説明

携帯電子機器

【課題】画像を表示する領域の表面を好適に洗浄することが可能な携帯電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】筐体を備えた携帯電子機器であって、筐体に配置された表示部と、表示部に重畳して配置されたタッチセンサとを備えるタッチパネルと、タッチパネルの動作を制御し、タッチパネルの操作を検出する操作検出モードとタッチパネルを洗浄する洗浄モードとを切り換える制御部と、を有し、タッチセンサは、対向して配置された2枚の板状の板状導電体を備える接触検出部と、接触検出部に電圧を印加し接触検出部に入力される操作を検出するセンサ制御部と、を備え、制御部は、洗浄モードを選択した場合、センサ制御部で接触検出部を超音波周波数で駆動し、2枚の板状導電体を振動させることにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部を備える携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機等の携帯電子機器は、画像を表示する表示部を備える。携帯電話機では、この表示部をレシーバの近傍に配置している。このため、ユーザーが携帯電話機で通話を行うためにレシーバを耳に近付けると、ユーザーの耳や頬が表示部に当たり、表示部が汚れてしまう。また、近年では表示部と操作部の機能を兼ね備えたタッチパネルを備える携帯電子機器もある。タッチパネルは、指等で押して操作を行うため、汚れやすい。
【0003】
ここで、携帯電子機器の汚れの問題を解消する方法としては、携帯電子機器を洗浄する方法がある。例えば、携帯電子機器を洗浄する専用の洗浄装置(特許文献1参照)を用いて携帯電子機器の表示部やタッチパネルを洗浄する方法がある。また、携帯電子機器が備える振動発生器の振動を用いて洗浄を行う装置もある(特許文献2参照)。また、携帯電子機器が備える音出力手段から特定の音を出力させて洗浄を行う装置もある(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−202052号公報
【特許文献2】特開2009−71747号公報
【特許文献3】特開2009−200941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1から3に記載の方法で携帯電子機器を洗浄することで、画像を表示する領域の表面の汚れを一定程度落とすことはできるが、十分に汚れを落とせない場合もある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像を表示する領域の表面を好適に洗浄することが可能な携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、筐体を備えた携帯電子機器であって、前記筐体に配置された表示部と、前記表示部に重畳して配置されたタッチセンサとを備えるタッチパネルと、前記タッチパネルの動作を制御し、前記タッチパネルの操作を検出する操作検出モードと前記タッチパネルを洗浄する洗浄モードとを切り換える制御部と、を有し、前記タッチセンサは、対向して配置された2枚の板状の板状導電体を備える接触検出部と、前記接触検出部に電圧を印加し前記接触検出部に入力される操作を検出するセンサ制御部と、を備え、前記制御部は、前記洗浄モードを選択した場合、前記センサ制御部で前記接触検出部を超音波周波数で駆動し、前記2枚の板状導電体を振動させることを特徴とする。
【0008】
本発明は、筐体を備えた携帯電子機器であって、前記筐体に配置された表示部と、前記表示部に重畳して配置されたタッチセンサとを備えるタッチパネルと、前記タッチパネルの動作を制御し、前記タッチパネルの操作を検出する操作検出モードと前記タッチパネルを洗浄する洗浄モードとを切り換える制御部と、を有し、前記表示部は、前記筐体に配置され画像を表示させる液晶表示パネルおよび前記液晶表示パネルの駆動を制御するパネル駆動部を備え、前記制御部は、前記洗浄モードを選択した場合、前記パネル駆動部で前記液晶表示パネルを超音波周波数で駆動し、前記液晶表示パネルを振動させることを特徴とする。
【0009】
ここで、前記制御部は、前記洗浄モードを選択した場合、前記操作検出モードよりも高い周波数で交流駆動することが好ましい。
【0010】
前記制御部は、前記洗浄モードを選択した場合、前記操作検出モードよりも高い電圧で交流駆動することが好ましい。
【0011】
本発明は、筐体を備えた携帯電子機器であって、前記筐体に配置され画像を表示させる液晶表示パネルおよび前記液晶表示パネルの駆動を制御するパネル駆動部を備える表示部と、前記表示部の動作を制御し、前記表示部に画像を表示させる表示モードと前記表示部を洗浄する洗浄モードとを切り換える制御部と、を有し、前記制御部は、前記洗浄モードを選択した場合、前記パネル駆動部で前記液晶表示パネルを超音波周波数で駆動し、前記液晶表示パネルを振動させることを特徴とする。
【0012】
ここで、所定周波数の音声を発する音声発生部と、前記音声発生部からの発生と異なるタイミングで前記筐体を振動させるバイブレーション部と、前記音声発生部から発せられた第1の音声、前記バイブレーション部の振動から発せられた第2の音声および外部からの入力ノイズによる第3の音声の少なくとも1つを取り込む音声取込部と、をさらに有し、前記制御部は、前記取り込まれた音声の音声レベルと、前記音声の残響時間との少なくとも一つを検出し、検出した測定結果から、前記筐体の周囲環境を判断する周囲環境判断部を有し、前記周囲環境判定部で前記筐体が水中にあることを検出したら、超音波周波数での駆動を開始することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明にかかる携帯電子機器は、画像を表示する領域の表面を好適に洗浄することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、携帯電子機器の一実施形態の概略構成を示す正面図である。
【図2】図2は、図1に示す携帯電子機器の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、タッチセンサの概略構成を示す模式図である。
【図4】図4は、タッチセンサの接触検出部の概略構成を示す模式図である。
【図5】図5は、洗浄モードでのタッチセンサの駆動方法の一例を示す説明図である。
【図6】図6は、洗浄モードでのタッチセンサの駆動方法の一例を示す説明図である。
【図7】図7は、周波数と強度とキャビテーションとの関係を示すグラフである。
【図8】図8は、タッチセンサの他の実施形態の概略構成を示す模式図である。
【図9】図9は、タッチセンサの他の実施形態の接触検出部の概略構成を示す模式図である。
【図10】図10は、洗浄モードでのタッチセンサの駆動方法の一例を示す説明図である。
【図11】図11は、表示部の概略構成を示す模式図である。
【図12】図12は、表示部の他の実施形態の概略構成を示す模式図である。
【図13】図13は、携帯電子機器の動作の一例を示すフロー図である。
【図14】図14は、測定値と基準値との比較結果を示す図である。
【図15】図15は、測定値と基準値との比較結果を示す図である。
【図16】図16は、測定値と基準値との比較結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯電子機器の一例として携帯電話機を取り上げるが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されるものではなく、例えば、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
【0016】
まず、携帯電子機器の外観の構成を説明する。図1は、携帯電子機器の一実施形態の概略構成を示す正面図である。携帯電子機器10は、ここでは無線通信機能を備えた携帯電話機としたが、後述するように、無線通信機能を備えていない携帯電子機器であっても実施することが可能である。また、携帯電子機器10は、1つの箱型形状の筐体11の内部に各部が収納された薄板状の携帯電話機である。筐体11は、少なくとも生活防水仕様となっている。筐体11の表面が水に濡れるか、浅い水深程度なら水没後であっても使用が可能である。なお、本実施形態では、筐体11を1つの薄板状の形状としたが、通常使用時や携帯時でもレシーバ16やスピーカ17の少なくとも一方と、マイク15とが常に外部に露出し、一定距離離間して設けられている筐体であれば、2つの部材をスライドさせる筐体としてもよい。筐体としては、ヒンジで連結された2つの部材で構成した折りたたみ可能な筐体や、3つ以上の部材を連結した筐体も用いることができる。
【0017】
携帯電子機器10は、筐体11の表面に、タッチパネル12と、ボタン13A、ボタン13B及び入力デバイス13Cからなる入力部13と、マイク15と、レシーバ16と、スピーカ17と、が配置されている。タッチパネル12は、板状の筐体11の面積が最も広い面に配置されている。また、入力部13も、筐体11のタッチパネル12が配置されている面の、長手方向の一方の端部に配置されている。入力部13は、短手方向の一方から他方に向かって、ボタン13A、入力デバイス13C、ボタン13Bの順で配置されている。また、マイク15は、筐体11のタッチパネル12が配置されている面の長手方向の一方の端部、つまり、入力部13が配置されている端部に配置されている。また、レシーバ16は、筐体11のタッチパネル12が配置されている面の長手方向の他方の端部、つまり、入力部13が配置されている端部とは反対側の端部に配置されている。また、スピーカ17は、タッチパネル12が配置されている面とは反対側の面に配置されている。また、レシーバ16付近の筐体11内部には、マナーモードの着信時に筐体11を振動させるバイブモータ18が内蔵されている。
【0018】
タッチパネル12は、文字、図形、画像等を表示するとともに、指、スタイラス、ペン(ペンの先端、棒状部材の先端)等(以下、単に「指」という)を用いてタッチパネル12に対して行われる各種動作を検出する。例えば、携帯電子機器10は、ユーザーから文字の入力を受け付けるために、タッチパネル12上に仮想キーボードを表示させる。携帯電子機器10は、タッチパネル12上に仮想キーボードを表示させた状態で、指によってタッチパネル12に入力される各種動作を検出し、仮想キーボードのどのキーが押下されたか、接触されたかを検出し、押下、接触を検出したキーを入力したキーとすることで、文字入力を行うことができる。また、タッチパネル12は、文字の入力によらず、表示させている画像と、指によってタッチパネル12に対して行われる各種動作とに基づいて、各種操作の入力を検出し、入力された操作に基づいて各種制御を行う。
【0019】
入力部13は、ボタン13A、13Bが押下された場合に、押下されたボタンに対応する機能を起動させる。また、入力部13は、入力デバイス13Cに入力された動作も操作として検出し、入力された操作に基づいて各種制御を行う。例えば、入力デバイス13Cは、方向指示操作や決定操作を検出する。入力デバイス13Cは、タッチパッド、光学式入力デバイス、4方及び中央にボタンを備える入力デバイス等で構成される。
【0020】
図2は、図1に示す携帯電子機器の機能の概略構成を示すブロック図である。図2に示すように携帯電子機器10は、タッチパネル12と、入力部13と、マイク15と、レシーバ16と、スピーカ17と、バイブモータ18と、制御部22と、記憶部24と、送受信部26と、音声処理部30と、を有する。
【0021】
タッチパネル12は、表示部12Bと、表示部12Bに重畳されたタッチセンサ12Aとを有する。タッチセンサ12Aは、指を用いてタッチパネル12に対して行われた各種動作を、動作が行われた場所のタッチパネル12上での位置とともに検出する。タッチセンサ2Aによって検出される動作には、指をタッチパネル12の表面に接触させる動作や、指をタッチパネル12の表面に接触させたまま移動させる動作や、指をタッチパネル12の表面から離す動作が含まれる。なお、タッチセンサ12Aは、感圧式、静電式等のいずれの検出方式を採用していてもよい。表示部12Bは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネル等で構成され、文字、図形、画像等を表示する。
【0022】
入力部13は、上述したようにボタン13A、13Bと、入力デバイス13Cと、を有する。ボタン13A、13Bは、物理的な入力(押下)を通じてユーザーの操作を受け付け、受け付けた操作に対応する信号を主制御部10へ送信する。また、入力デバイス13Cも、ユーザーの操作を受け付け、受け付けた操作に対応する信号を制御部22へ送信する。
【0023】
制御部22は、CPU(Central Processing Unit)等の携帯電子機器10の全体的な動作を統括的に制御する処理部である。すなわち、携帯電子機器10の制御部22は、タッチパネル12および入力部13で検出する操作や携帯電子機器10の記憶部24に保存されるソフトウェアによって各種の処理が適切な手順で実行されるように、タッチパネル12の表示部12B、バイブモータ18、送受信部26、音声処理部30等の動作を制御している。携帯電子機器10の各種の処理としては、例えば、回線交換網を介して行われる音声通話、電子メールの作成及び送受信、インターネットのWeb(World Wide Web)サイトの閲覧等がある。また、送受信部26、音声処理部30等の動作としては、例えば、送受信部26による信号の送受信、音声処理部30による音声の入出力、表示部12Bによる画像の表示等がある。また、バイブモータ18の動作としては、例えば、バイブモータ18によるバイブ音の発生等がある。
【0024】
制御部22は、記憶部24に保存されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。制御部22は、例えば、マイクロプロセッサユニット(MPU:Micro Processor Unit)で構成され、前記ソフトウェアで指示された手順にしたがって上述した携帯電子機器10の各種の処理を実行する。すなわち、制御部22は、記憶部24に保存されるオペレーティングシステムプログラムやアプリケーションプログラム等から命令コードを順次読み込んで処理を実行する。
【0025】
制御部22は、周囲環境判断部22aと洗浄制御部22bとを有する。周囲環境判断部22aは、携帯電子機器10の各部で検出した情報と記憶部24に記憶された基準値とを比較することにより、筐体11の周囲環境を判断する。具体的には、周囲環境判断部22aは、マイク15で取得した音声に基づいて筐体11が水中にあるか否かを判断する。
【0026】
制御部22の周囲環境判断部22aは、周囲環境を判断する所定の条件を満たしている場合、周囲環境の判断を一定時間毎に繰り返し、状況の変化に対応して常に最新の周囲環境を把握する。制御部22は、スピーカ17から所定周波数の第1の音声を発生させ、この音声をマイク15で取り込む。そして、制御部22は、音声処理部30に、音声レベルと残響時間(第1の音声が一定のレベル以下に減衰するまでの時間)とを測定させる。また、制御部22は、バイブモータ18を駆動した際に生じる第2の音声をマイク15で取り込んで、音声処理部30により音声レベルを測定させる。さらに、制御部22は、外部からの入力ノイズである第3の音声をマイク15で取り込んで、音声処理部30により音声レベルを測定させる。これにより、周囲環境判断部は、音声処理部30による測定結果と、記憶部24に記憶されている基準値(閾値)とを比較することで、周囲環境を判断する。
【0027】
また、制御部22の周囲環境判断部22aは、フーリエ変換やフーリエ級数を使って関数を周波数成分に分解することによって得られた周波数特性に基づいて、周囲環境を判断することもできる。すなわち、制御部22は、スピーカ17から周波数の異なる複数の音声を発生させ、マイク15で取り込んで、音声処理部30で周波数成分に分解することにより、周波数特性が得られる。周囲環境判断部22aは、得られた周波数特性と、記憶部24に記憶されている周囲環境毎の周波数特性と比較し、最も周波数特性が類似しているものを周囲環境と判断する。
【0028】
さらに、周囲環境判断部22aは、周囲環境毎に異なる第1から第3の音声の音声レベルの大小関係に基づいて周囲環境を判断することもできる。すなわち、周囲環境判断部22aは、音声処理部30で測定された第1から第3の音声の音声レベルの大小関係と、記憶部24に記憶されている周囲環境毎の各音声間の音声レベルの大小関係とを比較し、音声レベルの大小関係が最も類似しているものを周囲環境と判断する。
【0029】
洗浄制御部22bは、タッチパネル12および入力部13で検出する操作や周囲環境判断部22aでの判断結果に基づいて、洗浄モード(クリーニングモード)であるか通常モード(操作検出モード、画像表示モード)であるかを判定する。洗浄制御部22bは、通常モードであると判定した場合、制御部22の他の制御機能により各部の動作を制御させる状態を維持する。また、洗浄制御部22bは、洗浄モードであると判定した場合、タッチパネル12の駆動を制御して、タッチパネル12を超音波駆動し、タッチパネル12の表面および筐体11を洗浄する洗浄動作を実行させる。洗浄制御部22bによる洗浄動作の制御については、後述する。
【0030】
なお、制御部22は、周囲環境判断部22aと洗浄制御部22bとの機能を、アプリケーションプログラムを処理することによって実現しても、予め専用の回路を構成しこの回路を処理することにより実現してもよい。制御部22は、上記以外の制御機能(アプリケーションプログラム)以外にも各種機能を備えている。制御部22は、タッチパネル12の表示部12Bに表示させる画像や、タッチセンサ12Aでの検出動作を制御する制御機能も備える。また、制御部22は、各種ゲームを作動させるゲームアプリケーションプログラム等がある。
【0031】
記憶部24には、制御部22での処理に利用されるソフトウェアやデータが保存されており、音声処理部30により測定された測定結果と比較して周囲環境を判断するためのテーブル情報等が保存されている。また、タッチパネル12の各部を制御するアプリケーションプログラムを作動させるタスクや、各種ゲームアプリケーションプログラムを作動させるタスクなども保存されている。
【0032】
また、記憶部24には、これらのタスク以外にも、例えば、通信、ダウンロードされた音声データ、あるいは記憶部24に対する制御に制御部22が用いるソフトウェア、通信相手の電話番号やメールアドレス等を保存し、管理するアドレス帳、発信音や着信音等の音声ファイル、ソフトウェアの処理過程で用いられる一時的なデータ等が保存されている。なお、ソフトウェアの処理過程で用いられるコンピュータプログラムや一時的なデータは、制御部22によって記憶部24に割り当てられた作業領域へ一時的に保存される。記憶部24は、例えば、不揮発性の記憶デバイス(ROM:Read Only Memory等の不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置等)や、読み書き可能な記憶デバイス(例えば、SRAM:Static Random Access Memory、DRAM:Dynamic Random Access Memory)等で構成される。
【0033】
送受信部26は、アンテナ26aを有し、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。
【0034】
音声処理部30は、マイク15に入力される音声信号、レシーバ16やスピーカ17から出力される音声信号の処理を実行する。すなわち、音声処理部30は、マイク15から入力される音声を増幅し、AD変換(Analog Digital変換)を実行した後、さらに符号化等の信号処理を施して、ディジタルの音声データに変換して制御部22へ出力する。また、制御部22から送られる音声データに対して復号化、DA変換(Digital Analog変換)、増幅等の処理を施してアナログの音声信号に変換してから、レシーバ16やスピーカ17へ出力する。
【0035】
バイブモータ18は、一般的にはマナーモード設定時に着信通知などを振動で知らせるものである。しかし、本実施形態のバイブモータ18は、周囲環境を判断する際の一手段として使用される。つまり、警戒モードが設定されると、制御部22は、バイブモータ18を駆動して筐体11を振動させ、振動から生じる音声をマイク15で取り込み、音声処理部30で音声処理を行い、音声レベルを測定するように制御する。
【0036】
携帯電子機器10は、基本的に以上のように構成されている。本実施形態に係る携帯電子機器10は、このように既存のデバイスのみで構成されているので、新たなデバイスを追加することなく、低コストで周囲環境が判断できる有利な点がある。
【0037】
次に、図3および図4を用いてタッチセンサ12Aの構成について説明する。図3は、タッチセンサの概略構成を示す模式図であり、図4は、タッチセンサの接触検出部の概略構成を示す模式図である。図3に示すようにタッチセンサ12Aは、抵抗膜式のタッチセンサであり、検出素子となる接触検出部50と、制御部22の制御に基づいて接触検出部50の駆動動作、検出動作を制御するセンサ制御部51と、を有する。
【0038】
接触検出部50は、図4に示すように、可撓性フィルム52と、第1導電膜53と、ガラス板54と、第2導電膜55と、ドットスペーサ59と、貼合材60と、を含む。以下、ユーザーの人体の一部(例えば指)や、それ以外の物(例えばペン)を、入力手段Xという。接触検出部50は、外側から内側(図1に示す筐体11の内部側)に向かって順に、可撓性フィルム52と、第1導電膜53と、貼合材60と、第2導電膜55と、ガラス板54とが積層される。
【0039】
可撓性フィルム52は、光を透過する薄膜であり、入力手段から力を受けると撓む。第1導電膜53及び第2導電膜55は、ITO(Indium Tin Oxide)膜である。第1導電膜53は、図3及び図4に示すようにX方向で対向する2つの電極56a、56bを含む。なお、本実施形態では、電極56aがプラス電極(以下プラス電極56aともいう。)となり、電極56bがマイナス電極(以下マイナス電極56bともいう。)となる。また、第2導電膜55は、図3及び図4に示すようにY方向で対向する2つの電極58a、58bを含む。なお、本実施形態では、電極58aがプラス電極(以下プラス電極58aともいう。)となり、電極58bがマイナス電極(以下マイナス電極58bともいう。)となる。貼合材60は、第1導電膜53と第2導電膜55とを接着すると共に、第1導電膜53と第2導電膜55との間に隙間を確保する。ガラス板54は、光を透過する板状部材であり、可撓性フィルム52よりも変形しにくい部材である。ドットスペーサ59は、第1導電膜53と第2導電膜55との間に設けられて、第1導電膜53と第2導電膜55との間の隙間を確保する。なお、接触検出50の第1導電膜53と第2導電膜55とは、電極56と電極58とがセンサ制御部51と接続している。
【0040】
センサ制御部51は、検出駆動回路62と制御回路64と接続部66とを有する。検出駆動回路62は、接触検出部50の第1導電膜53のプラス電極56a及びマイナス電極56bと第2導電膜55のプラス電極58aおよびマイナス電極58bに電圧を印加する。また、検出駆動回路62は、第1導電膜53のプラス電極56aとマイナス電極56bとの間に生じた電圧、第2導電膜55のプラス電極58aとマイナス電極58bとの間に生じた電圧を検出する。検出駆動回路62は、検出した電圧の情報を制御回路64に送る。また検出駆動回路62は、電圧電源と接続しており、電圧電源から供給される電圧を接触検出部50のどの電極に供給するかを切り換えることで接触検出部50の動作を制御する。
【0041】
制御回路64は、接続部66を介して制御部22と接続されており、制御部22から出力される指示に基づいて検出駆動回路62の動作を制御し、検出駆動回路62で検出した情報を取得する。接続部66は、入出力ポートであり、制御回路64と制御部22とを接続し情報の送受信(伝送)を行う。
【0042】
次に、タッチセンサ12Aによる接触の検出動作について説明する。タッチセンサ12Aは、プラス電極56aに電圧が印加されている際に入力手段によって入力点が押されると、第2導電膜55のプラス電極58aとマイナス電極58bとの間に電圧が生じる。この時、第2導電膜55は、入力点のX方向の位置(座標)に対応して、プラス電極58aとマイナス電極58bとの間に生じる電圧が変化する。これは、プラス電極56aとマイナス電極56bとの間に印加された電圧が抵抗分割によって分圧されるためである。検出駆動回路62は、プラス電極56aに電圧が印加されている際にプラス電極58aとマイナス電極58bとの間に生じた電圧を取得することで、入力点PのX方向の位置(座標)を取得する。
【0043】
また、タッチセンサ12Aは、プラス電極58aに電圧が印加されている際に入力手段によって入力点が押されると、第1導電膜53のプラス電極56aとマイナス電極56bとの間に電圧が生じる。この時、第1導電膜53は、入力点のY方向の位置(座標)に対応して、プラス電極56aとマイナス電極56bとの間に生じる電圧が変化する。これは、プラス電極58aとマイナス電極56bとの間に印加された電圧が抵抗分割によって分圧されるためである。センサ制御部51の検出駆動回路62は、プラス電極58aに電圧が印加されている際にプラス電極56aとマイナス電極56bとの間に生じた電圧を取得することで、入力点のY方向の位置(座標)を取得する。
【0044】
また、タッチセンサ12Aは、プラス電極56aとプラス電極58aとの一方に電圧が印加されている際に入力手段によって入力点が押されると、第1導電膜53と第2導電膜55との間に接触抵抗が生じる。この接触抵抗は、入力点に生じる圧力の大きさに対応する。具体的には、入力点Pに生じる圧力が大きくなるほど、第1導電膜53と第2導電膜55との間に生じる接触抵抗が小さくなる。検出駆動回路62は、第1導電膜53と第2導電膜55との間に生じる接触抵抗を取得する。
【0045】
本実施形態の携帯電子機器10は、制御部22の洗浄制御部22bで洗浄モードを実行すると判定したら、タッチセンサ12Aを駆動してタッチパネル12および筐体11の洗浄を行う。なお、携帯電子機器10は、制御部22の洗浄制御部22bで洗浄モードを実行しないと判定したら、通常モードでタッチセンサ12Aを駆動し、上述した処理でユーザーによって入力される操作の検出を行う。
【0046】
ここで、図5および図6は、それぞれ洗浄モードでのタッチセンサの駆動方法の一例を示す説明図である。図5および図6のそれぞれ右側の2つのグラフは、上のグラフが第1導電膜53の電位と時間との関係を示すグラフであり、下のグラフが第2導電膜55の電位と時間との関係を示すグラフである。なお、図5および図6に示す駆動は、筐体11を水につけた状態、つまり携帯電子機器10が水中にある状態で実行される。タッチセンサ12Aは、制御部22の洗浄制御部22bで洗浄モードを実行すると判定され、洗浄を実行する指示が入力された場合、第1導電膜53と第2導電膜55との間の電位差が周期的に変化するように、プラス電極56aとマイナス電極56bとプラス電極58aとマイナス電極58bとに電圧を印加する。
【0047】
例えば、タッチパネル12は、図5に示すように、プラス電極56aとマイナス電極56bとに周期的に変化する電圧を印加し、第1導電膜53の電位を正の方向に変化させる。具体的には、電位0から一定の正の電位まで変化させその後電位0とする。タッチセンサ12Aは、第1導電膜53の電位が0となったら、プラス電極58aとマイナス電極58bとに周期的に変化する電圧を印加し、第2導電膜55の電位を負の方向に変化させる。具体的には、電位0から一定の負の電位まで変化させその後電位0とする。また、タッチセンサ12Aは、第2導電膜55の電位が0となったら、第1導電膜53の電位を上述と同様に変化させる。
【0048】
タッチセンサ12Aは、以上のように、第1導電膜53にプラス電圧、第2導電膜55にマイナス電圧を交互にかけ、第1導電膜53と第2導電膜55との間の電位を周期的に変化させることで、つまり交流駆動することで、圧電効果により第1導電膜53と第2導電膜55とを振動させることができる。また、第1導電膜53と第2導電膜55とを振動させることで、当該振動が伝達する可撓性フィルム52やガラス板54も振動させることができる。
【0049】
また、タッチセンサ12Aは、図6に示すように、プラス電極56aとマイナス電極56bとに印加する電圧の位相と、プラス電極58aとマイナス電極58bとに印加する電圧の位相と、を逆位相とし、第1導電膜53の電圧と第2導電膜55の電圧とが逆位相で変化するように印加する電圧を変化させてもよい。このように、電圧を逆位相で変化させることで、第1導電膜53と第2導電膜55との電位差を、電源電圧の倍の振幅の電位差とすることができる。これにより、同一の電源電圧を用いる場合でも、逆位相で電圧を印加することで、図5に示す場合よりも振動を大きくすることができる。
【0050】
ここで、タッチセンサ12Aは、検出駆動回路62により、第1導電膜53と第2導電膜55とに印加する電圧の周波数を調整することができる。つまり、印加する電圧を周期的に変化させる周波数を変化させることができる。タッチセンサ12Aは、超音波帯域の周波数の電圧を印加することが好ましい。タッチセンサ12Aは、超音波帯域の周波数の電圧を印加することにより、つまり、印加する電圧を超音波帯域の周波数で周期的に変化させることで、タッチセンサ12Aを超音波振動させることができる。
【0051】
携帯電子機器10は、このように、洗浄モードが実行される場合、タッチパネル12のタッチセンサ12Aに印加する電圧を制御し、つまり交流駆動し、タッチセンサ12Aの第1導電膜53と第2導電膜55とを振動させることで、付着物等が発生しているタッチセンサ12Aの表面(タッチパネル12の表面)を直接振動させることができる。これにより、タッチセンサ12Aの表面(タッチパネル12の表面)に付着している汚れを簡単かつ適切に除去、低減することができる。
【0052】
また、携帯電子機器10は、既存のタッチセンサ12Aの構成に、タッチセンサ12Aを振動させるための制御を実行する制御回路またはプログラムを搭載することで実現することができる。これにより既存の形態電子機器10の装置を有効に活用しつつ、タッチパネル12の表面の汚れを適切に除去、低減することができる。
【0053】
ここで、携帯電子機器10は、タッチセンサ12Aの第1導電膜53と第2導電膜55とに超音波帯域の周波数の電圧を印加し、タッチセンサ12Aを超音波振動させることで、タッチパネル12の汚れをより適切に除去、低減することができる。
【0054】
ここで、図7は、周波数と強度とキャビテーションとの関係を示すグラフである。図7は横軸を周波数[Hz]とし、縦軸を超音波強度[W/cm]とした。また、図7に示す線70は、空気で飽和した水の場合にキャビテーションを発生させるための超音波強度と周波数との閾値を示し、線72は、脱気した水の場合にキャビテーションを発生させるための超音波強度と周波数との閾値を示している。図7に示すように、振動の周波数を10kHz以上とすることで、一定強度の以上の超音波強度でのキャビテーションを発生させることができる。これにより、振動の周波数を10kHz以上とすることでタッチパネル12の表面の汚れを適切に除去、低減することができる。また、振動の周波数は、10kHz以上100kHz以下の比較的低周波の超音波とすることが好ましい。振動の周波数を上記範囲にすることで、比較的大きく頑固な汚れを効果に除去、低減することができる。また、超音波強度の設定値を1Wとする場合、50mAの電流でタッチセンサを駆動させていると仮定すると、20Vを印加することで、設定値の超音波強度を出力することができる。したがって、電源電圧としては通常用いる電源を用いることができる。
【0055】
また、洗浄モードのタッチセンサ12Aに供給する電流、電圧、電圧を変調する周波数は、通常モードでタッチセンサ12Aに供給する電流、電圧、電圧を変調する周波数とは異なる範囲の値とすることが好ましい。これにより、洗浄モード以外でタッチセンサ12Aが振動することを抑制することができる。また、洗浄モードのタッチセンサ12Aに供給する電流、電圧は、通常モードで使用する電流、電圧、電圧を変調する周波数とは異なる値の中から、振動が大きくなる電流、電圧、電圧を変調する周波数を携帯電子機器毎に実験的に求め、実験等で求めた値を用いるようにしてもよい。このように機器毎に適切な条件を実験等で算出し、算出した値を用いることで、タッチパネル12の汚れをより適切に除去、低減することができる。
【0056】
なお、制御部22は、洗浄モードを選択した場合、通常モード(操作検出モード)よりも高い周波数で交流駆動することが好ましい。つまり、洗浄モードで使用する電圧を変調する周波数は、通常モードで使用する電圧を変調する周波数よりも高い周波数とすることが好ましい。また、制御部22は、洗浄モードを選択した場合、通常モード(操作検出モード)よりも高い電圧で交流駆動することが好ましい。つまり、洗浄モードで使用する電圧は、通常モードで使用する電圧よりも高い電圧とすることが好ましい。これにより、通常モードでは、低電圧および低周波数の少なくとも一方で駆動し、洗浄モードの場合は、高電圧および高周波数の少なくとも一方で駆動することができる。これにより、各モードに対応した条件とすることができ、また、より長時間使用する通常モードを低電圧および低周波数の少なくとも一方とすることができるため、使用する電力を低減することができる。
【0057】
また、タッチセンサ12Aは、洗浄モードの場合、検出駆動回路62と制御回路64とを、検出駆動回路62の接触を検出する回路のADC(アナログ/デジタル変換器)を通過しない別系統で接続することが好ましい。これにより、タッチセンサ12Aを振動させるために供給している電圧がADCに悪影響を与えることを抑制できる。
【0058】
ここで、上記実施形態では、タッチセンサ12Aとして抵抗膜式のタッチセンサを用いた場合としたがこれに限定されない。タッチセンサを投影型静電容量式タッチセンサとした場合も同様である。
【0059】
以下、図8および図9を用いて、タッチセンサの他の実施形態について説明する。図8は、タッチセンサの他の実施形態の概略構成を示す模式図である。図9は、タッチセンサの他の実施形態の接触検出部の概略構成を示す模式図である。図8に示すようにタッチセンサ12Aは、静電容量型のタッチセンサであり、検出素子となるパネル部82と、制御部22の制御に基づいてパネル部82の駆動動作、検出動作を制御するセンサ制御部83と、を有する。
【0060】
パネル部82は、図9に示すように、絶縁体フィルム82Aと、第1電極層82Bと、第2電極層82Cと、を含む。パネル部82は、外側から内側(図1に示す筐体11の内部側)に向かって順に、絶縁体フィルム82Aと、第1電極層82Bと、第2電極層82Cと、が積層されている。絶縁体フィルム82Aは、光を透過する薄膜であり、筐体11の外側、つまり接触面と第1電極層82Bとの間を絶縁している。第1電極層82Bは、ガラスやプラスチックなどの基板上に多数のモザイク状電極パターンが形成されている。第2電極層82Cも、ガラスやプラスチックなどの基板上に多数のモザイク状電極パターンが形成されている。なお、第1電極層82Bと第2電極層82Cの電極パターンは、ITO等の透明電極で形成されている。つまり、第1電極層82Bと第2電極層82Cの見た目は、透明な板である。また、第1電極層82Bの電極パターンと、第2電極層82Cの電極パターンとは、直交する方向に経形成されている。例えば、第1電極層82Bの電極パターンがY方向に延在するパターンの場合、第2電極層82Cの電極パターンは、X方向に延在するパターンとなる。これにより、パネル部82は、直交する2方向における位置を検出することができる。
【0061】
センサ制御部83は、駆動回路84と検出回路86と制御回路88と接続部89とを有する。駆動回路84は、第1電極層82Bと第2電極層82Cのそれぞれに電圧を印加する。駆動回路84は、電圧電源と接続しており、第1電極層82Bを構成するパターン、第2電極層82Cを構成するパターンのいずれの電極に電圧電源から供給される電圧を供給するかを切り換える。検出回路86は、第1電極層82Bを構成する電極の静電容量の変化、第2電極層82Cを構成する電極の静電容量の変化を検出する。検出回路86は、検出した静電容量の変化の情報を制御回路88に送る。
【0062】
制御回路88は、接続部89を介して制御部22と接続されており、制御部22から出力される指示に基づいて駆動回路84および検出回路86の動作を制御し、検出回路86で検出した情報を取得する。接続部89は、入出力ポートであり、制御回路88と制御部22とを接続し情報の送受信(伝送)を行う。
【0063】
次に、タッチセンサ80による接触の検出動作について説明する。タッチセンサ80は、絶縁体フィルム82Aの表面のいずれかの位置に指等が接触すると、第1電極層82Bと第2電極層82Cのそれぞれで、指等が触れることで生じる接触点付近での静電容量の変化を検出する。具体的には、タッチセンサ80は、第1電極層82Bを駆動側として時系列的に交流電圧を印加する(スキャンする)。このとき第2電極層82Cは、検出側として検出回路86で放電時間の変化時間を検出することで、指等で押下されてコンデンサの放電時間が変化する位置を検出する。また、タッチセンサ80は、第1電極層82Bと第2電極層82Cとの駆動側と検出側を入れ替えて、それぞれの軸方向における位置を検出する。ここで、第1電極層82Bの電極パターンをY方向に延在するパターンとする場合、第1電極層82Bは、静電容量が変化した電極の位置に基づいて、X方向における位置を検出する。この場合、第2電極層82Cの電極パターンはY方向に延在するパターンとなるため、第2電極層82Cは、静電容量が変化した電極の位置に基づいて、Y方向における位置を検出する。これにより、タッチセンサ80は、X方向、Y方向の夫々における接触位置を検出し、タッチセンサ80の平面上における接触位置を検出する。このようにしても検出することができる。また、タッチセンサ80は、複数点での接触も検出することができる。
【0064】
次に、タッチセンサ80の洗浄モードでの動作について説明する。ここで、図10は、洗浄モードでのタッチセンサの駆動方法の一例を示す説明図である。図10の2つのグラフは、上のグラフが第1電極層82Bの電位と時間との関係を示すグラフであり、下のグラフが第2電極層82Cの電位と時間との関係を示すグラフである。タッチセンサ80は、図10に示すように、第1電極層82Bに印加する電圧の位相と、第2電極層82Cに印加する電圧の位相と、を逆位相とし、第1電極層82Bの電圧と第2電極層82Cの電圧とが逆位相で変化するように印加する電圧を変化させる。なお、タッチセンサ80は、第1電極層82Bを構成する電極パターンの全域に同一の電圧を印加し、第2電極層82Cを構成する電極パターンの全域に同一の電圧を印加する。
【0065】
タッチセンサ80は、このように、第1電極層82Bと第2電極層82Cに位相が異なる電圧を印加し、第1電極層82Bと第2電極層82Cとの間の電位を周期的に変化させることで、つまり交流駆動することで、圧電効果により第1電極層82Bと第2電極層82Cとを振動させることができる。また、第1電極層82Bと第2電極層82Cとを振動させることで、当該振動が伝達する絶縁体フィルム82Aも振動させることができる。このように、タッチセンサ80のように、静電容量式のタッチセンサを用いた場合でも、交流駆動することで、タッチセンサ80を振動させることができる。これにより、タッチセンサ80の表面に付着している汚れを簡単かつ適切に除去、低減することができる。静電容量式のタッチパネルは、接触の検出に用いる場合通常電圧を全てのパターンに共通で印加しないが、回路構成をまたはプログラムを変更することで、実現することができる。
【0066】
ここで、タッチセンサ80も超音波の周波数で交流駆動することが好ましいことは上述と同様である。また、電圧を逆位相で変化させることで、第1電極層82Bと第2電極層82Cとの電位差を、電源電圧の倍の振幅の電位差とすることができる。これにより、同一の電源電圧を用いる場合でも、逆位相で電圧を印加することで、振動を大きくすることができる。
【0067】
また、タッチセンサ12Aは、検出駆動回路62により、第1導電膜53と第2導電膜55とに印加する電圧の周波数を調整することができる。つまり、印加する電圧を周期的に変化させる周波数を変化させることができる。タッチセンサ12Aは、超音波帯域の周波数の電圧を印加することが好ましい。タッチセンサ12Aは、超音波帯域の周波数の電圧を印加することにより、つまり、印加する電圧を超音波帯域の周波数で周期的に変化させることで、タッチセンサ12Aを超音波振動させることができる
【0068】
また、上記実施形態では、タッチセンサ12Aを振動させる場合として説明したが、表示部を振動させるようにしてもよい。なお、表示部を振動させる構成の場合、当該表示部は、タッチパネルの表示部に限定されず、タッチセンサを備えない表示部とすることもできる。
【0069】
ここで、図11は、タッチセンサの表示部の概略構成を示す模式図である。図11に示す表示部90は、LCD(液晶表示ディスプレイ、Liquid Crystal Display)であり、保護プレート91と、液晶ユニット92と、パネル駆動部102と、を有する。なお図示は省略したが、液晶ユニットの背面には、光源および導光部材とで構成される照明部が配置される。また、パネル駆動部102は、液晶ユニット92の駆動を制御する演算回路である。保護プレート91は、液晶ユニット92を保護する透明な板状の部材である。保護プレート91は、所定の剛性を備え、ガラス、プラスチック等で構成される。
【0070】
液晶ユニット92は、偏光板93と、ガラス基板94と、カラーフィルタ95と、第1電極層96と、液晶層97と、第2電極層98と、ガラス基板99と、偏光板100と、を含む。液晶ユニット92は、外側から内側(図1に示す筐体11の内部側)に向かって順に、偏光板93と、ガラス基板94と、カラーフィルタ95と、第1電極層96と、液晶層97と、第2電極層98と、ガラス基板99と、偏光板100とが積層される。
【0071】
偏光板93と偏光板100とは、光を偏向する部材である。ガラス基板94は、透明の板状部材であり、一方の面カラーフィルタ95が形成されている。カラーフィルタ95の表面には第1電極層96が形成されている。他方の面にカラーフィルタ95が形成されている。また、ガラス基板99は、透明の板状部材であり、一方の面に第2電極層98が形成され、他方の面に偏光板100が形成されている。また、液晶層97は、第1電極層96と第2電極層98とで挟まれている。液晶層97は、2枚の配向膜で挟まれた空間に液晶が充填されている。また、2枚の配向膜の間にはスペーサも配置されている。液晶層97に充填されている液晶は、第1電極層96と第2電極層98とから電圧を印加されるか否かで、光を透過する状態と光を透過しない状態とに変化する。第1電極層96と第2電極層98とは、液晶層のセル(画素)に対応するパターンが形成されており、パターンを構成する画素毎に印加する電圧を変えることができる。
【0072】
表示部90は、以上のような構成であり、パネル駆動部102が制御部22から供給される画像信号に基づいて、第1電極層96と第2電極層98のそれぞれの画素に印加する電圧を切り換え、液晶層の状態を制御することで、表示制御を行う。
【0073】
本実施形態の携帯電子機器10は、制御部22の洗浄制御部22bで洗浄モードを実行すると判定したら、表示部90を駆動して表示部90を振動させることもできる。具体的には、上述したタッチセンサの場合と同様で、第1電極層96の全面に交流電圧を印加し、第2電極層98の全面に第1電極層96に印加する電圧とは異なる位相の交流電圧を印加し、第1電極層96と第2電極層98との間の電位差を変化させる。これにより、表示部90は、圧電効果により、第1電極層96と第2電極層98とが振動する。また、液晶ユニット92を振動させることで保護パネルも振動させることができる。このように、タッチセンサに変えて表示部90を振動させることでも上記と同様の効果を得ることができる。
【0074】
ここで、図12は、表示部の他の実施形態の概略構成を示す模式図である。表示部90は、図12に示すように、液晶ユニット92と保護プレート91とを容量結合することが好ましい。これにより、液晶ユニット92よりも表面側に配置された保護プレート91に好適に振動を伝達することができ、表面に露出している保護プレート91を振動させ、汚れを除去、低減することができる。なお、保護プレート91と液晶ユニット92との間は、空間がなく接着されていても、空間があってもよい。また、保護プレート91は、アクリルやポリカーボネイト等の薄い合成樹脂が用いられることが好ましい。これにより保護プレート91と導電性がなくても静電気を帯びやすい液晶ユニット92とを適切に容量結合(容量性カップリング)することができる。
【0075】
なお、図12でた、液晶ユニットと保護プレートと容量結合したが、表示部の表示面側にタッチセンサを配置する場合、表示部の液晶ユニットとタッチセンサとを容量結合するようにしてもよい。これにより、表示部を振動させることで表面側のタッチセンサも適切に振動させることができる。
【0076】
次に、図13を用いて、携帯電子機器の洗浄モードにおける処理動作について説明する。ここで、図13は、携帯電子機器の動作の一例を示すフロー図である。なお、携帯電子機器10は、ユーザーが操作を行うことで、洗浄モードを実行する。携帯電子機器10は、ユーザーが選択モードの実行を選択したら、図13に示す処理を開始する。なお、図13に示す処理は、基本的に制御部22が周囲環境判断部22aと洗浄制御部22bで種々の処理を実行することで実現される。携帯電子機器の制御部22は、周囲環境判断部22aで処理を行うことで、水中にいるかを判定し、水中にいると判定したら洗浄制御部22bによりタッチパネルを振動させ洗浄を行う。
【0077】
携帯電子機器10の制御部22は、ステップS12として、ユーザーに通知する。具体的には、選択モードを実行するために携帯電子機器10を水の中に入れること旨をユーザーに通知する。より具体的には、「水を張った容器に入れてください」等のメッセージを表示または音声出力する。また、水に洗剤を投入する旨や表示画面が完全に水没するように旨の指示を表示あるいは音声出力してもよい。
【0078】
制御部22は、ステップS12で通知を行ったら、ステップS14としてスピーカ17より音出力を行い、マイク15の入力を開始する。つまり、スピーカ17から音を出力する処理を開始し、マイク15で音を検出する処理を開始する。なお、制御部22は、スピーカ17からマイク15で検出可能な音を出力する。また、音はレシーバ16から出力してもよい。また、スピーカ17から出力する音は、連続でも断続的にでもよく、ステップS12で通知に用いる音でもよい。
【0079】
制御部22は、ステップS14の処理を行ったら、ステップS16として、カウンタ<P>のカウントを開始する。なお、カウンタ<P>は、ステップS16では0である。制御部22は、ステップS16でカウントを開始したら、ステップS18としてマイク入力レベル≦空気中レベルであるかを判定する。制御部22は、ステップS18の判定を周囲環境判断部22aにより判定を行う。
【0080】
図14から図16に示すテーブルを用いて、周囲環境判断部22aにより筐体11の周囲環境を判断する例、具体的には、水中にいるか空気中にいるかを判断する例について説明する。ここで、図14から図16は、測定値と基準値(閾値)との比較結果を示す図であり、3種類の測定値に対してそれぞれ1つずつ定められた閾値と比較することにより、周囲環境が外(屋外)か水中かを判断するテーブルである。
【0081】
まず、周囲環境判断部22aは、図14に示すように、音声処理部30の測定結果である残響時間(Trx)と、記憶部24から読み出した閾値(Trth)とを比較する。これは、スピーカ17から発した所定周波数の音声(自発音)をマイク15で取り込む際に、周囲環境によって残響時間が変化することを利用したものである。外では、発した音声が拡散し易いため、減衰率が高く、残響時間が短くなる。水中では、外ほど音声が拡散しないため、外に比べて残響時間が長くなる。周囲環境判断部22aは、記憶部24に記憶された両環境を判別するための閾値(Trth)を読み出して比較する。つまり、周囲環境判断部22aは、測定値の残響時間(Trx)が閾値(Trth)と同じか閾値よりも小さい場合、外と判断する。逆に、周囲環境判断部22aは、測定値の残響時間(Trx)が閾値(Trth)よりも大きい場合、水中と判断する。
【0082】
また、周囲環境判断部22aは、図15に示すように、音声処理部30の測定結果である入力ノイズレベル(Nx)と、記憶部24から読み出した閾値(Nth)とを比較する。これは、外部から入力されるノイズ音をマイク15で取り込むため、外部ノイズの多い環境か否かによって周囲環境を判断するものである。外では、風の音、都会の雑踏、動物の鳴き声などの入力ノイズが溢れているため、ノイズレベルが高くなる。水中では、外ほど入力ノイズが多くないため、外に比べてノイズレベルが低くなる。周囲環境判断部22aは、記憶部24に記憶された両環境を判別するための閾値(Nth)を読み出して比較する。つまり、周囲環境判断部22aは、測定値の入力ノイズレベル(Nx)が閾値(Nth)と同じか閾値よりも小さい場合、水中と判断する。逆に、周囲環境判断部22aは、測定値の入力ノイズレベル(Nx)が閾値(Nth)よりも大きい場合、外と判断する。
【0083】
また、周囲環境判断部22aは、図16に示すように、音声処理部の測定結果であるバイブ音レベル(Vx)と、記憶部24から読み出した閾値(Vth)とを比較する。これは、バイブモータ18の振動から発したバイブ音をマイク15で取り込むため、バイブ音以外の音が溢れているか否か、またバイブ音が伝わり易いか否かによって周囲環境を判断するものである。外では入力ノイズが溢れているため、バイブ音レベルが低く検出される。水中では、外ほど入力ノイズが多くなく、バイブ音が伝わり易いため、外に比べてバイブ音レベルが高く検出される。周囲環境判断部22aは、記憶部24に記憶された両環境を判別するための閾値(Vth)を読み出して比較する。つまり、周囲環境判断部22aは、測定値の入力ノイズレベル(Vx)が閾値(Vth)と同じか閾値よりも小さい場合、外と判断する。逆に、周囲環境判断部22aは、測定値の入力ノイズレベル(Vx)が閾値(Vth)よりも大きい場合、水中と判断する。
【0084】
図13に戻り説明を続ける。制御部22は、ステップS18でマイク入力レベル≦空気中レベルではない(No)、マイク入力レベルが閾値より大きく携帯電子機器10が水中にいないと判定したら、ステップS20としてカウンタをカウントアップするかを判定する。なお、制御部22は、カウンタ<P>のPが一定値以上のとなった場合、カウントアップを行わない判定する。制御部22は、ステップS20でカウントアップする(Yes)と判定したら、ステップS22としてカウンタ<P>のPをP+1とする。つまりカウンタ<P>のカウントをアップさせる。その後制御部22は、ステップS18に進む。
【0085】
制御部22は、ステップS20でカウントアップしない(No)と判定したら、ステップS23としてユーザーに通知して、本処理を終了する。なおユーザーへの通知としては、携帯電子機器10が水中にあることが確認できなかったため、洗浄処理を中止することを示すメッセージを表示または音声出力する。
【0086】
制御部22は、ステップS18でマイク入力レベル≦空気中レベルである(Yes)、つまりマイク入力レベルが閾値以下であり携帯電子機器10が水中にあると判定したら、ステップS24として、カウンタ<P>のカウントをクリアし、つまりカウンタ<P>のカウントを0とする。その後制御部22は、ステップS26として、クリーニング動作(洗浄動作)を開始する。つまり、制御部22は、洗浄制御部22bによりタッチパネル12の動作を制御し、上述したようにタッチパネル12を振動、より好ましくは超音波周波数位置で振動させる。
【0087】
制御部22は、ステップS26でクリーニング動作を開始したら、ステップS28として、カウンタ<C>のカウントを開始する。なお、カウンタ<C>は、ステップS28では0である。なお、制御部22は、ステップS28でカウントを開始したら、ステップS30としてマイク入力レベル≦空気中レベルであるかを判定する。制御部22は、ステップS30の判定を周囲環境判断部22aにより判定を行う。
【0088】
制御部22は、ステップS30でマイク入力レベル≦空気中レベルではない(No)、
つまりマイク入力レベルが閾値より大きく携帯電子機器10が水中にいないと判定したら、ステップS31として、クリーニング動作を終了(中断)し、ステップS12に進む。つまり制御部22は、携帯電子機器10が洗浄途中で水中からだされたと判定して、ステップS12の処理を行い、携帯電子機器10を水中に入れるようにユーザーに通知する。
【0089】
制御部22は、ステップS30でマイク入力レベル≦空気中レベルである(Yes)、つまりマイク入力レベルが閾値以下であり携帯電子機器10が水中にあると判定したら、ステップS32としてカウンタをカウントアップするかを判定する。なお、制御部22は、カウンタ<C>のPが一定値以上のとなった場合、カウントアップを行わない判定する。制御部22は、ステップS32で、カウントアップする(Yes)と判定したら、ステップS34としてカウンタ<C>のCをC+1とする。つまりカウンタ<C>のカウントをアップさせる。その後制御部22は、ステップS30に進む。なお、制御部22は、ステップS30からステップS34の処理を一定時間間隔で行う。これにより、洗浄を一定時間行ったらカウンタが一定回数となり、一定時間の洗浄を行うことができる。
【0090】
制御部22は、ステップS32でカウントアップしない(No)と判定したら、ステップS36として、クリーニング動作を終了し、つまり、タッチパネル12の振動を停止し、ステップS38としてユーザーに通知し、本処理を終了する。なお、制御部22は、ステップS38でクリーニングが終了したことをユーザーに通知する。
【0091】
携帯電子機器10は、以上のように洗浄を実行することで、水中に入ったかを自動で的確に判定することができる。また、携帯電子機器10が備えている機器を用いて判定を行えるため、装置構成を簡単にしつつ、判定を実行できる。また、洗浄中も水中にいるかを判定することで、水中から出た場合に速やかにタッチパネル12の振動を停止することができる。
【0092】
また、上記実施形態では、周囲環境を判断する際に、スピーカ17から所定周波数の音声を発生させ、これをマイク15で取り込むようにしたが、使用する音声周波数が必ずしも人間の可聴帯域内(約20Hz〜20000Hz)である必要はない。上記のような洗浄時は、周囲環境を判断していることを報知する必要はあるため、人間の可聴帯域外の音波を使用することがより望ましい。その場合、人間の可聴帯域外の音波を発振可能なレシーバ16、スピーカ17、もしくは不図示のサウンダ等を搭載させる。
【0093】
また、上記実施形態では、周囲環境を判断する際に、スピーカ17から所定周波数の音声を発生させるとしたが、特別な音声を用意する必要はなく、通常の着信音程度の音声や防犯ブザーの音声等を利用して周囲環境を判断することももちろん可能である。
【0094】
また、上述では超音波周波数での交流駆動を例に述べたがこれに必ずしも限定されない。例えば超音波周波数でのパルス波による駆動でもよい。
【符号の説明】
【0095】
10 携帯電子機器
11 筐体
12タッチパネル
12A タッチセンサ
12B 表示部
13 入力部
13A、13B ボタン
13C 入力デバイス
15 マイク
16 レシーバ
17 スピーカ
18 ハイブモータ
22 制御部
22a 周囲環境判断部
22b 洗浄制御部
24 記憶部
26 送受信部
30 音声処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体を備えた携帯電子機器であって、
前記筐体に配置された表示部と、前記表示部に重畳して配置されたタッチセンサとを備えるタッチパネルと、
前記タッチパネルの動作を制御し、前記タッチパネルの操作を検出する操作検出モードと前記タッチパネルを洗浄する洗浄モードとを切り換える制御部と、を有し、
前記タッチセンサは、対向して配置された2枚の板状の板状導電体を備える接触検出部と、前記接触検出部に電圧を印加し前記接触検出部に入力される操作を検出するセンサ制御部と、を備え、
前記制御部は、前記洗浄モードを選択した場合、前記センサ制御部で前記接触検出部を超音波周波数で駆動し、前記2枚の板状導電体を振動させることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
筐体を備えた携帯電子機器であって、
前記筐体に配置された表示部と、前記表示部に重畳して配置されたタッチセンサとを備えるタッチパネルと、
前記タッチパネルの動作を制御し、前記タッチパネルの操作を検出する操作検出モードと前記タッチパネルを洗浄する洗浄モードとを切り換える制御部と、を有し、
前記表示部は、前記筐体に配置され画像を表示させる液晶表示パネルおよび前記液晶表示パネルの駆動を制御するパネル駆動部を備え、
前記制御部は、前記洗浄モードを選択した場合、前記パネル駆動部で前記液晶表示パネルを超音波周波数で駆動し、前記液晶表示パネルを振動させることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記洗浄モードを選択した場合、前記操作検出モードよりも高い周波数で交流駆動することを特徴とする請求項1または2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記洗浄モードを選択した場合、前記操作検出モードよりも高い電圧で交流駆動することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
筐体を備えた携帯電子機器であって、
前記筐体に配置され画像を表示させる液晶表示パネルおよび前記液晶表示パネルの駆動を制御するパネル駆動部を備える表示部と、
前記表示部の動作を制御し、前記表示部に画像を表示させる表示モードと前記表示部を洗浄する洗浄モードとを切り換える制御部と、を有し、
前記制御部は、前記洗浄モードを選択した場合、前記パネル駆動部で前記液晶表示パネルを超音波周波数で駆動し、前記液晶表示パネルを振動させることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項6】
所定周波数の音声を発する音声発生部と、
前記音声発生部からの発生と異なるタイミングで前記筐体を振動させるバイブレーション部と、
前記音声発生部から発せられた第1の音声、前記バイブレーション部の振動から発せられた第2の音声および外部からの入力ノイズによる第3の音声の少なくとも1つを取り込む音声取込部と、をさらに有し、
前記制御部は、前記取り込まれた音声の音声レベルと、前記音声の残響時間との少なくとも一つを検出し、検出した測定結果から、前記筐体の周囲環境を判断する周囲環境判断部を有し、
前記周囲環境判定部で前記筐体が水中にあることを検出したら、超音波周波数での駆動を開始することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−205151(P2012−205151A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68946(P2011−68946)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】