説明

撮像装置および遮光部材

【課題】ファインダの視度調整に関する不用意な操作を防止できる撮像装置の技術を提供する。
【解決手段】撮像装置10は、その背面に設けられた光学ファインダ316と、光学ファインダ316の視度調整を行うための視度調整ダイアル322と、光学ファインダ316の周囲から一定の高さをもって突出するアイカップ321とを備えている。ここで、視度調整ダイアル322は、撮像装置10の背面の外縁Bdからはみ出さないように配置されるとともに、アイカップ321には、視度調整ダイアル322上において凹部が形成されており、当該凹部の開口端面より内側に視度調整ダイアル322が略収容されている。このような構成により、視度調整ダイアル322にユーザの指が誤って触れることが抑えられ、不用意な操作を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファインダの視度調整を行うための操作部材を備えた撮像装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一眼レフカメラ(撮像装置)においては、被写体に関する撮影範囲を光学的に表示する光学ファインダが設けられている(特許文献1参照)。
【0003】
この光学ファインダについては、図15(光学ファインダ付近の拡大図)に示すように光学ファインダ91の視度調整を行うための視度調整ダイアル92を備えたものがある。
【0004】
【特許文献1】特開2005−221602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の視度調整ダイアルにおいては、ユーザが指を掛けてダイアル操作を行えるようにカメラの外形面から突出している部分があるため、この突出部分92t(図15)にユーザの指が誤って触れてしまうと予期せぬ不用意な操作となり、せっかく設定していた視度状態も崩れてしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ファインダの視度調整に関する不用意な操作を防止できる撮像装置の技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の側面は、撮像装置であって、(a)前記撮像装置の所定面に設けられた接眼タイプのファインダと、(b)前記ファインダの視度調整を行うための操作部材と、(c)前記ファインダの周囲における前記所定面から一定の高さをもって突出し、前記ファインダへの外光の侵入を抑制する遮光部材とを備え、前記操作部材は、前記所定面において外縁からはみ出さないように配置されるとともに、前記遮光部材には、前記操作部材上において凹部が形成されており、当該凹部の開口端面より内側に前記操作部材が略収容されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の第2の側面は、接眼タイプのファインダの周囲における撮像装置の所定面から一定の高さをもって突出し、前記ファインダへの外光の侵入を抑制する遮光部材であって、所定の凹部が設けられており、前記撮像装置には、前記ファインダの視度調整を行うための操作部材が前記所定面の外縁からはみ出さないように配置されるとともに、前記所定の凹部は前記操作部材上に形成されており、前記所定の凹部の開口端面より内側に前記操作部材が略収容されていることを特徴とする。
【0009】
なお、上記「所定面」とは、撮像装置において固定されている面(例えば背面や上面)に限らず、EVFなどのファインダにおいて所定の回動軸を中心に表示面(やファインダの設置面)の角度が変化する場合にはファインダの設置面を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、撮像装置の所定面に設けられた接眼タイプのファインダの視度調整を行うための操作部材は、上記所定面の外縁からはみ出さないように配置されるとともに、ファインダの周囲から一定の高さをもって突出しファインダへの外光の侵入を抑制する遮光部材には、操作部材上において凹部が形成されており、当該凹部の開口端面より内側に操作部材が略収容されている。その結果、ファインダの視度調整に関する不用意な操作を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
<実施形態>
<撮像装置の外観構成>
図1〜図6は、本発明の実施形態に係る撮像装置10の外観構成を示す図である。ここで、図1〜図6は、それぞれ正面図、背面図、上面図、底面図、左側面図および右側面図を示している。また、撮像装置10は、交換レンズ(撮影レンズ)2の着脱が可能となっているが、図7は、撮像装置10に交換レンズ2が装着されたカメラシステム(撮像システム)1の斜視図を示している。このカメラシステム1は、例えば一眼レフレックス型デジタルスチルカメラとして機能する。
【0012】
図1において、撮像装置10の正面側には、正面略中央に交換レンズ2が装着されるマウント部301と、マウント部301の右横に配置されたレンズ交換ボタン302と、正面左端部(X方向左側)において突設され、ユーザが片手(又は両手)により確実に把持(保持)可能とするためのグリップ部303と、正面左上部(Y方向左上側)に配置されたモード設定ダイアル305と、正面右上部に配置された制御値設定ダイアル306と、グリップ部303の上面に配置されたシャッターボタン307とが設けられている。
【0013】
また、図2において、撮像装置10の背面側には、LCD(Liquid Crystal Display)311と、LCD311の左方に配置された設定ボタン群312と、LCD311の右方に配置された十字キー314と、十字キー314の中央に配置されたプッシュボタン315と、十字キー314の右下に配置された手振れ補正スイッチ313とが備えられている。また、撮像装置10の背面側には、LCD311の上方に配設された光学ファインダ316と、光学ファインダ316の周囲を囲むアイカップ321と、アイカップ321の陰に隠れている視度調整ダイアル322と、光学ファインダ316の左方に配設されたメインスイッチ317と、光学ファインダ316の右方に配設された露出補正ボタ323およびAEロックボタン324と、光学ファインダ316の上方に配設されたフラッシュ部318と、フラッシュ部318を収納する収納部320(図8)と、接続端子部319とが備えられている。
【0014】
マウント部301は、交換レンズ2を装着するための部位であり、装着された交換レンズ2との電気的接続を行うための複数個の電気的接点や、機械的接続を行うためのカプラ等が設けられている。
【0015】
レンズ交換ボタン302は、マウント部301に装着された交換レンズ2を取り外す際に押下されるボタンである。
【0016】
グリップ部303は、ユーザが撮影時に当該撮像装置10を把持する部分であり、フィッティング性を高めるために指形状に合わせた表面凹凸が設けられている。なお、グリップ部303の内部には電池収納室69A(図4)とカード収納室67A(図6)とが設けられている。電池収納室69Aにはカメラの電源として電池が収納されており、カード収納室67Aには撮影画像の画像データを記録するための記録媒体(例えばメモリカード)が着脱可能に収納されるようになっている。なお、グリップ部303には、該グリップ部303をユーザが把持したか否かを検出するためのグリップセンサを設けるようにしても良い。
【0017】
モード設定ダイアル305及び制御値設定ダイアル306は、撮像装置10の上面と略平行な面内で回転可能な略円盤状の部材からなる。モード設定ダイアル305は、自動露出(AE)制御モードや自動焦点(AF;オートフォーカス)制御モード、或いは1枚の静止画を撮影する静止画撮影モードや連続撮影を行う連続撮影モード等の各種撮影モード、記録済みの画像を再生する再生モード等、撮像装置10に搭載されたモードや機能を択一的に選択するためのものである。制御値設定ダイアル306は、撮像装置10に搭載された各種の機能に対する制御値を設定するためのものである。
【0018】
シャッターボタン307は、途中まで押し込んだ「半押し状態」の操作と、さらに押し込んだ「全押し状態」の操作とが可能とされた押下スイッチである。静止画撮影モードにおいてシャッターボタン307が半押し(S1)されると、被写体の静止画を撮影するための準備動作(露出制御値の設定や焦点調節等の準備動作)が実行され、シャッターボタン307が全押し(S2)されると、撮影動作(撮像センサを露光し、その露光によって得られた画像信号に所定の画像処理を施してメモリカード等に記録する一連の動作)が実行される。
【0019】
LCD311は、カラー液晶パネルを備えてなり、撮像素子101(図10等参照)により撮像された画像の表示や記録済みの画像の再生表示等を行うとともに、撮像装置10に搭載される機能やモードの設定画面を表示するものである。なお、LCD311に代えて、有機ELやプラズマ表示装置を用いるようにしても良い。
【0020】
設定ボタン群312は、撮像装置10に搭載された各種の機能に対する操作を行うボタンである。この設定ボタン群312には、例えばLCD311に表示されるメニュー画面で選択された内容を確定するための選択確定スイッチ、選択取り消しスイッチ、メニュー画面の内容を切り替えるメニュー表示スイッチ、表示オン/オフスイッチ、表示拡大スイッチなどが含まれる。
【0021】
手振れ補正スイッチ313は、後述の振れ補正ユニット200による振れ補正動作を実行させるための操作信号を与えるためのボタンである。この手振れ補正スイッチ313は、手持ち撮影、望遠撮影、暗部での撮影、或いは長時間露光が必要な撮影時等、手振れ等の「振れ」の影響が撮影画像に表出する恐れがある場合にユーザにより押下され、当該撮像装置10の振れ補正動作が行える状態に設定するものである。
【0022】
十字キー314は、円周方向に一定間隔で配置された複数の押圧部(図中の三角印の部分)を備える環状の部材を有し、各押圧部に対応して備えられた図示省略の接点(スイッチ)により押圧部の押圧操作が検出されるように構成されている。また、プッシュボタン315は、十字キー314の中央に配置されている。十字キー314及びプッシュボタン315は、撮影倍率の変更(ズームレンズのワイド方向やテレ方向への移動)、LCD311に再生する記録画像のコマ送り、及び撮影条件(絞り値、シャッタスピード、フラッシュ発光の有無等)の設定等の指示を入力するためのものである。
【0023】
光学ファインダ316は、撮像装置10の背面に設けられた接眼タイプのファインダとして構成されており、被写体が撮影される範囲を光学的に表示するものである。すなわち、光学ファインダ316には、交換レンズ2からの被写体像が導かれており、ユーザは、この光学ファインダ316を覗くことにより、実際に撮像素子101にて撮影される被写体を視認することができる。
【0024】
メインスイッチ317は、左右にスライドする2接点のスライドスイッチからなり、左にセットすると撮像装置10の電源がオンされ、右にセットすると電源がオフされる。
【0025】
フラッシュ部318は、ポップアップ式の内蔵フラッシュとして構成されており、回転軸Co(図7、図8)を中心に回動することにより、図7に示す伏臥状態Qaと図8に示す起立状態Qbとの切替えが可能となっている。
【0026】
収納部320は、図8に示すようにフラッシュ部318の下部で突出する突出部318pを格納するための凹部320pを有している。よって、図7に示す伏臥状態Qaにおいては、フラッシュ部318の下部を収納部320の凹部320pに収納することにより、フラッシュ部318が撮像装置10の外形と一体的となる。
【0027】
一方、外部フラッシュ等を撮像装置10に取り付ける場合には、接続端子部319を使用して接続される。なお、図3や図7等では、接続端子部319に端子キャップが装着された状態を図示している。
【0028】
アイカップ321は、遮光性を有する略「コ」字状の遮光部材であり、その交換が容易に行えるように撮像装置10の背面に対して着脱自在な構成となっている。また、アイカップ321は、図5〜6のように光学ファインダ316の周囲における撮像装置10の背面から一定の高さをもって突出し、光学ファインダ316への外光の侵入を抑制する役目を果たす。
【0029】
視度調整ダイアル322は、円板状の外形を有し、光学ファインダ316の視度調整を行うための操作部材である。
【0030】
露出補正ボタン323は、露出値(絞り値やシャッタースピード)を手動で調整するためのボタンであり、AEロックボタン324は、露出を固定するためのボタンである。
【0031】
この撮像装置10には、図1に点線で示すように、撮像装置10の適所に振れ検出センサ171が搭載されている。この振れ検出センサ171は、手振れなどにより撮像装置10(カメラボディ)に与えられる振れを検出するもので、図1の水平方向をX軸(ピッチ方向)、該X軸に垂直な方向をY軸(ヨー方向)とする2次元座標系を想定するものとすると、ピッチ方向のカメラ振れを検出するピッチ方向センサ171aと、ヨー方向のカメラ振れを検出するヨー方向センサ171bとを有している。ピッチ方向センサ171a及びヨー方向センサ171bは、例えば圧電素子を用いたジャイロ(角速度センサ)から構成され、各方向の振れの角速度を検出する。
【0032】
交換レンズ2(図7)は、被写体からの光(光像)を取り込むレンズ窓として機能するとともに、当該被写体光を撮像装置10の内部に配置されている後述の撮像素子101や光学ファインダ316へ導くための撮影光学系と構成するものである。この交換レンズ2は、上述のレンズ交換ボタン302を押下操作することで、撮像装置10から取り外すことが可能とされている。
【0033】
交換レンズ2は、光軸Lに沿って直列的に配置された複数のレンズからなるレンズ群21を備えてなる(図9参照)。このレンズ群21には、焦点の調節を行うためのフォーカスレンズ211(図10参照)、変倍を行うためのズームレンズ212(図10参照)が含まれており、それぞれ光軸L方向に駆動されることで、変倍や焦点調節が行われる。また、交換レンズ2には、その鏡胴22(図9参照)の外周適所に該鏡胴の外周面に沿って回転可能な操作環が備えられており、上記ズームレンズ212は、マニュアル操作或いはオート操作により、上記操作環の回転方向及び回転量に応じて光軸方向に移動し、その移動先の位置に応じたズーム倍率(撮影倍率)に設定されるようになっている。
【0034】
また、図4において、撮像装置10の底面側には、撮像装置10を固定支持するための三脚を取り付ける三脚取付部185が備えられている。
【0035】
<カメラシステム1の内部構成>
次に、カメラシステム1の内部構成について説明する。図9は、カメラシステム1の縦断面図である。図9に示すように、撮像装置10の内部には、撮像素子101、ファインダ部102(ファインダ光学系)、ミラー部103、焦点検出部107、上述した振れ検出センサ171、振れ補正ユニット200及びシャッタユニット40などが備えられている。
【0036】
撮像素子101は、撮像装置10に交換レンズ2が装着された場合の当該交換レンズ2が備えているレンズ群21の光軸L上において、光軸Lに対して垂直となる方向に配置されている。撮像素子101としては、例えばフォトダイオードを有して構成される複数の画素がマトリクス状に2次元配置され、各画素の受光面に、それぞれ分光特性の異なる例えばR(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルタが1:2:1の比率で配設されてなるベイヤー配列のCMOSカラーエリアセンサ(CMOS型の撮像素子)が用いられる。撮像素子(撮像センサ)101は、レンズ群21により結像された被写体の光像をR(赤)、G(緑)、B(青)各色成分のアナログの電気信号(画像信号)に変換し、R、G、B各色の画像信号として出力する。
【0037】
上記の光軸L上において、被写体光をファインダ部102へ向けて反射される位置には、ミラー部103(反射板)が配置されている。交換レンズ2を通過した被写体光は、ミラー部103(後述の主ミラー1031)によって上方へ反射され、焦点板104(ピントグラス)に結像される。交換レンズ2を通過した被写体光の一部はこのミラー部103を透過する。
【0038】
ファインダ部102は、ペンタプリズム105、接眼レンズ106及び光学ファインダ316を備えている。ペンタプリズム105は、断面5角形を呈し、その下面から入射された被写体光像を内部での反射によって当該光像の天地左右を入れ替えて正立像にするためのプリズムである。接眼レンズ106は、ペンタプリズム105により正立像にされた被写体像を光学ファインダ316の外側に導く。このような構成により、ファインダ部102は、撮影待機時において被写界を確認するための光学ファインダとして機能する。
【0039】
ミラー部103は、主ミラー1031及びサブミラー1032から構成されており、主ミラー1031の背面側において、サブミラー1032が主ミラー1031の背面に向けて倒れるように回動可能に設けられている。主ミラー1031を透過した被写体光の一部はサブミラー1032によって反射され、この反射された被写体光は焦点検出部107に入射される。
【0040】
上記のミラー部103は、所謂クイックリターンミラーとして構成されており、露光時には回転軸1033を回動支点として矢印Aに示す上方に向けて跳ね上がり、焦点板104の下方位置で停止する。この際、サブミラー1032は、主ミラー1031の背面に対して矢印Bで示す方向に回転軸1034を支点として回動し、上記のミラー部103が焦点板104の下方位置で停止したときには、主ミラー1031と略平行となるように折り畳まれた状態となる。これにより、交換レンズ2からの被写体光がミラー部103によって遮られることなく撮像素子101上に届き、該撮影素子101が露光される。露光が終了すると、ミラー部103は元の位置(図9に示す位置)に復帰する。
【0041】
焦点検出部107は、被写体のピント情報を検出する測距素子等からなる所謂AFセンサとして構成されている。この焦点検出部107は、ミラー部103の底部に配設されており、例えば周知の位相差検出方式により合焦位置を検出する。
【0042】
撮像素子101は、振れ補正ユニット200にて光軸Lと直交する平面において二次元的に移動可能に保持されている。また、撮像素子101の光軸方向直前には、赤外線の入射を防止するための(IRカット用の)及び疑似カラーや色モアレの発生を防止するためのローパスフィルタ108が配置されており、さらにローパスフィルタ108の直前には、シャッタユニット40が配置されている。このシャッタユニット40は、上下方向に移動する幕体を備え、光軸Lに沿って撮像素子101に導かれる被写体光の光路開口動作及び光路遮断動作を行うメカニカルフォーカルプレーンシャッタである。
【0043】
マウント部301の後部における撮像装置10の略中央部には、枠体120(前枠)が配置されている(図9におけるハッチング部参照)。この枠体120は、その前後面部及び上記ペンタプリズム105(焦点板104)と対向する上面部が開口された正面視略四角形状の角筒体であり、歪み等に対する強度を有した金属製の剛体である。枠体120の前面は、マウント部301の形状に合わせて円筒状のマウント受け部121が形成されており、このマウント受け部121にマウント部301が嵌合された状態で、前面側から複数のビス122によってビス止めされている。枠体120は、その内部にミラー部103が配置されており当該ミラー部103の保持部材を兼ねたものとなっている。なお、シャッタユニット40は、枠体120の後端部と、その後方側に配置されたシャッタ押さえ板109にて挟持される態様で枠体120に支持されている。
【0044】
撮像装置10の上記各部は、例えば鉄などの金属材料からなるシャーシによって互いに連結(固定)されている。本実施形態では上記のシャーシが、前面シャーシ(図示省略)、側面シャーシ183及び底面シャーシ184から構成されてなる例を示している。これらのシャーシは、上述した撮像装置10内の各部品を支持する支持材としての役目を果たす。そして、シャーシ同士がビスにより固定され、さらにはシャーシの連結構造体と枠体120とがビスにより固定されることで、これらの部材が一体構造物化されているものである。なお、底面シャーシ184には、上述した三脚取付部185が設けられている。
【0045】
<振れ補正ユニットについて>
続いて、上記図9を参照して振れ補正ユニット200の構成を詳細に説明する。振れ補正ユニット200は、撮像素子101及びローパスフィルタ108と、撮像素子101とともにローパスフィルタ108を保持する撮像素子ホルダ201と、撮像素子ホルダ201を保持するスライダ202と、撮像素子101の後面に配設された放熱板203と、放熱板203の後面に配設された撮像素子基板204と、ヨー方向アクチュエータ205と、ピッチ方向アクチュエータ(図示省略)と、振れ台板207とを備えて構成されている。
【0046】
撮像素子基板204は、撮像素子101がマウントされる略長方形状の基板である。ただし当該マウントは、撮像素子101と撮像素子基板204との間に放熱板203が介在された状態で行われる。放熱板203は所定の金属材料からなる板状体であり、撮像素子101の駆動(光電変換)により発生した熱を逃がすためのものである。撮像素子ホルダ201は断面略長方形状の前後が開口された枠体であり、この枠体の前方部にはローパスフィルタ108が取り付けられ、このローパスフィルタ108の後方部に撮像素子101が配設されている。撮像素子101は、撮像素子基板204により放熱板203と共に撮像素子ホルダ201に対して押圧された状態で、当該撮像素子基板204が撮像素子ホルダ201に対してビス止めされて取り付けられている。
【0047】
振れ台板207は、撮像素子ホルダ201が保持された状態のスライダ202を保持するための振れ補正ユニット200における所謂基台をなすものである。
【0048】
そして、撮像素子ホルダ201の上下方向における一端辺部に設けられたヨー方向アクチュエータ205の駆動に応じて、振れ台板207に対して左右方向にスライダ202と撮像素子ホルダ201とが一体的にスライド移動することで撮像素子101のヨー方向の振れが補正され、撮像素子ホルダ201の左右方向における一端辺部に設けられたピッチ方向アクチュエータ(図示省略)の駆動に応じて、スライダ202に対して撮像素子ホルダ201が上下方向にスライド移動することで撮像素子101のピッチ方向の振れが補正されることとなる。
【0049】
<カメラシステム1の電気的構成>
図10は、カメラシステム1全体の電気的な構成を示すブロック図である。ここで、図1〜図9と同一の部材等については、同一の符号を付している。説明の便宜上、交換レンズ2の電気的構成について先ず説明する。交換レンズ2は、上述した撮影光学系を構成するレンズ群21及び鏡胴22に加え、レンズ駆動機構24と、レンズ位置検出部25と、レンズ制御部26と、絞り駆動機構27とを備えている。
【0050】
レンズ群21は、フォーカスレンズ211及びズームレンズ212と、撮像装置10に備えられている撮像素子101へ入射される光量を調節するための絞り23とが、鏡胴22内において光軸L方向に保持されており、被写体の光像を取り込んで撮像素子101等に結像するものである。撮影倍率(焦点距離)の変更や焦点調節動作は、レンズ群21が撮像装置10内のAFアクチュエータ71Mにより光軸L方向(図9)に駆動されることで行われる。
【0051】
レンズ駆動機構24は、例えばヘリコイド及び該ヘリコイドを回転させる図示省略のギア等で構成され、カプラ74を介してAFアクチュエータ71Mからの駆動力を受けて、レンズ群21を一体的に光軸Lと平行な方向に移動させるものである。なお、レンズ群21の移動方向及び移動量は、それぞれAFアクチュエータ71Mの回転方向及び回転数に従う。
【0052】
レンズ位置検出部25は、レンズ群21の移動範囲内において光軸L方向に複数個のコードパターンが所定ピッチで形成されたエンコード板と、このエンコード板に摺接しながら鏡胴22と一体的に移動するエンコーダブラシとを備えており、レンズ群21の焦点調節時の移動量を検出する。
【0053】
レンズ制御部26は、例えば制御プログラムを記憶するROMや状態情報に関するデータを記憶するフラッシュメモリ等からなるメモリ部261が内蔵されたマイクロコンピュータならなる。またレンズ制御部26は、撮像装置10のメイン制御部62との間で通信を行う通信部262を備え、この通信部262は、例えばレンズ群21の焦点距離、射出瞳位置、絞り値、合焦距離及び周辺光量状態等の状態情報データをメイン制御部62に送信する一方、メイン制御部62から例えばフォーカスレンズ211の駆動量のデータを受信する。また撮影時には、AF動作完了後の焦点距離情報、絞り値等のデータが通信部262からメイン制御部62へ送信される。なお、前記記憶部261には、上記レンズ群21の状態情報データや、メイン制御部62から送信された例えばフォーカスレンズ211の駆動量のデータ等が記憶される。
【0054】
絞り駆動機構27は、カプラ75を介して絞り駆動アクチュエータ76Mからの駆動力を受けて、絞り23の絞り径を変更するものである。
【0055】
続いて、撮像装置10の電気的構成について説明する。撮像装置10には、先に説明した撮像素子(CMOS)101及びこれを振れ補正駆動する振れ補正ユニット200、シャッタユニット40等の他に、AFE(アナログフロントエンド)5、画像処理部61、画像メモリ614、メイン制御部62、フラッシュ回路63、操作部64、VRAM65、カードI/F66、メモリカード67、通信用I/F68、電源回路69、電池69B、フォーカス駆動制御部71A及びAFアクチュエータ71M、ミラー駆動制御部72A及びミラー駆動アクチュエータ72M、シャッタ駆動制御部73A及びシャッタ駆動アクチュエータ73M、絞り駆動制御部74A及び絞り駆動アクチュエータ74M、位置検出センサ部(PS)208、視度調整部172及び三脚検知センサ185Sを備えて構成されている。
【0056】
撮像素子101は、先に説明した通りCMOSカラーエリアセンサからなり、後述のタイミング制御回路51により、当該撮像素子101の露光動作の開始(及び終了)や、撮像素子101が備える各画素の出力選択、画素信号の読出し等の撮像動作が制御される。
【0057】
AFE5は、撮像素子101に対して所定の動作を行わせるタイミングパルスを与えると共に、撮像素子101から出力される画像信号(CMOSエリアセンサの各画素で受光されたアナログ信号群)に所定の信号処理を施し、デジタル信号に変換して画像処理部61へ出力するものである。このAFE5は、タイミング制御回路51、信号処理部52及びA/D変換部53などを備えて構成されている。
【0058】
タイミング制御回路51は、メイン制御部62から出力される基準クロックに基づいて所定のタイミングパルス(垂直走査パルスφVn、水平走査パルスφVm、リセット信号φVr等を発生させるパルス)を生成して撮像素子101に出力し、撮像素子101の撮像動作を制御する。また、所定のタイミングパルスを信号処理部52やA/D変換部53にそれぞれ出力することにより、信号処理部52及びA/D変換部53の動作を制御する。
【0059】
信号処理部52は、撮像素子101から出力されるアナログの画像信号に所定のアナログ信号処理を施すものである。この信号処理部52には、CDS(相関二重サンプリング)回路、AGC(オートゲインコントロール)回路及びクランプ回路等が備えられている。A/D変換部53は、信号処理部52から出力されたアナログのR、G、Bの画像信号を、前記タイミング制御回路51から出力されるタイミングパルスに基づいて、複数のビット(例えば12ビット)からなるデジタルの画像信号に変換するものである。
【0060】
画像処理部61は、AFE5から出力される画像データに所定の信号処理を行って画像ファイルを作成するもので、黒レベル補正回路611、ホワイトバランス制御回路612及びガンマ補正回路613等を備えて構成されている。なお、画像処理部61へ取り込まれた画像データは、撮像素子101の読み出しに同期して画像メモリ614に一旦書き込まれ、以後この画像メモリ614に書き込まれた画像データにアクセスして、画像処理部61の各ブロックにおいて処理が行われる。
【0061】
黒レベル補正回路611は、A/D変換部53によりA/D変換されたR、G、Bの各デジタル画像信号の黒レベルを、基準の黒レベルに補正するものである。
【0062】
ホワイトバランス補正回路612は、光源に応じた白の基準に基づいて、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分のデジタル信号のレベル変換(ホワイトバランス(WB)調整)を行うものである。すなわちホワイトバランス制御回路612は、メイン制御部62から与えられるWB調整データに基づき、撮影被写体において輝度や彩度データ等から本来白色であると推定される部分を特定し、その部分のR、G、Bそれぞれを色成分の平均と、G/R比及びG/B比とを求め、これをR、Bの補正ゲインとしてレベル補正する。
【0063】
ガンマ補正回路613は、WB調整された画像データの階調特性を補正するものである。具体的にはガンマ補正回路613は、画像データのレベルを色成分毎に予め設定されたガンマ補正用テーブルを用いて非線形変換すると共にオフセット調整する。
【0064】
画像メモリ614は、撮影モード時には、画像処理部61から出力される画像データを一時的に記憶するとともに、この画像データに対しメイン制御部62により所定の処理を行うための作業領域として用いられるメモリである。また、再生モード時には、メモリカード67から読み出した画像データを一時的に記憶する。
【0065】
メイン制御部62は、例えば制御プログラムを記憶するROMや一時的にデータを記憶するフラッシュメモリ等の記憶部が内蔵されたマイクロコンピュータからなり、カメラシステム1内の各部の動作を制御するものである。このメイン制御部62は、機能的に、AF/AE制御部621および振れ補正制御部622を有している。なお、メイン制御部62は、撮像装置10におけるシャッタ動作を制御する機能も有している。
【0066】
AE/AF制御部621は、自動焦点制御(AF)及び自動露出制御(AE)のために必要な動作制御を行う。すなわち、AFのために、上述した焦点検出部(位相差AFモジュール)107の出力信号を用いて位相差検出方式による焦点調節処理を行い、合焦制御信号(AF制御信号)を生成し、フォーカス駆動制御部71Aを介してAFアクチュエータ71Mを動作させ、フォーカスレンズ211の駆動を行わせる。また、AEのために、図示省略のAEセンサで検出された被写体の輝度情報等に基づいて、当該被写体における適正な露出量(シャッタ速度等を含む)を求める演算を行う。
【0067】
振れ補正制御部622は、手振れ補正モードが実行される場合において、上述の振れ検出センサ171からの振れ検出信号に基づいて振れ方向及び振れ量を算出し、算出された方向及び振れ量に基づき振れ補正制御信号を生成して振れ補正ユニット200に出力し、撮像素子101を手振れが打ち消される方向にシフト駆動させるものである。例えばサーボ制御を行う場合の一例を挙げると、振れ補正制御部622は、振れ検出センサ171により検出された角速度信号を積分処理して各方向の振れ量(振れ角θ)を求め、交換レンズ2の焦点距離f等のレンズプロフィールに応じて振れ角θに対応する撮像素子101の移動距離δ1(δ1=f・tanθ)を算出する。そして、位置検出センサ部208から撮像素子101の位置情報δ2を取得し、δ1−δ2=0となるように撮像素子101を駆動させる駆動信号を生成して振れ補正ユニット200に与える。
【0068】
フラッシュ回路63は、フラッシュ撮影モードにおいて、フラッシュ部318または接続端子部319に接続される外部フラッシュの発光量を、メイン制御部62により設定された発光量に制御するものである。
【0069】
操作部64は、上述のモード設定ダイアル305、制御値設定ダイアル306、シャッターボタン307、設定ボタン群312、手振れ補正スイッチ313、十字キー314、プッシュボタン315、メインスイッチ317等を含み、操作情報をメイン制御部62に入力するためのものである。
【0070】
VRAM65は、LCD311の画素数に対応した画像信号の記憶容量を有し、メイン制御部62とLCD311との間のバッファメモリである。カードI/F66は、メモリカード67とメイン制御部62との間で信号の送受信を可能とするためのインターフェイスである。メモリカード67は、メイン制御部62で生成された画像データを保存する記録媒体である。通信用I/F68は、パーソナルコンピュータやその他の外部機器に対する画像データ等の伝送を可能とするためのインターフェイスである。
【0071】
電源回路69は、例えば定電圧回路等からなり、メイン制御部62等の制御部、撮像素子101、その他の各種駆動部等、カメラシステム1全体を駆動させるための電圧(例えば5V)を生成する。なお、撮像素子101への通電制御は、メイン制御部62から電源回路69に与えられる制御信号により行われる。電池69Bは、アルカリ乾電池等の一次電池や、ニッケル水素充電池等の二次電池からなり、カメラシステム1全体に電力を供給する電源である。
【0072】
フォーカス駆動制御部71Aは、メイン制御部62のAF/AE制御部621から与えられるAF制御信号に基づき、フォーカスレンズ211を合焦位置に移動させるために必要な、AFアクチュエータ71Mに対する駆動制御信号を生成するものである。AFアクチュエータ71Mは、ステッピングモータ等からなり、カプラ74を介して交換レンズ2のレンズ駆動機構24にレンズ駆動力を与える。
【0073】
ミラー駆動制御部72Aは、撮影動作のタイミングに合わせて、ミラー駆動アクチュエータ72Mを駆動させる駆動信号を生成するものである。ミラー駆動アクチュエータ72Mは、ミラー部103(クイックリターンミラー)を、水平姿勢若しくは傾斜姿勢に回動させるアクチュエータである。
【0074】
シャッタ駆動制御部73Aは、メイン制御部62から与えられる制御信号に基づき、シャッタ駆動アクチュエータ73Mに対する駆動制御信号を生成するものである。シャッタ駆動アクチュエータ73Mは、シャッタユニット40の開閉駆動を行うアクチュエータである。
【0075】
絞り駆動制御部76Aは、メイン制御部62から与えられる制御信号に基づき、絞り駆動アクチュエータ76Mに対する駆動制御信号を生成するものである。絞り駆動アクチュエータ76Mは、カプラ75を介して絞り駆動機構27に駆動力を与える。
【0076】
位置検出センサ部208は、振れ補正駆動またはカメラ起動時における撮像素子101の位置検出を行うものである。位置検出センサ部208は、磁力線を出す磁石部と、この磁石部から出る磁力線の強弱に応じた信号を出力する2次元ホールセンサとを備えて構成されている。このような構成により、位置検出センサ部208は、振れ台板207に対する撮像素子ホルダ201の上下左右の移動に伴って移動する磁石部の位置を、2次元ホールセンサによって検出することで、当該撮像素子101の位置検出が可能となる。
【0077】
視度調整部172は、視度調整ダイアル322に対するユーザの操作入力に応じて、光学ファインダ316の視度調整を行う部位である。
【0078】
三脚検知センサ185Sは、接点部を有する接点センサ等からなり、撮像装置10の底面シャーシ184に設けられている三脚取付部185に三脚(支持脚)が取り付けられているか否かを電気的に検出するセンサである。
【0079】
<視度調整ダイアル322について>
撮像装置10は、視度調整ダイアル322に対する不用意な操作を防止するための構成を有しているが、この構成に関連する視度調整ダイアル322の配置およびアイカップ321の形状等について以下で詳しく説明する。
【0080】
図11は、図2のXI−XI位置から見た断面を示す図である。
【0081】
視度調整ダイアル322は、撮像装置11の背面10b上に配設されており、回転軸322cを中心に回転自在となっている。また、視度調整ダイアル322は、撮像装置10の背面における外縁Bd(図2)より内側に設けられ、その外縁Bdからはみ出さないように配置されている。
【0082】
アイカップ321では、その外側面の一部に凹部321h(図6参照)が形成されており、この凹部321hは視度調整ダイアル322の上に配置されている。そして、視度調整ダイアル322は、凹部321hの開口端面321fから若干突出する部分があるものの、その内側に略収容されている。この開口端面321fは、仮にアイカップ321に凹部321hが形成されていない場合のアイカップ321の表面に対応している。
【0083】
アイカップ321の凹部321hは、指先FGが入るサイズを有している。よって、ユーザは、凹部321hに指先FGを入れて視度調整ダイアル322を自在に操作することが可能である。
【0084】
以上のように視度調整ダイアル322は撮像装置10の背面において外縁Bd内に配置されているため、撮像装置10の外形面から視度調整ダイアル322が突出することがない。よって、視度調整ダイアル322にユーザの指が誤って触れることが抑えられ、不用意な操作を防止できる。さらに、アイカップ321の外側面の一部に凹部321hが形成され、この凹部321hの開口端面321fに視度調整ダイアル322が略収容されるため、撮像装置10の後方から見れば図2に示すアイカップ321の陰に視度調整ダイアル322の大部分が隠れることとなり、視度調整ダイアルに対する不用意な操作をより防止できることとなる。
【0085】
また、視度調整ダイアル322の上には、アイカップ321の凹部321hによって指先FGが入る程度の空間が形成されているため、ユーザは凹部321hの斜め上方から視度調整ダイアル322の表面を視認できる。よって、視度調整ダイアル321の表面に、操作情報を示す文字等(例えば増減方向を示す「+」や「−」)を表しておけば、視度調整ダイアル321の操作に関する有益な情報をユーザに提供できる。
【0086】
なお、撮像装置10において視度調整を行うファインダについては、光学ファインダに限らず、EVF(Electronic View Finder)など電子的に被写体を表示する接眼タイプのファインダであっても良い。
【0087】
また、視度調整を行うための操作部材については、上述した視度調整ダイアル322のように所定の回転軸を中心に回転するダイアル型の操作部材に限らず、所定の範囲を直線的に移動するスライド型の操作部材などであっても良い。
【0088】
<フラッシュ部318について>
撮像装置10のフラッシュ部318は、フラッシュ部318を手動で起立させる際にユーザの指先が痛くなるのを防止するための構成を有しているが、この構成について以下で詳しく説明する。
【0089】
フラッシュ部318の両サイドには、伏臥状態Qa(図7)におけるフラッシュ部318と収納部320との境界Ba、Bb(図5〜図7)に沿って、この境界Ba、Bbの直上で横臥するように棒状の突出部Va、Vb(図5〜図8)が設けられている。各突出部Va、Vbは、フラッシュ部318の先端部から回転軸Co(図8)付近まで設けられており、その先端が緩やかにカーブしている。この突出部Va、Vbの構成を詳細に説明する。
【0090】
図12は、図5のXII−XII位置から見た断面を示す概略図である。
【0091】
フラッシュ部318は、発光部を内蔵する本体部318mを備えており、本体部318mの左下隅および右下隅には、突出方向に丸みを帯びている突出部Va、Vbが形成された2つの棒状部材318a、318bが取り付けられている。このように別部材としての棒状部材318a、318bをフラッシュ部318に取り付けるのは、突出方向に丸みを帯びた突出部Va、Vbを形成するためである。すなわち、金型を用いてフラッシュ部の筐体と一体化された突出部Va、Vbを形成しようとしても、金型による製造上の制約から図13に示すようにフラッシュ部の筐体318pの左下隅Eaおよび右下隅Ebは、角張ってしまって丸みを帯びた突出部Va、Vbを形成するが難しいためである。
【0092】
以上のようにフラッシュ部318の両サイドには、棒状の突出部Va、Vbが設けられているため、この突出部Va、Vbにユーザが指先を押し付けて伏臥状態Qaのフラッシュ部318を起立させる際には、突出部Va、Vbと指先との接触面積が比較的大きくなる。よって、ユーザの指先では圧力が分散されるため、指先が痛くなることがなくユーザに不快感を与えることを回避できる。さらに、棒状の突出部Va、Vbは、突出方向に湾曲しているため、指先に対する負担がより軽減されることとなる。
【0093】
なお、フラッシュ部318における棒状の突出部については、図14に示す突出部Vcのようにフラッシュ部318の先端部だけに設けるようにしても良い。回転軸Co(図8)から遠いフラッシュ部318の先端部では、回転軸Coに近い場所に比べて小さな力でフラッシュ部318を起立させることが可能なため、ユーザはフラッシュ部318の先端部を指先で把持して起立させる可能性が高い。よって、フラッシュ部において少なくとも先端部の両サイドに棒状の突出部を設けておけば、フラッシュ部318の起立時に指先が痛くなるのを防止できる。なお、フラッシュ部318の先端部から回転軸Co(図8)付近まで棒状の突出部Va、Vbを形成する場合には、フラッシュ部318の先端部のみならず中央部などを指先で把持して起立させることが可能なため、ユーザの利便性が向上することとなる。また、その場合においても、ユーザはフラッシュ部318の先端部を指先で把持して起立させる可能性が高いため、棒状の突出部Va、Vbは、その突出方向の断面積が所定の回転軸Co(図8)から遠くなるほど大きくなっていることで、ユーザの利便性が向上することとなる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施形態に係る撮像装置10の外観構成を示す図である。
【図2】撮像装置10の外観構成を示す図である。
【図3】撮像装置10の外観構成を示す図である。
【図4】撮像装置10の外観構成を示す図である。
【図5】撮像装置10の外観構成を示す図である。
【図6】撮像装置10の外観構成を示す図である。
【図7】撮像装置10に交換レンズ2が装着されたカメラシステム1の斜視図である。
【図8】フラッシュ部318の起立状態を示す図である。
【図9】カメラシステム1の縦断面図である。
【図10】カメラシステム1全体の電気的な構成を示すブロック図である。
【図11】図2のXI−XI位置から見た断面を示す図である。
【図12】図5のXII−XII位置から見た断面を示す概略図である。
【図13】フラッシュ部の筐体と一体化された突出部Va、Vbの形成が難しいことを説明するための図である。
【図14】フラッシュ部318の先端部だけに設けられた棒状の突出部Vcを示す図である。
【図15】従来技術に係る視度調整ダイアルを説明するための図である。
【符号の説明】
【0095】
1 カメラシステム
2 交換レンズ
10 撮像装置
316 光学ファインダ
318 フラッシュ部
318a、318b 棒状部材
320 収納部
321 アイカップ
321f 開口端面
321h アイカップの凹部
322 視度調整ダイアル
Co 回転軸
FG 指先
Qa 伏臥状態
Qb 起立状態
Va、Vb、Vc 棒状の突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置であって、
(a)前記撮像装置の所定面に設けられた接眼タイプのファインダと、
(b)前記ファインダの視度調整を行うための操作部材と、
(c)前記ファインダの周囲における前記所定面から一定の高さをもって突出し、前記ファインダへの外光の侵入を抑制する遮光部材と、
を備え、
前記操作部材は、前記所定面において外縁からはみ出さないように配置されるとともに、
前記遮光部材には、前記操作部材上において凹部が形成されており、当該凹部の開口端面より内側に前記操作部材が略収容されていることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記遮光部材の凹部は、指先が入るサイズを有していることを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記遮光部材の凹部は、前記遮光部材の外側面の一部に形成されていることを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記遮光部材は、前記所定面に対して着脱自在であることを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
接眼タイプのファインダの周囲における撮像装置の所定面から一定の高さをもって突出し、前記ファインダへの外光の侵入を抑制する遮光部材であって、
所定の凹部が設けられており、
前記撮像装置には、前記ファインダの視度調整を行うための操作部材が前記所定面の外縁からはみ出さないように配置されるとともに、
前記所定の凹部は前記操作部材上に形成されており、前記所定の凹部の開口端面より内側に前記操作部材が略収容されていることを特徴とする遮光部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−322985(P2007−322985A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−156005(P2006−156005)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】