説明

撮像装置および撮像用機器

【課題】本発明は、シャッタや絞り、可変絞などの光量調整機構を備える撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置10は、反射光学系と撮像素子13とフレーム30と光量調整機構40とアクチュエータ50とを備える。反射光学系は、第1プリズム(光学素子)11と第2プリズム(光学素子)12とを自由曲面形状の反射面を有する光学素子として含む。光量調整機構40は、第1プリズム11と第2プリズム12との間に配置される。アクチュエータ50は、反射光学系に外接する直方体の仮想空間Yの内部に駆動軸線G1,G2が通るように、配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体の像から入射される光束を電気信号に変換して出力する撮像装置であって、特に光束の光量を調整する機能を有する撮像装置、およびこの撮像装置を内蔵するデジタルカメラやカメラ付携帯電話などの撮像用機器に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラやカメラ付携帯電話に使用される撮像装置として、共軸系の光学系を用いた撮像装置が多数出願されている。共軸系とは、撮像系の絞と撮像画面の中心とを結ぶ軸である光学系の光軸に対して、レンズなどの光学素子が回転対称に設けられた光学系である。
【0003】
最近のデジタルカメラやカメラ付携帯電話は、小型化、薄型化、高性能化が要求されてきている。共軸系の光学系を使用した撮像装置をこれらの機器に適用する場合、撮像装置の大きさをコンパクトにしようとすると、レンズの枚数を少なくする必要がある。しかし、レンズの枚数を少なくすると光学系で発生する歪曲収差を小さく抑えることが困難になり、画質が低下する。また、画質を良くしようとすると、レンズの枚数を多くする必要が生じ、この結果、撮像装置が大きくなってしまう。
【0004】
これら相反する問題を解決するための一つの手段として、偏心光学系を使用した撮像装置が、下記の特許文献1に記載されている。これらの撮像装置は、光学面として自由曲面を有するプリズムで構成される撮像光学系を適用している。
【0005】
特許文献1に記載の撮像装置は、第1プリズムと、開口絞と、第2プリズムと、撮像素子と、保持部材とを有している。第1プリズムは、入射面と回転非対称な反射面と射出面を有している。第2プリズムは、入射面と2つの反射面と射出面を有している。2つある反射面のうち少なくとも一方は、回転非対称な反射面で構成されている。この回転非対称な面は、1つの対称面のみを有している。
【0006】
第1プリズムの射出面は、有効径の外側領域に突起部が一体形成されている。第2プリズムの入射面は、有効径の外側領域に突起部が形成されている。保持部材は、プリズム保持部と撮像素子保持部とが一体形成されて構成されている。開口絞りは、プリズム保持部材に設けられている。撮像素子保持部には、撮像素子が固定されている。
【特許文献1】特開2005−62348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
デジタルカメラやカメラ付携帯電話など、電気的撮像装置が普及することにともない、より高画質での撮影が望まれ、物体像を画像データに変換する撮像素子であるCCDの画素数も増える傾向にある。画素数の多いCCDは、インターレース型が多い。インターレース型CCDにおいては、画像データを奇数フィールドと偶数フィールドの2回に分けてデータを読み出すものが主流である。
【0008】
2つのフィールドの画像データは、一度に読み出せない。そのため、遮光せずに画像データを読み出すと、例えば奇数フィールドの画像データを読み出している間も、偶数フィールドに光が入射し続ける。その結果、奇数フィールドと偶数フィールドとの露光時間が同一ではなくなる。したがって、画像データを読み出す間、CCDに光が入射しないように、遮光しておくシャッタを設ける必要がある。
【0009】
また、被写体の輝度の差は、広範囲にわたる。そのため、様々な条件の輝度において、シャッタの開放時間と撮像素子の持つダイナミックレンジのみで最適な露出時間に設定して撮影することが難しい。この問題を解決するためには、撮像素子へ投光される光量を変化させる絞りが必要である。
【0010】
そこで、本発明は、シャッタ、絞りや可変絞りなどの光量調整機構を備える撮像装置、およびこの撮像装置を内蔵する撮像用機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る一形態の撮像装置は、反射光学系と撮像素子とを備える。反射光学系は、物体からの光束が入射されて結像面に物体像を形成するための光学素子を少なくとも2つ含む。各光学素子は、自由曲面形状の反射面を有する。反射光学系は、物体から入射される光束の入射光軸と光学素子から結像面に向けて射出される光束の射出光軸とが互いにほぼ平行でかつ所定の間隔に設けられる。撮像素子は、結像面に配置されてこの結像面に形成された物体像を電気信号に変換する撮像素子とを備える。
【0012】
この撮像装置は、さらに光量調整機構とフレームとアクチュエータとを有する。光量調整機構は、少なくとも2つの光学素子の間に配置される。フレームは、光学素子と光量調整機構と撮像素子とをそれぞれ相対的に位置決め保持する。アクチュエータは、フレームに保持され、光量調整機構を作動させる。
【0013】
駆動力を発生させるアクチュエータの駆動軸線が、反射光学系に外接する直方体の仮想空間の内側を通る位置に、アクチュエータを配置する。仮想空間を成す直方体は、入射光軸と垂直に交わる入射側仮想平面および射出光軸と垂直に交わる射出側仮想平面を含む。
【0014】
この場合、駆動軸線は、入社側仮想平面および射出側仮想平面と平行で、光学素子の各光学面の光軸が倣う光軸面に対して、垂直にもしくは平行に配置する。
【0015】
光量調整機構は、光量調整部材と弾性部材とを有している。光量調整部材は、入射側の光学素子から射出される光束を遮る挿入位置、または、入射側の光学素子から射出される光束と干渉しない待避位置に保持される。弾性部材は、光量調整部材を挿入位置もしくは待避位置に向けて付勢する。
【0016】
また、光量調整機構は、シャッタ機構と絞機構とフィルタ機構のうち少なくともシャッタ機構を有する。シャッタ機構は、入射側の光学素子から射出された光束を遮断するシャッタ羽根を有し、シャッタ羽根をアクチュエータの駆動力を得て光束を横切る方向へ移動させる。絞機構は、入射側の光学素子から射出された光束の有効断面積を小さくする絞羽根を有し、この絞羽根をアクチュエータの駆動力を得て光束を横切る方向へ移動させる。フィルタ機構は、入射側の光学素子から射出された光束の光量を減少させるND(Natural Density)フィルタを有し、このNDフィルタをアクチュエータの駆動力を得て光束を横切る方向へ移動させる。
【0017】
また、光量調整機構がシャッタ機構と絞機構とを有する場合、アクチュエータは、シャッタ機構を駆動する第1アクチュエータと、絞機構を駆動する第2アクチュエータとを有し、これらを光軸面を中心に両側へ振り分けて配置する。
【0018】
フレームは、第1壁と第2壁とを有ている。第1壁は、光学素子と光量調整機構とを保持する。第2壁は、入射光軸側から射出光軸側まで射出側仮想平面に沿って延在し、射出光軸を横切る位置に撮像素子を保持する。そして、第1アクチュエータは、入射側仮想平面寄りの第1壁もしくは入射光軸側の第2壁に支持される。
【0019】
反射光学系は、第1のプリズムと第2のプリズムとを備える。第1プリズムは、物体からの光束が第1入射面に入射され、自由曲面形状の少なくとも1つの第1反射面で光束を反射した後、第1射出面から光束を射出する。第2のプリズムは、第1の射出面から射出された光束が第2入射面から入射され、自由曲面形状の少なくとも1つの第2反射面で光束を反射した後、第2射出面から光束を射出する。
【0020】
この場合、フレームの第1壁は、第1射出面と第2入射面との間に配置されて第1プリズム、第2プリズム、光量調整機構を保持する。フレームの第2壁は、第1プリズム側から第2プリズム側まで射出側仮想平面に沿って延在し、第2射出面側に撮像素子を保持する。アクチュエータは、第1反射面と第2壁との間に配置され、第2壁の第1反射面の端部に保持される。
【0021】
また、反射光学系の光軸面と垂直方向に、第1プリズムの幅をW1、第2プリズムの幅をW2とすると、W1とW2との寸法差によって生じる間隙に第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータの少なくとも一部を納めるように配置する。
【0022】
反射光学系と光量調整機構とアクチュエータとフレームとを内包するケースをさらに備えることも好ましい。この場合、アクチュエータの動作を制御する駆動回路基板は、反射光学系の反射面とケースとの間の空間に配置される。
【0023】
また、本発明に係る撮像用機器は、上記いずれかの撮像装置と、撮像装置の撮像素子から出力される電気信号に所定の電気的処理を施して画像データを得る画像処理手段と、適用された情報記録媒体に画像データを記録する記録手段と、アクチュエータに接続されて光量調整機構を駆動させる制御手段とを備える。
【0024】
なお、本発明において、「自由曲面形状」とは、光軸に沿う面に対して鏡像でかつ回転非対称に形成された曲面形状を意味する。また、「駆動軸線」とは、アクチュエータの駆動力が出力される軸線を意味し、出力が回転方向の場合は、回転中心軸であり、出力が直線方向である場合は、移動する作動子の中心軸である。
【発明の効果】
【0025】
本発明の撮像素子によれば、反射光学系と撮像素子とを備える。反射光学系は、少なくとも2つの光学素子を含み、物体からの光束が入射されて結像面に物体像を形成する。各光学素子は、自由曲面形状の反射面を有している。この反射光学系において、物体から入射される光束の入射光軸と、光学素子から結像面に向けて射出される光束の射出光軸とは、互いにほぼ平行でかつ所定の間隔に設けられる。撮像素子は、結像面に配置されてこの結像面に形成された物体像を電気信号に変換する。反射光学系から射出される光束の光量は、2つの光学素子の間に配置される光量調整機構によって調整される。光学素子、光量調整機構、撮像素子は、それぞれフレームで相対的に位置決め保持される。光量調整機構を作動させるアクチュエータは、フレームに保持される。そして、アクチュエータの駆動軸線が、反射光学系に外接する直方体の仮想空間の内側を通る位置に、アクチュエータを配置する。この場合の仮想空間を成す直方体は、入射側仮想平面および射出側仮想平面を含む。
【0026】
本発明に係る撮像装置は、光量調整機構を作動させるアクチュエータの駆動軸線が反射光学系に外接する直方体の仮想空間の内側にある。つまり、アクチュエータの約半分が反射光学系の周囲にできる空きスペースに納まることとなるので、撮像装置の全体の大きさを嵩だかくすることなく光量調整機構およびその駆動系を備えることができる。その結果、この撮像装置は、小型であることと、高品質の画像を取得することとの両方を満足させている。
【0027】
具体的には、第1プリズムと第2プリズムとを覆うケースを備える場合、ケース内にできる空きスペースに光量調整機構のアクチュエータやこの駆動回路基板を配置することで、機械式の光量調整機構を設けることにともなう外径寸法の増加を抑えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明に係る第1の実施形態の撮像装置10は、撮像用機器であるデジタルカメラ1に組み込んだ場合を例に、図1から図8を参照して説明する。図1に示すデジタルカメラ1は、ハウジング2の外部に面して、レリーズボタン3、主電源ボタン4、フラッシュ5、入射窓6、画像表示部7、記録媒体8のスロット9(図2参照)が設けられている。
【0029】
レリーズボタン3および主電源ボタン4は、操作部の一形態である。入射窓6は、撮像光学系を構成する光学素子の一つである。スロット9の形状は、適用されるカード状の記録媒体8の1つ、または、複数のタイプに対応させて作られる。スロット9の入口には、カバーが取り付けられる。ハウジング2は、撮像装置10、画像処理回路21を内蔵している。
【0030】
撮像装置10は、図2および図3に示すように、第1プリズム11と第2プリズム12と撮像素子13と基板14とフレーム30と光量調整機構40とアクチュエータ50と駆動回路基板22と伝達機構60とを備え、撮像光学系の主要部を構成する。また、撮像装置10は、ケース35を備え、フレーム30とともに第1プリズム11と第2プリズム12とを覆う箱形に形成されている。ケース35は、被写体からの光束を第1プリズム11に向けて通過させる窓35aを有している。この窓35aには、カバーガラス35bが嵌め込まれている。
【0031】
第1プリズム11は、第1入射面11aと、第1反射面11bと、第1射出面11cとを備える。第1反射面11bは、反射される光束の光軸λに沿う一つの対称面を有する回転非対称な自由曲面形状に形成されている。第2プリズム12は、第2入射面12aと、2つの第2反射面12b,12cと、第2射出面12dとを備える。第2反射面12b,12cは、反射される光束の光軸λに沿う1つの対称面を有する回転非対称な自由曲面形状に形成されている。
【0032】
第1プリズム11および第2プリズム12は、反射光学系を構成する光学素子の一つであり、少なくとも1つの光学面にそれぞれ自由曲面を有した偏心プリズムである。各プリズムの光学面である第1入射面11a、第1反射面11b、第1射出面11c、第2入射面12a、第2反射面12b,12c、第2射出面12dの光軸が倣う光軸面αは、各光学面の対称面に一致する。
【0033】
被写体となる物体から入射されて第1プリズム11と第2プリズム12を通過する光束の光軸λは、図2に示すように、第1入射面11aから入射し、第1反射面11bで反射された後、第1射出面11cから射出される。第1プリズム11から射出された光束は、第2入射面12aから入射し、2つの第2反射面12b,12cでそれぞれ反射された後、第2射出面12dから射出される。第2射出面12dから射出された光束は、結像面に物体像を形成する。
【0034】
撮像素子13は、基板14に実装されており、受光面13aが光学系の結像面に配置される。撮像素子13は、例えば、フォトダイオードなど光を電気信号に変換する半導体素子が受光面13aに多数並べられたCCD(Charge-Coupled Device)である。第2射出面12dと受光面13aとの間には、フィルタやカバーガラスを取り付けても良い。基板14には、撮像素子13と画像処理回路21との間の連係を取るインターフェイス回路が実装される。
【0035】
フレーム30は、図3に示すように第1壁31と第2壁32とを備える。第1壁31は、図3に示すように第1射出面11cと第2入射面12aとの間に配置され、図4に示すように第1プリズム11と第2プリズム12と光量調整機構40を保持する。第2壁32は、図1に示すように第2射出面12dから射出される光束の光軸(射出光軸)λを横切る方向に配置され、第2射出面12d側から第1壁31を越えて第1反射面11b側まで延びている。フレーム30は、第1壁31が第2壁32に対して突き当たるT字形に形成されている。
【0036】
第1壁31および第2壁32にはそれぞれ、光束を通過させる開口部31a,32aが設けられている。第1壁31の開口部31aの回りには、図5,図7および図8に示す光量調整機構40が組み込まれている。第2壁32は、第1プリズム11および第2プリズム12とは反対側から基板取付部32bが凹設されている。基板14は、撮像素子13の受光面13aが結像面に位置決されるように、バネ座金や間座15を適宜挟んで基板取付部32bに止めネジ16で固定される。
【0037】
光量調整機構40は、図5,図7および図8に示すように、シャッタ機構40aと絞機構40bとを含み、シャッタ羽根41とシャッタ操作レバー42と絞羽根43と絞操作レバー44と線細工バネ45とを有している。シャッタ機構40aは、シャッタ羽根41とシャッタ操作レバー42と線細工バネ45とで構成される。絞機構40bは、絞羽根43と絞操作レバー44と線細工バネ45とで構成される。
【0038】
シャッタ機構40aと絞機構40bとは、第1プリズム11と第2プリズム12とを通過する光束の光軸λが倣う光軸面αを挟んで両側に振り分けて配置され、光軸λに沿う方向に重なり合うずれを有して光軸面αを中心に対称に構成されている。本実施形態において、弾性部材として用いた線細工バネ45は、一続きに設けられているが、シャッタ機構40a用と絞機構40b用とで別々に設けても良い。
【0039】
シャッタ羽根41は、図5に示すように、第1壁31を通過する光束の光軸λに沿う方向に第1壁31に取り付けられた第1支持軸31bに装着されている。回動されるシャッタ羽根41の端部41aは、第1壁31の開口部31aを覆い隠す十分な大きさに形成されている。シャッタ羽根41は、光軸面α側の縁にリブ41cが形成されている。リブ41cは、線細工バネ45の端部と迫合う。シャッタ羽根41は、第1支持軸31bを中心に線細工バネ45によって第1壁31の開口部31aを通過する光束を横切る方向に沿って開口部31aから離れる方向へ付勢され、開位置P1に保持されている。
【0040】
シャッタ操作レバー42は、図5に示すように第1支持軸31bと平行に第1壁31に設けられた第2支持軸31cに装着されている。第1支持軸31bと第2支持軸31cとの間において、シャッタ操作レバー42は、シャッタ羽根41に設けられた長孔41bとピン46aで連結されている。図5に示す状態から、第1壁31の外周縁部から突出するシャッタ操作レバー42の操作部42aを時計回りに回動させると、シャッタ羽根41は、図7に示すように、第1壁31の開口部31aを塞ぐ閉位置P2へ移動する。
【0041】
絞羽根43は、図5に示すように光軸面αを挟んで第1支持軸31bと対称の位置に設けられる第3支持軸31dに装着されている。回動される絞羽根43の端部43aは、第1壁31の開口部31aを通過する光束の有効断面積を小さくする絞孔43bを有している。絞羽根43の光軸面α側の縁にリブ43dが形成されている。リブ43dは、図5,図6に示すように、線細工バネ45の端部と迫合う。絞羽根43は、第3支持軸31dを中心に線細工バネ45によって開口部31aを通過する光束を横切る方向に沿って第1壁31の開口部31aから離れる方向へ付勢され、待避位置P3に保持されている。
【0042】
絞操作レバー44は、光軸面αを挟んで第2支持軸31cと対称の位置に設けられる第4支持軸31eに装着されている。第3支持軸31dと第4支持軸31eとの間において、絞操作レバー44は、絞羽根43に設けられた長孔43cとピン46bで連結されている。図5に示す状態から、第1壁31の外周縁部から突出する絞操作レバー44の操作部44aを反時計回りに回動させると、絞羽根43は、図8に示すように、開口部31aに重なる挿入位置P4へ移動する。
【0043】
本実施形態において、線細工バネ45は、第1壁31に設けられた3つの凸部で構成される装着部31jに嵌め込まれ、シャッタ羽根41を開位置P1に、絞羽根43を待避位置P3に、それぞれ保持するように付勢している。シャッタ羽根41および絞羽根43の動作反応速度を向上させるために線細工バネ45は、シャッタ羽根41を閉位置P2に、絞羽根43を挿入位置P4に保持するように設けられていても良い。
【0044】
アクチュエータ50は、図4に示すように、第1反射面11bの背面側の空間となる第1プリズム11とフレーム30の第2壁32とケース35とで囲まれる領域に配置され、ブラケット53によって第2壁32の端部32cに保持されている。特に、アクチュエータ50は、図4に示すように反射光学系に外接する直方体の仮想空間Yの内側に駆動軸線G1,G2が位置するように、配置される。
【0045】
仮想空間Yを成す直方体は、第1入射面11aに入射される光束の光軸(入射光軸)λと垂直に交わる入射側仮想平面Y1、および、第2射出面12dから射出される光束の光軸(射出光軸)λと垂直に交わる射出側仮想平面Y2を含む。そして、駆動軸線G1,G2は、入射側仮想平面Y1と射出側仮想平面Y2との間に位置している。
【0046】
このアクチュエータ50は、シャッタ機構40aを駆動する第1アクチュエータ51と、絞機構40bを駆動する第2アクチュエータと52で構成され、それぞれ独立して作動する。第1アクチュエータ51および第2アクチュエータ52、光軸面αに沿ってブラケット53に設けられるサポートリブ53aを挟んで対称に取り付けられている。
【0047】
駆動回路基板22は、アクチュエータ50に接続されて光量調整機構40を駆動させる制御手段の一例である。駆動回路基板22は、第1反射面11bに面した第2壁32に載置され、ブラケット53で挟まれて固定される。このとき、第1アクチュエータ51および第2アクチュエータ52から延びる配線54は、駆動回路基板22とブラケット53との間に挟まれることで、図3に示す駆動回路基板22の端に設けられた端子22aと接続される。
【0048】
伝達機構60は、第1アクチュエータ51とシャッタ操作レバー42との間に第1伝達機構610、および第2アクチュエータ52と絞操作レバー44との間に第2伝達機構620としてそれぞれ1組ずつ設けられ、回動アーム611,621とリンクプレート612,622と駆動ロッド613,623とで構成されている。
【0049】
回動アーム611,621は、第1アクチュエータ51および第2アクチュエータ52の駆動軸に一つずつ固定されている。回動アーム611,621の先端は、第1アクチュエータ51および第2アクチュエータ52が待機状態Q1で第1壁31から遠のいた側に位置し、作動状態Q2で第1壁31に近い側に移動する。第2アクチュエータ52の場合を例にすると、図4において、実線で示す状態が待機状態Q1であり、二点鎖線で示す状態が作動状態Q2であり。
【0050】
シャッタ機構40a側のリンクプレート612は、図3に示す第5支持軸31fに装着されており、光軸面αと平行な面に沿って回動する。第5支持軸31fは、第1壁31の縁から第1プリズム11側に向かって延びる第1支持片31gに設けられている。絞機構40b用のリンクプレート622は、図3に示す第6支持軸31hに装着されており、光軸面αと平行な面に沿って回動する。第6支持軸31hは、第1壁31から第1プリズム11側に向かって延びる第2支持片31iに設けられている。
【0051】
リンクプレート612,622は、それぞれ回動中心となる第5支持軸31fおよび第6支持軸31hから第2プリズム12側に向かって延びたレバー係合端612a,622aと、回動中心から第2壁32側に向かって延びたロッド連結端612b,622bとを有している。シャッタ操作レバー42の操作部42aは、レバー係合端612aに設けられたスロット612cに挿入される。絞操作レバー44の操作部44aは、レバー係合端622aに設けられたスロット622cに挿入される。
【0052】
駆動ロッド613,623は、回動アーム611,621の先端とリンクプレート612,622のロッド連結端612b,622bとの間に取り付けられる。図3では、分解斜視図にするために中央付近で切離して描いているが、実際には一続きのものである。回動アーム611、リンクプレート612、回動ロッド613によって、伝達機構610が構成され、回動アーム621、リンクプレート622、駆動ロッド623によって、伝達機構620が構成される。第1アクチュエータ51の駆動力および第2アクチュエータ52の駆動力は、それぞれ伝達機構610,620を介してシャッタ機構40aおよび絞機構40bに伝達される。
【0053】
次に、デジタルカメラ1の動作について説明する。画像処理回路21は、図2に示すように、レリーズボタン3と、駆動回路基板22と、撮像素子13と、記録部23と、画像表示部7とに接続されている。画像処理回路21は、レリーズボタン3が操作された信号を検出すると、必要に応じた露光時間が経過した後、駆動回路基板22に信号を送信し、シャッタ羽根41を閉位置P2に移動させる。
【0054】
画像処理回路21は、画像処理処理手段の一例であって、撮像素子13で得られた電気信号をシャッタ羽根41が閉位置P2にある間に読み取り、この電気信号に所定の電気的処理を施すことによって画像データを得る機能を有する。画像処理回路21は、得られた画像データを記録部23に装着された記録媒体8に記録したり、記録部23に記録されている画像データを読み出して画像表示部7に写し出したりする。図2に示す記録部23は、記録手段の一形態であって、メモリーカードやメモリーディスク等、適用される記録媒体8に対応したものであれば良い。
【0055】
また、画像処理回路21は、レリーズボタン3が操作された時点で、デジタルカメラ1に別途設けられる輝度計で計測される被写体の輝度を基に、必要に応じて駆動回路基板22に信号を送信し、絞羽根43を挿入位置P4に駆動する。なお、撮像素子13に到達する光量を減少させる手段として、絞機構40bを設ける代わりに、ND(Natural Density)フィルタ機構を設けても良い。この場合、NDフィルタ機構は、光量調整部材となるNDフィルタを絞羽根43の代わりに配置した構成となる。
【0056】
以上のように、構成された撮像装置10は、シャッタ羽根や41絞羽根43を駆動するためのアクチュエータ50を、反射光学系に外接する直方体の仮想空間Yの内側に駆動軸線G1,G2が位置するように、配置している。特に、撮像装置10において、アクチュエータ50は、第1プリズム11の第1反射面11bとフレーム30の第2壁32とケース35とで囲まれる領域にできる空きスペースに配置されており、第1プリズム11および第2プリズム12を覆うケース35内に納まっている。
【0057】
つまり、撮像装置10は、外径寸法を変えることなく光量調整機構40を備えることができる。撮影条件によって被写体の輝度の差が大きく変化する環境で使用されるデジタルカメラに適用される場合でも、画素数の大きい撮像素子13を使用して高精細な画像を得ることのできる撮像装置10を提供することができる。
【0058】
なお、本実施形態において、伝達機構60(610,620)は、アクチュエータ50の駆動力を光量調整機構40に伝えることができればよいので、図2から図4に示した回動アーム611,621とリンクプレート612,622と駆動ロッド613,623との構成に限られるものではない。例えば、リンクプレート612,622と駆動ロッド613,623とが1つのカムパネルで構成されていても良い。
【0059】
この場合、カムパネルは、第5支持軸31fや第6支持軸31hに嵌合するカム溝と、シャッタ操作レバー42や絞操作レバー44の操作部42a,44aに嵌合するカムスロットと有し、回動アーム611,621と連結される。回動アーム611,621が待機状態Q1と作動状態Q2との間を二値的に揺動することによって、カムパネルは、シャッタ羽根41を開位置P1と閉位置P2とに、絞羽根43を待避位置P3と挿入位置P4とに、それぞれ移動させる。
【0060】
また、シャッタ羽根41を開位置P1と閉位置P2とに、絞羽根43を待機位置P3と挿入位置P4とにそれぞれ保持できるように、線細工バネ45の代わりにトグルバネを用いて、両方へそれぞれ付勢し、保持できるようにしても良い。
【0061】
本発明に係る第2の実施形態の撮像装置10aは、図9から図13を参照して説明する。なお、第1の実施形態に記載の撮像装置10の構成と同じ機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。特に、本実施形態は、アクチュエータ50および駆動回路基板22の配置が異なり、伝達機構を有していない。
【0062】
本実施形態において、アクチュエータ50は、第2壁32から離れた側の第1壁31の縁部に固定されている。アクチュエータ50は、シャッタ機構40aを駆動する第1アクチュエータ51aと、絞機構40bを駆動する第2アクチュエータ52aとを含む。第1アクチュエータ51aと第2アクチュエータ52aは、第1プリズム11と第2プリズム12とが並ぶ方向に沿って一部が重なり合うように配置されており、第1アクチュエータ51aが第2プリズム12寄りに配置されている。
【0063】
第1アクチュエータ51aおよび第2アクチュエータ52aは、コイル511a,521aと可動部材512a,522aとで構成されている。可動部材512a,522aは、磁化された強磁性体であり、コイル511a,521aにそれぞれ挿入されている。コイル511a,521aが通電されると、可動部材512a,522aは、第1壁31に沿ってコイル511a,521aの中に引き込まれる。コイル511a,521aから突出している可動部材512a,522aの端部は、図10および図11に示すように係合ピン513a,523aを有している。係合ピン513a,523aは、第1壁31の外周よりも突出したシャッタ操作レバー42の端部および絞操作レバー44の端部に形成された係合スロット42b,44bに各々挿入されている。
【0064】
シャッタ羽根41は、第1ネジリコイルバネ47aによって第1壁31の開口部31aから離れる方向へ付勢され、開位置P1に保持されている。絞羽根43は、第2ネジリコイルバネ47bによって、第1壁31の開口部31aから離れる方向へ付勢され、待避位置P3に保持されている。
【0065】
第1ネジリコイルバネ47aの捲回部は、シャッタ羽根41とシャッタ操作レバー42とを連結するピン46aに外挿され、端部は、各々第1支持軸31bと第2支持軸31cとに掛けられている。第2ネジリコイルバネ47bの捲回部は、絞羽根43と絞操作レバー44とを連結するピン46bに外挿され、端部は、各々第3支持軸31dと第4支持軸31eとに掛けられている。
【0066】
第1アクチュエータ51aのコイル511aが画像処理回路21によって通電されると、図12に示すように可動部材512aがコイル511aに引き込まれ、シャッタ羽根41が閉位置P2に移動する。第2アクチュエータ52aのコイル521aが画像処理回路21によって通電されると、図13に示すように可動部材522aがコイル521aに引き込まれ、絞羽根43が挿入位置P4に移動する。それぞれコイル511a,521aへの通電が停止されると、シャッタ羽根41は開位置P1へ、絞羽根43は待避位置P3へ戻る。
【0067】
第1アクチュエータ51aおよび第2アクチュエータ52aを作動させる駆動回路基板22は、第1壁31に対して第2プリズムを隔てて反対側にある第2反射面12bとケース35との間に残る空間、および、第2壁32に対して第2プリズム12を隔てて反対側にある第2反射面12cとケース35との間に残る空間に配置されている。コイル511a,521aは、駆動回路基板22にそれぞれ接続されている。駆動回路基板22と画像処理回路21との間の接続は、フレキシブル配線22bによってケース35と第2壁32との隙間から撮像装置10aの外へと導出される。また、2つの駆動回路基板22は、フレキシブル配線22cによって互に接続されている。
【0068】
第2の実施形態の撮像装置10aにおいて、第1アクチュエータ51aおよび第2アクチュエータ52aは、シャッタ羽根41および絞羽根43が移動する平面と平行な面に沿って駆動力が伝達されるので、駆動力の伝達効率が良い。
【0069】
本発明に係る第3の実施形態の撮像装置10bは、図14から図19を参照して説明する。なお、第1の実施形態に記載の撮像装置10aおよび第2の実施形態に記載の撮像装置10bの構成と同じ機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。特に、本実施形態の撮像装置10bは、アクチュエータ50がシャッタ機構40aのシャッタ操作レバー42および絞機構40bの絞操作レバー44を直接駆動する構成であるため、第1の実施形態のような伝達機構を有していない。
【0070】
本実施形態における第1アクチュエータ51bおよび第2アクチュエータ52bは、いずれもロータリー式ソレノイドであり、第1壁31に沿って外周縁から延びる第1マウント311と第2マウント312にそれぞれ固定される。第1アクチュエータ51bおよび第2アクチュエータ52bは、それぞれ図14に示すコイル511b,521bと図17に示す回転子512b,522bとを有している。回転子512a,522bは、シャッタ操作レバー42の操作部42aまたは絞操作レバー44の操作部44aと係合する係合ピン513b,523bを有している。
【0071】
シャッタ羽根41と絞羽根43は、図17に示すように一続きに形成された線細工バネ48によって一方向に付勢されている。線細工バネ48は、第1支持軸31bと第3支持軸31dに外挿する捲回部を有している。線細工バネ48のシャッタ羽根41側の端部48aは、第1壁31の開口部31aから遠い側のシャッタ羽根41の縁に掛けられており、シャッタ羽根41を閉位置P2に向けて付勢する。線細工バネ48の絞羽根43側の端部48bは、第1壁31の開口部31aから遠い側の絞羽根43の縁に掛けられており、絞羽根43を挿入位置P4に向けて付勢する。
【0072】
第1アクチュエータ51bおよび第2アクチュエータ52bの駆動回路基板22は、図14に示すように撮像素子13が実装されている基板14と一体に設けられており、第1プリズム11側の第2壁32に設けられた挿通孔32dを通されたフレキシブル配線22bによって第1アクチュエータ51bおよび第2アクチュエータ52bと接続されている。図14に示す状態でフレキシブル配線22bは、駆動回路基板22に設けられた接続端子に挿し込まれ、フレーム30に設けられた基板取付部32bに基板14を装着することで、図15に示すように折曲げられた状態となる。
【0073】
また、本実施形態の撮像装置10bは、画素数の多い撮像素子13を適用するために、第1入射面11aに入射される光束の有効断面積よりも第2射出面12dから射出される光束の有効断面積のほうが大きくなるように、第1プリズム11よりも第2プリズム12の方が大きい。つまり光軸面αに対して垂直な方向において、図16に示すように、第1プリズム11の幅W1よりも第2プリズム12の幅W2の方が大きい。
【0074】
第1プリズム11と第2プリズム12とを直方体のケース35で覆うと、ケース35の内部に寸法差にともなう空きスペースが第1プリズム11の側にできる。そこで、本実施形態の撮像装置10bは、第1アクチュエータ51bおよび第2アクチュエータ52bを少なくとも一部がこの空きスペースに納まるように配置し、さらに、図14に示すように第1アクチュエータ51bおよび第2アクチュエータ52bが張り出す位置に対応するケース35の一部を切欠くことで、外形寸法が大きくなることを抑制している。
【0075】
さらに、画像のアスペクト比16:9の撮像装置において、第1プリズム11の幅W1は、第2プリズム12の幅W2よりも大きくなる。この場合、第1プリズム11と第2プリズム22との寸法の関係は、第3の実施形態の撮像装置10bと逆の構成になる。すなわち、第1入射面11aに入射される光束の有効断面積が第2射出面12dから射出される光束の有効断面積より大きくなるように、第2プリズム12よりも第1プリズム11の方が大きい。つまり、寸法差の関係は、図16に示す形態と逆になり、光軸面αに対して垂直な方向において、第1プリズム11の幅W1が第2プリズムの幅W2よりも大きい。
【0076】
これらの第1プリズム11と第2プリズム12とを直方体のケース35で覆うと、ケース35の内部に寸法差にともなう空きスペースが、第2プリズム12の側にできる。このように、本実施形態の撮像装置10bの光学系に対して、第1プリズム11の幅W1と第2プリズムの幅W2との寸法関係が逆の形態では、第2プリズム12の側にできる空きスペースに第1アクチュエータ51bおよび第2アクチュエータ52bの一部が納まるように配置する。そして、図14に示すように第1アクチュエータ51bおよび第2アクチュエータ52bが張り出す位置に対応するケース35の一部を切欠くことで、外形寸法が大きくなることを抑制している。
【0077】
この撮像装置10bにおいて、第1アクチュエータ51bおよび第2アクチュエータ52bは、ロータリー式であり、シャッタ操作レバー42の操作部42aおよび絞操作レバー44の操作部44aが係合ピン513b,523bの回転半径の外側からこの係合ピン513b、523bに当接する場合、回転子512b,522bの中心軸線と係合ピン513b,523bとを結ぶ線分βがシャッタ操作レバー42の操作部42aまたは絞操作レバー44の操作部44aに対して垂直になる位置で停止する状態になるように設けられている。図17に示す状態において、回転子512b,522bは、線細工バネ48の付勢力に対して中立の位置にあり、コイル511b,521bに通電することなく保持される。なお、線分βが操作部42a,44aに対して直角よりもやや傾いた状態となるように、回転子512b,522bの回動範囲の一方の回動端を設定し、シャッタ羽根41を開位置P1に、絞羽根43を待避位置P3に保持しても良い。
【0078】
第1アクチュエータ51bおよび第2アクチュエータ52bは、画像処理回路21などの制御部から信号が駆動回路基板22に出力されると、駆動回路基板22からその都度所望する方向へ電流が流されることによって、約半回転ずつ回転子512b,522bを回動させる。これにより、シャッタ羽根41は、図17に示す開位置P1と図18に示す閉位置P2とを二値的に移動し、絞羽根43は、図17に示す待避位置P3と図19に示す挿入位置P4とを二値的に移動する。
【0079】
本実施形態のアクチュエータ50は、シャッタ羽根41および絞羽根43を移動させるときのみコイル511b,521bに電力を供給すればよいので、消費電力を少なく抑えることができる。また、線細工バネ48は、シャッタ羽根41を閉位置P2に、絞羽根43を挿入位置P4に向けて付勢する。したがって、露光時間が経過したのち素早くシャッタ羽根41を閉める場合や撮像条件に応じて素早く絞羽根43を挿入する場合の応答性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の撮像装置を内蔵するデジタルカメラを示す斜視図。
【図2】図1に示したデジタルカメラの主要な構成によるブロック図。
【図3】図2に示した撮像装置の分解斜視図。
【図4】図3に示した撮像装置のケースとフレームの一部を切欠いて示す断面図。
【図5】図4中のF5−F5線に沿って示す光量調整機構の正面図。
【図6】図5中のF6−F6線に沿って示す光量調整機構の断面図。
【図7】図5に示した状態からシャッタ羽根が閉位置に移動した状態の正面図。
【図8】図5に示した状態から絞羽根が挿入位置に移動した状態の正面図。
【図9】本発明に係る第2の実施形態の撮像装置の分解斜視図。
【図10】図9に示した撮像装置のケースとフレームの一部を切欠いた断面図。
【図11】図10中のF11−F11線に沿って示す光量調整機構およびアクチュエータの正面図。
【図12】図11に示した状態からシャッタ羽根が閉位置に移動した状態の正面図。
【図13】図11に示した状態から絞羽根が挿入位置に移動した状態の正面図。
【図14】本発明に係る第3の実施形態の撮像装置の分解斜視図。
【図15】図14に示した撮像装置のケースとフレームの一部を切り欠いた断面図。
【図16】図14に示した第1プリズムと第2プリズムの斜視図。
【図17】図15中にF17−F17線に沿って示した光量調整機構の正面図。
【図18】図17に示した状態からシャッタ羽根が閉位置に移動した状態の正面図。
【図19】図17に示した状態から絞羽根が挿入位置に移動した状態の正面図。
【符号の説明】
【0081】
1…デジタルカメラ(撮像用機器)、8…記録媒体、10,10a,10b…撮像装置、11…第1プリズム、11a…第1入射面、11b…第1反射面、11c…第1射出面、12…第2プリズム、12a…第2入射面、12b,12c…第2反射面、12d…第2射出面、13…撮像素子、13a…受光面、21…画像処理回路(画像処理手段)、22…駆動回路基板(制御手段)、23…記録部(記録手段)、30…フレーム、31…第1壁、32…第2壁、35…ケース、40…光量調整機構、41…シャッタ羽根、43…絞羽根、50…アクチュエータ、51,51a,51b…第1アクチュエータ、52,52a,52b…第2アクチュエータ、60,610,620…伝達機構、α…光軸面、λ…光軸、G1,G2…駆動軸線、Y…仮想空間、Y1…入射側仮想平面、Y2…射出側仮想平面、。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自由曲面形状の反射面を有し物体からの光束が入射されて結像面に物体像を形成するための光学素子を少なくとも2つ含み、物体から入射される光束の入射光軸と前記光学素子から前記結像面に向けて射出される光束の射出光軸とが互いにほぼ平行でかつ所定の間隔に設けられる反射光学系と、前記結像面に配置されてこの結像面に形成された物体像を電気信号に変換する撮像素子と、を備える撮像装置において、
前記光学素子のうちの2つの間に設けられる光量調整機構と、
少なくとも2つの前記光学素子、前記光量調整機構、前記撮像素子をそれぞれ相対的に位置決め保持するフレームと、
前記フレームに保持されて前記光量調整機構を作動させるアクチュエータと
を有し、
駆動力を発生させる前記アクチュエータの駆動軸線が、前記反射光学系に外接し前記入射光軸と垂直に交わる入射側仮想平面および前記射出光軸と垂直に交わる射出側仮想平面を含む直方体の仮想空間の内側を通る位置に、前記アクチュエータを配置する
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記駆動軸線は、前記入射側仮想平面および前記射出側仮想平面に平行で、前記光学素子の各光学面の光軸が倣う光軸面に垂直に配置されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記駆動軸線は、前記入射側仮想平面および前記射出側仮想平面に平行で、前記光学素子の各光学面の光軸が倣う光軸面に平行に配置されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記光量調整機構は、
一方の光学素子から射出される光束を遮る挿入位置、または、一方の光学素子から射出される光束と干渉しない待避位置に保持される光量調整部材と、
前記光量調整部材を前記挿入位置もしくは前記待避位置に付勢する弾性部材と
を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記光量調整機構は、
前記光学素子から射出された光束を遮断するシャッタ羽根を前記アクチュエータの駆動力を得て前記光束を横切る方向へ移動させるシャッタ機構と、
前記光学素子から射出された光束の有効断面積を小さくする絞羽根を前記アクチュエータの駆動力を得て前記光束を横切る方向へ移動させる絞機構と、
前記光学素子から射出された光束の光量を減少させるNDフィルタを前記アクチュエータの駆動力を得て前記光束を横切る方向へ移動させるフィルタ機構と
の少なくとも前記シャッタ機構を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記光量調整機構は、
前記光学素子から射出された光束を横切る方向へ移動し前記光束を遮断するシャッタ羽根を備えるシャッタ機構と、
前記光学素子から射出された光束を横切る方向へ移動し前記光束の有効断面積を小さくする絞羽根を備える絞機構とを有し、
前記アクチュエータは、
前記シャッタ機構を駆動する第1アクチュエータと、
前記絞機構を駆動する第2アクチュエータとを、
前記光軸面を中心に両側へ振り分けて配置することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記フレームは、前記光学素子と前記光量調整機構とを保持する第1壁と、前記入射光軸側から前記射出光軸側まで前記射出側仮想平面に沿って延在して前記射出光軸を横切る位置に前記撮像素子を保持する第2壁とを有し、
前記第1アクチュエータと前記第2アクチュエータとは、前記入射側仮想平面寄りの前記第1壁に支持されることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記フレームは、前記光学素子と前記光量調整機構とを保持する第1壁と、前記入射光軸側から前記射出光軸側まで前記射出側仮想平面に沿って延在して前記射出光軸を横切る位置に前記撮像素子を保持する第2壁とを有し、
前記第1アクチュエータと前記第2アクチュエータとは、前記入射光軸側の前記第2壁に支持されることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記反射光学系は、
光束が第1入射面から入射されて前記自由曲面形状の少なくとも1つの第1反射面で前記光束を反射した後第1射出面から前記光束を射出する第1のプリズムと、
前記第1射出面から射出された光束が第2入射面から入射されて前記自由曲面形状の少なくとも1つの第2反射面で前記光束を反射した後第2射出面から射出する第2のプリズムとを備え、
前記フレームは、
前記第1射出面と前記第2入射面との間に配置されて前記第1プリズム、前記第2プリズム、前記光量調整機構を保持する第1壁と、
前記第1のプリズム側から前記第2のプリズム側まで前記射出側仮想平面に沿って延在して前記撮像素子を前記第2射出面側に保持する第2壁とを有し、
前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータは、前記第1反射面と前記第2壁との間に配置され、前記第2壁の前記第1反射面側の端部に保持される
ことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記反射光学系は、
光束が第1入射面から入射されて前記自由曲面形状の少なくとも1つの第1反射面で前記光束を反射した後第1射出面から前記光束を射出する第1のプリズムと、
前記第1射出面から射出された光束が第2入射面から入射されて前記自由曲面形状の少なくとも1つの第2反射面で前記光束を反射した後第2射出面から射出する第2のプリズムとを備え、
前記光軸面と垂直方向に、前記第1プリズムの幅をW1、第2プリズムの幅をW2とする場合、前記W1とW2との寸法差によって生じる間隙に前記第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータの少なくとも一部を納めることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記反射光学系、前記光量調整機構、前記アクチュエータ、前記フレームを内包するケースをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記アクチュエータの動作を制御する駆動回路基板は、前記反射光学系の前記反射面と前記ケースとの間の空間に配置されることを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
【請求項13】
物体からの光束が第1入射面から入射されて自由曲面形状の少なくとも1つの第1反射面で前記光束を反射させた後で第1射出面から前記光束を射出する第1プリズムと、
前記第1射出面から射出された前記光束が第2入射面から入射されて自由曲面形状の少なくとも1つの第2反射面で前記光束を反射した後で第2射出面から前記光束を射出する第2プリズムと、
前記第1プリズムおよび前記第2プリズムを含む反射光学系の結像面に配置されて前記反射光学系によって形成される物体像を電気信号に変換する撮像素子と、
前記第1射出面と前記第2入射面との間に配置される光量調整機構と、
前記第1射出面と前記第2入射面との間に設けられて前記第1プリズムと第2プリズムと光量調整機構を保持する第1壁、および、前記第2射出面に面して設けられて前記撮像素子を保持する第2壁を有するフレームと、
前記第1反射面の背面側の空間に配置されて前記第2壁の端部に支持されるアクチュエータと、
前記アクチュエータの駆動力を前記光量調整機構へ伝達する伝達機構と、
前記第1プリズムと前記第2プリズムと前記光量調整機構と前記アクチュエータと前記フレームとを内包するケースと、
前記撮像素子から出力される電気信号に所定の電気的処理を施して画像データを得る画像処理手段と、
適用された情報記録媒体に前記画像データを記録する記録手段と、
前記アクチュエータに接続されて前記光量調整機構を駆動させる制御手段と
を備え、
前記アクチュエータの駆動力が出力される駆動軸線は、前記反射光学系に外接し前記入射光軸と垂直に交わる入射側仮想平面および前記射出光軸と垂直に交わる射出側仮想平面とを含む直方体の仮想空間の内側を通る
ことを特徴とする撮像用機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−25259(P2007−25259A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−207231(P2005−207231)
【出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】