説明

撮像装置、撮像装置の制御方法、プログラム

【課題】単体では2次元画像の撮影を行う撮像装置を複数台利用し、3次元画像の撮影を簡単に行えるようにする。
【解決手段】撮像装置は3次元画像を撮像するための撮像パラメータの情報を他の撮像装置と共有する手段を有し、前記他の撮像装置と無線接続している際に、ユーザから撮像指示があった場合には、前記他の撮像装置と共有した前記撮像パラメータを用いて、前記他の撮像装置と共に3次元画像を生成するための撮像を行い、前記他の撮像装置と無線接続していない際に、ユーザから撮像指示があった場合には、2次元画像を生成するための撮像を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置を複数台用いて3次元画像のための撮影を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、3次元画像(以下、3D画像)を撮像することができる装置やシステムが考案されている。例えば、1台の装置が2つの撮像部を有することで、3D画像を撮像することができる3D画像撮像用カメラがある(特許文献1)。また、1台の親機から複数台の子機(カメラ)に対して撮像タイミングを通知して、複数のカメラが同じタイミングで撮像することにより、3D画像を撮像するシステムがある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−141447
【特許文献2】特開2003−324649
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
単体では2次元画像を撮影する複数台のカメラを利用して3D撮影を行うためには、ズーム、フォーカス、感度、色調などの撮像パラメータや、シャッタータイミングを複数のカメラの間で共通にする必要がある。しかしながら、複数のカメラの撮像パラメータを手動で合わせるのでは、操作が煩雑になってしまう。
上記課題を鑑み、本発明は、単体では2次元画像の撮影を行う複数の撮像装置を利用して、3次元画像の撮影を簡単に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明の撮像装置は、3次元画像を撮像するための撮像パラメータの情報を他の撮像装置と共有する手段を有し、前記他の撮像装置と無線接続している際に、ユーザから撮像指示があった場合には、前記他の撮像装置と共有した前記撮像パラメータを用いて、前記他の撮像装置と共に3次元画像を生成するための撮像を行い、前記他の撮像装置と無線接続していない際に、ユーザから撮像指示があった場合には、2次元画像を生成するための撮像を行う。
【発明の効果】
【0006】
単体では2次元画像の撮影を行う複数の撮像装置を利用して、3次元画像の撮影を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】システム構成図
【図2】デジタルカメラの構成図
【図3】デジタルカメラのモード遷移
【図4】電源投入時のフローチャート
【図5】通常撮影モードのフローチャート
【図6】画像再生モードのフローチャート
【図7】スタンバイモードのフローチャート
【図8】3D画像撮影モードのフローチャート
【図9】アンテナが1つの場合の接続を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態1>
本実施形態の3次元画像(以下、3D画像)撮像システムを図1に示す。本実施形態の3D画像撮像システムでは、デジタルカメラ1(以下、カメラ1)とデジタルカメラ2(以下、カメラ2)を近接無線通信により接続した場合に、各々のカメラが3D画像のための撮像を行う。そして、PC等において各カメラのメモリに保存された画像データを合成することで、ユーザは3D画像を閲覧することができる。
【0009】
本実施形態では、近接無線通信機能はTransferJetによって実現する。ただし、TransferJetに限らず、例えば、NFC(Near Field Communication)や赤外線通信(IrDA)を用いた通信でもよい。ここで、NFCの通信容量はそれほど多くないので、NFCはカメラ同士の近接の検知に用い、実際の通信は無線LANなどの通信容量の大きい無線方式を用いるようにしてもよい。
【0010】
カメラ1のハードウェア構成を図2(a)に示す。なお、図2(a)に示した構成の一部をソフトウェアとして実現するようにしてもよい。また、カメラ2も同様の構成を有しているものとする。
【0011】
101は被写体の光像から画像データを生成する撮像部である。102は、撮像部101が撮像の際に用いる撮像パラメータ(ズーム、フォーカス、明るさ、感度、色調等)を記憶する撮像設定記憶部である。103は撮像部101の撮影タイミングを制御する撮像動作制御部である。104は画像データを保存するメモリである。
【0012】
105は撮像部101で生成した画像データをメモリ104に記録する時に画像データに付与するファイル属性情報を制御するファイル属性制御部である。106は前記画像データとカメラおよび通信の設定画面を表示するディスプレイである。107はユーザ操作のインターフェイスであるユーザ操作部である。108は近接無線通信機能を実現する近接無線制御部である。109は近接無線アンテナである。
【0013】
110はカメラ1の動作モードを制御するモード制御部である。111は近接無線通信接続時に右目視点側(右目用画像を撮像する側)か左目視点側(左目用画像を撮像する側)かを決定する左右視点決定部である。112は全体の処理を統制する制御部である。113は筐体の上部と定めた面が上を向いているか、下を向いているかを検知する姿勢検知部である。114は近接無線アンテナ109と同じ近接無線通信用のアンテナであり、近接無線アンテナ109と近接無線アンテナ114は異なる位置(本実施形態では、カメラ1の筐体において対向する面)に配置されている。
【0014】
図2(b)に、カメラ1の外観を示す。カメラ1では、ディスプレイ106を正面にして見た場合に、左側面に近接無線アンテナ114を有し、右側面に近接無線アンテナ109を有する。そして、左側面と右側面には、近接無線アンテナ同士を近接させたまま固定できるように、それぞれに対応する凹凸が刻まれている。また、撮像部101に含まれるレンズは、ディスプレイ106に対向する面に在る。
【0015】
次に、カメラ1のモード遷移について図3を用いて説明する。なお、カメラ2も同様のモード遷移を行うものとする。カメラ1は、電源オフ状態、通常撮影モード、画像再生モード、スタンバイモード、および、3D画像撮影モードを備える。
【0016】
通常撮影モードは、2次元画像(2D画像)の撮像を行うモードである。画像再生モードは、メモリ104に保存されている画像を閲覧するためのモードである。スタンバイモードは、近接無線通信機能のみ利用可能なモードである。3D画像撮影モードは、近接無線通信により接続されたカメラ2と連携して3D画像のための撮像(3D撮影)を行うモードである。
【0017】
3D撮影では、カメラ1とカメラ2とで、撮像の際のズーム、フォーカス、明るさ、感度、色調などの撮像設定値を等しくして同時に撮影する。更に、カメラ1とカメラ2とでファイル名称の生成ルールを定め、同時に撮影して得られた画像ファイル同士を対応付けられるようにする。更に、左目視点から撮影した画像なのか、右目視点から撮影した画像なのかを示す視点情報を画像ファイルに付加するものとする。
【0018】
また、電源オフ状態への遷移はどのモードからでもユーザが電源ボタンをオフにすることで可能である。
【0019】
ユーザの操作によりカメラ1の電源が投入されると、カメラ1は通常撮影モードもしくは画像再生モードへ遷移する。どちらのモードに遷移するかは前回の電源オフ直前のモードにより決まるものとする。ここで、前回の電源オフ直前のモードは、メモリ104にモード指定情報として記憶されているものとする。
【0020】
なお、これに限らず、事前にユーザによって指定されたモードであってもよいし、電源投入処理の中でユーザから指定されたものでもよいし、電源投入のボタンがそれぞれのモード別にあってもよい。また、どちらのモードにするかを設定する切替スイッチを有し、当該切替スイッチに応じたモードに遷移するようにしてもよい。
【0021】
カメラ1が通常撮影モードである場合、ユーザ操作部107におけるユーザ操作により遷移できるのは画像再生モード、スタンバイモードである。3D画像撮影モードへは近接無線通信の接続をトリガとして遷移する。
【0022】
カメラ1が画像再生モードである場合、ユーザ操作部107におけるユーザ操作により遷移できるのは通常撮影モード、スタンバイモードである。3D画像撮影モードへは近接無線通信接続をトリガとして遷移する。
【0023】
カメラ1がスタンバイモードである場合、ユーザ操作部107においてモード切り替えのためのユーザ操作が発生するとスタンバイモードへ遷移する前のモードへ戻るように遷移する。3D画像撮影モードへは近接無線通信接続をトリガとして遷移する。
【0024】
最後に、カメラ1が3D画像撮影モードである場合、近接無線通信が切断されると3D画像撮影モードに遷移する前のモードへ戻るように遷移する。
【0025】
次に、カメラ1の処理フローチャートを図4〜8に示す。この処理フローチャートは制御部112がメモリ104に記憶されたプログラムを読み出すことで実現される。なお、メモリ104に代えて、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、DVDなどの記憶媒体を用いてもよい。また、カメラ2の処理フローチャートもこれと同様である。また、ここでは、カメラ1の初期の状態として、電源オフ状態であるとする。
【0026】
まず、ユーザ操作部107におけるユーザ操作によりカメラ1が電源オンの状態になると、近接無線制御部108は近接無線アンテナ109を用いて近接無線通信の接続要求を送信するとともに、接続要求の受信を監視する(S401)。
【0027】
次に、モード制御部110はモード指定情報を確認する(S402)。ここでは、モード指定情報の内容は通常撮影モードであったとする。そして、モード制御部110は、モード指定情報の内容に応じたモード(ここでは、通常撮影モード)に切り替える(S403)。
【0028】
通常撮影モードに切り替えられた場合のカメラ1の動作について、図5を用いて説明する。通常撮影モードに切り替えられると、ユーザ操作部107はユーザによる撮影指示があったかどうかを監視する(S501)。これは、ユーザ操作部107が不図示の撮像ボタンを有し、この撮像ボタンが押されたかどうかを監視すればよい。
【0029】
撮影指示があった場合はステップS502へ進み、撮影指示がない場合は、ステップS505へ進む。ここでは、撮影指示があったとしてステップS502へ進む。
【0030】
撮影指示が行われると、撮像動作制御部103は、撮像設定記憶部102からズーム、フォーカス、明るさ、感度、色調などの撮像パラメータを読み出して自身に設定する(S502)。そして、撮像動作制御部103は撮像部101を制御して撮影処理を実行し、撮像部101は画像データを生成する(S503)。
【0031】
画像データが生成されると、ファイル属性制御部105は生成された画像データに対して、撮像パラメータや撮影日時、サイズ、画像ファイル名称などのファイル属性を付与し、メモリ104に画像ファイルとして保存し(S504)、S505に進む。
【0032】
S505において、ユーザによりユーザ操作部107の画像再生ボタンが押されたかを監視する。画像再生ボタンが押された場合、画像再生モードの処理フロー(図6)に進む。また、画像再生ボタンが押されていない場合、S506へ進む。
【0033】
S506において、ユーザによりユーザ操作部107のスタンバイボタンが押されたかを監視する。スタンバイボタンが押された場合、スタンバイモードの処理フロー(図7)に進む。また、スタンバイボタンが押されていない場合、次のステップS507へ進む。
【0034】
S507において、近接無線制御部108により近接無線通信が接続されたかを監視する。近接無線通信が接続された場合、ステップS508へ進み、接続されていない場合、ステップS501へ戻る。ここでは、近接無線通信が接続されたとして、次に進む。
【0035】
S508において、近接無線通信を用いて接続した相手(例えば、カメラ2)に対して3D画像撮影モード移行要求を送信し、3D画像撮影モードの処理フローへ進む。(図8)
次に、画像再生モードの処理フロー(図6)について説明する。
【0036】
画像再生モードでは、まず、S601において、ディスプレイ106は、メモリ204に保存されている所望の画像データを表示する。なお、ユーザによるユーザ操作部107への操作に応じて、ディスプレイ106は表示する画像データを切り替えることができる。
【0037】
次に、S602において、ユーザによりユーザ操作部207の通常撮影モードボタンが押されたかを監視する。通常撮影モードボタンが押された場合、通常撮影モードの処理フロー(図5)に進む。また、通常撮影モードボタンが押されていない場合、S603へ進む。
【0038】
S603において、ユーザによりユーザ操作部207のスタンバイボタンが押されたかを監視する。スタンバイボタンが押された場合、スタンバイモードの処理フロー(図7)に進む。また、スタンバイボタンが押されていない場合、S604へ進む。
【0039】
S604において、近接無線制御部208により近接無線通信が接続されたかを監視する。近接無線通信が接続された場合、ステップS605へ進み、接続されていない場合、ステップS601へ戻る。
【0040】
S605において、近接無線制御部208は、近接無線通信を用いて接続した相手(例えば、カメラ2)から3D画像撮影モード移行要求を受信したかを判定する。受信したと判定した場合は、3D画像撮影モードの処理フロー(図8)へ進み、受信していないと判定した場合は、S601へ戻る。
【0041】
次に、スタンバイモードの処理フロー(図7)について説明する。
【0042】
スタンバイモードでは、まず、S701において、制御部112はカメラ1を省電力状態に移行する。省電力状態では、近接無線制御部108による近接無線通信機能と、ユーザ操作部107によるユーザ操作検知が実施可能だが、その他の機能は無効となっている。
【0043】
次に、S702において、ユーザによるユーザ操作部107の操作を監視する。ここで、ユーザ操作部107に対して何かしらの操作があった場合、省電力状態を解除して、スタンバイモードに遷移する前のモード(以下、元のモード)の処理フローの先頭ステップに戻る。ただし、元のモードが、3D画像撮影モードであった場合には、省電力状態を解除して、通常撮影モードに戻るものとする。また、操作がなかった場合には、S703へ進む。
【0044】
次に、ステップS703において、近接無線制御部208により近接無線通信が接続されたかを監視する。近接無線通信が接続された場合、ステップS704へ進み、接続されていない場合、ステップS701へ戻る。
【0045】
ステップS704において、近接無線通信を用いて接続した相手(例えば、カメラ2)から3D画像撮影モード移行要求を受信したかを判定する。受信したと判定した場合は、省電力状態を解除して、3D画像撮影モードの処理フロー(図8)へ進む。また、受信していないと判定した場合は、ステップS701へ戻る。
【0046】
次に、3D画像撮影モードの処理フロー(図8)について説明する。
【0047】
3D画像撮影モードではまず、S801において、左右視点決定部111は視点情報(左右のどちらを撮影するかを示す情報)を生成する。ここでは、近接無線アンテナ114を用いて相手(カメラ2)と接続している場合には右目視点であると判定する。また、近接無線アンテナ109を用いて相手(カメラ2)と接続している場合には左目視点であると判定する。
【0048】
次に、S802において、近接無線制御部108は、近接無線通信を用いて3D画像撮影に必要な3D撮影パラメータを接続相手(カメラ2)と交換する(共に送り合う)。ここで3D撮影パラメータとは、撮像の際のズーム、フォーカス、明るさ、感度、色調などの撮像設定値と、ファイル属性制御部105で使用されるファイル名称の生成ルールと、視点情報である。
【0049】
S803において、制御部112は、S802で交換した3D撮影パラメータを確認して、3D撮影可能かどうかを判定する。例えば、視点情報が同一である場合(即ち、共に右目視点あるいは左目視点である場合)や、撮像設定値が互いに設定不可能であったりする場合には、3D撮影不可能と判定する。なお、3D撮影可能と判定された場合は、いずれか一方のカメラが送信した3D撮影パラメータを用いて3D撮影を行うものとする。ここでは、3D画像撮影モード移行要求を送信したカメラが送信した3D撮影パラメータを用いて3D撮影を行うものとする。
【0050】
3D撮影可能と判定された場合はS804へ進み、不可能と判定された場合はS811へ進む。S804において、ユーザがユーザ操作部107の撮影ボタンを操作して撮影要求が発行されたかどうかを監視する。撮影要求がある場合はS805へ進み、近接無線制御部108は近接無線通信を用いてデジタルカメラ2へ撮影要求を送信する。一方、撮像要求が無い場合にはS806に進み、近接無線制御部108は近接無線通信を用いてデジタルカメラ2から撮影要求を受信したかを監視する。そして、撮像要求を受信した場合にはS807へ進み、撮像要求を受信していない場合にはS810へ進む。
【0051】
撮影要求が発行または受信した場合、3D撮影を行う。具体的には、3D撮影パラメータを撮像部101に設定し(S807)、撮像動作制御部103が撮像部101を制御して撮影処理を実行し、撮像部101は画像データを生成する(S808)。
【0052】
そして、ファイル属性制御部105が画像データに対して3D撮影パラメータや撮影日時やサイズ、ファイル名称の生成ルールに従った画像ファイル名称などのファイル属性を付加し、メモリ104に画像ファイルとして保存する(S809)。なお、保存した画像ファイルを更に通信相手装置(カメラ2)に送信するようにしてもよい。これにより、カメラ2において左右両方の視点から撮影した画像をファイルが揃うので、ユーザは3D画像を見ることができる。逆に、カメラ1がカメラ2から画像ファイルを受信するようにしてもよい。即ち、カメラ1とカメラ2とで取得した夫々の画像ファイルを共有することで、ユーザは、3D画像を見ることができる。更に、夫々の画像ファイルと、これらに付加された3D撮影パラメータに基づいて、3D画像用のファイルを新たに生成するようにしてもよい。これにより、3D画像としてファイルの受け渡しを簡単にできるようになる。
【0053】
上記のようにして画像ファイルを保存するとS810に進み、近接無線制御部108は、近接無線通信が切断されたか監視する。ここで、切断されたと判定された場合は、ステップS811へ進み、切断されていないと判定された場合は、ステップS804へ戻る。
【0054】
S811において、ディスプレイ106はユーザにカメラ1の状態を通知する。即ち、S803からS811へ進んできた場合は、ネゴシエーション失敗をユーザに通知する内容を表示し、S810から進んできた場合は、近接無線通信の切断をユーザに通知する内容を表示する。ここで、表示に合わせて適切なアラームを鳴らしても良いし、表示の代わりにアラームだけを鳴らすようにしても良い。そして、S811が完了すると、3D画像撮影モードから元のモードに移行する。
【0055】
以上のようにして、カメラ1とカメラ2を近づけることで、3D画像撮影を実施することができる。また、画像ファイルのファイル名称はカメラ1とカメラ2において共通のルールで生成されており対応付けができるため、2つの画像ファイルからユーザは3D画像を閲覧することができる。
【0056】
なお、上述の実施例において、3D撮影を行って取得した画像ファイルをカメラ1とカメラ2とで共有する際、カメラ1とカメラ2の夫々のメモリ残量、電池残量、および、3D画像表示できるか否かに基づいて、一方のみが画像ファイルを送信するようにしてもよい。例えば、メモリ残量が多い方に画像ファイルを送信する、電池残量が多い方に画像ファイルを送信する、3D画像表示できるカメラに画像ファイルを送信する。これにより、画像ファイルを送信し合う場合と比べ、通信負荷を減らすと共に、より余力のあるカメラで3D画像を見ることができる。
【0057】
また、上述の実施例において、視点情報は、いずれのアンテナを用いて通信しているかに基づいて決定した。しかしながら、近接無線アンテナ114を持たず、近接無線アンテナ109のみをアンテナとして有するカメラが2台ある場合も考えられる。このような場合には、図9に示すように一方のカメラの天地をひっくり返して近接無線アンテナを近づけることになる。なお、図9においては、カメラの天地をA面(撮影ボタンがついている面)とB面(撮影ボタンのついていない底面)として記載している。通常、撮影ボタンは右手で押すことから、このような場合には、天地がひっくり返っていない側が右目視点、ひっくり返っている側が左目視点とすることができる。なお、ひっくり返っているか否かは、姿勢検知部113により検知することができる。このようにして、アンテナを1つだけ有している場合であっても、視点情報を得ることができる。
【0058】
また、上述の実施例においては、近接無線による接続が行われている場合には3D撮影を行い、近接無線による接続が行われていない場合には2D撮影を行った。これは、静止画に限らず、動画の場合であっても同様にして実現することができる。この場合、近接無線が切断された場合に、当該動画の撮影を終了する。これにより、3D画像表示のできる動画と3D画像表示のできない動画とを1つのファイルとして生成してしまうことを防ぐことができる。なお、ユーザ設定に応じて、近接無線が切断された場合であっても、動画の撮影を終了しないようしてもよい。この場合は、近接無線が切断された時点を記録しておき、動画再生の際に、その時点までは3D画像表示を行い、当該時点以降は2D表示を行うようにすればよい。
【符号の説明】
【0059】
1 カメラ1
2 カメラ2
101 撮像部
102 撮像設定記憶部
103 撮像動作制御部
104 メモリ
105 ファイル属性制御部
106 ディスプレイ
107 ユーザ操作部
108 近接無線制御部
109 近接無線アンテナ
110 モード制御部
111 左右視点決定部
112 制御部
113 姿勢検知部
114 近接無線アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置であって、
他の撮像装置と無線接続する接続手段と、
3次元画像を撮像するための撮像パラメータの情報を前記他の撮像装置と共有する共有手段と、
前記接続手段により前記他の撮像装置と接続している際に、ユーザから撮像指示があった場合には、前記共有手段により共有した前記撮像パラメータを用いて、前記他の撮像装置と共に3次元画像を生成するための撮像を行い、
前記接続手段により前記他の撮像装置と接続していない際に、ユーザから撮像指示があった場合には、2次元画像を生成するための撮像を行う撮像手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮像手段により得られた画像データに、前記撮像パラメータの情報を付加して記憶する記憶手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
複数のアンテナと、
前記接続手段による接続が、前記複数のアンテナのうちのいずれのアンテナを用いて行われたかに基づいて、3次元画像を撮像する際に左目用画像の撮像を行うか右目用画像の撮像を行うかを判定する判定手段と、
を更に有することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像装置の姿勢を検知する検知手段と、
前記検知手段による検知結果に基づいて、3次元画像を撮像する際に左目用画像の撮像を行うか右目用画像の撮像を行うかを判定する判定手段と、
を更に有することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像手段により得られた画像データを、前記接続手段により接続している前記他の撮像装置に送信する送信手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記他の撮像装置が得た他の画像データを、前記接続手段により接続している前記他の撮像装置から受信する受信手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記撮像手段により得られた画像データと、前記受信手段により受信した前記他の画像データとに基づいて、3D画像データを生成する生成手段を更に有することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
撮像装置の制御方法であって、
他の撮像装置と無線接続する接続工程と、
3次元画像を撮像するための撮像パラメータの情報を前記他の撮像装置と共有する共有工程と、
前記他の撮像装置と無線接続している際に、ユーザから撮像指示があった場合には、前記共有工程において共有した前記撮像パラメータを用いて、前記他の撮像装置と共に3次元画像を生成するための撮像を行い、
前記他の撮像装置と無線接続していない際に、ユーザから撮像指示があった場合には、2次元画像を生成するための撮像を行う撮像工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置として動作させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−114154(P2013−114154A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261835(P2011−261835)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】