説明

摩擦撹拌接合方法

【課題】積層部を摩擦撹拌接合し、外観を良好にするとともに接合強度を確保する。
【解決手段】積層部10は、第1ワーク12と第2ワーク14との間に有孔ワーク16が介装されることによって形成される。摩擦撹拌接合用工具20のプローブ24は、回転動作しながら最上層である第2ワーク14に埋没し、有孔ワーク16の貫通孔18を通過して第1ワーク12(最下層)における貫通孔18に露呈した上端面に到達する。これに伴って第2ワーク14の肉が塑性流動し、貫通孔18に付着するとともに、回転動作するプローブ24によって第1ワーク12の上端面の肉と一体的に撹拌混合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貫通孔を有する有孔ワークが介装された積層部を摩擦撹拌接合する摩擦撹拌接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃費を向上させる方策の1つとして、自動車の車体を軽量化することが図られている。そして、軽量化を実現するべく、車体の外板等の材質を、従来の鋼材よりも比重が小さなアルミニウム材に置換することが検討されつつある。
【0003】
ところで、フレームや内板等の材質としては、小寸法で強度を確保するべく、鋼材が選定されることが一般的である。このような場合、鋼材とアルミニウム材という別種の金属材同士を接合する必要があり、そのための接合方法として、高速で回転動作するプローブをワークに摺接させ、その際に発生した摩擦熱で該ワークの肉を塑性流動させる、摩擦撹拌接合が着目されている(例えば、特許文献1参照)。摩擦撹拌接合には、例えば、アーク接合と比較した場合、ワークの温度上昇を抑制することができるので接合後のワークの歪みがほとんどなく、アークを発生させる必要がないので低コストであり、しかも、溶接ビードが形成されることがないので外観が良好である等の利点がある。
【0004】
しかしながら、摩擦撹拌接合では、鋼材等の高融点金属がワークである場合、該ワークの肉を塑性流動させることは困難であり、このため、摩擦撹拌接合を採用することは容易ではない。しかも、耐熱性に極めて優れたプローブを有する摩擦撹拌接合用工具を使用する必要があり、コスト的に不利でもある。
【0005】
また、特許文献1記載の技術においては、該特許文献1の図5に示されるように、最上層と中間層とが接合されるのみで、最上層と最下層とは接合されない。このため、積層部に十分な接合強度が確保されないことが懸念される。
【0006】
このような不都合を解消するべく、特許文献2には、貫通孔が設けられた有孔ワーク上にワークを積層して積層部を形成し、該積層部の前記ワーク側から摩擦撹拌接合用工具のプローブを埋没させて該ワークの肉を塑性流動させ、貫通孔から突出したこの肉の直径が該貫通孔に比して大きく拡径した後に硬化させることが提案されている。すなわち、この場合、貫通孔から突出して硬化した肉を抜け止めとし、これにより、有孔ワークとワークとを接合するとのことである。
【0007】
また、特許文献3には、低融点金属である最上層と最下層との間に高融点金属材からなる中間層を介装して形成された3層以上からなる積層部を摩擦撹拌接合する際、プローブで中間層(高融点金属材)を破断させ、且つ最上層と最下層とを摩擦撹拌接合することが提案されている。
【0008】
【特許文献1】特開2004−167525号公報
【特許文献2】特開2004−148320号公報
【特許文献3】特開平10−71479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献2記載の技術には、抜け止めの肉が突出形成されてしまうので、外観を損なうという不具合がある。
【0010】
一方、特許文献3記載の技術には、中間層をプローブで破断するので、該プローブが早期に摩耗してしまう。さらに、鋼材のような硬質材からなる中間層をプローブで破断しようとした場合、該中間層が波状に変形し、このために中間層と最下層又は最上層との間に間隙が生じることがある。しかも、中間層には、プローブと略同程度の直径の貫通孔が形成される程度であるので、最上層と最下層との肉同士を十分に撹拌することができないことが懸念される。この場合、接合強度が確保できなくなる。
【0011】
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、外観が良好であり、しかも、接合強度が十分な積層部を設けることが可能な摩擦撹拌接合方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するために、本発明は、貫通孔が設けられた有孔ワークが第1層と第2層との間に少なくとも1つ介装されることによって形成された積層部を摩擦撹拌接合する摩擦撹拌接合方法であって、
前記貫通孔に挿入された際に遊びが生じる寸法のプローブを有する摩擦撹拌接合用工具を使用し、
最上層から埋没した前記プローブを、前記貫通孔を通過させて、最下層における該貫通孔に露呈した側の端面まで到達させ、
前記プローブの回転動作によって前記最上層の肉を塑性流動させ、該肉を、前記最下層における前記貫通孔に露呈した側の端面の肉と接合することを特徴とする。
【0013】
本発明においては、最上層の肉を貫通孔の内壁全面にわたって接合するとともに、該最上層と最下層とを一体的に融合させるので、十分な接合強度が確保される。
【0014】
また、プローブを有孔ワークの貫通孔に通過させるので、該有孔ワークをプローブによって破断する必要がない。このため、有孔ワークを破断することによってプローブ24が摩耗することを回避することができる。しかも、有孔ワークを波状に変形させることもないので、有孔ワークと第1層又は第2層との間に間隙が生じることもない。
【0015】
さらに、本発明によれば、突出部を形成することなく積層部を接合することができるので、外観が良好な製品を得ることができる。
【0016】
ここで、積層部を構成する第1層及び第2層は、別部材であってもよいし、又は、部材を折曲させることによって互いに離間して対向した部位同士であってもよい。すなわち、同一部材の別部位をそれぞれ第1層及び第2層として摩擦撹拌接合を行うようにしてもよい。この場合、離間した前記部位同士の間に有孔ワークを挿入すればよい。
【0017】
本発明において、有孔ワークと、第1層及び第2層を構成するワークとは、同一材質からなるものであってもよいが、互いに別材質からなるものであってもよい。すなわち、本発明は、別材質からなる部材同士であっても接合することが可能である。また、有孔ワークの材質は金属に限定されるものではなく、セラミックスやプラスチックであってもよい。
【0018】
有孔ワークと、第1層及び第2層を構成するワークとの材質を、例えば、互いに異種の金属とする場合、有孔ワークの好適な材質としては鉄又は鉄系合金が挙げられ、一方、ワークの好適な材質としては、アルミニウム又はアルミニウム系合金が挙げられる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、有孔ワークを間に介在させて積層部を設け、該有孔ワークの貫通孔に摩擦撹拌接合用工具のプローブを通過させるようにしている。これに伴って塑性流動した最上層の肉が貫通孔の内壁に接合するとともに、最下層の肉と一体的に摩擦撹拌接合されるので、有孔ワークを破断させることなく接合強度に優れた積層部を得ることができる。
【0020】
しかも、貫通孔から肉が突出することがないので、得られた積層部は、外観が良好である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る摩擦撹拌接合方法につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1に、3層からなる積層部10の縦断面を示す。この積層部10においては、JIS記号の数字が6000番台であるいわゆる6000系のアルミニウムからなる第1ワーク12と、該第1ワーク12と同様に6000系のアルミニウムからなる第2ワーク14との間に、鋼材からなる有孔ワーク16が介装されている。すなわち、この積層部10では、第1層である第1ワーク12が最下層、有孔ワーク16が中間層、第2層である第2ワーク14が最上層である。
【0023】
この積層部10は、第1ワーク12、有孔ワーク16、第2ワーク14をこの順序で積層することによって設けられる。勿論、この際には、有孔ワーク16における貫通孔18が設けられた部位が積層部10に含まれるように積層する。
【0024】
なお、第1ワーク12、第2ワーク14及び有孔ワーク16の肉厚は、それぞれ、T1、T2、T3に設定されている。また、有孔ワーク16に形成されたの貫通孔18の直径は、D1に設定されている。
【0025】
図1に示すように、この積層部10を摩擦撹拌接合によって一体化するための摩擦撹拌接合用工具20は、回転体22と、該回転体22の一端部に連結されて先端部が円錐状に湾曲したプローブ24とを有する。
【0026】
ここで、プローブ24としては、直径D2が貫通孔18の直径D1に比して小さく、また、長さL1が、第2ワーク14(最上層)の肉厚T2と有孔ワーク16の肉厚T3との合計肉厚を超え、且つ積層部10の肉厚未満であるものが選定される。換言すれば、プローブ24としては、下記の条件式(1)、(2)を同時に満足するものが予め選定される。
D2<D1 …(1)
T2+T3<L1<T1+T2+T3 …(2)
【0027】
D1は、例えば、D2+2mmに設定すればよい。また、L1は、例えば、T1+T2+T3から0.5mmを差し引いた程度とすればよい。
【0028】
本実施の形態に係る摩擦撹拌接合方法は、このようなプローブ24を有する摩擦撹拌接合用工具20を使用し、積層部10に対して以下のように実施される。
【0029】
図示しない支持台に載置された積層部10上に、先ず、図1に示すように、摩擦撹拌接合用工具20を、その軸線が貫通孔18の軸線に略一致するように配置する。これにより、プローブ24が貫通孔18の上方に位置する。
【0030】
次に、摩擦撹拌接合用工具20を積層部10から所定距離で離間する位置まで下降させた後に回転体22ごとプローブ24を回転付勢し、この状態で、積層部10の最上層(第2ワーク14)の上端面にプローブ24を摺接させる。この摺接に伴って摩擦熱が発生することにより、第2ワーク14におけるプローブ24の当接箇所及びその近傍が軟化する。この軟化がさらに進行すると、図2に示すように、プローブ24が第2ワーク14に埋没するとともに、この埋没に対応して、軟化した第2ワーク14の肉が有孔ワーク16の貫通孔18に流入する。貫通孔18の直径D1がプローブ24の直径D2よりも大きいため、この流入は容易に進行する。そして、貫通孔18に流入した第2ワーク14の肉の一部は、該貫通孔18の内周壁に付着する。
【0031】
上記したように、プローブ24の長さL1は、T2+T3(第2ワーク14と有孔ワーク16との合計肉厚)よりも大きく、T1+T2+T3(積層部10の肉厚)よりも小さい。このため、プローブ24は、貫通孔18を通過し、該貫通孔18に露呈した第1ワーク12(最下層)の上端面に到達する。これに伴い、貫通孔18に流入した第2ワーク14の肉のうち、内周壁に付着しなかった残部がプローブ24に押されながら下降し、最終的に、該プローブ24とともに第1ワーク12の上端面に到達する。
【0032】
第1ワーク12の上端面に到達したプローブ24は、該上端面に摺接してこの上端面を軟化させる。これにより、第1ワーク12の上端面の肉と、該上端面に到達した第2ワーク14の肉とが、回転動作するプローブ24で一体的に撹拌混合され、結局、双方の肉が塑性流動される。この際、プローブ24の長さL1が積層部10の肉厚に比して小さく設定され、且つ第2ワーク14の肉の一部が貫通孔18の内周壁に付着するので、第1ワーク12の肉が突出することはない。
【0033】
このようにして第2ワーク14(最上層)と第1ワーク12(最下層)との肉を一体的に撹拌して所定時間が経過した後、図3に示すように、摩擦撹拌接合用工具20を上方に変位させて、プローブ24を積層部10から離間させる。撹拌が終了することに伴って摩擦熱が発生しなくなり、塑性流動した肉が自然冷却によって硬化する。その結果、冷却硬化した第2ワーク14の肉が貫通孔18の内周壁に接合するとともに、一体的に撹拌混合された第1ワーク12の肉と接合し、これにより積層部10が接合されるに至る。
【0034】
このようにして接合された積層部10では、第2ワーク14の肉が貫通孔18の内周壁全面にわたって接合し、且つ第2ワーク14と第1ワーク12とが互いに接合しているので、十分な接合強度が確保される。
【0035】
また、本実施の形態によれば、鋼材である有孔ワーク16をプローブ24によって破断する必要がなく、従って、有孔ワーク16を破断することに伴ってプローブ24が摩耗することもない。このため、プローブ24の寿命を長期化することができる。しかも、この場合、有孔ワーク16が波状に変形することもないので、第1ワーク12と有孔ワーク16との間、又は有孔ワーク16と第2ワーク14との間に間隙が生じることもない。
【0036】
さらに、有孔ワーク16の肉を塑性流動させないので、耐熱性に優れるプローブを用意する必要がない。このため、コスト的に有利である。
【0037】
さらにまた、本実施の形態によれば、第2ワーク14の肉の軟化、該肉の貫通孔18を介しての第1ワーク12への塑性流動、接合のすべてを1工程で、しかも、簡便な作業で行うことができるので、作業効率が向上する。
【0038】
その上、上記したように、本実施の形態においては、突出部を形成することなく積層部10を接合することができる。このため、第1ワーク12側をユーザーに視認される外面とすることにより、外観が良好な製品を得ることができる。
【0039】
バリ28が形成された場合、積層部10に対し、該バリ28を切削除去する仕上げ加工が施される。
【0040】
なお、上記した実施の形態では、有孔ワーク16を1つのみ介装して積層部10を設けるようにしているが、2つ以上介装するようにしてもよいことはいうまでもない。この場合、貫通孔18同士が連通するように有孔ワーク16同士を積層すればよい。
【0041】
そして、有孔ワーク16の材質は、アルミニウムであってもよい。
【0042】
次に、図4に示す積層部30を摩擦撹拌接合する場合につき説明する。
【0043】
この場合、有孔ワークは、自動車のドアパネルを構成するインナパネル32である。そして、該インナパネル32における貫通孔34が設けられた部位が、アウタパネル36が折曲されることによって互いに対向した部位同士の間に介装されることにより、積層部30が形成されている。
【0044】
すなわち、この実施の形態では、最下層と最上層は、アウタパネル36(同一部材)の別部位である。なお、以下の説明では、アウタパネル36において、図4中、インナパネル32よりも下方に位置する部位を第1層と表記し、その参照符号を38とするとともに、インナパネル32よりも上方に位置する部位を第2層と表記し、その参照符号を40とする。
【0045】
インナパネル32は鋼材からなり、通常、肉厚T6は0.5〜1.5mmに設定される。一方、アウタパネル36はアルミニウムからなり、肉厚は1〜1.5mmに設定されるのが一般的である。すなわち、第1層38と第2層40の肉厚T4、T5は、一般的には1〜1.5mmである。
【0046】
積層部30は、アウタパネル36の端部を、該端部でインナパネル32の端部を囲繞するように折曲する、いわゆるヘミング加工を行うことによって形成される。
【0047】
この積層部30を摩擦撹拌接合によって一体化するための摩擦撹拌接合用工具20としては、プローブ24が上記と同様の条件を満足するものが選定される。すなわち、プローブ24の直径D2は、貫通孔の直径D3に比して小さく設定される。また、長さL1は、第2層40(最上層)の肉厚T5とインナパネル32の肉厚T6との合計肉厚を超え、且つ積層部30の肉厚未満であるものが選定される。換言すれば、プローブ24としては、下記の条件式(3)、(4)を同時に満足するものが予め選定される。
D2<D3 …(3)
T5+T6<L1<T4+T5+T6 …(4)
【0048】
D3は、例えば、D2+2mmに設定すればよい。また、L1は、例えば、T4+T5+T6から0.5mmを差し引いた程度とすればよい。
【0049】
以降は、上記と同様の作業を行えばよい。すなわち、摩擦撹拌接合用工具20を積層部10から所定距離で離間する位置まで下降させた後に回転体22を回転付勢し、この状態で、積層部30の最上層(第2層40)の上端面にプローブ24を摺接させる。第2層40の肉が軟化すると、図5に示すように、プローブ24が第2層40に埋没するとともに、軟化した第2層40の肉がインナパネル32の貫通孔34に流入する。貫通孔34に流入した第2層40の肉の一部は、該貫通孔34の内周壁に付着する。
【0050】
その一方で、プローブ24が貫通孔34を通過し、該貫通孔34に露呈した第1層38(最下層)の上端面に到達する。これに伴い、貫通孔34に流入した第2層40の肉の一部が第1層38の上端面に到達する。
【0051】
その後、上記と同様に、回転動作するプローブ24によって第1層38の上端面の肉と、該上端面に到達した第2層40の肉とが一体的に撹拌混合される。換言すれば、双方の肉が塑性流動される。
【0052】
所定時間が経過した後、図6に示すように、摩擦撹拌接合用工具20を上方に変位させて、プローブ24を積層部30から離間させる。塑性流動した肉が自然冷却によって硬化すれば、第2層40の肉が貫通孔34の内周壁に接合するとともに、一体的に撹拌混合された第1層38の肉と接合し、これにより積層部30が接合されるに至る。この場合、第1層38側を視認可能な外面とすればよい。バリ28が形成された場合、仕上げ加工を施して該バリ28を切削除去すればよい。
【0053】
勿論、この場合においても、積層部10を接合する場合と同一の効果が得られる。複数層のインナパネル32を積層してもよいことはいうまでもない。
【0054】
そして、十分な強度が確保される寸法であれば、インナパネル32の材質を、アウタパネル36と同様にアルミニウムとしてもよい。
【0055】
なお、上記した実施の形態のいずれにおいても、貫通孔18、34が真円形状である必要は特になく、該貫通孔18、34にプローブ24が挿入された際に遊びが生じる寸法であれば、楕円形状であってもよいし、多角形形状であってもよい。
【0056】
また、L1が上記条件式(2)を満足する必要は特にない。この場合においても、第1ワーク12と第2ワーク14とを接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】積層部の縦断面と、摩擦撹拌接合用工具の要部とを示す一部縦断面説明図である。
【図2】図1の積層部に摩擦撹拌接合用工具のプローブが埋没した状態を示す一部縦断面拡大図である。
【図3】本実施の形態に係る摩擦撹拌方法によって接合された積層部を示す一部縦断面拡大図である。
【図4】別形態の積層部の縦断面と、摩擦撹拌接合用工具の要部とを示す一部縦断面拡大図である。
【図5】図4の積層部に摩擦撹拌接合用工具のプローブが埋没した状態を示す一部縦断面拡大図である。
【図6】本実施の形態に係る摩擦撹拌方法によって接合された積層部を示す一部縦断面拡大図である。
【符号の説明】
【0058】
10、30…積層部 12…第1ワーク(第1層)
14…第2ワーク(第2層) 16…有孔ワーク
18、34…貫通孔 20…摩擦撹拌接合用工具
24…プローブ 32…インナパネル(有孔ワーク)
36…アウタパネル 38…第1層
40…第2層 D1、D2、D3…直径
L1…長さ
T1、T2、T3、T4、T5、T6…肉厚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔が設けられた有孔ワークが第1層と第2層との間に少なくとも1つ介装されることによって形成された積層部を摩擦撹拌接合する摩擦撹拌接合方法であって、
前記貫通孔に挿入された際に遊びが生じる寸法のプローブを有する摩擦撹拌接合用工具を使用し、
最上層から埋没した前記プローブを、前記貫通孔を通過させて、最下層における該貫通孔に露呈した側の端面まで到達させ、
前記プローブの回転動作によって前記最上層の肉を塑性流動させ、該肉を、前記最下層における前記貫通孔に露呈した側の端面の肉と接合することを特徴とする摩擦撹拌接合方法。
【請求項2】
請求項1記載の摩擦撹拌接合方法において、前記第1層及び前記第2層として、部材を折曲させることによって互いに離間して対向した部位同士を用いるとともに、離間した前記部位同士の間に前記有孔ワークを挿入することを特徴とする摩擦撹拌接合方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の摩擦撹拌接合方法において、前記有孔ワークとして、前記第1層及び前記第2層を構成するワークと別材質からなるものを選定することを特徴とする摩擦撹拌接合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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