説明

携帯電話操作半自動介護ベッド及び入浴システム

【課題】症状の重い入院患者、寝たきり老人等の看護、介護に有効で便利な多機能付きベッドを最小限のエネルギー消費で提供する。
【解決手段】ベッド基体を構成する長方形の枠体1の両端に回動可能に支持されたベッド本体7と、該ベッド本体7側端部での回動及び前記側端部から略中央部への平行移動が可能に構成された患者等移送用トレーを有し、加えて、IC制御を採用し機能を半自動化し、介護人の携帯電話との結合を図り、利便性を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明は、症状の重い入院患者、寝たきり老人等の看護や介護を容易にし且つその機

能や操作を半自動化する携帯電話操作半自動介護ベッドに関する。

【背景技術】
【0002】

重篤な病気で身動きが不自由になると、介護人の介護が必要となり、そのため病人の介

護を容易にするため、便利な機能を設けた介護用ベッドが普及してきている。通常のベッ

ドを用いた場合、排泄物の処理がしやすいということで、「オムツ」の着用も可なり見受け

られる。近年になって、水洗トイレつきの介護ベッドも出現、寝たままの状態で必要な機

能が利用できるようになってはいるが、患者が十分に使用可能な構造にはほど遠い状態に

ある。とくに、床ずれを防ぐ場合、患者等の体位を数時間動かすことが要求される。オムツ

の着用となると、依然として看護人や介護人の労力や身体的負担が大きく、手間のかか

る割には、患者等の衛生状態を良好に保つことができないという問題があった。介護用ベッド

については、期待されている割には、患者が十分に使用可能な構造までには至ってい

ない。介護用ベッドについては、出願人は、早くから格別な関心を抱いており、既に、実

願昭63−923985号、特開2000−26256及び実開平5−5125により

「システムベッド」を提案している。

【0003】

上述の、本出願人による実開平5−5125の「システムベッド」は、ベッド基体を構

成する長方形の枠の長手方向に沿って配置されており、ベッド使用者(以下、ベッド使用

者39という)の尻部には、尻部マットを配設し、その下方にセットされる排泄物等の処

理、排出機構を有し、且つ、患者等を入浴させるための入浴用サポートトレー及び外部浴

槽等を備えるものであった。出願人は引き続き、改善を加え、1990年11月20日に多機

能システムベッドの名称で、米国特許を得るに至った。これらは、確かに、上記問題を解

消する上では、十分に機能するものであったが、排泄物の処理に手間がかかるという点と洗

浄と乾燥を満遍なく行うという点で改良の余地があった。さらに、患者の入浴については、

迅速に移動させるという点において改良の余地があった。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】

“MULTI−FUNCTIONAL BED FOR ATTENDING TO

THE DAILY HYGIENIC NEED OF AN INFIRM PAT

IENT“ 1990年11月20日出願人により米特許取得。

【非特許文献】
【0005】

実願昭63―923985号、特開2000−262565、実開平5−5125本出願

人により申請。

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】

上述のシステムベッドが、解消できなかった問題、すなわち、手間のかかる排泄物の処

理および洗浄と乾燥をより完璧にすることは第一に解決すべき問題であった。これには、

当然、ベッド基体やそれに配設されるベッド上部本体7(a、b、c)の構造の改良をと

もなう。本発明は、これに必要な諸機能を具備するとともに、さらなる改良を重ね、排泄

物の処理を一層容易にし、新たに尻部の下側に回転ドラムを配設し、洗浄と乾燥をより完

璧にし、これに入浴設備を備え、制御にIC制御器を採用、介護人の携帯電話との結合を

図るなどしてベッド機能の半自動化を達成し、病人、老人等のベッド使用者の要望に十分

に答えるに足るベッド機能及び操作性の向上を可能にするところにある。

【課題を解決するための手段】
【0007】

本発明は、ベッド使用者の尻部の下側に、回転可能に回転ドラム47を配設し、洗浄と

乾燥の完全化を図ったことを最も主な特徴とする。ベッド本体7についていえば、身体を

自由に動かすことが困難な病人、寝たきりの老人等を介護する際に有効な機能を備えたシ

ステムベッドにおいて、ベッド使用者39の下半身を支えるベッド7c、上記ベッド使

用者の中心部分を支持する腰部対応ベッド7bと、上記ベッド使用者39の上半身を支持

する上半身支持ベッド7aとによりを構成するとともに、上記ベッド本体をベッド台25

に回転自在に取り付け、且つ、上記ベッドの上部には、上部温水洗浄装置33を取り付け

可能に構成し、上記腰部対応ベッド7bの下方には下部温水洗浄器50や下部水洗トイレ

を取り付け可能に構成し、上半身支持ベッド7aには、ベッド使用者39の位置を変える

際に用いる公知の機能を供する上半身支持体を取り付け可能に構成した。さらに、上記腰部

対応ベッド7b回転ドラム尻部マット部(58a、58B)の上部にはマジックテープ(登録商標)

により取り外し可能にしたマットを配し、その下方に上記下部温水洗浄装置50や下部

水洗トイレを配置し、水洗トイレを使用可能に構成している。本考案の上記目的は、以上の

の特徴を備えた携帯電話操作半自動介護ベッドにより達成される。

【発明の効果】
【0008】

本発明の携帯電話操作半自動介護ベッドにおいては、通常は、ベッド本体(マット

部7)を水平にしておくことによりベッドとして機能させ、また患者等の状態又は要望に

応じて上記マット部を回動させて、患者等を入浴用サポートトレーに移すことにより、入

浴を可能にした。また、患者等のシャワー(図6を参照)を看護人または介護人の少ない労

力で実行できるようにすることができるものである。新たに、回転可能な乾燥用の尻部マット

部乾燥ドラム47を設けて洗浄や乾燥を万遍なくおこない、こうした機能をさらに完

全にし、正確さを向上させるとともに、患者等の要望する操作上の便益を図るため、公知

のIC制御器、カメラの採用および携帯電話との結合を果たした。本発明は、このように

多様化する使用者の要望に十分応え得るもので、特に、長年の懸案であった、水を扱うた

め、ただれなどを引起しかねない洗浄と乾燥の不備を新たに尻部の下に回転ドラムを用い

ることで、乾燥を万遍なく行うことが可能となり一気に解消させた。さらに、寝たきり状

態の老人の悩みの種であった床ずれ防止にも配慮している。以上、本発明によれば、入浴

の際に使用する患者等入浴用サポートトレー、水洗トイレまで具備する構成とともに、ま

さに、従来類例のない半自動的なシステムベッドを可能にできるという顕著な効果を奏う

するものである。

【図面の簡単な説明】
【0009】

【図1】本発明の携帯電話操作半自動介護ベッドおよび入浴システムの全体構成を示す図 である。
【図2】図1中のラインAの位置の断面図の詳細を示す図である。(上部下部機能使用による大 小便の洗浄中)
【図3】図1中のラインBの位置の断面図の詳細を示す図である。(床ずれ防止操作中)
【図4】尻マット部回転ドラムの平面図である。(尻洗浄中の位置)
【図5】尻マット部の斜視図である。
【図6】シャワー用具の斜視図である。
【図7】ベッド本体の半分の斜視図である。
【図8】床ずれ防止装置の内部図である。
【図9】上部マット7(a、b、c)の回転を動かす機能の一例である。
【図10】図2中ラインHの位置の断面図である。
【図11】人体胴巻きの斜視図である。
【図12】ベッド本体の正面図である。
【図13】腰部対応ベッドの回転ドラムの斜視図である。
【図14】ベッド上部食卓使用中の斜視図である。(略図)
【図15】床ずれ防止操作回転中の斜視図である。(略図)
【図16】ベッド利用入浴システムのトレー取付図である。(裏面図)
【図17】ベッド利用入浴システム、トレー人体接触の斜視図である。
【図18】ベッド利用入浴システム、トレー人体接触の説明図である。
【図19】ベッド利用入浴システム、第18図の足側拡大図である。
【図20】ベッド利用入浴システム、ラインCの断面図である。(入浴トレー無し)
【図21】ベッド利用入浴システム、ラインCの断面図である。(入浴トレー有り)
【図22】ベッド利用入浴システム、トレーのベルト固定接触の側面図である。
【図23】ベッド利用入浴システム、図22の一部の拡大説明図である。(a−b)
【図24】ベッド利用入浴システム、人体トレー端側に移動した図である。
【図25】ベッド利用入浴システム、浴槽入浴中側面図である。
【図26】ベッド利用入浴システム、浴槽入浴中斜視図である。
【図27】ベッド利用入浴システム、ベッド下部の正面図である。
【図28】ベッド利用入浴システム、ラインDの断面図である。
【図29】携帯電話操作半自動介護ベッドの水槽の断面図である。(図30中のラインFの位置)
【図30】携帯電話操作半自動介護ベッドの水槽の平面図である。(図29中のラインEの位置)
【図31】腰部対応ベッドの変形例を示す図である。
【図32】図31中のラインGの位置の断面図を示す図である。
【図33】尻マット部回転ドラム(回転順序 A、B、C、Dの概略説明図)
【図34】入浴時の117室移動レール周辺の説明図a
【図35】入浴時の117室移動レール周辺の説明図b
【図36】入浴時の117室移動レール周辺の説明図c
【図37】入浴時、サポートトレーの固着収納例(レールから外れない構造)
【発明を実施するための形態】
【0010】

以下、添付図面を参照しながら本発明の携帯電話操作半自動介護ベッドの一実施の形態

について説明する。 図1は、本発明の一実施例を示す該介護ベッドの全体構成を示す平

面概要図である。本実施例に係わる携帯電話操作半自動介護ベッドは、枠体1で回転可能

に支持されるベッド上部本体7(a、b、c)とその下側に設けられている水洗トイレ、

排泄物処理設備、さらには、該ベッド本体に後述のように相対的に移動可能に係合し

ている入浴用サポートトレー111から主に構成されている。図12に示すように、上述

のベッド上部本体7(a、b、c)は、ベッドとして使用するための水平状態と、入浴時

に支障にならない位置(垂直状態、手前側が上面)との間で枠体上の軸(図示されていない)

を中心として、約60−90度に移動可能に構成されている。上記ベッド台25の両側中

心部には回転支持軸6a、6bを回転自在に支持するヒンジ孔が縦方向に沿って2個ずつ

形成されており、上記ヒンジ孔に回転制御装置4(4a、4b)を取り付けるとともに、該ベ

ッド本体がベッド台25に装着されている。該回転制御装置4により、上記ベッドの回転

を大きな力を必要としないでおこない、高さの傾きが、調節される。さらに、本ベッド上

部本体7には、患者等の姿勢の変更を可能とする為、複数の部分に分割されたマット7(a、

b、c)が配置されて、各々スチールー67、68等により枠体1に接続され、下側に空間をつ

くり洗浄水をスムースに流すことを可能にしている。また、一つのマットは、さらにその

内側にマットを有し、このマットの下方には、後述するごとき排泄物の破砕機構を備えた

水洗トイレが設けられている。また,上記ベッド上部本体7(a、b、c)には、付属設

備として、床ずれ防止用のベッドの傾斜調節機能4a、4b、上記マットの姿勢制御機能

7a、7c、患者等の用便時等に患者等の下半身部分をカバーする移動式上部洗浄乾燥装

置カプセル32、該上部カプセル32の移動のためのレール22、23等が設けられてい

る。 なお、該上部カプセル内には、図示されていないが、本介護ベッドを使用している

患者等に排泄物の排泄を行わせた場合における、後処理洗浄のための温水供給管および洗

浄後の患者等を乾燥するための温風供給ユニット等が配置されている。

【0011】

図31,32に示すように、本実施の形態ベッド台25には、腰部対応ベッド7b、

上半身支持ベッド7aおよび脚支持ベッド(図示されていない)等が設けられている。そし

て、上記腰部対応ベッド7bについては、体重や病状によって異なるが、その時々の必要

に応じて巻取り機能を作動させ、ベッド使用者の腰部を持ち上げ浮かせ、腰部回転ドラム

47より引き離し、体重による影響を最小限度にし必要な働きを支障なくスムースに行わ

せる。図31は、腰部対応ベッドの変形例を示す。

【0012】

上記移動式上部洗浄乾燥装置カプセル32には水洗トイレとして上部温水洗浄装置33

が取り付けられ、ベッド使用者39の尻が位置する下側には、下部温水洗浄装置50が取

り付けられている。上記上部温水洗浄装置33および下部温水洗浄装置50からベッド使

用者に向けて温水を回転シャワー状に放出することにより、ベッド使用者の身体を洗浄す

るようにしている。その上、ベッド使用者の下半身を洗浄しているときに、洗浄温水が上

半身に飛び散るのを防止するために、該カプセルの端部には、水よけカバーとして水槽上

部垂れビニール18が取り付けられている。

【0013】

上記水よけカバー18は、ゴムまたはビニール系の合成樹脂によって構成されている。

なお、図2においては、ベッド使用者39の腹部にコードヒーター入り胴巻き30を装

着して、ベッド使用者を防水するとともに保温するようにした例を示している(図11参

照)。 人体との接触部には、上部カプセル人体ソフトタッチ接触機能が施されている。

また、このように上部をオープンにしているときに身体を支えるために、床ずれ防止時人

体固定支持収納ベルト9a、13a、16aがそれぞれ腰部対応ベッド7(a、b、c)に配

置されている。

【0014】

また、トイレ用水槽52の底部に溜まる水を排水するために、水中ポンプ55bが配設

されている。これにより、上部温水洗浄装置33からベッド使用者に向けて放出された温

水が該水槽52に溜まった場合には、これを上記水中ポンプ55bによって汲み上げて

排水することができるので、水槽52がオーバーフローしてベッドを載置している室

内を濡らしてしまう不都合は生じない。

【0015】

また、図1に示したように、複数の上部ベッド洗浄ノズル12a−fが配設されている。

これらの上部ベッド洗浄ノズルは、ベッド使用者39と主に腰部対応ベッド7b等との間

を洗浄するために配設されているものであり、ベッド使用者が寝たきり状態になったとき

に使用するものである。

【0016】

本出願では、ベッド使用者39の下半身部から尻部にかけて大小便の排泄後の洗浄と乾

燥について一つの改良を行っている。その全体については、図1に示した。これは、既

に、出願人が提案している方式に代わるもので、図2、図3、図4が示すように、尻部ベ

ッドの下側に尻マット部7bの尻マット回転ドラム47を設け(図4参照)、さらに、これ

に上部温水洗浄回転ノズル34と下部温水洗浄回転ノズル49を配設することを特徴とし

ている。洗浄、乾燥を可能な限り完全にするため、下部洗浄装置50、温風乾燥装置61は

ドラム形に形成されていて、両サイドの尻マット部回転ドラム支えスチールー62a、62

bにより腰部対応ベッド7bの尻回転ドラム枠161内に収まる形で吊られている。この

右のスチールーの外側には、ドラム回転装置60、左のスチールーの外側には、下部温風乾燥

装置61が配設されている。図13の示す構造により、位置a、b、c、dにおいて、乾

燥ドラムが満遍なく回転し、洗浄、乾燥が効率よく達成できる。回転については、反転さ

せるなど用途によって異なった回転方式が考えられる。なお、人体を浮かせ、上記回転ド

ラムを支障なく働かせるための工夫として新たに尻当ゴム布空気クッション、空気口63、

64、股当ゴム布空気クッション、空気口65、66を設けた。病人の大小便処理洗浄

中に尻マット部7bは丁度横側の下側にあり、その時、水洗が可能なので仮に病人が大小

便のお漏らしをしていたとしても、それら関連部位(尻マット部)の水洗いがなされ、衛生

が保たれる。洗浄、乾燥の使用は、大小便の処理時であり、それ以外の時間帯では、該ド

ラムが図中のaまたはcの位置で人体の腰と尻を支えている。回転式には、尻マット部4

7aが濡れているとき、コードヒーターが付いてはいても、乾燥まで多少時間がかかるの

で、その間、湿っていない方が使えるというメリットがある。ただし、人の体重は重いの

で、床ずれを防ぐためには、1日6−7回使用する(図5参照)。この場合、ワイヤと滑車

の働きにより節電が可能。これに対して、従来の公知のものは、洗浄、乾燥および身体を

平時の状態に維持するには、機能が十分でなかっため、製品化の目途がつかない構造で

あった。本改良では、上部温水洗浄回転ノズル34と下部温水洗浄回転ノズル49から温

水が供給され洗浄が満遍なく十分に行われる構造になっている。これと合わせて、回転ド

ラムが柔軟に回転し、体が程よく乾燥される。この様子は、図12中のようにベッド屋根

スチールー94に設定されたカメラでキャッチされ、ベッド使用者は、状態を随時に観察し

つつきめの細かい対応ができる。必要に応じて、介護者は携帯電話93を通して映像を受

け取りそれにより適宜な操作と対処が可能となる。

【0017】

上記の上部、下部洗浄装置33、50においては,既に公知として使用されている皿洗

機等の反復回転式ノズルを用いている。上部、下部乾燥装置36、61もコンビニストア

の手洗い、ファニリーレストランやデパート等の手洗いで用いられている公知の乾燥装置

が好ましい。さらに、前項と関連しては、尻当て補助オプションがあり、体重の重い病人、

体の動きが鈍い病人とそれぞれの状態に合わせて使用できる。また上記尻マット部回転ド

ラム47も同様で、重度、中度、軽度など病人の病状に合わせて回転ドラム尻マット部5

8a、58bの使用も異なってくる。介護ベッドそのものも病状に合わせて製造され、主

体は、注文生産が可能である。大人と子供用、男性と女性用などベッドの使用者の多種多

様なニーズに合わせて製造される。病人の体重が、40kgと100kgでは、使用モーター

ーの馬力数が異なる。

【0018】

先に述べた上半身支持ベッド7aの左、右両側には上半身支持体が配設されている。

該上半身支持体は、ベッド使用者の大きさに合わせて相互に接近させるようにスライドす

ることができる。上半身支持ベッドの働きについては、公知のものによる。(図示されて

いない)

【0019】

上記上半身支持体の使用の際には、これを人体の幅に合わせた所定の位置に固定して、

次いで、毛布等を乗せてベッド使用者39をベルトで止めることにより,床ずれを防止す

るためにベッドを傾斜させたときに(ベッド傾斜操作ワイヤ機構装置4a、4b)、 ベッ

ド使用者がベッドから転落しないように支持する。

【0020】

ベッド台25は種々の形状が考えれれるが、本実施の形態のベッド台25は、その下部

には移動用のキャスター88、89が取りつけられている。

【0021】

次に、本実施の形態における水槽について説明する。本発明においては、水槽と呼ばれ

るものが二つある。ひとつは、水洗トイレ用水槽52、もう一つは、水及び温水保存水槽

146である。水槽52は、汚物の洗浄、排泄物の破砕処理のためのものであり、保存水

槽146は、洗浄のための水や温水を供給、保存するためのものである。該保存水槽14

6に蓄えられた洗浄水は、供給用水中ポンプ55aによってくみ上げられて、上記下部洗

浄装置50に送られる。

【0022】

一方、水洗トイレ用水槽52内には、下部温水洗浄装置50から放出された温水及びベ

ッド使用者から排出された大小便を受け入れる破砕室が設けられている。そして上記破砕

室のモーターによって回転し固形物を破砕する破砕カッターが配設されている。

【0023】

上記破砕カッターによって破砕された排泄物は、破砕室の下端部に設けられたごみ取り

フィルター53を通って汚水室に溜められる。そして、汚水室の液面レベルが、フロート

スイッチ(図示されていない)によって検出され、上記フロートスイッチによって検出され

る液面レベルが所定の値に達すると、水中ポンプ55bが動作して汚水を外に排出する。

【0024】

一方、水及び温水保存槽146は、図29、30が示すように、冷水槽152と温水槽

148を有している。いずれも、プラスチックまたはスチールー製である。両水槽のうち、

温水槽148にはヒーター144が配設されており、水を加熱して温水をつくる。なお公

知の水を瞬間的に通過温水にする螺旋状の温水ヒーターの利用も可。水温はサーモスタッ

ト(図示されていない)によって調節される。

【0025】

また、30図に示すように、上記温水槽148及び冷水槽152内には、水中ポンプ5

5a、55bが配設されている。冷水槽152の水中ポンプからの冷水は、耐圧ホース

153を介して下部の水洗トイレ用水槽52に供給され、排泄物の洗浄に用いられる。ま

た水槽上部垂れビニールその他の洗浄に使われた水も該水槽52に放出される。

【0026】

また、水中ポンプ55aによって吸い上げられた温水は、温水供給用ホース154を介

して上部、下部温水洗浄装置33、50に供給される。本実施の形態のように、温水の利

用と水の利用とを区別することにより、不要に温水が消費されるのを防止することが可能

となり、経費の軽減をすることができる。

【0027】

また、上記温水槽148内に配設されている水中ポンプ55aからの温水は、コードヒ

ーター43が巻かれた温水供給用ホース154を介して上部温水洗浄装置33および下部

温水浄水装置50に供給される。

【0028】

本実施の形態においては、温水槽148の壁面に断熱材143を配設するとともに、コ

ードヒーター43が巻かれた温水供給用ホース154を介して温水を供給することにより、

温水が温水供給用ホース内で冷めるのを防止している。これにより、使用の当初から温か

い温水が供給することができ、温水供給用ホース154内において冷めてしまった温水が

ベッド使用者39に供給されてしまう不都合を防止できる。患者というものは、平常時には、

パンツを用いていない。必要に応じて前当てフンドシを用いる。患者の尊厳を守るため

である。そのため、患者の周辺には温度センサーが配置されている (図示されていない)。

使用中のコードヒーターにもサーモスタットが付いていて温度の自動調整がされている。

【0029】

上記マット7(a、b、c)を洗浄するためには、温水洗浄ノズル12a−fが使用さ

れる。またこれと並んで新たに設けた洗浄パイプ45から流出される水が関連部位を流れ

るように構成されている。このようなマット7(a、b、c)はステンレス板又は硬質合成

樹脂上に保温用ヒーターを内蔵したクッションを載置して構成することができる。

【0030】

図2に示した例では、下部洗浄装置50が破砕室51の左に配置されており、上記下部

洗浄装置50から放出される温水がベッド使用者を洗浄した後、上述した破砕室内に導か

れるようになされている。

【0031】

次に、移動式上部洗浄乾燥装置カプセル32について説明する。これは、ベッド使

用者39の腰部を囲むように半円形状に形成されたカプセルで、ベッド上に配置されてい

る。上記ベッドは、両側が中央部よりも高く構成されていて、ベッド上に落下した水を中

央部に集めて、中央部から下方に落下させるように構成している。

【0032】

上記水及び温水保存水槽152,148には、新たにそれぞれ蓋150,151を設け、

従来出願人に欠けていた上方への熱の消失防止及び保温、さらには、ダストの混入防止等

の対策を施している。

【0033】

次に、上述の入浴用サポートトレー111について説明する。図16に示すように、該

入浴用サポートトレー111は、ベッド本体に対して相対的に移動可能に構成されている。

先ず、通常時(ベッド本体がベッドとして使用されているとき)には、上記入浴用サポート

トレーは、上部ベッド枠体から切り離して、収納される。患者等を入浴させる場合に、上

記入浴用サポートトレーを使用状態にするには、図16が示すように、介護人が入浴用サ

ポートトレーを上部ベッド枠体の後部から取り付け、手動でベッド本体の略中央部まで移

動する。次いで、患者等を図17の左方(反時計方向)に約90度に回動させて上記入浴用

サポートトレー内に移動させる。続いて、患者等を保持した入浴用サポートトレーを図2

4に示す位置まで移動させ、この状態を保ったまま、ベッド本体と入浴用サポートトレー

を反時計方向に約90度回動させ、図25に示す状態にする。かくのごとく、入浴用サポ

ートトレーは、ベッド本体に対して移動可能に構成されている。上述のごとき入浴用サポ

ートトレーの移動動作を可能にするために、入浴用サポートトレーのベッド接合部は特殊

な形状になっている。(図19参照)

【0034】

以上、携帯電話操作半自動介護ベッドシステムの構造と機能について説明したが、入

浴機能付き介護ベッドの場合はその構造が多少異なっている。図22に示すように入浴用

サポートトレー111と上部マット部回転枠(a、b、cを含む)が横側に移動するため

の機能装置が追加されている。また、図8、16に示すように、ベッド中央の床ずれ防止

回転装置室4(4a、4b)には二個のモーターと二個のギア11がはいっている(図示され

ていない)。中央のモーターとギアは床ずれ防止のための回転装置システムであり、もう

一方のモーターとギアは入浴のための上部マット部をレール114を用いて横側へ移動さ

せたり戻したりする機能である。その働きについて、図34、35、36を参照しながら

詳細に説明する。移動レール114は両側にあり、該移動レール114は、入浴時におけ

るベッド本体の移動を安定に保たれるように図った。上記のモーターとギアはボックス

117に配設されており、上側に備えたIC制御室162により自動的に制御されている。

モーターはベッドを回転させる働きをし、164内のギアはモーターとかみ合ってベッド

回転中心軸6aを介してベッドを回転させる(図示されていない)。該中心軸はボルトとナ

ットにより結合、溶接されており、重量のあるベッドの回転に十分耐えられる。他方、1

63にはボックス117を移動するためのモーター、ギア、巻取器が備えられており、ワ

イヤの巻取機能を果たす。具体的には、ワイヤを可逆的に巻き取ることによりボックス自

体が左、右に移動する仕掛けになっていて、入浴時において、ボックスに結合された各部

ベッドを全体的に移動する。なお、ボックスの移動レール167の下側には、ベアリング

ローラーをレールの下部とその両壁面と当接するように配設し、ベッドの重みを支え、移

動の際の動きを滑らかにするように工夫している。また、133は入浴用サポートトレー

補助安定機能を示しており167は上記同様のベアリングローラーで133はその働きに

より、側面的にレール内を移動し、ボックス117の移動を補助し安定させる。図37は

入浴用サポートトレーが移動レールの上に固着収納されている様態を示している。該サポ

ートトレーは、布又はレーザーのカバーで覆い平常に使用される際の外観の見苦しさを防

いでいる。該ベアリングは、回転軸6aの負荷を和らげる役目をしている。なお、反対側

の回転軸6bにモーターとギアとIC制御装置があり、傾斜の度合の調整が可能である。

この他、図27、28の示すベッド使用者39の体重による負荷の対処も講じており、床

ずれ防止のための遥動には滑車等(図32参照)を用い、ベッドに加わる体重の直接の負

荷は、体重に応じて所定の鉄板140を配置して、取付けスチール142に鉄板止めボルト

138で固定して下支えし、これにより、体重はベッドの重さの2.5倍まで支えられ

るものとしている。

【0035】

総じて、本発明は、三つの大きなポイントから成り立っている。すなわち、

イ 携帯電話操作半自動介護ベッド

ロ 尻マット部回転ドラム

ハ ベッド利用入浴システム

イについては、今日まで携帯電話操作可能の半自動介護ベッドは存在しなかった。

ロについては、尻マット部回転ドラム方式を用いたものはなかった。しかし、回

転ドラム方式を用いることによりマット7bの下側の狭い限られた空間を有効に利用する

ことが可能になった。ハについては、従来は、寝たきり老人をお風呂にいれるためには、

病人を持ち上げて簡易風呂に入れていた。そのために二名以上の人力が必要であった。本

携帯電話及び小型パソコン操作半自動介護ベッドと入浴システムは、従来にはなかった機

能を新たに可能にするもので、携帯電話及びパソコンの内部に自動介護ベッドの操作機能

が内蔵されている構造である。病人のベッド上部には、カメラ装置と枕上部横には携帯電

話が設置されており、a 登録番号を押せば、病人の確認ができ、b そのままで、病人との

会話も可能となる。また、パソコンは移動式のものを用い携帯電話の内部に半自動介護ベ

ッドの操作のためのリモコンと合体も可能である(図示していない)。本発明の半自動介護

ベッドの完成により、病人の床ずれ防止、大小便のスムースな洗浄と乾燥、定期的な入浴、

また、週数回の蒸気サウナ風呂による健康保持も可能で、携帯又は小型パソコンの使用に

より介護人の外出や、必要ならば短時間のパートの勤務も可能である。本発明の更なる

特徴は、従来は、別々に用いられてきた介護ベッドと入浴システムの機能を高めるこ

とで、自動介護ベッドの中に入浴システムを組み入れることで、総合的なコストダウン

が可能となり、また、使用モーターと水中ポンプの数を多くすることにより、完全

な半自動化を可能にした。最も難しいのは、生身の人間の大便の処理方法、すなわち、

寝ている時(平常時)と大便の装置を用いる時の手順とその機能であった。ドラム回

転装置60によりその働きが可能となった。本発明により、手軽に介護人一名で病人を

風呂に入れることが可能になった。さらに、ベッドの上部でシャワーやサウナも使用

可能な構造になっていて、ことに、オプションの蒸気利用のミストサウナ装置の働き

は、運動不足の病人にとって発汗効果により体の老廃物を排出でき健康によい。なお、

時々のサウナの使用は、入浴のような複雑な手作業にかかる手間が省けると同時にそ

の費用もずっと安くて済みます。オプションとして追加されるサウナ装置の使用の際

には、乾燥装置内部に水が入らないようにするため蓋をつけることが必要である。過

去において出願人は、介護ベッドについて数件出願しており、軽度から重度まで多様

な病人の看護が可能になった。多機能化しており、平常時の安眠を始め、床ずれ防止(図

15参照)、大小便の排泄、シャワー、サウナ効果、入浴、居ながらにしてテレビ、ビデオ、

音楽を楽しむなど一式あれば同時に多種多様な機能が利用できる。特に、IC制御装置は

病人の介護レベルに応じその使用の可能性が区別されており、軽病人の場合、大小便程度

の簡単な操作では、病人自身が寝ながら押しボタン式操作装置を使用することが可能であ

る。床ずれ防止の操作は、介護人がリモコンまたは携帯電話操作で行う。入浴の場合の操

作は複雑になるが、介護人一名で十分で、殆んどは半ロボット機能が助ける。また、ベッ

ド機能を向上させたので、別途のオプション追加により、病人の飲み物セット装置の取り

付けも可能である。

【0036】

とりわけ、IC制御器の採用により、複雑な操作が可能になった。例えば、病人が身体

を自分自身で動かすことが出来るときは、体位をうつぶせにして小便のみをすることも可

能である。この場合は、洗浄も乾燥装置を用いなくてもよく、合理的な使用方法といえる。

節電、節水も可能である。また、個人がうつぶせ不能なときでも、介護人と病人の会話が

可能なときには、大小便の区別をしてベッドの使用ができ、病人が小便のみのときには、

上部洗浄乾燥装置だけでよく、機能の部分的使用が可能である。また、携帯電話の操作に

より、洗浄方法が、合理的且つ完全になった。すなわち、特に、大小便使用例では、

(イ)尻マット部回転ドラムの開閉、(ロ) 病人の大小便、(ハ) 上、下部からの温水洗

浄、(ニ) 上部、下側からの温風使用、(ホ) 平常の状態に戻すことなどが可能になった。

【0037】

上述のごとく構成された本実施例の動作は、下記の通りである。まず、患者等の入浴を

行う場合の動作を説明する。この場合には、患者等に入浴に適した着衣(バスタオル)を着

せた上で、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)の順序で入浴させる。(1)

入浴用サポートトレー111を使用状態にするに当たり、介護人が手動でベッド上部マッ

ト部の枠1に上記入浴用サポートトレー111を取り付けセットする。図20はトレーを

取り付けていない様態を示している。この際、20図中の符号124の入浴トレー嵌め込

みボルトを該入浴用サポートトレー111の下側の穴に入れる(図示していない)。図21

は、入浴用サポートトレー111が、ベッド上部マット部に取り付けられた様態を示す。ト

レーは符号123の入浴トレー止め外しねじでしっかりと固定されている。(2)図17

に示すように、上記入浴用サポートトレー111をベッド上部マット部の中央へと移動す

る。このとき、病人の下側に座布団等を入れて、体位を浮かし、その下側に安全ベルト1

20を入れてロックする。(3)続いて、図18、22に示すように、ベルトを固定する

ために、手動ハンドル132を回し、ベルト巻取棒122に巻き取り、トレーに人体を完

全に接続させる。(126、127の入浴トレー固定ベルト巻機能((1)、(2))(4)

図23中の上部マット部補助機能128を動かし、上部マット部移動補助ローラー131

を移動レールの中に入れる。外れないための機能ロック(図示していない)を働かせる。こ

の巻取りには、公知の自動車用ベルト巻取りを用いることも可。(5)図24に示すよう

に、中央のモーターとギア室のIC制御によりベッド上部マット部7(a、b、c)をレール

を用いて横端へと移動させる。そして、入浴トレーの角度を直角より所定の角(135度)

にセットしてトレー固定ねじ123で固定する。(6)中央のモーターとギアおよびIC

制御室117は病人の足側と頭側の両サイドに配設されており、入浴の際に必要とされる

機能に合わせてレールを移動させる。ただし、移動の際にかかる過重な体重を支えるため

制御装置機能移動レールを備える。IC制御の働きで、ベッド上部マット部7(a、b、c)

を回転させ上記入浴用サポートトレー111と病人を入浴槽に入れる。入浴槽には、前も

って水中ポンプ55aにより温水が満たされている。入浴用サポートトレー111には

無数の穴が開いており、温水は孔を通してトレーの内に入ってくる。入浴中は、エア枕

138で頭を支える(7)図25、26に示すように、IC制御装置を完全に止めてから

安全ベルト120のロックをはずし、病人の入浴を開始する。温水は耐圧ホース154に

より選択され、シャワー使用も(図6参照)可能。病人の頭や体の洗いの際の給排水は常時、

水中ポンプ55により制御されている。なお、温水保存水槽の温水が十分でない場合は、

公知の家庭用湯沸かし器を使用する。(7)入浴の終了後は、温水をポンプ55bを使っ

て排水すると同時に、入浴用サポートトレーの高さを所定の位置まで上昇、温水を完全に

切ってから,病人の身体をバスタオルで拭き、再び安全ベルト120で人体を固定する。

次いで、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)の逆の手順を経て、

すなわち、(7)、(8)、(9)(10)、(11)、(12)の順序で病人をベッド上

に戻す。入浴用サポートトレーを横端に戻してから止め金123を回してはずす。使用した入浴

用サポートトレー 111及び浴槽118等の清掃は適宜行う。

次に、患者等が用便を行い排泄物の排泄を完了した場合における洗浄動作を説明する。

患者等に排泄物の排泄を行わせる場合には、排泄開始以前の段階において、回転ドラム

47が作動し、開き排泄のための空間をつくる。続いて排泄が行われる。洗浄動作では

(図31、32参照)、既に尻、腰支えサポーター取り付け機能により取り付けられた尻、

腰支えサポーター159、160が尻、腰サポーター巻取機158によって巻き上げられ、

上述の移動式上部洗浄乾燥装置カプセル32内のシャワーパイプから供給される温水と下

部洗浄装置50からの温水により患者等の尻および体の関連部位を洗浄し、これと並行し

て、温水供給管45から供給される温水によりマット7cの洗浄を行う。洗浄終了後は、

前記カプセル32内の温風吹き出し部37から供給される温風により患者等の身体および

マット7a、7bの乾燥を行い、乾燥終了後、回転ドラムの働きにより尻マット部47a

を元の状態に戻し患者等の身体をこれにより支える。これら一連の動作が終了すると、上

述の尻、腰サポーターの巻上げが解除されて、尻、腰支えサポーター159、160を患者等

の身体から退避させる。一方、洗浄水とともに便器本体9内に流入した汚水は、破砕室に

導かれ、破砕手段51によりその中の固形分の破砕が行われる。破砕された微小固形分を

含む汚水は、ストレーナーを通って汚水室に流入し、これが一定量に達したことがフロート

スイッチにより検知されると、排水ポンプ55bが起動されて、汚水が便器外に排出さ

れる。上記実施例によれば、患者等の入浴を行う場合、また、患者等が排泄物の排泄を行っ

た場合における看護人、介護人の操作を簡便にし、その手間を大幅に軽減することが可能となる。

【0038】

次に、携帯電話操作自動介護ベッドの際の表示と操作の一例を示す。

自動介護ベッド携帯表示 携帯電話操作介護人 備考

介護ベッド ボタン押す

ベッド使用しますか

はい いいえ 「はい」を押す

暗証番号を押してください 「番号」を押す 1を押すとすぐに下部
・・・・ (4桁) ドラムが回転して尻
の下に空間ができる。




希望をお選びください 「トイレセットするよ
1トイレ(大小便) 1を押す おしっこしていいよ」声
2床ずれ防止(着用ベルト)

トイレ使用をお選び下さい 2を押す
1大便
2小便のみ

小便使用をセットしました

1−2分間後に洗浄乾燥が
作動します。


上部洗浄乾燥装置を
セットします

はい 「はい」を押す
いいえ

洗浄乾燥装置がセット
されているか映像で御覧下さい

良い 悪い 「良い」を押す

トイレ使用のアナウンス 「トイレ使用の温水が出ます」

次に、病人の病室のベッドの上部にはカメラ装置があり、携帯電話と接続が可能である。

従来は、自動介護ベッドは完成しておらず、また、携帯電話操作するまでには至っていな

かった。介護人が携帯電話のスイッチを押し、4桁の暗証番号を打つと、ロックが解除し

て、病人とベッドが携帯のデスプレーに映し出され、さらに、病人の上部にある大型携帯

装置には、介護人の姿が映り、会話ができます。ここで交わされる会話の一例を示す。

Aおとうちゃん、買い物あと一時間ですむから、あと二時間で帰るね。のどがかわいた。
Bまだいい
Aトイレ使いたい
Bそうね、おしっこだけ
Aわかった、おしっこのセットするね
(上部、下部回転ドラム作動)
Aしてもいいよ
Bするよ おわった

A10秒でシャワー出るからね(上、下洗浄装置作動)
A床ずれのベッド動かす?
B帰ってきてからでいい
A乾燥ももうじき終わるわよ。じゃね、すぐ帰るから!(バイバイの姿)

【産業上の利用可能性】
【0039】

今日に至っても出願人が半自動介護ベッドと名付けるシステムベッドは、沢山の企業や

個人が試みたが、長期製造販売にはならなかった。その理由は、いうまでもなく人体とい

う複雑な機能を持った生きた肉体を対象とするところにあった。システムベッドを使用す

るのは、自由に歩き回ることのできない重症の病人及び体力の衰えた寝たきりに近い老人

である。ことに、このシステムベッドの一般的使用者としては、老人を考えている。老人

の介護の場合、まず考慮すべきは、その状態の多様さである。こうした老人は、殆んどが

病を患っており、その症状は千差万別であり、さらには、身長、体重の差、男女の違いな

ども配慮する必要がある。こうした多様化するニードに対応できるのは、決めの細かい対

応とそれを可能にする、制御器やそれと結合させる携帯電話による操作である。こうした

ことは、発達した先端的電子技術を必要とする。まさに、これなどは、日本のお家芸とい

えないだろうか。他の先進国でもこのような半自動介護ベッドの研究は進められているが、

高額である点、使い勝手は不十分などの理由で、使用者の要望に十分答えてはいるとはいえず、

将来、市場を確保できる可能性は可なり高い。このような、外国の事情を考えると、既

に、1990年多機能システムベッドの名称の下に米国特許を取得している出願人は、海外と

の競争においても抜きん出ており、かなり有利な立場にあるといえる。それ故、この分野で

は、内外市場においても飛躍的成長が期待できる。

【符号の説明】
【0040】

1:ベッド上部マット部回転枠体

2a:ベッド傾斜操作ワイヤ(右側)

2b:ベッド傾斜操作ワイヤ(左側)

3l:ベッド組み立てのボルトとナット

3m:ベッド組み立てのボルトとナット

3n:ベッド組み立てのボルトとナット

3p:ベッド組み立てのボルトとナット

4: ベッド傾斜操作ワイヤ機構装置

4a:ベッド傾斜操作ワイヤ機構装置(右側)

4b:ベッド傾斜操作ワイヤ機構装置(左側)

5:回転ベアリング(点線で表示)

6a:ベッド回転中心軸

6b:ベッド回転中心軸

6an:6aおよび6bの中心軸の通し穴

7a:回転ベッドのマット部姿勢制御機能a(上半身支持ベッド)

7b:回転ベッドのマット部b (腰対応ベッド)

7c:回転ベッドのマット部脚部姿勢制御機能c(脚支持ベッド)

8: 手摺り移動レール

9a:床ずれ防止時人体固定支持収納ベルト

9b:床ずれ防止時人体固定支持ベルト止め機能

9:床ずれ防止時人体固定支持ベルト

10:温水耐圧ホース

11:7cを上下さすモーターとギアと制御室

12a:温水洗浄ノズル

12b:温水洗浄ノズル

12c:温水洗浄ノズル

12d:温水洗浄ノズル

12e:温水洗浄ノズル

12f:温水洗浄ノズル

13a:収納ベルト

13b:ベルト接続止め

17:レーザー及びビニール止め鋲

18:水槽上部垂れビニール

19:食卓テーブル回転軸

20:食卓テーブル

21:回転ベアリング(点線表示)

22:上部洗浄乾燥装置カプセル移動レール

23:上部洗浄乾燥装置カプセル移動レール

24;汚水排出ホース

25:ベッド台(本体の外枠)

26:洗浄水耐圧ホース

27:電源コード

29:レーザー止め鋲

30:温水防止コードヒーター入り胴巻き

31:人体接触部機能止めねじ

32:移動式上部洗浄乾燥装置カプセル

33:上部ベッド温水洗浄装置

34:上部温水洗浄回転ノズル

35:上部洗浄温水

36:上部乾燥装置

37:上部乾燥温風口

38:上部乾燥温風

39:人体

40:下部ベッド洗浄温水

41:下部乾燥温風口

42:尻マット部回転ドラム軸

43:コードヒーター

44:上部ベッドカプセル人体ソフトタッチ接触機能

45:洗浄水パイプ

46:洗浄水

47a:尻マット部

47:尻マット部回転ドラム

48:尻機能回転ドラムの回転方向を示す線

49:下部温水洗浄回転ノズル

50:下部温水洗浄装置

51:大便破砕機構(モーターとカッター等)

52:水槽

53:大便破砕固形汚物止めフィルター

54:水槽台

55a:給水用水中ポンプ

55b:排水用水中ポンプ

56:洗浄水

57:回転ベアリング

58a:回転ドラム尻マット部

58b:回転ドラム尻マット部

59:尻マット部回転ドラム中心軸

60:尻マット回転ドラム装置(モーターとギア等)

61:下部温風乾燥装置

62a:尻マット回転ドラム固定支えスチールー

62b:尻マット回転ドラム固定支えスチールー

63:尻当ゴム布空気クッション

64:尻当ゴム布空気クッション空気口

65:股当ゴム布空気クッション

66:股当ゴム布空気クッション空気口

67:マット7bを支えるスチールー(枠体に接続)

68:マット7bを支えるスチールー(枠体に接続)

69:シャワー用ゴム引き

70:シャワー用ゴム引き空気入口

71:シャワー用ゴム引き空気入口

72a:ベッド本体と結び固める紐

72b:ベッド本体と結び固める紐

72c:ベッド本体と結び固める紐

73:強度増強スチールー

74:強度増強スチールー

75:滑車

76:滑車

77:滑車

78:滑車

79:滑車

80:ワイヤ巻取器(モーター、ギア、巻取機能)

82:ギア

83:ギア回転軸

84:排水ポンプ位置水槽凹み

85:マジックテ−プ(登録商標)

86:胴巻き空気体部分

87:電源コード

88:キャスター

89:キャスター

90:上部洗浄乾燥装置移動線

91:テレビ・カメラ(携帯電話と接続可)

92:天井布

93:携帯電話

94:ベッド屋根スチールー

95:掛毛布等

96:食卓テーブル

97:上部洗浄乾燥装置移動レール

99:キャスター

100:病人被いカバー収納入れ

101:病人被いカバー

110:上部洗浄乾燥装置台

111:入浴用サポートトレー

111b:浴槽内入浴用サポートトレー(点線で表示)

112:入浴用サポートトレーの無数の孔

113:入浴用サポートトレー固定支え(トレーと一体)

114:入浴用サポートトレー移動レール

115:制御室(二組のモーターとギアを含む)移動レール

116:入浴用サポートトレー移動レール固定止め金

117:制御装置室(二組のモーターとギアを含む)、両サイドに有り

118:入浴槽

119:入浴サポートトレーの押し引きの取っ手

120:入浴用トレー移動安全ベルト

121:人体浮かし座布団等

122:入浴トレー付きベルト巻取棒

123:入浴トレー取付け止め外しねじ

123b:浴槽内入浴トレー固定ねじ(点線図)

124:入浴トレー嵌め込みボルト

125:入浴トレー嵌め込みボルトの頭

126:入浴トレー固定ベルト巻取機能(1)

127:入浴トレー固定ベルト巻取機能(2)

128:上部マット部移動補助機能

129:128の部分を動かす回転体

130:117の装置室の移動ローラーと支え棒

131:上部マット部移動補助ローラー

132:人体入浴トレー固定ベルト巻取りハンドル

133:入浴トレー移動補助安定機能

134:制御装置室支え機能移動レール

136:入浴用サポートトレー移動中のバスタオル

137:入浴中の温水の高さ

138:入浴中のエア枕

139:鉄板止めボルト

140:重量調整鉄板

141:鉄板止めボルト穴

142:鉄板取付けスチールー

143:断熱材

144:温水ヒーター

145:温水ヒーター台

146:水及び温水保存水槽

147:ボールタップ(水適量止め)

148:温水槽

150:保存水槽の蓋

151:保存温水槽の蓋

152:冷水槽

153:給水耐圧ホース

154:コードヒーター巻き温水耐圧ホース

156:水及び温水保存水槽台

157:尻腰支えサポーター取付け機能

158:尻腰支えサポーター巻取機

159:尻支えサポーター

160:腰支えサポーター

161:尻回転ドラム枠

162:IC制御室

163:117室移動のワイヤ巻取機能(モーター、ギア、巻取器)

164:ベッド1の回転のモーターとギア(床ずれ防止及び入浴時使用)

165:ボルトとナット(溶接もあり)

166:細いスチールワイヤまたは炭素紐(大物釣り糸可)

167:ベアリングローラー

168:ワイヤの通路

169:ボルトとナット

170:ワイヤ止め機能

171:ワイヤ止めギア

172:ワイヤ巻取器

173:上部モーターの位置(点線)

174:布又はレーザーのカバー(見苦しくないように覆っている)

尻マット部の状態

a: 尻マット使用中である。(A)

b: 洗浄乾燥中である。(B)

c: マット使用中である(C)

d: 洗浄乾燥中である。 (D)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッド基体を構成する長方形の枠体の両端に回動可能に

支持されたベッド本体と、該ベッド本体側端部での回動及び前記側端部から略中央部への

平行移動が可能に構成された患者等入浴用サポートトレー111を有することを特徴とする

携帯電話操作半自動介護ベッド。

【請求項2】
腰部対応ベッド7bのマット7bの一部を取り外し可能に

することにより、その下方に下部温水洗浄装置50や下部水洗トイレを配設して水洗トイレ

を使用可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の携帯電話操作半自動介護ベッド。

【請求項3】
上記下部水洗トイレは、患者等の排泄物を破砕し、

排出するための破砕手段として破砕カッター及びモーターよりなる破砕手段を具備することを

特徴とする請求項2に記載の携帯電話操作半自動介護ベッド。

【請求項4】
上記ベッド本体は、回転支持軸6a、6bを介して上記

ベッド台に回転自在に取り付けられているとともに、回転制御装置6a、6bにより所定の方向

に所定の角度だけ回転可能に構成されていることを特徴とする請求項1−3の何れか1項に記載

の携帯電話操作半自動介護ベッド。

【請求項5】
上記上部温水洗浄装置33及び下部温水洗浄装置50に供給

する温水を温めておくための温水保存水槽146が設けられているとともに該水槽内に溜められ

ている温水を上記温水洗浄装置33及び下部温水洗浄装置50に供給する温水供給用ホース153

にコードヒーターが巻かれていることを特徴とする請求項1−4の何れか1項に記載の携帯電話

操作半自動介護ベッド。

【請求項6】
ベッド本体側端部での回動及び前記側端部から略中央部への

平行移動が可能に構成された患者等入浴用サポートトレー111を有することを特徴とする請求項

1-5の何れか1項に記載の携帯電話操作半自動介護ベッド。

【請求項7】
前記患者等入浴用サポートトレー111とこれに対応する外部

浴槽118とで患者等の入浴設備を構成することを特徴とする請求項6に記載の携帯電話操作半

自動介護ベッド。

【請求項8】
ベッド使用者の尻部の下方に設置された尻マット部47の下部

側に尻部回転ドラム47を設け、尻部を支えるとともに、逆転可能に時計方向の回転を可能にし

大小便終了後、洗浄や乾燥が十分行われるように構成したことを特徴とする請求項1−7の

何れか1項に記載の携帯電話操作半自動介護ベッド。

【請求項9】
ベッド使用者の下半身の上側にカメラ91を設置、関連各部位

を制御するIC制御器を具備し、さらに、携帯電話との結合を図り、これら三つの装置を連動させ、

洗浄にかかわる働きを十分に制御、自動化し且つ、患者等が必要とするすべての操作を可能

にしたことを特徴とする請求項1-8の何れか1項に記載の携帯電話操作半自動介護ベッド。


【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図1】
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【公開番号】特開2013−22032(P2013−22032A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156204(P2011−156204)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000185145)
【Fターム(参考)】