説明

撮像装置、グループメンバー決定方法およびプログラム

【課題】簡便かつ迅速にグループメンバーの決定等の処理を行うことができる撮像装置を提供する
【解決手段】顔画像を抽出する対象となる対象画像を撮像し、撮像して得られた対象画像から、複数の人物の顔部分を検出し、検出した顔部分を切り出して複数の顔画像を抽出する。そして、抽出された複数の顔画像を指定されたグループ内のメンバーとし、各メンバーに対応する顔画像を指定されたグループを対応付けて記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合写真を撮影し、撮影した集合写真から撮影された複数の人物のグループの決定や個々の属性の決定を行う撮像装置、グループメンバー決定方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図8にあるように、複数の人物を「野球チーム」や「順番の決定」、「鬼ごっこ」といったグループに割り振るとともに、各グループに割り振られたそれぞれの人物に対する、「野球チーム」であれば「ピッチャー」、「キャチャー」等、「順番の決定」であれば、「1番目」、「2番目」、「3番目」等、「鬼ごっこ」であれば、誰が「鬼」になるのかといった個別属性を決定し、その結果を装置の表示部に表示する場合には、まず、所望のグループ名を装置に入力して、グループの作成を指示する。次に、各グループに属するすべてのメンバーの名前を手作業で入力した後、人為的な取り決めである「ジャンケン」や「あみだくじ」等の方法により、それぞれのグループに属するメンバーの個別属性を決定して、この決定した個別属性を手作業で入力し、表示確認を行うグループを指定してグループ内のメンバーの名前や個別属性を表示部に一覧表示する必要があった。
【0003】
一方で、近年、デジタルカメラの急速な普及に伴って、デジタル化された撮像画像データに様々な画像処理を施し、例えば、パーソナルコンピュータなどに撮像画像を取り込んで、撮像画像の不具合箇所を修正するということも簡単に行えるようになった。
【0004】
こうしたことから、撮影画像データに所定の画像処理を施して、撮影画像データ中の各個人の顔部分を切り出した顔画像を表す撮像画像データを生成する方法や撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−206688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の従来のグループメンバー登録方法においては、グループやメンバーの登録および決定した個別属性の入力が手作業であったことから、作業が煩雑であるといった問題があった。また、個別属性の決定において、人為的な取り決めである「ジャンケン」や「あみだくじ」等の方法を用いていることから、不正な処理が行われる危険性や結果に対して不満がある場合に、再度、作業をやり直すことも考えられ迅速性に欠けるといった問題があった。
【0006】
また、上記の特許文献1に示されるように、撮影画像データに所定の画像処理を施して、撮影画像データ中の各個人の顔部分を切り出した顔画像を表す撮像画像データを生成することが可能であるが、こうした技術を上記のようなグループメンバーの登録に活用するような技術は未だに開示されていない。
【0007】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、簡便かつ迅速にグループメンバーの決定等の処理を行うことができる撮像装置、グループメンバー決定方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。
(1)本発明は、被写体を撮像して撮像画像を得る撮像手段と、前記撮像手段により得られる撮像画像のうち、顔画像を抽出する対象となる対象画像を指定する指定手段と、前記指定手段により指定された対象画像内から複数の人物の顔部分を検出し、該検出した各顔部分を切り出して複数の顔画像を抽出する顔画像抽出手段と、前記顔画像抽出手段によって抽出された複数の顔画像を指定されたグループと対応付けて記憶するグループ別顔画像記憶手段と、を備えたことを特徴とする撮像装置を提案している。
【0009】
(2)本発明は、顔画像を抽出する対象となる対象画像を撮像する第1のステップと、該撮像して得られた対象画像から、複数の人物の顔部分を検出し、該検出した顔部分を切り出して複数の顔画像を抽出する第2のステップと、該抽出された複数の顔画像を指定されたグループ内のメンバーとし、各メンバーに対応する顔画像を指定されたグループを対応付けて記憶する第3のステップと、を備えたことを特徴とするグループメンバー決定方法を提案している。
【0010】
(3)本発明は、撮像装置が備えるコンピュータに、顔画像を抽出する対象となる対象画像を撮像する第1のステップと、該撮像して得られた対象画像から、複数の人物の顔部分を検出し、該検出した顔部分を切り出して複数の顔画像を抽出する第2のステップと、該抽出された複数の顔画像を指定されたグループ内のメンバーとし、各メンバーに対応する顔画像を指定されたグループを対応付けて記憶する第3のステップと、を実行させるためのプログラムを提案している。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、集合写真を撮影するだけで、集合写真に撮影された人物を同一のグループとして自動的に登録でき、簡便かつ迅速にグループメンバーの決定等の処理を行うことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて、詳細に説明する。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0013】
<撮像装置の外観構成>
本実施形態に係る撮像装置(デジタルカメラ100)の外観構成は、図1に示すようになっており、図1(a)はその正面図、図1(b)はその背面図を示している。撮像装置(デジタルカメラ100)は、図1に示すように、その正面側にストロボ発光部1と撮像レンズ(レンズ群)2を備えている。
【0014】
また、撮像装置(デジタルカメラ100)の背面には、図1(b)に示すように、モードダイヤル3と、液晶モニタ画面4と、カーソルキー5と、SETキー6と、望遠撮影時に用いられるズームキー(Wideボタン7−1、Teleボタン7−2)7と、撮像モードを選択する選択手段としての撮影モード選択キー10等が設けられている。
【0015】
さらに、撮像装置(デジタルカメラ100)の上面には、図1(a)、(b)に示すように、シャッターキー8と、電源ボタン9等が設けられ、図示しない撮像装置(デジタルカメラ100)の側面には、パーソナルコンピュータやモデム等の外部装置をUSBケーブルで接続する場合に用いられるUSB(Universal Serial Bus)端子の接続部や、メモリカード等を挿入するスロット等が設けられている。
【0016】
<撮像装置の電気的構成>
本実施形態に係る撮像装置(デジタルカメラ100)は、図2に示すように、撮像レンズ62と、レンズ駆動ブロック63と、絞り兼用シャッター64と、CCD50と、TG(Timing Generator)66と、ユニット回路67と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)68と、メモリ69と、CPU(Central Processing Unit)70と、画像表示部71と、キー入力部72と、外部通信I/F(Interface)73と、ストロボ駆動部74と、ストロボ発光部75と、カードI/F(Interface)76、可動反射ミラー駆動部77と、を備えており、カードI/F76には、図示しないデジタルカメラ100本体のカードスロットにメモリカードが着脱可能に接続される。
【0017】
撮像レンズ62は、フォーカスレンズ、ズームレンズを含み、レンズ駆動ブロック63が接続されている。このレンズ駆動ブロック63は、図示しないフォーカスレンズ、ズームレンズを光軸方向に駆動させるフォーカスモータ及びズームモータと、CPU70からの制御信号にしたがってフォーカスモータ及びズームモータをそれぞれ駆動させるフォーカスドライバ及びズームモータドライバから構成されている。
【0018】
絞り兼用シャッター64は、図示しない駆動回路を含み、この駆動回路はCPU70から送られてくる制御信号にしたがって絞り兼用シャッターを動作させる。なお、この絞り兼用シャッター64は、絞りとシャッターとして機能する。
【0019】
ここで、絞りとは、撮像レンズ62から入ってくる光の量を制御する機構をいい、シャッターとは、CCD50に光を当てる時間を制御する機構をいう。また、CCD50に光を当てる時間(露出時間)は、シャッターの開閉速度(シャッター速度)によって変化するため、露出量は、この絞りとシャッター速度とによって定めることができる。
【0020】
CCD50は、撮像レンズ62及び絞り兼用シャッター64を介して投影された被写体の光を電気信号に変換し、撮像信号としてユニット回路67に出力する。また、CCD50は、TG66によって生成された所定周波数のタイミング信号にしたがって駆動する。なお、TG66にはユニット回路67が接続されている。
【0021】
ユニット回路67は、CCD50から出力される撮像信号を相関二重サンプリングして保持するCDS(Correlated Double Sampling)回路、そのサンプリング後の撮像信号の自動利得調整を行うAGC(Automatic Gain Control)回路、その自動利得調整後のアナログの撮像信号をデジタル信号に変換するA/D変換器から構成されており、CCD50の撮像信号は、ユニット回路67を経てデジタル信号としてCPU70に送られる。
【0022】
CPU70は、ユニット回路67から送られてきた画像データの画像処理(画素補間処理、γ補正、輝度色差信号の生成、ホワイトバランス処理、露出補正処理等)、ブレ補正処理、画像データの圧縮・伸張(例えば、JPEG形式の圧縮・伸張)の処理等を行う機能を有するとともに、デジタルカメラ100の各部を制御プログラムにしたがって制御するワンチップマイコンであって、時刻を計時するクロック回路を含む。
【0023】
なお、本実施形態においては、上記の機能以外に、CCD50により撮像された集合写真から、人物の顔画像を検出する検出機能、検出された複数の人物の顔画像を同一グループ内のメンバーとし、各メンバーに対応する顔画像と決定したグループとを対応づけて記憶させる機能、記憶されている各グループのメンバーに対する属性をランダムに決定する属性決定機能、決定された各メンバーの属性を表示させ、または、ルーレットにより属性を決定する場合に、その過程をアニメーション表示させる表示制御機能、キー入力等の選択により、グループ種別が選択された場合に、選択されたグループ種別に応じて、記憶された属性の中からランダムにメンバーの属性を決定する機能、複数の顔画像を貼り付け領域が設定された所定の画像レイアウトに対して、各顔画像を貼り付ける領域をメンバーの属性ごとに決定する機能、メンバーの属性に対応した貼り付け領域に顔画像を配置する機能等を実行する。
【0024】
DRAM68は、CCD50によって撮像された後、CPU70に送られてきた画像データを一時記憶するバッファメモリとして使用されるとともに、CPU70のワーキングメモリとしても使用される。また、本実施形態においては、各メンバーに対応する顔画像と決定したグループとを対応づけて記憶するデータテーブルやグループ種別を記憶するデータテーブル、グループ種別に対応して、それぞれのグループのメンバーに割当てられる属性情報を記憶するデータテーブル等が含まれる。
【0025】
画像表示部71は、カラーLCD(Liquid Crystal
Display)とその駆動回路とを含み、撮影待機状態にあるときには、CCD50によって撮像された被写体をスルー画像として表示し、記録画像の再生時には、メモリカードから読み出され、伸張された記録画像を表示させる。また、CPU70からの指示により、メンバー属性の表示やアニメーション表示を行う。
【0026】
キー入力部72は、シャッターボタンやモードキー、SETキー、十字キー、撮影モード選択キー等の複数の操作キーを含み、ユーザのキー操作に応じた操作信号をCPU70に出力する。また、本実施形態においては、顔画像の抽出を行う動作モードである顔画像抽出モードを設定するためにも用いられる。
【0027】
外部通信I/F73は、外部の電子機器(例えば、パーソナルコンピュータ)との間でデータの入出力を行うものであり、USB規格、IEEE1394規格などの各種インターフェース規格による入出力を可能としており、これらの規格によるデータ入出力が可能なパソコンなどの電子機器と接続可能となっている。また、IrDA規格による赤外線通信、Bluetooth規格による無線通信により外部の電子機器と画像データの入出力を可能としているものでもよい。
【0028】
ストロボ駆動部74は、CPU70の制御信号にしたがって、ストロボ発光部75を閃光駆動させ、ストロボ発行部75は、これによりストロボを閃光させる。CPU70は、図示しない測光回路により、撮影シーンが暗いか否かを判断し、撮影シーンが暗いと判断し、かつ、撮影を行う場合(シャッターボタンの押下時)には、ストロボ駆動部74に制御信号を出力する。
【0029】
メモリ69は、CPU70によるデジタルカメラ100の各部の制御に必要なプログラム及び各部の制御に必要なデータを記録格納しており、CPU70は、このプログラムにしたがって処理を実行する。
【0030】
<機能ブロックの構成>
次に、図3を用いて、本実施形態に係る撮像装置内の主要機能ブロックについて説明する。
本実施形態に係る撮像装置内の主要機能ブロックは、図3に示すように、顔画像抽出部11と、顔画像記憶部12と、属性決定部13と、貼付領域決定部14と、顔画像配置部15と、属性情報記憶部16と、グループ種別記憶部17と、選択部18と、表示制御部19とから構成されている。なお、顔画像抽出部11、属性決定部13、貼付領域決定部14、顔画像配置部15、表示制御部19は、図2における撮像装置のCPU70内に設けられ、顔画像記憶部12、属性情報記憶部16、グループ種別記憶部17は、図2における撮像装置のDRAM68内に設けられ、選択部18は、図2における撮像装置のキー入力部72内に設けられている。
【0031】
顔画像抽出部11は、CCD50において撮像された集合写真から、人物の顔画像を検出し、検出した顔画像を切り出して、顔画像を抽出する。なお、画像内の顔部分を検出する具体的な方法については、公知技術を利用することができるため、その詳細な説明は省略するが、例えば、人間の顔に共通する特徴情報を予め記憶しておき、撮影された画像の各部から抽出される特徴情報を予め記憶されている特徴情報と比較して所定以上の類似度を有する画像部分を顔と判断するような方法がある。ここで、特徴情報としては、一般的に肌色などの色や顔のパーツの相対的な位置関係などの情報を用いるが、より精度よく顔を検出するためには、次に示すような方法を用いる場合もある。
【0032】
すなわち、撮像レンズとストロボ発光部とが極めて近接配置された撮像装置を用いて、撮像画像に含まれるすべての人物の目が赤目になるような撮像画像を取得する。そして、撮像画像の中から、色が赤く、形状が丸い画像部分を見つけ出し、赤目、すなわち、撮像画像中の人物の目を検出する。次に、検出した目の位置情報を生成し、生成した目の位置情報から、撮像画像中の人物の顔を検出し、検出した顔画像を切り出して、顔画像を抽出する。なお、撮像された赤目については、その位置情報が示す位置の画像部分における彩度を落とすことにより修正される。また、撮像画像が複数ある場合には、複数の撮像画像から異なる人物の顔画像のみを検出し、検出した顔画像を切り出して、顔画像を抽出する。
【0033】
顔画像記憶部12は、顔画像抽出部11により抽出された各人の顔画像とグループとを対応づけて記憶するデータテーブルである。具体的には、図4に示すように、例えば、グループの種別「1」に対応づけて、各人の顔画像、例えば、「A君の顔画像」、「B君の顔画像」・・・「D君の顔画像」を記憶し、グループの種別「2」に対応づけて、各人の顔画像、例えば、「E君の顔画像」、「Fさんの顔画像」・・・「Gさんの顔画像」を記憶し、グループの種別「3」に対応づけて、各人の顔画像、例えば、「H君の顔画像」、「Iさんの顔画像」・・・「J君の顔画像」を記憶し、グループの種別「4」に対応づけて、各人の顔画像、例えば、「K君の顔画像」、「Lさんの顔画像」・・・「M君の顔画像」を記憶している。なお、各人の顔画像は、予め設けられたグループと関連づけて記憶してもよいし、各人の顔画像を記憶する際に、新たにグループを作成して、この作成されたグループと対応付けて記憶してもよい。
【0034】
属性決定部13は、顔画像記憶部12に記憶されている各グループのメンバーに対する属性を決定する。具体的には、後述するグループ種別記憶部17から選択部18により選択されたグループ種別に応じて、後述する属性情報記憶部16に記憶された属性の中から各メンバーの属性を決定する。なお、属性の決定は、所定のルールに従って、行ってもよいし、ランダムに決定する方法でもよい。
【0035】
貼付領域決定部14は、複数の顔画像を貼り付ける領域が設定された所定の画像レイアウトに対して、各顔画像を貼り付ける領域をメンバーの属性ごとに決定する。具体的には、図6(a)に示すように、貼付領域の位置や大きさが異なる所定のレイアウトや図6(b)に示すように、貼付領域が互いに一部重複する所定のレイアウトに対して、メンバーの顔画像を貼付する領域をメンバーの属性ごとに決定する。
【0036】
顔画像配置部15は、貼付領域決定部14により決定された貼付領域に、顔画像記憶部12に記憶された各メンバーの顔画像を配置し、合成写真を自動生成する。
【0037】
属性情報記憶部16は、グループの種別に対応づけて、それぞれのグループのメンバーに割当てられる属性情報を記憶する。具体的には、図5に示すように、「野球チームのポジション決定」、「順番の決定」、「鬼ごっこ」「合成写真Aの作成(印刷)」、「合成写真Bの作成(印刷)」というグループ種別に対して、それぞれ「ピッチャー、キャッチャー、・・・」、「1番、2番、・・・」、「鬼」、「貼り付け領域1、貼り付け領域2、・・・」、「貼り付け領域1、貼り付け領域2、・・・」という割当てるべきメンバーの属性情報が格納されている。
【0038】
グループ種別記憶部17は、グループの種別を記憶するものであり、具体的には、図5に示すような「野球チームのポジション決定」、「順番の決定」、「鬼ごっこ」「合成写真Aの作成(印刷)」、「合成写真Bの作成(印刷)」というグループ種別を記憶する。
【0039】
選択部18は、顔画像記憶部12に記憶されたグループについて、グループ種別記憶部17からグループ種別を選択する。表示制御部19は、属性決定部13において決定された各メンバーの属性を図2に示す画像表示部72に表示するための制御を行うとともに、属性決定部13が、ルーレットにより各グループのメンバーに対する属性をランダムに決定する場合に、ルーレットにより属性を決定する過程を図2に示す画像表示部72にアニメーション表示するための制御を行う。さらに、各種情報の表示に関する制御を行う。
【0040】
<撮像装置の処理フロー>
次に、図7を用いて、本実施形態に係る撮像装置の処理について説明する。
まず、集合写真から顔画像を抽出してグループメンバーを決定するための動作モードであるグループメンバー決定モードが撮影者から指示されると、顔画像を抽出する対象となる対象画像の撮影を開始する準備状態となり、この準備状態においてシャッターが押されると、CCD50等を作動させて、撮像画像を取得する。通常は、1回の撮影を行った後に、上記の準備状態を解除して次の処理に進むが、継続して複数の撮影を行う指示がなされた場合には、複数の撮影を行った後に、上記の準備状態を解除する。なお、複数の撮影を必要とするのは、撮影者がグループメンバーに含まれる場合などであり、この場合には、撮影者だけを追加で撮影した撮像画像を取得する(ステップS101)。こうして得られた1または複数の撮影画像を、顔画像を抽出する対象となる対象画像として一時記憶する。なお、このときに、既に記録済みの画像を対象画像に加えたり、既に記録済みの画像だけを対象画像とするようにしてもよい。
【0041】
次に、グループ種別記憶部17の格納情報を一覧表示して、選択部18により所望のグループ種別を選択する(ステップS102)。さらに、選択されたグループ種別に対応してグループを自動生成する(ステップ103)。なお、このときに、既に他の顔画像が記憶されているグループを指定するようにしてもよい。
【0042】
次に、顔画像抽出部11を作動させて、取得した対象画像から各メンバーの顔画像を検出し(ステップS104)、検出された顔画像を切り取って各メンバーの顔画像とするとともに、自動生成されたグループと対応づけて顔画像記憶部12に格納する(ステップS105)。これらの処理により、集合写真を撮影するだけで、グループ内のメンバーを自動登録することができる。また、集合写真に含まれない撮影者等についてもグループメンバーとして自動登録することができる。
【0043】
次に、選択されたグループ種別に対応して、属性情報記憶部16に記憶された属性の中から、属性決定部13がランダムに各メンバーの属性を決定する(ステップS106)。この処理により、グループ内のメンバーに対して決定すべき属性を従来のジャンケンやあみだくじなどの手作業によらず迅速に決定できるとともに、ランダムに属性を決定することから不公平を生じない。また、グループ種別を選択するだけで、グループ内のメンバーに割当てるべき属性を自動的に決定することができるため、例えば、野球チームのポジションなどを容易かつ迅速に決定することができる。なお、完全にランダムに決定する方法でなくとも、何らかの基準と組み合わせて決定するようにしてもよい。
【0044】
なお、S106の処理において、画像ルーレット表示が指定されている場合(ステップS107の「Yes」)には、ランダムに各メンバーの属性を決定する過程を画像ルーレット用にアニメーション表示させる(ステップS108)。この処理により、属性を決定する過程をゲーム感覚で楽しむことができる。
【0045】
そして、決定された属性を登録する(ステップS109)。次に、グループを指定した表示確認の指示があったか否かを確認し(ステップS110)、表示確認の指示がある場合(ステップS110の「Yes」)には、グループ内のメンバーの顔画像および決定された属性を一覧表示する(ステップS111)。なお、この表示確認の処理は、属性決定の処理が行われた後に、自動的に行うようにしてもよいし、属性登録が完了した後の任意のタイミングで表示確認の対象となるグループが指定されたときに行うようにしてもよい。
【0046】
一方、表示確認の指示がない場合には、合成画像の作成あるいは印刷指示があったかどうかを確認し(ステップS112)、合成画像の作成あるいは印刷指示があった場合(ステップS112の「Yes」)には、このグループの種別に対応して記憶されている画像レイアウト情報に従って、各メンバーの顔画像を貼り付ける領域を、各メンバーの属性に対応して決定し、決定された領域のサイズに合わせて各メンバーの顔画像を拡大または縮小するなどの処理を行って、対応する貼り付け領域に貼り付け、合成画像の作成あるいは印刷を実行する。この処理により、集合写真を撮影するだけで、集合写真に含まれるメンバーの顔画像が配置された合成写真を自動生成することができる。
【0047】
したがって、本実施形態によれば、集合写真を撮影するだけで、グループ内のメンバーを自動登録することができる。また、集合写真に含まれない撮影者についてもグループメンバーとして自動登録することができる。
【0048】
さらに、グループ内のメンバーに対して決定すべき属性を従来のジャンケンやあみだくじなどの手作業によらず迅速に決定できるとともに、ランダムに属性を決定することから不公平を生じない。また、グループ種別を選択するだけで、グループ内のメンバーに割当てるべき属性を自動的に決定することができるため、例えば、野球チームのポジションなどを容易かつ迅速に決定することができる。
【0049】
また、集合写真を撮影するだけで、集合写真に含まれるメンバーの顔画像が配置された合成写真を自動生成することができる。
【0050】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る撮像装置の外観構成図である。
【図2】本発明に係る撮像装置の電気的構成図である。
【図3】本発明に係る撮像装置の機能ブロック図である。
【図4】グループと顔画像、グループ種別、メンバー属性を関連づけたデータテーブルの一例を示した図である。
【図5】グループ種別とメンバーに割当てるべき属性の種類とを関連づけたデータテーブルの一例を示した図である。
【図6】合成画像における顔画像の貼り付け領域を例示した図である。
【図7】本発明の処理フローを示した図である。
【図8】従来例におけるグループとメンバー名、個別属性を関連付けたデータテーブルの一例を示した図である。
【符号の説明】
【0052】
1・・・ストロボ発光部、2・・・撮像レンズ(レンズ群)、3・・・モードダイヤル、4・・・液晶モニタ画面、5・・・カーソルキー、6・・・SETキー、7・・・ズームキー、8・・・シャッターキー、9・・・電源ボタン、10・・・撮影モード選択キー、11・・・顔画像抽出部、12・・・顔画像記憶部、13・・・属性決定部、14・・・貼付領域決定部、15・・・顔画像配置部、16・・・属性情報記憶部、17・・・グループ種別記憶部、18・・・選択部、19・・・表示制御部、20・・・第1のレンズ、21・・・第2のフォーカスレンズ、30・・・第2のレンズ、31・・・反射ミラー、32・・・光学ズームレンズ、33・・・第1のフォーカスレンズ、40・・・光可動反射ミラー、50・・・CCD、62・・・撮像レンズ、63・・・レンズ駆動ブロック、64・・・絞り兼用シャッター、66・・・TG、67・・・ユニット回路、68・・・DRAM、69・・・メモリ、70・・・CPU、71・・・画像表示部、72・・・キー入力部、73・・・外部通信I/F、74・・・ストロボ駆動部、75・・・ストロボ発光部、76・・・カードI/F、77・・・可動反射ミラー駆動部、100・・・デジタルカメラ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像して撮像画像を得る撮像手段と、
前記撮像手段により得られる撮像画像のうち、顔画像を抽出する対象となる対象画像を指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された対象画像内から複数の人物の顔部分を検出し、該検出した各顔部分を切り出して複数の顔画像を抽出する顔画像抽出手段と、
前記顔画像抽出手段によって抽出された複数の顔画像を指定されたグループと対応付けて記憶するグループ別顔画像記憶手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記顔画像抽出手段によって抽出された複数の顔画像を記憶する際に新たなグループを作成するグループ作成手段を備え、
前記グループ別顔画像記憶手段は、前記グループ作成手段が新たに作成したグループと対応付けて前記複数の顔画像を記憶することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像手段による撮像を指示する撮像指示手段と、
顔画像の抽出を行う動作モードである顔画像抽出モードを設定する設定手段と、を更に備え、
前記指定手段は、前記顔抽出モードが設定されている状態で前記撮像指示手段の指示に応じて撮像された撮影画像を前記対象画像として指定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記顔画像抽出手段は、前記指定手段により前記対象画像として指定された複数の撮影画像の各々から人物の顔部分を検出し、該検出した各顔部分を切り出して複数の顔画面を抽出することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記グループ別顔画像記憶手段によりグループに対応して記憶されている複数の顔画像の各々に対する属性を決定する属性決定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記属性決定手段により決定された属性を各顔画像に対応付けて記憶する属性記憶手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記属性決定手段により決定された属性を各顔画像とともに表示する属性表示手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項8】
グループの種別を記憶するグループ種別記憶手段と、
前記グループの種別に対応付けて、それぞれのグループのメンバーに割当てられる属性情報を記憶する属性情報記憶手段と、
前記グループ別顔画像記憶手段に記憶されたグループについて、前記グループ種別記憶手段からグループ種別を選択する選択手段と、を備え、
前記属性決定手段が、前記選択手段により選択されたグループ種別に応じて、前記属性情報記憶手段に記憶された属性の中から各顔画像に対応する属性を決定することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項9】
複数の顔画像を貼り付ける領域が設定された所定の画像レイアウトに対して、各顔画像を貼り付ける領域を前記メンバーの属性ごとに決定する貼付領域決定手段と、
該貼付領域決定手段が決定する前記メンバーの属性に対応した貼り付け領域に前記顔画像を貼り付けて配置する顔画像配置手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記属性決定手段が、グループのメンバーに対する属性をランダムに決定するとともに、
前記属性決定手段の決定内容に従って各顔画像を順次表示する表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項11】
顔画像を抽出する対象となる対象画像を撮像する第1のステップと、
該撮像して得られた対象画像から、複数の人物の顔部分を検出し、該検出した顔部分を切り出して複数の顔画像を抽出する第2のステップと、
該抽出された複数の顔画像を指定されたグループ内のメンバーとし、各メンバーに対応する顔画像を指定されたグループを対応付けて記憶する第3のステップと、
を備えたことを特徴とするグループメンバー決定方法。
【請求項12】
撮像装置が備えるコンピュータに、
顔画像を抽出する対象となる対象画像を撮像する第1のステップと、
該撮像して得られた対象画像から、複数の人物の顔部分を検出し、該検出した顔部分を切り出して複数の顔画像を抽出する第2のステップと、
該抽出された複数の顔画像を指定されたグループ内のメンバーとし、各メンバーに対応する顔画像を指定されたグループを対応付けて記憶する第3のステップと、
を実行させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−131559(P2008−131559A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−316969(P2006−316969)
【出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】