説明

携帯電子機器

【課題】タッチセンサの表面に発生した結露による誤動作を抑制することができる携帯電子機器を提供すること。
【解決手段】携帯電話機1は、接触された位置および近接された位置の少なくとも一方を検出するタッチセンサ35と、温度を計測する温度計測部36と、表示部21と、温度計測部36により計測される温度変化に基づいて、表示部21において結露に関する報知または、タッチセンサ35の動作制限の少なくとも一方の処理を行うCPU30と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサを有する携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機や小型情報端末等の携帯電子機器においては、ユーザの操作性を向上させるために、様々な入力手段が考案されている。例えば、ユーザに対して、より直感的なインタフェースを提供するために、タッチセンサが備えられた携帯電子機器が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
携帯電子機器に多く利用される静電容量型のタッチセンサは、電極間の静電容量の変化を検出することで、指が触れている座標を検出することができる。このタッチセンサは、携帯電子機器の表示部に重ねて配置され、表示画像に対するポインティングデバイスとして利用されることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−171148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、静電容量型のタッチセンサは、ユーザの指に限らず、金属や水等が触れたことも検出してしまうため、ユーザが意図しない入力がなされる場合がある。例えば、タッチセンサの表面に発生する結露によって携帯電子機器が誤動作する可能性があった。
【0006】
本発明は、タッチセンサの表面に発生した結露による誤動作を抑制することができる携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る携帯電子機器は、接触された位置および近接された位置の少なくとも一方を検出するタッチセンサ部と、温度を計測する温度計測部と、報知部と、前記温度計測部により計測される温度変化に基づいて、前記報知部において結露に関する報知または、前記タッチセンサ部の動作制限の少なくとも一方の処理を行う制御部と、を備える。
【0008】
また、前記温度計測部は、温度の変化を第1期間内に計測し、前記制御部は、第1期間以内に第1閾値以上の温度変化があった場合には、前記処理を行うことが好ましい。
【0009】
また、前記制御部は、前記第1期間以内に前記第1閾値以上の温度変化があった後、第2期間の温度変化が第2閾値以内となった場合に、前記処理を抑制することが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る携帯電子機器は、前記タッチセンサ部により検出された位置情報を使用するか否かの入力を受け付ける操作部をさらに備え、前記制御部は、前記第1期間以内に前記第1閾値以上の温度変化があった場合に、前記操作部より入力を受付けることが好ましい。
【0011】
また、前記制御部は、前記第1期間以内に前記第1閾値以上の温度変化があった場合、前記報知部において、前記位置情報を使用するか否かの入力を促す報知を行うことが好ましい。
【0012】
また、前記操作部が前記タッチセンサ部により検出された位置情報を使用する入力を受け付けた場合において、前記報知部が前記タッチセンサ部への所定の入力を促す報知を行ったとき、前記制御部は、前記タッチセンサ部により検出された位置情報が当該所定の入力と一致しているか否かを判定し、一致していれば前記タッチセンサ部によって検出される位置情報を使用することが好ましい。
【0013】
また、前記温度計測部が前記第1期間以内に前記第1閾値以上の温度変化を計測した場合において、前記タッチセンサ部が接触された位置および近接された位置の少なくとも一方を検出し続けたとき、前記制御部は、前記タッチセンサ部によって検出され続ける位置情報を無効とすることが好ましい。
【0014】
また、前記温度計測部が前記第1期間以内に前記第1閾値以上の温度変化を計測した場合において、前記制御部は、前記タッチセンサ部の有する領域のうち特定の領域のみを無効とすることが好ましい。
【0015】
また、前記温度計測部は、前記温度を所定の周期で計測することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、タッチセンサの表面に発生した結露による誤動作を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯電話機の外観斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る携帯電話機の機能を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る温度計測部により計測される温度の時間変化を例示する図である。
【図4】本発明の実施形態に係る通常モードでのCPUの処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係る結露モードでのCPUの処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係るCPUの報知制御により、表示部に表示する画面例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係るCPUの制御により、タッチセンサの検出結果の使用是非をユーザに選択させる画面例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るCPUの制御により、タッチセンサの検出結果をテストするために表示する画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態の一例について説明する。なお、本実施形態では、携帯電子機器の一例として、携帯電話機1を説明する。なお、本発明の携帯電子機器はこれには限られず、例えば、PHS(Personal Handy phone System)やPDA(Personal Digital Assistant)の他、ナビゲーション装置やパーソナルコンピュータ等、様々な携帯電子機器に適用可能である。
【0019】
図1は、本実施形態に係る携帯電話機1(携帯電子機器)の外観斜視図である。なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話機の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話機の形態はこれに限られない。例えば、両筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部と表示部とが1つの筐体に配置され、連結部を有さない形式(ストレートタイプ)でもよい。
【0020】
携帯電話機1は、操作部側筐体2と、表示部側筐体3と、を備えて構成される。操作部側筐体2は、表面部10に、操作部11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイク12と、を備えて構成される。操作部11は、各種設定機能や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作ボタン13と、電話番号の数字やメールの文字等を入力するための入力操作ボタン14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン15と、から構成されている。
【0021】
また、表示部側筐体3は、表面部20に、各種情報を表示するための表示部21と、通話の相手側の音声を出力するレシーバ22と、を備えて構成されている。
【0022】
また、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話機1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに開いた状態(開放状態)にしたり、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを折り畳んだ状態(折畳み状態)にしたりできる。
【0023】
図2は、本実施形態に係る携帯電話機1の機能を示すブロック図である。携帯電話機1は、操作部11と、表示部21(報知部)と、CPU30(制御部)と、通信部31と、アンテナ32と、音声制御部33と、マイク12と、レシーバ22と、メモリ34と、タッチセンサ35(タッチセンサ部)と、温度計測部36と、を備える。
【0024】
CPU30は、携帯電話機1の全体を制御しており、例えば、表示部21、通信部31、音声制御部33等に対して所定の処理を行う。また、CPU30は、操作部11、タッチセンサ35、温度計測部36等から入力を受け付けて、各種処理を実行する。そして、CPU30は、処理実行の際には、メモリ34を制御し、各種プログラムおよびデータの読み出し、およびデータの書き込みを行う。
【0025】
表示部21は、CPU30の制御に従って、所定の画像処理を行う。そして、処理後の画像データをフレームメモリに蓄え、所定のタイミングで画面出力する。
【0026】
通信部31は、所定の使用周波数帯(例えば、2GHz帯や800MHz帯等)で外部装置(基地局)と通信を行う。そして、通信部31は、アンテナ32より受信した信号を復調処理し、処理後の信号をCPU30に供給し、また、CPU30から供給された信号を変調処理し、アンテナ32から外部装置に送信する。
【0027】
音声制御部33は、CPU30の処理に従って、通信部31から供給された信号に対して所定の音声処理を行い、処理後の信号をレシーバ22に出力する。レシーバ22は、音声制御部33から供給された信号を外部に出力する。なお、この信号は、レシーバ22に代えて、または、レシーバ22と共に、スピーカ(図示せず)から出力されるとしてもよい。
【0028】
また、音声制御部33は、CPU30の処理に従って、マイク12から入力された信号を処理し、処理後の信号を通信部31に出力する。通信部31は、音声制御部33から供給された信号に所定の処理を行い、処理後の信号をアンテナ32より出力する。
【0029】
メモリ34は、例えば、ワーキングメモリを含み、CPU30による演算処理に利用される。また、メモリ34は、後述する結露の発生または消失の判断に利用される期間(第1期間および第2期間)や温度変化の閾値(第1閾値および第2閾値)、さらには、温度計測部36により計測される一定期間の温度も記憶する。なお、メモリ34は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
【0030】
タッチセンサ35は、表示部21と重なる位置に配置され、ユーザの指等により触れられた位置を検出する。具体的には、タッチセンサ35は、静電容量型のタッチセンサであってよく、導電体の接触により静電容量が変化した位置を検出し、表示部21に表示されている画像と対応付けられた位置情報(座標)を取得してCPU30に供給する。
【0031】
温度計測部36は、所定の周期で温度を計測し、計測結果をCPU30に供給する。温度計測部36は、携帯電話機1の外部の温度(外気温)または、外部の影響により変化する温度を計測する。簡易的には、例えば、電池パックやその周辺等、携帯電話機1の内部における温度の異常を検知するために設けられる既存の温度計であってもよい。
【0032】
図3は、本実施形態に係る温度計測部36により計測される温度の時間変化を例示する図である。この例は、携帯電話機1が低温の場所(屋外)から高温の場所(屋内)へ移動した場合を示している。
【0033】
CPU30は、この温度の時間変化を周期的に監視している。そして、CPU30は、現在(t2)までの第1期間(t1〜t2)以内に第1閾値以上の変化があった場合、結露が発生した可能性があると判断する。結露の可能性がある場合、CPU30は、表示部21への表示制御を行ってユーザへ報知すると共に、タッチセンサ35により検出された位置情報の使用を、要求に応じて、または自動的に制限する(結露モードへの移行)。
【0034】
その後、結露モードにおいても、CPU30は、温度変化の監視を継続する。そして、現在(t4)までの第2期間(t3〜t4)における時間変化が第2閾値以内である場合、CPU30は、結露が消失したと判断して、結露発生を示す表示制御および、タッチセンサ35により検出された位置情報の使用制限を解除する(通常モードへの移行)。
【0035】
なお、この例では、携帯電話機1が低温の場所(屋外)から高温の場所(屋内)へ移動した場合を示したが、逆に高温の場所(屋内)から低温の場所(屋外)へ移動した場合も同様である。
【0036】
図4は、本実施形態に係る通常モードでのCPU30の処理を示すフローチャートである。
【0037】
ステップS1では、CPU30は、温度計測部36により計測された温度を取得し、メモリ34に記憶する。
【0038】
ステップS2では、CPU30は、メモリ34に記憶された現在までの温度の変化を参照し、第1期間内に、第1閾値以上の温度変化があったか否かを判定する。この判定がYESの場合はステップS4に移り、判定がNOの場合はステップS3に移る。
【0039】
ステップS3では、CPU30は、本処理(通常モード)を終了するか否かを判定する。具体的には、操作部11等を介して所定の操作入力を受け付けたことに応じて、処理の終了を判定してよい。この判定がYESの場合は本処理を終了し、判定がNOの場合はステップS1に戻り温度変化の監視を継続する。
【0040】
ステップS4では、所定の期間(第1期間以内)に規定(第1閾値)以上の温度変化があったので、CPU30は、タッチセンサ35により検出され得る結露発生の可能性があると判断し、結露モードへ移行する。
【0041】
図5は、本実施形態に係る結露モードでのCPU30の処理を示すフローチャートである。
【0042】
ステップS11では、CPU30は、温度計測部36により計測された温度を取得し、メモリ34に記憶する。
【0043】
ステップS12では、CPU30は、メモリ34に記憶された現在までの温度の変化を参照し、第2期間内の温度変化が第2閾値以内であったか否かを判定する。この判定がYESの場合はステップS13に移り、判定がNOの場合はステップS11に戻って温度変化の監視を継続する。
【0044】
ステップS13では、所定の期間(第2期間)にわたって温度変化が小さかった(第2閾値以内)ので、CPU30は、発生していた結露が消失したと判断し、通常モードへ移行する。
【0045】
結露モードにおいて、CPU30は、少なくとも、結露発生によりタッチセンサ35が操作入力を誤検出する可能性がある旨を、表示部21を介して報知する。以下、表示制御を含むCPU30の処理例を示す。
【0046】
[結露発生の報知処理]
図6は、本実施形態に係る結露モードへ移行する際に、CPU30の報知制御により、表示部21に表示する画面例を示す図である。
【0047】
この例では、表示部21は、結露が発生したことにより、タッチセンサ35が誤作動し、ユーザが意図していない動作を携帯電話機1が行う可能性があることを表示している。この場合、CPU30は、ユーザから報知情報の確認入力として、「OK」ボタンの押下操作を、タッチセンサ35を介してではなく操作部11を介して受け付ける。
【0048】
この後、CPU30は、タッチセンサ35の検出結果を使用しないように制限する。さらに、結露モード中は、表示部21のいずれかの領域に、結露モード中である旨を継続して表示させることとしてよい。
【0049】
この処理例によれば、CPU30は、結露が発生した際に、ユーザに対して携帯電話機1が誤動作する可能性を報知し、さらに、タッチセンサ35の誤検出により携帯電話機1が誤動作するのを抑制できる。
【0050】
この例では、結露が発生した後は、CPU30は、タッチセンサ35の検出結果を使用しないように制限したものの、実施例はこれには限られない。例えば、CPU30は、タッチセンサ35の検出結果を使用し続けてもよい。この場合には、ユーザに対して、携帯電話機1の使用を控えさせたり、結露の除去を促したりすることになるので、結果として携帯電話機1の誤動作を抑制することができる。
【0051】
[タッチセンサの使用是非の受付処理]
図7は、本実施形態に係る結露モードへ移行する際に、CPU30の処理により、タッチセンサ35の検出結果の使用是非をユーザに選択させるために表示する画面例を示す図である。
【0052】
この例では、表示部21は、結露が発生したことにより、タッチセンサ35が誤作動し、ユーザが意図していない動作を携帯電話機1が行う可能性があることを表示している。さらに、表示部21は、ユーザに対して、タッチセンサ35の検出結果を使用するか否かの選択入力を促す表示を行う。
【0053】
CPU30は、この選択入力を、タッチセンサ35を介してではなく操作部11を介して受け付ける。CPU30は、この受け付けた選択入力に応じて、タッチセンサ35の検出結果の使用を継続するか、または中断する。
【0054】
この処理例によれば、CPU30は、結露が発生した際に、ユーザに対して携帯電話機1が誤動作する可能性を報知し、さらに、ユーザの判断に応じてタッチセンサ35の検出結果の使用是非を決定できる。したがって、誤動作を引き起こす結露が発生したか否かの判定をユーザの判断により補正することができるので、ユーザの利便性が向上し、さらにタッチセンサ35の誤検出により携帯電話機1が誤動作するのを精度良く抑制できる。
【0055】
[タッチセンサの使用可否のテスト]
図8は、本実施形態に係る結露モードへ移行する際、CPU30の処理により、タッチセンサ35の検出結果が正しいか否かをテストするために表示する画面例を示す図である。
【0056】
この例では、表示部21は、結露が発生したことにより、タッチセンサ35が誤作動し、ユーザが意図していない動作を携帯電話機1が行う可能性があることを表示している。さらに、表示部21は、タッチセンサ35の所定の位置を所定の順番でタッチさせるように、この所定の位置および所定の順番を示す表示(番号1〜4)を行う。
【0057】
そして、CPU30は、タッチセンサ35により検出された位置情報と検出された順番が、所定の位置および所定の順番と一致しているか否かを判定する。一致していれば、CPU30は、タッチセンサ35が正しく動作していると判断し、検出結果の使用を継続する。一方、一致していなければ、CPU30は、タッチセンサ35が結露により誤動作していると判断し、検出結果を使用しないように制限する。
【0058】
この処理例によれば、CPU30は、結露が発生した可能性があると、ユーザに対してタッチセンサ35のテストを実施させ、テストの結果に応じて、タッチセンサ35の検出結果の使用可否を決定できる。したがって、タッチセンサ35の誤検出により携帯電話機1が誤動作するのを精度良く抑制できる。なお、タッチセンサ35をテストする形態はこれには限られない。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0060】
上述の実施形態では、タッチセンサ35の検出結果を使用するか否かを一律に決定したが、これには限られない。結露が付着している部分は、常に触れられていると検出されるが、結露の状態によっては、検出可能領域(例えば、表示部21の表示領域)の一部分のみが誤検出している場合もある。この場合、CPU30は、常に触れられていると検出されている領域について、検出結果を無効とするように処理してもよい。これにより、他の部分に関して、タッチセンサ35の正しい検出結果を利用することができる。
【0061】
また、結露モードにおいて、タッチセンサ35が触れられていると検出するための静電容量変化の閾値を調整してもよい。例えば、閾値を大きくすることで、より静電容量変化が大きい指による接触を検出できる可能性がある。
【0062】
また、携帯電話機1が備えるタッチセンサ35において、タッチセンサ35の特定の領域(例えばタッチセンサ35の周縁領域)が他の領域に比して結露し易い場合等が考えられる。このような場合において携帯電話機1が結露モードになったときには、前記特定の領域からの検出結果を無効にし、それ以外の他の領域からの検出結果のみを有効にしてもよい。
【0063】
また、上述の実施形態では、結露モードにおいて、第2期間内の温度変化が第2閾値以内であった場合に通常モードへ移行したが、これには限られない。例えば、操作部11から所定の操作入力を受け付けることにより、結露モードから通常モードへ移行させてもよい。このことによれば、ユーザの判断により即座に通常モードに戻すことができるので、ユーザの利便性が向上する。
【符号の説明】
【0064】
1 携帯電話機(携帯電子機器)
11 操作部
21 表示部(報知部)
30 CPU(制御部)
31 通信部
32 アンテナ
33 音声制御部
34 メモリ
35 タッチセンサ(タッチセンサ部)
36 温度計測部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触された位置および近接された位置の少なくとも一方を検出するタッチセンサ部と、
温度を計測する温度計測部と、
報知部と、
前記温度計測部により計測される温度変化に基づいて、前記報知部において結露に関する報知または、前記タッチセンサ部の動作制限の少なくとも一方の処理を行う制御部と、
を備える携帯電子機器。
【請求項2】
前記温度計測部は、温度の変化を第1期間内に計測し、
前記制御部は、第1期間以内に第1閾値以上の温度変化があった場合には、前記処理を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1期間以内に前記第1閾値以上の温度変化があった後、第2期間の温度変化が第2閾値以内となった場合に、前記処理を抑制することを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記タッチセンサ部により検出された位置情報を使用するか否かの入力を受け付ける操作部をさらに備え、
前記制御部は、前記第1期間以内に前記第1閾値以上の温度変化があった場合に、前記操作部より入力を受付ける、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1期間以内に前記第1閾値以上の温度変化があった場合、前記報知部において、前記位置情報を使用するか否かの入力を促す報知を行うことを特徴とする請求項4に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記操作部が前記タッチセンサ部により検出された位置情報を使用する入力を受け付けた場合において、前記報知部が前記タッチセンサ部への所定の入力を促す報知を行ったとき、前記制御部は、前記タッチセンサ部により検出された位置情報が当該所定の入力と一致しているか否かを判定し、一致していれば前記タッチセンサ部によって検出される位置情報を使用することを特徴とする請求項5に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記温度計測部が前記第1期間以内に前記第1閾値以上の温度変化を計測した場合において、前記タッチセンサ部が接触された位置および近接された位置の少なくとも一方を検出し続けたとき、前記制御部は、前記タッチセンサ部によって検出され続ける位置情報を無効とすることを特徴とする請求項2または3に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記温度計測部が前記第1期間以内に前記第1閾値以上の温度変化を計測した場合において、前記制御部は、前記タッチセンサ部の有する領域のうち特定の領域のみを無効とすることを特徴とする請求項2または3に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記温度計測部は、前記温度を所定の周期で計測することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−198391(P2010−198391A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−43232(P2009−43232)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】