説明

携帯通信端末

【課題】2つの筐体が金属製の連結アームによって連結されている場合に、筐体内のアンテナエレメントと連結アームとの距離が変化しても、アンテナ特性の変化を抑制し得る携帯通信端末を提供する。
【解決手段】携帯通信端末の筐体内に配置される第1アンテナエレメント740に、第1導線部741と第2導線部742とを設ける。第1導線部741は、アンテナ支持体710の第4面714から離間して配置され、連結アーム130との重なり量dを低減している。一方、第2導線部742は、アンテナ支持体710の第2面713上に配置され、連結アーム130と離間配置される。よって、第1アンテナエレメント740の長さを確保しつつ、連結アーム130が回動する前後におけるアンテナ特性の変化を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの筐体が連結された携帯通信端末に関し、特に、一方の筐体内に内蔵されたアンテナ特性の低下を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の携帯通信端末には、折り畳み式、スライド式等のように、2つの筐体の位置関係が変更自在にされたものがある。
また、携帯通信端末には、筐体内にアンテナを内蔵しているものがある。筐体内にアンテナを内蔵する携帯通信端末では、使用時にロッドアンテナを筐体外に突出させるといった手間が不要であり、利便性に優れる。ところが、筐体内には種々の導電性部品が配置されており、導電性部品の近傍にアンテナを配置するとアンテナ特性が劣化することがある。
【0003】
特許文献1には、スライド式の携帯通信端末が記載されている。この携帯通信端末は、スライドによって伸長した場合に、内蔵アンテナを筐体外に突出させることで、アンテナを筐体内の導電性部品から離間させることができる。これにより、携帯通信端末がスライドによって伸長している状態において、アンテナ特性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−5069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、携帯通信端末が伸長した状態ではアンテナ特性が良好であるが、携帯通信端末が閉じた状態(短縮した状態)ではアンテナは筐体内に位置させられており、アンテナ特性が劣化する。そのため、携帯通信端末が伸長した状態と閉じた状態とのいずれにおいても通信を行う場合には不向きである。
ところで、携帯通信端末が備えている2つの筐体を金属製の連結アームによって連結し、2つの筐体の位置関係を変化させて形態変化させたいという要請がある。連結アームは、例えば、2つのアーム部を有するコの字型とされ、形態変化に伴い、2つのアーム部が筐体の側壁に接近したり、側壁から離間したりする場合がある。一方、アンテナは筐体内の導電性部品との干渉を避けるために筐体の側壁近傍に配置されており、上記形態変化に伴い、アンテナと連結アームとの距離が大きく変化して、アンテナ特性が変化するという問題がある。特に、アンテナに連結アームが接近した状態では、アンテナ特性が大幅に劣化する傾向にある。
【0006】
しかしながら、アンテナは筐体内の導電性部品との干渉を避けるために筐体の側壁近傍に配置されており、アンテナの配置場所を大きく変更することは難しい。また、連結アームについても、第1筐体と第2筐体とを強固に連結するとともに、筐体のサイズを小型にするために、アンテナが内蔵されている筐体の側壁付近に配置せざるを得ない場合がある。
【0007】
上記の課題に鑑み、本発明は、2つの筐体が金属製の連結アームによって連結されている場合に、筐体内のアンテナと連結アームとの距離が変化しても、アンテナ特性の変化を抑制し得る携帯通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明に係る携帯通信端末は、矩形状の主表面を有する第1筐体と、第2筐体と、前記第1筐体に、前記主表面の一辺に沿う直線回りに回動自在に連結されるとともに、前記第1筐体と前記第2筐体とを、それらの位置関係が互いに異なる第1形態と第2形態とに形態変更自在に連結する金属製の連結アームと、前記第1筐体内において、前記主表面に平行かつ前記直線に垂直な方向に沿う第1側壁に隣接する領域に配置されているアンテナエレメントと、を備え、前記連結アームは、前記第1筐体のうち、前記直線に平行な方向に沿う第2側壁側の部分に連結され、前記第1形態において、前記第1側壁に隣接する領域の少なくとも一部を前記主表面側から覆う状態となり、かつ、前記第2形態において、前記第2側壁側の部分から前記第1筐体と反対側に延びる状態となり、前記アンテナエレメントの長さは、前記主表面に平行かつ前記直線に垂直な方向における前記第1側壁の長さよりも長く、前記アンテナエレメントは、前記主表面に平行かつ前記直線に垂直な方向に沿って、前記第2側壁に対向する第3側壁に向かって延びている第1導線部と、前記第1導線部の前記第3側壁側の一端部から延び出して前記第3側壁に沿って配置されている第2導線部とを有しており、前記主表面に平行かつ前記直線に垂直な方向において、前記アンテナエレメントのうち、前記第2側壁に最も近い部分は、前記第1側壁の前記第2側壁側端部から、前記第2導線部の長さに応じた距離離間していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る携帯通信端末は、2つの筐体が金属製の連結アームによって連結されている場合に、筐体内のアンテナと連結アームとの距離が変化しても、アンテナ特性の変化を抑制し得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1形態の携帯電話機100の分解斜視図
【図2】第2形態の携帯電話機100の斜視図
【図3】携帯電話機100の変形動作を示す側面図
【図4】第1筐体110の正投影図
【図5】第2筐体120の正投影図
【図6】連結アーム130の正投影図
【図7】第1形態における第1筐体110と連結アーム130との位置関係を示す平面図
【図8】第2形態の携帯電話機100の平面図
【図9】第1筐体110内のアンテナ700の配置を示す側面図及び底面図
【図10】アンテナ700を示す斜視図
【図11】アンテナ700の正投影図及び断面図
【図12】第1形態における第1アンテナエレメント740と連結アーム130との位置関係を模式的に示す側面図
【図13】比較例のアンテナ800を示す斜視図及び側面図
【図14】メインアンテナの放射効率を示すグラフ
【図15】第1形態におけるメインアンテナの放射効率を示すグラフ
【図16】第2形態におけるメインアンテナの放射効率を示すグラフ
【図17】メインアンテナの電圧定在波比を示すグラフ
【図18】メインアンテナの帯域幅のセンター値を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態および変形例について、図面を参照しながら説明する。
[実施形態]
<概要>
以下、本発明に係る携帯通信端末の一実施形態として、通話機能とWeb閲覧機能と映像再生機能とを有し、第1形態と第2形態とに変形自在な携帯電話機100について説明する。
【0012】
図1は、第1形態の携帯電話機100の分解斜視図である。図2は、第2形態の携帯電話機100の斜視図である。
同図に示されるように、携帯電話機100は、第1筐体110と、第2筐体120と、第1筐体110と第2筐体120とを連結する連結アーム130とを備えている。第1筐体110と第2筐体120とは、樹脂製であり、扁平な直方体形状をしており、それぞれ矩形状の主表面111、主表面121を有している。
【0013】
連結アーム130は、その基端側において第1筐体110に回転自在に軸支されており、先端側において第2筐体120をスライド移動並びに回転自在に支持している。これにより、この携帯電話機100は、第1筐体110と第2筐体120とが単に相対回動するだけでなく、図1の最下段に示した第1形態と、図2に示す第2形態とに形態変更することが可能である。
【0014】
第1形態では、携帯電話機100は、第1筐体110の主表面上に第2筐体120が重ね合わされた形態となる。このとき、平面視において、第1筐体110の外形と、第2筐体120の外形とが略一致している。
第2形態では、携帯電話機100は、図2に示されるように、第1筐体110と第2筐体120とが横方向(主表面111等の短手方向、あるいは第1側壁112の法線方向)に並べられた形態となる。
【0015】
図3は、携帯電話機100を第1形態から第2形態へと形態変更する場合における、過渡的な携帯電話機100の形態を段階的に示す側面図である。
同図に示されるように、ユーザは、携帯電話機100を第1形態から第2形態へ変形する場合に、まず、第2筐体120の主表面の向きを保ったまま、第2筐体120を連結アーム130の基端側の部分を中心にして右回りに回転させる(図3の変形中形態1参照)。
【0016】
ユーザは、第2筐体110の回転を継続させ、第2筐体120の主表面が、第1筐体110の主表面と同一平面となる位置まで第2筐体120を回転させる(図3の変形中形態2参照)。
最後に、ユーザは、第1筐体110の主表面111と第2筐体120の主表面121とが同一平面となる状態において、第2筐体120を第1筐体110側へスライドさせることで(図3の変形中形態2参照)、携帯電話機100を第2形態とする。
【0017】
以下、携帯電話機100の構成の詳細について、図面を参照しながら説明する。
<構成>
図4は、第1筐体110の正投影図である。
同図に示されるように、第1筐体110は、扁平な直方体形状をしており、第2側壁112bの両端に位置する2つの箇所に切り欠き部が形成されている。また、第1筐体110の主表面111は、主として第1ディスプレイ400の表示面によって構成されている。
【0018】
2つの切り欠き部のそれぞれには、主表面111の長手方向に突出する突起A410、突起B420が配置されている。突起A410と突起B420とは、円柱形状をしており、それぞれの中心線が互いに同一直線C上に位置するように配置されている。これらの突起は、それぞれ、連結アーム130の基端側の部分に挿入される。直線Cは、主表面111の長手方向に平行で、第2側壁112bの近傍に位置している。この直線Cを中心線として、第1筐体110と連結アーム130とが相対回動する。
【0019】
第1ディスプレイ400は、映像等を表示する機能を備える表示装置であって、例えば液晶ディスプレイである。第1ディスプレイ400の表示面上には、図示していない透明な第1タッチパッドが重ね合わせられている。第1タッチパッドと第1ディスプレイ400とは、互いに重ね合わされて使用されることで第1タッチパネルとして機能する。
第1筐体110内において第1側壁112aに隣接する第1領域151には、後述するメインアンテナが配置されている。第1領域151は、切り欠き部、及び、第2側壁112bに対向する第3側壁112cに隣接している。
【0020】
また、第1筐体110内において第1側壁112aに対向する第4側壁112dに沿う第2領域152には、後述するサブアンテナが配置されている。第2領域152は、切り欠き部、及び、第3側壁112cに隣接している。
図5は、第2筐体120の正投影図である。
同図に示されるように、第2筐体120は、小さな直方体の上に大きな直方体が重ね合わせられた形状をしている。第2筐体120は、大きな直方体の主表面に第2ディスプレイ500の表示部とレシーバ開口部510とマイク開口部520とを備え、一方小さな直方体はその側面に挿入孔A530と挿入孔B540とを備えている。
【0021】
挿入孔A530と挿入孔B540とは、同一サイズで正対向する位置に形成された長孔である。これらの挿入孔A530,B540には、それぞれ連結アーム130の先端側に設けられた挿入棒A630、挿入棒B640(図6参照)が挿入される。これら挿入孔A530、挿入孔B540の長径側寸法は、第1筐体110のスライド移動量を決定するもので、この寸法を適切に設定することで、図3に示した形態変更動作を可能にしている。
【0022】
第2ディスプレイ500は、映像等を表示する機能を備える表示装置であって、例えば液晶ディスプレイである。第2ディスプレイ500の表示面には、透明な第2タッチパッドが重ね合わせられている。第2タッチパッドと第2ディスプレイ500とは、互いに重ね合わされて使用されることで第2タッチパネルとして機能する。
レシーバ開口部510は、第2筐体120内部に設けられている通話音声発生用のレシーバから発せられた音声を、第2筐体120外部に伝えるために設けられた孔である。マイク開口部520は、携帯電話機100を利用するユーザの声等を、第2筐体120内部に配置されているマイクに伝えるために設けられた孔である。
【0023】
図6は、連結アーム130の正投影図である。
同図に示されるように、連結アーム130は、正面視でコの字型をしており、2つのアーム部131,132と、2つのアーム部131を連結する連結部133とを備えている。連結アーム130は、銅合金、アルミニウム、ステンレス等の金属によって形成されている。
【0024】
2つのアーム部131,132の先端部には、それぞれ、挿入棒A630、挿入棒B640が設けられている。挿入棒A630、挿入棒B640は、主表面111の長手方向に平行で、互いに接近する向きに突出させられている。
挿入棒A630、B640とは、それぞれ丸軸状の突起であって、それぞれの中心軸が一致するよう配置されている。これら挿入棒A630、B640は、それぞれ、第2筐体120の挿入孔A530、B540に挿入される。これによって連結アーム130に第2筐体120がスライド並びに回動自在に支持される。連結アーム130に対する第2筐体120のスライドは、特に、図3の変形中形態2の状態から、第1形態への変形を可能とするために有効である。
【0025】
連結アーム130の基端側の長手方向両端には、それぞれ、前述の第1形態において第1筐体110側に垂下する一対の垂下片A650、垂下片B660が形成されている。これら垂下片A650、垂下片B660の形成位置は、それぞれ第1筐体110の2つの切り欠き部と対応している。
それらの垂下片A650、垂下片B660の対向面(主表面111の長手方向における連結アーム130の中央側の面)に挿入孔C610、挿入孔D620が形成されている。挿入孔C610と挿入孔D620とは、それぞれ円筒状の孔であって、それぞれの中心線が一致するように配置されている。これらの挿入孔C610、D620には、それぞれ第1筐体110の突起A410、突起B420が挿入される。その結果、突起A410、B420を回転軸として第1筐体110に対して回転することができるようになっている。つまり、連結アーム130は、第1筐体110の第2側壁112b側の部分に回動自在に連結されている。この場合、垂下片A650,B660及び突起A410、B420によって、連結アーム130と第1筐体とを回動自在に連結する連結機構が構成されている。なお、前述のように、突起A410と突起B420とは、それぞれの中心線が直線C上に位置するように配置されている。
【0026】
図7は、携帯電話機100が第1形態である場合における、連結アーム130と第1筐体110との位置関係を示す平面図である。
第1側壁112a側のアーム部131は、第2側壁112bから第1側壁112aの中央まで、第1側壁112aに沿って延びている。
また、アーム部131は、メインアンテナが配置される第1領域151よりも幅が広く、正面視において、第1領域151の第2側壁112b側の半分程度の部分を主表面111側から覆っている。また、この状態において、連結アーム130は、第1筐体110の主表面111に接触している。
【0027】
第4側壁112d側のアーム部132も、アーム部131と同様に、正面視において、第2領域152の第2側壁112b側の半分程度の部分を主表面111側から覆っている。
なお、携帯電話機100を薄型化するため、2つのアーム部131,132は、第1形態において、2つのディスプレイ400,500と重ならないように、第1筐体110の長手方向の端部(主表面111の短手方向(直線Cに垂直な方向)に沿う第2、第4側壁112b、112d付近)に位置させられている。
【0028】
以上に述べた連結アーム130は、全長が第1筐体110の長辺長さと短辺長さとを合わせた長さ以上であり、携帯電話機100を構成する部品の中でも非常に大きな導電性部品と言える。なお、2つのアーム部131,132の各々の長さが主表面111の短辺長さの半分、連結部133の長さが主表面111の長辺長さを有している。
後述するバッテリもかなり大きな導電性部品であるが、連結アーム130よりも長さ寸法が小さく、連結アーム130に比してアンテナ特性に対する影響が小さい。
【0029】
図8は、第2形態の携帯電話機100の平面図である。
同図に示されるように、携帯電話機100は、第2形態において、第1ディスプレイ400の表示面と第2ディスプレイ500の表示面とが同一平面上において互いに隣接する状態となる。このとき、第1筐体110の主表面111と第2筐体120の主表面とで1つの平面が形成される。また、第1筐体110の第2側壁112bと第2筐体120の第4側壁122dとが互いに接触する状態にされる。
【0030】
この携帯電話機100は、第2形態において、Web閲覧機能と映像再生機能とを実現する仕様となっており、第2形態において、閲覧するWeb画像や再生される映像を表示する場合に、第1ディスプレイ400の表示面と第2ディスプレイ500の表示面とを合わせて1つの大きな表示面として利用することができる。
この第2形態において、連結アーム130は、第1筐体110から第2筐体120側に向かって延び、平面視(図1、2において上方から下方を眺める視点)において主表面111を覆わない(重ならない)状態になる。つまり、連結アーム130は、主表面111上から第2側壁112b側に退避させられている。
【0031】
以下に、アンテナについて説明する。
本携帯電話機100は、メインアンテナ、およびサブアンテナを備えている。メインアンテナは、携帯電話機100が備える送受信回路に接続され、信号の送受信に用いられる。なお、メインアンテナは、800MHz帯と、1.9GHz帯の電波の送受信に用いられる。
【0032】
サブアンテナは、受信専用に用いられ、携帯電話機100が備える受信回路に接続されている。サブアンテナについても、800MHz帯と、1.9GHz帯の電波の受信に用いられる。
なお、800MHz帯の電波は、前半(824〜849MHz)が送信に用いられ、後半(869〜894MHz)が受信に用いられる。1.9GHz帯についても同様である。
【0033】
メインアンテナとサブアンテナとは、互いに同じ周波数帯のものが組み合わされ、ダイバーシティ受信に用いられる。そして、メインアンテナとサブアンテナとで、受信強度の高い方で受信を行うことや、両者の受信信号を合成することなどが行われる。
なお、メインアンテナとサブアンテナとは構造が類似しているため、以下にメインアンテナの説明を行い、サブアンテナの説明を省略する。ここで、サブアンテナは受信に特化しており、アンテナエレメントの長さが、メインアンテナのアンテナエレメントより短い等、メインアンテナとの若干の違いがある。
【0034】
図9〜図12に、第1筐体110内のメインアンテナ700(メインアンテナ)を示す。
図9(a)は、携帯電話機100が第1形態である場合の正面図である。図9(b)は、第1筐体110の底面図である。なお、図9(a),(b)において、壁面の少なくとも一部を切り取って、第1筐体110内部を図示している。
【0035】
図10は、アンテナ700を示す斜視図、図11(a)〜(d)は、それぞれアンテナ700の平面、正面、底面、断面図(A−A)である。図12は、アンテナ700と連結アーム130との位置関係を模式的に示す側面図である。
図9(b)に示すように、第1筐体110内には、バッテリ115a、スピーカ115b、USBコネクタ115c等の導電性部品が配置されている。これらの導電性部品は、大物部品とも呼ばれ、第1筐体110内に配置された部品の中でも比較的金属面の面積が大きく、アンテナに対する影響が大きい。このように、導電性部品が、例えば、主たる金属面の大きさが波長の1/40四方(例えば、9mm×9mm)以上、あるいは、主たる金属面の面積が波長の1/20の2乗(例えば、324mm)以上である場合、アンテナは、これらの導電性部品から波長の1/40程度の距離を隔てて配置される。本実施形態において、アンテナは、これらの導電性部品から所定の離間距離(800MHz帯の波長の1/40である9mm程度)を確保できるように、第1筐体110の短手方向に沿う第1側壁112a付近の第1領域151に配置されている。
【0036】
なお、サブアンテナについても、アンテナ700と同様のアンテナ702(サブアンテナ)が第2領域152に配置されている。
図10に示すように、アンテナ700は、アンテナを支持するアンテナ支持体710及び2つのアンテナエレメント740,760(以後、単にエレメントという)を含む。
アンテナ支持体710は、樹脂製であり、第1筐体110の短手方向に長い直方体形状をしている。このアンテナ支持体710は、第1側壁112aに隣接する第1領域151に収容されている。アンテナ支持体710は、第1側壁112aに対向する第1面711、第1筐体110の底壁112eに対向する第2面712、及び第3側壁112cに対向する第3面713を備えている。これら第1面711〜第3面713は、互いのなす角度が略直角である。なお、第1面711と背向する面(第2側壁112b側の面)を第4面714とする。
【0037】
アンテナ支持体710は、第3面713の長さを確保するための板状部710aを備えている。
メインアンテナは、800MHz帯(正確には、824〜894MHz)用の第1アンテナエレメント740(以後、第1エレメントという)と、1.9GHz帯用の第2アンテナエレメント760(以後、第2エレメントという)とからなる。メインアンテナは、モノポールアンテナとして用いられる。
【0038】
第1エレメント740は、850MHzの電磁波の波長の1/4となる電気長(約88mm)を有している。第1エレメント740は、物理的なエレメント長(約75mm)が、アンテナ支持体710の長さ(約42.5mm)よりも長くされている。なお、物理的なエレメント長は、エレメントを構成する導体の長さであり線路長さということもできる。また、第1エレメント740の物理的なエレメント長は、波長の1/4となる電気長より短くなる(例えば、波長の1/4となる電気長の8分の7前後)ように調整される。
【0039】
アンテナ支持体710の長さは、第1領域151の長さと同じである。第1エレメント740は、アンテナ支持体710の留め部715,716によってアンテナ支持体710に固定的に取り付けられている。なお、留め部715は頭付きのピンであり、第1エレメント740を貫通した状態でアンテナ支持体710に固定されている。留め部716は、アンテナ支持体710の一部が連続的に拡径しつつ突出して形成され、第1エレメント740に形成された孔に挿入されて、第1エレメント740を固定している(図11(d)参照)。
【0040】
第1エレメント740は、第1面711の長手方向に延びる第1導線部741と、板状部710aが突出する方向に延びる第2導線部742とを有している。第1導線部741および第2導線部742は、薄く幅広の導線からなり、帯状をしている。第1導線部741の線幅は2mm、第2導線部742の線幅は5mmである。
第1導線部741は、アンテナ支持体710の第1面711上に配置された第1部分741a及び第2面712上に配置された第2部分741bを有する。第1部分741aは、第3面713側の端部において第2導線部742と接続されている。第1部分741aと第2部分741bとは、第3面713と反対側に位置する端部で接続されている。
【0041】
第2部分741bは、第1部分741aと接続されている部分から第3面713側に延びた後に、図10の下方(第1面711とは反対側)に屈曲している。なお、図10における下方は、アンテナ700が第1筐体110内に収容された状態において、第4側壁112d側に向かう方向となる。
さらに、アンテナ支持体710の下側を通り、アンテナ支持体710の裏側に回り込んでいる部分が、送受信回路との接続端子745を形成している(図11(d))。この接続端子745に送受信回路(図示省略)が接続される。その送受信回路から第1エレメント740に送信電力が供給され、あるいは、第1エレメント740に生じた受信電力が送受信回路によって受信される。
【0042】
なお、アンテナ700が第1筐体110内に収容されている場合に、第1部分741aは第1側壁112aに近接して対向し、第2部分741bは底壁112eに近接して対向する状態となる。
また、図12に示すように、第1部分741aは、アーム部131の先端位置Pと対応する位置を境に折れ曲がり、配置位置が変化している。具体的には、第1面711の長手方向(主表面111の短手方向)において、先端位置Pよりも第3側壁112c側の部分は、第1面711の上辺(第2筐体120側)近傍に配置され、第2側壁112b側の部分は第1面711の下辺(第2筐体120と反対側)近傍に配置されている。これにより、第3側壁112c側において第2エレメント760を迂回しつつ、第2側壁112b側においてアーム部131から可及的に離間して配置されている。しかしながら、携帯電話機100の小型化、薄型化のため、第1部分741aの第2側壁112b側の部分でも、アーム部131と9mm以上の離間距離を確保することができない場合もあるため、第1面711の短手方向における離間距離が5mm程度にされている。
【0043】
ここで、図12では、上下方向(第1筐体110の厚み方向、あるいは主表面111と垂直な方向)における、第1エレメント740と連結アーム130との重なり量dが9mmになっている。なお、重なり量dは、第1エレメント740のうちの連結アーム130に覆われている部分の、第1面711の長手方向における長さ(主表面の短手方向における長さ)とすることができる。
【0044】
第2導線部742は、図10に示すように、略矩形状をしており、第1面711側から図面下方に向かって延びている。この第2導線部742は、第3側壁112cに対向した状態で近接配置される。また、第2導線部742の先端は開放端にされている。
ここで、第2導線部742の幅(紙面の奥行き方向の寸法)は、第1導線部741の幅の約2.5倍にされている。このように第2導線部742の幅を、第1導線部741の幅に比して大きくすることにより、第2導線部742における波長短縮効果によって電気長の増加が図られている。その結果、第2導線部742における単位長さ当たりの電気長は、第1導線部741における単位長さ当たりの電気長よりも長くなる。
【0045】
なお、図9(b)に示したように、第2導線部742は、バッテリ115aと干渉しない程度の長さにされる。具体的には、直線Eで示すバッテリ115aの端部位置よりも第4側壁112d側に延び出さないようにされている。これにより、第1筐体110の短手方向において、第2導線部742とバッテリ115aとが、800MHz帯の波長の1/40である9mm以内となる5mmまで接近した状態で対向し、第1エレメント740の特性が劣化することを防いでいる。
【0046】
なお、第2導線部742とバッテリ115aとが、800MHz帯の波長の1/40以上の離間距離を保つことが望ましい。しかし、前述のように、バッテリ115aの方が、連結アーム130よりもアンテナ特性に対する影響が小さいため、第1部分741aの第2側壁112b側の部分とアーム131との離間距離と同程度まで、第2導線部742とバッテリ115aと接近させてもアンテナ特性の向上を図ることが可能である。
【0047】
第2エレメント760について説明する。
第2エレメント760は、1.9GHz帯の電磁波の波長の1/4となる電気長(約39.4mm)を有している。また、第2アンテナ760は、物理的なアンテナ長がアンテナ支持体710の長さよりも短くされている。第2アンテナ760についても、第1エレメント740と同様に、アンテナ支持体710の裏側に接続端子が形成されている。また、接続端子765は、1.9GHz帯用の送受信回路に接続されている。
【0048】
ここで、図12に示したように、第2エレメント760は、全ての導線部分が、連結アーム130と重ならない位置に配置されている。これは、本携帯電話機100では、800MHz帯よりも、1.9GHz帯の特性を優先しているためである。そのため、本携帯電話機100では、第1エレメント740に対する、より厳しい配置スペースの制約の下で、アンテナ特性の劣化を抑制している。
【0049】
<比較例>
図13に、比較例のアンテナ800(メインアンテナ)を示す。図13(a)は、アンテナ800の斜視図である。図13(b)は、アンテナ800と連結アーム130との位置関係を模式的に示す側面図である。
アンテナ800は、アンテナ支持体810、第1アンテナエレメント840(以後、第1エレメントと略記する)、及び第2アンテナエレメント860(以後、第2エレメントと略記する)からなる。アンテナ支持体810は、アンテナ支持体710と形状が若干異なるが、長手方向における長さはアンテナ支持体710と同じである。また、アンテナ800は、第1筐体110に、アンテナ700と同じ向きで収容される。
【0050】
第1エレメント840は、第1導線部841を有しているが、第2導線部は形成されていない。一方、第1導線部841は、アンテナ支持体810における第2側壁112b側の端部まで延びている。その結果、図13(b)に示すように、上下方向(第1筐体110の厚み方向、あるいは主表面111と垂直な方向)における、第1アンテナ840と連結アーム130との重なり量dが25mmと大きくなっている。
【0051】
ここで、第1エレメント840のうち、アーム部131と重なる部分Fは、前述の第1エレメント740と同様に、アーム部131との離間距離が第1エレメント840と第1筐体110内の導電性部品との離間距離(例えば、9mm)よりも小さい5mmにされている。また、第1エレメント840の第4面814側(第2側壁112b側)の端部846は、連結アーム130の垂下片B660との離間距離が2mm程度にまで接近している。そのため、後述するように、連結アーム130と第1エレメント740との重なり量dが大きいと、アンテナ特性が劣化する。
【0052】
なお、本実施形態の第1エレメント740と比較例の第1エレメント840とは、次の部分が異なっている。
(i) 本実施形態の第1エレメント740では、端部746と第4面714との間に導線部が配置されていない。一方、比較例の第1エレメント840は、端部746に相当する位置から第4面814との間に導線部848が配置されている。
【0053】
(ii) 比較例の第1エレメント840は、第1面811上において、図13における左側(第2面812側)の端部847から第2面814側に導線部が配置されていない。また、第2面812上に第2導線部を備えていない。一方、本実施形態の第1エレメント740では、第1導線部741が端部847に相当する位置747から第2面712側に延びる延長部分748を備えている。また、第2面812上に第2導線部742を備えている。
【0054】
このように、本実施形態の第1エレメント740では、比較例の第1エレメント840の導線部848に代えて、第2導線部742及び延長部分748を備えている。ここで、上記2つのアンテナ740,840は、周波数特性が全く同じではないため単純に比較はできないが、導線部848の電気長と、第2導線部742及び延長部分748の電気長とは同程度であると考えられる。
【0055】
つまり、本実施形態の第1アンテナ740は、連結アーム130による電磁気的な影響を低減するため、連結アーム130と離間した位置に第2導線部742及び延長部分748を形成し、それらの電気長と同程度の電気長を有する導線部848に相当する部分を削除している。なお、導線部848の電気長から延長部分748の電気長を差し引いた値は、第2導線部742の電気長に相当する。
【0056】
<アンテナと連結アーム130との重なり量dと、アンテナ特性について>
図14(a)は、第1形態(閉状態)及び第2形態(開状態)におけるメインアンテナの平均放射効率と、重なり量dとの関係を示すグラフである。なお、メインアンテナの平均放射効率は、820MHzから900MHzまで10MHz毎に測定した放射効率を平均した値である。この放射効率は、例えば[%]を単位として表示される場合もある。このグラフにおいて、実測値をマーカ(丸、四角)で示し、参考のために近似曲線を記載している。なお、このグラフでは、近似曲線が比較的マッチしているが、傾向を示すために近似曲線でなく近似直線を用いても構わない。
【0057】
第1エレメントは、重なり量dが25mmから9mmまで2mm刻みになるように、第2導線部を徐々に長くして作成し、各第1エレメントを含むメインアンテナについて放射効率を測定している。
第1形態(閉状態)では、重なり量dが25mm〜19mmの間において平均放射効率の変動が大きいものの、全体として重なり量dが少ないほど平均放射効率が向上している。
【0058】
また、第2形態(開状態)では、重なり量dが13mm、15mmにおいて平均放射効率の変動が大きいものの、第1形態と同様に、全体として重なり量dが少ないほど平均放射効率が向上している。
図14(b)は、第1形態(閉状態)及び第2形態(開状態)のそれぞれにおける第1エレメント740の放射効率と、周波数との関係を示すグラフである。なお、図14(b)では、重なり量dが25mmと9mmとの場合について比較している。
【0059】
重なり量dが25mmと9mmとの場合について、第1形態(閉状態)における放射効率を比較すると、全ての周波数において重なり量dが9mmと少ない方が効率が向上している。
ここで、第2形態(開状態)における放射効率を比較すると、これについても、全ての周波数において重なり量dが9mmと少ない方が効率が向上している。しかしながら、第2形態では連結アーム130の大部分は第1エレメントから離間しており、放射効率の差が連結アーム130によるものだとは考えにくい。
【0060】
これは、重なり量dが25mmの場合、第1形態と第2形態とにおけるアンテナ特性の違いが大きいためだと考えられる。そして、第1形態を優先してアンテナ特性を調整すると、第2形態におけるアンテナ特性が最適になる範囲から比較的大きくずれてしまうと考えられる。このような傾向は、図14(a)でも同様に現れている。
図15は、各重なり量について、第1形態における放射効率を示すグラフである。
【0061】
各グラフが交差しているため少し見難いが、次のような傾向が認められる。
(i)800MHz帯の低周波側(820〜850MHz)では、重なり量dが25mmと19mmの効率が非常に低い。なお、重なり量dが19mmのデータは、図14(a)に示したように、誤差が大きいため、その影響により効率が余計に低くなっているものと考えられる。
【0062】
(ii)800MHz帯の高周波側(860〜900MHz)では、重なり量dが21mm〜25mmの効率が他と比して非常に低い。
(iii)このグラフから、重なり量dを17mm以下にすることで、第1形態における放射効率の大幅な低下を防止できると考えられる。
図16は、各重なり量について、第2形態における放射効率を示すグラフである。
【0063】
このグラフでは、次のような傾向が認められる。
(i)800MHz帯の低周波側では、重なり量dが21mm〜25mmの効率が非常に低い。
(ii)800MHz帯の高周波側では、重なり量dが9mm、11mm、15mmの効率が他と比して高い。しかしながら、高周波側では、全般的に効率が高く、重なり量dが25mmでも問題はないと考えられる。
【0064】
なお、図14(a)に示したように、第2形態における重なり量dが13mm、15mmのデータは、誤差が大きいため、その影響により15mmの効率が高く、13mmの効率が低くなっているものと考えられる。
(iii)このグラフから、重なり量dを19mm以下にすることで、第2形態における放射効率(特に低周波側)を良好に保つことができると考えられる。
【0065】
上記図15、図16の結果に基づけば、重なり量dを17mm以下にすることで、第1形態および第2形態における放射効率の低下を抑制できると考えられる。なお、データの誤差やばらつきなどを考慮して、より確実に放射効率の低下を抑制するために、重なり量dを15mm以下にしてもよい。さらに、第1形態および第2形態におけるアンテナの放射効率を、より良好にするために、重なり量dを13mm以下にしてもよい。さらにまた、重なり量dを11mm以下、9mm以下と小さくすることで、アンテナの放射効率を、さらに良好にすることができる。
【0066】
ここで、重なり量dが15mm以下である場合を例にすると、図12において、第1エレメント740の第4面714側(第2側壁112b側)端部746と、第4面714との離間距離Rが、10mm以上であると平均放射効率が良好な状態となる(なお、図12では離間距離Rは16mmの例を示している)。
また、重なり量dが17mmの場合、第1エレメント740のうちの連結アーム130と重なる部分の線路長さを35mm(17×2+導線間の連絡部の長さ)、アンテナエレメント長さを71.5mmとする。この場合、第1エレメント740のうちの連結アーム130と重ならない部分の線路長さは、全体の約51%になる。同様に、重なり量dが15mmの場合、連結アーム130と重なる部分の線路長さを31mm、アンテナエレメント長さを68.5mmとすると、連結アーム130と重ならない部分の線路長さは、全体の約55%になる。重なり量dが13mmの場合、連結アーム130と重なる部分の線路長さを27mm、アンテナエレメント長さを65.5mmとすると、連結アーム130と重ならない部分の線路長さは、全体の約59%になる。
【0067】
なお、850MHzのλ/4である88mmと比較すると、重なり量dが17mmの場合、連結アーム130と重ならない部分の線路長さは、約60%になる。同様に、重なり量dが15mmの場合は約65%、重なり量dが13mmの場合は約69%になる。
図17(a),(b)は、それぞれ重なり量dが25mm、9mmの場合におけるVSWR(電圧定在波比:Voltage Standing Wave Ratio)のグラフである。
【0068】
図17(a)に示すように、重なり量dが25mmである場合、第1形態である閉状態(実線)と第2形態である開状態(破線)では、共振周波数が約45MHz程度異なっている。このように、閉状態(実線)と開状態(破線)とで共振周波数が大きく異なると、閉状態(実線)と開状態(破線)との両方において800MHz帯をカバーすることが難しくなる。
【0069】
一方、図17(b)に示すように、重なり量dが9mmである場合、閉状態(実線)と開状態(破線)では、共振周波数が約29MHz異なっている。このように、閉状態(実線)と開状態(破線)とで共振周波数の違いが小さくなると、閉状態(実線)と開状態(破線)との両方において800MHz帯をカバーし易くなる。
図18に、各重なり量dにおける帯域幅のセンター値を示す。
【0070】
ここで、帯域幅のセンター値は、電圧定在波比のグラフが3[dB]となる2箇所の周波数を平均した値である。なお、第2形態において、重なり量dが21mm、23mmでは、高周波数側において電圧定在波比が3[dB]となる箇所が、本測定における測定レンジの上限(950MHz)を超えていたため図示していない。
図18において、データのばらつきはあるものの、重なり量dの減少に伴い第1形態と第2形態との帯域幅のセンター値の差が小さくなる傾向が認められる。
【0071】
以上に述べたように、第1エレメントと連結アーム130との重なり量dが大きい(図12における離間距離Rが小さい)と、第1形態(閉状態)におけるアンテナ特性の劣化だけでなく、第1形態(閉状態)と、第2形態(開状態)とのアンテナ特性の違いが大きくなってしまう。その結果、第1形態(閉状態)におけるアンテナ特性を適切化すると、第2形態(開状態)におけるアンテナ特性が劣化してしまう。
【0072】
したがって、第1アンテナと連結アーム130との重なり量dを小さくする(図12における離間距離Rを大きくする)ことで、第1形態(閉状態)におけるアンテナ特性の劣化を抑制するだけでなく、第1形態(閉状態)と2形態(開状態)とのアンテナ特性の違いを低減することができる。その結果、第1形態(閉状態)におけるアンテナ特性を適切化したとしても、第2形態(開状態)におけるアンテナ特性を良好に保つことができる。
【0073】
なお、上記測定は、連結アーム130を、第1筐体110内の回路基板のグランドプレーン(図示省略)に接続して行ったものである。
本実施形態において、離間距離Rは、第1エレメント740の第2側壁112b側の端部と、第1側壁112aの第2側壁112b側の端部との、主表面111の短手方向における離間距離に相当する。
【0074】
ここで、重なり量dが25mm及び9mmの場合を比較すると、重なり量dが16mm減少している。これは、前述の第2導線部742および延長部分748を作成し、導線部848を削除することにより実現されている。また、重なり量dの減少量の16mmのうち、延長部分748(長さが約5mm)の存在によるものが2.5mm、第2導線部742の存在によるものが13.5mmである。
【0075】
[補足]
(a)前記実施形態および変形例の説明は本発明の例示にすぎず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができる。
(b)上記実施形態において、アンテナ支持体710に2つのエレメント740,760が配置されていたが、第1エレメント740だけを配置してもよい。その場合、第2導線部742を形成してもよいし、形成しなくともよい。第2導線部742を形成しない場合、アンテナ支持体710の第1面711、第2面712に第1エレメント740を配置することで、離間距離Rを大きくすることができる。
【0076】
(c)上記実施形態において、第1エレメント740と連結アーム130との重なり量dが存在していたが、重なり量dを零にすることもできる。例えば、バッテリ710を小さくする、あるいは、第1筐体110を大きくすることで、第2導線部742を長くし、離間距離Rを25mm以上にしてもよい。
また、重なり量dを17mm以下の範囲で任意に設定することもできる。例えば、重なり量dを9mm未満にしてもよい。重なり量dが小さいほどアンテナ特性が向上するが、第1アンテナの配置スペースの制約などに応じて、重なり量dを調節することができる。
【0077】
(d)上記実施形態における第1側壁112aの中央は、第1側壁112aを2等分する位置とは限らない。例えば、主表面111の短手方向において第1側壁112aを3等分した場合に、中央に位置する部分とすることができる。よって、アーム部131の長さによっては、第1領域151の3分の1程度の部分を覆っている場合がある。また、第1領域151の3分の2程度の部分を覆っている場合がある。
【0078】
アーム部の長さは、設計段階において、第1、第2筐体の形状や、それらの位置関係をどのように変化させるかによって変わる。しかしながら、設計段階において、アーム部の長さが変化するとしても、重なり量dを17mm以下にすることで、良好なアンテナ特性が得られる。
なお、上記実施形態の図12において、アンテナ支持体710の長さを42.5mm、アンテナ支持体710と連結アーム130との重なり長さを25mmとする。この場合、アンテナ支持体710の約60%が連結アーム130と重なっている。つまり、第1領域151の約60%が連結アーム130に覆われている。このアンテナ支持体710が連結アーム130と重なる長さを、設計変更により、50%〜65%に変更してもよい。この範囲内であると、第1、第2筐体110,120を相対移動させやすく、第1エレメント740と連結アーム130との重なり量dを低減することが比較的容易である。
【0079】
(e)上記実施形態において、メインアンテナとサブアンテナとは同じものとされていたが、形状などを異ならせてもよい。
また、サブアンテナを省略し、メインアンテナだけで信号の送受信を行ってもよい。
(f)上記実施形態において第2導線部の線幅は第1導線部の線幅よりも広いものであったが、第2導線部の線幅を第1導線部の線幅以下にしてもよい。この場合、第1導線部の線幅よりも広い場合よりも、重なり量dを小さくするために、第2導線部の線路長さをより長くすることとなる。
【0080】
(g)以下に、本実施形態に係る各種の携帯情報端末における構成及び効果について説明する。
(1)本実施形態に係る携帯通信端末は、矩形状の主表面を有する第1筐体と、第2筐体と、前記第1筐体に、前記主表面の一辺に沿う直線回りに回動自在に連結されるとともに、前記第1筐体と前記第2筐体とを、それらの位置関係が互いに異なる第1形態と第2形態とに形態変更自在に連結する金属製の連結アームと、前記第1筐体内において、前記主表面に平行かつ前記直線に垂直な方向に沿う第1側壁に隣接する領域に配置されているアンテナエレメントと、を備え、前記連結アームは、前記第1筐体のうち、前記直線に平行な方向に沿う第2側壁側の部分に連結され、前記第1形態において、前記第1側壁に隣接する領域の少なくとも一部を前記主表面側から覆う状態となり、かつ、前記第2形態において、前記第2側壁側の部分から前記第1筐体と反対側に延びる状態となり、前記アンテナエレメントの長さは、前記主表面に平行かつ前記直線に垂直な方向における前記第1側壁の長さよりも長く、前記アンテナエレメントは、前記主表面に平行かつ前記直線に垂直な方向に沿って、前記第2側壁に対向する第3側壁に向かって延びている第1導線部と、前記第1導線部の前記第3側壁側の一端部から延び出して前記第3側壁に沿って配置されている第2導線部とを有しており、前記主表面に平行かつ前記直線に垂直な方向において、前記アンテナエレメントのうち、前記第2側壁に最も近い部分は、前記第1側壁の前記第2側壁側端部から、前記第2導線部の長さに応じた距離離間していることを特徴とする。
【0081】
本項の携帯通信端末は、2つの筐体が金属製の連結アームによって連結され、2つの筐体の位置関係を変化させて第1形態と第2形態とに形態変化し得る。しかしながら、第1形態において、連結アームが、アンテナエレメントが配置されている領域を覆うため、第2形態に比してアンテナ特性が劣化しやすい。そこで、アンテナエレメントに、主表面の短手方向に延びる第1導線部に加えて、第3側壁に沿う第2導線部を設け、アンテナエレメントの位置を、可及的に連結アームから遠ざける構成が採用されている。
【0082】
これにより、第1形態で、主表面と垂直な方向においてアンテナエレメントと連結アームとが重なる長さ(主表面の短手方向の長さ)である「重なり量」を低減し、連結アームによるアンテナ特性の劣化を抑制することができる。また、第1形態と第2形態とにおけるアンテナ特性の違いが小さくなり、第1形態におけるアンテナ特性を適切化した場合に、第2形態におけるアンテナ特性が劣化することを抑制し得る。すなわち、本実施形態に係る携帯通信端末は、2つの筐体が金属製の連結アームによって連結されている場合に、筐体内のアンテナエレメントと連結アームとの距離が変化しても、アンテナ特性の変化を抑制し得る。
【0083】
上記アンテナエレメントを用いるアンテナは、例えば、モノポール、ダイポール等の電界型のアンテナとすることができる。アンテナエレメントの長さは、アンテナエレメントを流れる電流の線路長さとすることができる。
連結アームは、全てが完全に金属で構成されていなくともよい。連結アームは、例えば、90%以上が金属部分で、他の部分が樹脂製であってもよい。
【0084】
第2導線部の長さに応じた距離は、例えば、第2導線部がある場合と、第2導線部を無くす代わりに第1導線部を長くした場合とを比較し、主表面の短手方向において、アンテナエレメントのうちの第2側壁に最も近い部分の位置の距離差とすることができる。また、第2導線部の長さに応じた距離は、後述するように、第2導線部の長さ以上の距離としてもよい。
【0085】
第1筐体と連結アームとの回動中心となる直線は、仮想的な直線であり、例えば、第1筐体と連結アームとを相対回動自在に連結する部材の中心線とすることができる。
なお、「前記主表面の、前記直線に垂直な方向において、前記アンテナエレメントのうち、前記第2側壁に最も近い部分は、前記第1側壁の前記第2側壁側端部から、前記第2導線部の長さに応じた距離離間している」に代えて、「前記主表面の、前記直線に垂直な方向において、前記アンテナエレメントのうち、前記第2側壁に最も近い部分は、前記第1側壁の前記第2側壁側端部から所定の距離離間している」としてもよい。この場合、所定の距離は、例えば、8mm以上、10mm以上等とすることができる。
【0086】
連結アームは、例えば、前記第1側壁に隣接する領域のうち、前記第1側壁の中央から前記第2側壁側に位置する部分を前記主表面側から覆うものとしてもよい。
(2)本実施形態に係る携帯通信端末を、前記第2導線部は、前記直線に平行な方向に延びており、前記アンテナエレメントのうち、最も前記第2側壁側に位置する部分は、前記主表面に平行かつ前記直線に垂直な方向において前記第1側壁の前記第2側壁側端部から、前記直線に平行な方向における前記第2導線部の長さ以上の距離離間している、こととしてもよい。
【0087】
本項は、第2導線部の長さ以上に第1導線部の長さを低減することができる。よって、効果的にアンテナエレメントと連結アームとの重なり量を低減することができる。また、第2導線部の線幅を第1導線部より広くしてもよい。
(3)本実施形態に係る携帯通信端末は、さらに、前記第1側壁に隣接する領域に設置され、前記アンテナエレメントを支持する支持体を備え、前記第1筐体は、前記主表面の反対側に位置する底壁を備え、前記支持体は、前記第1側壁に対向する第1面と、前記底壁に対向する第2面と、前記第3側壁に対向する第3面とを有し、前記第1面及び第2面上に配置された前記第1導線部及び前記第3面上に配置された前記第2導線部を支持している、こととしてもよい。
【0088】
本項の携帯通信端末は、アンテナエレメントが支持体の表面に配置されており、第1筐体内へのアンテナ配置が容易である。
(4)本実施形態に係る携帯通信端末は、前記アンテナエレメントを第1アンテナエレメントとし、さらに、共振周波数が前記第1アンテナエレメントよりも高く、前記主表面に平行かつ前記直線に垂直な方向における前記第1側壁の長さよりも短い第2アンテナエレメントを備え、前記第2アンテナエレメントは、前記支持体の前記第1面及び第2面上の、前記第1形態において前記連結アームと重ならない位置に配置されている、こととしてもよい。
【0089】
本項の携帯通信端末は、支持体に2つのアンテナエレメントが支持されている態様である。
(5)本実施形態に係る携帯通信端末は、前記アンテナエレメントの長さの50%以上は、前記第1形態の場合に、前記主表面と垂直な方向において、前記連結アームと重ならない領域に配置されている、こととしてもよい。
【0090】
本項の携帯通信端末は、アンテナエレメントと連結アームとの重なり量を小さくすることで、アンテナ特性の劣化を抑制できる。
(6)本実施形態に係る携帯通信端末は、前記第1導線部は、前記第1形態において、前記連結アームと重なる部分が、前記連結アームと重ならない部分よりも、前記主表面と垂直な方向において前記連結アームから離間した位置に配置されている、こととしてもよい。
【0091】
本項の携帯通信端末は、アンテナエレメントのうち、連結アームと重なる部分を、可及的に連結アームから離間配置し、連結アームの影響を低減することができる。
(7)本実施形態に係る携帯通信端末は、前記アンテナエレメントの前記第2側壁側の端部は、前記第1形態において、前記連結アームと重なる領域よりも前記第3側壁側に位置する、こととしてもよい。
【0092】
本項の携帯通信端末は、第1形態において、アンテナエレメントが連結アームと重ならない態様であり、アンテナ特性が向上する。
(8)本実施形態に係る携帯通信端末は、前記第1筐体内には、導電性部品が配置されており、前記第2導線部は、前記導電性部品との離間距離が所定の距離以上になる範囲に配置されている、こととしてもよい。
【0093】
本項の携帯通信端末は、第2導線部と第1筐体内の導電性部品との離間距離を確保し、アンテナ特性の劣化を防止し得る。導電性部品は、例えば、第1導線部の線幅をWとすると、縦横の寸法がそれぞれW以上の広さの導電面を有する部品、あるいは、W×W以上の面積の導電面を有する部品とすることができる。具体的には、例えば、バッテリ、金属製のコネクタ等である。上記Wを第2導線部の線幅としてもよい。
【0094】
(9)本実施形態に係る携帯通信端末は、前記連結アームは、前記第1形態において、前記第1側壁に隣接する領域のうち、前記主表面に平行かつ前記直線に垂直な方向における前記第2側壁側の50%以上かつ65%以下の部分を覆う、こととしてもよい。
本項は、第1側壁に隣接する領域のうち、連結アームによって覆われる領域を規定したものである。
【0095】
(10)本実施形態に係る携帯通信端末は、前記連結アームは、前記第1形態において、前記主表面に平行かつ前記直線に垂直な方向に沿う2つの側壁に沿って、前記第2側壁側から前記第1側壁の中央まで延びる2つのアーム部と、前記2つのアーム部を連結して、前記2つのアーム部の相対動を抑止する連結部とを有する、こととしてもよい。
本項は、連結アームの構成を明確にしたものである。
【0096】
(11)本実施形態に係る携帯通信端末は、前記アンテナエレメントは、一端部に給電され、他端部が開放されているとともに、共振周波数が824MHz以上かつ894MHz以下であり、前記アンテナエレメントは、前記主表面と垂直な方向において、前記第1形態における前記連結アームと重なる長さは35mm以下である、こととしてもよい。
本項のアンテナエレメントは、800MHz帯(824MHz〜894MHz)の電波を送受信し得るものである。このアンテナエレメントが連結アームと重なる長さ(線路長さ)が35mm以下であると、アンテナ特性が良好になる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明に係る携帯通信端末は、例えば、2つの筐体が金属製の連結アームによって位置関係を変更自在に連結されている携帯電話機に用いることが有用である。
【符号の説明】
【0098】
100 携帯電話機
110 第1筐体
111,121 主表面
112a 第1側壁
112b 第2側壁
112c 第3側壁
112d 第4側壁
112e 底壁
115a バッテリ
120 第2筐体
130 連結アーム
131,132 アーム部
133 連結部
151 第1領域
152 第2領域
400 ディスプレイ
410 突起A
420 突起B
500 ディスプレイ
650 垂下片A
660 垂下片B
700 アンテナ(メイン)
702 アンテナ(サブ)
710 アンテナ支持体
710a 板状部
711 第1面
712 第2面
713 第3面
714 第4面
740 第1アンテナエレメント
741 第1導線部
741a 第1部分
741b 第2部分
742 第2導線部
746 端部
760 第2アンテナエレメント
765 接続端子
800 アンテナ(メイン)
840 第1アンテナエレメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の主表面を有する第1筐体と、
第2筐体と、
前記第1筐体に、前記主表面の一辺に沿う直線回りに回動自在に連結されるとともに、前記第1筐体と前記第2筐体とを、それらの位置関係が互いに異なる第1形態と第2形態とに形態変更自在に連結する金属製の連結アームと、
前記第1筐体内において、前記主表面に平行かつ前記直線に垂直な方向に沿う第1側壁に隣接する領域に配置されているアンテナエレメントと、
を備え、
前記連結アームは、
前記第1筐体のうち、前記直線に平行な方向に沿う第2側壁側の部分に連結され、
前記第1形態において、前記第1側壁に隣接する領域の少なくとも一部を前記主表面側から覆う状態となり、かつ、
前記第2形態において、前記第2側壁側の部分から前記第1筐体と反対側に延びる状態となり、
前記アンテナエレメントの長さは、前記主表面に平行かつ前記直線に垂直な方向における前記第1側壁の長さよりも長く、
前記アンテナエレメントは、
前記主表面に平行かつ前記直線に垂直な方向に沿って、前記第2側壁に対向する第3側壁に向かって延びている第1導線部と、前記第1導線部の前記第3側壁側の一端部から延び出して前記第3側壁に沿って配置されている第2導線部とを有しており、
前記主表面に平行かつ前記直線に垂直な方向において、前記アンテナエレメントのうち、前記第2側壁に最も近い部分は、前記第1側壁の前記第2側壁側端部から、前記第2導線部の長さに応じた距離離間している
ことを特徴とする携帯通信端末。
【請求項2】
前記第2導線部は、前記直線に平行な方向に延びており、
前記主表面に平行かつ前記直線に垂直な方向において、前記アンテナエレメントのうち、最も前記第2側壁側に位置する部分は、前記第1側壁の前記第2側壁側端部から、前記直線に平行な方向における前記第2導線部の長さ以上の距離離間している
請求項1に記載の携帯通信端末。
【請求項3】
さらに、前記第1側壁に隣接する領域に設置され、前記アンテナエレメントを支持する支持体を備え、
前記第1筐体は、前記主表面の反対側に位置する底壁を備え、
前記支持体は、
前記第1側壁に対向する第1面と、前記底壁に対向する第2面と、前記第3側壁に対向する第3面とを有し、
前記第1面及び第2面上に配置された前記第1導線部及び前記第3面上に配置された前記第2導線部を支持している
請求項2に記載の携帯通信端末。
【請求項4】
前記アンテナエレメントを第1アンテナエレメントとし、
さらに、共振周波数が前記第1アンテナエレメントよりも高く、前記主表面に平行かつ前記直線に垂直な方向における前記第1側壁の長さよりも短い第2アンテナエレメントを備え、
前記第2アンテナエレメントは、前記支持体の前記第1面及び第2面上の、前記第1形態において前記連結アームと重ならない位置に配置されている
請求項3に記載の携帯通信端末。
【請求項5】
前記アンテナエレメントの長さの50%以上は、前記第1形態の場合に、前記主表面と垂直な方向において、前記連結アームと重ならない領域に配置されている
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯通信端末。
【請求項6】
前記第1導線部は、前記第1形態において、前記連結アームと重なる部分が、前記連結アームと重ならない部分よりも、前記主表面と垂直な方向において前記連結アームから離間した位置に配置されている
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯通信端末。
【請求項7】
前記アンテナエレメントの前記第2側壁側の端部は、前記第1形態において、前記連結アームと重なる領域よりも前記第3側壁側に位置する
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯通信端末。
【請求項8】
前記第1筐体内には、導電性部品が配置されており、
前記第2導線部は、前記導電性部品との離間距離が所定の距離以上になる範囲に配置されている
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯通信端末。
【請求項9】
前記連結アームは、前記第1形態において、前記第1側壁に隣接する領域のうち、前記主表面に平行かつ前記直線に垂直な方向における前記第2側壁側の50%以上かつ65%以下の部分を覆う
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯通信端末。
【請求項10】
前記連結アームは、
前記第1形態において、前記主表面に平行かつ前記直線に垂直な方向に沿う2つの側壁に沿って、前記第2側壁側から前記第1側壁の中央まで延びる2つのアーム部と、
前記2つのアーム部を連結して、前記2つのアーム部の相対動を抑止する連結部と
を有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯通信端末。
【請求項11】
前記アンテナエレメントは、一端部に給電され、他端部が開放されているとともに、共振周波数が824MHz以上かつ894MHz以下であり、
前記アンテナエレメントは、前記主表面と垂直な方向において、前記第1形態における前記連結アームと重なる長さは35mm以下である
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯通信端末。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate