説明

撮像装置内蔵プロジェクタ

【課題】撮像装置内蔵プロジェクタの操作性を向上する。
【解決手段】プロジェクタ1は、投射部を収納した下ケース6と、この下ケース6上において水平方向に回動自在に配置されるとともに、撮影部を収納した上ケース8とを備え、下ケース6の外周面には、投射口を設け、上ケース8には撮影口4を設ける。また、下ケース6は上面が開口した円筒形とし、上ケース8は下面が開口した円筒形とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレゼンテーションやテレビ会議などに活用される撮像装置内蔵プロジェクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種撮像装置内蔵プロジェクタは、プレゼンテーションやテレビ会議などに活用されており、その構造は、以下のようになっていた。
すなわち、本体ケース内に投射部を収納させるとともに、この本体ケースには投射口を設け、また本体ケース外に、アーム形状の撮影部を設けていた(例えば下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−138972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来例において、テレビ会議を行うときには、本体ケース外に設けたアーム形状の撮影部を引き起こし、次に撮影部を発言者に向けることで、発言者の顔を撮影するようにしていた。
【0005】
しかしながら、アーム形状の撮影部を引き起こし、その後、発言者の発言のたびに、その発言者に撮影部を向ける作業は実際の会議では手間のかかるもので、操作性の向上が求められていた。
【0006】
そこで、本発明は、操作性の向上を図ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、この目的を達成するために本発明は、投射部を収納した下ケースと、この下ケース上において水平方向に回動自在に配置されるとともに、撮影部を収納した上ケースとを備え、前記下ケースの外周面には、投射口を設け、前記上ケースには撮影口を設け、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0008】
以上のごとく本発明は、投射部を収納した下ケースと、前記下ケース上において水平方向に回動自在に配置されるとともに、撮影部を収納した上ケースとを備え、前記下ケースの外周面には、投射口を設け、前記上ケースには撮影口を設けたものであるので、操作性の向上を図ることが出来る。
【0009】
すなわち、本発明においては、例えば、テレビ会議において発言者が変わると、上ケースを回動させるだけで、その発言者に撮影部を向けることが出来、極めて操作性の良いものになるのである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す撮像装置内蔵プロジェクタの上方からの斜視図
【図2】同撮像装置内蔵プロジェクタの正面図
【図3】同撮像装置内蔵プロジェクタの断面図
【図4】同撮像装置内蔵プロジェクタの下面図
【図5】同撮像装置内蔵プロジェクタの下方からの斜視図
【図6】同撮像装置内蔵プロジェクタの下ケースの上方からの斜視図
【図7】同撮像装置内蔵プロジェクタの下ケースの上面図
【図8】同撮像装置内蔵プロジェクタの下ケースの断面図
【図9】同撮像装置内蔵プロジェクタの下ケースの正面図
【図10】同撮像装置内蔵プロジェクタの上ケースと下ケースを切断した状態の斜視図
【図11】同撮像装置内蔵プロジェクタの下ケースの上方からの斜視図
【図12】同撮像装置内蔵プロジェクタの制御ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1において、本実施形態の撮像装置内蔵プロジェクタ1は、インターネット回線(図示せず)で接続した遠方の相手とテレビ会議を行っている状態を示している(相手方も撮像装置内蔵プロジェクタ1を使用中)。
【0013】
すなわち、相手方の映像は、図4に示す投射口2から図1に示すスクリーン3に投射され、またこちら側の映像は、撮影口4から撮影され、インターネット回線(図示せず)を介して相手方に送信され、相手方において投射口2から図1と同様にスクリーン3に投射されている。
【0014】
撮像装置内蔵プロジェクタ1は図2〜図4からも理解されるように、投射部5を収納した下ケース6と、この下ケース6上において水平方向に回動自在に配置されるとともに、撮影部7を収納した上ケース8によって構成されている。
【0015】
下ケース6は上面が開口した円筒形となっており、また、上ケース8は下面が開口した円筒形となっている。
【0016】
また、下ケース6の外周面は、下方よりも上方が拡径した円筒形となっており、このような形状の下ケース6の外周面に、投射口2を設け、この投射口2に対して投射部5が連結されている。
【0017】
さらに、上ケース8の外周面は、下方よりも上方が縮径した円筒形となっており、このような形状の上ケース8の外周面に、撮影口4を設け、この撮影口4に対して撮影部7が連結されている。
【0018】
また、下ケース6の外周面で、投射口2の近傍には、図5のごとく冷却風放出口9を設けており、さらに下ケース6の下面には、冷却取込口10と、スピーカ放音口11とを設けている。
【0019】
つまり、図4に示す投射部5の送風機12を駆動すると、冷却取込口10から冷却風が下ケース6の投射部5内に取り込まれ、この投射部5を冷却したことで温風となった風は、冷却風放出口9から下ケース6外に放出される。
【0020】
このとき、下ケース6外に放出される温風は、投射口2の近傍の冷却風放出口9から放出されるようにしているので、会議の参加者に不快感を与えることが少ない。
【0021】
すなわち、投射口2の近傍にTV会議の参加者が陣取ることはないので、その参加者に向けて温風が吹き付けられることがないのである。
【0022】
また、投射部5においては、図7、図11からも理解されるように、その上方に、冷却風放出口9へと温風を導く送風路13を形成している。なお、図7、図11は、送風路13の説明のために、図6に示す投射部5の上面カバー14を除いた状態を示したものである。
【0023】
次に、下ケース6上において水平方向に回動自在に配置されるとともに、撮影部7を収納した上ケース8について説明する。
【0024】
下ケース6の中心部分には、図7、図10に示すように回転軸15が立設され、この回転軸15はこの立設状態で水平方向に回転自在となっている。
【0025】
また、この回転軸15の上部には、図6〜図10に示すように、架台16が一体化されている。
【0026】
この架台16は、水平方向に配置された中央の固定部17が回転軸15の上部に一体化され、その両側の上方への立上面18に、撮影部7が角度調整つまみ19で角度調整自在な状態で取り付けたれている。
【0027】
また、上ケース8は図10のごとく、その上面下から下方に延長された固定片20を架台16の固定部17に固定することで、架台16に一体化されている。
【0028】
つまり、下ケース6の下面上に回転自在に配置された回転軸15に架台16を固定し、また、この架台16に撮影部7と上ケース8を一体化させることで、上ケース8を水平方向に回転させれば、撮影部7も一体となって回転することになるのである。
【0029】
つまり、図1で示したテレビ会議中において、相手方の映像を投射口2から図1に示すスクリーン3に投射した状態(つまり下ケース6は動かさない状態)で、こちら側の発言者が変わるときには、上ケース8を水平方向に回転させるだけで、その発言者に撮影口4、撮影部7を向けることが出来、極めて操作性の良いものとなる。
【0030】
また、このときのこちら側の発言者の声は、上ケース8の上面に設けた集音口21から図3に示すマイクロホン22に集音されるようになっているので、上ケース8が発言者によって順次回転しても、発言者の声を効果的に集音することが出来る。
【0031】
また、相手方の発言者の声は、下ケース6の下面下に設けたスピーカ放音口11から放出されるが、上述のごとく、上ケース8の上面に集音口21を設けているので、ハウリングの発生を抑制することが出来る。この点について、さらに説明すると、下ケース6の外周面は、上述のごとく、下方よりも上方が拡径した円筒形となっており、また上ケース8の外周面は、下方よりも上方が縮径した円筒形となっている。つまり異なる傾斜面としているので、その点からも下ケース6の下面下に設けたスピーカ放音口11から放出される音が、上ケース8の上面に設けた集音口21に回り込みにくく、これによって、ハウリングの発生を抑制する効果の高いものとなる。
【0032】
また、下ケース6の外周面に設けた冷却風放出口9からの送風音も、下ケース6の外周面と、上ケース8の外周面に上述した傾斜を設けることで、上ケース8の上面に設けた集音口21に回り込みにくく、これによって、音声のクリア度を阻害することも少なくなる。
【0033】
なお、本実施形態においては、下ケース6の下面で、投射口2近傍とその後方に投射調
整用の上下脚23を設けているので、その長さを調整することで、投射調整が行えるようになっている。
【0034】
また、下ケース6の外周面には、電源供給端子24を設けている。
【0035】
なお、図12は制御ブロック図を示しており、投射部5、撮影部7、送風機12、マイクロホン22、スピーカ放音口11の内側に配置したスピーカ25はいずれも制御部26に接続されている。
【0036】
また、制御部26にはインターネットを介してテレビ会議を行うためのI/F部27、電源供給端子24に繋がる電源部28が接続されている。
【0037】
以上のごとく、本実施形態においては、例えば、テレビ会議において発言者が変わると、上ケース8を回動させるだけで、その発言者に撮影部7を向けることが出来、極めて操作性の良いものになる。
【0038】
また、本実施形態の撮像装置内蔵プロジェクタ1は、投射部5を収納した下ケース6と、この下ケース6上において水平方向に回動自在に配置されるとともに、撮影部7を収納した上ケース8によって構成されているので、極めてコンパクトなものとなり、持ち運びも容易となる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
以上のごとく本発明は、投射部を収納した下ケースと、この下ケース上において水平方向に回動自在に配置されるとともに、撮影部を収納した上ケースとを備え、下ケースの外周面には、投射口を設け、上ケースには撮影口を設けたものであるので、操作性の向上を図ることが出来る。
【0040】
すなわち、本発明においては、例えば、テレビ会議において発言者が変わると、上ケースを回動させるだけで、その発言者に撮影部を向けることが出来、極めて操作性の良いものになるのである。
【0041】
したがって、プレゼンテーションやテレビ会議などに活用される撮像装置内蔵プロジェクタとしての活用が期待される。
【符号の説明】
【0042】
1 撮像装置内蔵プロジェクタ
2 投射口
3 スクリーン
4 撮影口
5 投射部
6 下ケース
7 撮影部
8 上ケース
9 冷却風放出口
10 冷却取込口
11 スピーカ放音口
12 送風機
13 送風路
14 上面カバー
15 回転軸
16 架台
17 固定部
18 立上面
19 角度調整つまみ
20 固定片
21 集音口
22 マイクロホン
23 上下脚
24 電源供給端子
25 スピーカ
26 制御部
27 I/F部
28 電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投射部を収納した下ケースと、前記下ケース上において水平方向に回動自在に配置されるとともに、撮影部を収納した上ケースとを備え、前記下ケースの外周面には投射口を設け、前記上ケースには撮影口を設けた撮像装置内蔵プロジェクタ。
【請求項2】
前記下ケースは上面が開口した円筒形とし、前記上ケースは下面が開口した円筒形とした請求項1に記載の撮像装置内蔵プロジェクタ。
【請求項3】
前記下ケースの外周面は、下方よりも上方が拡径した円筒形とし、前記上ケースの外周面は、下方よりも上方が縮径した円筒形とした請求項2に記載の撮像装置内蔵プロジェクタ。
【請求項4】
前記下ケースの外周面には、冷却風放出口を設け、前記上ケースの上面に集音口を設けた請求項3に記載の撮像装置内蔵プロジェクタ。
【請求項5】
前記下ケースの下面には、冷却取込口及びスピーカ放音口を設けた請求項4に記載の撮像装置内蔵プロジェクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−220704(P2012−220704A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86042(P2011−86042)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】