説明

撮像装置及び撮像方法

【課題】消費電力を低減しつつ、撮影に要する時間を短縮すること。
【解決手段】撮像光学系を介して得られる被写体の像を光電変換し、第1画像データを取得する第1撮像手段と、撮像光学系とは異なる光学系を介して得られる被写体の像を光電変換し、第2画像データを取得する第2撮像手段と、撮像のための制御を行う撮像制御手段と、通常モードと、該通常モードよりも消費電力が低く、且つ起動から撮影までの時間を短縮できる省エネ速写モードとを切り替えるモード切替手段と、省エネ速写モードが選択されている場合に、第1撮像手段又は第2撮像手段の動作を停止させる動作停止手段とを有する。モード切替手段により省エネ速写モードが選択されている場合に、動作停止手段は、第1撮像手段の動作を停止させ、撮像制御手段は、第2撮像手段により撮影を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルスチルカメラには、様々なセンサーが搭載され、センサーの大型化が進んでいる。センサーには、オートフォーカス(AF: Auto Focus)用センサーが含まれる。また、デジタルスチルカメラは、高画素化も進んでいる。従って、デジタルスチルカメラの消費電力は益々増大している。
【0003】
一方、デジタルスチルカメラには小型化が要求され、さらに軽量化も要求されている。デジタルスチルカメラの小型化及び軽量化に従って、デジタルスチルカメラに搭載されるバッテリーに対しても小型化が要求される。デジタルスチルカメラに搭載できるバッテリーが小型化されると、バッテリーの容量も小容量となる。バッテリーの容量が小容量となるため、撮影できる写真の枚数も少なくなる。撮影できる写真の枚数が少なくなるため、撮影枚数の低減が課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
消費電力を低減する一例として、ある一定時間以上撮影操作が行われない場合に、センサーの電源を落としたり(切ったり)、液晶表示を切ったりすることなどの工夫がされているデジタルスチルカメラがある。しかし、省電力のためにセンサーを常時起動させないでいると、撮影したいタイミングになってからセンサーを起動させて、AF動作を行わせることになるのでシャッターチャンスを逃してしまう虞がある。
【0005】
また、連続撮影性能(速写性)を高める目的で、速写モードに設定されている場合にはレンズ初期設定駆動の実行を禁止する撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。該撮像装置は、速写モードが選択された状態で、待機モードに移行する場合には沈胴レンズの収納動作を実行しない。また、該撮像装置は、速写モードが選択された状態で、電源が投入された場合にはレンズ初期設定駆動を実行しない。該撮像装置は、センサーを起動させる時間や、AFのための電力が必要となる。センサーを起動させる時間、AFのための電力が必要である点で、消費電力の低減と速写性の両立という問題は解消できていない。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点の少なくとも1つに鑑みてなされたものであり、消費電力を低減しつつ、撮影に要する時間を短縮できる撮像装置及び撮像方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本撮像装置は、
撮像光学系を介して得られる被写体の像を光電変換し、第1画像データを取得する第1撮像手段と、
前記撮像光学系とは異なる光学系を介して得られる被写体の像を光電変換し、第2画像データを取得する第2撮像手段と、
撮像のための制御を行う撮像制御手段と、
通常モードと、該通常モードよりも消費電力が低く、且つ起動から撮影までの時間を短縮できる省エネ速写モードとを切り替えるモード切替手段と、
前記モード切替手段により省エネ速写モードが選択されている場合に、前記第1撮像手段又は前記第2撮像手段の動作を停止させる動作停止手段と
を有し、
前記モード切替手段により省エネ速写モードが選択されている場合に、
前記動作停止手段は、前記第1撮像手段の動作を停止させ、
前記撮像制御手段は、前記第2撮像手段により撮影を行う。
【0008】
本撮像装置は、
撮像光学系を介して得られる被写体の像を光電変換し、第1画像データを取得する第1撮像手段と、
前記撮像光学系とは異なる光学系を介して得られる被写体の像を光電変換し、第2画像データを取得する第2撮像手段と、
撮像のための制御を行う撮像制御手段と、
前記第1画像データをモニタリング表示させる第1モードと、前記第2画像データをモニタリング表示させる第2モードとを切り替える表示モード切替手段と、
バッテリー残量を監視するバッテリー残量監視手段と、
を有し、
前記表示モード切替手段により第2モードが選択され、且つ前記バッテリー残量監視手段により監視されるべきバッテリー残量が所定の閾値以下である場合に、前記第1画像データから前記第2画像データへ、モニタリング表示する画像データを切り替える。
【0009】
本撮像方法は、
撮像光学系を介して得られる被写体の像を光電変換し、第1画像データを取得する第1撮像ステップと、
前記撮像光学系とは異なる光学系を介して得られる被写体の像を光電変換し、第2画像データを取得する第2撮像ステップと、
撮像のための制御を行う撮像制御ステップと、
通常モードと、該通常モードよりも消費電力が低く、且つ起動から撮影までの時間を短縮できる省エネ速写モードとを切り替えるモード切替ステップと、
前記モード切替ステップにより省エネ速写モードが選択されている場合に、前記第1撮像ステップ又は前記第2撮像ステップの動作を停止させる動作停止ステップと
を有し、
前記モード切替ステップにより省エネ速写モードが選択されている場合に、
前記動作停止ステップでは、前記第1撮像ステップの動作を停止させ、
前記撮像制御ステップでは、前記第2撮像ステップにより取得された第2画像データにより撮影を行う。
【0010】
本撮像方法は、
撮像光学系を介して得られる被写体の像を光電変換し、第1画像データを取得する第1撮像ステップと、
前記撮像光学系とは異なる光学系を介して得られる被写体の像を光電変換し、第2画像データを取得する第2撮像ステップと、
撮像のための制御を行う撮像制御ステップと、
前記第1画像データをモニタリング表示させる第1モードと、前記第2画像データをモニタリング表示させる第2モードとを切り替える表示モード切替ステップと、
バッテリー残量を監視するバッテリー残量監視ステップと
を有し、
前記表示モード切替ステップにより第2モードが選択され、且つ前記バッテリー残量監視ステップにより監視されるべきバッテリー残量が所定の閾値以下である場合に、前記第1画像データから前記第2画像データへ、モニタリング表示する画像データを切り替える。
【発明の効果】
【0011】
開示の撮像装置及び撮像方法によれば、消費電力を低減しつつ、撮影に要する時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施例に従った撮像装置の一例を示す外観斜視図である。
【図2】本実施例に従った撮像装置の一例を示す正面透視斜視図である。
【図3】本実施例に従った撮像装置の一例を示す機能ブロック図である。
【図4】本実施例に従った撮像装置により実行される測距方法の一例を示す概要図である。
【図5】本実施例に従った撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本実施例に従った撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本実施例に従った撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本実施例に従った撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】本実施例に従った撮像装置におけるバッテリー残量を示す説明図である。
【図10】本実施例に従った撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明を実施するための形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0014】
<撮像装置>
本撮像装置100は、通常モードよりも消費電力が低く、且つ起動から撮影までの時間を短縮できる省エネ速写モードが設定される場合に、主撮像センサーの起動を停止する。該撮像装置100は、外部AF用センサーを利用して、被写体までの距離を求める。
【0015】
また、本撮像装置100は、バッテリーの残量が所定の閾値未満である場合に、外部AF用センサーのみを起動する。例えば、バッテリーの残量が所定の閾値以上である場合には、外部AF用センサーに加えて主撮像センサーが起動されてもよい。
【0016】
また、本撮像装置100は、外部AF用センサーを常時起動するようにしてもよい。
【0017】
外部AF用センサーは、主撮像センサーよりも消費電力が低い。主撮像センサーよりも消費電力が低いため、主撮像センサー、及び外部AF用センサーの両方を常時起動させる場合よりも消費電力を低減できる。さらに、外部AF用センサーが常時起動されるので、連写性を確保できる。
【0018】
すなわち、主撮像センサーよりも消費電力が低い外部AF用センサーのみを撮影のために常時起動させることにより、連写性を確保しつつ、消費電力を低減できる。また、主撮像センサーよりも消費電力が低い外部AF用センサーのみをバッテリーの残量が所定の閾値未満である場合に常時起動させておくことにより、連写性を確保しつつ、消費電力を低減できる。
【0019】
図1は、本撮像装置100の一例を示す外観斜視図であり、図1(a)は正面斜視図を示し、図1(b)は背面斜視図を示す。
【0020】
本撮像装置100の正面部には、撮像光学系122と、AF光学系134とが配置される。撮像光学系122は、フォーカスレンズを含む撮像レンズ124と、該撮像レンズ124を介して被写体像を取得する第1撮像素子126とを備える。AF光学系134は、測距レンズ1342と、該測距レンズ1342を介して被写体像を取得する第2撮像素子1344とを備える。
【0021】
以下の説明において、撮像光学系122が主撮像センサーとして起動し、距離Lを算出するために取得する画像データを主画像データと呼ぶ。また、AF光学系134が外部AF用センサーとして起動し、距離Lを算出するために取得する画像データをAF画像データと呼ぶ。撮像光学系122とAF光学系134は、本撮像装置100の正面部で離した位置に配置される。
【0022】
また、図1(b)に示すように、本撮像装置100の上端面には、シャッタースイッチであるレリーズボタンSW1(以下、「第1のスイッチ」と呼ばれることもある)、撮影モードを選択するためのモードダイヤルSW2(以下、「第2のスイッチ」と呼ばれることもある)が配置される。例えば、レリーズSW1は2つのスイッチが内部に配置されており、レリーズSW1を「半押し」することにより第1レリーズ信号を発し、レリーズSW1を「全押し」すると第2レリーズ信号を発する。
【0023】
本撮像装置100の背面部には、撮像光学系122又はAF光学系134により取得された被写体画像(スルー画)を表示する表示部106と、撮像装置100の動作に係る各種設定情報の変更操作を行うジョグスイッチSW3が配置される。表示部106は、撮像装置100の動作に係る各種設定情報も表示する。
【0024】
図1(c)は、本撮像装置100の他の例を示す外観斜視図である。図1(c)に示される撮像装置100には、正面部に、図1(a)と同様の撮像光学系122と、図1(a)の撮像光学系122とは異なるAF光学系134を備える。AF光学系134は、2つのAFレンズを介して、該AFレンズにより取得されたAF画像データを用いてAF処理を行う。図1(c)には、AF光学系134が2つのAFレンズを有する例が示されるが、3以上であってもよい。図1(a)に示される撮像装置と同様に、撮像装置100の上端面には、シャッタースイッチであるレリーズボタンSW1、撮影モードを選択するためのモードダイヤルSW2が配置されている。
【0025】
図2は、本撮像装置100の正面透視斜視図の一例を示す。
【0026】
図2(a)は図1(a)に示される撮像装置100に対応する正面透視斜視図であり、図2(b)は図1(c)に示される撮像装置100に対応する正面透視斜視図である。
【0027】
本撮像装置100の内部には、撮影レンズ124を介して被写体像を取得する第1撮像素子126が備えられる。また、本撮像装置100の内部には、AFレンズ1342を介して被写体像を取得する第2撮像素子1344が備えられる。
【0028】
撮影レンズ124とAFレンズ1342は離して配置されているため、AFレンズ1342は撮像レンズ124側に中心軸が傾くように配置される。AFレンズ1342の中心軸が傾くように配置されるのに合わせて、第2撮像素子1344は撮像光学系122側に画角が傾くように配置される。
【0029】
被写体Xまでの距離の測定は、撮像光学系122とAF光学系134の2つの光学系を用いた三角測距方式によりできる。第1撮像素子126及び第2撮像素子1344により取得される被写体Xの像に生じる視差(パララックス)により、主画像データ内の被写体の像の位置とAF画像データ内の被写体Xの像の位置に「ズレ」が生じる。該「ズレ」により測距領域(合焦判定する領域)に被写体Xの像が入らず正確な合焦判定ができない事象が生じる。
【0030】
また、図2(b)に示すように、撮像装置100が正面に備える撮像光学系122の内部には、撮影レンズ124を介して主画像データを取得する第1撮像素子126と、1対のAFレンズ1342a及び1342bと、該1対のAFレンズ1342a及び1342bを介して被写体Xの像(AF画像データ)を取得する1対の第2撮像素子1344a及び1344bとを備える。この場合、被写体Xまでの距離の測定は、AFレンズ1342aと第2撮像素子1344aを有する第1のAF光学系と、AFレンズ1342bと第2撮像素子1344bを有する第2のAF光学系の該2つの光学系を用いた三角測距方式によりできる。AFレンズが3以上の場合には、第2の撮像素子も3以上であってもよい。
【0031】
<本撮像装置100の機能>
図3は、本実施例に従った撮像装置100の機能の一例を示す。
【0032】
本撮像装置100は、中央演算処理装置(CPU: Central Processing Unit)108を有する。CPU108は、レンズ駆動部130が合焦位置へ撮影レンズ124を駆動する際の制御を行う。CPU108は、レンズ駆動部130が絞り・シャッター128を動作させる際の制御を行う。CPU108は、撮像光学系122とAF光学系134が画像取得動作を行う際の制御を行う。該画像取得動作を行う際の制御には、主画像データとAF画像データを取得する際の制御が含まれる。CPU108は、AF光学系134により取得されたAF画像データに対して、DSP102により所定の画像処理が行われる際の制御を行う。
【0033】
また、CPU108は、ユーザが操作部114を操作した際に入力される操作信号に従って所定の処理を行う。該操作部114には、レリーズボタンSW1、モードダイヤルSW2、ジョグスイッチSW3などが含まれる。例えば、CPU108は、レリーズボタンSW1からの第1レリーズ信号に応じてAF光学系134を用いたAF処理の制御を行う。また、例えば、CPU108は、レリーズボタンSW2からの第2レリーズ信号に応じて撮像処理の制御を行う。
【0034】
また、CPU108は、メインコンデンサ120の充電電圧を検出する。CPU108は、該メインコンデンサ120の充電電圧に基づいて、ストロボ発光部116の発光動作の制御を行う。
【0035】
また、CPU108は、通信ドライバ118が外部装置との間で通信制御を行う際の制御を行う。
【0036】
本撮像装置100は、CDS(Correllated Double Sampling)部104を有する。撮影レンズ124を介して第1撮像素子126の受光面上に結像した被写体像は光電変換により電気信号に変換される。CDS部104は、該電気信号に対して相関二重サンプリング処理、A/D変換処理を行う。該CDS部104は、DSP(Digital Signal Processor)102に、該電気信号に対して相関二重サンプリング処理、A/D変換処理することにより得られた被写体像に係るデジタルデータを入力する。
【0037】
本撮像装置100は、CCD(Charge Coupled Devices)駆動部132を有する。該CCD駆動部132は、CPU108と接続される。CCD駆動部132は、CPU108による制御に従って、CDS部104からDSP102に入力されるべきデジタルデータの入力タイミングを制御する。該デジタルデータは、RAW-RGBデータであってもよい。
【0038】
本撮像装置100は、DSP102を有する。該DSP102は、CDS部104と、CPU108と接続される。DSP102は、YUV形式の画像データに、CDS部104により入力されたデジタルデータを変換する。YUV形式の画像データのYUVは、輝度信号(Y)と、該輝度信号と青色成分との差(U)と、該輝度信号と赤色成分との差(V)とを示す。YUV形式では、YUVの3つの情報で色を表す。さらに、DSP102は、YUV形式の画像データをJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式に圧縮する。DSP102は、メモリ110に、JPEG形式に圧縮された画像データを格納する。さらに、該画像データは、メモリカード112に画像ファイルとして記録される。また、DSP102は、CDS部104により入力された画像データを表示部106に出力する。表示部106は、撮影レンズ124を介して取得した被写体像に係る画像を表示する。
【0039】
本撮像装置100は、撮像光学系122を有する。該撮像光学系122には、撮影レンズ124と、絞り・シャッター128と、第1撮像素子126とが含まれる。第1撮像素子126は、CDS部104と、CCD駆動部132と接続される。第1撮像素子126は、CCDイメージセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)を含んでいてもよいし、CMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)を含んでいてもよい。
【0040】
本撮像装置100は、レンズ駆動部130を有する。該レンズ駆動部130は、撮影レンズ124と、絞り・シャッター128と接続される。レンズ駆動部130は、CPU108による制御に従って、合焦位置へ撮影レンズ124を駆動する。また、レンズ駆動部130は、CPU108による制御に従って、絞り・シャッター128を動作させる。
【0041】
本撮像装置100は、AF光学系134を有する。該AF光学系134は、DSP102と接続される。AF光学系134には、AFレンズ1342と、第2撮像素子1344とが含まれる。AF光学系134が、2つのAFレンズ1342a、1342bを含んでもよい。AF光学系134が2つのAFレンズ1342a、1342bを含む場合、第2撮像素子1344も、2つの第2撮像素子1344a、1344bを含む。AF光学系134は、画像取得動作を行う。AF光学系134により取得された画像は、DSP102により表示部106に表示されることもある。
【0042】
本撮像装置100は、メインコンデンサ120を有する。該メインコンデンサ120は、CPU108と接続される。該メインコンデンサ120は、電圧を充電する。該メインコンデンサ120は、CPU108による制御に従って、ストロボ発光部116に電圧を印加する。
【0043】
本撮像装置100は、ストロボ発光部116を有する。ストロボ発光部116は、CPU108と、メインコンデンサ120と接続される。ストロボ発光部116は、CPU108による制御に従って、メインコンデンサ120により印加された電圧により発光する。
【0044】
本撮像装置100は、操作部114を有する。該操作部114は、CPU108と接続される。操作部114は、レリーズボタンSW1、モードダイヤルSW2、ジョグスイッチSW3などが含まれる。操作部114は、ユーザによりレリーズボタンSW1、モードダイヤルSW2、ジョグスイッチSW3などが操作された際に、CPU108に、該当する操作信号を入力する。
【0045】
本撮像装置100は、表示部106を有する。表示部106は、DSP102と接続される。表示部106は、DSP102から入力された画像データを出力する。表示部106は、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、プラズマ(PDP: Plasma Display Panel)ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどであってもよい。
【0046】
本撮像装置100は、メモリ110を有する。メモリ110は、DSP102と接続される。メモリ110は、DSP102からの画像データを格納する。
【0047】
本撮像装置100は、メモリカード112を有する。該メモリカード112は、DSP102と接続される。該メモリカード112は、本撮像装置100との間で着脱可能に構成されてもよい。該メモリカード112は、DSP102からの画像データを画像ファイルとして格納する。
【0048】
本撮像装置100は、通信ドライバ118を有する。該通信ドライバ118は、CPU108と接続される。該通信ドライバ118は、当該撮像装置100と、外部装置との間で通信を行う。例えば、USB(Universal Serial Bus)ドライバであってもよい。
【0049】
<三角測距方法>
図4は、本撮像装置100により実行される測距方法の一例を示す。図4には、本撮像装置100が有する撮像光学系122に含まれる撮影レンズ124と、第1撮像素子126とが図示される。さらに、本撮像装置100が有するAF光学系134に含まれるAFレンズ1342と、第2撮像素子1344とが図示される。その他の構成要素は省略される。被写体Xを撮影対象とする。なお、図4は本撮像装置100を上面側から見た状態を模式的に表している。
【0050】
撮影レンズ124とAFレンズ1342とは基線長B離して配置されている。例えば、第1撮像素子126の中心と、第2撮像素子1344の中心との間の距離が基線長Bである。撮影レンズ124の焦点距離をfL、AFレンズの焦点距離をfRとする。fLはfRのm倍である。すなわち、fL=m×fRの関係が成り立つ。
【0051】
撮影レンズ124を介して被写体Xの像が結像する第1撮像素子126の受光面の位置(以下、「第1結像位置」と呼ぶ)は、基線長Bを基準にしてdLだけ外側である。例えば、第1結像位置は、第1撮像素子126の中心からdLずれる。また、AFレンズ1342を介して被写体Xの像が結像する第2撮像素子1344の受光面の位置(以下、「第2結像位置」と呼ぶ)は、基線長Bを基準にしてdRだけ外側である。例えば、第2結像位置は、第2撮像素子1344の中心からdRずれる。すなわち、測距すべき対象である被写体Xの像は、第1撮像素子126の中心からdLだけ離れた位置が第1結像位置であり、また、第2撮像素子1344の中心からdRだけ離れた位置が第2結像位置である。
【0052】
上記の条件下において、被写体Xまでの距離Lは、式(1)により算出される。
【0053】
L={(B+dL+dR)×m×fR}/(dL+m×dR) (1)
式(1)においては、左右のレンズの焦点距離が異なっていてもよい。また、AFレンズと撮影用の主レンズとを兼用としてもよい。
【0054】
また、AF光学系134が2つのAFレンズ1342a、1342b及び第2撮像素子1344a、1344bを有する場合には、該AF光学系134に含まれる2つのAFレンズ1342a、1342b及び第2撮像素子1344a、1344bによって取得される画像データを用いて被写体Xまでの距離Lを算出するようにしてもよい。2つのAFレンズ1342a、1342b及び第2撮像素子1344a、1344bによって取得される画像データを用いて被写体Xまでの距離Lを算出する場合、2つのAFレンズの焦点距離は等しいので(fL=fR=f)、被写体Xまでの距離Lは、式(2)により算出できる。
【0055】
L={(B+dL+dR)×f}/(dL+dR) (2)
式(1)、式(2)により、測距に用いる2つのレンズ(L側とR側)の焦点距離が異なっていても、同じであっても、被写体Xまでの距離を求めるには、基線長Bを基準として被写体像が結像している位置を特定できればよい。
【0056】
基線長Bは、撮像装置100の製造時に決定される。焦点距離比mは撮影レンズ124の焦点距離fLによって変わる。該焦点距離fLはレンズ駆動部130を介してCPU108により把握されるため、焦点距離比mは所定のレンズ位置によって決定される。よって、被写体Xの距離Lは、dLとdRが特定されることにより算出される。
【0057】
被写体の像が撮像素子上に結像する位置を特定することにより、dLとdRとを特定することができる。例えば、被写体の距離を算出するために用いる画像データの領域(測距領域)を特定することにより、被写体の像が撮像素子上に結像する位置を特定できる。
【0058】
<本撮像装置の動作>
<メイン処理>
図5は、本撮像装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0059】
本撮像装置100は、「記録モード」に設定されている。該「記録モード」では、メモリ110に、圧縮された画像データが格納される。例えば、圧縮形式には、JPEG形式が含まれる。
【0060】
「記録モード」に設定された状態で、撮像装置100の電源がオンにされると、当該撮像装置100内部のハードウェア初期化やメモリカード112内のファイル情報を、メモリ110内に作成するなどの初期処理が行われる。
【0061】
初期処理の後、メイン処理が開始される。
【0062】
本撮像装置100は、モニタリング状態であるかどうかをチェックする(ステップS502)。例えば、CPU108は、当該撮像装置100がモニタリング状態であるかどうかを判定する。
【0063】
モニタリング停止状態であると判定した場合(ステップS502:NO)、本撮像装置100は、モニタリングを開始する(ステップS504)。例えば、CPU108は、スルーを開始するように制御する。モニタリングを開始する際には、撮像光学系122の駆動を開始し、また該駆動と併行してモニタリング処理を開始する。メイン処理に最初に入った場合にもモニタリング開始処理は実行される。
【0064】
モニタリング処理では、スルー画像を表示する際に、自動露出 (AE: Automatic Exposure) 機能、オートホワイトバランス(AWB: Auto White Balance)機能により追尾処理が実行される。該自動露出機能、オートホワイトバランス機能により、適正な明るさ、自然な色合いに、本撮像装置100の表示部106に表示されるべき画像を保つことができる。
【0065】
具体的には、DSP102は、撮像部のデータから、各AE、AWBに対する評価値を求め、CPU108に入力する。CPU108は、DSP102により入力された評価値が所定の値になるように、CCD駆動部132に電子シャッター秒時をセットする。撮像素子の電子シャッターには設定可能な最長秒時、最短時間の限界がある。CPU108は、被写体の輝度に応じて、限界以上の露光アンダー、露光オーバーがある場合は、絞り・シャッター128の絞り径を変更するためにレンズ駆動部130を制御したり、撮像信号の第1撮像素子126における増幅率を変更するためにCCD駆動部132を制御したりする。また、CPU108は、DSP102が画像処理を行う際の色パラメータを調節するためにフィードバック制御も行う。
【0066】
モニタリング処理、操作部114に含まれるスイッチの読み込み処理は併行して実行される。具体的には、定期タイマーによる割り込みで実行される。例えば、該定期タイマーには、所定の時間、例えば20msが設定される。
【0067】
本撮像装置100は、撮影モードが選択されているかどうかを判定する(ステップS506)。例えば、CPU108は、撮影モードが選択されているかどうかを判定する。
【0068】
撮影モードが選択されていると判定された場合(ステップS506:YES)、本撮像装置100は、充電を開始する(ステップS508)。例えば、メインコンデンサ120は、CPU108による命令に従って、充電を開始する。
【0069】
ステップS506により撮影モードが選択されていないと判定された場合(ステップS506:NO)、及びステップS508により充電が開始された後、本撮像装置100は、第1スイッチ(SW1)がオンにされたかどうかを判定する(ステップS510)。例えば、CPU108は、操作部114に含まれる第1スイッチがオンにされたかどうかを判定する。
【0070】
第1スイッチがオンにされたと判定された場合(ステップS510:YES)、本撮像装置100は、第2スイッチ(SW2)がオンにされたかどうかを判定する(ステップS512)。例えば、CPU108は、操作部114に含まれる第2スイッチがオンにされたかどうかを判定する。
【0071】
ステップS510により第1スイッチがオンであると判定されない場合(ステップS510:NO)、ステップS510に戻る。第1のスイッチがオンにされるまで同様の処理が行われる。
【0072】
ステップS512により第2のスイッチがオンにされたと判定された場合(ステップS512:YES)、本撮像装置100は、モニタリング停止処理を行う(ステップS514)。例えば、CPU108は、モニタリングを停止する。
【0073】
本撮像装置100は、静止画記録処理を行う(ステップS516)。例えば、操作部114には、シャッター釦が含まれる。静止画撮影が行われる際には、該シャッター釦の第1スイッチがオンにされると、AE処理が行われる。AE処理では、撮像データがDSP102により評価される。DSP102は、CCD駆動部132に設定すべき撮影露出の際のCCDの露光時間の値を設定する。また、DSP102は、第1撮像素子126に設定すべき増幅率を設定する。DSP102は、メモリ110に、JPEG形式に圧縮された画像データを格納する。静止画記録処理の後、ステップS502に戻る。
【0074】
ステップS512により第2スイッチがオンにされていると判定されない場合(ステップS512:NO)、本撮像装置100は、その他のスイッチがオンにされたかどうかを判定する(ステップS518)。例えば、CPU108は、操作部114に含まれる第1及び第2スイッチ以外のスイッチがオンにされたかどうかを判定する。
【0075】
その他のスイッチがオンにされたと判定された場合(ステップS518:YES)、本撮像装置100は、オンにされたスイッチに対応する処理を行う(ステップS520)。例えば、CPU108は、オンにされたスイッチに対応する処理を行う。オンにされたスイッチに対応する処理の後、ステップS502に戻る。
【0076】
その他のスイッチがオンにされたと判定されない場合(ステップS518:NO)、本撮像装置100は、モニタリング停止処理を行う(ステップS522)。例えば、CPU108は、モニタリングを停止する。
【0077】
本撮像装置100は、自動露出処理を行う(ステップS524)。例えば、CPU108は、DSP102により入力されるべきAEに対する評価値に基づいて、該評価値が所定の値になるように、CCD駆動部132に電子シャッター秒時をセットする。
【0078】
本撮像装置100は、オートフォーカス処理を行う(ステップS526)。AF処理では、例えば、三角測距機構による三角測距方式が利用される。例えば、CPU108は、レンズ駆動部130を制御することにより、撮影レンズ124を駆動することによりオートフォーカス処理を行う。オートフォーカス処理の終了後、ステップS502に戻る。
【0079】
図5に示されるフローチャートに関して、ステップS510、S512、及びS518により示されるメイン処理のスイッチ(SW)判定処理は、定期タイマーによる割り込み処理により入力されるスイッチが押されたかどうかを表すSW情報を確定することにより実行されてもよい。本撮像装置100は、SW情報を確定することにより操作されたSWに対応する処理を行う。例えば、割り込みは、20ms毎に実行される。有効なSW情報がない場合、なにもせず、再びSW判定処理に戻るループを繰り返す。
【0080】
<測距処理方法>
次に、本撮像装置100による被写体Xまでの距離Lを特定する処理について説明する。被写体までの距離Lは、dLとdRとを特定することにより算出される。図6は、被写体Xまでの距離Lを特定することにより実行されるAF処理を示すフローチャートである。
【0081】
本撮像装置100は、dL´と、dRとを演算により求める(ステップS602)。dL´は、AF処理が開始された際の変化量により示されてもよい。例えば、DSP108は、撮像光学系122又はAF光学系134に含まれる撮像素子上に被写体の像が結像する位置を特定することにより、dL´とdRとを特定することができる。更に、本撮像装置100は、dL´をdLに変換する。第1結像素子126の中心からのずれ量に変換する。
【0082】
本撮像装置100は、距離Lを演算する。例えば、DSP102は、CPU108に、dLとdRとを入力する。CPU108は、DSP102により入力されたdLとdRとに基づいて、距離Lを算出する。例えば、CPU108は、式(1)又は(2)により距離Lを算出する。
【0083】
本撮像装置100は、ステップS604による演算により算出された距離Lを主レンズの繰り出し量に変換する(ステップS606)。例えば、CPU108は、距離Lを主レンズの繰り出し量に変換する。具体的には。距離Lから既に繰り出されている量を減算することにより主レンズの繰り出し量を求めるようにしてもよい。
【0084】
本撮像装置100は、主レンズの繰り出しを行う(ステップS608)。例えは、CPU108は、ステップS606により距離Lが変換されたことにより求められた主レンズの繰り出し量をレンズ駆動部130に設定する。レンズ駆動部130は、CPU108に設定された主レンズの繰り出し量に基づいて、主レンズの繰り出しを行う。
【0085】
<省エネ速写モードにおける処理>
図7は、省エネ速写モードにおける処理の一例を示すフローチャートである。省エネ速写モードは、通常モードよりも消費電力が低く、且つ起動から撮影までの時間を短縮できる動作モードである。省エネ速写モードは、設定メニューからスリープ時の動作として予め設定される。
【0086】
図7には、スリープ時の動作として、省エネ速写モードが設定された場合について示される。スリープ動作には、操作部114からの釦操作が所定時間行われない場合に移行する。スリープ動作では、省エネ速写モードが設定されている場合には主撮像センサーの動作を停止し、表示部106への表示も停止させる。
【0087】
また、外部AF素子(第2の撮像素子1344)は撮影の際に用いるセンサーを残して電源供給を停止させる。例えば、2つのAFレンズ1342a及び1342b、第2撮像素子1344a及び1344bのうちの一方への電源供給を停止してもよい。3以上のAFレンズ、及び第2撮像素子を有する場合には、一部のAFレンズ、及び第2撮像素子を残して電源供給を停止させてもよい。該一部のAFレンズ、及び第2撮像素子は、1つであってもよいし複数であってもよい。
【0088】
次に、シャッター釦が押下されるまで待機する。シャッター釦が押下されると起動している外部AF素子によりピント合わせを行い、撮影を実行し、画像を保存する。次のシャッター釦がオンにされるまでスリープ状態に戻る。
【0089】
フローチャートを参照して説明する。
【0090】
本撮像装置100は、釦操作が行われないかどうか判定する(ステップS702)。例えば、CPU108は、ユーザにより操作部114の釦操作が行われないかどうかを判定する。
【0091】
釦操作が行われないと判定された場合(ステップS702:YES)、本撮像装置100は、スリープ移行時間が経過したかどうかを判定する(ステップS704)。例えば、CPU108は、釦操作が行われなくなってからの経過時間を検出する。該CPU108は、該経過時間がスリープ移行時間以上かどうかを判定することにより、スリープ移行時間が経過したかどうかを判定する。
【0092】
スリープ移行時間が経過したと判定された場合(ステップS704:YES)、本撮像装置100は、スリープ状態に移行する(ステップS706)。例えば、CPU108は、本撮像装置100をスリープ状態に設定する。
【0093】
本撮像装置100は、スリープ状態に移行した後、省エネ速写モードが選択されているかどうかを判定する(ステップS708)。例えば、CPU108は、省エネ速写モードに設定されているかどうかを判定する。
【0094】
省エネ速写モードに設定されていると判定された場合(ステップS708:YES)、本撮像装置100は、主撮像センサーのみ停止する(ステップS710)。例えば、CPU108は、主撮像センサーへの電源供給を停止するように制御する。
【0095】
ステップS702により釦操作がないと判定されない場合(ステップS702:NO)、ステップS704によりスリープ移行時間が経過していないと判定された場合(ステップS704:NO)、及び省エネ連写モードが選択されていないと判定された場合(ステップS708:NO)、ステップS702に戻る。釦操作が行われないかどうかを判定する処理から実行される。
【0096】
本撮像装置100は主撮像センサーのみ停止した後、外部AF素子を1つ残して停止する(ステップS712)。例えば、CPU108は、AF光学系134が複数のAFレンズ、第2撮像素子を有する場合には、1つを残して停止するように制御してもよい。
【0097】
本撮像装置100は、シャッター釦をオンにする指令が実行されたかどうかを判定する(ステップS714)。例えば、CPU108は、ユーザが操作部114を操作することにより、シャッター釦がオンにされたかどうかを判定する。
【0098】
シャッター釦がオンにされたと判定された場合(ステップS714:YES)、本撮像装置100は、外部AFセンサーで撮影を実行する(ステップS716)。
【0099】
本撮像装置100は、スリープ状態に移行する(ステップS718)。CPU108は、撮影が実行された後、スリープ状態に移行するように制御する。
【0100】
ステップS714によりシャッター釦がオンにされたと判定されない場合(ステップS714:NO)は、ステップS714に戻る。
【0101】
このように、外部AF素子を1つだけ残して、主画像センサー、残りの外部AF素子の動作を停止することにより、待機の際の消費電力を低減しつつ、速写性を確保することができる。
【0102】
<バッテリー残り容量が少ない場合の動作(その1)>
図8は、バッテリー残り容量が少ないときに、外部AFセンサーで撮影する場合の動作を示すフローチャートである。
【0103】
本撮像装置100は、搭載されたバッテリー電圧が所定値以下になったかどうかを監視し、所定値以下になったときにバッテリー残量が少ないと判断する。バッテリー残量が少ないときの動作モードには、外部AFセンサーモードが含まれる。ユーザは、設定メニューが表示されている状態で、操作部114を操作することにより外部AFセンサーモードに設定できる。
【0104】
該外部AFセンサーモードでは、主撮像センサーが動作中の場合には、外部AFセンサー出力画像に、モニタリング映像が切り換えられる。本撮像装置100は、モニタリング映像を切り替えた後、主撮像センサーの動作を停止させるために電源供給を停止させる。また、本撮像装置100は、外部AFセンサーについてもモニタリングに使用するセンサー以外の動作を停止させるために電源供給を停止させる。
【0105】
主撮像センサー及びモニタリングに使用するセンサー以外の動作を停止させた状態で、シャッター釦の押下が実行されると、モニタリングを行っている外部AFセンサーで撮影を行い、撮影された画像を保存し、再びシャッターボタンが押下されるまで待機させる。.
フローチャートを参照して説明する。
【0106】
本撮像装置100は、バッテリー残量が閾値以下であるかどうかを判定する(ステップS802)。例えば、CPU108は、バッテリーの残量が閾値以下であるかどうかを判定する。
【0107】
図9は、本撮像装置100におけるバッテリー残量を示す。
【0108】
例えば、省エネ動作を行うべき電圧として、所定のバッテリー電圧の閾値が設定される。バッテリー電圧が該バッテリー電圧閾値以下である場合にバッテリー残量が閾値以下であると判定され、バッテリー電圧が該バッテリー電圧閾値超である場合にバッテリー残量が閾値以下でないと判定される。
【0109】
バッテリー残量が閾値以下であると判定された場合(ステップS802:YES)、本撮像装置100は、外部AFセンサーモードに移行することが許可されているかどうかを判定する(ステップS804)。例えば、CPU108は、外部AFセンサーモードに移行することが許可されているかどうかを判定する。
【0110】
外部AFセンサーモードに移行することが許可されていると判定された場合(ステップS804:YES)。本撮像装置100は、主撮像センサーが動作中であるかどうかを判定する(ステップS806)。例えば、CPU108は、外部AFセンサーモードに移行することが許可されている場合、主撮像センサーが動作中であるかどうかを判定する。
【0111】
主撮像センサーが動作中であると判定された場合(ステップS806:YES)、本撮像装置100は、モニタリング画像を外部AF画像に切替える(ステップS808)。例えば、CPU108は、モニタリング画像を、主画像から外部AF画像に切替える。
【0112】
本撮像装置100は、主撮像センサーを停止する(ステップS810)。例えば、CPU108は、主撮像センサーへの電源供給を停止するように制御する。
【0113】
ステップS802によりバッテリー残量が閾値超であると判定された場合(ステップS802:NO)、ステップS804により外部AFセンサーモードに移行することが許可されていないと判定された場合(ステップS804:NO)、及びステップS806により主撮像センサーが動作中であると判定されない場合(ステップS806:NO)、ステップS802に戻り、バッテリー残量が閾値以下であるかどうかを判定する処理から実行される。
【0114】
本撮像装置100は主撮像センサーのみ停止した後、外部AF素子を1つ残して停止する(ステップS812)。停止されない外部AF素子は、モニタリングに使用される。例えば、CPU108は、AF光学系134が複数のAFレンズ、第2撮像素子を有する場合には、1つを残して停止するように制御する。
【0115】
本撮像装置100は、シャッター釦をオンにする指令が実行されたかどうかを判定する(ステップS814)。例えば、CPU108は、ユーザが操作部114を操作することにより、シャッター釦がオンにされたかどうかを判定する。
【0116】
シャッター釦がオンにされたと判定された場合(ステップS814:YES)、本撮像装置100は、外部AFセンサーで撮影を実行する(ステップS816)。
【0117】
本撮像装置100は、撮影画像を表示する(ステップS818)。例えば、DSP102は、撮影画像を表示部106に表示させる。
【0118】
本撮像装置100は、外部AFセンサーにより取得されるべき画像によりモニタリングを行う(ステップS820)。例えば、CPU108は、モニタリングを行うように制御する。
【0119】
ステップS814によりシャッター釦がオンにされたと判定されない場合(ステップS814:NO)は、ステップS814に戻り、シャッター釦がオンにされたかどうかが判定される。
【0120】
本撮像装置100によれば、主撮像センサーよりも消費電力の低い外部AF用センサーのみを撮影のために常時起動させることにより、速写性を確保しつつ、消費電力を低減できる。
【0121】
<バッテリー残り容量が少ない場合の動作(その2)>
図10は、バッテリー残り容量が少ないときに、主撮像センサーで撮影する場合の動作を示すフローチャートである。図10に示されるフローチャートでは、外部AFセンサーでスルー画を表示させることにより、コントラストAFを行う処理は行われない。
【0122】
本撮像装置100は、搭載されたバッテリー電圧が所定値以下になったかどうかを監視し、所定値以下になったときにバッテリー残量が少ないと判断する。バッテリー残量が少ないときの動作モードとして外部AFセンサーモードが操作部114から設定メニューで設定される。
【0123】
該外部AFセンサーモードでは、主撮像センサーが動作中の場合には、外部AFセンサー出力画像に、モニタリング映像が切り換えられる。本撮像装置100は、モニタリング映像を切り替えた後、主撮像センサーの動作を停止させるために電源供給を停止させる。また、本撮像装置は、モニタリング映像を切り替えた状態でシャッター釦の押下が実行されると、主撮像センサーを起動させる。本撮像装置は、該主撮像センサーと、外部AFセンサーにより測距を実施し、該測距結果に従って主レンズを繰り出す。本撮像装置は、レンズ繰り出し後、撮影を行う。撮影後、本撮像装置100は、主撮像センサーの動作を停止させて、再び外部AFのモニタリングに戻る。本撮像装置100は、再びシャッターボタンが押下されるまで待機させる。
【0124】
具体的に説明する。
【0125】
本撮像装置100は、バッテリー残量が閾値以下であるかどうかを判定する(ステップS1002)。例えば、CPU108は、バッテリーの残量が閾値以下であるかどうかを判定する。例えば、省エネ動作を行うべき電圧として、所定のバッテリー電圧の閾値が設定される。バッテリー電圧が該バッテリー電圧閾値以下である場合にバッテリー残量が閾値以下であると判定され、バッテリー電圧が該バッテリー電圧閾値超である場合にバッテリー残量が閾値以下でないと判定される。
【0126】
バッテリー残量が閾値以下であると判定された場合(ステップS1002:YES)、本撮像装置100は、外部AFセンサーモードに移行することが許可されているかどうかを判定する(ステップS1004)。例えば、CPU108は、外部AFセンサーモードに移行することが許可されているかどうかを判定する。
【0127】
外部AFセンサーモードに移行することが許可されていると判定された場合(ステップS1004:YES)。本撮像装置100は、主撮像センサーが動作中であるかどうかを判定する(ステップS1006)。例えば、CPU108は、外部AFセンサーモードに移行することが許可されている場合、主撮像センサーが動作中であるかどうかを判定する。
【0128】
主撮像センサーが動作中であると判定された場合(ステップS1006:YES)、本撮像装置100は、モニタリング画像を外部AF画像に切替える(ステップS1008)。例えば、CPU108は、モニタリング画像を、主画像から外部AF画像に切替える。
【0129】
本撮像装置100は、主撮像センサーを停止する(ステップS1010)。例えば、CPU108は、主撮像センサーへの電源供給を停止するように制御する。
【0130】
ステップS1002によりバッテリー残量が閾値超であると判定された場合(ステップS1002:NO)、ステップS1004により外部AFセンサーモードに移行することが許可されていないと判定された場合(ステップS1004:NO)、及びステップS1006により主撮像センサーが動作中であると判定されない場合(ステップS1006:NO)、ステップS1002に戻り、バッテリー残量が閾値以下であるかどうかを判定する処理から実行される。
【0131】
本撮像装置100は、シャッター釦をオンにする指令が実行されたかどうかを判定する(ステップS1012)。例えば、CPU108は、ユーザが操作部114を操作することにより、シャッター釦がオンにされたかどうかを判定する。
【0132】
シャッター釦がオンにされたと判定された場合(ステップS1012:YES)、本撮像装置100は、主撮像センサーを起動する(ステップS1014)。例えば、CPU108は、主撮像センサーを起動するように制御する。
【0133】
本撮像装置100は、外部AFセンサーによる測距処理を行う(ステップS1016)。例えば、CPU108は、DSP102により取得されたAF画像データに基づくdRに基づいて測距処理を行う。該測距処理の結果、距離Lが求められる。なお、DSP102により取得された主画像データとAF画像データに基づいて測距処理を行ってもよい。
【0134】
本撮像装置100は、主レンズの繰り出しを行う(ステップS1018)。例えば、CPU108は、距離Lに基づいて、主レンズの繰り出しを行う。
【0135】
本撮像装置100は、主撮像素子により撮影を実行する(ステップS1020)。例えば、CPU108は、主撮像素子(第1撮像素子126)により撮影を実行する。
【0136】
本撮像素子100は、撮影画像を表示する(ステップS1022)。例えば、DSP102は、撮影画像を表示部106に表示させる。
【0137】
本撮像素子100は、主撮像センサーを停止する(ステップS1024)。例えば、CPU108は、主撮像センサーを停止するように制御する。
【0138】
本撮像装置100は、外部AFセンサーにより取得されるべき画像によりモニタリングを行う(ステップS1026)。例えば、CPU108は、モニタリングを行うように制御する。
【0139】
ステップS1012によりシャッター釦がオンにされたと判定されない場合(ステップS1012:NO)は、ステップS1012に戻り、シャッター釦がオンにされたかどうかが判定される。
【0140】
本撮像装置によれば、バッテリー残り容量が少ないときに、コントラストAFを行わないで外部AFのみでの合焦に自動的に切り換えることにより、主撮像センサーによるコントラストAFで撮影し続けるよりも、消費電力を低減できるため、撮影可能枚数を増加させることができる。また、コントラストAFを行わないことにより速写性を確保できる。
【0141】
以上、本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に従った装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
【符号の説明】
【0142】
100 撮像装置
102 DSP(Digital Signal Processor)
104 CDS(Correllated Double Sampling)部
106 表示部
108 中央演算処理装置(CPU: Central Pricessing Unit)
110 メモリ
112 メモリカード
114 操作部
116 ストロボ発光部
118 通信ドライバ
120 メインコンデンサ
122 撮像光学系
124 撮影レンズ
126 第1撮像素子
128 絞り・シャッター
130 レンズ駆動部
132 CCD(Charge Coupled Devices)駆動部
134 AF(Auto Focus)光学系
1342、1342a、1342b AFレンズ
1344、1344a、1344b 第2撮像素子
【先行技術文献】
【特許文献】
【0143】
【特許文献1】特開2003−140216号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像光学系を介して得られる被写体の像を光電変換し、第1画像データを取得する第1撮像手段と、
前記撮像光学系とは異なる光学系を介して得られる被写体の像を光電変換し、第2画像データを取得する第2撮像手段と、
撮像のための制御を行う撮像制御手段と、
通常モードと、該通常モードよりも消費電力が低く、且つ起動から撮影までの時間を短縮できる省エネ速写モードとを切り替えるモード切替手段と、
前記モード切替手段により省エネ速写モードが選択されている場合に、前記第1撮像手段又は前記第2撮像手段の動作を停止させる動作停止手段と
を有し、
前記モード切替手段により省エネ速写モードが選択されている場合に、
前記動作停止手段は、前記第1撮像手段の動作を停止させ、
前記撮像制御手段は、前記第2撮像手段により撮影を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記第2撮像手段は複数の撮像素子を有し、
前記モード切替手段により省エネ速写モードが選択されている場合に、
前記動作停止手段は、前記第2撮像手段の複数の撮像素子のうち、1つの撮像素子を除いて残りの撮像素子の動作を停止させ、
前記撮像制御手段は、前記動作している1つの撮像素子を用いて撮影を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
撮像光学系を介して得られる被写体の像を光電変換し、第1画像データを取得する第1撮像手段と、
前記撮像光学系とは異なる光学系を介して得られる被写体の像を光電変換し、第2画像データを取得する第2撮像手段と、
撮像のための制御を行う撮像制御手段と、
前記第1画像データをモニタリング表示させる第1モードと、前記第2画像データをモニタリング表示させる第2モードとを切り替える表示モード切替手段と、
バッテリー残量を監視するバッテリー残量監視手段と、
を有し、
前記表示モード切替手段により第2モードが選択され、且つ前記バッテリー残量監視手段により監視されるべきバッテリー残量が所定の閾値以下である場合に、前記第1画像データから前記第2画像データへ、モニタリング表示する画像データを切り替えることを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項3に記載の撮像装置において、
前記撮像制御手段は、シャッター釦が押下された際に前記第1撮像手段を起動し、前記第2の画像データを利用して算出された前記被写体までの距離に基づいて、前記第1撮像手段による撮像を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項3に記載の撮像装置において、
前記撮像制御手段は、シャッター釦が押下された際に前記第1撮像手段を起動し、前記第1画像データ及び前記第2の画像データを利用して算出された前記被写体までの距離に基づいて、前記第1撮像手段による撮像を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
撮像光学系を介して得られる被写体の像を光電変換し、第1画像データを取得する第1撮像ステップと、
前記撮像光学系とは異なる光学系を介して得られる被写体の像を光電変換し、第2画像データを取得する第2撮像ステップと、
撮像のための制御を行う撮像制御ステップと、
通常モードと、該通常モードよりも消費電力が低く、且つ起動から撮影までの時間を短縮できる省エネ速写モードとを切り替えるモード切替ステップと、
前記モード切替ステップにより省エネ速写モードが選択されている場合に、前記第1撮像ステップ又は前記第2撮像ステップの動作を停止させる動作停止ステップと
を有し、
前記モード切替ステップにより省エネ速写モードが選択されている場合に、
前記動作停止ステップでは、前記第1撮像ステップの動作を停止させ、
前記撮像制御ステップでは、前記第2撮像ステップにより取得された第2画像データにより撮影を行うことを特徴とする撮像方法。
【請求項7】
撮像光学系を介して得られる被写体の像を光電変換し、第1画像データを取得する第1撮像ステップと、
前記撮像光学系とは異なる光学系を介して得られる被写体の像を光電変換し、第2画像データを取得する第2撮像ステップと、
撮像のための制御を行う撮像制御ステップと、
前記第1画像データをモニタリング表示させる第1モードと、前記第2画像データをモニタリング表示させる第2モードとを切り替える表示モード切替ステップと、
バッテリー残量を監視するバッテリー残量監視ステップと
を有し、
前記表示モード切替ステップにより第2モードが選択され、且つ前記バッテリー残量監視ステップにより監視されるべきバッテリー残量が所定の閾値以下である場合に、前記第1画像データから前記第2画像データへ、モニタリング表示する画像データを切り替えることを特徴とする撮像方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−65079(P2012−65079A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206521(P2010−206521)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】