説明

携帯通信端末、バックライト制御方法、記録媒体

【課題】2つのディスプレイを用いてそれぞれで別個の画像を表示する場合、両方のディスプレイのバックライトを、表示物の重要度に応じて制御する事が出来るようにし、2つのディスプレイを備える携帯通信端末における消費電力を抑制する。
【解決手段】携帯通信端末は、2つのディスプレイを用いて1つの画像を表示する場合には、両方のディスプレイのバックライトを明るくし、2つのディスプレイを用いてそれぞれで別個の画像を表示する場合には、両方のディスプレイのバックライト各々をそれぞれで表示する表示物の重要度に応じて制御する。このとき、携帯通信端末の向きに応じて、2つのディスプレイが鉛直方向で上下となるように位置する場合には、上側にくるディスプレイの明るさを下側にくるディスプレイの明るさよりも明るくするように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯通信端末に関し、特にそのディスプレイのバックライトの制御に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯通信端末の一例としての携帯電話機は、筺体の小型化による表示面積の減少を補うため、2つのディスプレイを備えることで、より多くの情報を表示できるように工夫されている。
また、その他の小型の筺体としては、例えば、特許文献1に示されるように、デジタルカメラなどもある。当該デジタルカメラは、2つのディスプレイを有し、主ディスプレイで撮影画像を表示し、副ディスプレイで撮影画像中に人物の顔を検出できた場合に、その顔を拡大表示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−236489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、携帯電話機のような通信機器は、可能な限りいつでも通話を実行できる状態になっていることが望ましい。その為には、内蔵電池の持ちが長いのが望ましいものの、上述のように、2つのディスプレイによって表示を行う場合には、双方のディスプレイのバックライトを点灯させるために、単位時間当たりの消費電力が高くなり、その分電池の消耗が速く頻繁に充電が必要になるという煩わしさがある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、2つのディスプレイを備える携帯通信端末において、双方のディスプレイで表示を実行しつつも、可能な限り消費電力を抑制することができる携帯通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る携帯通信端末は、第1バックライトを備える第1ディスプレイと、第2バックライトを備える第2ディスプレイと、前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとに画像を表示する表示部と、前記第1バックライトと前記第2バックライトとの明るさを決定し、前記第1バックライトと前記第2バックライトとのそれぞれの明るさを前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとに表示する画像に基づいて互いに異なる明るさに設定する制御部とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
上述のような構成によって、2つのディスプレイを備え、両ディスプレイの双方で表示を実行しつつも、携帯通信端末の消費電力を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】携帯電話機の外観図
【図2】携帯電話機の機能構成図
【図3】携帯電話機の動作を示すフローチャート
【図4】携帯電話機の表示画面例
【図5】携帯電話機の表示画面例
【図6】携帯電話機の表示画面例
【図7】携帯電話機の表示画面例
【図8】携帯電話機の表示画面例
【図9】携帯電話機の表示画面例
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施の形態>
<構成>
以下、本発明の一実施形態である携帯電話機について図面を用いて説明する。
図1は、携帯電話機100の外観図である。図1に示すように携帯電話機100は、2つのディスプレイを有する携帯電話機である。
【0010】
携帯電話機100は、図1(a)〜(c)に示されるように、第1筐体1と第2筐体2とが相対的にスライド可能な端末であり、第1筐体1、第2筐体2、及び第1筐体1と第2筐体2とを連結する連結機構4、4’を備えている。
第1筐体1には、第1ディスプレイ131、スピーカ121、マイク122、第2筐体2には、第2ディスプレイ133が備えられている。
【0011】
第2筐体2の連結機構4が備えられる側面には、図1(a)、(b)に示すように、ガイド溝6が設けられている。なお、第2筐体2の連結機構4’が備えられる側面においても、同様に、ガイド溝6’(図示せず)が設けられている。
連結機構4は、図1(a)、(b)に示すように、第1筐体1の側面と第2筐体2の側面とを互いに連結するための連結駒5とピン30、31を有している。また、連結機構4’は、連結機構4と同様の機構を有し、連結駒5’とピン30’、31’を備える。
【0012】
ピン30、30’は第1筐体1に枢支され、ピン31、31’はガイド溝6、6’に係合している。ピン31、31’がガイド溝6、6’に沿ってスライドすることにより、第1筺体1と第2筺体2とが相対的にスライドする。
携帯電話機100は、図1(a)に示すように、第2筐体2に第1筐体1が重ね合わさり、第2ディスプレイ133が視認できない閉状態から、連結機構4、4’により、ピン31、31’がガイド溝6、6’に沿ってスライドすることにより、第1筐体1が第2筐体2の表面に沿って移動し、その後、ピン30、30’それぞれがピン31、31’それぞれを中心として回転することにより、図1(b)、(c)に示すように、第1筐体1の表面と第2筐体2の表面とが略同一平面上に揃う開状態となり、第1ディスプレイ131及び第2ディスプレイ133が視認可能になる。
【0013】
図2は、携帯電話機100の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように携帯電話機100は、通信部110と、音声処理部120と、表示部130と、操作部140と、加速度センサ150と、記憶部160と、制御部170とから構成されている。
通信部110は、アンテナ111を介して無線基地局(図示せず)からの無線信号を受信し、復調し、復調して得られたデータを制御部170に伝達する機能と、制御部170から伝達されたデータを所定の変調方式に従って変調し、アンテナ111を介して無線基地局に送信する機能とを有する。
【0014】
音声処理部120は、制御部170の指示に従った音声をスピーカ122から出力する機能と、マイク121で集音した音声を音声データに変換して制御部170に出力する機能とを有する。スピーカ122から出力される音声としては、例えば、受信データに基づく通話の音声や、動画の音声がある。また、マイク121が集音する音声は、ユーザの通話音声となる。
【0015】
表示部130は、制御部170から指示された画像を第1ディスプレイ131と第2ディスプレイ133とに表示させる機能を有する。第1ディスプレイ131及び第2ディスプレイ133は、例えば液晶ディスプレイである。第1ディスプレイ131は、第1バックライト132を備え、第1バックライト132を光源として、表示部130の指示に基づく画像を表示する機能を有する。同様に、第2ディスプレイ133は、第2バックライト134を備え、第1バックライト134を光源として、表示部130の指示に基づく画像を表示する。
【0016】
第1バックライト132及び第2バックライト134は共に、その明るさの度合いを段階的に制御可能に構成されている。本実施の形態においては、明るさとして、「0」、「1」、「2」の3段階の設定が可能であるとする。そして、「0」は消灯の設定であり、「1」及び「2」は、点灯の設定であり、かつ、「2」の設定は、「1」の設定よりもバックライトの明るさが明るくなるものとする。すなわち、明るさの度合いは、明るい方から2>1>0となっている。なお、当然に明るい方がバックライトの消費電力は高くなる。
【0017】
操作部140は、携帯電話機100に備えられた各種キー(図示せず)のユーザによる押下を受けて、受け付けた操作内容を制御部170に伝達する機能を有する。また、操作部140は、第1タッチパッド141と第2タッチパッド142とを含み、それぞれのタッチパッドにおけるユーザからの入力を受け付けた、すなわち、指やスタイラスなどの接触位置を制御部170に伝達する機能を有する。タッチパッド141は、図1に示す第1ディスプレイ131に重畳して設けられ、タッチパッド142は、第2ディスプレイ133に重畳して設けられている。なお、タッチパッドとディスプレイとのいずれが最表層となるように構成されていてもよいが、タッチパッドが最表層となる場合には、タッチパッドとしては、透明部材を用いて構成し、ディスプレイに表示された画像が見えるように構成される。なお、タッチパッドとディスプレイとの組み合わせで、タッチパネルと呼称することもある。
【0018】
加速度センサ150は、例えば、3軸加速度センサにより実現され、3軸方向の加速度値を制御部170に伝達する機能を有する。筐体の向きには、各筐体1、2が、縦長になる向き(以下、「縦向き」という)と、横長になる向き(以下、「横向き」という)とがある。
記憶部160は、携帯電話機100が動作するために必要な各種アプリケーションプログラム(単にアプリケーションと称することもある)及びそれらのアプリケーションプログラムが必要とするデータを記憶する機能を有する。当該アプリケーションプログラムは、通話アプリケーション、メールアプリケーション、カメラ(図示せず)を用いた撮影アプリケーションなど多岐に渡り、上述の通り、それらのアプリケーションプログラム及びそれらのアプリケーションにおいて使用されるデータ(例えば、画像閲覧用アプリケーション用の画像データや、メールアプリケーション用の過去に他の通信機器とやりとりしたメールデータ等)は記憶部160に記憶されている。
【0019】
これらのアプリケーションプログラムは予め記憶部160に記憶されているか、通信部110を介して通信ネットワークを介してダウンロードしたものが記憶部160に記憶される。
記憶部160は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を含み、ハードディスクやフラッシュメモリなどにより構成される。
【0020】
制御部170は、携帯電話機100の各機能部を制御する機能を有するCPU(Central Processing Unit)である。制御部170は、記憶部160から各種のアプリケーション用のプログラムを読みだして実行することで、各種の機能(例えば、通話機能や、メール機能、動画再生機能などの携帯電話機が通常、有する機能)を実現する。
制御部170は、アプリケーション実行部171とバックライト制御部173とを含んで構成される。
【0021】
アプリケーション実行部171は、各種のアプリケーションプログラムを記憶部160から読みだして実行する機能を有する。アプリケーション実行部171が実行するアプリケーションによっては、表示部130の各ディスプレイに画像を表示させるためのAPI(Application Program Interface)や各バックライトの明るさを制御するAPIを利用する。携帯電話機のOS(Operating System)にはそれらの表示制御やバックライトの明るさの制御を実行できるAPIが予め規定されている。
【0022】
表示内容制御部172は、それらのアプリケーションに規定されたAPIに従い、画像を第1ディスプレイ131、第2ディスプレイ133の一方あるいは両方に画像を表示させる指示を表示部130に出力する機能と、第1バックライト132と第2バックライト134の一方あるいは両方の明るさを制御するための指示をバックライト制御部173に出力する機能を有する。このとき、アプリケーション実行部171は、加速度センサ150から加速度値を取得し、その加速度値に基づき、携帯電話機100が縦向き、横向きのいずれの向きで使用されているかを決定して、画像を表示するディスプレイ及び画像の表示の向きを決定する。加速度センサ150は、携帯電話機に搭載された際に、携帯電話機100に設定された3軸方向それぞれに対する加速度成分を出力するので、これによって携帯電話機の向きが検出できる。携帯電話機100が縦向きであるか、横向きであるかの判定は、予め縦向きの場合の加速度値範囲と横向きの場合の加速度値範囲とを設定しておき、加速度センサ150が検出した加速度値がいずれの範囲に属するかを判定することによって実現する。
【0023】
なお、表示内容制御部172は、アプリケーションにおいてバックライトの制御に関する設定がなされておらず、かつ、画像を表示するAPIが含まれていた場合には、バックライト制御部173には、明度「2」で点灯させる指示を出力する。このとき、アプリケーション実行部171は、加速度センサ150から出力された加速度値に応じて、携帯電話機100の使用されている向きを特定し、特定した向きに応じて、第1ディスプレイ131と第2ディスプレイ133のそれぞれに表示すべき画像及び対応するバックライトを点灯させる際の明るさを決定して、バックライト制御部173に指示する。
【0024】
バックライト制御部173は、アプリケーション実行部171から指示された明るさで第1バックライト132及び第2バックライト134それぞれの明るさを制御する機能を有する。なお、バックライト制御部173は、アプリケーション実行部171が一つの明るさしか指示しなかった場合には、両方のバックライトをその指示された明るさで点灯させる。
<動作>
次に、本実施の形態の動作を図3に示すフローチャートを用いて説明する。
【0025】
本フローチャートは、アプリケーション実行部171が実行するアプリケーションにおいて画像を表示するためのAPI及びバックライトの明るさを制御するためのAPIを利用している場合の制御の一般的動作を説明するものであり、各種の具体例については後述する。
図3に示すように、携帯電話機100のアプリケーション実行部171は、ユーザの操作に従って指定されるアプリケーションプログラムを記憶部160から読みだして、当該アプリケーションプログラムの実行を開始する(ステップS301)。
【0026】
アプリケーション実行部171は、加速度センサ150から加速度値を取得し、携帯電話機100が縦向き、横向きのいずれの向きで使用されているかを検知する(ステップS302)。
アプリケーション実行部171の表示内容制御部172は、携帯電話機の向きに応じて、第1ディスプレイ131と第2ディスプレイ133とで表示する画像それぞれを決定し、表示部130にその画像を表示させる(ステップS303)。
【0027】
このとき、アプリケーション実行部171は、携帯電話機100を縦向き、横向きのいずれの状態で使用しているかと、アプリケーションプログラムにおいて、2つのディスプレイにどのような画像を表示するかとによって設定されている第1バックライト132と第2バックライト134との明るさを決定し、バックライト制御用のAPIを用いて、バックライト制御部173に第1バックライト132と第2バックライト134とを決定した明るさで点灯させる(ステップS304)。
【0028】
アプリケーション実行部171は、状態の変化があった場合には(ユーザからの操作入力があった場合と、加速度センサ150の出力する加速度の変化による携帯電話機100の向きの変更が検出された場合)(ステップS305のYES)、ステップS303に戻る。
状態の変化がない場合であって(ステップS305のNO)、アプリケーション実行部171は、アプリケーションの終了操作が行われた場合には(ステップS306のYES)、当該アプリケーションによる操作を終了する。アプリケーションの終了操作が行われていない場合には(ステップS306のNO)、ステップS305に戻る。
【0029】
以下、上記動作によって行われるバックライトの制御方法と表示内容の具体例を説明する。
<表示具体例1とバックライト制御方法1>
携帯電話機100は、図4に示すように筺体1、2に備えられている第1ディスプレイ131と第2ディスプレイ133とを互いに近接させることにより、あたかも一つのディスプレイであるかのように用いることができる。
【0030】
携帯電話機100は、図4に示すように、その2つのディスプレイ131、133を用いて一つの画像を表示することができる。図4に示す状態が携帯電話機100を横向きに使用している状態での表示例を示している。
また、図5に示すように、筺体を図4の状態から90度回転させて、縦向きにした状態でもその表示は可能である。図5に示すように、携帯電話機100は、図4と同様に一枚の花の画像を表示する。
【0031】
このとき、2つのディスプレイ131、133で1枚の画像を表示することから、2つのディスプレイに対応するバックライトの明るさに差があった場合には、ユーザは、見る画像に違和感を覚えてしまう。そのため、このように2つのディスプレイに跨って一枚の画像を表示するような場合には、2つのバックライトの明るさを同じ明るさ(設定値:2)で制御する。
【0032】
即ち、図3のステップS304において、アプリケーションでは、2つのディスプレイを用いて一枚の画像を表示するように設定され、かつ、2つのバックライトの明るさを「2」に設定するように規定されている。
なお、アプリケーションに応じて、2つのバックライトの明るさの設定値を「1」でそろえてもよいが、ユーザの画像の見やすさを考慮すると、より明るく設定してある方が好ましい。
【0033】
この表示具体例1のように、2つのディスプレイに跨って何らかの表示物を表示する場合には、2つのバックライトの明るさを同じ明るさになるように設定する。
<表示具体例2とバックライト制御方法2>
携帯電話機100は、その実行しているアプリケーションに応じて、例えば、図6に示すように、一方のディスプレイには、記憶部160が保持している複数の画像のうち、第1ディスプレイ131内に表示可能な個数のサムネイルを表示するとともに、その第1ディスプレイ131のサムネイルにおいて選択状態となっている画像(他のサムネイルよりも大きく表示される画像)の拡大画像を、第2ディスプレイ133に表示する。ユーザが別のサムネイルをタッチした場合には、タッチしたそのサムネイルの拡大画像が第2ディスプレイ133に表示されることとなる。
【0034】
このような使用形態においては、ユーザは、拡大画像の方を注視することが多くなるため拡大画像を表示しているディスプレイに対応するバックライトの方を他方よりも明るくする。
このとき、このような表示を実行するアプリケーションにおいては、図3のステップS304におけるバックライトの設定は、サムネイルを表示している第1ディスプレイ131の第1バックライト132の設定値を「1」に、拡大画像を表示している第2ディスプレイ133の第2バックライト134の設定値を「2」に設定することが規定されている。表示内容制御部172は、この規定に従い、バックライト制御部173に第1バックライト132の設定値が「1」で、第2バックライト134の設定値が「2」であるという指示を出力し、バックライト制御部173は、当該指示に基づき、第1バックライト132を暗く、第2バックライト134を明るく点灯させる。これにより、第1バックライト132の消費電力を抑制することができる。
【0035】
なお、図6は、携帯電話機100を横向きに使用している場合の表示例であるが、これを縦向きにした場合には、図7に示すような表示例となる。図6と図7との表示の切り替えは上述の通り、加速度センサ150の出力する加速度の変化に応じてなされる。
また、図6及び図7においては、暗い方の画面にはハッチングをかけて、明るい方の画面よりも暗くなっていることを示している。
【0036】
これらの制御におけるバックライトの明るさの制御(どちらのバックライトの明度を「2」に他方を「1」に設定するかの制御)は、実行しているアプリケーションに応じて、予め定められている。
<表示具体例3とバックライト制御方法3>
さらには、携帯電話機100は、図8に示すように、第1ディスプレイ131で入力用のキー、例えばQWERTYキーを構成し、もう一方の第2ディスプレイ133に当該QWERTYキーで入力した内容を表示することもできる。QWERTYキーへの入力は第1ディスプレイ131に重畳されている第1タッチパッド142の検出位置に基づいて実行される。
【0037】
通常、このような使用形態では、ユーザは主として、入力した内容に注視する。したがって、入力内容を表示するディスプレイのバックライトの明るさを、QWERTYキーを表示する方のディスプレイのバックライトの明るさよりも、明るくする。
即ち、バックライト制御部173は、表示内容制御部172からの指示に従い、QWERTYキーを表示する第1ディスプレイ131の第1バックライト132の明るさを「1」に、入力内容を表示する第2ディスプレイ133の第2バックライト134の明るさを「2」に設定する。図8では、暗い方の画面、すなわち、第1ディスプレイ131側にハッチングをかけて第2ディスプレイ133よりも暗くなっていることを示している。
【0038】
これにより、第1バックライト132の消費電力を抑制できる。また、図8は横向きの場合の使用形態を示しているが、このとき第2ディスプレイ133が第1ディスプレイ131よりも上側にあることにより、第2ディスプレイ133に対応する第2バックライト134の明るさが下側の第1ディスプレイ131に照射されることにより、ある程度、第1ディスプレイ131の暗さを補うことができる。
【0039】
一方、同じディスプレイ内容のまま、図9に示すように、携帯電話機100を縦向きにして使用することもできる。
このとき、ディスプレイのバックライトの明るさは左右での調整を行うことになる。すると、入力内容を表示している領域の左右で明るさが違った場合、そして、QWERTYキーの左右で明るさが違った場合には、ユーザは違和感を覚えることとなる。
【0040】
そのため、図9の使用形態においては、2つのディスプレイに跨って一つの画像を表示している場合と同様に、両ディスプレイの明るさを同じ明るさとするべく2つのバックライト132、134の明るさを2つとも「2」に設定する。
<まとめ>
以上の表示具体例に示したように、2つのディスプレイそれぞれに対応するバックライトの明るさを、携帯電話機100の使用形態に応じて、制御することにより、常に両ディスプレイを明るく保つことがなくなるため、消費電力の抑制を図ることができる。このとき、2つのディスプレイに跨って何らかの画像を表示する場合には、2つのディスプレイに対応するバックライトの明るさを同じ明るさに設定し、それ以外の場合には、一方の画面、特にユーザが注視しない方のディスプレイのバックライトの明るさを、ユーザが注視する方のディスプレイのバックライトの明るさよりも暗くすることで、消費電力を抑制することができる。
<補足1>
上記実施の形態において、本発明を説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限られないことは勿論である。以下、上記実施の形態以外に本発明の思想として含まれる各種の変形例について説明する。
【0041】
(1)上記実施の形態においては、携帯電話機100は、スライド型携帯電話機であるとして説明したが、携帯電話機100は、2つのディスプレイとそれぞれに対応するバックライトを備え、当該バックライトの明るさを段階的に制御できるものであればよく、例えば、2つのディスプレイを備える折りたたみ型の携帯電話機であってもよい。この場合の折りたたみ型携帯電話機は、折りたたんだ状態では2つのディスプレイが対向し、開いた状態で2つのディスプレイを1体のディスプレイであるかのような使用ができるものとする。
【0042】
(2)上記実施の形態においては、携帯通信端末の一実施形態として、携帯電話機をその一例として説明したが、本発明にかかる携帯通信端末は、携帯電話機以外の通信端末、例えば、2つのディスプレイとそれぞれに対応する明るさを段階的に制御するバックライトを備えるPDAなどのような端末であってもよい。
(3)上記実施の形態においては、携帯通信端末のバックライトの明るさは、3段階(0〜2:消灯〜明るい)で制御することとしたが、これは、3段階に限定されるものではなく、より、多くの段階で明るさ、例えば5段階、で制御することとしてもよい。
【0043】
その場合には、携帯電話機100には、2つのバックライトの明るさは、アプリケーションごとに、それぞれで表示する画像と加速度センサの出力値とに基づいて定まる2つのディスプレイの相対位置関係に応じて、どの明るさで点灯させるのかを予め設定しておく。そして、携帯電話機100は、携帯電話機100の向きに応じて、バックライトの明るさの制御を実行する。
【0044】
さらには、携帯電話機100は、例えば、携帯電話機100に照度センサを備えて、周囲の明るさに応じてのバックライトの制御を実行することとしてもよい。
(4)上記実施の形態において、明るさの度合いの設定はアプリケーションレベルで設定していたが、これは、加速度センサ150の加速度値に基づいて定まる携帯電話機の向きに応じて、携帯電話機100を横向きで使用する場合には、常に、上側のディスプレイを明るさ「2」に設定し、下側のディスプレイの明るさを「1」に設定するというOSレベルでの設定を行ってもよい。携帯電話機100を横向きで使用した場合には、上側のディスプレイの明るさが下側のディスプレイの明るさの不足分を補うことができるので、このような制御を行ってもよい。
【0045】
(5)上記実施の形態において、明るさの度合いは明るい方から、2>1>0としたが、これは、その逆に設定することとしてもよい。
(6)上記実施の形態において、第1ディスプレイは第2ディスプレイは、一例として、液晶ディスプレイであるとしたが、これは、液晶ディスプレイ以外のディスプレイであってもよく、画像を表示できるものであれば、プラズマディスプレイや有機ELディスプレイなどであってもよい。
【0046】
(7)上記実施の形態においては、アプリケーションごとにバックライト双方の設定値を各状況に応じて設定されていることとしたが、これ以外の手法を以てバックライトの制御を実行することとしてもよい。
例えば、第1ディスプレイ131と第2ディスプレイ133とで表示する画像に「重要度」というパラメータを設定しておき、「重要度」の高い方の画像を表示しているディスプレイに対応するバックライトの明るさを「2」に、「重要度」の低い方の画像を表示しているディスプレイに対応するバックライトの明るさを「1」に設定するように制御することとしてもよい。
【0047】
また、さらには、表示内容制御部172が表示しようとしている表示対象物(何らかの画像)が第1ディスプレイ131と第2ディスプレイ133との両方に跨って表示するか否かを判定し、両ディスプレイに表示物が跨る場合には、表示内容制御部172は、2つのバックライトの明るさを同じ明るさに設定するようにバックライト制御部173に指示し、両ディスプレイに表示物が跨らない場合には、一方のディスプレイの明るさを他方のものよりも暗くするように指示する構成としてもよい。そして、いずれのディスプレイを暗くするかについての判断を上述の重要度を用いて判断することとしてもよい。
【0048】
(8)上記実施の形態で示した各機能構成要素(アプリケーション実行部171、バックライト制御部173等)は、その機能を実行する回路として実現されてもよいし、1又は複数のプロセッサによりプログラムを実行することで実現されてもよい。また、上記実施の形態で示した各機能構成要素は、IC、LSIその他の集積回路のパッケージとして構成されるものとしてもよい。このパッケージは各種装置に組み込まれて利用に供され、これにより各種装置は、各実施形態で示したような各機能を実現するようになる。
【0049】
(9)上述の実施形態で示したバックライトの明るさの制御に係る動作、明るさ制御処理等(図3参照)を携帯電話機等のプロセッサ、及びそのプロセッサに接続された各種回路に実行させるためのプログラムコードからなる制御プログラムを、記録媒体に記録すること、又は各種通信路等を介して流通させ頒布させることもできる。このような記録媒体には、ICカード、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM、フラッシュメモリ等がある。流通、頒布された制御プログラムはプロセッサに読み出され得るメモリ等に格納されることにより利用に供され、そのプロセッサがその制御プログラムを実行することにより、実施形態で示したような各種機能が実現されるようになる。
<補足2>
以下、更に本発明の一実施形態としての携帯通信端末の構成及びその変形例と効果について説明する。
【0050】
(a)本発明の一実施形態に係る携帯通信端末は、第1バックライト(132)を備える第1ディスプレイ(131)と、第2バックライト(134)を備える第2ディスプレイ(133)と、前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとに画像を表示する表示部(130)と、前記第1バックライトと前記第2バックライトとの明るさを決定し、前記第1バックライトと前記第2バックライトとのそれぞれの明るさを前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとに表示する画像に基づいて互いに異なる明るさに設定する制御部(170)とを備えることを特徴とする。
【0051】
また、本発明の一実施形態に係るバックライト制御方法は、第1バックライトを備える第1ディスプレイと、第2バックライトを備える第2ディスプレイとを備える携帯通信端末におけるバックライト制御方法であって、前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとに画像を表示する表示ステップと、前記第1バックライトと前記第2バックライトとの明るさを決定し、前記第1バックライトと前記第2バックライトとのそれぞれの明るさを前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとに表示する画像に基づいて互いに異なる明るさに設定する制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0052】
また、本発明の一実施形態に係る記録媒体は、第1バックライトを備える第1ディスプレイと、第2バックライトを備える第2ディスプレイとを備える携帯通信端末のコンピュータにバックライトを制御させるための処理手順を示したバックライト制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記処理手順は、前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとに画像を表示する表示ステップと、前記第1バックライトと前記第2バックライトとの明るさを決定し、前記第1バックライトと前記第2バックライトとのそれぞれの明るさを前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとに表示する画像に基づいて互いに異なる明るさに設定する制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0053】
これにより、一方のバックライトの明るさを他方のものよりも暗くすることで、消費電力を抑制できる。
(b)上記(a)に記載の携帯通信端末において、前記制御部は、前記第1ディスプレイに表示させる画像と、第2ディスプレイに表示させる画像について、前記表示部が一の表示物を2つのディスプレイに跨って表示しない場合に2つのバックライトを互いに異なる明るさに設定することとしてもよい。
【0054】
また、上記(a)に記載の携帯通信端末において、前記ア制御部は、前記第1ディスプレイに表示させる画像と、第2ディスプレイに表示させる画像について、前記表示部が一の表示物を2つのディスプレイに跨って表示する場合に2つのバックライトを同じ明るさに設定することとしてもよい。
これにより、ユーザに違和感のない画像を視聴させつつ、バックライトの消費電力を抑制することができる。
【0055】
(c)上記(a)に記載の携帯通信端末において、前記携帯通信端末は、更に、加速度センサ(150)を備え、前記制御部は、前記加速度センサから取得した加速度から定まる自端末の向きに応じて前記第1バックライトと前記第2バックライトとの明るさの制御を実行することとしてもよい。
これにより、携帯通信端末は、加速度センサに基づく自端末の向きに応じて、2つのバックライトの制御を実行することができる。
【0056】
(d)上記(c)に記載の携帯通信端末において、前記制御手段は、前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとのうち、前記加速度センサから出力された加速度から求まる鉛直方向における下側となるディスプレイに対応するバックライトの明るさを、上側のディスプレイに対応するバックライトの明るさよりも暗くなるように制御することとしてもよい。
【0057】
これにより、上側にくるディスプレイを下側のディスプレイよりも明るくすることで、下側のディスプレイの消費電力を抑制するとともに、上側のディスプレイのバックライトの光が下側のディスプレイにも照射されることにより、下側のディスプレイの明るさの不足を補うことができる。
(e)上記(a)〜(d)に記載の携帯通信端末において、前記第1ディスプレイ及び前記第2ディスプレイのうち少なくともいずれか一方がタッチパネルであることとしてもよい。
【0058】
これにより、タッチパネルとして構成されている第1ディスプレイ(又は第2ディスプレイ)に表示された表示物を対象とした入力操作を実行することができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明に係る携帯通信端末は、消費電力の少ない携帯電話機として活用することができる。
【符号の説明】
【0060】
100 携帯電話機
110 通信部
111 アンテナ
120 音声処理部
121 マイク
122 スピーカ
130 表示部
131 第1ディスプレイ
132 第1バックライト
133 第2ディスプレイ
134 第2バックライト
140 操作部
141 第1タッチパッド
142 第2タッチパッド
150 加速度センサ
160 記憶部
170 制御部
171 アプリケーション実行部
172 表示内容制御部
173 バックライト制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1バックライトを備える第1ディスプレイと、
第2バックライトを備える第2ディスプレイと、
前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとに画像を表示する表示部と、
前記第1バックライトと前記第2バックライトとの明るさを決定し、前記第1バックライトと前記第2バックライトとのそれぞれの明るさを前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとに表示する画像に基づいて互いに異なる明るさに設定する制御部と
を備えることを特徴とする携帯通信端末。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1ディスプレイに表示させる画像と、第2ディスプレイに表示させる画像について、前記表示部が一の表示物を2つのディスプレイに跨って表示しない場合に2つのバックライトを互いに異なる明るさに設定する
ことを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1ディスプレイに表示させる画像と、第2ディスプレイに表示させる画像について、前記表示部が一の表示物を2つのディスプレイに跨って表示する場合に2つのバックライトを同じ明るさに設定する
ことを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項4】
前記携帯通信端末は、更に、
加速度センサを備え、
前記制御部は、前記加速度センサから取得した加速度から定まる自端末の向きに応じて前記第1バックライトと前記第2バックライトとの明るさの制御を実行する
ことを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとのうち、前記加速度センサから出力された加速度から求まる鉛直方向における下側となるディスプレイに対応するバックライトの明るさを、上側のディスプレイに対応するバックライトの明るさよりも暗くなるように制御する
ことを特徴とする請求項4記載の携帯通信端末。
【請求項6】
前記第1ディスプレイ及び前記第2ディスプレイのうち少なくともいずれか一方がタッチパネルである
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の携帯通信端末。
【請求項7】
第1バックライトを備える第1ディスプレイと、第2バックライトを備える第2ディスプレイとを備える携帯通信端末におけるバックライト制御方法であって、
前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとに画像を表示する表示ステップと、
前記第1バックライトと前記第2バックライトとの明るさを決定し、前記第1バックライトと前記第2バックライトとのそれぞれの明るさを前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとに表示する画像に基づいて互いに異なる明るさに設定する制御ステップとを含む
ことを特徴とするバックライト制御方法。
【請求項8】
第1バックライトを備える第1ディスプレイと、第2バックライトを備える第2ディスプレイとを備える携帯通信端末のコンピュータにバックライトを制御させるための処理手順を示したバックライト制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記処理手順は、
前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとに画像を表示する表示ステップと、
前記第1バックライトと前記第2バックライトとの明るさを決定し、前記第1バックライトと前記第2バックライトとのそれぞれの明るさを前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとに表示する画像に基づいて互いに異なる明るさに設定する制御ステップとを含む
ことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−138656(P2012−138656A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287851(P2010−287851)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】