説明

播種機

【課題】機体フレームの前後に前輪と後輪を配置し、該前輪と後輪の間に、播種装置と作溝具とを備える播種ユニットを左右方向に列設し、複数条に一括して播種を行う播種機において、各作溝具毎に播種深さを調節していたため、播種機の対応条数が多くなると、播種深さ調節作業にかかる手間や時間が増加する、という問題があった。
【解決手段】機体フレーム2・3の少なくとも一部に対して全ての播種ユニット17を同時に傾倒可能な播種深さ調節機構64を設け、更に、前記機体フレーム2・3は、前ローラ5を支承する前フレーム2a・3aと鎮圧ローラ6を支承する後フレーム2b・3bとに前後二分割して、連結軸4L・4Rを中心にして上下に屈曲可能に連結すると共に、その一方のみに全ての播種ユニット17を支持することにより、屈曲角である角度67・68を変更して、全ての播種ユニット17を同時に傾倒可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体フレームの前後に前輪と後輪を配置し、該前輪と後輪の間に、播種装置と作溝具とを備える播種ユニットを左右方向に列設し、複数条に一括して播種を行う播種機に関し、特に、作溝具によって形成する播種溝の深さ(以下、「播種深さ」とする)の調節構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、前輪と後輪を支承した機体フレームに、播種装置と作溝具とを備える播種ユニットを条毎に設け、複数条に播種を行う播種機においては、各作溝具毎に播種深さ調節機構を設け、作溝具による播種深さを調節する技術(例えば、特許文献1参照)が公知となっている。該播種深さ調節機構では、例えば、機体フレーム側に上下方向に軸心を有する筒体を固設し、該筒体内に、下端を前記作溝具に連結したポールの上部を上下摺動可能に内挿し、該ポールを、前記筒体に螺挿したボルトの先端によって固定することにより、作溝具の下端を所定の深さに設定するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−345733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記技術では、各作溝具毎に調節機構を設けるため、播種機の対応条数が多くなると、播種深さ調節作業にかかる手間や時間が増加し、播種作業の作業性が悪化する、という問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、機体フレームの前後に前輪と後輪を配置し、該前輪と後輪の間に、播種装置と作溝具とを備える播種ユニットを左右方向に列設し、複数条に一括して播種を行う播種機において、前記機体フレームの少なくとも一部に対して全ての播種ユニットを同時に傾倒可能な播種深さ調節機構を設けたものである。
請求項2においては、前記機体フレームは、前記前輪を支承する前フレームと前記後輪を支承する後フレームとに前後二分割し、該後フレームと前記前フレームとは、連結軸を中心にして上下に屈曲可能に連結すると共に、前記前フレームまたは後フレームの一方のみに、全ての播種ユニットを支持することにより、前記前フレームと後フレームとの成す屈曲角を変更して、全ての播種ユニットを同時に傾倒可能とするものである。
請求項3においては、前記前フレームと後フレームのうちの一方のフレームの端部と他方のフレームの途中部との間に前記連結軸を介設すると共に、該連結軸から離間した位置で前フレームと後フレーム間の間隔を変更可能な深さ調節具を備えるものである。
請求項4においては、前記播種装置と、該播種装置の繰出部を前記機体フレームに取り付ける繰出ベースとの間には、該繰出ベースへの繰出部の取り付けと動力伝達経路への繰出部の動力接続とを同時に行う第一操作、または前記繰出ベースからの繰出部の取り外しと動力伝達経路からの繰出部の動力切断とを同時に行う第一操作を実施する播種装置着脱構造を介設するものである。
請求項5においては、前記播種装置着脱構造において、前記繰出部側に、前記播種装置を駆動する繰出軸に嵌合する従動ギアと、複数の係止部とを備え、前記繰出ベース側に、取り付け状態で前記従動ギアと噛合する駆動ギアと、前記係止部を挟持する挟持体とを備えるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示す効果を奏する。
すなわち、請求項1により、全ての播種ユニットに備えた作溝具も同時に傾倒させ、播種深さを一括して変更することができ、播種機の対応条数が多くなっても、播種深さ調節作業に手間や時間がかからず、播種作業の作業性が悪化しない。
請求項2により、各作溝具は、複数の部品から成る播種深さ調節機構を介することなく、機体フレームに対し、直接に、あるいは単一の部材を介して、強固に連結することができ、たとえ、土壌や作溝具の状態などが悪くて、土壌から受ける抵抗の増大・不均一化などが起こっても、作溝具が偏移したり振動することがなく、播種深さ精度の低下を防止できる。
請求項3により、一方のフレームの途中部と他方のフレームの端部との間に深さ調節具を設けるだけの簡単な構成で、屈曲角を変更することができ、部品コストの削減と組立性の向上を図ることができる。しかも、支点から離間して深さ調節具を備えることにより、腕の長さを長くしてモーメントを大きくすることができ、小さな操作力で深さ調節具を伸縮させて、播種深さ調節作業の作業負荷の軽減を図ることができる。
請求項4により、播種装置着脱構造で、播種機に備えた全ての播種装置を短時間で着脱することができ、メンテナンス性が向上する。
請求項5により、播種装置着脱構造を簡単な構成で設けることができ、部品コストの削減と組立性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係わる播種機の全体構成を示す側面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】深さ調節具の側面図である。
【図4】深さ調節具を使った播種深さ調節作業の説明図であって、図4(a)は後フレームの前半部を略水平に保持させた播種機の播種深さを示す説明図、図4(b)は後フレームの前半部を前傾させた播種機の播種深さを示す説明図である。
【図5】作条爪を固設した繰出ベースを示す図であって、図5(a)は同じく平面図、図5(b)は同じく側面図である。
【図6】播種装置着脱構造を使った播種装置の取り付けと動力接続との第一操作の説明図である。
【図7】作条爪を固設した繰出ベースに播種装置を取り付けた状態を示す側面図である。
【図8】低位置支持構造の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
なお、図1の矢印Fで示す方向を播種機1の前進方向とし、以下で述べる各部材の位置や方向などはこの前進方向を基準とするものである。
【0009】
まず、本発明に関わる歩行型の播種機1について、その全体構成を図1、図2により説明する。
該播種機1には、左右一対の機体フレーム2・3が配置され、このうちの左の機体フレーム2では、前フレーム2aと後フレーム2bとが連結軸4Lを中心にして上下に屈曲可能に連結され、同様に、右の機体フレーム3でも、前フレーム3aと後フレーム3bが連結軸4Rを中心にして上下に屈曲可能に連結されている。そして、このうちの左右の前フレーム2a・3aの前部間に、前ローラ5のローラ軸7が支承される一方、左右の後フレーム2b・3bの後部間に、鎮圧ローラ6のローラ軸8が支承されている。
【0010】
更に、該左右の後フレーム2b・3bの前半部間には、前後に支持バー11・12が横架され、該支持バー11・12によって繰出ベース13の前後端が支持されている。該繰出ベース13の上面には、下部に繰出部14aを有する播種装置14が搭載される一方、繰出ベース13の下面には、後方に覆土板16を支持した作条爪15が固設されており、これら播種装置14、繰出ベース13、作条爪15、及び覆土板16等より、各条毎に播種ユニット17が構成されている。該播種ユニット17は、本実施例では、左右方向に略等間隔で4個列設され、該4個の播種ユニット17から播種部9が形成されている。
【0011】
また、該播種部9の後方で前記後フレーム2b・3bの後部間には、操作部10が配置される。
該操作部10においては、前記ローラ軸8より後方の後フレーム2b・3bから略鉛直上方に、左右の縦アーム部36b・36bが前後回動可能に立設されると共に、該縦アーム部36b・36bの上端間が、横アーム部36aによって連結されて、下アーム部材36が形成される。
【0012】
更に、パイプ状で上端が開口した前記縦アーム部36b・36b内に、縦アーム部35b・35bが上から内挿されると共に、該縦アーム部35b・35bの上端間が、把持アーム部35aによって連結されて、上アーム部材35が形成され、該上アーム部材35と前記下アーム部材36とから、略鉛直上方に立設された正面視門型のハンドルアーム34が構成されている。
【0013】
そして、下アーム部材36の縦アーム部36b・36bの上端前部には、ボルト43・43が前方から螺挿されており、該ボルト43・43の螺挿進行に伴って、ボルト43・43の後端を上アーム部材35の縦アーム部35b・35bの前面に押圧することにより、上アーム部材35が下アーム部材36に対して締結固定される。
【0014】
これにより、前記ボルト43を緩め、上アーム部材35を下アーム部材36に沿って摺動させて昇降させた後、再びボルト43を締めることにより、ハンドルアーム34の高さを所定の高さに調節可能としている。
【0015】
そして、前記縦アーム部36b・36bの上下途中部からは、左右一対のステー41・41が前方に突設され、該ステー41・41の前端部には、図示せぬネジ孔が開口され、該ネジ孔と同軸状にナット42a・42aが外側面に固設されている。一方、前記ローラ軸8より前方の後フレーム2b・3bからは、それぞれ左右一対の突出部2b1・3b1が上方に突設され、該突出部2b1・3b1の上端に、ハンドル傾斜調節フレーム40・40の下端が前後回動可能に連結される。そして、該ハンドル傾斜調節フレーム40・40の上端には、長孔40a・40aが設けられており、該長孔40a・40aを挿通するようにして、ボルト42b・42bが内側から前記ナット42aに締められている。
【0016】
これにより、前記ボルト42b・42bを緩めて長孔40a・40aに沿って摺動させ、縦アーム部36b・36bを前後方向に傾倒した後、再びボルト42・42を締めることにより、ハンドルアーム34を所定の前後傾斜角に調節できるようにしている。
【0017】
以上のようにして、ハンドルアーム34の前後傾斜角と高さを無段階で変更し、播種作業中に、ハンドルアーム34を把持アーム部35aで把持して人力で前方へ押し操作するのに適した状態に設定することができ、押し操作が小さな人力ですみ、播種作業の作業負荷が減少し、その作業性が向上する。
【0018】
また、前記播種部9の前方で前フレーム2a・3aと後フレーム2b・3bとの間には、本発明に関わる深さ調節具26が配置されており、該深さ調節具26は、前後途中で上下に屈曲可能な前記機体フレーム2・3と一緒になって、後述する播種深さ調節機構64を構成している。
【0019】
また、前記後フレーム2b・3bの前部間で、前記支持バー11・12の間には、入力軸23が回動可能に横架されると共に、該入力軸23は、後述する播種装置着脱構造27内の伝達経路を介して、前記播種装置14の繰出軸24に連結される。そして、この入力軸23の右端は、動力伝達経路18を介して、前記鎮圧ローラ6のローラ軸8に連結されている。
【0020】
該動力伝達経路18においては、右の後フレーム3bの前後中央部外面に伝動ケース19が固設され、該伝動ケース19内の前部に前記入力軸23の右端が貫入され、該右端にスプロケット21が外嵌固定される。同様に、前記伝動ケース19内の後部には前記ローラ軸8の右端が貫入され、該右端にスプロケット20が外嵌固定されており、該スプロケット20と前記スプロケット21との間に、チェーン22が巻回されている。
【0021】
これにより、播種機1が進行すると、鎮圧ローラ6が回転し、該鎮圧ローラ6の回転動力が、ローラ軸8、スプロケット20、チェーン22、スプロケット21から入力軸23に伝達され、播種装置14の繰出軸24が駆動されて、圃場に種子が繰り出されるようにしている。
【0022】
そして、前記前ローラ5において、前フレーム2a・3aの前部でローラ軸7の支承部近傍からは、左右一対の支持フレーム28L・28Rが立設され、該支持フレーム28L・28Rの上端部間には、載置台29が横設されると共に、該載置台29の下面からは、持ち運び用の平面視門形の把手51が前方に突設されている。更に、前ローラ5の前方で左右の前フレーム2a・3a間には、泥落とし用の前スクレパー38が、前ローラ5の前部外周面に向かって突出され、同様に、前記鎮圧ローラ6の後方で後フレーム2b・3b間にも、泥落とし用の後スクレパー39が、鎮圧ローラ6の後部外周面に向かって突出されている。
【0023】
次に、前記播種深さ調節機構64について、図1乃至図4により説明する。
図1,図2に示すように、該播種深さ調節機構64は、前述の如く、屈曲可能な前記機体フレーム2・3と深さ調節具26とにより構成される。
【0024】
ここで、前記左右の前フレーム2a・3aの後部で、前記ローラ軸7と連結軸4L・4Rとの間には、左右の曲がり部2a1・3a1が上方に凸状に屈曲形成され、該曲がり部2a1・3a1間に前支軸62が横架される一方、前記左右の後フレーム2b・3bの前端部間には、後支軸63が横架されている。そして、該後支軸63の左右略中央部と前記前支軸62の左右略中央部との間に、この深さ調節具26が介設されている。
【0025】
図3に示すように、該深さ調節具26は、前半部に穿孔された横孔57aに前記前支軸62が嵌入されるブロック状の第一連結部材57と、下端部に穿孔された横孔58aに前記後支軸63が嵌入されるパイプ状の第二連結部材58と、該第二連結部材58と前記第一連結部材57との間に介設された調節ハンドル56とから構成される。
【0026】
該調節ハンドル56は、側面視L字状のハンドル部56aと、該ハンドル部56aの内端から垂設された軸部56bとから構成される。そして、該軸部56bは、前記第一連結部材57の後半部に穿孔された縦孔57bを上方から貫通し、該縦孔57b内に、軸部56bの上下略中央が昇降不能かつ回動可能に支持されるようにしている。更に、軸部56bの下端は、前記第二連結部材58の上面に固定されたナット59から、同じ第二連結部材58の上半部の筒内に螺刻された縦ネジ孔58bにかけて、螺挿されている。
【0027】
このような構成により、前記調節ハンドル56の側面視L字状のハンドル部56aを把持して回転し、前記軸部56bの先端をナット59から縦ネジ孔58bにかけて上下方向に螺挿進行させ、第一連結部材57と第二連結部材58との間隔65を伸縮することにより、前記連結軸4L・4Rを中心にして支軸62・63を上下方向に開閉することができる。
【0028】
ここで、前記第一連結部材57の後面にはボルト61によってスケール60が締結されており、該スケール60の下半部に刻設した目盛り60aから、前記第二連結部材58の上部に設けた基準線58cの位置を読み取ることにより、播種深さの目安となるようにしている。なお、前記調節ハンドル56の軸部56bで第一連結部材57よりも上方の部位には、スプリングピン105が半径方向に突設されており、回転した該スプリングピン105がスケール60の上半部の板バネ部60bに当接することにより、調節ハンドル56の回り止めを可能としている。
【0029】
更に、該支軸62・63は前記連結軸4L・4Rから十分に離間して配設されており、腕の長さを長くして、前記連結軸4L・4Rを支点としたモーメントを大きくすることができ、ハンドル部56aの回転に必要な人力が小さくてすみ、播種深さ調節作業の作業負荷が減少するようにしている。
【0030】
続いて、このような伸縮構造を有する深さ調節具26を使った播種深さ調節手順について説明する。
図4(a)に示すように、深さ調節具26の調節ハンドル56を回転し、連結部材57・58間を前記間隔65に設定した状態では、連結軸4Lを中心として前フレーム2a・3aの後部と後フレーム2b・3bの前部との成す角度(以下、「屈曲角」とする)が角度67となっている。この際、後フレーム2b・3bの前半部は略水平に保持されており、この水平姿勢にある全ての播種ユニット17において、播種深さに相当する、圃場面110から作条爪15の下端位置である位置71までの深さは、深さ69に設定されている。
【0031】
なお、本実施例では、側面視で、連結軸4L・4Rを中心とし、該連結軸4L・4Rから支軸62・63までを半径とした場合の中心角を屈曲角としているが、前フレームと後フレームとの屈曲の度合いを示す角度であればよく、その定義は特に限定されるものではない。
【0032】
図4(b)に示すように、調節ハンドル56を更に回転し、連結部材57・58間を前記間隔65から間隔66まで伸張させると、屈曲角は前記角度67から角度68まで拡大し、後フレーム2b・3bの前半部が前下方に傾斜される。これに伴い、全ての播種ユニット17において、作条爪15も前下方に傾斜し、その下端位置が前記位置71から位置72に変更され、播種深さは前記深さ69から深さ70まで深くなり、これによって、全ての播種ユニット17の播種深さ調節作業が完了する。
【0033】
従って、作業に伴う機体振動、圃場の状況変化、栽培条件などに応じて播種深さを変更する必要がある場合には、このような播種深さ調節機構64を使用することで、全ての播種ユニット17における播種深さを一括して適正な値に設定することができる。
【0034】
すなわち、機体フレーム2・3の前後に前輪である前ローラ5と後輪である鎮圧ローラ6を配置し、該前ローラ5と鎮圧ローラ6の間に、播種装置14と作溝具である作条爪15とを備える播種ユニット17を左右方向に列設し、複数条に一括して播種を行う播種機1において、前記機体フレーム2・3の少なくとも一部である前フレーム2a・3aに対して全ての播種ユニット17を同時に傾倒可能な播種深さ調節機構64を設けたので、全ての播種ユニット17に備えた作条爪15も同時に傾倒させ、播種深さである深さ69・70を一括して変更することができ、播種機1の対応条数が多くなっても、播種深さ調節作業に手間や時間がかからず、播種作業の作業性が悪化しない。
【0035】
更に、前記機体フレーム2・3は、前記前ローラ5を支承する前フレーム2a・3aと前記鎮圧ローラ6を支承する後フレーム2b・3bとに前後二分割し、該後フレーム2b・3bと前記前フレーム2a・3aとは、連結軸4L・4Rを中心にして上下に屈曲可能に連結すると共に、前記前フレーム2a・3aまたは後フレーム2b・3bの一方のみに、全ての播種ユニット17を支持することにより、前記前フレーム2a・3aと後フレーム2b・3bとの成す屈曲角である角度67・68を変更して、全ての播種ユニット17を同時に傾倒可能とするので、各作条爪15は、複数の部品から成る播種深さ調節機構を介することなく、機体フレーム2・3に対し、直接に、あるいは単一の部材である繰出ベース13を介して、強固に連結することができ、たとえ、土壌や作条爪15の状態などが悪くて、土壌から受ける抵抗の増大・不均一化などが起こっても、作条爪15が偏移したり振動することがなく、播種深さ精度の低下を防止できる。
【0036】
加えて、前記前フレーム2a・3aと後フレーム2b・3bのうちの一方のフレームの端部と他方のフレームの途中部との間に前記連結軸4L・4Rを介設すると共に、該連結軸4L・4Rから離間した位置で前フレーム2a・3aと後フレーム2b・3b間の間隔を変更可能な深さ調節具26を備えるので、一方のフレームの途中部と他方のフレームの端部との間に深さ調節具26を設けるだけの簡単な構成で、屈曲角である角度67・68を変更することができ、部品コストの削減と組立性の向上を図ることができる。しかも、支点である連結軸4L・4Rから離間して深さ調節具26を備えることにより、腕の長さを長くしてモーメントを大きくすることができ、小さな操作力で深さ調節具を伸縮させて、播種深さ調節作業の作業負荷の軽減を図ることができる。
【0037】
次に、前記播種装置着脱構造27について、図1、図5乃至図7により説明する。
該播種装置着脱構造27とは、前記作条爪15を固設した繰出ベース13に対し、播種装置14の繰出部14aの取り付けと動力接続、または取り外しと動力切断を、いずれも同時に可能とするものである。
【0038】
ここで、図6に示すように、前記播種装置14は、上下が開口した種子ケース73の下部開口に、後斜め下方から繰出ロール74を挿嵌し、その後から、下繰出ケース91を覆設して構成されている。
【0039】
このうち、前記種子ケース73は、上面が蓋体92で覆われるようにして内部に種子93を蓄えるホッパ部73aと、該ホッパ部73aよりも下方にある上繰出ケース部73bとから構成され、該上繰出ケース部73bと前記下繰出ケース91とから、種子93を所定量だけ繰り出すための前記繰出部14aが形成されている。そして、該繰出部14aの前下端部には、左右一対の第一係止突部14b・14bが左右外方に突設される一方、繰出部14aの後下端部には、第二係止突部14cが後方に突設されている。
【0040】
前記繰出ロール74においては、左右方向に軸孔74bが穿孔され、該軸孔74bは、前記種子ケース73の下部を左右方向に穿孔した通し孔73cと略同一軸心上に配置されており、前記繰出軸24が、該通し孔73c内に回動可能に挿通されると共に、前記軸孔74b内には回動不能に嵌合される。そして、該繰出軸24の一端は、前記種子ケース73内から左外方に突出され、その端部に、従動ギア75が外嵌固定されている。更に、繰出ロール74の外周面には、凹部74aが周方向に略等間隔で形成されており、該凹部74a内に前記種子93が入り込むようにしている。
【0041】
これにより、前記繰出ロール74が矢印94の方向に回転すると、前記ホッパ部73a内から凹部74a内に入り込んでいる種子93が、該凹部74a内に保持された状態で回転搬送される。この搬送途中では、図示せぬブラシにより、凹部74aから溢れた種子93などが除去される。そして、該凹部74a内の種子93は、所定の落下位置まで搬送されると、前記下繰出ケース91の下部に開口した繰出口91aより、前記繰出ベース13内に落下される。
【0042】
また、図5に示すように、前記繰出ベース13は、後方に開いた平面視U字状の切り欠き76aを後部に有する底板76と、該底板76の左右側縁から立設した左右一対の側板77・78と、左の側板77の左外側面の前後に設けた複数のボルト88によって締結固定されたギアケース79などから構成される。
【0043】
前記側板77・78において、その前部間には、左右方向に軸心を有するパイプ状の取付けボス部87が横設されており、該取付けボス部87内に前記前支持バー11を挿通してノブネジ86で固定することにより、側板77・78の前部を前支持バー11に連結固定するようにしている。一方、前記側板77・78の後縁部には、後方に開いた凹部77a・78aが形成されており、該凹部77a・78aに前記後支持バー12を挿嵌することにより、側板77・78の後部を後支持バー12に連結固定するようにしている。これにより、前後の支持バー11・12を介して、繰出ベース13を後フレーム2b・3bに支持固定することができる。
【0044】
更に、前記側板77・78で前半部の内側面には、側面視で下に凸状の側方挟持板83・83が貼設固定されると共に、側板77・78で後半部の内側面には、平面視で後方に開いたU字状の固定部81aを介して上方挟持板81が貼設固定されている。
【0045】
前記底板76において、その前後略中央には、矩形状の連通孔76bが開口され、該連通孔76bより前方の底板76の上面76cと、前記側方挟持板83・83の前下部の外周傾斜面83a・83aとの間に、前挟持空間89が設けられている。
【0046】
更に、前記底板76の後端部には、平面視で後方に開いたY字状の下方挟持板80の後端が固設され、該下方挟持板80の前部は、前斜め上方に向かって延出された後、略水平に形成された上水平部81bの直下に達すると、再び水平に戻されて下水平部80aとなる。そして、該下水平部80aと前記上水平部81bとの間に、後挟持空間90が設けられている。なお、前記上水平部81bは、前記上方挟持板81において固定部81aの上端から前方に突設され、その左右両端は下方に屈曲されており、前記後挟持空間90を左右両側から覆うようにしている。
【0047】
前記ギアケース79において、その左側面は左方に膨出すると共に、その上部は、後端部を除いて上方に開口されており、前記播種装置14の左外方に配置された従動ギア75が、上部開口79aを通って、上方からギアケース79内に挿入できるようにしている。
【0048】
更に、前記ギアケース79で上部が閉塞された後端部には、その内部空間に駆動ギア82が収納され、該駆動ギア82は、前記ギアケース79内で前記従動ギア75と噛合可能な位置において、前記入力軸23に外嵌固定されている。
【0049】
続いて、以上のような構成において、繰出ベース13への播種装置14の着脱手順について説明する。
図6に示すように、播種装置14を矢印96の方向に移動して、左右の第一係止突部14b・14bを、前記繰出ベース13の左右の側板77・78間で、側方挟持板83・83よりも前方の空間に挿入する。
【0050】
そして、第一係止突部14b・14bをそのまま矢印97の方向に水平移動させることにより、繰出部14a側の第一係止突部14b・14bを、それぞれ繰出ベース13側の前挟持空間89・89内に嵌入させると共に、繰出部14a側の第二係止突部14cも、繰出ベース13側内の後挟持空間90内に嵌入させることができる。これにより、図7に示すようにして、播種装置14の繰出部14aが、その前後において繰出ベース13に支持固定される。この際、第二係止突部14cには、図示せぬ孔が上下方向に穿孔されており、該孔に、前記下方挟持板80の下水平部80aの上面に設けた図示せぬ凸部が、下方挟持板80の弾性力によって下方から係合されるようにしている。なお、播種装置14の取り外し作業を行う際には、下方挟持板80を押し下げることにより、凸部を孔から容易に脱着させることができる。
【0051】
同時に、繰出部14a側の従動ギア75は、前記ギアケース79内に挿入され、該ギアケース79内で前記駆動ギア82と噛合される。これにより、図1に示す前記動力伝達経路18を介して入力軸23に伝達されてきた鎮圧ローラ6からの回転動力が、小径の駆動ギア82と大径の従動ギア75とから成る伝達経路を介して、前記繰出軸24に伝達されるのである。
【0052】
このようにして、繰出ベース13への繰出部14aの取り付けと動力伝達経路18への繰出部14aの動力接続とを同時に行う第一操作が可能となる。前記繰出ベース13からの繰出部14aの取り外しと動力伝達経路18からの繰出部14aの動力切断とを同時に行う第二操作については、前述の手順を逆にすることにより実施することができる。
【0053】
なお、前記第二係止突部14cを下から押圧する下方挟持板80は、板バネなどの弾性部材から成るため、前記第二係止突部14cが後挟持空間90に嵌入し、下方挟持体80の下水平部80aの高さが位置98から位置99まで下降すると、該下降によって下方挟持板80には上方への付勢力が生じ、該付勢力により、前記第二係止突部14cを常時付勢状態で挟持することができ、第二係止突部14cの挟持効果を高めるようにしている。
【0054】
すなわち、前記播種装置14と、該播種装置14の繰出部14aを前記機体フレーム2・3に取り付ける繰出ベース13との間には、該繰出ベース13への繰出部14aの取り付けと動力伝達経路18への繰出部14aの動力接続とを同時に行う第一操作、または前記繰出ベース13からの繰出部14aの取り外しと動力伝達経路18からの繰出部14aの動力切断とを同時に行う第二操作を実施する播種装置着脱構造27を介設するので、該播種装置着脱構造27により、播種機1に備えた全ての播種装置14を短時間で着脱することができ、メンテナンス性が向上する。なお、この播種装置着脱構造27により、一条用の播種機においても、播種装置14を迅速に取り付けることができる。
【0055】
更に、前記播種装置着脱構造27において、前記繰出部14a側に、前記播種装置14を駆動する繰出軸24に嵌合する従動ギア75と、複数の係止部である第一係止突部14b・14b、第二係止突部14cとを備え、前記繰出ベース13側に、取り付け状態で前記従動ギア75と噛合する駆動ギア82と、前記第一係止突部14b・14b、第二係止突部14cを挟持する挟持体である側方挟持板83・83、下方挟持板80、上方挟持板81とを備えるので、播種装置着脱構造27を簡単な構成で設けることができ、部品コストの削減と組立性の向上を図ることができる。
【0056】
次に、以上のようにして機体フレーム2・3に取付けた状態で種子93を繰り出す播種装置14において、その高さを予め低位置に設定可能な低位置支持構造116について、図1、図2、図5乃至図8により説明する。なお、左右の機体フレーム2・3は略同一の構造であるため、左の機体フレーム2について説明し、右の機体フレーム3についての説明は省略する。
【0057】
図1、図2、図8に示すように、該低位置支持構造116においては、前記後フレーム2bは、前記鎮圧ローラ6を支承する支承部2b2から後方に略水平に延出される後水平部113と、逆に支承部2b2から播種装置14に向かって前斜め下方に傾斜する前傾部112と、該前傾部112の前端から前方に略水平に延出される前水平部111とから構成される。
【0058】
そして、このうちの前水平部111と前傾部112に、それぞれ前記前支持バー11と後支持バー12が支持され、該前支持バー11と後支持バー12には、前述の如く、前記播種装置14を搭載した繰出ベース13の前後が係止されている。
【0059】
従って、前記前支持バー11と後支持バー12が、前記前傾部112から後水平部113にかけた部分に支持される場合と比べ、播種装置14は、最大で、前傾部112の前端と後端との高低差114の分だけ、低位置に支持されている。
【0060】
一方、前記前フレーム2aについては、前記前ローラ5を支承する支承部2a2から前後方向に略水平に延出される水平部115と、該水平部115の後端から上方に凸状に屈曲形成される前記曲がり部2a1とから構成される。そして、該曲がり部2a1の後端は、前記支承部2a2・2b2のいずれとも略同じ高さに設定されている。従って、前フレーム2aには、後フレーム2bの前傾部112のように、支承部2a2から播種装置14に向かって前斜め下方に傾斜する傾斜部は設けられていない。
【0061】
なお、前記後フレーム2bの前水平部111の前後略中央から上方に前突出部2b3が突出され、その突出端に前記連結軸4Lが設けられ、該連結軸4Lに前記曲がり部2a1の後端が連結されており、前フレーム2aと、後フレーム2bで播種装置14を支持する前水平部111とを、上下2段に離間して配置するようにしている。これにより、前記深さ調節具26の配置空間を上下方向に拡大し、播種機1の組み立て性、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0062】
また、このようにして、低位置支持構造116により圃場面110近傍に支持された播種装置14と一緒に、前記作条爪15も圃場面110近傍に支持されている。
図5乃至図7に示すように、該作条爪15は、正面視で下方に向かって先細り形状に突出するV字状の作溝部15aと、該作溝部15aから二股状に後方に開いた左右一対の側板部15b・15cとから構成される。ここで、前記作溝部15aは、下縁が閉塞された部分(以下、「閉塞下縁」とする。)が後ろ斜め下方に傾斜配置された前閉塞下縁15a1と、該前閉塞下縁15a1よりも傾斜角の小さい後閉塞下縁15a2とから構成し、該閉塞下縁15a1・15a2が、前記圃場面110に対して徐々に切り込めるようにしている。
【0063】
そして、播種装置14の下方において、この作条爪15の上面が、前記繰出ベース13の底板76の下面に固設されると共に、該底板76の連通孔76bの直下方に、前記左右の側板部15b・15c間の空間が配置されており、連通孔76bが作条爪15内を通って播種溝に連通されている。これにより、前記播種装置14から繰り出された種子93は、連通孔76bから最短距離で播種溝内に到達することができる。
【0064】
更に、繰出部14aの下面は、繰出ベース13の底板76上に載置された状態にあり、繰出部14aの前記繰出口91aは、前記連通孔76bの直上に、対向するようにして近接配置されている。これにより、前記播種装置14から繰り出された種子93は、筒体などのガイド部材を介することなく、繰出口91aからそのまま連通孔76bに到達することができる。
【0065】
従って、該播種装置14の繰出口91aと播種溝との間には、ほとんど作条爪15のみが介在し、前記繰出口91aから播種溝までの落下距離を、作条爪15の上下厚さの分だけに抑えることができるのである。
【0066】
更に、前記繰出口91aから連通孔76bまでの空間の周囲は、前記繰出ベース13の左右一対の側板77・78によって覆われている。これにより、種子93が繰出口91aから連通孔76b内を通過する間に、外部から吹き込む横風や泥土などによって飛散されないようにしている。
【0067】
加えて、前記作条爪15は、前述の如く、正面視で下方に向かって先細り形状に突出するV字状の作溝部15aを有する。これにより、該作溝部15aで形成する播種溝もV字状に形成することができ、該播種溝の底幅を繰出ロール74の長さと同程度にして溝の傾斜を急にし、種子93が播種溝内を左右に転動できないようにしている。
【0068】
なお、前記側板部15b・15cの後部には支持ピン85が横架され、該支持ピン85には、覆土アーム95の前端が前後揺動可能に連結され、該覆土アーム95の後端に、前記覆土板16が前後回動可能に支持されている。そして、前記側板部15b・15cと覆土アーム95との間には、前記支持ピン85に巻回された付勢バネ84が介設されており、該付勢バネ84の弾性力によって、覆土アーム95に支持された覆土板16を下方に常時付勢状態としている。
【0069】
すなわち、前後に前輪である前ローラ5と後輪である鎮圧ローラ6を支承した機体フレーム2・3に播種装置14と作溝具である作条爪15とを設けた播種機1において、前記播種装置14を低位置で支持する低位置支持構造116を備えると共に、前記作条爪15の直上方に、該作条爪15内を通って播種溝に連通する開口である連通孔76bを設け、該連通孔76bの直上近接空間に前記播種装置14からの種子93の繰出口91aを配置したので、圃場面110近傍に播種装置14を支持した上で、該播種装置14の繰出口91aと播種溝との間に作条爪15のみを介在させるようにして、前記繰出口91aから播種溝内までの落下距離を大幅に短縮することができる。これにより、種子93が播種溝内に衝突する際の反動を小さくし、該反動による種子93の周囲への転動を防止することができ、点播のように高い播種精度が要求される播種作業にも十分に対応できる。更に、この種子転動防止に加え、繰出口91aと播種溝との間のガイド部材を不要にして、部品コストの低減やメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0070】
更に、前記低位置支持構造116は、前記機体フレーム2・3において、前輪支承部である支承部2a2・3a2と後輪支承部である支承部2b2・3b2のうち、該支承部2b2・3b2から播種装置14に向かって下方に傾斜する傾斜部である前傾部112と、該前傾部112に略水平に連設する前水平部111とを有し、該水平部111の一部と連結した前支持バー11に前記播種装置14を支持するので、機体フレーム2・3の形状を変更するだけで播種装置14を圃場面110近傍の低位置で支持することができ、低位置支持のための部材を別途に設ける必要がなく、部品コストの低減とメンテナンス性の向上を更に図ることができる。
【0071】
加えて、前記繰出口91aから開口である連通孔76bにかけて、側面カバー部材として繰出ベース13の側板77・78を設けるので、繰出口91aから連通孔76bまで落下中の種子93が、外部から吹き込む横風や泥土などによって飛散するのを防止することができ、所定量の種子93が播種溝内に確実に導入され、播種精度が更に向上する。
【0072】
更に、前記作溝具である作条爪15には、側面視で後ろ斜め下方へ延びる閉塞下縁15a1・15a2を設けた正面視V字状の作溝部15aを設けるので、作溝部15aを正面視V字状とすることにより、播種溝の底部を狭幅に形成することができる。これにより、該播種溝内での種子93の左右方向への転動を確実に防止して、播種精度が更に向上する。また、正面視V字状であることから、作溝部15aの上部ほど左右外方に張り出しており、しかも、側面視で後ろ斜め下方へ延びることから、閉塞下縁15a1・15a2は圃場面110に徐々に切り込んでいくため、播種溝からの排出土は、上昇することなく左右外方に向かって円滑に押し出される。これにより、側面視で後ろ斜め上方に延びる閉塞前縁によって作溝する従来の作溝具と比べ、作溝に伴う土の上昇流を抑制することができ、前記繰出部14aや開口である連通孔76bが排出土によって閉塞するのを防止して、播種作業の作業性が向上する。
【0073】
加えて、前記作溝部15aからは、左右一対の側板部15b・15cを後方に二股状に開き、該側板部15b・15cに、下方へ付勢状態にある覆土部材である覆土板16を支持するので、該覆土板16を支持するための支持部材を別途に設ける必要がなく、該支持部材の設置空間を省略することができ、より低位置で前記播種装置14を支持し、前記繰出口91aから播種溝内までの落下距離を一層短縮することができる。更に、覆土板16を下方へ付勢状態とすることにより、覆土効果も高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、機体フレームの前後に前輪と後輪を配置し、該前輪と後輪の間に、播種装置と作溝具とを備える播種ユニットを左右方向に列設し、複数条に一括して播種を行う、全ての播種機に適用することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 播種機
2・3 機体フレーム
2a・3a 前フレーム
2b・3b 後フレーム
4L・4R 連結軸
5 前ローラ(前輪)
6 鎮圧ローラ(後輪)
13 繰出ベース
14 播種装置
14a 繰出部
14b 第一係止突部(係止部)
14c 第二係止突部(係止部)
15 作条爪(作溝具)
17 播種ユニット
18 動力伝達経路
24 繰出軸
26 深さ調節具
27 播種装置着脱構造
64 播種深さ調節機構
67・68 角度(屈曲角)
75 従動ギア
80 下方挟持板(挟持体)
81 上方挟持板(挟持体)
82 駆動ギア
83 側方挟持板(挟持体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体フレームの前後に前輪と後輪を配置し、該前輪と後輪の間に、播種装置と作溝具とを備える播種ユニットを左右方向に列設し、複数条に一括して播種を行う播種機において、前記機体フレームの少なくとも一部に対して全ての播種ユニットを同時に傾倒可能な播種深さ調節機構を設けたことを特徴とする播種機。
【請求項2】
前記機体フレームは、前記前輪を支承する前フレームと前記後輪を支承する後フレームとに前後二分割し、該後フレームと前記前フレームとは、連結軸を中心にして上下に屈曲可能に連結すると共に、前記前フレームまたは後フレームの一方のみに、全ての播種ユニットを支持することにより、前記前フレームと後フレームとの成す屈曲角を変更して、全ての播種ユニットを同時に傾倒可能とすることを特徴とする請求項1に記載の播種機。
【請求項3】
前記前フレームと後フレームのうちの一方のフレームの端部と他方のフレームの途中部との間に前記連結軸を介設すると共に、該連結軸から離間した位置で前フレームと後フレーム間の間隔を変更可能な深さ調節具を備えることを特徴とする請求項2に記載の播種機。
【請求項4】
前記播種装置と、該播種装置の繰出部を前記機体フレームに取り付ける繰出ベースとの間には、該繰出ベースへの繰出部の取り付けと動力伝達経路への繰出部の動力接続とを同時に行う第一操作、または前記繰出ベースからの繰出部の取り外しと動力伝達経路からの繰出部の動力切断とを同時に行う第二操作を実施する播種装置着脱構造を介設することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載の播種機。
【請求項5】
前記播種装置着脱構造において、前記繰出部側に、前記播種装置を駆動する繰出軸に嵌合する従動ギアと、複数の係止部とを備え、前記繰出ベース側に、取り付け状態で前記従動ギアと噛合する駆動ギアと、前記係止部を挟持する挟持体とを備えることを特徴とする請求項4に記載の播種機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−217359(P2012−217359A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84022(P2011−84022)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(597041747)アグリテクノ矢崎株式会社 (56)
【Fターム(参考)】