説明

携帯電子機器

【課題】ホスト側パラレルバスインターフェースとデバイス側シリアルバスインターフェースの間に論理回路部を設け、両者間に介在されるコントローラを省略して同期式シリアルバス接続を実現すること。
【解決手段】ホスト側回路が複数のデータ端子及びアドレス端子、リード(RD)端子、ライト(WR)端子、チップセレクト(CS)端子を有し、デバイス側回路がデータ(D0)端子、クロック(CLK)端子、チップセレクト(CS)端子を有する。ORゲートによる第1の論理回路部502は、RD端子及びWR端子の信号により出力状態が変化し、ANDゲートによる第2の論理回路部503は第1の論理回路部502及びCS端子の各出力信号により出力状態が変化する。第2の論理回路部503の出力信号をデバイスへのクロック信号として提供し、当該クロック信号に基づき、D0端子のみを用いてパラレル/シリアル変換されたデータ信号をデバイスに出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中央処理装置等の中央処理部(以下、「CPU」と略記する)と、そこに接続される非同期パラレルインターフェースを利用して、所望のデバイスのシリアルインターフェースとの間で通信を行えるようにした携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器内部におけるデバイス間のバスインターフェースには、例えば、パラレルバスインターフェースをもつCPUをパラレルバス接続でターゲットデバイスに接続し、該デバイスを制御する構成が知られている。また、パラレルバスインターフェースをもつCPUと、同期式インターフェースをもつターゲットデバイスとの間に、所定のコントローラ(SPIコントローラやUSBコントローラ等)を介在させて該デバイスを制御する構成も知られている。例えば、特許文献1では、ホスト側とターゲットデバイス側にパラレル/シリアル変換回路、シリアル/パラレル変換回路を設けたインターフェース回路が開示されている。
【0003】
図5は従来のパラレルバス接続の一例として、CPUを含むホスト側のパラレルバスコントローラ100と、デバイス側のバスインターフェース部200を示している。パラレルバスコントローラ100、バスインターフェース部200において、「A0〜A7」がアドレス端子を示し、「D0〜D7」がデータ端子を示している。また「RD」がリード端子、「WR」がライト端子、「CS」がチップセレクト端子をそれぞれ示している。
【0004】
パラレルバスコントローラ100の「A0〜A7」端子は、これらに対応したバスインターフェース部200の「A0〜A7」端子の各々に接続され、同様にパラレルバスコントローラ100の「D0〜D7」端子は、これらに対応したバスインターフェース部200の「D0〜D7」端子の各々に接続される。そして、パラレルバスコントローラ100、バスインターフェース部200において、RD端子同士が接続され、WR端子同士が接続され、CS端子同士が接続される。
【0005】
図6は、バスインターフェース部200内の回路構成についてその要部を概略的に示している。「A0〜A7」端子からのアドレスデータはアドレス・バッファ200aに格納され、また「D0〜D7」端子からのデータは切替部200bを介してライトデータ・バッファ200cに格納される。そして、リードデータ・バッファ200d内のデータは切替部200bを介して「D0〜D7」端子へと送出される。なお、切替部200bの制御は、デコーダ200eからの信号に基づいて行われ、デコーダ200eにはRD端子、WR端子、CS端子からの信号が供給される。なお、各バッファ内のデータについては図示しない回路部において所定の内部処理が行われる。
【0006】
このようなパラレルバス接続方式によると、ホスト側のパラレルバスコントローラに対して所望のデバイスを直接的に、かつ比較的高速に接続できるという利点がある。その反面で、端子同士の対応関係が1対1であり、配線の本数が多くなるために基板や配線の必要面積が大きくなり、また、デバイスのピン数が増加してパッケージサイズが大きくなってしまう。
【0007】
次に、同期式シリアルバス接続について図7、図8を用いて説明する。
【0008】
図7は、同期式シリアルバス接続の一例として、ホスト(例えば、CPU)側のパラレルバスコントローラ100と、デバイス側のシリアルバスインターフェース部201、そして、両者の間に配置されたパラレル/シリアルインターフェース用のコントローラ300を示している。なお、パラレルバスコントローラ100については上記の通りであり、また、バスインターフェース部201は、「D0」で示すデータ端子、「CLK」で示すクロック端子、「CS」で示すチップセレクト端子を備える。
【0009】
コントローラ300には、例えば、SPI(シリアル・ペリフェラル・インタフェース)等に代表されるシリアルインタースが用いられ、「A0〜A7」がアドレス端子を示し、「D0〜D7」がデータ端子を示しており、また「RD」がリード端子、「WR」がライト端子、「CS」がチップセレクト端子をそれぞれ示している。これらの端子は、パラレルバスコントローラ100において対応する各端子に接続される。また、コントローラ300は、「D0」で示すデータ端子、「CLK」で示すクロック端子、「CS」で示すチップセレクト端子を備え、これらの端子はバスインターフェース部201において対応する各端子に接続される。
【0010】
図8は、同期式シリアルバス接続の別例として、ホスト(例えば、CPU)側のパラレルバスコントローラ100と、デバイス側のシリアルバスインターフェース部202、そして、両者の間に配置されたUSB(Universal Serial Bus)コントローラ301を示している。なお、パラレルバスコントローラ100については上記の通りであり、また、バスインターフェース部202は、「D+」端子及び「D−」端子を備える。
【0011】
USBコントローラ301にはPLL(位相同期ループ)回路400が設けられており、「A0〜A7」がアドレス端子を示し、「D0〜D7」がデータ端子を示しており、また「RD」がリード端子、「WR」がライト端子、「CS」がチップセレクト端子をそれぞれ示している。これらの端子は、パラレルバスコントローラ100において対応する各端子に接続される。また、USBコントローラ301は「D+」端子及び「D−」端子を備えており、これらの端子はバスインターフェース部202において対応する各端子に接続される。
【0012】
上記のような同期式シリアルバス接続方式では、中程度のデータ転送速度を得ることができ、コントローラ300又は301とデバイス側バスインターフェース部201又は202の間の配線本数が少ないので、基板や配線に必要な面積を削減できるという利点が得られる。その反面で、コントローラ300、301やPLL回路400等が必要となるため、コスト上昇や部品点数の増加が問題となる。
【特許文献1】特開2005−142643号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記のように、従来のパラレルバス接続方式では、デバイス側のピン数、延いては配線数が多くなり、延いては配線面積が大きくなるという問題がある。
【0014】
また、従来の同期式シリアル接続方式では、パラレルバス接続方式に比較してデータ転送速度が低速であり、また、ホスト側のパラレルコントローラとは別にシリアルバス用コントローラやPLL回路等を追加する必要があるため、回路規模が大きくなり、コスト上昇を招く。
【0015】
従って本発明の課題は、両者の間に介在されるコントローラを省略して同期式シリアルバス接続を実現する携帯電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、上記課題を解決するために、中央処理部のパラレルインターフェース部が複数のデータ端子及びアドレス端子とともにリード端子、ライト端子、チップセレクト端子を有しており、前記中央処理部がシリアル通信でデバイスと接続された携帯電子機器であって、前記リード端子及び前記ライト端子の各出力信号に応じて出力状態が変化する第1の論理回路部と、該第1の論理回路部の出力信号及び前記チップセレクト端子の出力信号に応じて出力状態が変化する第2の論理回路部を有し、前記第2の論理回路部の出力信号を前記デバイスへのクロック信号とするとともに、当該クロック信号に基づいて、前記複数のデータ端子のうちの1つからのパラレル/シリアル変換されたデータ信号を前記デバイスのシリアルインターフェース部に出力し、又は前記クロック信号に基づいて、前記デバイスからのパラレル/シリアル変換されたデータ信号を前記複数のデータ端子のうちの1つから読み込むように制御することを特徴とする。
【0017】
また、上記携帯電子機器では、前記デバイスが前記クロック信号の立上りに同期して動作する場合に、前記リード端子の出力信号が論理反転されてから第1の論理回路部に入力される構成にすることが好ましい。
【0018】
あるいは上記携帯電子機器において、前記デバイスが前記クロック信号の立下りに同期して動作する場合に、前記ライト端子の出力信号が論理反転されてから第1の論理回路部に入力される構成にすることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、簡易な構成で、すなわちホスト側回路とデバイス側回路との間にコントローラを必要とせずに同期式シリアルバス接続を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る携帯電子機器の一例として携帯電話装置の外観斜視図を示す。なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話装置の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話装置の形態としては特にこれに限られない。例えば、両筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部と表示部とが1つの筐体に配置され、連結部を有さない形式(ストレートタイプ)でもよい。
【0022】
携帯電子機器1は、操作部側筐体部2及び表示部側筐体部3を備える。操作部側筐体部2は、その表面部10に、操作部11と、携帯電子機器1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイク12と、を備えて構成される。操作部11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作ボタン13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作ボタン14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン15と、から構成されている。
【0023】
また、表示部側筐体部3は、表面部20に、各種情報を表示するためのLCD(Liquid Crystal Display)表示部21と、通話の相手側の音声を出力するスピーカ22と、を備えて構成されている。
【0024】
また、操作部側筐体部2の上端部と表示部側筐体部3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電子機器1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とが互いに開いた状態とし、あるいは操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを折り畳んだ状態にすることができる。
【0025】
図2は、携帯電子機器1の機能を示す機能ブロック図である。携帯電子機器1は、操作部11、マイク12、メインアンテナ40、RF回路部41、LCD制御部42、音声処理部43、メモリ44、CPU45、電源部46を操作部側に備え、LCD表示部21、スピーカ22、ドライバIC23を表示部側に備えている。
【0026】
メインアンテナ40は、所定の使用周波数帯(例えば、800MHz)で外部装置と通信を行う。なお、本実施の形態では、所定の使用周波数帯として、800MHzとしたが、これ以外の周波数帯であってもよい。また、メインアンテナ40は、所定の使用周波数帯の他に、他の使用周波数帯(例えば、2GHz)に対応できる、いわゆるデュアルバンド対応型による構成であってもよい。
【0027】
RF回路部41は、メインアンテナ40によって受信した信号を復調処理し、処理後の信号をCPU45に供給し、また、CPU45から供給された信号を変調処理し、メインアンテナ40を介して外部装置(基地局)に送信する。
【0028】
LCD制御部42は、CPU45による制御に従って、所定の画像処理を行い、処理後の画像データをドライバIC23に出力する。ドライバIC23は、LCD制御部42から供給された画像データをフレームメモリに蓄え、所定のタイミングでLCD表示部21に出力する。
【0029】
音声処理部43は、CPU45による制御に従って、RF回路部41から供給された信号に対して所定の音声処理を行い、処理後の信号をスピーカ22に出力する。スピーカ22は、音声処理部43から供給された信号を外部に出力する。
【0030】
また、音声処理部43は、CPU45による制御に従って、マイク12から入力された信号を処理し、処理後の信号をRF回路部41に出力する。RF回路部41は、音声処理部43から供給された信号に所定の処理を行い、処理後の信号をメインアンテナ40に出力する。
【0031】
電源部46は、図示しない二次電池又は充電装置等から電源供給を受けて、所定電圧への変換後に、各回路部に必要な電圧を供給するために設けられており、電源制御用IC等を用いて構成される。
【0032】
本発明に係る携帯電子機器1は、CPU45を含むホスト側がパラレルバスインターフェース部を有し、これをターゲットデバイス側のシリアルインターフェース部にシリアル通信で接続するものである。なお、具体的なターゲットデバイスとしては、上記メモリ44を構成する記憶デバイス(「Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory(EEPROM)」等)や電源部46を構成するSPI接続の電源制御用IC、指紋認証処理部や、LEDコントローラを含む表示制御部等が挙げられる。
【0033】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る構成例の要部を示す回路ブロック図であり、同期式シリアルデバイスの接続例(クロック信号の立上り同期の場合)を示す。
【0034】
本構成では、ホスト(CPU)側のパラレルバスコントローラ100と、デバイス側のシリアルインターフェース部201との間に、論理回路500が設けられている。尚、パラレルバスコントローラ100及びシリアルインターフェース部201については既述の通りであり、ホスト側ではパラレルバスコントローラ100が複数のデータ端子(本例ではD0〜D7)及びアドレス端子(本例ではA0〜A7)と、リード(RD)端子、ライト(WR)端子、チップセレクト(CS)端子を有する。また、デバイス側のシリアルインターフェース部201は、データ(D0)端子、クロック(CLK)端子、チップセレクト(CS)端子を有する。なお、チップセレクト信号及びリード信号・ライト信号は負論理とされる(該信号がLowレベルの場合にデバイスが有効化される)。
【0035】
パラレルインターフェース部を構成するパラレルバスコントローラ100において複数のデータバスの1つ、例えばD0をシリアルデータ信号の伝送に使用することで、アドレス及びデータを含む信号を1本の配線で送受信することができる。つまり、パラレルバスコントローラ100のD0端子とシリアルインターフェース部201のD0端子が接続されている。
【0036】
論理回路500は、パラレルバスコントローラ100のリード・ストローブ信号、ライト・ストローブ信号、チップセレクト信号に応じたデコードを行い、シリアルクロック信号を生成するために設けられている。すなわち、パラレルバスコントローラ100のRD端子から出力されるリード・ストローブ信号がNOT(論理否定)ゲート501を介して第1の論理回路部502をなす2入力OR(論理和)ゲートの入力端子の一方に送られ、また、WR端子から出力されるライト・ストローブ信号がそのままORゲートの他方の入力端子に送られる。そして、ORゲートの出力信号が、第2の論理回路部503をなす2入力AND(論理積)ゲートの入力端子の一方に送られる。また、CS端子から出力されるチップセレクト信号は、シリアルインターフェース部201のCS端子に送出されてデバイスの選択信号として利用されるとともに、NOTゲート504を介して第2の論理回路部503をなすANDゲートの残りの入力端子に送られる。そしてANDゲートの出力信号が、シリアルクロック信号としてシリアルインターフェース部201のCLK端子に送出される。
【0037】
図示は省略するが、ホスト側(CPU)では、ソフトウェア処理によってアドレスやデータに関するパラレル/シリアル変換が行われた上で、既存のハードウェアであるパラレルバスコントローラ100を用いて、データバスD0経由でデバイスとのシリアル通信を行うことができる。
【0038】
例えば、デバイスに対してホスト側からデータの書き込みを行う際には、WR端子のライト・ストローブ信号が第1の論理回路部502を介して第2の論理回路部503に送られ、ここでチップセレクト信号の反相信号との間で論理積演算が行われる結果、クロック信号が生成される。そして、クロック信号の立上りエッジに同期したタイミング及び既知のシーケンスをもって、所定ビット数のデータ(例えば、コマンドや、アドレスデータ及びこれに対応するデータ等を含む)が1ビットずつデバイス側に取り込まれた後、その内部でシリアル/パラレル変換が行われる。また、ホスト側がデバイスからのデータを読み込む際には、RD端子のリード・ストローブ信号の反相信号が第1の論理回路部502を介して第2の論理回路部503に送られ、ここでチップセレクト信号の反相信号との間で論理積演算が行われてクロック信号が生成される。このクロック信号の立上りエッジに同期したタイミング及び既知のシーケンスをもって、所定ビット数のデータ(例えば、アドレスデータ及びこれに対応するデータ等を含む)が1ビットずつホスト側に取り込まれた後、ソフトウェア処理によってシリアル/パラレル変換が行われることになる。
【0039】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る構成例の要部を示す回路ブロック図であり、同期式シリアルデバイスの接続例(クロック信号の立下り同期の場合)を示す。
【0040】
図3に示した構成との相違点は、RD端子がそのまま第1の論理回路部502をなす2入力ORゲートの一方の入力端子に接続されるとともに、WR端子がNOTゲート505を介して当該ORゲートの他方の入力端子に接続されていることである。従って、データの書き込み時には、WR端子のライト・ストローブ信号がNOTゲート505で論理反転してから第1の論理回路部502を介して第2の論理回路部503に送られ、ここでチップセレクト信号の反相信号との間で論理積演算が行われる結果、クロック信号が生成される。また、データの読み込み時には、RD端子のリード・ストローブ信号が第1の論理回路部502を介して第2の論理回路部503に送られ、ここでチップセレクト信号の反相信号との間で論理積演算が行われてクロック信号が生成されることになる。
【0041】
上記のように、論理回路500は、2入力ORゲートを用いて構成される第1の論理回路部502と、2入力ANDゲートを用いて構成される第2の論理回路部503を有する。そして第1の論理回路部502は、パラレルインターフェース部におけるリード(RD)端子及びライト(WR)端子の各出力信号に応じて出力状態が変化する。また、第2の論理回路部503は、第1の論理回路部502の出力信号及びチップセレクト(CS)端子の出力信号に応じて出力状態が変化する。
【0042】
第2の論理回路部503の出力信号がデバイスへのクロック信号として供給され、当該クロック信号に基づいて、データ(アドレスデータを含む)の読み書き制御が行われ、例えば、データ書き込み時に、複数のデータ端子のうちの1つ(本例では「D0」端子)からのパラレル/シリアル変換されたデータ信号がデバイスのシリアルインターフェース部に対して出力されることになる。また、データ読み込み時には、クロック信号に基づいて、デバイスからのパラレル/シリアル変換されたデータ信号が複数のデータ端子のうちの1つ(本例では「D0」端子)から読み込まれる。
【0043】
なお、図3のようにデバイスがクロック信号の立上りに同期して動作する場合には、NOTゲート501を介してリード(RD)端子の出力信号を論理反転させてから第1の論理回路部502に入力すればよい。また、図4のようにデバイスがクロック信号の立下りに同期して動作する場合には、NOTゲート505を介してライト(WR)端子の出力信号を論理反転させてから第1の論理回路部502に入力すればよく、軽微な変更だけで対処することができる。
【0044】
このように、本発明に係る携帯電子機器1によれば、従来のパラレルバス接続方式に比べて配線本数が少なく(上記例ではホスト側の4線とデバイス側の3線で済む)、配線に必要な基板上の面積を低減することができる。そして、ホスト側のパラレルバスコントローラとデバイス側のシリアルインターフェース部との間に簡単な論理回路部を構成すればよく、従来の同期式シリアルバス接続方式のようにパラレル/シリアル変換用のコントローラを設ける必要がないので、コストの削減や小型化に有利である。
【0045】
また、ホスト側の装置では既存のパラレルバスコントローラを利用することができ、パラレルデータとシリアルデータとの間の変換をソフトウェア処理に委ねることができるので、コントローラの改変やこれに伴うコスト上昇、構成の複雑化等を招くことも無い。
【0046】
上記の構成において、シリアル/パラレル変換部分のインターフェース回路は、例えば電源部46に含まれる電源制御IC上に組み込まれている。このような電源制御ICを汎用的に用意しておくことにより、共通の電源部がデザインされた複数機種を開発する上で、CPUに対するデバイス側のインターフェースがいかなるものであろうとも、ハードウェア上は電源制御ICを介するだけで接続でき、ソフトウェア上で互いのコントロールを調整するのみで実装でき、しかも電源制御ICとCPU、電源制御ICと各デバイスのそれぞれの間は電源供給のため当然ながらに電源接続が必要であるため、元来互いに近傍に配置される傾向にある。そのため、このような仲介インターフェースを電源部の電源制御ICに設けることは、電源制御ICを仲介しても、元々の距離が近いデバイス同士であるため、デバイスをCPUがコントロールしても、その配線距離が伸びてしまうということもほとんど無いというメリットもある。しかも、PLL回路を用いる場合においても電源部の備えるPLL回路を使用するため、配線を集中させることが出来、高密度実装の妨げとはならない。
【0047】
なお、上記では、携帯電子機器の一例である携帯電話装置について説明したが、本発明がこれに限定される訳ではなく、例えば、PHS(Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、ノート型コンピュータ等に幅広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る携帯電子機器の外観例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る携帯電子機器の回路機能を例示したブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る構成例の要部を示す回路ブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る構成例の要部を示す回路ブロック図である。
【図5】従来のパラレルバス接続を説明するための回路ブロック図である。
【図6】バスインターフェース部内の回路構成の要部を概略的に示す図である。
【図7】同期式シリアルバス接続を説明するための回路ブロック図である。
【図8】同期式シリアルバス接続の別例を説明するための回路ブロック図である。
【符号の説明】
【0049】
1 携帯電子機器
45 中央処理部
100 パラレルインターフェース部(パラレルバスコントローラ)
201 シリアルインターフェース部
502 第1の論理回路部
503 第2の論理回路部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央処理部のパラレルインターフェース部が複数のデータ端子及びアドレス端子とともにリード端子、ライト端子、チップセレクト端子を有しており、前記中央処理部がシリアル通信でデバイスと接続された携帯電子機器であって、
前記リード端子及び前記ライト端子の各出力信号に応じて出力状態が変化する第1の論理回路部と、該第1の論理回路部の出力信号及び前記チップセレクト端子の出力信号に応じて出力状態が変化する第2の論理回路部を有し、
前記第2の論理回路部の出力信号を前記デバイスへのクロック信号とするとともに、当該クロック信号に基づいて、前記複数のデータ端子のうちの1つからのパラレル/シリアル変換されたデータ信号を前記デバイスのシリアルインターフェース部に出力し、又は前記クロック信号に基づいて、前記デバイスからのパラレル/シリアル変換されたデータ信号を前記複数のデータ端子のうちの1つから読み込むように制御することを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記デバイスが前記クロック信号の立上りに同期して動作する場合に、前記リード端子の出力信号が論理反転されてから前記第1の論理回路部に入力されることを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記デバイスが前記クロック信号の立下りに同期して動作する場合に、前記ライト端子の出力信号が論理反転されてから前記第1の論理回路部に入力されることを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−32210(P2009−32210A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−198204(P2007−198204)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】