説明

携帯端末装置

【課題】表示部よりも大きな領域を有する仮想画面を閲覧する携帯端末装置において、表示部に表示される仮想画面の表示領域の変更に関する操作性向上を図る。
【解決手段】2つの筐体2,3と、筐体3に設けられ、各種情報を表示する表示部11と、各種情報を含む仮想画面を記憶したメモリ部と、筐体2に設けられた操作部6と、表示部11に仮想画面の少なくとも一部を表示させると共に、操作部6の操作により表示部11への仮想画面の表示を変更する制御部とを備え、操作部6が、表示部11に表示する仮想画面の表示領域を順次スクロールさせるスクロール操作部7を備え、該スクロール操作部を継続して押圧する場合は、前記仮想画面の表示領域が連続的に移動するようにスクロールすることを特徴とする携帯端末装置1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像等の各種情報を表示する表示部および操作部を備えた携帯端末装置に関し、特に、各種情報を含み、表示部よりも大きな領域を有する仮想画面を閲覧する携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)等の携行可能な携帯端末装置には、文章、画像等の各種情報を表示するための表示部が設けられているが、この表示部の大きさは、パーソナルコンピュータのモニターと比較して小さいため、文章、画像等のデータを有する仮想画面を一括して表示部に表示できない場合が多々ある。従来、このような携帯端末装置には、表示部に表示させる仮想画面の表示領域を変更する指示入力部を備えたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
指示入力部は、複数の押圧可能なスクロールキーからなり、携帯端末装置のユーザがスクロールキーを押圧することにより、表示部に表示させる仮想画面の表示領域が所定の方向に移動するようになっている。また、このスクロールキーの押圧方法によって表示部に表示する仮想画面の表示領域の変更方法が変わるようになっている。
【特許文献1】特開2001−42853号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の携帯端末装置においては、表示部に表示される仮想画面の表示領域の変更がスクロールキーの押圧方法により異なるため、操作ミスが発生する場合があり、スクロールキーの操作性が悪いという問題があった。
【0005】
また、操作ミスが発生した場合には、表示部に表示される仮想画面の表示領域の位置を見失うことになるため、仮想画面の全体構成や内容の把握に時間を要するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯端末装置は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、
請求項1に係る発明は、少なくとも1つの筐体と、該筐体に設けられ、文字、記号、画像等の各種情報を表示する表示部と、前記各種情報を含む仮想画面を記憶したメモリ部と、前記筐体に設けられた操作部と、前記表示部に前記仮想画面の少なくとも一部を表示させると共に、前記操作部への入力に基づいて前記表示部への仮想画面の表示を変更する制御部とを備え、前記操作部が、前記表示部に表示する前記仮想画面の表示領域を順次スクロールさせるスクロール操作部を備え、該スクロール操作部を継続して押圧する場合は、前記仮想画面の表示領域が連続的に移動するようにスクロールすることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る携帯端末装置によれば、表示部よりも大きな仮想画面に含まれる各種情報を表示部において閲覧する際には、仮想画面の一部を表示部に表示させ、操作部を操作して表示部への仮想画面の表示を変更する。
【0008】
ここで、スクロール操作部を操作した場合には、表示部に表示される仮想画面の表示領域がスクロールして少しずつ移動するため、仮想画面に含まれる各種情報の内容を詳細に把握することができる。
【0009】
また、スクロール操作部を継続して押圧する操作を行った場合には、表示部に表示される仮想画面の表示領域が連続的に移動するようにスクロールするため、仮想画面の表示領域を速く移動でき、仮想画面に含まれる各種情報を迅速に把握することができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の携帯端末装置において、前記スクロール操作部を複数の押圧可能な方向キーから構成したことを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の携帯端末装置において、前記方向キーの所定方向のキーを継続して押圧する場合は、前記仮想画面の表示領域が連続的に前記所定方向に移動するようにスクロールすることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の携帯端末装置において、前記操作部は、前記表示部に表示する前記仮想画面の表示領域を別の表示領域に切り替える画面切替操作部を備え、前記スクロール操作部と該画面切替操作部とが別個に設けられていることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る携帯端末装置によれば、画面切換操作部を操作した場合には、表示部に表示される仮想画面の表示領域が別の表示領域に切り換えられるため、スクロール操作部による表示領域の移動よりも速く移動でき、仮想画面に含まれる各種情報の構成全体を迅速に把握することができる。
【0014】
そして、表示部に表示させる仮想画面の表示変更を行う2種類の操作が、スクロール操作部と画面切換操作部とに分けて設けられているため、表示部に表示される仮想画面の表示変更の操作を行う際に、操作ミスが発生することを防止できる。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の携帯端末装置において、前記画面切換操作部を、数字、文字、特殊記号を入力するための複数の押圧可能な記号キーを備えるテンキー部により構成し、複数の前記記号キーを上下方向および左右方向に配列し、前記記号キーを押圧した際に、前記仮想画面の表示領域が、前記記号キーの配列方向にあわせて前記表示領域の上下左右の各方向に隣接して位置する別の表示領域に切り換えられることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る携帯端末装置によれば、表示部に表示させる仮想画面の表示領域を変更する操作部として、一般の携帯電話機等に設けられている既存の方向キーやテンキー部を用いるため、仮想画面の表示領域を変更させるための新たなデバイスを設ける必要がない。
【0017】
また、画面切換操作部を構成する複数の記号キーは、表示部に表示される仮想画面の表示領域の切り換え方向に一致する方向に配列されている。すなわち、例えば、上下方向に配列された複数の記号キーのうち、下側に位置する記号キーを押圧した際には、表示部に表示される仮想画面の表示領域が、表示領域の下側に隣接して位置する別の表示領域に移動することになる。したがって、画面切換操作部による表示領域の切り換え操作を容易に行うことができる。
【0018】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の携帯端末装置において、前記操作部が、前記表示部に表示している前記仮想画面の表示位置を、該仮想画面の基準位置に切り換える基準移動操作部を備えることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る携帯端末装置によれば、基準移動操作部を操作した際には、表示部に表示される仮想画面の表示領域の位置が、仮想画面の端部や中央部等の基準位置に切り換えられる。すなわち、例えば、表示部に表示される仮想画面の表示位置が仮想画面の一端部となっている状態において、基準移動操作部を操作した場合には、表示部に表示される仮想画面の表示位置が一端部から中央部に変更される。したがって、表示部に表示される仮想画面の表示位置を所望の位置までさらに速く移動させることが可能となる。
【0020】
また、表示部に表示される仮想画面の表示位置が不明瞭になっても、この表示位置を仮想画面の基準位置に移動することにより、表示部に表示される仮想画面の表示位置を把握することができる。
【0021】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の携帯端末装置において、前記基準移動操作部を、数字、文字、特殊記号を入力するための複数の押圧可能な記号キーを有するテンキー部により構成したことを特徴とする。
【0022】
本発明に係る携帯端末装置によれば、基準移動操作部として、一般的に携帯電話機等に設けられている既存のテンキー部を用いることにより、仮想画面の表示位置を基準位置に切り換えるための新たなデバイスを設ける必要がない。
【0023】
請求項8に係る発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の携帯端末装置において、前記制御部が、前記表示部に表示している前記仮想画面の表示位置を指示する画面位置情報を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0024】
本発明に係る携帯端末装置によれば、表示部に表示される仮想画面の表示領域の位置情報が表示部に表示されるため、表示部に表示させる仮想画面の表示領域の位置、および仮想画面全体の大きさを容易に把握できる。
【発明の効果】
【0025】
請求項1に係る本発明の携帯端末装置によれば、スクロール操作部を継続して押圧する操作を行うことにより、表示部に表示される仮想画面の表示領域が連続的に移動するようにスクロールするため、仮想画面の表示領域を速く移動でき、仮想画面に含まれる各種情報を迅速に把握することができる。
【0026】
請求項2、請求項3、請求項5及び請求項7に係る発明によれば、表示部に表示される仮想画面の表示変更を行うための新たなデバイスを設ける必要がないため、携帯端末装置のコスト削減を図ることができる。
【0027】
請求項4に係る発明によれば、表示部に表示させる仮想画面の表示領域を変更する操作部が、スクロール操作部と画面切換操作部とに分けて設けられているため、操作ミスの発生を防止して仮想画面に含まれる各種情報の内容および構成全体を迅速かつ容易に把握できる。
【0028】
請求項5に係る発明によれば、画面切換操作部を構成する複数の記号キーは、表示部に表示される仮想画面の表示領域の切り換え方向に一致する方向に配列されているため、表示領域の切り換え操作を容易にできる。
【0029】
請求項6に係る発明によれば、基準移動操作部を操作することで、表示部に表示される仮想画面の表示位置を所望の位置までさらに速く移動させることが可能となるため、仮想画面に含まれる所望の各種情報を迅速に把握できる。
【0030】
また、仮想画面の表示位置が基準位置に切り換えられるため、表示部に表示されている仮想画面の表示位置が不明瞭になっても、表示部に表示される仮想画面の表示位置を把握することができる。
【0031】
また、請求項8に係る発明によれば、表示部に表示される仮想画面の表示位置や表示部に対する仮想画面全体の大きさを容易に把握できるため、表示部に表示させる仮想画面の表示領域の移動を容易に行うことができると共に、表示部に表示させる仮想画面の表示領域を変更する操作性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図1から図6は本発明に係る一実施形態を示す。ここで説明する実施の形態は、この発明を折畳み型携帯電話機に適用した場合のものである。図1に示すように、この実施の形態に係る折畳み型携帯電話機(携帯端末装置)1は、第1の筐体2と第2の筐体3と、これら2つの筐体2,3を互いに折り畳み自在に連結する連結手段4とを備えており、2つの筐体2,3の内面2a,3aを互いに覆い隠すことができるように構成されている。
【0033】
第1の筐体2の内面2aには、操作部6が設けられており、この操作部6は、方向キー(スクロール操作部)7と、「0」〜「9」キーおよび「*」キー、「#」キーの記号キーからなるテンキー部8とを備えている。方向キー7は、上下左右の4方向にそれぞれ押圧可能となっており、それぞれの押圧位置を「上」キー、「下」キー、「右」キー、「左」キーとする。また、合計12個の記号キーからなるテンキー部8は、4行3列に配列されており、それぞれ押圧可能となっている。これら記号キーのうち、「1」〜「9」キーがテンキー部8の左上から右に向けて順番に配され、「*」キー、「0」キー、「#」キーがテンキー部8の下端に左から右に向けて順番に配されている。
【0034】
また、第1の筐体2の内面2aのうち、第1の筐体2の先端部2b(連結手段4と反対側の端部)にはマイクロフォン9が設けられている。
【0035】
第2の筐体3の内面3aには、文字、記号、画像等の各種情報を表示する略矩形状の表示部11が設けられている。また、表面3aのうち、第2の筐体3の先端部3b(連結手段4と反対側の端部)には、前述したマイクロフォン部9と共に通話の際に使用するスピーカー12が設けられている。
【0036】
また、この折り畳み型携帯電話機1には、図2に示すように、通信部15、メモリ部17、および制御部19が設けられている。
【0037】
通信部15は、図示しない通信ネットワークを介して、他の電話機との間で通話したり、図示しない他の端末装置やサーバとの間で電子メール、インターネットのホームページ等の各種情報を送受信するものである。
【0038】
メモリ部17は、画面メモリ部21、ソフトウェアメモリ部22、操作機能メモリ部23とを備えている。
【0039】
画面メモリ部21には、文字、記号、画像等の各種情報を含む仮想画面が記憶されている。この仮想画面は、表示部11において閲覧するためのものであり、例えば、図3に示すように、インターネットのホームページ等、各種情報が所定位置に配列されているものである。この仮想画面25には、表示部11と同等の領域のものに限らず、表示部11よりも小さい領域や大きい領域を有するものもある。したがって、例えば、パーソナルコンピュータに表示するための構成を有するインターネットのホームページのように、仮想画面25が表示部11よりも大きい場合、表示部11には仮想画面25の一部のみが表示されることになる。
【0040】
ソフトウェアメモリ部22には、通話機能、電子メールの閲覧および作成を行うためのメール機能、インターネットのホームページを閲覧するためのブラウザ等の各種ソフトウェアが記憶されている。なお、これらメール機能およびブラウザには、仮想画面25が表示部11の表示領域25aよりも大きい場合に、仮想画面25の表示位置を指示する画面位置情報を表示部11に表示するための演算プログラムが含まれている。
【0041】
画面位置情報は、図4(a)に示すように、表示部11の右端に表示される上下スクロールバー31と、表示部11の下端に表示される左右スクロールバー33とを備えている。
【0042】
これら2つのスクロールバー31,33は、それぞれ帯状の仮想レール部35と、この仮想レール部35の長手方向に移動可能なスクロールボックス37と、スクロールボックス37の移動方向を指し示すスクロール矢印39a〜39dとを備えている。
【0043】
仮想レール部35の長さは、仮想画面25の上下方向や左右方向の全長を示しており、スクロールボックス37の位置は、表示部11に表示される仮想画面25の上下方向や左右方向に関する表示領域25aの位置を示している。
【0044】
したがって、例えば、上下スクロールバー31のスクロールボックス37が仮想レール部35の上端に位置する場合には、表示部11に表示される表示領域25aが、仮想画面25の上端に位置することになる。また、例えば、上下スクロールバー31のスクロールボックス37が仮想レール部35の下端に位置する場合には、表示領域25aが仮想画面25の下端に位置することになる。
【0045】
また、仮想レール部35の長手方向に沿うスクロールボックス37の長さは、仮想画面25に対する表示部11の上下方向や左右方向の相対的な長さを示している。すなわち、仮想レール部35の長手方向に沿う仮想画面25全体の長さが長くなる程、スクロールボックス37の長さが短くなり、仮想レール部35の長手方向に沿う仮想画面25全体の長さが短くなる程、スクロールボックス37の長さが長くなる。
【0046】
操作機能メモリ部23には、方向キー7、記号キー等の操作部6の各操作キーに、折り畳み型携帯電話機1の通話機能やブラウザ等の各種ソフトウェアにそれぞれ適したコマンドを割り当てるためのテーブルが複数記憶されている。
【0047】
すなわち、例えば、数字や文字を入力して文章を作成する際には、テンキー部8の各記号キーに数字や文字を入力するためのコマンドを対応づけたテーブルを使用する。また、例えば、表示部11よりも大きな仮想画面25を閲覧する際には、例えば、表1に示すテーブルを使用する。
【表1】

【0048】
このテーブルにおいては、方向キー7およびテンキー部8の各記号キーと、表示部11に表示される仮想画面25の表示を変更するためのコマンドとが対応づけられている。
【0049】
すなわち、4つの方向キー7は、それぞれ表示部11に表示される仮想画面25の表示領域25aを上下左右の各方向にスクロールさせるコマンドに対応づけられており、各方向キー7を押圧することにより表示領域25aを所定の方向に順次スクロールさせるスクロール操作部となっている。
【0050】
したがって、例えば、方向キー7の「右」キーを継続して押圧した場合には、図3に示すように、仮想画面25の表示領域25aが連続的に右方向(A方向)に移動するようにスクロールする。また、例えば、方向キー7の「下」キーを継続して押圧した場合には、仮想画面25の表示領域25aが連続的に下方向(C方向)に移動するようにスクロールする。
【0051】
テンキー部8の「3」キー、「9」キー、「*」キー、「#」キーは、それぞれ表示部11に表示される仮想画面25の表示領域25aを、この表示領域25aの上下左右の各方向に隣接して位置する別の表示領域に切り換えるコマンドに対応づけられている。
【0052】
すなわち、例えば、「3」キーを1回押圧した際には、図5に示すように、表示部11に表示される仮想画面25の表示領域25aが、仮想画面25の上方向(D方向)に瞬時に移動するように、この表示領域25aの上端部に隣接する別の表示領域25bに切り換えられることになる。また、「9」キー、「*」キー、「#」キーを1回押圧した際にも同様にして、それぞれ表示領域25aの下端部、左端部、右端部に隣接する別の表示領域25c〜25eに切り換えられることになる。
【0053】
なお、表示領域25aから別の表示領域25b〜25eへの切換の際には、その一部が重なるようになっており、切換前後の表示領域の対応関係を容易に把握できるようになっている。
【0054】
図4(b)に示すように、これらテンキー部8の「3」キー、「9」キー、「*」キー、「#」キーにより、表示部11に表示される表示領域25aから隣接する別の表示領域25b〜25eに切り換える画面切換操作部101が構成されている。
【0055】
テンキー部8の「6」キーおよび「0」キーは、それぞれ表示部11に表示している仮想画面25の表示領域25aの位置(表示位置)を、仮想画面25の中央位置(基準位置)に切り換えるコマンドに対応づけられている。
【0056】
したがって、例えば、表示領域25aが、仮想画面25の横幅寸法の中心線L1よりも左側に位置している状態において、「0」キーを1回押圧した際には、図6に示すように、表示部11に表示している表示領域25aが、A方向に瞬時に移動するように仮想画面25の横幅寸法の中央に位置する別の仮想領域25fに切り換えられる。つまり、表示領域25aの横幅寸法の中心線が、仮想画面25の横幅寸法の中心線L1に重なることになる。
【0057】
また、例えば、仮想画面25の縦幅寸法の中心線L2よりも上側に位置している状態において、「6」キーを1回押圧した際には、表示領域25aの縦幅寸法の中心線が仮想画面25の縦幅寸法の中心線L2に重なるように、表示領域25aが、C方向に瞬時に移動するように仮想画面25の縦幅寸法の中央に位置する別の表示領域25gに切り換えられる。
【0058】
図4(b)に示すように、これらテンキー部8の「6」キー、「0」キーにより、表示領域25aから仮想画面25の中央位置となる別の表示領域25f,25gに切り換える基準移動操作部102が構成されている。
【0059】
なお、表示領域25aの上下方向(CD方向)に位置する別の表示領域に切り換える「3」キー、「6」キー、「9」キーは、図4に示すように、テンキー部8の右端の上下方向に配列されており、これらの配列方向は、表示部11の右端に表示される上下スクロールバー31のスクロールボックス37の移動方向(CD方向)に一致している。
【0060】
また、表示領域25aの左右方向(AB方向)に位置する別の表示領域に切り換える「*」キー、「0」キー、「#」キーは、テンキー部8の下端の左右方向に配列されており、これらの配列方向は、表示部11の右端に表示される左右スクロールバー33のスクロールボックス37の移動方向(AB方向)に一致している。
【0061】
制御部19は、折り畳み型携帯電話機1のユーザの操作に基づいて各種機能・ソフトウェアを起動すると共に、各種機能やソフトウェアに応じたテーブルを操作機能メモリ部23から選択的に読み出して、方向キー7およびテンキー部8に各種コマンドを割り当てるようになっている。また、この制御部19は、通信部15において取得した仮想画面25等の各種情報を画面メモリ部21に記憶させ、操作部6の操作に基づいて各種情報を表示部11に表示させるようになっている。さらに、この制御部19は、仮想画面25が大きい場合に、ブラウザやメール機能に含まれる演算プログラムをソフトウェアメモリ部22から読み出して、2つのスクロールバー31,33を表示部11に表示させるようになっている。
【0062】
以上のように構成された折り畳み型携帯電話機1の動作について説明する。
【0063】
この折り畳み型携帯電話機1において、例えば、インターネットのホームページを閲覧する場合には、操作部6において所定の操作を行うことにより、図7に示すように、制御部19が、ブラウザを起動してホームページである仮想画面25を表示部11に表示させる(ステップS1)。なお、仮想画面25の領域が表示部11よりも大きい場合には、制御部19が、表示部11の大きさに相当する仮想画面25の表示領域25aのみを表示部11に表示させると共に、表示部11の右端および下端に、それぞれ上下スクロールバー31および左右スクロールバー33を表示させる。
【0064】
そして、表示部11に表示されない仮想画面25の他の領域を閲覧する場合には、方向キー7やテンキー部8の「1」〜「0」キー、「*」キーおよび「#」キーを押圧することにより(ステップS2)、制御部19が、押圧されたキーの種類に応じて、表示部11に表示される仮想画面25の表示領域を適宜切り換えるコマンドを操作機能メモリ部23から読み出す(ステップS3〜S12)。
【0065】
すなわち、例えば、方向キー7の「左」キーを押圧した際には、制御部19が、仮想画面25の表示領域25aを仮想画面25の左方向にスクロールさせるコマンドを読み出す(ステップS3)。また、例えば、テンキー部8の「*」キーを1回押圧した際には、制御部19が、仮想画面25の表示領域25aを表示領域25aの左側に位置する別の表示領域25cに切り換えるコマンドを読み出す(ステップS4)。
【0066】
そして、制御部19は、これら各コマンドに基づいて、表示部11に表示させる仮想画面25の表示領域を適宜更新する(ステップS1)。なお、この際には、制御部19が、表示部11に表示される左右スクロールバー33のスクロールボックス37を仮想レール部35に沿って1ブロック分(スクロールボックス37の縦幅寸法分)左方向に移動させる。
【0067】
上記のように、この折り畳み型携帯電話機1によれば、スクロール操作部である方向キー7を操作することにより、表示部11に表示される仮想画面25の表示領域25aがスクロールして少しずつ移動するため、仮想画面25に含まれる各種情報の内容を詳細に把握することができる。
【0068】
また、画面切換操作部101である「3」キー、「9」キー、「*」キーおよび「#」キーを操作することにより、表示部11に表示される仮想画面25の表示領域25aが隣接する別の表示領域25b〜25eに切り換えられるため、スクロール操作部による表示領域の移動よりも速く移動でき、仮想画面25に含まれる各種情報の構成全体を迅速に把握することができる。
【0069】
そして、これらスクロール操作部と画面切換操作部101とが、第1の筐体2の内面2aに別々に設けられているため、表示部11に表示される仮想画面25の表示変更の操作を行う際に、操作ミスが発生することを防止できる。したがって、この折り畳み型携帯電話機1においては、パーソナルコンピュータの大きなモニターに表示するための仮想画面25の構成を変更することなく、仮想画面25に含まれる各種情報の内容および構成全体を迅速かつ容易に把握できる。
【0070】
さらに、基準移動操作部102である「6」キーおよび「0」キーを操作することにより、表示部11に表示される仮想画面25の表示位置が、仮想画面25の中央位置に切り換えられるため、仮想画面25の表示位置を所望の位置までさらに速く移動させることが可能となり、仮想画面に含まれる所望の各種情報をさらに迅速に把握できる。
【0071】
また、表示部11に表示される仮想画面25の表示位置が不明瞭になっても、この表示位置を仮想画面25の中央位置に移動することにより、表示部11に表示される仮想画面25の表示位置を容易に把握できる。
【0072】
さらに、これらスクロール操作部、画面切換操作部101および基準移動操作部102が、一般の携帯電話機等に設けられている既存の方向キー7やテンキー部8を用いるため、仮想画面25の表示変更のために新たなデバイスを設ける必要がなく、折り畳み型携帯電話機1のコスト削減を図ることができる。
【0073】
また、制御部19が、仮想画面25の表示領域の位置情報を示す2つのスクロールバー31,33を表示部11に表示させるため、表示部11に表示させる仮想画面25の表示領域の位置、および仮想画面25全体の大きさを容易に把握できる。したがって、表示部11に表示させる仮想画面25の表示領域の移動を容易に行うことができると共に、表示部11に表示させる仮想画面25の表示変更する操作性の向上を図ることができる。
【0074】
さらに、テンキー部8の右端の上下方向に配列された「3」キー、「6」キーおよび「9」キーにより、仮想画面25の上下方向(CD方向)に表示部11に表示させる表示領域を変更する操作が実行されるため、上下方向の表示領域変更に関連する記号キーであることを容易に認識できる。
【0075】
また、テンキー部8の下端の左右方向に配列された「*」キー、「0」キーおよび「#」キーにより、仮想画面25の左右方向(AB方向)に表示部11に表示させる表示領域を変更する操作が実行されるため、左右方向の表示領域変更に関連する記号キーであることを容易に認識できる。
【0076】
したがって、これら表示領域を変更する操作のための記号キーと、表示部11の右端および下端に表示される2つのスクロールバー31,33との対応関係を容易に把握することができるため、表示領域の変更操作を容易に行うことができる。
【0077】
なお、上記の実施の形態においては、「3」キー、「9」キー、「*」キーおよび「#」キーに、仮想画面25の表示領域25aに隣接する別の表示領域に切り換えるコマンドを対応づけたテーブルを操作機能メモリ部23に記憶させるとしたが、これに限ることはない。例えば、このテーブルに加えて、「3」キー、「9」キー、「*」キーおよび「#」キーに、基準移動部102としてのコマンドを対応づけたテーブルを操作機能メモリ部23に記憶させても構わない。
【0078】
すなわち、例えば、「3」キーを1回押圧した際に、表示部11に表示される表示領域25aが仮想画面25の上端に移動し、「9」キーを1回押圧した際に、表示部11に表示される表示領域25aが仮想画面25の下端に移動するコマンド、および、「*」キーを1回押圧した際に、表示部11に表示される表示領域25aが仮想画面25の左端に移動し、「#」キーを1回押圧した際に、表示部11に表示される表示領域25aが仮想画面25の右端に移動するコマンドを備えたテーブルを操作機能メモリ部23に記憶させるとしてもよい。このテーブルを使用する場合には、所定の操作キーを1回押圧するだけで仮想画面25の周縁部を表示部11に表示させることができる。
【0079】
また、基準移動部102としてのコマンドは、上下方向に配列された「3」キー、「6」キー、「9」キー、および左右方向に配列された「*」キー、「0」キー、「#」キーに限らず、例えば、「1」〜「9」キーに対応づけたものとしてもよい。
【0080】
この場合には、図8に示すように、仮想画面25全体を「▲1▼」から「▲9▼」まで合計9個の領域に分割して、表示部11に表示される表示領域を「1」〜「9」キーの各数字に応じた「▲1▼」〜「▲9▼」の領域に移動させるコマンドを対応づけたテーブルを操作機能メモリ部23に記憶させておく。この構成の場合には、「1」〜「9」キーを1回だけ押圧することにより、表示部11に表示される表示領域が、仮想画面25の代表的な各端部および中央部に瞬時に切り換えられることができる。
【0081】
また、表示部11にスクロールバー31,33を表示するとしたが、これに限ることはなく、少なくとも仮想画面25の表示位置を指示する画面位置情報が表示部11に表示されればよい。したがって、画面位置情報を表示部11に表示する簡易マップにより構成するとしてもよい。ここで、簡易マップとは、仮想画面25の外枠を描いたものに、表示部11に表示される表示位置を示す点が表示されているものを言う。
【0082】
さらに、パーソナルコンピュータ用に構成された仮想画面25を、表示部11の左右方向の幅寸法に合わせて、縦長に変換する変換プログラムをソフトウェアメモリ部22に記憶させても構わない。この構成の場合には、折り畳み型携帯電話機1のユーザが所定の操作キーを操作することにより、制御部19が変換プログラムを読み出して仮想画面25の構成を変換することになる。そして、この変換を実行した場合には、表示部11に表示される縦長の仮想画面25の表示領域のスクロール方向や切換方向は、上下方向のみとなるため、操作が容易となる。
【0083】
ただし、幅寸法の大きい画像が省略され、また、文字の大きさ、文章の構成等が変更されるため、仮想画面25の本来の構成を把握することが困難となる。
【0084】
また、折り畳み型携帯電話機1に限ることはなく、PDAのように、2つの筐体を連結手段により互いに回動可能、かつ開閉自在に連結した携帯端末装置であればよい。また、携帯端末装置は、2つの筐体を有することに限ることはなく、例えば、1つの筐体から構成されていてもよい。
【0085】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の一実施形態に係る折り畳み型携帯電話機の第1、第2の筐体を相互に開いた状態を示す平面図である。
【図2】図1の折り畳み型携帯電話機において、電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】図1の折り畳み型携帯電話機において、方向キーによる表示領域のスクロール移動を示す図である。
【図4】図1の折り畳み型携帯電話機の要部を示しており、(a)は、表示部の表示状態を示す図であり、(b)は、テンキー部を示す概略図である。
【図5】図1の折り畳み型携帯電話機において、テンキー部による表示領域の画面切り換えを示す図である。
【図6】図1の折り畳み型携帯電話機において、テンキー部による表示領域の画面切り換えを示す図である。
【図7】図1の折り畳み型携帯電話機において、方向キーや記号キーの押圧に基づく表示部の表示変更を行う制御フローを示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る折り畳み型携帯電話機において、仮想画面を分割した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0087】
1 折り畳み型携帯電話機(携帯端末装置)
2 第1の筐体
3 第2の筐体
6 操作部
7 方向キー(スクロール操作部)
8 テンキー部
11 表示部
17 メモリ部
19 制御部
25 仮想画面
25a〜25g 表示領域
101 画面切換操作部
102 基準移動操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの筐体と、該筐体に設けられ、文字、記号、画像等の各種情報を表示する表示部と、前記各種情報を含む仮想画面を記憶したメモリ部と、前記筐体に設けられた操作部と、前記表示部に前記仮想画面の少なくとも一部を表示させると共に、前記操作部への入力に基づいて前記表示部への仮想画面の表示を変更する制御部とを備え、前記操作部が、前記表示部に表示する前記仮想画面の表示領域を順次スクロールさせるスクロール操作部を備え、該スクロール操作部を継続して押圧する場合は、前記仮想画面の表示領域が連続的に移動するようにスクロールすることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記スクロール操作部が、複数の押圧可能な方向キーから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記方向キーの所定方向のキーを継続して押圧する場合は、前記仮想画面の表示領域が連続的に前記所定方向に移動するようにスクロールすることを特徴とする請求項2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記操作部は、前記表示部に表示する前記仮想画面の表示領域を別の表示領域に切り替える画面切替操作部を備え、前記スクロール操作部と該画面切替操作部とが別個に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記画面切換操作部が、数字、文字、特殊記号を入力するための複数の押圧可能な記号キーを備えるテンキー部により構成され、複数の前記記号キーが、上下方向および左右方向に配列され、前記記号キーを押圧した際に、前記仮想画面の表示領域が、前記記号キーの配列方向にあわせて前記表示領域の上下左右の各方向に隣接して位置する別の表示領域に切り換えられることを特徴とする請求項4記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記操作部が、前記表示部に表示している前記仮想画面の表示位置を、該仮想画面の基準位置に切り換える基準移動操作部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項7】
前記基準移動操作部が、数字、文字、特殊記号を入力するための複数の押圧可能な記号キーを有するテンキー部により構成されていることを特徴とする請求項6に記載の携帯端末装置。
【請求項8】
前記制御部が、前記表示部に表示している前記仮想画面の表示位置を指示する画面位置情報を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−109245(P2007−109245A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−310515(P2006−310515)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【分割の表示】特願2003−49199(P2003−49199)の分割
【原出願日】平成15年2月26日(2003.2.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】