説明

撮像装置と撮像制御方法およびプログラム

【課題】品位の良好なズーム動作を行うことができるようにする。
【解決手段】撮像光学系21は、ズームレンズ211とフォーカスレンズ212等を用いて構成されている。光学系駆動部22は、撮像光学系21の駆動を行う。制御部43は、動画の記録を行う第1の動作モードの場合、ズームレンズの駆動方向に対してヒステリシスを有するズームレンズ位置のヒステリシスによる影響を回避する回避動作を行わないようにする。制御部43は、第1の撮影モードと異なる第2の動作モードの場合に回避動作を行う。このため、動画記録中にズーム動作を行っても、ヒステリシスによる影響を回避する回避動作による画角変動を防止できる。第2の動作モードでは、回避動作が行われることからヒステリシスによる影響が回避されてズームレンズを所望の位置とすることができる。したがって、品位の良好なズーム動作を行うことができるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この技術は、撮像装置と撮像制御方法、およびプログラムに関する。さらに、詳細には、品位の良好なズーム動作を行えるようにする。
【背景技術】
【0002】
撮像装置では、ズームレンズの位置を動かして結像倍率を変化させるときに、被写体像を撮像素子の受光面に合焦させ続けるため、ズームレンズの位置に対して予め指定されている位置にフォーカスレンズを駆動することが行われている。
【0003】
また、ズームレンズの駆動に例えばDCモータを採用している撮像装置では、ズームレンズの駆動部に用いられているギヤのバックラッシュや駆動部の機械的ガタ等によってズームレンズの位置ずれを生じる場合がある。したがって、ズームレンズを所望の位置に移動する場合にズームレンズの位置ずれを生じると、合焦状態となるフォーカスレンズの位置とズームレンズの位置との対応関係を示すカムカーブに基づいてフォーカスレンズを駆動した場合に、被写体像に焦点を合わせることができないおそれがある。このため、特許文献1では、ズームレンズを所定の方向に移動させてから逆方向に所望の位置まで移動させることで、ズームレンズの位置ずれを回避することが行われている。なお、レンズ鏡筒のカム機構の例としては、例えば、特許文献2および3に記載されているようなものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−208948号公報
【特許文献2】特開2002−267917号公報
【特許文献3】特開2011−158919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年の撮像装置では、静止画を記録媒体に記録する静止画モードや動画を記録媒体に記録する動作モードが設けられている。このような撮像装置では、例えばズームレンズの駆動方向に対してヒステリシスを有するズームレンズ位置のヒステリシスによる影響を回避する回避動作を動画記録モードで行うと、回避動作による画角変動や動作音が記録されてしまう。さらに、動画の高精細化に伴い画角変動が顕著となり、品位の良好なズーム動作を行うことが困難となる。
【0006】
そこで、この技術では、品位の良好なズーム動作を行うことができる撮像装置と撮像制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この技術の第1の側面は、ズームレンズとフォーカスレンズが用いられている撮像光学系と、前記撮像光学系を駆動する光学系駆動部と、動画の記録を行う第1の動作モードでは、前記ズームレンズの駆動方向に対してヒステリシスを有するズームレンズ位置の前記ヒステリシスによる影響を回避する回避動作を行わないようにして、前記第1の撮影モードと異なる第2の動作モードでは、所定のタイミングで前記光学系駆動部を制御して前記回避動作を行う制御部とを有する撮像装置にある。
【0008】
この技術においては、光学系駆動部によって駆動される撮像光学系のズームレンズの位置が、ズームレンズの駆動方向に対してヒステリシスを有する場合、動画の記録を行う第1の動作モードでは、ヒステリシスによって生じるズームレンズ位置の違いを回避する回避動作を行わないようにする。また、第1の撮影モードと異なる第2の動作モード、例えば静止画の記録を行う静止画モードまたは動画撮影中に静止画を撮影する動作モードでは、所定のタイミング例えば第1の動作モードから第2の動作モードに切り替えられたとき回避動作を行う。また、ズームレンズが所望の位置となる第1の方向に対して逆方向にズームレンズを移動させるズーム操作が終了したときや、パンニング動作またはチルティング動作の終了を検出したとき、シーンチェンジを検出したと判別して回避動作を行う。また、静止画記録では、回避動作を行ってからフォーカス調整動作を行う。さらに、回避動作中は、予め設定されている画像の出力または撮像画像のフリーズを行う。なお、第2の動作モードには、動画記録の待機状態である動作モードを含めても良い。
【0009】
この技術の第2の側面は、動画の記録を行う第1の動作モードでは、ズームレンズとフォーカスレンズが用いられている撮像光学系において前記ズームレンズの駆動方向に対してヒステリシスを有するズームレンズ位置の前記ヒステリシスによる影響を回避する回避動作を行わないようにする工程と、前記第1の撮影モードと異なる第2の動作モードでは、所定のタイミングで前記撮像光学系を駆動する光学系駆動部を制御して前記回避動作を行う工程とを有する撮像制御方法にある。
【0010】
この技術の第3の側面は、ズームレンズとフォーカスレンズが用いられている撮像光学系を駆動する光学系駆動部の制御をコンピュータで実行させるプログラムであって、動画の記録を行う第1の動作モードでは、前記ズームレンズの駆動方向に対してヒステリシスを有するズームレンズ位置の前記ヒステリシスによる影響を回避する回避動作を行わないようにする手順と、前記第1の撮影モードと異なる第2の動作モードでは、所定のタイミングで前記光学系駆動部を制御して前記回避動作を行う手順とを前記コンピュータで実行させるプログラムにある。
【0011】
なお、本技術のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な汎用コンピュータに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体、例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記憶媒体、あるいは、ネットワークなどの通信媒体によって提供可能なプログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータ上でプログラムに応じた処理が実現される。
【発明の効果】
【0012】
この技術によれば、動画の記録を行う第1の動作モードでは、ズームレンズの駆動方向に対してヒステリシスを有するズームレンズ位置の該ヒステリシスによる影響を回避する回避動作が行わないようにされる。また、第1の撮影モードと異なる第2の動作モードでは、ズームレンズとフォーカスレンズが用いられている撮像光学系を駆動する光学系駆動部を所定のタイミングで制御して回避動作が行われる。このため、動画記録中にズーム動作を行っても、ヒステリシスによる影響を回避する回避動作による画角変動を防止できる。また、第1の撮影モードと異なる第2の動作モードでは、回避動作が行われることからヒステリシスによる影響が回避されてズームレンズを所望の位置とすることができる。したがって、品位の良好なズーム動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】撮像装置の概略構成を示す図である。
【図2】動作モードの遷移を示す図である。
【図3】スキャンAF動作を説明するための図である。
【図4】カムカーブを例示した図である。
【図5】ズームレンズ駆動部の概略構成を例示した図である。
【図6】カム機構を例示した図である。
【図7】ズームレンズ位置のヒステリシス誤差をモデル化して示した図である。
【図8】ヒステリシス誤差の回避動作を示す図である。
【図9】ヒステリシス誤差の回避動作を示すフローチャートである。
【図10】動作モードとヒステリシス誤差の回避動作を示す図である。
【図11】ヒステリシス誤差の回避動作が行わない状態で動画記録モードから静止画モードに遷移した場合を例示した図である。
【図12】動画記録モードから静止画モードへの遷移時にヒステリシス誤差の回避動作を行う場合を例示した図である。
【図13】動画記録モードから静止画モードへの遷移時にヒステリシス誤差の回避動作を行う場合を示すフローチャートである。
【図14】ヒステリシス誤差の回避動作中は、画角変化が目立たないように画像出力制御を行う場合を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本技術を実施するための形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.撮像装置の構成
2.撮像装置の動作
3.撮像装置のフォーカス調整動作とズーム動作
4.ズームレンズにおけるヒステリシス誤差の回避動作
5.動作モードとヒステリシス誤差の回避動作
6.ヒステリシス誤差の回避動作の他の例
【0015】
<1.撮像装置の構成>
図1は、撮像装置10の概略構成を例示している。撮像装置10は、撮像光学系21、光学系駆動部22、撮像部31、アナログ信号処理部32、A/D変換部33、デジタル信号処理部34、モニタ部35、電子ビューファインダ(EVF)部36、記録再生部37を有している。また、撮像装置10は、操作部41、メモリ部42および制御部43を有している。さらに、撮像装置10には、撮像装置の動きを検出するセンサ部45を設けてもよい。
【0016】
撮像光学系21は、ズームレンズ211とフォーカスレンズ212およびアイリス213等を用いて構成されている。ズームレンズ211は、撮像部31の撮像面に結像される被写体像を拡大または縮小するために駆動されるレンズである。フォーカスレンズ212は、撮像部31の撮像面に被写体像を合焦させるために駆動されるレンズである。アイリス213は、被写体像の光量を調整するために駆動される。
【0017】
光学系駆動部22は、ズームレンズ駆動部221とフォーカスレンズ駆動部222およびアイリス駆動部223等を用いて構成されている。ズームレンズ駆動部221は、ズームレンズ211を駆動して、撮像部31の撮像面に結像される被写体像を拡大または縮小させる。フォーカスレンズ駆動部222は、撮像部31の撮像面に被写体像を合焦させるためにフォーカスレンズ212を駆動する。アイリス駆動部223は、被写体像が所望の明るさとなるようにアイリス213を駆動する。
【0018】
撮像部31は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を用いて構成されている。撮像部31は、光電変換を行い、撮像光学系21によって撮像素子の受光面に結像された被写体像に応じた画像信号を生成する。撮像部31は、生成した画像信号をアナログ信号処理部32に出力する。
【0019】
アナログ信号処理部32は、撮像部31から供給された画像信号に対して相関二重サンプリング処理等のノイズ除去処理やアナログ増幅処理等を行い、処理後の画像信号をA/D変換部33に出力する。
【0020】
A/D変換部33は、アナログ信号処理部32から供給されたアナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換してデジタル信号処理部34に出力する。
【0021】
デジタル信号処理部34は、A/D変換部33から供給された画像信号に対してガンマ補正や輝度調整、色補正等のカメラ信号処理を行う。また、デジタル信号処理部34は、撮像画像を所望の画サイズ(画素数)とするリサイズ処理等を行う。さらに、デジタル信号処理部34は、画像信号の圧縮符号化処理や伸張復号処理等を行う。
【0022】
デジタル信号処理部34は、A/D変換部33から供給された画像信号、またはカメラ信号処理やリサイズ処理等が行われた画像信号をモニタ部35やEVF部36に出力する。また、デジタル信号処理部34は、A/D変換部33から供給された画像信号、カメラ信号処理やリサイズ処理等が行われた画像信号、または圧縮符号化処理を行い生成した符号化信号を記録再生部37に出力する。さらに、デジタル信号処理部34は、記録再生部37から供給された画像信号や記録再生部37から供給された符号化信号の伸張復号処理を行うことにより得られた画像信号をモニタ部35やEVF部36に出力する。
【0023】
モニタ部35やEVF部36は、液晶表示素子や有機EL(electroluminescence)表示素子等を構成されている。モニタ部35やEVF部36は、デジタル信号処理部34から供給された画像信号に基づいて画像表示を行うことで、カメラスルー画像や記録画像および再生画像等の表示を行う。なお、モニタ部35やEVF部36では、撮像装置10の設定状態や動作状態、操作メニュー等の表示も行う。
【0024】
記録再生部37は、記録媒体例えば半導体メモリ等を用いて構成されている。記録再生部37は、デジタル信号処理部34から供給された画像信号または符号化信号を記録媒体に記録する。また、記録媒体に記録されている画像信号や符号化信号を読み出してデジタル信号処理部34に出力する。なお、記録再生部37で用いられる記録媒体は、記録再生部37に固定されていてもよく、着脱可能とされていてもよい。
【0025】
操作部41は、レリーズスイッチやズームスイッチ、録画ボタン、各種の操作情報を入力する操作ボタン等で構成されている。操作部41は、スイッチやボタンのユーザ操作に応じた操作信号を生成して制御部43に出力する。
【0026】
メモリ部42は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、書き替え可能なROMであるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を用いて構成されている。メモリ部42は、撮像装置10を動作させるためのプログラムや、各種処理を行うために用いられるパラメータ等を記憶する。
【0027】
制御部43は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成されている。制御部43は、メモリ部42に記憶されているプログラムを実行して、操作部41からの操作信号に基づき撮像装置10の動作がユーザ操作に応じた動作となるように各部を制御する。また、制御部43は、動画の記録を行う第1の動作モードである場合、ズームレンズ211の駆動方向に対してヒステリシスを有するズームレンズ位置のヒステリシスによる影響を回避する回避動作を行わないようする。さらに、制御部43は、第1の撮影モードと異なる第2の動作モードである場合、所定のタイミングで光学系駆動部を制御して回避動作を行うようにする。
【0028】
センサ部45は、撮像装置10の動きを検出する。例えば加速度センサや角速度センサ等を用いて構成されており、撮像装置10の動きに応じたセンサ信号を制御部43に供給する。制御部43は、センサ信号に基づき撮像装置の動作を制御する。例えば後述するように、センサ信号に基づいてシーンチェンジ検出を行い、検出結果に基づきヒステリシスによる影響を回避する回避動作を行う。
【0029】
<2.撮像装置の動作>
撮像装置10では、撮像時の動作モードとして例えば静止画モードと動画待機モードと動画記録モードが設けられている。
【0030】
撮像装置10は、静止画を記録する静止画モードが選択されている場合、静止画の構図をユーザが決定できるように、モニタ部35やEVF部36にカメラスルー画を表示する。その後、撮像装置10は、所定のユーザ操作をトリガとしてフォーカス調整動作を行う。例えば、撮像装置10はレリーズスイッチの半押しをトリガとして所謂スキャンAF動作を行う。また、撮像装置10は、シャッター操作例えばレリーズスイッチの全押し操作が行われたタイミングで静止画の画像信号を生成して記録再生部37に記録する処理を行う。
【0031】
撮像装置10は、動画記録の待機状態である動画待機モードである場合、動画の構図をユーザが決定できるように、モニタ部35やEVF部36にカメラスルー画を表示する。その後、撮像装置10は、所定のユーザ操作をトリガとして動作モードを動画記録モードに切り替える。例えば、撮像装置10は、録画ボタンで録画開始操作が行われた場合、動作モードを動作待機モードから動作記録モードに切り替える。また、撮像装置10は、動画待機モードである場合、フォーカス調整動作として所謂山登りAF動作を行う。
【0032】
撮像装置10は、動画を記録する動画記録モードである場合、撮像画像を記録再生部で順次記録する。また、撮像装置10は、記録される撮像画像をモニタ部35やEVF部36に表示する。さらに、撮像装置10は、ユーザ操作に応じて動作モードを動画記録モードから静止画記録モードまたは動画記録モードに切り替える。撮像装置10は、動画記録モードである場合、フォーカス調整動作として所謂山登りAF動作を行う。
【0033】
図2は、動作モードの遷移を示している。撮像装置10は、静止画モードが選択されている場合、静止画記録から動画記録へのモード変更に応じて動作モードを静止画モードから動画待機モードに切り替える。また、撮像装置10は、静止画モードが選択されている場合、録画ボタンで録画開始操作が行われたことに応じて動作モードを静止画モードから動画記録モードに切り替える。
【0034】
撮像装置10は、動作待機モードが選択されている場合、動画記録から静止画記録へのモード変更に応じて動作モードを動画待機モードから静止画モードに切り替える。また、撮像装置10は、動画待機モードが選択されている場合、録画ボタンで録画開始操作が行われたことに応じて動作モードを動画待機モードから動画記録モードに切り替える。
【0035】
撮像装置10は、動画記録モードが選択されている場合、録画ボタンで録画終了操作が行われたことに応じて動作モードを動画記録モードから動画待機モードに切り替える。また、撮像装置10は、動画記録モードが選択されている場合、録画解除操作例えば動画記録中に静止画の記録を行う、または動画記録を一時中止して静止画の記録を行う操作が行われたことに応じて動作モードを動画記録モードから静止画モードに切り替える。
【0036】
<3.撮像装置のフォーカス調整動作とズーム動作>
次に、撮像装置のフォーカス調整動作とズーム動作について説明する。画像信号を用いたフォーカス調整動作では、撮像画像のコントラストを利用して所望の被写体に合焦するようにフォーカスレンズ212を駆動することが行われている。すなわち、所望の被写体に合焦している場合、所望の被写体の撮像画像はコントラストが高い。したがって、撮像装置10は、撮像画像における所定エリアの画像の高周波成分を取り出して積分して評価値の算出を行い、評価値が最大となるようにフォーカスレンズ212を駆動する。
【0037】
フォーカス調整動作は、上述のスキャンAF動作と山登りAF動作が広く知られている。スキャンAF動作は、図3に示すように、特定のフォーカスレンズ位置領域WLについて特定の間隔で評価値の算出を行い、評価値が最大値となる位置P1にフォーカスレンズ212を移動させる方法である。また、山登りAF動作は、フォーカスレンズ212の位置を評価値が最大となる位置に保つようにサーボ動作を行う方法である。
【0038】
スキャンAF動作は、どのようなシーンでも短時間で合焦状態となるが、被写体までの距離が変化すると撮像面に結像される被写体像がボケを生じてしまうことから、静止画モードに採用されている。また、山登りAF動作は、合焦状態となるまでに時間を要するが、被写体までの距離が変化しても合焦状態を維持できるので動作待機モードや動画記録モードに採用されている。
【0039】
フォーカス調整動作において、合焦状態となるフォーカスレンズ212の位置はズームレンズ211の位置と対応関係があり、この対応関係を示すカーブはカムカーブと呼ばれている。図4は、カムカーブを例示している。横軸はズームレンズの位置(広角端〜望遠端)、縦軸はフォーカスレンズ212の位置(無限側〜至近側)を示している。図4では、複数の異なる被写体距離(0.5m,1.0m,3.0m,7.0m,∞)ごとに合焦状態となるフォーカスレンズ位置の軌跡を示している。この図4に示す曲線がカムカーブと呼ばれている。したがって、ズームレンズ211を移動した場合、被写体距離に応じた曲線(カムカーブ)に沿ってフォーカスレンズ212を移動させることで、合焦状態を保つことができる。例えば、被写体距離が短い場合(例えば0.5m)には、ズームレンズ211を広角端から望遠端方向に移動すると、フォーカスレンズ212は無限側から至近側に移動する。また、被写体距離が短くない場合(例えば1.0m以上)には、ズームレンズ211を広角端から望遠端方向に移動すると、フォーカスレンズ212は至近側に移動したのち反転して無限側に移動する。
【0040】
<4.ズームレンズにおけるヒステリシス誤差の回避動作>
次に、ズームレンズにおけるヒステリシス誤差の回避動作について説明する。図5は、光学系駆動部22のズームレンズ駆動部221の概略構成を例示している。ズームレンズ駆動部221は、DCモータ2211、駆動伝達部2212、レンズ送り機構部2213を有している。この種のレンズ鏡筒のカム機構の他の例としては、例えば、特許文献2および3に記載されているようなものもある。
【0041】
DCモータ2211は、制御部43からの制御信号に基づいて駆動される。駆動伝達部2212は、DCモータ2211の回転をレンズ送り機構部2213に伝達する。レンズ送り機構部2213は、DCモータ2211の回転に応じてズームレンズ211を光軸方向に移動させる。
【0042】
なお、駆動伝達部2212とレンズ送り機構部2213は、種々の構成が考えられるが、説明を簡単とするため、駆動伝達部2212は、(減速) ギヤボックス2212a,駆動ギヤ2212bを用いて構成されているものとする。また、レンズ送り機構部2213は、カム環2213aおよびズームレンズ211が取り付けられた直進部2213bで構成されているものとする。
【0043】
DCモータ2211の動力によって、(減速) ギヤボックス2212a、および駆動ギヤ2212bを回転駆動してカム環2213aを回転させることで、直進部2213bを繰り出しおよび収納動作させる構成となっている。
【0044】
なお、図6は、例えばカム機構が特許文献3に示された構成である場合、図5に示す駆動ギヤ2212bとカム環2213aが何れに相当するかを図示している。図6の(A)はカム機構の斜視図、図6の(B)はカム機構の正面図、図6の(C)はカム機構の底面図、図6の(D)はカム溝部分を示した展開図である。
【0045】
このように駆動伝達部2212とレンズ送り機構部2213を構成することで、DCモータ2211の回転によってズームレンズ211を光軸方向に移動させることができる。
【0046】
図7は、ズームレンズ位置のヒステリシス誤差をモデル化して図示している。例えば図7の(A)に示すように、広角(Wide)側から望遠(Tele)側に移動する場合のズームレンズ211の位置を、制御信号に基づいて設定されるズームレンズ位置とする。ここで、図7の(B)に示すように、望遠側から広角側に移動する場合のズームレンズ211の位置は、駆動伝達部2212とレンズ送り機構部2213等で生じる誤差(例えば軸ガタ,遊び,ギヤのバックラッシュ等)によって、誤差WEの位置ずれを生じてしまう。なお、駆動片Gは駆動ギヤ2212bの歯車に相当する。
【0047】
このように、ズームレンズ211の位置は、駆動方向に対してヒステリシスを有することから、ヒステリシスによる影響を回避する回避動作を行う。また、広角側から望遠側に移動する場合のズームレンズ211の位置を、制御信号に基づいて設定されるズームレンズ位置とする場合、ズームレンズ211を望遠側から広角側に移動すると、誤差WEに基づいたズームレンズ位置の誤差が生じる。このズームレンズ位置の誤差を、以下の説明ではヒステリシス誤差という。
【0048】
図8は、ヒステリシス誤差の回避動作を示している。なお、ズームレンズ211は、上述のように広角(Wide)側から望遠(Tele)側に移動する場合の位置を、制御信号に基づいて設定されるズームレンズ位置とする。
【0049】
ヒステリシス誤差の回避動作では、正しいズームレンズ位置となる移動方向に対して逆方向にズームレンズ211を移動させる場合、目標位置を超えて移動させる。その後、移動方向を正しいズームレンズ位置となる方向として、ズームレンズ211を目標位置まで移動させる処理を行う。
【0050】
例えば制御信号に基づき目標位置「100」から望遠側の目標位置「200」にズームレンズ移動処理を行う場合、図8の(A)に示すように、ズームレンズ211は広角側から望遠側に移動される。したがって、制御信号に基づき目標位置「200」にズームレンズ211を移動させることで、目標位置にズームレンズ211を移動させることができる。
【0051】
次に、制御信号に基づき目標位置「200」から広角側の目標位置「100」にズームレンズ移動処理を行う場合、図8の(B)に示すように、ズームレンズ211は望遠側から広角側に移動される。ここで、制御信号に基づき目標位置「100」にズームレンズ211を移動させる場合、駆動伝達部2212とレンズ送り機構部2213等で誤差WEを生じることから、ズームレンズ211はレンズ位置の誤差LPEを生じてしまう。このため、図8の(C)に示すように、目標位置「100」を超えて第2所定量例えば位置「80」まで移動させて、その後図8の(D)に示すように、広角側から望遠側に目標位置「100」まで移動させる。このように、ズームレンズ211を駆動することで、ヒステリシス誤差を回避できる。なお、第2所定量は、望遠側から広角側に目標位置までの駆動を行ったときのズームレンズ位置(図8の(B)に示すレンズ移動後のヒステリシス誤差を含んだ位置)からズームレンズ211が目標位置(図8の(D)に示すレンズ移動後の位置)よりも広角側となる移動量に相当する。
【0052】
図9は、図8に示すヒステリシス誤差の回避動作をフローチャートで示している。ステップST1で制御部43は、ズームレンズ211を広角側から望遠側に第1所定量(例えば位置「100」に相当する量)だけ移動させてステップST2に進む。
【0053】
ステップST2で制御部43は、ズームレンズ211を望遠側から広角側に第1所定量だけ移動させてステップST3に進む。
【0054】
ステップST3で制御部43は、ズームレンズ211を望遠側から広角側に、第2所定量(例えば、図8では位置「20」分に相当する量)さらに移動させてステップST4に進む。なお、第2所定量は、望遠側から広角側に目標位置までの駆動を行ったときのズームレンズ位置(図8の(B)に示すようにヒステリシス誤差を含んだ位置)からズームレンズ211が目標位置よりも広角側となる移動量に相当する。
【0055】
ステップST4で制御部43は、広角側から望遠側にズームレンズ211を第2所定量だけ移動させる。
【0056】
このような処理を行うことで、ズームレンズ211を望遠側から広角側に移動する場合でも、広角側から望遠側に移動する場合のズームレンズ位置である正しい位置とすることができる。
【0057】
<5.動作モードとヒステリシス誤差の回避動作>
次に、動作モードとヒステリシス誤差の回避動作について説明する。動画記録モードでは、録画開始操作が行われてから録画終了操作や録画解除操作が行われるまで画像の記録が行われている。また、ヒステリシス誤差の回避動作を行うと、ズームレンズ211は目標位置を超えて広角側に移動されてから望遠側に目標位置まで移動される。このように、ズームレンズ211は目標位置を超えて広角側に移動されてから再び望遠側に移動されて目標位置とされるので、記録される動画では画角変動が生じた画像となってしまう。
【0058】
例えば、動画記録中に、図10の(A)で示すようにヒステリシス誤差についての回避動作を3回行うと、画角変動が3回記録されてしまうことになる。そこで、動画記録モードでは、図10の(B)に示すようにヒステリシス誤差の回避動作を行わないようにする。なお、動画記録モードでは山登りAF動作が行われるので、所望の被写体が合焦状態となる。
【0059】
また、ヒステリシス誤差の回避動作が行わない状態で、他のモードに遷移すると、ズームレンズ211の位置は、制御信号に基づくズームレンズの位置に対して誤差LPEを生じている場合がある。ここで、ヒステリシス誤差の回避動作が行わない状態で、静止画モードに遷移した場合、ズームレンズ211の位置が制御信号に基づくズームレンズの位置に対して誤差LPEを生じると、フォーカスを合わせることができないおそれがある。そこで、動画記録モードとは異なるモード、例えば静止画モードや動画待機モードでは、ヒステリシス誤差の回避動作を行うようにする。
【0060】
図11は、ヒステリシス誤差の回避動作が行わない状態で、動画記録モードから静止画モードに遷移した場合を例示している。例えば制御信号に基づきズームレンズ211を位置P1に駆動した場合、ズームレンズ211が望遠側から広角側に移動されると上述のように、ズームレンズ211の位置に誤差LPEを生じて、ズームレンズ211の実際の位置はP1Eとなる。
【0061】
静止画モードでは、ズームレンズ211が位置P1であるとしてスキャンAF動作が行われる。しかし、ズームレンズ211の実際の位置は位置P1Eであることから、フォーカス範囲にずれEAR1,EAR2を生じてしまい、正しくフォーカス調整動作を行うことができないおそれが生じる。
【0062】
したがって、制御部43は、動画記録モードとは異なるモード、例えば静止画モードや動画待機モードでは、ヒステリシス誤差の回避動作を行うようにする。例えば、ヒステリシス誤差の回避動作が行わない動画記録モードから他のモードに遷移する場合、図10の(B)に示すようにモードの切り替えた行われたタイミングでヒステリシス誤差の回避動作を行う。
【0063】
図12は、動画記録モードから静止画モードへの遷移時にヒステリシス誤差の回避動作を行う場合を例示している。図12の(A)は、動画記録モード終了時のズーム状態を例示している。上述のようにズームレンズ211を望遠側から広角側に移動した場合には位置の誤差LPEを生じている場合がある。
【0064】
そこで、制御部43は、モード切替が行われて動画記録モードから他のモード例えば静止画モードに切り替えられた場合、ヒステリシス誤差の回避動作を行う。すなわち、図12の(B)に示すように、目標位置「100」から広角側に第2所定量例えば位置「80」まで移動させて、その後、図12の(B)に示すように、広角側から望遠側に目標位置「100」まで移動させる。このように、ズームレンズ211を駆動することで、静止画モード時のズームレンズ211をヒステリシス誤差の回避された正しい位置とすることができる。
【0065】
図13は、動画記録モードから静止画モードへの遷移時にヒステリシス誤差の回避動作を行う場合をフローチャートで示している。ステップST11で制御部43は、動作記録モードから静止画モードにモード切替が行われたか判別する。制御部43は、モード切替が行われていない場合はステップST11に戻り、モード切替が行われた場合にはステップST12に進む。
【0066】
ステップST12で制御部43は、ズームレンズ211を望遠側から広角側に第2所定量だけ移動させてステップST13に進む。
【0067】
ステップST13で制御部43は、ズームレンズ211を広角側から望遠側に第2所定量だけ移動させる。
【0068】
このような処理を行うことで、動画記録モードから静止画モードにモード切替が行われたとき、ズームレンズ211の位置をヒステリシス誤差の回避された正しい位置とすることができる。
【0069】
<6.ヒステリシス誤差の回避動作の他の例>
ところで、ヒステリシス誤差の回避動作は、動画記録モードから他のモードへの切り替え時に限らず、他のタイミングで行うようにしてもよい。例えば制御部43は、静止画モードに遷移後、シーンチェンジが判別されたときヒステリシス誤差の回避動作を行い、その後スキャンAF動作を行うようにしてもよい。
【0070】
制御部43は、シーンチェンジの判別において、ヒステリシス誤差を生じる方向例えば望遠側から広角側の方向にズーム動作が行われた場合、当該ズーム動作の終了をシーンチェンジの検出とする。また、制御部43は、センサ部45からのセンサ信号に基づきパンニング動作やチルティング動作の判別を行い、パンニング動作やチルティング動作の終了を検出したときシーンチェンジの検出とする。
【0071】
さらに、制御部43は、静止画モードの場合、ヒステリシス誤差を生じていると正しくフォーカス調整動作を行うことができないおそれがあることから、フォーカス調整動作を行う前に回避動作を行うようにしてもよい。例えば、レリーズボタンが半押しされたタイミングでヒステリシス誤差の回避動作を行ったのちフォーカス調整動作を行う。
【0072】
また、制御部43は、ヒステリシス誤差の回避動作中は、画角変化が目立たないように、予め設定されている画像、例えば黒レベルや白レベル等の単一画像あるいは所定パターンを出力するようにしてもよく、撮像画像をフリーズして出力してもよい。図14のフローチャートは、ヒステリシス誤差の回避動作中は、画角変化が目立たないように画像出力制御を行う場合を示している。
【0073】
ステップST21で制御部43は、動作記録モードから静止画モードにモード切替が行われたか判別する。制御部43は、モード切替が行われていない場合はステップST21に戻り、モード切替が行われた場合にはステップST22に進む。
【0074】
ステップST22で制御部43は、画像出力動作の切り替えを開始する。制御部43は、撮像部31あるいはデジタル信号処理部34の動作を制御して、例えば黒レベルや白レベル等の単一画像,所定パターンまたはフリーズさせた撮像画像を、モニタ部35やEVF部36に出力してステップST23に進む。
【0075】
ステップST23で制御部43は、ズームレンズ211を望遠側から広角側に第2所定量だけ移動させてステップST24に進む。
【0076】
ステップST24で制御部43は、ズームレンズ211を広角側から望遠側に第2所定量だけ移動させてステップST25に進む。
【0077】
ステップST25で制御部43は、画像出力動作の切り替えを終了する。制御部43は、撮像部31あるいはデジタル信号処理部34の動作を制御して、例えば黒レベルや白レベル等の単一画像,所定パターンまたはフリーズさせた撮像画像をカメラスルー画に切り替えて、モニタ部35やEVF部36に出力する。
【0078】
このような処理を行うことで、ヒステリシス誤差の回避動作中は、所定の画像やフリーズされた撮像画像が表示されるので、画角変動が目立たないように画像出力制御を行うことができる。
【0079】
さらに、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させる。または、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0080】
例えば、プログラムは記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムはフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリカード等のリムーバブル記録媒体に、一時的または永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、所謂パッケージソフトウェアとして提供することができる。
【0081】
また、プログラムは、リムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトからLAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークを介して、コンピュータに無線または有線で転送してもよい。コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0082】
なお、本技術は、上述した技術の実施の形態に限定して解釈されるべきではない。この技術の実施の形態は、例示という形態で本技術を開示しており、本技術の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施の形態の修正や代用をなし得ることは自明である。すなわち、本技術の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
【0083】
なお、本技術の撮像装置は以下のような構成も取ることができる。
(1) ズームレンズとフォーカスレンズが用いられている撮像光学系と、
前記撮像光学系を駆動する光学系駆動部と、
動画の記録を行う第1の動作モードでは、前記ズームレンズの駆動方向に対してヒステリシスを有するズームレンズ位置の前記ヒステリシスによる影響を回避する回避動作を行わないようにして、前記第1の撮影モードと異なる第2の動作モードでは、所定のタイミングで前記光学系駆動部を制御して前記回避動作を行う制御部と
を有する撮像装置。
(2) 前記第2の動作モードは、静止画の記録を行う静止画モードまたは動画撮影中に静止画を撮影する動作モードである(1)に記載の撮像装置。
(3) 前記制御部は、第2の動作モードでは、前記第1の動作モードからモードが切り替えられたとき前記回避動作を行う(2)に記載の撮像装置。
(4) 前記制御部は、前記静止画の記録前に前記回避動作を行ってからフォーカス調整動作を行う(2)または(3)に記載の撮像装置。
(5) 前記第2の動作モードは、動画記録の待機状態である動作モードを含む(1)乃至(4)の何れかに記載の撮像装置。
(6) 前記制御部は、シーンチェンジ検出を行い、シーンチェンジを検出したとき前記回避動作を行う(1)乃至(5)の何れかに記載の撮像装置。
(7) 前記制御部は、前記ズームレンズが所望の位置となる第1の方向に対して逆方向にズームレンズを移動させるズーム操作が終了したときシーンチェンジを検出したと判別する(6)に記載の撮像装置。
(8) 撮像装置の動きを検出するセンサ部を備え、
前記制御部は、前記センサ部からのセンサ信号に基づきパンニング動作またはチルティング動作の終了を検出したときシーンチェンジを検出したと判別する(6)または(7)に記載の撮像装置。
(9) 前記制御部は、前記回避動作中は、予め設定されている画像の出力または撮像画像のフリーズを行う(1)乃至(8)の何れかに記載の撮像装置。
【産業上の利用可能性】
【0084】
この技術の撮像装置と撮像制御方法およびプログラムによれば、動画の記録を行う第1の動作モードでは、ズームレンズの駆動方向に対してヒステリシスを有するズームレンズ位置のヒステリシスによる影響を回避する回避動作が行わないようにされる。また第1の撮影モードと異なる第2の動作モードでは、ズームレンズとフォーカスレンズが用いられている撮像光学系を駆動する光学系駆動部を所定のタイミングで制御して回避動作が行われる。このため、動画記録中にズーム動作を行っても、ヒステリシスによる影響を回避する回避動作による画角変動を防止できる。また、第1の撮影モードと異なる第2の動作モードでは、回避動作が行われることからヒステリシスによる影響が回避されてズームレンズを所望の位置とすることができる。したがって、品位の良好なズーム動作を行うことが可能であり、静止画と動画を記録できる撮像装置に適している。
【符号の説明】
【0085】
10・・・撮像装置、21・・・撮像光学系、22・・・光学系駆動部、31・・・撮像部、32・・・アナログ信号処理部、33・・・A/D変換部、34・・・デジタル信号処理部、35・・・モニタ部、36・・・電子ビューファインダ(EVF)部、37・・・記録再生部、41・・・操作部、42・・・メモリ部、43・・・制御部、4545・・・センサ部、211・・・ズームレンズ、212・・・フォーカスレンズ、213・・・アイリス、221・・・ズームレンズ駆動部、2211・・・DCモータ、2212・・・駆動伝達部、2212a・・・ギヤボックス、2212b・・・駆動ギヤ、2213・・・レンズ送り機構部、2213a・・・カム環、2213b・・・直進部、222・・・フォーカスレンズ駆動部、223・・・アイリス駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ズームレンズとフォーカスレンズが用いられている撮像光学系と、
前記撮像光学系を駆動する光学系駆動部と、
動画の記録を行う第1の動作モードでは、前記ズームレンズの駆動方向に対してヒステリシスを有するズームレンズ位置の前記ヒステリシスによる影響を回避する回避動作を行わないようにして、前記第1の撮影モードと異なる第2の動作モードでは、所定のタイミングで前記光学系駆動部を制御して前記回避動作を行う制御部と
を有する撮像装置。
【請求項2】
前記第2の動作モードは、静止画の記録を行う動作モードまたは動画撮影中に静止画の記録を行う動作モードである
請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御部は、第2の動作モードでは、前記第1の動作モードからモードが切り替えられたとき前記回避動作を行う
請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記静止画の記録前に前記回避動作を行ってからフォーカス調整動作を行う
請求項2記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第2の動作モードは、動画記録の待機状態である動作モードである
請求項1記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御部は、シーンチェンジ検出を行い、シーンチェンジを検出したとき前記回避動作を行う
請求項1記載の撮像装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記ズームレンズが所望の位置となる第1の方向に対して逆方向にズームレンズを移動させるズーム操作が終了したときシーンチェンジを検出したと判別する
請求項6記載の撮像装置。
【請求項8】
撮像装置の動きを検出するセンサ部を備え、
前記制御部は、前記センサ部からのセンサ信号に基づきパンニング動作またはチルティング動作の終了を検出したときシーンチェンジを検出したと判別する
請求項6記載の撮像装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記回避動作中は、予め設定されている画像の出力または撮像画像のフリーズを行う
請求項1記載の撮像装置。
【請求項10】
動画の記録を行う第1の動作モードでは、ズームレンズとフォーカスレンズが用いられている撮像光学系において前記ズームレンズの駆動方向に対してヒステリシスを有するズームレンズ位置の前記ヒステリシスによる影響を回避する回避動作を行わないようにする工程と、
前記第1の撮影モードと異なる第2の動作モードでは、所定のタイミングで前記撮像光学系を駆動する光学系駆動部を制御して前記回避動作を行う工程と
を有する撮像制御方法。
【請求項11】
ズームレンズとフォーカスレンズが用いられている撮像光学系を駆動する光学系駆動部の制御をコンピュータで実行させるプログラムであって、
動画の記録を行う第1の動作モードでは、前記ズームレンズの駆動方向に対してヒステリシスを有するズームレンズ位置の前記ヒステリシスによる影響を回避する回避動作を行わないようにする手順と、
前記第1の撮影モードと異なる第2の動作モードでは、所定のタイミングで前記光学系駆動部を制御して前記回避動作を行う手順と
を前記コンピュータで実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−109034(P2013−109034A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251816(P2011−251816)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】