この3つの条件が成立した場合に、携帯電話機1の紛失の可能性が高いと判断し、その旨を警報するためにLED(発光ダイオード)22、サウンドスピーカ23、バイブレータ24のいずれか又はその全てを駆動してアラーム報知を行うセキュリティ処理を実行するようにしている。
【0019】
図3は、受信状況カウンタCT1、使用状況(非操作時間)カウンタCT2、使用状況(静止時間)カウンタCT3を説明するための図である。
これら受信状況カウンタCT1、使用状況(非操作時間)カウンタCT2、使用状況(静止時間)カウンタCT3は、ソフト的に時間を計測するソフトカウンタで、中央制御部11内に備えられている。受信状況カウンタCT1は、通信不可能な圏外が継続している時間を計測したり、電波強度の変動無しの状態が継続している時間を計測したりするためのカウンタである。ここで、通信不可能な圏外が所定時間以上継続していることをセキュリティ処理の実行条件とするのか、電波強度の変動無しが所定時間以上継続していることをセキュリティ処理の実行条件とするのかは、ユーザ操作により任意に選択可能となっており、図中、選択フラグFの値が“1”のときには、圏外継続時間を計測すべきことを示し、“0”のときには、変動無し継続時間を計測すべきことを示している。このように圏外の状態が継続して長く続くこと、又は電波強度が継続して変動していない状態が長く続くということを紛失判断の基準の一つとしている。
【0020】
使用状況(非操作時間)カウンタCT2は、非操作状態が継続している時間を計測するためのカウンタであり、非操作状態が所定時間以上継続していることをセキュリティ処理の一つの実行条件としている。使用状況(非操作時間)カウンタCT1は、携帯電話機1の静止状態が継続している時間を計測するためのカウンタであり、携帯電話機1の静止状態が所定時間以上継続していることをセキュリティ処理の一つの実行条件としている。つまり、非操作状態及び静止状態は、携帯電話機1の使用状況を示す情報で、非操作の状態が継続して長く続くことを紛失判断の基準の一つとし、更に、静止状態が継続して長く続くことを紛失判断の基準の一つとしている。
【0021】
次に、第1実施形態における携帯電話機の特徴的な動作概念を図4に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、このフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。
図4は、電源投入に応じて実行開始される携帯電話機の特徴的な動作概念を示したフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、各種のメモリをクリアするなどの初期化処理(ステップS1)を行った後、受信状況カウンタCT1の計数値をリセットしてその計測動作をスタートさせる(ステップS2)。このように受信状況カウンタCT1の計測動作をスタートさせた場合に、選択フラグFの値が“0”のときには圏外継続時間の計測動作が開始され、“1”のときには変動無し継続時間の計測動作が開始されることになる。
【0022】
同様に使用状況(非操作時間)カウンタCT2をリセットスタート(ステップS3)させると共に、使用状況(静止時間)カウンタCT3をリセットスタート(ステップS4)させる。この状態において、着信有りを検出すると(ステップS5でYES)、通話可能な着信処理(ステップS6)を行った後、次のステップS7に移り、操作部20上で何らかの操作が行われたかの操作有無を調べる。いま、操作部20上で何らかの操作が行われたときには(ステップS5でYES)、使用状況(非操作時間)カウンタCT2をリセットスタート(ステップS8)させた後、その操作に応じた処理(ステップS9)を行う。この場合、発信処理、メール作成処理、上述の所定時間の設定処理、選択フラグFの設定処理などを行うが、操作部20上での操作が行われなければ(ステップS7でNO)、上述のステップS8、S9をスキップすることにより、使用状況(非操作時間)カウンタCT2の計測動作をそのまま継続させる。
【0023】
そして、次のステップS10に移り、振動検出タイミング(例えば、1秒間隔)に達したかを調べる。ここで、振動検出タイミングに達したときには(ステップS10でYES)、振動センサ21からの検出結果に基づいて携帯電話機1の動き状態が所定レベル以上の動きであるか、ほぼ静止している静止状態であるかを調べる(ステップS11)。ここで、携帯電話機1の移動中などの振動レベルで有れば、つまり、動きが有れば(ステップS11でYES)、使用状況(静止時間)カウンタCT3をリセットスタート(ステップS12)させた後、次のステップS13に移るが、携帯電話機1の動き状態が所定レベル未満で静止状態、つまり、動きがなければ(ステップS11でNO)、上述のステップS12をスキップすることにより、使用状況(静止時間)カウンタCT3の計測動作をそのまま継続させる。
【0024】
そして、次のステップS13に移り、受信強度検出タイミング(例えば、5秒間隔)に達したかを調べる。ここで、受信強度検出タイミングに達したときには(ステップS13でYES)、電波強度検出部18から電波強度を取得する(ステップS14)と共に、選択フラグFを参照してその値は、“1”であるかを調べる(ステップS15)。いま、選択フラグFの値が“1”のときには(ステップS15でYES)、圏外継続時間を計測すべきことを示しているので、電波強度が所定レベル未満で圏外であるか否かを調べる(ステップS16)。ここで、圏外であると判断したときには(ステップS16でYES)、受信状況カウンタCT1をリセットスタートさせるが(ステップS18)、受信状況が良好で圏内であると判断したときには(ステップS16でNO)、上述のステップS18をスキップすることにより、受信状況カウンタCT1の計測動作をそのまま継続させる。
【0025】
また、選択フラグFの値が“0”のときには(ステップS15でNO)、変動無し継続時間を計測すべきことを示しているので、電波強度の前回の検出と今回の検出値とを比較してその変動量は所定値以上であるか否かに基づいて変動有りか否かを調べる(ステップS17)。ここで、変動有りと判断したときには(ステップS17でYES)、受信状況カウンタCT1をリセットスタートさせるが(ステップS18)、変動無しであると判断したときには(ステップS17でNO)、上述のステップS18をスキップすることにより、受信状況カウンタCT1の計測動作をそのまま継続させる。
【0026】
そして、受信状況カウンタCT1によって計測された圏外継続時間/変動無し継続時間が所定時間以上かを調べたり(ステップS19)、使用状況(非操作時間)カウンタCT2によって計測された非操作継続時間が所定時間以上かを調べたり(ステップS20)、使用状況(静止時間)カウンタCT3によって計測された静止継続時間が所定時間以上かを調べたりする(ステップS21)。ここで、3種類のいずれかの継続時間が所定時間未満であると判断されたときには(ステップS19〜S21のいずれかでNO)、上述のステップS5に戻るが、3種類の継続時間が全て所定時間以上であれば(ステップS19〜S21でYES)、セキュリティ処理として警報を発生する警報処理を行う(ステップS22)。この場合、LED(発光ダイオード)22、サウンドスピーカ23、バイブレータ24のいずれか又はその全てを駆動してアラーム報知を行う。
【0027】
以上のように、第1実施形態において中央制御部11は、所定の受信状況が所定時間以上継続していること、かつ、非操作状態が所定時間以上継続していること、更に静止状態が所定時間以上継続していることを条件にセキュリティ処理を実行するようにしたので、紛失の可能性の判断精度を大幅に向上させることができ、紛失の可能性が高いときに紛失によるリスクを回避するための処理を実行することができ、実用性に富んだものとなる。
【0028】
この場合、中央制御部11は、圏外が所定時間以上継続していることをセキュリティ処理の実行条件の一つとしたから、キャリヤサービスが制限される圏外であっても紛失した携帯電話機1の発見などに対して効果的なものとなる。また、中央制御部11は、電波強度の変動無しの状態が所定時間以上継続していることをセキュリティ処理の実行条件の一つとしたから、電波強度が継続して変動していない状態が長く続くということは携帯電話機1が移動していない状態(一箇所に留まっている状態)であると判断して、紛失の可能性が高いとすることができる。更に、非操作状態が継続して長く続くということ、静止状態が継続して長く続くことをそれぞれセキュリティ処理の実行条件の一つとしたから、携帯電話機1が使われていない状態であると判断して、紛失の可能性が高いとすることができる。
【0029】
なお、上述した第1実施形態においては、非操作状態が継続して長く続くということ及び静止状態が継続して長く続くことをそれぞれセキュリティ処理の実行条件としたが、静止状態が継続して長く続くことをその実行条件から外してもよく、また、ユーザ操作により実行条件として任意に追加可能としてもよい。
【0030】
(実施形態2)
以下、この発明の第2実施形態について図5及び図6を参照して説明する。
この第2実施形態は、電波強度の変動状況を統計処理して電波強度の変動傾向を求めると共に、使用状況を統計処理して使用傾向を求めた状態において、現在の電波強度の変動状況、使用状況が上述の変動傾向、使用傾向から逸脱する特異なものであることを条件に、セキュリティ処理を実行するようにしたものである。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0031】
図5は、統計処理された電波強度の変動傾向と使用傾向とを組み合わせた組み合わせ傾向を時間の遷移と共に示したグラフである。
図5(1)は、過去(平日)における組み合わせ傾向を示したグラフである。また、図5(2)は、過去(休日)における組み合わせ傾向を示したグラフである。なお、各グラフの縦軸は、電波強度の変動傾向と使用傾向とを組み合わせた組み合わせ傾向を示し、また、横軸は時間を示している。なお、電波強度の変動傾向と使用傾向とを組み合わせる仕方は、それらの平均値を求めるなど任意である。
【0032】
中央制御部11は、電波強度検出部18により検出された電波強度を取得して電波強度の変動状況を求めて統計処理し、その処理結果を電波強度の変動傾向として求める。また、操作部20上で継続して何らの操作も行われない非操作継続時間を使用状況として求めると共に、振動センサ21で携帯電話機1の動きが継続して検出されない静止継続時間を使用状況として求める。そして、これらの使用状況を統計処理し、その処理結果を使用傾向として求める。なお、この場合の統計処理の仕方は任意である。そして、統計処理した電波強度の変動傾向及び使用傾向とを組み合わせた組み合わせ傾向を求める。この場合、携帯電話機1の使用の仕方やユーザの行動は平日か休日かに応じて異なるのが一般的であるため、図5(1)、(2)に示すように平日と休日に分けるようにしている。
【0033】
図5(3)は、現在(例えば、今日)の電波強度の変動状況と非操作継続時間及び静止継続時間の使用状況とを組み合わせた傾向を時間の遷移と共に示したグラフである。そして、このグラフの縦軸は、現在の電波強度の変動状況と使用状況とを組み合わせた組み合わせ状況を示し、また、横軸は時間を示している。なお、現在とは、日単位であってもよいが、例えば、3時間後毎のように時間帯単位であってもよい。また、現在の電波強度の変動状況と使用状況との組み合わせの仕方は、それらの平均値を求めるなど任意である。図5(3)において、○を付した部分は、特異点を示している。
【0034】
すなわち、図5(1)、(2)に示した「過去の電波強度の変動傾向と使用傾向との組み合わせ傾向」と図5(3)に示した「現在の電波強度の変動状況と使用状況との組み合わせ状況」とを比較した結果、両方の比較結果が特異である特異点となり、「現在の電波強度の変動状況と使用状況との組み合わせ状況」が「過去の電波強度の変動傾向と使用傾向との組み合わせ傾向」から大きく逸脱している場合に、その逸脱している部分が特異点となる。このように特異点を検出したことを条件に、セキュリティ処理として警報を発生する警報処理を行う。この場合、上述した第1実施形態と同様に、LED22、サウンドスピーカ23、バイブレータ24のいずれか又はその全てを駆動してアラーム報知を行うようにしている。
【0035】
図6は、記憶部13内の現在の状況メモリ13a、過去の傾向メモリ13bを説明するための図である。
現在の状況メモリ13aは、現在の電波強度の変動状況と使用状況との組み合わせ状況を記憶するメモリであり、過去の傾向メモリ13bは、過去の電波強度の変動傾向と使用傾向との組み合わせ傾向を記憶するメモリで、中央制御部11は、過去の傾向メモリ13bの内容を現在の状況メモリ13aの内容に応じて更新する処理(統計処理)を行う。
【0036】
図7は、第2実施形態におけるセキュリティ処理を示したフローチャートであり、この図5のフローから抜けた際には、全体動作のメインフロー(図示省略)に戻る。
中央制御部11は、上述の日単位や時間帯単位毎に定期的に発生される割込みイベントに応じてセキュリティ処理を実行開始するが、この割込みイベントの発生前においても、電波強度検出部18により検出された電波強度を取得して現在の電波強度の変動状況として求めると共に、操作部20上で継続して何らの操作も行われない非操作継続時間及び振動センサ21で携帯電話機1の動きが継続して検出されない静止継続時間を現在の使用状況として求め、更に、現在の電波強度の変動状況と使用状況との組み合わせ状況を求めて、現在の状況メモリ13aに記憶させる処理を実行しているものとする。この場合、現在における電波強度の変動状況及び使用状況は、前回の割込みイベントの発生から今回の割込みイベントの発生までの間に求められたものである。
【0037】
先ず、中央制御部11は、現在の状況メモリ13aから「現在の電波強度の変動状況と使用状況との組み合わせ状況」を読み出し(ステップS31)、過去の傾向メモリ13bの内容に反映させる処理、つまり、過去の傾向メモリ13bの内容を現在の状況メモリ13aの内容に応じて更新する処理(統計処理)を行う(ステップS32)。これによって更新された「過去の電波強度の変動傾向と使用傾向との組み合わせ傾向」を読み出し(ステップS33)、「現在の電波強度の変動状況と使用状況との組み合わせ状況」と「過去の電波強度の変動傾向と使用傾向との組み合わせ傾向」とを比較する(ステップS34)。
【0038】
その結果、特異点があるか、つまり、「現在の電波強度の変動状況と使用状況との組み合わせ状況」が「過去の電波強度の変動傾向と使用傾向との組み合わせ傾向」から大きく逸脱している部分(特異点)の有無を調べ(ステップS35)、特異点が無ければ(ステップS35でNO)、図7のフローから抜けるが、特異点が有れば(ステップS35でYES)、セキュリティ処理として警報を発生する警報処理を行う(ステップS36)。
【0039】
以上のように、第2実施形態において中央制御部11は、電波強度の変動状況を統計処理して電波強度の変動傾向を求めると共に、使用状況を統計処理して使用傾向を求め、現在の電波強度の変動状況、使用状況が上述の変動傾向、使用傾向から逸脱する特異なものであることを条件に、セキュリティ処理を実行するようにしたので、統計処理の結果を基準として、紛失の可能性を判断することができ、更に、紛失の可能性の判断精度を向上させることが可能となる。
【0040】
この場合、中央制御部11は、非操作状態が継続して長く続くということ、静止状態が継続して長く続くことをそれぞれセキュリティ処理の実行条件の一つとしたから、携帯電話機1が使われていない状態であると判断して、紛失の可能性が高いとすることができる。
【0041】
上述した第1及び第2実施形態においては、セキュリティ処理として警報を発生する警報処理、すなわち、LED22、サウンドスピーカ23、バイブレータ24のいずれか又はその全てを駆動してアラーム報知を行うようにしたが、警報処理に限らず、機能の使用を制限するロック処理、記憶データを消去するデータ消去処理、所定の相手先に対して発信通知を行う通知処理をセキュリティ処理として実行するようにしてもよい。この場合、
警報処理、ロック処理、データ消去処理、通知処理のいずれかを組み合わせて行うようにしてもよく、また、どのようなセキュリティ処理を実行するかをユーザ操作により任意に設定可能としてもよい。
【0042】
上述した第1及び第2実施形態においては、携帯端末装置として携帯電話機に適用した場合を示したが、デジタルカメラ(コンパクトカメラ)、PDA、音楽プレイヤーなどであってもよい。
【0043】
その他、上述した第1及び第2実施形態において示した“装置”や“部”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【0044】
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0045】
(付記1)
移動体通信網との間で無線通信を行う携帯端末装置であって、
前記移動体通信網から電波強度を取得する電波強度取得手段と、
前記電波強度取得手段から取得した電波強度に基づいて所定の受信状況が所定時間以上継続しているか否かを判別する受信状況判別手段と、
操作が行われない非操作状態が所定時間以上継続しているか否かを判別する非操作時間判別手段と、
前記受信状況判別手段により所定の受信状況が所定時間以上継続していることが判別され、かつ、前記非操作時間判別手段により非操作状態が所定時間以上継続していることが判別された場合にセキュリティ処理を実行するセキュリティ処理手段と、
を備えたことを特徴とする携帯端末装置。
付記1によれば、所定の受信状況が所定時間以上継続していること、かつ、非操作状態が所定時間以上継続していることを条件にセキュリティ処理を実行するようにしたので、
紛失の可能性の判断精度を大幅に向上させることができ、紛失の可能性が高いときに紛失によるリスクを回避するための処理を実行することができる。
【0046】
(付記2)
前記受信状況判別手段は、前記電波強度取得手段から取得した電波強度に基づいて通信不可能な圏外が所定時間以上継続しているか否かを判別する、
ようにしたことを特徴とする付記1記載の携帯端末装置。
付記2によれば、所定の受信状況として圏外が所定時間以上継続していることをセキュリティ処理の実行条件の一つとしたから、キャリヤサービスが制限される圏外であっても紛失した携帯端末装置の発見などに対して効果的なものとなる。
【0047】
(付記3)
前記受信状況判別手段は、前記電波強度取得手段から取得した電波強度に基づいてその変動無しの状態が所定時間以上継続しているか否かを判別する、
ようにしたことを特徴とする付記1記載の携帯端末装置。
付記3によれば、電波強度の変動無しの状態が所定時間以上継続していることをセキュリティ処理の実行条件の一つとしたから、電波強度が継続して変動していない状態が長く続くということは携帯端末装置が移動していない状態(一箇所に留まっている状態)であると判断して、紛失の可能性が高いとすることができる。
【0048】
(付記4)
当該携帯端末装置に加わる振動状態を測定する振動測定手段と、
前記振動測定手段に基づいて当該携帯端末装置の静止状態が所定時間以上継続しているか否かを判別する静止状態判別手段と、
を更に備え、
前記セキュリティ処理手段は、前記圏外判別手段により所定の受信状況が所定時間以上継続していることが判別され、かつ、前記非操作時間判別手段により非操作状態が所定時間以上継続していることが判別され、更に、前記静止状態判別手段により当該携帯端末装置の静止状態が所定時間以上継続していることが判別された場合に、セキュリティ処理を実行する、
ようにしたことを特徴とする付記1〜3のいずれかに記載の携帯端末装置。
付記4によれば、静止状態が継続して長く続くことをそれぞれセキュリティ処理の実行条件の一つとしたから、携帯端末装置が使われていない状態であると判断して、紛失の可能性が高いとすることができる。
【0049】
(付記5)
移動体通信網との間で無線通信を行う携帯端末装置であって、
前記移動体通信網から電波強度の変動状況を取得する電波強度取得手段と、
前記電波強度取得手段により取得した電波強度の変動状況を統計処理して電波強度の変動傾向を求める第1の統計処理手段と、
当該携帯端末装置の使用状況を取得する使用状況取得手段と、
前記使用状況取得手段により取得した使用状況を統計処理して使用傾向を求める第2の統計処理手段と、
前記第1の統計処理手段により求められた電波強度の変動傾向と前記電波強度取得手段により取得した現在の電波強度の変動状況とを比較すると共に前記第2の統計処理手段により求められた使用傾向と前記使用状況取得手段により取得した現在の使用状況とを比較し、両方の比較結果が特異であることを条件にセキュリティ処理を実行するセキュリティ処理手段と、
を備えたことを特徴とする携帯端末装置。
付記5によれば、電波強度の変動状況を統計処理して電波強度の変動傾向を求めると共に、使用状況を統計処理して使用傾向を求め、現在の電波強度の変動状況、使用状況が上述の変動傾向、使用傾向から逸脱する特異なものであることを条件に、セキュリティ処理を実行するようにしたので、統計処理の結果を基準として、紛失の可能性を判断することができ、更に、紛失の可能性の判断精度を向上させることが可能となる。
【0050】
(付記6)
前記使用状況取得手段は、操作が行われない非操作状態が所定時間以上継続している非操作継続時間を使用状況として取得する、
ようにしたことを特徴とする付記5記載の携帯端末装置。
付記6によれば、非操作状態が継続して長く続くということをセキュリティ処理の実行条件の一つとしたから、携帯端末装置が使われていない状態であると判断して、紛失の可能性が高いとすることができる。
【0051】
(付記7)
当該携帯端末装置に加わる振動状態を測定する振動測定手段を更に備え、
前記使用状況取得手段は、前記振動測定手段に基づいて当該携帯端末装置の静止状態が所定時間以上継続している静止継続時間を使用状況として取得する、
ようにしたことを特徴とする付記5記載の携帯端末装置。
付記7によれば、静止状態が継続して長く続くことをセキュリティ処理の実行条件の一つとしたから、携帯端末装置が使われていない状態であると判断して、紛失の可能性が高いとすることができる。
【0052】
(付記8)
前記セキュリティ処理手段は、警報を発生する警報処理、機能の使用を制限するロック処理、記憶データを消去するデータ消去処理、所定の相手先に対して発信通知を行う通知処理のうち、少なくともいずれかの処理をセキュリティ処理として実行する、
ようにしたことを特徴とする付記1〜付記7のいずれかに記載の携帯端末装置。
付記8によれば、紛失に対応して効果的なセキュリティ処理を実行することができる。
【0053】
(付記9)
コンピュータに対して、
移動体通信網から電波強度を取得する機能と、
前記取得した電波強度に基づいて所定の受信状況が所定時間以上継続しているか否かを判別する機能と、
操作が行われない非操作状態が所定時間以上継続しているか否かを判別する機能と、
前記所定の受信状況が所定時間以上継続していることが判別され、かつ、前記非操作状態が所定時間以上継続していることが判別された場合にセキュリティ処理を実行する機能と、
を実現させるためのプログラム。
付記9によれば、付記1と同様の効果を有するほか、付記1の機能をソフトウェア(プログラム)の形で提供することができる。
【0054】
(付記10)
コンピュータに対して、
移動体通信網から電波強度の変動状況を取得する機能と、
前記取得した電波強度を統計処理して電波強度の変動傾向を求める機能と、
当該携帯端末装置の使用状況を取得する機能と、
前記取得した使用状況を統計処理して使用傾向を求める機能と、
前記電波強度の変動傾向と前記取得した電波強度の変動状況とを比較すると共に前記使用傾向と前記取得した使用状況とを比較し、両方の比較結果が特異であることを条件にセキュリティ処理を実行する機能と、
を実現させるためのプログラム。
付記10によれば、上述した付記5と同様の効果を有するほか、付記5の機能をソフトウェア(プログラム)の形で提供することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 携帯電話機
2 無線通信網(移動体通信網)
11 中央制御部
13 記憶部
14 無線通信部
18 電波強度検出部
20 操作部
21 振動センサ
22 LED
23 サウンドスピーカ
24 バイブレータ
CT1 受信状況カウンタ
CT2 使用状況(非操作時間)カウンタ
CT3 使用状況(静止時間)カウンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体通信網との間で無線通信を行う携帯端末装置であって、
前記移動体通信網から電波強度を取得する電波強度取得手段と、
前記電波強度取得手段から取得した電波強度に基づいて所定の受信状況が所定時間以上継続しているか否かを判別する受信状況判別手段と、
操作が行われない非操作状態が所定時間以上継続しているか否かを判別する非操作時間判別手段と、
前記受信状況判別手段により所定の受信状況が所定時間以上継続していることが判別され、かつ、前記非操作時間判別手段により非操作状態が所定時間以上継続していることが判別された場合にセキュリティ処理を実行するセキュリティ処理手段と、
を備えたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記受信状況判別手段は、前記電波強度取得手段から取得した電波強度に基づいて通信不可能な圏外が所定時間以上継続しているか否かを判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記受信状況判別手段は、前記電波強度取得手段から取得した電波強度に基づいてその変動無しの状態が所定時間以上継続しているか否かを判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項4】
当該携帯端末装置に加わる振動状態を測定する振動測定手段と、
前記振動測定手段に基づいて当該携帯端末装置の静止状態が所定時間以上継続しているか否かを判別する静止状態判別手段と、
を更に備え、
前記セキュリティ処理手段は、前記圏外判別手段により所定の受信状況が所定時間以上継続していることが判別され、かつ、前記非操作時間判別手段により非操作状態が所定時間以上継続していることが判別され、更に、前記静止状態判別手段により当該携帯端末装置の静止状態が所定時間以上継続していることが判別された場合に、セキュリティ処理を実行する、
ようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の携帯端末装置。
【請求項5】
移動体通信網との間で無線通信を行う携帯端末装置であって、
前記移動体通信網から電波強度の変動状況を取得する電波強度取得手段と、
前記電波強度取得手段により取得した電波強度の変動状況を統計処理して電波強度の変動傾向を求める第1の統計処理手段と、
当該携帯端末装置の使用状況を取得する使用状況取得手段と、
前記使用状況取得手段により取得した使用状況を統計処理して使用傾向を求める第2の統計処理手段と、
前記第1の統計処理手段により求められた電波強度の変動傾向と前記電波強度取得手段により取得した現在の電波強度の変動状況とを比較すると共に前記第2の統計処理手段により求められた使用傾向と前記使用状況取得手段により取得した現在の使用状況とを比較し、両方の比較結果が特異であることを条件にセキュリティ処理を実行するセキュリティ処理手段と、
を備えたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項6】
前記使用状況取得手段は、操作が行われない非操作状態が所定時間以上継続している非操作継続時間を使用状況として取得する、
ようにしたことを特徴とする請求項5記載の携帯端末装置。
【請求項7】
当該携帯端末装置に加わる振動状態を測定する振動測定手段を更に備え、
前記使用状況取得手段は、前記振動測定手段に基づいて当該携帯端末装置の静止状態が所定時間以上継続している静止継続時間を使用状況として取得する、
ようにしたことを特徴とする請求項5記載の携帯端末装置。
【請求項8】
前記セキュリティ処理手段は、警報を発生する警報処理、機能の使用を制限するロック処理、記憶データを消去するデータ消去処理、所定の相手先に対して発信通知を行う通知処理のうち、少なくともいずれかの処理をセキュリティ処理として実行する、
ようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の携帯端末装置。
【請求項9】
コンピュータに対して、
移動体通信網から電波強度を取得する機能と、
前記取得した電波強度に基づいて所定の受信状況が所定時間以上継続しているか否かを判別する機能と、
操作が行われない非操作状態が所定時間以上継続しているか否かを判別する機能と、
前記所定の受信状況が所定時間以上継続していることが判別され、かつ、前記非操作状態が所定時間以上継続していることが判別された場合にセキュリティ処理を実行する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項10】
コンピュータに対して、
移動体通信網から電波強度の変動状況を取得する機能と、
前記取得した電波強度を統計処理して電波強度の変動傾向を求める機能と、
当該携帯端末装置の使用状況を取得する機能と、
前記取得した使用状況を統計処理して使用傾向を求める機能と、
前記電波強度の変動傾向と前記取得した電波強度の変動状況とを比較すると共に前記使用傾向と前記取得した使用状況とを比較し、両方の比較結果が特異であることを条件にセキュリティ処理を実行する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−114562(P2012−114562A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260048(P2010−260048)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】