説明

撮像装置及びパノラマ画像データ生成方法

【課題】撮影間の装置移動量が既知ではないパノラマ撮影を行う場合に、低周波模様の被写体であっても自然なパノラマ画像データを得ることが可能な撮像装置を提供する。
【解決手段】パノラマ撮影機能を有する撮像装置であって、被写体の可視光画像を撮影する撮像素子2と、撮像素子2が撮影する前記被写体の赤外光画像を同時に撮影する撮像素子3と、撮像素子2で連続撮影して得られる複数の可視光撮像画像データを合成してパノラマ画像データを生成するデジタル信号処理部9とを備え、デジタル信号処理部9は、合成対象となる2つの前記可視光撮像画像データを得るための2回の撮影間の撮像装置100の移動量を、当該2回の撮影において撮像素子3で同時に得られた2つの赤外光撮像画像データを用いて算出し、当該算出した移動量に基づいて当該2つの可視光撮像画像データを合成する第一の合成処理を行う機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及びパノラマ画像データ生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パノラマ撮影機能を有するデジタルカメラが近年普及してきている。このようなデジタルカメラでは、例えば、ユーザがデジタルカメラを移動させながら複数回の撮影を行い、その複数回の撮影で得られた複数の撮影画像データ同士を連結することでパノラマ画像データを生成している(特許文献1参照)。
【0003】
ユーザがカメラを移動させながら行うパノラマ撮影時のパノラマ画像データの生成方法としては、ある撮影画像データにおける特徴点と、その次の撮影で得られた撮影画像データにおける特徴点との比較により、これら2つの撮影画像データを得た2回の撮影間のカメラの移動量を検出し、この移動量に基づいて、複数の撮影画像データ同士の連結を行う方法が知られている。
【0004】
このような方法は、撮影した被写体に特徴点が多く見つかる場合には有効であるが、特徴点を見つけにくい被写体、例えば空等の低周波模様を多く含む被写体を撮影した場合には、移動量を正確に算出することができず、撮影画像データの連結を精度良く行うことができない。
【0005】
特許文献1、2には、可視光撮影と赤外光撮影を行って、パノラマ画像を生成する装置が記載されているが、この装置はカメラの画角を機械的に変更するものであり、カメラの移動量が既知であるため、上述したような問題は発生しない。
【0006】
特許文献3には、パノラマ画像データを可視光撮影と赤外光撮影とで切り替えて行う装置が記載されているが、この装置もカメラの画角を機械的に変更するものであり、カメラの移動量が既知であるため、上述したような問題は発生しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−278384号公報
【特許文献2】特開2006−333132号公報
【特許文献3】特開2006−054790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、撮影間の装置移動量が既知ではないパノラマ撮影を行う場合に、低周波模様の被写体であっても自然なパノラマ画像データを得ることが可能な撮像装置及びパノラマ画像データ生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の撮像装置は、パノラマ撮影機能を有する撮像装置であって、被写体の可視光画像を撮影する第一の撮像部と、前記第一の撮像部が撮影する前記被写体の赤外光画像を同時に撮影する第二の撮像部と、前記第一の撮像部で連続撮影して得られる複数の可視光撮像画像データを合成してパノラマ画像データを生成するパノラマ画像データ生成部とを備え、前記パノラマ画像データ生成部は、合成対象となる2つの前記可視光撮像画像データを得るために行われた2回の撮影間の前記撮像装置の移動量を、当該2回の撮影において前記第二の撮像部で同時に得られた2つの赤外光撮像画像データを用いて算出し、当該算出した移動量に基づいて当該2つの可視光撮像画像データを合成する第一の合成処理を行う機能を有するものである。
【0010】
特許文献1〜3には、赤外光撮像画像データと可視光撮像画像データを得られる装置が開示されているが、これらの装置は、同一被写体(同一画角)の可視光画像と赤外光画像を同時に得られるものではない。また、可視光撮像画像データの合成に赤外光撮像画像データを利用するものでもない。したがって、撮像装置の移動量が変化するようなパノラマ撮影を行った場合には、低周波模様の被写体をパノラマ撮影した場合にパノラマ合成の精度を向上させることができない。これに対し、上記構成によれば、低周波模様の被写体であっても、赤外光撮像画像データを用いて撮像装置の移動量を精度良く算出することができる。このため、低周波模様の被写体を連続撮影して得られた複数の可視光撮像画像データであっても、この移動量を用いて、これらを高精度で合成することができる。この結果、撮像装置の移動量を検知するセンサ等を追加することなく、低コストかつコンパクトな構成で、自然なパノラマ画像データを得ることができる。
【0011】
本発明のパノラマ画像データ生成方法は、パノラマ撮影機能を有する撮像装置におけるパノラマ画像データ生成方法であって、被写体の可視光画像を撮影する第一の撮像部で連続撮影して得られる複数の可視光撮像画像データを合成してパノラマ画像データを生成するパノラマ画像データ生成ステップを備え、前記パノラマ画像データ生成ステップは、合成対象となる2つの前記可視光撮像画像データを得るために行われた2回の撮影間の前記撮像装置の移動量を、前記被写体の赤外光画像を前記第一の撮像部と同時に撮影する第二の撮像部で当該2回の撮影において同時に得られた2つの赤外光撮像画像データを用いて算出し、当該算出した移動量に基づいて当該2つの可視光撮像画像データを合成する第一の合成処理を行うステップを含むものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、撮影間の装置移動量が既知ではないパノラマ撮影を行う場合に、低周波模様の被写体であっても自然なパノラマ画像データを得ることが可能な撮像装置及びパノラマ画像データ生成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態を説明するためのパノラマ撮影機能を有する撮像装置の概略構成を示す図
【図2】図1に示した撮像装置100における撮像素子2で連続撮影して得られた合成対象となる2つの可視光撮像画像データを示す図
【図3】図2に示した2つの可視光撮像画像データを得るための撮影と同時に撮像素子3により得られた2つの赤外光撮像画像データを示す図
【図4】赤外光撮像画像データから抽出できる特徴点の数は、可視光撮像画像データから抽出できる特徴点の数よりも多くなる傾向にあることを説明した図
【図5】図1に示した撮像装置100のパノラマ撮影モード時の動作を説明するためのフローチャート
【図6】図5に示したフローチャートにおけるステップS8の詳細な手順を説明するためのフローチャート
【図7】赤外撮像画像データと可視光撮像画像データとで共通する特徴点を探す方法を説明するための図
【図8】図5に示したフローチャートにおけるステップS6の詳細な手順を説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態を説明するためのパノラマ撮影機能を有する撮像装置の概略構成を示す図である。
【0016】
図1に示す撮像装置100は、撮影レンズ系Lと、ビームスプリッタ1と、被写体の可視光画像を撮影する第一の撮像部として機能する可視光撮影用の撮像素子2と、撮像素子2が撮影する被写体(画角)と同じ被写体(同じ画角)の赤外光画像を撮像素子2と同時に撮影する第二の撮像部として機能する赤外光撮影用の撮像素子3と、CDS部4と、AMP部5と、A/D変換器6と、駆動部7と、AMPゲイン制御部8と、デジタル信号処理部9と、操作部10と、システム制御部(CPU)11と、記録装置(メモリ部)12と、表示部13とを備える。
【0017】
ビームスプリッタ1は、直角プリズム1a,1bと、多層膜1cと、樹脂1dとを備える。
【0018】
多層膜1cは、可視光(一般的には、波長400nm〜700nmの光)を透過し、赤外光(一般的には、波長780nm以上の光)を反射する膜であり、直角プリズム1aの斜面に貼り付けられている。この多層膜1cは、例えば特開昭62−187802号公報に記載されているものを用いることができる。
【0019】
直角プリズム1bの斜面と直角プリズム1aの斜面は樹脂1dを介して貼り合わされており、撮影レンズ系Lを通って直角プリズム1bに入射してきた被写体からの光のうち、可視光は多層膜1cをそのまま通過して直角プリズム1aから出射され、赤外光は多層膜1cで反射して90度方向が変わった後、直角プリズム1bから出射される。
【0020】
直角プリズム1aの光出射面の後方には撮像素子2が配置されている。撮像素子2は、被写体の可視光画像を撮影可能なものであり、異なる色の光を検出する複数種類の受光素子を有している。撮像素子2としては、例えば、シリコン基板内に形成された複数のフォトダイオードと、この複数のフォトダイオードの各々の上方に設けられたカラーフィルタとを有し、このカラーフィルタが全体としてベイヤ配列となっているものを用いることができる。
【0021】
直角プリズム1bの光出射面の後方には撮像素子3が配置されている。撮像素子3は、被写体の赤外光画像を撮影可能なものである。撮像素子3としては、例えば、シリコン基板内に形成された複数のフォトダイオードを有し、この複数のフォトダイオードの各々の上方に可視光カットフィルタを設けたものを用いることができる。
【0022】
このように、同一被写体からの光のうち、可視光成分については撮像素子2で撮影し、赤外光成分については撮像素子3で撮影することができるため、撮像素子2,3は同一被写体(同一画角)の可視光画像と赤外光画像を同時に撮影することができるものとなっている。
【0023】
CDS部4は、撮像素子2から出力された撮像信号と撮像素子3から出力された撮像信号に独立に相関二重サンプリング処理を行って、処理後の信号をAMP部5に出力する。
【0024】
AMP部5は、相関二重サンプリング処理後の信号を増幅してA/D変換器6に出力する。
【0025】
A/D変換器6は、増幅後の信号をデジタル信号に変換してデジタル信号処理部9に出力する。なお、CDS部4、AMP部5、及びA/D変換器6は、撮像素子2と撮像素子3とで別々に用意しておくことで、撮像素子2と撮像素子3から出力される撮像信号を並行して処理することができる。図1の例では、CDS部4、AMP部5、及びA/D変換器6を1組のみとし、信号に対する処理を撮像素子2と撮像素子3とで時分割して行っている。
【0026】
デジタル信号処理部9は、撮像素子2から出力されてデジタル信号に変換された撮像画像信号にデジタル信号処理を施して可視光撮像画像データ(1画素に赤青緑の3つの色成分を持つデータ)を生成し、撮像素子3から出力されてデジタル信号に変換された撮像画像信号にデジタル信号処理を施して赤外光撮像画像データ(1画素に赤外成分のみを持つデータ)を生成する。可視光撮像画像データは所謂カラー画像データであり、赤外光撮像画像データは所謂モノクロ画像データである。
【0027】
また、デジタル信号処理部9は、撮像素子2で複数回連続して撮影して得られる複数の可視光撮像画像データを合成してパノラマ画像データを生成するパノラマ画像データ生成処理も行う。この処理については後述する。
【0028】
システム制御部11は、撮像装置100全体を統括制御するものであり、駆動部7を介して撮像素子2,3の駆動制御を行ったり、AMPゲイン制御部8を介してAMP部5での信号の増幅率を制御したり、デジタル信号処理部9に対してパノラマ画像データの生成を指示したりする。
【0029】
システム制御部11にはシャッタボタン、モード切替ボタン等の各種操作部材からなる操作部10が接続されている。
【0030】
記録装置12は、デジタル信号処理部9で生成された可視光撮像画像データ、赤外光撮像画像データ、及びパノラマ画像データを記録する。
【0031】
表示部13は、デジタル信号処理部9で生成された可視光撮像画像データ、赤外光撮像画像データ、及びパノラマ画像データの各々に基づく画像を表示したり、撮像素子2で撮影中の被写体をライブビュー画像として表示したりするためのものである。
【0032】
この撮像装置100は、撮像素子2,3により複数回連続して撮影を行い、この連続撮影によって得られる複数の可視光撮像画像データを合成してパノラマ画像データを生成し、これを記憶装置12に記録するパノラマ撮影モードを有している。以下では、このパノラマ撮影モード時の撮像装置100の動作について説明する。
【0033】
操作部10に含まれるモード設定ボタンによりパノラマ撮影モードが設定された後、操作部10に含まれるシャッタボタンが押下されて撮影の指示がなされると、システム制御部11は、撮像素子2,3により撮影を開始する。ユーザがシャッタボタンを押下したままで撮像装置100を移動させていくと、この移動の間、撮像素子2,3により所定間隔で撮影が実施される。そして、シャッタボタンの押下が解除されると、システム制御部11は撮像素子2,3による撮影を終了する。
【0034】
デジタル信号処理部9は、パノラマ撮影モード時に行われる連続撮影中に可視光撮像画像データ及び赤外光撮像画像データを順次生成し、合成対象となる2つの可視光撮像画像データ(具体的には、時系列で隣り合う2つの可視光撮像画像データ)と、これらを得るための撮影で同時に得られる2つの赤外光撮像画像データとを生成した時点で、当該2つの可視光撮像画像データの合成処理を行う。
【0035】
図2は、図1に示した撮像装置100における撮像素子2で連続撮影して得られた合成対象となる2つの可視光撮像画像データを示す図である。図3は、図2に示した2つの可視光撮像画像データを得るための撮影と同時に撮像素子3により得られた2つの赤外光撮像画像データを示す図である。
【0036】
可視光撮像画像データ21と赤外光撮像画像データ31は、第一の被写体(第一の画角、第一の被写界)を撮像素子2,3で同時に撮影して得られたものであり、可視光撮像画像データ22と赤外光撮像画像データ32は、第一の被写体よりも水平方向右側にある第二の被写体(第二の画角、第二の被写界)を撮像素子2,3で同時に撮影して得られたものである。
【0037】
デジタル信号処理部9は、図2に示した可視光撮像画像データ21,22と図3に示した赤外光撮像画像データ31,32を生成した時点で、可視光撮像画像データ21,22を合成する合成処理を開始する。この合成処理には、可視光利用合成処理と赤外光利用合成処理が含まれる。
【0038】
可視光利用合成処理は、可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22から抽出される特徴点を利用して、可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22を合成する処理である。赤外光利用合成処理は、赤外光撮像画像データ31と赤外光撮像画像データ32から抽出される特徴点を利用して、可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22を合成する処理である。
【0039】
可視光利用合成処理では、デジタル信号処理部9は、可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22からそれぞれに共通する特徴点を抽出し、その特徴点同士の比較で、可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22を得た2回の撮影間の撮像装置100の水平方向の移動量(Iとする)を算出する。そして、この移動量Iに基づいて可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22を合成する。具体的には、可視光撮像画像データ21の左端部から水平方向右側に向かって移動量Iの位置を可視光撮像画像データ22との境界位置とし、この境界位置よりも水平方向右側にある可視光撮像画像データ21の領域に、可視光撮像画像データ22を重ね合わせて、可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22を合成する。
【0040】
赤外光利用合成処理では、デジタル信号処理部9は、赤外光撮像画像データ31と赤外光撮像画像データ32からそれぞれに共通する特徴点を抽出し、その特徴点同士の比較で、赤外光撮像画像データ31と赤外光撮像画像データ32を得た2回の撮影間の撮像装置100の水平方向の移動量(I’とする)を算出する。この移動量I’は、移動量Iとほぼ同じ値であるため、デジタル信号処理部9は、この移動量I’に基づいて可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22を合成する。具体的には、可視光撮像画像データ21の左端部から水平方向右側に向かって移動量I’の位置を可視光撮像画像データ22との境界位置とし、この境界位置よりも水平方向右側にある可視光撮像画像データ21の領域に、可視光撮像画像データ22を重ね合わせて、可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22を合成する。
【0041】
このように、可視光利用合成処理では、可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22の間の移動量Iを算出するために、双方から共通する特徴点を抽出する必要がある。しかし、図2に示した例のように、被写体として空等の低周波模様を多く含む場合には、可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22から共通する特徴点を抽出しにくくなる。この共通する特徴点が抽出できなかったり、抽出できた数が少なかったりすると、移動量Iの算出精度が低下するため、可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22の合成精度が低下してしまう。
【0042】
そこで、撮像装置100では、このような合成精度の低下を防ぐために、可視光利用合成処理だけでなく、赤外光利用合成処理も行う。
【0043】
赤外線は光の散乱が起こりにくいため、可視光撮影を行ったときと比較して空が暗くなり、かつ、水面等の反射による赤外線が減り、雲を明瞭に撮影することができる。つまり、遠景が霞まない撮像画像データを得ることができる。それ以外にも、人の肌や植物の葉が白く写る等、可視光撮影とは異なった画像を得ることが可能である。図3に示すように、撮像素子3で撮影して得られる赤外光撮像画像データによれば、可視光撮像画像データよりも空のコントラストが強調される。このため、図4に示すように、赤外光撮像画像データから抽出できる特徴点の数は、可視光撮像画像データから抽出できる特徴点の数よりも多くなる傾向にある。したがって、可視光利用合成処理では合成精度が低下するような被写体であっても、赤外光利用合成処理を行うことで、合成精度の低下を防ぐことができる。
【0044】
以下では、撮像装置100のパノラマ撮影モード時の動作をより具体的に説明する。
【0045】
図5は、図1に示した撮像装置100のパノラマ撮影モード時の動作を説明するためのフローチャートである。図5では、撮像装置100を用いて第一の位置で撮影を行い、その後、撮像装置100を水平方向に移動させて第二の位置で撮影を行い、この2回の撮影で得られる2つの可視光撮像画像データを合成してパノラマ画像データを生成するときの動作例を示している。2回の撮影で得られる撮像画像データとしては図2,3に示したものを援用して説明する。
【0046】
ユーザにより撮影指示がなされると、システム制御部11が駆動部7を介して撮像素子2,3により第一の位置で撮影を行う。この撮影が終了すると、デジタル信号処理部9が、撮像素子2,3から出力される撮像画像信号から可視光撮像画像データ21と赤外光撮像画像データ31を生成し、これを記録装置12内のワークメモリに一時記憶する(ステップS1)。
【0047】
次に、システム制御部11は、駆動部7を介して撮像素子2,3により第二の位置で撮影を行う。この撮影が終了すると、デジタル信号処理部9が、撮像素子2,3から出力される撮像画像信号から可視光撮像画像データ22と赤外光撮像画像データ32を生成し、これを記録装置12内のワークメモリに一時記憶する(ステップS2)。
【0048】
次に、デジタル信号処理部9は、可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22の各々の合成のりしろ部に対して特徴点抽出処理を実行する(ステップS3)。可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22で共通に抽出される特徴点は、可視光撮像画像データ21の右端部と可視光撮像画像データ22の左端部とに存在するため、当該右端部及び当該左端部を合成のりしろ部として特徴点抽出処理を行えば、移動量Iの算出は十分に可能となる。
【0049】
デジタル信号処理部9は、特徴点抽出処理の結果、可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22とで共通に抽出された特徴点の数aが第一の閾値(ここでは10とする)を越えていた場合(ステップS4:YES)、この場合は、移動量Iの算出を高精度に行うことができるため、ステップS5において可視光利用合成処理を行って、可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22を合成する。一方、特徴点の数aが第一の閾値以下であった場合(ステップS4:NO)、この場合は、移動量Iの算出精度が低下する可能性があるため、ステップS6の処理を行う。第一の閾値は、可視光利用合成処理で合成精度を十分に許容できなくなるときの特徴点数aの下限値である。
【0050】
ステップS6では、デジタル信号処理部9が撮影シーン判定を行う。詳細は後述するが、この撮影シーン判定では、ステップS1,S2のデータを得るために行った撮影における撮影シーンが、可視光利用合成処理において求まる移動量Iの算出精度が許容値以下となる第一の撮影シーン(例えば、特徴点が抽出しにくくなる低周波模様の風景シーン、夜景シーン等)なのか、可視光利用合成処理において求まる移動量Iの算出精度が当該許容値を越える第二の撮影シーン(例えば、特徴点が抽出しやすくなる高周波模様のシーン等)なのかを判定する。
【0051】
デジタル信号処理部9は、撮影シーン判定の結果、第一の撮影シーンであった場合(ステップS7:YES)にはステップS8の処理を実行し、第二の撮影シーンであった場合(ステップS7:NO)にはステップS5の処理を実行する。
【0052】
ステップS8では、デジタル信号処理部9が、可視光撮像画像データ21,22と赤外光撮像画像データ31,32の内容に基づいて、可視光利用合成処理と赤外光利用合成処理のいずれかを選択して実行して、可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22を合成する。
【0053】
図6は、図5に示したフローチャートにおけるステップS8の詳細な手順を説明するためのフローチャートである。
【0054】
まず、デジタル信号処理部9は、可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22の各々の合成のりしろ部に対し特徴点抽出処理を行い、可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22に共通する特徴点(以下、可視特徴点という)を抽出する(ステップS81)。ここで抽出した可視特徴点の数をn個とする。
【0055】
次に、デジタル信号処理部9は、赤外光撮像画像データ31と赤外光撮像画像データ32の各々の合成のりしろ部に対し特徴点抽出処理を行い、赤外光撮像画像データ31と赤外光撮像画像データ32に共通する特徴点(以下、赤外特徴点という)を抽出する(ステップS82)。ここで抽出した赤外特徴点の数をm個とする。
【0056】
次に、デジタル信号処理部9は、mとnが共に第二の閾値(ここでは3個とする)以下になっているか否かを判定する(ステップS83)。第二の閾値は、可視光撮像画像データの合成精度が全く許容できなくなるときのmとnの値である。mとnが共に第二の閾値以下になっていた場合(ステップS83:NO)、デジタル信号処理部9は、mとnの数が移動量Iと移動量I’のどちらを算出するにも少なすぎると判断し、撮影指示が継続されている場合は撮影を中断するようシステム制御部11に指示を出すと共に、パノラマ画像データの生成ができないことを警告する通知を行うようシステム制御部11に指示を出す。これらの指示により、撮影及びパノラマ合成処理は終了され、表示部13には、“パノラマ合成ができないため撮影を中止しました”といったメッセージが表示される(ステップS88)。
【0057】
ステップS83の判定の結果、mとnの一方又は両方が第二の閾値を越えていた場合(ステップS83:YES)、デジタル信号処理部9は、mとnを比較する(ステップS84)。
【0058】
デジタル信号処理部9は、ステップS84の比較の結果、m<n、又は、m=nであった場合(ステップS84:NO)はステップS5の処理を実行し、m>nであった場合(ステップS84:YES)はステップS85の処理を実行する。
【0059】
ステップS85では、デジタル信号処理部9が、m個の赤外特徴点とn個の可視特徴点とで共通する特徴点(同じ被写体部位に対応する特徴点)が存在するか否かを判定する。
【0060】
例えば、図7に示すように、可視光撮像画像データ21,22と赤外光撮像画像データ31,32に合成のりしろ部を設定して特徴点の抽出を行った結果、可視光撮像画像データ21,22で共通する可視特徴点は1つ(符号70)であり、赤外光撮像画像データ31,32で共通する赤外特徴点は2つ(符号71,72)であった場合を例にする。この場合、可視特徴点70の形状及び位置と、各赤外特徴点71,72の形状及び位置とを比較し、形状が同じで、かつ、画像データ上の位置が所定範囲内に入っている可視特徴点及び赤外特徴点があった場合は、m個の赤外特徴点とn個の可視特徴点とで共通する特徴点があると判定する。一方、形状が同じで、かつ、画像データ上の位置が所定範囲内に入っている可視特徴点及び赤外特徴点が1つもなかった場合は、m個の赤外特徴点とn個の可視特徴点とで共通する特徴点がないと判定する。図7の例では、可視特徴点70と赤外特徴点72が、形状が同じで、かつ、画像データ上の位置が所定範囲内に入っている可視特徴点及び赤外特徴点のペアとなっている。
【0061】
デジタル信号処理部9は、ステップS85の判定がNOの場合はステップS5の可視光利用合成処理を実行し、ステップS85の判定がYESの場合はステップS86の処理を実行する。ステップS85の判定がNOのときに可視光利用合成処理を行うのは、ステップ85の判定がNOでは、赤外光利用合成処理によって移動量I’を算出しても、この移動量I’が移動量Iとほぼ一致する保証がなくなるためである。
【0062】
ステップS86では、デジタル信号処理部9が、形状が同じで、かつ、画像データ上の位置が所定範囲内に入っている可視特徴点及び赤外特徴点のペアを1つ抽出し、この可視特徴点と赤外特徴点の位置のズレ量を算出する。そして、このズレ量に基づいて、この可視特徴点と赤外特徴点の位置が一致するように、赤外光撮像画像データ31,32の補正を行う(ステップS86)。具体的には、算出したズレ量を相殺するように赤外光撮像画像データ31,32の位置補正を行う。この位置補正には、アフィン変換、線形補間等の画像処理を用いる。
【0063】
ここで赤外光撮像画像データ31,32の位置補正を行うのは、可視光撮像画像データと赤外光撮像画像データとでは光条件の違いにより共通に抽出される特徴点の位置にずれが生じてしまい、赤外光利用合成処理を行った場合に、移動量I’と移動量Iとにずれが生じる可能性があるためである。
【0064】
ステップS86の後、デジタル信号処理部9は、ステップS82で抽出し、かつ、ステップS86で位置補正後の赤外特徴点に基づいて、赤外光撮像画像データ31と赤外光撮像画像データ32を得るために行われた2回の撮影間の撮像装置100の移動量I’を算出し、この移動量I’に基づいて可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22を合成し(ステップS87;赤外光利用合成処理)、ステップS8の一連の処理を終了する。
【0065】
図8は、図5に示したフローチャートにおけるステップS6の詳細な手順を説明するためのフローチャートである。
【0066】
撮影シーン判定を開始すると、デジタル信号処理部9は、可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22のいずれかを複数の領域に分割する(ステップS61)。
【0067】
次に、デジタル信号処理部9は、複数の分割領域の各々にFFT(Fast Fourier Transform;高速フーリエ変換)等を行い、各分割領域の周波数成分を算出し、更に、分割領域毎に周波数成分の平均値を算出する(ステップS62)。
【0068】
次に、デジタル信号処理部9は、注目する分割領域の周波数成分の平均値と、その分割領域の周辺にある分割領域(注目する分割領域の場所によって個数は異なり、最低3個、最大8個)の各々の周波数成分の平均値との差の平均値を求め、この平均値をその注目する分割領域の周波数変化量とする。デジタル信号処理部9は、この周波数変化量を全ての分割領域に対して算出する(ステップS63)。
【0069】
次に、デジタル信号処理部9は、各分割領域の色成分の平均値を算出する(ステップS64)。
【0070】
次に、デジタル信号処理部9は、注目する分割領域の色成分の平均値と、その分割領域の周辺にある分割領域の各々の色成分の平均値との差の平均値を算出し、これをその注目する分割領域の色成分変化量とする。デジタル信号処理部9は、この色成分変化量を全ての分割領域に対して算出する(ステップS65)。
【0071】
次に、デジタル信号処理部9は、各分割領域の周波数変化量及び色成分変化量に基づいて、可視光撮像画像データ21が低周波画像で色変化が少ないかどうかを判定する(ステップS66)。
【0072】
可視光撮像画像データ21が低周波画像で色変化が少なかった場合(ステップS66:YES)、デジタル信号処理部9は、撮影シーンが風景又は夜景等の第一の撮影シーンであると判定する(ステップS67)。
【0073】
可視光撮像画像データ21が高周波画像で色変化が少なかった場合、可視光撮像画像データ21が低周波画像で色変化が多かった場合、又は可視光撮像画像データ21が高周波画像で色変化が多かった場合(ステップS66:NO)、デジタル信号処理部9は、可視光撮像画像データ21の各画素の輝度の平均を算出し、この輝度が閾値以上か否かを判定する(ステップS68)
【0074】
輝度平均値が閾値以上であった場合(ステップS68:YES)、デジタル信号処理部9は、可視光利用合成処理でも移動量の算出精度が確保できると判断して、撮影シーンが第一の撮影シーンであると判定する(ステップS67)。一方、輝度平均値が閾値未満であった場合(ステップS68:NO)、デジタル信号処理部9は、可視光利用合成処理よりも赤外光利用合成処理の方が移動量の算出精度が高くなると判断して、撮影シーンを第二の撮影シーンであると判定する(ステップS69)。ステップS67,S69の処理後、撮影シーン判定が終了する。
【0075】
以上説明してきたように、撮像装置100によれば、可視光利用合成処理だけでなく、赤外光利用合成処理も行って可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22を合成することができる。このため、可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22だけでは抽出される特徴点の数が少なくなるような被写体であっても、赤外光利用合成処理によって可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22を高精度に合成することができる。この結果、被写体の内容に関わらず自然なパノラマ撮影を行うことができる。
【0076】
また、撮像装置100によれば、可視光撮像画像データだけで十分な特徴点が抽出できた場合(図5のステップS4:YES)には、ステップS6〜ステップS8を行うことなく、可視光利用合成処理によって可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22を合成するため、常に赤外光利用合成処理を行うときと比べて、デジタル信号処理部9による演算量を大幅に減らすことができ、消費電力を抑えることができる。
【0077】
また、撮像装置100によれば、撮影シーンが、人物や建物を含むシーン等のように赤外光利用合成処理でなくとも合成精度を確保できるシーンのときには、可視光利用合成処理が行われるため、常に赤外光利用合成処理を行うときと比べて、デジタル信号処理部9による演算量を大幅に減らすことができ、消費電力を抑えることができる。
【0078】
また、撮像装置100によれば、赤外光利用合成処理が有効であると判定した場合(ステップS7:YES)でも、可視光撮像画像データの特徴点抽出結果と赤外光撮像画像データの特徴点抽出結果に基づいて、合成精度が最も高くなる合成処理を選択して実行しているため、赤外光利用合成処理を行った結果、合成精度が低下してしまったという事態を防ぐことができ、被写体に合わせた最適なパノラマ画像データを生成することが可能となる。
【0079】
また、撮像装置100によれば、特徴点数mと特徴点数nのいずれもが第一の閾値以下のときには、パノラマ画像データ生成処理を終了することができる。このため、失敗したパノラマ画像データが記録されてしまうのを未然に防ぐことができ、メモリ容量の削減に繋がると共に、合成のための無駄な演算を行わないことによる消費電力の削減を図ることができる。
【0080】
また、撮像装置100によれば、同一被写体部位に対応する赤外特徴点及び可視特徴点の位置ずれを補正してから、赤外光利用合成処理を行っているため、可視光撮像画像データと赤外光撮像画像データの相関性を高めて、合成精度を更に向上させることができる。
【0081】
なお、撮像装置100では、撮影した被写体の内容に関わらず、赤外光利用合成処理を常に行ってパノラマ画像データを生成してもよい。ただし、赤外特徴点の数が第二の閾値以下のときは、赤外光利用合成処理を行っても合成がうまくいかないため、この場合にはステップS88の処理を行うことが好ましい。
【0082】
また、図5においてステップS3,S4,S6,S7を省略し、ステップS2の後にステップS8の処理を直接行うようにしてもよい。また、図5におけるステップS6,7の処理は省略し、ステップS4:NOの後にステップS8を行うようにしてもよい。また、図5のステップS7:YESの後は、ステップS8を行うことなく、赤外光利用合成処理を行ってもよい。
【0083】
また、図6におけるステップS85、ステップS86を省略し、ステップS84:YESの後はステップS87を行うようにしてもよい。可視特徴点と赤外特徴点で同じ被写体部位に対応するものがなくても、m>nの場合は、赤外光利用合成処理を行えば、可視光利用合成処理を行う場合と比較して、可視光撮像画像データの合成精度を向上させることができる可能性があるからである。
【0084】
また、図5のステップS3、図6のステップS81では、可視光撮像画像データを色成分毎に分離し、各色成分毎に特徴点の抽出を行ってもよい。例えば、可視光撮像画像データを赤色成分の画像データと、緑色成分の画像データと、青色成分の画像データとに分離し、それぞれの画像データから特徴点を抽出する。そして、抽出した特徴点の数が最も多い色成分の画像データから抽出した特徴点を、特徴点抽出処理の結果とする。
【0085】
図5のステップS3で色成分毎に特徴点を抽出した場合は、ステップS4で第一の閾値と比較する特徴点数aを、最も特徴点が多かった色成分の画像データから抽出された特徴点の数とし、ステップS5では、当該最も多かった特徴点に基づいて移動量Iを算出し、この移動量Iに基づいて可視光撮像画像データ21と可視光撮像画像データ22の合成を行う。
【0086】
また、図6のステップS81で色成分毎に特徴点を抽出した場合は、nの数を、最も特徴点が多かった色成分の画像データから抽出された特徴点の数とする。また、ステップS85で、形状が同じでありかつ位置が所定範囲内にある赤外特徴点と可視特徴点を探す際には、最も特徴点が多かった色成分の画像データから抽出された可視特徴点を対象として、形状が同じでありかつ位置が所定範囲内にある赤外特徴点と可視特徴点があるかどうかを判定する。
【0087】
このように、特徴点が最も多い色成分の画像データから抽出した特徴点を、ステップS4、ステップS83、ステップS84、ステップS85の判定に用いることで、これらの判定精度を向上させることができる。
【0088】
なお、撮像装置100は、撮像素子2と撮像素子3の2種類の撮像素子を用いて、同一被写体の可視光画像と赤外光画像を同時に得られるものとしているが、このような撮影を、1種類の撮像素子で実現することも可能である。例えば、特開2008−85159号公報に記載されている撮像素子を用いることで、同一被写体の可視光画像と赤外光画像を同時に得ることができる。特開2008−85159号公報に記載されている撮像素子においては、半導体基板内に配列形成されたフォトダイオードが第一の撮像部として機能し、半導体基板上方に配列形成される基板上光電変換部が第二の撮像部として機能する。
【0089】
以上のように、本明細書には次の事項が開示されている。
【0090】
開示された撮像装置は、パノラマ撮影機能を有する撮像装置であって、被写体の可視光画像を撮影する第一の撮像部と、前記第一の撮像部が撮影する前記被写体の赤外光画像を同時に撮影する第二の撮像部と、前記第一の撮像部で連続撮影して得られる複数の可視光撮像画像データを合成してパノラマ画像データを生成するパノラマ画像データ生成部とを備え、前記パノラマ画像データ生成部は、合成対象となる2つの前記可視光撮像画像データを得るために行われた2回の撮影間の前記撮像装置の移動量を、当該2回の撮影において前記第二の撮像部で同時に得られた2つの赤外光撮像画像データを用いて算出し、当該算出した移動量に基づいて当該2つの可視光撮像画像データを合成する第一の合成処理を行う機能を有するものである。
【0091】
特許文献1〜3には、赤外光撮像画像データと可視光撮像画像データを得られる装置が開示されているが、これらの装置は、同一被写体(同一画角)の可視光画像と赤外光画像を同時に得られるものではない。また、可視光撮像画像データの合成に赤外光撮像画像データを利用するものでもない。したがって、撮像装置の移動量が変化するようなパノラマ撮影を行った場合には、低周波模様の被写体をパノラマ撮影した場合にパノラマ合成の精度を向上させることができない。これに対し、上記構成によれば、低周波模様の被写体であっても、赤外光撮像画像データを用いて撮像装置の移動量を精度良く算出することができる。このため、低周波模様の被写体を連続撮影して得られた複数の可視光撮像画像データであっても、この移動量を用いて、これらを高精度で合成することができる。この結果、撮像装置の移動量を検知するセンサ等を追加することなく、低コストかつコンパクトな構成で、自然なパノラマ画像データを得ることができる。
【0092】
開示された撮像装置は、前記パノラマ画像データ生成部が、前記2回の撮影間の前記撮像装置の移動量を前記2つの可視光撮像画像データから抽出した特徴点を用いて算出し、当該算出した移動量に基づいて当該2つの可視光撮像画像データを合成する第二の合成処理を行う機能を有し、前記第一の合成処理と前記第二の合成処理を切り替えて行うものである。
【0093】
開示された撮像装置は、前記パノラマ画像データ生成部が、前記2つの可視光撮像画像データから特徴点を抽出する第一の特徴点抽出処理及び前記2つの赤外光撮像画像データから特徴点を抽出する第二の特徴点抽出処理を行う機能を有し、前記第一の特徴点抽出処理と前記第二の特徴点抽出処理の結果に応じて、前記第一の合成処理及び前記第二の合成処理のいずれかを選択して行うものである。
【0094】
開示された撮像装置は、前記パノラマ画像データ生成部が、前記第一の特徴点抽出処理と前記第二の特徴点抽出処理の結果、前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数と前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数のいずれか又は両方が第一の閾値を越えている場合において、前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数が前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数よりも多い場合には前記第一の合成処理を行い、前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数が前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数以下の場合には前記第二の合成処理を行うものである。
【0095】
開示された撮像装置は、前記パノラマ画像データ生成部が、前記第一の特徴点抽出処理と前記第二の特徴点抽出処理の結果、前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数と前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数がいずれも前記第一の閾値以下であった場合には、前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数と前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数に関わらず、前記第一の合成処理及び前記第二の合成処理を行わずに前記パノラマ画像データの生成を終了するものである。
【0096】
開示された撮像装置は、前記パノラマ画像データ生成部が、前記第一の特徴点抽出処理と前記第二の特徴点抽出処理の結果、前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数と前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数のいずれか又は両方が前記第一の閾値を越えており、かつ、前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数が前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数よりも多い場合において、前記可視光撮像画像データと前記赤外光撮像画像データとで共通に抽出された特徴点がある場合には前記第一の合成処理を行い、前記可視光撮像画像データと前記赤外光撮像画像データとで共通に抽出された特徴点がない場合には前記第二の合成処理を行うものである。
【0097】
開示された撮像装置は、前記パノラマ画像データ生成部が、前記2つの可視光撮像画像データのいずれかに基づいて撮影シーンを判定するシーン判定処理を行う機能を有し、前記シーン判定処理の結果、前記撮影シーンが、前記第二の合成処理において求まる前記移動量の精度が所定値以下となる第一の撮影シーンであった場合に、前記第一の特徴点抽出処理と前記第二の特徴点抽出処理の結果に応じて、前記第一の合成処理及び前記第二の合成処理のいずれかを選択して行い、前記撮影シーンが、前記第二の合成処理において求まる前記移動量の精度が前記所定値を越える第二の撮影シーンであった場合に前記第二の合成処理を行うものである。
【0098】
開示された撮像装置は、前記シーン判定処理が、前記可視光撮像画像データを分割して得られる各分割領域の周波数及び色の変化、及び、当該可視光撮像画像データの輝度に応じて前記撮影シーンを判定する処理であるものである。
【0099】
開示された撮像装置は、前記パノラマ画像データ生成部が、前記2つの可視光撮像画像データから共通して抽出される特徴点の数が第二の閾値を越えていた場合には前記シーン判定処理を行わずに前記第二の合成処理を行い、当該特徴点の数が前記第二の閾値以下であった場合には前記シーン判定処理を行って前記第一の合成処理又は前記第二の合成処理を行うものである。
【0100】
開示された撮像装置は、前記第一の合成処理では、前記2つの可視光撮像画像データの各々と、当該各々の可視光撮像画像データを得るために行われた撮影で前記第二の撮像部で同時に得られた前記赤外光撮像画像データとで共通に含まれる特徴点の位置が一致するよう前記2つの赤外光撮像画像データを補正した上で、前記移動量を算出するものである。
【0101】
開示された撮像装置は、前記第一の特徴点抽出処理が、前記2つの可視光撮像画像データの各々を色成分毎に分離して特徴点を抽出する処理であり、抽出した特徴点が最も多い色成分から抽出した特徴点を、前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点とするものである。
【0102】
開示されたパノラマ画像データ生成方法は、パノラマ撮影機能を有する撮像装置におけるパノラマ画像データ生成方法であって、被写体の可視光画像を撮影する第一の撮像部で連続撮影して得られる複数の可視光撮像画像データを合成してパノラマ画像データを生成するパノラマ画像データ生成ステップを備え、前記パノラマ画像データ生成ステップは、合成対象となる2つの前記可視光撮像画像データを得るために行われた2回の撮影間の前記撮像装置の移動量を、前記被写体の赤外光画像を前記第一の撮像部と同時に撮影する第二の撮像部で当該2回の撮影において同時に得られた2つの赤外光撮像画像データを用いて算出し、当該算出した移動量に基づいて当該2つの可視光撮像画像データを合成する第一の合成処理を行うステップを含むものである。
【0103】
開示されたパノラマ画像データ生成方法は、前記パノラマ画像データ生成ステップが、前記2回の撮影間の前記撮像装置の移動量を前記2つの可視光撮像画像データから抽出した特徴点を用いて算出し、当該算出した移動量に基づいて当該2つの可視光撮像画像データを合成する第二の合成処理を行うステップを含み、前記パノラマ画像データ生成ステップでは、前記第一の合成処理と前記第二の合成処理を切り替えて行うものである。
【0104】
開示されたパノラマ画像データ生成方法は、前記パノラマ画像データ生成ステップが、前記2つの可視光撮像画像データから特徴点を抽出する第一の特徴点抽出処理及び前記2つの赤外光撮像画像データから特徴点を抽出する第二の特徴点抽出処理を行うステップを含み、前記パノラマ画像データ生成ステップでは、前記第一の特徴点抽出処理と前記第二の特徴点抽出処理の結果に応じて、前記第一の合成処理及び前記第二の合成処理のいずれかを選択して行うものである。
【0105】
開示されたパノラマ画像データ生成方法は、前記パノラマ画像データ生成ステップでは、前記第一の特徴点抽出処理と前記第二の特徴点抽出処理の結果、前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数と前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数のいずれか又は両方が第一の閾値を越えている場合において、前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数が前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数よりも多い場合には前記第一の合成処理を行い、前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数が前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数以下の場合には前記第二の合成処理を行うものである。
【0106】
開示されたパノラマ画像データ生成方法は、前記パノラマ画像データ生成ステップでは、前記第一の特徴点抽出処理と前記第二の特徴点抽出処理の結果、前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数と前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数がいずれも前記第一の閾値以下であった場合には、前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数と前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数に関わらず、前記第一の合成処理及び前記第二の合成処理を行わずに前記パノラマ画像データの生成を終了するものである。
【0107】
開示されたパノラマ画像データ生成方法は、前記パノラマ画像データ生成ステップでは、前記第一の特徴点抽出処理と前記第二の特徴点抽出処理の結果、前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数と前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数がいずれも前記第一の閾値を越えており、かつ、前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数が前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数よりも多い場合において、前記可視光撮像画像データと前記赤外光撮像画像データとで共通に抽出された特徴点がある場合には前記第一の合成処理を行い、前記可視光撮像画像データと前記赤外光撮像画像データとで共通に抽出された特徴点がない場合には前記第二の合成処理を行うものである。
【0108】
開示されたパノラマ画像データ生成方法は、前記パノラマ画像データ生成ステップが、前記2つの可視光撮像画像データのいずれかに基づいて撮影シーンを判定するシーン判定処理を行うステップを含み、前記パノラマ画像データ生成ステップでは、前記シーン判定処理の結果、前記撮影シーンが、前記第二の合成処理において求まる前記移動量の精度が所定値以下となる第一の撮影シーンであった場合に、前記第一の特徴点抽出処理と前記第二の特徴点抽出処理の結果に応じて、前記第一の合成処理及び前記第二の合成処理のいずれかを選択して行い、前記撮影シーンが、前記第二の合成処理において求まる前記移動量の精度が前記所定値を越える第二の撮影シーンであった場合に前記第二の合成処理を行うものである。
【0109】
開示されたパノラマ画像データ生成方法は、前記シーン判定処理が、前記可視光撮像画像データを分割して得られる各分割領域の周波数及び色の変化、及び、当該可視光撮像画像データの輝度に応じて前記撮影シーンを判定する処理であるものである。
【0110】
開示されたパノラマ画像データ生成方法は、前記パノラマ画像データ生成ステップでは、前記2つの可視光撮像画像データから共通して抽出される特徴点の数が第二の閾値を越えていた場合には前記シーン判定処理を行わずに前記第二の合成処理を行い、当該特徴点の数が前記第二の閾値以下であった場合には前記シーン判定処理を行って前記第一の合成処理又は前記第二の合成処理を行うものである。
【0111】
開示されたパノラマ画像データ生成方法は、前記第一の合成処理では、前記2つの可視光撮像画像データの各々と、当該各々の可視光撮像画像データを得るために行われた撮影で前記第二の撮像部で同時に得られた前記赤外光撮像画像データとで共通に含まれる特徴点の位置が一致するよう前記2つの赤外光撮像画像データを補正した上で、前記移動量を算出するものである。
【0112】
開示されたパノラマ画像データ生成方法は、前記第一の特徴点抽出処理が、前記2つの可視光撮像画像データの各々を色成分毎に分離して特徴点を抽出する処理であり、抽出した特徴点が最も多い色成分から抽出した特徴点を、前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点とするものである。
【符号の説明】
【0113】
100 撮像装置
1 ビームスプリッタ
2 可視光画像撮影用の撮像素子
3 赤外光画像撮影用の撮像素子
9 デジタル信号処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パノラマ撮影機能を有する撮像装置であって、
被写体の可視光画像を撮影する第一の撮像部と、
前記第一の撮像部が撮影する前記被写体の赤外光画像を同時に撮影する第二の撮像部と、
前記第一の撮像部で連続撮影して得られる複数の可視光撮像画像データを合成してパノラマ画像データを生成するパノラマ画像データ生成部とを備え、
前記パノラマ画像データ生成部は、合成対象となる2つの前記可視光撮像画像データを得るために行われた2回の撮影間の前記撮像装置の移動量を、当該2回の撮影において前記第二の撮像部で同時に得られた2つの赤外光撮像画像データを用いて算出し、当該算出した移動量に基づいて当該2つの可視光撮像画像データを合成する第一の合成処理を行う機能を有する撮像装置。
【請求項2】
請求項1記載の撮像装置であって、
前記パノラマ画像データ生成部が、前記2回の撮影間の前記撮像装置の移動量を前記2つの可視光撮像画像データから抽出した特徴点を用いて算出し、当該算出した移動量に基づいて当該2つの可視光撮像画像データを合成する第二の合成処理を行う機能を有し、前記第一の合成処理と前記第二の合成処理を切り替えて行う撮像装置。
【請求項3】
請求項2記載の撮像装置であって、
前記パノラマ画像データ生成部が、前記2つの可視光撮像画像データから特徴点を抽出する第一の特徴点抽出処理及び前記2つの赤外光撮像画像データから特徴点を抽出する第二の特徴点抽出処理を行う機能を有し、前記第一の特徴点抽出処理と前記第二の特徴点抽出処理の結果に応じて、前記第一の合成処理及び前記第二の合成処理のいずれかを選択して行う撮像装置。
【請求項4】
請求項3記載の撮像装置であって、
前記パノラマ画像データ生成部が、前記第一の特徴点抽出処理と前記第二の特徴点抽出処理の結果、前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数と前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数のいずれか又は両方が第一の閾値を越えている場合において、前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数が前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数よりも多い場合には前記第一の合成処理を行い、前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数が前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数以下の場合には前記第二の合成処理を行う撮像装置。
【請求項5】
請求項4記載の撮像装置であって、
前記パノラマ画像データ生成部が、前記第一の特徴点抽出処理と前記第二の特徴点抽出処理の結果、前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数と前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数がいずれも前記第一の閾値以下であった場合には、前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数と前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数に関わらず、前記第一の合成処理及び前記第二の合成処理を行わずに前記パノラマ画像データの生成を終了する撮像装置。
【請求項6】
請求項4又は5記載の撮像装置であって、
前記パノラマ画像データ生成部が、前記第一の特徴点抽出処理と前記第二の特徴点抽出処理の結果、前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数と前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数のいずれか又は両方が前記第一の閾値を越えており、かつ、前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数が前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数よりも多い場合において、前記可視光撮像画像データと前記赤外光撮像画像データとで共通に抽出された特徴点がある場合には前記第一の合成処理を行い、前記可視光撮像画像データと前記赤外光撮像画像データとで共通に抽出された特徴点がない場合には前記第二の合成処理を行う撮像装置。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれか1項記載の撮像装置であって、
前記パノラマ画像データ生成部が、前記2つの可視光撮像画像データのいずれかに基づいて撮影シーンを判定するシーン判定処理を行う機能を有し、前記シーン判定処理の結果、前記撮影シーンが、前記第二の合成処理において求まる前記移動量の精度が所定値以下となる第一の撮影シーンであった場合に、前記第一の特徴点抽出処理と前記第二の特徴点抽出処理の結果に応じて、前記第一の合成処理及び前記第二の合成処理のいずれかを選択して行い、前記撮影シーンが、前記第二の合成処理において求まる前記移動量の精度が前記所定値を越える第二の撮影シーンであった場合に前記第二の合成処理を行う撮像装置。
【請求項8】
請求項7記載の撮像装置であって、
前記シーン判定処理が、前記可視光撮像画像データを分割して得られる各分割領域の周波数及び色の変化、及び、当該可視光撮像画像データの輝度に応じて前記撮影シーンを判定する処理である撮像装置。
【請求項9】
請求項7又は8記載の撮像装置であって、
前記パノラマ画像データ生成部が、前記2つの可視光撮像画像データから共通して抽出される特徴点の数が第二の閾値を越えていた場合には前記シーン判定処理を行わずに前記第二の合成処理を行い、当該特徴点の数が前記第二の閾値以下であった場合には前記シーン判定処理を行って前記第一の合成処理又は前記第二の合成処理を行う撮像装置。
【請求項10】
請求項3〜9のいずれか1項記載の撮像装置であって、
前記第一の合成処理では、前記2つの可視光撮像画像データの各々と、当該各々の可視光撮像画像データを得るために行われた撮影で前記第二の撮像部で同時に得られた前記赤外光撮像画像データとで共通に含まれる特徴点の位置が一致するよう前記2つの赤外光撮像画像データを補正した上で、前記移動量を算出する撮像装置。
【請求項11】
請求項3〜10のいずれか1項記載の撮像装置であって、
前記第一の特徴点抽出処理が、前記2つの可視光撮像画像データの各々を色成分毎に分離して特徴点を抽出する処理であり、
抽出した特徴点が最も多い色成分から抽出した特徴点を、前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点とする撮像装置。
【請求項12】
パノラマ撮影機能を有する撮像装置におけるパノラマ画像データ生成方法であって、
被写体の可視光画像を撮影する第一の撮像部で連続撮影して得られる複数の可視光撮像画像データを合成してパノラマ画像データを生成するパノラマ画像データ生成ステップを備え、
前記パノラマ画像データ生成ステップは、合成対象となる2つの前記可視光撮像画像データを得るために行われた2回の撮影間の前記撮像装置の移動量を、前記被写体の赤外光画像を前記第一の撮像部と同時に撮影する第二の撮像部で当該2回の撮影において同時に得られた2つの赤外光撮像画像データを用いて算出し、当該算出した移動量に基づいて当該2つの可視光撮像画像データを合成する第一の合成処理を行うステップを含むパノラマ画像データ生成方法。
【請求項13】
請求項12記載のパノラマ画像データ生成方法であって、
前記パノラマ画像データ生成ステップが、前記2回の撮影間の前記撮像装置の移動量を前記2つの可視光撮像画像データから抽出した特徴点を用いて算出し、当該算出した移動量に基づいて当該2つの可視光撮像画像データを合成する第二の合成処理を行うステップを含み、
前記パノラマ画像データ生成ステップでは、前記第一の合成処理と前記第二の合成処理を切り替えて行うパノラマ画像データ生成方法。
【請求項14】
請求項13記載のパノラマ画像データ生成方法であって、
前記パノラマ画像データ生成ステップが、前記2つの可視光撮像画像データから特徴点を抽出する第一の特徴点抽出処理及び前記2つの赤外光撮像画像データから特徴点を抽出する第二の特徴点抽出処理を行うステップを含み、
前記パノラマ画像データ生成ステップでは、前記第一の特徴点抽出処理と前記第二の特徴点抽出処理の結果に応じて、前記第一の合成処理及び前記第二の合成処理のいずれかを選択して行うパノラマ画像データ生成方法。
【請求項15】
請求項14記載のパノラマ画像データ生成方法であって、
前記パノラマ画像データ生成ステップでは、前記第一の特徴点抽出処理と前記第二の特徴点抽出処理の結果、前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数と前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数のいずれか又は両方が第一の閾値を越えている場合において、前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数が前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数よりも多い場合には前記第一の合成処理を行い、前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数が前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数以下の場合には前記第二の合成処理を行うパノラマ画像データ生成方法。
【請求項16】
請求項15記載のパノラマ画像データ生成方法であって、
前記パノラマ画像データ生成ステップでは、前記第一の特徴点抽出処理と前記第二の特徴点抽出処理の結果、前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数と前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数がいずれも前記第一の閾値以下であった場合には、前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数と前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数に関わらず、前記第一の合成処理及び前記第二の合成処理を行わずに前記パノラマ画像データの生成を終了するパノラマ画像データ生成方法。
【請求項17】
請求項15又は16記載のパノラマ画像データ生成方法であって、
前記パノラマ画像データ生成ステップでは、前記第一の特徴点抽出処理と前記第二の特徴点抽出処理の結果、前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数と前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数がいずれも前記第一の閾値を越えており、かつ、前記第二の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数が前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点の数よりも多い場合において、前記可視光撮像画像データと前記赤外光撮像画像データとで共通に抽出された特徴点がある場合には前記第一の合成処理を行い、前記可視光撮像画像データと前記赤外光撮像画像データとで共通に抽出された特徴点がない場合には前記第二の合成処理を行うパノラマ画像データ生成方法。
【請求項18】
請求項14〜17のいずれか1項記載のパノラマ画像データ生成方法であって、
前記パノラマ画像データ生成ステップが、前記2つの可視光撮像画像データのいずれかに基づいて撮影シーンを判定するシーン判定処理を行うステップを含み、
前記パノラマ画像データ生成ステップでは、前記シーン判定処理の結果、前記撮影シーンが、前記第二の合成処理において求まる前記移動量の精度が所定値以下となる第一の撮影シーンであった場合に、前記第一の特徴点抽出処理と前記第二の特徴点抽出処理の結果に応じて、前記第一の合成処理及び前記第二の合成処理のいずれかを選択して行い、前記撮影シーンが、前記第二の合成処理において求まる前記移動量の精度が前記所定値を越える第二の撮影シーンであった場合に前記第二の合成処理を行うパノラマ画像データ生成方法。
【請求項19】
請求項18記載のパノラマ画像データ生成方法であって、
前記シーン判定処理が、前記可視光撮像画像データを分割して得られる各分割領域の周波数及び色の変化、及び、当該可視光撮像画像データの輝度に応じて前記撮影シーンを判定する処理であるパノラマ画像データ生成方法。
【請求項20】
請求項18又は19記載のパノラマ画像データ生成方法であって、
前記パノラマ画像データ生成ステップでは、前記2つの可視光撮像画像データから共通して抽出される特徴点の数が第二の閾値を越えていた場合には前記シーン判定処理を行わずに前記第二の合成処理を行い、当該特徴点の数が前記第二の閾値以下であった場合には前記シーン判定処理を行って前記第一の合成処理又は前記第二の合成処理を行うパノラマ画像データ生成方法。
【請求項21】
請求項14〜20のいずれか1項記載のパノラマ画像データ生成方法であって、
前記第一の合成処理では、前記2つの可視光撮像画像データの各々と、当該各々の可視光撮像画像データを得るために行われた撮影で前記第二の撮像部で同時に得られた前記赤外光撮像画像データとで共通に含まれる特徴点の位置が一致するよう前記2つの赤外光撮像画像データを補正した上で、前記移動量を算出するパノラマ画像データ生成方法。
【請求項22】
請求項14〜21のいずれか1項記載のパノラマ画像データ生成方法であって、
前記第一の特徴点抽出処理が、前記2つの可視光撮像画像データの各々を色成分毎に分離して特徴点を抽出する処理であり、
抽出した特徴点が最も多い色成分から抽出した特徴点を、前記第一の特徴点抽出処理で抽出された特徴点とするパノラマ画像データ生成方法。

【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−44339(P2012−44339A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181983(P2010−181983)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】