説明

携帯通信端末及びデータ転送方法

【課題】互いに独立した複数のローカルネットワークの間でのデータ転送を容易にすることが可能なデータ転送方法及び携帯通信端末を提供する。
【解決手段】携帯端末300上に接続先ネットワーク毎に機器情報を登録し前記携帯端末が第1のネットワークと接続しているときに第2のネットワークの機器情報に基づきデバイス情報を前記携帯端末が仮想機器として第1のネットワークに送信し前記携帯端末が第1のネットワークと接続しているときに第1の機器から第2の機器にデータ転送するために必要な制御信号を前記携帯端末が検出した場合に、前記携帯端末が仮想機器として第1の機器との間で通信を行うと共に第1の機器から受信した転送対象データとジョブ情報を前記携帯端末上の記憶部に保存し前記携帯端末が第2のネットワークと接続したときには前記携帯端末が保持している転送対象データをジョブ情報に基づき第2のネットワークに送出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれが独立し1つ以上の機器を含む複数のローカルネットワークと、前記各ローカルネットワークを経由して前記機器と通信可能な携帯端末とで構成される通信システムを用いて前記複数のローカルネットワークの間で前記携帯端末を介してデータ転送を行うための携帯通信端末及びデータ転送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
企業や家庭内などにおける通信ネットワークには、LAN(Local Area Network)を利用することが多い。一方、ユーザは、異なるLANに属する機器間でのデータ転送を行いたいというニーズを持っている。例えば、あるLAN内のパソコンのデータを別のLANに接続されているプリンタに印刷したり、あるLANに接続されている家電機器のデータを別のLANに接続されているサーバにアップロードしたりといったことである。
【0003】
このようなニーズに対応するデータ転送については、もしも該当する複数のLANがグローバルネットワークによって互いに繋がれている場合であれば、グローバルネットワーク経由での転送が可能である。これは、IPネットワーク越しに相互接続する技術によって実現することができる。現在、多くのネットワークで使われているインターネットプロトコルのIPv4では、ローカルネットワーク内では自ネットワーク内でのみ一意に定義されるプライベートIPアドレスを利用している。そのため、互いに独立した異なるネットワーク環境配下の機器間でのデータの転送を実現するためには、IPネットワーク越しに相互接続する技術、つまり、プライベートアドレスをグローバルIPアドレスに変換して通信するNAT(Network Address Translation)の技術が必要であり、様々なNATの技術が存在する。
【0004】
また、近年、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ビデオレコーダー、携帯音楽プレーヤ、パソコンなど家庭内の機器をLANに接続し、各機器の中に保存してある映像、音楽、画像などのコンテンツをネットワーク内の全ての機器が共有して再生できるホームネットワークの仕組みがある。その仕組みのひとつが、DLNA(Digital Living Network Alliance)である。これは、異なる会社の製品であってもホームネットワーク上で相互接続可能とするために、ネットワーク物理層、プロトコル、メディアフォーマットなどの規格を規定したガイドラインで、機能を実装するデバイスクラスとしてテレビやプリンタなど据え置き機器であるHND(Home Network Devices)、携帯機器用のMHD(Mobile Handheld Devices)が定義されている。
【0005】
DLNAのコンテンツを共有する仕組みは以下のように行われる。
まず、デバイスディスカバリーにより、LAN上の機器を発見し、相互に機器の機能を把握する。次に、発見した機器の中のサーバ機器からコンテンツ情報を取得し、共有するコンテンツを選択し、再生などの制御を行うという仕組みである。
【0006】
このコンテンツを共有するための仕組みは、標準的な技術を採用している。LAN上の機器を自動的に発見して接続する「デバイスディスカバリーとコントロール」には「UPnP(ユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ)」規格を採用し、コンテンツのリストや詳細情報のやり取りを行う「メディアマネジメントとコントロール」には「UPnP AV」規格を使うことが決められている。
【0007】
グローバルネットワークで繋がっていない複数のLAN間でコンテンツなどの同じデータを共有するための従来技術が例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。この技術は、着脱可能なストレージにデータを持ち出して手動で転送する方法であり、パソコンなどの機器に保存されているデータを遠隔のプリンタにオフライン出力するために利用される。すなわち、着脱可能なストレージを使って、ネットワークで接続されていない機器の中のデータを他のネットワークのプリンタへ印刷するもので、データと一緒に印刷制御情報もストレージに保存することにより、プリンタにストレージを装着するだけで自動的に印刷可能となるように考慮されている。
【0008】
特許文献1、特許文献2の技術を採用することにより、印刷の操作の手間が軽減される。しかし、ユーザは代わりにストレージをパソコンに装着したり外したりといった余分な操作を行わざるを得ないのでやはり手間がかかる。
【0009】
ここで、具体例として図1(a)に示すようなシステムが存在する場合を想定する。LAN100とLAN200とは互いに独立したローカルネットワークであり、LAN100には機器110、120、130が接続され、LAN200には機器210、220が接続されている。例えば、LAN100に接続されている機器110に保存されているコンテンツをLAN200内の機器210で共有しようとユーザが希望する場合を想定する。
【0010】
LAN100とLAN200がそれぞれ共通のグローバルネットワークに接続されている場合であれば、このグローバルネットワーク経由でのデータ転送が可能である。但し、異なるLAN配下の機器同士で通信を行うことになるので、通信の際にはプライベートアドレスをグローバルアドレスに変換するNATの技術が必要である。NATにはさまざまな方式が提案されている。
【0011】
ひとつの方法として、ルータで変換を行う方法がある。この場合、事前にアドレスや使用するポートの対応表をルータにマッピングしておく必要がある。また、UPnP NAT Traversalであれば、自動的にアドレスやポートのマッピングが行われるものの、機器毎の実装の差異などによる相互接続性の問題があり一部のアプリケーションが動作しないこともある。さらに、これらのNATはローカルネットワーク側の機器からのアクセスに対応するものであり、グローバルネットワーク側からのアクセスを行う場合は上記の方法では対応できず変換用のサーバを使うなどの他の手段が必要である。
【特許文献1】特許第3492352号
【特許文献2】特許第3929396号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記のように、互いに異なるローカルネットワークに接続された機器同士の間でデータ転送をする場合には、複数のローカルネットワークがグローバルネットワークに接続されている場合であっても、NATの技術を利用する必要があり、設定の複雑さや相互接続性などの課題があり容易ではない。
【0013】
また、NATが実現しても、LANには外部ネットワークからの不正なアクセスを禁止するためのファイアウォールや、不正なユーザからのアクセスを防止するための認証やVPNなど、セキュリティが施されていることも多い。そのため、グローバルネットワークを経由して異なるLAN間での相互接続を実現することは、実際には容易ではない。
【0014】
複数のローカルネットワークがそれぞれグローバルネットワークに接続されている場合の別の手段として、接続可能な共通のサーバにデータを置いてFTP(File Transfer Protocol)による受け渡しを行うという方法もある。しかし、この場合もサーバの設置に伴うコスト負担、特定のユーザからのみ接続できるようにする認証などのセキュリティの必要性などがあり、データ転送は容易ではない。
【0015】
また、特許文献1、特許文献2のような技術を採用する場合には、ユーザは脱着可能なストレージをパソコンに装着したり外したりといった余分な操作を行わざるを得ないので操作の手間がかかるのは避けられない。
【0016】
本発明は、互いに独立した複数のローカルネットワークの間でのデータ転送を容易にすることが可能な携帯通信端末及びデータ転送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
本発明の携帯通信端末は、
第1のローカルネットワーク及び第2のローカルネットワークに接続可能な携帯通信端末であって、
前記携帯通信端末が前記第1のローカルネットワーク又は前記第2のローカルネットワークと接続したときに、接続先のローカルネットワーク毎に、通信可能な機器及びローカルネットワークを特定するための機器情報を取得して保持する履歴情報管理部と、
前記携帯通信端末が前記第1のローカルネットワークと接続した場合に、前記履歴情報管理部が保持する、前記第2のローカルネットワークに関する機器情報を参照して、前記第2のローカルネットワークに接続された第2の機器と通信可能であることを通知するデバイス通知を前記第1のローカルネットワークに送信する仮想デバイス情報送信部と、
前記携帯通信端末が前記第1のローカルネットワークと接続している場合であって、前記第1のローカルネットワークに接続された第1の機器から前記第2の機器にデータを転送するためのデータ転送制御信号を検出したとき、前記第1の機器との間で通信を行うと共に、前記第1の機器から受信した転送対象データと、前記第2の機器へのデータ転送の制御に必要なジョブ情報とを取得して保持するストレージ部と、
前記携帯通信端末が前記第1のローカルネットワークと接続した後で前記第2のローカルネットワークに接続した際に、前記ストレージ部に保持されている前記転送対象データを前記ジョブ情報に基づいて前記第2の機器に転送する仮想データ転送部と
を備えたことを特徴とする。
【0018】
この携帯通信端末によれば、前記携帯通信端末を前記第1のローカルネットワークと接続しているときに、前記第1の機器が前記第2の機器宛てに送出したデータを前記携帯通信端末が代わりに受け取って前記ストレージ部に保存し、前記携帯通信端末を前記第2のローカルネットワークと接続したときに、前記携帯通信端末が前記ストレージ部に保持している前記第2の機器宛てのデータを前記携帯通信端末から前記第2の機器宛てに送出することができるので、ユーザは一時的な中継(代理)局として前記携帯通信端末を用いることで、グローバルネットワークを使用することなく、前記第1の機器から第2の機器にデータを転送することができる。しかも、データ転送の制御に必要なジョブ情報を前記携帯通信端末が管理しているので、このジョブ情報を用いることにより、前記第1の機器と第2の機器とが同一のローカルネットワーク上に存在する場合と同様の簡単な操作で、データ転送を行うことができる。また、前記携帯通信端末と各ローカルネットワークとの接続は、例えば無線LANのような無線通信により行うこともできるので、特許文献1、特許文献2の技術のように脱着可能なストレージをパソコンに装着したり外したりといった余分な操作をユーザが行う必要はない。
【0019】
また、本発明の携帯通信端末は、
データ転送に関する指示を行う操作部と、
前記操作部からの指示に従って前記データ転送制御信号を生成するコントローラ部と
を備えたことを特徴とする。
【0020】
この携帯通信端末によれば、ユーザは前記携帯通信端末自身に設けられた操作部を操作することにより、前記第1の機器から前記第2の機器へのデータ転送の内容を決定したり転送処理を開始することができる。
【0021】
また、本発明の携帯通信端末は、
前記ストレージ部の少なくとも一部を構成する記憶装置である外部ストレージと所定の通信網を経由して接続するための伝送制御部を更に備え、
前記伝送制御部は、前記第1の機器から受信した転送対象データを前記外部ストレージに一時的に保持させ、前記第2の機器に転送される前記転送対象データを前記外部ストレージから取得する
ことを特徴とする。
【0022】
この携帯通信端末によれば、転送対象データを保存するために外部ストレージを利用できるので、前記携帯通信端末自身の記憶容量が非常に小さい場合であっても、データ転送の中継を行うことができる。なお、前記携帯通信端末と前記外部ストレージとの間で通信の際に認証処理を実施することにより、セキュリティを確保できる。
【0023】
また、本発明の携帯通信端末は、
前記履歴情報管理部が、機器毎に、少なくとも機器の識別情報と、機器の機能を特定するための種別情報と、機器の名称と、を機器情報として保持する
ことを特徴とする。
【0024】
この携帯通信端末によれば、機器情報に該当する機器の機能(例えばプリンタ、サーバ、アップローダなど)を特定するための種別情報が含まれているので、1つのローカルネットワーク上に様々な機器が接続されている場合であっても、この機器情報に基づいて適切な処理を実施することができる。また、機器情報に機器の名称が含まれているので、例えばユーザが転送元又は転送先の機器を選択する際にそれぞれの機器を容易に区別できる。
【0025】
また、本発明の携帯通信端末は、
前記ストレージ部が、前記ジョブ情報として、少なくともジョブ管理番号と、ジョブの機能を表す種別と、転送先の前記第2の機器を特定する転送先識別情報と、前記転送対象データを特定するコンテンツ識別情報と、転送元の前記第1の機器を特定する転送元識別情報とを保持する
ことを特徴とする。
【0026】
この携帯通信端末によれば、前記ジョブ情報に基づいて、転送元の機器や、転送先の機器や、転送対象のデータ(コンテンツ)を特定できるので、この情報を用いて自動的にデータ転送を実施することができる。
【0027】
また、本発明の携帯通信端末は、
前記第2の機器が、紙面に情報を印刷出力するプリンタであって、前記携帯通信端末から転送された前記転送対象データを、当該転送対象データに含まれる印刷制御信号に基づいて、印刷出力する、
ことを特徴とする。
【0028】
この携帯通信端末によれば、前記第1の機器が保持しているデータを前記第2の機器に転送して印刷することができる。従って、1つのローカルネットワーク上に接続されているプリンタを、他のローカルネットワーク上の機器も印刷のために利用することができる。
【0029】
また、本発明の携帯通信端末は、
前記第2の機器が、所定の記憶装置に対してデータをアップロードするためのアップロードサーバであって、前記携帯通信端末から転送された前記転送対象データを、当該転送対象データに含まれるアップロードデータ転送制御信号に基づいて、アップロードする、
ことを特徴とする。
【0030】
この携帯通信端末によれば、前記第1の機器が保持しているデータを前記第2の機器に転送して所定の記憶装置にアップロードすることができる。従って、アップロード先の記憶装置が1つのローカルネットワークだけに接続されている場合であっても、他のローカルネットワーク上の機器も同じ記憶装置に対してデータをアップロードすることができる。
【0031】
本発明のデータ転送方法は、
携帯通信端末を介してデータ転送を行うためのデータ転送方法であって、
前記携帯通信端末に、接続先のローカルネットワーク毎に、通信可能な機器及びローカルネットワークを特定するための機器情報を登録し、
第1のローカルネットワークに第1の機器が接続され、第2のローカルネットワークに第2の機器が接続されている場合に、前記携帯通信端末が前記第1のローカルネットワークと接続しているときには、前記携帯通信端末に登録されている前記第2のローカルネットワークに関する機器情報を参照して、前記第2の機器と通信可能であることを通知するデバイス通知を前記第1のローカルネットワークに送信し、
前記携帯通信端末が前記第1のローカルネットワークと接続している場合であって、前記第1の機器から前記第2の機器にデータを転送するためのデータ転送制御信号を前記携帯通信端末が検出したとき、前記携帯通信端末が前記第1の機器との間で通信を行うと共に、前記第1の機器から受信した転送対象データと、前記第2の機器へのデータ転送の制御に必要なジョブ情報とを記録し、
前記携帯通信端末が前記第2のローカルネットワークと接続したときには、前記携帯通信端末が記録している前記転送対象データを前記ジョブ情報に基づいて前記第2の機器に転送する
ことを特徴とする。
【0032】
本発明のプログラムは、
コンピュータに、本発明のデータ転送方法の手順を実行させるためのプログラムである。
【0033】
このデータ転送方法、及びプログラムによれば、前記携帯端末を前記第1のローカルネットワークと接続しているときに、前記第1の機器が前記第2の機器宛てに送出したデータを前記携帯端末が代わりに受け取って保存し、前記携帯端末を前記第2のローカルネットワークと接続したときに、前記携帯端末が保持している前記第2の機器宛てのデータを前記携帯端末から前記第2の機器宛てに送出することができるので、ユーザは一時的な中継(代理)局として前記携帯端末を用いることで、グローバルネットワークを使用することなく、前記第1の機器から第2の機器にデータを転送することができる。しかも、データ転送の制御に必要なジョブ情報を前記携帯端末が管理しているので、このジョブ情報を用いることにより、前記第1の機器と第2の機器とが同一のローカルネットワーク上に存在する場合と同様の簡単な操作で、データ転送を行うことができる。また、前記携帯端末と各ローカルネットワークとの接続は、例えば無線LANのような無線通信により行うこともできるので、特許文献1、特許文献2の技術のように脱着可能なストレージをパソコンに装着したり外したりといった余分な操作をユーザが行う必要はない。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、機器連携機能を持たせた携帯端末を利用し、前記携帯端末を前記第1のローカルネットワークと接続しているときには、前記携帯端末が前記第2のローカルネットワーク上の第2の機器の代理として機能し、前記携帯端末を前記第2のローカルネットワークと接続しているときには、前記携帯端末が前記第1のローカルネットワーク上の第1の機器の代理として機能するので、互いに独立した複数のローカルネットワークの間で前記携帯端末を介して容易にかつ安全にデータ転送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
(第1の実施の形態)
本発明のデータ転送方法及び携帯通信端末に関する具体的な1つの実施の形態について、図1〜図8を参照しながら以下に説明する。
【0036】
図1は第1の実施の形態で想定するシステムの構成例を示すブロック図である。図2は第1の実施の形態でデータ転送する場合のシステム主要部の各機器の構成を示すブロック図である。図3は携帯端末が保持する履歴データの構成例を示す模式図である。図4は携帯端末が保持するジョブデータの構成例を示す模式図である。図5は携帯端末が一方のローカルネットワークと接続した時のデバイス検索に関する動作例を示すシーケンス図である。図6は携帯端末が他方のローカルネットワークと接続した時のデバイス検索に関する動作例を示すシーケンス図である。図7は第1の実施の形態において携帯端末が転送元の機器と接続したときの動作例を示すシーケンス図である。図8は第1の実施の形態において携帯端末が転送先の機器と接続したときの動作例を示すシーケンス図である。
【0037】
本実施の形態においては、図1に示すようなシステムに本発明を適用する場合を想定している。すなわち、図1(a)に示すように互いに独立した複数のローカルネットワークとしてLAN100及びLAN200が存在しており、LAN100上に接続されている機器110、120、130のいずれかと、LAN200上に接続されている機器210、220のいずれかとの間でデータ転送を行うことを想定している。
【0038】
具体例としては、LAN100とLAN200の一方が企業内(職場)に設けられたローカルネットワークであり、他方が家庭内に設けられたローカルネットワークである場合が考えられる。つまり、同じユーザが職場の環境下と家庭内の環境下の両方で共通のデータを扱いたいような場合が想定される。
【0039】
図1(a)に示す例では、LAN100及びLAN200のそれぞれが共通のグローバルネットワーク(例えばインターネット)GNWと接続されているので、グローバルネットワークGNWを経由してLAN100とLAN200との間でデータ転送を行うことは不可能ではない。しかし、前述のように様々な問題があるので、このようなデータ転送は容易ではない。
【0040】
そこで、第1の実施の形態では、図1(b)に示すように持ち運びが容易な携帯端末300を利用して複数のネットワーク間のデータ転送を実施する。携帯端末300としては、携帯電話端末や、携帯型情報端末(PDA)や、ノートパソコンなどを用いることが考えられる。
【0041】
各LAN100、200と携帯端末300との接続を容易にするために、この例では携帯端末300は無線LAN機能を搭載している。また、図1(b)に示すようにLAN100には無線LANアクセスポイント(AP)140を接続し、LAN200には無線LANアクセスポイント(AP)230を接続してある。従って、携帯端末300が無線LANアクセスポイント140の通信可能な範囲内に存在する場合には、携帯端末300はLAN100上の各機器110、120、130との間で無線LANアクセスポイント140を介して通信することができ、携帯端末300が無線LANアクセスポイント230の通信可能な範囲内に存在する場合には、携帯端末300はLAN200上の各機器210、220との間で無線LANアクセスポイント230を介して通信することができる。
【0042】
図1(b)に示すシステムにおいて、LAN100上の機器110がパソコンであり、LAN200上の機器210がプリンタである場合を想定し、機器110に保存されているデータを携帯端末300を介して機器210で印刷する場合のデータ転送に必要な機能上の構成が図2に示されている。また、図2にはデータ及び制御の流れも示されている。なお、図2では無線LANに関する機能の図示は省略されている。なお、ここではパソコンである機器110をパソコン機器と呼び、プリンタである機器210をプリンタ機器と呼ぶ。
【0043】
図2に示す構成例では、パソコンである機器110は、表示部111、操作部112、ストレージ113、機器情報保持部114、コントローラ115及びサーバ116を備えている。
【0044】
表示部111は、文字列や画像などの様々な可視情報を画面上に表示可能な装置であり、例えばユーザがデータ転送の操作を行う際に、送信可能なデータ(コンテンツ)のリストを一覧表示したり、選択可能な転送元の機器や転送先の機器のリストを一覧表示するために利用される。
【0045】
操作部112は、キーボードやマウスのようにユーザの入力操作を受け付け可能な入力装置であり、例えばユーザがデータ転送の操作を行う際にコンテンツのリストから特定のコンテンツを転送対象データとして選択したり、選択可能な機器のリストの中から特定の機器を転送元又は転送先として指定するために利用される。
【0046】
ストレージ113は、例えば半導体メモリやハードディスクのような記憶装置である。このストレージ113の内部には、転送可能な様々なコンテンツ(例えば写真などの画像)のデータとコンテンツのリスト(一覧情報)とが保持されている。
【0047】
機器情報保持部114は、機器を識別するための固有の番号、機器のタイプ、バージョン、名前、有する機能や能力などで構成される機器情報を保持している。これらの機器情報は、後述のUPnP(Universal Plug and Play)におけるデバイス検索(Device Discovery)で他の機器へ通知される。
【0048】
コントローラ115は、操作部112を通じて入力されたユーザ操作に基づいて、プリンタクライアント301に対して、ストレージ113内のデータを印刷するための制御を行う。具体的には、プリンタ機器の指定、サーバの指定、コンテンツファイルの指定を行って、印刷開始指示を与える。
【0049】
サーバ116は、コンテンツ配信元としての動作を行う。具体的には、サーバ116は表示部111に表示するコンテンツリストを提供し、プリンタクライアント302からのコンテンツの転送要求に対してストレージ113内のコンテンツデータを転送する。また、UPnPにおけるデバイス検索で、サーバとしてのデバイス情報を通知する。
【0050】
一方、図2に示す構成例では、プリンタである機器210は、プリンタクライアント211、機器情報保持部212及び印刷制御部213を備えている。
【0051】
機器情報保持部212は、機器を識別するための固有の番号、機器のタイプ、バージョン、名前、有する機能や能力などで構成される機器情報を保持している。これらの機器情報は、後述のUPnP(Universal Plug and Play)におけるデバイス検索(Device Discovery)で他の機器へ通知される。
【0052】
プリンタクライアント211は、コンテンツの印刷先としての動作を行い、サーバ304に対してコンテンツ転送GET要求を行い、転送されたコンテンツを印刷制御部213へ渡す。また、UPnPにおけるデバイス検索で、プリンタとしてのデバイス情報を通知する。
【0053】
印刷制御部213は、プリンタクライアント211から受信した印刷レイアウトおよび印刷データに従って、印刷を実行する。
【0054】
一方、図2に示す構成例では、携帯端末300はプリンタクライアント301、ストレージ302、コントローラ303、サーバ304、ジョブ管理部305及び履歴情報管理部306を備え、履歴情報管理部306は履歴データ307を保持している。
【0055】
プリンタクライアント301は、履歴データ307として機器情報が保存されている機器(この例ではプリンタの機能を有する機器210)の代理でコンテンツの印刷先としての動作を仮想的に行い、転送元のサーバ116に対してコンテンツ転送GET要求を送信し、サーバ116から受け取ったコンテンツのデータを記憶装置であるストレージ302に保存する。また、UPnPにおけるデバイス検索の際に、プリンタであることを示すデバイス情報を通知する。
【0056】
ストレージ302は、サーバ116から転送されたコンテンツおよびコンテンツリストの情報を保存する。
【0057】
サーバ304は、コンテンツ配信元としての動作を行い、具体的には、転送先のプリンタクライアント211からのコンテンツの転送GET要求に対してストレージ302に保存してあるコンテンツのデータを転送する。また、UPnPにおけるデバイス検索の際に、サーバであることを表すデバイス情報を通知する。
【0058】
コントローラ303は、ジョブ管理部305に登録されているジョブの内容に基づいて、プリンタクライアント211に対して、ストレージ302内のデータを印刷する制御を行う。具体的には、プリンタ機器の指定、サーバの指定、コンテンツファイルの指定を行って、印刷開始指示を与える。
【0059】
履歴情報管理部306は、デバイス検索にて発見した機器の情報を、LAN(ローカルネットワーク)毎に区分して管理し、その内部の記憶領域に履歴データ307として保存する。
【0060】
ジョブ管理部305は、携帯端末300のプリンタクライアント301が代理動作した印刷制御情報を管理する。
【0061】
図2に示す携帯端末300上の履歴情報管理部306が管理している履歴データ307の具体例が図3に示されている。
【0062】
図3に示すように、この履歴データ307においては、各機器の情報はそれが属しているローカルネットワークの環境毎に区別して異なる管理番号を付けて管理されている。実際には、一度のデバイス検索(Device Discovery)に対して応答のあった全ての機器を同じローカルネットワークに属するひとつの環境として管理する。
【0063】
それぞれの環境について、管理番号、位置情報、更新日時、機器ID、機器情報で構成される最新の状態を履歴データ307として保存する。
【0064】
ここで、位置情報は環境を識別するための情報である。例えば、図1に示すシステムの2つのローカルネットワーク(LAN100、LAN200)の環境を識別する情報としては、無線LANアクセスポイント(140、230)のSSIDと関連づけた内容を位置情報として記録しておけばよい。
【0065】
更新日付は、この履歴を更新したときの日付を表し、最後にデバイス検索をした日時となる。
【0066】
図3に示す履歴データ307においては、携帯端末300がLAN100と接続してデバイス検索を行った際に、機器1、機器2、機器3を検出したため、LAN100と管理番号が同じグループについて機器1、機器2、機器3のIDおよび機器情報(この例では機能を表すタイプと機器の名称)を記憶し、携帯端末300がLAN200と接続してデバイス検索を行った際に、機器1、2を検出したため、LAN200と管理番号が同じグループについて機器1、機器2のIDおよび機器情報を記憶した場合を想定している。
【0067】
図3に示す履歴データ307の例では、LAN100と管理番号が同じグループの機器1としてサーバ機能を有するパソコン機器110が、LAN200と管理番号が同じグループの機器2として印刷機能を有するプリンタ210が記憶されている。
【0068】
一方、携帯端末300上のジョブ管理部305に登録されるジョブデータの内容の具体例が図4に示されている。図4に示すように、このジョブデータにはジョブ管理番号、ジョブ種別、制御先デバイス、コンテンツID、コンテンツ元デバイスが記録されている。
【0069】
ジョブ種別は、印刷、アップロード、ダウンロードなどの機能の区分を表す制御情報である。制御先デバイスはコンテンツデータの転送先のデバイスの識別情報、コンテンツIDは転送するコンテンツデータの識別情報、コンテンツ先デバイスは転送するコンテンツを保存していた機器の識別情報が記載される。
【0070】
図4に示すジョブデータの例では、ジョブ管理番号001に、「ID12345のコンテンツデータをプリンタ機器210へ印刷する」という内容を表すジョブが記録されている。また、このコンテンツの転送元デバイスはパソコン110であることが記録されている。
【0071】
続いて、図2に示す機器110から携帯端末300を経由して機器210にデータを転送し印刷するために必要な各機器の動作について説明する。
【0072】
<デバイスディスカバリー、履歴保存の動作>
遠隔データ転送を行う事前の状態として、携帯端末300に、転送元のローカルネットワークであるLAN100および転送先のローカルネットワークであるLAN200のそれぞれの環境の履歴データが登録されている必要がある。以下に履歴データを登録するまでの動作を説明する。
【0073】
携帯端末300がLAN100近辺に移動してきたときに行うデバイス検索(Device Discovery)の動作シーケンスが図5に示されている。
【0074】
図5に示すように、まず、携帯端末300は、無線LANアクセスポイント140を検出してLAN100に無線接続する(ST101)。
【0075】
無線LANアクセスポイント140を経由してLAN100に接続した携帯端末300は、LAN100に接続している他の機器を探すための「デバイス検索」メッセージをマルチキャストでLAN100に送信する(ST102)。
【0076】
「デバイス検索」メッセージを受信したLAN100上の他の機器110、120、130はユニキャストで「デバイス応答」メッセージを返信することによって自機器の存在を検索元である携帯端末300に通知する(ST103、ST104、ST105)。
【0077】
携帯端末300は、「デバイス応答」メッセージを返信してきた機器110に対して、「機器情報要求」メッセージを送信する(ST106)。「機器情報要求」メッセージを受信した機器110は、携帯端末300に対して機器情報を返信する(ST107)。同様にして、機器120、130に対しても機器情報を取得する(ST108、ST109、ST110、ST111)。
【0078】
LAN100から機器情報を受信した携帯端末300は、履歴情報管理部306にて、LAN100におけるデバイス検索の結果を履歴データ307として保存する(ST112)。
【0079】
一方、携帯端末300がLAN200近辺に移動してきたときに行うデバイス検索(Device Discovery)の動作シーケンスが図6に示されている。
【0080】
図6に示すように、まず、携帯端末300は、無線LANアクセスポイント230を検出してLAN200に無線接続する(ST121)。
【0081】
無線LANアクセスポイント230を経由してLAN200に接続した携帯端末300は、LAN200に接続している他の機器を探すために「デバイス検索」メッセージをマルチキャストでLAN200に送信する(ST122)。
【0082】
「デバイス検索」メッセージを受信した他の機器210、220はユニキャストで「デバイス応答」メッセージを検索元に返信することによって自機器の存在を通知する(ST123、124)。
【0083】
携帯端末300は、「デバイス応答」メッセージを返信してきた機器210に対して、「機器情報要求」メッセージを送信する(ST125)。「機器情報要求」メッセージを受信した機器210は、携帯端末300に対して機器情報を返信する(ST126)。同様にして、機器220に対しても機器情報を取得する(ST127、128)。
【0084】
機器情報を受信した携帯端末300は、履歴情報管理部306にて、LAN200におけるデバイス検索の結果を履歴データ307として保存する(ST129)。
【0085】
以上のようにして、携帯端末300に各LAN100、200の環境における各機器の情報がネットワークを区別する情報と共に図3に示したような履歴データとして登録される。
【0086】
続いて、LAN100内のパソコン機器110に保存されているコンテンツデータを、LAN200内のプリンタ機器210に転送し印刷する場合の動作について説明する。
【0087】
<携帯端末300がLAN100と接続する時の動作>
LAN100上の機器110のデータを機器210の代理である携帯端末300側に転送するための動作シーケンスが図7に示されている。
【0088】
携帯端末300がLAN100の近辺へ移動した際には、自動あるいはユーザ操作に従って携帯端末300は無線LANアクセスポイント140を経由してLAN100へ接続される(ST141)。
【0089】
携帯端末300は、履歴情報管理部306に保存されている履歴データ307を参照し、現在接続しているLAN100の環境以外の機器の中で、携帯端末300が代理動作可能な機器(仮想的にLAN100内に存在させる機器)を自動的に選択する(ST142)。ここではLAN200のプリンタ機器210の代理動作を携帯端末300が行う場合を想定している。
【0090】
携帯端末300のプリンタクライアント301は、履歴データ307に保存されているプリンタ機器210の情報を参照し、プリンタ機器210に代わってデバイス通知をマルチキャストで送信し、LAN100上にプリンタ機器210の存在を告知する(ST143)。
【0091】
パソコン機器110は、携帯端末300からの前記デバイス通知によって、携帯端末300が代理動作しているプリンタ機器210の存在を認識すると、携帯端末300のプリンタクライアント301に対して、機器情報要求を送信する(ST144)。プリンタクライアント301は機器情報要求を受信すると、履歴情報管理部306に保存されている履歴データ307の中から、プリンタ機器210の機器情報を抽出し返信する(ST145)。
【0092】
この後、利用可能なプリンタ(仮想機器:実体は機器210の代理である携帯端末300)が存在することが機器110上の表示部111に表示されるので、ユーザはこのプリンタに対して印刷の操作が可能であることを認識する。
【0093】
そこで、ユーザはパソコン機器110の操作部112により印刷のための入力操作を行う。具体的には、パソコン機器110に存在する多数のコンテンツの一覧がコンテンツリストとして表示部111に表示されるので、このコンテンツリストの中からユーザが印刷したいコンテンツを操作部112から指定する(ST146)。
【0094】
また、ユーザが印刷先を指定する際には、予め取得してあるLAN100の機器リストの中から携帯端末300により仮想的に存在するプリンタ機器210が選択され、その後印刷の実行がユーザから指示される(ST147)。
【0095】
ユーザによる印刷操作はコントローラ115に通知され、コントローラ115は、印刷ページのレイアウトを生成し、プリンタクライアント301に送る(ST148)。印刷用レイアウトを受信したプリンタクライアント301は、サーバ116に対してコンテンツデータのGET要求を行う(ST149)。サーバ116は印刷するコンテンツデータをプリンタクライアント301に転送する(ST150)。
【0096】
コンテンツデータを受信したプリンタクライアント301は、受信したレイアウト情報およびコンテンツデータを携帯端末300内のストレージ302に保存する(ST151)。また、印刷制御のジョブ情報(図4参照)をジョブ管理部305に登録する(ST152)。
【0097】
<携帯端末300がLAN200と接続する時の動作>
プリンタである機器210の代理として機器110から受け取ったコンテンツのデータを保持している携帯端末300がLAN200と接続する時の動作が図8に示されている。
【0098】
携帯端末300がLAN200の近辺へ移動すると、携帯端末300は自動あるいはユーザ操作により無線LANアクセスポイント230を経由してLAN200へ接続される(ST161)。
【0099】
携帯端末300は、Device DiscoveryによってLAN200配下の機器210、220を発見する(ST162、機器220は図示なし)。
【0100】
携帯端末300は、発見した機器に対して、ジョブ管理部305でジョブ登録されている機器かどうかを調べ(ST163)、登録されている機器であればジョブ内容に従って制御を実行する。この例では「プリンタ機器210に印刷する」というジョブが登録されている場合を想定しているので、このジョブを実行する。
【0101】
ジョブを実行するために、携帯端末300は、プリンタ機器210に対して、自身をサーバとして認識させる必要がある。そこで、携帯端末300のサーバ304は、履歴データ307に保存されているパソコン機器110の情報を参照し、パソコン機器110に代わってデバイス通知を送信し、LAN200上にパソコン機器110の存在を告知する(ST164)。
【0102】
プリンタ機器210は、携帯端末300が代理動作しているパソコン機器110の存在を認識すると、携帯端末300のサーバ304に対して、機器情報要求を送信する(ST165)。サーバ304は機器情報要求を受信すると、履歴管理情報部306に保存されているパソコン機器110の機器情報を返信する(ST166)。
【0103】
続いて「プリンタ機器210に対して印刷する」というジョブを実行する。携帯端末300上のコントローラ303は、ストレージ302に保存してある、印刷ページのレイアウトをプリンタクライアント211に送る(ST167)。印刷用レイアウトを受信したプリンタクライアント211は、サーバ304に対してコンテンツデータのGET要求を行う(ST168)。サーバ304は印刷するコンテンツデータをプリンタクライアント211に転送する(ST169)。
【0104】
コンテンツデータを受信したプリンタクライアント211は受信したレイアウト情報に基づきコンテンツデータを印刷制御部212に転送し印刷が実行される(ST170)。また、コンテンツデータを転送し終えた携帯端末300は、保存してあるジョブおよびコンテンツデータを削除する(ST171)。
【0105】
以上のように、携帯端末300がLAN100と接続したときに、携帯端末300がLAN200内のプリンタ機器210の代理として動作することによって、パソコン機器110はプリンタ機器210がLAN100内に存在するのと同様の手順で印刷を行うことができる。また、携帯端末300は印刷ジョブ情報を保持した状態で、LAN200へ移動し、プリンタ機器210を検出し、今度は自身がサーバに成り代わって印刷制御を実行する。これにより異なるネットワーク環境配下の遠隔データ転送を容易にセキュアに実施することが可能となる。
【0106】
(第2の実施の形態)
本発明のデータ転送方法及び携帯通信端末に関するもう1つの実施の形態について、図9及び図10を参照しながら以下に説明する。図9は第2の実施の形態においてデータ転送する場合のシステム主要部の各機器の構成を示すブロック図である。図10は第2の実施の形態において携帯端末が転送元の機器と接続したときの動作例を示すシーケンス図である。
【0107】
第2の実施の形態は第1の実施の形態の変形例であり、第1の実施の形態と同様に図1(b)に示すような構成のシステムを想定している。但し、第1の実施の形態ではデータ転送の際に転送元の機器を操作することによりデータ転送を開始するプッシュ型として構成されているのに対し、第2の実施の形態ではデータ転送のための操作を携帯端末側で行うように構成を変更してある。変更された構成及び動作について以下に説明する。
【0108】
第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、図1(b)に示すシステムにおいてLAN100上の機器110がパソコンであり、LAN200上の機器210がプリンタである場合を想定している。機器110に保存されているデータを携帯端末400を介して機器210で印刷する場合のデータ転送に必要な機能上の構成が図9に示されている。なお、図9において図2と対応する各要素には同一の符号を付けて示してある。また、図9では無線LANに関する機能の図示は省略されている。また、データ及び制御の流れも図9に示されている。
【0109】
図9に示す構成例では、パソコンである機器110は、表示部111、操作部112、ストレージ113、機器情報保持部114及びサーバ116を備えている。図9に示す機器110の構成については図2の機器110と大きな違いはないが、図2中のコントローラ115は不要であるため搭載していない。また、表示部111及び操作部112についても搭載を省略することが可能である。
【0110】
図9に示す構成例では、プリンタである機器210の構成は図2の場合と全く同じである。
【0111】
図9に示す携帯端末400は、プリンタクライアント301、ストレージ302、サーバ304、ジョブ管理部305、履歴情報管理部306、表示部401、操作部402及びコントローラ403を備えている。すなわち、図2に示した携帯端末300と異なる構成要素は表示部401、操作部402、コントローラ403である。
【0112】
表示部401は、文字列や画像などの様々な可視情報を画面上に表示可能な装置であり、例えばユーザがデータ転送の操作を行う際に、送信可能なデータ(コンテンツ)のリストを一覧表示したり、選択可能な転送元の機器や転送先の機器のリストを一覧表示するために利用される。
【0113】
操作部402は、キーボードやマウスのようにユーザの入力操作を受け付け可能な入力装置であり、例えばユーザがデータ転送の操作を行う際にコンテンツのリストから特定のコンテンツを転送対象データとして選択したり、選択可能な機器のリストの中から特定の機器を転送元又は転送先として指定するために利用される。
【0114】
携帯端末400上のコントローラ403は、操作部402に対するユーザの入力操作に従って、プリンタクライアント301に対して、機器110上のストレージ113内の印刷対象データ(コンテンツ)を取得するための制御を行う。具体的には、プリンタ機器の指定、サーバの指定、コンテンツファイルの指定を行って、印刷開始指示を与える。
【0115】
さらに、コントローラ403はジョブ管理部305に登録されているジョブの内容に基づいて、機器210上のプリンタクライアント211に対して、ストレージ302内のデータを印刷するための制御を行う。具体的には、プリンタ機器の指定、サーバの指定、コンテンツファイルの指定を行って、印刷開始指示を与える。
【0116】
続いて、図9に示す装置の動作について説明する。
<デバイスディスカバリー、履歴管理の動作>
遠隔データ転送を行う事前の状態として、携帯端末400上にLAN100およびLAN200の環境の履歴データ307が登録されている必要があるが、第1の実施の形態と同じ動作を行うことにより履歴データ307を登録できる。従って、携帯端末400上に各ローカルネットワーク(LAN100、LAN200)の環境での履歴データ307が既に登録されている場合を想定して説明する。
【0117】
LAN100内のパソコン機器110に保存されているコンテンツデータを、LAN200内のプリンタ機器210に印刷する場合の動作は次の通りである。
【0118】
ユーザが携帯端末400をLAN100に近づけて携帯端末400を操作する場合の動作が図10に示されている。
【0119】
すなわち、携帯端末400がLAN100の近辺へ移動すると、自動あるいはユーザ操作により無線LANアクセスポイント140を経由して携帯端末400がLAN100へ接続される(図10のST181)。
【0120】
携帯端末400は、Device DiscoveryによってLAN100内の機器110、120を発見する(ST182。機器120は図示なし)。
【0121】
次に、携帯端末400は、履歴情報管理部306に保存されている履歴データ307を参照し、LAN100の環境以外の機器で、携帯端末400が代理動作可能な機器を検出し、この機器の中から携帯端末400が仮想的にLAN100内に存在させる機器を選択する(ST183)。ここではLAN200のプリンタ機器210を選択する場合を想定している。
【0122】
従って、携帯端末400の表示部401は、Device Discoveryによって取得したLAN100上の各機器と共に、プリンタ機器210の機器情報を表示し、この表示によりユーザに対してプリンタ機器210の存在を告知する(ST184)。
【0123】
ユーザは、表示部401の表示により印刷に利用可能なプリンタ機器210の存在を認識すると、携帯端末400の操作部402から印刷のための操作を行う。
【0124】
携帯端末400のコントローラ403はパソコン機器110のサーバ116からコンテンツリストの取得を行い(ST185)、表示部401にコンテンツリストを表示する(ST186)。ユーザは表示されたコンテンツリストの中から印刷したいコンテンツデータを指定するように操作部402を操作する(ST187)。また、ステップST184で表示された機器リストの中から、ユーザは印刷先としてパソコン機器210を選択して印刷を実行するように操作する(ST188)。
【0125】
ユーザによる印刷操作の指定内容はコントローラ403に通知され、コントローラ403からの指示により、プリンタクライアント301は、サーバ116に対してコンテンツデータのGET要求を行う(ST189)。サーバ116は印刷するコンテンツデータをプリンタクライアント301に転送する(ST190)。
【0126】
コンテンツデータを受信したプリンタクライアント301は、受信したコンテンツデータを携帯端末400内のストレージ302に保存する(ST191)。また、印刷制御のジョブ情報をジョブ管理部305に登録する(ST192)。
【0127】
上記の動作が実行された後で、携帯端末400がLAN200の近傍に移動すると、既に説明した図8の内容と同様の動作が行われる。
【0128】
すなわち、携帯端末400がLAN200の近辺へ移動すると、自動あるいはユーザ操作により無線LANアクセスポイント230を経由して携帯端末400がLAN200へ接続される(ST161)。
【0129】
携帯端末400は、Device DiscoveryによってLAN200配下の機器210、220を発見する(ST162、機器220は図示なし)。
【0130】
発見した機器に対して、ジョブ管理部305でジョブ登録されている機器かどうかを調べ(ST163)、登録されている機器であればジョブ内容に従って制御を実行する。この場合、「プリンタ機器210に対しての印刷」というジョブが登録されているので、これを実行することになる。
【0131】
ジョブを実行するために、携帯端末400は、プリンタ機器210に対して、自身をサーバとして認識させる必要がある。そこで、携帯端末400のサーバ304は、履歴データ307に保存されているパソコン機器110の情報を参照し、パソコン機器110に代わってデバイス通知を送信し、LAN200上にパソコン機器110の存在を告知する(ST164)。
【0132】
プリンタ機器210は、携帯端末400が代理動作しているパソコン機器110の存在を認識すると、携帯端末400のサーバ304に対して、機器情報要求を送信する(ST165)。サーバ304は機器情報要求を受信すると、履歴管理情報部306に保存されているパソコン機器110の機器情報を返信する(ST166)。
【0133】
続いて携帯端末400は「プリンタ機器210に対して印刷する」というジョブを実行する。まず、携帯端末400のコントローラ403は、ストレージ302に保存してある、印刷ページのレイアウトをプリンタクライアント211に送る(ST167)。印刷用レイアウトを受信したプリンタクライアント211は、サーバ304に対してコンテンツデータのGET要求を行う(ST168)。サーバ304は印刷するコンテンツデータをプリンタクライアント211に転送する。(ST169)
【0134】
コンテンツデータを受信したプリンタクライアント211は、携帯端末400から受信したレイアウト情報に基づきコンテンツデータを印刷制御部212に転送し印刷が実行される(ST170)。
【0135】
また、コンテンツデータを転送し終えた携帯端末400は、保存してあるジョブおよびコンテンツデータを削除する(ST171)。
【0136】
以上のように、携帯端末400がLAN100と通信可能な状況において、携帯端末400の表示部401に過去に接続したLAN200内のプリンタ機器210を表示することによって、ユーザは携帯端末の操作画面上でプリンタ機器210を認識し、所定の操作でLAN100内の機器のデータをLAN200内の機器宛てに送出させることが可能である。また、携帯端末400がLAN200内のプリンタ機器210の代理で動作して、パソコン機器110からの印刷データを受信し印刷ジョブ情報を保持した後で、LAN200へ移動すると、プリンタ機器210が検出されるので、今度は携帯端末400自身がサーバに成り代わってプリンタ機器210に対する印刷制御を実行することになる。これにより異なるネットワーク環境配下の遠隔データ転送を容易にセキュアに実施することが可能となる。
【0137】
(第3の実施の形態)
本発明のデータ転送方法及び携帯通信端末に関するもう1つの実施の形態について、図11〜図13を参照しながら以下に説明する。図11は第3の実施の形態においてデータ転送する場合のシステム主要部の各機器の構成を示すブロック図である。図12は第3の実施の形態において携帯端末が転送元の機器と接続したときの動作例を示すシーケンス図である。図13は第3の実施の形態において携帯端末が転送先の機器と接続したときの動作例を示すシーケンス図である。
【0138】
第2の実施の形態は第1の実施の形態の変形例であり、第1の実施の形態と同様に図1(b)に示すような構成のシステムを想定している。但し、第1の実施の形態ではデータ転送の転送元がパソコンなどのサーバであり転送先がプリンタである場合を想定しているが、第3の実施の形態では、転送元の機器に存在するデータを転送先の機器にコピー(アップロード)する場合を想定し、構成及び動作が変更されている。変更された構成及び動作について以下に説明する。
【0139】
本実施の形態では、LAN100上の機器120がデジタルカメラであり、LAN200上の機器220がサーバであり、機器(デジタルカメラ)120内に保存されているデータを機器(サーバ)220にアップロードする場合を想定している。なお、ここでは機器120をデジタルカメラと呼び、機器220をサーバ機器と呼ぶ。
【0140】
機器120に保存されているデータを携帯端末500を介して機器220にアップロードする場合のデータ転送に必要な機能上の構成が図11に示されている。なお、図11にはデータ及び制御の流れも示されている。
【0141】
まず機器120、すなわちデジタルカメラについて説明する。
図11に示すように、デジタルカメラ120は表示部121、操作部122、ストレージ123、機器情報保持部124、コントローラ125及びアップローダ126を備えている。
【0142】
表示部121は、文字列や画像などの様々な可視情報を画面上に表示可能な装置であり、例えばユーザがデータ転送の操作を行う際に、送信可能なデータ(コンテンツ)のリストを一覧表示したり、選択可能な転送元の機器や転送先の機器のリストを一覧表示するために利用される。
【0143】
操作部122は、キーボードやマウスのようにユーザの入力操作を受け付け可能な入力装置であり、例えばユーザがデータ転送の操作を行う際にコンテンツのリストから特定のコンテンツを転送対象データとして選択したり、選択可能な機器のリストの中から特定の機器を転送元又は転送先として指定するために利用される。
【0144】
ストレージ123は、例えば半導体メモリやハードディスクのような記憶装置である。このストレージ123の内部には、転送可能な様々なコンテンツ(撮影した静止画や動画)のデータとコンテンツのリスト(一覧情報)とが保持されている。
【0145】
機器情報保持部124は、機器を識別するための固有の番号、機器のタイプ、バージョン、名前、有する機能や能力などで構成される機器情報を保持している。これらの機器情報は、後述のUPnP(Universal Plug and Play)におけるデバイス検索(Device Discovery)で他の機器へ通知される。ここでは、機器のタイプはアップローダである。
【0146】
コントローラ125は、操作部122を介してユーザからの入力操作を受け付け、このユーザ操作に基づいて、アップローダ126に対して、ストレージ123内のデータをアップロードするための制御を行う。具体的には、アップロード先機器の指定、アップロード元機器の指定、コンテンツファイルの指定を行って、アップロード開始指示を与える。
【0147】
アップローダ126は、コンテンツのアップロード元としての動作を行い、具体的には表示部121に表示するコンテンツリストを提供し、携帯端末500上のアップロードサーバ501へ、ストレージ123内のコンテンツデータを転送(POST)する。また、UPnPにおけるデバイス検索で、アップローダとしてのデバイス情報を通知する。
【0148】
次に、サーバ機器220について説明する。
図11に示すように、サーバ機器220はアップロードサーバ221、機器情報保持部222及びストレージ223を備えている。
【0149】
機器情報保持部222は、機器を識別するための固有の番号、機器のタイプ、バージョン、名前、有する機能や能力などの機器情報を保持し、これらの機器情報は、後述のUPnP(Universal Plug and Play)におけるデバイス検索(Device Discovery)で他の機器へ通知される。ここでは、機器のタイプはサーバでアップロード機能を有しているものとする。
【0150】
アップロードサーバ221は、コンテンツのアップロード先としての動作を行い、携帯端末500上のアップローダ504から転送(POST)されたコンテンツをストレージ224に保存する。また、UPnPにおけるデバイス検索で、アップロード機能付サーバとしてのデバイス情報を通知する。
【0151】
ストレージ223はハードディスクあるいは半導体メモリなどにより構成される容量の大きい記憶装置であり、アップロードされたコンテンツおよびコンテンツリストのデータを保存する。
【0152】
次に携帯端末500について説明する。
図11に示すように、携帯端末500はアップロードサーバ501、ストレージ502、コントローラ503、アップローダ504、ジョブ管理部505及び機器情報管理部506を備えている。
【0153】
アップロードサーバ501は、履歴データ507に保存されているサーバ機器220の代理でコンテンツのアップロード先としての動作を仮想的に行い、アップローダ126から転送(POST)転送されたコンテンツをストレージ502に保存する。また、UPnPにおけるデバイス検索で、アップロードサーバとしてのデバイス情報を通知する。
【0154】
ストレージ502は、アップローダ126から転送されたコンテンツおよびコンテンツリストを一時的に保存する。
【0155】
アップローダ504は、コンテンツのアップロード元としての動作を行い、具体的にはアップロードサーバ221へ、ストレージ502内に保存してあるコンテンツデータを転送(POST)する。また、UPnPにおけるデバイス検索で、アップローダとしてのデバイス情報を通知する。
【0156】
コントローラ503は、ジョブ管理部505に登録されているジョブの内容に基づいて、アップローダ504に対して、ストレージ502内のデータをアップロードする制御を行う。具体的には、アップロード先機器の指定、アップロード元サーバの指定、コンテンツファイルの指定を行って、アップロード開始指示を与える。
【0157】
履歴情報管理部506は、デバイス検索にて発見した機器の情報を、LAN毎に区分してそれぞれ管理し、この情報を履歴データ507として保存している。ジョブ管理部505は、携帯端末500のアップロードサーバ501が代理動作したアップロード制御情報を管理する。
【0158】
機器情報管理部506が管理している履歴データ507の構成については、図3に示した構成と同様で構わない。すなわち、図3に示す履歴データ507においては、LAN100に属するグループの機器2としてアップローダ機能を有するデジタルカメラ120が登録されており、LAN200に属するグループの機器2としてアップロード機能を有するサーバ220が登録されている。
【0159】
ジョブ管理部505に登録されているジョブデータの構成については、図4に示した構成と同様で構わない。すなわち、図4に示すジョブデータにおいては、ジョブ管理番号002に、「コンテンツID22345をサーバ機器220へアップロードする」という内容のジョブが記録されている。また、このコンテンツの転送元デバイスはデジタルカメラ120であることが記録されている。
【0160】
続いて、図11に示す装置の動作について説明する。
<デバイスディスカバリー、履歴管理の動作>
遠隔データ転送を行う事前の状態として、携帯端末500上にLAN100およびLAN200の環境の履歴データ507が登録されている必要があるが、第1の実施の形態と同じ動作を行うことにより履歴データ507を登録できる。従って、携帯端末500上に各ローカルネットワーク(LAN100、LAN200)の環境での履歴データ507が既に登録されている場合を想定して説明する。
【0161】
LAN100内のデジタルカメラ120に保存されているコンテンツのデータを、LAN200内のサーバ機器220にアップロードする場合の動作は次の通りである。
【0162】
ユーザが携帯端末500をLAN100に近づけて携帯端末500とデジタルカメラ120との間で通信を行う場合の動作が図12に示されている。図12に示す動作について以下に説明する。
【0163】
携帯端末500がLAN100の近辺へ移動すると、自動あるいはユーザ操作により無線LANアクセスポイント140を経由して携帯端末500がLAN100へ接続される(ST201)。
【0164】
携帯端末500は、履歴情報管理部506に保存されている履歴データ507を参照し、LAN100の環境以外の機器の中から、携帯端末500が代理動作して仮想的にLAN100内に存在させる機器を選択する(ST202)。ここではLAN200に接続されているサーバ機器220の代理動作を携帯端末500が行う場合を想定している。
【0165】
携帯端末500のアップロードサーバ501は、履歴データ507に保存されているサーバ機器220の情報を参照し、サーバ機器220に代わってデバイス通知をマルチキャストで送信し、LAN100上にサーバ機器220の存在を告知する(ST203)。
【0166】
デジタルカメラ120は、携帯端末500が代理動作しているサーバ機器220の存在を認識すると、携帯端末500のアップロードサーバ501に対して、機器情報要求を送信する(ST204)。アップロードサーバ501は機器情報要求を受信すると、履歴管理情報506に保存されているサーバ機器220機器情報を返信する(ST205)。
【0167】
続いて、ユーザはデジタルカメラ120の操作部122によりアップロードのための操作を行う。すなわち、デジタルカメラ120の表示部121にアップロード対象の候補を表すコンテンツリストが表示されるので、ユーザは表示されたコンテンツリストの中からアップロードしたい特定のコンテンツデータを操作部122で指定する(ST206)。
【0168】
アップロード先については、予め取得してあるLAN200の機器リストの中から携帯端末500の代理動作によって仮想的に存在しているサーバ機器220が選択される。そして、アップロードの処理が実行される(ST207)。
【0169】
ユーザによるアップロードの操作の内容はコントローラ125に通知される。コントローラ125は、アップローダ126に対して、アップロードサーバ501へのアップロードを指示し、アップローダ126はアップロードサーバ501にコンテンツデータを転送(POST)する(ST208)。
【0170】
コンテンツデータを受信したアップロードサーバ501は受信したコンテンツデータを携帯端末500内のストレージ502に保存する(ST209)。また、アップロード制御のジョブ情報をジョブ管理部505に登録する(ST210)。
【0171】
上記の動作が実行された後で、携帯端末500がLAN200の近傍に移動すると、携帯端末500とLAN200との間の通信により図13に示す動作が行われる。図13に示す動作について以下に説明する。
【0172】
携帯端末500がLAN200の近辺へ移動すると、自動あるいはユーザ操作により無線LANアクセスポイント230を経由して携帯端末500がLAN200へ接続される(ST221)。
【0173】
携帯端末500は、Device DiscoveryによってLAN200配下の機器210、220を発見する(ST222、機器220は図示なし)。
【0174】
携帯端末500は、発見した機器に対して、ジョブ管理部505でジョブ登録されている機器かどうかを調べ(ST223)、登録されている機器であればジョブ内容に従って制御を実行する。ここでは「サーバ機器220に対してのアップロード」というジョブが登録されている場合を想定しているので、このジョブを実行する。
【0175】
ジョブを実行するために、携帯端末500は、サーバ機器220に対して、自身をアップローダとして認識させる必要がある。そこで、携帯端末500のアップローダ504は、履歴データ507に保存されているデジタルカメラ120の情報を参照し、デジタルカメラ120に代わってデバイス通知を送信し、LAN200上にデジタルカメラ機器120の存在を告知する(ST224)。
【0176】
サーバ機器220は、携帯端末500が代理動作しているデジタルカメラ120の存在を認識すると、携帯端末500のアップローダ504に対して、機器情報要求を送信する(ST225)。アップローダ504は機器情報要求を受信すると、履歴管理情報部506に保存されているデジタルカメラ120の機器情報を返信する(ST226)。
【0177】
携帯端末500は、続いて「サーバ機器220に対してのアップロード」ジョブを実行する。すなわち、携帯端末500のコントローラ503は、ストレージ502に保存してある、コンテンツデータをアップロードサーバ221に転送(POST)する(ST227)。コンテンツデータを受信したアップロードサーバ221は受信したコンテンツデータをストレージ223に保存する(ST228)。
【0178】
また、コンテンツデータを転送し終えた携帯端末500は、保存してあるジョブおよびコンテンツデータを削除する(ST229)。
【0179】
以上のように、携帯端末500がLAN100と接続したときに携帯端末500がLAN200内のサーバ機器220の代理として動作することによって、デジタルカメラ120はサーバ機器220がLAN100内に存在するのと同様の手順でアップロードのための送信処理を行うことができる。また、携帯端末500はアップロードジョブ情報を保持した状態で、LAN200へ移動し、サーバ機器220を検出した時に、今度は携帯端末500自身がアップローダに成り代わってアップロード制御を実行する。これにより異なるネットワーク環境配下の遠隔データ転送を容易にセキュアに実施することが可能となる。
【0180】
なお、アップロード元となる機器については、デジタルカメラに限定されるものではなく、例えばハードディスクレコーダ、DVDレコーダなどの各種レコーダやハードディスク音楽プレイヤ、パソコン、サーバなどの各種のコンテンツデータが保存されている様々な機器が想定される。
【0181】
また、アップロード対象のデータとしては、デジタルカメラの静止画コンテンツだけではなく、動画、音楽など各種のコンテンツが想定できる。また、アップロード先の機器については、サーバ機器に限定されるものではなく、パソコン、ハードディスクドライブ、ハードディスク付再生機器など各種ストレージ機能を有する様々な機器が想定される。
【0182】
また、図11に示す構成では、デジタルカメラ120側に対する操作によって、デジタルカメラのコンテンツを転送する場合を想定しているが、例えば第2の実施の形態のように、携帯端末500側の表示操作部に対するユーザの操作でアップロードの処理を開始することも可能である。
【0183】
(第4の実施の形態)
本発明のデータ転送方法及び携帯通信端末に関するもう1つの実施の形態について、図14〜図17を参照しながら以下に説明する。
【0184】
図14は第4の実施の形態で想定するシステムの構成例を示すブロック図である。図15は第4の実施の形態においてデータ転送する場合のシステム主要部の各機器の構成を示すブロック図である。図16は第4の実施の形態において携帯端末が転送元の機器と接続したときの動作例を示すシーケンス図である。図17は第4の実施の形態において携帯端末が転送先の機器と接続したときの動作例を示すシーケンス図である。
【0185】
第4の実施の形態は第3の実施の形態の変形例である。システム全体の構成としては、図14に示すような構成を想定している。すなわち、携帯端末600が利用可能な外部記憶装置として、外部ストレージサーバ700がグローバルネットワークGNW上に存在している。携帯端末600は内部の記憶装置の代わりに外部ストレージサーバ700を利用するので、携帯端末600の構成及び動作も少し変更されている。つまり第4の実施の形態では、携帯端末600が代理応答して一時的に受信したコンテンツデータを、携帯端末600がアクセス可能な外部ネットワーク上の外部ストレージサーバ700へ保存する。これにより、メモリリソースの限られる携帯端末でも、大容量のコンテンツデータの遠隔転送を行うことができる。変更された構成及び動作の詳細について以下に説明する。
【0186】
機器120に保存されているデータを携帯端末500を介して機器220にアップロードする場合のデータ転送に必要な機能上の構成が図15に示されている。なお、図15にはデータ及び制御の流れも示されている。また、図15において、第3の実施の形態と対応する要素は同一の符号を付けて示してある。
【0187】
本実施の形態では、LAN100上の機器120がデジタルカメラであり、LAN200上の機器220がサーバであり、機器(デジタルカメラ)120内に保存されているデータを機器(サーバ)220にアップロードする場合を想定している。なお、ここでは機器120をデジタルカメラと呼び、機器220をサーバ機器と呼ぶ。
【0188】
図15に示すデジタルカメラ120の構成及び動作は既に説明した第3の実施の形態と同一である。また、図15に示すサーバ機器220の構成及び動作も第3の実施の形態と同一である。従って、デジタルカメラ120並びにサーバ機器220に関する説明は省略する。
【0189】
図15に示す携帯端末600は、アップロードサーバ501、コントローラ503、アップローダ504、ジョブ管理部505、機器情報管理部506及び伝送制御部508を備えている。すなわち、図11に示すストレージ502の代わりに伝送制御部508を設けた点が携帯端末500と大きく異なっている。
【0190】
伝送制御部508は、例えば携帯電話網、無線LANなどの何らかの通信ネットワークへの接続手段である。従って、携帯端末600は伝送制御部508及び外部の通信ネットワーク(GNW)を経由して外部のストレージサーバ700へアクセス可能である。
【0191】
ストレージサーバ700は、外部ネットワーク上に存在する大容量の記憶装置であり、携帯端末600から転送されるコンテンツデータを保存することができる。
【0192】
次に、図15に示す装置の動作について説明する。
<デバイスディスカバリー、履歴管理の動作>
遠隔データ転送を行う事前の状態として、携帯端末600上にLAN100およびLAN200の環境の履歴データ507が登録されている必要があるが、第1の実施の形態と同じ動作を行うことにより履歴データ507を登録できる。従って、携帯端末600上に各ローカルネットワーク(LAN100、LAN200)の環境での履歴データ507が既に登録されている場合を想定して説明する。
【0193】
LAN100内のデジタルカメラ120に保存されているコンテンツのデータを、LAN200内のサーバ機器220にアップロードする場合の動作は次の通りである。
【0194】
ユーザが携帯端末600をLAN100に近づけて携帯端末600とデジタルカメラ120との間で通信を行う場合の動作が図16に示されている。なお、図16において図12の動作と対応するステップには同一の番号を付けて示してある。図16に示す動作について以下に説明する。
【0195】
図16に示す動作の中でステップST208までの動作については既に説明した図12の内容と同一である。
【0196】
図16に示すように、携帯端末600はコンテンツデータのPOST(ST208)後、ストレージサーバ700にアクセスして認証を行い正規の通信相手であることを確認した後(ST211)、アップロードサーバ501が受信したコンテンツデータをストレージサーバ700に保存する(ST212)。
【0197】
上記の動作が実行された後で、携帯端末600がLAN200の近傍に移動すると、携帯端末600とLAN200との間の通信により図17に示す動作が行われる。なお、図17において図13の動作と対応するステップには同一の番号を付けて示してある。図17に示す動作について以下に説明する。
【0198】
図17に示す動作の中でステップST226までの動作については既に説明した図13の内容と同一である。
【0199】
図17に示すように、携帯端末600はサーバ機器220へ機器情報を返信(ST226)した後、ストレージサーバ700に接続して認証を実施し(ST230)、アクセスが許可されたらアクセスを行い(ST231)、ストレージサーバ700にコンテンツデータ転送のGET要求を行う(ST232)。
【0200】
コンテンツデータ転送GET要求を受信したストレージサーバ700は、要求されたコンテンツデータを携帯端末600へ転送する(ST233)。
【0201】
ここでの認証とは、ストレージサーバへアップロードしたユーザあるいは携帯端末と、ダウンロードしたユーザあるいは携帯端末が同一のユーザあるいは端末であることを保証するための処理であり、例えば事前に割り当てられた識別IDを照合したり、携帯端末の固体識別番号を照合したりする方法を用いることが想定される。
【0202】
携帯端末600のコントローラ503は、外部ストレージサーバ700から受信したコンテンツデータをアップロードサーバ221に転送(POST)する(ST227)。
【0203】
コンテンツデータを受信したアップロードサーバ221は、受信したコンテンツデータをストレージ223に保存する(ST228)。
【0204】
また、コンテンツデータを転送し終えた携帯端末500は、保存してあるジョブおよびコンテンツデータを削除する(ST229、ST234)。
【0205】
以上のように、携帯端末600がLAN100と接続した時に、携帯端末600がLAN200内のサーバ機器220の代理として動作することによって、デジタルカメラ120はサーバ機器220がLAN100内に存在するのと同様の手順でアップロードのための処理を行うことができる。また、携帯端末600はアップロードジョブ情報を保持した状態で、LAN200へ移動し、サーバ機器220を検出した時に、アップロード制御を実行する。これにより異なるネットワーク環境配下の遠隔データ転送を容易にセキュアに実施することが可能となる。
【0206】
また、携帯端末600が、LAN200内のサーバ機器220の代理として受信したコンテンツデータをストレージサーバ700に認証を行ってから保存し、LAN200へ移動しサーバ機器220を検出した時に、ストレージサーバ700に保存してあるコンテンツデータを認証を行ってからダウンロードしてサーバ機器220へアップロードすることによって、ストレージの容量の小さな携帯端末であっても、異なるネットワーク環境配下の遠隔データ転送を容易にセキュアに実施することが可能となる。
【0207】
なお、アップロード元の機器については、デジタルカメラに限定されるものではなく、例えばハードディスクレコーダ、DVDレコーダなどの各種レコーダやハードディスク音楽プレイヤ、パソコン、サーバなどの各種のコンテンツデータが保存されている様々な機器が想定される。
【0208】
また、アップロード対象のデータについては、デジタルカメラの静止画コンテンツだけではなく、動画、音楽など各種のコンテンツが想定される。また、アップロード先の機器については、サーバ機器に限定されるものではなく、例えばパソコン、ハードディスクドライブ、ハードディスク付再生機器など各種ストレージ機能を有する様々な機器が想定される。
【0209】
また、図15に示す構成では、デジタルカメラ120側に対する操作によって、デジタルカメラのコンテンツを転送する場合を想定しているが、例えば第2の実施の形態のように、携帯端末600側の表示操作部に対するユーザの操作でアップロードの処理を開始することも可能である。
【0210】
また、第1の実施の形態や第2の実施の形態で説明したように、転送元のデータをプリンタへ印刷する場合にも、上記と同様に携帯端末600が受信したデータを一時的に外部ストレージサーバ700に保存し、携帯端末600がLAN200と接続した後で外部ストレージサーバ700から取得したデータをLAN200上のプリンタに出力することができる。
【0211】
なお、より現実的なシステムにおいては、転送元のそれぞれの機器と直接通信可能な転送先の機器(実在する機器)と、携帯端末の代理動作によって現れる仮想機器とは、それらの違いをユーザが区別できるように表示内容を区別した方が良い。
【0212】
このような区別を行うための方法としては、例えばデバイスディスカバリーにおいて携帯端末が代理動作する機器の機器情報を通知するときに、機器情報の名前に履歴のLAN環境識別情報を付与することが考えられる。例えばLAN200の履歴に保存されている機器の名前が「プリンタ」の場合は、「LAN200/プリンタ」に変換して、機器情報を通知する。また、携帯端末が代理動作する機器については、履歴に保存されている全ての機器ではなく、事前にユーザが指定した特定の機器のみに限定しても良い。
【0213】
また、携帯端末の代理動作によって仮想的に存在する機器は、実在している機器とは区別して表示させる。これにより、ユーザは実環境内に存在している機器と遠隔地の機器とを区別して認識することができる。さらに、携帯端末の代理動作によって仮想的に存在する機器については、過去の接続履歴の中からユーザの選択操作によって特定の機器をユーザが任意に選択できるように構成しても良い。これにより、履歴に残っている不要な機器を表示させなくてすむ。
【産業上の利用可能性】
【0214】
以上のように本発明の携帯通信端末及びデータ転送方法は、互いに独立した異なるローカルネットワーク(例えばLAN)上に存在する複数の機器の間でデータ転送を行おうとする場合に、持ち運びの容易な携帯電話端末、携帯型情報端末(PDA)、ノートパソコンなどの携帯通信機器を利用してデータ転送の操作を容易にするために利用できる。携帯通信端末の動作によって様々な処理が自動化されるので、着脱可能なストレージを利用してデータを持ち運ぶ場合と比べてユーザの操作が大幅に簡略化され安全性も高まる。
【図面の簡単な説明】
【0215】
【図1】第1の実施の形態で想定するシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態でデータ転送する場合のシステム主要部の各機器の構成を示すブロック図である。
【図3】携帯端末が保持する履歴データの構成例を示す模式図である。
【図4】携帯端末が保持するジョブデータの構成例を示す模式図である。
【図5】携帯端末が一方のローカルネットワークと接続した時のデバイス検索に関する動作例を示すシーケンス図である。
【図6】携帯端末が他方のローカルネットワークと接続した時のデバイス検索に関する動作例を示すシーケンス図である。
【図7】第1の実施の形態において携帯端末が転送元の機器と接続したときの動作例を示すシーケンス図である。
【図8】第1の実施の形態において携帯端末が転送先の機器と接続したときの動作例を示すシーケンス図である。
【図9】第2の実施の形態においてデータ転送する場合のシステム主要部の各機器の構成を示すブロック図である。
【図10】第2の実施の形態において携帯端末が転送元の機器と接続したときの動作例を示すシーケンス図である。
【図11】第3の実施の形態においてデータ転送する場合のシステム主要部の各機器の構成を示すブロック図である。
【図12】第3の実施の形態において携帯端末が転送元の機器と接続したときの動作例を示すシーケンス図である。
【図13】第3の実施の形態において携帯端末が転送先の機器と接続したときの動作例を示すシーケンス図である。
【図14】第4の実施の形態で想定するシステムの構成例を示すブロック図である。
【図15】第4の実施の形態においてデータ転送する場合のシステム主要部の各機器の構成を示すブロック図である。
【図16】第4の実施の形態において携帯端末が転送元の機器と接続したときの動作例を示すシーケンス図である。
【図17】第4の実施の形態において携帯端末が転送先の機器と接続したときの動作例を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0216】
100、200 LAN
110、120、130 機器
111、121 表示部
112、122 操作部
113、123 ストレージ
114、124 機器情報保持部
115、125 コントローラ
116 サーバ
126 アップローダ
140 無線LAN−AP
210、220 機器
211 プリンタクライアント
212 機器情報保持部
213 印刷制御部
221 アップロードサーバ
222 機器情報保持部
223 ストレージ
230 無線LAN−AP
300、400、500、600 携帯端末
301 プリンタクライアント
302 ストレージ
303 コントローラ
304 サーバ
305 ジョブ管理部
306 履歴情報管理部
307 履歴データ
401 表示部
402 操作部
403 コントローラ
501 アップロードサーバ
502 ストレージ
503 コントローラ
504 アップローダ
505 ジョブ管理部
506 機器情報管理部
507 履歴データ
508 伝送制御部
700 外部ストレージサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のローカルネットワーク及び第2のローカルネットワークに接続可能な携帯通信端末であって、
前記携帯通信端末が前記第1のローカルネットワーク又は前記第2のローカルネットワークと接続したときに、接続先のローカルネットワーク毎に、通信可能な機器及びローカルネットワークを特定するための機器情報を取得して保持する履歴情報管理部と、
前記携帯通信端末が前記第1のローカルネットワークと接続した場合に、前記履歴情報管理部が保持する、前記第2のローカルネットワークに関する機器情報を参照して、前記第2のローカルネットワークに接続された第2の機器と通信可能であることを通知するデバイス通知を前記第1のローカルネットワークに送信する仮想デバイス情報送信部と、
前記携帯通信端末が前記第1のローカルネットワークと接続している場合であって、前記第1のローカルネットワークに接続された第1の機器から前記第2の機器にデータを転送するためのデータ転送制御信号を検出したとき、前記第1の機器との間で通信を行うと共に、前記第1の機器から受信した転送対象データと、前記第2の機器へのデータ転送の制御に必要なジョブ情報とを取得して保持するストレージ部と、
前記携帯通信端末が前記第1のローカルネットワークと接続した後で前記第2のローカルネットワークに接続した際に、前記ストレージ部に保持されている前記転送対象データを前記ジョブ情報に基づいて前記第2の機器に転送する仮想データ転送部と
を備えたことを特徴とする携帯通信端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯通信端末において、
データ転送に関する指示を行う操作部と、
前記操作部からの指示に従って前記データ転送制御信号を生成するコントローラ部と
を備えたことを特徴とする携帯通信端末。
【請求項3】
請求項1に記載の携帯通信端末において、
前記ストレージ部の少なくとも一部を構成する記憶装置である外部ストレージと所定の通信網を経由して接続するための伝送制御部を更に備え、
前記伝送制御部は、前記第1の機器から受信した転送対象データを前記外部ストレージに一時的に保持させ、前記第2の機器に転送される前記転送対象データを前記外部ストレージから取得する
ことを特徴とする携帯通信端末。
【請求項4】
請求項1に記載の携帯通信端末において、
前記履歴情報管理部は、機器毎に、少なくとも機器の識別情報と、機器の機能を特定するための種別情報と、機器の名称と、を機器情報として保持する
ことを特徴とする携帯通信端末。
【請求項5】
請求項1に記載の携帯通信端末において、
前記ストレージ部は、前記ジョブ情報として、少なくともジョブ管理番号と、ジョブの機能を表す種別と、転送先の前記第2の機器を特定する転送先識別情報と、前記転送対象データを特定するコンテンツ識別情報と、転送元の前記第1の機器を特定する転送元識別情報とを保持する
ことを特徴とする携帯通信端末。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の携帯通信端末であって、
前記第2の機器は、紙面に情報を印刷出力するプリンタであって、前記携帯通信端末から転送された前記転送対象データを、当該転送対象データに含まれる印刷制御信号に基づいて、印刷出力する、
ことを特徴とする携帯通信端末。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項に記載のデータ転送方法において、
前記第2の機器は、所定の記憶装置に対してデータをアップロードするためのアップロードサーバであって、前記携帯通信端末から転送された前記転送対象データを、当該転送対象データに含まれるアップロードデータ転送制御信号に基づいて、アップロードする、
ことを特徴とする携帯通信端末。
【請求項8】
携帯通信端末を介してデータ転送を行うためのデータ転送方法であって、
前記携帯通信端末に、接続先のローカルネットワーク毎に、通信可能な機器及びローカルネットワークを特定するための機器情報を登録し、
第1のローカルネットワークに第1の機器が接続され、第2のローカルネットワークに第2の機器が接続されている場合に、前記携帯通信端末が前記第1のローカルネットワークと接続しているときには、前記携帯通信端末に登録されている前記第2のローカルネットワークに関する機器情報を参照して、前記第2の機器と通信可能であることを通知するデバイス通知を前記第1のローカルネットワークに送信し、
前記携帯通信端末が前記第1のローカルネットワークと接続している場合であって、前記第1の機器から前記第2の機器にデータを転送するためのデータ転送制御信号を前記携帯通信端末が検出したとき、前記携帯通信端末が前記第1の機器との間で通信を行うと共に、前記第1の機器から受信した転送対象データと、前記第2の機器へのデータ転送の制御に必要なジョブ情報とを記録し、
前記携帯通信端末が前記第2のローカルネットワークと接続したときには、前記携帯通信端末が記録している前記転送対象データを前記ジョブ情報に基づいて前記第2の機器に転送する
ことを特徴とするデータ転送方法。
【請求項9】
コンピュータに、請求項8記載のデータ転送方法の手順を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−225358(P2009−225358A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−70254(P2008−70254)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】