説明

携帯電話機用キーボード

【課題】 従来使用されていた「10個の数字キーからなる携帯電話機のキーボード」による文字入力に際しての「1字あたりの平均キー押し回数が多く面倒で時間もかかり誤入力の可能性も高いキー押し操作をしなければならない欠点」を解消しメール使用者や登録データ入力者に対して「キー押し回数が少なく短時間で正確な入力が可能である入力方法」を提供することを課題とする。
【解決手段】 「三列五段のキー配列からなる文字入力キー群と第四列に配された五段の作業命令キーによって編成されたキーボード」において、1個の文字入力キーを押してもしくは2個の文字入力キーを同時に押して所定の文字入力・記号入力・字種指定等を行ない作業命令キーと文字入力キーを組み合わせての作業命令等を行なうことにより、「キー押し回数が少なく短時間で正確な入力」を可能ならしめ、上記の課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として携帯電話機におけるキーボードに関する発明であるが、もとよりコンピューター・パソコン・ワープロ・電子手帳・電子辞書・通信機器(有線電話・無線機等)・表示器・印字器・その他のキーボードによる入力を行なう電子機器類のいずれにも応用しうるキーボードに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来使用されていた携帯電話機におけるメール入力用や登録データ入力用の文字入力機能に関しては、所定の文字は「1から0までの10個の数字キーによって構成されたキーボードのそれぞれのキーと当該キーの押し回数」に従って割り当てられており、このため、文字入力はこの所定の「1から0までの10個の数字キーのそれぞれのキーと当該キーの押し回数」に従って行なわれていた。
【0003】
この従来使用されていた携帯電話機のキーボードにおけるキー構成と文字入力方法は格別の文献上の指摘を考慮しなければならないほどの特異なものではなく一般的日常的に使用されているほぼすべての携帯電話機において普遍的統一的に採用されているキー構成と文字入力方法である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来使用されていた携帯電話機のキーボードとキー構成に従ってメールや登録データのひらがな入力や英字入力を行なうに際しては、たとえば「『おとこ』の入力」を行なうためには、「『1』キーを連続して5回押し『4』キーを連続して5回押し『2』キーを連続して5回押す」という「1字当たりの平均キー押し回数が多く大変面倒で時間もかかり誤入力の可能性も高い操作をしなければならない欠点」があった。
【0005】
本発明は、上記において指摘したような欠点を解消したキーボードを作製し、もって携帯電話機によるメール使用者や登録データ入力者に対して「キー押し回数が少なく短時間で正確な入力が可能である入力方法」を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のキーボードにおけるキー構成を説明すると、
(1)、本発明は、図2の(1)に示すように、
イ、縦が三列(第一列=あいうえお列・第二列=かきくけこ列・第三列=さしすせそ列)横が五段のキー配列で15個のキーからなる文字入力キー群とその側面(第四列第三段)に配置した1個の濁点キー。
ロ、イの文字入力キー群の側面(第四列=作業命令キー列)に配置した4個の作業命令キーとしての空白キー・変換キー・実行キー・改行キー。
によって構成されたキーボードである。
(2)、各入力キーの固有キー名に関しては、「図2の(1)に示す各キーの割り当て図」において、
1、「あ」の位置に該当するキー名を「あキー」とし、以下同様に「いキー」……「せキー」「そキー」とする。
2、「空」の位置に該当するキー名を「空キー(空白キー)」とし、以下同様に「変キー(変換キー)」「濁キー(濁点キー)」「実キー(実行キー)」「改キー(改行キー)」とする。
【0007】
本発明の使用方法としての「文字・数字の入力方法」について述べると、以下の(1)〜(9)のとおりである。
(1)、「字種指定」については、以下の1〜6のとおりである。
1、『ひらがな』の字種指定は、「あキー」と「いキー」を同時に押す。
2、『カタカナ』の字種指定は、「いキー」と「うキー」を同時に押す。
3、『英小文字』の字種指定は、「かキー」と「きキー」を同時に押す。
4、『英大文字』の字種指定は、「きキー」と「くキー」を同時に押す。
5、『洋数字』の字種指定は、「さキー」と「しキー」を同時に押す。
6、『漢数字』の字種指定は、「しキー」と「すキー」を同時に押す。
(2)、「ひらがなの入力方法」については、以下の1〜9のとおりである。
1、「あキー」と「いキー」を同時に押して字種指定を『ひらがな』とする。
2、『あいうえお・かきくけこ・さしすせそ』の各清音については、「図2の(2)」における該当のキーを押す。
3、『たちつてと・なにぬねの・はひふへほ』の各清音については、「図2の(3)」「図2の(4)」「図2の(5)」における同一段に並んだ2個の同字表示キーを同時に押す。
4、「まみむめも・やゆよ・らりるれろ・わをん」の各清音と撥音については、「図2の(6)」「図2の(7)」「図2の(8)」「図2の(9)」における一段違いに斜めに配された2個の同字表示キーを同時に押す。
5、『がぎぐげご・ざじずぜぞ・だぢづでど・ばびぶべぼ』の各濁音については、「2・3に示した入力方法」に従って『かきくけこ・さしすせそ・たちつてと・はひふへほの該当の字』をそれぞれ入力した後に「濁キー」を押す。
6、『ぱぴぷぺぽ』の各半濁音については、「3に示した入力方法」に従って『はひふへほの該当の字』をそれぞれ入力した後に「濁キー」を押したまま「すキー」を押す。
7、『ぁぃぅぇぉ・ゃゅょ』の各拗音については、「2・4に示した入力方法」に従って『あいうえお・やゆよの該当の字』をそれぞれ入力した後に「濁キー」を押す。
8、『っ』の促音については、「3に示した入力方法」に従って『つの字』を入力した後に「濁キー」を押したまま「すキー」を押す。
9、『ー、。「」』の各記号については、「3に示した入力方法」に従って、
イ、『ー』については、『なの字』を入力した後に「濁キー」を押す。
ロ、『、』については、『にの字』を入力した後に「濁キー」を押す。
ハ、『。』については、『ぬの字』を入力した後に「濁キー」を押す。
ニ、『「』については、『ねの字』を入力した後に「濁キー」を押す。
ホ、『」』については、『のの字』を入力した後に「濁キー」を押す。
(3)、「カタカナの入力方法」については、以下の1〜2のとおりである。
1、「いキー」と「うキー」を同時に押して字種指定を『カタカナ』とする。
2、『カタカナの各字』の入力方法は「ひらがなの入力方法としての(2)における1〜9の入力方法」に準じるものとする。
(4)、「英小文字の入力方法」については、以下の1〜4のとおりである。
1、「かキー」と「きキー」を同時に押して字種指定を『英小文字』とする。
2、『abcdefghijklmno』の各小文字については、「図3の(2)」における該当のキーを押す。
3、『pqrstuvwxyz』の各小文字については、「図3の(3)」「図3の(4)」「図3の(5)」における同一段に並んだ2個の同字表示キーを同時に押す。
4、『.,?!』の各記号については、「図3の(5)」における同一段に並んだ2個の同記号表示キーを同時に押す。
(5)、「英大文字の入力方法」については、以下の1〜2のとおりである。
1、「きキー」と「くキー」を同時に押して字種指定を『英大文字』とする。
2、『英大文字の各字』の入力方法は「英小文字の入力方法としての(4)における1〜4の入力方法」に準じるものとする。
(6)、「洋数字の入力方法」については、以下の1〜2のとおりである。
1、「さキー」と「しキー」を同時に押して字種指定を『洋数字』とする。
2、『1234567890』の各洋数字および『,円年月日』の各記号・各字については、「図3の(6)」における該当のキーを押す。
(7)、「漢数字の入力方法」については、以下の1〜2のとおりである。
1、「しキー」と「すキー」を同時に押して字種指定を『漢数字』とする。
2、『一二三四五六七八九〇』の各漢数字および『十百千万億』の各字については、「図3の(7)」における該当のキーを押す。
(8)、字種指定が「洋数字」と「漢数字」のいずれの場合でも、
1、『昭和・平成・番・号・回』の各漢字の入力は、それぞれ順に「あ・か」「い・き」「う・く」「え・け」「お・こ」の各組み合わせからなる2個のキーを同時に押す。
2、『午前・午後・時・分・秒』の各漢字の入力は、それぞれ順に「か・さ」「き・し」「く・す」「け・せ」「こ・そ」の各組み合わせからなる2個のキーを同時に押す。
3、『+−×÷=』の各記号の入力は、それぞれ順に「あ・さ」「い・し」「う・す」「え・せ」「お・そ」の各組み合わせからなる2個のキーを同時に押す。
(9)、以下の操作によって、字種指定の変更をすることなく異字種入力が可能である。
1、『十百千万億』の各字については、字種指定は『洋数字』のままで「図3の(7)」における該当のキーを押したのち「変キー」を押したまま「しキー」を押す。
2、『円年月日』の各字については、字種指定は『漢数字』のままで「図3の(6)」における該当のキーを押したのち「変キー」を押したまま「しキー」を押す。
3、『英大文字』の各字については、字種指定は『英小文字』のままで「図3の(2)」「図3の(3)」「図3の(4)」「図3の(5)」における該当のキーを押したのち「変キー」を押したまま「しキー」を押す。
【0008】
本発明の使用方法としての「記号の入力方法」について述べると、以下の(1)〜(8)のとおりである。
(1)、「各記号の記号指定」については、以下の1〜6のとおりである。
1、『国字記号』の記号指定は、「うキー」と「えキー」を同時に押す。
2、『英字記号』の記号指定は、「くキー」と「けキー」を同時に押す。
3、『数字記号』の記号指定は、「すキー」と「せキー」を同時に押す。
4、『括弧記号』の記号指定は、「えキー」と「おキー」を同時に押す。
5、『形状記号』の記号指定は、「けキー」と「こキー」を同時に押す。
6、『絵状記号』の記号指定は、「せキー」と「そキー」を同時に押す。
(2)、「国字記号の入力方法」については、以下の1〜3のとおりである。
1、「うキー」と「えキー」を同時に押して記号指定を『国字記号』とする。
2、表示画面において「あキー」から「そキー」までの各キー位置に表示された国字記号としての各記号に該当するキーを押して入力する。
3、ただし、「国字記号」とは、「和文表記に際して一般的に使用される各種の記号」をいう。
(3)、「英字記号の入力方法」については、以下の1〜3のとおりである。
1、「くキー」と「けキー」を同時に押して記号指定を『英字記号』とする。
2、表示画面において「あキー」から「そキー」までの各キー位置に表示された英字記号としての各記号に該当するキーを押して入力する。
3、ただし、「英字記号」とは、「英文表記に際して一般的に使用される各種の記号」をいう。
(4)、「数字記号の入力方法」については、以下の1〜3のとおりである。
1、「すキー」と「せキー」を同時に押して記号指定を『数字記号』とする。
2、表示画面において「あキー」から「そキー」までの各キー位置に表示された数字記号としての各記号に該当するキーを押して入力する。
3、ただし、「数字記号」とは、「数学物理学化学系統の文章表記に際して一般的に使用される各種の記号」をいう。
(5)、「括弧記号の入力方法」については、以下の1〜3のとおりである。
1、「えキー」と「おキー」を同時に押して記号指定を『括弧記号』とする。
2、表示画面において「あキー」から「そキー」までの各キー位置に表示された括弧記号としての各記号に該当するキーを押して入力する。
3、ただし、「括弧記号」とは、「一般的な文章表記に際して使用される括弧や矢印等の各種の記号」をいう。
(6)、「形状記号の入力方法」については、以下の1〜3のとおりである。
1、「けキー」と「こキー」を同時に押して記号指定を『形状記号』とする。
2、表示画面において「あキー」から「そキー」までの各キー位置に表示された形状記号としての各記号に該当するキーを押して入力する。
3、ただし、「形状記号」とは、「一般的な文章表記に際して使用される『形状的特徴を有する印』としての各種の記号」をいう。
(7)、「絵状記号の入力方法」については、以下の1〜3のとおりである。
1、「せキー」と「そキー」を同時に押して記号指定を『絵状記号』とする。
2、表示画面において「あキー」から「そキー」までの各キー位置に表示された絵状記号としての各記号に該当するキーを押して入力する。
3、ただし、「絵状記号」とは、「一般的な文章表記に際して使用される『絵状的特徴を有する印』としての各種の記号」をいう。
(8)、(2)〜(7)における表示画面の更新は、
1、『次画面表示命令』は、「改キー」を押したまま「こキー」を目的画面に至るまで連続的にもしくは必要数だけ押す。
2、『前画面表示命令』は、「改キー」を押したまま「おキー」を目的画面に至るまで連続的にもしくは必要数だけ押す。
【0009】
本発明の使用方法としての「作業命令の入力方法」について述べると、以下の(1)〜(5)のとおりである。
(1)、「文書作成に関する作業命令」の入力方法については、以下の1〜6のとおりである。
1、『空白命令』は、「空キー」を押したまま「さキー」を連続的にもしくは必要数だけ押す。
2、『削除命令』は、「空キー」を押したまま「かキー」を連続的にもしくは必要数だけ押す。
3、『後退命令』は、「空キー」を押したまま「あキー」を連続的にもしくは必要数だけ押す。
4、『実行命令』は、「実キー」を押したまま「せキー」を押す。
5、『取消命令』は、「実キー」を押したまま「けキー」を押す。
6、『改行命令』は、「改キー」を押したまま「そキー」を押す。
(2)、「漢字変換に関する作業命令」の入力方法については、以下の1〜3のとおりである。
1、『漢字変換命令』は、「変キー」を押す。
2、『次候補指定命令』は、「変キー」を押したまま「きキー」を目的字に至るまで連続的にもしくは必要数だけ押す。
3、『前候補指定命令』は、「変キー」を押したまま「いキー」を目的字に至るまで連続的にもしくは必要数だけ押す。
(3)、「全角半角切替に関する作業命令」の入力方法については、以下の1のとおりである。
1、『全角半角切替命令』は、「濁キー」を押したまま「うキー」を押す。
(4)、「カーソル位置移動に関する作業命令」の入力方法については、以下の1〜3のとおりである。
1、『カーソル位置移動命令』は、「濁キー」を押したまま「くキー」を押す。
2、「上移動は『きキー』」「下移動は『けキー』」「左移動は『うキー』」「右移動は『すキー』」をそれぞれ連続的にもしくは必要数だけ押す。
3、『カーソル位置移動解除命令』は、再度「濁キー」を押したまま「くキー」を押す。
(5)、文書作成に際しての表示画面の更新は、
1、『次画面表示命令』は、「改キー」を押したまま「こキー」を目的画面に至るまで連続的にもしくは必要数だけ押す。
2、『前画面表示命令』は、「改キー」を押したまま「おキー」を目的画面に至るまで連続的にもしくは必要数だけ押す。
【0010】
なお、上記における「文字・数字・記号の入力や字種指定・記号指定の入力に際しての文字入力キーにかかわるキー操作」において、所定の組み合わせからなる2個のキーを同時に押し同時に通電させて所定の入力を行なう場合、100分の1秒あるいは1000分の1秒程度の短時間を単位に考えるならば、二本の指が完全に同時にキー押し操作を行ない当該の2個のキーが完全に同時に通電することは通常はありえず、入力操作者がいかに素早く二本の指で同時に当該の2個のキーを押したつもりではあっても、一般的には「当該の2個のキーのいずれかのキーが先に押されて先行通電した直後に他のキーが押されて後行通電し当該の2個のキーの同時通電が成立する」と考えるべきである。
【0011】
したがって、この入力体系において、この2個のキーにおける通電時間差に基づいて発生する「先行通電キーの入力による画面表示とこれに続く同時通電キーの入力による画面表示の二重入力の現象」に対する解消処理を行なわないならば、たとえば「『た』の字は『あキー』と『かキー』を同時に押して入力する」とプログラミングされていても、「『たけ』と入力するために『あキー』と『かキー』を同時に押したのち『けキー』を押した場合」には、
イ、「あキー」が先行通電した場合は、「あたけ」と画面表示される。
ロ、「かキー」が先行通電した場合は、「かたけ」と画面表示される。
こととなり、入力操作者が意図する「たけ」という字は得られないこととなる。
【0012】
この事態を回避し入力操作を入力操作者の意図どおりに行なうために、本発明においては、
イ、「2個の文字入力キーの同時押し操作による入力時における当該の2個の文字入力キーの通電時間差に基づいて発生する二重入力の現象」を解消して「当該の2個の文字入力キーの同時押し操作による所定の入力」を成立させる方法。
として、
ロ、AキーとBキーを同時に押しその同時通電によってCの入力効果を成立させる場合、AキーとBキーの同時通電が成立した直後に「先に通電したAキーもしくはBキーのいずれかのキーによる入力効果」を自動的に取り消すことによってCの入力効果を成立させる。
ようにプログラミングしておくものとする。
【0013】
すなわち、具体例として示すならば、「『た』の字は『あキー』と『かキー』を同時に押して入力する」とプログラミングされている場合のこのプログラミングは、
イ、「あキー」が先行通電したのち「かキー」が後行通電し双方のキーの同時通電が成立した直後にこの同時通電を理由として「あキー」の入力が自動的に取り消されて『た』の字の入力がなされるプログラミング。
ロ、「かキー」が先行通電したのち「あキー」が後行通電し双方のキーの同時通電が成立した直後にこの同時通電を理由として「かキー」の入力が自動的に取り消されて『た』の字の入力がなされるプログラミング。
によって構成されているものとし、「本キーボードにおける文字・数字・記号の入力および字種指定・記号指定の入力にかかわるすべての同時キー押し操作」においてこのプログラミング処理が行なわれておりさえすれば「上記のすべての文字・数字・記号の入力および字種指定・記号指定の入力」を所定どおりに円滑に行なうことができるものである。
【0014】
すなわちまた、本発明におけるキーボードは、
イ、所定の組み合わせからなる2個の入力キーを同時に押し同時に通電させて所定の入力を行なう場合に、「押された2個の入力キーが同時に通電する直前に微差の時間差をもって発生するいずれか一方の入力キーにおける先行通電によってなされた入力」を押された2個の入力キーが同時に通電した直後に取り消し、もって押された2個の入力キーのいずれの入力キーにおいて先行通電がなされたとしても「当該の2個の入力キーが同時に押されて同時に通電することによってなされるべき所定の入力」を成立させるキーボード。
である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果および利点については、以下の1〜8のとおりである。
1、ひらがな入力・カタカナ入力に関しては、図2の(2)〜(9)に示すように「あいうえお列・かきくけこ列・さしすせそ列からなる三列五段のその文字配列」が日本人が幼年期から親しみ各字の配置が完全に記憶されている50音配列なのでこのキー配列の規則性ゆえに入力に際しては字探しに迷うことなく瞬時に目的の字を入力することができる効果および利点がある。
2、清音・撥音の入力は文字入力キーを1指もしくは2指で1回押すだけで成立するので、ひらがな入力・カタカナ入力が少ないキー押し回数で簡単かつ短時間に間違いなく行なえる効果および利点がある。
3、濁音・拗音の入力は清音の入力後「濁キー」を1回押し、半濁音・促音の入力は清音の入力後「濁キー」を押したまま同段左の「すキー」を押すことになるが、これらの諸音の元の清音の入力は1・2に示したように簡単かつ短時間で間違いなく行なえるうえに「濁キー」にかかわる押し操作にも明確な規則性が存在するのでこれらの諸音の入力もまた簡単かつ短時間で間違いなく行なえる効果および利点がある。
4、英字入力に関しては、図3の(2)〜(5)に示すように三列五段のその文字配列が日本人においても各字の配置が十分に記憶されているアルファベットの26音配列なのでこのキー配列の規則性ゆえに入力に際しては字探しに迷うことなく瞬時に目的の字を入力することができる効果および利点がある。
5、漢数字入力に関しては、図3の(7)に示すように、十百千万億の桁字の入力が該当キーの一押しでできるので桁数の多い漢数字の入力もまた簡単かつ短時間で間違いなく行なえる効果および利点がある。
6、数字の入力に関連しての使用頻度の多い『昭和・平成・番・号・回』『午前・午後・時・分・秒』『+−×÷=』の各字・各記号の入力に関しては、字種指定が洋数字と漢数字のいずれの場合でも字種指定の変更操作を行なうことなく所定キー2個の同時押し操作によって簡単に行なえる効果および利点がある。
7、文書作成に際しての文字入力・記号入力以外の作業命令入力に関しては、上記の「『文書作成に関する作業命令』の入力方法」において示したように、いずれの入力操作もキーボードの第四列(作業命令キー列)の該当キーを押すかもしくは押したままその左隣の第三列・第二列・第一列のいずれかの同段のキーを押せばよく、その入力操作には規則性があり覚え易いので、いずれの入力操作もまた簡単かつ短時間で間違いなく行なえる効果および利点がある。
8、字種指定・記号指定の入力操作に関しては、キーボードの第一列〜第三列においてその上段キーから二段ずつの同時キー押し操作を一段ずつ下方にずらせて行くことによって、
イ、キーボードの第一列は、「ひらがな・カタカナ・国字記号・括弧記号と和文系統の字種および記号」の指定。
ロ、キーボードの第二列は、「英小文字・英大文字・英字記号・形状記号とおおむね英文系統の字種および記号」の指定。
ハ、キーボードの第三列は、「洋数字・漢数字・数字記号とおおむね数理学系統の字種および記号」および「一般的な絵状記号・絵文字」の指定。
ができることとなり、その入力操作には規則性があり覚え易いので、いずれの入力操作もまた簡単かつ短時間で間違いなく行なえる効果および利点がある。
【0016】
本発明は「文字入力・記号入力に際しては所定の1個の文字入力キーを押すことによってもしくは所定の組み合わせからなる2個の文字入力キーを同時に押すことによって所定の入力を行なう機能を有するキーボード」であるが、この2個の文字入力キーの組み合わせに関しては、既述した組み合わせ以外にも、たとえば「『あキー』と『うキー』の組み合わせ」や「『あキー』と『そキー』の組み合わせ」といった数十もの任意の組み合わせが可能であり、したがってキーボード面積すなわちキー数に関する制限の厳しい携帯電話機であってもこれらの多様な組み合わせによりキー数を増やすことなく文字・記号の入力や作業・操作の入力に関する多数多種多様な入力が可能となる効果および利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、「主として携帯電話機に搭載するキーボード」に関する発明であるが、もとより「キーボードによる入力を行なう電子機器類のいずれにも応用搭載しうるキーボード」に関する発明でもあり、その実施のための最良の形態については、以下の『実施例』に示すとおりである。
【実施例】
【0018】
「携帯電話機におけるキーボード」として実施する場合においては、
本明細書に詳述したような方法で使用すればメール入力や登録データ入力に際してキー押し回数が少なく短時間で正確な入力が可能となり十分にその利便性を得ることができる。
【0019】
「電子手帳におけるキーボード」として実施する場合においては、
「電子手帳におけるキーボード」もまた「携帯電話機におけるキーボード」と同様にキーボード面積には厳しい制限が存在するが、本キーボードを搭載し本明細書に詳述したような方法で使用すれば文字入力や登録データ入力に際してキー押し回数が少なく短時間で正確な入力が可能となり十分にその利便性を得ることができる。
【0020】
「コンピューター・パソコン・ワープロ・電子辞書におけるキーボード」として実施する場合においては、
一般的にはこれらの電子機器におけるキーボード面積には幾分の余裕があるので、文字・数字や記号の入力操作は本キーボードでもって本明細書に詳述したような方法で(主として右手指を用いて)行なう一方で、字種指定や記号指定等およびその他の文書作成等に必要な作業命令等の入力に関しては、本キーボード外に「ファンクションキー群も含めての別の相応の作業命令専用キーによって構成されるキー体系からなるキーボード」を設けかつ併設されたこの別キーボードにおける(主として左手指を用いての)相応の専用的キー操作によってこれらの入力操作を行なえば用途に応じての多種多様で複雑な入力も簡単かつ迅速に行なうことが可能となり、とりわけ英文作成を行なうために「『QWERTY配列』からなる英文入力専用のキーボード」を併設すれば迅速で正確な英文入力が可能となり、もって電子機器としての十分なる利便性を得ることができる。
【0021】
「通信機器(有線電話・無線機等)・表示器・印字器・その他のキーボードによる入力を行なう電子機器類におけるキーボード」として実施する場合においては、
文字や記号の入力操作は本キーボードでもって本明細書に詳述したような方法で行なう一方で、それぞれの電子機器類におけるその使用目的と使用特性に対応して必要である入力操作に関しては、本キーボード外に「その使用目的と使用特性に対応した別のキー体系からなるキーボード」を設けかつ併設されたこの別キーボードにおけるキー操作によってこれらの入力操作を行なえば電子機器としての十分なる利便性を得ることができる。
【0022】
すなわち、「コンピューター・パソコン・ワープロ・電子辞書および通信機器(有線電話・無線機等)・表示器・印字器・その他のキーボードによる入力を行なう電子機器類におけるキーボード」として実施する場合においては、
イ、「文字入力キーの配列が三列五段でかつその列外に濁点キーを付属させたキー配列からなるキーボード」において1個の文字入力キーを押すことによってもしくは所定の組み合わせからなる2個の文字入力キーを同時に押すことによってもしくは所定の組み合わせからなる文字入力キーと濁点キーを所定の方法で押すことによって所定の文字・数字・記号等の入力を実行する文字入力用キーボード。
およびまた、このキーボードにマウス機能を付属させた文字入力用キーボード。
とこのキーボードから基盤的に分離されもしくは同一基盤上において隔離された
ロ、「縦が複数列で横が複数段のキー配列からなるキーボード」において複数列の任意の列のキーを主作業命令キーとし他の列の各キーを副作業命令キーとし所定の主作業命令キーを押すことによってもしくは所定の副作業命令キーを押すことによってもしくは所定の主作業命令キーを押したまま所定の副作業命令キーを押すことによってもしくは所定の主作業命令キーと所定の副作業命令キーを同時に押すことによって所定の字種指定・記号指定・作業指定等の入力を実行する作業命令用キーボード。
の二種のキーボードの組み合わせからなるキーボード系を用いれば電子機器としての十分なる利便性を得ることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、携帯電話機のみならず「コンピューター・パソコン・ワープロ・電子手帳・電子辞書・通信機器(有線電話・無線機等)・表示器・印字器・その他のキーボードによる入力を行なう電子機器類」のいずれにも応用しうるキーボードに関する発明であるから、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】 携帯電話機本体の斜視図。
【図2】 1、(1)は、キーボード2における各キーの割り当て図。 2、(2)〜(9)は、ひらがな入力に際しての指定字入力キー図。
【図3】 1、(1)は、カーソル移動指示キー図。 2、(2)〜(5)は、英字入力に際しての指定字入力キー図。 3、(6)は、洋数字入力に際しての指定字入力キー図。 4、(7)は、漢数字入力に際しての指定字入力キー図。
【符号の説明】
【0025】
1は携帯電話機本体。 2はキーボード。 3は表示画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字入力キーの配列が三列五段でかつその周辺に濁点キーおよび作業命令キーを付属させたキーボードで1個の文字入力キーを押すことによってもしくは所定の組み合わせからなる2個の文字入力キーを同時に押すことによってもしくは所定の組み合わせからなる文字入力キーと濁点キーを所定の方法で押すことによってもしくは所定の組み合わせからなる作業命令キーと文字入力キーを所定の方法で押すことによって所定の文字・数字・記号等の入力および所定の字種指定・記号指定・作業指定等の入力を実行するキーボード。
【請求項2】
2個以上のキーによって構成されるキーボードにおいて、所定の組み合わせからなる2個の入力キーを同時に押し同時に通電させて所定の入力を行なう場合に、押された2個の入力キーが同時に通電する直前に微差の時間差をもって発生するいずれか一方の入力キーにおける先行通電によってなされた入力を押された2個の入力キーが同時に通電した直後に取り消し、もって押された2個の入力キーのいずれの入力キーにおいて先行通電がなされたとしても当該の2個の入力キーが同時に押されて同時に通電することによってなされるべき所定の入力を成立させるキーボード。
【請求項3】
「文字入力キーの配列があいうえお列・かきくけこ列・さしすせそ列の三列五段の配列でかつこの列外に濁点キーを付属させたキー配列からなるキーボード」において所定の1個の文字入力キーを押すことによって「あいうえお・かきくけこ・さしすせその各ひらがな」を入力し所定の組み合わせからなる2個の文字入力キーを同時に押すことによって「たちつてと・なにぬねの・はひふへほ・まみむめも・やゆよ・らりるれろ・わをんの各ひらがな」を入力し所定の組み合わせからなる文字入力キーと濁点キーを所定の方法で押すことによって「がぎぐげご・ざじずぜぞ・だぢづでど・ばびぶべぼ・ぱぴぷぺぽ・ぁぃぅぇぉ・ゃゅょ・っの各ひらがな」を入力し、もってひらがな表記におけるすべての清音・撥音・濁音・半濁音・促音の入力を実行する文字入力用キーボード。
【請求項4】
「文字入力キーの配列が三列五段でかつその列外に濁点キーを付属させたキー配列からなるキーボードにおいて1個の文字入力キーを押すことによってもしくは所定の組み合わせからなる2個の文字入力キーを同時に押すことによってもしくは所定の組み合わせからなる文字入力キーと濁点キーを所定の方法で押すことによって所定の文字・数字・記号等の入力を実行する文字入力用キーボード」と「縦が複数列で横が複数段のキー配列からなるキーボードにおいて複数列の任意の列のキーを主作業命令キーとし他の列の各キーを副作業命令キーとし所定の主作業命令キーを押すことによってもしくは所定の副作業命令キーを押すことによってもしくは所定の主作業命令キーを押したまま所定の副作業命令キーを押すことによってもしくは所定の主作業命令キーと所定の副作業命令キーを同時に押すことによって所定の字種指定・記号指定・作業指定等の入力を実行する作業命令用キーボード」の二種のキーボードの組み合わせからなるキーボード系。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−238395(P2006−238395A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−84765(P2005−84765)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【出願人】(595125890)
【Fターム(参考)】