説明

撮像デバイスおよび撮像装置

【課題】実効的な開口率を柔軟に制御すること。
【解決手段】撮像デバイスは、屈折率が互いに異なる第1液体と第2液体との界面によりそれぞれ形成された複数の光学要素と、複数の光学要素にそれぞれ対応して設けられ、対応する光学要素を通じて被写体光を受光する光受口部を持つ複数の受光素子と、複数の界面の形状を制御することにより、複数の受光素子の実効的な開口率を制御する制御部とを備える。制御部は、複数の受光素子により撮像される画像の画質に基づいて、複数の受光素子の実効的な開口率を制御すべく界面の形状を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像デバイスおよび撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロレンズアレーを備えるカメラの光量調節器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、エレクトロウエッティング現象を利用したレンズが知られている(例えば、特許文献2および3参照。)。また、オンチップレンズとフォトダイオードを備えた固体撮像装置が知られている(例えば、特許文献4参照。)。
特許文献1 特開平8−111800号公報
特許文献2 特開2003−177219号公報
特許文献3 特開2000−356750号公報
特許文献4 特開2007−173258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
実効的な開口率を柔軟に制御することができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、撮像デバイスであって、屈折率が互いに異なる第1液体と第2液体との界面によりそれぞれ形成された複数の光学要素と、複数の光学要素にそれぞれ対応して設けられ、対応する光学要素を通じて被写体光を受光する光受口部を持つ複数の受光素子と、複数の界面の形状を制御することにより、複数の受光素子の実効的な開口率を制御する制御部とを備える。
【0005】
制御部は、複数の受光素子により撮像される画像の画質に基づいて、複数の受光素子の実効的な開口率を制御すべく界面の形状を制御してよい。制御部は、画像がより暗い場合に、複数の受光素子の実効的な開口率をより高めるべく界面の形状を制御してよい。
【0006】
制御部は、画像内の第1像領域よりも第2像領域が暗い場合に、第2像領域の像を形成する複数の受光素子の実効的な開口率を、第1像領域の像を形成する複数の受光素子の実効的な開口率よりも高めるべく、第1像領域に対応する界面と第2像領域に対応する界面とを異なる形状に制御してよい。制御部は、画像がより強いエリアジング信号を含む場合に、複数の受光素子の実効的な開口率をより高めるべく界面の形状を制御してよい。
【0007】
制御部は、画像内の第1像領域よりも第2像領域がより強いエリアジング信号を含む場合に、第2像領域の像を形成する複数の受光素子の実効的な開口率を、第1像領域の像を形成する複数の受光素子の実効的な開口率よりも高めるべく、第1像領域に対応する界面と第2像領域に対応する界面とを異なる形状に制御してよい。
【0008】
制御部は、複数の受光素子の露光期間中に、界面の形状を異なる形状に変化させてよい。
【0009】
第1液体および第2液体を内部に保持するハウジングと、ハウジングの内部を、第1液体が充填される第1液体領域と第2液体が充填される第2液体領域とに分割する仕切板とをさらに備え、仕切板には、複数の光受口部のそれぞれに対応して貫通孔が形成され、複数の光学要素は、複数の貫通孔のそれぞれにおける第1液体と第2液体との界面によって形成され、制御部は、第1液体を保持する領域の内圧を制御することにより、複数の界面の形状を制御してよい。
【0010】
貫通孔をそれぞれ複数持つ複数の小領域に第1液体領域を分割する隔壁をさらに備え、撮像デバイスは、複数の小領域のそれぞれに対応して設けられ、対応する小領域に充填される第1液体の内圧を一括して制御する複数の内圧制御部をさらに備えてよい。
【0011】
複数の光学要素はそれぞれ、界面がレンズ状に制御され得るレンズ要素であり、制御部は、界面の形状を制御して複数の光学要素の屈折力を制御することにより、複数の受光素子の実効的な開口率を制御してよい。
【0012】
制御部は、界面の形状を、光受口部より像側に焦点を結ぶ第1の屈折力を持つ形状と、第1の屈折力よりも小さい第2の屈折力を持つ形状とに切り替えることにより、複数の受光素子の実効的な開口率が高い状態と複数の受光素子の実効的な開口率が低い状態とに切り替えてよい。
【0013】
制御部は、界面の形状を、光受口部より像側に焦点を結ぶ形状と、光受口部より物体側に焦点を結ぶ屈折力を持つ形状との間で切り替えることにより、複数の受光素子の実効的な開口率が高い状態と複数の受光素子の実効的な開口率が低い状態とに切り替えてよい。
【0014】
本発明の第2の態様においては、被写体を撮像する撮像装置であって、上記撮像デバイスと、複数の受光素子に被写体光を結像する結像レンズ系とを備える。
【0015】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】撮像装置10のブロック構成の一例を模式的に示す図である。
【図2】受光素子162の配列の一例を模式的に示す図である。
【図3】光学伝達関数の開口率依存性の一例を示す図である。
【図4】受光素子162の実効的な開口率を説明する模式図である。
【図5】マイクロレンズ部150および受光部160の構成の一例を模式的に示す図である。
【図6】像領域の分割例を模式的に示す図である。
【図7】像領域の他の分割例を模式的に示す図である。
【図8】制御部180による制御内容の組み合わせをテーブル形式で示す図である。
【図9】制御部180による他の制御例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
図1は、撮像装置10のブロック構成の一例を模式的に示す。本実施形態に係る撮像装置10は、受光素子の実効的に開口率を柔軟に制御することを目的とする。撮像装置10は、レンズ110、絞り部120、マイクロレンズ部150、受光部160、画像処理部170、制御部180および画像記録部190を備える。撮像装置10は、カメラ機能付き携帯電話端末、デジタルカメラなどの撮像機器であってよい。撮像装置10が備える機能ブロックのうち、レンズ110、絞り部120、マイクロレンズ部150、受光部160、画像処理部170および制御部180を備える機能ブロックは、撮像装置10用の撮像デバイスとして提供されてよい。撮像デバイスは、撮像機器に組み込まれる撮像モジュールであってよい。
【0019】
レンズ110は、被写体からの光を結像する結像レンズである。レンズ110を通過した被写体光のうち、絞り部120およびマイクロレンズ部150を通過した光が、受光部160によって受光される。絞り部120は、レンズ110を含む撮像装置10の結像レンズ系を通過する光の量を調整する。ここではレンズ110を図示したが、撮像装置10は複数のレンズを備えてよい。
【0020】
マイクロレンズ部150は、複数のマイクロレンズ152a〜dを含む。マイクロレンズ152a〜dは、それぞれ液体界面によって形成される。複数のマイクロレンズ152a〜dはそれぞれ、液体界面がレンズ状に制御され得るレンズ要素であり、液体界面の形状が制御され得る光学要素の一例である。なお、マイクロレンズ152a〜dは、後述する二液体間の界面で形成されるレンズ要素の他に、エレクトロウエッティング現象を利用して形成されるレンズ要素であってもよい。
【0021】
受光部160は、複数の受光素子162a〜dを有する。本図では、説明を分かり易くするために、4の受光素子162a〜dおよび4のマイクロレンズ152a〜dを図示しているが、これらの光学要素をそれぞれ4しか有さないことを示しているわけではない。撮像装置10は、被写体を撮像すべく任意の数の光学要素を有することはいうまでもない。複数のマイクロレンズ152a〜dを、マイクロレンズ152または複数のマイクロレンズ152と総称する場合がある。また、複数の受光素子162a〜dを、受光素子162または複数の受光素子162と総称する場合がある。他の部材も同様に、符号の添え字を省略することで部材を総称する場合がある。
【0022】
複数の受光素子162は、MOS型撮像素子を形成してよい。複数の受光素子162は、MOS型撮像素子の他、CCD型撮像素子などの固体撮像素子を形成してよい。
【0023】
複数のマイクロレンズ152は、レンズ110を通過した被写体光を、対応する受光素子162にそれぞれ受光させる。具体的には、複数のマイクロレンズ152は、レンズ110により結像された被写体光をそれぞれ再結像して、対応する受光素子162にそれぞれ受光させる。このように、複数の受光素子162は、複数のマイクロレンズ152にそれぞれ対応して設けられ、対応するマイクロレンズ152を通じて被写体光を受光する。
【0024】
マイクロレンズ152は、レンズとして機能する光学面の形状を可変に調整することができる光学要素である。一例として、マイクロレンズ152は、屈折率が互いに異なる液体の境界によりそれぞれ形成される。液体界面の形状が制御されることで、マイクロレンズ152としての光学面の形状が制御される。本図では、マイクロレンズ152が大きい屈折力を持つ状態を実線で模式的に示しており、マイクロレンズ152が小さい屈折力を持つ状態を破線で模式的に示した。
【0025】
本例において、マイクロレンズ152は、本図の破線で示した状態よりも実線で示した状態でより高い集光力を持ち、受光素子162の周囲のより広い範囲に到達した光を受光素子162に集光する。したがって、本図の実線の状態で撮像することで、受光素子162の受光量を高めることができ、明るくSN比の高い画像を撮像することができる。一方、本図の破線の状態で撮像することで、受光素子162のごく近傍に到達した光を利用して撮像することができる。このため、解像力の高い画像を提供することができる。制御部180は、複数の受光素子162により撮像される画像の画質に応じてマイクロレンズ152の形状を制御することで、高い画質の画像を撮像させる。また、制御部180は、マイクロレンズ152の形状制御に加えて、絞り部120を制御することができる。制御部180は、受光素子162により撮像される画像の画質に応じて絞り部120の開口を制御して絞り量を制御してよい。
【0026】
受光素子162は、受光量に応じた強度の撮像信号を、画像処理部170に出力する。画像処理部170は、受光素子162から供給された撮像信号から、画像信号を生成する。画像処理部170は、制御部180による制御内容に基づき撮像信号に対して画像処理を施して画像信号を生成してよい。例えば、画像処理部170は、制御部180により制御されたマイクロレンズ152の形状に応じて明るさ補正などの画像処理を施してよい。
【0027】
画像記録部190は、画像処理部170が生成した画像信号を取得して、画像データとして記録する。画像記録部190は、不揮発性メモリに当該画像データを記録してよい。当該不揮発性メモリは、画像記録部190が有してよい。また、当該不揮発性メモリは、撮像装置10に対して着脱可能に設けられた外部メモリであってもよい。画像記録部190は、撮像装置10の外部に画像データを出力してもよい。画像処理部170が生成した画像信号によって示される画像、画像記録部190が記録する画像データが示される画像を、単に画像と呼ぶ場合がある。
【0028】
図2は、受光素子162の2次元配列の一例を模式的に示す。本図は、物体側から見た受光部160の配列を示す。受光素子162は、それぞれ被写体光を受け入れる受光開口200を持つ。被写体光のうち受光開口200以外の領域に入射した光は、受光素子162によって受光されない。例えば、受光開口200以外の領域に入射した光は、受光素子162が持つ光電変換部に入射しない。
【0029】
各受光素子162はマトリクス状に配置されており、受光開口200もマトリクス状に形成される。ここで、受光開口200がピッチ幅Pで配列され、受光開口200の面積をSとすれば、受光素子162の開口率はS/Pで定義することができる。例えば、受光開口200が一辺の幅wの正方形の形状を有する場合、受光素子162の開口率はw/Pで与えられる。撮像装置10によると、制御部180によるマイクロレンズ152の屈折力制御により、幅wの実効的な値が制御される。これにより、受光素子162の開口率が実効的に制御される。
【0030】
図3は、光学伝達関数の開口率依存性の一例を示す。本図は、受光部自体における規格化された空間周波数応答を示す。光学応答210は、開口率が100%の場合における空間周波数応答を示す。光学応答220は、開口率が50%の場合における空間周波数応答を示す。開口率が大きくなるほど各サンプルポイントの面積が大きくなるので、画像は平滑化される。このため、開口率が大きくなるほど、高空間周波領域で光学伝達関数がより大きく低下する。
【0031】
図4は、マイクロレンズ152の形状変化による実効的な開口率の変化を説明する模式図を示す。本図では、状態I〜Vの5つの状態におけるマイクロレンズ152の形状を模式的に示す。
【0032】
マイクロレンズ152を形成する液体は、仕切板440によって物体側と像側とに分けられる。マイクロレンズ152を形成する液体界面は、仕切板440が形成されていない場所で形成される。受光素子162は、マイクロレンズ152を通じて被写体光を受光する光受口部420を持つ。光受口部420は、マイクロレンズ152が形成される位置に対応してそれぞれ設けられる。光受口部420により物理的な受光開口が画定される。ここでは、光受口部420は、一辺がwの正方形の形状を持つとする。この場合、受光素子162の物理的な開口率はw/Pで与えられる。
【0033】
状態Iでは、仕切板440の両端を結ぶ平面状の液体界面400が形成される。状態Iではマイクロレンズ152は屈折力を持たず集光効果を有さない。この場合、受光素子162に入射する光は、幅wの領域を通過した光に限定される。受光素子162の開口率は、物理的な開口率w/Pと略一致する。
【0034】
状態IIは、開口率が実効的に最大となる状態を示す。液体界面401で例示されるように、状態IIでは、マイクロレンズ152は、受光素子162よりも遠方に焦点を結ぶ屈折力を持つ。また、マイクロレンズ152は、仕切板440の縁部近傍に入射した平行光を光受口部420の縁部近傍を通過して受光素子162に受光させる屈折力を持つ。この状態では、マイクロレンズ152は、wよりも大きい幅wの正方形領域に入射した平行光を、光受口部420を通じて受光素子162に入射することができる。したがって、マイクロレンズ152の存在により、受光開口が物理的に幅wを持つ場合と等価な状態が生み出されることになる。すなわち、本状態では、受光素子162は実効的にw/Pの開口率を持つといえる。つまり、光受口部420は、マイクロレンズ152が光受口部420に入射させることができる入射光束の幅を、開口幅として実効的に有するといえる。そこで本実施形態では、当該入射光束の幅を開口幅みなした場合の開口率を、実効的な開口率とする。
【0035】
液体界面が状態Iと状態IIとの間にある場合、実効的な開口率はw/Pとw/Pとの間の値をとる。このため、制御部180は、液体界面を状態Iから状態IIまで連続的に制御することで、実効的な開口率をw/Pからw/Pまでの間で連続的に制御することができる。
【0036】
状態IIIは、実効的な開口率がw/Pよりも小さい状態を示す。液体界面402で例示されるように、状態IIIでは、マイクロレンズ152は、負の屈折力を持つ。この場合、マイクロレンズ152は、wよりも小さい幅wを通過した光を、受光素子162に受光させることができる。液体界面が状態Iと状態IIIとの間にある場合、実効的な開口率はw/Pとw/Pとの間の値をとる。このため、制御部180は、液体界面を状態Iから状態IIIまで連続的に制御することで、実効的な開口率をw/Pからw/Pまでの間で連続的に制御することができる。
【0037】
したがって、制御部180は、状態IIに例示したような光受口部420より像側に焦点を結ぶ第1の屈折力を持つ形状と、状態Iまたは状態IIIに例示したような第1の屈折力よりも小さい第2の屈折力を持つ形状とに、液体界面の形状を切り替えることにより、複数の受光素子162の実効的な開口率が高い状態と複数の受光素子162の実効的な開口率が低い状態とに切り替えることができる。
【0038】
状態IVは、実効的な開口率が最大となる他の状態を示す。液体界面403で例示されるように、状態IVでは、マイクロレンズ152は、受光素子162よりも物体側に焦点を結ぶ屈折力を持つ。特に、マイクロレンズ152は、仕切板440の一方の縁部近傍に入射した平行光を光受口部420の対向する縁部近傍を通過して受光素子162に受光させ、仕切板440の他方の縁部近傍に入射した平行光を光受口部420の他方の縁部近傍を通過して受光素子162に受光させる屈折力を持つ。この状態では、マイクロレンズ152は、wと同じ幅wの領域を通過した光を、受光素子162に受光させることができる。したがって、実効的な開口率はw/Pとなる。液体界面が状態IIと状態IVとの間にある場合、実効的な開口率は一定値w/Pとなる。
【0039】
状態Vは、実効的な開口率がw/Pよりも小さい他の状態を示す。液体界面404で例示されるように、状態Vでは、マイクロレンズ152は、状態IVよりもさらに大きい正の屈折力を持つ。この場合、マイクロレンズ152は、wよりも小さい幅wを通過した光を、受光素子162に受光させることができる。液体界面が状態IVと状態Vとの間にある場合、実効的な開口率はw/Pとw/Pとの間の値をとる。このため、制御部180は、液体界面を状態IVから状態Vまで連続的に制御することで、実効的な開口率をw/Pからw/Pまでの間で連続的に制御することができる。すなわち、受光素子162の実効的な開口率を、受光素子162の物理的な開口率よりも大きい状態から小さい状態まで連続的に制御することができる。
【0040】
このように、制御部180は、液体界面の形状を、状態IIに例示したように光受口部420より受光素子162側に焦点を結ぶ形状と、状態Vに例示したように光受口部420より物体側に焦点を結ぶ屈折力を持つ形状との間で切り替えることにより、複数の受光素子162の実効的な開口率が高い状態と複数の受光素子162の実効的な開口率が低い状態とに切り替えることができる。
【0041】
図5は、マイクロレンズ部150および受光部160の構成の一例を模式的に示す。受光部160は、複数のカラーフィルタ260、遮光部410、および、複数の受光素子162を有する。複数のカラーフィルタ260は、複数の受光素子162に対応して設けられる。カラーフィルタ260は、入射した光のうち、予め定められた波長域の光を選択的に透過して対応する受光素子162にそれぞれ受光させる。
【0042】
遮光部410は、例えばアルミニウムなどの遮光性の部材で形成される。遮光部410は、複数の受光素子162のそれぞれの受光開口を物理的に画定する光受口部420が、複数の受光素子162のそれぞれに対応する位置に形成されている。複数の受光素子162は、対応する光受口部420を通過した光をそれぞれ受光して、光電変換により撮像信号を出力する。
【0043】
マイクロレンズ部150は、第1液体および第2液体を内部に保持するハウジング450、仕切板440、隔壁460a、隔壁460b、駆動部490および駆動部491を有する。仕切板440は、ハウジング450の内部を、レンズ110の光軸に沿って、第2液体が充填される液体領域320および液体領域321と、第1液体が充填される液体領域310および液体領域311とに分割する。仕切板440は、遮光性の材料で形成された一定の厚さを持つ遮光性部材であってよい。液体領域310と液体領域311との間は、隔壁460aによって仕切られる。液体領域320と液体領域321との間は、隔壁460bによって仕切られる。
【0044】
第1液体と第2液体は、屈折率が互いに異なり、かつ、水と油のように接触状態において互いに混合しない性質を持つ。第1液体および第2液体の組み合わせとして、PDMS(Poly−Dimethyl−Siloxane)および純水を例示することができる。第1液体および第2液体のそれぞれの密度は実質的に等しいことが好ましい。ここでは第2液体の屈折率よりも第1液体の屈折率の方が大きいとする。
【0045】
マイクロレンズ152は、第1液体と第2液体との液体界面によりそれぞれ形成される。具体的には、仕切板440には、複数の光受口部420に対応して複数の貫通孔250が形成されており、第1液体および第2液体は、貫通孔250内で液体界面を形成することができる。複数のマイクロレンズ152は、複数の貫通孔250のそれぞれにおける第1液体と第2液体との液体界面によって形成される。ハウジング450の物体側の面または像側の面から見た貫通孔250の形状は正方形であってよい。貫通孔250の形状は長方形、台形、円または楕円等、その他の種々の形状であってもよい。
【0046】
ハウジング450の物体側の面および像側の面には、ガラスなどの透光性の材料で形成された透光部が形成される。ハウジング450の物体側の面および像側の全面が、透光性の材料から形成されてもよい。本例では、ハウジング450の物体側の略全面が透光性の材料で形成され、ハウジング450の像側の面には貫通孔250および受光素子162に対応して透光部が形成されているとする。ハウジング450の物体側の面に入射した被写体光は、貫通孔250および像側の面に形成された対応する透光部を通過して、対応するマイクロレンズ152に入射する。ハウジング450の物体側の面、仕切板440および像側の面は、レンズ110の光軸に対して垂直に設けられる。
【0047】
隔壁460aは、第1液体が充填される領域を、貫通孔250をそれぞれ複数持つ複数の小領域に分割する。隔壁460bは、隔壁460aによって分割された小領域に対応して、第2液体が充填される領域を複数の小領域に分割する。隔壁460aおよび隔壁460bによって、ハウジング450内は複数の貫通孔250が連通する小領域に分割される。本模式断面図では、マイクロレンズ部150は、隔壁460a隔壁460bによってA領域とB領域とに分割される。A領域に属するマイクロレンズ152とB領域に属するマイクロレンズ152との間では、液体界面の形状は独立に制御され得る。
【0048】
A領域に属するマイクロレンズ152の形状制御について説明する。本例では、マイクロレンズ152の形状を図4の液体界面400、液体界面401および液体界面403に対応する形状に制御する場合を取り上げて、マイクロレンズ152の形状制御を説明する。
【0049】
マイクロレンズ152の形状は、液体領域310の内圧を制御することにより制御される。液体領域310の内圧を高めるにつれて、マイクロレンズ152を形成する液体界面は、破線の状態から一点鎖線の状態を経て、実線の状態へと変化する。液体領域310の内圧は、内圧制御部180の一例としての駆動部490によって制御される。駆動部490は、液体領域310に連通する液体領域330の内圧を制御することにより、液体領域310の内圧を制御する。
【0050】
具体的には、ハウジング450は液体領域330内の第1液体に接する弾性面480を持つ。駆動部490は、液体領域330の体積を制御すべく弾性面480を変位させる。駆動部490としては、圧電素子を有することができる。圧電素子はピエゾ素子であってよい。制御部180は、圧電素子に印加する電圧を制御して圧電素子の形状を変化させ、それにより弾性面480に当接する先端部を変位させる。このように、制御部180は、第1液体領域310に連通する液体領域330内の圧力を制御することにより、第1液体の内圧を制御する。
【0051】
駆動部490が弾性面480を変位させていない場合の弾性面480の状態を破線で示す。この場合、液体界面は、第2液体と第1液体との間の圧力差に応じて、破線で示される形状を持つ。この状態では、液体界面は、貫通孔250を形成する側面部452における第1液体側の端部と側面部454における第1液体側の端部とに担持される。そして、貫通孔250の中心で像側に頂点を持つアーチ状の液体界面が形成される。本状態のマイクロレンズ152は、図4に例示した液体界面402のように、負の屈折力をもつ形状を持つ。
【0052】
駆動部490が弾性面480を押して液体領域330の体積を減少させると、液体領域310の内圧が高まり、第1液体と第2液体との間で圧力が釣り合うよう液体界面は第2液体側に移動する。この状態では、液体界面は、例えば貫通孔250の側面部452における第2液体側の端部と貫通孔250の側面部454における第2液体側の端部とを結ぶ一点鎖線で示すような平面状の液体界面が形成される。本状態のマイクロレンズ152は、図4に例示した液体界面400のように、実質的に屈折力を持たない形状を持つ。
【0053】
駆動部490が弾性面480をさらに押して液体領域330の体積をさらに減少させると、液体領域310の内圧がさらに高まり、第1液体と第2液体との間で圧力が釣り合うよう液体界面は第2液体側にさらに移動する。この状態では、側面部452における第2液体側の端部と側面部454における第2液体側の端部とに液体界面が担持されたまま、実線で示すように貫通孔250の中心で物体側に頂点を持つアーチ状の液体界面が形成される。本状態のマイクロレンズ152は、図4に例示した液体界面401のように、正の屈折力を持つ。
【0054】
制御部180は、マイクロレンズ152の実効的な開口率を高める場合には、駆動部490の先端部を、液体領域330の体積が低下する方向に変位させる。また、制御部180は、マイクロレンズ152の実効的な開口率を低下させる場合には、駆動部490の先端部を、液体領域330の体積が増加する方向に変位させる。このように、制御部180は、第1液体と第2液体との複数の界面の形状を制御することにより、複数の受光素子162の実効的な開口率を制御することができる。特に本例のマイクロレンズ部150によれば、制御部180は、第1液体を保持する領域の内圧を制御することにより、複数のマイクロレンズ152を形成する液体界面の形状を一括して制御することができる。このため、複数のマイクロレンズ152を一括して高速に制御することができる。
【0055】
B領域に属するマイクロレンズ152の形状制御も、A領域と同様である。具体的には、液体領域311の内圧は、液体領域311に連通する液体領域331の内圧制御によって制御される。液体領域311の内圧は、駆動部490とは独立して駆動される駆動部491によって制御される。駆動部491は、駆動部490と同様、ピエゾ素子などの圧電素子であってよい。具体的には、ハウジング450は液体領域331内の第1液体に接する弾性面481を持ち、駆動部491が液体領域331の体積を制御すべく弾性面481を変位させる。B領域に属するマイクロレンズ152の形状制御は、駆動部491により制御される点を除いて、A領域に属するマイクロレンズ152の形状制御と同様であるので、説明を省略する。本図では、B領域において、駆動部491が弾性面481を変位させていない状態を実線で示す。この場合、液体界面は実線で示される形状を持つ。
【0056】
このように、A領域に属するマイクロレンズ152とB領域に属するマイクロレンズ152とは、それぞれ駆動部490および駆動部491によって互いに独立して制御される。このため、A領域に属するマイクロレンズ152の形状とB領域に属するマイクロレンズ152の形状とを個別に制御することができる。なお、各小領域における第1液体の内圧は、1以上の駆動部によって制御されてもよい。本例で説明したように、制御部180は、液体界面の形状を制御して複数のマイクロレンズ152の屈折力を制御することにより、複数の受光素子162の実効的な開口率を制御する。
【0057】
図6は、像領域の分割例を模式的に示す。本例では、受光部160上の四の像領域毎に、受光素子162の実効的な開口率がそれぞれ一括制御される。図5において説明したA領域およびB領域は、本例における第1受光素子領域600および第2受光素子領域601に対応する。
【0058】
具体的には、マイクロレンズ部150の液体領域が行方向および列方向にそれぞれ隔壁460で2分割され、全部で四の小領域が形成される。すなわち、受光部160において、第1受光素子領域600、第2受光素子領域601、第3受光素子領域602および第4受光素子領域603における実効的な開口率が、独立して制御される。
【0059】
各小領域に属するマイクロレンズ152の形状は、独立した駆動部によって制御される。具体的には、駆動部490、駆動部491、駆動部492および駆動部493が、四の小領域に対応して設けられ、各駆動部が対応する小領域に属するマイクロレンズ152の形状を制御する。このため、第1受光素子領域600に属する受光素子162、第2受光素子領域601に属する受光素子162、第3受光素子領域602に属する受光素子162および第4受光素子領域603に属する受光素子162の実効的な開口率が、互いに独立に制御される。
【0060】
図7は、像領域の他の分割例を模式的に示す。本例では、受光部160上の六の像領域毎に、実効的な開口率がそれぞれ一括制御される。具体的には、マイクロレンズ部150の液体領域が行方向に3分割され、列方向に2分割される。すなわち、全部で六の小領域が形成される。これにより、受光部160において、第1受光素子領域700、第2受光素子領域701、第3受光素子領域702、第4受光素子領域703、第5受光素子領域704および第6受光素子領域705における実効的な開口率が、独立して制御される。
【0061】
図6に例示した分割例と同様、各小領域に属するマイクロレンズ152の形状は、独立した駆動部によって制御される。具体的には、駆動部490、駆動部491、駆動部492、駆動部493、駆動部494および駆動部495が、六の小領域に対応して設けられ、各駆動部が対応する小領域に属するマイクロレンズ152の形状を制御する。
【0062】
図5から図7に関連して説明したように、貫通孔250をそれぞれ複数持つ複数の小領域のそれぞれに対応して駆動部が設けられ、当該複数の駆動部が、それぞれ対応する小領域に充填される第1液体の内圧をそれぞれ一括して制御する。したがって、撮像装置10によれば、小領域毎、すなわち像領域毎に、実効的な開口率を望ましい値に制御することができる。なお、図6および図7において像領域をそれぞれ四分割および六分割する分割例を示したが、2以上の任意の数の像領域に分割してよい。
【0063】
図8は、制御部180による制御内容をテーブル形式で示す。制御部180は、複数の受光素子162により撮像される画像の画質に基づき、受光素子162の実効的な開口率を制御する。具体的には、制御部180は、画像に含まれるエリアジング信号の強さおよび画像の明るさに基づき、受光素子162の実効的な開口率を制御する。エリアジング信号の強さおよび画像の明るさは、実効的な開口率を制御する場合に用いる画質指標値の一例とする。
【0064】
制御部180は、エリアジング信号の強さが予め定められた値以上である場合、実効的な開口率を高めることにより、高域の空間周波数成分を低減する。具体的には、図4に例示した状態IIまたは状態IVに向けて、液体界面の状態を制御する。このように、制御部180は、画像がより強いエリアジング信号を含む場合に、複数の受光素子162の実効的な開口率をより高めるべく液体界面の形状を制御する。なお、制御部180は、画像の明るさが予め定められた値以上である場合、画像に白飛びが生じることを防ぐべく絞り部120を制御して光束を絞ってもよい。画像の明るさが予め定められた値より小さい場合、制御部180は絞り部120を制御しなくてよい。また、制御部180は、絞り部120の制御に替えて、または、絞り部120の制御に加えて露光時間を制御してもよい。例えば、制御部180は、画像に白飛びが生じることを防ぐべく、露光時間を短くしてよい。このように、制御部180は、エリアジング信号が予め定められた値より強い場合、受光素子162により撮像される画像の明るさが予め定められた値以上であることを条件として、露出量を低下してよい。
【0065】
また、制御部180は、エリアジング信号の強さが予め定められた値より小さい場合、受光素子162によって撮像される画像の明るさに基づき、実効的な開口率を制御する。具体的には、制御部180は、画像の明るさが予め定められた値以上である場合、実効的な開口率を低下させることにより、解像力を高める。具体的には、図4に例示した状態IIIまたは状態Vに向けて、液体界面の状態を制御する。また、制御部180は、画像の明るさが予め定められた値より小さい場合、高いSN比で撮像すべく、実効的な開口率を高める。このように、制御部180は、画像がより暗い場合に、複数の受光素子162の実効的な開口率をより高めるべく液体界面の形状を制御する。なお、制御部180は、実効的な開口率の制御に加えて、絞り部120を制御して受光素子162が受光できる光量を増加させてもよい。また、制御部180は、絞り部120の制御に替えて、または、絞り部120の制御に加えて露光時間を制御してもよい。例えば、制御部180は、受光素子162により撮像される画像の明るさが予め定められた値より小さい場合、実効的な開口率を制御するとともに露出量を増加してもよい。
【0066】
制御部180は、本例で示した制御をするべく、エリアジング信号の強さおよび画像の明るさに対応づけて、制御値を対応づけて記憶してよい。制御値としては、駆動部490に印加する電圧値を例示することができる。画像の明るさに基づいて実効的な開口率を高める場合、実効的な開口率を高めるほど解像力が低下する。このため、制御部180は、一定の明るさおよび解像力を得るのに必要な制御値を、明るさに対応づけて予め記憶していてよい。例えば、制御部180は、予め定められた第1の明るさ以下の明るさに対応づけて、実効的な開口率を最大値にする制御値を記憶していてよい。これにより、解像力を高めることよりも明るさ確保を優先することができる。この場合、SN比の高い画像を生成することができる。したがって、暗い画像中で特に目立つノイズを低減することができる。また、制御部180は、第1の明るさより大きい明るさに対応づけて、実効的な開口率を最大値未満とする制御値を記憶していてよい。これにより、明るさを確保しSN比を高めつつ、一定の解像力を得ることができる場合がある。
【0067】
以上に説明したように、制御部180は、複数の受光素子162により撮像される画像の画質に基づいて、複数の受光素子162の実効的な開口率を制御すべく液体界面の形状を制御する。なお、制御部180は、本図に関連して説明した制御を、画像領域毎に行ってよい。すなわち、制御部180は、画像内の第1像領域よりも第2像領域が暗い場合に、第2像領域の像を形成する複数の受光素子162の実効的な開口率を、第1像領域の像を形成する複数の受光素子162の実効的な開口率よりも高めるべく、第1像領域に対応する液体界面と第2像領域に対応する液体界面とを異なる形状に制御してよい。また、制御部180は、画像内の第1像領域よりも第2像領域がより強いエリアジング信号を含む場合に、第2像領域の像を形成する複数の受光素子162の実効的な開口率を、第1像領域の像を形成する複数の受光素子162の実効的な開口率よりも高めるべく、第1像領域に対応する液体界面と第2像領域に対応する液体界面とを異なる形状に制御してよい。
【0068】
なお、制御部180は、予め撮像した予備画像に基づき、受光素子162によって撮像される画像の明るさを特定してよい。また、制御部180は、エリアジング信号の強さを、複数の予備画像に基づき特定することができる。入力された光信号のうちナイキスト周波数fを超える空間周波数成分は、ナイキスト周波数fで折り返された空間周波数位置にエリアジング信号として表れる。一方、図2に示したように、振幅変調度は、開口率によって特に高い空間周波数領域で大きく変化する。このため、制御部180の制御により実効的な開口率を互いに異ならせた状態で複数の予備画像を撮像すると、各予備画像には、異なる強さのエリアジング信号がが重畳される。具体的には、より低い開口率で撮像された予備画像ほど、より強い強さのエリアジング信号が折り返し周波数位置に重畳される。したがって、制御部180は、レンズ110の空間周波数応答と、複数の予備画像の空間周波数成分の比較結果とに基づき、エリアジング信号の強さまたはエリアジング信号の有無を特定することができる。
【0069】
図9は、制御部180による他の制御例を示す。制御部180は、複数の受光素子162の露光期間中に、界面の形状を異なる形状に変化させて撮像させる。ここでは、動画撮影を例に挙げて、制御部180による制御の一例を説明する。
【0070】
制御部180は、時刻t1からt2までの第1露光期間に受光部160を露光して、動画を構成する画像としての1フレームを撮像させる。制御部180は、第1露光期間中に、図4に例示した状態IIIから状態Iを経て状態IIまで時間的に連続的に液体界面の形状を制御する。仮にエリアジング成分が表れるような被写体を撮像する場合でも、エリアジング信号の強さは、状態IIIよりも状態Iの方が小さくなる。また、エリアジング信号の強さは、状態Iよりも状態IIの方が小さくなる。このため、一露光期間にわたって状態IIIで撮像した場合と比較して、エリアジング信号の強度を相対的に低下させることができる。
【0071】
そして、制御部180は、第1露光期間に続く第2露光期間である時刻t3からt4までの間に、図4に例示した状態IIから状態Iを経て状態IIIまで連続的に液体界面の形状を制御して、次の1フレームを撮像させる。制御部180は、第2露光期間に続く次の第3露光期間である時刻t5らt6までの間に、第1露光期間と同様、図4に例示した状態IIIから状態Iを経て状態IIまで連続的に液体界面の形状を制御して、次の1フレームを撮像させる。その後の各露光期間において、制御部180は、第2露光期間内での液体界面の変化と、第1露光期間内での液体界面の変化とを順次に繰り返す。このように、制御部180は、一フレームを撮像する一露光期間中に、マイクロレンズ152を形成する液体界面を一方向に移動させる。また、制御部180は、連続する二の露光期間で、マイクロレンズ152を形成する液体界面を一往復させる。この動作を繰り返すことにより、動画を構成する複数のフレームを撮像させる。
【0072】
本例では制御部180が液体界面の状態を時間的に連続的に制御するとしたが、制御部180は、液体界面の状態を段階的に制御してもよい。例えば、制御部180は、第1露光期間内において、状態III、状態Iおよび状態IIのそれぞれの状態を予め定められた時間保持してよい。この場合、液体界面は時間的に3段階にステップ状に変化される。他の露光期間についても同様に、液体界面をステップ状に変化してよい。また、本例では、動画を構成する画像としてフレーム画像を例示したが、動画を構成する画像はフィールド画像であってよい。また、本例では動画撮影を例に挙げて制御部180の制御の一例を説明したが、本制御は動画撮影に限らず静止画撮影にも適用することができる。
【0073】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0074】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0075】
10 撮像装置
110 レンズ
120 絞り部
150 マイクロレンズ部
152 マイクロレンズ
160 受光部
162 受光素子
170 画像処理部
180 制御部
190 画像記録部
200 受光開口
210、220 光学応答
250 貫通孔
260 カラーフィルタ
310、320、330 液体領域
311、321、331 液体領域
400、401、402、403、404 液体界面
410 遮光部
420 光受口部
440 仕切板
450 ハウジング
452 側面部
454 側面部
460 隔壁
490、491、492、493、494、495 駆動部
480、481 弾性面
600 第1受光素子領域
601 第2受光素子領域
602 第3受光素子領域
603 第4受光素子領域
700 第1受光素子領域
701 第2受光素子領域
702 第3受光素子領域
703 第4受光素子領域
704 第5受光素子領域
705 第6受光素子領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈折率が互いに異なる第1液体と第2液体との界面によりそれぞれ形成された複数の光学要素と、
前記複数の光学要素にそれぞれ対応して設けられ、対応する光学要素を通じて被写体光を受光する光受口部を持つ複数の受光素子と、
複数の前記界面の形状を制御することにより、前記複数の受光素子の実効的な開口率を制御する制御部と
を備える撮像デバイス。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数の受光素子により撮像される画像の画質に基づいて、前記複数の受光素子の実効的な開口率を制御すべく前記界面の形状を制御する
請求項1に記載の撮像デバイス。
【請求項3】
前記制御部は、前記画像がより暗い場合に、前記複数の受光素子の実効的な開口率をより高めるべく前記界面の形状を制御する
請求項2に記載の撮像デバイス。
【請求項4】
前記制御部は、前記画像内の第1像領域よりも第2像領域が暗い場合に、前記第2像領域の像を形成する複数の受光素子の実効的な開口率を、前記第1像領域の像を形成する複数の受光素子の実効的な開口率よりも高めるべく、前記第1像領域に対応する前記界面と前記第2像領域に対応する前記界面とを異なる形状に制御する
請求項3に記載の撮像デバイス。
【請求項5】
前記制御部は、前記画像がより強いエリアジング信号を含む場合に、前記複数の受光素子の実効的な開口率をより高めるべく前記界面の形状を制御する
請求項2から4のいずれかに記載の撮像デバイス。
【請求項6】
前記制御部は、前記画像内の第1像領域よりも第2像領域がより強いエリアジング信号を含む場合に、前記第2像領域の像を形成する複数の受光素子の実効的な開口率を、前記第1像領域の像を形成する複数の受光素子の実効的な開口率よりも高めるべく、前記第1像領域に対応する前記界面と前記第2像領域に対応する前記界面とを異なる形状に制御する
請求項5に記載の撮像デバイス。
【請求項7】
前記制御部は、前記複数の受光素子の露光期間中に、前記界面の形状を異なる形状に変化させる
請求項1に記載の撮像デバイス。
【請求項8】
前記第1液体および前記第2液体を内部に保持するハウジングと、
前記ハウジングの内部を、前記第1液体が充填される第1液体領域と前記第2液体が充填される第2液体領域とに分割する仕切板と
をさらに備え、
前記仕切板には、複数の前記光受口部のそれぞれに対応して貫通孔が形成され、
前記複数の光学要素は、複数の前記貫通孔のそれぞれにおける前記第1液体と前記第2液体との界面によって形成され、
前記制御部は、前記第1液体を保持する領域の内圧を制御することにより、前記複数の界面の形状を制御する
請求項1から7のいずれかに記載の撮像デバイス。
【請求項9】
前記貫通孔をそれぞれ複数持つ複数の小領域に前記第1液体領域を分割する隔壁
をさらに備え、
前記撮像デバイスは、
前記複数の小領域のそれぞれに対応して設けられ、対応する小領域に充填される前記第1液体の内圧を一括して制御する複数の内圧制御部
をさらに備える請求項8に記載の撮像デバイス。
【請求項10】
前記複数の光学要素はそれぞれ、前記界面がレンズ状に制御され得るレンズ要素であり、
前記制御部は、前記界面の形状を制御して前記複数の光学要素の屈折力を制御することにより、前記複数の受光素子の実効的な開口率を制御する
請求項1から9のいずれかに記載の撮像デバイス。
【請求項11】
前記制御部は、前記界面の形状を、前記光受口部より像側に焦点を結ぶ第1の屈折力を持つ形状と、前記第1の屈折力よりも小さい第2の屈折力を持つ形状とに切り替えることにより、前記複数の受光素子の実効的な開口率が高い状態と前記複数の受光素子の実効的な開口率が低い状態とに切り替える
請求項10に記載の撮像デバイス。
【請求項12】
前記制御部は、前記界面の形状を、前記光受口部より像側に焦点を結ぶ形状と、前記光受口部より物体側に焦点を結ぶ屈折力を持つ形状との間で切り替えることにより、前記複数の受光素子の実効的な開口率が高い状態と前記複数の受光素子の実効的な開口率が低い状態とに切り替える
請求項10に記載の撮像デバイス。
【請求項13】
被写体を撮像する撮像装置であって、
請求項1から12のいずれかに記載の撮像デバイスと、
前記複数の受光素子に被写体光を結像する結像レンズ系
を備える撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−85178(P2012−85178A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230891(P2010−230891)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】