説明

携帯端末装置

【課題】2つの表示部による表示状態に切り替えられたときに、他のアプリケーションの動作画面を、迅速に表示させることができる携帯端末装置を提供する。
【解決手段】携帯電話機は、第1ディスプレイ11および第2ディスプレイ21と、CPU100とを備える。携帯電話機は、第1ディスプレイ11と第2ディスプレイ21のうち第1ディスプレイ11が外部に露出する第1の状態と、双方のディスプレイ11、21が外部に露出する第2の状態に切り替え可能とされている。CPU100は、前記第1の状態において、アプリケーション(AP1)を動作させて第1ディスプレイ11に表示を行っているとき、アプリケーション(AP1)に関連付けられたアプリケーション(AP2)を動作状態に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯電話機においては、液晶パネル等によるディスプレイに操作画面やメール文書、テレビ映像などが表示されるようになっている。近年、携帯電話機では、2つのディスプレイを配置する構成が検討されている(たとえば、特許文献1参照)。この場合、たとえば、第1のディスプレイの下に第2のディスプレイが重ねて配置され、第1のディスプレイのみが外部に露出した状態から第1のディスプレイを移動させることにより、双方のディスプレイが外部に露出する状態に切り替えられる。
【0003】
このような携帯電話機では、第2のディスプレイが開けられると、2つのディスプレイからなる大きなディスプレイ面に、文字や画像を多く表示したり大きく表示したりすることが可能となる。また、各々のディスプレイにおいて、異なるアプリケーションを同時に起動させることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−44202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記構成の携帯電話機では、第1のディスプレイのみが外部に露出した状態において、所定のアプリケーションが実行される場合がある。この場合、ユーザは、現在動作中のアプリケーション以外の他のアプリケーションの動作画面も、同時に参照したいと考えることがある。このとき、ユーザは、たとえば、第2のディスプレイを外部に露出させ、その後、他のアプリケーションを起動する操作を行う必要がある。しかし、こうなると、ユーザに複数の操作が必要となってしまう。また、ユーザは、起動操作を行った後、他のアプリケーションが起動するのを待たなければならず、ユーザに携帯電話機の利便性が劣るとの印象を与える惧れがある。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、2つの表示部による表示状態に切り替えられたときに、他のアプリケーションの動作画面を、迅速に表示させることができる携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の携帯端末装置は、第1の表示部と、第2の表示部と、制御部と、前記第1の表示部と前記第2の表示部のうち前記第1の表示部が外部に露出する第1の状態と前記第1の表示部および前記第2の表示部の両方が外部に露出する第2の状態に切り替えるための切替部とを備える。ここで、前記制御部は、前記第1の状態において、第1のアプリケーションを動作させて前記第1の表示部に表示を行っているとき、前記第1のアプリケーションに関連付けられた第2のアプリケーションを動作状態に設定する。
【0008】
本発明の携帯端末装置によれば、第1の状態において、第2のアプリケーションが動作状態となっているため、第2の状態に切り替わったときに、第2のアプリケーションの動作画面を迅速に表示させることができる。
【0009】
本発明の携帯端末装置において、前記制御部は、前記第1の状態において、前記第2の表示部を非動作状態とするよう構成され得る。
【0010】
このような構成とすれば、第1の状態において、第2の表示部は非動作状態とされるので、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0011】
本発明の携帯端末装置において、前記制御部は、前記第1の状態から前記第2の状態に切り替わると、前記第2のアプリケーションの動作画面を、前記第2の表示部に表示するよう構成され得る。
【0012】
このような構成とすれば、第1の表示部における第1のアプリケーションの動作画面の表示をそのまま維持しながら、第2のアプリケーションの動作画面を第2の表示部に表示させることができる。よって、ユーザは、第2の状態への切り替え移行時に、第1のアプリケーションの動作画面の参照をそのまま続けながら、適宜、スムーズに、第2のアプリケーションの動作画面の参照へと移行することができる。
【0013】
本発明の携帯端末装置は、前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションとを対応付けるテーブルを記憶する記憶部を備える構成とされ得る。この場合、前記制御部は、前記第1の状態において、前記第1のアプリケーションを動作させて前記第1の表示部に表示を行っているとき、前記テーブルにおいて当該第1のアプリケーションに対応付けられた前記第2のアプリケーションを動作状態に設定する。
【0014】
このような構成とすれば、第1の状態から第2の状態に切り替わったときに、第1のアプリケーションと同時に使われやすい第2のアプリケーションを表示させ得るため、ユーザに対する利便性を高めることができる。
【0015】
この場合、携帯端末装置は、設定操作に基づいて、前記テーブルに、前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションとの対応付けを登録するためのテーブル設定部を備える構成とされ得る。
【0016】
このような構成とすれば、ユーザが望むアプリケーションを、第2のアプリケーションとして、第1のアプリケーションの表示に関連付けて表示させることができるので、より一層、ユーザの利便性を高めることができる。
【0017】
本発明の携帯端末装置において、前記制御部は、前記第2の状態において前記第2の表示部に所定のアプリケーションの動作画面が表示されているときに、前記第1の状態に切り替えられた場合、切り替え前の第2の表示部に表示されていた前記所定のアプリケーションを前記第2のアプリケーションに設定するよう構成され得る。
【0018】
このような構成とすれば、第1の状態に切り替えられても、第2のアプリケーションは動作状態に維持されるので、再び、第2の状態に切り替えられたときに、第2のアプリケーションの動作画面を、第2の表示部に迅速に表示させることができる。
【0019】
本発明の携帯端末装置において、前記制御部は、前記第1の状態において、前記第1のアプリケーションに対する入力操作が所定時間なされなければ、前記第2のアプリケーションを停止するよう構成され得る。
【0020】
このような構成とすれば、ユーザが携帯端末装置の使用を中断して放置した場合等、第2のアプリケーションの使用へと移行しにくい状況において、第2のアプリケーションが
停止されるので、より一層、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0021】
本発明の携帯端末装置において、前記制御部は、前記入力操作が再開されると、前記第2のアプリケーションを再び起動するよう構成され得る。
【0022】
このような構成とすれば、第2のアプリケーションの使用へと移行しやすい状況になると、第2のアプリケーションが再び起動されるので、第2の状態に切り替わったときに、第2のアプリケーションの動作画面を第2の表示部に迅速に表示することが可能となる。
【0023】
本発明の携帯端末装置において、前記制御部は、前記第1の状態において、前記第1のアプリケーションが停止したことに基づいて、前記第2のアプリケーションの動作画面を前記第1の表示部に表示するような構成とされ得る。
【0024】
このような構成とすれば、ユーザは、バックグランドで起動していた第2のアプリケーションの動作画面を、第1の表示部で参照することができ、適宜、第2のアプリケーションの使用へと移行することができる。
【0025】
本発明の携帯端末装置において、前記制御部は、前記第1の状態において、電話の着信があると、通話機能のアプリケーションの動作画面を前記第1の表示部に表示するとともに、前記通話機能のアプリケーションに対応付けられた前記第2のアプリケーションを起動するような構成とされ得る。
【0026】
このような構成とすれば、ユーザは、通話の際に、適宜、第2の状態に切り替えることで、通話機能のアプリケーションに対応する第2のアプリケーション、たとえば、電話帳のアプリケーション等の動作画面を、迅速に表示させることができる。よって、ユーザの利便性を高めることができる。
【0027】
この場合、さらに、前記制御部は、通話機能のアプリケーションが停止すると、前記着信前に起動していた前記第1のアプリケーションの動作画面を前記第1の表示部に表示するとともに、前記着信前に起動していた前記第2のアプリケーションを起動するような構成とされ得る。
【0028】
このような構成とすれば、通話が終了した後は、着信前の表示形態に戻されるので、ユーザは、着信前のアプリケーションを続けて使用することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、2つの表示部による表示状態に切り替えられた際、アプリケーションの動作画面を、外部に現われた表示部に迅速に表示させることができる携帯端末装置を提供することができる。
【0030】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施の形態に係る携帯電話機の構成を示す図である。
【図2】実施の形態に係る第2キャビネットが閉じた状態から開いた状態へ切り替えるための操作について説明するための図である。
【図3】実施の形態に係る携帯電話機の全体構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態に係る第2キャビネットが閉じた状態において、第1ディスプレイに表示されるメニュー画面の表示例を示す図である。
【図5】実施の形態に係るアプリケーションが起動されたときの第1ディスプレイおよび第2ディスプレイに対する表示制御について説明するための図である。
【図6】実施の形態に係るアプリケーションが起動されたときの第1ディスプレイおよび第2ディスプレイに対する表示制御について説明するための図である。
【図7】実施の形態に係る図5および図6の制御処理が実行されたときの画面表示の遷移状態を表す図である。
【図8】実施の形態に係る対応テーブルの内容を示す図である。
【図9】実施の形態に係る第2キャビネットが閉じた状態で第1ディスプレイのアプリケーション(AP1)が終了したときの表示制御の処理フローを示す図である。
【図10】実施の形態に係る図9の制御処理が実行されたときの画面表示の遷移状態を表す図である。
【図11】実施の形態に係る第2キャビネットが閉じた状態で電話の着信があったときの表示制御の処理フローを示す図である。
【図12】実施の形態に係る図10の制御処理が実行されたときの画面表示の遷移状態を表す図である。
【図13】変更例1に係る第2キャビネットが開いた状態から閉じた状態に切り替えられたときの表示制御の処理フローを示す図である。
【図14】変更例1に係る図13の制御処理が実行されたときの画面表示の遷移状態を表す図である。
【図15】変更例2に係る対応テーブルの設定するための制御の処理フローを示す図である。
【図16】変更例2に係る図15の制御処理が実行されたときの画面表示の遷移状態を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0033】
<携帯電話機の構成>
図1は、携帯電話機の構成を示す図(分解斜視図)である。携帯電話機は、第1キャビネット1と、第2キャビネット2と、これら第1、第2キャビネット1、2を保持する保持体3とで構成されている。
【0034】
第1キャビネット1は、横長の直方体形状を有する。第1キャビネット1には、第1ディスプレイ11が配されており、そのディスプレイ面が、第1キャビネット1の正面に臨んでいる。第1ディスプレイ11は、後述のように第1液晶パネル11aと第1液晶パネル11aを照明する第1バックライト11bとで構成されている。
【0035】
第1ディスプレイ11の前面には、第1タッチパネル12が配されている。第1タッチパネル12は透明なシート状を有しており、第1タッチパネル12を透してディスプレイ11に表示される表示画面を見ることができる。
【0036】
第1タッチパネル12は、マトリクス状に配された第1透明電極と第2透明電極とを備えている。第1タッチパネル12は、これら透明電極間の静電容量の変化を検出することによって、ユーザに触られたディスプレイ面上の位置を検出し、その位置に応じた位置信号を出力する。
【0037】
第1キャビネット1の内部には、中央やや後ろ位置にカメラモジュール13が配されている。このカメラモジュール13における被写体像を取り込むためのレンズ窓(図示せず)が、第1キャビネット1の下面に設けられている。第1キャビネット1の内部には、ま
た、前面近傍の中央位置に磁石14が配されており、右前角部に磁石15が配されている。さらに、上キャビネット1の右側面および左側面には、それぞれ、突起部16、17が設けられている。
【0038】
第2キャビネット2は、横長の直方体形状を有する。すなわち、第2キャビネット2は、第1キャビネット1とほぼ同じ形状と大きさを有する。第2キャビネット2には、第2ディスプレイ21が配されており、そのディスプレイ面が、第2キャビネット2の正面に臨んでいる。第2ディスプレイ21は、後述のように第2液晶パネル21aと第2液晶パネル21aを照明する第2バックライト21bとで構成されている。なお、第1ディスプレイ11および第2ディスプレイ21は、有機EL等他の表示素子により構成されてもよい。
【0039】
第2ディスプレイ21の前面には、第2タッチパネル22が配されている。第2タッチパネル22の構成は、第1タッチパネル12と同様である。
【0040】
第2キャビネット2の内部には、後面近傍の中央位置に磁石23が配されている。
この磁石23と第1キャビネット1の磁石14とは、後述の如く大画面を構成する位置に第1キャビネット1と第2キャビネット2が位置づけられた状態(開状態)にあるときに、互いに引き合うよう構成されている。なお、第1キャビネット1および第2キャビネット2において、一方の磁石の磁力が十分大きければ、他方の磁石を磁性体に代えてもよい。
【0041】
第2キャビネット2内部において、右前角部には閉鎖センサ24が配されており、右後角部には開放センサ25が配されている。これらセンサ24、25は、たとえば、ホールICなどで構成され、磁石の磁力に反応して検出信号を出力する。後述するように、第1キャビネット1と第2キャビネット2とが重なった状態になると、第1キャビネット1の磁石15が、閉鎖センサ24に接近するので、閉鎖センサ24からON信号が出力される。一方、第1キャビネット1と第2キャビネット2とが前後に並んだ状態になると、第1キャビネット1の磁石15が、開放センサ25に接近するので、開放センサ25からON信号が出力される。
【0042】
さらに、第2キャビネット2の右側面には2つの軸部26が設けられており、左側面には2つの軸部27が設けられている。
【0043】
保持体3は、底板部31と、底板部31の右端部に形成された右保持部32と、底板部31の左端部に形成された左保持部33とで構成されている。底板部31、右保持部32および左保持部33に囲まれた収容領域Rに、第1キャビネット1および第2キャビネット2が上下に重なった状態で収容される。
【0044】
底板部31には、3つのコイルバネ34が左右方向に並ぶように配されている。これらコイルバネ34は、第2キャビネット2が保持体3に取り付けられた状態において、第2キャビネット2の下面に当接し、第2キャビネット2に対して上方に押し上げる力を付与する。
【0045】
右保持部32の上面にはマイク35および電源キー36が配されている。また、右保持部32の外側面には、操作キー群37が配されている。マナーモードの設定など、一定の機能については、これら操作キーを操作することにより、タッチパネル12、22を操作することなく実行される。左保持部33の上面には、通話スピーカ38が配されている。ユーザは、左保持部33側が耳元に、右保持部32側が口元にくるように携帯電話機を持って、通話を行う。また、ユーザは、通話をしながら電話帳を確認する際には、ハンズフ
リー等のように、受話口(通話スピーカ38)を耳にあてないような状態で、通話を行うことができる。
【0046】
右保持部32および左保持部33の内側面には、案内溝39(左保持部33側のみ図示)が形成されている。案内溝39は、前後方向に延びる上溝39aおよび下溝39bと、溝の前側に形成され、上溝39aと下溝39bとに繋がるよう上下に延びる2つの縦溝39cとで構成されている。
【0047】
携帯電話機をアセンブルする際には、軸部26、27をガイド溝39の下溝39bに挿入するようにして、第2キャビネット2を保持体3の収容領域R内に配置し、さらに、突起部16、17をガイド溝39の上溝39aに挿入するようにして、第1キャビネット1を保持体3の収容領域R内であって第2キャビネット2の上に配置する。
【0048】
こうして、第1キャビネット1は、上溝39aに案内されて前後にスライド可能となる。また、第2キャビネット2は、下溝39bに案内されて前後にスライド可能となる。また、第2キャビネット2が前方に移動し、軸部26、27が縦溝39cまでくると、第2キャビネット2は、縦溝39cに案内されて上下にスライド可能となる。
【0049】
図2は、第2キャビネット2が閉じた状態から開いた状態へ切り替えるための操作について説明するための図である。
【0050】
初期の状態においては、同図(a)に示すように、第2キャビネット2が第1キャビネット1の背後に隠れた状態となっている。この状態(閉状態)においては、第1ディスプレイ11のみが外部に露出している。切替えの操作は、ユーザによって手動で行われる。
【0051】
まず、ユーザは、同図(b)に示すように、第1キャビネット1を後方(矢印の方向)に移動させる。次に、第1キャビネット1の後方への移動が完了すると、同図(c)に示すように、第2キャビネット2を前方へ引き出す。この引出し操作によって、第2キャビネット2が第1キャビネット1に完全に重ならない位置、すなわち第1キャビネット1の前に並ぶ位置まで移動すると、上述のように、軸部26、27が縦溝39cにくるので、第2キャビネット2はコイルバネ33に押されて上昇する。このとき、磁石14と磁石23とが引き合うことによって、さらに大きな上昇力が働く。こうして、第2キャビネット2が完全に開いた状態(開状態)になると、同図(d)に示すように、第1キャビネット1と第2キャビネット2とが、前後に密着するように、且つ面一となるように並ぶ。第1ディスプレイ11と第2ディスプレイ21の双方が外部に露出し、2つの画面が一体化された大画面の状態となる。
【0052】
なお、以下の説明において、第2キャビネット2が閉じられ、第1ディスプレイ11および第2ディスプレイ21のうち第1ディスプレイ11が外部に露出した状態を第1の状態という。また、第2キャビネット2が開かれ、双方のディスプレイ11、21が外部に露出した状態を第2の状態という。
【0053】
図3は、携帯電話機の全体構成を示すブロック図である。本実施の形態の携帯電話機は、上述した各構成要素の他、CPU100、メモリ部200、映像エンコーダ301、音声エンコーダ302、キー入力回路303、通信モジュール304、バックライト駆動回路305、映像デコーダ306、音声デコーダ307、外部スピーカ308、バッテリー309、電源部310を備えている。
【0054】
カメラモジュール13はCCD等の撮像素子を有する。カメラモジュール13は、撮像素子から出力された撮像信号をデジタル化し、その撮像信号にガンマ補正等の各種補正を
施して映像エンコーダ301へ出力する。映像エンコーダ301は、カメラモジュール13からの撮像信号にエンコード処理を施してCPU100へ出力する。
【0055】
マイク35は、集音した音声を音声信号に変換して音声エンコーダ302へ出力する。音声エンコーダ302は、マイク35からのアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換するとともに、デジタルの音声信号にエンコード処理を施してCPU100へ出力する。
【0056】
キー入力回路303は、電源キー36や操作キー群37の各キーが操作されたときに、各キーに応じた入力信号をCPU100へ出力する。
【0057】
通信モジュール304は、CPU100からの音声信号や画像信号、テキスト信号などの送信データを無線信号に変換し、アンテナ304aを介して基地局へ送信する。また、アンテナ304aを介して受信した無線信号を音声信号や画像信号、テキスト信号などの受信データに変換してCPU100へ出力する。
【0058】
バックライト駆動回路305は、CPU100からの制御信号に応じた電圧信号を第1バックライト11bおよび第2バックライト21bに供給する。第1バックライト11bは、バックライト駆動回路305からの電圧信号により点灯し、第1液晶パネル11aを照明する。第2バックライト21bは、バックライト駆動回路305からの電圧信号により点灯し、第2液晶パネル21aを照明する。
【0059】
なお、第2バックライト21bは閉じた状態から開き始めると点灯してもよいし、開いた状態になったときに点灯してもよい。
【0060】
映像デコーダ306は、CPU100からの映像信号を第1液晶パネル11aおよび第2液晶パネル21aで表示できるアナログ若しくはデジタルの映像信号に変換し、これら液晶パネル11a、21aに出力する。第1液晶パネル11aおよび第2液晶パネル21aは、映像信号に応じた画像(表示画面)を各ディスプレイ面上に表示する。
【0061】
音声デコーダ307は、CPU100からの音声信号にデコード処理を施し、さらにアナログの音声信号に変換して通話スピーカ38に出力する。また、音声デコーダ307は、CPU100からの着信音、アラーム音等の各種報知音の音信号にデコード処理を施し、さらにアナログの音信号に変換して外部スピーカ308へ出力する。通話スピーカ38は、音声デコーダ307からの音声信号を音声として再生する。外部スピーカ308は、音声デコーダ307からの着信音等を再生する。
【0062】
バッテリー309は、CPU100やCPU100以外の各部へ電力を供給するためのものであり、二次電池からなる。バッテリー309は電源部310に接続されている。
【0063】
電源部310は、バッテリー309の電圧を各部に必要な大きさの電圧に変換して各部へ供給する。また、電源部310は、外部電源の入力部(図示せず)を介して供給された電力をバッテリー309へ供給して、バッテリー309を充電する。
【0064】
メモリ200は、ROMおよびRAMを含む。メモリ200には、CPU100に制御機能を付与するための制御プログラムが記憶されている。
【0065】
また、メモリ200には、カメラモジュール13で撮影した画像データや通信モジュール304を介して外部から取り込んだ画像データ、テキストデータ(メールデータ)などが所定のファイル形式で保存される。
【0066】
CPU100は、キー入力回路303およびタッチパネル12、22からの操作入力信号に基づき、制御プログラムに従って、カメラモジュール13、マイク35、通信モジュール304、液晶パネル11a、21a、通話スピーカ38、外部スピーカ308等を動作させる。これにより、CPU100は、通話機能、電子メール機能等の各種アプリケーションを実行する。
【0067】
また、CPU100は、メモリ200内に用意されたワークエリア内で、各ディスプレイ11、21に表示するメニュー画面や各種アプリケーションの動作画面を生成し、これらの表示画面を表示するための映像信号を出力する。
【0068】
<携帯電話機の機能>
図4は、第1の状態において第1ディスプレイ11に表示されるメニュー画面の表示例を示す図である。
【0069】
第1の状態において、第1ディスプレイ11には、初期画面としてメニュー画面が表示される。メニュー画面には、たとえば、同図に示すように、各種のアプリケーションを実行するためのアイコンM1が表示されている。アプリケーションは、あらかじめ登録されているアプリケーション以外にも、インターネットを通じたダウンロード等により入手可能であり、入手されたアプリケーションは、インストールにより携帯電話機に追加される。
【0070】
第1ディスプレイ11には、さらに、受信状態を示すアンテナマークM2およびバッテリーの残量を示す残量マークM3が表示されている。ユーザは、アンテナマークM2により受信状態を確認でき、残量マークM3によりバッテリーの残量を確認することができる。
【0071】
ユーザは、第1ディスプレイ11に表示されたアイコンM1の中から、所望のアイコンM1を指などでタッチすることにより、所望のアプリケーションを起動することができる。
【0072】
図5および図6は、アプリケーションが起動されたときの第1ディスプレイ11および第2ディスプレイ21に対する表示制御について説明するための図である。また、図7は、図5および図6の制御処理が実行されたときの画面表示の遷移状態を表す図である。
【0073】
図5(a)は、第1の状態においてアプリケーションの起動操作がなされたときの表示制御の処理フローを示す図である。
【0074】
ユーザは、第1の状態で、図4に示すメニュー画面から所望のアプリケーション(AP1)を選び、そのアプリケーション(AP1)に対応するアイコンM1を指などでタッチする。
【0075】
図5(a)を参照して、CPU100は、起動操作がなされると(S101:YES)、操作がなされたアプリケーション(AP1)を起動し、そのアプリケーション(AP1)の動作画面を生成する。そして、生成した動作画面を第1ディスプレイ11に表示する(S102)。
【0076】
図8に示すように、メモリ200には、第1ディスプレイ11で起動されるアプリケーション(AP1)と、第2ディスプレイ21で起動されるアプリケーション(AP2)とを対応付ける対応テーブルが記憶されている。
【0077】
対応テーブルには、同時に使用されやすいアプリケーション同士が対応付けされている。たとえば、ブラウザ機能のアプリケーションには、電子メール機能のアプリケーションが対応づけられている。また、通話機能のアプリケーションには、電話帳のアプリケーションが対応づけられている。また、1つのアプリケーション全体でなく、アプリケーションの一部の機能について、対応付けがなされる場合もある。たとえば、受信メールの表示画面には、返信メールの編集画面が対応づけられている。
【0078】
CPU100は、メモリ200内の対応テーブルを参照し、起動されたアプリケーション(AP1)に対応付けられたアプリケーション(AP2)があれば(S103:YES)、そのアプリケーション(AP2)を起動する(S104)。そして、そのアプリケーション(AP2)の動作画面を生成する。しかし、CPU100は、生成した動作画面を表示するための映像信号を出力せず、第2ディスプレイ21をオフ状態とする(S105)。
【0079】
こうして、図7の(画面1)に示すように、第1ディスプレイ11には、アプリケーション(AP1)の動作画面が表示される。このとき、第2ディスプレイ21はオフ状態とされるが、アプリケーション(AP2)は起動されて、その動作画面がメモリ200内にバッファリングされた状態となる。
【0080】
なお、第2ディスプレイ21への表示は直ちに行われないので、アプリケーション(AP2)は、迅速に起動される必要がない。このため、CPU100は、ステップS104において、アプリケーション(AP2)を、通常の起動時よりもタスクの優先度を下げて起動する。以降に説明する他の制御処理において、第2キャビネット2が閉じた状態でアプリケーション(AP2)が起動されるときも、上記と同様、タスクの優先度を下げて起動される。
【0081】
図5(b)は、第1の状態から第2の状態に切り替えられたときの表示制御の処理フローを示す図である。
【0082】
ユーザは、たとえば、第1ディスプレイ11でアプリケーションを使用しながら第2ディスプレイ21で他のアプリケーションを使用したい場合に、第2キャビネット2を開く。
【0083】
図5(b)を参照して、ユーザによって第2キャビネット2が開かれると、CPU100は、アプリケーション(AP1)が動作中であれば(S201:YES)、そのまま継続して、アプリケーション(AP1)の動作画面を第1ディスプレイ11に表示する(S202)。さらに、CPU100は、アプリケーション(AP2)が動作中であれば(S203:YES)、第2ディスプレイをオン状態とするとともに、映像信号を出力して、アプリケーション(AP2)の動作画面を第2ディスプレイ21に表示する(S204)。
【0084】
こうして、図7の(画面1)の状態から図7の(画面2)の状態となり、第1ディスプレイ11には、アプリケーション(AP1)の動作画面が表示され、第2ディスプレイ21には、アプリケーション(AP2)の動作画面が表示される。このとき、第1の状態において、すでにアプリケーション(AP2)が起動し、その動作画面が生成されている。よって、第2キャビネット2が開かれると、アプリケーション(AP2)の動作画面が第2ディスプレイ21に迅速に表示される。
【0085】
ユーザは、第2ディスプレイ21に表示されたアプリケーションを使用したい場合はそ
のまま使用する。一方、他のアプリケーションを使用する場合には、動作しているアプリケーションを終了し、他のアプリケーションを起動する。
【0086】
図5(c)は、第2の状態から第1の状態に切り替えられたときの表示制御の処理フローを示す図である。
【0087】
ユーザは、たとえば、第2ディスプレイ21で動作中のアプリケーションの使用をやめる、あるいは、一時的に中断する場合に、第2キャビネット2を閉じる。
【0088】
図5(c)を参照して、ユーザによって第2キャビネット2が閉じられると、CPU100は、アプリケーション(AP1)が動作中であれば(S301:YES)、そのまま継続して、アプリケーション(AP1)の動作画面を第1ディスプレイ11に表示する(S302)。さらに、CPU100は、第2ディスプレイ21でアプリケーション(AP2)が動作していれば(S303:YES)、アプリケーション(AP2)の動作を継続したまま(S304)、第2ディスプレイをオフ状態とする(S305)。
【0089】
こうして、図7の(画面2)の状態から図7の(画面1)の状態となり、第1ディスプレイ11には、アプリケーション(AP1)の動作画面が表示される。このとき、アプリケーション(AP2)の動作は継続されるため、その表示画面がメモリ200内にバッファリングされた状態となる。この状態から再び第2キャビネット2が開かれれば、図5(b)の制御処理が実行され、アプリケーション(AP2)の動作画面が第2ディスプレイ21に迅速に表示される。
【0090】
なお、第2の状態において、アプリケーション(AP2)が動作していなければ(S203:NO)、CPU100は、アプリケーション(AP2)が停止されている状態で、第2ディスプレイ21をオフ状態とする(S305)。
【0091】
図6(a)、(b)は、第1の状態でのスリープモードに係る表示制御の処理フローを示す図である。第1の状態において、第1ディスプレイ11で動作しているアプリケーション(AP1)対する入力操作がない状態が続くと、スリープモードが実行される。
【0092】
図6(a)を参照して、CPU100は、前回の入力操作から所定の時間が経過しても次の入力操作がなされず、これにより、スリープモードへ移行されると(S401:YES)、アプリケーション(AP1)の動作を継続したまま、第1ディスプレイ11をオフ状態とする(S402)。さらに、CPU100は、アプリケーション(AP2)を停止する(S403)。
【0093】
こうして、図7の(画面1)の状態から図7の(画面3)の状態となり、第1ディスプレイ11には、アプリケーション(AP1)の動作画面が表示されなくなる。
【0094】
スリープモードでは、第1ディスプレイ11がオフ状態とされ、さらに、アプリケーション(AP2)が停止されるため、携帯電話機の消費電力が大きく低減される。
【0095】
ユーザは、入力操作を再開するときには、最初にスリープモードの解除操作を行う。たとえば、操作キー群37の中の予め解除操作に割り当てられたキーを押す。
【0096】
図6(b)を参照して、CPU100は、スリープモードが解除されると(S501:YES)、第1ディスプレイ11をオン状態とし、アプリケーション(AP1)の動作画面を第1ディスプレイ11表示する(S502)。さらに、CPU100は、第2ディスプレイ21はオフ状態のまま、停止していたアプリケーション(AP2)を再び起動し、
その動作画面を生成する。
【0097】
こうして、図7の(画面3)の状態から図7の(画面1)の状態となり、第1ディスプレイ11には、アプリケーション(AP1)の動作画面が再び表示される。このとき、アプリケーション(AP2)は再び起動されて、その動作画面がメモリ200内にバッファリングされた状態となる。この状態から再び第2キャビネット2が開かれれば、図5(b)の処理が実行され、アプリケーション(AP2)の動作画面が第2ディスプレイ21に迅速に表示される。
【0098】
このように、本実施の形態では、第2キャビネット2が開かれる前に、第2ディスプレイ21に表示されるべきアプリケーション(AP2)が起動され、その動作画面がメモリ200内に準備される構成とされている。よって、第2キャビネット2が開かれときに、アプリケーション(AP2)の動作画面を第2ディスプレイ21に迅速に表示することができ、ユーザは、スムーズにアプリケーション(AP2)の使用へと移行できる。また、第2キャビネット2が閉じているときには、第2ディスプレイ21はオフ状態とされるので、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0099】
また、本実施の形態では、第1ディスプレイ11で起動されたアプリケーション(AP1)に対応付けられたアプリケーション(AP2)が起動される構成とされている。よって、アプリケーション(AP1)と同時に使用されやすいアプリケーション(AP2)を、アプリケーション(AP1)に対応付けておくことができ、ユーザに対する利便性を高めることができる。
【0100】
さらに、本実施の形態では、アプリケーション(AP1)に対する入力操作が途切れると、スリープモードが実行され、スリープモードになると、バックグランドで起動していたアプリケーション(AP2)が停止される。即ち、アプリケーション(AP2)の使用へと移行されにくい状況になると、アプリケーション(AP2)が停止されるので、無駄な電力消費を、より一層抑えることができる。
【0101】
さらに、本実施の形態では、スリープモードが解除されると、アプリケーション(AP2)が再び起動される。即ち、アプリケーション(AP2)の使用へと移行されやすい状況になると、アプリケーション(AP2)が再び起動されるので、第2の状態となったときに、アプリケーション(AP2)の動作画面を第2ディスプレイ21に迅速に表示することが可能となる。
【0102】
図9は、第1の状態で第1ディスプレイ11のアプリケーション(AP1)が終了したときの表示制御の処理フローを示す図である。また、図10は、図9の制御処理が実行されたときの画面表示の遷移状態を表す図である。
【0103】
図10の(画面1)のように、第1ディスプレイ11にアプリケーション(AP1)の動作画面が表示され、そのバックグランドでアプリケーション(AP2)が動作しているときに、ユーザによってアプリケーション(AP1)が終了され、その動作画面が閉じられる場合がある。
【0104】
図9を参照して、CPU100は、アプリケーション(AP1)を終了する操作がなされると(S601:YES)、アプリケーション(AP1)を停止する(S602)。これにより、第1ディスプレイ11上では、アプリケーション(AP1)の動作画面が閉じられる。
【0105】
次に、CPU100は、アプリケーション(AP2)が動作中であるか否かを判定し(
S603)、動作中であれば(S603:YES)、アプリケーション(AP2)の動作画面を第1ディスプレイ11に表示するか否かをユーザに確認するための確認画面を第1ディスプレイ11に表示する(S604)。確認画面は、たとえば、図10の(画面2)に示すような表示画面とされる。アプリケーション(AP2)の動作画面を第1ディスプレイ11に表示する場合、ユーザは、確認画面の「はい」のキーを押す。表示しない場合には、「いいえ」のキーを押す。
【0106】
CPU100は、表示を許可する操作がなされると(S605:YES)、図10の(画面3)に示すように、アプリケーション(AP2)の動作画面を第1ディスプレイ11に表示する(S606)。一方、CPU100は、表示を許可しない操作がなされると(S605:NO)、アプリケーション(AP2)を停止する(S607)。
【0107】
このように、本実施の形態では、第1ディスプレイ11で動作しているアプリケーション(AP1)が終了されたときに、バックグランドでアプリケーション(AP2)が動作していれば、アプリケーション(AP2)の動作画面が第1ディスプレイ11表示される構成とされている。これにより、ユーザは、アプリケーション(AP2)の動作画面を、第1ディスプレイ11で参照することができ、適宜、アプリケーション(AP2)の使用へと移行することができる。
【0108】
しかも、ユーザの許可がなければ、アプリケーション(AP2)の動作画面が第1ディスプレイ11表示されないので、不所望な表示がなされることがない。
【0109】
なお、アプリケーション(AP2)が動作していな場合(S603:NO)やアプリケーション(AP2)が停止された場合(S607)、第1ディスプレイ11には、たとえば、メニュー画面が表示されることとなる。
【0110】
上記構成では、ステップS603でアプリケーション(AP2)が動作中であると判定されると、確認画面が表示される。しかしながら、確認画面が表示されず、すぐに第1ディスプレイ11にアプリケーション(AP)の動作画面が表示されるようにしても良い。この場合には、第1ディスプレイ11の画面表示が、図10の(画面1)から直接(画面3)へと移行する。ユーザは、第1ディスプレイ11に表示されたアプリケーション(AP2)を使用しなければ、そのアプリケーション(AP2)を終了させれば良い。
【0111】
図11は、第1の状態で電話の着信があったときの表示制御の処理フローを示す図である。また、図12は、図11の制御処理が実行されたときの画面表示の遷移状態を表す図である。
【0112】
図12の(画面1)のように、第1の状態において、第1ディスプレイ11にアプリケーション(AP1)の動作画面が表示され、そのバックグランドでアプリケーション(AP2)が動作しているときに、電話の着信がある場合がある。
【0113】
図11を参照して、CPU100は、電話の着信があると(S701:YES)、アプリケーション(AP1)およびアプリケーション(AP2)を停止する(S702)。アプリケーション(AP1)が停止される際には、停止直前の動作画面がメモリ200に保存される。
【0114】
次に、CPU100は、通話機能のアプリケーションを起動し、図12の(画面2)に示すように、その動作画面、即ち、呼出し画面を第1ディスプレイ11に表示する(S703)。さらに、CPU100は、対応テーブルを参照し、通話機能のアプリケーションに対応するアプリケーション、たとえば、電話帳のアプリケーションを起動し、その動作
画面を生成する(S704)。
【0115】
この状態で、ユーザによって、第2キャビネット2が開かれると、図5(b)の制御処理が実行され、電話帳のアプリケーションの動作画面が第2ディスプレイ21に迅速に表示される。ユーザは、通話をしながら、電話帳により通話相手に関する情報(電話番号、住所等)を確認することができる。
【0116】
第1の状態で、ユーザの通話が終了し、通話停止の操作がなされると(S705:YES)、CPU100は、着信前に動作していたアプリケーション(AP1)を再び起動する。そして、メモリ200に保存された停止直前の動作画面を生成して、第1ディスプレイ11に表示する(S706)。さらに、第2ディスプレイ21はオフ状態のまま、着信前に動作していたアプリケーション(AP2)を起動して、その動作画面を生成する(S707)。
【0117】
このように、本実施の形態では、ユーザは、通話の際に、適宜、第2の状態に切り替えることで、通話機能のアプリケーションに対応するアプリケーション(AP2)、たとえば、電話帳のアプリケーションの動作画面を、迅速に表示させることができる。よって、ユーザの利便性を高めることができる。
【0118】
さらに、通話が終了した後は、着信前の表示形態に戻されるので、ユーザは、着信前のアプリケーション(AP1)およびアプリケーション(AP2)を続けて使用することができる。
【0119】
<変更例1>
図13は、変更例1に係る第2の状態から第1の状態に切り替えられたときの表示制御の処理フローを示す図である。また、図14は、図13の制御処理が実行されたときの画面表示の遷移状態を表す図である。
【0120】
上記実施の形態では、図5(c)の制御処理において、第2キャビネット2が閉られたときに、第1ディスプレイ11でアプリケーション(AP1)が動作していなければ(S301:NO)、即ち、図14のように、第1ディスプレイ11の表示が、たとえば、メニュー画面に戻っていれば、そのまま処理が終了される。この場合、他の制御処理が実行され、たとえば、第1ディスプレイ11にはメニュー画面が表示され、アプリケーション(AP2)は停止される。しかしながら、図5(c)の制御処理を、本変更例のように変更することもできる。
【0121】
図13を参照して、CPU100は、アプリケーション(AP1)が動作中であれば(S301:YES)、その動作画面を第1ディスプレイ11に表示したままとした後に(S302)、動作フラグをセットする(S311)。動作フラグは、アプリケーション(AP1)が動作中であるか否かを判別するためのフラグである。
【0122】
一方、CPU100は、アプリケーション(AP1)が動作中でなければ(S301:NO)、動作フラグをリセットする(S312)。
【0123】
その後、CPU100は、アプリケーション(AP2)が動作中であれば、動作フラグを確認する(S313)。そして、動作フラグがリセットされていれば(S313:NO)、図14の(画面2)に示すように、アプリケーション(AP2)の動作画面を第2ディスプレイ21に表示する(S314)。
【0124】
このような構成とれば、ユーザは、第1の状態に切り替えられたときに、適宜、アプリ
ケーション(AP2)を利用することができる。
【0125】
なお、動作フラグがリセットされている場合に、図9のステップS604からS607と同様な処理が行われても良い。即ち、確認画面を表示してユーザに確認をとり、表示の許可があった場合に、アプリケーション(AP2)の動作画面を第1ディスプレイ11に表示するようにしても良い。
【0126】
<変更例2>
図15は、変更例2に係る対応テーブルの設定するための制御の処理フローを示す図である。また、図16は、図15の制御処理が実行されたときの画面表示の遷移状態を表す図である。
【0127】
上記実施の形態では、対応テーブルの内容が予め設定されていたが、本変更例のように、対応テーブルの内容をユーザが任意に設定できるようにすることもできる。
【0128】
対応テーブルの設定は、双方のディスプレイ11、12を用いて行われる。第2の状態で、対応テーブルを設定するための操作がなされると、図15の制御処理が開始される。
【0129】
図15を参照して、CPU100は、まず、図16の(画面1)に示すような選択画面を、双方のディスプレイ11、12に表示する。各ディスプレイ11、12には、それぞれ、選択対象となるアイコンM1が表示される。
【0130】
ユーザは、第1ディスプレイ11で起動するアプリケーション(AP1)のアイコンM1を第1ディスプレイ11上で選択する。そして、選択したプリケーション(AP1)に対応して第2ディスプレイ21で起動するアプリケーション(AP2)のアイコンM1を第2ディスプレイ21上で選択する。ユーザは、各ディスプレイ11、12からそれぞれアイコンM1を選択すると、「OK」のキーを押す。
【0131】
ユーザによって「OK」キーが押されると、CPU100は、選択が完了したと判定し(S802:YES)、図16の(画面2)に示すような確認画面を、双方のディスプレイ11、12に表示する。第1ディスプレイ11には、対応テーブルM4が表示され、第2ディスプレイ21には、ユーザが設定を続けるか終わるかの操作を行うための表示画面が表示される。
【0132】
ユーザは、第1ディスプレイ11で現在の設定状況を確認し、さらに設定を続ける場合には、「続ける」のキーを押す。これにより、CPU100は、設定を続ける操作がなされると(S804:YES)、選択画面を、双方のディスプレイ11、12に再び表示する(S801)。
【0133】
一方、ユーザは、全ての設定が完了すると、「終わる」のキーを押す。これにより、CPU100は、設定を終わる操作がなされると(S805:YES)、対応テーブルの設定内容をメモリ200に登録し(S806)、処理を終了する。
【0134】
このような構成とすれば、ユーザが望むアプリケーション(AP2)を第2ディスプレイ21で起動させることができるので、ユーザに対する利便性がより高めることができる。
【0135】
なお、設定内容が予め決められた標準の対応テーブルが別途用意され、ユーザによって対応テーブルが設定されない場合には、標準の対応テーブルが参照されるようにしても良い。また、第1ディスプレイ11で、ユーザによって設定された対応テーブルにないアプ
リケーション(AP1)が第1ディスプレイ11で起動されたときも、標準の対応テーブルが参照されるようにしても良い。
【0136】
<その他>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施の形態によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施形態も上記の他に種々の変更が可能である。
【0137】
たとえば、上記実施の形態では、スリープモードに移行すると、すぐに第1ディスプレイ11がオフ状態とされる構成とされている。しかしながら、これに限らず、スリープモードに移行すると、まず、第1バックライト11bの輝度が低下され、その後さらに、一定時間、入力操作がなければ、第1ディスプレイ11がオフ状態とされる構成とされても良い。この場合、アプリケーション(AP2)は、第1ディスプレイ11がオフ状態とされたタイミングで停止されても良いし、第1バックライト11bの輝度が低下されたタイミングで停止されても良い。また、ユーザによって所定の移行操作がなされたときに、スリープモードに移行されても良い。
【0138】
また、変更例2では、ユーザが対応テーブルの設定を行える構成とされている。しかし、これに替えて、あるいはこれに加えて、次のような構成としても良い。即ち、第2の状態で、双方のディスプレイ11、21で同時に使用されたアプリケーションの履歴をメモリ200に記憶し、同時使用の回数(頻度)が所定量を越えると、これら2つのアプリケーションが対応テーブルに設定されるような構成としても良い。
【0139】
さらに、上記実施の形態では、第1ディスプレイ11で動作するアプリケーション(AP1)に1つのアプリケーション(AP2)が対応付けられている。しかしながら、アプリケーション(AP1)に複数のアプリケーション(AP2)が対応付けられても良い。この場合、アプリケーション(AP1)の動作画面が第1ディスプレイ11に表示される際、バックグランドで複数のアプリケーション(AP2)が起動される。そして、第2の状態に切り替わると、まず、第2ディスプレイ21に、これらのアプリケーション(AP2)が選択候補として表示される。ユーザが、複数の候補から所望のアプリケーション(AP2)を選ぶと、選ばれたアプリケーション(AP2)が第2ディスプレイ21に表示される。
【0140】
さらに、本発明の携帯端末装置は、携帯電話機に限られず、PDA(PersonalDigital Assistant)等であってもよい。
【0141】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0142】
11 第1ディスプレイ(第1の表示部)
14 磁石(切替部)
16 突起部(切替部)
17 突起部(切替部)
21 第2ディスプレイ(第2の表示部)
23 磁石(切替部)
26 軸部(切替部)
27 軸部(切替部)
34 コイルバネ(切替部)
39 案内溝(切替部)
100 CPU(制御部、テーブル設定部)
200 メモリ(記憶部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末装置において、
第1の表示部と、
第2の表示部と、
制御部と、
前記第1の表示部と前記第2の表示部のうち前記第1の表示部が外部に露出する第1の状態と前記第1の表示部および前記第2の表示部の両方が外部に露出する第2の状態に切り替えるための切替部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1の状態において、第1のアプリケーションを動作させて前記第1の表示部に表示を行っているとき、前記第1のアプリケーションに関連付けられた第2のアプリケーションを動作状態に設定する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
請求項2に記載の携帯端末装置において、
前記制御部は、前記第1の状態において、前記第2の表示部を非動作状態とする、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の携帯端末装置において、
前記制御部は、前記第1の状態から前記第2の状態に切り替わると、前記第2のアプリケーションの動作画面を、前記第2の表示部に表示する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の携帯端末装置において、
前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションとを対応付けるテーブルを記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記第1の状態において、前記第1のアプリケーションを動作させて前記第1の表示部に表示を行っているとき、前記テーブルにおいて当該第1のアプリケーションに対応付けられた前記第2のアプリケーションを動作状態に設定する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯端末装置において、
設定操作に基づいて、前記テーブルに、前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションとの対応付けを登録するためのテーブル設定部を備える、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項6】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の携帯端末装置において、
前記制御部は、前記第2の状態において前記第2の表示部に所定のアプリケーションの動作画面が表示されているときに、前記第1の状態に切り替えられた場合、切り替え前の第2の表示部に表示されていた前記所定のアプリケーションを前記第2のアプリケーションに設定する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一項に記載の携帯端末装置において、
前記制御部は、前記第1の状態において、前記第1のアプリケーションに対する入力操作が所定時間なされなければ、前記第2のアプリケーションを停止する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項8】
請求項7に記載の携帯端末装置において、
前記制御部は、前記入力操作が再開されると、前記第2のアプリケーションを再び起動する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れか一項に記載の携帯端末装置において、
前記制御部は、前記第1の状態において、前記第1のアプリケーションが停止したことに基づいて、前記第2のアプリケーションの動作画面を前記第1の表示部に表示する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか一項に記載の携帯端末装置において、
前記制御部は、前記第1の状態において、電話の着信があると、通話機能のアプリケーションの動作画面を前記第1の表示部に表示するとともに、前記通話機能のアプリケーションに対応付けられた前記第2のアプリケーションを起動する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項11】
請求項10に記載の携帯端末装置において、
前記制御部は、通話機能のアプリケーションが停止すると、前記着信前に起動していた前記第1のアプリケーションの動作画面を前記第1の表示部に表示するとともに、前記着信前に動作させていた前記第2のアプリケーションを起動する、
ことを特徴とする携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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