説明

携帯電子機器

【課題】表示部の視認性を低下させずに、正規ユーザの私的情報の漏洩を防止できる携帯電子機器を提供すること。
【解決手段】携帯電話装置1は、ディスプレイ21に記憶部31に記憶されている第1情報を含む第1画像が表示される、または表示されている場合に、撮像部23により被写体を撮像させ、撮像画像と正規ユーザの顔画像が一致すると判定部32により判定されたとき、ディスプレイ21に第1画像の表示または表示の継続を行わせ、当該撮像画像と正規ユーザの顔画像が一致しないと判定部32により判定されたとき、第1画像に代えてディスプレイ21に第1画像に比して第1情報が含まれない第2画像の表示を行わせる制御部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部により画像を表示する携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話に代表される携帯電子機器には、音声により通話を行う機能の他、メール機能や、インターネット機能といった、様々な通信機能が備えられている。この携帯電子機器では、これら通信機能に係る様々な情報が表示部に表示される。
【0003】
一方、携帯電子機器は、可搬性を有しており、広域で使用できるという利便性がある。しかしながら、例えば、満員電車の中といったように、人口密度が極めて高い場所では、携帯電子機器を使用した場合に、表示部に表示されている情報が他人に見られてしまうことがある。
【0004】
特に、表示部に表示されている情報が、携帯電子機器のユーザ宛のメールの内容や、携帯電子機器のユーザに関わる電話番号等である場合には、このユーザのプライバシーが侵害されるおそれがある。
【0005】
このような問題に対応して、ユーザの私的情報に関わる情報が表示部に表示された場合、この私的情報に関わる情報の視認性を低下させて表示部に表示させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−223651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の提案では、私的情報に関わる情報の視認性が低下するので、携帯電子機器を使用する正規ユーザも、この情報の内容を確認しにくくなってしまう。
【0008】
本発明は、表示部の視認性を低下させずに、正規ユーザの私的情報の漏洩を防止することができる携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る携帯電子機器は、上記課題を解決するために、表示部と、前記表示部に対向する方向の被写体を撮像する撮像部と、正規ユーザの顔画像、前記正規ユーザの私的情報を示す第1情報を記憶する記憶部と、前記撮像部により撮像された撮像画像が、前記正規ユーザの顔画像に一致するか否かを判定する判定部と、前記表示部に前記記憶部に記憶されている前記第1情報を含む第1画像が表示される、または表示されている場合に、前記撮像部により被写体を撮像させ、前記撮像画像と前記正規ユーザの顔画像が一致すると前記判定部により判定されたとき、前記表示部に前記第1画像の表示または表示の継続を行わせ、当該撮像画像と前記正規ユーザの顔画像が一致しないと前記判定部により判定されたとき、前記第1画像に代えて前記表示部に前記第1画像に比して前記第1情報が含まれない第2画像の表示を行わせる制御部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、上記携帯電子機器は、前記制御部に対しての指示の操作がされる操作部を更に備え、前記制御部は、前記表示部に前記第2画像の表示が行われている場合に、前記操作部に対して操作がされたとき、当該操作に基づく指示を受け付けないことが好ましい。
【0011】
また、上記携帯電子機器は、前記制御部は、前記表示部に前記第2画像の表示が行われると、前記撮像部による撮像を停止させることが好ましい。
【0012】
また、上記携帯電子機器は、前記制御部は、前記表示部に前記第2画像の表示が行われている場合に、前記操作部により操作がされたとき、前記撮像部による撮像を再開させ、前記撮像部による撮像が再開された場合に、前記判定部を起動させ、撮像を再開した前記撮像部によって撮像された撮像画像と前記正規ユーザの顔画像が一致すると前記判定部により判定された場合、前記第2画像に代えて、当該第2画像が表示される直前に表示されていた画像、または前記第1画像を前記表示部に表示することが好ましい。
【0013】
また、上記携帯電子機器は、前記記憶部は、所定の連絡先を記憶し、前記第2画像は、前記所定の連絡先を示す画像であることが好ましい。
【0014】
また、上記携帯電子機器は、通信部を更に備え、前記記憶部は、所定の連絡先を記憶し、前記制御部は、前記表示部に、前記第2画像の表示が行われている場合に、前記操作部が操作を受け付けたとき、前記通信部を介して、前記記憶部に記憶されている前記所定の連絡先に連絡することが好ましい。
【0015】
また、上記携帯電子機器は、前記操作部から、前記表示部に前記第1画像の表示を行う操作の要求を受け付けると、前記制御部が、前記撮像部および前記判定部を起動させることが好ましい。
【0016】
また、上記携帯電子機器は、自身の位置情報を取得する位置情報取得部を更に備え、前記制御部は、前記表示部に前記第2画像の表示が行われている場合に、所定時間が経過した場合または前記操作部から所定の操作を受け付けたとき、前記位置情報取得部により、自身の位置情報を取得し、前記通信部を介して、前記記憶部に記憶されている前記所定の連絡先に、当該位置情報を通知することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、表示部の視認性を低下させずに正規ユーザの私的情報の漏洩を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る携帯電話装置の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る携帯電話装置の機能を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る携帯電話装置の正規ユーザの私的情報を示さない第2画像を示す図である。
【図4】本発明に係る携帯電話装置に第1画像が表示されている状態から、第2画像が表示される様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る携帯電子機器の一例である携帯電話装置1の外観斜視図を示す。なお、以下では、携帯電話装置について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、撮像機能および通信機能を有するものであれば良く、例えば、PHS(Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン等であっても良い。
【0020】
携帯電話装置1は、操作部側筐体部2と、表示部側筐体部3と、を備えて構成される。操作部側筐体部2は、表面部10に、操作ボタン群11と、携帯電話装置1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイク12と、を備えて構成される。
【0021】
操作ボタン群11は、各種設定やインターネット機能やメール機能等の各種機能を動作させるための機能設定操作ボタン13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作ボタン14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン15と、から構成されている。
【0022】
また、表示部側筐体部3は、表面部20に、各種の情報を表示するためのディスプレイ21と、通話の相手側の音声を出力する音声出力部22と、被写体を撮像するCCD(Charge Coupled Device)カメラ等により構成される撮像部23と、音楽等を外部に出力するスピーカ24と、を備えて構成されている。なお、本実施の形態においては、撮像部23は、表示部側筐体部3の表面部20に配置されているが、配置位置はこれに限られず、表面部20に対向する方向の被写体を撮像可能な位置であれば良い。
【0023】
また、操作部側筐体部2の上端部と表示部側筐体部3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話装置1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とが互いに開いた状態(開放状態)にしたり、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とが折り畳まれた状態(折畳み状態)にしたりできる。
【0024】
なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話装置の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話装置の形態としては特にこれに限られず、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3との重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)等であっても良い。
【0025】
このように構成される携帯電話装置1は、ディスプレイ21に、この携帯電話装置1の正規ユーザの私的情報を示す第1画像が表示される、または表示されている場合に、撮像部23により撮像された画像が、正規ユーザのものであると判定したとき、ディスプレイ21に第1画像の表示または表示の継続を行わせ、撮像部23により撮像された画像が、正規ユーザのものでないと判定したとき、ディスプレイ21に正規ユーザの私的情報を示さない第2画像の表示を行わせる機能を有している。
【0026】
上述した機能を発揮するための構成について、図2を用いて説明する。携帯電話装置1は、図2に示すように、操作ボタン群11と、ディスプレイ21と、撮像部23と、記憶部31と、判定部32と、制御部33と、通信部34と、位置情報取得部35と、座標検出部36と、を備える。
【0027】
記憶部31は、電源を供給しなくても記憶を保持できる不揮発性メモリ等により構成されている。記憶部31は、例えば、第1記憶部31aと、第2記憶部31bと、第3記憶部31cと、から構成される。
【0028】
第1記憶部31aは、正規ユーザの私的情報を示す第1情報を記憶する。ここで、正規ユーザの私的情報を示す第1情報とは、例えば、正規ユーザのメールに係る情報や、アドレス帳に係る情報を示す。これら第1情報は、ディスプレイ21に表示されるために、第1画像へと画像変換される。すなわち、正規ユーザの私的情報を示す第1画像とは、所定の機能により使用される情報が画像変換されたものをいう。なお、第1画像は、第1情報が画像変換された画像が一部含まれている画像であってもよい。
【0029】
第2記憶部31bは、図3に示されるような、正規ユーザの私的情報を示さない第2情報を記憶する。そして、第2情報は、第1情報と同様に、第2画像としてディスプレイ21に表示される。この第2画像は、第2情報より構成されるので、第1画像に比して、第1情報が含まれない画像である。第3記憶部31cは、携帯電話装置1の正規ユーザの顔画像および所定の連絡先を記憶する。
【0030】
判定部32は、撮像部23により撮像された撮像画像が、携帯電話装置1の正規ユーザの顔画像に一致するか否かを判定する。具体的には、判定部32は、撮像部23により撮像された撮像画像が、第3記憶部31cに記憶されている携帯電話装置1の正規ユーザの顔画像と完全一致または所定の割合以上で部分一致する場合、当該撮像画像が正規ユーザの顔画像に一致すると判定し、不一致または所定の割合未満で部分一致する場合、当該撮像画像が正規ユーザの顔画像に一致しないと判定する。
【0031】
制御部33は、ディスプレイ21に対する画像の表示制御を行う。具体的には、制御部33は、ディスプレイ21に、第1記憶部31aに記憶されている正規ユーザの私的情報を示す第1画像が表示される、または表示されている場合に、撮像部23により被写体を撮像させる。続いて、制御部33は、撮像部23により撮像された撮像画像と正規ユーザの顔画像が一致すると判定部32により判定された場合、ディスプレイ21に第1画像の表示または表示の継続を行わせる。また、制御部33は、撮像部23により撮像された撮像画像と正規ユーザの顔画像が一致しないと判定部32により判定された場合、ディスプレイ21に第2画像の表示を行わせる。
【0032】
したがって、携帯電話装置1は、この携帯電話装置1の正規ユーザが使用している場合には、ディスプレイ21に、視認性を低下させることなく正規ユーザの私的情報を示す第1画像を表示させ、正規ユーザが使用していない場合には、ディスプレイ21に、正規ユーザの私的情報を示さない第2画像を表示させるので、ディスプレイ21の視認性を低下させずに正規ユーザの私的情報の漏洩を防止することができる。
【0033】
また、制御部33は、ディスプレイ21に、第2記憶部31bに記憶されている第2画像の表示が行われると、撮像部23による撮像を停止させ、ディスプレイ21に第2記憶部31bに記憶されている第2画像の表示が行われている場合に、操作ボタン群11が操作されたとき、撮像部23による撮像を再開させる。
【0034】
したがって、携帯電話装置1は、ディスプレイ21に、正規ユーザの私的情報を示さない第2画像が表示されている場合に、撮像部23による撮像を停止させるので、第2画像が表示されている状態における撮像部23の消費電力を抑制できる。
【0035】
また、制御部33は、撮像部23による撮像が再開された場合に、判定部32を起動させる。そして、制御部33は、撮像を再開した撮像部23によって撮像された撮像画像と正規ユーザの顔画像が一致すると判定部32により判定された場合、第2画像に代えて、第1画像をディスプレイ21に表示するように制御する。
【0036】
具体的には、制御部33は、撮像部23による撮像が再開し、撮像部23により撮像された撮像画像と正規ユーザの顔画像が一致すると判定部32により判定された場合、第2画像の表示を行わずに、携帯電話装置1に予め設定されている待受画像の表示を行う。そして、制御部33は、操作ボタン群11を介して操作を受け付ける。
【0037】
したがって、携帯電話装置1は、撮像再開後の撮像画像と正規ユーザの顔画像が一致すると判定部32により判定された場合、第2画像の表示を行わずに待受画像の表示を行い、次の操作を受け付けるので、正規ユーザに対する利便性を損なうことなく、正規ユーザの私的情報の漏洩を防止することができる。
【0038】
なお、制御部33は、第2画像の表示を行うディスプレイ21に表示させていた直前の画像を記憶部31に記憶させてもよい。そして、制御部33は、撮像部23による撮像が再開し、撮像画像と正規ユーザの顔画像が一致すると判定部32により判定された場合、第2画像に代えて第1画像の表示を行わずに、記憶部31に記憶させていた直前の画像の表示を行ってもよい。
【0039】
また、制御部33は、第2画像がディスプレイ21に表示されている場合に、ユーザの私的情報の表示を要求するような指示操作を操作ボタン群11が受け付けたとき、当該指示操作を受け付けないようにしてもよい。例えば、制御部33は、第2画像がディスプレイ21に表示されている場合にメールの閲覧要求操作を操作ボタン群11が受け付けたとき、当該要求に応じた制御を行わない。このように構成されることによって、携帯電話装置1に記憶されているユーザの個人情報等が、他人に勝手に覗き見されることを防止することができる。
【0040】
また、第2画像は、所定の連絡先を示す画像である。例えば、第2画像は、図3(a)に示すように、携帯電話装置1に係るサービスを行う事業者の連絡先である。
【0041】
このようにすることで、正規ユーザが携帯電話装置1を紛失した場合、この携帯電話装置1のディスプレイ21には、第3記憶部31cに記憶されている、公的機関の連絡先等の所定の連絡先を示す第2画像が表示される。よって、この携帯電話装置1の拾得者は、第2画像に示される連絡先に連絡することが可能となる。また、例えば、公的機関において、正規ユーザの住所等の連絡先を管理することにより、拾得者からの連絡に応じて、携帯電話装置1の紛失した正規ユーザへの連絡が可能となり、サービスの向上に資することができる。
【0042】
なお、第2画像は、公的機関の連絡先を示す画像の他に、図3(b)に示すように、正規ユーザが外部に発信したい情報を示す画像であってもよい。このようにすることで、正規ユーザは、第2画像を介して、外部に情報を発信することができる。
【0043】
なお、第2画像は、公的機関の連絡先を示す画像の他に、電車の運行情報や天気予報等の情報を示す画像であってもよい。このようにすることで、正規ユーザは、正規ユーザの私的情報の漏洩を防止することができるとともに、外部に有益な情報を発信することができる。
【0044】
通信部34は、メインアンテナ341とRF回路部342とを備えて構成され、所定の通信先と通信を行う。通信部34が通信を行う通信先としては、携帯電話装置1と電話やメールの送受信を行う外部の端末装置や、携帯電話装置1がインターネットの接続を行う外部のwebサーバ等の外部装置が挙げられる。
【0045】
また、制御部33は、ディスプレイ21に、第2画像の表示が行われている場合に、操作ボタン群11が操作を受け付けたとき、通信部34を介して、第3記憶部31cに記憶されている所定の連絡先に連絡する。
すなわち、制御部33は、ディスプレイ21に、第2画像の表示が行われている場合に、操作ボタン群11により操作を受け付けたとき、通信部34を介して、第3記憶部31cに記憶されているメールアドレスに対して、第2画像の表示が行われている内容を示すメールを送信する。
【0046】
ここで、第3記憶部31cに記憶されている所定の連絡先とは、正規ユーザが携帯電話装置1とは異なる装置で内容を確認するためのメールアドレスである。なお、所定の連絡先とは、メールアドレスに限らず、例えば、正規ユーザの自宅の電話番号等の、正規ユーザが携帯電話装置1とは異なる装置で内容を確認するための手段であればよい。
【0047】
したがって、例えば、正規ユーザが紛失した携帯電話装置1が他人に拾得されて、操作ボタン群11が操作を受け付けた場合に、携帯電話装置1は、正規ユーザに対して、第2画像の表示が行われていることを連絡する。よって、正規ユーザは、携帯電話装置1を紛失した場合に、私的情報が漏洩していないことを確認できる。
【0048】
また、制御部33は、操作ボタン群11から、ディスプレイ21に正規ユーザの私的情報を示す第1画像の表示を行う操作の要求を受け付けると、撮像部23および判定部32を起動させる。
【0049】
具体的には、制御部33は、操作ボタン群11から、ディスプレイ21に正規ユーザの私的情報を示す第1画像の表示を行う操作の要求を受け付けると、撮像部23および判定部32を起動させて、判定部32に、撮像部23により撮像された撮像画像が、正規ユーザの顔画像に一致するか否かを判定させる。
【0050】
このようにして、携帯電話装置1は、正規ユーザの私的情報を示す第1画像がディスプレイ21に表示されるタイミングで、撮像部23および判定部32を起動させて、私的情報の漏洩を防止することができる。また、携帯電話装置1は、撮像部23および判定部32を常に起動させないので、撮像部23および判定部32の消費電力を抑制できる。
【0051】
また、制御部33は、ディスプレイ21に第2画像の表示が行われている場合に、所定時間が経過した場合または操作ボタン群11から所定の操作を受け付けたとき、位置情報取得部35により、自身の位置情報を取得し、通信部34を介して、第3記憶部31cに記憶されている所定の連絡先に、この位置情報を通知する。
【0052】
位置情報取得部35は、GPS(Global Positioning System)受信アンテナ351と、GPS回路部352と、を備える。位置情報取得部35は、GPS機能により自身(携帯電話装置1)の位置を示す位置情報を取得する。具体的には、ディスプレイ21に第2画像の表示が行われている場合に、所定時間が経過したとき、または操作ボタン群11から所定の操作を受け付けたときに、GPS受信アンテナ351は、GPS通信のための周波数帯(例えば、1.5GHz)でGPS衛星と通信を行う。そして、GPS回路部352は、GPS受信アンテナ351により受信されたGPS情報に所定の処理を行い、処理後の信号を携帯電話装置1の位置情報として、制御部33に供給する。
【0053】
このようにして、携帯電話装置1は、所定の連絡先に位置情報を通知する。したがって、紛失した携帯電話装置1が他人に拾得されて操作ボタン群11が操作を受け付けられた場合に、正規ユーザは、携帯電話装置1の位置を確認できる。よって、紛失した携帯電話装置1が正規ユーザに戻る可能性を高めることができる。
【0054】
ここで、携帯電話装置1のディスプレイ21に、第1画像が表示されている状態から、第2画像が表示される様子を図4に模式的に示す。図4(a)は、第1画像として、携帯電話装置1の正規ユーザの私的情報を示すメールの内容が、ディスプレイ21に表示されている状態を示す図である。
【0055】
図4(a)の状態において、制御部33は、撮像部23により被写体を撮像させ、撮像画像と正規ユーザの顔画像が一致すると判定部32により判定された場合、ディスプレイ21に第1画像の表示の継続を行わせる。すなわち、撮像画像と正規ユーザの顔画像が一致すると判定部32により判定された場合、制御部33は、ディスプレイ21に、図4(a)に示される第1画像の表示を継続させる。
【0056】
また、制御部33は、撮像画像と正規ユーザの顔画像が一致しないと判定部32により判定された場合、ディスプレイ21に第2記憶部31bに記憶されている第2画像の表示を行わせる。すなわち、撮像画像と正規ユーザの顔画像が一致しないと判定部32により判定された場合、制御部33は、ディスプレイ21に、図4(b)に示される第2画像の表示を行う。なお、図4に示す表示態様は一例であって、これに限られない。
【0057】
座標検出部36は、3軸加速度センサにより構成される。座標検出部36は、3軸加速度センサにより、携帯電話装置1における3軸方向(X,Y,Z)の加速度を検出し、この携帯電話装置1の3次元的な座標を検出する。座標検出部36により検出された座標情報は、制御部33に供給される。
【0058】
また、制御部33は、座標検出部36により供給された座標が所定値以上変化し、かつ、ディスプレイ21に記憶部に記憶されている第1画像が表示される、または表示されている場合に、撮像部23および判定部32を起動させる。
【0059】
このようにすることで、携帯電話装置1では、自身が動かされた事象を検出し、この場合に撮像部23および判定部32を起動させる。よって、携帯電話装置1は、正規ユーザが携帯電話装置1のディスプレイ21と対向しない状態になり、他人がディスプレイ21に表示されている私的情報を確認できる状態においても、私的情報の漏洩を防止できる。
【符号の説明】
【0060】
1 携帯電話装置(携帯電子機器)
11 操作ボタン群(操作部)
21 ディスプレイ(表示部)
23 撮像部
31 記憶部
31a 第1記憶部
31b 第2記憶部
31c 第3記憶部
32 判定部
33 制御部
34 通信部
35 位置情報取得部
36 座標検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部に対向する方向の被写体を撮像する撮像部と、
正規ユーザの顔画像、前記正規ユーザの私的情報を示す第1情報を記憶する記憶部と、
前記撮像部により撮像された撮像画像が、前記正規ユーザの顔画像に一致するか否かを判定する判定部と、
前記表示部に前記記憶部に記憶されている前記第1情報を含む第1画像が表示される、または表示されている場合に、前記撮像部により被写体を撮像させ、前記撮像画像と前記正規ユーザの顔画像が一致すると前記判定部により判定されたとき、前記表示部に前記第1画像の表示または表示の継続を行わせ、当該撮像画像と前記正規ユーザの顔画像が一致しないと前記判定部により判定されたとき、前記第1画像に代えて前記表示部に前記第1画像に比して前記第1情報が含まれない第2画像の表示を行わせる制御部と、
を備える携帯電子機器。
【請求項2】
前記制御部に対しての指示の操作がされる操作部を更に備え、
前記制御部は、前記表示部に前記第2画像の表示が行われている場合に、前記操作部に対して操作がされたとき、当該操作に基づく指示を受け付けないことを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
操作部を更に備え、
前記制御部は、前記表示部に前記第2画像の表示が行われると、前記撮像部による撮像を停止させることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、
前記表示部に前記第2画像の表示が行われている場合に、前記操作部により操作がされたとき、前記撮像部による撮像を再開させ、
前記撮像部による撮像が再開された場合に、前記判定部を起動させ、
撮像を再開した前記撮像部によって撮像された撮像画像と前記正規ユーザの顔画像が一致すると前記判定部により判定された場合、前記第2画像に代えて、当該第2画像が表示される直前に表示されていた画像、または前記第1画像を前記表示部に表示することを特徴とする請求項3に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記記憶部は、所定の連絡先を記憶し、
前記第2画像は、前記所定の連絡先を示す画像であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の携帯電子機器。
【請求項6】
通信部を更に備え、
前記記憶部は、所定の連絡先を記憶し、
前記制御部は、前記表示部に、前記第2画像の表示が行われている場合に、前記操作部が操作を受け付けたとき、前記通信部を介して、前記記憶部に記憶されている前記所定の連絡先に連絡することを特徴とする請求項3または4に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、前記操作部から、前記表示部に前記第1画像の表示を行う操作の要求を受け付けると、前記撮像部および前記判定部を起動させることを特徴とする請求項2または6に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
自身の位置情報を取得する位置情報取得部を更に備え、
前記制御部は、前記表示部に前記第2画像の表示が行われている場合に、所定時間が経過した場合または前記操作部から所定の操作を受け付けたとき、前記位置情報取得部により、自身の位置情報を取得し、前記通信部を介して、前記記憶部に記憶されている前記所定の連絡先に、当該位置情報を通知することを特徴とする請求項6のいずれかに記載の携帯電子機器。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−155528(P2011−155528A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16062(P2010−16062)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】