説明

携帯端末

【課題】タッチパネルの操作性を向上することができる携帯端末を提供する。
【解決手段】ディスプレイ35には、文字入力を行う画面の下部にQWERTYキー配列のキーボードが表示されている。領域設定部301は、キーボードを例えば行毎に分割して、4つの領域を設定する。タッチパネルのキーボードが押下されたことをタッチ入力検知部32が検知すると、この検知位置が設定した任意の領域内である場合、領域指定部302は、検知位置を含む領域をアクティブ状態として指定し、その領域内で最も端のキーをカーソルで指定する。次に方向ボタンが押下されると、選択部303は、現在カーソルで指定されているキーから、同じ領域内の隣のキーにカーソルを移動させる。ユーザ所望のキーにカーソルが移動し、決定ボタンが押下されると、選択部303はカーソルで指定したキーを確定し、当該キーに対応する文字を文字入力画面へ表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話等の携帯端末に係り、特にタッチパネルを備えた携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末において、その表示部にタッチパネルを搭載したものが知られている。このようなタッチパネルは、圧力変化や静電容量変化によって形成されるタッチセンサと表示部とを組み合わせており、例えば操作を要求するメニュー画面においてメニュー項目が表示された画面を直接タッチすることによって、タッチされた位置に該当する項目が選択されるようになっている。また、ユーザがタッチパネル上において指やタッチペンなどの物体を移動させ、物体の移動に合わせてスクロールする方法も知られている。
【0003】
最近、タッチパネルにQWERTYキー等の入力キーボードを表示し、文字入力もタッチパネル上で行う携帯端末が増えている。入力キーボードは、QWERTYキー表示の他、従来の携帯端末に搭載されている文字入力用のハードキーと同様な配列であるテンキー表示等が切り替え可能に表示される。
【0004】
特許文献1には、タッチパネルを備えた画像表示装置へソフトウェアキーボード機能を内蔵させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−326413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
タッチパネルにキーボード表示を行う場合、キーボード表示以外の部分をなるべく広く表示するために、キーボードを画面下部に小さく表示するのが一般的である。よって、ユーザが指やスタイラスペンで文字入力を行おうとすると、キーが小さいため、ユーザが所望するキーに押下できなかったり、押下しようとするキーが見づらかったりし、ユーザの思うような文字入力がしにくいという問題がある。また、画面にウェブページが表示され、項目を押下して選択する場合も、文字入力と同様、表示が小さいためにユーザは所望の位置を押下しにくく、異なる項目を押下してしまうことも多い。また、タッチパネルへの押下は、ハードキーと異なり、押下したという実感が伴わず、誤動作につながりやすい。
【0007】
本発明はこのような点を考慮してなされたもので、タッチパネルの操作性を向上することができる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に係る携帯端末は、少なくとも操作キー画面を表示する表示部と、前記表示部へ接触することにより入力を行う接触入力部と、前記接触入力部での入力を検知する接触検知部と、ハードキーの押下を検知するハードキー操作検知部と、前記表示部に表示される前記操作キー画面を分割して複数の領域を設定する領域設定部と、前記複数の領域の中から1つの領域を指定する領域指定部と、前記領域指定部で指定した前記領域内の複数の操作キーのうち1つを、前記ハードキー操作検知部で検知した前記ハードキーの押下に基づき選択する選択部と、を有することを特徴とする。
【0009】
また本発明の請求項9に係る携帯端末は、複数の領域に区切られたウェブページを表示する表示部と、前記表示部へ接触することにより入力を行う接触入力部と、前記接触入力部での入力を検知する接触検知部と、ハードキーの押下を検知するハードキー操作検知部と、前記表示部に表示された前記ウェブページの領域の情報を取得して設定する領域設定部と、前記表示部に表示される前記ウェブページの任意の位置で前記接触検知部が入力を検知した場合、前記領域設定部で設定した、当該位置を含む領域を指定する領域指定部と、前記領域指定部で指定した前記領域内の複数の項目のうち1つを、前記ハードキー操作検知部で検知した前記ハードキーの押下に基づき選択する選択部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る携帯端末によれば、タッチパネルの操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯端末の外観図。
【図2】同上の実施形態に係る携帯端末の概略構成を示すブロック図。
【図3】キーボードに複数の領域を設定する場合の動作を示すフローチャート。
【図4】キーボードを行毎に分割した領域を設定する場合の画面表示例を示す図。
【図5】キーボードを8分割した領域を設定する場合の画面表示例を示す図。
【図6】キーボードにタブキーを表示する場合の動作を示すフローチャート。
【図7】キーボードを行毎に分割した領域にタブキーを表示する場合の画面表示例を示す図。
【図8】キーボードを8分割した領域にタブキーを表示する場合の画面表示例を示す図。
【図9】単語の予測変換候補を選択する場合の動作を示すフローチャート。
【図10】単語の予測変換候補を選択する場合の画面表示例を示す図。
【図11】ウェブページのブロック毎における項目を選択する場合の動作を示すフローチャート。
【図12】ウェブページのブロック毎における項目を選択する場合の画面表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る携帯端末1の実施形態を示す外観斜視図である。携帯端末1は、矩形の板状の筐体11を備える。この筐体11の一方の正面には、タッチパネル14が大部分を占めて構成される。
【0014】
このタッチパネル14は、表示および入力の双方の機能を備える。タッチパネル14は、ディスプレイ(図2のディスプレイ35)と、上面に複数配置された接触動作を検知するための素子およびさらにその上に積層された透明な操作面(図2のタッチセンサ321)で構成される。
【0015】
ディスプレイとしてのタッチパネル14は、文字や画像などからなる表示画面を表示する領域を備える。またタッチパネル14は、キーボード等の入力画面を表示する領域も同時に備える。このディスプレイは、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイ、無機ELディスプレイで構成される。
【0016】
タッチセンサ(入力部)としてのタッチパネル14は、操作面に対して接触する接触物(ユーザの指やスタイラスペン等)の動作を検知することにより指示を受け付ける。本実施形態における接触物の動作を検知する方法は、接触圧力の変化を感知する感圧方式を適用する。接触物の動作は、接触点の位置を示す座標情報で検知される。座標情報は、例えばタッチパネル14の短辺方向および長手方向の二軸上の座標値で表わされる。
【0017】
タッチパネル14のある操作面には、筐体11の長手方向における対向位置に、音声を入力するためのマイクロフォン16と、音声を出力するためのスピーカ15とがそれぞれ配置される。
【0018】
筐体11の側面にはハードキー53が備えられる。ハードキー53には、少なくともディスプレイに表示されるカーソルを移動する方向ボタン53a、53bと、カーソルで指定した文字、単語、または項目を確定する決定ボタン53cとを含む。
【0019】
図2は、携帯端末1の概略構成を示すブロック図である。携帯端末1は、制御部30、電源回路部31、タッチ入力検知部32、ハードキー操作検知部33、表示制御部34、音声制御部36、無線通信部37、情報記憶媒体38、記憶部39、予測変換語DB21がバスによって相互に通信可能に接続されて構成されている。
【0020】
電源回路部31は、電力供給源(バッテリ等)を備え、所定の操作キーを介した入力に基づいて携帯端末1の電源のON/OFF状態を切り替える。電源回路部31は、電源がON状態の場合に電力供給源から各部に対して電力を供給して、携帯端末1を動作可能にする。
【0021】
タッチ入力検知部32はタッチセンサ321に対する入力インタフェースを備える。タッチ入力検知部32は、タッチセンサ321で検知した接触検知信号より、接触点の座標情報を生成し、制御部30に伝送する。ハードキー操作検知部33は、ハードキー53に対する入力インタフェースを備え、ハードキー53の押下(プレス)またはリリースの操作を検知すると、それらの操作を示す信号を生成して、この信号を制御部30に伝送する。
【0022】
表示制御部34はディスプレイ35に対する表示インタフェースを備える。表示制御部34は、制御部30の制御に基づいて、文書データや画像等をディスプレイ35に表示させる。また表示制御部34は、キーボード設定部305で設定した任意の配列のキーボードをディスプレイ35に表示させる。
【0023】
音声制御部36は、制御部30の制御に基づいて、マイクロフォン16で集音されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。また音声制御部36は、デジタル音声信号を取得すると、制御部30の制御に基づいて、このデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、スピーカ15から音声として出力する。
【0024】
無線通信部37は、制御部30の制御に基づいて、基地局からアンテナ37aを介して受信した受信信号を処理してデータを復元する。このデータは、制御部30の指示により、音声制御部36に伝送されてスピーカ15から出力されたり、表示制御部34に伝送されてディスプレイ35に表示されたり、または記憶部39に記録されたりする。また無線通信部37は、制御部30の制御に基づいて、音声制御部36にてデジタル音声信号に変換した音声データや、タッチセンサ321やハードキー53から入力されたデータや記憶部39に記憶されたデータを取得すると、これらのデータの処理を行い、基地局に対してアンテナ37aを介して送信する。
【0025】
予測変換語DB21は、入力された文字から類推される単語に予測変換を行う際の、予測変換語を格納する。
【0026】
情報記憶媒体38(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、ハードディスク、或いはメモリ(Flash Memory、ROM:Read Only Memory)などにより実現できる。情報記憶媒体38は、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)、複数のアプリケーション等が記憶される。
【0027】
制御部30は、携帯端末1の総括的な制御を行うとともに、その他の様々な演算処理や制御処理などを行う演算装置である。制御部30の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。制御部30は、情報処理媒体38に記憶された各種プログラムに基づいて本実施形態の種々の処理を行う。
【0028】
また制御部30は、領域設定部301、領域指定部302、選択部303、予測変換部304、キーボード設定部305を含む。キーボード設定部305は、記憶部39に格納される、QWERTYキー配列、テンキー配列、五十音配列等といった数種類のキーボード配列の中から、ユーザの操作に基づき任意のキーボード配列を設定しディスプレイ35に表示する。またキーボード設定部305は、領域設定部301で設定した領域にタブキーを割り当てる。詳細は後述する。
【0029】
領域設定部301は、ディスプレイ35に表示された所定の画面を、あらかじめ設定された複数の領域に分割設定する。このとき領域設定部301は、ユーザがタッチパネル14を押下しやすい大きさの領域に設定する。この、領域の分割設定が可能な画面とは、例えばキーボード配列の画面、ウェブページの表示画面等である。例えば、キーボード設定部305で設定されディスプレイ35に表示されたキーボードについて、領域設定部301は、4分割や8分割等複数のキーの集合に分割し、キーの各集合の領域を設定する。また領域設定部301は、1ページ内に複数の表示ブロック(領域)を有するウェブページをディスプレイ35に表示する際、そのウェブページのHTMLデータを解析して領域の情報を取得し、領域を設定する。詳細は後述する。
【0030】
領域指定部302は、領域設定部301で設定した領域のうち、タッチパネル14に押下された位置を含む領域をアクティブ状態として指定する。アクティブ状態となった領域では、ハードキー53からの操作を受け付けることが可能であり、アクティブ状態となった領域内の任意の選択肢(キー、項目等)にカーソルを移動させる。選択部303は、領域指定部302で指定した、アクティブ状態となっている領域内にある少なくとも1つの選択肢(キー、項目等)を選択し確定する。詳細は後述する。
【0031】
予測変換部304は、予測変換語DB21を参照して、入力された文字の予測変換語の候補を取得し、ディスプレイ35に表示する。
【0032】
記憶部39は、制御部30や無線通信部37などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(Random Access Memory)などにより実現できる。また、前述したように、キーボード設定部305で設定される数種類のキーボード配列を格納する。詳細は後述する。
【0033】
次に、上記構成の携帯端末1における動作の一例について説明する。
【0034】
<(1)キーボード内で領域を設定する場合の動作>
ディスプレイ35に表示されるキーボードに複数の領域を設定する場合の動作の一例について、図3のフローチャートおよび図4の画面表示例を参照して説明する。
【0035】
ユーザが例えばメール新規作成画面等といった文字入力を行う画面を開き、タッチパネル14の所定のボタンを押下してQWERTYキー配列のキーボード表示を指示すると、キーボード設定部305は記憶部39よりQWERTYキー配列を呼び出し、表示制御部34を介して、ディスプレイ35に表示されているメール新規作成画面の下部に表示する(ステップS101)。次に領域設定部301は、ステップS101で表示したQWERTYキー配列のキーボードを例えば行毎に分割して、領域を設定する(ステップS103)。QWERTYキー配列の場合は図4に示すように4行で表示されるので、4つの領域が設定される。
【0036】
次に、タッチパネル14のQWERTYキー配列表示部分が押下されたことを、タッチ入力検知部32がタッチセンサ321を介して検知すると(ステップS105で「Yes」)、この検知位置がステップS103で設定した任意の領域内である場合に(ステップS107で「Yes」)、領域指定部302は、検知位置を含むステップS103で設定した領域をアクティブ状態として指定し、その領域内で最も端のキーをカーソルで指定する(ステップS109)。例えば図4で、「r」キーと「t」キーの間が押下されると、領域指定部302はQWERTYキー配列の最も上の行をアクティブ状態として指定し、最も左端の「q」キーをカーソルで指定する。
【0037】
次に、方向ボタン53a、53bが押下されたことをハードキー操作検知部33が検知すると(ステップS111で「Yes」)、選択部303は、現在カーソルで指定されているキーから、同じ領域内の隣のキーにカーソルを移動させる(ステップS113)。例えば図4で、方向ボタン53bが押下される毎に選択部303はカーソルを例えば「t」、「r」、「e」、…の順に左へ移動させ、方向ボタン53aが押下される毎に選択部303はカーソルを「q」、「w」、「e」、…の順に右へ移動させる。カーソルがキーボード左端の「q」を指定している時に方向ボタン53bが押下され、カーソルを左へ進める指示がされた場合、「q」の左隣にはキーが無いため、選択部303はカーソルをキーボードの反対側の端(右端)にある「p」へ移動させてもよい。
【0038】
所望のキーにカーソルが移動し、決定ボタン53cが押下されたことをハードキー操作検知部33が検知すると(ステップS115で「Yes」)、選択部303はカーソルで指定したキーを確定し、当該キーに対応する文字をメール新規作成画面へ表示する(ステップS117)。
【0039】
なお、領域設定部301で設定される領域は、上述した行毎の領域に限らず、ユーザがタッチパネル14を押下しやすい大きさであればよく、例えば図5に示すようにキーボードを行毎に分割し、更にその行も半分に分割して合計8分割した領域を設定しても良い。この場合、領域内のキーの数が少なくなるので、キー選択時における方向ボタン53a、53bの押下回数も少なくて済む。
【0040】
<(2)タブ表示を設定する場合の動作>
ディスプレイ35に表示されるキーボードにタブキーを表示する場合の動作の一例について、図6のフローチャートおよび図7の画面表示例を参照して説明する。
【0041】
ユーザが例えばメール新規作成画面等といった文字入力を行う画面を開き、タッチパネル14の所定のボタンを押下してQWERTYキー配列のキーボード表示を指示すると、キーボード設定部305は記憶部39よりQWERTYキー配列を呼び出し、表示制御部34を介してディスプレイ35に表示されているメール新規作成画面の下部に表示する(ステップS201)。次に領域設定部301は、ステップS201で表示したQWERTYキー配列を例えば行毎に分割して領域を設定する(ステップS203)。次にキーボード設定部305は、ステップS203で設定した各領域に対応するタブキーをそれぞれ割り当て、割り当てたタブキーを画面の一方の端に表示させる(ステップS205)。
【0042】
図7の例では、図4の領域設定と同様に表示されたQWERTYキー配列を行毎の4つの領域に設定する。そして各行(領域)に対応する4つのタブキーを割り当て、左端にQWERTYキー配列の行の並び順に表示する。各タブキーには、各行の左端のキーの文字(上から順に「q」、「a」、「Shift」、「Ctrl」)を表示している。なお、タブキーはユーザが押下しやすいよう、QWERTYキー配列のキーよりも大きいサイズで表示する。また、タブキーの表示位置は、ユーザが携帯端末1を持った手の親指でタブキーを押下できるよう、タッチパネルの左右の端どちらにでも設定可能である。
【0043】
任意のタブキーが押下されたことをタッチ入力検知部32がタッチセンサ321を介して検知すると(ステップS207で「Yes」)、領域指定部302は当該タブキーが割り当てられた領域をアクティブ状態として指定し、その領域内で最も端のキーをカーソルで指定する(ステップS209)。図7で、上から2番目のタブキーが押下されると、領域指定部302はこのタブキーに対応するQWERTYキー配列の上から2番目の行をアクティブ状態として指定し、最も左端の「a」キーにカーソルを移動させる。
【0044】
以降の文字を確定する動作(ステップS211〜ステップS217)は、(1)の例における図3のステップS111〜S117と同様、方向ボタン53a、53bと決定ボタン53cを用いて行われるため、説明を省略する。なお、タブキーはQWERTYキー配列のキーよりも大きいサイズであるため、選択部303がカーソルを移動させる際、現在カーソルのあるキーの文字を、当該領域に対応するタブキーに表示させ、ユーザに文字を視認しやすくしても良い。また、(1)の例では直接QWERTY配列内のキーを押下すると領域の指定になり、該当する文字の入力にはならないが、この例では、タブキーを用いず、QWERTYキー配列内の所望のキーを直接押下して、文字入力を行うことも可能である。
【0045】
また、領域設定部301で設定される領域は、上述した行毎の4つの領域に限らず、例えば図8に示すように8つの領域を設定しても良い。図8の場合、タブキーは左端と真ん中にそれぞれ4つずつ表示しており、各タブキーは、タブキーのすぐ右側に表示されたQWERTYキー配列における領域をそれぞれ割り当てられている。例えば、「y」が表示されているタブキーは、「y」から「p」までの5つのキーで設定される領域が割り当てられている。
【0046】
<(3)予測変換候補を選択する場合の動作>
ディスプレイ35に表示される予測変換候補の単語を選択する場合の動作の一例について、図9のフローチャートおよび図10の画面表示例を参照して説明する。
【0047】
ユーザが例えばメール新規作成画面等といった文字入力を行う画面を開き、タッチパネル14の所定のボタンを押下してQWERTYキー配列のキーボード表示を指示すると、キーボード設定部305は記憶部39よりQWERTYキー配列を呼び出し、表示制御部34を介して、ディスプレイ35に表示されている文字入力画面の下部に表示する(ステップS301)。次に、ユーザがQWERTYキー配列のキーボードを用いて文字入力を行うと(ステップS303)、予測変換部304は、予測変換語DB21を参照して、入力された文字から予測される予測変換語の候補を取得し、ディスプレイ35のQWERTYキー配列のキーボード表示のすぐ上部に、取得した予測変換語の候補を表示する予測変換語表示領域を設けて表示する(ステップS305)。
【0048】
ユーザは続けてディスプレイ35のQWERTYキー配列のキーボードを押下して文字入力を行っても良いし、予測変換語表示領域から該当する単語を選んでも良い。タッチ入力検知部32がタッチセンサ321を介してタッチパネル14への押下を検知し(ステップS307で「Yes」)、検知位置が予測変換語表示領域内である場合(ステップS309で「Yes」)、領域指定部302は、予測変換語表示領域をアクティブ状態として指定し、この領域内に表示されている先頭の単語をカーソルで指定する(ステップS311)。例えば図10で、ユーザが予測変換語表示領域の任意の位置を押下すると、領域指定部302は、この領域全体をアクティブ状態とし、先頭の単語「こんにちは」をカーソルで指定する。検知位置が予測変換語表示領域外である場合は(ステップS309で「No」)、ユーザが引き続きキーボードを押下して文字入力を行うと考えられ、ステップS303の処理に戻る。
【0049】
次に、方向ボタン53a、53bが押下されたことをハードキー操作検知部33が検知すると(ステップS313で「Yes」)、選択部303は、予測変換語表示領域に表示されている、現在カーソルで指定されている単語から次の単語にカーソルを移動させる(ステップS315)。例えば、方向ボタン53bが押下される毎に選択部303はカーソルを単語の並び順に移動させ、方向ボタン53aが押下される毎に選択部303はカーソルを単語の並び順と逆に移動させる。
【0050】
所望の単語にカーソルが移動し、決定ボタン53cが押下されたことをハードキー操作検知部33が検知すると(ステップS317で「Yes」)、選択部303はカーソルで指定された単語を確定し、当該単語を文字入力画面へ表示する(ステップS319)。
【0051】
<(4)ウェブページ上の項目を選択する場合の動作>
別の例として、ディスプレイ35に表示されるウェブページのブロック毎における項目を選択する場合の動作の一例について、図11のフローチャートおよび図12の画面表示例を参照して説明する。
【0052】
ユーザが図12のような複数の表示ブロック(領域)を有するウェブページの表示を指示すると(ステップS401)、領域設定部301は、このウェブページのHTMLデータを解析してHTMLデータに記述されている領域の情報を取得し(ステップS403)、タッチパネル14で押下を検知したときに指定する領域を設定する(ステップS405)。
【0053】
次に、タッチパネル14が押下されたことをタッチ入力検知部32がタッチセンサ321を介して検知すると(ステップS407で「Yes」)、この検知位置がステップS405で設定した任意の領域内である場合(ステップS409で「Yes」)、領域指定部302は、検知位置を含む領域をアクティブ状態として指定し、その領域内の先頭の項目をカーソルで指定する(ステップS411)。例えば図12で、メニュー欄のブロック内の任意の位置が押下されると、領域指定部302はメニュー欄をアクティブ状態として指定し、先頭の項目「ニュース」をカーソルで指定する。
【0054】
次に、方向ボタン53a、53bが押下されたことをハードキー操作検知部33が検知すると(ステップS413)、選択部303は、ステップS411で指定した領域に表示されている、現在カーソルで指定されている項目から次の項目にカーソルを移動させる(ステップS415)。例えば図12では、メニュー欄において、方向ボタン53bが押下される毎に選択部303はカーソルを「ニュース」、「天気」、「音楽」、…と1つずつ下の項目に移動させ、方向ボタン53aが押下される毎に選択部303はカーソルを「乗換」、「地図」、「辞書」、…と1つずつ上の項目に移動させる。カーソルがメニュー欄最上部の項目「ニュース」を指定しているときに方向ボタン53aが押下され、カーソルを上へ進める指示がされた場合、選択部303はカーソルをメニュー欄最下部の項目「株式」へ移動させてもよい。
【0055】
所望の項目にカーソルが移動し、決定ボタン53cが押下されたことをハードキー操作検知部33が検知すると(ステップS417で「Yes」)、選択部303はカーソルで指定された項目を確定し、当該項目のリンク先のウェブページをディスプレイ35に表示する(ステップS419)。
【0056】
以上より本発明は、タッチパネルを押下して入力を行う携帯端末において、あらかじめ領域を設定し、設定した領域内の任意の位置が押下された場合、当該領域をアクティブ状態として指定し、アクティブ状態となった領域内の任意の選択肢(例えば先頭の項目等)にカーソルを移動させる。そして、ハードキーが押下されることで、領域内の各項目を選択する。これにより、タッチパネルの小さい携帯端末でも、ユーザが容易に押下できる大きさの領域に分割され、領域を指定した後に細かい項目をハードキーで選択する事ができるので、ユーザの誤入力を防ぎ、操作性を向上することができる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0058】
例えば、上記(1)、(2)の例では、領域を行毎(横)に分割して設定したが、領域を列毎(縦)に分割して設定しても良い。
【0059】
また、上記実施形態における携帯端末の代わりに、無線通信機能を備えた携帯型パーソナル・コンピュータ又はPDA(Personal Digital Assistance)、携帯音楽プレイヤー、携帯ビデオカメラ、携帯ゲーム機等に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0060】
1…携帯端末、11…筐体、14…タッチパネル、15…スピーカ、16…マイクロフォン、21…予測変換語DB、30…制御部、301…領域設定部、302…領域指定部、303…選択部、304…予測変換部、305…キーボード設定部、31…電源回路部、32…タッチ入力検知部、321…タッチセンサ、33…ハードキー操作検知部、34…表示制御部、35…ディスプレイ、36…音声制御部、37…無線通信部、38…情報記憶媒体、39…記憶部、53…ハードキー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも操作キー画面を表示する表示部と、
前記表示部へ接触することにより入力を行う接触入力部と、
前記接触入力部での入力を検知する接触検知部と、
ハードキーの押下を検知するハードキー操作検知部と、
前記表示部に表示される前記操作キー画面を分割して複数の領域を設定する領域設定部と、
前記複数の領域の中から1つの領域を指定する領域指定部と、
前記領域指定部で指定した前記領域内の複数の操作キーのうち1つを、前記ハードキー操作検知部で検知した前記ハードキーの押下に基づき選択する選択部と、
を有することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記選択部は、前記領域指定部で指定した前記領域内から選択した1つの操作キーを、前記ハードキーの押下に基づき確定するよう構成される、
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記領域指定部は、前記接触検知部が、前記表示部で表示される前記操作キー画面の任意の位置で入力を検知した場合、前記入力を検知した位置を含む1つの領域を指定する、
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項4】
前記表示部は、前記領域設定部で設定された領域に対応するタブキーを表示し、
前記領域指定部は、前記接触検知部が前記タブキーの押下を検知した場合、当該タブキーに対応する1つの領域を指定するよう構成される、
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項5】
前記表示部は、前記領域内の任意の操作キーを前記選択部が選択した場合、当該操作キーに対応する文字を、前記領域に対応するタブキーに表示するよう構成される、
ことを特徴とする請求項4記載の携帯端末。
【請求項6】
前記タブキーは、前記表示部のうち、前記操作キーの表示と重ならない位置に表示される、
ことを特徴とする請求項4記載の携帯端末。
【請求項7】
少なくとも1つの文字から類推される少なくとも1つの予測変換語を有する予測変換データベースと、
前記予測変換データベースより前記予測変換語を取得する予測変換部と、
をさらに有し、
前記表示部は、前記接触入力部で入力した文字に基づいて前記予測変換部が取得した少なくとも1つの予測変換語を表示し、
前記領域設定部は、前記表示部に表示された前記少なくとも1つの予測変換語の表示領域を設定し、
前記領域指定部は、前記領域設定部で設定した前記予測変換語の表示領域を押下したことを前記接触検知部が検知した場合、当該表示領域を指定し、
前記選択部は、前記領域指定部で指定した前記表示領域内の前記予測変換語のうち1つを、前記ハードキー操作検知部で検知した前記ハードキーの押下に基づき選択するよう構成される、
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項8】
前記選択部は、前記領域指定部で指定した前記表示領域内から選択した1つの予測変換語を、前記ハードキーの押下に基づき確定するよう構成される、
ことを特徴とする請求項7記載の携帯端末。
【請求項9】
複数の領域に区切られたウェブページを表示する表示部と、
前記表示部へ接触することにより入力を行う接触入力部と、
前記接触入力部での入力を検知する接触検知部と、
ハードキーの押下を検知するハードキー操作検知部と、
前記表示部に表示された前記ウェブページの領域の情報を取得して設定する領域設定部と、
前記表示部に表示される前記ウェブページの任意の位置で前記接触検知部が入力を検知した場合、前記領域設定部で設定した、当該位置を含む領域を指定する領域指定部と、
前記領域指定部で指定した前記領域内の複数の項目のうち1つを、前記ハードキー操作検知部で検知した前記ハードキーの押下に基づき選択する選択部と、
を有することを特徴とする携帯端末。
【請求項10】
前記選択部は、前記領域指定部で指定した前記領域内から選択した1つの項目を、前記ハードキーの押下に基づき確定するよう構成される、
ことを特徴とする請求項9記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−232830(P2011−232830A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−100206(P2010−100206)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(310022372)富士通東芝モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】