説明

携帯端末装置

【課題】本発明は、他人による着信応答を制限できる携帯端末装置を提供することを目的とする。
【解決手段】携帯電話機1は、基地局を介して外部端末との通信を行う通信部41と、所定の入力が行われる操作部21と、一又は複数の解除パスワードを記憶する第1記憶部441と、通信部41により受信された基地局を介した外部端末からの着信要求に応じて通信回線が接続された場合に、操作部21からのパスワードの入力を要求するパスワード要求部451と、操作部21により入力された入力パスワードが一又は複数の解除パスワードのうちの所定の解除パスワードに一致するかを判定する第1判定部452と、第1判定部452により、入力パスワードが一又は複数の解除パスワードのうちの所定の解除パスワードに一致すると判定された場合に、通信部41による外部端末との音声通話を許可する通話制御部453と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末装置としての携帯電話機においては、パスワードを設定することで各種機能の利用を制限し、他人による携帯電話機の無断使用を防止するための種々の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−204766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来提案された技術では、他人による電話の発信を制限することはできるものの、携帯電話機に着信があった場合には、他人による当該着信の接続を制限できなかった。そのため、ユーザが携帯電話機から離れた位置にいるときにこの携帯電話機に着信があった場合には、他人により着信に応答されてしまう可能性があるという問題があった。
【0004】
従って、本発明は、他人による着信応答を制限できる携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、基地局を介して外部端末との通信を行う通信部と、所定の入力が行われる入力部と、一又は複数の解除パスワードを記憶する第1記憶部と、前記通信部により受信された基地局を介した外部端末からの着信要求に応じて通信回線が接続された場合に、前記入力部からのパスワードの入力を要求するパスワード要求部と、前記入力部により入力された入力パスワードが前記一又は複数の解除パスワードのうちの所定の解除パスワードに一致するかを判定する第1判定部と、前記第1判定部により、前記入力パスワードが前記一又は複数の解除パスワードのうちの所定の解除パスワードに一致すると判定された場合に、前記通信部による前記外部端末との音声通話を許可する通話制御部と、を備える携帯端末装置に関する。
【0006】
また、携帯端末装置は、複数の電話番号を記憶する第2記憶部と、前記第1記憶部に記憶された一又は複数の解除パスワードと前記第2記憶部に記憶された複数の電話番号のうちの所定の電話番号とを関連付けて記憶する第3記憶部と、前記通信部により、基地局を介した外部端末からの着信要求及び該外部端末の電話番号が受信された場合に、該外部端末の電話番号が前記第3記憶部に記憶された所定の電話番号に一致するかを判定する第2判定部と、を更に備え、前記パスワード要求部は、前記第2判定部により、前記外部端末の電話番号が前記第3記憶部に記憶された所定の電話番号に一致すると判定された場合に、前記通信回線が接続されると、前記入力部からのパスワードの入力を要求し、前記第1判定部は、前記入力パスワードが前記外部端末の電話番号に関連付けられて前記第3記憶部に記憶された解除パスワードに一致するかを判定し、前記通話制御部は、前記第1判定部により、前記入力パスワードが前記外部端末の電話番号に関連付けられて前記第3記憶部に記憶された解除パスワードに一致すると判定された場合に、前記通信部による前記外部端末との音声通話を許可することが好ましい。
【0007】
また、携帯端末装置は、前記通信部により基地局を介して通信が行なわれる外部端末の電話番号を表示可能な表示部と、前記通信部により前記外部端末からの着信要求及び該外部端末の電話番号が受信された場合に、前記第2判定部により、該外部端末の電話番号が前記第3記憶部において記憶された所定の電話番号に一致すると判定されるまで前記表示部への前記外部端末の電話番号の表示を制限する表示制御部と、を更に備えることが好ましい。
【0008】
また、携帯端末装置は、基地局を介した外部端末からの着信要求を所定の報知態様で報知する報知部と、前記第1記憶部に記憶された前記一又は複数の解除パスワードそれぞれに対応する一又は複数の報知態様を記憶する第4記憶部と、前記通信部により前記外部端末からの着信要求及び該外部端末の電話番号が受信された場合に、前記第3記憶部において前記外部端末の電話番号に関連付けられて記憶された解除パスワードに対応する報知態様で、前記報知部に報知させる報知制御部と、を更に備えることが好ましい。
【0009】
また、前記パスワード要求部は、前記通信部により、基地局を介した外部端末からの着信要求、該外部端末の電話番号、及び該外部端末から発信される発信パスワードが受信された場合に、前記通信回線が接続されると、前記入力部からのパスワードの入力を要求し、前記第1判定部は、前記入力パスワードが前記発信パスワード、又は前記第3記憶部において前記外部端末の電話番号に関連付けられて記憶された解除パスワードに一致するかを判定し、前記通話制御部は、前記第1判定部により、前記入力パスワードが前記発信パスワード、又は前記第3記憶部において前記外部端末の電話番号に関連付けられて記憶された解除パスワードに一致すると判定された場合に、前記通信部による前記外部端末との音声通話を許可することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の携帯端末装置によれば、他人による着信応答を制限できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
先ず、本発明の携帯端末装置の一実施形態としての携帯電話機1の基本構造について、図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯電話機1の開状態における斜視図である。
【0012】
携帯電話機1は、操作部側筐体2と、表示部側筐体3と、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを連結する連結部4と、を備える。
【0013】
操作部側筐体2は、図1に示すように、前面20Aを構成するフロントケース2aと、背面を構成するリアケース2bと、を主体として構成される。また、この操作部側筐体2の内部には、携帯電話機1の各種動作を制御するCPU45、及び各種情報を記憶するメモリ44(いずれも図3参照)等の複数の電子部品が搭載された回路基板(図示せず)が配置されている。
【0014】
操作部側筐体2の前面20Aには、図1に示すように、所定の入力操作が行われる入力部としての操作部21と、マイク22とが配置される。前面20Aは、携帯電話機1を折り畳んだ状態で表示部側筐体3と向かい合う面である。
【0015】
操作部21は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能(アプリケーション)を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字や後述するパスワードを入力するための入力操作キー14と、各種操作における決定や上下左右方向のスクロール等を行う決定操作キー15と、を備える。
【0016】
操作部21を構成する各キーそれぞれには、操作部側筐体2と表示部側筐体3との開閉状態や、起動されているアプリケーションの種類に応じて所定の機能が割り当てられる(キー・アサイン)。携帯電話機1において、操作部21を構成する各キーが使用者により押圧されることで、各キーに割り当てられている機能に応じた動作が実行される。
【0017】
マイク22は、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声を入力するために用いられる。
【0018】
操作部側筐体2の背面には、音声出力部としてのスピーカ23(図3参照)が配置される。背面は、前面20Aとは反対側の面である。
スピーカ23は、携帯電話機1への電話の着信やメールの受信等をユーザに報知するための音声を出力する。
【0019】
表示部側筐体3は、図1に示すように、前面30A側を構成するフロントケース3a及びフロントパネル3cと、背面側を構成するリアケース3bと、を主体として構成される。
表示部側筐体3の前面30Aには、各種情報を表示するための表示部31と、通話の相手側の音声を出力するレシーバ32と、が配置される。前面30Aは、携帯電話機1を折り畳んだ状態で操作部側筐体2と向かい合う面である。
【0020】
表示部31は、通信・通話待受画像や所定の機能を動作させるためのアプリケーションに基づく画像等を表示する。
レシーバ32は、通話の相手側の音声を出力する。
尚、表示部31及びレシーバ32は、携帯電話機1の閉状態において隠れる位置に配置されている。
【0021】
表示部側筐体3の背面には、各種情報を表示するためのサブ表示部(図示せず)が配置される。背面は、前面30Aとは反対側の面である。つまり、サブ表示部は、携帯電話機1の閉状態であっても外部に露出する位置に配置されている。
【0022】
表示部側筐体3に配置された表示部31及びサブ表示部それぞれは、液晶パネルと、液晶パネルを駆動する駆動回路と、液晶パネルの背面側から光を照射するバックライト等の光源部とを有して構成される(いずれも図示せず)。
【0023】
連結部4は、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが相対的に動くようにこれらを連結している。この連結部4は、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とを連結している。
携帯電話機1は、連結部4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを互いに開いた状態(開状態)にしたり、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを折り畳んだ状態(閉状態)にしたりできる。
【0024】
次に、図2及び図3を参照しながら、携帯電話機1の機能について説明する。
図2は、携帯電話機1が無線基地局100を介して外部端末101に接続される様子を示す模式図である。図3は、携帯電話機1の機能を示すブロック図である。
本実施形態の携帯電話機1は、図2に示すように、基地局としての無線基地局100を介して外部端末101と相互に通信可能に構成されている。
この携帯電話機1は、図3に示すように、操作部21と、マイク22と、スピーカ23と、通信部41と、画像処理部42と、音声処理部43と、記憶部としてのメモリ44と、CPU45と、を操作部側筐体2に備え、表示部31と、レシーバ32と、ドライバIC33と、発光部としてのLED34と、を表示部側筐体3に備えている。
【0025】
通信部41は、メインアンテナ411及びRF回路部412を備えて構成され、無線基地局100を介して、他の携帯電話機等の外部端末101と音声通信を行う。
メインアンテナ411は、所定の使用周波数帯(例えば、800MHz)で外部装置と通信を行う。
RF回路部412は、メインアンテナ411によって受信した信号を復調処理し、処理後の信号をCPU45に供給する。また、RF回路部412は、CPU45から供給された信号を変調処理し、メインアンテナ411を介して無線基地局100に送信する。
【0026】
画像処理部42は、CPU45の制御に従って、所定の画像処理を行い、処理後の画像データをドライバIC33に出力する。
ドライバIC33は、画像処理部42から供給された画像データをフレームメモリ(図示せず)に蓄え、所定のタイミングで表示部31に出力する。
【0027】
音声処理部43は、CPU45の制御に従って、RF回路部412から供給された信号に対して所定の音声処理を行い、処理後の信号をレシーバ32やスピーカ23に出力する。
また、音声処理部43は、CPU45の制御に従って、マイク22から入力された信号を処理し、処理後の信号をRF回路部412に出力する。RF回路部412は、音声処理部43から供給された信号に所定の処理を行い、処理後の信号をメインアンテナ411に出力する。
【0028】
レシーバ32は、CPU45の制御に従って、音声処理部43から供給された信号を外部に出力する。
スピーカ23は、CPU45(後述の報知制御部456)の制御に従って、音声処理部43から供給された信号を外部に出力する。
LED34は、CPU(後述の報知制御部456)の制御に従って、所定の態様で発光する。
これらスピーカ23及びLED34は、外部端末101からの着信をユーザに報知する報知部50として機能する。
【0029】
メモリ44は、例えば、ワーキングメモリを含み、CPU45による演算処理に利用される。また、メモリ44には、携帯電話機1上で動作する様々なアプリケーションが利用するデータやテーブル等が格納されている。
尚、メモリ44は、着脱可能な外部メモリであってもよい。
【0030】
CPU45は、携帯電話機1の全体を制御しており、通信部41、画像処理部42、表示部31、音声処理部43、スピーカ23、レシーバ32、LED34等に対して所定の制御を行う。CPU45の具体的な構成については後述する。
【0031】
このように構成される本実施形態の携帯電話機1は、外部端末101から着信があった場合に、操作部21から所定のパスワードを入力することにより音声通話の開始を許可する機能を有している。
【0032】
以下に、携帯電話機1に係る当該機能を発揮するための構成と動作について詳述する。
先ず、本実施形態に係る携帯電話機1の機能を発揮するための構成について、図4を参照しながら説明する。図4は、携帯電話機1が上記機能を発揮するための構成を示す機能ブロック図である。
【0033】
携帯電話機1は、図4に示すように、上記機能を発揮するための構成として、通信部41と、操作部21と、表示部31と、スピーカ24及びLED34を含む報知部50と、メモリ44と、CPU45と、を備える。
【0034】
メモリ44は、第1記憶部441と、第2記憶部442と、第3記憶部443と、第4記憶部444と、を備える。
第1記憶部441は、一又は複数の解除パスワードを記憶する。この解除パスワードは、外部端末101から着信があった場合に、この外部端末101との通話の開始を許可するためのパスワードである。
第2記憶部442は、複数の電話番号を記憶する。具体的には、第2記憶部442には、携帯電話機1のユーザが通信を行う複数の外部端末101の電話番号が記憶される。
なお、第2記憶部442は、電話番号だけでなく、各電話番号毎にユーザ氏名やニックネーム、グループ分け情報等を記憶するアドレス帳であっても良い。
【0035】
第3記憶部443は、第1記憶部441に記憶された一又は複数の解除パスワードと第2記憶部442に記憶された複数の電話番号のうちの所定の電話番号とを関連付けて記憶する。具体的には、第3記憶部443には、第2記憶部442に記憶された複数の電話番号のうちの特定の一又は複数の電話番号に対して特定の一の解除パスワードが対応付けられて記憶される。これにより、ユーザは、電話番号毎に任意の解除パスワードを設定して第3記憶部443に記憶させられる。なお、第3記憶部443は、第1記憶部441と第2記憶部442にそれぞれ登録されているデータの関連付け情報のみ保持しても良いし、関連付けしたいデータだけをコピーして保持しても良い。但し、第1記憶部441と第2記憶部442の内容が更新されたときには、当該更新に同期して第3記憶部443も更新する。
【0036】
第4記憶部444は、第1記憶部441に記憶された一又は複数の解除パスワードそれぞれに対応する一又は複数の報知態様を記憶する。具体的には、第1記憶部441に複数の解除パスワードが記憶されている場合、第4記憶部444には、それぞれの解除パスワード毎に異なる報知態様が記憶される。報知態様を異ならせる具体例としては、例えば、解除パスワード毎にスピーカ23から出力される音声のメロディを異ならせたり、解除パスワード毎にLED34による発光態様を異ならせたりすることが挙げられる。また、報知態様を異ならせる別の具体例として、表示部31に、「09016****29」や、「京**正*」等、着呼元の電話番号の一部を隠して表示したり、着信元のユーザ情報である氏名やニックネームの一部を隠して表示しても良い。
【0037】
CPU45は、パスワード要求部451と、第1判定部452と、通話制御部453と、第2判定部454と、表示制御部455と、報知制御部456と、を備える。
【0038】
パスワード要求部451は、通信部41により受信された無線基地局100を介した外部端末101からの着信要求に応じて通信回線が接続された場合に、操作部21からのパスワードの入力を要求する。具体的には、パスワード要求部451は、携帯電話機1が全ての着信に対して解除パスワードの入力を要求するように設定されている場合に、外部端末101からの通信要求に応じて通信回線が接続されると、パスワードの入力を要求する。
【0039】
また、パスワード要求部451は、後述する第2判定部454により、通信先の外部端末101の電話番号が第3記憶部443に記憶された所定の電話番号に一致すると判定された場合に通信回線が接続されると、操作部21からのパスワードの入力を要求する。つまり、パスワード要求部451は、第3記憶部443において解除パスワードに関連付けられて記憶された電話番号からの着信要求であった場合にパスワードの入力を要求する。
【0040】
更に、パスワード要求部451は、通信部41により、無線基地局100を介した外部端末101からの着信要求、この外部端末101の電話番号、及びこの外部端末101から発信される発信パスワードが受信された場合に、通信回線が接続されると、操作部21からのパスワードの入力を要求する。つまり、パスワード要求部451は、携帯電話機1に着信要求を行った外部端末が携帯電話機1の電話番号と共に所定の発信パスワードを発信してきた場合に通信回線が接続されると、パスワードの入力を要求する。
【0041】
第1判定部452は、操作部21により入力された入力パスワードが第1記憶部441に記憶された一又は複数の解除パスワードのうちの所定の解除パスワードに一致するか否を判定する。
より具体的には、第1判定部452は、外部端末101からの着信要求がありユーザが所定のパスワードを入力した場合に、この入力パスワードが外部端末101の電話番号に関連付けられて第3記憶部443に記憶された解除パスワードに一致するかを判定する。
【0042】
また、第1判定部452は、外部端末101からの着信要求及び発信パスワードの発信がありユーザが所定のパスワードを入力した場合には、この入力パスワードが発信パスワード、又は第3記憶部443において外部端末101の電話番号に関連付けられて記憶された解除パスワードに一致するかを判定する。
【0043】
通話制御部453は、第1判定部452により、入力パスワードが第1記憶部441に記憶された一又は複数の解除パスワードのうちの所定の解除パスワードに一致すると判定された場合に、通信部41による外部端末101との音声通話を許可する。
より具体的には、通話制御部453は、第1判定部452により、入力パスワードが外部端末101の電話番号に関連付けられて第3記憶部443に記憶された解除パスワードに一致すると判定された場合に、通信部41による外部端末101との音声通話を許可する。
【0044】
また、通話制御部453は、第1判定部452により、入力パスワードが発信パスワードに一致すると判定された場合にも、通信部41による外部端末101との音声通話を許可する。
【0045】
第2判定部454は、通信部41により、無線基地局100を介した外部端末101からの着信要求及びこの外部端末101の電話番号が受信された場合に、この外部端末101の電話番号が第3記憶部443に記憶された所定の電話番号に一致するかを判定する。
つまり、第2判定部454は、着信要求を行ってきた外部端末101の電話番号が、第3記憶部443において解除パスワードと関連付けられて記憶された電話番号に一致するか否かを判定する。
【0046】
表示制御部455は、通信部41により外部端末101からの着信要求及びこの外部端末101の電話番号が受信された場合に、第2判定部454により、外部端末101の電話番号が第3記憶部443において記憶された所定の電話番号に一致すると判定されるまで表示部31への外部端末の電話番号の表示を制限する。
【0047】
報知制御部456は、通信部41により外部端末101からの着信要求及びこの外部端末101の電話番号が受信された場合に、第3記憶部443において外部端末101の電話番号に関連付けられて記憶された解除パスワードに対応する報知態様で、報知部50に報知させる。
【0048】
次に、携帯電話機1において、第2記憶部442に記憶された複数の電話番号のうちの所定の電話番号について解除パスワードを設定する場合の手順について、図5(a)〜図5(f)を参照しながら説明する。
【0049】
先ず、図5(a)に示すように、所定の入力操作により表示部31にメニュー画面を表示させる。この状態で、解除パスワードである着信時暗証番号のメニューを選択すると、図5(b)に示すように、表示部31には、着信時暗証番号設定画面が表示される。次に、ユーザが所定の暗証番号を入力すると、図5(c)に示すように、着信時暗証番号機能を全着信について適用するか(ON[全着信])、指定番号についてのみ適用するか(ON[指定番号])、又は着信時暗証番号機能を設定しないか(OFF)を選択する画面が表示される。
【0050】
ここで、ユーザが所定の入力操作により「番号リスト」の項目を選択すると、図5(d)に示すように、表示部31には、第2記憶部442に記憶された複数の電話番号が表示される。この状態で、ユーザは図5(b)で入力した着信時暗証番号を適用する電話番号を選択する。
尚、ユーザが「番号リスト」の項目を選択したときに、第2記憶部442に電話番号が記憶されていない場合には、図5(e)に示すように、表示部31には、電話番号が登録されていない旨が表示される。
【0051】
図5(d)においてユーザが着信時暗証番号を適用する電話番号を選択した場合は、図5(c)に示す画面に戻る。この状態で、ユーザが[ON(指定番号)]メニューを選択すると、図5(f)に示すように、表示部31には、着信時暗証番号の設定が完了した旨が表示される。
【0052】
次に、外部端末101から着信要求があった場合における携帯電話機1の動作について、図6及び図7を参照しながら説明する。
図6は、外部端末から着信要求があった場合における携帯電話機1の動作を示す図である。図7は、外部端末から着信要求があった場合における携帯電話機1の動作を示すフロー図である。
【0053】
先ず、ステップS1において、通信部41により外部端末101からの着信要求が受信されてステップS2に進む(図6(a)参照)。
【0054】
ステップS2において、第2判定部454は、外部端末101の電話番号が第3記憶部443において解除パスワードに関連付けられて記憶された所定の電話番号に一致するかを判定する。第2判定部454により、外部端末101の電話番号が第3記憶部443において解除パスワードに関連付けられて記憶された所定の電話番号に一致すると判定された場合には、ステップS3に進む。第2判定部454により、外部端末101の電話番号が第3記憶部443において解除パスワードに関連付けられて記憶された所定の電話番号に一致しないと判定された場合には、ステップS9に進む。
【0055】
ステップS3において、報知部50は、外部端末101の電話番号に関連付けられて記憶された解除パスワードに対応する報知態様で着信を報知してステップS4に進む。
【0056】
ステップS4において、表示制御部455は、表示部31への外部端末101の電話番号の表示を制限してステップS5に進む。
【0057】
ステップS5において、ユーザは、オフフックキーを押下して通信回線を接続しステップS6に進む。
【0058】
ステップS6において、第1判定部452は、入力パスワードの入力回数nをカウントするカウンタを0にしてステップS7に進む。
【0059】
ステップS7において、パスワード要求部451は、パスワードの入力を要求し、表示制御部455は、表示部31にパスワード入力画面を表示させ(図6(b)及び図6(c)参照)、ステップS8に進む。
【0060】
ステップS8において、第1判定部452は、入力パスワードが解除パスワードに一致するかを判定する。第1判定部452により、入力パスワードが解除パスワードに一致すると判定された場合には、ステップS12に進む。第1判定部452により、入力パスワードが解除パスワードに一致しないと判定された場合には(図6(d)参照)、ステップS13に進む。
【0061】
ステップS9において、表示制御部455は、表示部31に外部端末101の電話番号を表示させてステップS10に進む。
【0062】
ステップS10において、報知制御部456は、報知部50に所定の報知態様で着信を報知させてステップS11に進む。
【0063】
ステップS11において、ユーザは、オフフックキーを押下してステップS12に進む。
【0064】
ステップS12において、通話制御部453は、通信部41による音声通話を許可する(図6(e)参照)。
【0065】
ステップS13において、第1判定部452は、パスワードの入力回数nを一つインクリメントして(n=n+1)、ステップS14に進む。
【0066】
ステップS14において、第1判定部452は、パスワードの入力回数nが規定の数(例えば3回)に達したか否かを判定する。第1判定部452により、パスワードの入力回数が規定の数に達していると判定された場合には、ステップS15に進む。第1判定部452により、パスワードの入力回数nが規定の数に達していないと判定された場合には、ステップS7に戻る。
【0067】
ステップS15において、通話制御部453は、通信部41に通信回線を切断させる(図6(f)参照)。
【0068】
次に、外部端末101から着信要求と共に所定の発信パスワードが発信された場合における携帯電話機1の動作について、図8を参照しながら説明する。
図8は、外部端末101から着信要求と共に所定の発信パスワードが発信された場合における携帯電話機1の動作をしめすフロー図である。
【0069】
図8に示すように、外部端末101から着信要求と共に所定の発信パスワードが発信された場合においての携帯電話機1の動作は、ステップS28(図7におけるステップS8に対応)における動作以外は、上述した図7における携帯電話機1の動作と同様である。
この場合、ステップ28においては、第1判定部452は、入力パスワードが解除パスワード又は発信パスワードに一致するかを判定する。第1判定部452により、入力パスワードが解除パスワード又は発信パスワードに一致すると判定された場合には、ステップS12に進む。第1判定部452により、入力パスワードが解除パスワード及び発信パスワードのいずれにも一致しないと判定された場合には(図6(d)参照)、ステップS13に進む。
【0070】
以上説明した本実施形態の携帯電話機1によれば、以下のような効果を奏する。
操作部21により入力された入力パスワードが第1記憶部441に記憶された解除パスワードに一致するかを判定する第1判定部452と、この第1判定部452により、入力パスワードが解除パスワードに一致すると判定された場合に、通信部41による101外部端末との音声通話を許可する通話制御部と、を設けた。これにより、携帯電話機1に着信があった場合には、解除パスワードを入力しないと音声通話を開始できない。よって、例えば、ユーザが携帯電話機1から離れた位置にいるときにこの携帯電話機1に着信があった場合に他人により通話が行われることを防止できる。その結果、他人による携帯電話機1の着信応答を制限できる。
【0071】
また、パスワード要求部451に、外部端末101の電話番号が第3記憶部443に記憶された所定の電話番号に一致すると判定された場合に通信回線が接続されるとパスワードの入力を要求させた。これにより、ユーザは、他人に応答されたくない特定の相手(電話番号)からの着信に対してのみパスワードの入力を要求するように、携帯電話機1を設定できる。よって、他人に応答されたくない特定の相手(電話番号)から着信があった場合に、他人が当該特定の相手と通話してしまうことを防止できる。
【0072】
また、表示制御部455を設け、外部端末101の電話番号が第3記憶部443において記憶された所定の電話番号に一致すると判定されるまで、表示部31への外部端末101の電話番号の表示を制限させた。これにより、他人に応答されたくない特定の相手(電話番号)からの着信に対しては、表示部31に電話番号が表示されないので、他人に応答されたくない特定の相手についての情報の秘匿性を向上できる。
【0073】
また、報知制御部456を設け、第4記憶部444において複数の解除パスワードそれぞれに対応して記憶された複数の報知態様で、報知部50に報知させた。これにより、ユーザは、外部端末101から着信があった場合に、報知態様により相手が誰であるかを認識できる。よって、第1記憶部441に複数の解除パスワードが記憶されていた場合でも、ユーザは、入力すべき解除パスワードを容易に認識できる。
【0074】
また、外部端末101から着信要求と共に発信パスワードが発信されてきた場合、第1判定部452により、入力パスワードが発信パスワード又は解除パスワードに一致すると判定されると、通話制御部453に、通信部41による外部端末101との音声通話を許可させた。これにより、発信者は、携帯電話機1への発信時に、当該発信者との通話を許可するためのパスワードを指定できる。よって、発信者は、確実に話したい相手と通話できる。
【0075】
尚、本発明は前記実施形態に制限されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、通信部41により、外部端末101からの通話要求と共に発信パスワードが受信された場合には、入力パスワードが発信パスワード又は解除パスワードのいずれかに一致した場合に、通信部41による音声通話を許可させたが、これに限らない。即ち、外部端末からの通話要求と共に発信パスワードが受信された場合には、入力パスワードが発信パスワードに一致したときのみ通話部による音声通話を許可させてもよい。
【0076】
また、本実施形態においては、携帯端末装置の一例として連結部4を介して操作部側筐体2と表示部側筐体3とが相対的に動く、いわゆる折り畳み式の携帯電話機1を挙げているが、これに限らない。即ち、操作部側筐体と表示部側筐体とを重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式や、操作部側筐体と表示部側筐体とを2軸ヒンジを介して連結したもの、更には、操作部側筐体と表示部側筐体とが一つの筐体に配置されたもの(いわゆる、ストレートタイプ)であってもよい。
【0077】
また、本実施形態では、本発明を携帯端末装置としての携帯電話機1に適用したが、これに限らない。即ち、本発明を、情報携帯端末(PDA)、ノートパソコン、デジタルカメラ等の他の携帯端末装置に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯電話機1の開状態における斜視図である。
【図2】携帯電話機が無線基地局を介して外部端末に接続される様子を示す模式図である。
【図3】携帯電話機の機能を示すブロック図である。
【図4】携帯電話機が機能を発揮するための構成を示す機能ブロック図である。
【図5】図5(a)〜図5(f)は、それぞれ、第2記憶部に記憶された複数の電話番号のうちの所定の電話番号について解除パスワードを設定する場合の手順を説明する図である。
【図6】外部端末から着信要求があった場合における携帯電話機の動作を示す図である。
【図7】外部端末から着信要求があった場合における携帯電話機1の動作を示すフロー図である。
【図8】外部端末101から着信要求と共に所定の発信パスワードが発信された場合における携帯電話機1の動作をしめすフロー図である。
【符号の説明】
【0079】
1 携帯電話機(携帯端末装置)
2 操作部側筐体
3 表示部側筐体
21 操作部(入力部)
31 表示部
41 通信部
50 報知部
100 無線基地局(基地局)
101 外部端末
441 第1記憶部
442 第2記憶部
443 第3記憶部
444 第4記憶部
451 パスワード要求部
452 第1判定部
453 通話制御部
454 第2判定部
455 表示制御部
456 報知制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局を介して外部端末との通信を行う通信部と、
所定の入力が行われる入力部と、
一又は複数の解除パスワードを記憶する第1記憶部と、
前記通信部により受信された基地局を介した外部端末からの着信要求に応じて通信回線が接続された場合に、前記入力部からのパスワードの入力を要求するパスワード要求部と、
前記入力部により入力された入力パスワードが前記一又は複数の解除パスワードのうちの所定の解除パスワードに一致するかを判定する第1判定部と、
前記第1判定部により、前記入力パスワードが前記一又は複数の解除パスワードのうちの所定の解除パスワードに一致すると判定された場合に、前記通信部による前記外部端末との音声通話を許可する通話制御部と、を備える携帯端末装置。
【請求項2】
複数の電話番号を記憶する第2記憶部と、
前記第1記憶部に記憶された一又は複数の解除パスワードと前記第2記憶部に記憶された複数の電話番号のうちの所定の電話番号とを関連付けて記憶する第3記憶部と、
前記通信部により、基地局を介した外部端末からの着信要求及び該外部端末の電話番号が受信された場合に、該外部端末の電話番号が前記第3記憶部に記憶された所定の電話番号に一致するかを判定する第2判定部と、を更に備え、
前記パスワード要求部は、前記第2判定部により、前記外部端末の電話番号が前記第3記憶部に記憶された所定の電話番号に一致すると判定された場合に、前記通信回線が接続されると、前記入力部からのパスワードの入力を要求し、
前記第1判定部は、前記入力パスワードが前記外部端末の電話番号に関連付けられて前記第3記憶部に記憶された解除パスワードに一致するかを判定し、
前記通話制御部は、前記第1判定部により、前記入力パスワードが前記外部端末の電話番号に関連付けられて前記第3記憶部に記憶された解除パスワードに一致すると判定された場合に、前記通信部による前記外部端末との音声通話を許可する請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記通信部により基地局を介して通信が行なわれる外部端末の電話番号を表示可能な表示部と、
前記通信部により前記外部端末からの着信要求及び該外部端末の電話番号が受信された場合に、前記第2判定部により、該外部端末の電話番号が前記第3記憶部において記憶された所定の電話番号に一致すると判定されるまで前記表示部への前記外部端末の電話番号の表示を制限する表示制御部と、を更に備える請求項2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
基地局を介した外部端末からの着信要求を所定の報知態様で報知する報知部と、
前記第1記憶部に記憶された前記一又は複数の解除パスワードそれぞれに対応する一又は複数の報知態様を記憶する第4記憶部と、
前記通信部により前記外部端末からの着信要求及び該外部端末の電話番号が受信された場合に、前記第3記憶部において前記外部端末の電話番号に関連付けられて記憶された解除パスワードに対応する報知態様で、前記報知部に報知させる報知制御部と、を更に備える請求項2又は3に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記パスワード要求部は、前記通信部により、基地局を介した外部端末からの着信要求、該外部端末の電話番号、及び該外部端末から発信される発信パスワードが受信された場合に、前記通信回線が接続されると、前記入力部からのパスワードの入力を要求し、
前記第1判定部は、前記入力パスワードが前記発信パスワード、又は前記第3記憶部において前記外部端末の電話番号に関連付けられて記憶された解除パスワードに一致するかを判定し、
前記通話制御部は、前記第1判定部により、前記入力パスワードが前記発信パスワード、又は前記第3記憶部において前記外部端末の電話番号に関連付けられて記憶された解除パスワードに一致すると判定された場合に、前記通信部による前記外部端末との音声通話を許可する請求項2から4のいずれかに記載の携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−154351(P2010−154351A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331477(P2008−331477)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】