説明

撮像レンズ及び撮像装置

【課題】良好な光学性能と高い量産性を備えた3枚構成の撮像レンズ及び撮像装置を提供する。
【解決手段】撮影レンズは、物体側から順に、第1レンズ部L1、光学薄膜からなる開口絞りS、第1レンズ基板LS1により、第1レンズブロックBK1が構成され、次に、第2レンズ部L2、第2レンズ基板LS2、第3レンズ部L3により、第2レンズブロックBK2が構成され、最後に、第3レンズ基板LS3、第4レンズ部L4より、第3レンズブロックBK3が構成される。つまり、第1レンズ基板LS1の平面と第2レンズ部L2との間に、パワーを持つ空気レンズが形成され、第3レンズ部L3と第3レンズ基板LS3の平面との間に、パワーを持つ空気レンズが形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像素子を用いた撮像装置の撮像レンズに関するものであり、より詳しくは、大量生産に適する撮像レンズ並びに撮像レンズを用いた撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、CCD(Charged Coupled Device)型イメージセンサあるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等の固体撮像素子を用いた撮像素子の高性能化、小型化に伴い、撮像装置を備えた携帯電話や携帯情報端末が普及している。また、これらの撮像装置に搭載される撮像レンズには、量産性、低コスト化が求められている。
【0003】
ここで、従来の3枚構成のレンズは、簡素な構成のため、小型で量産性が高いにも関わらず、良好な光学性能が得られるため、広く使われている。又、この量産性をさらに向上させるために、レンズの光学面を平面化する手法が提案されている。具体的には、レンズの光学面の片側を平面にすることにより、製造時に起きるレンズシフト、面シフトによる誤差の影響を少なくすることが出来る。そのため、レンズの物体側、像側両面を曲面に成形する場合と比べ、製造工程の簡素化が可能となり、高い量産性を得ることが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008−508545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように光学面を平面化したレンズとして、特許文献1に示すように、3枚のレンズからなり、これら3枚のレンズの光学面の内、2つの平面が空気を挟んで隣り合うようにしたものが提案されている。しかし、特許文献1に開示されるものは、深い形状の凹レンズを有するため、高い量産性を得ることが出来ていなかった。又、レンズの平面同士を対向させているために、3枚のレンズが持つ空気レンズの1箇所でパワーを得ることができなくなり、空気レンズが実質的に1箇所減少し、収差補正能力が低下し、性能の劣化が生じてしまう。このため、設計時に制約が生じ、3枚構成のレンズに求められる光学性能が得られるとは言い難かった。
【0006】
本発明は、このような問題点を鑑みてなされたものであり、良好な光学性能と高い量産性を備えた3枚構成の撮像レンズ及び撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の撮像レンズは、実質的にパワーを有する3枚のレンズからなり、前記3枚のレンズの光学面のうち、2面が平面であり、前記平面同士が光軸に沿って空気を挟んで隣り合わないことを特徴とする。
【0008】
本発明の基本構成は、片側平面の2枚のレンズを含む、実質的にパワーを有する3枚のレンズからなる。その平面の位置を適切に選択することで良好な収差補正を可能にする。本発明においては、3枚のレンズの光学面の内、2つの平面が空気を挟んで隣り合わないようにすることで、3枚のレンズが持つ空気レンズの1箇所でパワーを得ることが出来なくなることを防止するとともに、このように構成することで形成される2カ所の空気レンズを積極的に用いて収差補正等を行うことで、高い光学性能を発揮できるようにしたのである。
【0009】
請求項2に記載の撮像レンズは、実質的にパワーを有する3枚のレンズからなり、前記3枚のレンズの対向する光学面において、一方が平面、他方が非平面である組み合わせが2つあることを特徴とする。
【0010】
本発明の基本構成は、片側平面の2枚のレンズを含む、実質的にパワーを有する3枚のレンズからなる。本発明では、3枚のレンズの光学面の内、一方が平面、他方が非平面である組み合わせを2つ設けることで形成される2カ所の空気レンズを積極的に用いて収差補正等を行うことで、高い光学性能を発揮できる。
【0011】
請求項3に記載の撮像レンズは、請求項1又は2に記載の発明において、前記3枚のレンズを、物体側から第1レンズ、第2レンズ、第3レンズとしたときに、前記平面は、前記第1レンズの像側面と前記第2レンズの物体側面のどちらか1面に配置され、更に前記第2レンズの像側面と前記第3レンズの物体側面のどちらか1面に配置されることを特徴とする。
【0012】
例えばレンズの片面を平面とすれば、各レンズの誤差感度が小さくなり、レンズ間で起きるシフトによる誤差要因を減少できるため、撮像レンズの量産性を高めることが出来る。また、積層レンズにした場合は、レンズの突き当てる面の片側が平面であるため、積層で起きるチルトを少なくすることが出来るという効果もある。
【0013】
請求項4に記載の撮像レンズは、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、第1レンズの像側面と第2レンズの物体側面とにより形成される空気レンズの屈折力が負であることを特徴とする。
【0014】
前記空気レンズの屈折力が負であることで、ペッツバール和を小さくすることができるため、像面を平坦にすることが出来る。
【0015】
請求項5に記載の撮像レンズは、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、以下の条件式を満足することを特徴とする。
−3.0<Pair/P<−0.5 (1)
但し、
Pair:前記第1レンズの像側面と前記第2レンズの物体側面とにより形成される空気レンズの屈折力
P:前記撮像レンズ全系の屈折力
【0016】
条件式(1)は、前記第1レンズの像側面と前記第2レンズの物体側面とにより形成される空気レンズの屈折力を適切に設定するための条件を規定する。条件式(1)の値が上限を下回ることで、空気レンズによる負の屈折力を維持できるので、ペッツバール和が大きくなりすぎず、像面を平坦にすることが出来る。また、片側平面レンズの場合、1面で屈折力を得ることになる。一方、条件式(1)の値が下限を上回ることで、空気レンズのレンズ要素面の曲率半径を大きく取ることが出来き、その結果、レンズの加工性がよくなる。また、より望ましく下式の範囲がよい
−2.5<Pair/P<−1.1 (1’)
【0017】
請求項6に記載の撮像レンズは、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、以下の条件式を満足することを特徴とする。
f2>0かつ
−2.0<f2/f3<−0.5 (2)
但し、
f2:前記第2レンズの焦点距離(mm)
f3:前記第3レンズの焦点距離(mm)
【0018】
条件式(2)は、前記第2レンズと前記第3レンズの焦点距離を適切に設定するための条件を規定する。条件式(2)の値が上限を上回ると、収差補正には有利になるが、全長の増大を招いてしまい、3枚レンズの利点である小型性を失ってしまう可能性がある。逆に、条件式(2)の値が下限を下回ると、全長の短縮には有利になるが、収差劣化、特に歪曲収差と像面湾曲の劣化が著しくなる可能性がある。そこで、条件式(2)に示す範囲を満たすのがよい。また、より望ましく下式の範囲がよい。
f2>0かつ
−2.0<f2/f3<−0.5 (2’)
【0019】
請求項7に記載の撮像レンズは、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記3枚のレンズの中で、前記平面を有するレンズのうちの少なくとも1枚は、平板状のレンズ基板の片面にレンズ部を形成してなることを特徴とする。
【0020】
平板状のレンズ基板の表面に、例えばレプリカ法で複数のレンズ部を成形し、レンズ基板の裏面をそのまま残した状態で、レンズ部毎に切り出せば、本発明のレンズを得ることが可能になる。レンズ基板の高い平面性を利用できるため、平面を成形するよりも誤差を減少させることが出来る。また、レンズ基板の厚みはレンズ成形とは異なり、自由に変えることが出来ないため、レズ基板平面部に更に樹脂などで平面を成形し、厚みを変えてもよい。
【0021】
請求項8に記載の撮像レンズは、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記レンズ基板に絞りを配置することを特徴とする。
【0022】
前記レンズ基板に絞りを配置すれば、撮像レンズの外側に別途絞りを設ける必要がなくなり、撮像装置組立の際に起きるレンズ中心と絞り中心の位置ズレを少なくすることが出来る。
【0023】
請求項9に記載の撮像レンズは、請求項7又は8に記載の発明において、前記レンズ基板がガラス材料からなり、少なくとも前記レンズ部が樹脂材料からなるレンズブロックを少なくとも1つ有することを特徴とする。
【0024】
平行平板である前記レンズ基板をガラス材料とすることで、研磨加工を容易とでき、更に形状の複雑な前記特定レンズ部を加工性のよい樹脂材料とすることで、低コストに、高性能化が可能となる。また、一般的に、ガラス材料と樹脂材料の吸水による寸法変化率の差は大きく、前記レンズ基板により容易に前記特定レンズ部の吸水による寸法変化を補正することができる。
【0025】
請求項10に記載の撮像レンズは、請求項9に記載の発明において、複数の前記レンズブロックを並べて含むユニットを、レンズブロックユニットとし、前記レンズブロックの周縁の少なくとも一部にスペーサを並べ、複数の前記レンズブロックユニットを、前記スペーサを介在させてつなげる連結工程と、相互につながった前記レンズブロックユニットを前記スペーサに沿って切断することにより、前記レンズブロック毎に分離する切断工程と、を通じて形成されることを特徴とする。これにより、撮像レンズをより低コストで大量生産できるようになる。
【0026】
請求項11に記載の撮像レンズは、請求項1〜10のいずれかに記載の発明において、実質的にパワーを有しないレンズを有することを特徴とする。実質的にパワーを有しないレンズを何枚設けても、請求項1、2に規定する3枚のレンズを有すれば、本発明の効果がある。
【0027】
請求項12に記載の撮像装置は、請求項1〜11のいずれかに記載の撮像レンズと、固体撮像素子とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、良好な光学性能と高い量産性を備えた3枚構成の撮像レンズ及び撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本実施の形態にかかる撮像装置50の斜視図である。
【図2】図1の構成を矢印II-II線で切断して矢印方向に見た断面図である。
【図3】撮像装置50を携帯端末としての携帯電話機100に装備した状態を示す図である。
【図4】携帯電話機100の制御ブロック図である。
【図5】本実施の形態に用いる撮像レンズを製造する工程を示す図である。
【図6】曲率半径とサグ量との関係を説明する図である。
【図7】第1実施例の断面図である。
【図8】第1実施例にかかる撮像レンズの球面収差(a)、非点収差(b)、及び歪曲収差(c)の収差図である。
【図9】第2実施例の断面図である。
【図10】第2実施例にかかる撮像レンズの球面収差(a)、非点収差(b)、及び歪曲収差(c)の収差図である。
【図11】第3実施例の断面図である。
【図12】第3実施例にかかる撮像レンズの球面収差(a)、非点収差(b)、及び歪曲収差(c)の収差図である。
【図13】第4実施例の断面図である。
【図14】第4実施例にかかる撮像レンズの球面収差(a)、非点収差(b)、及び歪曲収差(c)の収差図である。
【図15】第5実施例の断面図である。
【図16】第5実施例にかかる撮像レンズの球面収差(a)、非点収差(b)、及び歪曲収差(c)の収差図である。
【図17】第6実施例の断面図である。
【図18】第6実施例にかかる撮像レンズの球面収差(a)、非点収差(b)、及び歪曲収差(c)の収差図である。
【図19】第7実施例の断面図である。
【図20】第7実施例にかかる撮像レンズの球面収差(a)、非点収差(b)、及び歪曲収差(c)の収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施の形態にかかる撮像装置50の斜視図であり、図2は、図1の構成を矢印II-II線で切断して矢印方向に見た断面図である。図2に示すように、撮像装置50は、光電変換部51aを有する固体撮像素子としてのCMOS型イメージセンサ51と、このイメージセンサ51の光電変換部51aに被写体像を撮像させる撮像レンズ10と、イメージセンサ51を保持すると共にその電気信号の送受を行う外部接続用端子(不図示)を有する基板52とを備え、これらが一体的に形成されている。尚、撮像レンズ10は、第1レンズブロックBK1と、第2レンズブロックBK2と、第3レンズブロックBK3とを有する。
【0031】
上記イメージセンサ51は、その受光側の平面の中央部に、画素(光電変換素子)が2次元的に配置された、受光部としての光電変換部51aが形成されており、その周囲には信号処理回路51bが形成されている。かかる信号処理回路51bは、各画素を順次駆動し信号電荷を得る駆動回路部と、各信号電荷をデジタル信号に変換するA/D変換部と、このデジタル信号を用いて画像信号出力を形成する信号処理部等から構成されている。また、イメージセンサ51の受光側の平面の外縁近傍には、多数のパッド(図示略)が配置されており、不図示のワイヤを介して基板52に接続されている。イメージセンサ51は、光電変換部51aからの信号電荷をデジタルYUV信号等の画像信号等に変換し、ワイヤ(不図示)を介して基板52上の所定の回路に出力する。ここで、Yは輝度信号、U(=R−Y)は赤と輝度信号との色差信号、V(=B−Y)は青と輝度信号との色差信号である。なお、固体撮像素子は上記CMOS型のイメージセンサに限定されるものではなく、CCD等の他のものを使用しても良い。
【0032】
イメージセンサ51を支持する基板52は、不図示の配線により、イメージセンサ51に対して通信可能に接続されている。
【0033】
基板52は、不図示の外部接続用端子を介して外部回路(例えば、撮像装置を実装した携帯端末の上位装置が有する制御回路)と接続し、外部回路からイメージセンサ51を駆動するための電圧やクロック信号の供給を受けたり、また、デジタルYUV信号を外部回路へ出力したりすることを可能とする。
【0034】
イメージセンサ51の上部は、基板52の上面に固定された赤外線カットフィルタなどのプレートPTにより封止されている。プレートPTの上面には、スペーサ部材B3の下端が固定されている。更に、スペーサ部材B3の上端には、第2レンズブロックBK2が固定され、スペーサ部材B2の上端には、第2レンズブロックBK2が固定され、第2レンズブロックBK2の上面には、別のスペーサ部材B1の下端が固定され、スペーサ部材B1の上端には、第1レンズブロックBK1が固定されている。
【0035】
第1レンズを構成する第1レンズブロックBK1は、平行平板であるレンズ基板LS1と、その物体側に固着されたレンズ部L1とからなり、第2レンズを構成する第2レンズブロックBK2は、平行平板であるレンズ基板LS2と、その物体側及び像面側に固着されたレンズ部L2,L3とからなり、第3レンズを構成する第3レンズブロックBK3は、平行平板であるレンズ基板LS3と、その像面側に固着されたレンズ部L4とからなる。尚、第1レンズ部L1とレンズ基板LS1との間に、絞りを構成する開口を有する光学薄膜を形成すると好ましい。
【0036】
ここで、以下の条件式を満足すると好ましい。
−3.0<Pair/P<−0.5 (1)
但し、
Pair:第1レンズブロックBK1の像側面と第2レンズブロックBK2の物体側面とにより形成される空気レンズの屈折力
P:撮像レンズ10全系の屈折力
【0037】
又、以下の条件式を満足すると好ましい。
f2>0かつ
−2.0<f2/f3<−0.5 (2)
但し、
f2:第3レンズブロックBK2の焦点距離(mm)
f3:第3レンズブロックBK3の焦点距離(mm)
【0038】
レンズブロックBK1,BK2、BK3において、レンズ基板LS1,LS2、LS3がガラス材料からなり、レンズ部L1〜L4が樹脂材料からなる。
【0039】
上述した撮像装置50の使用態様について説明する。図3は、撮像装置50をデジタル機器である携帯端末としての携帯電話機100に装備した状態を示す図である。また、図4は携帯電話機100の制御ブロック図である。
【0040】
撮像装置50は、例えば、撮像レンズの物体側端面が携帯電話機100の背面(液晶表示部側を正面とする)に設けられ、液晶表示部の下方に相当する位置になるよう配設される。
【0041】
撮像装置50の外部接続用端子(不図示)は、携帯電話機100の制御部101と接続され、輝度信号や色差信号等の画像信号を制御部101側に出力する。
【0042】
一方、携帯電話機100は、図4に示すように、各部を統括的に制御すると共に、各処理に応じたプログラムを実行する制御部(CPU)101と、番号等をキーにより支持入力するための入力部60と、撮像した画像や映像等を表示する表示部70と、外部サーバとの間の各種情報通信を実現するための無線通信部80と、携帯電話機100のシステムプログラムや各種処理プログラム及び端末ID等の必要な諸データを記憶している記憶部(ROM)91と、制御部101によって実行される各種処理プログラムやデータ、若しくは処理データ、或いは撮像装置50による撮像データ等を一時的に格納する作業領域として用いられる一時記憶部(RAM)92とを備えている。
【0043】
携帯電話機100を把持する撮影者が、被写体に対して撮像装置50の撮像レンズ10を向けると、イメージセンサ51に静止画又は動画の画像信号が取り込まれる。所望のシャッタチャンスで、図3に示すボタンBTを撮影者が押すことでレリーズが行われ、画像信号が撮像装置50に取り込まれることとなる。撮像装置50から入力された画像信号は、上記携帯電話機100の制御系に送信され、記憶部92に記憶されたり、或いは表示部70で表示され、さらには、無線通信部80を介して映像情報として外部に送信されることとなる。
【0044】
本実施の形態にかかる撮像レンズの製造方法について説明する。図5は、本実施の形態にかかる撮像レンズを製造する工程を示す図である。まず、図5(a)の断面図に示すような、複数のレンズブロックBKを二次元的に並べて含むレンズブロックユニットUTを製造する。かかるレンズブロックユニットUTは、例えば、多数のレンズLを同時に作製できるとともに低コストであるレプリカ法で製造することができる。なお、図5(a)に示すレンズブロックユニットUTでは、レンズ基板の両面にレンズ部を形成しており、第2レンズとして用いるレンズブロックを形成する例であるが、レンズ基板の片面にレンズ部を形成することで、第1レンズ又は第3レンズとして用いるレンズブロックを形成する
ことができる。
【0045】
ここで、レプリカ法とは、レンズウェーハ上に、金型を用いて硬化性の樹脂をレンズ形状にして転写するものである。つまり、レプリカ法では、レンズウェーハ上に、多数のレンズが同時に作製されることとなる。
【0046】
そして、これらのような方法によって製造されたレンズブロックユニットUTから、撮像レンズ10が製造される。この撮像レンズの製造工程の一例を、図5(b)の概略断面図で示す。
【0047】
第1のレンズブロックユニットUT1は、平行平板である第1レンズ基板LS1と、その上方の平面のみに接着された複数の第1レンズ部L1と、で構成される。このとき、第1レンズ基板LS1とレンズ部L1との間に、それぞれ開口のある遮光部材(膜でも良い)を配置することで、組み立て後に絞りとして機能させることができる。又、第1レンズ基板LS1とレンズ部L1とが光学薄膜や接着剤等を介して間接的に接着されると好ましい。光学薄膜や接着剤等を、赤外線カットフィルタ等の上に設けた場合には、別に設けるよりも光軸方向のレンズ全長を小さくできるからである。更に、(透明薄膜、例えば)反射防止コートを設ければ、レンズ部とレンズ基板での反射を防止でき、フレアやゴーストを低減できる。
【0048】
第2のレンズブロックユニットUT2は、平行平板である第2レンズ基板LS2と、その上方の平面に接着された複数の第2レンズL2と、下方の平面に接着された複数の第3レンズL3と、で構成される。このとき、第2レンズ基板LS2とレンズ部L2,L3とが接着剤等を介して間接的に接着されると好ましい。
【0049】
格子状のスペーサ部材(スペーサ)B1を、第1のレンズブロックユニットUT1と第2のレンズブロックユニットUT2との間(具体的には、第1レンズ基板LS1と第2レンズ基板LS2との間)に介在させ、両レンズブロックユニットUT1、UT2の間隔を一定に保つ。
【0050】
第3のレンズブロックユニットUT3は、平行平板である第3レンズ基板LS3と、その下方の平面に接着された複数の第4レンズL4と、で構成される。
【0051】
格子状のスペーサ部材(スペーサ)B2を、第2のレンズブロックユニットUT2と第3のレンズブロックユニットUT3との間(具体的には、第2レンズ基板LS2と第3レンズ基板LS3との間)に介在させ、両レンズブロックユニットUT2、UT3の間隔を一定に保つ。
【0052】
さらに、別のスペーサ部材B3を、プレートPTと第3のレンズブロックユニットUT3との間に介在させ、プレートPTとレンズブロックユニットUT3との間隔を一定に保つ(つまり、スペーサ部材B1、B2、B3は3段格子といえる)。かかる状態で、スペーサ部材B1、B2、B3の格子の穴の部分に、各レンズ部L1〜L4が光軸を合わせて位置することとなる。
【0053】
なお、プレートPTは、マイクロレンズアレイを含むウェーハレベルのセンサーチップサイズパッケージ、あるいはセンサーカバーガラスまたは赤外線カットフィルタ等の平行平面板である。
【0054】
ここで、スペーサ部材B1が、第1のレンズブロックユニットUT1と第1のレンズブロックユニットUT2との間に介在し、スペーサ部材B2が、第2のレンズブロックユニットUT2と第3のレンズブロックユニットUT3との間に介在し、スペーサ部材B3が、第3のレンズユニットUT3とプレートPTとの間に介在することで、レンズ基板LS同士(第1レンズ基板LS1と第2レンズ基板LS2と第3レンズ基板LS3と)が封止され一体化する。
【0055】
そして、一体化した第1レンズ基板LS1、第2レンズ基板LS2、第3レンズ基板LS3、スペーサ部材B1、B2、B3及びプレートPTが、スペーサ部材B1、B2、B3の格子枠(破線Qの位置)に沿って切断されると、図5(c)に示すように、レンズブロック毎にそれぞれ一体化した3枚玉構成の撮像レンズ10が複数得られることとなる。その後、図示していないが、イメージセンサ51をプレートPTと基板52との間に挟持するようにして、撮像レンズ10を基板52に取り付けることで、図2に示す撮像装置を得ることができる。
【0056】
このように、複数のレンズブロックBK(第1レンズブロックBK1、第2レンズブロックBK2、第3レンズブロックBK3)の組み込まれた部材が切り離されることで、撮像レンズ10が製造されると、撮像レンズ10毎のレンズ間隔の調整および組み立てが不要になる。そのため、高画質が期待される撮像装置の大量生産が可能となる。
【0057】
しかも、スペーサ部材B1、B2、B3が格子形状であるため、このスペーサ部材B1、B2、B3が、複数のレンズブロックBK1〜BK3の組み込まれた部材から撮像レンズ10を切り離す場合の印にもなる。したがって、複数のレンズブロックBK1〜BK3に組み込まれた部材から撮像レンズ10を容易に切り出すことができ、手間がかからない。その結果、撮像レンズ10を安価に大量生産できる。
【0058】
以上を踏まえると、撮像レンズ10の製造方法は、レンズブロックBK1〜BK3の周縁の少なくとも一部にスペーサ部材B1、B2、B3を並べ、複数のレンズブロックユニットUT1〜UT3同士を、スペーサ部材Bl、B2、B3を介在させてつなげる連結工程と、相互につながったレンズブロックユニットUT1〜UT3を、スペーサ部材B1、B2、B3に沿って切断する切断工程と、を含むものといえる。そして、このような製造方法は、安価なレンズ系の量産に向いている。尚、単一のレンズブロックユニットをプレートにつなげるのみでも良い。
【0059】
(実施例)
次に、上述した実施の形態に好適な実施例について説明する。但し、以下に示す実施例により本発明が限定されるものではない。実施例における各符号の意味は以下の通りである。
f :撮像レンズ全系の焦点距離
fB :バックフォーカス
F :Fナンバー
2Y :固体撮像素子の撮像面対角線長
ENTP :入射瞳位置(第1面から入射瞳位置までの距離)
EXTP :射出瞳位置(撮像面から射出瞳位置までの距離)
H1 :前側主点位置(第1面から前側主点位置までの距離)
H2 :後側主点位置(最終面から後側主点位置までの距離)
R :曲率半径
D :軸上面間隔
Nd :レンズ材料のd線に対する屈折率
νd :レンズ材料のアッベ数
【0060】
各実施例において、各面番号の後に「*」が記載されている面が非球面形状を有する面であり、非球面の形状は、面の頂点を原点とし、光軸方向にX軸をとり、光軸と垂直方向の高さをhとして以下の「数1」で表す。
【0061】
【数1】


ただし、
Ai:i次の非球面係数
R :曲率半径
K :円錐定数
【0062】
曲率半径は、近軸曲率半径として、超高精度三次元測定機(UA3P)などによる接触式の方法や非接触式の方法を用いて測定されたサグ量sから、下記のような式で与えられる近軸曲率半径の近似値r’を用いてもよい。
r’={(h)2+(s)2}/(2s)
但し、
h:レンズ面における有効半径の1/10の高さ
s:面頂点から、レンズ面の高さhにおける点までの光軸平行方向への変位量(図6参照)
ここで、レンズ面の有効半径とは、最大像高に結像する全光線のうち最も外側(レンズの光軸から最も離れた位置)を通る光線がこのレンズ面とが交わる点から、光軸までの、光軸と垂直方向への高さを意味する。
【0063】
(実施例1)
第1実施例におけるレンズデータを表1に示す。尚、以降の表中では、10のべき乗数(例えば、2.5×10-3)を、e(例えば、2.5×e−03)を用いて表すものとする。以下の実施例1のコンストラクションデータ表1内に記載したF値、半画角、全長、バックフォーカスはすべて、レンズ全長、有限の物体距離、つまり表内の物体距離における実効値である。また、バックフォーカスとは、レンズ最終面から近軸像面までの距離を空気換算長により表記し、レンズ全長とは、レンズ最前面からレンズ最終面までの距離にバックフォーカスを加えたものである。表中、*又はSPSと付された面が非球面を表す。
【0064】
[表1]
実施例1
SURF DATA
NUM. r d nd vd 有効半径(mm)
OBJ INFINITY 400.0000
1* 1.0687 0.1564 1.51665 56.27 0.39
STO INFINITY 0.4150 1.51690 61.89 0.34
3 INFINITY 0.2472 0.48
4* -1.2398 0.0650 1.57970 34.86 0.58
5 INFINITY 0.3100 1.51690 61.89 0.62
6 INFINITY 0.3800 1.51665 56.27 0.71
7* -0.5284 0.0500 0.72
8 INFINITY 0.4100 1.51690 61.89 0.99
9 INFINITY 0.0800 1.51665 56.27 1.19
10* 0.6699 0.4320 1.28
11 INFINITY 0.3500 1.47140 66.01 1.41
12 INFINITY 0.0500 1.51
IMG INFINITY 0.0000

ASPHERICAL SURFACE
1
K=3.29748e-001,A4=-4.01502e-001,A6=2.96225e+000,A8=-2.58613e+001,A10=1.45048e+002,A12=-6.26720e+002,A14=3.36185e+003,A16=-1.06149e+004,A18=0.00000e+000,A20=0.00000e+000
4
K=-1.72877e+001,A4=6.27254e-001,A6=-6.37386e+000,A8=3.65543e+001,A10=-7.18839e+001,A12=-9.94760e+001,A14=5.03600e+002,A16=-3.90991e+002,A18=0.00000e+000,A20=0.00000e+000
7
K=-1.95605e+000,A4=-1.35135e-001,A6=3.45653e-001,A8=-1.01393e+000,A10=3.12663e+000,A12=-2.10583e+000,A14=-3.59145e-001,A16=2.59924e-001,A18=0.00000e+000,A20=0.00000e+000
10
K=-6.98297e+000,A4=-2.32195e-001,A6=2.51407e-001,A8=-2.16636e-001,A10=9.95490e-002,A12=-2.35612e-002,A14=1.70493e-003,A16=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A20=0.00000e+000

f= 1.97 mm
fB= 1 mm
Fno= 2.8
2Y= 2.84 mm
ENTP= 0.11 mm
EXTP= -1.8 mm
H1= -0.09 mm
H2= -1.98 mm

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離(mm)
1 1 2.059
2 4 1.351
3 8 -1.291
【0065】
図7は実施例1のレンズの断面図である。図8は、実施例1にかかる撮像レンズの球面収差(a)、非点収差(b)、歪曲収差(c)及びメリディオナルコマ収差(d)の収差図である。ここで、球面収差図において、gはg線、dはd線に対する球面収差量をそれぞれ表す。また、非点収差図及びメリディオナルコマ収差図において、実線はサジタル面、点線はメリディオナル面をそれぞれ表す。
【0066】
本実施例の撮影レンズは、3つのレンズブロックを有する。より具体的には、物体側から順に、第1レンズ部L1、光学薄膜からなる開口絞りS、第1レンズ基板LS1により、第1レンズである第1レンズブロックBK1が構成され、次に、第2レンズ部L2、第2レンズ基板LS2、第3レンズ部L3により、第2レンズである第2レンズブロックBK2が構成され、最後に、第3レンズ基板LS3、第4レンズ部L4より、第3レンズである第3レンズブロックBK3が構成される。つまり、第1レンズ基板LS1の平面と第2レンズ部L2との間に、パワーを持つ空気レンズが形成され、第3レンズ部L3と第3レンズ基板LS3の平面との間に、パワーを持つ空気レンズが形成される。Fは赤外線カットフィルタやカバーガラス、Iは撮像面を示す。
【0067】
(実施例2)
第2実施例におけるレンズデータを表2に示す。
【0068】
[表2]
実施例2
SURF DATA
NUM. r d nd vd 有効半径(mm)
OBJ INFINITY 400.0000
1* 0.8735 0.1783 1.51665 56.27 0.40
STO INFINITY 0.3395 1.51690 61.89 0.34
3 INFINITY 0.0695 1.57970 34.79 0.55
4* 1.8956 0.3290 0.45
5 INFINITY 0.4160 1.51690 61.89 0.68
6 INFINITY 0.2464 1.51665 56.27 0.89
7* -0.9458 0.0502 0.94
8 INFINITY 0.4130 1.51690 61.89 1.08
9 INFINITY 0.0812 1.51665 56.27 1.25
10SPS 0.9905 0.2338 1.29
11 INFINITY 0.3500 1.47140 66.01 1.37
12 INFINITY 0.0828 1.45
IMG INFINITY 0.0000

ASPHERICAL SURFACE
1
K=2.64539e+000,A4=-2.39918e-001,A6=-6.88353e+000,A8=5.05901e+001,A10=-2.16427e+002,A12=0.00000e+000,A14=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A20=0.00000e+000
4
K=8.39473e-001,A4=-3.73070e-002,A6=4.95576e+000,A8=-2.33804e+001,A10=4.80443e+001,A12=0.00000e+000,A14=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A20=0.00000e+000
7
K=-2.85887e+001,A4=-5.32359e-001,A6=2.11270e+000,A8=-3.65722e+000,A10=3.13473e+000,A12=-1.07297e+000,A14=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A20=0.00000e+000
10
K=-1.63540e+001,A3=0.00000e+000,A4=-2.16141e-001,A5=0.00000e+000,A6=2.70360e-001,A7=0.00000e+000,A8=-2.53685e-001,A9=0.00000e+000,A10=1.18469e-001,A11=0.00000e+000,A12=-2.21294e-002,A13=0.00000e+000,A14=0.00000e+000,A15=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A17=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A19=0.00000e+000,A20=0.00000e+000

f= 2.03 mm
fB= 0.83 mm
Fno= 2.8
2Y= 2.84 mm
ENTP= 0.13 mm
EXTP= -1.58 mm
H1= -0.35 mm
H2= -1.97 mm

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離(mm)
1 1 2.810
2 5 1.830
3 8 -1.917
【0069】
図9は実施例2のレンズの断面図である。図10は、実施例2にかかる撮像レンズの球面収差(a)、非点収差(b)、歪曲収差(c)及びメリディオナルコマ収差(d)の収差図である。ここで、球面収差図において、gはg線、dはd線に対する球面収差量をそれぞれ表す。また、非点収差図及びメリディオナルコマ収差図において、実線はサジタル面、点線はメリディオナル面をそれぞれ表す。
【0070】
本実施例の撮影レンズは、3つのレンズブロックを有する。より具体的には、物体側から順に、第1レンズ部L1、光学薄膜からなる開口絞りS、第1レンズ基板LS1、第2レンズ部L2により、第1レンズである第1レンズブロックBK1が構成され、次に、第2レンズ基板LS2、第3レンズ部L3により、第2レンズである第2レンズブロックBK2が構成され、最後に、第3レンズ基板LS3、第4レンズ部L4より、第3レンズである第3レンズブロックBK3が構成される。つまり、第2レンズ部L2と第1レンズ基板LS1の平面との間に、パワーを持つ空気レンズが形成され、第3レンズ部L3と第3レンズ基板LS3の平面との間に、パワーを持つ空気レンズが形成される。Fは赤外線カットフィルタやカバーガラス、Iは撮像面を示す。
【0071】
(実施例3)
第3実施例におけるレンズデータを表3に示す。
【0072】
[表3]
実施例3
SURF DATA
NUM. r d nd vd 有効半径(mm)
OBJ INFINITY 400.0000
1* 1.1266 0.1686 1.51665 56.27 0.41
STO INFINITY 0.4200 1.51690 61.89 0.35
3 INFINITY 0.1623 0.47
4* -1.8927 0.0800 1.57970 34.86 0.51
5 INFINITY 0.4400 1.51690 61.89 0.56
6 INFINITY 0.0744 0.73
7SPS 0.9639 0.2522 1.51665 56.27 0.90
8 INFINITY 0.3400 1.51690 61.89 0.94
9 INFINITY 0.0800 1.51665 56.27 1.12
10SPS 2.1174 0.4167 1.18
11 INFINITY 0.3500 1.47140 66.01 1.32
12 INFINITY 0.13 1.43
IMG INFINITY 0.0000

ASPHERICAL SURFACE
1
K=3.46613e+000,A4=-2.93235e-001,A6=-1.92770e+000,A8=1.68128e+001,A10=-7.46674e+001,A12=0.00000e+000,A14=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A20=0.00000e+000
4
K=5.85537e+000,A4=1.09858e+000,A6=-7.62668e+000,A8=3.39412e+001,A10=-8.69715e+001,A12=9.55541e+001,A14=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A20=0.00000e+000
7
K=-9.50797e+000,A3=0.00000e+000,A4=1.53079e-001,A5=0.00000e+000,A6=-4.45771e-001,A7=0.00000e+000,A8=3.48720e-001,A9=0.00000e+000,A10=1.35352e-001,A11=0.00000e+000,A12=-3.68245e-001,A13=0.00000e+000,A14=0.00000e+000,A15=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A17=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A19=0.00000e+000,A20=0.00000e+000
10
K=1.15555e+000,A3=0.00000e+000,A4=-2.28256e-001,A5=0.00000e+000,A6=2.20392e-001,A7=0.00000e+000,A8=-2.57545e-001,A9=0.00000e+000,A10=1.38137e-001,A11=0.00000e+000,A12=-4.00489e-002,A13=0.00000e+000,A14=0.00000e+000,A15=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A17=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A19=0.00000e+000,A20=0.00000e+000

f= 2.07 mm
fB= 1.06 mm
Fno= 2.8
2Y= 2.84 mm
ENTP= 0.17 mm
EXTP= -1.93 mm
H1= 0.14 mm
H2= -1.91 mm

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離(mm)
1 1 2.171
2 4 -3.243
3 7 2.844
【0073】
図11は実施例3のレンズの断面図である。図12は、実施例3にかかる撮像レンズの球面収差(a)、非点収差(b)、歪曲収差(c)及びメリディオナルコマ収差(d)の収差図である。ここで、球面収差図において、gはg線、dはd線に対する球面収差量をそれぞれ表す。また、非点収差図及びメリディオナルコマ収差図において、実線はサジタル面、点線はメリディオナル面をそれぞれ表す。
【0074】
本実施例の撮影レンズは、3つのレンズブロックを有する。より具体的には、物体側から順に、第1レンズ部L1、光学薄膜からなる開口絞りS、第1レンズ基板LS1により、第1レンズである第1レンズブロックBK1が構成され、次に、第2レンズ部L2、第2レンズ基板LS2により、第2レンズである第2レンズブロックBK2が構成され、最後に、第3レンズ部L3,第3レンズ基板LS3、第4レンズ部L4より、第3レンズである第3レンズブロックBK3が構成される。つまり、第1レンズ基板LS1の平面と第2レンズ部L2との間に、パワーを持つ空気レンズが形成され、第3レンズ基板LS3の平面と第3レンズ部L3との間に、パワーを持つ空気レンズが形成される。Fは赤外線カットフィルタやカバーガラス、Iは撮像面を示す。
【0075】
(実施例4)
第4実施例におけるレンズデータを表4に示す。
【0076】
[表4]
実施例4
NUM. r d nd vd 有効半径(mm)
OBJ INFINITY 400.0000
1SPS 1.1266 0.1808 1.51665 56.27 0.44
STO INFINITY 0.3900 1.51690 61.89 0.38
3 INFINITY 0.3346 0.47
4SPS -1.4210 0.0800 1.57970 34.86 0.56
5 INFINITY 0.3100 1.51690 61.89 0.63
6 INFINITY 0.3850 1.51665 56.27 0.77
7SPS -0.5702 0.0500 0.81
8 INFINITY 0.3900 1.51690 61.89 1.07
9 INFINITY 0.0800 1.51665 56.27 1.24
10SPS 0.6639 0.2650 1.33
11 INFINITY 0.3500 1.47140 66.01 1.37
12 INFINITY 0.2346 1.44
IMG INFINITY 0.0000

ASPHERICAL SURFACE
1
K=-1.36878e-001,A3=9.97415e-002,A4=-5.12008e-001,A5=0.00000e+000,A6=5.29885e+000,A7=0.00000e+000,A8=-4.13897e+001,A9=0.00000e+000,A10=1.70972e+002,A11=0.00000e+000,A12=-2.79206e+002,A13=0.00000e+000,A14=0.00000e+000,A15=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A17=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A19=0.00000e+000,A20=0.00000e+000
4
K=-4.99433e+001,A3=-6.35873e-001,A4=5.11351e-001,A5=0.00000e+000,A6=-3.77591e+000,A7=0.00000e+000,A8=4.09529e+001,A9=0.00000e+000,A10=-2.11806e+002,A11=0.00000e+000,A12=5.32208e+002,A13=0.00000e+000,A14=-5.23105e+002,A15=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A17=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A19=0.00000e+000,A20=0.00000e+000
7
K=-4.33424e+000,A3=-2.94614e-001,A4=-1.37507e-001,A5=0.00000e+000,A6=1.74739e+000,A7=0.00000e+000,A8=-3.45864e+000,A9=0.00000e+000,A10=4.39068e+000,A11=0.00000e+000,A12=-2.15012e+000,A13=0.00000e+000,A14=0.00000e+000,A15=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A17=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A19=0.00000e+000,A20=0.00000e+000
10
K=-4.48730e+000,A3=-1.62146e-001,A4=-4.32331e-002,A5=0.00000e+000,A6=1.12851e-001,A7=0.00000e+000,A8=-1.07470e-001,A9=0.00000e+000,A10=4.53941e-002,A11=0.00000e+000,A12=-8.61951e-003,A13=0.00000e+000,A14=0.00000e+000,A15=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A17=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A19=0.00000e+000,A20=0.00000e+000

f= 2.18 mm
fB= 1.02 mm
Fno= 2.8
2Y= 2.84 mm
ENTP= 0.13 mm
EXTP= -1.63 mm
H1= -0.28 mm
H2= -1.98 mm

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離(mm)
1 1 2.171
2 4 1.451
2 8 -1.279
【0077】
図13は実施例4のレンズの断面図である。図14は、実施例4にかかる撮像レンズの球面収差(a)、非点収差(b)、歪曲収差(c)及びメリディオナルコマ収差(d)の収差図である。ここで、球面収差図において、gはg線、dはd線に対する球面収差量をそれぞれ表す。また、非点収差図及びメリディオナルコマ収差図において、実線はサジタル面、点線はメリディオナル面をそれぞれ表す。
【0078】
本実施例の撮影レンズは、3つのレンズブロックを有する。より具体的には、物体側から順に、第1レンズ部L1、光学薄膜からなる開口絞りS、第1レンズ基板LS1により、第1レンズである第1レンズブロックBK1が構成され、次に、第2レンズ部L2、第2レンズ基板LS2、第3レンズ部L3により、第2レンズである第2レンズブロックBK2が構成され、最後に、第3レンズ基板LS3、第4レンズ部L4より、第3レンズである第3レンズブロックBK3が構成される。つまり、第1レンズ基板LS1の平面と第2レンズ部L2との間に、パワーを持つ空気レンズが形成され、第3レンズ部L3と第3レンズ基板LS3の平面との間に、パワーを持つ空気レンズが形成される。Fは赤外線カットフィルタやカバーガラス、Iは撮像面を示す。
【0079】
(実施例5)
第5実施例におけるレンズデータを表5に示す。
【0080】
[表5]
実施例5
NUM. r d nd vd 有効半径(mm)
OBJ INFINITY 400.0000
1SPS 1.0041 0.2004 1.51665 56.27 0.48
STO INFINITY 0.3800 1.51690 61.89 0.43
3 INFINITY 0.3466 0.49
4SPS -1.0121 0.0800 1.57970 34.86 0.53
5 INFINITY 0.3100 1.51690 61.89 0.61
6 INFINITY 0.2780 1.51665 56.27 0.73
7SPS -0.6156 0.0620 0.76
8 INFINITY 0.3900 1.51690 61.89 1.00
9 INFINITY 0.0800 1.51665 56.27 1.20
10SPS 0.7603 0.2544 1.24
11 INFINITY 0.3500 1.47140 66.01 1.32
12 INFINITY 0.3186 1.39
IMG INFINITY 0.0000

ASPHERICAL SURFACE
1
K=-8.79887e-001,A3=8.02543e-002,A4=-4.45989e-001,A5=0.00000e+000,A6=7.73801e+000,A7=0.00000e+000,A8=-6.65272e+001,A9=0.00000e+000,A10=2.76260e+002,A11=0.00000e+000,A12=-4.31835e+002,A13=0.00000e+000,A14=0.00000e+000,A15=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A17=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A19=0.00000e+000,A20=0.00000e+000
4
K=-2.34658e+001,A3=-5.62168e-001,A4=2.02996e-002,A5=0.00000e+000,A6=-1.33852e+000,A7=0.00000e+000,A8=3.75234e+001,A9=0.00000e+000,A10=-2.37021e+002,A11=0.00000e+000,A12=6.47812e+002,A13=0.00000e+000,A14=-6.81496e+002,A15=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A17=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A19=0.00000e+000,A20=0.00000e+000
7
K=-4.42992e+000,A3=-2.16417e-001,A4=-1.43571e-002,A5=0.00000e+000,A6=1.95619e+000,A7=0.00000e+000,A8=-3.40948e+000,A9=0.00000e+000,A10=4.11029e+000,A11=0.00000e+000,A12=-2.24299e+000,A13=0.00000e+000,A14=0.00000e+000,A15=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A17=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A19=0.00000e+000,A20=0.00000e+000
10
K=-3.76753e+000,A3=-3.72922e-001,A4=8.05034e-002,A5=0.00000e+000,A6=1.06193e-001,A7=0.00000e+000,A8=-1.20117e-001,A9=0.00000e+000,A10=4.61523e-002,A11=0.00000e+000,A12=-9.40065e-003,A13=0.00000e+000,A14=0.00000e+000,A15=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A17=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A19=0.00000e+000,A20=0.00000e+000

f= 2.47 mm
fB= 1.08 mm
Fno= 2.8
2Y= 2.84 mm
ENTP= 0.14 mm
EXTP= -1.55 mm
H1= -0.68 mm
H2= -2.11 mm

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離(mm)
1 1 1.935
2 4 2.089
3 8 -1.465
【0081】
図15は実施例5のレンズの断面図である。図16は、実施例5にかかる撮像レンズの球面収差(a)、非点収差(b)、歪曲収差(c)及びメリディオナルコマ収差(d)の収差図である。ここで、球面収差図において、gはg線、dはd線に対する球面収差量をそれぞれ表す。また、非点収差図及びメリディオナルコマ収差図において、実線はサジタル面、点線はメリディオナル面をそれぞれ表す。
【0082】
本実施例の撮影レンズは、3つのレンズブロックを有する。より具体的には、物体側から順に、第1レンズ部L1、光学薄膜からなる開口絞りS、第1レンズ基板LS1により、第1レンズである第1レンズブロックBK1が構成され、次に、第2レンズ部L2、第2レンズ基板LS2、第3レンズ部L3により、第2レンズである第2レンズブロックBK2が構成され、最後に、第3レンズ基板LS3、第4レンズ部L4より、第3レンズである第3レンズブロックBK3が構成される。つまり、第1レンズ基板LS1の平面と第2レンズ部L2との間に、パワーを持つ空気レンズが形成され、第3レンズ部L3と第3レンズ基板LS3の平面との間に、パワーを持つ空気レンズが形成される。Fは赤外線カットフィルタやカバーガラス、Iは撮像面を示す。
【0083】
(実施例6)
第6実施例におけるレンズデータを表6に示す。
【0084】
[表6]
実施例6
NUM. r d nd vd 有効半径(mm)
OBJ INFINITY 400.0000
1SPS 1.0794 0.1598 1.51665 56.27 0.40
STO INFINITY 0.3805 1.51690 61.89 0.35
3 INFINITY 0.2669 0.45
4SPS -1.2980 0.0796 1.57970 34.86 0.50
5 INFINITY 0.3100 1.51690 61.89 0.59
6 INFINITY 0.3858 1.51665 56.27 0.72
7SPS -0.5301 0.0500 0.76
8 INFINITY 0.4699 1.51665 56.27 0.98
9SPS 0.6375 0.2544 1.21
10 INFINITY 0.3500 1.47140 66.01 1.25
11 INFINITY 0.2313 1.33
IMG INFINITY 0.0000

ASPHERICAL SURFACE
1
K=-3.15456e+000,A3=1.97757e-001,A4=-7.26323e-001,A5=0.00000e+000,A6=1.15059e+001,A7=0.00000e+000,A8=-1.03193e+002,A9=0.00000e+000,A10=4.95062e+002,A11=0.00000e+000,A12=-9.48762e+002,A13=0.00000e+000,A14=0.00000e+000,A15=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A17=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A19=0.00000e+000,A20=0.00000e+000
4
K=-4.99065e+001,A3=-6.41180e-001,A4=2.67602e-001,A5=0.00000e+000,A6=-2.54454e+000,A7=0.00000e+000,A8=3.76858e+001,A9=0.00000e+000,A10=-2.21172e+002,A11=0.00000e+000,A12=6.18539e+002,A13=0.00000e+000,A14=-6.80232e+002,A15=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A17=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A19=0.00000e+000,A20=0.00000e+000
7
K=-3.13583e+000,A3=-2.58633e-002,A4=-3.73079e-001,A5=0.00000e+000,A6=1.50930e+000,A7=0.00000e+000,A8=-3.08503e+000,A9=0.00000e+000,A10=4.94418e+000,A11=0.00000e+000,A12=-2.85331e+000,A13=0.00000e+000,A14=0.00000e+000,A15=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A17=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A19=0.00000e+000,A20=0.00000e+000
9
K=-5.61711e+000,A3=-1.51320e-001,A4=-2.82610e-002,A5=0.00000e+000,A6=1.02215e-001,A7=0.00000e+000,A8=-1.13796e-001,A9=0.00000e+000,A10=5.21195e-002,A11=0.00000e+000,A12=-1.03064e-002,A13=0.00000e+000,A14=0.00000e+000,A15=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A17=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A19=0.00000e+000,A20=0.00000e+000

f= 2.03 mm
fB= 1 mm
Fno= 2.8
2Y= 2.84 mm
ENTP= 0.11 mm
EXTP= -1.59 mm
H1= -0.16 mm
H2= -1.83 mm

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離(mm)
1 1 2.089
2 4 1.334
3 8 -1.234
【0085】
図17は実施例6のレンズの断面図である。図18は、実施例6にかかる撮像レンズの球面収差(a)、非点収差(b)、歪曲収差(c)及びメリディオナルコマ収差(d)の収差図である。ここで、球面収差図において、gはg線、dはd線に対する球面収差量をそれぞれ表す。また、非点収差図及びメリディオナルコマ収差図において、実線はサジタル面、点線はメリディオナル面をそれぞれ表す。
【0086】
本実施例の撮影レンズは、2つのレンズブロックと1つのレンズ単体とを有する。より具体的には、物体側から順に、第1レンズ部L1、光学薄膜からなる開口絞りS、第1レンズ基板LS1により、第1レンズである第1レンズブロックBK1が構成され、次に、第2レンズ部L2、第2レンズ基板LS2、第3レンズ部L3により、第2レンズである第2レンズブロックBK2が構成され、最後に、樹脂から一体成形された第4レンズ部L4が配置されている。第3レンズである第4レンズ部L4の物体側は平面である。つまり、第1レンズ基板LS1の平面と第2レンズ部L2との間に、パワーを持つ空気レンズが形成され、第3レンズ部L3と第4レンズ部の平面との間に、パワーを持つ空気レンズが形成される。Fは赤外線カットフィルタやカバーガラス、Iは撮像面を示す。
【0087】
(実施例7)
第7実施例におけるレンズデータを表7に示す。
【0088】
[表7]
実施例7
NUM. r d nd vd 有効半径(mm)
OBJ INFINITY 400.0000
1SPS 1.2724 0.1525 1.51665 56.27 0.38
STO INFINITY 0.3900 1.51690 61.89 0.33
3 INFINITY 0.2708 0.45
4SPS -1.4820 0.0800 1.45166 32.27 0.52
5 INFINITY 0.3100 1.51690 61.89 0.62
6 INFINITY 0.3850 1.59541 64.99 0.76
7SPS -0.7107 0.0500 0.79
8 INFINITY 0.3947 1.51690 61.89 0.97
9 INFINITY 0.0800 1.45166 32.27 1.10
10SPS 0.8655 0.2544 1.19
11 INFINITY 0.3500 1.47140 66.01 1.22
12 INFINITY 0.2725 1.31
IMG INFINITY 0.0000

ASPHERICAL SURFACE
1
K=-4.82865e+000,A3=2.11532e-001,A4=-8.17235e-001,A5=0.00000e+000,A6=1.16035e+001,A7=0.00000e+000,A8=-1.02363e+002,A9=0.00000e+000,A10=4.83692e+002,A11=0.00000e+000,A12=-9.09401e+002,A13=0.00000e+000,A14=0.00000e+000,A15=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A17=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A19=0.00000e+000,A20=0.00000e+000,
4
K=-4.69312e+001,A3=-6.74938e-001,A4=3.66546e-001,A5=0.00000e+000,A6=-2.54643e+000,A7=0.00000e+000,A8=3.80432e+001,A9=0.00000e+000,A10=-2.20000e+002,A11=0.00000e+000,A12=6.12480e+002,A13=0.00000e+000,A14=-6.73459e+002,A15=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A17=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A19=0.00000e+000,A20=0.00000e+000
7
K=-3.23761e+000,A3=-3.15617e-002,A4=-3.69548e-001,A5=0.00000e+000,A6=1.44421e+000,A7=0.00000e+000,A8=-3.24161e+000,A9=0.00000e+000,A10=4.77692e+000,A11=0.00000e+000,A12=-2.61228e+000,A13=0.00000e+000,A14=0.00000e+000,A15=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A17=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A19=0.00000e+000,A20=0.00000e+000
10
K=-3.85455e+000,A3=-2.07923e-001,A4=2.80544e-003,A5=0.00000e+000,A6=1.10074e-001,A7=0.00000e+000,A8=-1.15637e-001,A9=0.00000e+000,A10=5.15692e-002,A11=0.00000e+000,A12=-9.75070e-003,A13=0.00000e+000,A14=0.00000e+000,A15=0.00000e+000,A16=0.00000e+000,A17=0.00000e+000,A18=0.00000e+000,A19=0.00000e+000,A20=0.00000e+000

f= 1.9 mm
fB= 1.04 mm
Fno= 2.8
2Y= 2.84 mm
ENTP= 0.1 mm
EXTP= -1.88 mm
H1= 0.31 mm
H2= -1.66 mm

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離(mm)
1 1 2.463
2 4 1.513
3 8 -1.916
【0089】
図19は実施例7のレンズの断面図である。図20は、実施例7にかかる撮像レンズの球面収差(a)、非点収差(b)、歪曲収差(c)及びメリディオナルコマ収差(d)の収差図である。ここで、球面収差図において、gはg線、dはd線に対する球面収差量をそれぞれ表す。また、非点収差図及びメリディオナルコマ収差図において、実線はサジタル面、点線はメリディオナル面をそれぞれ表す。
【0090】
本実施例の撮影レンズは、3つのレンズブロックを有する。より具体的には、物体側から順に、第1レンズ部L1、光学薄膜からなる開口絞りS、第1レンズ基板LS1により、第1レンズである第1レンズブロックBK1が構成され、次に、第2レンズ部L2、第2レンズ基板LS2、第3レンズ部L3により、第2レンズである第2レンズブロックBK2が構成され、最後に、第3レンズ基板LS3、第4レンズ部L4より、第3レンズである第3レンズブロックBK3が構成される。つまり、第1レンズ基板LS1の平面と第2レンズ部L2との間に、パワーを持つ空気レンズが形成され、第3レンズ部L3と第3レンズ基板LS3の平面との間に、パワーを持つ空気レンズが形成される。Fは赤外線カットフィルタやカバーガラス、Iは撮像面を示す。
【0091】
表8に、請求項に記載した条件式の値をまとめて示す。
【0092】
【表8】

【0093】
(その他の実施形態)
上記各実施例において、実質的にパワーを有しないレンズ(ダミーレンズ)を1枚又は複数枚さらに設けてもよい。実質的にパワーを有する3枚のレンズからなり、前記3枚のレンズの光学面のうち、2面が平面であり、前記平面同士が光軸に沿って空気を挟んで隣り合わない構成とするか、実質的にパワーを有する3枚のレンズからなり、前記3枚のレンズの対向する光学面において、一方が平面、他方が非平面である組み合わせが2つある構成とすれば、ダミーレンズをさらに設けていても上述したような効果を達成することができる。
【符号の説明】
【0094】
10 撮像レンズ
50 撮像装置
51 イメージセンサ
51a 光電変換部
51b 信号処理回路
52 基板
60 入力部
70 表示部
80 無線通信部
92 記憶部
100 携帯電話機
101 制御部
LS1〜LS3 レンズ基板
L1〜L4 レンズ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的にパワーを有する3枚のレンズからなり、前記3枚のレンズの光学面のうち、2面が平面であり、前記平面同士が光軸に沿って空気を挟んで隣り合わないことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項2】
実質的にパワーを有する3枚のレンズからなり、前記3枚のレンズの対向する光学面において、一方が平面、他方が非平面である組み合わせが2つあることを特徴とする撮像レンズ。
【請求項3】
前記3枚のレンズを、物体側から第1レンズ、第2レンズ、第3レンズとしたときに、前記平面は、前記第1レンズの像側面と前記第2レンズの物体側面のどちらか1面に配置され、更に前記第2レンズの像側面と前記第3レンズの物体側面のどちらか1面に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像レンズ。
【請求項4】
第1レンズの像側面と第2レンズの物体側面とにより形成される空気レンズの屈折力が負であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の撮像レンズ。
【請求項5】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の撮像レンズ。
−3.0<Pair/P<−0.5 (1)
但し、
Pair:前記第1レンズの像側面と前記第2レンズの物体側面とにより形成される空気レンズの屈折力
P:前記撮像レンズ全系の屈折力
【請求項6】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の撮像レンズ。
f2>0かつ
−2.0<f2/f3<−0.5 (2)
但し、
f2:前記第2レンズの焦点距離(mm)
f3:前記第3レンズの焦点距離(mm)
【請求項7】
前記3枚のレンズの中で、前記平面を有するレンズのうちの少なくとも1枚は、平板状のレンズ基板の片面にレンズ部を形成してなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の撮像レンズ。
【請求項8】
前記レンズ基板に絞りを配置することを特徴とする請求項7に記載の撮像レンズ。
【請求項9】
前記レンズ基板がガラス材料からなり、少なくとも前記レンズ部が樹脂材料からなるレンズブロックを少なくとも1つ有することを特徴とする請求項7又は8に記載の撮像レンズ。
【請求項10】
複数の前記レンズブロックを並べて含むユニットを、レンズブロックユニットとし、前記レンズブロックの周縁の少なくとも一部にスペーサを並べ、複数の前記レンズブロックユニットを、前記スペーサを介在させてつなげる連結工程と、相互につながった前記レンズブロックユニットを前記スペーサに沿って切断することにより、前記レンズブロック毎に分離する切断工程と、を通じて形成されることを特徴とする請求項9に記載の撮像レンズ。
【請求項11】
実質的にパワーを有しないレンズを有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の撮像レンズ。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の撮像レンズと、固体撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−163670(P2012−163670A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22593(P2011−22593)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(303000408)コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】