説明

摩擦撹拌接合装置

【課題】被接合部材の目違いが生じたとしても、接合不良の発生を防止可能な摩擦撹拌接合装置を提供する。
【解決手段】被接合部材W1同士を接合する摩擦撹拌接合装置1であって、被接合部材W1同士の接合を行なう工具11を保持する工具保持部12と、工具11による接合方向の前方に設けられ、被接合部材W1の接合箇所の表面を押圧する押圧手段13と、押圧手段13と工具11との間における被接合部材W1同士の目違いを検出する目違い検出手段17とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークに対して摩擦撹拌接合を行なう摩擦撹拌接合装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
二つの部材からなるワークを接合する方法の一つとして摩擦撹拌接合が知れられている。摩擦撹拌接合とは、ワークの接合箇所に、工具のショルダ面と呼ばれる面で所定の加圧力で加圧した状態で該工具を回転させることにより、ワーク表面に摩擦熱を生じさせ、この摩擦熱によってワークを軟化させて接合させるものである。
【0003】
このような摩擦撹拌接合においては、ワークに対して、工具を高さ方向に適切な位置に配置する必要がある。例えば、特許文献1では、光ビームを部材(被接合部材)の上面に投射して、部材の高さ位置を光学的に検出するセンサを備えた摩擦撹拌接合装置が開示されている。このような特許文献1の摩擦撹拌接合装置では、センサで部材の高さ位置を検出することにより、部材のバリを除去可能な適切な位置に、工具を配置可能としている。
【0004】
ところで、摩擦撹拌接合においては、ワークが成形時に変形してしまうことや、摩擦撹拌接合中の熱変形等によって、ワークである被接合部材同士の突き合わせ部の上面には段差、即ち目違いが生じることがある。このようなこの目違いが発生した状態で、摩擦撹拌接合を行なった場合、接合部にトンネル状空洞や溝等の接合不良が生じるおそれがある。このような接合不良は接合部分の強度低下を引き起こすため、目違いを抑制しながら接合を行なう必要があり、目違いを確実に抑制するためには、まず正確に目違い量を検出し、この検出結果に応じて被接合部材の押圧を行ない、接合不良の発生を防止する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−343244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のような摩擦撹拌接合装置では、部材の高さは検出できるものの、目違いを検出することができなかった。このため、目違いを原因とする接合不良を防止することはできなかった。
【0007】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、被接合部材の目違いが生じたとしても、接合不良を生じてしまうことを防止できる摩擦撹拌接合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用している。
即ち、本発明に係る摩擦撹拌接合装置は、ワークを構成する被接合部材同士を接合する摩擦撹拌接合装置であって、前記被接合部材同士の接合を行なう工具を保持する工具保持部と、前記工具保持部に保持された工具による接合方向の前方に設けられ、前記被接合部材の接合箇所の表面を押圧する押圧手段と、前記押圧手段と前記工具保持部に保持された工具との間における前記被接合部材同士の目違いを検出する目違い検出手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
このような摩擦撹拌接合装置においては、接合部材同士を接合する際に、工具保持部に保持された工具の接合方向前方では目違い検出手段によって被接合部材同士の接合箇所における目違いが検出される。このため、検出された目違いに基づいて、押圧手段による適切な押圧力で押圧することができ、これにより検出された目違いを解消し、目違いのない状態で工具により被接合部材同士の摩擦撹拌接合を行うことができる。
【0010】
また、前記目違い検出手段が検出した前記被接合部材同士の目違い量に応じて、前記押圧手段の押圧力を制御する押圧制御手段をさらに備えていてもよい。
【0011】
このような押圧制御手段によって、検出した目違い量に応じて、押圧手段の押圧力を自動的に適切な大きさに調整することができ、目違いを解消し得る適切な押圧力で押圧しながら被接合部材同士の接合が可能となる。このようにして接合部の接合不良の発生を抑制し、接合部の強度向上を図ることができる。
【0012】
さらに、前記目違い検出手段は、前記接合箇所の表面に検出光を照射する発光部と、前記接合箇所の表面で反射した前記検出光を受光する受光部と、受光した前記検出光から前記被接合部材同士の目違いを検出する目違い検出部とを有していてもよい。
【0013】
このような目違い検出手段においては、発光部と受光部とが被接合部材の上方に配置され、発光部によって照射された後に接合箇所の表面で反射した検出光を受光部が受光する。この際、被接合部材の高さ方向の位置に応じて、反射した検出光の集光位置が異なるため、この集光位置の差異に応じて被接合部材各々の高さ方向の位置を検出でき、高さ方向の変位の相違から被接合部材同士の目違いを検出することができる。
【0014】
また、前記目違い検出手段は、前記接合箇所の表面の上方で、前記接合部材の各々と対応して配置される一対の接触端子部と、前記接触端子部に電気を供給する電源部と、前記接触端子部各々が前記被接合部材に接触した際の通電を検知して、前記被接合部材同士の目違いを検出する目違い検出部とを有していてもよい。
【0015】
このような目違い検出手段においては、各々の被接合部材が高さ方向に上昇した際、これら接触端子部と被接合部材とが接触する。この際、電源部からの電気によって接触端子部と被接合部材との間が通電される。この通電状態を目違い検出部によって検出することで、被接合部材が高さ方向に変位したことを確認でき、高さ方向の変位の相違から目違いを検出することが可能となる。
【0016】
さらに、前記目違い検出手段は、前記接合箇所を撮影する撮影部と、前記撮影部で撮影した画像から、前記被接合部材同士の目違いを検出する目違い検出部とを有していてもよい。
【0017】
このような目違い検出手段においては、撮影された画像から、目違い検出部において視覚的に接合箇所における被接合部材同士の高さ方向の位置の差異を判別し、この差異を目違いとして判定して、目違いを検出することができる。
【0018】
また、前記押圧手段と前記工具保持部に保持された工具との間における前記被接合部材の高さを検出する高さ検出手段をさらに備えていてもよい。
【0019】
このような高さ検出手段によって、目違いが発生しないまま、被接合部材の高さ方向の位置が全体的に上昇した場合であっても、この高さを検出して押圧手段の押圧力に反映し、最適な押圧力で押圧しながら被接合部材同士の接合が可能となる。このようにして接合部の接合不良の発生を抑制し、接合部の強度向上を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の摩擦撹拌接合装置によれば、目違いの情報を取得し、押圧手段の押圧力へ反映することによって、最適な押圧力を付与しながら被接合部材同士の接合を行なうことが可能となり、接合不良の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第一実施形態に係る摩擦撹拌接合装置の全体構成を示す側面図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る摩擦撹拌接合装置の押圧手段を上方から見た図であって、図1の矢視Aを示すものである。
【図3】本発明の第一実施形態に係る摩擦撹拌接合装置の補助押圧手段を接合方向から見た図であって、図1の矢視Bを示すものである。
【図4】本発明の第一実施形態に係る摩擦撹拌接合装置の目違い検出手段の検出光照射状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係る摩擦撹拌接合装置の目違い検出手段及び押圧制御手段のブロック図である。
【図6】本発明の第二実施形態に係る摩擦撹拌接合装置の目違い検出手段において、接触端子部の設置状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の第二実施形態に係る摩擦撹拌接合装置の目違い検出手段及び押圧制御手段のブロック図である。
【図8】本発明の第三実施形態に係る摩擦撹拌接合装置の目違い検出手段において、カメラとライトの設置状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の第三実施形態に係る摩擦撹拌接合装置の目違い検出手段において、カメラで撮影される目違いの様子を示した図であって、図8の要部Aを示すものである。
【図10】本発明の第三実施形態に係る摩擦撹拌接合装置の目違い検出手段及び押圧制御手段のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の第一実施形態に係る摩擦撹拌接合装置1について説明する。
摩擦撹拌接合装置1は、ワークWを摩擦撹拌接合によって接合する装置である。以下では、板状をなす一対の被接合部材W1からなるワークWにおいて、被接合部材W1の接合端面同士を突き合わせ、一対の被接合部材W1を裏当て19に載置した状態で、上方から摩擦撹拌接合装置1によって接合する例について説明する。
【0023】
図1に示すように摩擦撹拌接合装置1は、接合を行なうための工具11を保持する工具保持部12と、被接合部材W1を押圧する押圧手段13及び補助押圧手段14と、押圧手段13を冷却する第一冷却手段15と、接合箇所を冷却する第二冷却手段16とを備えている。
さらに、摩擦撹拌接合装置1は、被接合部材W1同士の目違いを検出する目違い検出手段17と、目違い検出手段17での検出結果から押圧手段13の押圧力を制御する押圧制御手段18とを備えている。
【0024】
なお以下では、接合が進行する方向を接合方向とし、この接合方向に直交するワークWの表面に沿う方向を直交方向とし、また、工具11が挿入される方向を高さ方向とする。
【0025】
工具11は、軸線Pを中心として形成されて互いに一体をなすショルダ部20及びピン21を有している。
ショルダ部20は、軸線Pを中心とした円柱状をなしており、このショルダ部20の下端面は、ワークWの表面側に配置されてこの表面を押圧するショルダ面20aとされている。
ピン21は、外形がショルダよりも小さく形成されるとともにショルダ面20aの中央から高さ方向下方に向かって突出する円柱状をなし、摩擦撹拌接合時にワークW内に挿入される。
【0026】
工具保持部12は、軸線Pを中心とする円柱状をなしており、工具11の上端部においてショルダ部20を軸線Pの径方向外側から挟み込むようにして工具11を保持している。
【0027】
またこの工具保持部12は、上端部が加工機本体10の下端部に固定されており、加工機本体10の移動にともなって、工具保持部12及び工具11が高さ方向、接合方向、及び直交方向へ移動可能とされている。さらに加工機本体10における不図示の主軸の回転にともなって、これら工具保持部12及び工具11は軸線P中心に回転可能とされている。
【0028】
押圧手段13は、工具保持部12に保持された工具11の接合方向前方に設けられ、被接合部材W1同士が接合される接合箇所を押圧するものである。
そして、この押圧手段13は、加工機本体10に取り付けられる押圧手段本体29と、押圧手段本体29内に配置される荷重付与部30と、荷重付与部30の下端部に接続される支持部32と、支持部32において接合方向前後の端部に設けられる第一ローラ33及び第二ローラ34とを有している。
【0029】
押圧手段本体29は、加工機本体10の接合方向前方側に接続される部材であり、内部には被接合部材W1に荷重を付与する荷重付与部30が配置されている。また、この押圧手段本体29の高さ方向下方からは、荷重付与部30の一部が突出している。
【0030】
荷重付与部30は、押圧手段本体29内に配置され、押圧手段本体29の内部に収容されるバネ部材35と、このバネ部材35の押し込み量を調節可能なモーター36と、バネ部材35の下端に接続される連結部31とを有している。
【0031】
連結部31は、高さ方向に延在する部材であり、上端部はバネ部材35に接続されてモーター36によって高さ方向に移動可能とされている。またこの連結部31は、押圧手段本体29から高さ方向下方に突出しており、下端部には、直交方向を延在方向とする支持部回転軸37が設けられ、この支持部回転軸37を介して支持部32と接続されている。
【0032】
支持部32は、荷重付与部30の連結部31を挟んで接合方向前後対称に延在して設けられる直方体形状をなす部材である。またこの支持部32は、接合方向の中央部で上記支持部回転軸37によって連結部31と接続されており、この支持部回転軸37を中心に回転可能とされている。
【0033】
図2に示すように、第一ローラ33は、支持部32の接合方向後方側の端部に、工具11に隣接する位置に設けられ、直交方向を延在方向とする第一ローラ回転軸38及び不図示の軸受によってこの第一ローラ回転軸38を中心に回転可能とされているローラ部材である。そしてこの第一ローラ33は、直交方向である第一ローラ回転軸38の延在方向に沿って、第一ローラ回転軸38の径方向外側に向かって張り出しており、延在方向中央部において最も外径が大きくなるクラウンロールとされている。
【0034】
第二ローラ34は、第一ローラ33とは荷重付与部30を挟んで接合方向の反対側の端部である支持部32の接合方向前方側の端部に設けられており、第二ローラ回転軸39及び不図示の軸受によって、この第二ローラ回転軸39を中心に回転可能とされ、第一ローラ33同様に、延在方向中央部において最も外径が大きくなるクラウンロールとされている。
【0035】
また、これら第一ローラ33及び第二ローラ34は、被接合部材W1の表面に当接するように配置されており、荷重付与部30のモーター36及びバネ部材35によって、連結部31及び支持部32を介して被接合部材W1への押圧力を変更可能とされている。
【0036】
次に、補助押圧手段14は、工具11の接合方向後方に設けられ、接合箇所を押圧するものである。
そして、この補助押圧手段14は、加工機本体10に接続される補助押圧手段本体40と、補助押圧手段本体40から高さ方向下方に突出して設けられる支持部41と、支持部41の下端部に設けられる補助ローラ42とを有している。
【0037】
補助押圧手段本体40は、加工機本体10において接合方向後方側に接続される部材である。
【0038】
支持部41は、補助押圧手段本体40の高さ方向下方に突出して設けられ、高さ方向に延在する部材であり、その下端部には、直交方向を延在方向とする補助ローラ回転軸43が設けられており、この補助ローラ回転軸43を介して補助ローラ42と接続されている。
【0039】
図3に示すように、補助ローラ42は、支持部41の下端部において、補助ローラ回転軸43及び不図示の軸受によってこの補助ローラ回転軸43を中心に回転可能に接続されるローラ部材であり、被接合部材W1の表面に当接するように配置されている。そしてこの補助ローラ42には、直交方向である補助ローラ回転軸43の延在方向の中央部付近において、補助ローラ回転軸43の延在方向に沿って、径方向外側から内側に向かって凹む切欠き部44が設けられており、即ち、接合箇所を踏まないような断面H状をなしている。
【0040】
第一冷却手段15は、工具保持部12と押圧手段本体29との間に配されて、加工機本体10の下面より突出して設けられる噴出口45を有している。この噴出口45の先端は、第一ローラ回転軸38及び第二ローラ回転軸39と、各々の上記軸受とへ向かっており、図示しない冷却手段本体より送り込まれた冷却空気WAが、第一ローラ回転軸38及び第二ローラ回転軸39と上記各々の軸受とに、噴出可能となるように配置されている。
【0041】
第二冷却手段16についても同様に、工具保持部12と補助押圧手段本体40との間に配されて、加工機本体10の下面より突出して設けられる噴出口46を有している。そしてこの噴出口46の先端は、工具11に対して接合方向後方において被接合部材W1の表面の接合箇所へ、図示しない冷却手段本体より送り込まれた冷却空気WAが噴出可能となるように配置されている。
【0042】
続いて、図4及び図5を参照して、目違い検出手段17について説明する。
目違い検出手段17は、加工機本体10の下面において、接合方向に沿って第一冷却手段15と工具保持部12とに挟まれる位置に配置され、発光部50と、受光部51と、目違い検出部52と有している。
【0043】
発光部50は、工具11と第一ローラ33とに挟まれる位置の被接合部材W1の表面に、検出光WLを照射するものである。そしてこの検出光WLは、接合箇所を挟んで被接合部材W1各々の表面に照射されるようになっている。
【0044】
受光部51は、発光部50からの検出光WLが被接合部材W1の表面で反射した後に、この反射した検出光WLを受光するものである。
【0045】
目違い検出部52は、受光部51で受光した検出光WLに対してデータ処理を行ない、押圧制御手段18にこのデータを出力する装置である。
また、目違い検出部52は、変位量測定処理部60と、目違い判定部62と、基準値入力部61とを有している。
【0046】
変位量測定処理部60は、受光部51で受光した検出光WLの集光位置を認識することによって、被接合部材W1各々の表面の高さ方向の位置を測定するものである。そして被接合部材W1同士の表面の高さ方向の位置の差を、目違い量のデータとして目違い判定部62へ出力する。なお、この表面の高さ方向の位置は、被接合部材W1が裏当て19に接しているときを基準として、そこからの高さと定義し、これにより被接合部材W1それぞれについて、変形により基準から持ち上がった量を表している。
【0047】
基準値入力部61は、目違い量の上限値を入力するものである。この上限値は、被接合部材W1同士を接合した際の接合不良による強度低下を回避できる程度の値となっており、一般には0.5mm程度である。従って、本実施形態では0.5mmとしている。
【0048】
目違い判定部62は、変位量測定処理部60から出力される目違い量のデータが入力され、このデータと基準値入力部61において入力された目違い量の上限値とを比較し、これらの値の大小の判定を行なう。そして、判定を行なった後に、この目違い量データを押圧制御手段18へ出力するものである。
【0049】
次に、押圧制御手段18は、押圧手段本体29の内部に設けられたバネ部材35を押し込むモーター36と連動する制御装置であり、押圧力決定部65と、基準値記憶部66とを有している。
【0050】
基準値記憶部66は、基準値となる通常状態(目違いのない状態)の押圧手段13による押圧力のデータと、被接合部材W1の材料特性に応じたデータである押圧力と被接合部材W1の変位量との関係を表す関数データとが記憶されている。即ち、目違い量を0mmとするために必要な押圧力を算出可能なデータが記憶されている。
【0051】
押圧力決定部65は、目違い検出手段17からの目違い量の出力データを確認し、基準値記憶部66のデータによって、上記目違い量の出力データから押圧手段13で必要な押圧力を決定し、押圧手段13へデータ出力を行なうものである。
【0052】
このような摩擦撹拌接合装置1においては、工具11が被接合部材W1同士の接合箇所に押し付けられ、回転しながら接合方向前方に向かって移動する。この際、押圧手段13によって接合方向の前方の接合箇所表面が押圧されながら、被接合部材W1同士が接合される。従って、被接合部材W1同士の目違いを抑えながら接合を行なうことができる。
【0053】
また接合の際には、被接合部材W1の目違い量を目違い検出手段17によって検出し、この検出結果を押圧制御手段18へ入力することによって、押圧手段本体29の内部のモーター36が駆動し、バネ部材35の押し込み、又は引っ張りが行なわれる。この結果、連結部31及び支持部32を介して第一ローラ33及び第二ローラ34の押圧力が調整され、被接合部材W1の目違い量に応じた押圧力によって過度に被接合部材W1を押圧することなく、被接合部材W1を裏当て19に押し付けるように押圧した状態で接合することができる。従って、接合不良の発生を回避しながら接合を行なうことが可能となり、強度向上につながる。
【0054】
ここで、目違い検出手段17においては、まず接合方向前方の上方において、工具11と第一ローラ33とに挟まれる位置の被接合部材W1各々の表面に検出光WLを照射し、反射した検出光WLを受光部51が受光する。このようにして受光した検出光WLは、被接合部材W1各々の表面の高さ方向の位置によって集光位置が異なる。従って、変位量測定処理部60においてこの集光位置から、三角測距法の原理を用いて被接合部材W1各々の裏当て19からの持ち上がり量を算出でき、被接合部材W1同士の目違い量を割り出すことが可能となる。
【0055】
そして、このようにして割り出した被接合部材W1同士の目違い量を、目違い判定部62へ出力する。目違い判定部62においては、基準値入力部61へ入力された目違い量の上限値(本実施形態では0.5mm)との比較を行い、この上限値よりも変位量測定処理部60からの入力値が小さい場合には、押圧制御手段18への出力は行なわず、押圧手段13の押圧力を変化させない。
【0056】
一方、基準値入力部61の目違い量の上限値よりも変位量測定処理部60からの入力値が大きい場合には、押圧制御手段18への出力を行い、押圧力決定部65によって決定された押圧力を押圧手段13が被接合部材W1の表面へ付与するように指令する。そして、目違い量を上限値以下となるようにしながら、被溶接部材同士の接合を行なうことができる。
【0057】
さらに、支持部32は、支持部回転軸37によって回転可能に連結部31に接続されているため、被接合部材W1表面の凸凹に追従することが可能となり、より確実に被接合部材W1の表面を押圧することができる。
【0058】
また、押圧手段13の第一ローラ33及び第二ローラ34がクラウンロールとされていることによって、被接合部材W1の表面が直交方向に傾斜する場合でも、被接合部材W1の表面への肩当りを防止でき、面接触させることが可能となるため、被接合部材W1の表面を傷付けることなく押圧し、確実に接合を行なうことができる。
【0059】
また、補助押圧手段14の補助ローラ42が断面H状をなしていることによって、接合済みの接合箇所を踏むことなく、被接合部材W1を押圧し、接合方向後方においても被接合部材W1の持ち上がりを防止することが可能となり、接合箇所のさらなる品質向上につながる。
【0060】
そして、第一冷却手段15によって、第一ローラ33及び第二ローラ34の上記軸受が接合時の熱によって損傷することを防止でき、押圧手段13の耐久性向上で、さらに確実に目違いを抑制しながら接合を行なうことができる。
【0061】
さらに、第二冷却手段16によって、速やかに接合後の接合箇所の冷却を行なうことが可能となる。
【0062】
本実施形態の摩擦撹拌接合装置1においては、目違い検出手段17及び押圧制御手段18によって被接合部材W1同士の目違いを、押圧手段13の押圧力に反映することができ、目違いを抑制しながら接合を行なうことが可能となる。このようにして、接合不良発生を抑制し、接合強度向上を達成できる。
【0063】
さらに、支持部32が連結部31に対して支持部回転軸37によって回転支承されていることや、第一ローラ33及び第二ローラ34がクラウンロールとなっていること、また補助押圧手段14を採用することによって、さらに確実に被接合部材W1の押圧が可能となり、さらなる接合強度向上を図ることができる。
【0064】
また、第一冷却手段15及び第二冷却手段16によって、押圧手段13及び接合箇所の熱の除去が可能となり、被接合部材W1の押圧を確実に行ないながら、接合した後に速やかに接合箇所を冷却することが可能となり、さらなる接合強度向上を図ることができる。
【0065】
なお、本実施形態の目違い検出手段17は、被接合部材W1各々について、裏当て19からの持ち上がり量を測定することが可能である。従って、被接合部材W1同士の目違い量だけでなく、被接合部材W1が目違いを発生せずに全体的に持ち上がった場合においても、この持ち上がり量の情報を取得できる。そして、押圧制御手段18を通じて押圧手段13の押圧力を増加させ、持ち上がりを抑制した状態で確実に接合を行なうことができ、接合不良の発生防止によって強度向上を図ることが可能となる。
【0066】
また、本実施形態では、三角測距法を用いた目違い検出手段17を採用しているが、例えば他方式の光学式の変位計としてもよい。このような光学式の変位計としては、例えば共焦点式や分光干渉式等が挙げられる。
【0067】
さらに、目違い検出手段17は、必ずしも本実施形態における設置位置に設けられる必要はなく、検出光WLの照射及び受光が可能な位置であればよい。
【0068】
また、本実施形態では工具11と第一ローラ33とに挟まれる位置の目違いを検出して、この検出結果をもとに押圧手段13で必要な押圧力を決定している。しかし例えば、第二ローラ34よりも接合方向のさらに前方の位置で目違いを検出してもよく、接合が進行して、押圧手段13がこの目違いが検出された位置に到達した際に、検出結果をもとに押圧手段13の押圧力を変化させるように制御してもよい。
【0069】
次に、図6及び図7を参照して、第二実施形態に係る摩擦撹拌接合装置1について説明する。
なお、第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
本実施形態は、目違い検出手段17が目違い検出手段70とされている点で第一実施形態とは異なっている。
【0070】
目違い検出手段70は、加工機本体10の下面において、第一冷却手段15と工具保持部12とに挟まれる位置に配置され、接触端子部71と、電源部72と、目違い検出部73とを有している。
【0071】
接触端子部71は、接合箇所において、被接合部材W1各々の高さ方向上方に配置される金属端子であり、本実施形態では、被接合部材W1が裏当て19に接触した状態を基準として、被接合部材W1の表面から0.5mm上方に下端部が配置されるように設置されている。
【0072】
電源部72は、接触端子部71に接続され、この接触端子部71へ電源を供給するものである。
【0073】
目違い検出部73は、接触端子部71と被接合部材W1とが接触して通電した際に、押圧制御手段18への出力を行なうものである。
【0074】
このような摩擦撹拌接合装置1によると、押圧手段13が被接合部材W1を押圧する際に、被接合部材W1各々が上方に持ち上がった場合(本実施形態では裏当て19に接触した状態から0.5mmの持ち上がり量となった場合)に、接触端子部71と被接合部材W1とが接触し通電される。
【0075】
そして、この通電を目違い検出部73で検知する。この目違い検出部73は、例えばON/OFF切り替えが可能なスイッチング素子等を有しており、通電した場合にはONとなって押圧制御手段18への出力を行い、また通電しない場合にはOFFとなって押圧制御手段18への出力を行なわないように設定されている。
【0076】
また、接触端子部71と被接合部材W1とが通電した場合には、押圧制御手段18の基準値記憶部66において予め記憶された押圧力を被接合部材W1へ付加するように、押圧手段13のモーター36を駆動する。なお、予め設定された押圧力とは、接触端子部71の設置位置、即ち0.5mmの高さ方向位置から、0mm(裏当て19に接触する位置)まで、被接合部材W1を押圧する押圧力である。
【0077】
このようにして、押圧手段13によって接合方向の前方の接合箇所表面が押圧されながら、被接合部材W1同士が接合される。従って、被接合部材W1同士の目違いを抑制しながら接合を行なうことができる。
【0078】
本実施形態の摩擦撹拌接合装置1においては、目違い検出手段70及び押圧制御手段18によって被接合部材W1同士の目違いを押圧手段13の押圧力に反映することができ、目違いを抑制しながら接合を行なうことが可能となる。このようにして、接合不良発生を抑制し、接合強度向上を達成できる。
【0079】
さらに、被接合部材W1同士の目違い量だけでなく、被接合部材W1が目違いを発生せずに全体的に持ち上がった場合であっても、接触端子部71と接触する状態、即ち高さ方向に0.5mmまで持ち上がれば、押圧制御手段18を通じて押圧手段13の押圧力を増加させ、持ち上がりを抑制した状態で確実に接合を行なうことができ、接合不良の発生防止によってさらなる強度向上を図ることが可能となる。
【0080】
なお、本実施形態では目違い検出手段70を用いて目違い及び持ち上がりを検出しているが、他の電気的なセンサを用いてこれらを検出してもよい。例えば、差動トランス式の接触式変位計等が挙げられる。
【0081】
次に図8から図10を参照して、第三実施形態に係る摩擦撹拌接合装置1について説明する。
なお、第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
本実施形態は、目違い検出手段17又は目違い検出手段70に代えて、目違い検出手段80を用いている点で第一実施形態及び第二実施形態と異なる。
【0082】
目違い検出手段80は、接合箇所を撮影するカメラ(撮影部)81と、撮影箇所を照射するライト82と、撮影した画像から被接合部材W1同士の目違いを検出する目違い検出部83とを有している。
カメラ81は、被接合部材W1同士の接合箇所を撮影するものであり、目違い部分を撮影可能となるように、接合箇所に対して高さ方向の直上以外の方向に、接合箇所から離間した位置に設けられている。
【0083】
ライト82は、接合箇所をカメラ81で撮影する際に、目違い部分の陰影が明確となるように設けられている。
【0084】
次に、目違い検出部83について説明する。
目違い検出部83は、画像取得部90と、二値化処理部91と、目違い抽出部92と、目違い判定部93と、基準値入力部94とを有している。
【0085】
画像取得部90は、カメラ81にて撮影した接合箇所の画像を取り込み、二値化処理部91へこの画像データを出力するものである。
【0086】
二値化処理部91は、画像取得部90からの画像データの二値化処理を行なう。ここで、被接合部材W1の表面と、目違いにより露出する端面とでは、向きが異なり反射状態が異なるため、画像データにおいて明るさに差が生じている。従って、二値化処理を行うことで、画像データから目違い部分とその他の部分とがそのコントラストにより判別可能な状態となる。そして、二値化処理部91は、その二値化画像を目違い抽出部92へ出力するものである。
【0087】
目違い抽出部92は、二値化処理部91からの入力された二値化画像に映し出される目違い部分と対応する領域を目違い部分として抽出し、その領域の画素数から目違い部分の大きさを求める。そして、目違い抽出部92は、求めた目違いの大きさを目違い判定部93へ出力するものである。
【0088】
基準値入力部94は、目違い量の上限値を入力するものである。この上限値は、被接合部材W1同士を接合した際の接合不良による強度低下を回避できる程度の値となっており、本実施形態では0.5mmとしている。
【0089】
目違い判定部93は、目違い抽出部92からの入力値を受け、基準値入力部94の上記上限値との比較を行い、これらの値の大小の判定を行なう。そして、判定を行なった後にこの目違い量データを押圧制御手段18へ出力するものである。
【0090】
このような摩擦撹拌接合装置1によると、カメラ81によって被接合部材W1同士の接合箇所の撮影を行なう。そして、目違い検出部83へ出力を行なう。
【0091】
目違い検出部83においては、画像取得部90が、図9に示すようなカメラ81からの画像を画像データとして取得し二値化処理部91へ出力する。そして、この画像データは、二値化処理部91において、目違い部分とその他の部分とに判別可能に分離される。具体的には、被接合部材W1同士の間に目違いが生じている場合にはこの目違いの部分が画像上では暗く(黒く)表示され、目違い以外の部分は明るく(白く)表示される。従って、この明暗に対して二値化を行い、例えば、暗い部分を「0」とし、明るい部分を「1」とすることによって、目違い部分とその他の部分とを完全に切り分けることが可能となる。
【0092】
その後、二値化処理部91において二値化処理された画像データが目違い抽出部92へ出力される。目違い抽出部92では、上述のように暗く表示されて「0」とされた部分から目違い量を抽出する。
【0093】
また、目違い抽出部92で抽出された目違い量のデータは目違い判定部93に出力され、目違い判定部93においては、基準値入力部94へ入力された目違い量の上限値(本実施形態では0.5mm)との比較を行い、この上限値よりも目違い抽出部92からの入力値が小さい場合には、押圧制御手段18への出力は行なわず、押圧手段13の押圧力を変化させない。
【0094】
一方、基準値入力部94の目違い量の上限値よりも目違い抽出部92からの入力値が大きい場合には、押圧制御手段18への出力を行い、押圧手段13の押圧力を増加するように指令し、目違い量を上限値以下となるようにしながら、被溶接部材同士の接合が行なわれる。このようにして、押圧手段13が被接合部材W1同士の目違いを抑え、接合を行なうことができる。
【0095】
本実施形態の摩擦撹拌接合装置1においては、目違い検出手段80及び押圧制御手段18によって被接合部材W1同士の目違いを押圧手段13の押圧力に反映することができる。従って、目違いを抑制しながら接合を行なうことが可能となり、接合不良発生の抑制によって接合強度向上を達成できる。
【0096】
以上、本発明の実施形態についての詳細説明を行なったが、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内において、多少の設計変更も可能である。
例えば、第一ローラ33及び第二ローラ34はクラウンロールでなくてもよい。
【0097】
また、押圧手段本体29の内部に設けられたバネ部材35は、油圧や空圧によって作動するアクチュエータ等であってもよい。そして空圧のアクチュエータを採用した場合には、作動流体となる圧縮空気を、例えば工場設備で常用される工場エアー等を用いることができるため、コスト低減につながる。
【0098】
さらに、第一冷却手段15及び第二冷却手段16は必ずしも設置する必要はなく、第一ローラ回転軸38、第二ローラ回転軸39、補助ローラ回転軸43、及びこれらの軸受を冷却可能であれば、設置位置についても限定されない。また冷媒としては冷却空気WAに限定されない。そして、第一冷却手段15は必ずしも第一ローラ回転軸38及び第二ローラ回転軸39の両方を冷却する必要はなく、より接合箇所からの熱の影響を受け易い第一ローラ回転軸38のみを冷却するように配置してもよい。
【0099】
また、補助押圧手段14については設置しなくてもよく、この場合コスト低減につながる。
【0100】
さらに、押圧手段13においては、第一ローラ33及び第二ローラ34の2つの当接部によって被接合部材W1を押圧していたが、例えば一つの当接部によって押圧してもよい。
【0101】
また、上記実施形態では、被接合部材W1の目違い量及び持ち上がり量に応じて、押圧手段13における押圧力の制御を行っているが、例えば、被接合部材W1の持ち上がり量に応じて押圧手段13の高さ方向位置が変位した際に、この変位量に応じて押圧手段13における押圧力を調整してもよい。
【0102】
そして、目違い及び持ち上がりの検出手段として、上述の目違い検出手段17、70、80以外にも、その他様々な手法を用いることができる。例えば、超音波を発信した後に反射波を受信して、発信から受信までの時間を計測することによって被接合部材W1の高さ方向位置を検知する超音波センサ等が挙げられる。
【0103】
さらに、本発明はボビンツールを用いて接合を行なう際に適用してもよく、また、摩擦撹拌接合をスポット接合に用いるスポットFSWへも適用が可能である。
【符号の説明】
【0104】
1…摩擦撹拌接合装置、10…加工機本体、11…工具、12…工具保持部、13…押圧手段、14…補助押圧手段、15…第一冷却手段、16…第二冷却手段、17…目違い検出手段、18…押圧制御手段、19…裏当て、20…ショルダ部、20a…ショルダ面、21…ピン、29…押圧手段本体、30…荷重付与部、31…連結部、32…支持部、33…第一ローラ、34…第二ローラ、35…バネ部材、36…モーター、37…支持部回転軸、38…第一ローラ回転軸、39…第二ローラ回転軸、40…補助押圧手段本体、41…支持部、42…補助ローラ、43…補助ローラ回転軸、44…切欠き部、45…噴出口、46…噴出口、50…発光部、51…受光部、52…目違い検出部、60…変位量測定処理部、61…基準値入力部、62…目違い判定部、65…押圧力決定部、66…基準値記憶部、70…目違い検出手段、71…接触端子部、72…電源部、73…目違い検出部、80…目違い検出手段、81…カメラ(撮影部)、82…ライト、83…目違い検出部、90…画像取得部、91…二値化処理部、92…目違い抽出部、93…目違い判定部、94…基準値入力部、W…ワーク、W1…被接合部材、P…軸線、WA…冷却空気、WL…検出光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを構成する被接合部材同士を接合する摩擦撹拌接合装置であって、
前記被接合部材同士の接合を行なう工具を保持する工具保持部と、
前記工具保持部に保持された工具による接合方向の前方に設けられ、前記被接合部材の接合箇所の表面を押圧する押圧手段と、
前記押圧手段と前記工具保持部に保持された工具との間における前記被接合部材同士の目違いを検出する目違い検出手段とを備えることを特徴とする摩擦撹拌接合装置。
【請求項2】
前記目違い検出手段が検出した前記被接合部材同士の目違い量に応じて、前記押圧手段の押圧力を制御する押圧制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の摩擦撹拌接合装置。
【請求項3】
前記目違い検出手段は、前記接合箇所の表面に検出光を照射する発光部と、
前記接合箇所の表面で反射した前記検出光を受光する受光部と、
受光した前記検出光から前記被接合部材同士の目違いを検出する目違い検出部とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の摩擦撹拌接合装置。
【請求項4】
前記目違い検出手段は、前記接合箇所の表面の上方で、前記被接合部材の各々と対応して配置される一対の接触端子部と、
前記接触端子部に電気を供給する電源部と、
前記接触端子部各々が前記被接合部材に接触した際の通電を検知して、前記被接合部材同士の目違いを検出する目違い検出部とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の摩擦撹拌接合装置。
【請求項5】
前記目違い検出手段は、前記接合箇所を撮影する撮影部と、
前記撮影部で撮影した画像から、前記被接合部材同士の目違いを検出する目違い検出部とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の摩擦撹拌接合装置。
【請求項6】
前記押圧手段と前記工具保持部に保持された工具との間における前記被接合部材の高さを検出する高さ検出手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の摩擦撹拌接合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−86138(P2013−86138A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229578(P2011−229578)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】