説明

摩擦係合装置

【課題】発熱を抑制することができる摩擦係合装置を提供することを目的とする。
【解決手段】摩擦係合装置は、第1係合部材及び第2係合部材が相対回転可能に軸方向に沿って交互に設けられ、押圧部材が弾性部材6を介して第1係合部材及び第2係合部材に押圧力を作用させることで、当該第1係合部材と当該第2係合部材とが摩擦力により係合し一体回転可能である摩擦係合装置であって、弾性部材6は、皿ばね状に形成されたプレート本体13と、プレート本体13の外周部に外方に突出して設けられプレート本体13を位置決めする爪部14とを有し、爪部14は、厚み方向に貫通する空洞部17を有することを特徴とする。したがって、摩擦係合装置は、発熱を抑制することができる、という効果を奏する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、摩擦係合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の動力伝達系(パワートレーン)では、クラッチやブレーキ等の摩擦係合装置等が適用されることがある。このような従来の摩擦係合装置に用いられる弾性部材として、例えば、特許文献1には、ピストンとセパレータプレートとの間に介在するクッションプレートが開示されている。このクッションプレートは、皿ばね状に形成されたプレート本体と、スプライン係合するためにプレート本体の外周部に延設された爪部とを備え、押圧された際に撓み変形することで緩衝材として機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−344792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような特許文献1に記載のクッションプレートは、例えば、発熱対策の点で更なる改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、発熱を抑制することができる摩擦係合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る摩擦係合装置は、第1係合部材及び第2係合部材が相対回転可能に軸方向に沿って交互に設けられ、押圧部材が弾性部材を介して前記第1係合部材及び前記第2係合部材に押圧力を作用させることで、当該第1係合部材と当該第2係合部材とが摩擦力により係合し一体回転可能である摩擦係合装置であって、前記弾性部材は、皿ばね状に形成されたプレート本体と、前記プレート本体の外周部に外方に突出して設けられ前記プレート本体を位置決めする爪部とを有し、前記爪部は、厚み方向に貫通する空洞部を有することを特徴とする。
【0007】
また、上記摩擦係合装置では、前記空洞部は、前記爪部の中央部に設けられるものとすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る摩擦係合装置は、発熱を抑制することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施形態に係る摩擦係合装置を表す部分断面図である。
【図2】図2は、実施形態に係るクッションプレートの部分斜視図である。
【図3】図3は、比較例に係るクッションプレートの変形を説明する模式的な部分平面図である。
【図4】図4は、比較例に係るクッションプレートの爪部の変形を説明する模式図である。
【図5】図5は、実施形態に係るクッションプレートの変形を説明する模式的な部分平面図である。
【図6】図6は、クッションプレートにおける爪部の中心からの角度と接触面圧との関係の一例を表す線図である。
【図7】図7は、ピストン荷重とクッションプレート変位との関係の一例を表す線図である。
【図8】図8は、実施形態に係る摩擦係合装置における潤滑油の流れを表す部分断面図である。
【図9】図9は、実施形態に係るクッションプレートの爪部における潤滑油の流れを表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0011】
[実施形態]
図1は、実施形態に係る摩擦係合装置を表す部分断面図、図2は、実施形態に係るクッションプレートの部分斜視図、図3は、比較例に係るクッションプレートの変形を説明する模式的な部分平面図、図4は、比較例に係るクッションプレートの爪部の変形を説明する模式図、図5は、実施形態に係るクッションプレートの変形を説明する模式的な部分平面図、図6は、クッションプレートにおける爪部の中心からの角度と接触面圧との関係の一例を表す線図、図7は、ピストン荷重とクッションプレート変位との関係の一例を表す線図、図8は、実施形態に係る摩擦係合装置における潤滑油の流れを表す部分断面図、図9は、実施形態に係るクッションプレートの爪部における潤滑油の流れを表す模式図である。
【0012】
なお、以下の説明では、特に断りのない限り、回転軸線Xに沿った方向を軸方向といい、回転軸線Xに直交する方向、すなわち、軸方向に直交する方向を径方向といい、回転軸線X周りの方向を周方向という。また、径方向において回転軸線X側を径方向内側といい、反対側を径方向外側という。
【0013】
図1に示す本実施形態の摩擦係合装置1は、車両の動力伝達系(パワートレーン)のクラッチやブレーキに適用される。摩擦係合装置1は、動力の伝達経路中に設けられ、第1係合部材としての複数のセパレータプレート4と、第2係合部材としての複数のフリクションプレート5との係合、離脱を行う。摩擦係合装置1は、セパレータプレート4及びフリクションプレート5が相対回転可能に軸方向に沿って交互に設けられ、押圧部材としてのピストン8が弾性部材としてのクッションプレート6を介してセパレータプレート4及びフリクションプレート5に押圧力を作用させることで、このセパレータプレート4とフリクションプレート5とが摩擦力により係合し、回転軸線Xを回転中心として一体回転可能である。
【0014】
具体的には、摩擦係合装置1は、いわゆる多板クラッチであり、クラッチドラム2、クラッチハブ3、複数のセパレータプレート4、複数のフリクションプレート5、クッションプレート6、スナップリング7、ピストン8等を含んで構成される。
【0015】
クラッチドラム2は、摩擦係合装置1における外側筒状部材を構成し、クラッチハブ3は、内側筒状部材を構成し、セパレータプレート4は、それぞれ外側係合部材を構成し、フリクションプレート5は、それぞれ内側係合部材を構成している。
【0016】
クラッチドラム2は、回転軸線Xを中心軸線とする筒状に形成され、一端面が開放し、他端面が閉塞している。クラッチドラム2は、閉塞した端面側が車両の動力伝達系をなす第1回転軸(例えば入力軸)に一体回転可能に固定される。クラッチドラム2は、内周面に軸方向に沿ってスプライン9が形成される。
【0017】
クラッチハブ3は、回転軸線Xを中心軸線とする筒状に形成され、円板状部等を介して車両の動力伝達系をなす第2回転軸(例えば出力軸)に一体回転可能に固定される。クラッチハブ3は、クラッチドラム2の径方向内側に配置され、外周面に軸方向に沿ってスプライン10が形成される。
【0018】
セパレータプレート4は、回転軸線Xを中心軸線とする円環板状に形成され、外周端部に軸方向に沿ってスプライン11が形成される(図2も参照)。セパレータプレート4は、スプライン11がクラッチドラム2のスプライン9とスプライン係合するようにして、クラッチドラム2の径方向内側に複数枚が配置される。これにより、各セパレータプレート4は、クラッチドラム2に対して一体回転可能かつ軸方向に相対移動可能に支持される。
【0019】
フリクションプレート5は、回転軸線Xを中心軸線とする円環板状に形成され、内周端部に軸方向に沿ってスプライン12が形成される。フリクションプレート5は、各側面に表面が平坦な摩擦材が設けられ、セパレータプレート4と摩擦係合した際に確実に係合し、セパレータプレート4との間で動力が伝達されるようになっている。フリクションプレート5は、スプライン12がクラッチハブ3のスプライン10とスプライン係合するようにして、クラッチハブ3の径方向外側に複数枚が配置される。これにより、各フリクションプレート5は、クラッチハブ3に対して一体回転可能かつ軸方向に相対移動可能に支持される。
【0020】
セパレータプレート4とフリクションプレート5とは、軸方向に沿って交互に配置され、互いに軸方向に対向する。ここでは、摩擦係合装置1は、4枚のセパレータプレート4と3枚のフリクションプレート5とが交互に配置されている。
【0021】
ここで、この摩擦係合装置1は、複数のセパレータプレート4、フリクションプレート5を基準として、クラッチドラム2の閉塞した端面側にクッションプレート6が配置される一方、クラッチドラム2の開放した端面側にスナップリング7が配置される。また、摩擦係合装置1は、クッションプレート6とクラッチドラム2の閉塞した端面との間にピストン8が配置される。
【0022】
つまり、この摩擦係合装置1は、軸方向においてクラッチドラム2の閉塞した端面側から開放した端面側に向けて、ピストン8、クッションプレート6、第1のセパレータプレート4、第1のフリクションプレート5、第2のセパレータプレート4、第2のフリクションプレート5、第3のセパレータプレート4、第3のフリクションプレート5、第4のセパレータプレート4、スナップリング7の順で配置される。
【0023】
クッションプレート6は、弾性部材である。クッションプレート6は、上述したように、軸方向に対してピストン8と第1のセパレータプレート4との間に介在する。クッションプレート6は、ピストン8によって押圧された際に撓み変形することで緩衝材として機能し、係合時の係合ショックを緩和する。
【0024】
クッションプレート6は、図2にも例示するように、皿ばね状に形成されたプレート本体13と、プレート本体13の外周部に設けられる爪部14とを有する。プレート本体13は、回転軸線Xを中心軸線とする円環板状に形成される。プレート本体13は、第1のセパレータプレート4と軸方向に対向する。プレート本体13は、無負荷の状態(押圧されていない状態)で、径方向内側が第1のセパレータプレート4側に傾斜している。爪部14は、プレート本体13の内周端部に外方に突出して設けられる。爪部14は、例えば、略矩形状(例えば図5参照)、あるいは、略台形状(例えば図2、図9参照)をなす。爪部14は、プレート本体13の周方向に沿って等間隔で複数個が設けられる。爪部14は、プレート本体13を所定の位置に位置決めするものである。
【0025】
このクッションプレート6は、爪部14を介してクラッチドラム2の内周側に支持される。クッションプレート6は、爪部14がクラッチドラム2の内周側に設けられる係合部、例えば、スプラインとスプライン係合するようにして、クラッチドラム2の径方向内側に配置される。これにより、クッションプレート6は、クラッチドラム2に対して一体回転可能かつ軸方向に相対移動可能に支持されて位置決めされる。これにより、クッションプレート6は、ピストン8から押圧力が作用した際に接触する第1のセパレータプレート4に対する相対回転が規制される。この結果、クッションプレート6は、セパレータプレート4などとの相対回転による磨耗を抑制することができる。
【0026】
スナップリング7は、回転軸線Xを中心軸線とする円環板状に形成され、クラッチドラム2の内周面側に固定される。スナップリング7は、セパレータプレート4およびフリクションプレート5がクラッチドラム2から抜け出るのを阻止するよう位置決めされている。
【0027】
ピストン8は、クラッチドラム2の閉塞した端面側の内部に収容される。ピストン8は、回転軸線Xを中心軸線とする円板状に形成される。ピストン8は、クラッチドラム2の閉塞した端面と共に、ピストン室15を区画する。ピストン8は、回転軸線Xを中心軸線とする円環板状に形成される突起部16を有し、この突起部16がクッションプレート6のプレート本体13に当接する。ピストン室15は、不図示の油圧装置から作動油が供給され、供給された作動油の油圧によりピストン8がクッションプレート6を押圧すると共に、スナップリング7がその力を受けることで、セパレータプレート4とフリクションプレート5との摩擦係合のための押圧力を作用させる。
【0028】
上記のように構成される摩擦係合装置1は、例えば、車両の動力伝達系をなす第1回転軸(例えば入力軸)が回転すると、この第1回転軸と一緒にクラッチドラム2が回転し、セパレータプレート4、クッションプレート6、スナップリング7等がクラッチドラム2と一緒に回転する。そして、摩擦係合装置1は、不図示の油圧装置からピストン室15に作動油が供給されると、内部の油圧によりピストン8がクッションプレート6側に移動する。
【0029】
そして、摩擦係合装置1は、ピストン8の突起部16がクッションプレート6を押圧すると共に、セパレータプレート4、フリクションプレート5を介してスナップリング7がその力を受けることで、セパレータプレート4とフリクションプレート5とに押圧力が作用し、セパレータプレート4とフリクションプレート5とが摩擦力により摩擦係合し一体回転し、セパレータプレート4とフリクションプレート5との間で動力が伝達される。これにより、摩擦係合装置1は、動力を伝達する係合状態となり、クラッチハブ3がクラッチドラム2と一緒に回転し、この結果、車両の動力伝達系をなす第1回転軸(例えば入力軸)と、第2回転軸(例えば出力軸)とが一体回転し、第1回転軸と第2回転軸との間で動力が伝達される。このとき、摩擦係合装置1は、クッションプレート6がピストン8によって押圧された際に撓み変形することで緩衝材として機能し、係合時の係合ショックを緩和することができる。摩擦係合装置1は、ピストン室15から作動油が排出されると、セパレータプレート4とフリクションプレート5との摩擦係合が解除された状態となり、動力を伝達しないか解放状態となる。
【0030】
そして、摩擦係合装置1は、図2に示すように、に空洞部17が設けられることで、適正な発熱対策を図っている。
【0031】
この空洞部17は、クッションプレート6の各爪部14にそれぞれ形成される。空洞部17は、爪部14を厚み方向に貫通する。ここでは、空洞部17は、爪部14の中央部に設けられ、爪部14と同様に、略矩形状(例えば図5参照)、あるいは、略台形状(例えば図2、図9参照)に形成される。
【0032】
上記のように構成される摩擦係合装置1は、クッションプレート6の各爪部14に空洞部17が設けられることから、爪部14の中央部近傍の剛性が相対的に小さくなるため、ピストン8による押圧時に爪部14で変形を吸収でき、中心側、すなわち、プレート本体13側の変形を小さくすることができる。
【0033】
より詳細に説明すると、例えば、爪部に空洞部17を有さない比較例に係るクッションプレートの場合、ピストン8による押圧時に、図3に示すように、中心側の部位(プレート本体13に相当)が爪部側に引っ張られて変形する傾向にある。これは、爪部は、周方向の両側が空間部となっており中心側の部位と比較して剛性が小さいため、ピストン8から荷重(押圧力)が作用した際に、中心側の部位の周方向に生じる引張応力により変形するためであると考えられる。この場合、クッションプレートは、爪部の周辺で上記のような変形が大きいため、例えば、図4に例示するように、爪部近傍が厚さ方向に対してセパレータプレート4側にくぼむようにたわむおそれがある。この結果、この比較例に係るクッションプレートは、爪部付近でセパレータプレート4との片当たりが発生し、爪部の中央近傍で面圧が高くなるおそれがある。
【0034】
これ対して、本実施形態のクッションプレート6は、爪部14に空洞部17を有することから、爪部14の中央近傍の剛性が相対的に小さくなり、これにより、図5に例示するように、この爪部14の空洞部17近傍で変形を吸収することができ、この結果、プレート本体13側の変形を相対的に小さくすることができる。
【0035】
この結果、この摩擦係合装置1は、例えば、爪部14の剛性を高くするなどして質量増加等を招くことなく、クッションプレート6の弾性的な不均一性を抑制することができ、ピストン8による押圧時にクッションプレート6が局所的に大きく変形して第1のセパレータプレート4と片当たりが発生して面圧が不均一となることを抑制することができる。
【0036】
図6は、横軸をクッションプレート6における爪部14の中心からの角度θ(図2参照)、縦軸をクッションプレート6におけるセパレータプレート4との接触面圧としている。本図中、線L1は本実施形態に係るクッションプレート6を表し、線L2は比較例に係るクッションプレートを表し、線L3は空洞部17を設けずに爪部14の剛性を大きくした場合のクッションプレートを表している。
【0037】
この図6に示すように、摩擦係合装置1は、例えば、クッションプレート6において爪部14の近傍で局所的に面圧が高くなることを抑制することができ、爪部14の影響がない場合(例えば、爪部の剛性を大きくした線L3)のように面圧が均一に近づくことから、局所的に発熱が大きくなることを抑制し、局所的に熱害が発生することを抑制することができる。
【0038】
なお、図7は、横軸をピストン荷重、縦軸をクッションプレート変位としている。本図中、線L4は本実施形態に係るクッションプレート6を表し、線L5は比較例に係るクッションプレートを表している。この図7に示すように、摩擦係合装置1は、クッションプレート6の爪部14に空洞部17を設けた構成としても、比較例に係るクッションプレートと同様に、ピストン8によって押圧された際の緩衝材として機能を適正に確保することができ、適正に係合時の係合ショックを緩和することができる。
【0039】
また、この摩擦係合装置1は、図8中に矢印L6で例示するように、潤滑油(典型的には作動油と兼用される。)がクラッチハブ3の貫通孔18やクラッチハブ3とピストン8との間の空間部等を介してクラッチドラム2の内部を流動し、これにより、セパレータプレート4、フリクションプレート5等の潤滑、冷却を行っている。
【0040】
この場合に、摩擦係合装置1は、クッションプレート6の爪部14に空洞部17が設けられていることから、図9に例示するように、この空洞部17を介してセパレータプレート4において発熱が大きい部位などに潤滑油を直接的に接触させ、潤滑、冷却することができ、よって、冷却性を向上することができることから、この点でも、発熱を抑制することができる。
【0041】
以上で説明した実施形態に係る摩擦係合装置1によれば、セパレータプレート4及びフリクションプレート5が相対回転可能に軸方向に沿って交互に設けられ、ピストン8がクッションプレート6を介してセパレータプレート4及びフリクションプレート5に押圧力を作用させることで、セパレータプレート4とフリクションプレート5とが摩擦力により係合し一体回転可能である摩擦係合装置1であって、クッションプレート6は、皿ばね状に形成されたプレート本体13と、プレート本体13の外周部に外方に突出して設けられプレート本体13を位置決めする爪部14とを有し、爪部14は、厚み方向に貫通する空洞部17を有する。
【0042】
したがって、摩擦係合装置1は、ピストン8による押圧時に爪部14で変形を吸収でき、プレート本体13側の変形を小さくすることができることから、局所的に発熱が大きくなることを抑制し、局所的に熱害が発生することを抑制することができ、適正に発熱を抑制することができる。
【0043】
なお、上述した本発明の実施形態に係る摩擦係合装置は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
【0044】
例えば、以上で説明した爪部、空洞部は、略矩形状、あるいは、略台形状であるものとして説明したが、これに限らず、例えば、略楕円状、略正円状等であってもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 摩擦係合装置
2 クラッチドラム
3 クラッチハブ
4 セパレータプレート(第1係合部材)
5 フリクションプレート(第2係合部材)
6 クッションプレート(弾性部材)
7 スナップリング
8 ピストン(押圧部材)
9、10、11、12 スプライン
13 プレート本体
14 爪部
15 ピストン室
16 突起部
17 空洞部
18 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1係合部材及び第2係合部材が相対回転可能に軸方向に沿って交互に設けられ、押圧部材が弾性部材を介して前記第1係合部材及び前記第2係合部材に押圧力を作用させることで、当該第1係合部材と当該第2係合部材とが摩擦力により係合し一体回転可能である摩擦係合装置であって、
前記弾性部材は、皿ばね状に形成されたプレート本体と、前記プレート本体の外周部に外方に突出して設けられ前記プレート本体を位置決めする爪部とを有し、
前記爪部は、厚み方向に貫通する空洞部を有することを特徴とする、
摩擦係合装置。
【請求項2】
前記空洞部は、前記爪部の中央部に設けられる、
請求項1に記載の摩擦係合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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